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特許71889813次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、及び移動体
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  • 特許-3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、及び移動体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、及び移動体
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/27 20200101AFI20221206BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20221206BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20221206BHJP
   H04N 13/366 20180101ALI20221206BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20221206BHJP
   H04N 13/346 20180101ALI20221206BHJP
   H04N 13/317 20180101ALI20221206BHJP
   H04N 13/31 20180101ALI20221206BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20221206BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221206BHJP
   H04N 13/361 20180101ALI20221206BHJP
【FI】
G02B30/27
G02B27/01
B60K35/00 A
H04N13/366
H04N13/363
H04N13/346
H04N13/317
H04N13/31
G09G3/36
G09G3/20 660X
H04N13/361
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018208415
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2020076810
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-02-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】草深 薫
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-140056(JP,A)
【文献】特開2012-123325(JP,A)
【文献】特開2015-072474(JP,A)
【文献】国際公開第2016/047009(WO,A1)
【文献】特開2005-258421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/26 - 30/33
G02B 27/01
B60K 35/00
H04N 13/366
H04N 13/363
H04N 13/346
H04N 13/317
H04N 13/31
G09G 3/36
G09G 3/20
H04N 13/361
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する表示パネルと、
前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する、複数の光学素子を有する光学部材と
を備え、
前記表示パネルは、複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含み、前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含み、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する、
表示装置。
【請求項2】
前記各ミニピクセルに表示させる画像を決定するコントローラを更に備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
利用者の視点位置に基づいて、前記各ミニピクセルに表示させる画像を制御する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数のサブピクセルのそれぞれは、第1ミニピクセルと第2ミニピクセルとを含み、
前記コントローラは、
前記第1ミニピクセルに前記第1画像を表示させるとともに、前記第2ミニピクセルに前記第2画像を表示させる、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる所定のミニピクセルに表示させる画像を、異なる画像に変更する際、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる前記所定のミニピクセル以外のミニピクセルの階調を制御する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記ミニピクセルに前記第1画像及び前記第2画像のいずれも表示させない場合、
所定のミニピクセルに、黒色画像を表示させる、
請求項2から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記表示パネルの一部に、3次元画像を表示させ、
前記表示パネルの他の一部に、2次元画像を表示させる、
請求項2から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
利用者の眼の位置を検出する位置検出装置と、3次元表示装置とを備え、
前記3次元表示装置は、
利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する表示パネルと、
前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する、複数の光学素子を有する光学部材と
を備え、
前記表示パネルは、複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含み、前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含み、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する、3次元表示システム。
【請求項9】
3次元表示装置と、被投影面を有する被投影部材とを備え、
前記3次元表示装置は、
利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する表示パネルと、
前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する、複数の光学素子を有する光学部材と
を備え、
前記表示パネルは、複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含み、前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含み、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示し
前記3次元表示装置は、前記被投影面に前記第1画像及び前記第2画像を投影し、前記利用者に前記被投影面を介して前記第1画像及び前記第2画像を視認させる、ヘッドアップディスプレイ。
【請求項10】
3次元表示装置と、被投影面を有する被投影部材とを備え、
前記3次元表示装置は、
利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する表示パネルと、
前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する、複数の光学素子を有する光学部材と
を備え、
前記表示パネルは、複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含み、前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含み、
