(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】作業管理システム及び部品実装システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
(21)【出願番号】P 2018241411
(22)【出願日】2018-12-25
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐一
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/009101(WO,A1)
【文献】特開2016-115739(JP,A)
【文献】特開2017-199773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインにおいて、前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行う作業管理システムであって、
前記複数の部品実装機の各々と情報通信可能に接続される情報管理装置と、
前記情報管理装置と情報通信可能に接続され、前記支援作業を実施する各作業者によって携帯される複数の携帯端末装置と、を備え、
前記情報管理装置は、
前記部品実装機から送信された前記支援作業の実施を要求する作業要求情報を受信可能な第1通信部と、
前記作業要求情報にて実施が要求される支援作業である実施要求作業の属性を示す作業属性情報を、前記作業要求情報に付加して作業指示情報を生成する作業指示生成部と、
前記作業指示情報を前記複数の携帯端末装置の各々へ送信可能な第2通信部と、を含み、
前記複数の携帯端末装置の各々は、
情報の報知が可能な報知部と、
前記第2通信部との間で情報通信が可能であって、前記作業指示情報を受信可能な端末側通信部と、
前記携帯端末装置を携帯する作業者の属性を示す作業者属性情報を、作業者による前記支援作業の進捗状況に応じて書き換え可能に記憶する記憶部と、
前記携帯端末装置の位置を特定し、その特定した位置を作業者の現在位置を示す作業者位置情報として前記作業者属性情報に付加する位置特定部と、
前記作業指示情報に含まれる前記作業属性情報と前記作業者属性情報とを比較することにより、前記作業指示情報に含まれる前記作業要求情報の前記報知部での報知の要否を判定する報知判定部と、
前記報知判定部によって前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定された場合に、前記報知部の報知動作を制御する報知制御部と、を含
み、
前記作業属性情報は、
前記実施要求作業の重大度に応じて設定された、前記作業要求情報を報知すべき作業者の権限レベルの上限を示す報知権限情報と、
前記作業要求情報を送信した前記部品実装機が配置される前記実装ラインを特定するライン特定情報と、
前記実施要求作業の実施の優先度レベルを示す要求作業優先度情報と、を含む情報であり、
前記作業者属性情報は、
作業者の権限レベルを示す作業者権限情報と、
前記複数の実装ラインにおいて、作業者が前記支援作業の実施を担当する実装ラインを示す作業担当ライン情報と、
作業者が実施中の前記支援作業の優先度レベルを示す実施作業優先度情報と、を含む情報であり、
前記報知判定部は、
前記作業者権限情報で示される権限レベルが前記報知権限情報で示される権限レベルの上限以下であることを表す権限レベル条件と、前記ライン特定情報で特定される実装ラインが前記作業担当ライン情報に含まれることを表すライン条件と、を満たすか、又は、
前記権限レベル条件と、前記作業者位置情報で示される作業者の現在位置が前記作業要求情報を送信した前記部品実装機から所定の範囲内に位置することを表す作業者位置条件と、を満たし、且つ、前記実施作業優先度情報で示される優先度レベルが前記要求作業優先度情報で示される優先度レベルよりも低いレベルであることを表す優先レベル条件を満たす場合に、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定する、作業管理システム。
【請求項2】
前記複数の携帯端末装置の各々は、作業者の入力操作によって各種情報が入力される入力部を更に含み、
前記複数の携帯端末装置のうち、前記報知部が前記作業要求情報を報知する報知動作を実行した特定の携帯端末装置の各々において、前記実施要求作業の実施の可否を示す作業可否情報が前記入力部に入力された場合、前記端末側通信部は、前記作業可否情報を前記情報管理装置へ送信する、請求項
1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記情報管理装置は、
前記特定の携帯端末装置の各々からの前記作業可否情報を前記第2通信部が受信した場合、当該各作業可否情報に基づき前記実施要求作業の実施が可能な作業者の存否を判定する作業可能者判定部と、
前記作業可能者判定部の判定結果に応じた情報を生成する情報生成部と、を更に含み、
前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在することを表す場合に、その判定結果を示す作業可能者決定情報を生成し、
前記第2通信部は、前記作業可能者決定情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信し、
前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業可能者決定情報を報知させる、請求項
2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記作業指示生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合、前記報知権限情報で示される権限レベルの上限を高く設定した新たな前記作業指示情報を生成し、
前記第2通信部は、前記新たな作業指示情報を、前記複数の携帯端末装置の各々へ送信する、請求項
3に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合に、前記報知権限情報で示される権限レベルが最高位の作業者に、前記実施要求作業を実施する作業者の決定を促す作業者決定催促情報を生成し、
前記第2通信部は、前記作業者決定催促情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信し、
前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業者決定催促情報を報知させる、請求項
3に記載の作業管理システム。
【請求項6】
基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインにおいて、前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行う作業管理システムであって、
前記複数の部品実装機の各々と情報通信可能に接続される情報管理装置と、
前記情報管理装置と情報通信可能に接続され、前記支援作業を実施する各作業者によって携帯される複数の携帯端末装置と、を備え、
前記情報管理装置は、
前記部品実装機から送信された前記支援作業の実施を要求する作業要求情報を受信可能な第1通信部と、
前記作業要求情報にて実施が要求される支援作業である実施要求作業の属性を示す作業属性情報を、前記作業要求情報に付加して作業指示情報を生成する作業指示生成部と、
前記作業指示情報を前記複数の携帯端末装置の各々へ送信可能な第2通信部と、を含み、
前記複数の携帯端末装置の各々は、
情報の報知が可能な報知部と、
前記第2通信部との間で情報通信が可能であって、前記作業指示情報を受信可能な端末側通信部と、
前記携帯端末装置を携帯する作業者の属性を示す作業者属性情報を、作業者による前記支援作業の進捗状況に応じて書き換え可能に記憶する記憶部と、
前記作業指示情報に含まれる前記作業属性情報と前記作業者属性情報とを比較することにより、前記作業指示情報に含まれる前記作業要求情報の前記報知部での報知の要否を判定する報知判定部と、
前記報知判定部によって前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定された場合に、前記報知部の報知動作を制御する報知制御部と、
作業者の入力操作によって各種情報が入力される入力部と、を含み、
前記作業属性情報は、
前記実施要求作業の重大度に応じて設定された、前記作業要求情報を報知すべき作業者の権限レベルの上限を示す報知権限情報と、
前記作業要求情報を送信した前記部品実装機が配置される前記実装ラインを特定するライン特定情報と、を含む情報であり、
前記作業者属性情報は、
作業者の権限レベルを示す作業者権限情報と、
前記複数の実装ラインにおいて、作業者が前記支援作業の実施を担当する実装ラインを示す作業担当ライン情報と、を含む情報であり、
前記報知判定部は、前記作業者権限情報で示される権限レベルが前記報知権限情報で示される権限レベルの上限以下であることを表す権限レベル条件と、前記ライン特定情報で特定される実装ラインが前記作業担当ライン情報に含まれることを表すライン条件と、を満たす場合に、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定し、
前記複数の携帯端末装置のうち、前記報知部が前記作業要求情報を報知する報知動作を実行した特定の携帯端末装置の各々において、前記実施要求作業の実施の可否を示す作業可否情報が前記入力部に入力された場合、前記端末側通信部は、前記作業可否情報を前記情報管理装置へ送信し、
前記情報管理装置は、前記特定の携帯端末装置の各々からの前記作業可否情報を前記第2通信部が受信した場合、当該各作業可否情報に基づき前記実施要求作業の実施が可能な作業者の存否を判定する作業可能者判定部と、前記作業可能者判定部の判定結果に応じた情報を生成する情報生成部と、を更に含み、
前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在することを表す場合に、その判定結果を示す作業可能者決定情報を生成し、
前記第2通信部は、前記作業可能者決定情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信し、
前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業可能者決定情報を報知させ、
前記作業指示生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合、前記報知権限情報で示される権限レベルの上限を高く設定した新たな前記作業指示情報を生成し、
