(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 316A
(21)【出願番号】P 2020155329
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】特許業務法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 孝司
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000482(JP,A)
【文献】特開2020-032133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側の左流下経路と右側の右流下経路とを有するとともに複数の入賞口とアウト口とが配置された遊技領域と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段とを備え、
前記発射手段により発射されて前記遊技領域に入った遊技球は、前記左流下経路と前記右流下経路の何れかを流下し、前記複数の入賞口と前記アウト口との何れかを介して前記遊技領域の外側に排出されるように構成された
遊技機において、
前記複数の入賞口は、上向き開口状に形成され且つ前記右流下経路の下流側に配置された特定入賞口を含み、
前記特定入賞口を開閉可能に構成され且つ閉状態ではその上側に乗った遊技球を左右方向の一方側に案内可能な特定開閉手段を備え、
前記アウト口として、前記遊技領域の最下流側に配置される第1アウト口と、前記特定入賞口の上流側及び/又は下流側に配置される第2アウト口とを設け、
前記特定入賞口、前記特定開閉手段及び前記第2アウト口を、前記遊技領域に配置された一の第1ユニット部品に設け、
前記第1アウト口又はその近傍には、前記アウト口であることを示すアウト口識別情報を表示せず、前記第2アウト口又はその近傍には、前記アウト口であることを示すアウト口識別情報を表示し
、
前記第1ユニット部品は、前記特定入賞口及び前記第2アウト口の前側に配置される前面板を備え、
前記前面板に、前記特定入賞口の前側の領域と前記第2アウト口の前側の領域とに跨がって表示される装飾表示と、前記アウト口識別情報とを、互いの表示領域が少なくとも一部重なるように配置した
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
主制御基板と、
前記特定開閉手段を動作させるためのソレノイドとを備え、
前記主制御基板に、メインチップと、所定コネクタとを配置し、
前記所定コネクタを介して、前記メインチップと、前記ソレノイドを含む一又は複数の所定部品とを接続した
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機には、いわゆる右打ち機と呼ばれるものが存在する。この右打ち機では、例えばアタッカーが右側下部に配置されており、大当り遊技中を含む右打ち期間中は遊技者が右流下経路側を狙って右打ちをすることで有利に遊技を進行することができるように構成されている。
ところで、この右打ち機のアタッカーとしては、いわゆるスライドアタッカーが広く使用されている。スライドアタッカーは、上向き開口状の入賞口と、例えば前後方向にスライドすることで入賞口を開閉する開閉手段とを備えており、開閉手段が閉状態のときには、その上側に乗った遊技球を左右方向の一方側、例えば左側に向けて案内するように構成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなスライドアタッカーにおいては、規則上のサイズは必ずしも実際の入賞口の幅ではなく、左右に隣接する傾斜案内面まで含まれる可能性がある。ここで、例えば入賞口の上流側(右側)の傾斜面を短くして規則上のアタッカーサイズを極力小さくするためには、入賞口の上流側、即ち右側近傍を起点として遊技領域の外周に沿って遊技球の流下通路を配置することが考えられる。しかしながらこの場合、その流下通路の分だけスライドアタッカーを遊技領域の中央寄りに配置する必要があり、スペースに余裕のない遊技領域を更に圧迫してしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、いわゆるスライドアタッカーの規則上のサイズが過大となることを防止しつつ、遊技領域のスペースをより効率的に使用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、左側の左流下経路と右側の右流下経路とを有するとともに複数の入賞口とアウト口とが配置された遊技領域と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段とを備え、前記発射手段により発射されて前記遊技領域に入った遊技球は、前記左流下経路と前記右流下経路の何れかを流下し、前記複数の入賞口と前記アウト口との何れかを介して前記遊技領域の外側に排出されるように構成された遊技機において、前記複数の入賞口は、上向き開口状に形成され且つ前記右流下経路の下流側に配置された特定入賞口を含み、前記特定入賞口を開閉可能に構成され且つ閉状態ではその上側に乗った遊技球を左右方向の一方側に案内可能な特定開閉手段を備え、前記アウト口として、前記遊技領域の最下流側に配置される第1アウト口と、前記特定入賞口の上流側及び/又は下流側に配置される第2アウト口とを設け、前記特定入賞口、前記特定開閉手段及び前記第2アウト口を、前記遊技領域に配置された一の第1ユニット部品に設け、前記第1アウト口又はその近傍には、前記アウト口であることを示すアウト口識別情報を表示せず、前記第2アウト口又はその近傍には、前記アウト口であることを示すアウト口識別情報を表示し、前記第1ユニット部品は、前記特定入賞口及び前記第2アウト口の前側に配置される前面板を備え、前記前面板に、前記特定入賞口の前側の領域と前記第2アウト口の前側の領域とに跨がって表示される装飾表示と、前記アウト口識別情報とを、互いの表示領域が少なくとも一部重なるように配置したものである。
また、主制御基板と、前記特定開閉手段を動作させるためのソレノイドとを備え、前記主制御基板に、メインチップと、所定コネクタとを配置し、前記所定コネクタを介して、前記メインチップと、前記ソレノイドを含む一又は複数の所定部品とを接続してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、いわゆるスライドアタッカーの規則上のサイズが過大となることを防止しつつ、遊技領域のスペースをより効率的に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【