前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示し
前記3次元表示装置は、前記被投影面に前記第1画像及び前記第2画像を投影し、前記利用者に前記被投影面を介して前記第1画像及び前記第2画像を視認させる、ヘッドアップディスプレイを搭載する移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が眼鏡を用いずに3次元画像を視認できるように、表示パネルから出射される画像光の一部を、光学部材を介して利用者の右眼に到達させ、他の一部を、光学部材を介して利用者の左眼に到達させる表示装置が知られている。例えば、特許文献1には、光学部材としてパララックスバリアが用いられる場合に、透光領域と遮光領域とを斜め方向に配列することで、輝度むら又は色むら等を含むモアレの発生を低減させた表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2015/0362740号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示パネルが画像の表示をサブピクセル単位で制御する場合において、クロストークを低減させるために表示する黒画像の面積は、サブピクセル単位で拡大する。黒画像の面積の拡大は、利用者が視認できる画像の輝度を低下させる。
【0005】
本開示は、クロストークを低減しつつ、利用者に視認させる画像の輝度を高めることが可能な3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、及び移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る3次元表示装置は、表示パネルと、光学部材とを備える。前記表示パネルは、利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する。前記光学部材は、複数の光学素子を有する。前記光学素子は、前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する。前記表示パネルは、複数のピクセルを含む。前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する。
【0007】
本開示の3次元表示システムは、位置検出装置と、3次元表示装置とを備える。前記位置検出装置は、利用者の眼の位置を検出する。前記3次元表示装置は、表示パネルと、光学部材とを備える。前記表示パネルは、利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する。前記光学部材は、複数の光学素子を有する。前記光学素子は、前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する。前記表示パネルは、複数のピクセルを含む。前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する。
【0008】
本開示のヘッドアップディスプレイは、3次元表示装置と、被投影部材とを備える。前記被投影部材は、被投影面を有する。前記3次元表示装置は、表示パネルと、光学部材とを備える。前記表示パネルは、利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する。前記光学部材は、複数の光学素子を有する。前記光学素子は、前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する。前記表示パネルは、複数のピクセルを含む。前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する。前記3次元表示装置は、前記被投影面に前記第1画像及び前記第2画像を投影し、前記利用者に前記被投影面を介して前記第1画像及び前記第2画像を視認させる。
【0009】
本開示の移動体は、ヘッドアップディスプレイを搭載する。前記ヘッドアップディスプレイは、3次元表示装置と、被投影部材とを備える。前記被投影部材は、被投影面を有する。前記3次元表示装置は、表示パネルと、光学部材とを備える。前記表示パネルは、利用者の第1眼に視認させる第1画像と、前記利用者の第2眼に視認させる第2画像とを含む視差画像を表示する。前記光学部材は、複数の光学素子を有する。前記光学素子は、前記第1眼及び前記第2眼の視差方向の成分を含む所定方向に沿って並び、前記視差画像の光線方向を規定する。前記表示パネルは、複数のピクセルを含む。前記複数のピクセルのそれぞれは、複数のサブピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれは、複数のミニピクセルを含む。前記複数のサブピクセルのそれぞれに含まれる各ミニピクセルは、縦の長さと横の長さとの比が1であり、同じ色を表示するとともに、異なる画像を表示可能であり、前記第1画像および前記第2画像のいずれも表示する。前記3次元表示装置は、前記被投影面に前記第1画像及び前記第2画像を投影し、前記利用者に前記被投影面を介して前記第1画像及び前記第2画像を視認させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体によれば、クロストークを低減しつつ、利用者に視認させる画像の輝度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3A】一実施形態に係る表示パネルにおけるピクセルの構成の一例を示す図である。
図3B】一実施形態に係る表示パネルにおけるサブピクセルの構成の一例を示す図である。
図4】一実施形態に係るバリアパネルの構成の一例を示す図である。
図5A】一実施形態に係る表示装置の模式図であり、利用者の視点位置が第1位置である場合における表示面の可視領域を示す模式図である。
図5B】一実施形態に係る表示装置の模式図であり、利用者の視点位置が第2位置である場合における表示面の可視領域を示す模式図である。
図6A】比較例に係る表示装置の模式図であり、利用者の視点位置が第1位置である場合における表示面の可視領域を示す模式図である。
図6B】比較例に係る表示装置の模式図であり、利用者の視点位置が第2位置である場合における表示面の可視領域を示す模式図である。
図7】光学部材としてレンチキュラレンズが用いられる例を示す断面図である。
図8】一実施形態に係る表示装置が搭載されたHUDの一例を示す図である。
図9図8に示すHUDが搭載された車両の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
<表示装置の構成>
図1及び図2に示すように、一実施形態に係る表示装置100は、表示パネル10と、光学部材としてのバリアパネル20とを備える。表示装置100は、3次元表示装置ともいう。表示装置100は、コントローラ30をさらに備えてもよい。本実施形態において、光学部材としてバリアパネル20が用いられる場合について説明する。光学部材は、バリアパネル20に限定されない。光学部材として、例えば、レンチキュラレンズ25(図7参照)が用いられてもよい。
【0014】
コントローラ30は、表示装置100が備える表示パネル10及びバリアパネル20等の構成要素に接続され、各構成要素を制御する。コントローラ30は、例えばプロセッサとして構成される。コントローラ30は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ30は、1個または複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ30は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、または表示装置100の各構成要素を動作させるためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ30のワークメモリとして機能してよい。
【0015】
表示パネル10は、その材料が特に限定されるものではなく、例えば、透過型の液晶パネル、有機ELパネル、無機ELパネル、などの表示パネルを採用しうる。表示パネル10は、表示面10Aに視差画像を表示する。視差画像は、左眼画像と、左眼画像に対して視差を有する右眼画像と、を含む。利用者の左眼5Lで視認させる左眼画像を表示する領域は、左眼画像領域PgLともいう。利用者の右眼5Rで視認させる右眼画像を表示する領域は、右眼画像領域PgRともいう。左眼画像及び右眼画像はそれぞれ、第1画像及び第2画像ともいう。利用者の左眼5L及び右眼5Rはそれぞれ、第1眼及び第2眼ともいう。X軸方向は、利用者の左眼5Lと右眼5Rとに対して視差を与える方向に対応する。利用者の左眼5Lと右眼5Rとに対して視差を与える方向は、視差方向ともいう。