前記第2通信部は、前記新たな作業指示情報を、前記複数の携帯端末装置の各々へ送信する、作業管理システム。
【請求項7】
基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインにおいて、前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行う作業管理システムであって、
前記複数の部品実装機の各々と情報通信可能に接続される情報管理装置と、
前記情報管理装置と情報通信可能に接続され、前記支援作業を実施する各作業者によって携帯される複数の携帯端末装置と、を備え、
前記情報管理装置は、
前記部品実装機から送信された前記支援作業の実施を要求する作業要求情報を受信可能な第1通信部と、
前記作業要求情報にて実施が要求される支援作業である実施要求作業の属性を示す作業属性情報を、前記作業要求情報に付加して作業指示情報を生成する作業指示生成部と、
前記作業指示情報を前記複数の携帯端末装置の各々へ送信可能な第2通信部と、を含み、
前記複数の携帯端末装置の各々は、
情報の報知が可能な報知部と、
前記第2通信部との間で情報通信が可能であって、前記作業指示情報を受信可能な端末側通信部と、
前記携帯端末装置を携帯する作業者の属性を示す作業者属性情報を、作業者による前記支援作業の進捗状況に応じて書き換え可能に記憶する記憶部と、
前記作業指示情報に含まれる前記作業属性情報と前記作業者属性情報とを比較することにより、前記作業指示情報に含まれる前記作業要求情報の前記報知部での報知の要否を判定する報知判定部と、
前記報知判定部によって前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定された場合に、前記報知部の報知動作を制御する報知制御部と、
作業者の入力操作によって各種情報が入力される入力部と、を含み、
前記作業属性情報は、
前記実施要求作業の重大度に応じて設定された、前記作業要求情報を報知すべき作業者の権限レベルの上限を示す報知権限情報と、
前記作業要求情報を送信した前記部品実装機が配置される前記実装ラインを特定するライン特定情報と、を含む情報であり、
前記作業者属性情報は、
作業者の権限レベルを示す作業者権限情報と、
前記複数の実装ラインにおいて、作業者が前記支援作業の実施を担当する実装ラインを示す作業担当ライン情報と、を含む情報であり、
前記報知判定部は、前記作業者権限情報で示される権限レベルが前記報知権限情報で示される権限レベルの上限以下であることを表す権限レベル条件と、前記ライン特定情報で特定される実装ラインが前記作業担当ライン情報に含まれることを表すライン条件と、を満たす場合に、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定し、
前記複数の携帯端末装置のうち、前記報知部が前記作業要求情報を報知する報知動作を実行した特定の携帯端末装置の各々において、前記実施要求作業の実施の可否を示す作業可否情報が前記入力部に入力された場合、前記端末側通信部は、前記作業可否情報を前記情報管理装置へ送信し、
前記情報管理装置は、前記特定の携帯端末装置の各々からの前記作業可否情報を前記第2通信部が受信した場合、当該各作業可否情報に基づき前記実施要求作業の実施が可能な作業者の存否を判定する作業可能者判定部と、前記作業可能者判定部の判定結果に応じた情報を生成する情報生成部と、を更に含み、
前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在することを表す場合に、その判定結果を示す作業可能者決定情報を生成し、
前記第2通信部は、前記作業可能者決定情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信し、
前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業可能者決定情報を報知させ、
前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合に、前記報知権限情報で示される権限レベルが最高位の作業者に、前記実施要求作業を実施する作業者の決定を促す作業者決定催促情報を生成し、
前記第2通信部は、前記作業者決定催促情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信し、
前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業者決定催促情報を報知させる、作業管理システム。
【請求項8】
基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインと、
前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行う、請求項1~
7のいずれか1項に記載の作業管理システムと、を備える、部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を搭載する部品実装機が複数配列された実装ラインに対して作業者が実施する支援作業の管理を行う作業管理システム、及びそれを備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)が搭載された部品搭載基板を生産する実装ラインは、基板上に部品を搭載する部品実装機が複数配列されて構成されている。各部品実装機による部品搭載基板の生産に際しては、その生産を支援するための、部品供給装置に部品を補給する部品補給作業等の支援作業が作業者によって実施される。
【0003】
作業者による支援作業の効率化を図るための技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される技術では、中央処理装置は、部品実装機における部品切れの発生時刻を算出し、この算出結果を含む部品切れ予告情報を作業者が携帯する携帯端末装置へ配信する。部品切れ予告情報を受信した携帯端末装置は、その情報を表示する。これにより、部品切れ予告情報を作業者に提供することができ、作業者の作業効率の向上を図ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、部品切れ予告情報は、実装ラインにおいて支援作業を実施する全ての作業者を対象として配信される。すなわち、中央処理装置から全ての携帯端末装置へ部品切れ予告情報が配信され、全ての携帯端末装置においてその情報が表示される。部品切れ予告情報に対応した支援作業の実施を担当する作業者にとっては、自身が携帯する携帯端末装置に表示される情報に基づいて支援作業を実施することができる。一方、担当者以外の作業者にとっては、その情報の提供は不要であり、携帯端末装置に不要な情報が表示されることによって、かえって混乱してしまう虞がある。このため、担当者以外の作業者による作業効率が低下する虞がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品実装機による部品搭載基板の生産を支援するための、作業者による支援作業の効率化を図ることが可能な作業管理システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る作業管理システムは、基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインにおいて、前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行うシステムである。この作業管理システムは、前記複数の部品実装機の各々と情報通信可能に接続される情報管理装置と、前記情報管理装置と情報通信可能に接続され、前記支援作業を実施する各作業者によって携帯される複数の携帯端末装置と、を備える。前記情報管理装置は、前記部品実装機から送信された前記支援作業の実施を要求する作業要求情報を受信可能な第1通信部と、前記作業要求情報にて実施が要求される支援作業である実施要求作業の属性を示す作業属性情報を、前記作業要求情報に付加して作業指示情報を生成する作業指示生成部と、前記作業指示情報を前記複数の携帯端末装置の各々へ送信可能な第2通信部と、を含む。前記複数の携帯端末装置の各々は、情報の報知が可能な報知部と、前記第2通信部との間で情報通信が可能であって、前記作業指示情報を受信可能な端末側通信部と、前記携帯端末装置を携帯する作業者の属性を示す作業者属性情報を、作業者による前記支援作業の進捗状況に応じて書き換え可能に記憶する記憶部と、前記作業指示情報に含まれる前記作業属性情報と前記作業者属性情報とを比較することにより、前記作業指示情報に含まれる前記作業要求情報の前記報知部での報知の要否を判定する報知判定部と、前記報知判定部によって前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定された場合に、前記報知部の報知動作を制御する報知制御部と、を含む。
【0008】
この作業管理システムによれば、部品実装機からの作業要求情報に作業属性情報が付加された作業指示情報が、情報管理装置から各携帯端末装置へ送信される。作業指示情報を受信した各携帯端末装置において、報知判定部は、記憶部から作業者属性情報を読み出し、当該作業者属性情報と作業指示情報に含まれる作業属性情報とを比較することにより、作業要求情報の報知部での報知の要否を判定する。そして、報知部での報知が必要であると判定された場合に、報知制御部の制御によって報知部が作業要求情報を報知する。
【0009】
すなわち、各携帯端末装置において個別に、作業要求情報にて実施が要求される実施要求作業の属性と作業者の属性とが考慮されて、作業要求情報の報知の要否が判定される。そして、作業要求情報の報知が必要な携帯端末装置においてのみ、その情報が報知される。これにより、作業要求情報が報知される携帯端末装置を携帯する作業者は、その作業要求情報に基づき支援作業の実施が必要な部品実装機を認識することができる。一方、作業要求情報の報知が不要な作業者には、その情報が報知されないので、情報が報知されることに起因した混乱を回避することができる。この結果、複数の実装ラインの全体としては、作業者による支援作業の効率化を図ることが可能となる。
【0010】
また、支援作業の実施が必要な部品実装機から離れた位置で作業者が、別の作業をしていたとしても、携帯端末装置にて報知される作業要求情報を確認することにより、支援作業の実施の必要性を把握することができる。
【0011】
