(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】P2P保険を実施するための方法、コンピュータ、システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20221206BHJP
G06Q 20/36 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q20/36 310
(21)【出願番号】P 2018226314
(22)【出願日】2018-12-03
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】515082623
【氏名又は名称】株式会社シーエーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】栗田 育典
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/011885(WO,A1)
【文献】特開2018-036893(JP,A)
【文献】特開2018-132794(JP,A)
【文献】特開2004-086474(JP,A)
【文献】小林 啓倫,FinTechが変える!,日本,朝日新聞出版,2016年06月30日,p.137-143
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
ユーザの保険グループへの参加申し込みを受信するステップと、
受信した前記参加申し込みに基づき、前記保険グループの参加者として、前記ユーザを特定する情報を記憶するステップと、
前記保険グループが成立したかを判定するステップと、
前記保険グループが成立したと判定した場合に、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトを生成するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
であって、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトは、前記保険グループの参加者として記憶された複数のユーザのうちの各ユーザを特定する情報を含
む、ステップと
を含む方法であって、
前記方法は、
コンピュータが、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険金を請求ユーザに支払う指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険金を支払うための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチューン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に含み、
保険金を支払うための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
特定アカウントであって、各ユーザのアカウントから、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨が送金される前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定するステップと、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定した場合に、前記特定アカウントから、前記請求ユーザのアカウントに、支払うべき保険金に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定しなかった場合に、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を実行させ、
前記方法は、
コンピュータが、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定するステップと、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたと判定した場合に、所定の処理を行うステップと
を更に含み、
前記方法は、
コンピュータが、
ユーザについて登録すべき既存保険についての情報であって、当該既存保険を実施している保険会社を含む情報を受信するステップと、
スマート・コントラクトのうちの、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションであって、受信した前記情報を含むトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を更に含み、
既存保険についての情報を登録するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションに含まれる、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報を、当該ユーザに関連付けて記憶するステップ
を実行させ、
所定の処理を行う前記ステップは、
スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための部分の、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータによる実行を介して、前記請求ユーザについて登録されている保険会社を特定するステップと、
特定された前記保険会社のシステムに、支払うべき保険金を補填すべきことを通知するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
コンピュータが、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料を収集する指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険料を収集するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に含み、
保険料を収集するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、各ユーザのアカウントから、前記特定アカウントに、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を実行させる、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
仮想通貨を送金するためのトランザクションは、スマート・コントラクトのうちの、仮想通貨を送金するための部分の実行を指示し、
仮想通貨を送金するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
送金元アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ減少させるステップと、
送金先アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ増加させるステップと
を実行させる、方法。
【請求項4】
請求項1から3のうちの何れか一項に記載の方法であって、
コンピュータが、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料のうちの少なくとも一部をキャッシュバックする指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、キャッシュバックするための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に含み、
キャッシュバックするための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、前記特定アカウントから、各ユーザのアカウントに、キャッシュバックとして所定額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を実行させる、方法。
【請求項5】
請求項1から4のうちの何れか一項に記載の方法であって、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定する前記ステップは、
スマート・コントラクトのうちの、指定アカウントが保有する仮想通貨の額を参照するための部分を実行するステップ
を含み、
指定アカウント
が保有する仮想通貨の額を参照するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記指定アカウントの保有する仮想通貨の額として、前記指定アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を取得するステップ
を実行させる、方法。
【請求項6】
請求項1から5のうちの何れか一項に記載の方法であって、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
所定の情報をイベントとして記憶するステップ
を実行させ、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定する前記ステップは、
前記所定の情報がイベントとして、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて記憶されたかを判定するステップ
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1から6のうちの何れか一項に記載の方法であって、
ユーザについて登録すべき既存保険についての前記情報は、当該既存保険の保険料を更に含み、
コンピュータが、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に含み、
前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき行うステップであって、
スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための前記部分を実行することにより、前記保険グループの参加者である各ユーザについて登録されている既存保険の保険料の額を取得するステップと、
前記保険グループの参加者である各ユーザに、取得した既存保険の保険料の額に応じた額の仮想通貨を配布するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を含むステップ
を実行させる、方法。
【請求項8】
第1コンピュータと、
第2コンピュータと
を含むシステムであって、
第1コンピュータは、
ユーザの保険グループへの参加申し込みを受信するステップと、
受信した前記参加申し込みに基づき、前記保険グループの参加者として、前記ユーザを特定する情報を記憶するステップと、
前記保険グループが成立したかを判定するステップと、
前記保険グループが成立したと判定した場合に、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトを生成するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を実行し、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトは、前記保険グループの参加者として記憶された複数のユーザのうちの各ユーザを特定する情報を含み、
第1コンピュータは、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険金を請求ユーザに支払う指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険金を支払うための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチューン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に実行し、
保険金を支払うための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
特定アカウントであって、各ユーザのアカウントから、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨が送金される前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定するステップと、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定した場合に、前記特定アカウントから、前記請求ユーザのアカウントに、支払うべき保険金に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定しなかった場合に、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を実行させ、
第2コンピュータは、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定するステップと、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたと判定した場合に、所定の処理を行うステップと
を実行し、
第1コンピュータは、
