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特許7188985情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 372
G06Q30/06 312
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018212891
(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公開番号】P2020080041
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】多治見 和彦
(72)【発明者】
【氏名】柿本 修
(72)【発明者】
【氏名】松島 健太
(72)【発明者】
【氏名】横山 隆之
(72)【発明者】
【氏名】佐野 真
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-025663(JP,A)
【文献】特開2015-069222(JP,A)
【文献】特開2014-006769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0033669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報サイトに蓄積された情報を利用するプロジェクトについて、始動条件に関する情報が記録されたプロジェクト情報記憶部と、
ユーザが利用している情報サイトに関する情報、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を記録するユーザ情報記憶部と、
ユーザ端末及び情報サイト、前記プロジェクトの管理システムに接続される制御部とを備える情報管理システムであって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を取得し、前記ユーザ情報記憶部に記録し、
前記プロジェクト情報記憶部に記録されたプロジェクトの始動条件に到達した場合、前記プロジェクトにエントリーしたユーザについてのパーソナル情報を、前記ユーザ情報記憶部に記録された情報サイトから取得し、前記プロジェクトの管理システムに提供することを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記プロジェクト情報記憶部には、ユーザに対する報酬に関する情報が更に記録されており、
前記制御部が、前記プロジェクトにユーザ情報を提供した場合には、前記ユーザに前記報酬を提供することを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記制御部が、
ユーザが利用している情報サイトを特定し、
前記特定した情報サイトに基づいて、エントリー可能なプロジェクトを前記ユーザ端末に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記制御部が、前記エントリー可能なプロジェクトについて、ユーザのエントリー人数を出力することを特徴とする請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記制御部が、プロジェクトの登録時に、プロジェクトの条件に応じて、エントリー可能なユーザ数を表示することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の情報管理システム。
【請求項6】
情報サイトに蓄積された情報を利用するプロジェクトについて、始動条件に関する情報が記録されたプロジェクト情報記憶部と、
ユーザが利用している情報サイトに関する情報、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を記録するユーザ情報記憶部と、
ユーザ端末及び情報サイト、前記プロジェクトの管理システムに接続される制御部とを備える情報管理システムを用いて、情報管理を行なうための方法であって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末から、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を取得し、前記ユーザ情報記憶部に記録し、
前記プロジェクト情報記憶部に記録されたプロジェクトの始動条件に到達した場合、前記プロジェクトにエントリーしたユーザについてのパーソナル情報を、前記ユーザ情報記憶部に記録された情報サイトから取得し、前記プロジェクトの管理システムに提供することを特徴とする情報管理方法。
【請求項7】
情報サイトに蓄積された情報を利用するプロジェクトについて、始動条件に関する情報が記録されたプロジェクト情報記憶部と、
ユーザが利用している情報サイトに関する情報、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を記録するユーザ情報記憶部と、
ユーザ端末及び情報サイト、前記プロジェクトの管理システムに接続される制御部とを備える情報管理システムを用いて、情報管理を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザ端末から、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を取得し、前記ユーザ情報記憶部に記録し、
前記プロジェクト情報記憶部に記録されたプロジェクトの始動条件に到達した場合、前記プロジェクトにエントリーしたユーザについてのパーソナル情報を、前記ユーザ情報記憶部に記録された情報サイトから取得し、前記プロジェクトの管理システムに提供する手段として機能させることを特徴とする情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのパーソナル情報を用いて取引を行なうための情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
市場ニーズの動向を把握することは、マーケティングにおいて有用である。このため、個人属性に関連付けられた購買情報やサービス利用情報をマーケティングに利用することがある。
【0003】
そこで、クレジットカード会社等によって蓄積され、データベースに保管されている個人情報を活用するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術においては、第三者機関は依頼者から特定個人の個人情報に対する要求を受け取り、その個人情報の販売に関連する方針を規定する。また、個人情報は第三者機関によって有効性を検査される。第三者機関は、依頼者から要求された個人情報を依頼者に渡してよいか、この個人に対価の支払を条件に許可を求める。許可された場合には要求された個人情報をその依頼者に提供する。
