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特許7189048超音波流量計および出力インピーダンス設定方法
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  • 特許-超音波流量計および出力インピーダンス設定方法 図1
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  • 特許-超音波流量計および出力インピーダンス設定方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】超音波流量計および出力インピーダンス設定方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/667 20220101AFI20221206BHJP
【FI】
G01F1/667 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019031622
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020134439
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 康弘
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-028994(JP,A)
【文献】特開2016-156665(JP,A)
【文献】特開2010-156599(JP,A)
【文献】特開平08-170926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0316400(US,A1)
【文献】特開2019-035593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/66-1/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の流体が流れる配管に配置されたトランスデューサと、
このトランスデューサを駆動して超音波を送信させるように構成された送信装置とを備え、
前記送信装置は、
前記トランスデューサを駆動するように構成された複数のドライバ回路と、
これら複数のドライバ回路の出力端子と、前記トランスデューサが接続された送信装置の出力端子との間にそれぞれ設けられた複数の抵抗とを備え、
前記複数のドライバ回路のそれぞれは、外部からの設定により、出力端子がオープンになるディスエーブル状態と通常動作のイネーブル状態とを個別に切替可能なように構成されたことを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
請求項1記載の超音波流量計において、
前記複数のドライバ回路のそれぞれは、
前記トランスデューサを駆動するように構成されたトランジスタと、
外部からの設定により前記トランジスタを無効にして、そのドライバ回路の出力端子をオープン状態にすることにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にするように構成されたスイッチとを備えることを特徴とする超音波流量計。
【請求項3】
請求項2記載の超音波流量計において、
前記トランジスタは、
ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ソースが第1の電源電圧に接続され、ドレインがそのドライバ回路の出力端子に接続された第1の導電型トランジスタと、
ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ドレインがそのドライバ回路の出力端子に接続され、ソースが第2の電源電圧に接続された第2の導電型トランジスタとからなり、
前記スイッチは、
2つの接点端子のうち第1の接点端子が前記第1の電源電圧に接続され、第2の接点端子が前記第1の導電型トランジスタのゲートに接続された第1のスイッチと、
2つの接点端子のうち第1の接点端子が前記第2の導電型トランジスタのゲートに接続され、第2の接点端子が前記第2の電源電圧に接続された第2のスイッチとからなり、
外部からの設定により前記第1、第2のスイッチを共にオンにすることにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にすることを特徴とする超音波流量計。
【請求項4】
請求項3記載の超音波流量計において、
前記第1の導電型トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第2の導電型トランジスタは、NMOSトランジスタであることを特徴とする超音波流量計。
【請求項5】
測定対象の流体が流れる配管に配置されたトランスデューサと、このトランスデューサを駆動して超音波を送信させる送信装置とを備えた超音波流量計における前記送信装置の出力インピーダンス設定方法であって、
前記トランスデューサを駆動するように構成された複数のドライバ回路と、これら複数のドライバ回路の出力端子と、前記トランスデューサが接続された送信装置の出力端子との間にそれぞれ設けられた複数の抵抗とを備えた前記送信装置において、前記複数のドライバ回路のそれぞれを、外部からの設定により、出力端子がオープンになるディスエーブル状態と通常動作のイネーブル状態のいずれかに切り替えることを特徴とする超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法。
【請求項6】
請求項5記載の超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法において、
