IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ CKD株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電磁弁マニホールド 図1
  • 特許-電磁弁マニホールド 図2
  • 特許-電磁弁マニホールド 図3
  • 特許-電磁弁マニホールド 図4
  • 特許-電磁弁マニホールド 図5
  • 特許-電磁弁マニホールド 図6
  • 特許-電磁弁マニホールド 図7
  • 特許-電磁弁マニホールド 図8
  • 特許-電磁弁マニホールド 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20221206BHJP
   F16K 11/07 20060101ALI20221206BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20221206BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20221206BHJP
   F16K 31/122 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
F16K37/00 J
F16K11/07 M
F16K27/00 D
F16K31/06
F16K31/122
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019219460
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021089028
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特許第4072756(JP,B2)
【文献】特開2004-036862(JP,A)
【文献】特開2002-213632(JP,A)
【文献】実開昭57-144659(JP,U)
【文献】国際公開第2018/164669(WO,A1)
【文献】特開平10-169818(JP,A)
【文献】特開平09-184600(JP,A)
【文献】特開平11-294631(JP,A)
【文献】実開昭60-069874(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00 - 11/24
F16K 27/00 - 27/12
F16K 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブケーシングと、
前記バルブケーシングに形成された弁孔と、
前記弁孔に往復動可能に収容されるスプール弁と、
前記バルブケーシングに形成されるとともに前記弁孔にそれぞれ連通する供給ポート、第1出力ポート、第2出力ポート、及び排出ポートと、を有する電磁弁と、
前記スプール弁の動作状態を検出すべく流体の圧力を検出可能な圧力センサと、を備え、
前記スプール弁は、前記弁孔を往復動することにより、前記供給ポートと前記第1出力ポートとを連通し、且つ前記第2出力ポートと前記排出ポートとを連通する第1切換位置と、前記供給ポートと前記第2出力ポートとを連通し、且つ前記第1出力ポートと前記排出ポートとを連通する第2切換位置と、に切換可能になっている電磁弁マニホールドであって、
前記第1出力ポートに連通する第1検出流路と、
前記第2出力ポートに連通する第2検出流路と、
前記第1検出流路及び前記第2検出流路に連通する弁室と、
前記弁室に収容されるシャトル弁と、
前記圧力センサが収容されるセンサ室と、
前記弁室と前記センサ室とを連通する連通流路と、を備え、
前記シャトル弁は、前記スプール弁が前記第1切換位置に切り換えられて前記第1出力ポートから前記第1検出流路を介して前記弁室に供給される流体の圧力によって、前記第1検出流路と前記連通流路との連通を許容し、且つ前記第2検出流路と前記連通流路との連通を遮断する第1シャトル弁切換位置に切り換えられるとともに、前記スプール弁が前記第2切換位置に切り換えられて前記第2出力ポートから前記第2検出流路を介して前記弁室に供給される流体の圧力によって、前記第1検出流路と前記連通流路との連通を遮断し、且つ前記第2検出流路と前記連通流路との連通を許容する第2シャトル弁切換位置に切り換えられ
前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方に設けられる減圧弁と、
前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方において、前記減圧弁よりも前記弁室側の部位と前記減圧弁よりも前記弁室とは反対側の部位とを前記減圧弁を迂回して接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられるとともに前記弁室からの流体の流れを許容するとともに前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方における前記減圧弁よりも前記弁室とは反対側の部位から前記弁室に向けた流体の流れを遮断する逆止弁と、をさらに備えていることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
供給流路、第1出力流路、第2出力流路、及び排出流路が形成されたマニホールドベースと、
前記バルブケーシングと前記マニホールドベースとの間に介在されるスペーサと、をさらに備え、
前記スペーサは、
前記供給ポートと前記供給流路とを連通する供給連通流路、前記第1出力ポートと前記第1出力流路とを連通する第1出力連通流路、前記第2出力ポートと前記第2出力流路とを連通する第2出力連通流路、及び前記排出ポートと前記排出流路とを連通する排出連通流路を有し、
前記第1検出流路、前記第2検出流路、前記弁室、前記センサ室、及び前記連通流路は、前記スペーサに形成されており、
前記第1検出流路は、前記第1出力連通流路を介して前記第1出力ポートに連通しており、
前記第2検出流路は、前記第2出力連通流路を介して前記第2出力ポートに連通していることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記シャトル弁は、柱状であり、
前記シャトル弁の外周面は、
前記弁室を形成する内壁に摺動するとともに、前記弁室内での前記シャトル弁における前記第1シャトル弁切換位置と前記第2シャトル弁切換位置との間での移動をガイドするガイド面と、
前記ガイド面よりも凹む溝と、を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項4】
前記圧力センサにより検出される圧力が出力されるマイコンをさらに備え、
前記マイコンは、前記圧力センサにより検出される圧力が下降するタイミングが、予め定められたタイミングよりも遅い場合に、前記スプール弁の動作不良と判定することを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一項に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁のスプール弁の動作状態を検出すべく流体の圧力を検出可能な圧力センサを備えた電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁マニホールドは、バルブケーシングと、バルブケーシングに形成された弁孔と、弁孔に往復動可能に収容されるスプール弁と、を有する電磁弁を備えている。バルブケーシングには、弁孔にそれぞれ連通する供給ポート、第1出力ポート、第2出力ポート、及び排出ポートが形成されている。スプール弁は、弁孔を往復動することにより、供給ポートと第1出力ポートとを連通し、且つ第2出力ポートと排出ポートとを連通する第1切換位置と、供給ポートと第2出力ポートとを連通し、且つ第1出力ポートと排出ポートとを連通する第2切換位置と、に切換可能になっている。
【0003】
また、電磁弁マニホールドは、例えば特許文献1に開示されているように、スプール弁の動作状態を検出すべく流体の圧力を検出可能な圧力センサを備えている。特許文献1のように、バルブケーシングに第1出力ポート及び第2出力ポートが形成されている場合、電磁弁マニホールドは、第1出力ポートから出力される流体の圧力を検出する第1圧力センサと、第2出力ポートから出力される流体の圧力を検出する第2圧力センサと、を備えている。
