(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】飲料供給機
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20221206BHJP
H01H 9/04 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
H01H9/04 C
(21)【出願番号】P 2018191340
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 健
(72)【発明者】
【氏名】田村 文一
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-225571(JP,A)
【文献】特開2008-132917(JP,A)
【文献】特開2016-078468(JP,A)
【文献】実開昭59-061422(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0218233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
H01H 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板の板面を覆う操作パネルと、
前記電子基板の前記板面に実装された電子部品に接続されて回転可能に設けられ前記操作パネルに形成された孔を介して前記操作パネルから突出して設けられた操作ダイヤルと、
前記操作ダイヤルと前記電子基板の前記板面との間に設けられた防壁と、
前記電子基板に取り付けられて前記操作ダイヤルの周りを囲んで配置された支持部材と
を備え
、
前記防壁は、前記支持部材に設けられており、
前記支持部材は、前記操作パネルの内面に対向して前記操作ダイヤルを囲む円弧状の端面を有し、前記端面は、前記操作ダイヤルを囲む内周に位置する内端面部と前記操作ダイヤルを囲む外周に位置する外端面部とに分離する段差が形成され、当該段差により前記内端面部が前記外端面部よりも前記操作パネルの前記内面から遠ざかるように形成されていることを特徴とする飲料供給機。
【請求項2】
前記防壁は、前記孔を介して浸入した水を前記電子基板の外側に排水することを特徴とする請求項1に記載の飲料供給機。
【請求項3】
前記電子基板は、前記板面を水平方向に対して立てて配置され、前記防壁は、前記電子基板の前記板面に沿う板状に形成され、当該板状の前記操作ダイヤルに向く面に沿って上下方向に延在するリブが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料供給機。
【請求項4】
前記電子基板の前記板面に前記操作ダイヤルの周囲に沿って複数の発光素子が設けられており、前記支持部材は、各前記発光素子を個々に囲み前記操作パネルに向けて前記端面にて開口する複数の遮光部が形成されていることを特徴とする請求項
1~3のいずれか1項に記載の飲料供給機。
【請求項5】
前記支持部材は、前記操作ダイヤルの回転の中心に設けられた軸部を挿通する筒状の凸部が形成されていることを特徴とする請求項
1~
4のいずれか1項に記載の飲料供給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料供給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料供給機は、使用者の操作に応じて水などの飲料物を注出口から容器に注ぎ出す。飲料供給機は、操作パネルから操作ダイヤルが突出して設けられている。操作ダイヤルは、例えば、注出口から注ぎ出される飲料物の設定を回転操作により行うために、回転可能に設けられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の飲料供給機は、操作ダイヤルを回転可能とするために操作パネルに形成した孔を介して操作ダイヤルを突出させており、操作ダイヤルと操作パネルとの間に隙間が生じている。操作ダイヤルは、電子基板に実装された電子機器に接続されている。このような構成において、例えば、飲料供給機の上部に設置されるボトルの水が操作パネルに滴った場合、この水が操作ダイヤルと操作パネルとの隙間から浸入して電子基板に付着するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水の浸入から電子基板を保護することのできる飲料供給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る飲料供給機は、電子基板の板面を覆う操作パネルと、前記電子基板の前記板面に実装された電子部品に接続されて回転可能に設けられ前記操作パネルに形成された孔を介して前記操作パネルから突出して設けられた操作ダイヤルと、前記操作ダイヤルと前記電子基板の前記板面との間に設けられた防壁と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記飲料供給機において、前記防壁は、前記孔を介して浸入した水を前記電子基板の外側に排水することが好ましい。