【0004】
また、個人情報を一元管理するための技術も検討されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術においては、個人の情報を管理する個人情報バンクと、個人情報の入力・検索・参照などを行なう顧客側クライアント及びサービス提供者側クライアントとを用いる。個人情報バンクに個人情報を一元管理することで、サービス提供者側、顧客側の双方が情報を登録・更新・削除・照会可能であり、他の情報をキーにして顧客を識別することを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-290956号公報
【文献】特開2009-187229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単に個人情報を提供して報酬を得るだけでは、個人情報の提供に対するモチベーションが働かない場合がある。このため、多くの個人情報を収集することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する情報管理システムは、情報サイトに蓄積された情報を利用するプロジェクトについて、始動条件に関する情報が記録されたプロジェクト情報記憶部と、ユーザが利用している情報サイトに関する情報、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を記録するユーザ情報記憶部と、ユーザ端末及び情報サイト、前記プロジェクトの管理システムに接続される制御部とを備える。そして、前記制御部が、前記ユーザ端末から、ユーザがエントリーしたプロジェクトに関する情報を取得し、前記ユーザ情報記憶部に記録し、前記プロジェクト情報記憶部に記録されたプロジェクトの始動条件に到達した場合、前記プロジェクトにエントリーしたユーザについてのパーソナル情報を、前記ユーザ情報記憶部に記録された情報サイトから取得し、前記プロジェクトの管理システムに提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パーソナル情報を利用するプロジェクトに効率的に参加して、パーソナル情報を用いた取引を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報管理システムの説明図。
図2】本実施形態のハードウェア構成の説明図。
図3】本実施形態のユーザ情報記憶部の説明図。
図4】本実施形態の情報記憶部の説明図であって、(a)はサイト情報記憶部、(b)はプロジェクト情報記憶部、(c)は提供履歴記憶部、(d)は事業者情報記憶部の説明図。
図5】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)はユーザ登録処理、(b)はプロジェクト登録処理の説明図。
図6】本実施形態の処理手順の説明図。
図7】本実施形態の処理手順の説明図。
図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図8に従って、情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、ユーザのパーソナル情報を提供してプロジェクトを実行する場合を想定する。ここで、パーソナル情報には、SNSサイトに登録された情報、資産運用情報、所在地や訪問情報、宿泊地や飲食店の予約情報、ショッピング情報、オークション情報、ウェブや動画の閲覧履歴、ゲーム利用履歴、健康状態情報等のように、ユーザ個人に関する情報が含まれる。
図1に示すように、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、管理サーバ20、サービスサイトサーバ30、事業者端末40を用いる。
【0011】
(ハードウェア構成)
図2を用いて、ユーザ端末10~事業者端末40を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0012】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースカードや無線インタフェース等である。
【0013】
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。タッチパネルディスプレイ等は、入力装置H12、表示装置H13として機能する。
【0014】
記憶部H14は、ユーザ端末10~事業者端末40の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0015】
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10~事業者端末40における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各サービスのための各種プロセスを実行する。
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0016】
(システム構成)
次に、図1を用いて、ユーザ端末10~事業者端末40の機能を説明する。
ユーザ端末10は、パーソナル情報を提供するユーザが用いるコンピュータ端末である。
【0017】
サービスサイトサーバ30は、各ユーザが利用する各種サービスを提供するサービスサイトのコンピュータシステムである。このサービスサイトサーバ30は、各ユーザのパーソナル情報が蓄積される情報サイトとして機能する。サービスサイトサーバ30には、ソーシャルネットワークサービス(SNS)、販売事業者、行政機関、旅行会社、宿泊施設、交通機関等が含まれる。サービスサイトサーバ30には、ユーザのサービス利用に応じて、パーソナル情報が蓄積される。
【0018】
事業者端末40は、プロジェクトを企画し、このプロジェクトのために、ユーザのパーソナル情報の取得を希望する事業者が用いるコンピュータ端末(プロジェクトの管理システム)である。
【0019】
管理サーバ20は、ユーザのパーソナル情報を用いて取引を管理するコンピュータシステムである。この管理サーバ20は、制御部21、ユーザ情報記憶部22、サイト情報記憶部23、プロジェクト情報記憶部24、提供履歴記憶部25、事業者情報記憶部26を備える。
【0020】
制御部21は、後述する処理(アクセス認証段階、ユーザ管理段階、情報管理段階、プロジェクト管理段階等の各処理等)を行なう。そのため、情報管理プログラムを実行することにより、制御部21は、アクセス認証部210、ユーザ管理部211、情報管理部212、プロジェクト管理部213として機能する。
【0021】
アクセス認証部210は、アクセス者を認証する処理を実行する。
ユーザ管理部211は、パーソナル情報を提供するユーザの登録処理を実行する。
情報管理部212は、ユーザのパーソナル情報を収集して管理する処理を実行する。