また、既述の通り、各携帯端末装置において個別に、作業要求情報にて実施が要求される実施要求作業の属性と作業者の属性とが考慮されて、作業要求情報の報知の要否が判定される。これにより、情報管理装置において判定に必要な情報を一括管理する必要がない。このため、各携帯端末装置において高い機動力で、作業要求情報の報知の要否を判定することができる。
【0012】
上記の作業管理システムにおいて、前記作業属性情報は、前記実施要求作業の重大度に応じて設定された、前記作業要求情報を報知すべき作業者の権限レベルの上限を示す報知権限情報と、前記作業要求情報を送信した前記部品実装機が配置される前記実装ラインを特定するライン特定情報と、を含む情報であり、前記作業者属性情報は、作業者の権限レベルを示す作業者権限情報と、前記複数の実装ラインにおいて、作業者が前記支援作業の実施を担当する実装ラインを示す作業担当ライン情報と、を含む情報である。そして、前記報知判定部は、前記作業者権限情報で示される権限レベルが前記報知権限情報で示される権限レベルの上限以下であることを表す権限レベル条件と、前記ライン特定情報で特定される実装ラインが前記作業担当ライン情報に含まれることを表すライン条件と、を満たす場合に、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定する。
【0013】
この態様では、各携帯端末装置において、報知判定部は、権限レベル条件を満たし、且つライン条件を満たす場合に、作業要求情報の報知部での報知が必要であると判定することができる。
【0014】
上記の作業管理システムにおいて、前記複数の携帯端末装置の各々は、当該携帯端末装置の位置を特定し、その特定した位置を作業者の現在位置を示す作業者位置情報として前記作業者属性情報に付加する位置特定部を、更に含む。前記報知判定部は、前記作業者位置情報で示される作業者の現在位置が、前記作業要求情報を送信した前記部品実装機から所定の範囲内に位置することを表す作業者位置条件を満たす場合、前記ライン条件を満たしていなくても前記権限レベル条件を満たしていれば、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定する。
【0015】
この態様では、各携帯端末装置において、報知判定部は、作業者位置条件を満たす場合に、ライン条件を満たしていなくても権限レベル条件を満たしていれば、作業要求情報の報知部での報知が必要であると判定することができる。これにより、支援作業の実施が必要な部品実装機の近くにいる作業者に、作業要求情報を報知することができる。
【0016】
上記の作業管理システムにおいて、前記作業属性情報は、前記実施要求作業の実施の優先度レベルを示す要求作業優先度情報を更に含み、前記作業者属性情報は、作業者が実施中の前記支援作業の優先度レベルを示す実施作業優先度情報を更に含む。そして、前記報知判定部は、前記権限レベル条件及び前記ライン条件を満たすか、又は前記権限レベル条件及び前記作業者位置条件を満たし、且つ、前記実施作業優先度情報で示される優先度レベルが前記要求作業優先度情報で示される優先度レベルよりも低いレベルであることを表す優先レベル条件を満たす場合に、前記作業要求情報の前記報知部での報知が必要であると判定する。
【0017】
この態様では、各携帯端末装置において、報知判定部は、優先レベル条件を満たす場合に、作業要求情報の報知部での報知が必要であると判定することができる。すなわち、現在実施中の支援作業の優先度レベルが、実施要求作業の優先度レベルよりも低い場合に、作業要求情報が報知される。一方、現在実施中の支援作業の優先度レベルが、実施要求作業の優先度レベル以上の場合には、作業要求情報が報知されない。これにより、作業者は、優先度レベルの低い実施要求作業に関する作業要求情報の報知に混乱されることから回避され、優先度レベルの高い支援作業を集中して実施することができる。
【0018】
上記の作業管理システムにおいて、前記複数の携帯端末装置の各々は、作業者の入力操作によって各種情報が入力される入力部を更に含む。前記複数の携帯端末装置のうち、前記報知部が前記作業要求情報を報知する報知動作を実行した特定の携帯端末装置の各々において、前記実施要求作業の実施の可否を示す作業可否情報が前記入力部に入力された場合、前記端末側通信部は、前記作業可否情報を前記情報管理装置へ送信する。
【0019】
この態様では、作業要求情報の報知が行われた特定の携帯端末装置の各々から情報管理装置へ作業可否情報が送信される。この作業可否情報を受信することによって情報管理装置は、複数の携帯端末装置のうち、作業要求情報の報知が行われた特定の携帯端末装置を把握することができる。
【0020】
上記の作業管理システムにおいて、前記情報管理装置は、前記特定の携帯端末装置の各々からの前記作業可否情報を前記第2通信部が受信した場合、当該各作業可否情報に基づき前記実施要求作業の実施が可能な作業者の存否を判定する作業可能者判定部と、前記作業可能者判定部の判定結果に応じた情報を生成する情報生成部と、を更に含む。前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在することを表す場合に、その判定結果を示す作業可能者決定情報を生成する。前記第2通信部は、前記作業可能者決定情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信する。前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業可能者決定情報を報知させる。
【0021】
この態様では、情報管理装置は、作業可否情報に基づき実施要求作業を実施可能な作業者が存在していると判定した場合に、作業可能者決定情報を特定の携帯端末装置の各々へ送信する。そして、特定の携帯端末装置においては、前記作業可能者決定情報を報知する。これにより、特定の携帯端末装置を携帯する各作業者は、実施要求作業を実施可能な作業者が存在することを確認することができる。このため、複数人が重複して実施要求作業を実施することを回避することができる。
【0022】
上記の作業管理システムにおいて、前記作業指示生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合、前記報知権限情報で示される権限レベルの上限を高く設定した新たな前記作業指示情報を生成する。前記第2通信部は、前記新たな作業指示情報を、前記複数の携帯端末装置の各々へ送信する。
【0023】
この態様では、情報管理装置は、作業可否情報に基づき実施要求作業を実施可能な作業者が存在していないと判定した場合に、新たな作業指示情報を全ての携帯端末装置へ送信する。この新たな作業指示情報は、少なくとも報知権限情報で示される権限レベルの上限が高く設定されたものである。これにより、作業要求情報を報知する必要があると判定される携帯端末装置の対象範囲を広くすることができる。このため、実施要求作業を実施可能な作業者が存在する可能性を高めることができる。
【0024】
上記の作業管理システムにおいて、前記情報生成部は、前記作業可能者判定部の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者が存在しないことを表す場合に、前記報知権限情報で示される権限レベルが最高位の作業者に、前記実施要求作業を実施する作業者の決定を促す作業者決定催促情報を生成する。前記第2通信部は、前記作業者決定催促情報を、前記特定の携帯端末装置の各々へ送信する。前記特定の携帯端末装置の各々において、前記報知制御部は、前記報知部に前記作業者決定催促情報を報知させる。
【0025】
この態様では、情報管理装置は、作業可否情報に基づき実施要求作業を実施可能な作業者が存在していないと判定した場合に、作業者決定催促情報を特定の携帯端末装置へ送信する。そして、特定の携帯端末装置においては、前記作業者決定催促情報を報知する。権限レベルが最高位の作業者は、自身の携帯端末装置にて報知される作業者決定催促情報を確認することにより、実施要求作業を実施する作業者を決定することができる。これにより、実施要求作業を確実に実施することができる。
【0026】
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、基板に部品を搭載し部品搭載基板を生産する部品実装機が複数配列された複数の実装ラインと、前記部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行う、上記の作業管理システムと、を備える。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、部品実装機による部品搭載基板の生産を支援するための、作業者による支援作業の効率化を図ることが可能な作業管理システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業管理システムが適用された部品実装システムの構成を概略的に示す図である。
【
図3】各実装ラインにおける作業者による支援作業の実施の様子を示す図である。
【
図4】情報管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】情報管理装置の記憶部に記憶される作業管理情報を説明するための図である。
【
図6】情報管理装置に入力される作業要求情報を説明するための図である。
【
図7】情報管理装置の作業指示生成部により生成される作業属性情報を説明するための図である。
【
図8】作業指示生成部により生成される作業指示情報を説明するための図である。
【
図9】携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】携帯端末装置の記憶部に記憶される作業者属性情報を説明するための図である。
【
図11】情報管理装置が実行する作業指示処理と、携帯端末装置が実行する報知判定処理とを説明するための図である。
【
図12】携帯端末装置が実行する作業可否通知処理を説明するための図である。
【
図13】情報管理装置が実行する作業可能者通知処理を説明するための図である。
【
図14】情報管理装置が実行する作業可能者通知処理を説明するための図である。
【
図17】作業可否通知処理のフローチャートである。
【
図18】作業可能者通知処理のフローチャートである。
【
図19】携帯端末装置の作業可否通知処理、及び情報管理装置の作業可能者通知処理の変形例を説明するための図である。
【
図20】携帯端末装置の作業可否通知処理、及び情報管理装置の作業可能者通知処理の変形例を説明するための図である。
【
図21】携帯端末装置の作業可否通知処理、及び情報管理装置の作業可能者通知処理の変形例を説明するための図である。
【
図22】変形例に係る作業可否通知処理のフローチャートである。
【