【0008】
また、上記飲料供給機において、前記電子基板は、前記板面を水平方向に対して立てて配置され、前記防壁は、前記電子基板の前記板面に沿う板状に形成され、当該板状の前記操作ダイヤルに向く面に沿って上下方向に延在するリブが形成されていることが好ましい。
【0009】
また、上記飲料供給機において、前記電子基板に取り付けられて前記操作ダイヤルの周りを囲んで配置された支持部材をさらに備え、前記防壁は、前記支持部材に設けられていることが好ましい。
【0010】
また、上記飲料供給機において、前記支持部材は、前記操作パネルの内面に対向して前記操作ダイヤルを囲む円弧状の端面を有し、前記端面は、前記操作ダイヤルを囲む内周に位置する内端面部と前記操作ダイヤルを囲む外周に位置する外端面部とに分離する段差が形成され、当該段差により前記内端面部が前記外端面部よりも前記操作パネルの前記内面から遠ざかるように形成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記飲料供給機において、前記電子基板の前記板面に前記操作ダイヤルの周囲に沿って複数の発光素子が設けられており、前記支持部材は、各前記発光素子を個々に囲み前記操作パネルに向けて前記端面にて開口する複数の遮光部が形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記飲料供給機において、前記支持部材は、前記操作ダイヤルの回転の中心に設けられた軸部を挿通する筒状の凸部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る飲料供給機では、操作パネルの孔から操作パネルの内側に浸入した水は、操作ダイヤルと電子基板との間に設けられた防壁により遮られ電子基板に至らない。従って、本発明に係る飲料供給機は、防壁により、水の浸入から電子基板を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、飲料供給機の構成例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、飲料供給機の構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、飲料供給機の要部の構成例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、飲料供給機の要部の構成例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、飲料供給機の要部の構成例を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0016】
[実施形態]
実施形態に係る飲料供給機について説明する。
図1は、飲料供給機の構成例を示す模式図である。
図2は、飲料供給機の構成例を示す斜視図である。
図3は、飲料供給機の要部の構成例を示す斜視図である。
図4は、飲料供給機の要部の構成例を示す断面図である。
図5は、飲料供給機の要部の構成例を示す拡大斜視図である。
【0017】
飲料供給機1は、例えば、ウォーターサーバーであり、使用者の操作に応じて飲料水などの飲料物を容器に注ぎ出すものである。飲料供給機1は、
図1に示すように、貯留部10と、供給機本体20と、注出装置30と、操作部40と、を備える。
【0018】
貯留部10は、飲料水などの飲料物を貯留する容器である。貯留部10は、内部に飲料物が貯留された状態で、供給機本体20の上部に配置されるものであり、供給機本体20に保持または収容される。貯留部10は、例えば、貯留された飲料物が使い果たされた際に、飲料物が貯留された新たな容器に交換される。本実施形態では、貯留部10は、供給機本体20の鉛直方向における上側で保持されるものとして例示する。
【0019】