【0016】
図3A及び図3Bに示すように、表示パネル10は、利用者の左眼5Lの位置に向けて進行する画像光を出射する左眼画像領域PgLと、利用者の右眼5Rの位置に向けて進行する画像光を出射する右眼画像領域PgRとを含む。左眼画像領域PgLと右眼画像領域PgRとは、表示境界15によって分けられてよい。表示パネル10は、左眼画像領域PgLに左眼画像を表示し、右眼画像領域PgRに右眼画像を表示する。利用者は、左眼5Lで左眼画像領域PgLに表示される左眼画像を視認し、右眼5Rで右眼画像領域PgRに表示される右眼画像を視認する。X軸方向は、利用者から見て水平方向ともいえる。Y軸方向は、利用者から見て垂直方向ともいえる。Z軸方向は、利用者から見て奥行方向ともいえる。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向はそれぞれ、第1方向、第2方向及び第3方向とも称される。
【0017】
利用者が、左眼5Lで右眼画像領域PgRに表示される右眼画像の少なくとも一部を視認している状態、或いは、利用者が、右眼5Rで左眼画像領域PgLに表示される左眼画像の少なくとも一部を視認している状態は、クロストークと呼ばれる。クロストークは、2眼式3次元表示において利用者に提供される画像の質を悪化させる。
【0018】
左眼画像領域PgLは、少なくとも1つのピクセル11を含む。例えば、左眼画像領域PgLは、図3Aに示すように、ピクセル11_1と、ピクセル11_2とを含むとする。右眼画像領域PgRは、少なくとも1つのピクセル11を含む。例えば、右眼画像領域PgRは、図3Aに示すように、ピクセル11_3と、ピクセル11_4とを含むとする。
【0019】
表示パネル10は、格子状のブラックマトリックスにより、表示面10A上における水平方向及び垂直方向に沿って格子状に区画される複数の区画領域を有する。区画領域の各々には、1個のサブピクセル12が対応する。
【0020】
図3Bに示すように、左眼画像領域PgLにおける各ピクセル11は、複数のサブピクセル12を含む。各サブピクセル12は、例えばP1R及びP2R等の枝番が付されることによって区別されるとする。以下、枝番としてP1Rが付されているサブピクセル12は、サブピクセル12_P1Rと表されるとする。例えば、左眼画像領域PgLにおけるピクセル11_1(図3A参照)は、赤色を表示するサブピクセル12_P2Rと、緑色を表示するサブピクセル12_P4Gと、青色を表示するサブピクセル12_P6Bとを含む。赤色、青色及び緑色はそれぞれ、R、B及びGとも称される。例えば、左眼画像領域PgLにおけるピクセル11_2(図3A参照)は、Rを表示するサブピクセル12_P1Rと、Gを表示するサブピクセル12_P3Gと、Bを表示するサブピクセル12_P5Bとを含む。
【0021】
図3Bに示すように、右眼画像領域PgRにおける各ピクセル11は、複数のサブピクセル12を含む。例えば、右眼画像領域PgRにおけるピクセル11_3(図3A参照)は、Rを表示するサブピクセル12_P8Rと、Gを表示するサブピクセル12_P10Gと、Bを表示するサブピクセル12_P12Bとを含む。例えば、右眼画像領域PgRにおけるピクセル11_4(図3A参照)は、Rを表示するサブピクセル12_P7Rと、Gを表示するサブピクセル12_P9Gと、Bを表示するサブピクセル12_P11Bとを含む。
【0022】
各ピクセル11に含まれるサブピクセル12の個数は、3個に限定されず、2個以下であってもよいし、4個以上であってもよい。各ピクセル11に含まれるサブピクセル12が表示する色の数は、3色に限られず、2色以下であってもよいし、4色以上であってもよい。
【0023】
複数のサブピクセル12は、表示面10A上における水平方向に、異なる色で順に配列されてよい。図3A及び図3Bの例において、ピクセル11_1において、Rを表示するサブピクセル12_P2R、Gを表示するサブピクセル12_P4G、及び、Bを表示するサブピクセル12_P6Bが水平方向に順に配列されている。ピクセル11_2において、Rを表示するサブピクセル12_P1R、Gを表示するサブピクセル12_P3G、及び、Bを表示するサブピクセル12_P5Bが水平方向に順に配列されている。
【0024】
同じ色を表示するサブピクセル12が表示面10A上における垂直方向に配列されてよい。図3Bの例において、Rを表示するサブピクセル12_P2Rと、Rを表示するサブピクセル12_P1Rとが垂直方向に順に配列されている。Gを表示するサブピクセル12_P4Gと、Gを表示するサブピクセル12_12_P3Gとが垂直方向に順に配列されている。Bを表示するサブピクセル12_P6Bと、Bを表示するサブピクセル12_P5Bとが垂直方向に順に配列されている。
【0025】
図3Aに示すように、各ピクセル11は、複数のミニピクセル13を含む。各ミニピクセル13は、例えばP1Ra、P1Rb及びP1Rc等の枝番が付されることによって区別されるとする。以下、枝番としてP1Raが付されているミニピクセル13は、ミニピクセル13_P1Raと表されるとする。各ピクセル11に含まれるミニピクセル13の個数が9個であるとする。各ピクセル11に含まれるミニピクセル13の個数は、9個に限られず、8個以下であってよいし、10個以上であってもよい。図3Bに示すように、各サブピクセル12は、複数のミニピクセル13を含む。各サブピクセル12に含まれるミニピクセル13の個数が3個であるとする。各ピクセル11に含まれるミニピクセル13の個数は、3個に限られず、2個以下であってよいし、4個以上であってもよい。1個のピクセル11又は1個のサブピクセル12に含まれるミニピクセル13の個数が多い程、表示パネル10が表示する画像の解像度が高まりうる。
【0026】
例えば、左眼画像領域PgLにおけるサブピクセル12_P1Rは、ミニピクセル13_P1Raと、ミニピクセル13_P1Rbと、ミニピクセル13_P1Rcとを含む。例えば、左眼画像領域PgLにおけるサブピクセル12_P2Rは、ミニピクセル13_P2Raと、ミニピクセル13_P2Rbと、ミニピクセル13_P2Rcとを含む。
【0027】
例えば、右眼画像領域PgRにおけるサブピクセル12_P7Rは、ミニピクセル13_P7Raと、ミニピクセル13_P7Rbと、ミニピクセル13_P7Rcとを含む。例えば、右眼画像領域PgRにおけるサブピクセル12_P8Rは、ミニピクセル13_P8Raと、ミニピクセル13_P8Rbと、ミニピクセル13_P8Rcとを含む。
【0028】
1つのサブピクセル12に含まれる複数のミニピクセル13は、同じ色を表示する。例えば、サブピクセル12_P1Rに含まれる各ミニピクセル13は、Rを表示する。サブピクセル12_P1Gに含まれる各ミニピクセル13は、Gを表示する。サブピクセル12_P1Bに含まれる各ミニピクセル13は、Bを表示する。例えば、サブピクセル12_P1Rにおいて、Rを表示するミニピクセル13_P1Rcと、Rを表示するミニピクセル13_P1Rbと、Rを表示するミニピクセル13_P1Raとが垂直方向に順に配列されている。例えば、サブピクセル12_P2Rにおいて、Rを表示するミニピクセル13_P2Rcと、Rを表示するミニピクセル13_P2Rbと、Rを表示するミニピクセル13_P2Raとが垂直方向に順に配列されている。
【0029】
ミニピクセル13は、コントローラ30が制御可能な最小単位である。ミニピクセル13が、コントローラ30によって制御されることで、表示パネル10が表示する画像は、任意に変更される。図3A等の例では、ミニピクセル13の形状が正方形である場合を一例に挙げて説明しているが、ミニピクセル13の形状は、長方形、台形、などであっても構わない。
【0030】
表示パネル10は、コントローラ30によって制御されて、ミニピクセル13に表示する画像を変更する。表示パネル10は、ミニピクセル13に左眼画像及び右眼画像のいずれかを表示してよい。表示パネル10は、ミニピクセル13に、R、G及びBのいずれかを所定の輝度で表示させてよい。表示パネル10は、ミニピクセル13の表示輝度を低くすることによって、黒色を表示させてもよい。
【0031】
