(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】蓋体およびこれを備えた包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/68 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B65D5/68 H
(21)【出願番号】P 2019073109
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】仲井間 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聖子
(72)【発明者】
【氏名】繁田 知延
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-97367(JP,A)
【文献】特開2015-217961(JP,A)
【文献】特開2018-203343(JP,A)
【文献】米国特許第5577659(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁(11)に側面穴(34)を有した身箱(2)に被せられる蓋体(3)であって、
複数の蓋側壁(50,51)を連設して筒状に形成される周壁(3W)と、
少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に対し直接的または間接的に第1の折線(65)を介して連設された連結片(60)と、を備え、
前記蓋側壁は、前記側壁の前記側面穴に連通する連結穴(70)を有し、
前記連結片は、
前記第1の折線から延設され、前記第1の折線で折れて前記側壁の内面に接する内側片部(61)と、
前記内側片部の先端に第2の折線(66A,66B)を介して連設され、前記第2の折線で折れて前記側壁の内側から前記側面穴を挿通し、且つ前記蓋側壁の外側から前記連結穴に嵌合して前記内側片部との間に前記側面穴の縁部を挟み込む外側片部(63)と、含むことを特徴とする蓋体。
【請求項2】
少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に連設され、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じるフラップ(53)を更に備え、
前記連結片は、少なくとも1つの前記フラップの一部を切断して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記外側片部は、前記第2の折線(66B)に沿って切断されることで、前記内側片部から分離されて前記連結穴から離脱することを特徴とする請求項1または2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記連結片は、2本の前記第2の折線(66A,66B)を介して前記内側片部と前記外側片部とに連設された額縁部(62)を更に含み、
前記外側片部は、前記額縁部との間の前記第2の折線(66B)に沿って切断されることで、前記額縁部から分離されて前記連結穴から離脱することを特徴とする請求項1または2に記載の蓋体。
【請求項5】
前記外側片部は、前記額縁部に向かって突設された凸状部(63A)を有し、
前記額縁部と前記凸状部とは、前記第2の折線から屈曲して形成された切目線(67)によって分断され、
前記連結穴は、前記外側片部の前記凸状部が嵌り込む凹状部(70A)を有したことを特徴とする請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
複数の前記蓋側壁は、一対の第1側壁(50)と一対の第2側壁(51)とを含み、
一対の前記第1側壁と一対の前記第2側壁とは、交互に連設されて前記周壁を形成し、
一対の前記第1側壁の上端部には、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じる一対のフラップ(53)が連設され、
一対の前記第2側壁の上端部には、先端同士を突き合せた状態で一対の前記フラップの上面に重なる一対の外フラップ(54)が連設され、
一対の前記第1側壁には、一対の前記連結穴が形成され、
一対の前記フラップには、一対の前記連結片が形成され、
一対の前記外フラップの突き合せ部分に沿って粘着テープ(T)を貼付した場合に、前記粘着テープの両端部分は、一対の前記連結穴に嵌合した一対の前記外側片部に貼付されることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の蓋体。
【請求項7】
前記蓋側壁は、前記連結穴に連続して形成された手掛け穴(74)を有したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の蓋体。
【請求項8】
側壁に側面穴を有した身箱と、
前記身箱に被せられる請求項1ないし7のいずれかに記載の蓋体と、を備えたことを特徴とする包装箱。
【請求項9】
上下に複数積層可能に構成された身箱と、
前記身箱に被せられる請求項1ないし7のいずれかに記載の蓋体と、を備え、
前記身箱は、
底壁(10)と、
前記底壁の両端部に立設され、前記側面穴を有した一対の側壁(11)と、
一対の前記側壁から内側に向かって突設され、前記底壁上に起立した姿勢で配置された複数の支持壁(33)と、を有し、
各々の前記支持壁の上端部には、積層突起部(46)が突設され、
前記底壁には、複数の前記身箱を積層した場合に下方の前記身箱に突設された複数の前記積層突起部が差し込まれる複数の積層穴(15)が形成され、
前記蓋体は、少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に連設され、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じるフラップ(53)を有し、
前記フラップには、前記身箱に前記蓋体を被せた場合に複数の前記積層突起部が差し込まれる複数の逃し穴(59)が形成されたことを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身箱に被せられる蓋体およびこれを備えた包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の包装用容器は、紙製の容器本体と、容器本体の開口上面を閉塞する紙製の蓋体と、を有していた。容器本体の両外側板部には手掛け口が形成され、蓋体には容器本体の手掛け口に連通する蓋手掛け口が形成されていた。また、蓋体には、蓋手掛け口から手掛け口を挿通して、手掛け口(容器本体)の内側上方に向かって折り返す折返し突片が形成されていた。折返し突片が容器本体の外側から内側に差し込まれることで、蓋体が容器本体に固定されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した蓋体を容器本体から取り外すためには、折返し突片を外側に引き抜く必要があるが、折返し突片は手掛け口(容器本体)の内側上方に引っ掛かっているため、折返し突片を簡単に引き抜くことができなかった。したがって、上記した包装用容器では、容器本体から蓋体を容易に分離することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、身箱から容易に分離することができる蓋体およびこれを備えた包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明は、側壁に側面穴を有した身箱に被せられる蓋体であって、複数の蓋側壁を連設して筒状に形成される周壁と、少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に対し直接的または間接的に第1の折線を介して連設された連結片と、を備え、前記蓋側壁は、前記側壁の前記側面穴に連通する連結穴を有し、前記連結片は、前記第1の折線から延設され、前記第1の折線で折れて前記側壁の内面に接する内側片部と、前記内側片部の先端に第2の折線を介して連設され、前記第2の折線で折れて前記側壁の内側から前記側面穴を挿通し、且つ前記蓋側壁の外側から前記連結穴に嵌合して前記内側片部との間に前記側面穴の縁部を挟み込む外側片部と、含む。