供給機本体20は、貯留部10の飲料物を注出装置30に供給するものである。例えば、供給機本体20は、貯留部10から流入してきた飲料物を常温で注出装置30に供給したり、冷やしたり温めたりして注出装置30に供給する。供給機本体20は、筐体21の内部に、図には明示しないが、分配供給路と、保冷容器と、保温容器と、冷水流路と、温水流路と、常温流路と、を備える。分配供給路は、飲料物の流入側が貯留部10に接続され、貯留部10から流入してきた飲料物を、例えば、保冷容器、保温容器、または常温流路に分配する。保冷容器は、冷却装置を備えて使用者などが設定した所定温度に飲料物を冷やして貯留する。保温容器は、加熱装置を備えて使用者などが設定した所定温度に飲料物を温めて貯留する。冷水流路は、保冷容器に接続されて保冷容器の冷たい飲料物を注出装置30に流す。温水流路は、保温容器に接続されて保温容器の温かい飲料物を注出装置30に流す。常温流路は、分配供給路を介して貯留部10に接続され、貯留部10の常温の飲料物を注出装置30に流す。
【0020】
供給機本体20は、筐体21の正面側にフロントパネル210が配置される。フロントパネル210は、中央部に矩形の開口210Aが形成され、当該開口210Aに意匠パネル211が取り付けられる。意匠パネル211は、合成樹脂材料などから形成され、
図1および
図2に示すように、その鉛直方向の上部に正面側に突出した凸所211Aを有し、鉛直方向の下部に背面側に凹んだ凹所211Bを有する。意匠パネル211は、凸所211Aに操作部40が設けられ、凹所211Bに注出装置30が設けられる。
【0021】
注出装置30は、使用者の操作に応じて供給機本体20の飲料物を注ぎ出すものである。注出装置30は、
図1および
図2に示すように、注出口31と、押圧部32と、を備える。
【0022】
注出口31は、貯留部10に貯留された飲料物を外部に注ぎ出すものである。注出口31は、凹所211Bにおいて上面の天井部213に設けられ、天井部213から鉛直方向の下方に向けて配置されている。注出口31は、上述した冷水流路、温水流路、および常温流路に接続される。注出口31は、鉛直方向の下側に向けて飲料物を注ぎ出す。押圧部32は、注出口31から飲料物を注出させたり、注出されている飲料物を停止させたりするスイッチとなるものである。
【0023】
押圧部32は、押圧板320と、図示しないスイッチ回路とを備える。押圧板320は、凹所211Bにおいて正面側の開口に対して奥面となる後壁214に設けられ、注出口31の下方に配置されている。押圧板320は、供給機本体20の前後方向に移動可能であり、前方に突出するように付勢されている。押圧部32は、使用者により押圧板320が後方に押圧された場合にスイッチ回路がONし、押圧板320が押圧されず前方に突出した場合にスイッチ回路がOFFする。押圧部32は、スイッチ回路がONされた場合に飲料物を注出することを示す注出信号を図示しない制御装置に出力し、スイッチ回路がOFFされた場合に飲料物の注出を停止することを示す注出停止信号を制御装置に出力する。
【0024】
操作部40は、注出口31から注ぎ出される飲料物の設定をするためのものである。操作部40は、意匠パネル211の凸所211Aに設けられている。操作部40は、
図1および
図2に示すように、供給機本体20の外側において、操作パネル41と、操作スイッチ42と、操作ダイヤル43と、を備え、
図3~
図5に示すように、供給機本体20の内側において電子基板44と、基板ケース45と、支持部材46と、防壁47と、を備える。
【0025】
操作パネル41は、板状に形成され、意匠パネル211の突出した凸所211Aの正面の開口215を塞ぐように取り付けられている。操作パネル41は、その外面41Aが、意匠パネル211の凸所211Aが突出した正面に沿って設けられている。操作パネル41は、凸所211Aの正面に沿って設けられ、外面41Aが水平方向に対して立ち、かつ上方に向けて傾斜するように切り立って配置される。
【0026】
操作スイッチ42は、操作パネル41の外面41A側から押下操作することが可能なスイッチである。操作スイッチ42は、実質は操作パネル41の内側に配置されている。操作スイッチ42は、その押下操作により、図示しない制御装置に制御信号を出力できる。例えば、操作スイッチ42の押下操作により、飲料物を注ぎ出すことを不可としたり、飲料物を注ぎ出すことを許可したりできる。操作スイッチ42は、電子部品であり、
図3および
図5に示すように、電子基板44に実装されている。
【0027】
操作ダイヤル43は、操作パネル41の外側で回転操作することが可能なダイヤルである。操作ダイヤル43は、操作パネル41の内側に配置されて一部が操作パネル41に形成された孔41Cを介して外側に突出して設けられている。操作ダイヤル43は、その回転操作により、図示しない制御装置に制御信号を出力できる。例えば、操作ダイヤル43の回転操作による回転位置に基づき、注出口31から注ぎ出される飲料物を、冷たい飲料物や温かい飲料物や常温の飲料物に変更するなど様々な設定ができる。操作ダイヤル43は、