【0022】
プロジェクト管理部213は、事業者端末40から取得したプロジェクト情報をプロジェクト情報記憶部24に登録する。そして、プロジェクト管理部213は、登録されたプロジェクトに対するユーザのエントリーを管理する。
【0023】
図3に示すように、ユーザ情報記憶部22には、パーソナル情報を提供するユーザについてのユーザ管理レコード220が記録される。このユーザ管理レコード220は、ユーザ登録が行なわれた場合に記録される。このユーザ管理レコード220は、基本レコード221、利用サイト管理レコード222、エントリー管理レコード223から構成される。
【0024】
基本レコード221には、パーソナル情報を用いて取引を行なうユーザの基本情報として、ユーザID、認証情報、連絡先、口座識別子、属性に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0025】
認証情報データ領域には、この事業者を認証するためのデータが記録される。
連絡先データ領域には、このユーザに連絡するための連絡先(例えばメールアドレス)に関するデータが記録される。
【0026】
口座識別子データ領域には、このユーザの口座を特定するための識別子(本支店コード、口座種別、口座番号)に関するデータが記録される。この口座は、プロジェクト発動の報酬がお金により支払われる場合には、入金のために用いられる。
【0027】
属性データ領域には、このユーザ属性に関するデータが記録される。属性としては、例えば性別、年齢、職業、住所地域等を用いることができる。
【0028】
利用サイト管理レコード222には、このユーザが利用するサービスサイトに関する情報として、サイトID、アカウント、提供条件に関するデータが記録される。
サイトIDデータ領域には、このユーザが利用するサービスサイトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
アカウントデータ領域には、各サービスサイトにおいて、このユーザを特定するためのアカウントIDに関するデータが記録される。
【0029】
提供条件データ領域には、このサービスサイトから取得できるパーソナル情報を提供する場合の条件に関するデータが記録される。本実施形態では、この提供条件として、情報提供時の匿名性の担保、最低限の報酬が記録される。
【0030】
エントリー管理レコード223には、このユーザがエントリー(参加表明)したプロジェクトに関する情報として、プロジェクトID、エントリー日時、状況に関するデータが記録される。
【0031】
プロジェクトIDデータ領域には、このユーザがエントリーしたプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
エントリー日時データ領域には、このエントリーを行なった年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0032】
状況データ領域には、このプロジェクトの状況(募集中、発動、終了)を特定するためのフラグが記録される。募集中フラグは、プロジェクトにエントリーするユーザの募集中であることを示す。発動フラグは、プロジェクトが発動されたことを示す。終了フラグは、プロジェクトが発動されずに終了したことを示す。
【0033】
図4(a)に示すように、サイト情報記憶部23には、ユーザに対してサービスを提供するサービスサイトについてのサイト管理レコード230が記録される。本実施形態では、サイト情報記憶部23に記録された各サービスサイトにおけるパーソナル情報をプロジェクトに提供する。このサイト管理レコード230には、サイトID、取得項目に関するデータが記録される。
【0034】
サイトIDデータ領域には、各サービスサイトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
取得項目データ領域には、このサービスサイトから取得できる情報項目に関するデータが記録される。例えば、ブログサイトの情報項目については、ユーザの時系列情報、SNSサイトの場合には、メッセージの内容や発信数等を取得することができる。
【0035】
図4(b)に示すように、プロジェクト情報記憶部24には、パーソナル情報を利用するプロジェクトについてのプロジェクト管理レコード240が記録される。このプロジェクト管理レコード240は、プロジェクト登録が行なわれた場合に記録される。このプロジェクト管理レコード240には、プロジェクトID、事業者ID、プロジェクト内容、情報希望条件、エントリー期限、始動条件、報酬、エントリー人数、結果に関するデータが記録される。
【0036】
プロジェクトIDデータ領域には、各プロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
事業者IDデータ領域には、プロジェクトを企画した事業者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0037】
プロジェクト内容データ領域には、このプロジェクト計画書に関するデータが記録される。プロジェクト計画書においては、プロジェクトの目的や、パーソナル情報の利用方法等のプロジェクトの概要が記述されている。
【0038】
情報希望条件データ領域には、プロジェクトにおいて活用するパーソナル情報の希望条件に関するデータが記録される。例えば、条件として、ユーザの属性(例えば、住所地域)や、特定のサイトID(例えば、SNSサイト利用者)等を設定する。更に、プロジェクトへの最大エントリー数を設定してもよい。
【0039】
エントリー期限データ領域には、このプロジェクトにおけるエントリー期間に関するデータが記録される。
始動条件データ領域には、このプロジェクトを発動するための条件に関するデータが記録される。例えば、プロジェクトへの最低エントリー数を始動条件として用いることができる。
【0040】
報酬データ領域には、このプロジェクトにおいて、パーソナル情報を提供したユーザに対する報酬に関するデータが記録される。
エントリー人数データ領域には、このプロジェクトへのユーザのエントリー人数に関するデータが記録される。
状況データ領域には、このプロジェクトの状況(募集中、発動、終了)を特定するためのフラグが記録される。
【0041】
図4(c)に示すように、提供履歴記憶部25には、プロジェクトを企画した事業者に対して、パーソナル情報を提供した履歴についての提供履歴管理レコード250が記録される。この提供履歴管理レコード250は、パーソナル情報を事業者に提供した場合に記録される。この提供履歴管理レコード250は、ユーザID、プロジェクトID、情報項目、提供日時、報酬に関するデータを含んで構成される。
【0042】
ユーザIDデータ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