【0004】
そして、スプール弁が第1切換位置に切り換えられているときには、供給ポートに供給される流体が第1出力ポートから出力されるとともに第2出力ポートの流体が排出ポートを介して大気へ排出されるため、第1圧力センサにより検出される圧力が上昇し、第2圧力センサにより検出される圧力が下降する。一方、スプール弁が第2切換位置に切り換えられているときには、供給ポートに供給される流体が第2出力ポートから出力されるとともに第1出力ポートの流体が排出ポートを介して大気へ排出されるため、第1圧力センサにより検出される圧力が下降し、第2圧力センサにより検出される圧力が上昇する。このように、第1圧力センサにより検出される圧力、及び第2圧力センサにより検出される圧力からスプール弁が第1切換位置と第2切換位置とにそれぞれ切り換わるように動作しているか否かを検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4072756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、スプール弁の動作状態を検出するために、圧力センサを2つ用いる構成とすると、各圧力センサがそれぞれ電力を消費することになるため、電磁弁マニホールドにおいて消費電力が増大してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、消費電力を低減することができる電磁弁マニホールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、バルブケーシングと、前記バルブケーシングに形成された弁孔と、前記弁孔に往復動可能に収容されるスプール弁と、前記バルブケーシングに形成されるとともに前記弁孔にそれぞれ連通する供給ポート、第1出力ポート、第2出力ポート、及び排出ポートと、を有する電磁弁と、前記スプール弁の動作状態を検出すべく流体の圧力を検出可能な圧力センサと、を備え、前記スプール弁は、前記弁孔を往復動することにより、前記供給ポートと前記第1出力ポートとを連通し、且つ前記第2出力ポートと前記排出ポートとを連通する第1切換位置と、前記供給ポートと前記第2出力ポートとを連通し、且つ前記第1出力ポートと前記排出ポートとを連通する第2切換位置と、に切換可能になっている電磁弁マニホールドであって、前記第1出力ポートに連通する第1検出流路と、前記第2出力ポートに連通する第2検出流路と、前記第1検出流路及び前記第2検出流路に連通する弁室と、前記弁室に収容されるシャトル弁と、前記圧力センサが収容されるセンサ室と、前記弁室と前記センサ室とを連通する連通流路と、を備え、前記シャトル弁は、前記スプール弁が前記第1切換位置に切り換えられて前記第1出力ポートから前記第1検出流路を介して前記弁室に供給される流体の圧力によって、前記第1検出流路と前記連通流路との連通を許容し、且つ前記第2検出流路と前記連通流路との連通を遮断する第1シャトル弁切換位置に切り換えられるとともに、前記スプール弁が前記第2切換位置に切り換えられて前記第2出力ポートから前記第2検出流路を介して前記弁室に供給される流体の圧力によって、前記第1検出流路と前記連通流路との連通を遮断し、且つ前記第2検出流路と前記連通流路との連通を許容する第2シャトル弁切換位置に切り換えられる。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、供給流路、第1出力流路、第2出力流路、及び排出流路が形成されたマニホールドベースと、前記バルブケーシングと前記マニホールドベースとの間に介在されるスペーサと、をさらに備え、前記スペーサは、前記供給ポートと前記供給流路とを連通する供給連通流路、前記第1出力ポートと前記第1出力流路とを連通する第1出力連通流路、前記第2出力ポートと前記第2出力流路とを連通する第2出力連通流路、及び前記排出ポートと前記排出流路とを連通する排出連通流路を有し、前記第1検出流路、前記第2検出流路、前記弁室、前記センサ室、及び前記連通流路は、前記スペーサに形成されており、前記第1検出流路は、前記第1出力連通流路を介して前記第1出力ポートに連通しており、前記第2検出流路は、前記第2出力連通流路を介して前記第2出力ポートに連通しているとよい。
【0010】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方に設けられる減圧弁と、前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方において、前記減圧弁よりも前記弁室側の部位と前記減圧弁よりも前記弁室とは反対側の部位とを前記減圧弁を迂回して接続するバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられるとともに前記弁室からの流体の流れを許容するとともに前記第1検出流路及び前記第2検出流路の一方における前記減圧弁よりも前記弁室とは反対側の部位から前記弁室に向けた流体の流れを遮断する逆止弁と、をさらに備えているとよい。
【0011】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記シャトル弁は、柱状であり、前記シャトル弁の外周面は、前記弁室を形成する内壁に摺動するとともに、前記弁室内での前記シャトル弁における前記第1シャトル弁切換位置と前記第2シャトル弁切換位置との間での移動をガイドするガイド面と、前記ガイド面よりも凹む溝と、を有しているとよい。
【0012】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記圧力センサにより検出される圧力が出力されるマイコンをさらに備え、前記マイコンは、前記圧力センサにより検出される圧力が下降するタイミングが、予め定められたタイミングよりも遅い場合に、前記スプール弁の動作不良と判定するとよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図。
図2】電磁弁マニホールドの一部を拡大して示す断面図。
図3】スプール弁が第1切換位置から第2切換位置に切り換わったときの流体の流れを示す断面図。
図4】スプール弁が第2切換位置から第1切換位置に切り換わったときの流体の流れを示す断面図。
図5】電磁弁マニホールドの一部を拡大して示す断面図。
図6】シャトル弁の斜視図。
図7】スプール弁が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられるときの流体の圧力の変化を示すグラフ。
図8】スプール弁が第2切換位置から第1切換位置に切り換えられるときの流体の圧力の変化を示すグラフ。
図9】第2の実施形態における電磁弁マニホールドの一部を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、電磁弁マニホールドを具体化した第1の実施形態を図1図8にしたがって説明する。
【0016】
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、四角ブロック状のマニホールドベース50と、四角ブロック状のスペーサ60と、を備えている。電磁弁11は、スペーサ60を介してマニホールドベース50の載置面50aに載置されている。そして、電磁弁11は、マニホールドベース50及びスペーサ60と共に電磁弁マニホールド10を構成している。
【0017】
電磁弁11は、細長四角ブロック状のバルブケーシング12を有している。バルブケーシング12は、細長四角ブロック状のケーシング本体13と、ケーシング本体13の長手方向の一端に連結される第1連結ブロック14と、ケーシング本体13の長手方向の他端に連結される第2連結ブロック15と、を有している。ケーシング本体13、第1連結ブロック14、及び第2連結ブロック15は、例えば、合成樹脂材料製である。ケーシング本体13は、スペーサ60に対向する本体対向面13aを有している。第1連結ブロック14は、スペーサ60に対向する第1対向面14aを有している。第2連結ブロック15は、スペーサ60に対向する第2対向面15aを有している。
【0018】