ユーザについて登録すべき既存保険についての情報であって、当該既存保険を実施している保険会社を含む情報を受信するステップと、
スマート・コントラクトのうちの、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションであって、受信した前記情報を含むトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を更に実行し、
既存保険についての情報を登録するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションに含まれる、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報を、当該ユーザに関連付けて記憶するステップ
を実行させ、
所定の処理を行う前記ステップは、
スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための部分の、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータによる実行を介して、前記請求ユーザについて登録されている保険会社を特定するステップと、
特定された前記保険会社のシステムに、支払うべき保険金を補填すべきことを通知するステップと
を含む、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
第1コンピュータは、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料を収集する指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険料を収集するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に実行し、
保険料を収集するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、各ユーザのアカウントから、前記特定アカウントに、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を実行させる、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
仮想通貨を送金するためのトランザクションは、スマート・コントラクトのうちの、仮想通貨を送金するための部分の実行を指示し、
仮想通貨を送金するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
送金元アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ減少させるステップと、
送金先アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ増加させるステップと
を実行させる、システム。
【請求項11】
請求項8から10のうちの何れか一項に記載のシステムであって、
第1コンピュータは、
前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料のうちの少なくとも一部をキャッシュバックする指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、キャッシュバックするための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に実行し、
キャッシュバックするための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、前記特定アカウントから、各ユーザのアカウントに、キャッシュバックとして所定額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を実行させる、システム。
【請求項12】
請求項8から11のうちの何れか一項に記載のシステムであって、
前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定する前記ステップは、
スマート・コントラクトのうちの、指定アカウントが保有する仮想通貨の額を参照するための部分を実行するステップ
を含み、
指定アカウント
が保有する仮想通貨の額を参照するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記指定アカウントの保有する仮想通貨の額として、前記指定アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を取得するステップ
を実行させる、システム。
【請求項13】
請求項8から12のうちの何れか一項に記載のシステムであって、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
所定の情報をイベントとして記憶するステップ
を実行させ、
支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定する前記ステップは、
前記所定の情報がイベントとして、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて記憶されたかを判定するステップ
を含む、システム。
【請求項14】
請求項8から13のうちの何れか一項に記載のシステムであって、
ユーザについて登録すべき既存保険についての前記情報は、当該既存保険の保険料を更に含み、
第1コンピュータは、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップ
を更に実行し、
前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、
前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき行うステップであって、
スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための前記部分を実行することにより、前記保険グループの参加者である各ユーザについて登録されている既存保険の保険料の額を取得するステップと、
前記保険グループの参加者である各ユーザに、取得した既存保険の保険料の額に応じた額の仮想通貨を配布するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと
を含むステップ
を実行させる、システム。
【請求項15】
請求項1から7のうちの何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2P保険を実施することに関する。より詳細には、本発明は、P2P保険を既存の保険と組み合わせて実施することに関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトの保険への応用が検討されている。また、ブロックチェーン技術のP2P保険への導入が検討されている。P2P保険とは、ソーシャルメディア等を活用して個人の集まりであるオンラインネットワークを作り、ネットワーク(グループ)のメンバでリスクをシェアする、保険に類似した仕組みのことである。(例えば、非特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】内田 真穂,“保険事業におけるブロックチェーン技術の活用~発展の方向性と課題~”,2018年3月30日,損保ジャパン日本興亜総合研究所株式会社,[平成30年8月17日検索],インターネット<URL:http://www.sjnk-ri.co.jp/issue/quarterly/data/qt72-4.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献は、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトを用いて、P2P保険を具体的にどのように実現するのかについて何ら開示していない。
【0005】
また、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトを用いて、保険会社の実施する既存の保険と組み合わせてP2P保険を実施することを可能とするシステムは未だ存在していない。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものである。
本発明のうちの少なくとも1つの課題は、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトを用いて、P2P保険を実施することである。
【0007】
また、本発明のうちの少なくとも1つの課題は、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトを用いて、保険会社の実施する従来の保険と組み合わせてP2P保険を実施することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、コンピュータが、ユーザの保険グループへの参加申し込みを受信するステップと、受信した前記参加申し込みに基づき、前記保険グループの参加者として、前記ユーザを特定する情報を記憶するステップと、前記保険グループが成立したかを判定するステップと、前記保険グループが成立したと判定した場合に、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトを生成するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを含む方法が提供される。なお、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトは、前記保険グループの参加者として記憶された複数のユーザのうちの各ユーザを特定する情報を含む。
【0009】
一実施形態である方法は、コンピュータが、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料を収集する指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険料を収集するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に含むことができる。ここで、保険料を収集するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、各ユーザのアカウントから、特定アカウントに、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを実行させるものであってよい。
【0010】
一実施形態である方法において、仮想通貨を送金するためのトランザクションは、スマート・コントラクトのうちの、仮想通貨を送金するための部分の実行を指示するものであってよい。ここで、仮想通貨を送金するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、送金元アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ減少させるステップと、送金先アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ増加させるステップとを実行させるものであってよい。
【0011】
一実施形態である方法は、コンピュータが、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料のうちの少なくとも一部をキャッシュバックする指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、キャッシュバックするための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に含むことができる。ここで、キャッシュバックするための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、前記特定アカウントから、各ユーザのアカウントに、キャッシュバックとして所定額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを実行させるものであってよい。
【0012】
一実施形態である方法は、コンピュータが、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険金を請求ユーザに支払う指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険金を支払うための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチューン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に含むことができる。ここで、保険金を支払うための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定するステップと、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定した場合に、前記特定アカウントから、前記請求ユーザのアカウントに、支払うべき保険金に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定しなかった場合に、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと実行させるものであってよい。また、本方法は、コンピュータが、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定するステップと、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたと判定した場合に、所定の処理を行うステップとを更に含むことができる。