前記トランスデューサを駆動するように構成されたドライバ回路のトランジスタを、外部からの設定により無効にしてドライバ回路の出力端子をオープン状態にすることにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にすることを特徴とする超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法。
【請求項7】
請求項6記載の超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法において、
前記トランジスタは、ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ソースが第1の電源電圧に接続され、ドレインがドライバ回路の出力端子に接続された第1の導電型トランジスタと、ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ドレインがドライバ回路の出力端子に接続され、ソースが第2の電源電圧に接続された第2の導電型トランジスタとからなり、
外部からの設定により前記第1、第2の導電型トランジスタのそれぞれのゲート-ソース間を短絡することにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にすることを特徴とする超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法。
【請求項8】
請求項7記載の超音波流量計において、
前記第1の導電型トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
前記第2の導電型トランジスタは、NMOSトランジスタであることを特徴とする超音波流量計の送信装置の出力インピーダンス設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波流量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波流量計は、図5(A)または図5(B)に示すように、測定対象の気体が流れる配管1に対し1対のトランスデューサ(超音波圧電素子)2,3を配置する。上流側のトランスデューサ2を例えば500kHzの共振周波数で駆動し、トランスデューサ2から超音波を送信させる。超音波が配管1内の気体中を伝搬して下流側のトランスデューサ3を励起する。このトランスデューサ3の出力を増幅することで受信信号が得られる。超音波の送信タイミングから受信信号の到達タイミングの時間計測を行なうことで、超音波の伝搬時間を計測できる。同様に、下流側のトランスデューサ3から超音波を送信し、上流側のトランスデューサ2で受信して、超音波の伝播時間を計測する。
【0003】
トランスデューサ2からトランスデューサ3までの順方向(気体が流れる方向)の超音波の伝搬時間とトランスデューサ3からトランスデューサ2までの逆方向の超音波の伝搬時間とを比較することで、伝搬時間差が求められる。気体の流量がゼロの場合、原理的には伝搬時間差がゼロになるが、気体が流れている場合、流量に応じて伝搬時間差が生じる。したがって、伝搬時間差から気体の流量を算出することができる。
【0004】
トランスデューサには個体差があるため、トランスデューサと、トランスデューサを駆動して超音波を送信させる送信装置との間のインピーダンス、およびトランスデューサと、トランスデューサで受信された超音波受信信号を増幅する受信装置との間のインピーダンスには、トランスデューサの特性に応じた最適な値が存在する。このため、超音波流量計にインピーダンス調整する機能が必要となる(特許文献1参照)。このとき、特に送信装置の出力インピーダンスの調整において、スイッチを使った正確なインピーダンスの切り替えが難しいという課題があった。
【0005】
図6は従来の超音波流量計の送信装置の最終段の構成を示す回路図である。トランスデューサ100を駆動する送信装置101の最終段は、ドライバ回路102と、抵抗103-1~103-3と、スイッチ104-1~104-3とから構成される。図6の例では、スイッチ104-1~104-3を個別にオン/オフすることで、送信装置101の出力インピーダンスを調整している。通常、トランスデューサ100への出力電圧の振幅を大きくした方が有利なので、電源電圧とグランド間の振幅のパルスでトランスデューサ100を駆動するようにしている。
【0006】
スイッチ104-1~104-3として例えばMOSトランジスタのドレイン-ソース間を使用すると、スイッチ104-1~104-3の抵抗(MOSトランジスタのオン抵抗)は、そのノードの電圧(MOSトランジスタの場合にはゲート-ソース間電圧)に依存する。このため、スイッチ104-1~104-3の抵抗を一定の低い値にすることができず、送信装置101の出力インピーダンスが電圧依存性を有する。送信装置101の出力インピーダンスが電圧依存なため、送信装置101の出力Pがハイレベルのときとローレベルのときで出力インピーダンスが異なる値になってしまい、トランスデューサ100と送信装置101との整合特性としても理論的な複雑さを抱えることになる。
【0007】
以上のように、スイッチ104-1~104-3を使って送信装置101の出力インピーダンスを切り替える仕組みでは、スイッチ104-1~104-3のインピーダンス分が大きな誤差となり、正確なインピーダンス設定ができないという課題があった。