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特許7189097出席状況管理システム、出席状況管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】出席状況管理システム、出席状況管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019134542
(22)【出願日】2019-07-22
(65)【公開番号】P2021018649
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】神尾 崇
(72)【発明者】
【氏名】北村 遼
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 巳知人
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽平
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-250830(JP,A)
【文献】特開2007-102344(JP,A)
【文献】特開2004-220130(JP,A)
【文献】特開2017-157147(JP,A)
【文献】特開2017-107492(JP,A)
【文献】特開2012-043389(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0213397(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109977850(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108766075(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108198262(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109934949(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109829997(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109615826(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエリアを有するように分けられた教室に設置されたカメラと、
前記カメラと通信可能に接続された情報処理装置と、を備え、
前記カメラは、
前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、
前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、
前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を前記授業中に複数回実行し、
前記情報処理装置は、
前記カメラから、前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信する受信部と、
前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒の前記カメラによる撮影回数をカウントする制御部と、
前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する送信部と、
を有する出席状況管理システム
【請求項2】
前記送信部は、前記登録顔画像データの生徒が前記カメラで撮影された時刻を前記端末装置に送信する、
請求項1に記載の出席状況管理システム
【請求項3】
前記送信部は、前記登録顔画像データに一致した前記顔画像データを前記端末装置に送信する、
請求項1または2に記載の出席状況管理システム
【請求項4】
前記授業は、一定期間の間に複数回行われ、
前記制御部は、前記登録顔画像データの生徒ごとにおいて、前記一定期間の間に行われる前記授業の出席回数をカウントする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の出席状況管理システム
【請求項5】
前記送信部は、前記登録顔画像データに一致しない顔画像データを前記端末装置に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の出席状況管理システム
【請求項6】
前記制御部は、前記端末装置からの指示に応じて、前記授業における前記生徒の出席を確定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の出席状況管理システム
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記カメラが前記シーケンス処理を行う間隔時間を前記カメラの識別情報と紐づけた情報として記憶し、
前記カメラは、前記情報を用いて、前記間隔時間ごとに前記複数のエリアの一巡を撮影する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の出席状況管理システム。
【請求項8】
前記複数のエリアは、前記生徒が座り得るすべての座席が含まれるように設定される、
請求項1に記載の出席状況管理システム。
【請求項9】
前記カメラは、前記複数のエリアのうちいずれかのエリアを撮影する際、第1の時間が経過すると前記複数のエリアのうち前記いずれかのエリアとは異なる他のエリアを撮影する、
請求項1に記載の出席状況管理システム。
【請求項10】
複数のエリアを有するように分けられた教室に設置されたカメラと、前記カメラと通信可能に接続された情報処理装置とにより行われる出席状況管理方法であって、
前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、
前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、
