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特許7189135圧力を使用して個人用組成物を調製するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】圧力を使用して個人用組成物を調製するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/02 20060101AFI20221206BHJP
   B01F 35/52 20220101ALI20221206BHJP
   B01F 35/83 20220101ALI20221206BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20221206BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20221206BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20221206BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20221206BHJP
   B67D 7/02 20100101ALI20221206BHJP
【FI】
B01J4/02 G
B01J4/02 B
B01F35/52
B01F35/83
B01F35/71
B05C5/00 101
B05C11/00
B05C11/10
B67D7/02 Z
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019521191
(86)(22)【出願日】2017-07-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 FR2017051812
(87)【国際公開番号】W WO2018007748
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-22
(31)【優先権主張番号】1656381
(32)【優先日】2016-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519003549
【氏名又は名称】リンクトテック
【氏名又は名称原語表記】LINKEDTECH
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】プレシス,アドリアン
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04147284(US,A)
【文献】特開2010-071283(JP,A)
【文献】特公昭52-045670(JP,B1)
【文献】仏国特許出願公開第3044219(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00- 7/02
B01F 35/00-35/95
B05C 5/00
B05C 11/00
B05C 11/10
B67D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化合物(A1~A2)のN個のリザーブ(501~508)から個人用組成物を調製および分注するための調製および分注システムであって、Nが以上の整数であり、N個のリザーブ(501~508)の各1つが決められた液圧抵抗(Rh2)を有し、各1つが流体入口(511~518)と、流体出口(521~528)と、少なくとも1つの活性化合物を含む本体(530)とを含む、調製および分注システムにおいて、
前記システムが、N個の圧力切替スイッチ(301~306)を含む圧力分配器(300)に接続された空気圧発生器(200、201~202)を含み、N個の圧力切替スイッチ(301~306)の各1つが、活性化合物(A1~A2)の各リザーブ(501~508)が大気圧、または前記空気圧発生器により生じた圧力のいずれかと連通するように配置され得るように、空気圧発生器に接続された少なくとも1つの入口(I1)と、大気圧に接続された1つの入口(I2)と、活性化合物(A1~A2)のリザーブの入口に接続された出口(311~316)を有することと、
活性化合物の各リザーブが、その流体出口に、放出ノズル(500)を含み、前記放出ノズル(500)の液圧抵抗(Rh1)が活性化合物の前記リザーブの前記液圧抵抗(Rh2)より高く、
活性化合物の各リザーブが、交換可能な多用量カートリッジ(501~508)と、使用中、圧力切替スイッチの出口と共に各カートリッジ入口を密封して個別に保つように設計されたカートリッジ支持体(400)とから構成される、
調製および分注システム。
【請求項2】
活性化合物の各リザーブが、その流体出口に、放出ノズル(500)を含み、
前記放出ノズル(500)の前記液圧抵抗(Rh1)が、活性化合物の前記リザーブの前記液圧抵抗(Rh2)より少なくとも9倍高い、請求項1に記載の調製および分注システム。
【請求項3】
前記放出ノズルが円筒形チューブ(500)である、請求項1または2に記載の調製および分注システム。
【請求項4】
各圧力切替スイッチ(301~306)が3:2バルブである、請求項1~3のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項5】
各圧力切替スイッチ(301~306)が圧力調整器である、請求項1~3のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項6】
前記放出ノズル(500)が、各カートリッジの出口に直接的に配置される、請求項1に記載の調製および分注システム。
【請求項7】
前記放出ノズル(500)が、使用中、それらが前記カートリッジの前記出口の下流に配置されるような方法で支持体上に配置されるとともに、使用中、各カートリッジ出口に対して密封して保持されるように設計される、請求項1に記載の調製および分注システム。
【請求項8】
前記空気圧発生器が、リザーバ出口圧力が調節されることを可能にする減圧器(203)に接続された圧力リザーバ(202)自体に接続されたポンプ(201)から構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項9】
前記空気圧発生器が、減圧器と関連する着脱可能で交換可能な圧縮ガスリザーバから構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項10】
少なくとも1つの圧力切替スイッチ(301~306)の前記入口(I2)が、活性化合物(A1~A2)の少なくとも1つのリザーブ(501~508)が、大気圧と連通して配置されるか、空気圧発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得るように、大気圧に接続された制御可能な開口入口(I3)をさらに含む2:2バルブ(301’~306’)の出口(O1)に接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項11】
少なくとも1つの圧力切替スイッチ(301~306)の前記出口(311~316)が、活性化合物(A1~A2)の少なくとも1つのリザーブ(501~508)が、大気圧と連通して配置されるか、前記空気圧発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得るように、活性化合物(A1~A2)のリザーブ(501~508)に接続された出口(O1)をさらに含む2:2バルブ(301’~306’)の制御可能な開口入口(I3)に接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項12】
N個の圧力センサ(360)であって、各1つが活性化合物のリザーブに配置され、活性化合物の前記N個のリザーブにおける圧力が測定されることを可能にするN個の圧力センサ(360)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項13】
フローリミッタが、前記空気圧発生器と前記N個の圧力切替スイッチの各入口(I1)との間に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項14】
フローリミッタが、大気圧と前記N個の圧力切替スイッチの各入口(I2)との間に配置される、請求項1~13のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項15】
フローリミッタが、活性化合物の各リザーブと前記N個の圧力切替スイッチの各出口(311~316)との間に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載の調製および分注システム。
【請求項16】
前記調製および分注システムが、圧力下で作動中、密封され変形不能であり、既知で互いに異なる容積を有するN’個のいわゆる「基準」リザーバをさらに含み、
N’は1以上であり、前記圧力分配器が、N’個の追加的な圧力切替スイッチであって、前記基準リザーバに接続され、各基準リザーバ内部の圧力が測定されることを可能にする圧力センサを各々含むN’個の追加的な圧力切替スイッチを有する、請求項12に記載の調製および分注システム。
【請求項17】
N+N’個の同一のフローリミッタが、前記空気圧発生器とN+N’個の前記圧力切替スイッチの各入口(I1)との間に配置される、請求項16に記載の調製および分注システム。
【請求項18】
N+N’個の同一のフローリミッタが、大気圧とN+N’個の前記圧力切替スイッチの各入口(I2)との間に配置される、請求項16または17に記載の調製および分注システム。
【請求項19】
N+N’個の同一のフローリミッタが、活性化合物の各リザーブとN+N’個の前記圧力切替スイッチの各出口(311~316)との間に配置される、請求項16に記載の調製および分注システム。
【請求項20】
カートリッジが、本体(530)と、入口(511)と、放出ノズル(500)が取り付けられた出口(521)とを含み、
前記放出ノズル(500)の液圧抵抗が、前記本体(530)の液圧抵抗より少なくとも9倍高いことを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の調製および分注システムのためのカートリッジ。
【請求項21】
前記本体(530)が長手方向壁により境界付けられ、前記放出ノズルが、使用中、いくつかのカートリッジが並置されると、前記カートリッジの出口が共に単一の分配ノズルを形成するように、前記カートリッジの前記本体(530)の前記長手方向壁の続きに位置付けられる、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記カートリッジが、作動中に前記圧力により変形不能である外壁と、前記活性化合物を含む内部室とを含み、