例えば500Ωの出力インピーダンスに対し、50Ω程度の誤差が生じてしまう場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-28994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、スイッチの電圧依存性による送信装置の出力インピーダンスの誤差を無くすことができる超音波流量計および出力インピーダンス設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管に配置されたトランスデューサと、このトランスデューサを駆動して超音波を送信させるように構成された送信装置とを備え、前記送信装置は、前記トランスデューサを駆動するように構成された複数のドライバ回路と、これら複数のドライバ回路の出力端子と、前記トランスデューサが接続された送信装置の出力端子との間にそれぞれ設けられた複数の抵抗とを備え、前記複数のドライバ回路のそれぞれは、外部からの設定により、出力端子がオープンになるディスエーブル状態と通常動作のイネーブル状態とを個別に切替可能なように構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記複数のドライバ回路のそれぞれは、前記トランスデューサを駆動するように構成されたトランジスタと、外部からの設定により前記トランジスタを無効にして、そのドライバ回路の出力端子をオープン状態にすることにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にするように構成されたスイッチとを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記トランジスタは、ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ソースが第1の電源電圧に接続され、ドレインがそのドライバ回路の出力端子に接続された第1の導電型トランジスタと、ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ドレインがそのドライバ回路の出力端子に接続され、ソースが第2の電源電圧に接続された第2の導電型トランジスタとからなり、前記スイッチは、2つの接点端子のうち第1の接点端子が前記第1の電源電圧に接続され、第2の接点端子が前記第1の導電型トランジスタのゲートに接続された第1のスイッチと、2つの接点端子のうち第1の接点端子が前記第2の導電型トランジスタのゲートに接続され、第2の接点端子が前記第2の電源電圧に接続された第2のスイッチとからなり、外部からの設定により前記第1、第2のスイッチを共にオンにすることにより、ドライバ回路を前記ディスエーブル状態にすることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記第1の導電型トランジスタは、PMOSトランジスタであり、前記第2の導電型トランジスタは、NMOSトランジスタである。
【0012】
また、本発明は、測定対象の流体が流れる配管に配置されたトランスデューサと、このトランスデューサを駆動して超音波を送信させる送信装置とを備えた超音波流量計における前記送信装置の出力インピーダンス設定方法であって、前記トランスデューサを駆動するように構成された複数のドライバ回路と、これら複数のドライバ回路の出力端子と、前記トランスデューサが接続された送信装置の出力端子との間にそれぞれ設けられた複数の抵抗とを備えた前記送信装置において、前記複数のドライバ回路のそれぞれを、外部からの設定により、出力端子がオープンになるディスエーブル状態と通常動作のイネーブル状態のいずれかに切り替えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のドライバ回路を設けると共に、複数のドライバ回路の出力端子と、トランスデューサが接続された送信装置の出力端子との間にそれぞれ抵抗を設け、複数のドライバ回路を、ディスエーブル状態とイネーブル状態とを個別に切替可能なように構成することにより、ドライバ回路の出力端子と送信装置の出力端子との間にスイッチを設けることなく、送信装置の出力インピーダンスの切り替えをすることができ、誤差の無い出力インピーダンス設定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施例に係る超音波流量計の送信装置の最終段の構成を示す回路図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るドライバ回路の詳細を示す回路図である。
図3図3は、本発明の実施例において3つのドライバ回路を全てイネーブル状態にして、送信装置の出力端子をハイレベルにしたときの送信装置の等価回路図である。
図4図4は、本発明の実施例に係る超音波流量計の送信装置の最終段の別の構成を示す回路図である。
図5図5は、従来の超音波流量計の動作原理を説明する図である。
図6図6は、従来の超音波流量計の送信装置の最終段の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る超音波流量計の送信装置の最終段の構成を示す回路図である。超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管に配置されたトランスデューサ10と、トランスデューサ10を駆動して超音波を送信させる送信装置20とを備える。なお、超音波流量計には、トランスデューサ10と対になる受信側のトランスデューサや、この受信側のトランスデューサで受信された超音波受信信号を増幅する受信装置等が必要であるが、これらの構成は周知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0016】
図1に示すように、送信装置20の最終段は、トランスデューサ10を駆動する複数のドライバ回路20-1~20-3と、ドライバ回路20-1~20-3の出力端子と、トランスデューサ10が接続された送信装置20の出力端子Pとの間にそれぞれ設けられた複数の抵抗21-1~21-3とから構成される。
【0017】
本実施例のドライバ回路20-1~20-3は、その出力端子がオープン(ハイインピーダンス)になるディスエーブル状態と通常動作のイネーブル状態とを個別に切替可能な構成となっている。複数のドライバ回路20-1~20-3のうち、使用しないドライバ回路をディスエーブル状態にすれば、ディスエーブル状態のドライバ回路の出力端子がオープン(ハイインピーダンス)となり、このドライバ回路の出力端子に接続されている抵抗は、送信装置20の出力インピーダンスに寄与しない。これにより、本実施例では、ドライバ回路20-1~20-3の出力端子と送信装置20の出力端子Pとの間にスイッチを設けることなく、送信装置20の出力インピーダンスの切り替えをすることができ、スイッチの電圧依存性による出力インピーダンスの誤差を回避することができる。