前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を前記授業中に複数回実行し、
前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信し、
前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒の前記カメラによる撮影回数をカウントし、
前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する、
出席状況管理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
複数のエリアを有するように分けられた教室の前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、
前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、
前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を前記授業中に複数回実行し、
前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信し、
前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒のカメラによる撮影回数をカウントし、
前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、出席状況管理システム、出席状況管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、教育機関における生徒の出欠管理を、不正行為を確実に防ぎつつ、最小限の設備投資で、教師と生徒の余分な操作負担なしに実現する出欠管理方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-95017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大学の授業等では、出席カードの記載によって生徒の出席を管理する場合がある。この場合、生徒は、例えば、出席カードを記載して、授業の途中にエスケープする場合がある。そのため、教師が授業中における生徒の出席状況を把握できる技術が求められている。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、教師が授業における生徒の出席状況を把握できる出席状況管理システム、出席状況管理方法、およびプログラムの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る出席状況管理システムは、複数のエリアを有するように分けられた教室に設置されたカメラと、前記カメラと通信可能に接続された情報処理装置と、を備え、前記カメラは、前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を前記授業中に複数回実行し、前記情報処理装置は、前記カメラから、前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信する受信部と、前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒の前記カメラによる撮影回数をカウントする制御部と、前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する送信部と、を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る出席状況管理方法は、複数のエリアを有するように分けられた教室に設置されたカメラと、前記カメラと通信可能に接続された情報処理装置とにより行われる出席状況管理方法であって、前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を複数回実行し、前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信し、前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒の前記カメラによる撮影回数をカウントし、前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数のエリアを有するように分けられた教室の前記複数のエリアのそれぞれを順に撮影し、前記エリア内で授業を受講している生徒の顔を検出し、前記複数のエリアの一巡を撮影する処理であるシーケンス処理を前記授業中に複数回実行し、前記生徒の顔画像データを、前記授業の間に複数回受信し、前記顔画像データと、前記生徒の登録顔画像データとを照合して、前記授業の間における、前記登録顔画像データの生徒のカメラによる撮影回数をカウントし、前記授業を行う教師が利用する端末装置に前記撮影回数を送信する、処理を実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、教師は授業中における生徒の出席状況を把握することができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る出席状況管理システムの一例を示した図
図2】カメラのブロック構成例を示した図
図3】情報処理装置のブロック構成例を示した図
図4】端末装置のブロック構成例を示した図
図5】カメラの撮影エリア例を説明する図
図6】情報処理装置の記憶部に記憶されるテーブル例を示した図
図7】情報処理装置の記憶部に記憶されるテーブル例を示した図
図8】端末装置の表示装置に表示される画面例を示した図
図9】出席状況管理システムの動作例を示したシーケンス図
図10】端末装置の表示装置に表示される画面例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0014】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