前記室が作動中に圧力下で変形可能であるとともに、使用位置において前記放出ノズル(500)に密閉された態様で固定されることを意図されている、請求項20または21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
請求項1~19のいずれか一項に記載のシステムの活性化合物(A1~A2)のリザーブ(501~508)から個人用組成物を調製および分注するための方法において、前記方法が、以下のステップ:
a)作動圧力を送達するように空気圧発生器(200、201~202)を作動させるステップと、
b)作動圧力を、所与の時間の間、活性化合物の少なくとも1つのリザーブへ送達するとともに、各活性化合物(A1~A2)について前記作動圧力により決められた用量を送達するために、N個の圧力切替スイッチ(301~306)の少なくとも1つの作動を、決められた継続時間制御するステップと、
c)前記少なくとも1つのリザーブから出る活性化合物のフローを止めるために、大気圧を活性化合物の前記少なくとも1つのリザーブに送達するように、各決められた継続時間の終わりに、前記N個の圧力切替スイッチ(301~306)の少なくとも1つの作動を制御するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
ステップb)の間、各活性化合物(A1~A2)が分注される継続時間が記録され、各リザーブ(501~508)から分注される活性化合物の量がこのとき推測されるとともに、各リザーブ(501~508)についての充填状況を決定するために使用され、前記方法が、前記リザーブ(501~508)を再充填する必要性を示すステップd)をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記システムが、放出ノズルであって、前記放出ノズルの液圧抵抗(Rh1)が、活性化合物の前記リザーブの液圧抵抗(Rh2)より少なくとも9倍高い放出ノズルと、活性化合物の前記リザーブ(501~508)における圧力センサとを含み、前記方法が、
・活性化合物の前記リザーブ(501~508)における圧力が上昇、安定および低下するときに、前記圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・時間に関して、このように測定された前記圧力を積算することと、
・前記このようにして得られた積算を前記液圧抵抗(Rh1)で割ることにより、前記注入された用量を算出することと、
を含む、分注された活性化合物の用量を決定するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記システムが、活性化合物の前記リザーブ(501~508)において圧力センサを含み、前記方法が、
・活性化合物の前記リザーブ(501~508)における圧力が上昇および/または低下するときに前記圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・異なる充填度を有するリザーバにおける圧力の上昇および/または低下について、このように測定された圧力の曲線を基準曲線に対して比較することにより、活性化合物の前記リザーブ(501~508)の充填度を算出することと、
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブ(501~508)の充填度を決定するステップをさらに含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記システムが、活性化合物の前記リザーブ(501~508)において圧力センサを含み、N’個の基準リザーバにもまた圧力センサが取り付けられ、前記方法が、
・活性化合物の前記リザーブ(501~508)における圧力が上昇および/または低下するときに、前記圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・各基準リザーバの圧力が上昇および/または低下するときに、前記圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・活性化合物の前記リザーブ(501~508)における圧力の上昇および/または低下の曲線を、前記基準リザーバにおける圧力の上昇および/または低下の曲線に対して比較することにより、活性化合物の前記リザーブ(501~508)の充填度を算出することと、
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブ(501~508)の充填度を決定するステップをさらに含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力を使用して個人用組成物を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業はますます、インターネットを介して送信されるとともに3Dプリンタなど接続された製造システムにより実装されるデータからの、ユーザ自身による品物の製造を求めるようになっている。
【0003】
同時に、消耗品の分野において、エンドユーザにより製品を個人向けにする傾向がある。この傾向は、例えば、患者に、彼の性、年齢、遺伝的形質、および癌またはウイルス株など病気の詳細により、具体的に適合してある医薬治療薬の調製において見られる。
【0004】
本発明は、消耗品、例えば化粧品調製物(皮膚/スキンケアおよびヘアケア製品など)、治療薬製品、栄養(個人用に風味付けされたかビタミンが強化された飲料の調製)、美術工芸品(個人用塗料の調製)、家庭用品(洗濯石鹸、部屋用芳香剤、食器洗い製品、洗浄剤)の分野における個人用組成物を調製するためのシステムを提案しようとするものである。
【0005】
本発明は、実装し易く、正確で、安価な限られた数の活性成分に由来する多数(数千/百万/十億)の可能な調製物から個人用組成物を調製および分注するためのデバイスを提供しようとするものである。
【0006】
化粧品の分野において、そのようなデバイスは既に提案されているが、数多くの欠点を有している。
【0007】
(特許文献1)(番号(特許文献2)の下で公開)は、注射器駆動部を制御する制御インターフェイスを含む自動化されたデバイスを説明しており、この注射器駆動部は、注射器の中身が、放出コーンに接続された複数入口式コネクタから構成される混合ゾーンにおいて合流する可撓性チューブに注入されるようにするものであり、この放出コーンを介して、このように調製された化粧品組成物が放出される。
【0008】
注射器駆動部が作動される継続時間およびそれらの作動速度は、望まれる化粧品組成物の量、化粧品処方における様々な活性成分および化粧品ベースの割合、ならびにコネクタと放出コーンとの間にある容積(死容積)に依存する。
【0009】
しかしながら、注射器駆動部の使用により、機械が費用の点で極めて高価なものとなる。各注射器駆動部は容積型アクチュエータであることから、潜在的な泡の存在が検出され得ず、投与される用量は不十分となり得る。混合ゾーンであって、その下流で背圧を生じる混合ゾーンがあることから、システムの弾性の結果として、製品の用量の少なくとも一部もまた上流に押し戻されることがあり、その結果、化合物が、混合物に含まれる他の化合物で汚染される場合がある。
【0010】
さらに、高粘性調製物の場合、システムの弾性は、注射器駆動部の作動と製品の送達との間にかなりの遅延を生じさせ、システムを長くし過ぎるとともに誤った計測のリスクを増加させる(例えば、ユーザが、最終的な注入用量を受け取る前に混合物を引き出す)。さらに、ミキサーは汚染(クリームがチューブ内へ引き戻される、または活性成分の拡散)のリスクにさらされる。最後に、当該文献において説明されたデバイスは死容積を含む。したがって、先行する混合物が混合ゾーンに残っていることから、先行する混合物から残っているある量の望ましくない可能性のある製品が、現在の混合物に追加されることになる。
【0011】
(特許文献3)は、自動化されたデバイスであって、活性化合物を含む使い捨てカートリッジのための支持体と、活性化合物を混合するための混合ユニットと、カートリッジに穴を開けることができる中空ニードルと、活性成分を前記中空ニードルを通じて混合ユニットに向かって吸い込むための手段とを含む自動化されたデバイスを説明している。
【0012】
単一のカプセルの使用により、ユーザは、誤差のリスクを伴いながら数多くの操作を実施することを強いられる。これは非常に多くの(財政的かつ生態学的)費用を生じさせ、カプセル毎に投与される量が変えられ得ないという事実は、可能な処方の数を限定する。
【0013】
加えて、調製される量は比較的多く、迅速に使い切られない場合、大部分は浪費され得る。
【0014】
さらに、混合ユニットは容積型アクチュエータであり、このことは、送達される製品の量が泡の存在の影響を受けることを意味する。
【0015】
最後に、混合ユニットは各調製後に洗浄される必要があり、このこともまたすすぎによる無駄を生じさせ、これはユーザが管理せねばならないとともに、生物膜の形成およびバクテリアによる汚染のリスクを増加させる。加えて、当該文献は、ユニットがすすぎ水ですすがれることを述べているだけであり、このことは、作られる製品の衛生状態および正確さの両方を確実にするには全く不十分である。
【0016】
したがって、即席であるとともに1マイクロリットル以内まで正確な組成物を作ることは現在可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】仏国特許第1570080号明細書
【文献】仏国特許第3044219号明細書
【文献】国際公開第2014080093号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、先行技術のシステムにより提起された問題を解決しようとするものであるとともに、操作し易く、衛生的で、正確で、迅速で、経済的なデバイスによる多数の処方のより正確でより迅速な調製および投与を可能にしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による調製システムにより、単一用量(1~数滴)の組成物を多目的カートリッジから調製することが可能になる。各カートリッジは、クリーム、油、ペーストタイプのまたはいくつかの他の流体の賦形剤と有利には混合された少なくとも1つの活性化合物を含む。説明の残りの部分において、「活性化合物」という用語は、化合物とそれが含み得る任意の賦形剤とを合わせたものを指すために使用される。