【0013】
一実施形態である方法において、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定する前記ステップは、スマート・コントラクトのうちの、指定アカウントが保有する仮想通貨の額を参照するための部分を実行するステップを含むことができる。ここで、指定アカウントの保有する仮想通貨の額を参照するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記指定アカウントの保有する仮想通貨の額として、前記指定アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を取得するステップを実行させるものであってよい。
【0014】
一実施形態である方法において、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、所定の情報をイベントとして記憶するステップを実行させるものであってよい。ここで、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定する前記ステップは、前記所定の情報がイベントとして、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて記憶されたかを判定するステップを含むことができる。
【0015】
一実施形態である方法は、コンピュータが、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報であって、当該既存保険を実施している保険会社を含む情報を受信するステップと、スマート・コントラクトのうちの、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションであって、受信した前記情報を含むトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを更に含むことができる。ここで、既存保険についての情報を登録するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションに含まれる、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報を、当該ユーザに関連付けて記憶するステップを実行させるものであってよい。また、所定の処理を行う前記ステップは、スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための部分の、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータによる実行を介して、前記請求ユーザについて登録されている保険会社を特定するステップと、特定された前記保険会社のシステムに、支払うべき保険金を補填すべきことを通知するステップとを含むことができる。
【0016】
一実施形態である方法において、ユーザについて登録すべき既存保険についての前記情報は、当該既存保険の保険料を更に含むものであってよい。ここで、本方法は、コンピュータが、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に含むことができる。また、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき行うステップであって、スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための前記部分を実行することにより、前記保険グループの参加者である各ユーザについて登録されている既存保険の保険料の額を取得するステップと、前記保険グループの参加者である各ユーザに、取得した既存保険の保険料の額に応じた額の仮想通貨を配布するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを含むステップを実行させるものであってよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの保険グループへの参加申し込みを受信するステップと、受信した前記参加申し込みに基づき、前記保険グループの参加者として、前記ユーザを特定する情報を記憶するステップと、前記保険グループが成立したかを判定するステップと、前記保険グループが成立したと判定した場合に、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトを生成するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを実行するコンピュータが提供される。ここで、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトは、前記保険グループの参加者として記憶された複数のユーザのうちの各ユーザを特定する情報を含む。
【0018】
一実施形態であるコンピュータは、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料を収集する指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険料を収集するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に実行することができる。ここで、保険料を収集するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、各ユーザのアカウントから、特定アカウントに、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを実行させるものであってよい。
【0019】
一実施形態であるコンピュータにおいて、仮想通貨を送金するためのトランザクションは、スマート・コントラクトのうちの、仮想通貨を送金するための部分の実行を指示するものであってよい。ここで、仮想通貨を送金するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、送金元アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ減少させるステップと、送金先アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を送金額だけ増加させるステップとを実行させるものであってよい。
【0020】
一実施形態であるコンピュータは、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料のうちの少なくとも一部をキャッシュバックする指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、キャッシュバックするための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に実行することができる。ここで、キャッシュバックするための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき、前記特定アカウントから、各ユーザのアカウントに、キャッシュバックとして所定額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを実行させるものであってよい。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、第1コンピュータとして、本発明の一実施形態である上記コンピュータと、第2コンピュータとを含むシステムが提供される。ここで、第1コンピュータは、前記保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険金を請求ユーザに支払う指示を受けたときに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、保険金を支払うための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、ブロックチューン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に実行することができる。また、保険金を支払うための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定するステップと、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定した場合に、前記特定アカウントから、前記請求ユーザのアカウントに、支払うべき保険金に相当する額の仮想通貨を送金するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップと、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上であると判定しなかった場合に、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを実行させるものであってよい。更に、第2コンピュータは、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定するステップと、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたと判定した場合に、所定の処理を行うステップとを実行することができる。
【0022】
一実施形態であるシステムにおいて、前記特定アカウントの保有する仮想通貨の額が、支払うべき保険金の仮想通貨における額以上かを判定する前記ステップは、スマート・コントラクトのうちの、指定アカウントが保有する仮想通貨の額を参照するための部分を実行するステップを含むことができる。ここで、指定アカウントの保有する仮想通貨の額を参照するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記指定アカウントの保有する仮想通貨の額として、前記指定アカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を取得するステップを実行させるものであってよい。
【0023】
一実施形態であるシステムにおいて、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、所定の情報をイベントとして記憶するステップを実行させるものであってよい。ここで、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションが、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて実行されたかを判定する前記ステップは、前記所定の情報がイベントとして、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータにおいて記憶されたかを判定するステップを含むことができる。
【0024】
一実施形態であるシステムにおいて、第1コンピュータは、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報であって、当該既存保険を実施している保険会社を含む情報を受信するステップと、スマート・コントラクトのうちの、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションであって、受信した前記情報を含むトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを更に実行することができる。ここで、既存保険についての情報を登録するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、既存保険についての情報を登録するための部分の実行を指示するトランザクションに含まれる、ユーザについて登録すべき既存保険についての情報を、当該ユーザに関連付けて記憶するステップを実行させるものであってよい。また、所定の処理を行う前記ステップは、スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための部分の、ブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータによる実行を介して、前記請求ユーザについて登録されている保険会社を特定するステップと、特定された前記保険会社のシステムに、支払うべき保険金を補填すべきことを通知するステップとを含むことができる。
【0025】