図5】同パチンコ機の第2大入賞手段及びその近傍の正面断面図である。
【
図6】同パチンコ機の第2大入賞手段及びその近傍の平面断面図である。
【
図7】同パチンコ機の第2大入賞手段及びその近傍の側面断面図である。
【
図10】同パチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図11】同パチンコ機の全体回路構成を示すブロック図である。
【
図12】同パチンコ機の主制御基板ケース及び主制御基板の分解斜視図である。
【
図13】同パチンコ機の主制御基板ケース及び主制御基板の側面断面図である。
【
図14】同パチンコ機の主制御基板におけるコネクタ部分の分解斜視図である。
【
図15】同パチンコ機の主制御基板における第1配線層の配線パターンを示す図である。
【
図16】同パチンコ機の主制御基板における第2配線層の配線パターンを示す図である。
【
図21】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の主制御基板の第1回路図である。
【
図22】同パチンコ機の主制御基板の第2回路図である。
【
図23】同パチンコ機の主制御基板の第3回路図である。
【
図24】同パチンコ機の主制御基板の第4回路図である。
【
図25】同パチンコ機の主制御基板の第5回路図である。
【
図26】同パチンコ機の主制御基板の第6回路図である。
【
図27】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図29】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の要部側面断面図である。
【
図30】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の第2大入賞手段及びその近傍の正面断面図である。
【
図31】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の第1大入賞手段及びその近傍の正面断面図である。
【
図32】本発明の第6の実施形態に係るパチンコ機の第2大入賞手段及びその近傍の正面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1~
図26は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。
図1及び
図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置された前扉7とを備えている。前扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0010】
外枠2は、
図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
内枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
【0012】
前扉7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備え、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは2つ)の上部スピーカ25、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0013】
扉ベース22の上部前側には、窓孔24aを取り囲むように上装飾カバー31が装着されており、その後側には演出用の電飾を構成する多数のLEDが配置されている。枠第1可動体26は、図外の駆動手段の駆動により略前後方向へのスライド移動が可能となっている。枠第2可動体27は、図外の駆動手段の駆動により略前後方向へのスライド移動が可能であると共に、遊技者による押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、例えば遊技者が枠第2可動体27を操作するタイミングで、遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0014】
扉ベース22の下部前側には、内枠6の後側に配置された払出手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、その上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル35等が配置され、更に上皿33、下皿34等を前側から略覆う下装飾カバー36が装着されている。下装飾カバー36は前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、操作演出手段37、その他の各種操作手段が設けられている。
【0015】
操作演出手段37は、図柄変動中の予告演出、その他の演出に用いられるもので、遊技者が押下操作可能な上下動式の演出ボタン41、その演出ボタン41の内部に配置された枠第3可動体42等を備えている。枠第3可動体42は、例えば横軸廻りに回転可能な略球状の回転体により構成されており、回転駆動モータ43により正逆両方向に回転可能となっている。
【0016】
扉ベース22の背面側には、
図2に示すように窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット50が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金51aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金51bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金51cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具52aが例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具52bが例えば左下部に夫々配置されている。
【0017】