図2に示すように、ケーシング本体13には、円孔状の弁孔16が形成されている。弁孔16は、ケーシング本体13の長手方向に延びている。弁孔16の一端は、ケーシング本体13の長手方向の一端面に開口するとともに、弁孔16の他端は、ケーシング本体13の長手方向の他端面に開口している。よって、弁孔16は、ケーシング本体13の長手方向に貫通している。弁孔16内には、スプール弁17が弁孔16内を往復動可能に収容されている。
【0019】
ケーシング本体13には、弁孔16にそれぞれ連通する供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2が形成されている。したがって、本実施形態の電磁弁11は、少なくとも一つの排出ポートを有している。本実施形態の電磁弁11は、5ポート電磁弁である。
【0020】
供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、ケーシング本体13の長手方向の一端から他端に向かうにつれて、第1排出ポートR1、第1出力ポートA、供給ポートP、第2出力ポートB、第2排出ポートR2の順に並んでケーシング本体13に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの一端は弁孔16に連通している。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの他端は、ケーシング本体13の本体対向面13aに開口している。
【0021】
弁孔16の内周面において、供給ポートPと第1出力ポートAとの間には、第1弁座部22が設けられている。また、弁孔16の内周面において、第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間には、第2弁座部23が設けられている。さらに、供給ポートPと第2出力ポートBとの間には、第3弁座部24が設けられている。また、第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間には、第4弁座部25が設けられている。第1弁座部22、第2弁座部23、第3弁座部24、及び第4弁座部25は、弁孔16の内周面の一部を形成する環状である。
【0022】
また、弁孔16は、第1排出ポートR1に連通するとともに第2弁座部23とは反対側に位置する弁孔16の一端部を形成する第1孔部16aを有している。さらに、弁孔16は、第2排出ポートR2に連通するとともに第4弁座部25とは反対側に位置する弁孔16の他端部を形成する第2孔部16bを有している。第1弁座部22、第2弁座部23、第3弁座部24、第4弁座部25、第1孔部16a、及び第2孔部16bの内径は同じである。
【0023】
スプール弁17には、スプール弁17の軸線方向において互いに離間する第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176を有している。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176は、スプール弁17の軸線方向の一端から他端に向かうにつれて、第5弁部175、第2弁部172、第1弁部171、第3弁部173、第4弁部174、及び第6弁部176の順に配列されている。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176の外径は同じである。
【0024】
スプール弁17は、第1弁部171と第3弁部173とを連結する第1軸部17aと、第1弁部171と第2弁部172とを連結する第2軸部17bと、第3弁部173と第4弁部174とを連結する第3軸部17cと、を有している。また、スプール弁17は、第2弁部172と第5弁部175とを連結する第4軸部17dと、第4弁部174と第6弁部176とを連結する第5軸部17eと、を有している。
【0025】
スプール弁17は、第5弁部175における第4軸部17dとは反対側の端面から突出する柱状の第1突出部17fを有している。第1突出部17fは、スプール弁17の軸線方向の一端部である。また、スプール弁17は、第6弁部176における第5軸部17eとは反対側の端面から突出する柱状の第2突出部17gを有している。第2突出部17gは、スプール弁17の軸線方向の他端部である。
【0026】
第1軸部17a、第2軸部17b、第3軸部17c、第4軸部17d、第5軸部17e、第1突出部17f、及び第2突出部17gの外径は同じである。第1弁部171、第2弁部172、第3弁部173、第4弁部174、第5弁部175、及び第6弁部176の外径は、第1軸部17a、第2軸部17b、第3軸部17c、第4軸部17d、第5軸部17e、第1突出部17f、及び第2突出部17gの外径よりも大きい。
【0027】
第1弁部171の外周面には、第1弁部171が第1弁座部22に着座して供給ポートPと第1出力ポートAとの間をシールする第1スプールパッキン26が装着されている。第2弁部172の外周面には、第2弁部172が第2弁座部23に着座して第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間をシールする第2スプールパッキン27が装着されている。第3弁部173の外周面には、第3弁部173が第3弁座部24に着座して供給ポートPと第2出力ポートBとの間をシールする第3スプールパッキン28が装着されている。第4弁部174の外周面には、第4弁部174が第4弁座部25に着座して第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間をシールする第4スプールパッキン29が装着されている。第1スプールパッキン26、第2スプールパッキン27、第3スプールパッキン28、及び第4スプールパッキン29は、ゴム製の環状である。
【0028】
第1連結ブロック14には、第1孔部16aに連通する円孔状の第1ピストン収容凹部31が形成されている。スプール弁17の第1突出部17fは、第1孔部16aから第1ピストン収容凹部31内に出没可能である。第1ピストン収容凹部31内には、円板状の第1ピストン32が往復動可能に収容されている。第1ピストン32は、スプール弁17の第1突出部17fの先端部に取り付けられている。第1ピストン32の外周面には第1リップパッキン33が装着されている。第1リップパッキン33は、第1ピストン32と第1ピストン収容凹部31の内周面との間をシールする。そして、第1ピストン32により第1ピストン収容凹部31内に第1パイロット圧作用室34が区画されている。第1パイロット圧作用室34にはパイロット流体が給排される。
【0029】
第2連結ブロック15には、第2孔部16bに連通する円孔状の第2ピストン収容凹部35が形成されている。第2ピストン収容凹部35の内径は、第1ピストン収容凹部31と同じである。スプール弁17の第2突出部17gは、第2孔部16bから第2ピストン収容凹部35内に出没可能である。第2ピストン収容凹部35内には、円板状の第2ピストン36が往復動可能に収容されている。第2ピストン36は、スプール弁17の第2突出部17gの先端部に取り付けられている。第2ピストン36の外径は、第1ピストン32の外径と同じである。第2ピストン36の外周面には第2リップパッキン37が装着されている。第2リップパッキン37は、第2ピストン36と第2ピストン収容凹部35の内周面との間をシールする。そして、第2ピストン36により第2ピストン収容凹部35内に第2パイロット圧作用室38が区画されている。したがって、第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38は、バルブケーシング12内においてスプール弁17の両端部側にそれぞれ設けられている。第2パイロット圧作用室38にはパイロット流体が給排される。
【0030】
第1ピストン32の外径と第2ピストン36の外径とが同じであるため、第1ピストン32における第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積と、第2ピストン36における第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積とは同じである。
【0031】