一実施形態であるシステムにおいて、ユーザについて登録すべき既存保険についての前記情報は、当該既存保険の保険料を更に含むものであってよい。ここで、第1コンピュータは、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトのうちの、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための部分の実行を指示するトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップを更に実行することができる。また、前記保険グループの参加者に仮想通貨を配布するための前記部分は、ブロックチェーン・ノードとして機能するコンピュータに、前記保険グループにおいてP2P保険を実施するためのスマート・コントラクトに含まれる各ユーザを特定する情報に基づき行うステップであって、スマート・コントラクトのうちの、指定ユーザについて登録された既存保険についての情報を参照するための前記部分を実行することにより、前記保険グループの参加者である各ユーザについて登録されている既存保険の保険料の額を取得するステップと、前記保険グループの参加者である各ユーザに、取得した既存保険の保険料の額に応じた額の仮想通貨を配布するためのトランザクションを生成し、該トランザクションをブロックチェーン・ノードとして機能する少なくとも1つのコンピュータに送信するステップとを含むステップを実行させるものであってよい。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、本発明の一実施形態である上記方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る例示システムの概略構成を表している。
【
図2A】既存保険についての情報を入力するための例示画面を表している。
【
図2B】既存保険についての情報を登録するための例示画面を表している。
【
図3A】現在作成されている保険グループのうちの少なくとも一部の一覧が記載された例示画面を表している。
【
図3B】保険グループに参加するための例示画面を表している。
【
図3C】保険グループを作成するための例示画面を表している。
【
図4】保険グループに参加したユーザに係る各種情報を確認するための例示画面を表している。
【
図5】例示の保険情報登録処理のフローチャートである。
【
図6】例示の保険グループ作成処理のフローチャートである。
【
図7】例示の保険グループ参加及び成立処理のフローチャートである。
【
図8A】例示の定期処理のフローチャートの一部である。
【
図8B】例示の定期処理のフローチャートの一部である。
【
図9A】例示の保険料収集処理のフローチャートの一部である。
【
図9B】例示の保険料収集処理のフローチャートの一部である。
【
図10】例示のキャッシュバック処理のフローチャートである。
【
図11】例示の保険金支払処理のフローチャートの一部である。
【
図12A】例示の保険金支払処理のフローチャートの一部である。
【
図12B】例示の保険金支払処理のフローチャートの一部である。
【
図13】コンピュータのハードウエア構成の一例を表している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るシステムについて説明する。しかしながら、以下の説明はあくまで例示にすぎず、従って本発明の実施形態は以下に説明するものに限定されないことに留意されたい。
【0029】
1 システムの概要
図1は、本発明の一実施形態に係る例示システム100の概略構成を表している。システム100は、保険会社が実施する既存の保険(以下、「既存保険」という。)の加入者又は加入予定者(以下、「加入者等」という。)から形成されるグループ(以下、「保険グループ」という。)において、P2P保険を実施するためのものである。
【0030】
110A~110Cは、システム100のユーザが用いる端末を示している。
図1において端末は3つのみ表されているが、システム100のユーザが用いる端末は、1以上の任意の数であってよい。なお、システム100のユーザは、加入者等と、既存保険を実施する保険会社と、加入者等と保険会社とを仲介する保険仲介会社とを含む。なお、加入者等及び保険仲介会社は、保険グループの作成者となることがある。端末110A~110Cは、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット、スマートフォン等の任意の種類のコンピュータである。以下、端末110A~110Cを、それぞれ、加入者等、保険会社及び保険仲介会社が用いる端末であると仮定する。従って、端末110Bは、保険会社が管理するシステム(図示せず)の一部であってよいし、端末110Cは、保険仲介会社が管理するシステムの一部であってよい。また、以下、端末110A~110Cを総称して「端末110」ともいう。
【0031】
120は、端末110、並びに、P2P保険実施処理データベース130及びブロックチェーン・ノード群140(より詳細には、ブロックチェーン・ノード群140が含むブロックチェーン・ノードのうちの少なくとも1つ)と通信するゲートウェイを示している。この図においてゲートウェイ120は1つのみ表されているが、ゲートウェイ120は、1以上の任意の数であってよい。ゲートウェイ120は、任意の種類のコンピュータである。
【0032】
130は、ゲートウェイ120と通信するデータベースを示している。この図においてデータベース130は1つのみ表されているが、データベース130は、1以上の任意の数であってよい。データベース130は、データベース機能を少なくとも有する任意の種類のコンピュータである。データベース130には、システム100において必要となる任意の情報を記憶することができる。
【0033】
140は、ゲートウェイ120と通信するブロックチェーン・ノード群を示しており、140A~140Dは、ブロックチェーン・ノード群140が含む各ブロックチェーン・ノードを示している。
図1においてブロックチェーン・ノード群140が含むブロックチェーン・ノードは4つのみ表されているが、ブロックチェーン・ノード群140が含むブロックチェーン・ノードの数は、1以上の任意の数であってよく、好ましくは4以上の任意の数であってよい。ブロックチェーン・ノード140A~140Dは、ブロックチェーン技術及び当該技術に基づくスマート・コントラクトを実施する機能を少なくとも有する任意の種類のコンピュータである。
【0034】
なお、端末110、ゲートウェイ120、データベース130及びブロックチェーン・ノード群140が含む各ブロックチェーン・ノードのうちの少なくとも1つは、1つの物理的なコンピュータではなく、1つの物理的なコンピュータ上で動作する1以上の仮想コンピュータのうちの1つであり得ることに留意されたい。また、ゲートウェイ120及びデータベース130のうちの一方又は双方としての機能は、ブロックチェーン・ノード群140が含む1つのブロックチェーン・ノードとしての1つの物理的な又は仮想的なコンピュータが有していてもよい。
【0035】
また、端末110とゲートウェイ120との間、ゲートウェイ120とデータベース130との間、ゲートウェイ120とブロックチェーン・ノード群140との間、ブロックチェーン・ノード群140が含む各ブロックチェーン・ノードの間には、インターネットを含む1以上のネットワーク(図示せず)が存在し得ることに留意されたい。
【0036】
2 システム100において表示される画面
2-1 保険登録画面
システム100によれば、既存保険の加入者等は1以上の保険グループに参加することができる。
【0037】
図2Aは、加入者等が保険グループに参加するために必要な既存保険についての情報をシステム100に登録するために、当該情報を入力するための例示画面200を表している。この既存保険は、加入者等が既に加入しているものであっても、これから加入予定のものであってもよい。なお、例示画面200は、例示の既存保険としてペット保険に加入している場合のものである。また、例示画面200は、端末110Aにおいて表示されることを意図している。
【0038】
205は、当該既存保険の対象であるペットの区分を選択することによって入力するためのコンポーネントを示している。この画面においては、「犬」、「猫」、「鳥」及び「その他」のうちの「犬」が入力されている。
【0039】
210は、当該既存保険の対象であるペットのサイズを選択することによって入力するためのコンポーネントを示している。この画面においては、「大型」、「中型」及び「小型」のうちの「小型」が入力されている。
【0040】
215は、当該既存保険を実施している保険会社を入力するためのコンポーネントを示している。215Aは、タップ等することにより、保険会社のリストを表示するためのコンポーネントを示しており、表示された保険会社のリストから保険会社を選択することにより、当該保険会社が入力された保険会社としてコンポーネント215に表示される。この図においては、保険会社として「ペット保険会社1」が入力されている。なお、入力可能な保険会社は、システム100により既存保険をP2P保険と組み合わせることを承諾している保険会社である。
【0041】
220は、当該既存保険の1月あたりの保険料を入力するためのコンポーネントを示している。あるいは、コンポーネント220は、保険会社からの所定の情報(例えば、保険料を算出するための数式)に基づき、コンポーネント215並びにP2P保険実施処理コンポーネント225,230及び235における入力に応じて算出された保険料が自動的に表示されるように構成されていてもよい。なお、コンポーネント220において入力又は表示される保険料の額は、法定通貨(日本円等)における額であってよい。
【0042】
225は、当該既存保険の対象であるペットの品種を入力するためのコンポーネントを示している。225Aは、タップ等することにより、品種のリストを表示するためのコンポーネントを示しており、表示された品種のリストから品種を選択することにより、当該品種が入力された品種としてコンポーネント225に表示される。なお、このリストは、コンポーネント205及び210における入力に応答して更新されてよい。この図においては、品種として「チワワ」が入力されている。
【0043】
230は、当該既存保険の対象であるペットの年齢を入力するためのコンポーネントを示している。230Aは、タップ等することにより、年齢のリストを表示するためのコンポーネントを示しており、表示された年齢のリストから年齢を選択することにより、当該年齢が入力された年齢としてコンポーネント230に表示される。この図においては、年齢として「1」が入力されている。
【0044】
235は、当該既存保険に付加している特約を入力するためのコンポーネントを示している。235Aは、タップ等することにより、特約のリストを表示するためのコンポーネントを示しており、表示された特約のリストから特約を選択することにより、当該特約が入力された特約としてコンポーネント235に表示される。この図においては、特約を付加していないために「なし」が入力されている。
【0045】
240は、入力された当該既存保険についての情報をシステム100に登録するためのコンポーネントを示しており、タップ等することにより、入力された情報を登録するための画面が表示される。
【0046】
なお、上に説明した情報は例示であり、既存保険についての情報は、これらに限定されるわけではない。例えば、既存保険についての情報は、上に説明した情報の一部のみであってもよいし、あるいは、ペットの体重や既往歴その他の情報を更に含んでいてもよい。なお、入力される既存保険についての情報は、当該情報から保険会社が当該既存保険に係る契約を特定できるに足るものであることが好ましい。
【0047】
図2Bは、入力された既存保険についての情報を登録するための例示画面250を表している。例示画面250は、端末110Aにおいて表示されることを意図している。
255は、入力された既存保険についての情報を確認するためのコンポーネントを示している。
【0048】
260は、コンポーネント255に示された情報が誤っている場合に、入力をやり直すためのコンポ―ネントを示しており、タップ等することにより、例示画面200が再度表示されてよい。
【0049】
265は、加入者等の保険リスクスコアを表示するためのコンポーネントを示している。保険リスクスコアとは、加入者等に対する保険金支払いリスクを所定の手法により数値化したものである。保険リスクスコアの算出手法は従来のものを用いてよいため、説明は省略する。また、保険リスクスコアは、保険会社が算出したものを任意の手法で取得してもよいし、入力された既存保険についての情報に基づき算出してもよい。
【0050】
270は、加入者等の既存保険についての情報のシステム100への登録を実行するためのコンポーネントを示している。コンポーネント270をタップ等することにより、入力された既存保険についての情報がゲートウェイ120に送信される。なお、ゲートウェイ120には、登録されるべき既存保険についての情報として、端末110Aの側で算出された保険リスクスコアを送信してもよい。入力された情報のゲートウェイ120への送信後、P2P保険実施処理グループマッチング画面を表示することができる。
【0051】
2-2 グループマッチング画面
図3Aは、現在作成されている保険グループのうちの少なくとも一部の一覧が記載された例示画面300を表している。この図において保険グループの一覧はテーブルの形式で表されており、テーブルの最初の行は各列のラベルを示しており、第2行から最終行までの各行は各保険グループに対応する。なお、例示画面300は、端末110Aにおいて表示されることを意図している。
【0052】
305は、保険グループに参加するためのコンポーネントを示している。コンポーネント305のうちの1つをタップ等することにより、対応する保険グループに参加するための画面が表示される。
【0053】