図4に示すように、電子基板44に実装された電子部品であるロータリスイッチ430の軸430Aに接続され、回転可能に設けられる。
【0028】
操作ダイヤル43は、
図4に示すように、ダイヤル本体431と、キャップ432と、カバー433と、を有する。
【0029】
ダイヤル本体431は、操作ダイヤル43の基部を構成するもので、円筒状の外形部431Aと、操作ダイヤル43の回転の中心に設けられた軸部431Bと、を含む。外形部431Aは、操作パネル41の外側に突出する外側端が閉塞され、操作パネル41の内側に配置される内側端が開口して形成されている。外形部431Aは、内側端において中心から離れる方向である径方向外側に突出するフランジ431Aaが円筒状の周方向に連続して形成されている。軸部431Bは、操作ダイヤル43の回転の中心となる外形部431Aの円筒状の中心に配置されている。軸部431Bは、外筒431Baと内筒431Bbとで2重に形成されている。軸部431Bは、外形部431Aの中心に各筒431Ba,431Bbの中心を一致するように外形部431Aと一体に形成されている。外筒431Baは、外形部431Aの内部において外形部431Aの外側端に繋がり外形部431Aと一体に形成されている。外筒431Baは、外形部431Aの内側端と同等の位置まで延在して端部が開口して形成されている。内筒431Bbは、外筒431Baの内部に設けられて外筒431Baと一体に形成されている。内筒431Bbは、外形部431Aの内側端の位置まで至らずに外筒431Baよりも短く、端部が開口して形成されている。内筒431Bbは、ロータリスイッチ430の軸430Aに嵌合して接続される。外筒431Baは、ロータリスイッチ430の軸430Aの周りを囲んで配置される。
【0030】
キャップ432は、円板状に形成されて、ダイヤル本体431の外形部431Aの外端を覆うものである。
【0031】
カバー433は、円筒状に形成されて、ダイヤル本体431の外形部431Aの外周を覆うものである。カバー433は、操作ダイヤル43の外周面を構成する。カバー433は、操作パネル41の外側に突出する外側端と、操作パネル41の内側に配置される内側端とが開口して形成されている。カバー433は、内側端において中心から離れる方向である径方向外側に突出するフランジ433aが円筒状の周方向に連続して形成されている。フランジ433aは、ダイヤル本体431における外形部431Aのフランジ431Aaと重なって配置される。
【0032】
電子基板44は、
図3~
図5に示すように、操作パネル41よりも内側に設けられ、板面44Aを操作パネル41に向けて配置されている。電子基板44は、板面44Aが所定間隔を空けて操作パネル41で覆われている。電子基板44は、操作パネル41に覆われた板面44Aに、上述した操作スイッチ42やロータリスイッチ430などの電子部品が実装されている。
【0033】
基板ケース45は、
図3~
図5に示すように、電子基板44を収容して保持するものである。基板ケース45は、電子基板44の板面44Aとは反対側の面に沿って配置された底板45Aにより当該反対側の面を覆い、かつ底板45Aの周縁から立ち上がる側板45Bにより電子基板44の周縁を囲むように形成されている。基板ケース45は、電子基板44が固定される。
【0034】
支持部材46は、
図3~
図5に示すように、操作ダイヤル43を支持するものである。支持部材46は、電子基板44の板面44Aに取り付けられている。支持部材46は、
図4に示すように、電子基板44と操作パネル41との間に挟まれるように設けられている。支持部材46は、操作ダイヤル43の周りを囲んで操作ダイヤル43の回転方向に沿うように配置され、遮光部461と、凸部462と、を有する。
【0035】
遮光部461について説明する。電子基板44の板面44Aには、電子部品である発光素子460が実装されている。発光素子460は、操作ダイヤル43の周囲に沿って複数(本実施形態では6個)設けられている。遮光部461は、操作ダイヤル43の周囲に沿って複数(本実施形態では6個)形成された貫通孔として構成されている。貫通孔である各遮光部461は、各発光素子460を個々に囲むように設けられ、かつ操作パネル41の内面41Bに向く開口461Aを有して形成されている。従って、各遮光部461は、各発光素子460の光が周囲に拡散することを防いで操作パネル41に向けて照射するように機能する。操作パネル41は、少なくとも遮光部461の開口に対応する部分が発光素子460の光を透過するように形成されている。