【0020】
この目的のために、本発明の1つの目的は、活性化合物のN個のリザーブから個人用組成物を調製および分注するための調製および分注システムであり、Nは1以上の整数であり、N個のリザーブの各1つが決められた液圧抵抗を有し、N個のリザーブの各1つが流体入口と、流体出口と、少なくとも1つの活性化合物を含む本体とを含み、システムが、N個の圧力切替スイッチを含む圧力分配器に接続された空気圧発生器を含み、N個の圧力切替スイッチの各1つが、活性化合物の各リザーブが大気圧、または圧力発生器により生じた圧力のいずれかと連通するように配置され得るように、圧力発生器に接続された少なくとも1つの入口と、大気圧に接続された1つの入口と、活性化合物のリザーブの入口に接続された出口とを有する。
【0021】
圧力切替スイッチが、少なくとも2つの入口I1およびI2と1つの出口311~316とを有する空気圧式制御システムであり、前記切替スイッチは、出口311~316に、入口I1および入口I2での2つの圧力値の間に含まれる値の圧力をかけるように制御可能である。これは例えば、出口に、入口I1からの圧力または入口I2からの圧力のいずれかをかけることを可能にする3:2バルブであってもよい。これはまた、出口311~316に、入口I1および入口I2での2つの圧力値の間に含まれる任意の圧力をかけることを可能にする制御可能な比例調整器であってもよい。
【0022】
液圧抵抗は、パイプを特徴付けるとともに、パイプに沿って流れる流体が受ける圧力水頭の損失を算出することを可能にするパラメータである。活性化合物のリザーブの液圧抵抗は、リザーブの構造およびそれが含む活性化合物の粘度に依存する。流体部分のこの流れ抵抗Rhは一般に、比例関係デルタP=Q*Rhにより定義され、デルタPは流体部分の入口および出口の間の圧力差であり、Qは、この流体部分を通って流れる液体の流量である。この定義は一般に非圧縮性流体に適用され、流れ抵抗はしたがって、検討される活性化合物の密度により、質量流量または容積測定流量に対して定義され得る。
【0023】
特定の実施形態によると:
・活性化合物の各リザーブは、その流体出口に放出ノズルを含んでもよく、この放出ノズルの液圧抵抗は、活性化合物の前記リザーブの液圧抵抗より少なくとも9倍高い、
・放出ノズルは円筒形チューブであり得る、
・各圧力切替スイッチは3:2バルブであり得る、
・各圧力切替スイッチは圧力調整器であり得る、
・活性化合物の各リザーブは、交換可能な多用量カートリッジと、カートリッジ支持体であって、使用中、圧力切替スイッチの出口と共に各カートリッジ入口を密封して個別に保つように設計されたカートリッジ支持体とから構成され得る、
・放出ノズルは各カートリッジの出口に直接的に配置され得る、
・放出ノズルは、使用中、それらがカートリッジの出口の下流に配置されるような方法で支持体上に配置され得るとともに、使用中、各カートリッジ出口に対して密封して保持されるように設計される、
・空気圧発生器は、リザーバ出口圧力が調節されることを可能にする減圧器に接続された圧力リザーバ自体に接続されたポンプから構成され得る、
・空気圧発生器は、減圧器と関連する着脱可能で交換可能な圧縮ガスリザーバから構成され得る、
・少なくとも1つの圧力切替スイッチの入口は、活性化合物の少なくとも1つのリザーブが、大気圧と連通して配置されるか、圧力発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得るように、大気圧に接続された制御可能な開口入口をさらに含む2:2バルブの出口に接続され得る、
・少なくとも1つの圧力切替スイッチの出口は、活性化合物の少なくとも1つのリザーブが、大気圧と連通して配置されるか、圧力発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得るように、活性化合物のリザーブに接続された出口をさらに含む2:2バルブの制御可能な開口入口に接続され得る、
・システムは、N個の圧力センサを含んでもよく、N個の圧力センサの各1つは活性化合物のリザーブに配置され、活性化合物のN個のリザーブにおける圧力が測定されることを可能にする、
・フローリミッタが、圧力発生器とN個の圧力切替スイッチの各入口との間に配置され得る、
・フローリミッタが、大気圧とN個の圧力切替スイッチの各入口との間に配置され得る、
・フローリミッタが、活性化合物の各リザーブとN個の圧力切替スイッチの各出口との間に配置され得る、
・システムは、N’個のいわゆる「基準」リザーバをさらに含んでもよく、この「基準」リザーバは、圧力下で作動中、密封され変形不能であり、既知で互いに異なる容積を有し、N’は1以上であり、圧力分配器は、N’個の追加的な圧力切替スイッチであって、前記基準リザーバに接続され、各基準リザーバ内部の圧力が測定されることを可能にする圧力センサを各々含むN’個の追加的な圧力切替スイッチを有する、
・N+N’個の同一のフローリミッタが、圧力発生器とN+N’個の圧力切替スイッチの各入口との間に配置され得る、
・N+N’個の同一のフローリミッタが、大気圧とN+N’個の圧力切替スイッチの各入口との間に配置され得る、および/または
・N+N’個の同一のフローリミッタが、活性化合物の各リザーブとN+N’個の圧力切替スイッチの各出口との間に配置され得る。
【0024】
本発明の別の目的は、前述の調製および分注システムのためのカートリッジであり、このカートリッジは、本体と、入口と、放出ノズルが取り付けられた出口とを含み、放出ノズルの液圧抵抗は、前記本体の液圧抵抗より少なくとも9倍高い。
【0025】
特定の実施形態によると、
・本体は、長手方向壁により境界付けられてもよく、放出ノズルは、使用中、いくつかのカートリッジが並置されると、カートリッジの出口が共に単一の分配ノズルを形成するように、カートリッジの本体の長手方向壁の続きに位置付けられ、および/または、
・カートリッジは、作動中に圧力により変形不能である外壁と、活性化合物を含む内部室とを含んでもよく、前記室は、作動中に圧力下で変形可能であるとともに、使用位置において放出ノズルに密閉された態様で固定されることを意図されている。
【0026】
本発明の別の目的は、前述のシステムの活性化合物のリザーブから個人用組成物を調製および分注するための方法であり、方法は、
a)作動圧力を送達するように空気圧発生器を作動させるステップと、
b)作動圧力を、所与の時間の間、活性化合物の少なくとも1つのリザーブへ送達するとともに、各活性化合物について作動圧力により決められた用量を送達するために、N個の圧力切替スイッチの作動を、決められた継続時間制御するステップと、
c)前記少なくとも1つのリザーブから出る活性化合物のフローを止めるために、大気圧を活性化合物の前記少なくとも1つのリザーブに送達するように、各決められた継続時間の終わりに、N個の圧力切替スイッチの作動を制御するステップと
を含む。
【0027】
特定の実施形態によると、
・ステップb)の間、各活性化合物が分注される継続時間が記録されてもよく、各リザーブから分注される活性化合物の量がこのとき推測されるとともに、各リザーブについての充填状況を決定するために使用され、この方法は、リザーブを再充填する必要性を示すステップd)をさらに含む、
・システムが、放出ノズルであって、放出ノズルの液圧抵抗が、活性化合物の前記リザーブの液圧抵抗より少なくとも9倍高い放出ノズルと、活性化合物のリザーブにおける圧力センサとを含む場合、この方法は、
・活性化合物の前記リザーブにおける圧力が上昇、安定および低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・時間に関して、このように測定された圧力を積算することと、
・このようにして得られた積算を液圧抵抗で割ることにより、注入された用量を算出することと
を含む、分注された活性化合物の用量を決定するステップをさらに含んでもよい、
・システムが活性化合物のリザーブにおいて圧力センサを含む場合、この方法は、
・活性化合物の前記リザーブにおける圧力が上昇および/または低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・異なる充填度を有するリザーバにおける圧力の上昇および/または低下について、このように測定された圧力の曲線を基準曲線に対して比較することにより、活性化合物の前記リザーブの充填度を算出することと
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブの充填度を決定するステップをさらに含んでもよい、
・システムが活性化合物のリザーブにおいて圧力センサを含み、N’個の基準リザーバにもまた圧力センサが取り付けられる場合、方法は、
・活性化合物の前記リザーブにおける圧力が上昇および/または低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・各基準リザーバの圧力が上昇および/または低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・活性化合物の前記リザーブにおける圧力の上昇および/または低下の曲線を、基準リザーバにおける圧力の上昇および/または低下の曲線に対して比較することにより、活性化合物の前記リザーバの充填度を算出することと
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブの充填度を決定するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
本発明のさらなる特徴が、添付の図面を参照して与えられる以下の詳細な説明において列挙される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムの断面の概略図。
図2】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムの第2実施形態の概略斜視図。
図2a】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムにおいて圧力切替スイッチとして使用される3:2バルブの概略平面図。
図2b】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムにおいて圧力切替スイッチとして使用される、大気圧で、入口で2:2バルブと組み合わされた3:2バルブの概略平面図。
図2c】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムにおいて圧力切替スイッチとして使用される、出口で2:2バルブと組み合わされた3:2バルブの概略平面図。
図3図2の個人用組成物を調製および分注するためのシステムの概略側面図。