図1は、実施の形態に係る出席状況管理システムの一例を示した図である。図1に示すように、出席状況管理システムは、カメラ1と、情報処理装置2と、端末装置3と、を有している。カメラ1、情報処理装置2、および端末装置3は、例えば、LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワーク4を介して接続されている。図1には、出席状況管理システムの他に、教室A1の平面図が示してある。
【0016】
カメラ1は、教室A1において授業を受ける生徒の顔を撮影できる位置に設置される。例えば、カメラ1は、教室A1の前方天井に設置される。教室A1の前方とは、例えば、教師が立って授業をする側であり、または、黒板が設置されている側である。カメラ1は、例えば、PTZ(パンチルトズーム)カメラであってもよい。カメラ1は、教室A1において授業を受けている生徒の顔を撮影し、撮影した生徒の顔画像データを情報処理装置2に送信する。
【0017】
情報処理装置2は、例えば、サーバである。情報処理装置2は、複数のサーバによって構成されてもよい。情報処理装置2は、教室A1の建物と同じ建物に設置されてもよいし、別の建物に設置されてもよい。
【0018】
情報処理装置2には、教室A1において授業を受ける生徒の登録顔画像データが予め記憶されている。情報処理装置2は、予め記憶している登録顔画像データと、カメラ1が撮影した生徒の顔画像データとを照合し、教室A1で授業を受ける生徒の出席状況を管理する。出席状況には、例えば、登録顔画像データの生徒が、カメラ1で撮影された時刻と、1回の授業の間に、カメラ1で撮影された撮影回数等が含まれる。
【0019】
端末装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、およびスマートフォン等である。端末装置3は、例えば、教室A1において授業を行う教師によって利用される。
【0020】
端末装置3は、情報処理装置2から、教室A1で授業を受ける生徒の出席状況の情報を受信する。端末装置3は、情報処理装置2から受信した情報を表示装置に表示する。例えば、端末装置3は、登録顔画像データの生徒がカメラ1で撮影された時刻および撮影回数等を表示装置に表示する(例えば、図8を参照)。これにより、教師は、リアルタイムで生徒が授業を受けているか否かを判断できる。
【0021】
なお、教室A1に設置されるカメラは、2以上であってもよい。また、カメラ1には、教室A1に既に設置されている監視カメラが用いられてもよい。例えば、カメラ1には、教室A1内の映像を録画する録画システムの一部として、既に教室A1に設置されている監視カメラが用いられてもよい。この場合、監視カメラの出力は、録画システムと情報処理装置2とに分岐されてもよい。
【0022】
また、教室は、複数あってもよい。複数の教室の各々には、授業を受ける生徒の顔を撮影するカメラが1以上設置される。複数の教室に設置されたカメラは、情報処理装置2に接続される。複数の教室の各々には、授業を行う教師が利用する端末装置が配置される。
【0023】
以下では、顔画像データを顔データと呼ぶことがある。また、登録顔画像データを登録顔データと呼ぶことがある。
【0024】
図2は、カメラ1のブロック構成例を示した図である。図2に示すように、カメラ1は、撮像部11と、制御部12と、通信部13と、記憶部14と、を有している。
【0025】
撮像部11は、例えば、レンズおよび撮像素子(図示せず)を有している。撮像部11のレンズは、撮像素子の受光面に被写体の像を結像する。撮像部11は、撮像素子の受光面において受けた光に応じた電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部12に出力する。撮像部11は、制御部12の制御に応じて、パンおよびチルト方向に可動し、また、焦点距離を変える。
【0026】
制御部12は、カメラ1全体を制御する。制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processer)によって構成されてもよい。制御部12は、撮像部11から出力される映像に含まれる人の顔を検出する。制御部12は、検出した人の顔を切り出し、切り出した顔の顔データ(静止画像)を、通信部13を介して情報処理装置2に送信する。
【0027】
通信部13は、情報処理装置2と通信する。通信部13は、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル等のネットワークケーブル(有線)を介して、情報処理装置2と通信してもよい。また、通信部13は、例えば、Wi-Fi(登録商標)またはブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を介して、情報処理装置2と通信してもよい。
【0028】
記憶部14は、制御部12が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部14には、制御部12が計算処理を行うためのデータ、または、制御部12が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置によって構成されてもよい。
【0029】
図3は、情報処理装置2のブロック構成例を示した図である。図3に示すように、情報処理装置2は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を有している。
【0030】
制御部21は、情報処理装置2全体を制御する。制御部21は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
【0031】
通信部22は、カメラ1および端末装置3と通信する。通信部22は、例えば、イーサネットケーブル等のネットワークケーブルを介して、カメラ1および端末装置3と通信してもよい。また、通信部22は、例えば、Wi-Fiまたはブルートゥース等の近距離無線通信を介して、カメラ1および端末装置3と通信してもよい。
【0032】