第5弁部175の外周面には、第5弁部175と第1孔部16aとの間をシールする第1シール部材39aが装着されている。第1シール部材39aは、環状のゴム製である。そして、第1シール部材39aによって、第1排出ポートR1から第1孔部16aを介した第1ピストン収容凹部31への流体の洩れが抑制されている。
【0032】
第6弁部176の外周面には、第6弁部176と第2孔部16bとの間をシールする第2シール部材39bが装着されている。第2シール部材39bは、環状のゴム製である。そして、第2シール部材39bによって、第2排出ポートR2から第2孔部16bを介した第2ピストン収容凹部35への流体の洩れが抑制されている。
【0033】
図1に示すように、電磁弁11は、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42を有している。したがって、電磁弁11は、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42を有するダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁である。第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42に対する電圧の印加は、例えば、図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器によって行われる。
【0034】
第1パイロット弁41は、電圧の印加が行われると、第1パイロット圧作用室34にパイロット圧としてパイロット流体を供給し、電圧の印加が停止されると、第1パイロット圧作用室34のパイロット流体を大気へ排出する公知の電磁弁であり、その詳細な構成の説明を省略する。第1パイロット弁41における第1パイロット圧作用室34へのパイロット流体の供給、及び第1パイロット弁41における第1パイロット圧作用室34のパイロット流体の大気への排出は、バルブケーシング12、スペーサ60、及びマニホールドベース50に形成された図示しない流路を用いて行われる。
【0035】
第2パイロット弁42は、電圧の印加が行われると、第2パイロット圧作用室38にパイロット圧としてパイロット流体を供給し、電圧の印加が停止されると、第2パイロット圧作用室38のパイロット流体を大気へ排出する公知の電磁弁であり、その詳細な構成の説明を省略する。第2パイロット弁42における第2パイロット圧作用室38へのパイロット流体の供給、及び第2パイロット弁42における第2パイロット圧作用室38のパイロット流体の大気への排出は、バルブケーシング12、スペーサ60、及びマニホールドベース50に形成された図示しない流路を用いて行われる。本実施形態の電磁弁11は、供給ポートPに供給された流体の一部を第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38に供給する内部パイロット式である。
【0036】
図3に示すように、マニホールドベース50には、供給流路51、第1出力流路52、第2出力流路53、第1排出流路54、及び第2排出流路55が形成されている。したがって、本実施形態のマニホールドベース50には、少なくとも一つの排出流路が形成されている。供給流路51、第1出力流路52、第2出力流路53、第1排出流路54、及び第2排出流路55は、載置面50aに開口している。
【0037】
供給流路51における載置面50aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路52における載置面50aとは反対側の端部、及び第2出力流路53における載置面50aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体圧機器に接続されている。第1排出流路54における載置面50aとは反対側の端部、及び第2排出流路55における載置面50aとは反対側の端部は、例えば配管等を介して、大気に連通している。
【0038】
スペーサ60は、バルブケーシング12とマニホールドベース50との間に介在されている。スペーサ60は、バルブケーシング12に対向する第1対向面60aと、マニホールドベース50に対向する第2対向面60bと、を有している。スペーサ60の第1対向面60aは、ケーシング本体13の本体対向面13a、第1連結ブロック14の第1対向面14a、及び第2連結ブロック15の第2対向面15aそれぞれに対向している。スペーサ60の第2対向面60bは、マニホールドベース50の載置面50aに対向している。
【0039】
スペーサ60は、供給連通流路61、第1出力連通流路62、第2出力連通流路63、第1排出連通流路64、及び第2排出連通流路65を有している。したがって、本実施形態のスペーサ60は、少なくとも一つの排出連通流路を有している。
【0040】
供給連通流路61の一端は、第1対向面60aに開口するとともに供給ポートPに連通している。供給連通流路61の他端は、第2対向面60bに開口するとともに供給流路51に連通している。したがって、供給連通流路61は、供給ポートPと供給流路51とを連通する。
【0041】
第1出力連通流路62の一端は、第1対向面60aに開口するとともに第1出力ポートAに連通している。第1出力連通流路62の他端は、第2対向面60bに開口するとともに第1出力流路52に連通している。したがって、第1出力連通流路62は、第1出力ポートAと第1出力流路52とを連通している。第2出力連通流路63の一端は、第1対向面60aに開口するとともに第2出力ポートBに連通している。第2出力連通流路63の他端は、第2対向面60bに開口するとともに第2出力流路53に連通している。したがって、第2出力連通流路63は、第2出力ポートBと第2出力流路53とを連通している。
【0042】
第1排出連通流路64の一端は、第1対向面60aに開口するとともに第1排出ポートR1に連通している。第1排出連通流路64の他端は、第2対向面60bに開口するとともに第1排出流路54に連通している。したがって、第1排出連通流路64は、第1排出ポートR1と第1排出流路54とを連通している。第2排出連通流路65の一端は、第1対向面60aに開口するとともに第2排出ポートR2に連通している。第2排出連通流路65の他端は、第2対向面60bに開口するとともに第2排出流路55に連通している。したがって、第2排出連通流路65は、第2排出ポートR2と第2排出流路55とを連通している。
【0043】
スペーサ60の第1対向面60aとバルブケーシング12との間には、第1ガスケット66が設けられている。第1ガスケット66は、スペーサ60の第1対向面60aとバルブケーシング12との間をシールする。スペーサ60の第2対向面60bとマニホールドベース50の載置面50aとの間には、第2ガスケット67が設けられている。第2ガスケット67は、スペーサ60の第2対向面60bとマニホールドベース50の載置面50aとの間をシールする。
【0044】
図4に示すように、例えば、第1パイロット弁41への電圧の印加が行われており、第2パイロット弁42への電圧の印加が停止されているとする。すると、第1パイロット弁41によって、流体供給源からの圧縮された流体が第1パイロット圧作用室34にパイロット流体として供給されるとともに、第2パイロット弁42によって、第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第2ピストン収容凹部35に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第1出力ポートAとを連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とを連通する第1切換位置に切り換わる。また、供給ポートPと第2出力ポートBとの間が第3弁部173の第3スプールパッキン28によってシールされるとともに、第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間が第2弁部172の第2スプールパッキン27によってシールされる。
【0045】