図4】本発明による活性化合物のカートリッジの一例の長手方向断面の概略図。
図5】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムに装着されるカートリッジのセットの上からの概略図。
図6a】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムに装着されるカートリッジのセットの3つの実施形態の下からの概略図。
図6b】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムに装着されるカートリッジのセットの3つの実施形態の下からの概略図。
図6c】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムに装着されるカートリッジのセットの3つの実施形態の下からの概略図。
図7】本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムを使用して、堆積された調製量の線形性を時間の関数として示すグラフ。
図8】活性化合物のカートリッジの圧力の上昇の継続時間を、その充填度に応じて示すグラフ。
図9】活性化合物の2つのカートリッジの同時に起こる圧力の上昇の継続時間を、それらの充填度に応じて示すグラフ。
図10】活性化合物の2つのカートリッジの圧力の低下の継続時間を、連続的または同時に起こる減圧について、それらの充填度に応じて示すグラフ。
図11】限定圧力発生システムの場合の、単一カートリッジからの注入またはいくつかのカートリッジからの同時に起こる注入についての、注入された用量とカートリッジにおける圧力の積算との間の相関関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0030】
概して、図1に示された本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムは、N個の出口を含む圧力分配器300に接続された空気圧発生器200を含む支持構造100を含み、Nは1以上の整数である。単一の製品を分注するためには、例えば、調整済み薬品を正確に分注するためにはNは1に等しい。混合される必要のある様々な製品を分注するためには、Nは2以上である。
【0031】
2つのみの出口311~312が図1に示されている。
【0032】
各出口は独立して制御され得るとともに、活性化合物のリザーブに密封して接続される。
【0033】
したがって、圧力分配器には、圧力発生器からの圧力を様々な活性化合物のリザーブ間で分配する機能がある。この目的のために、圧力分配器300はN個の圧力切替スイッチ301~306から構成され、N個の圧力切替スイッチ301~306は各々、出口311~312を含み、ゼロ圧力(問題の切替スイッチが接続されている活性化合物のリザーブに圧力が到達しない)が正の作動圧力へ切り替えられることを可能にする。様々なタイプの圧力切替スイッチが使用され得る。最も単純なものは、3:2バルブであり、これは、2つの位置、すなわち、伝達される圧力が大気圧である閉位置と伝達される圧力が圧力発生器の最大値である開位置とを有する。代替的に、大気圧と最大圧力との間に含まれる間隔から選択された圧力を伝達することを可能にする圧力調整器を使用することが可能である。
【0034】
活性化合物の各リザーブには、圧縮空気入口の反対側のその流体出口に放出ノズルが取り付けられる。本発明によると、この放出ノズルは、放出ノズルの液圧抵抗Rh1が活性化合物のリザーブの液圧抵抗Rh2よりはるかに高くなるような構造および寸法を有する。これは、放出される用量の正確さを可能にする。実際には、放出ノズルの液圧抵抗Rh1は、好ましくは、活性化合物のリザーブの液圧抵抗Rh2より少なくとも9倍高くなるように選択される。
【0035】
説明の残りの部分における算出を単純化するために、放出ノズルは、円筒形チューブであって、円筒形チューブの液圧抵抗Rh1が活性化合物のリザーブの液圧抵抗Rh2の好ましくは少なくとも9倍に等しいような断面および長さの円筒形チューブから構成されることになる。しかしながら、放出ノズル(円筒形チューブ)はまた、同じチューブ長さについて液圧抵抗を増加させる内部構造配置構成を有してもよい。代替的に、放出ノズルは、ノズルの液圧抵抗Rh1が活性化合物のリザーブの液圧抵抗Rh2の好ましくは少なくとも9倍に等しいような、複雑な形状を有してもよく、これは非円筒形状を意味する。
【0036】
リザーブおよび放出ノズルの、それらの流体出口での液圧抵抗間のこの関係は、投与される用量が、カートリッジの充填のレベルとは無関係に、かけられた圧力に比例することを確実にする。
【0037】
ユーザが放出ノズルを使用しない方を好む場合であっても、カートリッジの本体の液圧抵抗Rh2およびカートリッジの充填度を知ることが必要である。これはカートリッジの出口での活性化合物の流量を、その充填度により、上流で校正することが可能であるからである。使用中、カートリッジの充填レベルは、既に分注された用量の全てをまとめることにより推定され得る。活性化合物A1~A2のリザーブ501~508から個人用組成物を調製および分注するために、ユーザは以下のことを行う必要がある:
a)作動圧力を送達するように空気圧発生器200、201~202を作動させる、
b)作動圧力を、所与の時間の間、活性化合物の少なくとも1つのリザーブへ送達するとともに、各活性化合物A1~A2について、作動圧力により決められた用量を送達するように、N個の圧力切替スイッチ301~306の少なくとも1つの作動を決められた継続時間の間制御する、そして
c)前記少なくとも1つのリザーブから出る活性化合物のフローを止めるために、大気圧を活性化合物の前記少なくとも1つのリザーブに送達するように、各決められた継続時間の終わりに、N個の圧力切替スイッチ301~306の少なくとも1つの作動を制御する。
【0038】
したがって、ユーザが満杯のカートリッジで本発明を実装する場合、液圧抵抗Rh2を当初に知っていることで、分注時間T=D*Rh2/デルタPを選択することが可能になり、Dは必要とされる用量であり、デルタPは作動圧力である。対照的に、システムにより投与される用量の誤差は、カートリッジが徐々に空になるにつれて増加する。垂直な円筒形カートリッジの場合、誤差は、カートリッジが半分空の場合、例えば100%(投与される用量の2倍)に到達する。したがって、このレベルの誤差がユーザの目的にとって許容可能ではない場合、ユーザはカートリッジを定期的に充填することが必要となる。
【0039】
別の解決策は、カートリッジに含まれる活性成分の汚染も引き起こし得るこの体系立てられた厄介な充填を回避することを可能にする:ステップb)の間、各活性化合物A1~A2が分注される継続時間が記録され、各リザーブ501~508から分注された活性化合物の量がこのとき推測されるとともに、各リザーブ501~508についての充填状況を決定するために使用される。システムはこのとき、リザーブ501~508を再充填する必要があるという指示を表示するようにプログラムされ得る。
【0040】
したがって、システムが、カートリッジの形状により、新たな流れ抵抗を推定することも可能となる。前述の例において、用量が記録されるとともにカートリッジが50%空であることが観察された後で、システムは、例えば、修正されたリザーバ抵抗Rh2corr=50%Rh2を使用することが可能になる。これは、特に連続的な投与量がカートリッジの総容量と比べて少量である場合、投与される用量の誤差を著しく減少させることを可能にする。
【0041】
しかしながら、抵抗Rh2より少なくとも9倍高い抵抗Rh1を有する放出ノズルの無いこの実施形態は、特に、活性化合物がカートリッジにおいて広がる方法の影響を受けることになる。これは、化粧クリームであって、カートリッジにおけるその分布が数分またはさらには数時間にわたって用量の投与後に変化し得る化粧クリームなど、高粘性流体の場合特に重要である。この理由のため、活性化合物の正しい計測を確実にするために、この放出ノズルを導入することが好ましい場合がある。その場合、投与された用量を正しく推測するための、カートリッジの充填のレベルを決定するための分注回数、したがって連続的な投与量の記録がもはや必須ではなくなる。それにも関わらず、システムの状況を確認し、充填の臨界レベルであって、それ未満では動作中のカートリッジを交換するか充填することが勧められる充填の臨界レベルを予測することが有益であり得る。
【0042】
電気または電子要素の全てが電子ボードにより制御され、これはまた、通信モジュール、好ましくは無線(Wi-Fi、Bluetoothなど)を通じて、分注されることになる調製物を集めることができる。支持構造100は、電源システム、タッチスクリーン800、またはユーザがシステムを操作するために必要な任意のインターフェイス(スイッチオン、選択などのためのボタン)を含み得る。
【0043】
図2~4に示された実施形態において、空気圧発生器200は、例えば200mlの圧力リザーバ202に接続されたポンプ201から構成され得る。この圧力発生器はそれ自体、出口圧力を、大気圧を上回る、好ましくは少なくとも1バール上回るように調節することを可能にする減圧器203に接続される。
【0044】
代替的に、圧力発生器は、減圧器203と関連する、例えばCOキャニスタタイプの着脱可能で交換可能な圧縮ガスリザーバから構成され得る。
【0045】
圧力発生器204の出口は、圧力分配器300の入口307に、減圧器203を介して接続される。圧力分配器300は、圧力発生器200に減圧器203を介して接続された入口307を含む空気圧回路と、例えば3:2タイプ(図2aを参照)のバルブ301~306からなるN個の圧力切替スイッチ301~306と、N個の圧力切替スイッチ301~306の出口311~316(または圧力切替スイッチに装着され得る可能な2:2バルブのN個の出口O1)を活性化合物のリザーブ501~508に接続するN個の可撓性チューブ341~346とを含む。
【0046】
これらのバルブは、圧力発生器に接続された入口I1と、大気圧に接続された入口I2と、出口311~316であって、活性化合物A1~A2の各リザーブ501~508が大気圧(空気圧推力が無い)または圧力発生器200により生じた圧力(空気圧推力が生成される場合)のいずれかと連通して配置され得るように、活性化合物A1~A2のリザーブ501~508に接続された出口311~316を含む。
【0047】
代替的に、圧力分配器300が、活性化合物のリザーブにおける空気圧推力が圧力発生器の圧力と大気圧との間のどこかの圧力を与えることにより変調されることを可能にすることが好ましい場合がある。その場合、活性化合物の各リザーブが大気圧(空気圧推力が無い)と圧力発生器の圧力(最大の空気圧推力が生成される場合)との間に含まれる圧力と連通して独立して配置されるように、3:2バルブよりむしろ制御可能な圧力調整器を使用し得る。