記憶部23は、制御部21が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部23には、制御部21が計算処理を行うためのデータ、または、制御部21が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部23は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0033】
図4は、端末装置3のブロック構成例を示した図である。図4に示すように、端末装置3は、制御部31と、入力部32と、表示部33と、通信部34と、記憶部35と、を有している。
【0034】
制御部31は、端末装置3全体を制御する。制御部31は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
【0035】
入力部32は、例えば、キーボード、表示装置の画面上に重畳されたタッチパネル、またはマウス等の入力装置(図示せず)に接続されている。入力部32は、入力装置から出力された、ユーザの操作に応じた信号を受信し、制御部31に出力する。
【0036】
表示部33は、端末装置3が備える表示装置(図示せず)に接続されている。表示部33は、制御部31から出力される画像データを表示装置に出力する。
【0037】
通信部34は、情報処理装置2と通信する。通信部34は、例えば、イーサネットケーブル等のネットワークケーブルを介して、情報処理装置2と通信してもよい。また、通信部34は、例えば、Wi-Fiまたはブルートゥース等の近距離無線通信を介して、情報処理装置2と通信してもよい。
【0038】
記憶部35は、制御部31が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部35には、制御部31が計算処理を行うためのデータ、または、制御部31が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部35は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0039】
図5は、カメラ1の撮影エリア例を説明する図である。図5には、図1に示した教室A1およびカメラ1が示してある。図5に示す教室A1の机の配置およびカメラ1の配置等は、図1の例と異なっている。
【0040】
カメラ1は、教室A1内を3つのエリアA11~A13に分けて撮影する。例えば、カメラ1は、撮像部11をパン方向に動かし、エリアA11~A13を撮影する。
【0041】
3つのエリアA11~A13は、生徒が座り得るすべての座席が含まれるように設定される。例えば、エリアA11には、座席列A21,A22が含まれる。エリアA12には、座席列A23が含まれる。エリアA13には、座席列A24,A25が含まれる。これにより、1台のカメラ1で、教室A1で授業を受ける生徒の顔を撮影できる。
【0042】
カメラ1は、エリアA11~A13の各々を、順に撮影する。例えば、カメラ1は、エリアA11を撮影するように撮像部11を動かし、60秒間固定する。カメラ1は、撮像部11を固定している間、エリアA11に居る生徒の顔を検出し、検出した顔の顔データを情報処理装置2に送信する。
【0043】
カメラ1は、エリアA11に居る生徒の顔データを情報処理装置2に送信すると、エリアA12を撮影するように撮像部11を動かし、60秒間固定する。カメラ1は、撮像部11を固定している間、エリアA12に居る生徒の顔を検出し、検出した顔の顔データを情報処理装置2に送信する。
【0044】
カメラ1は、エリアA12に居る生徒の顔データを情報処理装置2に送信すると、エリアA13を撮影するように撮像部11を動かし、60秒間固定する。カメラ1は、撮像部11を固定している間、エリアA13に居る生徒の顔を検出し、検出した顔の顔データを情報処理装置2に送信する。
【0045】
カメラ1が、エリアA11、エリアA12、およびエリアA13の一巡を撮影する処理を、1シーケンスと呼ぶ。カメラ1は、1回の授業の間に、1シーケンスの処理を複数回実施する。例えば、カメラ1は、1回の授業の間に、1シーケンスの処理を3回実行する。言い換えれば、カメラ1は、1回の授業の間に、教室A1内に居る生徒の顔を3回検出する。
【0046】
なお、エリアの数は、3つに限られない。エリアの数は、4以上であってもよいし、2以下であってもよい。また、1回の授業における1シーケンスの処理の回数は、3回に限られない。1回の授業における1シーケンスの処理の回数は、4以上であってもよいし、2以下であってもよい。
【0047】
また、カメラ1は、教室A1内をパン方向だけでなく、撮影方向の奥行きにおいてもエリアを分け、教室A1内を撮影してもよい。例えば、カメラ1は、撮像部11をチルト方向に動かし、また、撮像部11のレンズのズームを制御して、教室A1内を撮影してもよい。
【0048】
図6は、情報処理装置2の記憶部23に記憶されるテーブル例を示した図である。図6に示すテーブルTB1は、例えば、学期の初めまたは授業編成が行われたとき等に記憶部23に記憶される。
【0049】
テーブルTB1は、端末装置3または端末装置3とは別の端末装置によって作成され、情報処理装置2の記憶部23に記憶されてもよい。また、テーブルTB1の情報は、例えば、端末装置3または別の端末装置によって追加、変更、または削除されてもよい。別の端末装置は、例えば、授業を提供する学校の関係者によって操作される端末装置である。
【0050】
図6に示すように、テーブルTB1は、生徒情報と、授業情報と、を有する。生徒情報は、授業を受ける生徒の登録顔データと、氏名と、を有する。授業情報は、生徒が受ける授業の曜日および時間と、授業が行われる教室の教室名と、を有する。
【0051】
例えば、図6の例では、テーブルTB1には、氏名AAAAと、氏名AAAAの登録顔データとが登録されている。氏名AAAAの生徒は月曜日、9:00から10:30まで、東棟A教室で授業を受ける。
【0052】
図7は、情報処理装置2の記憶部23に記憶されるテーブル例を示した図である。図7に示すテーブルTB2は、例えば、カメラが教室に設置されるときに記憶される。