プロジェクトIDデータ領域には、このユーザのパーソナル情報を提供したプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0043】
情報項目データ領域には、プロジェクトに提供したパーソナル情報の内容に関するデータが記録される。
提供日時データ領域には、パーソナル情報を提供した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
報酬データ領域には、パーソナル情報の提供により取得した報酬に関するデータが記録される。
【0044】
図4(d)に示すように、事業者情報記憶部26には、プロジェクトを企画する事業者についての事業者管理レコード260が記録される。この事業者管理レコード260は、事業者が登録された場合に記録される。この事業者管理レコード260は、事業者ID、認証情報、プロジェクトIDに関するデータを含んで構成される。
【0045】
事業者IDデータ領域には、各事業者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
認証情報データ領域には、この事業者を認証するためのデータが記録される。
プロジェクトIDデータ領域には、この事業者が企画したプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0046】
(ユーザ登録処理)
図5(a)を用いて、ユーザ登録処理を説明する。この処理は、パーソナル情報を用いた取引を希望するユーザがユーザ登録を行なう場合に実行される。パーソナル情報の取引を希望するユーザは、ユーザ端末10を用いて管理サーバ20にアクセスする。
【0047】
まず、管理サーバ20の制御部21は、ログイン処理を実行する(ステップS1-1)。具体的には、新規ユーザの場合には、制御部21のアクセス認証部210は、ユーザ登録画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。そして、アクセス認証部210は、ユーザ登録画面に入力されたユーザID、認証情報を取得し、これらの情報を含めた基本レコード221を生成し、ユーザ情報記憶部22に記録する。
一方、既登録ユーザの場合には、アクセス認証部210は、認証画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。そして、アクセス認証部210は、認証画面に入力されたユーザID及び認証情報を取得する。アクセス認証部210は、取得したユーザID及び認証情報がユーザ管理レコード220の基本レコード221に記録されている場合には、ログインを許可する。なお、取得したユーザID及び認証情報が基本レコード221に記録されていない場合には、ログインを拒否する。
【0048】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ属性情報の登録処理を実行する(ステップS1-2)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ端末10のディスプレイに基本情報入力画面を出力する。この基本情報入力画面には、連絡先、口座識別子、属性の入力欄が含まれる。そして、ユーザ管理部211は、基本情報入力画面に入力された各種情報を取得し、基本レコード221に記録する。
【0049】
次に、管理サーバ20の制御部21は、サービスサイト一覧の表示処理を実行する(ステップS1-3)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、サイト情報記憶部23に記録されたサービスサイトに関する情報を含めた一覧画面を、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。この一覧画面においては、ユーザが利用しており、パーソナルデータを提供可能なサービスサイトを選択するための選択ボックスが含まれる。ユーザが複数のサービスサイトを利用している場合には、複数のサービスサイトを選択することができる。更に、この一覧画面には、サービスサイトにおけるユーザのアカウント、ユーザのパーソナル情報を提供する場合の提供条件の設定欄が設けられている。
【0050】
次に、管理サーバ20の制御部21は、利用中のサービスサイトの選択処理を実行する(ステップS1-4)。具体的には、ユーザは、一覧画面において、パーソナル情報提供可能なサービスサイトを選択する。この場合、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ端末10に出力された一覧画面において選択されたサービスサイトに関する情報(サイトID及びアカウント、提供条件)を取得する。
【0051】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザが利用しているサービスサイトの登録処理を実行する(ステップS1-5)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ端末10から取得したサイトID、アカウント、提供条件を含めた利用サイト管理レコード222を生成し、基本レコード221に関連付けて、ユーザ情報記憶部22に記録する。
【0052】
(プロジェクト登録処理)
次に、図5(b)を用いて、プロジェクト登録処理を説明する。この処理は、事業者がプロジェクトを企画する場合に実行される。プロジェクトを企画する事業者は、事業者端末40を用いて管理サーバ20にアクセスする。
【0053】
まず、管理サーバ20の制御部21は、ログイン処理を実行する(ステップS2-1)。具体的には、新規事業者の場合には、制御部21のアクセス認証部210は、事業者登録画面を事業者端末40のディスプレイに出力する。そして、アクセス認証部210は、事業者登録画面に入力された事業者ID、認証情報を取得し、これらの情報を含めた事業者管理レコード260を生成し、事業者情報記憶部26に記録する。
一方、既登録ユーザの場合には、アクセス認証部210は、事業者端末40のディスプレイに認証画面を出力する。そして、アクセス認証部210は、認証画面に入力された事業者ID及び認証情報を取得する。アクセス認証部210は、取得した事業者ID及び認証情報が事業者管理レコード260に記録されている場合には、ログインを許可する。なお、取得したユーザID及び認証情報が事業者管理レコード260に記録されていない場合には、ログインを拒否する。
【0054】
次に、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト内容の登録処理を実行する(ステップS2-2)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、事業者端末40のディスプレイにプロジェクト登録画面を出力する。このプロジェクト登録画面には、プロジェクト内容、エントリー期限、始動条件、報酬に関する入力欄を含める。そして、事業者端末40からプロジェクト内容に関する情報を取得したプロジェクト管理部213は、プロジェクトIDを付与し、事業者端末40から取得した情報を含めたプロジェクト管理レコード240を生成し、プロジェクト情報記憶部24に記録する。