【0007】
この場合、少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に連設され、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じるフラップを更に備え、前記連結片は、少なくとも1つの前記フラップの一部を切断して形成されたことが好ましい。
【0008】
この場合、前記外側片部は、前記第2の折線に沿って切断されることで、前記内側片部から分離されて前記連結穴から離脱することが好ましい。
【0009】
この場合、前記連結片は、2本の前記第2の折線を介して前記内側片部と前記外側片部とに連設された額縁部を更に含み、前記外側片部は、前記額縁部との間の前記第2の折線に沿って切断されることで、前記額縁部から分離されて前記連結穴から離脱することが好ましい。
【0010】
この場合、前記外側片部は、前記額縁部に向かって突設された凸状部を有し、前記額縁部と前記凸状部とは、前記第2の折線から屈曲して形成された切目線によって分断され、前記連結穴は、前記外側片部の前記凸状部が嵌り込む凹状部を有したことが好ましい。
【0011】
この場合、複数の前記蓋側壁は、一対の第1側壁と一対の第2側壁とを含み、一対の前記第1側壁と一対の前記第2側壁とは、交互に連設されて前記周壁を形成し、一対の前記第1側壁の上端部には、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じる一対のフラップが連設され、一対の前記第2側壁の上端部には、先端同士を突き合せた状態で一対の前記フラップの上面に重なる一対の外フラップが連設され、一対の前記第1側壁には、一対の前記連結穴が形成され、一対の前記フラップには、一対の前記連結片が形成され、一対の前記外フラップの突き合せ部分に沿って粘着テープを貼付した場合に、前記粘着テープの両端部分は、一対の前記連結穴に嵌合した一対の前記外側片部に貼付されることが好ましい。
【0012】
この場合、前記蓋側壁は、前記連結穴に連続して形成された手掛け穴を有したことが好ましい。
【0013】
また、上記した目的を達成するため、本発明の包装箱は、側壁に側面穴を有した身箱と、前記身箱に被せられる上記のいずれかに記載の蓋体と、を備えた。
【0014】
また、上記した目的を達成するため、本発明の包装箱は、上下に複数積層可能に構成された身箱と、前記身箱に被せられる上記のいずれかに記載の蓋体と、を備え、前記身箱は、底壁と、前記底壁の両端部に立設され、前記側面穴を有した一対の側壁と、一対の前記側壁から内側に向かって突設され、前記底壁上に起立した姿勢で配置された複数の支持壁と、を有し、各々の前記支持壁の上端部には、積層突起部が突設され、前記底壁には、複数の前記身箱を積層した場合に下方の前記身箱に突設された複数の前記積層突起部が差し込まれる複数の積層穴が形成され、前記蓋体は、少なくとも1つの前記蓋側壁の端部に連設され、前記周壁の端面の少なくとも一部を閉じるフラップを有し、前記フラップには、前記身箱に前記蓋体を被せた場合に複数の前記積層突起部が差し込まれる複数の逃し穴が形成された。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋体を身箱から容易に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る蓋体がスタッキングトレイから分離した状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの第1ブランクを示す平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの第2ブランクを示す平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの第3ブランクを示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイを示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの連結工程が完了した状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの組立工程を説明する斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るスタッキングトレイの側壁体等を拡大して示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る蓋体のブランクを示す平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る蓋体のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る蓋体の連結構造とスタッキングトレイの把持部との連結状態を示す断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る蓋体とスタッキングトレイとの連結を解除した状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る蓋体とスタッキングトレイとの連結を解除した状態を示す断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る蓋体とスタッキングトレイとの連結を他の方法で解除する場合を説明する断面図である。
【
図16】本発明の一実施形態の第1変形例に係る蓋体のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【
図17】本発明の一実施形態の第2変形例に係る蓋体のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【
図18】本発明の一実施形態の第3変形例に係る蓋体のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【
図19】本発明の一実施形態の第4変形例に係る蓋体のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、これらの方向を示す用語は、説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】
[包装箱の概要]
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る包装箱1について説明する。
図1は包装箱1を示す斜視図である。
図2は蓋体3がスタッキングトレイ2から分離した状態を示す斜視図である。
【0019】
包装箱1は、上下に複数積層可能に構成されたスタッキングトレイ2と、スタッキングトレイ2に被せられる蓋体3と、を備えている。
【0020】