また、例えば下部補強板金51cの背面側には、球送りユニット53a、下皿案内ユニット53b等が装着されている。球送りユニット53aは、上皿33内の遊技球を発射手段17に供給するためのもので、内枠6側に配置された発射手段17の前側に対応して配置されており、発射手段17の発射動作と同期して球送りソレノイド53cを作動させることにより、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17の発射レール17a上に供給するようになっている。
【0018】
なお発射手段17は、正面視で左上がりの傾斜状に配置された発射レール17aと、球送りユニット53aにより発射レール17a上に供給された遊技球を発射待機位置で支持する発射球ストッパ17bと、発射レール17a上の発射待機位置に対応して配置され且つ前後方向の駆動軸廻りに揺動可能な打撃槌17cと、打撃槌17cを揺動駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段17dとを備え、発射ハンドル35が回転操作されたときに、その操作量に応じた発射強度で発射駆動手段17dにより打撃槌17cを打撃方向(時計方向)に連続的に駆動するようになっている。
【0019】
下皿案内ユニット53bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、例えば球送りユニット53aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0020】
遊技盤16は、
図4に示すように、ベニヤ板、ポリカーボネート板等よりなるベース板54を備え、そのベース板54の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール55が環状に配置されると共に、そのガイドレール55の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット56、始動入賞ユニット57、大入賞ユニット58、普通入賞ユニット59等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0021】
ガイドレール55は、遊技領域23の左側において外レール55aと内レール55bとが並行するように配置されており、それら外レール55aと内レール55bとの間が、発射手段17によって発射された遊技球を案内する発射誘導通路60となっている。外レール55aは略円弧状で、その下端側は発射レール17aの延長方向に向けて左上がりの傾斜状に形成されており、発射手段17によって左上向きに発射された遊技球は、この外レール55aに案内されて上昇し、遊技領域23の上部側に進入するようになっている。
【0022】
ベース板54には、遊技領域23に対応する領域内に一又は複数の装着孔54aが前後方向貫通状に形成されており、ユニット部品56~59はその装着孔54a(
図6~
図8参照)に対して前側から着脱自在に装着され、固定されている。なお、中央表示枠ユニット56と大入賞ユニット58等、複数のユニット部品を一体に形成してもよい。また、複数のユニット部品(例えば中央表示枠ユニット56と大入賞ユニット58)が別体であっても、それらを互いに一体化した上で装着孔54aに装着するように構成してもよいし、装着孔54aに対して別々に装着するように構成してもよい。
【0023】
また遊技領域23内には、ユニット部品56~59上、その他の任意の位置に、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、第1大入賞手段64、第2大入賞手段65、複数(ここでは3つ)の普通入賞手段66~68、普通図柄表示手段69、普通保留個数表示手段70、第1特別図柄表示手段71、第2特別図柄表示手段72、複数(ここでは3つ)のアウト口73a~73c等が設けられている。またベース板54の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)74、可動演出手段75等が配置され、図外の支持手段によりベース板54の裏側に固定されている。
【0024】
中央表示枠ユニット56は、液晶表示手段74及び可動演出手段75の表示枠を構成するもので、後側の液晶表示手段74に対応する開口窓81が略中央に形成され、遊技領域23の略中央における上部側に配置されている。この中央表示枠ユニット56は、ベース板54の前面に沿って装着孔54aの外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板82と、液晶表示手段74の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板82の内周側で前向きに突設された装飾枠83と、その装飾枠83の左右の下端部間に配置されるステージ84とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠83の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット56の左側の左流下経路85aと右側の右流下経路85bとの何れかを流下する。
【0025】
中央表示枠ユニット56には、左流下経路85a側と右流下経路85b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路85a側に、遊技球が流入可能なワープ入口86が設けられている。左流下経路85aを流下中にワープ入口86に流入した遊技球は、ステージ84上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部87とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0026】
可動演出手段75は、任意の立体形状に形成された可動体75aを備えている。可動体75aは、図示しない駆動手段の駆動により、所定の原点位置を起点として液晶表示手段74の前側を上下方向等の任意の方向に移動可能に構成されている。
【0027】
中央表示枠ユニット56の下側には、左右方向の略中央に始動入賞ユニット57が、右側に大入賞ユニット58が、左側に普通入賞ユニット59が、夫々ガイドレール55の内側に沿って配置されている。なお、液晶表示手段の大画面化や可動演出手段の大型化、その他の理由により、遊技領域23内は非常に窮屈な状態となっており、特に遊技領域23の下部側の領域をより広く確保したいという要請がある。しかしながら、遊技領域23の左下部については、発射誘導通路60の内側にあたるため外側に拡張することができず、略円弧状に形成せざるを得ない。一方、遊技領域23の右下部についてはそのような制約が存在しないため、本実施形態では遊技領域23の右下部を従来の円弧状の位置から外側に向けて最大限拡張し、その角張った拡張部分に大入賞ユニット(第1ユニット部品)58を配置している。