【0055】
次に、管理サーバ20の制御部21は、情報希望条件の設定処理を実行する(ステップS2-3)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、事業者端末40のディスプレイに条件設定画面を出力する。この条件設定画面には、希望するパーソナル情報の条件の設定欄が設けられている。そして、事業者端末40から情報希望条件を取得したプロジェクト管理部213は、取得した情報希望条件をメモリに仮記憶する。
【0056】
次に、管理サーバ20の制御部21は、対象ユーザ数の表示処理を実行する(ステップS2-4)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、ユーザ情報記憶部22を用いて、メモリに仮記憶された情報希望条件に対応するユーザ管理レコード220を抽出する。この場合、利用サイト管理レコード222に記録された提供条件が、情報希望条件の報酬、属性等を満たすユーザ管理レコード220のみを抽出する。そして、プロジェクト管理部213は、抽出したユーザ管理レコード220のレコード数をカウントすることにより対象ユーザ数を算出する。そして、プロジェクト管理部213は、算出した対象ユーザ数を条件設定画面に表示する。
【0057】
次に、管理サーバ20の制御部21は、決定かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2-5)。具体的には、事業者は、条件設定画面に表示された対象ユーザ数を確認する。そして、対象ユーザ数に問題がない場合には、プロジェクト登録の決定指示を事業者端末40に入力する。一方、対象ユーザ数が少なく、問題がある場合には、キャンセル指示を入力する。制御部21のプロジェクト管理部213は、事業者端末40に入力された決定指示又はキャンセル指示を取得する。
【0058】
キャンセル指示を取得し、決定でないと判定した場合(ステップS2-5において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、情報希望条件の設定処理(ステップS2-3)に戻る。
【0059】
一方、決定指示を取得し、決定と判定した場合(ステップS2-5において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクトの登録処理を実行する(ステップS2-6)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、メモリに仮記憶された情報希望条件を、プロジェクト管理レコード240に記録する。
【0060】
(プロジェクトエントリー処理)
次に、図6を用いて、プロジェクトエントリー処理を説明する。プロジェクトへのエントリーを希望するユーザは、ユーザ端末10を用いて、管理サーバ20にアクセスする。
【0061】
この場合、管理サーバ20の制御部21は、ログイン処理を実行する(ステップS3-1)。具体的には、制御部21のアクセス認証部210は、認証画面をユーザ端末10のディスプレイに出力する。そして、アクセス認証部210は、認証画面に入力されたユーザID及び認証情報を取得する。アクセス認証部210は、取得したユーザID及び認証情報がユーザ管理レコード220の基本レコード221に記録されている場合には、ログインを許可する。なお、取得したユーザID及び認証情報が基本レコード221に記録されていない場合には、ログインを拒否する。
【0062】
ログインを完了した場合、管理サーバ20の制御部21は、エントリー済みプロジェクトの特定処理を実行する(ステップS3-2)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、ログインしたユーザの基本レコード221に関連付けられたエントリー管理レコード223に記録され、募集中フラグが記録されたプロジェクトIDを特定する。
【0063】
次に、管理サーバ20の制御部21は、既登録プロジェクトの進捗状況の取得処理を実行する(ステップS3-3)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、特定したプロジェクトIDが記録されたプロジェクト管理レコード240をプロジェクト情報記憶部24から抽出する。そして、ユーザ管理部211は、プロジェクト管理レコード240に記録されているエントリー人数を取得する。
【0064】
更に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザが登録したサービスサイトの特定処理を実行する(ステップS3-4)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ管理レコード220の利用サイト管理レコード222に記録されたサイトIDを特定する。
【0065】
次に、管理サーバ20の制御部21は、エントリー可能なプロジェクトの特定処理を実行する(ステップS3-5)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、特定したサイトID、募集中フラグが記録されたプロジェクト管理レコード240をプロジェクト情報記憶部24から抽出する。次に、ユーザ管理部211は、抽出したプロジェクト管理レコード240の中で、このユーザがまだエントリーしていない未登録プロジェクトを特定する。更に、ユーザ管理部211は、利用サイト管理レコード222に記録された属性やサイトIDが、情報希望条件データ領域に記録されているプロジェクト管理レコード240に絞り込む。
【0066】
次に、管理サーバ20の制御部21は、未登録プロジェクトの進捗状況の取得処理を実行する(ステップS3-6)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、未登録プロジェクトのプロジェクト管理レコード240において、エントリー人数を取得する。
【0067】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ画面の表示処理を実行する(ステップS3-7)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、既登録プロジェクトの進捗状況及び未登録プロジェクトの進捗状況を含めたユーザ画面を生成し、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。
【0068】