図2に示すように、身箱の一例としてのスタッキングトレイ2は、全体として略直方体状に形成されている。スタッキングトレイ2は、底壁体10(底壁)の周縁部に立設された一対の端壁体11(側壁)と一対の側壁体12とを備えている。詳細は後述するが、底壁体10は、下底壁10Aと上底壁10Bとを積層した二重積層構造となっている。一対の端壁体11は底壁体10の左右両端部に立設され、一対の側壁体12は底壁体10の前後両端部に立設されている。端壁体11は側壁体12よりも高く形成されており、スタッキングトレイ2には上面から前後両面に連続した入出開口部2Aが形成されている。また、各端壁体11には略長方形状の側面穴34が開口している。また、スタッキングトレイ2の内側の四隅部分には、上下方向に延びた4本の支柱47が設けられている。各支柱47は、他のスタッキングトレイ2を積載するために設けられている。
【0021】
図2に示すように、蓋体3は、スタッキングトレイ2の外形よりも若干大きな略直方体状に形成されている。蓋体3は、角筒状の周壁3Wの下面を開口し、周壁3Wの上面を閉塞する所謂半A式の箱である。蓋体3は、上方からスタッキングトレイ2に被せられ、スタッキングトレイ2の入出開口部2Aを閉塞する(
図1参照)。詳細は後述するが、蓋体3は、スタッキングトレイ2全体を覆った状態でスタッキングトレイ2に固定される。
【0022】
スタッキングトレイ2は、
図3ないし
図5に示す第1~第3ブランク2A,2B,2Cから組み立てられる。蓋体3は、
図10に示すブランク3Aから組み立てられる。これらのブランク2A,2B,2C,3Aは、それぞれ、1枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成される。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aの表裏に表ライナ9Bと裏ライナ9C(
図2および
図6参照)とを貼り合せた両面段ボールである。なお、
図3ないし
図5、
図10は、表ライナ9B側を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。また、本明細書では、上下、左右、前後およびこれに類する方向を示す用語は、スタッキングトレイ2や蓋体3を組み立てた状態(組立状態)における方向を指している。
【0023】
[スタッキングトレイのブランク]
まず、
図3ないし
図5を参照して、スタッキングトレイ2の第1~第3ブランク2A,2B,2Cについて説明する。
【0024】
[第1ブランク]
図3に示すように、第1ブランク2Aは、下底壁10Aと、一対の側壁体12と、一対の端壁片13と、4つの延長片14と、を含んでいる。一対の側壁体12は下底壁10Aの段方向両端部に連設され、一対の端壁片13は下底壁10Aの流れ方向両端部に連設されている。なお、一対の側壁体12は、下底壁10Aを挟んで段方向に対称に形成されているため、以下、一方の側壁体12について説明する。
【0025】
<下底壁>
下底壁10Aは、流れ方向に長い略長方形状に形成されている。下底壁10Aの4つの角付近には、4つの積層穴15が形成されている。各積層穴15は、下底壁10Aの外辺に対して略45度の角度を成すように形成されたスリットである。下底壁10Aの段方向両側には、上底壁10Bの位置を指標する合計6つの第1下側マークM1が形成されている。なお、第1下側マークM1は、裏ライナ9Cの側から段ボールシートの厚みの半分程度まで切り込んだ半切れ線である。
【0026】
<側壁体>
側壁体12は、外板部16と、上板縁部17と、内板部18と、係合凸部19と、を含んでいる。外板部16、上板縁部17、内板部18および係合凸部19は、下底壁10A側から段方向外側に向かって、この順に並設されている。
【0027】
(外板部)
外板部16は、第1折曲線L1を介して下底壁10Aの段方向一端部に連設されている。外板部16は、下底壁10Aと流れ方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。外板部16の段方向の寸法(延出寸法)は、下底壁10Aの段方向の寸法よりも十分短く(例えば1/5程度)設定されている。
【0028】
(上板縁部)
上板縁部17は、第2折曲線L2を介して外板部16の先端部に連設されている。上板縁部17は、外板部16の流れ方向の幅よりも狭い幅を有する略長方形状に形成されている。上板縁部17の段方向の寸法(延出寸法)は、段ボールシートの厚みよりも僅かに長く設定されている。
【0029】
(内板部)
内板部18は、第2折曲線L2を介して上板縁部17の先端部に連設されている。換言すれば、内板部18は2本の第2折曲線L2を介して外板部16の先端部に連設され、2本の第2折曲線L2の間には上板縁部17が形成されている。内板部18は、上板縁部17と流れ方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。内板部18の段方向の寸法(延出寸法)は、外板部16の延出寸法よりも僅かに(段ボールシートの厚み程度)短く設定されている。
【0030】
(係合凸部)
係合凸部19は、第3折曲線L3を介して内板部18の先端部に連設されている。係合凸部19は、内板部18と流れ方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。係合凸部19の段方向の寸法(延出寸法)は、外板部16の延出寸法の半分以下に設定されている。
【0031】
<端壁片>
一対の端壁片13は、第4折曲線L4を介して下底壁10Aの流れ方向両端部に連設されている。各端壁片13は、下底壁10Aと段方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。各端壁片13の流れ方向の寸法(延出寸法)は、外板部16の延出寸法と略同一に設定されている。各端壁片13の段方向中央で第4折曲線L4の近傍には、端壁体11の位置を指標する第2下側マークM2(半切れ線)が形成されている。
【0032】
<延長片>
4つの延長片14は、それぞれ、第5折曲線L5を介して一対の端壁片13の段方向両端部に連設されている。各延長片14は、端壁片13と流れ方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。各延長片14の段方向の寸法(延出寸法)は、外板部16と上板縁部17との延出寸法を合わせた長さよりも長く設定されている。
【0033】
なお、第1,第2,第4および第5折曲線L1,L2,L4,L5は、それぞれ、段ボールシートを裏ライナ9Cの側から厚み方向に線状に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる機能を有している。第3折曲線L3は、段ボールシートを表ライナ9Bの側から厚み方向に線状に潰した逆罫線上に所定間隔で複数の切目を入れたリード罫である。逆罫線は、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる機能を有している。上記した第1~第5折曲線L1~L5は、汎用罫線やリード罫(逆罫線)等に限らず、段ボールシートを折り曲げるために形成された線であれば如何なるものでもよい。
【0034】
[第2ブランク]
図4に示すように、第2ブランク2Bは、上底壁10Bと、一対の筒壁体20と、を含んでいる。一対の筒壁体20は、上底壁10Bの段方向両端部に連設されている。なお、一対の筒壁体20は、上底壁10Bを挟んで段方向に対称に形成されているため、以下、一方の筒壁体20について説明する。
【0035】
上底壁10Bは、下底壁10Aよりも一回り小さく、段方向に長い略長方形状に形成されている。詳細には、上底壁10Bの流れ方向の寸法は、下底壁10Aの段方向の寸法から一対の係合凸部19の延出寸法を引いた値以下に設定されている。上底壁10Bの段方向の寸法は、下底壁10Aの流れ方向の寸法から2つの支柱47の左右幅を引いた値以下に設定されている。上底壁10Bの流れ方向両端部の段方向中央には、一対の分解用凹部26が形成されている。一対の分解用凹部26は、略半円形状の凹みであって、上底壁10Bの流れ方向両端部から互いに接近する方向に凹設されている。また、上底壁10Bには、一対の分解用凹部26から互いに接近する方向に延びた一対の第1上側マークM10が形成されている。さらに、上底壁10Bの段方向両端部の流れ方向中央には、一対の中央マークM11が形成されている。なお、第1上側マークM10および中央マークM11は、段ボールシートの厚み方向に切り込んだ全切れ線である。