【0036】
各遮光部461は、貫通孔を構成するように円筒状に形成されている。支持部材46は、円筒状の各遮光部461を接続すると共に各開口461Aを開ける端板463を有している。端板463は、各遮光部461の円筒状と各開口461Aの位置で一部が一体に形成されている。端板463は、操作ダイヤル43の周りを囲み操作ダイヤル43の回転方向に沿う円弧状に形成されている。端板463は、操作パネル41の内面41Bに沿って操作パネル41の内面41Bと対向する端面463Aを有する。この端面463Aは、段差463Bが形成されている。段差463Bは、端面463Aを、円弧状の内周で操作ダイヤル43の近くを囲む円弧状の内端面部463Aaと、円弧状の外周で操作ダイヤル43の遠くを囲む円弧状の外端面部463Abとに分離する。段差463Bは、内端面部463Aaを外端面部463Abよりも操作パネル41の内面41Bから1mm遠ざけるように形成されている。従って、操作ダイヤル43に近い内端面部463Aaは、操作ダイヤル43から遠い外端面部463Abが操作パネル41の内面41Bに接触しても、段差463Bにより設けられた隙間H(
図4参照)によって操作パネル41の内面41Bに接触しない。また、支持部材46は、各遮光部461の操作ダイヤル43から遠ざかる側に、各遮光部461を囲む外板464を有している。外板464は、各遮光部461の円筒状と一部が一体に形成されている。外板464は、電子基板44の板面44Aに対して立てて配置され、操作ダイヤル43の回転方向に沿う円弧状に形成されている。外板464は、端板463と一体に形成されている。また、支持部材46は、各遮光部461の操作ダイヤル43に近づく側に、各遮光部461を囲む内板465を有している。内板465は、各遮光部461の円筒状と一部が一体に形成されている。内板465は、電子基板44の板面44Aに対して立てて配置され、操作ダイヤル43の回転方向に沿う円弧状に形成されている。内板465は、端板463と一体に形成されている。内板465は、端面463Aよりも電子基板44寄りで、操作ダイヤル43の内側端のフランジ431Aa,433aと対向する。また、支持部材46は、内板465の操作ダイヤル43に対向する面に連なって内板465の操作ダイヤル43に対向する内側を塞ぐように底板466を有している。底板466は内板465と一体に形成されている。底板466は、電子基板44の板面44Aに沿って設けられ、板面44Aに対向して配置されている。底板466は、操作ダイヤル43の開口する内側端と対向する。底板466は、操作ダイヤル43と電子基板44との間に配置される。底板466は、電子基板44の板面44Aに向けて貫通する孔466Aが形成されている。の孔466Aの開口縁は、操作ダイヤル43側に向けて突出する凸条466Bで連続して囲まれている。
【0037】
凸部462は、筒状に形成され、操作ダイヤル43における軸部431Bを挿通するように形成されている。凸部462は、ロータリスイッチ430の軸430Aと中心が一致するように設けられている。凸部462は、底板466と一体に形成されている。凸部462は、ロータリスイッチ430の軸430Aを挿通し、この軸430Aに嵌合した操作ダイヤル43の軸部431Bにおける外筒431Baの外周面に対して内周面が対面して配置される。従って、凸部462は、操作ダイヤル43の軸部431Bの周りを囲み、かつロータリスイッチ430の軸430Aの周りを囲んで配置される。
【0038】
防壁47は、操作ダイヤル43と電子基板44との間に設けられている。防壁47は、板状に形成され、電子基板44の板面44Aに沿って配置されている。防壁47は、上述した支持部材46に設けられている。電子基板44は、板面44Aを水平方向に対して立てて配置されており、支持部材46は、その下側部分において遮光部461、端板463、外板464、および内板465が途切れて形成されている。防壁47は、この途切れた部分から底板466に連続しつつ底板466からさらに下側に延在して形成されている。防壁47は、底板466と一体に形成されている。防壁47は、操作ダイヤル43側に向く面が底板466の面と一致して形成されている。防壁47は、基板ケース45の側板45Bであって電子基板44の周縁を超えて電子基板44の外側に延在して形成されている。
【0039】