次に、管理サーバ20の制御部21は、未登録プロジェクトの選択処理を実行する(ステップS3-8)。具体的には、ユーザは、所望の未登録プロジェクトを選択する。この場合、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ端末10から、選択された未登録プロジェクトのプロジェクトIDを取得する。
【0069】
次に、管理サーバ20の制御部21は、未登録プロジェクトの詳細表示処理を実行する(ステップS3-9)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、選択された未登録プロジェクトのプロジェクト管理レコード240に記録された、プロジェクト概要(事業者ID、プロジェクト内容、情報希望条件、エントリー期限、始動条件、報酬等)に関する情報を、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。
【0070】
次に、管理サーバ20の制御部21は、エントリーかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3-10)。具体的には、ユーザは、プロジェクト概要を確認し、プロジェクトへのエントリーの要否を判定する。そして、プロジェクトへのエントリーを行なう場合には、ユーザ端末10にエントリー希望入力を行なう。ここで、制御部21のユーザ管理部211は、ユーザ端末10においてエントリー希望入力を検知した場合には、エントリーと判定する。
【0071】
ユーザ端末10に「エントリーしない」が入力され、エントリーしないと判定した場合(ステップS3-10において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ画面の表示処理(ステップS3-7)に戻る。
【0072】
一方、ユーザ端末10においてエントリー希望入力を検知し、エントリーと判定した場合(ステップS3-10において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、参加表明ユーザの登録処理を実行する(ステップS3-11)。具体的には、制御部21のユーザ管理部211は、新たに登録したプロジェクトを記録したエントリー管理レコード223を生成し、基本レコード221に関連付けて記録する。更に、ユーザ管理部211は、プロジェクト情報記憶部24のプロジェクト管理レコード240において、エントリー人数に「1」を加算する。
【0073】
(プロジェクト管理処理)
次に、図7を用いて、プロジェクト管理処理を説明する。この処理は、ユーザによるプロジェクトへのエントリーが行なわれた場合に実行される。
【0074】
まず、管理サーバ20の制御部21は、始動条件の達成かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4-1)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、新たにエントリーが行なわれたプロジェクトのプロジェクト管理レコード240を抽出する。そして、プロジェクト管理部213は、抽出したプロジェクト管理レコード240に記録されている始動条件(最低エントリー数)と、新たなエントリーによるエントリー人数とを比較する。エントリー人数が始動条件を超えた場合には、始動条件を満たし達成と判定する。
【0075】
始動条件を満たしておらず、達成していないと判定した場合(ステップS4-1において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト管理処理を終了する。
一方、始動条件の達成と判定した場合(ステップS4-1において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、募集定員に到達かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4-2)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、プロジェクト管理レコード240の情報希望条件において最大エントリー数が記録されているかどうかを確認する。最大エントリー数が記録されており、エントリー人数が最大エントリー数に到達した場合には募集定員に到達と判定する。一方、最大エントリー数が記録されていない場合や、エントリー人数が最大エントリー数に到達していない場合には、募集定員でないと判定する。
【0076】
募集定員でないと判定した場合(ステップS4-2において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト管理処理を終了する。
一方、募集定員と判定した場合(ステップS4-2において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト発動処理を実行する(ステップS4-3)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、プロジェクト管理レコード240の状況データ領域に、発動フラグを追加記録する。次に、プロジェクト管理部213は、このプロジェクト管理レコード240のプロジェクトIDが記録されたユーザ管理レコード220を特定する。なお、エントリー数が最大エントリー数に到達している場合には、募集中フラグを削除する。
【0077】
そして、管理サーバ20の制御部21は、特定したエントリーユーザ毎に、以下の処理を繰り返す。
次に、管理サーバ20の制御部21は、パーソナル情報の収集処理を実行する(ステップS4-4)。具体的には、制御部21の情報管理部212は、ユーザ管理レコード220のエントリー管理レコード223に発動フラグを記録する。そして、情報管理部212は、ユーザ管理レコード220の利用サイト管理レコード222に記録されたサイトID、アカウントを用いて、サービスサイトサーバ30から、このユーザのパーソナル情報を取得する。この場合、情報管理部212は、利用サイト管理レコード222に記録されたすべてのサービスサイトから取得した各エントリーユーザのパーソナル情報を名寄せする。これにより、所定のサービスサイトでは不足している情報を、他のサービスサイトの情報を利用して補完する。
【0078】
次に、管理サーバ20の制御部21は、エントリーユーザに報酬の提供処理を実行する(ステップS4-5)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、提供履歴記憶部25において、ユーザID、プロジェクトIDが記録された提供履歴管理レコード250を特定する。そして、プロジェクト管理部213は、提供する情報項目、提供日時(現在日時)を記録する。更に、プロジェクト管理部213は、プロジェクト管理レコード240に記録されている報酬を提供履歴管理レコード250に記録する。
以上の処理を、すべてのエントリーユーザについて繰り返す。
【0079】