【0028】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段69による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出スイッチ91を備えており、右流下経路85b上に配置されている。
【0029】
普通図柄表示手段69は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば2個のLEDで構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出すること、即ち遊技球が普通図柄始動手段61を通過し、遊技球検出スイッチ91がその遊技球を検出することを条件に、普通図柄を構成する2個のLEDが普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLEDは、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能である。
【0030】
また、普通図柄表示手段69の図柄変動中と後述する普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段70等によって遊技者に報知される。
【0031】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段71による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非作動式入賞手段により構成され、始動入賞ユニット57に設けられており、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口62aと、この第1始動入賞口62aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ92とを備えている。第1始動入賞口62aは、ステージ84の中央落下部87に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路85a側のワープ入口86からステージ84を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路85bを流下してきた遊技球よりも左流下経路85aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0032】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段72による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が入賞可能な第1状態と入賞不可能(又は第1状態よりも入賞困難)な第2状態とに変化可能な作動式入賞手段により構成され、中央表示枠ユニット56に設けられており、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口63aと、普通電動役物ソレノイド93の駆動によって動作する可動部94と、第2始動入賞口63aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ95とを備えている。普通図柄表示手段69の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生した場合には、所定の作動パターンに従って可動部94が第2状態から第1状態に切り替えられるようになっている。
【0033】
この第2特別図柄始動手段63は、右流下経路85b上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置され、右流下経路85bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。第2特別図柄始動手段63では、第2始動入賞口63aが横向き開口状に形成され、その上流側近傍に可動部94が前後方向にスライド可能な状態で配置されており、第1状態のときには可動部94が遊技盤16の盤面よりも前側に突出することにより、右流下経路85bを流下してきた遊技球を受けて第2始動入賞口63a側に案内し、第2状態のときには可動部94が遊技盤16の盤面よりも後側に退避して遊技球を右流下経路85bの下流側に流下させるようになっている。この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば2個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0034】
なお、本パチンコ機の第2特別図柄始動手段63は、可動部94により第2始動入賞口63aを開閉するものではないが、可動部94により第2始動入賞口63aを開閉する開閉式入賞手段と同等の機能を実現している。そこで以下の説明では、便宜上、可動部94のスライド動作を開閉動作、第2始動入賞口63aへの入賞が容易な第1状態を開状態、入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な第2状態を閉状態、可動部94の作動パターンを開閉パターンと称するものとする。
【0035】
第1特別図柄表示手段71は、第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1始動入賞口62aに入賞し、遊技球検出スイッチ92がその遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1始動入賞口62aへの入賞時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段71の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する。
【0036】
第2特別図柄表示手段72は、第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2始動入賞口63aに入賞し、遊技球検出スイッチ95がその遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2始動入賞口63aへの入賞時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段72の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する。