【0053】
テーブルTB2は、端末装置3とは別の端末装置によって作成され、情報処理装置2の記憶部23に記憶されてもよい。また、テーブルTB2の情報は、例えば、端末装置3とは別の端末装置によって追加、変更、または削除されてもよい。別の端末装置は、例えば、出席状況管理システムを保守または管理するオペレータによって操作される端末装置である。
【0054】
図7に示すように、テーブルTB2は、カメラ識別情報と、設置情報と、エリア設定情報と、を有する。カメラ識別情報は、教室に設置されたカメラを識別する識別情報である。以下では、教室A1に設置されたカメラ1のカメラ識別情報を「Camera10」とする。
【0055】
設置情報は、カメラの設置場所を示す情報である。設置情報は、例えば、カメラが設置された教室名であってもよい。例えば、図7の例では、カメラ識別情報「Camera10」のカメラ1は、東棟A教室に設置されている。なお、カメラ1は、図1に示した教室A1に設置されている。従って、図1の教室A1の教室名は、東棟A教室である。
【0056】
エリア設定情報は、カメラが撮影するエリアに関する情報であり、カメラのPTZ情報と、間隔時間とを含む。間隔時間は、1シーケンスが行われる間隔時間である。
【0057】
例えば、図7の例では、カメラ識別情報「Camera10」のカメラ1は、3つのエリアA,B,C(図5のエリアA11,A12,A13に相当)が設定されている。カメラ1がエリアAを撮影するためのPTZ情報は、「x1」、「y2」、および「z3」である。1シーケンスの撮影は、x時間間隔で行われる。
【0058】
情報処理装置2は、テーブルTB2を参照し、テーブルTB2に記憶されているエリア設定情報を用いて、カメラ1のPTZを制御する。例えば、情報処理装置2は、カメラ1にエリアAを撮影させる場合、「x1」、「y2」、および「z3」のPTZ情報をカメラ1に送信する。カメラ1は、受信したPTZ情報に基づいて、エリアAを撮影する。
【0059】
図8は、端末装置3の表示装置に表示される画面例を示した図である。図8に示すように、端末装置3の表示装置には、授業日時を入力する画像41が表示される。教師は、授業を開始する前に、授業の開始日時および終了日時を入力する。
【0060】
端末装置3の表示装置には、授業を行う教室名を入力する画像42が表示される。教師は、授業を開始する前に、授業を行う教室A1の教室名を入力する。
【0061】
端末装置3の表示装置には、授業の出席状況管理を開始するためのボタン43aと、終了するためのボタン43bとが表示される。教師は、ボタン43aを押下することによって、出席状況管理システムによる生徒の出席状況管理を開始できる。また、教師は、ボタン43bを押下することによって、出席状況管理システムによる生徒の出席状況管理を終了できる。
【0062】
端末装置3は、ボタン43aの押下によって、出席状況管理の開始操作が行われると、出席状況管理の開始を示す開始情報を情報処理装置2に送信する。端末装置3は、開始情報とともに、画像41において入力された授業の開始日時および終了日時を情報処理装置2に送信する。また、端末装置3は、開始情報とともに、画像42において入力された教室名を情報処理装置2に送信する。
【0063】
情報処理装置2は、端末装置3から送信された出席状況管理の開始情報を受信すると、開始情報とともに受信した教室名、開始日時、および終了日時に基づいて、図6に示したテーブルTB1を参照する。情報処理装置2は、テーブルTB1から、端末装置3から受信した教室名、開始日時、および終了日時にて行われる授業を受ける生徒の顔データ(登録顔データ)と、氏名とを取得する。
【0064】
また、情報処理装置2は、端末装置3から送信された出席状況管理の開始情報を受信すると、開始情報とともに受信した教室名に基づいて、図7に示したテーブルTB2を参照する。情報処理装置2は、テーブルTB2から、端末装置3から受信した教室名の教室に設置されているカメラのカメラ識別情報と、エリア設定情報とを取得する。
【0065】
情報処理装置2は、テーブルTB1から取得した生徒の登録顔データおよび氏名と、テーブルTB2から取得したカメラ識別情報とを端末装置3に送信する。
【0066】
端末装置3は、情報処理装置2から送信された生徒の登録顔データおよび氏名と、カメラ識別情報とを受信すると、図8の画像44,45に示すように、受信した生徒の登録顔データの画像と、氏名とを表示装置に表示する。また、端末装置3は、図8の画像46に示すように、教室に設置されているカメラのカメラ識別情報を表示装置に表示する。
【0067】
このように、端末装置3の表示装置には、教室において授業を受ける生徒の顔画像と氏名とが表示される。これにより、教室で授業を行う教師は、教室で授業を受ける生徒の顔と氏名とを把握できる。
【0068】
以下では、情報処理装置2は、図7に示したテーブルTB2から、教室名「東棟A教室」に設置されているカメラ1のカメラ識別情報「Camera10」と、エリア設定情報とを取得したとする。
【0069】
情報処理装置2は、上記したように、テーブルTB1,TB2から取得した生徒の登録顔データおよび氏名と、カメラ識別情報「Camera10」とを端末装置3に送信する。その一方で、情報処理装置2は、テーブルTB2から取得したカメラ識別情報「Camera10」と、カメラ識別情報「Camera10」に対応するエリア設定情報とに基づいて、カメラ識別情報「Camera10」のカメラ1を制御する。すなわち、情報処理装置2は、テーブルTB2のエリア設定情報で設定されたエリアA~Cを撮影するように、カメラ1を制御する。
【0070】
カメラ1は、情報処理装置2の制御に応じて、教室A1内の生徒の顔を撮影する。例えば、カメラ1は、エリア設定情報の間隔時間ごとに、撮影するエリアをエリアA,B,Cと一巡させ、生徒の顔を撮影する。カメラ1は、撮影した生徒の顔データを情報処理装置2に送信する。
【0071】
情報処理装置2は、カメラ1から送信される顔データと、テーブルTB1を参照して取得した登録顔データとを照合する。言い換えれば、情報処理装置2は、カメラ1から送信される顔データと、端末装置3に送信した登録顔データとを照合する。