図23】変形例に係る作業可能者通知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る作業管理システム及び部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0030】
[部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る作業管理システム3が適用された部品実装システム1の構成を概略的に示す図である。部品実装システム1は、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04と、作業管理システム3と、を備える。
【0031】
複数の実装ラインL01,L02,L03,L04の各々は、複数の部品実装機2が配列されてなる。
図1に示す例では、4つの実装ラインL01,L02,L03,L04の各々において、4台の部品実装機2が配列されている。実装ラインL01,L02,L03,L04の数、及び1つの実装ラインに配列される部品実装機2の数は、特に限定されるものではない。
【0032】
[部品実装機の構成]
まず、
図2の平面図を参照して部品実装機2の構成を説明する。なお、以下では、方向関係については水平面上のXY直交座標軸を用いて説明する。X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。
【0033】
部品実装機2は、基板Pに部品Eを搭載(実装)して部品搭載基板を生産する装置である。なお、部品実装機2による部品Eの搭載前において基板Pには、塗布装置29Cによって接着剤が塗布される。また、部品実装機2による部品Eの搭載前において基板Pには、印刷機によって半田ペーストのパターンが印刷されている。部品実装機2は、本体フレーム21と、移動フレーム22と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、第1駆動機構26と、第2駆動機構27と、基板支持装置28とを備える。
【0034】
本体フレーム21は、部品実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する鉛直方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板Pは、所定の作業位置(基板P上に部品Eが搭載される部品搭載位置)に、基板支持装置28によって位置決めされるようになっている。基板支持装置28は、バックアップピンにより基板Pを支持することにより、当該基板Pを位置決めする。なお、バックアップピンは、作業者によってバックアップピン準備装置29Aを用いて準備される。
【0035】
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の+Y側及び-Y側の領域部分にそれぞれ、X軸方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給部24は、基板Pに搭載される部品Eを供給するものであり、複数の部品供給装置241が並設される。部品供給装置241は、基板Pに搭載される部品Eを所定の部品供給位置に供給する装置である。部品供給装置32は、部品供給方式の違いにより、テープフィーダー、トレイフィーダー及びスティックフィーダーに大別される。各部品供給部24には、部品供給方式が同一の1種の部品供給装置241が配置されていてもよいし、部品供給方式が異なる2種以上の部品供給装置241がそれぞれ配置されていてもよい。テープフィーダーは、部品Eが収納された部品収納テープを部品供給位置に向けて送出することにより部品Eを供給する方式の装置である。トレイフィーダーは、複数の部品Eを保持したトレイが載置されたパレットを部品供給位置に移動させることにより部品Eを供給する方式の装置である。スティックフィーダーは、筒状のスティックに収納された部品Eを当該スティックから押し出しながら部品供給位置に供給する方式の装置である。なお、部品供給装置241への部品Eの補給作業は、作業者によって実施される。
【0036】
移動フレーム22は、X軸方向に延び、本体フレーム21に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム22にヘッドユニット25が搭載されている。ヘッドユニット25は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム22に搭載される。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム22の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム22に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板Pの所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給部24から部品を取り出すとともに、その取り出した部品Eを基板P上に搭載する。
【0037】
ヘッドユニット25は、吸着ノズル251を備えている。吸着ノズル251は、部品供給部24により供給された部品Eを吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル251は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル251に負圧が供給されることで当該吸着ノズル251による部品Eの吸着保持(部品Eの取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品Eの吸着保持が解除される。なお、吸着ノズル251は、作業者によってノズル準備装置29Bを用いて準備される。
【0038】
第1駆動機構26は、本体フレーム21の+X側及び-X側の端部に配設される。第1駆動機構26は、移動フレーム22をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構26は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム22に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構26は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム22をY軸方向に移動させる。
【0039】
第2駆動機構27は、移動フレーム22に配設される。第2駆動機構27は、ヘッドユニット25を移動フレーム22に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構27は、第1駆動機構26と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット25に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構27は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット25をX軸方向に移動させる。
【0040】
[作業管理システムの構成]
作業管理システム3は、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04において、部品実装機2による部品搭載基板の生産を支援するために作業者が実施する各種の支援作業の管理を行うシステムである。支援作業としては、例えば、部品供給準備作業、部品補給作業、ピン準備作業、ノズル準備作業、接着剤補充作業などが挙げられる。部品供給準備作業は、部品供給部24に、部品搭載基板の生産に必要な部品供給装置241を設置する、或いは部品供給装置241を交換する作業である。部品補給作業は、部品供給装置241に新たな部品Eを補給する作業である。ピン準備作業は、基板支持装置28に備えられるバックアップピンに関し、基板品種ごとに、基板Pの支持に適したバックアップピンを準備しておく作業であり、バックアップピン準備装置29Aを用いて行われる。ノズル準備作業は、ヘッドユニット25に備えられる吸着ノズル251に関し、基板品種ごとに、部品Eの保持に適した吸着ノズル251を準備しておく作業であり、ノズル準備装置29Bを用いて行われる。接着剤補充作業は、基板Pに対する部品接着用の接着剤を塗布装置29Cに補充する作業である。
【0041】
図3は、各実装ラインL01,L02,L03,L04における作業者OPA,OPB,OPC,OPD,OPEによる支援作業の実施の様子を示す図である。各作業者OPA,OPB,OPC,OPD,OPEは、カートCTを押しながら実装ラインL01,L02,L03,L04が配置される領域を移動し、各部品実装機2において支援作業を実施する。カートCTには、支援作業を実施する際に使用する物品(例えば、部品補給作業用の部品収納部材など)が収容されている。作業者OPA,OPB,OPC,OPD,OPEは、物品収納庫242において支援作業で使用する物品を準備してカートCTに収容し、そのカートCTを押しながら作業対象の部品実装機2に向けて移動する。
【0042】
また、作業者OPA,OPB,OPC,OPD,OPEは、後述の携帯端末装置32を携帯している。
図3に示す例では、作業者OPAが携帯端末装置32Aを携帯し、作業者OPBが携帯端末装置32Bを携帯し、作業者OPCが携帯端末装置32Cを携帯し、作業者OPDが携帯端末装置32Dを携帯し、作業者OPEが携帯端末装置32Eを携帯している。以下の説明では、携帯端末装置32A,32B,32C,32D,32Eを総称して「携帯端末装置32」という場合がある。また、作業者OPA,OPB,OPC,OPD,OPEを総称して「作業者OP」という場合がある。携帯端末装置32には、支援作業の内容を示す情報等が入力され、当該情報が報知(表示)される。各作業者OPは、携帯端末装置32にて報知される情報を参照しつつ、支援作業を実施することができる。
【0043】
また、各実装ラインL01,L02,L03,L04の部品実装機2に対する支援作業の実施の担当者が予め決められている。以下の説明では、作業者OPAが実装ラインL01を担当し、作業者OPBが実装ラインL02を担当し、作業者OPCが実装ラインL03を担当し、作業者OPDが実装ラインL04を担当するものとする。作業者OPEは、各作業者OPA,OPB,OPC,OPDの作業を統括的に管理する立場の作業者であって、実装ラインL01,L02,L03,L04の全てを担当するものとする。
【0044】
作業管理システム3は、情報管理装置31と、各作業者OPによって携帯される複数の携帯端末装置32と、を備える。
【0045】