【0037】
なお、第1,第2特別図柄表示手段71,72による第1,第2特別図柄の変動時には、これと並行して液晶表示手段74上で演出図柄100が変動表示される。演出図柄100は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(
図4の例では左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部100aと、この図柄本体部100aに付随するキャラクタその他の装飾部100bとの結合で構成されている。なお演出図柄100は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部100bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0038】
演出図柄100は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄100では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が小当り演出態様又ははずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が大当り態様、小当り態様、はずれ態様となる場合には第1,第2特別図柄は大当り演出態様、小当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0039】
また、第1特別図柄表示手段71の図柄変動中、第2特別図柄表示手段72の図柄変動中、小当り状態中及び大当り状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶手段に保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0040】
本実施形態の場合、遊技者は後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は第1特別図柄始動手段62を狙って左打ちをし、特別遊技状態中(時短状態中)は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って右打ちをするため、通常遊技状態中は主として第1特別図柄が変動し、特別遊技状態中(時短状態中)は主として第2特別図柄が変動する。
【0041】
保留記憶手段に保留記憶されている第1,第2特別乱数情報の個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段74等によって遊技者に報知される。液晶表示手段74には、
図4に示すように、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを表示可能となっている。即ち、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段74上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段71,72による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0042】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63による遊技球検出に基づいて行われる大当り判定(乱数抽選)で大当りとなる確率(大当り確率)には低確率と高確率の2種類があり、後述する特別遊技状態のうちの確変状態中は高確率に、それ以外は低確率に夫々設定される。
【0043】
また、大当り判定結果がはずれとなった場合には一又は複数種類のはずれの何れかを選択し、大当り判定結果が小当りとなった場合には一又は複数種類の小当りの何れかを選択し、大当り判定結果が大当りとなった場合には一又は複数種類の大当り(例えば確変大当り、非確変大当りの2種類)の何れかを選択するようになっている。ここで、確変大当りは、大当り状態の終了後に特別遊技状態として確変状態(第1特別遊技状態)を発生させることとなる大当り、非確変大当りは、大当り状態の終了後に特別遊技状態として例えば時短状態(第2特別遊技状態)を発生させることとなる大当りで、それらの振り分けは大当り図柄乱数値等に基づいて行われる。
【0044】
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当り状態が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当り遊技が発生した時点で終了する。また確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当り確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当り状態が終了した時点で開始し、例えば次の大当り状態が発生した時点で終了する。
【0045】
第1大入賞手段64は、第1大入賞口ソレノイド96による開閉部材(可動部)97の作動によって遊技球が第1大入賞口64aに入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段であって、第1大入賞口64aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ98を備えており、第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動後の停止図柄が大当り態様となるか、後述するV入賞によって大当り状態が発生した場合に、開閉部材97が一又は複数種類の大当り開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。
【0046】