【0036】
<筒壁体>
筒壁体20は、筒内壁21と、筒上壁22と、筒外壁23と、筒底壁24と、を含んでいる。筒内壁21、筒上壁22、筒外壁23および筒底壁24は、上底壁10B側から段方向外側に向かって、この順に並設されている。
【0037】
筒内壁21は、第6折曲線L6を介して上底壁10Bの段方向一端部に連設されている。筒上壁22は第7折曲線L7を介して筒内壁21の先端部に連設され、筒外壁23は第8折曲線L8を介して筒上壁22の先端部に連設され、筒底壁24は第9折曲線L9を介して筒外壁23の先端部に連設されている。筒内壁21、筒上壁22、筒外壁23および筒底壁24は、それぞれ、上底壁10Bの流れ方向の幅よりも狭い幅を有する略長方形状に形成されている。筒内壁21と筒外壁23との段方向の寸法(延出寸法)は、外板部16の延出寸法よりも短く設定されている。筒上壁22と筒底壁24との延出寸法は、筒内壁21等の延出寸法よりも短く設定されている。
【0038】
筒内壁21の流れ方向中央部には、筒内壁21を略長方形状に切断することで筒保持片25が形成されている。筒保持片25は、保持用罫線L10を介して筒内壁21に連設されている。
【0039】
なお、第6折曲線L6は、逆罫線上に複数の切目を入れたリード罫であり、第7~第9折曲線L7~L9および保持用罫線L10は、それぞれ、汎用罫線である。上記した第6~第9折曲線L6~L9等は、汎用罫線やリード罫等に限らず、段ボールシートを折り曲げるために形成された線であれば如何なるものでもよい。
【0040】
[第3ブランク]
図5に示すように、第3ブランク2Cは、端壁体11を含んでいる。なお、スタッキングトレイ2を組み立てる場合、第3ブランク2Cが2枚使用され、左右一対の端壁体11が形成される。2枚の第3ブランク2C(一対の端壁体11)は同一形状であるため、以下、1枚の第3ブランク2C(1つの端壁体11)について説明する。
【0041】
<端壁体>
端壁体11は、外端壁30と、一対の外縁壁31と、内端壁32と、一対の支持壁33と、を含んでいる。
【0042】
(外端壁)
外端壁30は、流れ方向に長い略長方形状に形成されている。外端壁30の流れ方向の寸法は、第1ブランク2Aの端壁片13の段方向の寸法よりも僅かに短く設定されている。外端壁30の中央領域には、段方向に長い略長方形状を成す外側面穴34Aが開口している。つまり、外端壁30は、略矩形環状に形成されている。外側面穴34Aの上縁部には、2本の挟込み折線L11を介して挟込み片35が連設されている。また、外端壁30の端部(下端部)の流れ方向中央には、第2上側マークM20(全切れ線)が形成されている。
【0043】
(外縁壁)
一対の外縁壁31は、側方罫線L12を介して外端壁30の流れ方向両端部に連設されている。各外縁壁31は、外端壁30と段方向の幅を同一とする略長方形状に形成されている。外縁壁31の流れ方向の寸法は、外端壁30の流れ方向の寸法よりも十分に短く設定されている。各外縁壁31の一方(下側)には、略長方形状の内側延長部31Aが一体に形成されている。一対の内側延長部31Aは外縁壁31から外側に延設されており、外縁壁31と内側延長部31Aとは全体として略L字状に形成されている。なお、外縁壁31と内側延長部31Aとを合わせた流れ方向の寸法は、第1ブランク2Aの延長片14の段方向の寸法と略同一である。
【0044】
(内端壁)
内端壁32は、2本の上方折返線L13を介して外端壁30の段方向他端部(上端部)に連設されている。2本の上方折返線L13の間には、上端縁部36が形成されている。内端壁32は、外端壁30の流れ方向の幅よりも狭い幅を有する略長方形状に形成されている。内端壁32の段方向の寸法は、外端壁30の段方向の寸法と略同一に設定されている。内端壁32の中央領域には外側面穴34Aと略同一形状となる内側面穴34Bが開口しており、内端壁32は略矩形環状に形成されている。
【0045】
(支持壁)
一対の支持壁33は、内端壁32の流れ方向両端部に連設されている。なお、一対の支持壁33は、内端壁32を挟んで流れ方向に対称に形成されているため、以下、1つの支持壁33について説明する。
【0046】
支持壁33は、第1本体壁40と、第2本体壁41と、接触壁42と、固定壁43と、対角壁44と、を含んでいる。
【0047】
第1本体壁40は第1縦折線L14を介して内端壁32に連設され、第2本体壁41は第2縦折線L15を介して第1本体壁40に連設されている。接触壁42は第3縦折線L16を介して第2本体壁41に連設され、固定壁43は第4縦折線L17を介して接触壁42に連設されている。対角壁44は、第5縦折線L18を介して固定壁43に連設されている。第1本体壁40、第2本体壁41、接触壁42、固定壁43および対角壁44は、それぞれ、内端壁32と段方向の幅を略同一とする略長方形状に形成されている。第1本体壁40、第2本体壁41および接触壁42の流れ方向の寸法は、外縁壁31の流れ方向の寸法よりも僅かに短く設定されている。固定壁43の流れ方向の寸法は、接触壁42等の流れ方向の寸法よりも短く設定されている。
【0048】
対角壁44の流れ方向の寸法は、接触壁42等の流れ方向の寸法よりも長く設定されている。組立状態において、対角壁44の下端には湾曲凹部45が凹設され、対角壁44の上端には積層突起部46が突設されている。積層突起部46の突出量は、湾曲凹部45の窪み量と略同一になっている。
【0049】
なお、挟込み折線L11、側方罫線L12、上方折返線L13および第2~第5縦折線L15~L18は、汎用形成である。第1縦折線L14は、汎用罫線に沿って所定間隔で複数の屈曲切目線LCを入れた線である。各屈曲切目線LCは、汎用罫線から外端壁30に向かって突出するように略コ字(U字)状に形成されている。上記した各折線L11~L18は、汎用罫線等に限らず、段ボールシートを折り曲げるために形成された線であれば如何なるものでもよい。
【0050】
以上説明したように、第1ブランク2A(下底壁10A、側壁体12)と、第2ブランク2B(上底壁10B)と、第3ブランク2C(端壁体11)とは、互いに別体で形成されているため、第1~第3ブランク2A~2Cを連結した後にスタッキングトレイ2が組み立てられることになる。第1~第3ブランク2A~2Cの連結工程や組立工程は、例えば、作業者による手作業で行われる場合と、専用の製函機等によって自動または半自動で行われる場合とがある。ここでは、作業者が手作業で連結工程や組立工程を行う場合について説明する。
【0051】
[連結工程]
次に、
図3ないし
図7を参照して、第1~第3ブランク2A~2Cを連結する工程(連結工程)について説明する。
図6はスタッキングトレイ2を示す分解斜視図である。
図7はスタッキングトレイ2の連結工程が完了した状態を示す斜視図である。
【0052】
<第1工程>
まず、
図5ないし
図7を参照して、端壁体11を形成するための第1工程について説明する。例えば、作業者は、一対の固定壁43の表ライナ9Bに両面テープ(図示せず)を貼付する。続いて、作業者は、挟込み片35を挟込み折線L11に沿って裏ライナ9C側に折り返した後、内端壁32と上端縁部36とを上方折返線L13で折り返して、挟込み片35を外端壁30と内端壁32との間に挟み込む。
【0053】