図3に示すように、例えば、第1パイロット弁41への電圧の印加が停止されており、第2パイロット弁42への電圧の印加が行われているとする。すると、第2パイロット弁42によって、流体供給源からの圧縮された流体が第2パイロット圧作用室38にパイロット流体として供給されるとともに、第1パイロット弁41によって、第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第1ピストン収容凹部31に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第2出力ポートBとを連通し、且つ第1出力ポートAと第1排出ポートR1とを連通する第2切換位置に切り換わる。また、供給ポートPと第1出力ポートAとの間が第1弁部171の第1スプールパッキン26によってシールされるとともに、第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間が第4弁部174の第4スプールパッキン29によってシールされる。
【0046】
よって、第1パイロット弁41における第1パイロット圧作用室34に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁42における第2パイロット圧作用室38に対するパイロット流体の給排が行われることにより、スプール弁17が第1切換位置と第2切換位置との間で弁孔16を往復動する。したがって、スプール弁17は、弁孔16を往復動することにより、第1切換位置と、第2切換位置と、に切換可能になっている。そして、スプール弁17が第1切換位置と第2切換位置とに切り換わることにより、各ポート間の連通が切り換えられる。
【0047】
図5に示すように、電磁弁マニホールド10は、圧力センサ70と、第1検出流路71と、第2検出流路72と、弁室73と、シャトル弁74と、センサ室75と、連通流路76と、を備えている。本実施形態において、第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76は、スペーサ60に形成されている。
【0048】
第1検出流路71の一端は、第1出力連通流路62に連通している。したがって、第1検出流路71は、第1出力連通流路62を介して第1出力ポートAに連通している。第1検出流路71の他端は、弁室73に連通している。第2検出流路72の一端は、第2出力連通流路63に連通している。したがって、第2検出流路72は、第2出力連通流路63を介して第2出力ポートBに連通している。第2検出流路72の他端は、弁室73に連通している。したがって、弁室73は、第1検出流路71及び第2検出流路72に連通している。
【0049】
弁室73は、スペーサ60の一部である円筒状の内壁73aと、内壁73aの軸線方向の両側にそれぞれ位置する第1端面73b及び第2端面73cとにより形成されている。第1検出流路71における弁室73側の端部は、第1端面73bに開口している。第2検出流路72における弁室73側の端部は、第2端面73cに開口している。したがって、第1検出流路71における弁室73に対する開口部位と、第2検出流路72における弁室73に対する開口部位とは、内壁73aの軸線方向で互いに対向している。弁室73は、シャトル弁74を収容する。
【0050】
図6に示すように、シャトル弁74は、円柱状である。シャトル弁74の外周面は、複数のガイド面74aと、複数の溝74bと、を有している。各溝74bは、各ガイド面74aよりも凹んでいる。複数の溝74bは、シャトル弁74の周方向で90度置きに配置されている。各溝74bは、シャトル弁74の軸線方向に延びている。各溝74bの一端は、シャトル弁74の軸線方向の一方に位置する一端面に連続するとともに、各溝74bの他端は、シャトル弁74の軸線方向の他方に位置する他端面に連続している。各ガイド面74aは、シャトル弁74の周方向に円弧状に延びている。各ガイド面74aは、シャトル弁74の周方向で隣り合う溝74b同士をそれぞれ接続している。各ガイド面74aの外径は、内壁73aの内径よりも僅かに小さい。
【0051】
図5及び図6に示すように、シャトル弁74は、シャトル弁74の軸線方向が内壁73aの軸線方向に一致した状態で弁室73を軸線方向に往復動可能に弁室73に収容されている。そして、各ガイド面74aは、弁室73を形成する内壁73aに摺動するとともに弁室73内での移動をガイドする。
【0052】
図5に示すように、連通流路76の一端は、弁室73に連通するとともに、連通流路76の他端は、センサ室75に連通している。したがって、連通流路76は、弁室73とセンサ室75とを連通している。連通流路76の一端は、内壁73aに開口している。センサ室75には、圧力センサ70の検出部70aが収容されている。圧力センサ70は、スプール弁17の動作状態を検出すべく流体の圧力を検出可能である。具体的には、圧力センサ70の検出部70aは、センサ室75内の圧力を検出する。
【0053】
スペーサ60には、制御基板77が収容される基板収容室78が形成されている。基板収容室78は、センサ室75に連続している。圧力センサ70は、検出部70aがセンサ室75内に位置した状態で、制御基板77に実装されている。センサ室75と基板収容室78との間は、シール部材79によってシールされている。シール部材79は、センサ室75から基板収容室78への流体の洩れを抑制する。
【0054】
図4に示すように、シャトル弁74は、スプール弁17が第1切換位置に切り換えられて第1出力ポートAから第1出力連通流路62及び第1検出流路71を介して弁室73に供給される流体の圧力によって、弁室73内を第2端面73cに向けて移動する。シャトル弁74は、第2端面73cに当接することにより、第1検出流路71と連通流路76との連通を許容し、且つ第2検出流路72と連通流路76との連通を遮断する第1シャトル弁切換位置に切り換えられる。そして、第1出力ポートAからの流体の一部が、第1出力連通流路62及び第1検出流路71を介して弁室73に流れ込む。このとき、弁室73に流れ込む流体は、各溝74bにも流れ込むため、第1検出流路71から弁室73へ流体が流れ込み易くなっている。そして、弁室73に流れ込んだ流体は、連通流路76を介してセンサ室75に導入される。
【0055】
図3に示すように、シャトル弁74は、スプール弁17が第2切換位置に切り換えられて第2出力ポートBから第2出力連通流路63及び第2検出流路72を介して弁室73に供給される流体の圧力によって、弁室73内を第1端面73bに向けて移動する。シャトル弁74は、第1端面73bに当接することにより、第1検出流路71と連通流路76との連通を遮断し、且つ第2検出流路72と連通流路76との連通を許容する第2シャトル弁切換位置に切り換えられる。そして、第2出力ポートBからの流体の一部が、第2出力連通流路63及び第2検出流路72を介して弁室73に流れ込む。このとき、弁室73に流れ込む流体は、各溝74bにも流れ込むため、第1検出流路71から弁室73へ流体が流れ込み易くなっている。そして、弁室73に流れ込んだ流体は、連通流路76を介してセンサ室75に導入される。
【0056】
したがって、シャトル弁74は、スプール弁17が第1切換位置に切り換えられて第1出力ポートAから第1検出流路71を介して弁室73に供給される流体の圧力によって、第1シャトル弁切換位置に切り換えられる。また、シャトル弁74は、スプール弁17が第2切換位置に切り換えられて第2出力ポートBから第2検出流路72を介して弁室73に供給される流体の圧力によって、第2シャトル弁切換位置に切り換えられる。各ガイド面74aは、弁室73内でのシャトル弁74における第1シャトル弁切換位置と第2シャトル弁切換位置との間での移動をガイドする。
【0057】
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、マイコン80をさらに備えている。マイコン80は、制御基板77に実装されている。マイコン80は、圧力センサ70と電気的に接続されている。そして、マイコン80には、圧力センサ70により検出される圧力が出力される。マイコン80は、外部制御機器と無線で通信可能になっている。マイコン80には、圧力センサ70から出力された流体の圧力に関する情報を外部制御機器に送信する。
【0058】