図3Bは、保険グループに参加するための例示画面350を表している。なお、例示画面350は、端末110Aにおいて表示されることを意図している。
355、360及び365は、当該保険グループの参加条件を示すコンポーネントを示している。355A、360A及び365Aは、加入者等の既存保険についての情報に基づき、加入者等が、当該保険グループの参加条件を満たしているかを示すコンポーネントを示している。この図においては、当該保険グループの条件として3つの条件が示されており、加入者等は3つの条件の各々について条件を満たしていることを示すチェックマークが表示されている。
【0054】
370は、当該保険グループへの参加を申し込むためのコンポーネントを示しており、タップ等することにより、加入者等の当該保険グループへの参加申し込みを示す情報がゲートウェイ120に送信される。なお、コンポーネント370は、加入者等が、当該保険グループの参加条件を全て満たしている場合のみタップ等できるよう構成されていてよい。
【0055】
375は、現在企画されている保険グループのうちの少なくとも一部の一覧を表示するためのコンポーネントを示しており、タップ等することにより、例示画面300が再度表示されてよい。
【0056】
2-3 保険グループ作成画面
図3Cは、保険グループを作成するための例示画面380を表している。なお、例示画380は、当該保険グループの参加者として、ペット保険である既存保険の加入者等を募集する場合のものである。また、例示画面380は、端末110A及び110Cにおいて表示されることを意図している。
【0057】
382は、当該保険グループに参加する条件としての、既存保険の対象であるペットの区分を選択することによって入力するためのコンポーネントを示している。
384は、当該保険グループに参加する条件としての、既存保険の対象であるペットの品種を入力するためのコンポーネントを示している。384Aは、タップ等することにより、品種のリストを表示するためのコンポーネントを示しており、表示された品種のリストから品種を選択することにより、当該品種が入力された品種としてコンポーネント384に表示される。なお、このリストは、コンポーネント382における入力に応答して更新されてよい。
【0058】
386及び388は、当該保険グループの名称及び当該保険グループについての説明文を入力するためのコンポーネントを示している。
390は、当該保険グループに参加する条件としての、既存保険の保険料の基準(以下、「基準保険料」という。)を入力するためのコンポーネントを示している。
【0059】
392は、後述する当該保険グループの成立条件としての、最低参加者数を入力するためのコンポーネントを示している。
394は、後述するキャッシュバック率を入力するためのコンポーネントを示している。
【0060】
396は、入力した情報に基づくグループを作成するためのコンポーネントを示しており、タップ等することにより、当該情報がゲートウェイ120に送信される。
2-4 情報確認画面
図4は、ある保険グループに参加したユーザ(何らかの既存保険の加入者でもある)に係る各種情報を確認するための例示画面400を表している。なお、この図におけるユーザの名前は「Frank」である。また、この図は、参加した保険グループが成立し、対応するP2P保険が実施されている場合のものである。
【0061】
410は、ユーザが参加した保険グループについての情報を示している。
「あなたのグループ」の欄は、当該保険グループの名称を示している。
「グループの人数」の欄は、当該保険グループの現在の参加者数と、参加者数の最大値とを示すもので、この図においては、当該保険グループの参加者数の最大値は5であり、現在の参加者数も5である。
【0062】
「現在のプール金」の欄は、当該保険グループが現在保有しているプール金の額を示している。プール金は、当該保険グループに係る保険金の支払い等に用いられるものである。プール金は各種イベントにより増減する。また、プール金は、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトにより実現される仮想通貨で保有されることが好ましい。この図においては、プール金の額として仮想通貨における額が表示されている。以下、仮想通貨は「token」という単位であるものとする。
【0063】
「次回のプール金入金額」の欄は、次回のプール金入金イベントにより、当該保険グループに対してプール金として支払わなければならない額即ち当該保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料の額を示している。この図においては、次回のプール金入金額として仮想通貨における額が表示されている。
【0064】
420は、ユーザについての情報を示している。
「仮想通貨残高」の欄は、ユーザが現在保有している仮想通貨の額を示している。ユーザが保有する仮想通貨も、各種イベントにより増減する。
【0065】
「保険料」の欄は、ユーザが加入している既存保険の保険料の額を示している。この図においては、保険料の額として法定通貨における額が表示されている。
「保険会社」の欄は、ユーザが加入している既存保険を実施している保険会社を示している。
【0066】
「保険概要内容」の欄は、ユーザが加入している既存保険の概要を示している。
「リスクスコア」は、ユーザが加入している既存保険におけるユーザの保険リスクスコアを示している。
【0067】
430は、発生した各種イベントの履歴を示している。この図において発生した各種イベントの一覧はテーブルの形式で表されており、テーブルの最初の行は各列のラベルを示しており、第2行から最終行までの各行は各イベントに対応する。なお、この図における「金額」の欄は、仮想通貨における額を示している。また、説明のため、この図においては一部のイベントしか示していないことに留意されたい。
【0068】
「#」の列が「1」のイベントは、ユーザに3000tokenの仮想通貨が送金されたことを示している。この送金により、ユーザが保有する仮想通貨は3000token増加することになる。
【0069】
「#」の列が「2」のイベントは、ユーザが当該保険グループに、保険料として2000tokenの仮想通貨を送金したことを示している。送金された仮想通貨は、プール金としてプールされる。この送金により、ユーザが保有する仮想通貨は2000Tokenだけ減少し、当該保険グループがプール金として保有する仮想通貨は2000Tokenだけ増加することになる。
【0070】
「#」の列が「3」のイベントは、当該保険グループからユーザに、保険料のキャッシュバックとして600Tokenの仮想通貨が送金されたことを示している。キャッシュバックは、当該保険グループにおいて定められた所定期間に、当該保険グループに係る保険金を請求しなかった場合に行われるものである。
【0071】
3 システム100において実行される処理
システム100において実行される処理は、一般的なプログラムが、端末110と、ゲートウェイ120と、データベース130と、ブロックチェーン・ノード群140が含むブロックチェーン・ノードのうちの少なくとも1つとに実行させる処理と、プログラムの一種であるスマート・コントラクトが、ブロックチェーン・ノード群140が含む各ブロックチェーン・ノードに実行させる処理とを含んでいる。
【0072】
3-1 スマート・コントラクトに係る基本的な仕組み
以下、ブロックチェーン技術に基づくスマート・コントラクトに係る基本的な仕組みについて説明する。なお、以下の説明では、ブロックチェーン・ノードが実施するブロックチェーン技術としてイーサリアムに基づく技術を仮定しており、説明しない事項については、イーサリアムにおける事項を適用してよい。しかしながら、ブロックチェーン・ノードが実施するブロックチェーン技術は、これに限定されるわけではないことに留意されたい。
【0073】
ブロックチェーン・ノードは、いわゆるブロックチェーンを記憶する。ブロックチェーンは複数のブロックから構成されており、各ブロックには、最初のブロック(例えば、ジェネシス・ブロック)を除いて、ただ1つの親ブロックが定められている。
【0074】
各ブロックは、スマート・コントラクトを含むことができる。スマート・コントラクトには、ブロックチェーン・ノードが実行すべき処理 と、ブロックチェーン・ノードが記憶すべき情報(例えば、ステートやイベント)とを少なくとも定義することができる。また、スマート・コントラクトは、実行すべき処理を各々が定義する1以上の部分(例えば、関数)を含むことができる。なお、実行すべき処理は、新たに記憶すべき情報の内容を記憶する処理、記憶すべき情報の内容を更新する処理、及び、要求に応答して記憶すべき情報の内容を返す処理を含むことができる。
【0075】
各ブロックは、親ブロックが含むものに応じて一意に定まる情報(例えば、親ブロックのハッシュ値)、及び、当該ブロックが生成された時点において、ブロックチェーン・ノードが記憶すべき情報の内容に応じて一意に定まる情報(例えば、ステート・ルートやレシート・ルート)を含んでおり、あるブロックから最初のブロックまでの間の何れかのブロックが含むものや、当該何れかのブロックが生成された時点における記憶すべき情報の内容の改竄が矛盾を生じさせるようになっている。
【0076】
ブロックチェーン・ノードは、トランザクションを受信すると、当該トランザクションの妥当性を検証する。このトランザクションは、スマート・コントラクトを生成するためのトランザクション(当該スマート・コントラクト自体を含む)と、スマート・コントラクトの部分に定義された処理を実行するためのトランザクション(処理に関するパラメータを含むことができる。)とを含むことができる。トランザクションの妥当性の検証に成功すると、ブロックチェーン・ノードは、当該トランザクション即ち妥当性のあるトランザクションを少なくとも1つの別のブロックチェーン・ノードに転送する。なお、ブロックチェーン・ノードは、妥当性のあるトランザクションを自ら生成し、少なくとも1つの別のブロックチェーン・ノードに転送することもある。また、スマート・コントラクトの部分に定義された処理は、トランザクションを介さずに(例えば、callメソッドを介して)実行される場合もある。
【0077】
ブロックチェーン・ノードは、妥当性のあるトランザクションを含むブロックの生成を試行する。この試行において、当該トランザクションがスマート・コントラクトを生成するためのものである場合に、当該スマート・コントラクトのアカウント及びそのアドレス(例えば、Contract Account(CA)及びそのアドレス)を生成して、当該スマート・コントラクトに関連付ける。また、この試行において、当該トランザクションがスマート・コントラクトの部分に定義された処理を実行するためのものである場合に、ブロックチェーン・ノードは当該処理を実行する。ブロックの生成に成功すると、ブロックチェーン・ノードは、当該ブロックを、自身が記憶するブロックチェーンに追加し、少なくとも1つの別のブロックチェーン・ノードに転送する。また、ブロックの生成に成功すると、ブロックチェーン・ノードは、ブロックの生成の試行において記憶すべき情報の内容を更新する処理を実行した場合に、情報の更新された内容を記憶する。なお、ブロックの生成は、計算量的に困難な問題を解いたときに成功するような手法(例えば、プルーフ・オブ・ワークやプルーフ・オブ・ステークや各種の合意形成アルゴリズム)を用いて行われる。
【0078】
ブロックチェーン・ノードは、ブロックを受信すると、当該ブロックの妥当性を検証する。この検証において、当該ブロックがスマート・コントラクトの部分に定義された処理を実行するためのトランザクションを含む場合に、ブロックチェーン・ノードが当該処理を実行する。ブロックの妥当性の検証に成功すると、ブロックチェーン・ノードは、当該ブロックを、自身が記憶するブロックチェーンに追加し、少なくとも1つの別のブロックチェーン・ノードに転送する。また、ブロックの妥当性の検証に成功すると、ブロックチェーン・ノードは、ブロックの妥当性の検証において記憶すべき情報の内容を更新する処理を実行した場合に、更新された情報の内容を記憶する。
【0079】
以上に述べたような仕組みにより、ブロックチェーン・ノード群140が含む各ブロックチェーン・ノードにおいて、スマート・コントラクトの部分に定義された処理が実行され、情報の内容が記憶される。
【0080】
3―2 保険情報登録処理
保険情報登録処理は、加入者等が保険グループに参加するために、既存保険についての情報を登録するための処理である。
図5は、例示の保険情報登録処理500のフローチャートである。
【0081】
510は、端末110Aが、既存保険についての情報を入力するための画面、例えば例示画面200を表示するステップを示している。
520は、端末110Aが、既存保険についての情報の入力を受けるステップを示している。
【0082】
530は、端末110Aが、入力された既存保険についての情報を登録するための画面、例えば例示画面250を表示するステップを示している。
540は、端末110Aが、入力された既存保険についての情報を、ゲートウェイ120に送信するステップを示している。このステップにおいて、端末110Aは、当該加入者等を特定する情報や、端末110Aの側で算出した場合に、既存保険についての情報の一部として加入者等の保険リスクスコア等も送信することができる。
【0083】