次に、作業者は、支持壁33を巻き込むように折り曲げる。詳細には、作業者は、第1本体壁40を第1縦折線L14に沿って略直角に谷折りし(表ライナ9B側に折り曲げ)、第2本体壁41、接触壁42、固定壁43および対角壁44をそれぞれ第2~第5縦折線L15~L18に沿って山折りする(裏ライナ9C側に折り曲げる)。固定壁43は、両面テープを介して外端壁30の内面(裏ライナ9C)に接着される。これにより、角型筒状(実際にはやや潰れた菱形断面)の支柱47が形成され、対角壁44は支柱47の内部に配置される。
【0054】
また、固定壁43が外端壁30に接着されることで、外端壁30と内端壁32とが二重壁構造に保持される。この状態で、外側面穴34Aと内側面穴34Bとは、互いに一致しており、1つの側面穴34を構成している。
【0055】
以上によって、第1工程が完了し、2枚の段ボールシートを積層した端壁体11が完成する。なお、作業者は上記の第1工程を繰り返して2つの端壁体11を形成する。
【0056】
<第2工程>
次に、
図3、
図6および
図7を参照して、第1ブランク2Aと端壁体11とを連結する第2工程について説明する。例えば、作業者は、各端壁体11の外端壁30の下部(外側面穴34Aの下側)に両面テープを貼付し、外端壁30を第1ブランク2Aの端壁片13の裏ライナ9Cに接着する。この際、外端壁30の第2上側マークM20(
図5参照)を端壁片13の第2下側マークM2に合わせることで、外端壁30が位置合わせされる。
【0057】
以上によって、第2工程が完了し、一対の端壁体11が、端壁片13を介して下底壁10Aに連結された状態になる。
【0058】
<第3工程>
次に、
図4、
図6および
図7を参照して、第2ブランク2B(上底壁10B)を第1ブランク2Aの下底壁10Aに連結する第3工程について説明する。例えば、作業者は、上底壁10Bの裏ライナ9Cに両面テープを貼付し、上底壁10Bを下底壁10Aに接着する。この際、上底壁10Bの輪郭や一対の第1上側マークM10を、下底壁10Aの6つの第1下側マークM1に合わせることで、上底壁10Bが位置合わせされる。
【0059】
続いて、作業者は、筒底壁24の表ライナ9Bに両面テープを貼付し、筒壁体20を巻き込むように折り曲げる。詳細には、作業者は、筒内壁21を第6折曲線L6に沿って略直角に谷折りし、筒上壁22、筒外壁23および筒底壁24をそれぞれ第7~第9折曲線L7~L9に沿って山折りする。筒底壁24は、両面テープを介して下底壁10Aに接着される。これにより、筒壁体20が角型筒状のスペーサー27を構成する。また、作業者は、筒保持片25を保持用罫線L10に沿ってスペーサー27の内側に折り曲げる。これにより、スペーサー27の角型の筒形状を保持することができる。なお、スペーサー27を構成した後に、上底壁10Bを下底壁10Aに接着してもよい。
【0060】
以上によって、第3工程が完了し、下底壁10Aと上底壁10Bとが積層された二重積層構造の底壁体10が形成される。これで連結工程が完了する(
図7参照)。この状態で、下底壁10Aの中しん9Aと、上底壁10Bの中しん9Aとは、互いに直交する方向に延びている。また、上底壁10Bの前後両端は側壁体12(第1折曲線L1)から中央側に離れており、下底壁10Aの上面と上底壁10Bの前後両端とで囲まれた範囲に前後一対の係合凹部28が構成されている。さらに、下底壁10Aに開口した4つの積層穴15は、左右一対のスペーサー27の前後両側に露出している。
【0061】
なお、上記した連結工程における両面テープの貼付位置等は、一例であって、両面テープの貼付位置や貼付数は適宜変更してもよい。また、上記した連結工程では、一例として、両面テープを用いていたが、これに代えて、例えば、接着剤を用いてもよい。また、第2工程と第3工程との実施順序を入れ替えてもよく、例えば、第1工程を実施した後に第3工程を実施してもよいし、第3工程を実施した後に第1工程および第2工程を実施してもよい。
【0062】
[組立工程]
次に、
図1、
図7ないし
図9を参照して、スタッキングトレイ2の組立工程について説明する。
図8はスタッキングトレイの組立工程を説明する斜視図である。
図9は側壁体12等を拡大して示す断面図である。なお、ここでは、作業者が手作業で組立工程を行う場合について説明する。
【0063】
図7および
図8に示すように、スタッキングトレイ2は、連結された第1~第3ブランク2A,2B,2Cを適宜折り曲げることで組み立てられる。作業者は、左右一対の端壁片13を第4折曲線L4に沿って上方に折り曲げ、左右一対の端壁体11を略垂直に起立した姿勢にする。続いて、作業者は、各延長片14を第5折曲線L5に沿って内側に折り曲げ、且つ、各端壁体11の外縁壁31(内側延長部31A)を側方罫線L12に沿って内側に折り曲げる。この外縁壁31の折り曲げに伴って、支持壁33(第1および第2本体壁40,41、接触壁42)が内側に押し出され(突設され)、やや潰れた菱形断面を有する支柱47が略正方形断面を有する角型筒状に変形する。各支柱47は、下底壁10A上に起立姿勢で設けられ、下底壁10Aの積層穴15を覆うと共にスペーサー27の前後方向の端面に対向する。なお、各対角壁44は、支柱47の断面の対角線上に配置される。また、各対角壁44の積層突起部46は、支柱47(固定壁43等)の上端面よりも上方に突設されている。
【0064】
次に、
図8および
図9に示すように、作業者は、前後一対の外板部16を第1折曲線L1に沿って上方に略直角に折り曲げ、各外板部16を延長片14の外面に重ねる。続いて、作業者は、前後一対の上板縁部17と前後一対の内板部18とを2本の第2折曲線L2に沿って各延長片14等を巻き込むように折り曲げる。各内板部18は、外板部16に対して下方に折り返されて外板部16との間に延長片14および内側延長部31Aを挟み込む。
【0065】
続いて、作業者は、前後一対の係合凸部19を第3折曲線L3に沿って折り曲げて下底壁10Aに沿う姿勢とし、各係合凸部19を係合凹部28に嵌合させる。各係合凸部19が係合凹部28に嵌合することで、外板部16と内板部18とが延長片14を挟持した状態に保持される。なお、各係合凹部28に嵌合した各係合凸部19は、上底壁10Bの上面と略同一平面を形成する。
【0066】
以上によって、スタッキングトレイ2の組立作業が完了する(
図2参照)。この状態で、端壁体11等の中しん9Aは、上下方向に延びている。なお、側面穴34よりも上方となる外端壁30と内端壁32との一部は、スタッキングトレイ2の運搬時にユーザが把持する把持部48となる。
【0067】
[積層作用]
次に、スタッキングトレイ2の積層作用について簡単に説明する。上方のスタッキングトレイ2の底壁体10が下方のスタッキングトレイ2の4つの支柱47に載置されることで、複数のスタッキングトレイ2が積層された状態になる。複数のスタッキングトレイ2を積層した場合に下方のスタッキングトレイ2の4つの積層突起部46が、上方のスタッキングトレイ2の積層穴15に下方から差し込まれる(図示せず)。
【0068】
以上のように、複数のスタッキングトレイ2を積層した場合に、下方のスタッキングトレイ2の積層突起部46が上方のスタッキングトレイ2の積層穴15に差し込まれるため、積層されたスタッキングトレイ2の水平方向の位置ずれを抑制することができる。これにより、複数のスタッキングトレイ2を積層した状態を適切に維持することができる。また、積層突起部46は支柱47の内側に配置されるため、積層突起部46が底壁体10上に載置した商品等の内容物(図示せず)と干渉することを防止することができる。
【0069】
[蓋体のブランク]
次に、
図10および
図11を参照して、蓋体3のブランク3Aについて説明する。
図10は蓋体3のブランク3Aを示す平面図である。
図11はブランク3Aの一部を拡大して示す平面図である。
【0070】
図10に示すように、ブランク3Aは、一対の第1側壁50(蓋側壁)と、一対の第2側壁51(蓋側壁)と、継代片52と、一対の内フラップ53(フラップ)と、一対の外フラップ54と、一対の連結構造55と、を含んでいる。