また、マイコン80には、圧力センサ70により検出される圧力が下降するタイミングが、予め定められたタイミングよりも遅い場合に、スプール弁17の動作不良と判定する判定プログラムが予め記憶されている。具体的には、マイコン80は、第1パイロット弁41への電圧の印加が行われてから圧力センサ70により検出される圧力が下降するまでの時間を計測し、その計測時間が予め定められている時間よりも長い場合に、スプール弁17の動作不良と判定するプログラムが予め記憶されている。また、マイコン80は、第2パイロット弁42への電圧の印加が行われてから圧力センサ70により検出される圧力が下降するまでの時間を計測し、その計測時間が予め定められている時間よりも長い場合に、スプール弁17の動作不良と判定するプログラムが予め記憶されている。
【0059】
ここで、図7及び図8において実線L1で示す波形は、本実施形態の圧力センサ70により検出された流体の圧力の変化を示している。また、図7及び図8において一点鎖線L11で示す波形は、例えば、検証のために、第1出力流路52における載置面50aとは反対側の端部に第1圧力センサを設けて、第1出力ポートAから出力される流体の圧力を検出した際の圧力の変化を示している。さらに、図7及び図8において二点鎖線L12で示す波形は、例えば、検証のために、第2出力流路53における載置面50aとは反対側の端部に第2圧力センサを設けて、第2出力ポートBから出力される流体の圧力を検出した際の圧力の変化を示している。
【0060】
図7及び図8では、第1パイロット弁41に印加される電圧の変化を破線L2で示しており、第2パイロット弁42に印加される電圧の変化の図示を省略している。なお、第1パイロット弁41に対して予め定められた所定の電圧Vxが印加されると、第2パイロット弁42に対する電圧の印加が停止して、第2パイロット弁42に印加される電圧は零になる。一方で、第1パイロット弁41に対する電圧の印加が停止して、第1パイロット弁41に印加される電圧が零になると、第2パイロット弁42に対して予め定められた所定の電圧Vxが印加される。
【0061】
第1パイロット弁41に所定の電圧Vxが印加されて、第2パイロット弁42への電圧の印加が停止されると、スプール弁17が第2切換位置から第1切換位置に切り換わり、供給ポートPに供給される流体が第1出力ポートAから出力されるとともに第2出力ポートBの流体が第2排出ポートR2、第2排出連通流路65、及び第2排出流路55を介して大気へ排出される。これにより、図7において一点鎖線L11で示すように、第1圧力センサにより検出される圧力が、零から予め定められた所定の圧力Px10まで上昇し、図7において二点鎖線L12で示すように、第2圧力センサにより検出される圧力が、所定の圧力Px10から零まで下降する。ここで、第1圧力センサにより検出される圧力が零から上昇し始める上昇開始点P11、及び第2圧力センサにより検出される圧力が所定の圧力Px10から下降し始める下降開始点P21は、スプール弁17が第2切換位置から第1切換位置に切り換わったタイミングT1である。
【0062】
一方、第1パイロット弁41への電圧の印加が停止されて、第2パイロット弁42に所定の電圧Vxが印加されると、スプール弁17が第1切換位置から第2切換位置に切り換わり、供給ポートPに供給される流体が第2出力ポートBから出力されるとともに第1出力ポートAの流体が第1排出ポートR1、第1排出連通流路64、及び第1排出流路54を介して大気へ排出される。これにより、図8において一点鎖線L11で示すように、第1圧力センサにより検出される圧力が、所定の圧力Px10から零まで下降し、図8において二点鎖線L12で示すように、第2圧力センサにより検出される圧力が、零から所定の圧力Px10まで上昇する。ここで、第1圧力センサにより検出される圧力が所定の圧力Px10から下降し始める下降開始点P12、及び第2圧力センサにより検出される圧力が零から上昇し始める上昇開始点P22は、スプール弁17が第1切換位置から第2切換位置に切り換わったタイミングT2である。
【0063】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
スプール弁17が第2切換位置から第1切換位置に切り換えられると、センサ室75に導入されている流体が、連通流路76、弁室73、第2検出流路72、及び第2出力連通流路63を介して第2出力ポートBの流体と共に第2排出ポートR2、第2排出連通流路65、及び第2排出流路55を介して大気へ徐々に排出されていく。これにより、図7において実線L1で示すように、圧力センサ70により検出される圧力が、予め定められた所定の圧力Pxから徐々に下降していく。ここで、所定の圧力Pxから下降し始める下降開始点P1は、スプール弁17が第2切換位置から第1切換位置に切り換わったタイミングT1である。
【0064】
そして、供給ポートPに供給されて第1出力ポートAから出力される流体の一部が、第1出力連通流路62、第1検出流路71を介して弁室73に供給される。これにより、シャトル弁74が、弁室73内を第1端面73bに当接するまで移動し、第1シャトル弁切換位置に切り換えられる。その結果、第1出力ポートAからの流体の一部が、第1出力連通流路62、第1検出流路71、弁室73、及び連通流路76を介してセンサ室75に導入され、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇していく。ここで、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇する変曲点P2は、シャトル弁74が第2シャトル弁切換位置から第1シャトル弁切換位置に切り換わったタイミングT3である。そして、圧力センサ70により検出される圧力が、予め定められた所定の圧力Pxまで上昇する。
【0065】
このとき、図7において、変曲点P2は、一点鎖線L11と二点鎖線L12との交点にほぼ一致している。そして、実線L1における変曲点P2よりも時系列的に前の部分は、二点鎖線L12に沿って延びており、実線L1における変曲点P2よりも時系列的に後の部分は、一点鎖線L11に沿って延びている。したがって、第2出力ポートBの流体が大気へ排出され、且つ第1出力ポートAからの流体が出力されている状態であることが、圧力センサ70により検出される流体の圧力の変化を示す波形によって把握することができる。その結果、圧力センサ70により検出される流体の圧力からスプール弁17が弁孔16内を第2切換位置から第1切換位置に切り換わるように動作しているか否かを検出可能である。
【0066】
一方、スプール弁17が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられると、センサ室75に導入されている流体が、連通流路76、弁室73、第1検出流路71、及び第1出力連通流路62を介して第1出力ポートAの流体と共に第1排出ポートR1、第1排出連通流路64、及び第1排出流路54を介して大気へ徐々に排出されていく。これにより、図8において実線L1で示すように、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから徐々に下降していく。ここで、所定の圧力Pxから下降し始める下降開始点P3は、スプール弁17が第1切換位置から第2切換位置に切り換わったタイミングT2である。
【0067】
そして、供給ポートPに供給されて第2出力ポートBから出力される流体の一部が、第2出力連通流路63及び第2検出流路72を介して弁室73に供給される。これにより、シャトル弁74が、弁室73内を第2端面73cに当接するまで移動し、第2シャトル弁切換位置に切り換えられる。その結果、第2出力ポートBからの流体の一部が、第2出力連通流路63、第2検出流路72、弁室73、及び連通流路76を介してセンサ室75に導入され、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇していく。ここで、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇する変曲点P4は、シャトル弁74が第1シャトル弁切換位置から第2シャトル弁切換位置に切り換わったタイミングT4である。そして、圧力センサ70により検出される圧力が、予め定められた所定の圧力Pxまで上昇する。
【0068】