この第1大入賞手段64は、大入賞ユニット58に設けられており、例えば右流下経路85b側で且つ普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63の下流側に形成された第1傾斜転動路99の途中に第1大入賞口64aが配置されている。第1傾斜転動路99は、左右方向のうち、遊技領域23の内側(ここでは左側)に向けて傾斜する左下がりの傾斜状に形成されている。第1大入賞口64aは、第1傾斜転動路99に沿う細長状で、第1傾斜転動路99の底壁99aに上向き開口状に形成されている。開閉部材97は、第1傾斜転動路99に沿う左下がりの傾斜状に形成された略板状体で、第1大入賞口ソレノイド96の駆動により前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤16の盤面よりも前側に突出して第1大入賞口64aを閉鎖するとともに上流側から流下してきた遊技球を第1傾斜転動路99の下流側(ここでは左側)に向けて案内し、開状態のときには遊技盤16の盤面よりも後側に退避して第1大入賞口64aを開放するようになっている。
【0047】
第1大入賞手段64に入賞した遊技球は、遊技球検出スイッチ98によって検出された後、前後方向の樋状に形成された傾斜案内部64bによって遊技盤16の後側に案内される。この第1大入賞手段64に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0048】
また、大入賞ユニット58における第1傾斜転動路99の上流端側には普通入賞手段66が配置されている。この普通入賞手段66は、遊技球が入賞可能な普通入賞口66aと、この普通入賞口66aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ66bとを備えている。普通入賞口66aに入賞した遊技球は、遊技球検出スイッチ66bによって検出された後、遊技盤16の後側に案内される。普通入賞口66aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0049】
第2大入賞手段65は、第2大入賞口ソレノイド101による開閉部材(可動部、特定開閉手段)102の作動によって遊技球が第2大入賞口(特定入賞口)65aに入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段であって、第2大入賞口65aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ103を備えており、第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動後の停止図柄が小当り態様となって小当り状態が発生した場合に、開閉部材102が所定の小当り開放パターンに従って開放するようになっている。この第2大入賞手段65に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0050】
また第2大入賞手段65は、特定領域104aと、通常領域104bと、第2大入賞口65aに入賞した遊技球を特定領域104aと通常領域104bとに振り分ける可動式の振り分け手段105と、特定領域104aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出スイッチ106aと、通常領域104bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出スイッチ106bとを備えている。第2大入賞口65aに入賞した遊技球は、遊技球検出スイッチ103によって検出された後、振り分け手段105によって特定領域104aと通常領域104bとの何れかに案内され、特定遊技球検出スイッチ106aと通常遊技球検出スイッチ106bとの何れかによって検出された後、遊技盤16の後側に案内される。第2大入賞口65aに入賞した遊技球が振り分け手段105によって特定領域104a側に案内され、特定遊技球検出スイッチ106aがその遊技球を検出した場合(以下、V入賞という)には大当り状態が発生する。
【0051】
振り分け手段(可動部)105は、振り分けソレノイド107(
図7参照)の駆動により、所定の振り分けパターンに従って、遊技球を特定領域104a側に案内する特定案内状態と、遊技球を通常領域104b側に案内する非特定案内状態とに切り替え可能であり、その振り分けパターンは例えば第2大入賞手段65の小当り開放パターンに応じて変化するようになっている。なお本実施形態の場合、第2大入賞手段65に入賞した遊技球は遊技球検出スイッチ106a,106bの何れかによって検出されるため、遊技球検出スイッチ103は省略してもよいが、その場合には遊技球が第2大入賞口65aに入賞してから遊技球検出スイッチ106a,106bに検出されるまでのタイムラグが大きくなる。
【0052】
第2大入賞手段65は、大入賞ユニット58に設けられており、第1傾斜転動路99の下流側(ここでは下側)に形成された第2傾斜転動路108の途中に第2大入賞口65aが配置されている。なお、第1傾斜転動路99は、その下流端側(左端側)で、右向きの第2傾斜転動路108と左向きの分岐路109とに分岐しているが、第2傾斜転動路108の上流端側は第1傾斜転動路99の下流端側に対して下向きに連通しているのに対し、分岐路109の上流端側は第1傾斜転動路99の下流端側に対して斜め方向に連通している。従って、第1傾斜転動路99を通過した遊技球は、高い確率で第2傾斜転動路108側に流下し、分岐路109側に流下することは稀である。分岐路109側に流下した遊技球は、第1特別図柄始動手段62等の入賞手段に入賞するか、遊技領域23の最下流側、即ち遊技領域23の下部中央(ここでは第1特別図柄始動手段62の下側)に配置された第1アウト口73aを経て遊技盤16の後側(遊技領域23の外側)に排出される。なお、第1アウト口73aの近傍には、この第1アウト口73aを通過した遊技球を検出する遊技球検出スイッチは設けられていない。
【0053】
第2傾斜転動路108は、左右方向のうち、遊技領域23の外側(ここでは右側)に向けて傾斜する右下がりの傾斜状に形成されており、その下流端側(右端側)には第2アウト口73bが配置されている。第2アウト口73bは、
図5,
図6,
図8等に示すように、遊技盤16の前後に跨がる樋状に形成され、第2大入賞手段65等とともに大入賞ユニット58に設けられており、第2傾斜転動路108を通過した遊技球は、この第2アウト口73bを経て遊技盤16の後側(遊技領域23の外側)に排出される。このように本実施形態では、第2傾斜転動路108を通過した遊技球は、遊技領域23の最下流側に配置された第1アウト口73aではなく、第2傾斜転動路108の下流側近傍に配置された第2アウト口73bから排出されるため、第2傾斜転動路108の下流端側からガイドレール55に沿って第1アウト口73aまで遊技球を流下させるための通路を設ける必要がなく、その分だけ第2大入賞手段65等を遊技領域23の外周側に寄せて配置することができ、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用することが可能となる。