【0071】
<第1側壁、第2側壁、継代片>
一対の第1側壁50と一対の第2側壁51とは、流れ方向に並設され、且つ第1蓋折線56を介して交互に連設されている。第2側壁51は、第1側壁50よりも流れ方向に長い略長方形状に形成されている。第1側壁50の流れ方向の寸法は、端壁片13の段方向の寸法よりも僅かに長く設定されている。第2側壁51の流れ方向の寸法は、外板部16の流れ方向の寸法よりも僅かに長く設定されている。第1側壁50および第2側壁51の段方向の寸法(高さ)は、外端壁30等の高さよりも僅かに長く設定されている。継代片52は、第1蓋折線56を介して第2側壁51の流れ方向一端部に連設されている。
【0072】
<内フラップ、外フラップ>
一対の内フラップ53は、第2蓋折線57を介して一対の第1側壁50の段方向一端部(上端部)に連設されている。内フラップ53は、第1側壁50と流れ方向の幅を略同一とする略長方形状に形成されている。内フラップ53の段方向の寸法(延出寸法)は、第1側壁50の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。一対の外フラップ54は、第3蓋折線58を介して一対の第2側壁51の段方向一端部(上端部)に連設されている。外フラップ54は、第2側壁51と流れ方向の幅を略同一とする略長方形状に形成されている。外フラップ54の段方向の寸法(延出寸法)は、内フラップ53の延出寸法と略同一である。なお、内フラップ53および外フラップ54には、スタッキングトレイ2に蓋体3を被せた場合に4つの積層突起部46が差し込まれる複数の逃し穴59が形成されている。内フラップ53に開口した逃し穴59は、外フラップ54に開口した逃し穴59よりも僅かに大きく形成されている。
【0073】
なお、蓋体3のブランク3Aは、流れ方向両側の第1側壁50と第2側壁51とを第1蓋折線56に沿って折り返し、継代片52を第1側壁50の内面に接着して、折り畳まれた状態で作業者に届けられる。また、第1蓋折線56および第3蓋折線58汎用形成であり、第2蓋折線57は汎用罫線に沿って所定間隔で複数の切目を入れたリード罫である。上記した第1~第3蓋折線56~58は、汎用罫線やリード罫等に限らず、段ボールシートを折り曲げるために形成された線であれば如何なるものでもよい。
【0074】
<連結構造>
図10に示すように、一対の連結構造55は、一対の内フラップ53の一部を切断して形成された一対の連結片60と、一対の第1側壁50に形成された一対の連結穴70と、一対の第1側壁50の一部を切断して形成された一対の手掛け穴74と、なお、一対の連結構造(連結片60、連結穴70、手掛け穴74)は同一構造であるため、以下、1つの連結構造55について説明する。
【0075】
(連結片)
図11に示すように、連結片60は、第2蓋折線57と略平行に延びた第1の折線65と、第1の折線65の両端から内フラップ53の先端に突き出す略U字状に形成された刳り貫き線64(全切れ線)と、で囲まれる範囲に形成されている。第1の折線65は、内フラップ53の基端(第2蓋折線57)から先端側に離れた位置に形成されている。連結片60は、第1の折線65を介して内フラップ53に連設されている。また、連結片60の先端は、内フラップ53の先端から基端側に離れた位置に形成されている。つまり、連結片60は、内フラップ53の中央領域を略長方形状に刳り貫くことで形成されており、第1側壁50の上端部に対し間接的に第1の折線65を介して連設されている。
【0076】
連結片60は、内側片部61と、額縁部62と、外側片部63と、含んでいる。
【0077】
内側片部61は、やや流れ方向に長い長方形状に形成され、第1の折線65から内フラップ53の先端側に延設されている。内側片部61の流れ方向の寸法は、側面穴34(外側面穴34A、内側面穴34B)の前後幅よりも短く設定されている。内側片部61の段方向の寸法は、端壁体11の把持部48の高さ(段方向の長さ)と略同一に設定されている。
【0078】
額縁部62は、2本の第2の折線66A,66Bの間に形成されており、2本の第2の折線66A,66Bを介して内側片部61と外側片部63とに連設されている。額縁部62は、内側片部61と流れ方向の幅を略同一とする略長方形状に形成されている。額縁部62の段方向の寸法は、端壁体11の厚み(上端縁部36の段方向の長さ)よりも僅かに長く設定されている。
【0079】
外側片部63は、額縁部62を介して内側片部61の先端に連設されている。換言すれば、外側片部63は、内側片部61の先端に2本の第2の折線66A,66Bを介して連設されている。外側片部63は、内側片部61(額縁部62)の流れ方向の幅よりも僅かに広い幅を有する略長方形状に形成されている。したがって、外側片部63と額縁部62との間の流れ方向両端部には、僅かな段差が形成されている。外側片部63の段方向の寸法は、内側片部61の段方向の寸法の略半分に設定されている。
【0080】
また、外側片部63は、額縁部62に向かって突設された凸状部63Aを有している。凸状部63Aは、外側片部63の流れ方向中央部に形成されている。額縁部62と凸状部63Aとは、切断線66Bから略U字状に屈曲して形成された切目線67によって分断されている。なお、切断線66Bは、凸状部63Aには形成されておらず、凸状部63Aの両側に延びている。
【0081】
なお、第1の折線65は、汎用罫線上に複数の切目を入れたリード罫である。内側片部61と額縁部62との間の第2の折線66Aは汎用罫線であり、外側片部63と額縁部62との間の第2の折線66Bは所定間隔で複数の切目を入れたミシン刃線である。上記した第1および第2の折線65,66A,66Bは、汎用罫線等に限らず、段ボールシートを折り曲げるために形成された線であれば如何なるものでもよい。また、本明細書では、2本の第2の折線66A,66Bを区別するために、外側片部63と額縁部62との間の第2の折線66Bを「切断線66B」とも呼ぶこととする。この切断線66Bは、段ボールシートを折り曲げる機能に加え、段ボールシートを切断する機能も有している。
【0082】
<連結穴>
連結穴70は、第1側壁50の段方向一方(上部)に形成された開口である。連結穴70は、蓋体3をスタッキングトレイ2に被せた状態で、側面穴34と把持部48とを跨ぐように配置される。連結穴70は、連結片60と段方向に一列に並ぶように配置されている。連結穴70は、外側片部63と略同一形状に形成されている。また、連結穴70は、外側片部63の凸状部63Aが嵌り込む凹状部70Aを有している。詳細は後述するが、連結穴70には、外側片部63が嵌り込むようになっている。
【0083】
<手掛け穴>
第1側壁50には、連結穴70から段方向他方(下方)に向かって一対の手掛け折線71が形成されている。詳細には、一対の手掛け折線71は、連結穴70の下方両角から下方に向かって互いに接近するように斜めに延設されている。一対の手掛け折線71は略同一角度で傾斜しており、一対の手掛け折線71の先端(下端)は接触(交差)している。また、第1側壁50には、一対の手掛け折線71の先端の交点から連結穴70まで延びた分断線72が形成されている。分断線72は、一対の手掛け折線71によって略三角形状に区画された領域を二分割するための全切り線である。手掛け穴74は、一対の手掛け折線71と分断線72とで区画された一対の手掛け片73を一対の手掛け折線71に沿って折り曲げることで形成される略三角形状の開口である。手掛け穴74は、第1側壁50において連結穴70に連続して形成される。
【0084】
[包装箱の封緘]
次に、
図1、
図2および
図12を参照して、蓋体3をスタッキングトレイ2に被せて固定する手順、つまり、包装箱1を封緘する手順について説明する。