<情報管理装置について>
情報管理装置31は、各実装ラインL01,L02,L03,L04に配列された全ての部品実装機2と情報通信可能に接続されると共に、全ての携帯端末装置32と情報通信可能に接続されている。
図4のブロック図を参照して説明すると、情報管理装置31は、第1通信部311と、第2通信部312と、記憶部313と、制御部314とを含んで構成される。
【0046】
記憶部313は、
図5に示す作業管理情報J1を予め記憶する。作業管理情報J1は、作業者OPによって実施される支援作業を管理するための情報である。作業管理情報J1は、作業種情報J11と、重大度情報J12と、優先度情報J13とが関連付けられた情報である。作業種情報J11は、支援作業の種別を示す情報であり、
図5に示す例では、「W01」、「W02」などが登録されている。重大度情報J12は、支援作業の重大度レベルを示す情報であり、
図5に示す例では、「W01」の支援作業に対して「レベル7」が登録され、「W02」の支援作業に対して「レベル6」が登録されている。重大度情報J12で示される重大度レベルが大きな値を示すほど、重大度レベルが高い支援作業であることを表す。支援作業の重大度レベルは、部品搭載基板の生産に及ぼす影響度に応じて設定される。部品搭載基板の生産に及ぼす影響度が大きいほど、重大度レベルが高くなる。優先度情報J13は、支援作業の実施の優先度レベルを示す情報であり、
図5に示す例では、「W01」の支援作業に対して「レベル5」が登録され、「W02」の支援作業に対して「レベル3」が登録されている。優先度情報J13で示される優先度レベルが大きな値を示すほど、優先度レベルが高い支援作業であることを表す。支援作業の優先度レベルは、支援作業の実施の緊急度に応じて設定される。緊急度が高いほど、優先度レベルが高くなる。
【0047】
第1通信部311は、部品実装機2との情報通信を実現させるためのインターフェイス回路である。部品実装機2において支援作業の実施が必要となったときに、部品実装機2から情報管理装置31に向けて、
図6に例示される作業要求情報J2が送信される。作業要求情報J2は、支援作業の実施を要求する情報である。例えば、部品供給装置241における部品Eの残量が所定値に達し、部品供給装置241に対して部品補給作業の実施が必要となった場合などに、部品実装機2から作業要求情報J2が送信される。第1通信部311は、部品実装機2から送信された作業要求情報J2を受信可能である。
【0048】
図6に示すように、作業要求情報J2は、例えば、実装ラインID情報J21と、実装機ID情報J22と、作業種情報J11とが関連付けられた情報である。実装ラインID情報J21は、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04のうち、支援作業の実施が必要な部品実装機2が配置される実装ラインを特定するための情報である。
図6に示す例では、実装ラインID情報J21として、実装ラインL02に対応した「L02」が登録されている。実装機ID情報J22は、各実装ラインにおいて配列された複数の部品実装機2のうち、支援作業の実施が必要な部品実装機2を特定するための情報である。
図6に示す例では、実装機ID情報J22として「M01」が登録されている。作業種情報J11は、既述の作業管理情報J1の場合と同様に、支援作業の種別を示す情報であり、
図6に示す例では「W01」が登録されている。
図6に例示される作業要求情報J2は、実装ライン「L02」の部品実装機「M01」において、作業種「W01」の支援作業が必要であることを表している。
【0049】
第2通信部312は、携帯端末装置32との情報通信を実現させるためのインターフェイス回路である。第2通信部312は、後述の作業指示生成部3141及び情報生成部3143によって生成される情報を携帯端末装置32へ送信可能であると共に、携帯端末装置32からの各種情報を受信可能である。
【0050】
制御部314は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部314は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより第1通信部311、第2通信部312及び記憶部313を制御すると共に、支援作業の管理に関する各種情報を生成する。制御部314は、
図4に示すように、作業指示生成部3141と、作業可能者判定部3142と、情報生成部3143と、を含む。
【0051】
作業指示生成部3141は、第1通信部311を介して作業要求情報J2が受信されると、
図7に例示される作業属性情報J3を生成する。作業指示生成部3141は、作業属性情報J3を生成する際に、記憶部313に記憶される作業管理情報J1を参照する。作業属性情報J3は、作業要求情報J2にて実施が要求される支援作業である実施要求作業の属性を示す情報である。
図7に示すように、作業属性情報J3は、例えば、報知権限情報J31と、ライン特定情報J32と、要求作業優先度情報J33とが関連付けられた情報である。
【0052】
報知権限情報J31は、前記実施要求作業の重大度レベルに応じて設定された、作業要求情報J2を報知すべき作業者OPの権限レベルの上限を示す情報である。
図7に示す例では、報知権限情報J31として「レベル7」が登録されている。
図5~
図7を参照して説明すると、作業要求情報J2の作業種情報J11に登録された前記実施要求作業を示す「W01」には、作業管理情報J1の重大度情報J12にて示される重大度レベルとして「レベル7」が関連付けられている。従って、作業指示生成部3141は、前記実施要求作業の属性を示す報知権限情報J31として、重大度レベルに応じた「レベル7」を設定する。
【0053】
ライン特定情報J32は、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04のうち、作業要求情報J2を送信した部品実装機2が配置される実装ラインを特定するための情報である。
図7に示す例では、ライン特定情報J32として「L02」が登録されている。
図6及び
図7を参照して説明すると、作業要求情報J2の実装ラインID情報J21には、実装ラインL02を示す「L02」が登録されている。従って、作業指示生成部3141は、前記実施要求作業の属性を示すライン特定情報J32として、実装ラインID情報J21と同一の「L02」を設定する。
【0054】
要求作業優先度情報J33は、前記実施要求作業の実施の優先度レベルを示す情報である。
図7に示す例では、要求作業優先度情報J33として「レベル5」が登録されている。
図5~
図7を参照して説明すると、作業要求情報J2の作業種情報J11に登録された前記実施要求作業を示す「W01」には、作業管理情報J1の優先度情報J13にて示される優先度レベルとして「レベル5」が関連付けられている。従って、作業指示生成部3141は、前記実施要求作業の属性を示す要求作業優先度情報J33として、「レベル5」を設定する。
【0055】
作業指示生成部3141は、上記のようにして生成した作業属性情報J3を、作業要求情報J2に付加することにより、
図8に例示される作業指示情報J4を生成する。この作業指示情報J4は、第2通信部312によって全ての携帯端末装置32へ送信される。
【0056】
作業可能者判定部3142は、携帯端末装置32から送信される後述の作業可否情報J6(
図12)を第2通信部312が受信した場合、当該作業可否情報J6に基づき前記実施要求作業の実施が可能な作業者OPの存否を判定する。情報生成部3143は、作業可能者判定部3142の判定結果に応じた情報を生成する。作業可能者判定部3142の判定結果が前記実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、前記実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを示す後述の作業可能者決定情報J7(
図13)を生成する。この作業可能者決定情報J7は、第2通信部312によって特定の携帯端末装置32へ送信される。作業可能者判定部3142及び情報生成部3143の詳細については、後述する。
【0057】
<携帯端末装置について>
既述の通り、携帯端末装置32は、支援作業を実施する各作業者OPが携帯する端末装置である。携帯端末装置32は、情報管理装置31と情報通信可能に接続されている。
図9のブロック図を参照して説明すると、携帯端末装置32は、端末側通信部321と、報知部322と、記憶部323と、入力部324と、制御部325とを含んで構成される。
【0058】
端末側通信部321は、情報管理装置31との情報通信を実現させるためのインターフェイス回路である。端末側通信部321は、第2通信部312との間で情報通信が可能に構成される。端末側通信部321は、情報管理装置31から送信される作業指示情報J4や作業可能者決定情報J7を受信可能であると共に、後述の入力部324を介して入力される作業可否情報J6を情報管理装置31へ送信可能である。
【0059】
報知部322は、作業者OPに対する各種情報の報知が可能に構成される。報知部322は、情報を表示することにより作業者OPへ報知するように構成されていてもよいし、情報を音声データによって作業者OPへ報知するように構成されていてもよい。作業者OPは、報知部322により報知される情報に基づいて、支援作業を実施する。
【0060】
記憶部323は、携帯端末装置32を携帯する作業者OPの属性を示す作業者属性情報を、作業者OPによる支援作業の進捗状況に応じて書き換え可能に記憶する。前記作業者属性情報について、
図10を参照して説明する。
図10(A)に示される作業者属性情報J5Aは、作業者OPAが携帯する携帯端末装置32Aの記憶部323に記憶された情報である。同様に、
図10(B)の作業者属性情報J5Bは作業者OPBが携帯する携帯端末装置32Bに記憶され、
図10(C)の作業者属性情報J5Cは作業者OPCが携帯する携帯端末装置32Cに記憶され、
図10(D)の作業者属性情報J5Dは作業者OPDが携帯する携帯端末装置32Dに記憶され、
図10(E)の作業者属性情報J5Eは作業者OPEが携帯する携帯端末装置32Eに記憶されている。
【0061】
作業者属性情報J5A~J5Eは、いずれも、作業者権限情報J51と、作業担当ライン情報J52と、実施作業優先度情報J53と、作業者位置情報J54とを含む。
【0062】