このとき、図8において、変曲点P4は、一点鎖線L11と二点鎖線L12との交点にほぼ一致している。そして、実線L1における変曲点P4よりも時系列的に前の部分は、一点鎖線L11に沿って延びており、実線L1における変曲点P4よりも時系列的に後の部分は、二点鎖線L12に沿って延びている。したがって、第1出力ポートAの流体が大気へ排出され、且つ第2出力ポートBからの流体が出力されている状態であることが、圧力センサ70により検出される流体の圧力の変化を示す波形によって把握することができる。その結果、圧力センサ70により検出される流体の圧力からスプール弁17が弁孔16内を第1切換位置から第2切換位置に切り換わるように動作しているか否かを検出可能である。
【0069】
このように、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから下降し始めてから零まで下降する前に再び上昇していき、所定の圧力Pxまで上昇する波形となるか否かによって、スプール弁17が第1切換位置と第2切換位置とにそれぞれ切り換わるように動作しているか否かを検出することが可能である。
【0070】
マイコン80は、例えば、第1パイロット弁41への電圧の印加が行われてから圧力センサ70により検出される圧力が下降するまでの時間を計測し、その計測時間が予め定められている時間よりも長い場合には、スプール弁17の動作不良と判定し、スプール弁17が動作不良である旨の信号を外部制御機器に送信する。また、マイコン80は、第2パイロット弁42への電圧の印加が行われてから圧力センサ70により検出される圧力が下降するまでの時間を計測し、その計測時間が予め定められている時間よりも長い場合には、スプール弁17の動作不良と判定し、スプール弁17が動作不良である旨の信号を外部制御機器に送信する。
【0071】
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1-1)圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから下降し始めてから零まで下降する前に再び上昇していき、所定の圧力Pxまで上昇する波形となるか否かによって、スプール弁17が第1切換位置と第2切換位置とにそれぞれ切り換わるように動作しているか否かを検出することができる。したがって、圧力センサ70を1つ用いるだけで、スプール弁17の動作状態を検出することができるため、圧力センサを2つ用いてスプール弁17の動作状態を検出する構成に比べて、消費電力を低減することができる。
【0072】
(1-2)第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76は、スペーサ60に形成されている。第1検出流路71は、第1出力連通流路62を介して第1出力ポートAに連通しており、第2検出流路72は、第2出力連通流路63を介して第2出力ポートBに連通している。これによれば、例えば、バルブケーシング12やマニホールドベース50に、第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76を形成する必要が無いため、既存の構成のバルブケーシング12やマニホールドベース50を用いることができる。
【0073】
(1-3)シャトル弁74は、柱状である。シャトル弁74の外周面は、弁室73を形成する内壁73aに摺動するとともに、弁室73内でのシャトル弁74における第1シャトル弁切換位置と第2シャトル弁切換位置との間での移動をガイドするガイド面74aと、ガイド面74aよりも凹む溝74bと、を有している。これによれば、ガイド面74aが弁室73を形成する内壁73aに摺動することによって、弁室73内でのシャトル弁74における第1シャトル弁切換位置と第2シャトル弁切換位置との間での移動がガイドされるため、弁室73内でのシャトル弁74における第1シャトル弁切換位置と第2シャトル弁切換位置との間での移動がスムーズに行われる。そして、シャトル弁74が、ガイド面74aが弁室73を形成する内壁73aに摺動することによって弁室73内での移動がガイドされる構成であっても、弁室73に流れ込む流体は、溝74bにも流れ込むため、第1検出流路71又は第2検出流路72から弁室73へ流体を流れ込み易くすることができる。
【0074】
(1-4)マイコン80は、圧力センサ70により検出される圧力が下降するタイミングが、予め定められたタイミングよりも遅い場合に、スプール弁17の動作不良と判定する。これによれば、マイコン80が、圧力センサ70により検出される圧力が下降するタイミングが、予め定められたタイミングよりも遅い場合に、スプール弁17の動作不良と判定するため、電磁弁11のメンテナンス時期を把握し易くすることができる。
【0075】
(第2の実施形態)
以下、電磁弁マニホールドを具体化した第2の実施形態を図9にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0076】
図9に示すように、電磁弁マニホールド10は、減圧弁81と、バイパス流路82と、逆止弁83と、をさらに備えている。第2検出流路72は、第1流路72a、第2流路72b、及び減圧弁室72cを有している。第1流路72aの一端は、減圧弁室72cに連通している。第1流路72aの他端は、弁室73に連通している。第2流路72bの一端は、減圧弁室72cに連通している。第2流路72bの他端は、第2出力連通流路63に連通している。
【0077】
減圧弁室72cは、スペーサ60の一部である円筒状の減圧弁室内壁721cと、減圧弁室内壁721cの軸線方向の両側にそれぞれ位置する第1端面722c及び第2端面723cとにより形成されている。第1流路72aにおける減圧弁室72c側の端部は、第1端面722cに開口している。第2流路72bにおける減圧弁室72c側の端部は、第2端面723cに開口している。したがって、第1流路72aにおける減圧弁室72cに対する開口部位と、第2流路72bにおける減圧弁室72cに対する開口部位とは、減圧弁室内壁721cの軸線方向で互いに対向している。
【0078】
減圧弁室72cは、減圧弁81を収容する。したがって、減圧弁81は、第2検出流路72に設けられている。そして、第1流路72aは、第2検出流路72における減圧弁81よりも弁室73側の部位である。第2流路72bは、第2検出流路72における減圧弁81よりも弁室73とは反対側の部位である。
【0079】
減圧弁81は、減圧弁体81aと、減圧弁体81aを第2端面723cに向けて付勢する付勢ばね81bと、を有している。そして、減圧弁81は、減圧弁体81aが付勢ばね81bの付勢力によって付勢されて第2端面723cに当接することにより閉弁状態となる。一方、減圧弁81は、減圧弁体81aが付勢ばね81bの付勢力に抗して第2端面723cから離間することにより開弁状態となる。
【0080】
バイパス流路82は、第2検出流路72において、第1流路72aと第2流路72bとを減圧弁81を迂回して接続している。バイパス流路82は、第1バイパス形成流路82a、第2バイパス形成流路82b、及び逆止弁室82cを有している。第1バイパス形成流路82aの一端は、逆止弁室82cに連通している。第1バイパス形成流路82aの他端は、第2検出流路72の第1流路72aに連通している。第2バイパス形成流路82bの一端は、逆止弁室82cに連通している。第2バイパス形成流路82bの他端は、第2検出流路72の第2流路72bに連通している。
【0081】
逆止弁室82cは、スペーサ60の一部である円筒状の逆止弁室内壁821cと、逆止弁室内壁821cの軸線方向の両側にそれぞれ位置する第1端面822c及び第2端面823cとにより形成されている。第1バイパス形成流路82aにおける逆止弁室82c側の端部は、第1端面822cに開口している。第2バイパス形成流路82bにおける逆止弁室82c側の端部は、第2端面823cに開口している。したがって、第1バイパス形成流路82aにおける逆止弁室82cに対する開口部位と、第2バイパス形成流路82bにおける逆止弁室82cに対する開口部位とは、逆止弁室内壁821cの軸線方向で互いに対向している。
【0082】
逆止弁室82cは、逆止弁83を収容する。したがって、逆止弁83は、バイパス流路82に設けられている。そして、逆止弁83は、弁室73から第2検出流路72の第1流路72a、バイパス流路82の第1バイパス形成流路82aを介して逆止弁室82cに流入した流体の流れを許容する。一方で、逆止弁83は、第2検出流路72の第2流路72bからバイパス流路82の第2バイパス形成流路82bを介して逆止弁室82cに流入した流体の流れを遮断する。したがって、逆止弁83は、弁室73からの流体の流れを許容するとともに第2検出流路72における減圧弁81よりも弁室73とは反対側の部位から弁室73に向けた流体の流れを遮断する。