550は、ゲートウェイ120が、例えば既存保険についての情報を受信したときに、既存保険についての情報を管理するためのスマート・コントラクト(以下、「保険情報コントラクト」という。)のうち、既存保険についての情報を登録する処理に対応した部分(以下、「保険情報登録関数」という。)を実行させるトランザクション(以下、「保険情報登録トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険情報登録トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントのアドレスと、
送信先として保険情報コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
保険情報登録関数を特定する情報(例えば、当該関数のハッシュ値の最初の4バイト)と、
受信した既存保険についての情報と
を含むことができるが、保険情報登録トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。なお、「アカウント」は、ブロックチェーン・ノード群140が実施するブロックチェーン技術において各主体(加入者等、保険会社及び保険仲介会社並びにスマート・コントラクト)に付与されるものであり、「アドレス」は、当該ブロックチェーン技術において各「アカウント」に割り当てられるものであり、「アカウント」及び当該「アカウント」が付与された主体を特定する情報のうちの1つとして用いることができるものである。これらの点については、以下の説明においても同様である。
【0084】
560は、ゲートウェイ120が、保険情報登録トランザクションを、ブロックチェーン・ノード群140のうちの少なくとも1つのブロックチェーン・ノードに送信するステップを示している。
【0085】
570は、ステップ560において送信されたトランザクションに基づいて、上に説明した仕組みにより、各ブロックチェーン・ノードが、保険情報登録関数を実行することによって実行されるステップを示している。
【0086】
575は、ステップ570に含まれるステップであって、保険情報登録トランザクションに含まれる既存保険についての情報を、当該トランザクションに含まれる情報によって特定される加入者等に関連付けて記憶するステップを示している。
【0087】
なお、保険情報コントラクトは、指定された加入者等について登録された保険についての情報を参照する処理に対応した部分(以下、「保険情報参照関数」という。)を含むことができる。端末110やゲートウェイ120は、保険情報参照関数を、加入者等を特定する情報を用いて呼び出す、即ち、ブロックチェーン・ノード群140が含む少なくとも1つのブロックチェーンにおいて実行させることにより、当該加入者等に関連付けられて記憶された既存保険についての情報を取得することができる。
【0088】
また、登録すべき既存保険についての情報は、既存保険の種類によって異なる。例えば、ペット保険と家財保険とでは、登録すべき情報は異なるであろう。そのため、保険情報コントラクトは、既存保険の種類ごとに存在していていよい。
【0089】
3―3 保険グループ作成処理
保険グループ作成処理は、新たに保険グループを作成するための処理である。
図6は、例示の保険グループ作成処理600のフローチャートである。なお、この図における端末110は、端末110A又は110Cであることを意図しているが、端末110として機能するコンピュータは、これらに限定されるわけではない。
【0090】
610は、端末110が、保険グループを作成するための画面、例えば例示画面380を表示するステップを示している。
620は、端末110が、作成する保険グループについての情報の入力を受けるステップを示している。
【0091】
630は、端末110が、入力された保険グループについての情報を、ゲートウェイ120に送信するステップを示している。
640は、ゲートウェイ120が、受信した保険グループについての情報を記憶するステップを示している。保険グループについての情報は、データベース130に記憶することができる。情報が記憶され、且つ、後述するように成立していない保険グループが、現在作成されている保険グループとして扱われてよい。
【0092】
3―4 保険グループ参加及び成立処理
保険グループ参加処理は、加入者等が保険グループに参加するための処理である。保険グループ成立処理は、保険グループにおけるP2P保険の実施を開始するための処理である。
図7は、一連の流れとしての、例示の保険グループ参加及び成立処理700のフローチャートである。
【0093】
710及び720は、それぞれ、端末110Aが、現在企画されている保険グループのうちの少なくとも一部の一覧が記載された画面、例えば例示画面300を表示するステップ、及び、保険グループに参加するための画面、例えば例示画面350を表示するステップを示している。ステップ710及び720の一方又は双方は、ゲートウェイ120から、記憶されている保険グループについての情報を取得するステップを含むことができる。
【0094】
730は、端末110Aが、加入者等の当該保険グループへの参加申し込みをゲートウェイ120に送信するステップを示している。この参加申し込みは、当該加入者等を特定する情報と、当該保険グループを特定する情報とを含むことができる。
【0095】
740は、ゲートウェイ120が、例えば加入者等の保険グループへの参加申し込みを受信したときに、受信した参加申し込みに含まれる情報によって特定される保険グループについての情報を取得するステップを示している。この情報は、データベース120から取得することができる。
【0096】
750は、ゲートウェイ120が、当該保険グループの参加者として、当該加入者等を特定する情報を記憶するステップを示している。
760は、ゲートウェイ120が、当該保険グループは成立したかを判定するステップを示している。成立したと判定した場合、処理はステップ770に進み、そうでない場合、処理は終了する。保険グループが成立する条件は、例えば、当該保険グループの現在の参加者数が、保険グループごとに定めることのできる最低参加者数以上であるという条件であってよい。しかしながら、保険グループが成立する条件は、これに限定されるわけではない。
【0097】
770は、当該保険グループにおけるP2P保険の実施を開始するために、当該保険グループを実施するためのスマート・コントラクト(以下、「保険グループ・コントラクト」という。)を生成するためのトランザクション(以下、「保険グループ・コントラクト生成トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険グループ・コントラクト生成トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントのアドレスと、
パラメータとして、当該保険グループを実施するための各種処理を表す、ブロックチェーン・ノード上で実行可能な形式のプログラムと
を含むことができるが、保険グループ・コントラクト生成トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。なお、上記プログラムには、当該保険グループについての情報が定義即ちハードコーディングされていてよい。ここで、保険グループについての情報は、当該保険グループの複数の参加者のアカウントを特定する情報や、後述するキャッシュバック額を特定する情報(例えば、キャッシュバック率)等を含むことができる。一般的に、スマート・コントラクトを生成するためのトランザクションは、送信先の情報を含む必要がない。
【0098】
780は、ゲートウェイ120が、保険グループ・コントラクト生成トランザクションを、ブロックチェーン・ノード群140のうちの少なくとも1つのブロックチェーン・ノードに送信するステップを示している。ステップ780は、保険グループの各参加者が加入している既存保険の保険会社が管理するシステム、例えば、端末110Bに、当該保険グループが成立した旨を通知するステップを含むことができる。保険仲介会社と保険会社とは、この通知により、ストップ・ロス保険の契約が成立する旨を予め取り決めておくことができる。なお、システム100におけるストップ・ロス保険とは、後述するように、保険グループのプール金がP2P保険の保険金に満たなかった場合に、既存保険の保険会社が当該P2P保険の保険金を補填する保険である。
【0099】
790は、ステップ780において送信されたトランザクションに基づいて、上に説明した仕組みにより、あるブロックチェーン・ノードが、保険グループ・コントラクトを生成する処理を示している。なお、この処理は、保険グループ・コントラクトのアカウント及びそのアドレスを生成するステップ795を含み、生成されたアドレスはブロックチェーンに記憶されるために、端末110及びゲートウェイ120は、当該保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスをブロックチェーンから取得することが可能である。
【0100】
3―5 P2P保険実施処理
P2P保険実施処理は、成立した保険グループにおいてP2P保険を実施するための各種処理である。
【0101】
3-5-1 定期処理
定期処理は、定期的に実行される処理であって、保険グループの参加者が、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料として仮想通貨を自動的に支払うための処理を含む。また、定期処理は、保険グループの参加者が、当該参加者が加入している既存保険に基づき、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料の支払いに用いることが可能な仮想通貨を受け取るための処理を含むことができる。更に、定期処理は、保険グループにおいて実施されるP2P保険の実施の終了を制御するための処理を含むことができる。
図8A及び8Bは、例示の定期処理800のフローチャートである。
【0102】
810は、端末110Cが、ある保険グループにおいて実施されるP2P保険について定期処理を開始すべきかを判定するステップを示している。端末110Cは、当該保険グループが成立した直後に、定期処理を開始すべきと判定することができる。また、端末110Cは、最後にステップ810を実行してから第1所定期間(例えば、1ヶ月)経過しているときに、定期処理を開始すべきと判定することができる。第1所定期間は、保険グループごとに予め定められていてよい。定期処理を開始すべきと判定した場合、処理はステップ820に進み、そうでない場合、処理はステップ810を繰り返す。なお、端末110Cは、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険に対して未だ保険金請求がなされていない場合に限り、定期処理を開始すべきと判定することができる。
【0103】
820は、端末110Cが、最後の定期処理を開始すべきかを判定するステップを示している。端末110Cは、当該保険グループが成立してから第2所定期間(例えば、半年)経過しているときに、最後の定期処理を開始すべきと判定することができる。第2所定期間は、保険グループごとに予め定められていてよい。最後の定期処理を開始すべきと判定した場合、処理はステップ860に進み、そうでない場合、処理はステップ830に進む。
【0104】
830は、端末110Cが、ゲートウェイ120に、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料の収集を指示するステップを示している。この指示は、対応する保険グループ・コントラクトを特定する情報を含むことができる。
【0105】
840は、ゲートウェイ120が、受信した指示によって特定される保険グループ・コントラクトのうち、保険料収集処理に対応した部分(以下、「保険料収集関数」という。)を実行させるトランザクション(以下、「保険料収集トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険料収集トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントアドレスと、
送信先として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、保険料収集関数を特定する情報と
を含むことができるが、保険料収集トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。
【0106】
845は、ゲートウェイ120が、保険料収集トランザクションを、ブロックチェーン・ノード群140のうちの少なくとも1つのブロックチェーン・ノードに送信するステップを示している。
【0107】
850は、保険料収集トランザクションに基づいて、上に説明した仕組みにより、各ブロックチェーン・ノードが、保険料収集関数を実行することによって実行されるステップを示している。このステップの詳細は後述する。
【0108】
860は、端末110Cが、ゲートウェイ120に、当該保険グループを終了するために、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険に対して支払われた保険料の少なくとも一部のキャッシュバックを指示するステップを示している。この指示は、対応する保険グループ・コントラクトを特定する情報を含むことができる。
【0109】
870は、ゲートウェイ120が、受信した指示によって特定される保険グループ・コントラクトのうち、キャッシュバック処理に対応した部分(以下、「キャッシュバック関数」という。)を実行させるトランザクション(以下、「キャッシュバック・トランザクション」という。)を生成するステップを示している。キャッシュバック・トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントのアドレスと、