【0054】
このように本願発明では、第2大入賞手段65等をできる限り遊技領域23の外周側に寄せて配置しているため、大入賞ユニット58の下部側と遊技領域23の外周部(即ちガイドレール55)との間は遊技球が通過不可能となっている。なお、第2アウト口73bは大入賞ユニット(第1ユニット部品)58に設けられているが、大入賞ユニット58には、第2アウト口73bを通過した遊技球を検出する遊技球検出スイッチは設けられていない。
【0055】
第2傾斜転動路108は、
図5~
図7等に示すように、遊技盤16の盤面に沿って配置される背壁111と、その背壁111の前側に配置される前面板112との間に設けられており、その傾斜状の底壁113に、上向き開口状の第2大入賞口65aが形成されている。第2大入賞口65aは、幅方向よりも流下方向に長い矩形状となっている。
【0056】
第2大入賞手段65は、第2大入賞口65aに入賞した遊技球をその下側で受ける入賞ケース114と、この入賞ケース114で受けた遊技球を振り分け手段105側に案内する入賞通路115と、第2大入賞口65aを開閉可能な開閉部材102と、開閉部材102を駆動する第2大入賞口ソレノイド101とを備えており、入賞通路115の上流端側に遊技球検出スイッチ103が配置されている。
【0057】
入賞ケース114は、第2大入賞口65aの上流端側及び下流端側に対応してその下側に配置される左右一対の側壁114a,114bと、第2大入賞口65aの後縁側に対応してその下側に配置される背壁114cと、背壁114cの下縁側に沿って側壁114a,114bの下端側を左右に接続する底壁114dとを一体に備え、前側は前面板112により略閉鎖されている。背壁114cには、左右方向の所定位置、例えば左端側に遊技球が通過可能な通過口114eが形成されており、底壁114dは、第2大入賞口65aに入賞した遊技球を通過口114e側に案内するように左右方向及び前後方向の傾斜状に形成されている。なお、通過口114eの後側に入賞通路115が連通している。
【0058】
開閉部材(特定開閉手段)102は、第2大入賞口(特定入賞口)65aに対応する矩形板状で且つ第2傾斜転動路108の底壁113に対応して右下がりの傾斜状に形成された開閉板102aと、この開閉板102aの上流端側及び下流端側の縁部に沿って配置された下向き突出状の被案内部102b,102bとを一体に備えており、被案内部102b,102bが左右一対のスライド案内部116,116上を摺動することにより前後方向にスライド移動可能となっている。
【0059】
第2大入賞口ソレノイド101は、その駆動鉄心101aと開閉部材102の後端側とが駆動連結手段117により連結されている。そして、第2大入賞口ソレノイド101がOFFのときには、開閉部材102が遊技盤16の盤面よりも前側に突出して第2大入賞口65aを閉鎖し(
図7に実線で示す)、第2大入賞口ソレノイド101がONに切り替えられたとき、駆動連結手段117を介して開閉部材102が後向きにスライド移動して第2大入賞口65aを開放する(
図7に二点鎖線で示す)ようになっている。開閉部材102は、閉状態のときには遊技球を第2傾斜転動路108に沿う方向の下流側(右側)に向けて案内し、閉状態から開状態に変化すると、その開閉部材102の上に乗っていた遊技球は高い確率で第2大入賞口65a内に落下する。
【0060】
なお、第1大入賞手段64の構成については断面図等を用いた詳細な説明を省略したが、入賞球を特定領域104aと通常領域104bとに振り分ける振り分け手段105を搭載していない点等を除き、基本的な構成は第2大入賞手段65と共通である。
【0061】
また、大入賞ユニット58の前部に配置される前面板112は、透明な合成樹脂製で、第2大入賞手段65だけでなく、第1大入賞手段64、普通入賞手段66、第2アウト口73b等の前側を覆う大きさに形成されており、遊技者はこの前面板112を介して、遊技球が第1,第2傾斜転動路99,108を流下し、普通入賞手段66、第1大入賞手段64、第2大入賞手段65に入賞し、或いは第2アウト口73bに入球する様子を視認可能となっている。
【0062】
また
図9に示すように、前面板112には、例えばその前面側の少なくとも一部に、任意の模様、図形、文字、キャラクタ等で構成される装飾表示118と、アウト口であることを示すアウト口識別情報119と、特定領域104aであることを示す特定領域識別情報120とが表示されている。アウト口識別情報119は、「OUT」の文字で構成されており、第2アウト口73bの前側、又はその近傍に配置されている。またアウト口識別情報119は、その表示領域の少なくとも一部が装飾表示118の表示領域と重なるように表示されている。アウト口識別情報119をこのように表示することにより、第2アウト口73bが入賞口ではなくアウト口であることを明示しつつ、その表示が目立ちすぎることを防止している。なお、同様の趣旨で、アウト口識別情報119には「黒」等の目立たない文字色やゴシック体等の地味な字体を採用し、囲み線や背景等を設けないことが望ましい。
【0063】
特定領域識別情報120は、「V」の文字で構成されており、特定領域104aの前側、又はその近傍に配置されている。この特定領域識別情報120については、アウト口識別情報119とは異なり、十分に目立つようにすることが望ましいため、装飾表示118の表示領域と重ならないように、また「赤」等の目立つ文字色で表示されている。
【0064】
なお
図10等に示すように、第1アウト口73a又はその近傍には、アウト口であることを示す「OUT」等のアウト口識別情報は表示されていない。第1アウト口73aについては、盤面デザインを損ねる「OUT」等の表示を行わなくても、遊技者が入賞口と誤認するおそれはないからである。
【0065】
また
図4,
図10に示すように、普通入賞ユニット(第2ユニット部品)59には、複数、例えば2つの普通入賞手段67,68が設けられるとともに、例えばそれら複数の普通入賞手段67,68の上流側に第3アウト口73cが設けられている。
【0066】