【0048】
代替的に、圧力分配器300がまた、出口311~316が切り離される(閉鎖される)ことを可能にするのが好ましい場合がある。換言すると、これらの出口は大気圧でも圧力発生器の圧力でもなく、それらは単純に閉鎖されている。
【0049】
このために、図2bに示されるとおり、例えば、2:2バルブを各先行する3:2バルブの大気入口I2と関連付けることが可能である。したがって、3:2バルブ301~306の入口I2は、大気圧に接続された制御可能な開口入口I3をさらに含む2:2バルブ301’~306’の出口O1に接続される。制御可能な開口により意味されるのは、開かれるか閉鎖されるかのいずれかであり得る開口である。
【0050】
活性化合物A1~A2の各リザーブ501~508はこのとき、大気圧と連通して配置されるか、圧力発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得る。
【0051】
均等な代替形態が図2cに示されており、ここで2:2バルブは3:2バルブの出口311~316に配置されている。したがって、3:2バルブ301~306の出口311~316は、活性化合物A1~A2のリザーブ501~508に接続された出口O1をさらに含む2:2バルブ301’~306’の制御可能な開口入口I3に接続される。
【0052】
このようにして、活性化合物A1~A2の各リザーブ501~508は、大気圧と連通して配置されるか、圧力発生器により生じた圧力と連通して配置されるか、閉鎖されるかのいずれかであり得る。
【0053】
そのような実施形態は、重力の影響下での、活性化合物のリザーブからの活性化合物の漏出を制限することを可能にする。
【0054】
代替的に、3:2バルブおよび2:2バルブよりむしろ、互いに接続された2つの2:2バルブを使用することが可能である。これはより経済的である。
【0055】
圧力分配器300の各出口311~316は、例えば1mmより大きい内径を有する可撓性チューブ341~342を使用して、圧力切替スイッチ301~306を介して、活性化合物のリザーブに接続される。
【0056】
有利には、フローリミッタが、(活性化合物を放出するための)圧力の上昇および/または(放出後の)圧力の低下を制御するために使用され得る。これは、例えば50l/minまたは1l/minの一定の気体流量を確実にすることを可能にし、カートリッジの圧力の上昇および低下を、より反復可能に、および加圧されることになるカートリッジの数、それらの充填度、および圧力発生器の加圧能力とは無関係にする。
【0057】
圧力の上昇を制御するために、フローリミッタが、圧力分配器に接続された各圧力切替スイッチ301~306の各入口I1に配置される。
【0058】
圧力の低下を制御するために、フローリミッタが、大気圧に接続された各圧力切替スイッチ301~306の各入口I2(またはI3)に配置される。
【0059】
圧力の上昇および低下の両方を制限するために、フローリミッタを、各圧力切替スイッチ301~306の2つの入口I1およびI2(または圧力切替スイッチに嵌合され得る任意の2:2バルブの入口I3)に配置するか、フローリミッタが、各圧力切替スイッチ301~306の各出口311~316に(または圧力切替スイッチに嵌合され得る任意の2:2バルブの出口O1に)配置され得るかのいずれかが可能である。
【0060】
活性化合物のリザーブは、支持体400であって、N個のハウジング401、および、N個の交換可能な多用量カートリッジ501~502であって、各々が例えばクリームの形の活性化合物A1~A2を含むN個の交換可能な多用量カートリッジ501~502を備える支持体400を有利には含む。
【0061】
支持体400は、圧力分配器の出口と共にカートリッジ501~502の各入口511~512を、使用中、密封して独立して保持するように設計される。
【0062】
例えば、支持体は、カートリッジ501~502がシール350に対して密封して押し付けられるような方法で、支持構造100にねじで取り付けられる。
【0063】
シール350は、様々なカートリッジ間の圧力が実際に独立していることと、支持体400と各カートリッジとの間に漏出が無いこととを確実にする。
【0064】
支持体は、カートリッジに含まれる活性化合物A1~A2の混合物が作られるように、少なくとも2つのカートリッジのための少なくとも2つのハウジングを含む。
【0065】
化粧品適用のために、支持体は、それぞれ4つ、6つまたは8つのカートリッジのための少なくとも4つの、好ましくは少なくとも6つの、有利には少なくとも8つのハウジングを含む。
【0066】
電気または電子要素の全て(バルブ、ポンプ、圧力センサ、投与コンピュータなど)は、電子ボードにより制御され、電子ボードは、通信モジュール、好ましくは無線(Wi-Fi、Bluetoothなど)を介して、分注されることになる調製物が集められることを可能にする。支持構造100は、電源システム、タッチスクリーン800、または、ユーザがシステムを操作するために必要な任意のインターフェイス(スイッチオン、選択などのためのボタン)を含み得る。
【0067】
図4に示された本発明の好ましい一実施形態によると、活性化合物の各リザーブは、その流体出口に、放出ノズル500を含み、その放出ノズル500の液圧抵抗Rh1は、活性化合物の前記リザーブの液圧抵抗より少なくとも9倍高い。
【0068】
有利には、放出ノズルは、圧縮空気入口の反対側の、流体出口の上流に配置された円筒形チューブ500である。この円筒形チューブは以下のような断面S1と長さL1とを有する:
【数1】

ここで、
・Rh2は活性化合物のリザーブの液圧抵抗であり、
・Rh1はチューブの液圧抵抗であり、
・Xは、一定圧力での注入レジームのために求められる流量と、一定圧力での注入レジームにおいて実際に得られる流量との間の最大許容可能なパーセント誤差である。
【0069】
最大パーセンテージ誤差Xが1と比べて小さいとき、この等式は、Rh2/Rh1<Xに単純化され得る。
【0070】
したがって、10%の最大レベルの誤差が許容される場合、円筒形チューブの液圧抵抗Rh1とカートリッジの液圧抵抗Rh2との間の比は、9より大きくなる必要がある。これは好ましくは10より高い。換言すると、本発明によると、円筒形チューブの液圧抵抗Rh1は、有利には、カートリッジの液圧抵抗より少なくとも9倍大きくなるように選択される。
【0071】
許容される最大レベルの誤差が1%である場合、円筒形チューブの液圧抵抗とカートリッジの液圧抵抗との間の比は100である。換言すると、円筒形チューブの液圧抵抗は、カートリッジの液圧抵抗より100倍大きい必要がある。
【0072】
断面は、円形、三角形、四角形または別の形状であり得る。以下で与えられる例は、円形断面について与えられる。
【0073】
チューブおよびカートリッジが円形断面を有する場合、Rh1とRh2との間の比は以下の形をとる:
【数2】

ここで、
・Rh1は円形の円筒形チューブ500の液圧抵抗であり、
・Rh2はカートリッジ501~508の液圧抵抗であり、
・L1は円形の円筒形チューブ500の長さであり、
・L2はカートリッジ501~508の本体の長さであり、
・R1は円形の円筒形チューブ500の内径であり、
・R2はカートリッジ501~508の内径である。
【0074】
例えば、約1mlの活性化合物の毎日の投与を含む用途のための標準的な値は、8mmのカートリッジ内径R2と15cmのカートリッジ本体長さL2とを有する円筒形のカートリッジの使用である。これは、各カートリッジが最大で30mlの活性化合物を格納することを可能にし、カートリッジの交換が必要となる前に少なくとも30日間の使用日数の用量を提供する(各1mlの毎日の投与のためにいくつかのカートリッジが使用される場合はより長い)。円形断面の円筒形の放出ノズルがカートリッジ出口で使用される場合、カートリッジの充填のレベルとは無関係に10μl(1%)をはるかに下回る投与量誤差を得るための標準的な寸法は、例えば、800μmに等しい内径R1の円筒形チューブ、および、1.5cmに等しいこの円筒形チューブの長さを採用することであろう。具体的には、抵抗の理論的な比は、このときRh2/Rh1=1000であり、Rh1/Rh2は実際は、1%の最大許容可能な誤差Xをはるかに下回るだろう。2バールの作動圧力をかけることにより、活性化合物が約1400cPの粘度を有する場合(例えば、活性化合物がグリセロールにおいて希釈される場合)、活性成分の流量は、約5.745ml/minとなり、10秒間作動圧力をかけると、カートリッジの充填のレベルが何であれ、1%未満の誤差(プラスまたはマイナス9.5μl)を伴って、957.5μlが投与されることが可能になる。最後に、高いレベルの正確さ(例えば1%以内)を追求するためには、リザーバにおける静水圧の影響を考慮に入れる必要があり、次いで、作動圧力が、満杯のカートリッジにおいて活性化合物により生じた静水圧のレベルと比べて十分高いことを確実にすることが必要であることに留意することが重要である。典型的には、少なくとも0.5%の正確さが本発明により達成されることができる場合、カートリッジが満杯であるときに静水圧が約10mBである場合、2バールより高い圧力で操作することが必要である。したがって、極めて高いレベルの正確さのためには、カートリッジの形状を、この静水圧が低いままであるような方法で、選択することが賢明であり得る。前述の例において、例えば、2cmに等しい半径R2と2.5cmに等しいカートリッジ長さとを有するカートリッジを選択することが可能であろう。1.25g/cm(グリセロールの密度)に近い密度の活性化合物では、静水圧は約3.2mBであり、2バールの作動圧力で0.2%の計測の正確さを達成することが可能であろう。
【0075】
カートリッジと円筒形チューブ500との間の液圧抵抗のこの差は、平均流量を制御することを可能にすることにより、注入される用量の反復可能性および予測可能性を向上させる。したがって、分注される用量は、カートリッジの充填レベルとは無関係に、一定の圧力をかける平均時間に正比例する(図7を参照)。
【0076】
カートリッジの液圧抵抗と比べた出口液圧抵抗が高いほど、システムはカートリッジの充填のレベルおよびクリームがその中で広げられる方法の影響を受け無くなり、したがってシステムはより反復可能となる。
【0077】
液圧抵抗におけるこの差は、かけられた圧力および、圧力分配器における関連するバルブの開口により制御される圧力がかけられた時間に比例する流量で、かけられた圧力の影響下で、活性要素A1~A2がカートリッジから放出されることを可能にする。投与される用量はまた、活性要素A1~A2の粘度に比例する。