送信先として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、キャッシュバック関数を特定する情報と
を含むことができるが、キャッシュバック・トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。
【0110】
875は、ゲートウェイ120が、キャッシュバック・トランザクションを、ブロックチェーン・ノード群140のうちの少なくとも1つのブロックチェーン・ノードに送信するステップを示している。
【0111】
880は、ステップ875において送信されたトランザクションに基づいて、上に説明した仕組みにより、各ブロックチェーン・ノードが、キャッシュバック関数を実行することによって実行されるステップを示している。このステップの詳細は後述する。
【0112】
3-5-2 保険料収集処理
保険料収集処理は、ステップ850において各ブロックチェーン・ノードが実行する処理である。
図9A及び9Bは、例示の保険料収集処理900のフローチャートである。この図におけるブロックチェーン・ノードAとブロックチェーン・ノードBとは、同一のブロックチェーン・ノードとしてもよいし、異なるブロックチェーン・ノードとしてもよい。
【0113】
910は、保険グループ・コントラクト生成時に定義された対応する保険グループの参加者のうちの1人を選択するステップを示している。上述したように、保険グループ・コントラクトは、当該保険グループの複数の参加者のアカウントを特定する情報を予め含むことができる。
【0114】
920は、選択した参加者(以下、「選択ユーザ」という。)を特定する情報を用いて、保険情報コントラクトのうち保険情報参照関数を呼び出すことにより、選択ユーザが加入している既存保険の保険料の額を取得するステップを示している。この保険料の額は、第1所定期間に相当する額(例えば、月額)であってよい。
【0115】
940は、選択ユーザに、既存保険の保険料の額に応じた額の仮想通貨を配布するためのトランザクション(以下、「仮想通貨配布トランザクション」という。)を生成するステップを示している。なお、既存保険の保険料の額に応じた仮想通貨の額は、既存保険の保険料の全額に相当する仮想通貨の額であってもよいし、既存保険の保険料の所定割合の額に相当する仮想通貨の額であってもよい。システム100において、各アカウントが保有する仮想通貨の額は、仮想通貨を管理するためのスマート・コントラクト(以下、「トークン・コントラクト」という。)によって管理することができる。従って、仮想通貨配布トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントのアドレスと、
送信先としてトークン・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
トークン・コントラクトのうち、仮想通貨配布処理に対応した部分(以下、「仮想通貨配布関数」という。)を特定する情報と、
配布先として選択ユーザを特定する情報と、
配布量として既存保険の保険料の額に応じた仮想通貨の額と
を含むことができるが、仮想通貨配布トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。
【0116】
950は、仮想通貨配布トランザクションを少なくとも1つの他のブロックチェーン・ノードに送信すること、及び、上に説明した仕組みにより、仮想通貨配布関数を実行することの一方又は双方を行うステップを示している。
【0117】
なお、例示処理900においては、ステップ940及び950即ち仮想通貨配布トランザクションの生成及び送信を保険料収集処理の一環として実行しているが、仮想通貨配布トランザクションの生成及び送信は、保険料収集処理とは独立して別のタイミングで実行してもよい。
【0118】
ステップ950は、以下のステップ952及び954を含むことができる。なお、ステップ952と954の実行順序は、以下に説明するものに限定されるわけではない。
952は、仮想通貨の配布を記憶するステップを示している。このステップは、ブロックチェーン・ノードが、
仮想通貨の配布を示す情報と、
配布元として所定のアカウント(例えば、トークン・コントラクトのアカウント)を特定する情報と、
配布先として選択ユーザのアカウントを特定する情報と、
配布量と、
所定のタグ(例えば、「Pay」)と、
所定のメッセージ(例えば、「Insurance premium payment/Token receive」)と
をイベントとして記憶するステップであることができるが、イベントとして記憶する情報、これらに限定されるわけではない。なお、イベントとして記憶された情報を、以下、「イベント・ログ」という。
【0119】
954は、選択ユーザのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、配布量だけ増加させるステップを示している。なお、アカウントに関連付けられた仮想通貨の額がまだ記憶されていない場合には、当該額として、配布量の額を新たに記憶するようにしてよい。また、このステップは、特定アカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、配布量だけ減少させるステップを含んでいてもよい。システム100において、あるアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額は、当該アカウントが保有する仮想通貨の額とみなされる。
【0120】
960は、選択ユーザから、保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料の支払いを受けるためのトランザクション(以下、「保険料受領トランザクション」という。)を生成するステップを示している。このトランザクションは、
送信元として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
送信先としてトークン・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
トークン・コントラクトのうち、仮想通貨送金処理に対応した部分(以下、「仮想通貨送金関数」という。)を特定する情報と、
送金元として選択ユーザのアカウントを特定する情報と、
送金先として保険グループ・コントラクトのアカウントを特定する情報と、
送金量として保険グループにおいて実施されるP2P保険の保険料と
を含むことができるが、保険料受領トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。
【0121】
970は、保険料受領トランザクションを少なくとも1つの他のブロックチェーン・ノードに送信すること、及び、上に説明した仕組みにより、仮想通貨送金関数を実行することの一方又は双方を行うステップを示している。このステップは、以下のステップ972~976を含むことができる。なお、ステップ972~976の実行順は、以下に説明するものに限定されるわけではない。
【0122】
972は、仮想通貨の送金を記憶するステップを示している。このステップは、ブロックチェーン・ノードが、
仮想通貨の送金を示す情報と、
送金元とし選択ユーザのアカウントを特定する情報と、
送金先として保険グループ・コントラクトのアカウントを特定する情報と、
送金量と、
所定のタグ(例えば、「Pay」)と、
所定のメッセージ(例えば、「Insurance premium payment/Token receive」)と
をイベントとして記憶するステップであることができるが、イベントとして記憶する情報は、これらに限定されるわけではない。
【0123】
974は、選択ユーザのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ減少させるステップを示している。
976は、保険グループ・コントラクトのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ増加させるステップを示している。システム100において保険グループ・コントラクトが保有する仮想通貨の額は、プール金として対応する保険グループが保有する仮想通貨の額とみなされる。しかしながら、その保有する仮想通貨の額を保険グループが保有する仮想通貨の額とみなすためのアカウントは、これに限定されるわけではない。
【0124】
980は、選択されていない参加者が存在するかを判定するステップを示している。存在する場合、処理はステップ910に戻り、そうでない場合、処理は終了する。
3-5-3 キャッシュバック処理
キャッシュバック処理は、ステップ880において各ブロックチェーン・ノードが実行する処理である。
図10は、例示のキャッシュバック処理1000のフローチャートである。この図におけるブロックチェーン・ノードAとブロックチェーン・ノードBとは、同一のブロックチェーン・ノードとしてもよいし、異なるブロックチェーン・ノードとしてもよい。
【0125】
1010は、保険グループ・コントラクト生成時に定義された対応する保険グループの参加者のうちの1人を選択するステップを示している。
1020は、選択ユーザに、当該保険グループにおいて実施されるP2P保険に対して支払われた保険料の一部を返金するためのトランザクション(以下、「保険料一部返金トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険料一部返金トランザクションは、
送信元として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
送信先としてトークン・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
トークン・コントラクトのうち、仮想通貨送金関数を特定する情報と、
送金元として保険グループ・コントラクトのアカウントを特定する情報と、
送金先として選択ユーザのアカウントを特定する情報と、
送金量としてキャッシュバック額と
を含むことができるが、保険料一部返金トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。なお、トランザクションの送信元と送金元とが同じ保険グループ・コントラクトであるため、送金元の情報は省略してよい場合がある。また、キャッシュバック額は、保険グループ・コントラクト生成時に定義されたキャッシュバック額を特定する情報に基づき定めてよい。上述したように、保険グループ・コントラクトは、キャッシュバック額を特定する情報を予め含むことができる。
【0126】
1030は、保険料一部返金トランザクションを少なくとも1つの他のブロックチェーン・ノードに送信すること、及び、上に説明した仕組みにより、仮想通貨送金関数を実行することの一方又は双方を行うステップを示している。このステップは、以下のステップ1032~1036を含むことができる。なお、ステップ1032~1036の実行順は、以下に説明するものに限定されるわけではない。
【0127】
1032は、仮想通貨の送金を記憶するステップを示している。このステップは、ブロックチェーン・ノードが、
仮想通貨の送金を示す情報と、
送金元として当該保険グループ・コントラクトを特定する情報と、
送金先として選択ユーザを特定する情報と、
送金量と、
所定のタグ(例えば、「Cashback」)と、
所定のメッセージ(例えば、「Insurance premium cashback」)と
をイベントとして記憶するステップであることができるが、イベントとして記憶する情報は、これらに限定されるわけではない。
【0128】
1034は、当該保険グループ・コントラクトのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ減少させるステップを示している。
1036は、選択ユーザのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ増加させるステップを示している。
【0129】
1040は、選択されていない参加者が存在するかを判定するステップを示している。存在する場合、処理はステップ1010に戻り、そうでない場合、処理は終了する。
3-5-4 保険金支払処理
保険金支払処理は、ある保険グループにおいて実施されるP2P保険に対する保険金の請求に応じて、請求者(当該保険グループの参加者である)に支払うための処理である。この処理は、任意の手法によりなされた保険グループの参加者からの保険金請求が、審査の結果認められた結果、当該処理の実行が端末110Cに指示されたときに実行される。なお、保険金請求の審査は、例えばAI技術を用いてコンピュータが行ってもよいし、人が行ってもよい。また、保険金支払処理の実行の指示は、別のコンピュータからの通信によるものであってもよいし、人の入力によるものであってもよい。
図11は、例示の保険金支払処理のフローチャートである。
【0130】
1110は、端末110Cが、ゲートウェイ120に、保険金の支払いを指示するステップを示している。この指示は、保険金請求者を特定する情報と、対応する保険グループ・コントラクトを特定する情報と、保険金の額とを含むことができる。
【0131】
1120は、ゲートウェイ120が、保険グループ・コントラクトのうち、保険金支払処理に対応した部分(以下、「保険金支払関数」という。)を実行させるトランザクション(以下、「保険金支払トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険金支払トランザクションは、