次に、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクトへの情報提供処理を実行する(ステップS4-6)。具体的には、制御部21の情報管理部212は、収集したパーソナル情報を集約して、事業者端末40に送信する。
【0080】
(エントリー期限管理処理)
次に、図8を用いて、エントリー期限管理処理を説明する。この処理は、各プロジェクトを処理対象として特定して、定期的に実行される。
【0081】
まず、管理サーバ20の制御部21は、募集中のプロジェクトの特定処理を実行する(ステップS5-1)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、プロジェクト情報記憶部24において、募集中フラグが記録されたプロジェクト管理レコード240を特定する。
【0082】
そして、特定した募集中のプロジェクトを順次、特定し、募集中のプロジェクト毎に、以下の処理を繰り返して実行する。
次に、管理サーバ20の制御部21は、期限到来かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5-2)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、プロジェクト管理レコード240に記録されたエントリー期限と現在日時とを比較する。現在日時がエントリー期限に到達している場合には、期限到来と判定する。
【0083】
現在日時がエントリー期限に到達しておらず、期限到来でないと判定した場合(ステップS5-2において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、この募集中プロジェクトについての処理を終了する。
【0084】
一方、期限到来と判定した場合(ステップS5-2において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ステップS4-1と同様に、始動条件の達成かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5-3)。
【0085】
始動条件の達成と判定した場合(ステップS5-3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、ステップS4-3~S4-6と同様に、プロジェクト発動処理(ステップS5-4)~プロジェクトへの情報提供処理(ステップS5-7)を実行する。
【0086】
一方、始動条件に達成していないと判定した場合(ステップS5-3において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト終了処理を実行する(ステップS5-8)。具体的には、制御部21のプロジェクト管理部213は、プロジェクト管理レコード240に終了フラグを記録する。更に、プロジェクト管理部213は、このプロジェクトIDがエントリー情報レコードに記録されたユーザ管理レコード220を特定し、状況データ領域に終了フラグを記録する。
【0087】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、サービスサイト一覧の表示処理(ステップS1-3)、利用中のサービスサイトの選択処理(ステップS1-4)、ユーザが利用しているサービスサイトの登録処理(ステップS1-5)を実行する。これにより、ユーザが利用しているサービスサイトを把握することができる。複数のサービスサイトにおいて管理されている特定のユーザについてのパーソナル情報を効率的に名寄せすることができる。そして、所定のサービスサイトでは不足している情報を、他のサービスサイトの情報を利用して補完することができる。
【0088】
(2)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、情報希望条件の設定処理(ステップS2-3)、対象ユーザ数の表示処理(ステップS2-4)を実行する。これにより、情報希望条件に応じて、対象ユーザ数を把握し、プロジェクトの発動可否を予測することができる。
【0089】
(3)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、エントリー済みプロジェクトの特定処理(ステップS3-2)、既登録プロジェクトの進捗状況の取得処理(ステップS3-3)を実行する。これにより、ユーザがエントリーしているプロジェクトの状況を把握することができる。
【0090】
(4)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、ユーザが登録したサービスサイトの特定処理(ステップS3-4)、エントリー可能なプロジェクトの特定処理(ステップS3-5)、未登録プロジェクトの進捗状況の取得処理(ステップS3-6)を実行する。これにより、ユーザがエントリー可能なプロジェクトを把握することができる。
【0091】
(5)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、未登録プロジェクトの選択処理(ステップS3-8)、未登録プロジェクトの詳細表示処理(ステップS3-9)を実行する。エントリーと判定した場合(ステップS3-10において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、参加表明ユーザの登録処理を実行する(ステップS3-11)。これにより、プロジェクトの内容を確認して、プロジェクトへのエントリーを行なうことができる。単に事業者にパーソナル情報を提供するのではなく、所定の目的を持ったプロジェクトにパーソナル情報を提供するため、情報の利用目的を意識して、エントリーすることができる。
【0092】
(6)本実施形態では、始動条件の達成と判定した場合(ステップS4-1において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、募集定員に到達かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4-2)。これにより、プロジェクトへのエントリーを締め切ることができる。
【0093】
(7)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、パーソナル情報の収集処理(ステップS4-4)、エントリーユーザに報酬の提供処理(ステップS4-5)、プロジェクトへの情報提供処理(ステップS4-6)を実行する。これにより、ユーザが利用しているサービスサイトの情報を収集して、パーソナル情報としてプロジェクトに提供することができる。
【0094】