【0083】
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
スプール弁17が第2切換位置から第1切換位置に切り換えられると、センサ室75に導入されている流体が、連通流路76、弁室73、第2検出流路72の第1流路72a、及びバイパス流路82の第1バイパス形成流路82aを介して逆止弁室82cに流れ込む。逆止弁室82cに流れ込んだ流体は、逆止弁83によって流れが許容されて、逆止弁室82cを通過し、第2バイパス形成流路82b、第2検出流路72の第2流路72b、及び第2出力連通流路63を流れて第2出力ポートBの流体と共に第2排出ポートR2、第2排出連通流路65、及び第2排出流路55を介して大気へ徐々に排出されていく。これにより、圧力センサ70により検出される圧力が、予め定められた所定の圧力Pxから徐々に下降していく。
【0084】
そして、供給ポートPに供給されて第1出力ポートAから出力される流体の一部が、第1出力連通流路62、第1検出流路71を介して弁室73に供給される。これにより、シャトル弁74が、弁室73内を第1端面73bに当接するまで移動し、第1シャトル弁切換位置に切り換えられる。その結果、第1出力ポートAからの流体の一部が、第1出力連通流路62、第1検出流路71、弁室73、及び連通流路76を介してセンサ室75に導入され、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇していく。
【0085】
一方、スプール弁17が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられると、センサ室75に導入されている流体が、連通流路76、弁室73、第1検出流路71、及び第1出力連通流路62を流れて第1出力ポートAの流体と共に第1排出ポートR1、第1排出連通流路64、及び第1排出流路54を介して大気へ徐々に排出されていく。これにより、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから徐々に下降していく。
【0086】
そして、供給ポートPに供給されて第2出力ポートBから出力される流体の一部が、第2出力連通流路63及び第2検出流路72の第2流路72bを介して減圧弁室72cに供給される。また、第2検出流路72の第2流路72bを流れる流体の一部は、第2バイパス形成流路82bを介して逆止弁室82cに供給される。逆止弁83は、逆止弁室82cに供給された流体における弁室73に向けた流れを遮断する。
【0087】
そして、減圧弁体81aは、第2検出流路72の第2流路72bから減圧弁室72cに供給される流体の圧力が付勢ばね81bの付勢力に抗することで、第2端面723cから離間する。これにより、減圧弁81が開弁状態となる。そして、減圧弁室72cに供給された流体は、減圧弁室72cを通過し、第2検出流路72の第1流路72aを介して弁室73に供給される。これにより、シャトル弁74が、弁室73内を第2端面73cに当接するまで移動し、第2シャトル弁切換位置に切り換えられる。その結果、第2出力ポートBからの流体の一部が、第2出力連通流路63、第2検出流路72、弁室73、及び連通流路76を介してセンサ室75に導入され、圧力センサ70により検出される圧力が、所定の圧力Pxから零まで下降する前に再び上昇していく。
【0088】
ここで、センサ室75に導入される流体の圧力は、減圧弁81の付勢ばね81bの付勢力分だけ減圧されている。したがって、圧力センサ70により検出される圧力は、予め定められた所定の圧力Pxよりも小さい値まで上昇する。このように、圧力センサ70により検出される圧力は、スプール弁17が第1切換位置に切り換わったときの圧力と、スプール弁17が第2切換位置に切り換わったときの圧力とで異なる。
【0089】
したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態の効果(1-1)、(1-2)、(1-3)、及び(1-4)と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2-1)圧力センサ70により検出される圧力が、スプール弁17が第1切換位置に切り換わったときの圧力と、スプール弁17が第2切換位置に切り換わったときの圧力とで異なる。したがって、圧力センサ70により検出される圧力によって、第1出力ポートAから流体が出力されているか、それとも、第2出力ポートBから流体が出力されているかを識別することができる。
【0090】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0091】
・ 上記各実施形態において、バルブケーシング12とマニホールドベース50との間にスペーサ60が介在されていなくてもよい。そして、例えば、第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76が、バルブケーシング12に形成されていたり、あるいは、マニホールドベース50に形成されていたりしてもよい。例えば、第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76が、バルブケーシング12に形成されている場合、第1検出流路71は、第1出力ポートAに接続されるとともに、第2検出流路72は、第2出力ポートBに接続される。また、例えば、第1検出流路71、第2検出流路72、弁室73、センサ室75、及び連通流路76が、マニホールドベース50に形成されている場合、第1検出流路71は、第1出力流路52に接続されるとともに、第2検出流路72は、第2出力流路53に接続される。
【0092】
・ 上記各実施形態において、弁室73を形成する内壁73aに、連通流路76に連通する溝がさらに形成されていてもよい。
・ 上記各実施形態において、シャトル弁74に溝74bが形成されておらず、弁室73を形成する内壁73aに、連通流路76に連通する溝が形成されていてもよい。
【0093】
・ 上記各実施形態において、シャトル弁74は円柱状でなくてもよく、例えば、四角柱状であってもよい。また、シャトル弁74は、柱状でなくてもよく、例えば、球状であってもよく、シャトル弁74の形状は特に限定されるものではない。
【0094】
・ 第2の実施形態において、減圧弁81が、第2検出流路72に設けられているのではなく、第1検出流路71に設けられていてもよい。そして、バイパス流路82が、第1検出流路71において、減圧弁81よりも弁室73側の部位と減圧弁81よりも弁室73とは反対側の部位とを減圧弁81を迂回して接続されていればよい。要は、減圧弁81は、第1検出流路71及び第2検出流路72の一方に設けられていればよい。そして、バイパス流路82が、第1検出流路71及び第2検出流路72の一方において、減圧弁81よりも弁室73側の部位と減圧弁81よりも弁室73とは反対側の部位とを減圧弁81を迂回して接続されていればよい。
【0095】
・ 上記各実施形態において、電磁弁11は、例えば、第2排出ポートR2を省略した4ポート電磁弁であってもよい。要は、電磁弁11は、少なくとも一つの排出ポートを有している構成であればよい。
【符号の説明】
【0096】
A…第1出力ポート、B…第2出力ポート、P…供給ポート、R1…排出ポートである第1排出ポート、R2…排出ポートである第2排出ポート、10…電磁弁マニホールド、11…電磁弁、12…バルブケーシング、16…弁孔、17…スプール弁、50…マニホールドベース、51…供給流路、52…第1出力流路、53…第2出力流路、54…排出流路である第1排出流路、55…排出流路である第2排出流路、60…スペーサ、61…供給連通流路、62…第1出力連通流路、63…第2出力連通流路、64…排出連通流路である第1排出連通流路、65…排出連通流路である第2排出連通流路、70…圧力センサ、71…第1検出流路、72…第2検出流路、73…弁室、73a…内壁、74…シャトル弁、74a…ガイド面、74b…溝、75…センサ室、76…連通流路、80…マイコン、81…減圧弁、82…バイパス流路、83…逆止弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9