【0072】
情報処理装置2は、カメラ1から送信される顔データと、登録顔データとが一致した場合、一致したことを示す一致情報と、登録顔データに一致した顔データとを端末装置3に送信する。また、情報処理装置2は、登録顔データに一致した顔データの生徒がカメラ1で撮影された時刻と、授業が始まってから顔データと登録顔データとが一致した回数(撮影回数)とを端末装置3に送信する。
【0073】
端末装置3は、情報処理装置2から送信された顔データを受信すると、画像47に示すように、顔データの画像を表示装置に表示する。また、端末装置3は、情報処理装置2から送信された時刻を受信すると、画像48に示すように、時刻を表示装置に表示する。また、端末装置3は、情報処理装置2から送信された回数を受信すると、画像49に示すように、登録顔データと顔データとが一致した回数を表示する。
【0074】
なお、端末装置3は、例えば、図8に示す「回数」のボタン押下に応じて、画像49に示す回数を昇順または降順に表示してもよい。端末装置3は、回数の昇順または降順の並び替えに基づいて、図8に示す「カテゴリ」、「日時」、「カメラ」、「検索顔画像」、「登録人物」、「氏名」、および「累積回数」のボタンの下に表示されている情報を並び替える。また、端末装置3は、同様に、その他のボタンの押下に応じて、情報を並び変えてもよい。
【0075】
端末装置3は、画像50に示すように、一定期間の間に複数回行われる授業の出席回数を累積した累積回数を表示する。累積回数は、例えば、一学期の間に複数回(図8の例の場合、15回)行われる授業のうち、これまでに授業に出席した生徒の出席回数を示す。
【0076】
端末装置3は、画像51に示すように、画像49の回数に応じた情報を、表示装置に表示する。例えば、端末装置3は、画像49の回数に応じた色を、画像51に表示する。より具体的には、端末装置3は、画像49の回数が「0」の生徒においては、赤色の丸を表示する。端末装置3は、画像49の回数が「1」の生徒においては、黄色の丸を表示する。端末装置3は、画像49の回数が「2」以上の生徒においては、青色の丸を表示する。
【0077】
これにより、教師は、端末装置3の表示装置の画像51によって、生徒の出席状況を容易に把握できる。例えば、教師は、赤色の丸が表示された生徒は欠席している可能性が高いと把握できる。例えば、教師は、黄色の丸が表示された生徒は授業を途中、エスケープした可能性が高いと把握できる。例えば、教師は、青色の丸が表示された生徒は授業を始めから出席している可能性が高いと把握できる。
【0078】
端末装置3は、画像51の情報(色のついた丸の画像)に対応して、ボタン52を表示する。端末装置3は、ボタン52が押下されると、画像49の回数を1インクリメントする。端末装置3は、画像49の回数の変更により、画像51の情報も変更する。
【0079】
なお、教師は、例えば、生徒が一時的に教室A1を出て、戻ってきたことを確認した場合、ボタン52を押下してもよい。また、生徒が、例えば、下を向いていた場合、カメラ1は、顔データを取得できない場合がある。この場合、教師は、下を向いていた生徒に対応するボタン52を押下してもよい。
【0080】
端末装置3は、生徒の授業の出欠を確定するためのボタン53を表示する。ボタン53は、例えば、授業が終了した後に、教師によって押下される。端末装置3は、ボタン53が押下されると、確定情報を情報処理装置2に送信する。
【0081】
情報処理装置2は、端末装置3から確定情報を受信すると、生徒の出欠を確定する。例えば、情報処理装置2は、画像51が青色および黄色の生徒は、画像41,42の教室名、開始日時、および終了日時の授業に出席したと判定し、その授業に出席したことを示す出席情報を記憶部23に記憶する。また、情報処理装置2は、画像51が赤色の生徒は、教室名、開始日時、および終了日時の授業を欠席したと判定し、その授業に欠席したことを示す欠席情報を記憶部23に記憶する。
【0082】
情報処理装置2は、一定期間の間に複数回行われる授業の出席回数を累積した累積回数を記憶部23に記憶している。情報処理装置2は、画像41,42の教室名、開始日時、および終了日時の授業に出席したと判定した生徒の累積回数を1インクリメントする。なお、情報処理装置2は、端末装置3から送信される出席状況管理の開始情報を受信すると、累積回数を端末装置3に送信する。端末装置3は、情報処理装置2から送信された累積回数に基づいて、画像50を表示する。
【0083】
図6および図7では、テーブルTB1,TB2は、情報処理装置2の記憶部23に記憶されるとしたが、これに限られない。テーブルTB1,TB2の両方または一方は、情報処理装置2とは別体のデータベースに記憶されてもよい。以下では、テーブルTB1,TB2は、登録DB(DB:データベース)に記憶されるとする。登録DBは、例えば、情報処理装置2の一部と捉えてもよい。
【0084】
図9は、出席状況管理システムの動作例を示したシーケンス図である。以下では、登録DBには、図7に示したテーブルTB2が既に記憶されているとする。
【0085】
端末装置3の制御部31は、教師または学校関係者の操作に応じて、情報処理装置2を介して登録DBに対し、授業の受講予定者の顔登録を行う(ステップS1,S2)。例えば、端末装置3の制御部31は、図6で説明した生徒情報および授業情報を、情報処理装置2を介して登録DBに登録する。なお、顔登録は、例えば、学期の始め等において、1回登録されればよい。
【0086】
端末装置3の制御部31は、教師から、授業開始操作を受付ける。例えば、端末装置3の制御部31は、図8に示した画像41において、授業の開始日時および終了日時を受付ける。また、端末装置3の制御部31は、図8に示した画像42において、授業を行う教室の教室名を受付ける。そして、端末装置3の制御部31は、図8に示したボタン43aの押下を受付ける。
【0087】
端末装置3の制御部31は、ボタン43aの押下を受付けると、出席状況管理の開始情報と、画像41にて入力された授業の開始日時および終了日時と、画像42にて入力された教室名とを情報処理装置2に送信する(ステップS3)。