また、防壁47は、操作ダイヤル43側に向く面に沿って上下方向に延在するリブ471が形成されている。リブ471は、複数設けられており、遮光部461、端板463、外板464、および内板465が途切れた両側部分の2箇所で外板464から連続した2つの外側リブ471Aと、当該両側部分の間の2箇所で内板465から連続した2つの内側リブ471Bとを有している。また、当該両側部分では、遮光部461の開口461Aよりも電子基板44の板面44A側に低い端面463Cが形成され、この端面463Cの位置に従って内板465が電子基板44の板面44A側に低く形成されている。各内側リブ471Bは、この端面463Cおよび内板465に連続して設けられ、上側の端部が端面463Cおよび内板465よりも高さであって端板463の内端面部463Aaと同等の高さの位置に形成されている。各外側リブ471Aは、上側の端部が端板463の内端面部463Aaと同等の高さの位置に形成されている。
【0040】
なお、操作パネル41は、孔41Cの周縁に連続して止水リング41Dが設けられている。止水リング41Dは、孔41Cに沿って設けられ、操作パネル41の外面41Aよりも外側に突出して配置される。また、止水リング41Dは、孔41Cに沿って設けられ、操作パネル41の内面41Bよりも内側に突出して配置される。この止水リング41Dと、操作ダイヤル43の外周面であるカバー433との間に隙間Sが設けられる。隙間Sは、操作ダイヤル43の回転移動を許容するためのものである。そして、操作パネル41の外面41Aよりも外側に突出した止水リング41Dは、操作パネル41の外面41Aに滴った水が隙間Sから操作パネル41の内側に浸入することを防ぐ。また、操作パネル41の内面41Bよりも内側に突出した止水リング41Dは、水が隙間Sから操作パネル41の内側に浸入した場合に、この水が操作パネル41の内面41Bを伝わることを防ぐ。
【0041】
また、操作パネル41は、孔41Cの周縁が、操作ダイヤル43の内側端のフランジ431Aa,433aに重なるように配置される。従って、
図4に示すように、上記隙間Sの位置より視た操作パネル41の内側には、フランジ431Aa,433aが被さって存在している。
【0042】
以上のような本実施形態の飲料供給機1は、操作パネル41の外面41Aに滴った水が止水リング41Dに沿って下方に流れて下方の隙間Sから操作パネル41の内側に浸入した場合、水は、落下して操作ダイヤル43のフランジ431Aa,433aに至る。その後、水は、防壁47により下側に流れ、電子基板44が固定された基板ケース45の側板45Bを超えて電子基板44の外側に流れる。また、操作パネル41の外面41Aに滴った水が止水リング41Dに沿って下方に流れて下方の隙間Sから操作パネル41の内側に浸入し、操作パネル41の内面41Bに伝った場合、水は、防壁47に落下して防壁47により下側に流れ、電子基板44が固定された基板ケース45の側板45Bを超えて電子基板44の外側に流れる。また、操作パネル41の外面41Aに滴った水が止水リング41Dを伝って下方に流れることなく上方の隙間Sから操作パネル41の内側に浸入した場合、水は、操作ダイヤル43のフランジ431Aa,433aに至る。その後、水は、支持部材46の内板465により端板463側への浸入を阻止されつつ底板466に至り、底板466を伝わって防壁47により下側に流れ、電子基板44が固定された基板ケース45の側板45Bを超えて電子基板44の外側に流れる。このとき、底板466は、操作ダイヤル43と電子基板44との間に設けられていて防壁として機能する。
【0043】
なお、支持部材46の底板466は、上述したように孔466Aが形成されているが、孔466Aの開口縁は操作ダイヤル43側に向けて突出する凸条466Bで連続して囲まれている。このため、底板466を伝わる水は、凸条466Bにより孔466Aに落ちることを阻止され、拡散が防止される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、支持部材46により、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0044】
このように、本実施形態の飲料供給機1は、操作パネル41の孔41Cから操作パネル41の内側に浸入した水は、操作ダイヤル43と電子基板44との間に設けられた防壁47により遮られ電子基板44に至らない。従って、本実施形態の飲料供給機1は、防壁47により、水の浸入から電子基板44を保護できる。
【0045】
防壁47は、操作パネル41の孔41Cを介して浸入した水を電子基板44の外側に排出する。具体的には、上述したように、防壁47は、電子基板44の外側に延在して形成されており、このため浸入した水が電子基板44の外側に排出される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、防壁47により、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0046】