図4に示すように、バリアパネル20は、光学素子35を有する。バリアパネル20は、光学素子35として、透光領域20Aと、遮光領域20Bとを有する。透光領域20Aは、表示パネル10から出射される画像光を第1所定値以上の光透過率で透過させる。遮光領域20Bは、表示パネル10から出射される画像光を第2所定値以下の光透過率で透過させる。第1所定値は、第2所定値より高くされてよい。第1所定値に対する第2所定値の比率は、一例では、1/100とすることできる。第1所定値に対する第2所定値の比率は、他の例では、1/1000とすることができる。
【0032】
透光領域20Aは、左眼画像に係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させ、右眼画像に係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させる。遮光領域20Bは、左眼画像に係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させず、右眼画像に係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させない。つまり、光学素子35は、左眼画像に係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させ、右眼画像に係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させる。光学素子35は、左眼画像に係る画像光を利用者の右眼5Rに到達させず、右眼画像に係る画像光を利用者の左眼5Lに到達させない。光学素子35の機能によって、バリアパネル20は、利用者が右眼5Rで右眼画像を視認する一方で、左眼5Lで右眼画像を視認しないようにしうる。光学素子35の機能によって、バリアパネル20は、利用者が左眼5Lで左眼画像を視認する一方で、右眼5Rで左眼画像を視認しないようにしうる。光学素子35は、左眼画像及び右眼画像を含む視差画像に係る画像光の方向を規定する。視差画像に係る画像光の方向は、視差画像の光線方向ともいう。
【0033】
透光領域20Aと遮光領域20Bとは、X軸方向に交互に並ぶ。つまり、光学素子35は、視差方向に沿って並んでいる。透光領域20Aと遮光領域20Bとの境界は、図4に例示されているようにY軸方向に沿ってよいし、Y軸方向に対して所定角度で傾斜する方向に沿ってもよい。透光領域20Aと遮光領域20Bとの境界は、視差方向に交差する方向に沿ってもよい。言い換えれば、透光領域20Aと遮光領域20Bとは、視差方向の成分を含む所定方向に沿って交互に並んでよい。
【0034】
バリアパネル20は、コントローラ30によって制御されてよい。コントローラ30は、バリアパネル20の一部が透光領域20Aとなり、他の一部が遮光領域20Bとなるようにバリアパネル20を制御してよい。
【0035】
バリアパネル20が、コントローラ30によって制御されることで、バリアパネル20における透光領域20Aと遮光領域20Bとは、任意に変更されうる。
【0036】
バリアパネル20は、例えば、液晶シャッタで構成されてよい。液晶シャッタは、印加する電圧に基づいて光の透過率を制御しうる。液晶シャッタは、複数の画素で構成され、各画素における光の透過率を制御してよい。例えば、バリアパネル20は、複数の画素を第1所定値以上の第1透過率を有する透光領域20Aから第2所定値以下の第2透過率を有する遮光領域20Bへと変更する。例えば、バリアパネル20は、複数の画素を第2所定値以下の第2透過率を有する遮光領域20Bから第1所定値以上の第1透過率を有する透光領域20Aへと変更する。
【0037】
バリアパネル20における複数の画素が、コントローラ30によって、任意に制御されることで、表示パネル10に表示される画像の変更に合わせて、透光領域20A或いは遮光領域20Bを任意に変更することが可能になる。
【0038】
バリアパネル20が画像光の光線方向を規定することによって、利用者の右眼5R及び利用者の左眼5Lによって視認可能な表示面10A上の領域が定まる。図5A及び図5Bにおいて、利用者の右眼5Rによって視認可能な表示面10A上の領域が右眼可視領域18Rとして示されている。図5A及び図5Bにおいて、利用者の左眼5Lによって視認可能な表示面10A上の領域が左眼可視領域18Lとして示されている。図5A及び図5Bの例において、右眼可視領域18R及び左眼可視領域18Lの境界は、図4に示される透光領域20Aと遮光領域20Bとの境界に対応している。右眼可視領域18Rの境界は、ミニピクセル13_P2Rcからミニピクセル13_P1Gaに至る斜めの実線、及び、ミニピクセル13_P6Bcからミニピクセル13_P5Raに至る斜めの実線によって表されている。左眼可視領域18Lの境界は、ミニピクセル13_P8Rcからミニピクセル13_P7Gaに至る斜めの実線、及び、ミニピクセル13_P12Bcからミニピクセル13_P11Raに至る斜めの実線によって表されている。
【0039】
表示パネル10は、右眼可視領域18Rに位置するサブピクセル12又はミニピクセル13に右眼画像を表示する。つまり、コントローラ30は、図5A及び図5Bに示されているように右眼画像領域PgRを設定する。バリアパネル20は、右眼可視領域18Rに位置するサブピクセル12又はミニピクセル13から出射した画像光を、透光領域20Aを透過させて利用者の右眼5Rに向けて進行させる。このようにすることで、利用者の右眼5Rは右眼画像を視認できる。表示パネル10は、左眼可視領域18Lに位置するサブピクセル12又はミニピクセル13に左眼画像を表示する。つまり、コントローラ30は、図5A及び図5Bに示されているように左眼画像領域PgLを設定する。バリアパネル20は、左眼可視領域18Lに位置するサブピクセル12又はミニピクセル13から出射した画像光を、透光領域20Aを透過させて利用者の左眼5Lに向けて進行させる。このようにすることで、利用者の右眼5Rは右眼画像を視認できる。その結果、利用者は、眼鏡を用いずに3次元画像を視認できる。
【0040】
利用者の左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置は、利用者の視点位置ともいう。表示面10A上の左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rの位置は、利用者の視点位置に基づいて決定される。利用者の視点位置が第1位置である場合における左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rが図5Aに示されているとする。利用者の視点位置が第2位置である場合における左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rが図5Bに示されているとする。
【0041】
図5A及び図5Bに示すように、コントローラ30は、左眼可視領域18Lを含むように左眼画像領域PgLを設定し、右眼可視領域18Rを含むように右眼画像領域PgRを設定している。表示パネル10は、左眼画像領域PgLに含まれるミニピクセル13に左眼画像を表示し、右眼画像領域PgRに含まれるミニピクセル13に右眼画像を表示する。利用者の視点位置の移動に基づく左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rの位置の移動によって、例えば、サブピクセル12_P7Rに含まれるミニピクセル13_P7Ra及び13_P7Rbは、図5Aで左眼画像を表示し、図5Bで右眼画像を表示している。同じサブピクセル12_P7Rに含まれるミニピクセル13_P7Rcは、図5Aでも図5Bでも左眼画像を表示している。つまり、コントローラ30は、利用者の視点位置の移動に応じて、1つのサブピクセル12に含まれるミニピクセル13のうち、一部のミニピクセル13に左眼画像を表示させつつ、他のミニピクセル13に右眼画像を表示させてよい。1つのサブピクセル12は、左眼画像を表示させる第1ミニピクセルと、右眼画像を表示させる第2ミニピクセルとを含んでよい。コントローラ30は、第1ミニピクセルに左眼画像(第1画像)を表示させるとともに、第2ミニピクセルに右眼画像(第2画像)を表示させてよい。コントローラ30がミニピクセル13の単位で左眼画像及び右眼画像のいずれを表示させるか制御することによって、視差画像の画質が向上しうる。
【0042】