【0018】
図2は本実施例のドライバ回路20-1~20-3の詳細を示す回路図である。図2に示すように、ドライバ回路20-1~20-3は、それぞれゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ソースが第1の電源電圧Vに接続され、ドレインがドライバ回路の出力端子に接続されたPMOSトランジスタ200(第1の導電型トランジスタ)と、ゲートに駆動信号を生成するための信号が入力され、ドレインがドライバ回路の出力端子に接続され、ソースが第2の電源電圧(本実施例ではグランド)に接続されたNMOSトランジスタ201(第2の導電型トランジスタ)と、2つの接点端子のうち第1の接点端子が第1の電源電圧Vに接続され、第2の接点端子がPMOSトランジスタ200のゲートに接続されたスイッチ202と、2つの接点端子のうち第1の接点端子がNMOSトランジスタ201のゲートに接続され、第2の接点端子が第2の電源電圧に接続されたスイッチ203とから構成される。
【0019】
超音波流量計の調整を行う作業者は、送信装置20の出力インピーダンスを調整する際に、複数のドライバ回路20-1~20-3のうち、任意のドライバ回路をディスエーブル状態にする。ドライバ回路をディスエーブル状態にするには、そのドライバ回路のスイッチ202,203を外部からの設定によりオンにして、トランジスタ200,201のそれぞれのゲート-ソース間を短絡すればよい。これにより、トランジスタ200,201がオフ(無効)になるので、ドライバ回路の出力端子がオープン状態(ハイインピーダンス)になる。
【0020】
一方、例えばドライバ回路20-1をイネーブル状態にするには、ドライバ回路20-1のスイッチ202,203をオフにすればよい。ドライバ回路20-1の2つの入力端子(トランジスタ200,201のゲート)は、それぞれ独立のプリドライバ回路(不図示)の出力端子に接続されている。送信装置20の出力端子Pをハイレベルにするには、これら2つのプリドライバ回路の出力信号をローレベルにする。これにより、ドライバ回路20-1のPMOSトランジスタ200がオン、NMOSトランジスタ201がオフとなり、PMOSトランジスタ200および抵抗21-1を通じて出力端子Pにハイレベルの駆動信号が出力される。また、ドライバ回路20-1の2つの入力端子をハイレベルにすると、ドライバ回路20-1のPMOSトランジスタ200がオフ、NMOSトランジスタ201がオンとなり、出力端子Pがローレベルとなる。
【0021】
なお、スイッチ202としては、例えばドレインが第1の電源電圧Vに接続され、ソースがトランジスタ200のゲートに接続されたNMOSトランジスタを使用すればよい。同様に、スイッチ203としては、例えばドレインがトランジスタ201のゲートに接続され、ソースが第2の電源電圧(本実施例ではグランド)に接続されたNMOSトランジスタを使用すればよい。これらNMOSトランジスタのゲートに外部からハイレベルの電圧を与えることにより、NMOSトランジスタをオン(スイッチ202,203をオン)にすることができる。
【0022】
上記の例では、1つのドライバ回路20-1の動作についてのみ説明しているが、複数のドライバ回路20-1~20-3を個別にイネーブル状態またはディスエーブル状態にすることにより、送信装置20の出力インピーダンスを切り替えることができる。例えば3つのドライバ回路20-1~20-3を全てイネーブル状態にした場合、送信装置20の出力端子Pをハイレベルにしたときには、図3に示すように、ドライバ回路20-1~20-3は、抵抗21-1~21-3の一端を電源電圧Vに接続したのと等価の状態になる。また、3つのドライバ回路20-1~20-3を全てイネーブル状態にして、送信装置20の出力端子Pをローレベルにしたときには、抵抗21-1~21-3の一端がグランドに接続されたのと等価の状態になる。
【0023】
なお、図1図3では、記載を簡単にするために、トランスデューサ10を単相駆動する例で説明しているが、実際の設計では差動で駆動するようになっている。この場合の構成を図4に示す。差動ドライバ回路22-1~22-3には、第1の電源電圧Vと第2の電源電圧-Vとが供給される。差動ドライバ回路22-1~22-3は、ドライバ回路20-1~20-3と同様に、ディスエーブル状態とイネーブル状態とを個別に切替可能な構成となっている。差動ドライバ回路22-1~22-3の非反転出力端子と送信装置20の非反転出力端子Pとの間には、抵抗21P-1~21P-3が接続され、差動ドライバ回路22-1~22-3の反転出力端子と送信装置20の反転出力端子Nとの間には、抵抗21N-1~21N-3が接続されている。こうして、差動駆動の場合においても単相駆動の場合と同様の効果を得ることができる。
【0024】
なお、本実施例では、送信装置内にドライバ回路と抵抗とを3つずつ設けているが、これに限るものではなく、ドライバ回路と抵抗とをそれぞれ少なくとも2つ設けるようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、超音波を用いて流体の流量を計測する超音波流量計に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
10…トランスデューサ、20…送信装置、20-1~20-3,22-1~22-3…ドライバ回路、21-1~21-3,21P-1~21P-3,21N-1~21N-3…抵抗、200…PMOSトランジスタ、201…NMOSトランジスタ、202,203…スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6