防壁47のリブ471は、防壁47上の水の流れを延在方向である下側に向けて案内する。具体的に、底板466を伝わってきた水は、各内側リブ471Bの間で案内される。また、遮光部461、端板463、外板464、および内板465が途切れた両側部分において遮光部461の開口461Aよりも低く形成された端面463Cに伝わった水は、外側リブ471Aと内側リブ471Bとの間で案内される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、防壁47のリブ471により、防壁47を流れる水の広がりを抑えつつ下側に案内できる。
【0047】
支持部材46は、操作ダイヤル43の周りを囲むものであり、この支持部材46に防壁47を設けたことから、操作ダイヤル43と操作パネル41の孔41Cとの間の隙間Sから操作パネル41の内側に水が浸入した場合に、この水は、支持部材46により囲まれて保持されながら防壁47により電子基板44が固定された基板ケース45の側板45Bを超えて流れる。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、支持部材46により、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0048】
支持部材46は、操作パネル41の内面41Bに対向して操作ダイヤル43を囲む円弧状の端面463Aを有し、端面463Aは、段差463Bが形成されて操作ダイヤル43を囲む内周の内端面部463Aaが操作ダイヤル43を囲む外周の外端面部463Abよりも操作パネル41の内面41Bから遠ざかって隙間Hが設けられている。このため、操作ダイヤル43と操作パネル41の孔41Cとの間の隙間Sから操作パネル41の内側に水が浸入した場合に、この水は、隙間Hにより毛細管現象を生じず、外端面部463Abへの浸入を阻止され、拡散が防止される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、支持部材46における端面463の段差463Bにより、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0049】
支持部材46は、操作ダイヤルの周囲に沿って設けられた複数の発光素子を個々に囲み操作パネル41に向けて端面463Aにて開口する複数の遮光部461が形成されている。このため、上記の段差463Bで設けられた隙間Hにより、操作ダイヤル43と操作パネル41の孔41Cとの間の隙間Sから操作パネル41の内側に水が浸入した場合に、この水は、隙間Hにより毛細管現象を生じず、外端面部463Abへの浸入を阻止され、遮光部461への拡散が防止される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、遮光部461が形成された支持部材46における端面463の段差463Bにより、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0050】
支持部材46は、操作ダイヤル43の回転の中心に設けられた軸部431Bを挿通する筒状の凸部462が形成されている。このため、操作ダイヤル43と操作パネル41の孔41Cとの間の隙間Sから操作パネル41の内側に水が浸入した場合に、この水は、凸部462により軸部431Bへの浸入を阻止され、軸部431Bが嵌合する電子部品であるロータリスイッチ430への拡散が防止される。この結果、本実施形態の飲料供給機1は、支持部材46における凸部462により、水の浸入から電子基板44を確実に保護できる。
【0051】
[変形例]
防壁47は、支持部材46に設けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、防壁47は、支持部材46とは別部材で電子基板44や、基板ケース45や、操作パネル41に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 飲料供給機
41 操作パネル
41B 内面
41C 孔
43 操作ダイヤル
430 ロータリスイッチ(電子部品)
431B 軸部
44 電子基板
44A 板面
46 支持部材
460 発光素子
461 遮光部
461A 開口
462 凸部
463A 端面
463Ab 外端面部
463Aa 内端面部
463B 段差
47 防壁
471 リブ