仮に左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとが表示面10A上において隣接する場合、少なくとも一部のミニピクセル13は、左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rの両方に含まれる。左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rの両方に含まれるミニピクセル13は、クロストークを生じさせうる。コントローラ30は、左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rの両方に含まれるミニピクセル13に黒色画像を表示させることによってクロストークを低減してよい。コントローラ30がミニピクセル13の単位で黒色画像を表示させることによって、左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとが隣接したり近接したりする場合でも、クロストークを低減しやすくなる。左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとが表示面10A上において隣接したり、近接したりする場合、利用者の眼に到達する画像光が増加する。その結果、利用者が視認する画像の輝度が高くなりうる。
【0043】
<比較例>
図6A及び図6Bに示される比較例において、コントローラ30は、サブピクセル12の単位で表示する画像を制御すると仮定する。利用者の視点位置が第1位置である場合における左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rが図6Aに示されているとする。利用者の視点位置が第2位置である場合における左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rが図6Bに示されているとする。
【0044】
図6Aに示すように、利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、サブピクセル12_P1R、12_P2R、12_P3G、12_P4G、12P5B及び12_P6Bに含まれている。右眼可視領域18Rは、サブピクセル12_P7R、12_P8R、12_P9G、12_P10G、12P_11B及び12_P12Bに含まれている。この場合、コントローラ30は、サブピクセル12_P1R、12_P2R、12_P3G、12_P4G、12P5B及び12_P6Bに左眼画像を表示することによって、左眼5Lに左眼画像を視認させうる。コントローラ30は、サブピクセル12_P7R、12_P8R、12_P9G、12_P10G、12_P11B及び12_P12Bに右眼画像を表示することによって、右眼5Rに右眼画像を視認させうる。
【0045】
図6Bに示すように、利用者の視点位置が第2位置に移動した場合、左眼可視領域18Lは、サブピクセル12_P7Rにさらに含まれる。サブピクセル12_P7Rは、右眼可視領域18Rも含んでいる。コントローラ30がサブピクセル12_P7Rに右眼画像及び左眼画像のどちらを表示させる場合でも、クロストークが発生する。コントローラ30がクロストークを低減するためにサブピクセル12_P7Rに黒色画像を表示させる場合、利用者が視認できる画像の輝度が低減する。左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rのどちらも含まないサブピクセル12を増加させるために、バリアパネル20の透光領域20Aが狭くされてもよい。透光領域20Aが狭くされる場合、利用者が視認する画像の輝度が低下する。
【0046】
本実施形態に係る表示装置100は、サブピクセル12よりも小さいミニピクセル13の単位で画像の表示を制御できる。このようにすることで、サブピクセル12の単位で画像の表示を制御する構成と比較してクロストークが低減されやすくなるとともに、利用者が視認する画像の輝度が低下しにくくなる。つまり、本実施形態に係る表示装置100は、クロストークが低減しつつ、輝度が低下しにくい視差画像を利用者に提供できる。
【0047】
例えば、1つのサブピクセル12に含まれる少なくとも一部のミニピクセル13が右眼画像を表示している場合に、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の数を変更させてよい。この場合、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の階調を変更させてよい。このようにすることで、各サブピクセル12に表示される右眼画像の輝度が一定に維持されうる。
【0048】
例えば、1つのサブピクセル12に含まれる全てのミニピクセル13が右眼画像を表示している場合に、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の数を減少させてよい。この場合、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の階調を高くさせてよい。
【0049】
例えば、1つのサブピクセル12に含まれる一部のミニピクセル13が右眼画像を表示している場合に、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の数を増加させてよい。この場合、コントローラ30は、表示パネル10に、右眼画像を表示するミニピクセル13の階調を低くさせてよい。
【0050】
表示パネル10における画像が、コントローラ30によって、適切に制御されることで、図5A及び図5Bに示されるように、表示パネル10の表示面10Aに、バリアパネル20の透光領域20Aを介して右眼5Rで視認できる右眼可視領域18Rが形成される。表示パネル10における画像が、コントローラ30によって、適切に制御されることで、図5A及び図5Bに示されるように、表示パネル10の表示面10Aに、バリアパネル20の透光領域20Aを介して左眼5Lで視認できる左眼可視領域18Lが形成される。
【0051】
即ち、表示パネル10における画像が、コントローラ30によって、ミニピクセル13単位で任意に制御されることで、表示装置100において、クロストークの原因となる箇所のみ、ミニピクセル13に表示させる画像を変更することができる。これにより、クロストークを低減しつつ、利用者に視認させる画像の輝度を高めることが可能な表示装置100を実現できる。更に、表示パネル10における画像が、コントローラ30によって、ミニピクセル13単位で任意に制御されることで、表示装置100において、表示面10Aに表示する画像の解像度を高めることができる。
【0052】
コントローラ30は、表示パネル10の左眼可視領域18Lに位置するサブピクセル12に左眼画像の一部を表示させる。例えば、コントローラ30は、表示パネル10の左眼可視領域18Lに位置するサブピクセル12_P1R、12_P2R、12_P3G、12_P4G、12_P5B及び12_P6Bに左眼画像の一部を表示させる。
【0053】
コントローラ30は、表示パネル10の右眼可視領域18Rに位置するサブピクセル12に右眼画像の一部を表示させる。例えば、コントローラ30は、表示パネル10の右眼可視領域18Rに位置するサブピクセル12_P7R、12_P8R、12_P9G、12_P10G、12_P11B及び12_P12Bに右眼画像の一部を表示させる。
【0054】
コントローラ30は、所定のミニピクセル13に所定の画像を表示させてよい。例えば、コントローラ30は、所定のミニピクセル13に赤色画像、緑色画像、及び青色画像のいずれかを表示させてよい。例えば、コントローラ30は、所定のミニピクセル13に黒色画像を表示させてよい。黒色画像は、例えば、所定値未満の輝度を有する画像であるとする。所定値は、サブピクセル12が表示可能な階調レベルのうち、最も低い階調の輝度またはこれに準じる階調の輝度に対応する値とすることができる。
【0055】
コントローラ30は、例えば、位置検出装置1(図7参照)によって利用者の左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。利用者の左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置は、利用者の視点位置ともいう。表示装置100が位置検出装置1を備えない場合、コントローラ30は、表示装置100の外部に設けられる位置検出装置1などからの検出信号に基づいて、利用者の視点位置を検出してもよい。
【0056】
コントローラ30は、利用者の視点位置に基づいて、ミニピクセル13に表示させる画像を右眼画像とするか否か、或いは、ミニピクセル13に表示させる画像を左眼画像とするか否かを決定してよい。言い換えれば、コントローラ30は、利用者の視点位置に基づいて、左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rそれぞれに含まれるミニピクセル13を判定してよい。
【0057】