【0078】
図5、6a、6bおよび6cは、活性化合物のリザーブが、カートリッジが中に位置付けられた支持体400から構成される実施形態を示している。
【0079】
図5において、支持体400は、上から見ると、8つのカートリッジ501~508を含む。各カートリッジは、長手方向壁により境界付けられた本体530(図4を参照)と、入口511と、出口521とを含む。
【0080】
カートリッジは、全ての圧縮空気入口が、例えば、重力の方向に対して頂面に位置し、全ての出口が(重力の方向において)底面にあるように、有利には隣接して配置されるとともに中心軸の周りに配置される。
【0081】
空気圧回路への接続のし易さのために、入口511、512、513、514、515、516、517および518は、使用位置において、カートリッジの上面の周辺部に配置される。
【0082】
図6aは、下から見たこれらの同じカートリッジを示す。
【0083】
本発明の好ましい実施形態によると、カートリッジ出口は、使用位置において最も中央に位置するカートリッジのエッジ角の続きに位置付けられる。換言すると、出口は、カートリッジの本体530の長手方向壁の続きに位置付けられる。このようにして、使用中、N個のカートリッジが支持体に挿入されたときに、N個の出口521~528が共に単一の分配ノズル520を形成する。
【0084】
図6aにおいて、カートリッジの出口521~528の並置により形成されたノズルは、円形である。当然のことながら異なる形状のノズルを提供することも可能である。図6bは、例えば、四角形のノズル520を示している。
【0085】
図6cは、図6bのものと同様だが4つのみのカートリッジ501~504を備えている実施形態を示す。
【0086】
本発明による個人用組成物を調製および分注するためのシステムの有利な一実施形態において、活性化合物の各リザーブは、活性化合物の前記リザーブにおける圧力を測定することを可能にする圧力センサ360を含む。活性化合物のリザーブが支持体およびカートリッジから構成される場合、圧力センサ360は、内部の、または各カートリッジ501~502への入口での圧力を測定するように設計される。
【0087】
各カートリッジへの入口にある圧力センサは、測定された圧力の積算を投与された用量と直接的に相関させることにより、用量の予測可能性を向上させ、圧力上昇時間を測定することにより、カートリッジの充填のレベルを測定することを可能にする。これは、90%満たされた(四角形間のライン)カートリッジにおける分布圧(この例においては0.8バール)にほぼすぐに(200ms)到達することが分かり得る図8に示されており、これは、必要な用量と投与された用量との差が、例えば2秒を超える注入について無視できるほど(10%未満)であることを意味する。
【0088】
反対に、事実上空の(充填度20%)のカートリッジは、分布圧(三角形間のライン)に到達するのにより長い時間がかかる。例において、カートリッジは分布圧に到達するのにほぼ1秒かかっている。
【0089】
これは、2秒の注入時間の間、限定圧力発生器の場合に分配される用量は、必要な用量より著しく小さいことを意味する。カートリッジにおける圧力の上昇のこのばらつきは、圧力発生システムが供給することができる最大流量と主に関連している。この流量が理想的に無限でない場合、カートリッジにおける圧力が上昇するのにかかる時間は、加圧される必要のある空気の容積によって(したがってカートリッジの充填のレベルによって)変化し得る。
【0090】
加圧されなければならない総容積に関して特に制限されている発生システムの場合、圧力を達成するためにかかるこの時間は、注入される用量のわずかではないばらつきをもたらし得る(例えば、加圧時間が、総注入時間のわずかではない分画に対応する場合)。
【0091】
圧力センサを使用して圧力を監視することにより、および、実際に送達された用量を得るために時間に関して圧力信号の積算を算出することにより、送達された用量が必要とされる用量と同一になるように、より長い加圧時間を命令することが可能である。
【0092】
本発明によるシステムは、したがって、各カートリッジの充填のレベルが何であれ、および、全てのカートリッジにおいて作動圧力(定値圧力)をかける際の空気圧式圧力発生器の性能が何であれ、活性化合物の正確な用量を送達することを可能にする。換言すると、あまり強力ではない、したがってあまり費用がかからない圧力発生器を使用することが可能である。代替的に、同じ圧力発生器のために、圧力センサが取り付けられたシステムが、圧力センサの無い同じシステムよりも、小さい用量では、はるかにより正確である。
【0093】
対称的に、注入の終わりにおけるリザーバにおける圧力の低下は、圧力センサを使用して積算され得る。しかしながら、この圧力の低下は圧力発生器に依存しないため、これは概してより迅速であり、さらに、加圧されるカートリッジの数に依存しない。
【0094】
カートリッジにおける圧力を測定するために圧力センサを挿入することの別の主な利点は、カートリッジの充填度を測定すること、したがって、ユーザが自身のカートリッジを交換する必要があるときを予測することが可能であるという点である。このオプションが無いと、活性化合物のリザーブが空であるという単純な理由により、計測に誤りをきたす可能性がある。この問題を無くすために、圧力センサにより生成された情報を利用することが可能である。具体的には、カートリッジが加圧または減圧される速度は、各カートリッジに残っているクリームの量に依存する。この容積が大きいほど、加圧および減圧段階はより迅速になる。それにも関わらず、不完全な圧力発生器の場合、圧力の上昇を表す曲線が加圧されるカートリッジの数に依存することが起り得るが、その理由は、発振器が各加圧されるカートリッジに供給する流量が、この圧力発生器の最大流量を同時に加圧されるカートリッジの数で割ったものに依存するためである。図9は、図8におけるのと同じ条件下で同時に加圧された2つのカートリッジにおける圧力の上昇を示す(それぞれ90%および20%の充填度のカートリッジ)。どちらのカートリッジが他のものより満たされているかを決定することが依然として可能であったとしても、各カートリッジについて加圧時間が延長されたことが、この図において分かり得る。カートリッジ圧力上昇の形状が、圧力発生システムの性能および使用されるカートリッジの数/充填のレベルに依存するこの方法を考慮に入れるために、圧力発生器の最大流量が各カートリッジについて制限された流量の少なくともN倍に等しくなるように、フローリミッタを圧力切替スイッチの入口I1または出口311~316(または圧力切替スイッチに装着され得る潜在的2:2バルブの出口O1)のいずれかで挿入することが有益であり得る。したがって、圧力上昇の形状は、もはや圧力発生器の最大流量により制限されない。
【0095】
したがって、システムが、活性化合物のリザーブ501~508において圧力センサを含む場合、方法は、
・活性化合物の前記リザーブ501~508における圧力が上昇および/または低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録すること、および
・異なる充填度を有するリザーバにおける圧力の上昇および/または低下について、このように測定された圧力の曲線を基準曲線に対して比較することにより、活性化合物の前記リザーブ501~508の充填度を算出すること
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブ501~508の充填度を決定するステップを含み得る。
【0096】
しかしながら、圧力発生システムが経時的に性能の劣化を受ける場合、圧力上昇曲線の形状はこの老化とともに次第に変化することが可能である。このような場合における、カートリッジの充填レベルを測定することができるための代替的解決策は、支持構造100において、所定の容積(例えば、5ml、10ml、15mlおよび18ml)の一連のN’(N’1以上である)個の基準リザーバを挿入することであり、これら基準リザーバの各1つは、圧力分配器のレベルに位置するバルブと関連しているとともに、関連する圧力センサを有している。各加圧についてこれらの基準リザーバにおける圧力の上昇を測定することにより、カートリッジにおける上昇する圧力の曲線をこれらの基準リザーバに対して比較すること、したがって、カートリッジが充填される容積を決定することが可能となる。例えば、本発明における20mlカートリッジの使用の場合、カートリッジにおける圧力の上昇の曲線は、10mlリザーバの圧力の上昇を示す曲線と、15mlリザーバの圧力の上昇を示す曲線との間に含まれ、システムは、10~15mlがカートリッジに残っていること、および例えば、新たなカートリッジを注文することが必要であることを予測することが可能となる。圧力の上昇の曲線が、カートリッジにおいて、18ml基準リザーバについてよりもゆっくりである場合、システムは、カートリッジはほぼ空であることとこのカートリッジは変更される必要があることとを決定することが可能になる。
【0097】
カートリッジの充填度を測定することができることの別の利点は、放出ノズルの潜在的な閉塞を診断することが可能であるという点である。具体的には、カートリッジが嵌合されてから注入された用量の全てを積算することにより、および、カートリッジの実際のレベルを測定することにより、(分注された用量の合計からの)カートリッジに理論上残っているクリームの量と、(カートリッジにおける圧力の上昇の測定からの)カートリッジに実際に残っているクリームの量との間のかなりの違いを検出することが可能である。したがって、システムまたはユーザに、例えばユーザが活性化合物を乾燥させ、したがって放出ノズルを閉塞させたために、カートリッジが正しいレベルの製品をもはや分注していないということを警告することが可能となる。
【0098】
代替的に、カートリッジの充填のレベルは、カートリッジの減圧中に測定され得る。フローリミッタがカートリッジと大気圧への空気出口との間に挿入される場合、減圧時間は、フローリミッタ、カートリッジにおける空き容積、および注入段階中のカートリッジにおける圧力と大気圧との最大の差に依存する。図10は、フローリミッタとして使用される空気フィルタがカートリッジと大気出口との間に挿入されるときのカートリッジにおける圧力の減少を示す。この構成において、圧力減少曲線は、加圧されたカートリッジの数と無関係となるが、その理由は、これらの回路は独立し、その一方で、圧力上昇段階において、加圧は、加圧されるカートリッジの数(またはカートリッジの充填のレベル)に関わらず一定の空気流量を送達するために、全てのカートリッジに共通の発生システムに、したがってその容量に依存するからである。それにも関わらず、このような場合、圧力排出動態が全てのリザーバ(活性化合物および基準リザーバ)において同一であることを確実にするために、各切替スイッチの大気入口E2で、N+N’個の同一のフローリミッタを使用することが推奨される。したがって、この実施形態は、圧力発生システムの性能と無関係に充填度を決定することを可能にし、したがって、空のカートリッジが減圧するのにかかる時間および満杯のカートリッジが減圧するのにかかる時間の単純な初期校正を使用することにより、基準容積の使用を回避することを可能にする。