送信元として保険仲介会社のアカウントのアドレスと、
送信先として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
保険金支払関数を特定する情報と、
保険金請求者を特定する情報と、
保険金の額と
を含むことができるが、保険金支払トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。
【0132】
1130は、ゲートウェイ120が、保険金支払トランザクションを、ブロックチェーン・ノード群140が含む少なくとも1つのブロックチェーン・ノードに送信するステップを示している。
【0133】
1140は、ステップ1130において送信されたトランザクションに基づいて、上に説明した仕組みにより、各ブロックチェーン・ノードが、保険グループ・コントラクトの保険金支払関数を実行することによって実行されるステップを示している。
【0134】
図12A及び12Bは、ステップ1140において実行される例示処理1200のフローチャートである。この図におけるブロックチェーン・ノードAとブロックチェーン・ノードB又はCとは、同一のブロックチェーン・ノードとしてもよいし、異なるブロックチェーン・ノードとしてもよい。また、この図におけるブロックチェーン・ノードBとブロックチェーン・ノードCとは、同一のブロックチェーン・ノードとしてもよいし、異なるブロックチェーン・ノードとしてもよい。
【0135】
1210は、現在のプール金の額即ち保険グループ・コントラクトのアカウントが保有する仮想通貨の額を取得するステップを示している。このステップは、トークン・コントラクトのうち、指定のアカウントが保有する仮想通貨の額を参照するための部分を実行することにより行うことができる。
【0136】
1155は、プール金が保険金以上であるかを判定するステップを示している。なお、保険金支払トランザクションに含まれる保険金の額の単位が仮想通貨でない場合(例えば、法定通貨である場合)には、適宜換算が行われてよい。プール金が保険金以上である場合、処理はステップ1230に進み、そうでない場合、処理はステップ1250に進む。
【0137】
1230は、保険金請求者に、保険金を送金するためのトランザクション(以下、「保険金送金トランザクション」という。)を生成するステップを示している。保険金送金トランザクションは、
送信元として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
送信先としてトークン・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
仮想通貨送金関数を特定する情報と、
送金元として当該保険グループ・コントラクトのアカウントを特定する情報と、
送金先として保険金請求者のアカウントを特定する情報と、
送金量として保険金の額と
を含むことができるが、保険金送金トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。なお、トランザクションの送信元と送金元とが同じ保険グループ・コントラクトであるため、送金元の情報は省略してよい場合がある。
【0138】
1240は、保険金送金トランザクションを少なくとも1つの他のブロックチェーン・ノードに送信すること、及び、上に説明した仕組みにより、仮想通貨送金関数を実行することの一方又は双方を行うステップを示している。このステップは、以下のステップ1242~1246を含むことができる。なお、ステップ1242~1246の実行順は、以下に説明するものに限定されるわけではない。
【0139】
1242は、仮想通貨の送金を記憶するステップを示している。このステップは、ブロックチェーン・ノードが、
仮想通貨の送金を示す情報と、
送金元として当該保険グループ・コントラクトを特定する情報と、
送金先として保険金請求者を特定する情報と、
送金量と、
所定のタグ(例えば、「Receive」)と、
所定のメッセージ(例えば、「Insurance receipt」)と
をイベントとして記憶するステップであることができるが、イベントとして記憶する情報は、これらに限定されるわけではない。
【0140】
1244は、当該保険グループ・コントラクトのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ減少させるステップを示している。
1246は、保険金請求者のアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ増加させるステップを示している。
【0141】
即ち、システム100において、保険グループが保有するプール金が支払われる保険金をカバーしている場合には、保険金は仮想通貨として保険金請求者に支払われることになる。保険金請求者は、任意の手法で保険金として受領した仮想通貨を法定通貨に換金してよい。
【0142】
1150は、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションを生成するステップを示している。支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、例えば、保険仲介会社に、保険グループが保有するプール金を送金するためのトランザクション(以下、「プール金送金トランザクション」という。)であってよい。プール金送金トランザクションは、
送信元として保険グループ・コントラクトのアカウントのアドレスと、
送信先としてトークン・コントラクトのアカウントのアドレスと、
パラメータとして、
仮想通貨送金関数を特定する情報と、
送金元として保険グループ・コントラクトのアカウントを特定する情報と、
送金先として保険仲介会社のアカウントを特定する情報と、
送金量として保険グループが保有するプール金の全額と
を含むことができるが、プール金送金トランザクションが含む情報は、これらに限定されるわけではない。なお、トランザクションの送信元と送金元とが同じ保険グループ・コントラクトであるため、送金元の情報は省略してよい場合がある。また、支払うべき保険金が不足していることを表すトランザクションは、これに限定されるわけではなく、支払うべき保険金が不足している場合に生成される任意のトランザクションであってよい。
【0143】
1260は、プール金送金トランザクションを少なくとも1つの他のブロックチェーン・ノードに送信すること、及び、上に説明した仕組みにより、仮想通貨送金関数を実行することの一方又は双方を行うステップを示している。このステップは、以下のステップ1262~1266を含むことができる。なお、ステップ1262~1266の実行順は、以下に説明するものに限定されるわけではない。
【0144】
1262は、仮想通貨の送金を記憶するステップを示している。このステップは、ブロックチェーン・ノードが、
仮想通貨の送金を示す情報と、
送金元として保険グループ・コントラクトを特定する情報と、
送金先として保険仲介会社を特定する報と、
送金量と、
所定のタグと、
所定のメッセージと
をイベントとして記憶するステップであることができるが、イベントとして記憶する情報は、これらに限定されるわけではない。
【0145】
1264は、当該保険グループ・コントラクトのアカウントに関連付けられて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ減少させるステップを示している。これにより、当該保険グループのプール金はゼロとなる。
【0146】
1266は、保険仲介会社のアカウントに関連付けて記憶されている仮想通貨の額を、送金量だけ増加させるステップを示している。
即ち、システム100において、保険グループが保有するプール金が支払われる保険金に満たない場合には、プール金の全額が一旦保険仲介会社に送金されることになる。
【0147】
図11に戻ると、1150は、端末110Cが、保険金支払処理の結果の取得を試行するステップを示している。この結果は、上述したように、プール金が足りたために保険金請求者に保険金が送金されたのか、それともプール金が足りなかったために保険仲介会社にプール金が全額送金されたのかを含む。この結果の取得は、例えば、ゲートウェイ120を介して、ブロックチェーンからイベント・ログを取得することによって行うことができる。
【0148】
1160は、端末110Cが、保険金支払処理の結果が取得できたかを判定するステップを示している。なお、ステップ1242又は1262の実行の結果、対応する送金がイベントとしてブロックチェーンに記憶されている場合、保険金支払処理の結果は取得できることになる。結果が取得できたと判定された場合、処理はステップ1170に進み、そうでない場合、処理はステップ1150に戻る。
【0149】
1170は、端末110Cが、取得した保険金支払処理の結果に基づき、プール金が足りたかを判定するステップを示している。この判定は、所定の情報が記憶されているかに基づき行うことができる。例えば、端末110Cは、保険金送金トランザクションや、ステップ1242が実行された結果としての保険金請求者への送金がイベントとしてブロックチェーンに記憶されている場合、プール金は足りたと判定することができる。また、例えば、端末110Cは、プール金送金トランザクションや、ステップ1262が実行された結果としての保険仲介会社への送金がイベントとしてブロックチェーンに記憶されている場合、プール金は足りたと判定しないことができる。プール金が足りたと判定した場合、処理は終了し、そうでない場合、処理はステップ1180に進む。
【0150】
1180は、端末110Cが、所定の処理を実行するステップを示している。所定の処理は、保険情報コントラクトのうちの保険情報参照関数を、保険金請求者を特定する情報を用いて呼び出す、即ち、ブロックチェーン・ノード群140が含む少なくとも1つのブロックチェーンにおいて実行させることにより、当該保険金請求者が加入している既存保険を実施している保険会社を特定し、特定された保険会社のシステム、例えば端末110Bに通知する処理を含むことができる。この通知は、請求されたP2P保険の保険金が不足しており、補填すべきことを通知するものであってよい。
【0151】
また、所定の処理は、金融機関のシステムに、上述したように送金されたプール金に相当する法定通貨を、特定された保険会社に送金するよう指示する処理を含んでいてよい。従って、システム100によれば、保険グループが保有するプール金が支払われる保険金に足りない場合には、保険仲介会社は、送金されたプール金に相当する法定通貨を、保険金申請者が加入している既存保険の保険会社に送金することができ、既存保険の保険会社は、不足分を補填したうえで保険金申請者に保険金を満額支払うことができる。
【0152】
4 コンピュータ
以下、端末110、ゲートウェイ120、データベース130及びブロックチェーン・ノードとして用いることができるコンピュータのハードウエア構成の一例について説明する。
【0153】
図13は、コンピュータのハードウエア構成の一例を表している。同図に示すように、コンピュータ1700は、ハードウエア資源として、主に、プロセッサ1710と、主記憶装置1720と、補助記憶装置1730と、ユーザインターフェース1740と、通信インターフェース1750とを備えており、これらはアドレスバス、データバス、コントロールバス等を含むバスライン1760を介して相互に接続されている。なお、バスライン1760と各ハードウエア資源との間には適宜インターフェース回路(図示せず)が介在している場合もある。
【0154】
プロセッサ1710は、コンピュータ全体の制御を行う。
主記憶装置1720は、プロセッサ1710に対して作業領域を提供し、SRAM、DRAM等の揮発性メモリである。
【0155】
補助記憶装置1730は、ソフトウエアであるプログラム等やデータ等を格納する、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。当該プログラムは、任意の時点で補助記憶装置1730からバスライン1760を介して主記憶装置1720へとロードされる。
【0156】
ユーザインターフェース1740は、ユーザに情報を提示すること及びユーザから情報の入力を受けることの一方又は双方を行うものであり、デジタル・カメラ、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、マイク、スピーカ等である。
【0157】
通信インターフェース1750は、ネットワーク1770と接続されるものであり、ネットワーク1770を介してデータを送受する。通信インターフェース1750とネットワーク1770とは、有線又は無線で接続されうる。通信インターフェース1750は、ネットワークに係る情報、例えば、Wifiのアクセスポイントに係る情報、通信キャリアの基地局に関する情報等も取得することがある。
【0158】
上に例示したハードウエア資源とソフトウエア又はプログラムとの協働により、コンピュータは、所望の手段として機能し、所望のステップを実行し、所望の機能を実現させることできることは、当業者には明らかであろう。
【0159】
5 むすび
以上、本発明の実施形態の幾つかの例を説明してきたが、これらは例示にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本発明の技術的範囲は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。