【0088】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS3にて送信された開始情報を受信すると、登録DBおよび記憶部23を参照し、各種情報を取得する(ステップS4)。
【0089】
例えば、情報処理装置2の制御部21は、登録DBのテーブルTB1を参照し、ステップS3にて送信された開始日時、終了日時、および教室名に対応する生徒情報(登録顔データおよび氏名)を取得する。また、情報処理装置2の制御部21は、登録DBのテーブルTB2を参照し、ステップS3にて送信された教室名に対応するカメラ識別情報と、エリア設定情報とを取得する。また、情報処理装置2の制御部21は、記憶部23を参照し、テーブルTB1から取得した生徒情報の生徒の累積回数を取得する。
【0090】
以下では、情報処理装置2の制御部21は、テーブルTB2から、教室A1に設置されたカメラ1のカメラ識別情報「Camara10」を取得したとする。
【0091】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得した各種情報を端末装置3に送信する(ステップS5)。例えば、情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得した生徒情報と、カメラ識別情報と、累積回数とを端末装置3に送信する。これにより、端末装置3の制御部31は、図8の画像44、画像45、画像46、および画像50に示したように、授業を受講する生徒の顔画像と、氏名と、カメラ識別情報と、累積回数とを表示装置に表示する。
【0092】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得したカメラ識別情報「Camara10」のカメラ1に対し、PTZ指示を送信する(ステップS6)。例えば、情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得したエリア設定情報に含まれる各エリアのPTZ情報をカメラ1に送信する。
【0093】
カメラ1の制御部12は、情報処理装置2から送信されたPTZ情報に基づいて、教室A1内の或るエリアを撮影する。カメラ1の制御部12は、撮影した画像の中から、人の顔画像を切り出し、切り出した顔画像の顔データを情報処理装置2に送信する(ステップS7)。
【0094】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS7にて受信した顔データと、ステップS4にて取得した登録顔データとを照合する(ステップS8)。すなわち、情報処理装置2の制御部21は、ステップS3にて受信した教室名に設置されたカメラ1の顔データと、ステップS3にて受信した教室名で行われている授業に出席すべき生徒の登録顔データとを照合する。
【0095】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS7にて受信した顔データと、ステップS4にて取得した登録顔データとが一致した場合、一致したことを示す一致情報(OK情報)を端末装置3に送信する(ステップS9)。このとき、情報処理装置2の制御部21は、登録顔データに一致した顔データ(カメラ1が撮影した顔画像の顔データ)を端末装置3に送信する。また、情報処理装置2の制御部21は、登録顔データに一致した顔データがカメラ1で撮影された時刻を端末装置3に送信する。また、情報処理装置2の制御部21は、ステップS3にて送信された出席状況管理の開始情報を受信してから、顔データと登録顔データとが一致した回数を端末装置3に送信する。これにより、端末装置3の制御部31は、図8の画像47、画像48、画像49、および画像51に示したように、カメラ1によって撮影された顔画像と、その顔画像が撮影された時刻と、顔データが登録顔データに一致した回数と、回数に応じた情報とを表示装置に表示する。
【0096】
情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得したエリア設定情報に含まれる時間間隔(図7を参照)に基づいて、上記のステップS6~S9の処理を繰り返す。例えば、情報処理装置2の制御部21は、ステップS4にて取得したエリア設定情報に含まれる時間間隔の時間が経過すると、ステップS10~S13の処理を実行する。ステップS10~S13の処理は、ステップS6~S9と同様であり、その説明を省略する。
【0097】
端末装置3の制御部31は、授業を終えた教師から、集計操作を受付ける。端末装置3の制御部31は、例えば、図8のボタン53の押下を受付ける。端末装置3の制御部31は、集計操作を受付けると、確定情報を情報処理装置2に送信する(ステップS14)。情報処理装置2は、端末装置3から送信された確定情報に応じて、生徒の出欠情報を確定し、記憶部23に記憶する。出欠情報には、例えば、図8で説明したように、各授業における生徒の出席情報および欠席情報が含まれる。また、出欠情報には、累積回数が含まれる。
【0098】
以上説明したように、情報処理装置2の通信部22は、教室A1に設置されたカメラ1から、教室A1で授業を受講している生徒の顔画像データを、1回の授業の間に複数回受信する。制御部21は、カメラ1から受信した顔画像データと、生徒の登録顔画像データとを照合して、1回の授業の間における、登録顔画像データの生徒のカメラによる撮影回数をカウントする。通信部22は、授業を行う教師が利用する端末装置3に撮影回数を送信する。これにより、教師は、端末装置3によって、授業中における生徒の出席状況を把握することができる。例えば、教師は、生徒が授業の途中にエスケープしたことなどを把握できる。
【0099】
(変形例1)
情報処理装置2の制御部21は、登録顔データに一致しなかった顔データを記憶部23または登録DBに記憶してもよい。登録顔データに一致しなかった顔データの人物は、授業を受講できる資格のない人物と捉えることができる。
【0100】
情報処理装置2の制御部21は、登録顔データに一致しなかった顔データを、端末装置3の要求に応じて、端末装置3に送信してもよい。端末装置3は、登録顔データに一致しなかった顔データの画像を表示装置に表示してもよい。