例えば、利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rは、図5Aに示される位置に形成されると仮定する。図5Aの例において、コントローラ30は、各サブピクセル12に含まれる全てのミニピクセル13に表示させる画像を右眼画像と決定している。
【0058】
利用者の視点位置が第1位置とは異なる第2位置に存在する場合、左眼可視領域18L及び右眼可視領域18Rは、図5Bに示される位置に形成されると仮定する。図5Bの例において、例えばサブピクセル12_P1Rは、左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとに跨って位置している。左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとに跨って位置するサブピクセル12の全てのミニピクセル13に左眼画像及び右眼画像の一方のみが表示される場合、クロストークが発生する。コントローラ30は、サブピクセル12_P1Rに含まれるミニピクセル13_P1Ra及びP1Rbに右眼画像を表示させている。コントローラ30は、サブピクセル12_P1Rに含まれるミニピクセル13_P1Rcに左眼画像を表示させている。コントローラ30がミニピクセル13単位で表示する画像を制御することで、クロストークが低減されうる。
【0059】
1つのサブピクセル12内において右眼画像及び左眼画像をそれぞれ表示させるミニピクセル13の個数の割合は、図5Bの例に限定されない。
【0060】
コントローラ30は、利用者の視点位置が第1位置から第2位置へと移ることによって右眼可視領域18Rに位置する状態から左眼可視領域18Lに位置する状態に遷移するミニピクセル13に表示させる画像を、右眼画像から左眼画像へと変更してよい。コントローラ30は、利用者の視点位置が第1位置から第2位置へと移る場合に、例えばサブピクセル12_P7Rに含まれるミニピクセル13_P7Ra及び13_P7Rbに表示させる画像を、右眼画像から左眼画像へと変更してよい。
【0061】
1つのサブピクセル12に含まれる一部のミニピクセル13に表示される画像が右眼画像から左眼画像に変更された場合、左眼画像を表示し続けるミニピクセル13の数が減少する。コントローラ30は、左眼画像を表示し続けるミニピクセル13の輝度を高めてよい。コントローラ30は、例えば、サブピクセル12_P7Rに含まれるミニピクセル13_P7Ra及び13_P7Rbに表示させる画像を、右眼画像から左眼画像へと変更する際、ミニピクセル13_P7Rcの階調を制御し、輝度を高めてよい。このようにすることで、サブピクセル12に表示される左眼画像の輝度が一定に保たれうる。つまり、画像の輝度の変化が低減されるとともに、各ピクセル11内での輝度のバランスが一定に保たれうる。その結果、利用者は、視点位置の変化によるちらつきを認識しにくくなる。
【0062】
ミニピクセル13が左眼可視領域18Lに位置する状態から右眼可視領域18Rに位置する状態に遷移する場合においても、コントローラ30は、上述の例と同一又は類似にミニピクセル13に表示させる画像を制御してよい。
【0063】
コントローラ30は、上述の例に限定されることなく、表示パネル10におけるミニピクセル13に表示させる画像、バリアパネル20の光透過率、などを任意に制御することが可能である。
【0064】
本実施形態に係る表示装置100によれば、コントローラ30が表示パネル10に表示させる画像をミニピクセル13単位で制御できる。この場合、コントローラ30が表示パネル10に表示させる画像をサブピクセル12単位で制御する場合と比較して、クロストークが低減されやすくなるとともに、利用者に視認させる画像の輝度が高められうる。
【0065】
<実施例>
図5A及び図5Bを参照して、本実施形態に係る表示装置100における表示面10Aの可視領域について詳細に説明する。図5Aは、第1位置における表示面10Aの左眼5Lの可視領域を示す模式図の一例である。図5Bは、第2位置における表示面10Aの左眼5Lの可視領域を示す模式図の一例である。図5A及び図5Bの例では、利用者が左眼5Lで左眼画像を視認する場合を一例に挙げて説明する。
【0066】
図5Aに示すように、利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Rを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P1Ra、13_P1Rb、13_P1Rc、13_P2Ra、13_P2Rb及び13_P2Rcを含む。利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Gを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P3Ga、13_P3Gb、13_P3Gc、13_P4Ga、13_P4Gb及び13_P4Gcを含む。利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Bを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P5Ba、13_P5Bb、13_P5Bc、13_P6Ba、13_P6Bb及び13_P6Bcを含む。
【0067】
利用者の視点位置が第1位置にある場合、左眼画像は、例えば、ミニピクセル13_P1Ra、13_P1Rb、13_P1Rc、13_P2Ra、13_P2Rb、13_P2Rc、13_P3Ga、13_P3Gb、及び13_P3Gcに表示されてよい。左眼画像は、例えば、ミニピクセル13_P4Ga、13_P4Gb、13_P4Gc、13_P5Ba、13_P5Bb、13_P5Bc、13_P6Ba、13_P6Bb、及び13_P6Bcに表示されてよい。利用者の視点位置が第1位置にある場合、利用者の左眼5Lは、バリアパネル20の透光領域20Aを介して、表示パネル10の左眼可視領域18Lにおけるこれらのミニピクセル13に表示される左眼画像を視認する。
【0068】
具体的には、利用者の視点位置が第1位置に存在する場合、利用者の左眼5Lは、バリアパネル20の透光領域20Aを介して、ミニピクセル13_P1Raの面積の1/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P1Rbの面積の3/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P1Rcの面積の5/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Raの面積の7/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Rbの面積の9/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Rcの面積の11/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、サブピクセル12_P3G及びP4Gの全体を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P5Baの面積の11/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P5Bbの面積の9/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P5Bcの面積の7/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Baの面積の5/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Bbの面積の3/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Bcの面積の1/12を左眼画像として視認する。
【0069】
一方、図5Bに示すように、利用者の視点位置が第2位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Rを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P1Rc、13_P2Ra、13_P2Rb、13_P2Rc、13_P7Ra及び13_P7Rbを含む。利用者の視点位置が第2位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Gを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P3Ga、13_P3Gb、13_P3Gc、13_P4Ga、13_P4Gb及び13_P4Gcを含む。利用者の視点位置が第2位置に存在する場合、左眼可視領域18Lは、Bを表示する6個のミニピクセル13を含む。左眼可視領域18Lは、例えば、ミニピクセル13_P5Ba、13_P5Bb、13_P5Bc、13_P6Ba、13_P6Bb及び13_P6Bcを含む。