図12は蓋体3の連結構造55とスタッキングトレイ2の把持部48との連結状態を示す断面図である。なお、スタッキングトレイ2は組み立てられた状態であり、蓋体3は折り畳まれた状態であるものとする。また、底壁体10の上面には、商品等の内容物(図示せず)が載置されているものとする。また、引き続き、1つの連結構造55に着目して説明する。
【0085】
まず、
図2に示すように、作業者は、一対の第1側壁50と一対の第2側壁51とを第1蓋折線56に沿って略直角に折り曲げる。これにより、一対の第1側壁50と一対の第2側壁51とが交互に連設され、上下両端面を開口した略角筒状の周壁3Wが形成される。
【0086】
次に、作業者は、蓋体3の周壁3Wをスタッキングトレイ2の上方に配置し、周壁3Wをスタッキングトレイ2の外側に嵌め込む(
図2の破線矢印参照)。すなわち、スタッキングトレイ2は、周壁3Wの下面開口から周壁3Wの内側に挿入される。この状態で、スタッキングトレイ2の外周面は周壁3Wに覆い隠され、入出開口部2Aの前後両側が閉塞される。また、この状態で、連結穴70の中央部から上部にかけては、端壁体11の把持部48に対向している(重なっている)。つまり、把持部48の一部は連結穴70に露出している。また、連結穴70の下部および一対の手掛け片73(手掛け穴74)は、端壁体11の側面穴34に対向している。つまり、連結穴70(および手掛け穴74)は、端壁体11の側面穴34に連通している。なお、この状態では、各手掛け片73は手掛け穴74を閉塞している。
【0087】
次に、作業者は、各内フラップ53を第2蓋折線57に沿って内側に略直角に折り曲げる(
図12参照)。各内フラップ53は、各支柱47(対角壁44を除く)の上端面に当接し、周壁3Wの上面開口(スタッキングトレイ2の入出開口部2Aの上面)の一部を閉じる。なお、一対の内フラップ53の先端同士は離間している。各対角壁44の積層突起部46は、各内フラップ53の逃し穴59に挿入されている。
【0088】
次に、
図12に示すように、作業者は、各連結片60を把持部48に巻き付けるように折り曲げる。具体的には、作業者は、各内側片部61を第1の折線65に沿って下方に折り曲げ、且つ各額縁部62を第2の折線66Aに沿って外側に折り曲げる。作業者は、各外側片部63の先端部を端壁体11の側面穴34を通して第1側壁50の連結穴70に差し込み、各外側片部63をスタッキングトレイ2の内側から蓋体3の外側に向かって刺し通す(
図12の二点鎖線参照)。この状態で、各内側片部61は、第1の折線65で折れて端壁体11(内端壁32)の内面に接している。各額縁部62および各外側片部63は、第2の折線66Aで折れて端壁体11の内側から側面穴34を挿通している。各額縁部62は、側面穴34の内周面(把持部48の下端面)に接している(または僅かに離間してもよい。)。各外側片部63は、端壁体11と第1側壁50とを貫通して外側に延出している(
図12の二点鎖線参照)。
【0089】
次に、作業者は、第1側壁50の外側に延びた各外側片部63を切断線66Bに沿って上方に折り曲げて連結穴70に嵌め込む。各外側片部63は、第1側壁50の外側から連結穴70に嵌合して内側片部61との間に側面穴34の縁部(把持部48)を挟み込む。各外側片部63は、連結穴70に嵌合した状態で、第1側壁50の外面(表ライナ9B)と略同一平面を構成する。また、各外側片部63を切断線66Bに沿って折ると、凸状部63Aは、額縁部62から刳り貫かれ、相対的に下方に突出して連結穴70の凹状部70Aに嵌合する。この構成によれば、凸状部63Aと凹状部70Aとの間に接触抵抗が生じるため、外側片部63が連結穴70に嵌合した状態を保持することができる。
【0090】
以上によって、蓋体3は、一対の連結片60を介してスタッキングトレイ2(一対の端壁体11)に仮固定される。
【0091】
次に、
図1に示すように、作業者は、各外フラップ54を第3蓋折線58に沿って内側に略直角に折り曲げる。一対の外フラップ54は、その先端同士を突き合せた状態で一対の内フラップ53内の上面に重なる。なお、各内フラップ53の逃し穴59を挿通した積層突起部46は、各外フラップ54の逃し穴59に挿入されている。各積層突起部46は、外フラップ54の逃し穴59から突き出さないように形成されている。
【0092】
図1および
図12に示すように、作業者は、一対の外フラップ54の突き合せ部分に沿って粘着テープTを貼付する。この際、粘着テープTの両端部分は、一対の連結穴70に嵌合した一対の外側片部63に貼付される。各外側片部63は、粘着テープTによって第1側壁50等に固定され、連結穴70に嵌合した状態に保持される。なお、手掛け穴74を開口させるために、手掛け片73には粘着テープTを貼り付けないことが好ましい。
【0093】
以上によって、蓋体3は、スタッキングトレイ2に覆い被せられ、且つスタッキングトレイ2に連結される。つまり、包装箱1が封緘された状態になる(
図1参照)。
【0094】
[包装箱の運搬]
包装箱1を運搬する際には、作業者は、一対の第1側壁50に一対の手掛け穴74を開口させる。具体的には、作業者は、各第1側壁50の一対の手掛け片73を外側から内側に押し込む。一対の手掛け片73が一対の手掛け折線71に沿って内側に折れ曲がり、外側片部63(連結穴70)の下側に略三角形状の手掛け穴74が開口する(
図13参照)。なお、一対の手掛け片73は、側面穴34に対向しているため、端壁体11に干渉することなく一対の手掛け折線71に沿って内側に折れ曲がる。作業者は、左右一対の手掛け穴74に手を入れ、連結片60が巻き付いた把持部48を把持して包装箱1を運搬する。この構成によれば、作業者は手掛け穴74に手を掛けることができるため、蓋体3を取り付けたスタッキングトレイ2を容易に運搬することができる。
【0095】
[包装箱の開封]
次に、
図13および
図14を参照して、包装箱1を開封する手順について説明する。
図13は蓋体3とスタッキングトレイ2との連結を解除した状態を示す斜視図である。
図14は蓋体3とスタッキングトレイ2との連結を解除した状態を示す断面図である。
【0096】
作業者は、各外側片部63の凸状部63Aに指(手)を掛け、各外側片部63を外側に引っ張る。すると、各外側片部63は、切断線66B(額縁部62との間の第2の折線66B)に沿って切断され、額縁部62から分離されて連結穴70から離脱する。これにより、スタッキングトレイ2と蓋体3との連結が解除される。
【0097】
次に、作業者は、連結穴70に残った額縁部62を外側から内側に押し込み、額縁部62を連結穴70から除去する。その後、作業者は、蓋体3を引き上げ、蓋体3からスタッキングトレイ2を相対的に引き出す。
【0098】
以上によって、包装箱1が開封され、スタッキングトレイ2に収容された内容物を取り出すことができる。
【0099】
以上説明した、本実施形態に係る蓋体3では、連結片60が端壁体11の内側から第2側壁51の外側に向かって貫通し、外側片部63が切断線66Bで折れて第2側壁51の外側にて連結穴70に嵌合する構成とした。また、外側片部63が切断線66Bに沿って切り取られることで、端壁体11と第1側壁50とを貫通した外側片部63が分断される構成とした。この構成によれば、外側片部63が蓋体3の外側に露出しているため、作業者は容易に外側片部63を連結穴70から外すことができる。これにより、内側片部61と外側片部63とによる把持部48(側面穴34の縁部)の挟持状態を解除することができ、蓋体3とスタッキングトレイ2との連結状態を簡単に解くことができる。つまり、蓋体3をスタッキングトレイ2から容易に分離することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る蓋体3によれば、凸状部63Aが額縁部62から刳り貫かれて相対的に突出するため、作業者は外側片部63を切断線66Bで切断する際に凸状部63Aに指(手)をかけることができる。これにより、外側片部63を額縁部62から分離する作業を容易に行うことができる。