【0099】
しかしながら、圧力上昇段階および圧力低下段階中にカートリッジにおけるレベルを推定することは、正しいシステム作動を診断する際に利益になる。したがって、例えば基準リザーバを使用した、加圧中にカートリッジを充填するのにかかる時間の測定、および、例えば各N+N’個の切替スイッチについて同一のフローリミッタを使用した減圧時間の測定を組み合わせることが望ましいだろう。活性化合物リザーバの診断中に充填測定値が異なる場合、このことから、システムシーリングに問題があると推論することが可能となる。すなわち、実際に、適切なシーリングを備えて挿入されていないカートリッジは圧力を達成するのにより長い時間がかかり、その一方で、その圧力の低下は密封してシーリングされた同じカートリッジと比べてより迅速である。全ての基準リザーバについて上昇時間へのかなりの変化がある場合、このことから、圧力発生システムに対する劣化を推論することが可能となり、この圧力発生システムは交換の必要があり得る。基準リザーバについて減圧曲線に変化がある場合、このことから、フローリミッタの汚損または性能の劣化を推論することが可能となり、このフローリミッタもまた交換する必要がある。
【0100】
全てのこれらの診断能力は、システムの老化の状態が何であれ、活性化合物の正確な計測を可能にするために不可欠である。最後に図11は、フローリミッタが圧力分配器と各カートリッジとの間に挿入されているシステムにおける、低出力空気圧式ポンプから構成された不完全な圧力発生システムの場合、カートリッジが1つずつ加圧されるか(ダイアモンド)、いくつかのカートリッジが同時に加圧されるか(四角形)に応じた、様々な注入時間(1、2、5、10および20秒)の間に圧力が上昇および低下するのにかかる時間への影響を示す。
【0101】
カートリッジが同時に加圧される場合、圧力の上昇はよりゆっくりであるため、測定された注入された用量は、カートリッジが1つずつ加圧された場合に注入される用量よりわずかに少ない(ばらつきは約10%である)。それにも関わらず、注入される用量は、0.999より大きい線形回帰決定係数でカートトリッジにおける圧力の積算に厳密に比例することも分かった。したがって、注入された用量は、圧力発生器により課せられる限界または例えばカートリッジの充填度の測定のために必要とされるフローリミッタが何であれ、カートリッジにおけるこの圧力測定により著しく向上され得る。それにも関わらず、このために、活性化合物が放出ノズルを完全に充たすときに作動圧力により引き起こされる活性化合物の流量を測定することにより、分注された活性化合物の液圧抵抗Rh1の値を知るために、システムを予め構成する必要がある。
【0102】
したがって、システムが放出ノズルであって、放出ノズルの液圧抵抗Rh1が活性化合物の前記リザーブの液圧抵抗Rh2より少なくとも9倍高い放出ノズル(Rh1はシステムの先行する校正から既知である)と、活性化合物のリザーブ501~508における圧力センサとを含む場合、本発明による個人用組成物を調製および分注するための方法は、
・活性化合物の前記リザーブ501~508における圧力が上昇、安定および低下するときに、圧力センサにより測定された圧力の曲線を記録することと、
・時間に関して、このように測定された圧力を積算することと、および
・このようにして得られた積算を、システム校正中に前もって測定された液圧抵抗Rh1で割ることにより、注入された用量を算出することと
を含む、活性化合物の少なくとも1つのリザーブ501~508の充填度を決定するステップをさらに含む。
【0103】
活性化合物のリザーブが支持体とカートリッジとから構成される場合、円筒形チューブ500は、有利には、各カートリッジの出口に直接的に配置される。したがって、円筒形チューブに当接するのはカートリッジ自体である。そのような実施形態は図6に示されている。
【0104】
本例において、円筒形チューブ500は好ましくは1mmより小さい断面S1を有し、好ましくは1mmより大きい長さのものである。
【0105】
本発明によると、活性化合物のリザーブは、その液圧抵抗Rh1がRh2より大きい、好ましくは少なくとも9倍大きいような断面S2と長さL2とを有する。これにより、カートリッジのより多いまたはより少ない充填の、分注される活性化合物の流量に対する影響がほんの10%のみであることを確実にすることが可能となる。Rh1とRh2との間の比が100である場合、カートリッジの充填は、計測流量に対して約1%の影響(満杯のカートリッジと空のカートリッジとの間)を有し得る。
【0106】
活性化合物のリザーブの入口511はまた、カートリッジが迅速に加圧されることを可能にするために、低い液圧抵抗を有しなければならない。例えば、入口511は、1cmの直径および2cmの長さを有する円形断面S3を有してもよく、一方で、出口521は、0.5mmの直径および1cmの長さを有する断面S1を有する。これらの寸法は、例えば化粧クリームの例に特に良好に適している。
【0107】
粘度が低く、活性化合物の密度が高いほど、高い抵抗Rh1を得るとともに計測への静水圧の影響を制限するために、断面S1の選択はより小さくなる必要があり、長さL1の選択はより大きくなる必要がある。高さ10cmのカートリッジ(10ミリバールの静水圧)における水の密度および粘度を有する液体について、直径100μmの断面S1および長さ1cmが、重力の作用と関連する漏出を15μl毎分に限定することが可能であり、一方で、2バールの圧力の適用は、およそ50μl/s(3000μl/min)の計測を可能にする。
【0108】
カートリッジが加圧されていないときの重力下でのこの漏出が計測に及ぼす影響を制限するための代替的解決策は、圧力分配器での出口を「塞ぐ」というよりむしろ、カートリッジを大気圧とオープン接続された状態で置かないことである。これは、2:2バルブを、活性化合物のリザーブとの間に、例えば直接的に入口I2(図2bを参照)に、または代替的に出口311~316(図2c)に追加することにより得られ得る。円筒形チューブ500の小さい直径と組み合わせられたこのバルブは、閉鎖されると、液体がこぼれるのを防ぐことを可能にする。
【0109】
使用されているカートリッジがないときに重力下での漏出を制限するための別の代替的解決策は、カートリッジの出口に自動遮断器を追加することである。この遮断は、分注前後に締付システムにより自動的に閉鎖される可撓性(これは、容易に変形可能であるということを意味する)ノズルから構成され得る。有利には、このタイプの可撓性ノズルは、特定の活性要素が分注用ノズルの端部で干上がったときに、より容易に清掃/交換され得る。大抵の粘性のある流体(例えば水より10倍高い粘性を有するもの)の場合、ユーザにより嵌合される可撓性栓の使用で十分である。
【0110】
代替的に、円筒形チューブ500は、使用中、それらがカートリッジの出口の下流に配置されるように支持体400自体に配置され、使用中、各カートリッジ出口に対して密封して保持されるように設計される。しかしながら、その場合、交換カートリッジにおける活性化合物が同じでない限り、使用後に支持体を洗浄する必要がある。
【0111】
代替的に、使用中、活性製品が不足してくるとユーザにより直接的に導入されるように、活性製品のリザーブは、支持体400内部に直接的に含まれる。しかしながら、この場合、ユーザは、支持体400により含まれ得るリザーバの抵抗Rh1および放出ノズルのRh2が予め特徴付けられている同じ活性成分の使用に限られることになる。
【0112】
加圧注入の使用を理由として、および、(特に、活性化合物を含むために一般に使用される賦形剤の)活性化合物の粘度(概して10-3Pa.s~10Pa.s)を理由として、製品における泡の存在は、実際に送達される用量への極めて無視できるほどの影響しか有しない。
【0113】
具体的には、1つまたは複数の活性化合物を含む調製物において泡がある場合、この泡は、円筒形チューブ500を通じて、液体よりもはるかに迅速に流れる。全ての液体は、20℃での空気の粘度よりも少なくとも50倍高い粘度を有する。これが意味することは、およそ投与される用量の規模の泡が、液体を計測するのに必要な時間の最大で1/50で放出され、したがって、投与量を著しくは撹乱しないということである。具体的には、およそ分注されることになる用量の規模の泡の存在は、投与を最大で2%のみ妨げる。他方で、上で言及された先行技術の容積型計測(注射器駆動部または混合円筒の使用)の場合、投与されるべき用量に等しいサイズの泡の存在は、最悪の場合でも、投与量における100%の撹乱の原因となり得る(泡のみが注入され、活性成分は注入されない)。
【0114】
図示および説明された例示的な実施形態において、液圧抵抗の容易な算出を可能にするという利点を有していることから、活性製品のリザーブおよび円筒形チューブ500は円筒形状を有することにもまた留意されるべきである。しかしながら、この特徴は非限定的なものであり、リザーバにより引き起こされる液圧抵抗Rh2が既知であり、放出ノズルの抵抗Rh1がRh2よりも高い、好ましくは少なくとも9倍高いという条件が満たされる限り、活性製品のためのリザーブまたは場合により内部に制限、構造または隆起部を有する放出ノズルの任意の形状が使用されてもよい。液圧抵抗の比は、円筒形チューブ500を完全に充填する液体(例えば水)にかけられた所与の圧力差デルタPにより生じた流量D1および活性化合物のリザーブを完全に充たすこの同じ液体にかけられた同じ圧力差デルタPにより生じた流量D2を測定することにより容易に計測され得ることに留意することが重要である。これはこのとき、Rh1/Rh2=D2/D1を与える。したがって、液圧抵抗を先験的に算出することができる必要はなく、任意の液体について算出され得る液圧抵抗の比のみが重要である。
【0115】
これらの流れ抵抗Rh1およびRh2を測定することを可能にするために、活性化合物のリザーブの本体および放出ノズルが作動圧力の適用下で変形不能であることが望ましい。具体的には、これらの要素の材料および/または寸法(とりわけ厚さ)により、作動圧力でそれらが変形可能となっている場合、流れ抵抗は、リザーバにおける圧力が上昇すると変化する可能性があり、Rh1とRh2との間の比も同様に、作動圧力により使用される要素の変形により変化する可能性がある。例えば、十分な厚さのガラスまたは鋼でできている本体の使用により、最大で2バールの使用される作動圧力が何であれ一定のままである液圧抵抗を得ることが可能となる。