【0070】
利用者の視点位置が第2位置にある場合、左眼画像は、例えば、ミニピクセル13_P1Rc、13_P2Ra、13_P2Rb、13_P2Rc、13_P7Ra及び13_P7Rbに表示されている。左眼画像は、例えば、ミニピクセル13_P3Ga、13_P3Gb、13_P3Gc、13_P4Ga、13_P4Gb、13_P4Gcに表示されている。左眼画像は、例えば、13_P5Ba、13_P5Bb、13_P5Bc、13_P6Ba、13_P6Bb及び13_P6Bcに表示されている。利用者の視点位置が第2位置にある場合においても、利用者の左眼5Lは、バリアパネル20の透光領域20Aを介して、表示パネル10の左眼可視領域18Lにおけるこれらのミニピクセル13に表示される左眼画像を視認する。
【0071】
具体的には、利用者の視点位置が第2位置に存在する場合、利用者の左眼5Lは、バリアパネル20の透光領域20Aを介して、ミニピクセル13_P1Rcの面積の1/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Raの面積の3/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Rbの面積の5/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P2Rcの面積の7/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P3Gaの面積の9/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P3Gbの面積の11/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P3Gcの全体を左眼画像として視認する。左眼5Lは、サブピクセル12_P4Gの全体を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P5Ba及び13_P5Bbの全体を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P5Bcの面積の11/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Baの面積の9/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Bbの面積の7/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P6Bcの面積の5/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P7Raの面積の3/12を左眼画像として視認する。左眼5Lは、ミニピクセル13_P7Rbの面積の1/12を左眼画像として視認する。
【0072】
本実施形態に係る表示装置100によれば、コントローラ30が、利用者の視点位置に基づいて、ミニピクセル13単位で表示させる画像を適切に制御できる。ミニピクセル13単位で制御することで、利用者の視点位置が第1位置から第2位置へと移っても、利用者は、左眼5Lで右眼画像を視認することなく、常に左眼5Lで左眼画像を視認できる。その結果、本実施形態に係る表示装置100は、クロストークを低減しつつ、利用者に視認させる画像の輝度を高めることができる。図5A及び図5Bの例では、利用者が左眼5Lで左眼画像を視認する場合の制御を一例に挙げて説明したが、利用者が右眼5Rで右眼画像を視認する場合も同一又は類似に制御されうる。
【0073】
画像を表示する単位となるミニピクセル13の縦の長さと横の長さとの比は1に近づけられてよい。画像を表示する単位となるミニピクセル13は、表示単位ともいう。ミニピクセル13の縦の長さと横の長さとの比は、表示単位の縦横比ともいう。
【0074】
左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとが隣接していると仮定する。左眼可視領域18Lと右眼可視領域18Rとの間の境界が1つの表示単位を分割する場合、1つの表示単位の面積のうち、左眼可視領域18Lに含まれる面積と右眼可視領域18Rに含まれる面積とがそれぞれ1/2の面積となることがある。表示単位の縦の長さ及び横の長さの下限は、表示パネル10の製造コスト又は製造技術等に基づいて決定されうる。表示単位の縦の長さ及び横の長さの下限が存在する場合、表示単位の縦横比が1に近づくほど、表示単位の面積が小さくされうる。つまり、表示単位の縦横比が1に近づくほど、右眼5Rで視認される左眼画像の面積が低減されうる。
【0075】
図7に例示されるように、光学部材がレンチキュラレンズ25として構成されてもよい。光学部材がレンチキュラレンズ25として構成される場合、光学部材は、Y軸方向に延在し、X軸方向に配列しているシリンドリカルレンズ26を備えてよい。この場合、シリンドリカルレンズ26は、光学素子35に対応する。
【0076】
レンチキュラレンズ25として構成される光学部材は、バリアパネル20として構成される光学部材と同一又は類似に機能しうる。例えば、光学素子35としてのシリンドリカルレンズ26は、表示パネル10の左眼画像領域PgLから射出される画像光を利用者の左眼5Lに到達させつつ、右眼5Rに到達させないように機能しうる。この場合、画像光は、破線で表されている経路52Lに沿って伝播しうる。一方で、光学素子35としてのシリンドリカルレンズ26は、表示パネル10の右眼画像領域PgRから射出される画像光を利用者の右眼5Rに到達させつつ、左眼5Lに到達させないように機能しうる。この場合、画像光は、一点鎖線で表されている経路52Rに沿って伝播しうる。
【0077】
<応用例>
図8に示されるように、3次元表示システム3は、位置検出装置1と、表示装置100とを含んで構成される。図8に示されるように、3次元表示システム3は、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display)200に搭載されうる。ヘッドアップディスプレイ200は、単にHUD200ともいう。HUD200は、3次元表示システム3と、光学系110と、被投影面130を有する被投影部材120とを備える。HUD200は、3次元表示システム3から出射される画像光を、光学系110を介して被投影部材120に到達させる。つまり、HUD200は、画像光を被投影部材120に投影する。HUD200は、被投影部材120で反射させた画像光を、利用者の左眼5L及び右眼5Rに到達させる。つまり、HUD200は、破線で示される光路140に沿って、3次元表示システム3から利用者の左眼5L及び右眼5Rまで画像光を進行させる。利用者は、光路140に沿って到達した画像光を、虚像150として視認しうる。
【0078】
図9に示されるように、3次元表示システム3を含むHUD200は、移動体8に搭載されてよい。HUD200は、構成の一部を、当該移動体8が備える他の装置、部品と兼用してよい。例えば、移動体8は、ウインドシールドを被投影部材120として兼用してよい。HUD200及び3次元表示システム3は、構成の一部を当該移動体8が備える他の装置、部品と兼用してよい。構成の一部を当該移動体8が備える他の装置、部品と兼用する場合、する場合、他の構成をHUDモジュールまたは3次元表示コンポーネントと呼びうる。本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
【0079】
3次元表示システム3は、位置検出装置1を備えなくてよい。3次元表示システム3が位置検出装置1を備えない場合、コントローラ30は、装置外の検出装置からの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外の検出装置は、入力端子に接続されてよい。装置外の検出装置は、入力端子に対する伝送信号として、電気信号及び光信号を用いてよい。装置外の検出装置は、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。コントローラ30は、装置外の検出装置から取得した左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を示す位置座標が入力されてもよい。コントローラ30は、位置座標に基づいて、水平方向に沿った、左眼5L及び右眼5Rの移動距離を算出してよい。