作業者権限情報J51は、作業者OPの権限レベルを示す情報である。作業者権限情報J51で示される権限レベルが大きな値を示すほど、作業者OPの権限レベルが高いことを表す。作業担当ライン情報J52は、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04において、作業者OPが支援作業の実施を担当する実装ラインを示す情報である。作業者権限情報J51及び作業担当ライン情報J52は、作業者OPによる支援作業の進捗状況に応じて書き換えられることはなく、作業者OPの属性を示す情報として固定的に登録されている。
【0063】
実施作業優先度情報J53は、作業者OPが実施中の支援作業の優先度レベルを示す情報である。実施作業優先度情報J53で示される優先度レベルが大きな値を示すほど、優先度レベルが高い支援作業が作業者OPによって実施中であることを表す。すなわち、実施作業優先度情報J53で示される優先度レベルが大きな値を示すほど、緊急度の高い支援作業が作業者OPによって実施されていることを表す。作業者位置情報J54は、後述の位置特定部3253によって作業者属性情報に付加される情報である。作業者位置情報J54は、位置特定部3253によって特定される携帯端末装置32の位置に応じた、作業者OPの現在位置を示す情報である。実施作業優先度情報J53及び作業者位置情報J54は、作業者OPによる支援作業の進捗状況に応じて書き換えられる。
【0064】
図10に例示される作業者属性情報J5A~J5Eについて説明する。
図10(A)の作業者属性情報J5Aは、携帯端末装置32Aの記憶部323に記憶された情報であって、作業者OPAの属性を示す。作業者属性情報J5Aにおいては、作業者権限情報J51として「レベル1」が登録され、作業担当ライン情報J52として「L01」が登録され、実施作業優先度情報J53として「レベル3」が登録され、作業者位置情報J54として「AA」が登録されている。作業者属性情報J5Aは、作業者OPAの属性について、権限レベルが「レベル1」の、実装ライン「L01」の作業担当者であって、位置「AA」において優先度レベルが「レベル3」の支援作業を現在実施中であることを表している。
【0065】
図10(B)の作業者属性情報J5Bは、携帯端末装置32Bの記憶部323に記憶された情報であって、作業者OPBの属性を示す。作業者属性情報J5Bにおいては、作業者権限情報J51として「レベル2」が登録され、作業担当ライン情報J52として「L02」が登録され、実施作業優先度情報J53として「レベル3」が登録され、作業者位置情報J54として「BB」が登録されている。作業者属性情報J5Bは、作業者OPBの属性について、権限レベルが「レベル2」の、実装ライン「L02」の作業担当者であって、位置「BB」において優先度レベルが「レベル3」の支援作業を現在実施中であることを表している。
【0066】
図10(C)の作業者属性情報J5Cは、携帯端末装置32Cの記憶部323に記憶された情報であって、作業者OPCの属性を示す。作業者属性情報J5Cにおいては、作業者権限情報J51として「レベル3」が登録され、作業担当ライン情報J52として「L03」が登録され、実施作業優先度情報J53として「レベル4」が登録され、作業者位置情報J54として「CC」が登録されている。作業者属性情報J5Cは、作業者OPCの属性について、権限レベルが「レベル3」の、実装ライン「L03」の作業担当者であって、位置「CC」において優先度レベルが「レベル4」の支援作業を現在実施中であることを表している。
【0067】
図10(D)の作業者属性情報J5Dは、携帯端末装置32Dの記憶部323に記憶された情報であって、作業者OPDの属性を示す。作業者属性情報J5Dにおいては、作業者権限情報J51として「レベル4」が登録され、作業担当ライン情報J52として「L04」が登録され、実施作業優先度情報J53として「レベル5」が登録され、作業者位置情報J54として「DD」が登録されている。作業者属性情報J5Dは、作業者OPDの属性について、権限レベルが「レベル4」の、実装ライン「L04」の作業担当者であって、位置「DD」において優先度レベルが「レベル5」の支援作業を現在実施中であることを表している。
【0068】
図10(E)の作業者属性情報J5Eは、携帯端末装置32Eの記憶部323に記憶された情報であって、作業者OPEの属性を示す。作業者属性情報J5Eにおいては、作業者権限情報J51として「レベル7」が登録され、作業担当ライン情報J52として「L01、L02、L03、L04」が登録され、実施作業優先度情報J53として「レベル2」が登録され、作業者位置情報J54として「EE」が登録されている。作業者属性情報J5Eは、作業者OPEの属性について、権限レベルが「レベル7」の、全ての実装ライン「L01、L02、L03、L04」の作業を管理する管理者であって、位置「EE」において優先度レベルが「レベル2」の支援作業を現在実施中であることを表している。なお、以下の説明では、作業者属性情報J5A~J5Eを総称する場合には、「作業者属性情報J5」と称することとする。
【0069】
入力部324は、作業者OPの入力操作によって各種情報が入力される部分である。入力部324には、例えば後述の作業可否情報J6が入力される(
図12)。
【0070】
制御部325は、
図9に示すように、報知判定部3251と、報知制御部3252と、位置特定部3253とを含む。
【0071】
位置特定部3253は、携帯端末装置32の位置を特定し、その特定した位置を作業者OPの現在位置を示す作業者位置情報J54として作業者属性情報J5に付加する。
【0072】
図11は、情報管理装置31が実行する作業指示処理と、携帯端末装置32が実行する報知判定処理とを説明するための図である。既述の通り、情報管理装置31における作業指示生成部3141の作業指示処理によって作業指示情報J4が生成されると、その作業指示情報J4が全ての携帯端末装置32へ送信される。携帯端末装置32において、報知判定部3251は、端末側通信部321が受信した作業指示情報J4に含まれる作業要求情報J2の報知部322での報知の要否を判定する報知判定処理を実行する。報知判定部3251は、記憶部323に記憶される作業者属性情報J5と、作業指示情報J4に含まれる作業属性情報J3とを比較することにより、作業要求情報J2の報知部322での報知の要否を判定する。報知制御部3252は、報知判定部3251によって作業要求情報J2の報知部322での報知が必要であると判定された場合に、報知部322の報知動作を制御する。
【0073】
本実施形態に係る作業管理システム3では、部品実装機2からの作業要求情報J2に作業属性情報J3が付加された作業指示情報J4が、情報管理装置31から各携帯端末装置32へ送信される。作業指示情報J4を受信した各携帯端末装置32において、報知判定部3251は、記憶部323から作業者属性情報J5を読み出し、当該作業者属性情報J5と作業指示情報J4に含まれる作業属性情報J3とを比較することにより、作業要求情報J2の報知部322での報知の要否を判定する。そして、報知部322での報知が必要であると判定された場合に、報知制御部3252の制御によって報知部322が作業要求情報J2を報知する。
【0074】
すなわち、各携帯端末装置32において個別に、作業要求情報J2にて実施が要求される実施要求作業の属性と作業者OPの属性とが考慮されて、作業要求情報J2の報知の要否が判定される。そして、作業要求情報J2の報知が必要な携帯端末装置32においてのみ、その情報が報知される。これにより、作業要求情報J2が報知される携帯端末装置32を携帯する作業者OPは、その作業要求情報J2に基づき支援作業の実施が必要な部品実装機2を認識することができる。一方、作業要求情報J2の報知が不要な作業者OPには、その情報が報知されないので、情報が報知されることに起因した混乱を回避することができる。この結果、複数の実装ラインL01,L02,L03,L04の全体としては、作業者OPによる支援作業の効率化を図ることが可能となる。
【0075】
また、支援作業の実施が必要な部品実装機2から離れた位置で作業者OPが、別の作業をしていたとしても、携帯端末装置32にて報知される作業要求情報J2を確認することにより、支援作業の実施の必要性を把握することができる。また、また、既述の通り、各携帯端末装置32において個別に、作業要求情報J2にて実施が要求される実施要求作業の属性と作業者OPの属性とが考慮されて、作業要求情報J2の報知の要否が判定される。これにより、情報管理装置31において判定に必要な情報を一括管理する必要がない。このため、各携帯端末装置32において高い機動力で、作業要求情報J2の報知の要否を判定することができる。
【0076】
報知判定部3251のより詳細な判定動作について説明する。報知判定部3251は、権限レベル条件とライン条件とを満たす場合に、作業要求情報J2の報知部322での報知が必要であると判定する。権限レベル条件は、作業者権限情報J51で示される権限レベルが報知権限情報J31で示される権限レベルの上限以下であることを表す条件である。ライン条件は、ライン特定情報J32で特定される実装ラインが作業担当ライン情報J52に含まれることを表す条件である。
図3、
図8、
図10及び
図11を参照して説明すると、作業者権限情報J51で示される権限レベルは、作業者OPA~OPEのいずれも、報知権限情報J31で示される権限レベルの上限の「レベル7」以下である。このため、作業者OPA~OPEのいずれも、権限レベル条件は満たしている。一方、ライン特定情報J32で特定される実装ライン「L02」が作業者担当ライン情報J52に含まれているのは、作業者OPB,OPEである。このため、作業者OPB,OPEはライン条件を満たし、作業者OPA,OPC,OPDはライン条件を満たしていない。従って、作業者OPBが携帯する携帯端末装置32B、及び作業者OPEが携帯する携帯端末装置32Eにおいて、報知判定部3251が作業要求情報J2の報知が必要であると判定する。そして、携帯端末装置32B,32Eの報知制御部3252の制御によって報知部322が、作業要求情報J2を報知する。
【0077】
また、作業者位置情報J54で示される作業者OPの現在位置が、作業要求情報J2を送信した部品実装機2から所定の範囲AR内に位置することを表す作業者位置条件を満たす場合を想定する(
図3参照)。この場合、報知判定部3251は、前記ライン条件を満たしていなくても前記権限レベル条件を満たしていれば、作業要求情報J2の報知部322での報知が必要であると判定する。
図3及び
図11に示す例では、作業者OPCは、前記ライン条件を満たしていないが、前記作業者位置条件を満たしている。従って、作業者OPB,OPEに加えて、作業者OPCが携帯する携帯端末装置32Cにおいても、報知判定部3251が作業要求情報J2の報知が必要であると判定する。そして、携帯端末装置32Cの報知制御部3252の制御によって報知部322が、作業要求情報J2を報知する。これにより、支援作業の実施が必要な部品実装機2の近くにいる作業者OPCに、作業要求情報J2を報知することができる。