【0101】
また、本実施形態に係る蓋体3では、粘着テープTの両端部分が一対の外側片部63に貼付されているため、額縁部62から分離した外側片部63は粘着テープTを介して蓋体3に接続された状態になる(
図14参照)。この構成によれば、外側片部63を額縁部62から分離しても、外側片部63が蓋体3から遊離したゴミになることを予防することができる。これにより、額縁部62から分離した外側片部63も蓋体3と一緒に廃棄することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る蓋体3によれば、手掛け穴74は連結穴70と一体化しているため、外側片部63を連結穴70に通す作業や外側片部63を切断線66Bに沿って切断する作業等を効率良く行うことができる。
【0103】
また、本実施形態に係る包装箱1では、スタッキングトレイ2には積層用の積層突起部46が設けられ、蓋体3にはスタッキングトレイ2の積層突起部46を逃すための逃し穴59が開口する構成とした。この構成によれば、スタッキングトレイ2に蓋体3を被せた場合に、積層突起部46が各フラップ53,54等に干渉することを防止することができる。これにより、適正に蓋体3をスタッキングトレイ2に被せることができ、連結片60を介して蓋体3をスタッキングトレイ2に固定することができる。
【0104】
なお、本実施形態に係る蓋体3(包装箱1)は、外側片部63を切断線66Bで切断して開封していたが、外側片部63を切断しないで開封することもできる。包装箱1の他の開封方法として、例えば、
図15に示すように、作業者は、粘着テープTの端部を外側片部63から引き剥がし、外側片部63を連結穴70から引き出した後、外側片部63を外側から内側に押し込む(
図15の太い矢印参照)。すると、外側片部63が連結穴70から除去され、スタッキングトレイ2と蓋体3との連結が解除される。次に、作業者は、蓋体3を引き上げて、スタッキングトレイ2を開放する。この構成によれば、外側片部63が蓋体3の外側に露出しているため、作業者は、容易に外側片部63を連結穴70から外すことができ、容易に外側片部63を蓋体3の外側から内側に押し込むことができる。これにより、蓋体3の外側での作業で蓋体3とスタッキングトレイ2との連結状態を簡単に解くことができるため、蓋体3をスタッキングトレイ2から容易に分離することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る蓋体3では、外側片部63が額縁部62を介して内側片部61に連設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図16に示すように、第1変形例に係る蓋体3として、額縁部62が省略され、外側片部63が、第2の折線66B(切断線66B)を介して内側片部61に連設されてもよい。この場合、凸状部63Aは、内側片部61(切目線67)に向かって突設されている。また、外側片部63は、切断線(第2の折線)66Bに沿って切断されることで、内側片部61から分離されて連結穴70から離脱する。この構成であっても、上記した蓋体3と同様の作用、効果を奏することができる。
【0106】
また、本実施形態(第1変形例を含む。)に係る蓋体3では、連結片60が、内フラップ53の一部を刳り貫いて形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図17に示すように、第2変形例に係る蓋体3として、連結片60は、内フラップ53の先端まで延設されてもよい。また、他にも、
図18に示すように、第3変形例に係る蓋体3として、連結片60が、内フラップ53の基端から延設されてもよい。この場合、第2蓋折線57の一部が、第1の折線65として兼用されてもよい。つまり、連結片60は、第1側壁50の上端部に対し直接的に第1の折線65を介して連設されてもよい。これらのように、連結片60は、少なくとも1つの内フラップ53の一部を切断して形成されていればよい。また、他にも、内フラップ53と連結片60とが、別々に第1側壁50の端部に連設されていてもよい(図示せず)。さらに、他にも、
図19に示すように、第4変形例に係る蓋体3として、内フラップ53が省略され、連結片60が直接的(または間接的)に第1側壁50に連設されてもよい。
【0107】
また、本実施形態(第1~第4変形例を含む。)に係る包装箱1は、身箱の一例としてスタッキングトレイ2を含んでいたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第5変形例に係る包装箱1として、身箱は、蓋体3を上下逆さまにしたような半A式の箱であってもよい(図示省略)。この場合であっても、身箱の側面には、蓋体3の連結穴70に連通する側面穴34が開口している。
【0108】
なお、本実施形態(第1~第5変形例を含む。以下同じ。)に係る蓋体3では、一対の連結片60が一対の内フラップ53に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。1つの一対の内フラップ53のうち少なくとも何れか一方に、連結片60が形成されていればよい。
【0109】
また、本実施形態に係る蓋体3では、外側片部63に凸状部63Aが形成され、連結穴70に凹状部70Aが形成されていたが、これに限らず、凸状部63Aや凹状部70Aは省略されてもよい(図示せず)。
【0110】
また、本実施形態に係る蓋体3では、一対の内フラップ53が、一対の第1側壁50に連設されていたが、本発明はこれに限定されない。内フラップ53は、少なくとも1つの第1側壁50の端部に連設されていればよい(図示せず)。また、内フラップ53は、少なくとも1つの第2側壁51の端部に連設されてもよい(図示せず)。また、一対の内フラップ53は、周壁3Wの上面開口の一部を閉じるように形成されていたが、これに限らず、周壁3Wの上面開口の全部を閉じるように形成されてもよい(図示せず)。
【0111】
また、本実施形態に係る蓋体3では、手掛け穴74が形成されていたが、これに限らず、手掛け穴74が不要であれば省略されてもよい(図示せず)。また、この蓋体3では、先端突き合せタイプの一対の外フラップ54が設けられていたが、これに限らず、例えば、先端同士を離間させるタイプの一対の外フラップ54でもよいし、1枚で周壁3Wの上面開口を覆うフルオーバータイプの外フラップ54でもよい(図示せず)。
【0112】
また、本実施形態に係る包装箱1(スタッキングトレイ2、蓋体3)は、紙製の両面段ボールで形成されていたが、これに限らず、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等の紙製段ボールシート、厚紙、または樹脂製の各種の段ボールシートで形成されていてもよい。
【0113】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る蓋体およびこれを備えた包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
1 包装箱
2 スタッキングトレイ(身箱)
3 蓋体
3W 周壁
10 底壁体(底壁)
11 端壁体(側壁)
15 積層穴
33 支持壁
34 側面穴
46 積層突起部
48 把持部(側面穴の縁部)
50 第1側壁(蓋側壁)
51 第2側壁(蓋側壁)
53 内フラップ(フラップ)
54 外フラップ
59 逃し穴
60 連結片
61 内側片部
62 額縁部
63 外側片部
63A 凸状部
65 第1の折線
66A,66B 第2の折線
66B 切断線
67 切目線
70 連結穴
74 手掛け穴
T 粘着テープ