【0080】
<変形例>
本実施形態では、表示装置100が、3次元画像を表示することを前提として説明したが、表示装置100は、その表示形式が特に限定されるものではない。例えば、表示装置100は、表示面10Aの一部に3次元画像を表示し、表示面10Aの他の一部に2次元画像を表示してもよい。例えば、表示装置100は、表示面10Aの全部に3次元画像を表示してもよい。例えば、表示装置100は、表示面10Aの全部に2次元画像を表示してもよい。表示パネル10は、3次元画像を表示するサブピクセル12に含まれる複数のミニピクセル13それぞれに異なる画像を表示してよい。表示パネル10は、2次元画像を表示するサブピクセル12に含まれる複数のミニピクセル13に同じ画像を表示してよい。このようにすることで、3次元画像及び2次元画像それぞれの画質が向上されうる。
【0081】
本実施形態では、表示パネル10の左眼画像領域PgL及び右眼画像領域PgRは、水平方向に繰り返して配列され、垂直方向においては、水平方向に1個のサブピクセル12分ずれた位置に隣接して繰り返して配列されたが、この限りではない。例えば、表示パネル10の左眼画像領域PgL及び右眼画像領域PgRは、水平方向に繰り返して配列され、垂直方向にも繰り返して配列されてよい。このような構成において、バリアパネル20は、表示パネル10の左眼画像領域PgL及び右眼画像領域PgRそれぞれに位置するミニピクセル13からの画像光が同時に透光または減光されるように透光領域20A及び遮光領域20Bを制御する。具体的には、バリアパネル20において、各複数の画素は、1個のミニピクセル13分の大きさの画像からの画像光が利用者のいずれかの眼の位置に到達するように透過する大きさであってよい。このような構成において、コントローラ30は、水平方向に連続する複数の複数の画素を透光状態に制御する。コントローラ30は、透光状態である水平方向に連続する複数の複数の画素が、垂直方向において1個の複数の画素の水平方向の長さだけずれて配列されるように制御する。
【0082】
本実施形態では、利用者から見て表示パネル10の前方にバリアパネル20を配置する場合を一例に挙げて説明したが、バリアパネル20は、表示パネル10の種類に応じて適宜配置変更することが可能である。例えば、表示パネル10がバックライト透過型の表示パネルである場合、バリアパネル20は、利用者から見て表示パネル10の前方に配置されてもよいし、利用者から見て表示パネル10の後方に配置されてもよい。例えば、表示パネル10が自発光型の表示パネルである場合、バリアパネル20は、利用者から見て表示パネル10の前方に配置されてもよい。
【0083】
本実施形態では、コントローラ30は、利用者の眼の位置と透光状態の領域の位置とに基づいて、右眼画像及び左眼画像を表示するミニピクセル13を変更するとしたが、これに限られない。例えば、利用者の眼の位置は固定であってよい。このような構成において、コントローラ30は、透光状態の領域の位置に基づいて、右眼画像及び左眼画像を表示するミニピクセル13を変更する。この場合、表示装置100は、位置検出装置1を備えなくてよい。
【0084】
表示装置100が、位置検出装置1を備える場合、位置検出装置1は、利用者の左眼5L及び右眼5Rのいずれか一方の位置を検出し、コントローラ7に出力する。位置検出装置1は、例えば、カメラを備えてよい。位置検出装置1は、カメラによって利用者の顔を撮影してよい。位置検出装置1は、カメラの撮影画像から左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。位置検出装置1は、1個のカメラの撮影画像から、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。位置検出装置1は、2個以上のカメラの撮影画像から、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0085】
位置検出装置1は、カメラを備えず、装置外のカメラに接続されていてよい。位置検出装置1は、装置外のカメラからの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外のカメラは、入力端子に直接的に接続されてよい。装置外のカメラは、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。カメラを備えない位置検出装置1は、カメラが映像信号を入力する入力端子を備えてよい。カメラを備えない位置検出装置1は、入力端子に入力された映像信号から左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。
【0086】
位置検出装置1は、例えば、センサを備えてよい。センサは、超音波センサ又は光センサ等であってよい。位置検出装置1は、センサによって利用者の頭部の位置を検出し、頭部の位置に基づいて左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。位置検出装置1は、1個又は2個以上のセンサによって、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0087】
位置検出装置1は、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置の検出結果に基づいて、眼球配列方向に沿った、左眼5L及び右眼5Rの移動距離を検出してもよい。
【0088】
表示装置100が、照射器を備える場合、照射器は、表示パネル10の一方の面側に配置され、表示パネル10を面的に照射する。照射器は、光源、導光板、拡散板、拡散シート等を含んで構成されてよい。照射器は、光源により照射光を射出し、導光板、拡散板、拡散シート等により照射光を表示パネル10の面方向に均一化する。照射器は均一化された光を表示パネル10の方に出射する。
【0089】
一実施形態に係る表示パネル10において、ピクセル11は、サブピクセル12を含まず、ミニピクセル13を含んでよい。つまり、ミニピクセル13は、サブピクセル12を単位として表示する色が決定されなくてもよい。例えば、同じ色を表示するミニピクセル13が水平方向に並んでよい。R、G及びBをそれぞれ表示するミニピクセル13が垂直方向に並んでもよい。ピクセル11において、R、G及びBをそれぞれ表示するミニピクセル13の数が異なってもよい。このようにすることで、クロストークが低減されうるとともに、利用者が視認できる視差画像の輝度が高まりうる。
【0090】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。本開示に係る構成は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態及び実施例に記載の複数の構成ブロックを1個に組合せたり、あるいは1個の構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【0091】
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
【0092】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1眼は、第2眼と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0093】
本開示において、X軸、Y軸、及びZ軸は、説明の便宜上設けられたものであり、互いに入れ替えられてよい。本開示に係る構成は、X軸、Y軸、及びZ軸によって構成される直交座標系を用いて説明されてきた。本開示に係る各構成の位置関係は、直交関係にあると限定されるものではない。
【符号の説明】
【0094】
1 位置検出装置
3 3次元表示システム
8 移動体
10 表示パネル
10A 表示面
11 ピクセル
12 サブピクセル
13 ミニピクセル
20 バリアパネル
20A 透光領域
20B 遮光領域
25 レンチキュラレンズ
26 シリンドリカルレンズ
30 コントローラ
35 光学素子
100 表示装置
110 光学系
120 被投影部材
130 被投影面
140 光路
150 虚像
200 ヘッドアップディスプレイ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9