【0078】
また、実施作業優先度情報J53で示される優先度レベルが要求作業優先度情報J33で示される優先度レベルよりも低いレベルであることを表す優先レベル条件を満たす場合を想定する。この場合、報知判定部3251は、前記権限レベル条件及び前記ライン条件を満たすか、又は前記権限レベル条件及び前記作業者位置条件を満たし、且つ、前記優先レベル条件を満たす場合に、作業要求情報J2の報知部322での報知が必要であると判定する。
図3及び
図11に示す例では、作業者OPB,OPC,OPEが上記の条件を満たすものに該当する。従って、作業者OPB,OPC,OPEが携帯する各携帯端末装置32B,32C,32Eにおいて、報知判定部3251が作業要求情報J2の報知が必要であると判定する。そして、各携帯端末装置32B,32C,32Eの報知制御部3252の制御によって報知部322が、作業要求情報J2を報知する。この態様では、各携帯端末装置32において、報知判定部3251は、前記優先レベル条件を満たす場合に、作業要求情報J2の報知部322での報知が必要であると判定することができる。すなわち、現在実施中の支援作業の優先度レベルが、実施要求作業の優先度レベルよりも低い場合に、作業要求情報J2が報知される。一方、現在実施中の支援作業の優先度レベルが、実施要求作業の優先度レベル以上の場合には、作業要求情報J2が報知されない。これにより、作業者OPは、優先度レベルの低い実施要求作業に関する作業要求情報J2の報知に混乱されることから回避され、優先度レベルの高い支援作業を集中して実施することができる。
【0079】
図12は、携帯端末装置32が実行する作業可否通知処理を説明するための図である。報知部322による作業要求情報J2の報知動作が実行された特定の携帯端末装置32(以下、「注目端末装置」という)においては、作業者OPの入力操作によって入力部324に作業可否情報J6が入力される。作業可否情報J6は、実施要求作業の実施の可否を示す情報である。
図12に示す例では、作業者OPB,OPC,OPEによって携帯される携帯端末装置32B,32C,32Eが前記注目端末装置であり、これらの注目端末装置において入力部324に作業可否情報J6が入力される。入力部324に作業可否情報J6が入力されると、端末側通信部321は、当該作業可否情報J6を情報管理装置31へ送信する作業可否通知処理を実行する。この作業可否情報J6を受信することによって情報管理装置31は、複数の携帯端末装置32のうち、作業要求情報J2の報知が行われた注目端末装置32B,32C,32Eを把握することができる。
【0080】
図13及び
図14は、情報管理装置31が実行する作業可能者通知処理を説明するための図である。注目端末装置32B,32C,32Eの各々からの作業可否情報J6を第2通信部312が受信した場合、情報管理装置31は、作業可能者通知処理を実行する。具体的には、情報管理装置31において、作業可能者判定部3142は、各作業可否情報J6に基づき実施要求作業の実施が可能な作業者OPの存否を判定する。そして、情報生成部3143は、作業可能者判定部3142の判定結果に応じた情報を生成する。作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、その判定結果を示す作業可能者決定情報J7を生成する。そして、第2通信部312は、生成された作業可能者決定情報J7を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(
図13)。
【0081】
情報管理装置31からの作業可能者決定情報J7を受信した各注目端末装置32B,32C,32Eにおいては、報知制御部3252が、報知部322に作業可能者決定情報J7を報知させる。これにより、注目端末装置32B,32C,32Eを携帯する各作業者OPB,OPC,OPEは、実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを確認することができる。このため、複数人が重複して実施要求作業を実施することを回避することができる。
【0082】
一方、作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在しないことを表す場合を想定する。この場合、作業指示生成部3141は、報知権限情報J31で示される権限レベルの上限を高く設定し、且つライン特定情報J32で示される実装ライン種を多く設定した新たな作業指示情報J4Aを生成する。そして、第2通信部312は、生成された新たな作業指示情報J4Aを、全ての携帯端末装置32へ送信する(
図14)。新たな作業指示情報J4Aは、少なくとも報知権限情報J31で示される権限レベルの上限が高く設定され、ライン特定情報J32で示される実装ライン種が多く設定されたものである。これにより、作業要求情報J2を報知する必要があると判定される携帯端末装置32の対象範囲を広くすることができる。このため、実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在する可能性を高めることができる。
【0083】
[作業管理システムにおける支援作業の管理に関する制御動作]
次に、作業管理システム3における支援作業の管理に関する制御動作について、
図15~
図18のフローチャートを参照して説明する。
図15は、情報管理装置31が実行する前記作業指示処理のフローチャートである。
図16は、携帯端末装置32が実行する前記報知判定処理のフローチャートである。
図17は、携帯端末装置32が実行する前記作業可否通知処理のフローチャートである。
図18は、情報管理装置31が実行する前記作業可能者通知処理のフローチャートである。
【0084】
情報管理装置31において、第1通信部311を介して部品実装機2からの作業要求情報J2が受信されると、作業指示処理が開始される(ステップa1)。まず、作業指示生成部3141は、作業要求情報J2に作業属性情報J3を付加することにより、作業指示情報J4を生成する(ステップa2)。そして、第2通信部312は、生成された作業指示情報J4を全ての携帯端末装置32へ送信する(ステップa3)。作業指示情報J4の送信が完了すると、情報管理装置31による作業指示処理は終了する。
【0085】
携帯端末装置32において、端末側通信部321を介して情報管理装置31からの作業指示情報J4が受信されると、報知判定処理が開始される(ステップb1)。まず、報知判定部3251は、作業者権限情報J51と報知権限情報J31とを比較することにより、前記権限レベル条件を満たすか否かを判定する(ステップb2)。報知判定部3251は、前記権限レベル条件を満たす場合にはステップb3に処理を移行する。一方、前記権限レベル条件を満たさない場合には、報知判定部3251は、作業要求情報J2の報知が不要であると判定する(ステップb8)。
【0086】
ステップb3において、報知判定部3251は、作業担当ライン情報J52とライン特定情報J32とを比較することにより、前記ライン条件を満たすか否かを判定する。報知判定部3251は、前記ライン条件を満たす場合にはステップb4に処理を移行する。一方、前記ライン条件を満たさない場合には、報知判定部3251は、ステップb5に処理を移行する。
【0087】
ステップb4において、報知判定部3251は、実施作業優先度情報J53と要求作業優先度情報J33とを比較することにより、前記優先レベル条件を満たすか否かを判定する。報知判定部3251は、前記優先レベル条件を満たす場合には作業要求情報J2の報知が必要であると判定する(ステップb6)。一方、前記優先レベル条件を満たさない場合には、報知判定部3251は、作業要求情報J2の報知が不要であると判定する(ステップb8)。
【0088】
ステップb5において、報知判定部3251は、作業者位置情報J54に基づき前記作業者位置条件を満たすか否かを判定する。報知判定部3251は、前記作業者位置条件を満たす場合には既述のステップb4に処理を移行する。一方、前記作業者位置条件を満たさない場合には、報知判定部3251は、作業要求情報J2の報知が不要であると判定する(ステップb8)。
【0089】
ステップb6において報知判定部3251によって、作業要求情報J2の報知が必要であると判定されると、報知制御部3252の制御によって報知部322は、作業要求情報J2を報知する(ステップb7)。これにより、作業要求情報J2が報知される携帯端末装置32を携帯する作業者OPは、その作業要求情報J2に基づき支援作業の実施が必要な部品実装機2を認識することができる。一方、作業要求情報J2の報知が不要な作業者OPには、その情報が報知されないので、情報が報知されることに起因した混乱を回避することができる。
【0090】
作業要求情報J2が報知された注目端末装置32B,32C,32Eにおいて、入力部324に作業可否情報J6が入力されると、作業可否通知処理が開始される(ステップc1)。まず、端末側通信部321は、作業可否情報J6を情報管理装置31へ送信する(ステップc2)。作業可否情報J6の送信後に、情報管理装置31からの作業可能者決定情報J7が端末側通信部321によって受信されると(ステップc3)、報知部322は、当該作業可能者決定情報J7を報知する(ステップc4)。これにより、注目端末装置32B,32C,32Eを携帯する各作業者OPB,OPC,OPEは、実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを確認することができる。
【0091】
一方、作業可否情報J6の送信後に、情報管理装置31からの新たな作業指示情報J4Aが端末側通信部321によって受信されると(ステップc5)、当該新たな作業指示情報J4Aに基づいて、既述のステップb1~ステップb8の報知判定処理が新たに実行される。
【0092】
情報管理装置31において、第2通信部312を介して注目端末装置32B,32C,32Eからの作業可否情報J6が受信されると、作業可能者通知処理が開始される(ステップd1)。まず、作業可能者判定部3142は、複数の携帯端末装置32のうち、作業可否情報J6の送信元となる、作業要求情報J2の報知が行われた注目端末装置32B,32C,32Eを特定する(ステップd2)。そして、作業可能者判定部3142は、作業可否情報J6に基づいて、実施要求作業の実施が可能な作業者OPの存否を判定する(ステップd3)。
【0093】
作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、その判定結果を示す作業可能者決定情報J7を生成する(ステップd4)。そして、第2通信部312は、生成された作業可能者決定情報J7を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(ステップd5)。