【0101】
図10は、端末装置3の表示装置に表示される画面例を示した図である。端末装置3は、図10の画像71に示す「未登録者」のタブが押下されると、情報処理装置2に対し、登録顔データに一致しなかった顔データの送信要求(未登録者要求)を行う。
【0102】
情報処理装置2は、端末装置3から未登録者要求を受信すると、記憶部23または登録DBに記憶していた未登録者の顔データを端末装置3に送信する。端末装置3は、情報処理装置2から未登録者の顔データを受信すると、図10の画像72に示すように、未登録者の顔画像を表示装置に表示する。
【0103】
端末装置3は、未登録者の顔画像を表示装置に表示した場合、画像73に示すように、表示装置に表示された顔画像は未登録者であることを示す情報を表示装置に表示してもよい。例えば、端末装置3は、表示装置に白い丸を表示してもよい。
【0104】
以上説明したように、端末装置3は、未登録者の顔画像を表示装置に表示する。これにより、教師は、受講資格のない人物が教室に紛れ込んでいることを把握できる。
【0105】
なお、未登録者の顔画像に、授業を受講できる資格を有する生徒の顔画像が含まれている場合、端末装置3は、教師の操作に応じて、授業を受講できる資格を有する生徒の顔データを、情報処理装置2に登録できる。例えば、教師は、図10の画像72に表示されている顔データを、画像74に示す四角の枠内にドラッグする。端末装置3は、画像74にドラッグされた顔データを、情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、端末装置3から送信された顔データをテーブルTB1に記憶する。
【0106】
これにより、教師は、例えば、登録が漏れていた生徒の顔データをテーブルTB1に記憶できる。
【0107】
(変形例2)
情報処理装置2は、上記したように、顔データと登録顔データとが一致した回数を記憶部23に記憶している。情報処理装置2は、顔データと登録顔データとが一致すると、記憶部23に記憶している回数を1インクリメントする。このとき、情報処理装置2は、インクリメントする「1」に重み付けを付与してから、回数をインクリメントしてもよい。
【0108】
例えば、1回目の照合のときにカウントする回数と、最後の照合のときにカウントする回数との一方または両方の重み付けを、他の照合のときにカウントする回数より大きくしてもよい。情報処理装置2は、1回の授業における回数の累積値に基づいて、生徒の出欠を判定してもよい。
【0109】
授業の始めと終わりに教室に居た生徒は、授業を始めから最後まで受けていた可能性が高い。情報処理装置2は、1回目の照合のときにカウントする回数と、最後の照合のときにカウントする回数との一方または両方の重み付けを、他の照合のときにカウントする回数より大きくし、生徒の出欠を判定することにより、生徒の授業の出欠をより適切に判定できる。
【0110】
(変形例3)
情報処理装置2は、教室A1の座席位置と、座席に座っている生徒の成績とを収集し、教室A1の座席と、生徒の成績との相関関係を解析してもよい。これにより、例えば、学校は、情報処理装置2が算出した相関関係を用いて、生徒の成績向上を図ることができる。
【0111】
また、情報処理装置2は、授業ごとにおいて、生徒の出席率を算出してもよい。これにより、学校は、教師の人気度等を把握することができる。
【0112】
(変形例4)
上記では、出席状況管理システムは、授業の出欠を管理するとしたが、これに限られない。出席状況管理システムは、例えば、映画館、コンサート、新幹線、飛行機等の座席管理に適用できる。
【0113】
例えば、カメラは、座席に座る人の顔を撮影するように設置される。情報処理装置2は、座席と、その座席に座ることができる人の情報(例えば、登録顔データ)とを対応付けて記憶する。情報処理装置2は、カメラから受信した顔データと、登録顔データとを照合して、適切な人が適切な席に座っているか否かを判定する。これにより、例えば、座席の検札が簡素化される。
【0114】
また、出席状況管理システムは、講演等の出欠管理または座席管理にも適用できる。
【0115】
(変形例5)
上記では、情報処理装置2が、授業の間における、登録顔データの生徒のカメラ1による撮影回数をカウントするとしたが、これに限られない。カメラ1による撮影回数のカウントは、端末装置3によって実行されてもよい。
【0116】
例えば、図9のステップS9,S13において、情報処理装置2は、一致情報(出席OK)を端末装置3に送信する。端末装置3は、カメラ1による撮影回数を管理しており、情報処理装置2から一致情報を受信すると、登録顔データの生徒のカメラ1による撮影回数をカウント(1インクリメント)する。
【0117】
なお、端末装置3が撮影回数をカウントする場合、情報処理装置2は、図9のステップS9,S13にて、登録顔データの生徒のカメラ1による撮影回数を端末装置3に送信しなくてもよい。
【0118】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0119】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0120】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0121】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGAや、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0122】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は、カメラを用いた授業の出席状況管理に有用である。
【符号の説明】
【0124】
1 カメラ
2 情報処理装置
3 端末装置
4 ネットワーク
A1 教室
A11,A12,A13 エリア
TB1,TB2 テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10