(8)本実施形態では、期限到来と判定し、始動条件の達成と判定した場合(ステップS5-2、S5-3において「YES」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト発動処理(ステップS5-4)~プロジェクトへの情報提供処理(ステップS5-7)を実行する。これにより、エントリー期限に基づいて、プロジェクトを発動させることができる。
【0095】
(9)本実施形態では、始動条件に達成していないと判定した場合(ステップS5-3において「NO」の場合)、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクト終了処理を実行する(ステップS5-8)。これにより、エントリー期限までに発動条件を満たさない場合には、プロジェクトを終了させることができる。
【0096】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、対象ユーザ数の表示処理を実行する(ステップS2-3)。この場合、過去の実績から、インセンティブに応じて、プロジェクトの可能性を予測して表示させるようにしてもよい。例えば、管理サーバ20の制御部21が、プロジェクト情報記憶部において、各プロジェクトと、情報希望条件、報酬等の要素との関係を教師データとして機械学習させて、プロジェクト可能性予測モデルを生成する。そして、管理サーバ20の制御部21は、新たなプロジェクトの要素をプロジェクト可能性予測モデルに適用して、プロジェクト発動の可能性を算出して出力する。
【0097】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクトへの情報提供処理を実行する(ステップS4-6,S5-7)。この場合、管理サーバ20の制御部21が、パーソナル情報の担保可能かどうかについての判定処理を実行するようにしてもよい。例えば、パーソナル情報を暗号化し、プロジェクトのみで可能な復号鍵を提供するようにしてもよい。また、パーソナル情報の利用履歴をトレースするための情報を、ユーザ端末10、管理サーバ20、事業者端末40との間で情報共有するようにしてもよい。
【0098】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、プロジェクトへの情報提供処理を実行する(ステップS4-6,S5-7)。この場合、収集したパーソナル情報を集約して、事業者端末40に送信する。パーソナル情報の提供方法は、集約情報に限定されるものではない。例えば、ユーザの同意に基づいて、ユーザを特定できる情報を含めてもよい。
【0099】
また、ユーザを特定できないように匿名性を高めた情報の場合には、匿名性の担保に基づいて、パーソナル情報の提供可否を判定するようにしてもよい。提供するパーソナル情報の内容に基づいて、個人を特定できる場合には、プロジェクトへのパーソナル情報の提供を拒否する。
【0100】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、ユーザ画面の表示処理を実行する(ステップS3-7)。このユーザ画面には、ユーザがエントリー可能な未登録プロジェクトの進捗状況を出力する。ユーザ画面に出力する内容は、進捗状況に限定されるものではない。例えば、プロジェクトの評価情報を含めてもよい。具体的には、社会的収益率(SROI)の試算を、プロジェクトを企画した事業者が行ない、プロジェクト管理レコード240に含める。
【0101】
また、管理サーバ20の制御部21が、各プロジェクトにおける社会的収益率(SROI)を算出し、社会性のスコアリングを行なうようにしてもよい。この場合には、プロジェクト計画書の内容を、過去の社会性が高いと評価されたプロジェクトとの類似度を算出し、この類似度により、社会的収益率を算出する。
【0102】
更に、管理サーバ20の制御部21が、ユーザ画面において、エントリー可能な未登録プロジェクトを所定の順番で並び替えられるようにしてもよい。この場合、エントリー期限、報酬の高さ、エントリー人数、社会収益率等を、並び替えの変数として用いることができる。
【0103】
また、管理サーバ20の制御部21が、ユーザ画面において、各プロジェクトに対する投票機能を設け、この投票結果により、社会性をスコアリングするようにしてもよい。この投票機能においては、プロジェクトにおける社会的意義や、プロジェクトによる社会変革の可能性等を投票させ、プロジェクト管理レコード240に記録する。
【0104】
また、ユーザ画面において、各プロジェクトの評価結果の時系列変化を視覚的に出力したり、上昇率等を指標化して出力したりするようにしてもよい。これにより、その期待感の高まりを数値化し、募集中プロジェクトのランキングに反映させることができる。
【0105】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、パーソナル情報の収集処理を実行する(ステップS4-4,S5-5)。パーソナル情報は、サービスサイトサーバ30から収集した情報に限定されるものではない。例えば、ユーザの管理物(自宅や自動車等)に設置したカメラを情報サイトとして用いて、カメラ画像を取得してもよい。この場合、カメラ画像の画像認識により、データ収集を行なう。例えば、自宅前の道路の映像を解析して道路混雑状況をデータ化したり、自宅の外の空の映像から天気の状況をデータ化したりすることができる。
また、公共料金の明細を撮影した画像から、サービスの利用についての情報をデータ化したり、冷蔵庫の写真を蓄積して食料品消費状況をデータ化したりすることができる。
【0106】
・上記実施形態では、プロジェクト情報記憶部24には、パーソナル情報を利用するプロジェクトについてのプロジェクト管理レコード240が記録される。このプロジェクト管理レコード240には、パーソナル情報の提供時の報酬に関するデータが記録される。各ユーザに対する報酬は、画一的なものに限定されない。例えば、ユーザ毎のパーソナル情報の内容や情報量に基づいて、報酬を変更するようにしてもよい。この場合には、管理サーバ20の制御部21が、各ユーザについて収集したパーソナル情報に基づいて情報価値を評価して、報酬を算出する。情報価値の評価は、過去のプロジェクトにおいて、情報の多様性や情報量、プロジェクト計画書との整合性等に基づいて評価された情報を教師データとして、機械学習により情報価値評価モデルを生成する。そして、プロジェクトへのエントリー時や、パーソナル情報の提供時に、情報価値評価モデルを用いて情報価値を評価して、ユーザ毎に報酬を算出する。
【符号の説明】
【0107】
10…ユーザ端末、20…管理サーバ、21…制御部、210…アクセス認証部、211…ユーザ管理部、212…情報管理部、213…プロジェクト管理部、22…ユーザ情報記憶部、23…サイト情報記憶部、24…プロジェクト情報記憶部、25…提供履歴記憶部、26…事業者情報記憶部、30…サービスサイトサーバ、40…事業者端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8