【0094】
一方、作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在しないことを表す場合を想定する。この場合、作業指示生成部3141は、新たな作業指示情報J4Aを生成する(ステップd6)。そして、第2通信部312は、生成された新たな作業指示情報J4Aを、全ての携帯端末装置32へ送信する(ステップd7)。
【0095】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取り得る。
【0096】
[作業管理システムの変形実施形態]
上記実施形態では、注目端末装置32B,32C,32Eから送信された作業可否情報J6が、実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在しないことを示す情報であった場合に、新たな作業指示情報J4Aが生成される構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。変形実施形態に係る作業管理システム3においては、携帯端末装置32の作業可否通知処理、及び情報管理装置31の作業可能者通知処理の処理内容が、上記実施形態とは異なる。
図19~
図21を参照して、作業可否通知処理及び作業可能者通知処理の変形例について説明する。
【0097】
作業要求情報J2を報知した注目端末装置32B,32C,32Eにおいては、作業者OPの入力操作によって入力部324に作業可否情報J6が入力される。入力部324に作業可否情報J6が入力されると、端末側通信部321は、当該作業可否情報J6を情報管理装置31へ送信する作業可否通知処理を実行する。注目端末装置32B,32C,32Eの各々からの作業可否情報J6を第2通信部312が受信した場合、情報管理装置31は、作業可能者通知処理を実行する。具体的には、情報管理装置31において、作業可能者判定部3142は、各作業可否情報J6に基づき実施要求作業の実施が可能な作業者OPの存否を判定する。そして、情報生成部3143は、作業可能者判定部3142の判定結果に応じた情報を生成する。
【0098】
作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、その判定結果を示す作業可能者決定情報J7を生成する。そして、第2通信部312は、生成された作業可能者決定情報J7を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する。
【0099】
一方、作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在しないことを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、作業者決定催促情報J8を生成する。作業者決定催促情報J8は、報知権限情報J31で示される権限レベルが最高位の作業者OPに、実施要求作業を実施する作業者の決定を促す情報である。
図19~
図21に示す例では、携帯端末装置32Eを携帯する作業者OPEが、権限レベルが最高位の作業者に該当する。そして、第2通信部312は、生成された作業者決定催促情報J8を、注目端末装置32B,32C,32Eへ送信する(
図19)。
【0100】
情報管理装置31からの作業者決定催促情報J8を受信した注目端末装置32B,32C,32Eにおいては、報知制御部3252の制御によって報知部322は、当該作業者決定催促情報J8を報知する(
図19)。権限レベルが最高位の作業者OPEは、自身の携帯端末装置32Eにて報知される作業者決定催促情報J8を確認することにより、実施要求作業を実施する作業者OPを決定することができる。これにより、実施要求作業を確実に実施することができる。
【0101】
作業者決定催促情報J8を確認した作業者OPEは、自身の携帯端末装置32Eの入力部324に作業者指定情報J9を入力すればよい。作業者指定情報J9は、実施要求作業を実施する作業者OPを指定するための情報である。入力部324に入力された作業者指定情報J9は、端末側通信部321によって情報管理装置31へ送信される(
図20)。
【0102】
携帯端末装置32Eからの作業者指定情報J9を第2通信部312が受信した場合、情報管理装置31において情報生成部3143は、決定通知情報J10を生成する。決定通知情報J10は、実施要求作業を実施する作業者OPが作業者OPEの指定によって決定したことを通知する情報である。そして、第2通信部312は、生成された決定通知情報J10を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(
図21)。
【0103】
情報管理装置31からの決定通知情報J10を受信した注目端末装置32B,32C,32Eにおいては、報知制御部3252の制御によって報知部322は、当該決定通知情報J10を報知する(
図21)。これにより、注目端末装置32B,32C,32Eを携帯する各作業者OPB,OPC,OPEは、実施要求作業を実施する作業者OPを確認することができる。
【0104】
次に、変形実施形態に係る作業管理システム3において、携帯端末装置32が実行する作業可否通知処理について
図22のフローチャートを参照して説明し、情報管理装置31が実行する作業可能者通知処理について
図23のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
作業要求情報J2が報知された注目端末装置32B,32C,32Eにおいて、入力部324に作業可否情報J6が入力されると、作業可否通知処理が開始される(ステップe1)。まず、端末側通信部321は、作業可否情報J6を情報管理装置31へ送信する(ステップe2)。作業可否情報J6の送信後に、情報管理装置31からの作業者決定催促情報J8が端末側通信部321によって受信されると、報知部322は、当該作業者決定催促情報J8を報知する(ステップe3)。
【0106】
作業者決定催促情報J8の報知後の注目端末装置32B,32C,32Eにおいて、制御部325は、作業者権限情報J51に基づいて、作業者OPの権限レベルが最高位であるか否かを判定する(ステップe4)。権限レベルが最高位であると判定した場合にはステップe5に処理を移行し、権限レベルが最高位ではないと判定した場合にはステップe7に処理を移行する。
図19~
図21に示す例では、携帯端末装置32Eでは作業者OPEの権限レベルが最高位であると判定され、それ以外の携帯端末装置32B,32Cでは作業者OPB,OPCの権限レベルが最高位ではないと判定される。
【0107】
ステップe5では、携帯端末装置32Eにおいて、作業者OPEの入力操作によって入力部324に作業者指定情報J9が入力される。入力部324に作業者指定情報J9が入力されると、端末側通信部321は、当該作業者指定情報J9を情報管理装置31へ送信する(ステップe6)。
【0108】
作業者決定催促情報J8の報知後に、情報管理装置31からの決定通知情報J10が端末側通信部321によって受信されると(ステップe7)、報知部322は、当該決定通知情報J10を報知する(ステップe8)。これにより、注目端末装置32B,32C,32Eを携帯する各作業者OPB,OPC,OPEは、実施要求作業を実施する作業者OPを確認することができる。
【0109】
情報管理装置31において、第2通信部312を介して注目端末装置32B,32C,32Eからの作業可否情報J6が受信されると、作業可能者通知処理が開始される(ステップf1)。まず、作業可能者判定部3142は、複数の携帯端末装置32のうち、作業可否情報J6の送信元となる、作業要求情報J2の報知が行われた注目端末装置32B,32C,32Eを特定する(ステップf2)。そして、作業可能者判定部3142は、作業可否情報J6に基づいて、実施要求作業の実施が可能な作業者OPの存否を判定する(ステップf3)。
【0110】
作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在することを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、その判定結果を示す作業可能者決定情報J7を生成する(ステップf4)。そして、第2通信部312は、生成された作業可能者決定情報J7を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(ステップf5)。
【0111】
一方、作業可能者判定部3142の判定結果が実施要求作業を実施可能な作業者OPが存在しないことを表す場合を想定する。この場合、情報生成部3143は、作業者決定催促情報J8を生成する(ステップf6)。そして、第2通信部312は、生成された作業者決定催促情報J8を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(ステップf7)。
【0112】
作業者決定催促情報J8の送信後に、携帯端末装置32Eからの作業者指定情報J9を受信すると(ステップf8)、情報生成部3143は、決定通知情報J10を生成する。そして、第2通信部312は、生成された決定通知情報J10を、注目端末装置32B,32C,32Eの各々へ送信する(ステップf9)。この決定通知情報J10を受信した注目端末装置32B,32C,32Eにおいて、各作業者OPB,OPC,OPEは、実施要求作業を実施する作業者OPを確認することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 部品実装システム
2 部品実装機
3 作業管理システム
31 情報管理装置
311 第1通信部
312 第2通信部
313 記憶部
314 制御部
3141 作業指示生成部
3142 作業可能者判定部
3143 情報生成部
32 携帯端末装置
321 端末側通信部
322 報知部
323 記憶部
324 入力部
325 制御部
3251 報知判定部
3252 報知制御部
3253 位置特定部
E 部品
J1 作業管理情報
J2 作業要求情報
J3 作業属性情報
J31 報知権限情報
J32 ライン特定情報
J33 要求作業優先度情報
J4 作業指示情報
J4A 新たな作業指示情報
J5A~J5E 作業者属性情報
J51 作業者権限情報
J52 作業担当ライン情報
J53 実施作業優先度情報
J6 作業可否情報
J7 作業可能者決定情報
J8 作業者決定催促情報
J9 作業者指定情報
J10 決定通知情報
L01,L02,L03,L04 実装ライン
OPA~OPE 作業者
P 基板