【0116】
概して、加圧が空気の放出時ではなく活性化合物の放出時に頂点に達するように、カートリッジは、活性化合物が放出ノズルと常に接触しているような位置にある必要がある。実際には、これは、活性化合物がノズルと常に接触していることを確実にするために、重力を使用することに関連する。その場合、支持体は、流体出口が(重力の方向において)流体入口より下にあるような方法で、カートリッジを保持することを可能にする必要がある。したがって、前述の例示的な実施形態において、活性化合物は剛性活性化合物リザーブ(これは、加圧中に変形しないものということを意味する)に含まれる。この場合、支持体は、重力が調製物を放出ノズル500に向かって引くように、カートリッジが、プラスまたはマイナス45度内で(重力の方向において)実質的に垂直に保持されることを可能にする必要がある。具体的には、放出ノズルが(重力の方向において)活性化合物のリザーブより下に位置することが好ましい。同様に、圧力分配器300において液体があふれ出るのを回避するために、活性化合物のリザーブの入口511が(重力の方向において)活性化合物のリザーブより上に位置することが好ましい。
【0117】
本発明の一代替的実施形態(図示せず)によると、各カートリッジは、作動中の圧力により変形不能な外壁を含み、圧力下で変形可能であり液体中に活性化合物を含む内部室とを含む。例えば、カートリッジは金属でできており、可撓性室は、プラスチックポリマーでできている可撓性バッグである。
【0118】
液体が、可撓性室の壁にかけられた圧力の影響下で出ていくことを可能にするために、可撓性(これは、圧力下で変形可能であることを言うことを意味する)室は、放出ノズル(例えば円筒形チューブ)500に(融着、接着接合または締付により)密封して取り付けられる。
【0119】
このようにして、カートリッジであって、その放出ノズルが、入口より高いカートリッジを有することが可能であり、その理由は、空気は可撓性室に密封してシーリングされた放出ノズルを通じて決して出て行かず、活性化合物は、可撓性室により囲まれているため、圧力分配器内にこぼれないからである。
【0120】
この操作はまた、注入された空気による汚染の問題を限定することを可能にし、システムが垂直ではないカートリッジで作動することを可能にする。活性化合物が時間の経過とともに劣化することを防ぐことにより、これはひいては、活性化合物が空気への露出により引きこされる化学修飾のプロセスから保護されていない場合よりもさらにより長い期間(数カ月)にわたって、活性化合物の正確な用量を使用することが可能になる。対照的に、特に液体の量が少なくなるとき、および、わずかではない量の機械的作用が可撓性室を屈曲させるために必要となるとき、可撓性室の使用は、追加的な抵抗Rh2’によりリザーバの液圧抵抗Rh2を増加させる効果を有し得る。この抵抗Rh2’は可撓性室の充填レベルに依存し、活性化合物のリザーブが空になりがちになるにつれて、無限大に向かう傾向になる。具体的には、この抵抗Rh2’は、所与の圧力が室に加えられたときに所与の液体について生じた流量を測定することによりRh1およびRh2と同じ方法で評価され得る。したがって、使用中に、Rh1とRh2+Rh2’との間の比を常に9より大きく(または計測流量にとって許容可能な誤差のレベルの逆数より高く)保つことを確実にする必要がある。そのようにするために、カートリッジの充填の特定の臨界レベルについてのRh2’の値を知る(例えば、その総容量の10%のみ現在満たされている場合)こと、Rh1を合計Rh2+Rh2’よりも少なくとも9倍高い大きさにすること、および、リザーバがクリティカルな充填度に到達したときに、すなわち、この機械的作用が計測システムと、かけられた圧力と分注された調製の流量との間の割合とを著しく撹乱する前に、調製物のリザーバを変更することを確実にすることが必要である。
【0121】
円筒形チューブに対して密封してシーリングされた可撓性室の使用の場合、可撓性室の折り目に捕捉されたままである液体の損失が生じ得ることにもまた留意されるべきである。この理由のため、この代替的実施形態において、化合物のリザーブが、10%などクリティカルな充填度に達したときに、液体の分注を一時中断することが賢明である。
【0122】
カートリッジの出口を通過すると、製品は、活性製品の滴の並置の形で、ユーザのカップ状の手の中に、またはレセプタクルとして機能するカップの中に送達される。ユーザは次いで、例えば調製物が化粧調整物である場合、それを塗布する前に、または、例えばそれが医薬処方もしくは食品サプリメントである場合、飲料液において希釈する前に調製物を混合する必要があるだけであり、または、それが例えば染料、顔料、糊または樹脂である場合、次いでそれをステックにより手動で混合する必要があるだけである。ユーザは次いで、調製物の後続の使用または投与のために、容器においてこのように混合されたこの調製物を一時的に保管し得る。
【0123】
図示されていないいくつかの実施形態によると、
・バルブ301~306は、所与の例において、HOERBIGER社により販売されているPRE-Uモデルなど、例えば電子的に調節される比例バルブから構成されたN個の圧力調節器を含む圧力調節システムに取って代わられ得る。この構成の利点は、注入が、各カートリッジにおける圧力を独立して変化させることにより、および計測時間を変化させることにより調節され得ることである。これは、計測の正確さがなおさらに向上させられる場合、なお一層重要となる。例えば、3:2バルブが圧力分配器における圧力を切り替えるために使用され、このバルブが約50msの反応時間を有するが、バルブが開いているか閉鎖しているかの10msの不確実性がある場合、圧力発生器により生成された1バールの作動圧力について活性化合物の流量が約1ml毎分である場合、バルブが開かれている/閉鎖されているかどうかについての不確実性は、投与量に対する約10μlの不確実性を生じる。単純な3:2バルブを使用する代わりに、圧力調整器が使用される場合、この場合に、活性化合物のリザーバにおけるより低い圧力で作動すること、したがって、バルブ(または制御電子機器)に関連する切替における遅れに関連する不確実性を低減させることが可能となる。例えば、100ミリバールの圧力で作動することにより、10msの一時的な不確実性は、ひいては、1μlのみの計測不確実性をもたらす(計測流量が10分の1に減少しているため)。したがって、技術者は、切替の遅延に関連するより低い計測誤差を有する必要のある活性化合物のリザーブのために、3:2バルブを圧力調整器と交換することを好む。技術者はこのとき、例えば注入された用量の90%に到達したときに、活性化合物のリザーブにおける圧力を徐々に低下させることが可能となる。
・バルブの開放および閉鎖中に圧力の上昇を制限し得るポンプの出力制限を避けるために、カートリッジの容積の合計よりも好ましくは高い容量の中間リザーバが、カートリッジを加圧するために使用された圧縮空気を格納することを可能にする(例えば、各々30mlの4つのカートリッジのための250mlの容積)。このリザーバは減圧器の前に位置付けられ、カートリッジにおいて1バールの圧力で作動することが望まれる場合、圧力上昇段階においてポンプが不要となる(したがって限定的とならない)ことを確実にするために、リザーバにおいて格納された2バールよりも高い圧力を有することのみが求められる。例えば、作動中に最大作動圧力よりX倍高い圧力で作動するポンプと、カートリッジの総容量の1/(X-1)倍の容量のリザーバとから構成された圧力発生システムは、カートリッジがポンプの最大出力とは無関係に加圧されることを可能にする。この実施形態は、したがって、システムをポンプの最大出力とは無関係にすることを可能にする。
・フローリミッタを活性化合物のリザーブの上流に挿入することにより、圧力上昇曲線を使用されているカートリッジの数と無関係にすることが可能となり(加圧中の空気の流量は、6つよりもむしろ1つのみの単一カートリッジが加圧されている場合においてより高くなり得る)、圧力センサを使用しての予測をより単純かつ反復可能にする。
【0124】
したがって、本発明によるシステムは、活性化合物のリザーブを加圧するのにかかる時間が活性化合物のリザーブの充填により調節され得るため、正確である。
【0125】
これはまた、空気圧回路を洗浄する必要が無いため、単純で衛生的である。化合物は、好ましくは、取り替え可能なカートリッジに格納され、取り替え可能なカートリッジの出口は、流体回路の端部を構成する。したがって、システムを汚損する製品はない。
【0126】
さらに、これは、構成要素が先行技術の注射器駆動部に比べて安価であり比較的小型化されるため安価で、迅速で、あまりかさばらない。
【0127】
したがって、本発明によるシステムは、ユーザが、消耗品、例えば化粧品、医薬、医療または栄養処方、またはさらには、顔料、樹脂、染料タイプまたはさらには料理用調製物(風味の混合物)の混合物を、正確に即席で、ホームまたは消費地で特注の分注および製造することを可能にする。
【0128】
本発明によるシステムは、例えば天候により、最終的に調製される製品の組成物を修正することが可能な外部データを受け入れることができる。すなわち、化粧クリームの場合、例えば、太陽の光がある場合に紫外線フィルタの、または風がある場合に保湿剤の追加を増やすことが可能となる。
【0129】
医療分野において、外部データは、例えば、生体測定センサ(脈拍数、睡眠量、活動量)、診断システム(血糖レベル、血圧を測定するシステム)、遠隔ソフトウェアにより集められた個別のアンケート(痛みまたは不快感)などから導き出されたデータを指し得る。
【符号の説明】
【0130】
100 支持構造
200 空気圧発生器
201 ポンプ
202 圧力リザーバ
203 減圧器
204 圧力発生器
300 圧力分配器
301~306、301’~306’ 圧力切替スイッチ
307 入口
311~316 出口
341~346 可撓性チューブ
350 シール
360 圧力センサ
400 支持体
401 ハウジング
500 放出ノズル
501~508 リザーブ
511~518 入口
520 ノズル
521~528 出口
530 本体
800 タッチスクリーン
A1、A2 活性化合物
D1、D2 流量
E2 大気入口
I1~I3 入口
O1 出口
R1、R2 内径
Rh、Rh1、Rh2、Rh2’、Rh2corr 液圧抵抗
S1~S3 断面
T 分注時間
X 誤差
図1
図2
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11