普通入賞手段67,68は、遊技球が入賞可能な普通入賞口(所定入賞口)67a,68aと、この普通入賞口67a,68aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ67b,68bとを備えている。普通入賞口67a,68aに入賞した遊技球は、遊技球検出スイッチ67b,68bによって検出された後、遊技盤16の後側に案内される。普通入賞口67a,68aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0067】
第3アウト口73cは、遊技盤16の前後に跨がる前後方向の樋状に形成されており、この第3アウト口73cに入球した遊技球はそのまま遊技盤16の後側(遊技領域23の外側)に排出される。これにより、例えば普通入賞手段67,68とガイドレール55との間に遊技球通路を設けることなく、普通入賞手段67,68を避けるルートを形成でき、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用することが可能となる。なお、普通入賞ユニット59には、第3アウト口73cを通過した遊技球を検出する遊技球検出スイッチは設けられていない。
【0068】
図10に示すように、普通入賞ユニット59の前部には、普通入賞手段67,68及び第3アウト口73cの前側を覆うように、透明な合成樹脂製の前面板121が配置されており、遊技者はこの前面板121を介して、遊技球が普通入賞手段67,68に入賞し、或いは第3アウト口73cに入球する様子を視認可能となっている。
【0069】
また前面板121には、例えばその前面側の少なくとも一部に、任意の模様、図形、文字、キャラクタ等で構成される装飾表示122と、アウト口であることを示すアウト口識別情報123とが表示されている。アウト口識別情報123は、「OUT」の文字で構成されており、第3アウト口73cの前側、又はその近傍に配置されている。またアウト口識別情報123は、その表示領域の少なくとも一部が装飾表示122の表示領域と重なるように表示されている。これにより、第3アウト口73cが入賞口ではなくアウト口であることを明示しつつ、その表示が目立ちすぎることを防止している。なお、同様の趣旨で、アウト口識別情報123には「黒」等の目立たない文字色やゴシック体等の地味な字体を採用し、囲み線や背景等を設けないことが望ましい。
【0070】
以上のように、発射手段17によって発射され、遊技領域23に進入した遊技球は、複数の入賞手段、即ち第1,第2特別図柄始動手段62,63、第1,第2大入賞手段64,65、普通入賞手段66~68の何れかに入賞するか、第1~第3アウト口73a~73cの何れかを介して遊技盤16の後側に案内される。ここで、遊技盤16の後側には、
図8等に示すように、各ユニット部品56~59、液晶表示手段74、可動演出手段75等を後側から覆う裏ケース131が配置され、ベース板54の背面に固定されている。この裏ケース131の下部側には、下向きに開口する盤側排出口(遊技球排出口)132と、遊技球を盤側排出口132側に案内する集球部133とが設けられている。
【0071】
また
図8等に示すように、内枠6における遊技盤装着部14の下部後側、即ち下部装着部15の後部側には、遊技球を機外に排出するための排出通路134が設けられている。この排出通路134には、例えばその上流端側の枠側排出口(遊技球排出口)134aの近傍に共通遊技球検出スイッチ135が配置されている。なお本実施形態では、排出球をより迅速に計数可能とすべく、複数(二つ)の共通遊技球検出スイッチ135を並列に配置しているが、排出通路134に配置する共通遊技球検出スイッチ135は一つでもよい。また、枠側流入口134aは上向きに開口しており、遊技盤16を内枠6の遊技盤装着部14に装着したとき、遊技盤16側の盤側排出口132と内枠6側の枠側流入口134aとが上下に連通するようになっている。
【0072】
複数の入賞手段やアウト口を介して遊技盤16の後側に案内された遊技球は、裏ケース131の集球部133に案内されて盤側排出口132及び枠側流入口134aを経て排出通路134へと流下し、複数の共通遊技球検出スイッチ135の何れかで検出された後、機外へと排出される。なお、この共通遊技球検出スイッチ135による遊技球のカウント数(アウト数)は、性能表示モニタ(図示省略)に表示するベース値の算出に使用される。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、3つのアウト口73a~73cを備えているのに対し、共通遊技球検出スイッチ135の数は2つで、アウト口の数よりも共通遊技球検出スイッチの数が少なくなっている。このように本実施形態では、第1~第3アウト口73a~73cに夫々遊技球検出スイッチを設けるのではなく、それらの下流側に共通遊技球検出スイッチ135を設けているため、遊技領域23を効率的に使用すべくアウト口を複数設けているにも拘わらず、遊技球検出スイッチの数が増加することはなく、コストを抑制することが可能となっている。
【0074】
また
図4,
図9等に示すように、遊技盤16の前面側には、遊技領域23の外側の所定位置、例えば右下部に、遊技機に関する情報が表示された証紙141が配置されている。この証紙141は、台形と長方形とを上下に結合したような略六角形で、上部側の第1情報表示領域141aには、管理記号142、管理番号143、二次元コード144等が表示され、下部側の第2情報表示領域141bにはメーカー名(第1情報)145が表示されている。
【0075】
証紙141は、遊技盤16におけるベース板54の前面側に装着されたレール形成部材146に装着されている。即ち、レール形成部材146は、
図8に示すように、ベース板54の盤面に沿って設けられた平板部146aと、その平板部146aの上縁側にそって設けられた前向き突出状のレール部146bとを一体に備え、レール部146bの上面側、即ち遊技領域23側の面がガイドレール55を形成しており、平板部146aの前面側に証紙141が貼付されている。なお、レール形成部材146の平板部146aに証紙貼付部材を着脱可能に装着し、その証紙貼付部材に証紙141を貼付してもよいし、ベース板54の前面に証紙141を直接貼付してもよい。
【0076】
また証紙141は、
図8,
図9に示すように、その上部側の一部分のみが窓孔24a内に位置し、それ以外の下部側は窓孔24aよりも外側(下側)、即ち上装飾カバー31の後側に位置している。これにより、上部側の第1情報表示領域141aに表示された管理記号142、管理番号143及び二次元コード144については、正面視においても、ガラスユニット50を構成する前後のガラス板(透明板)50aを介して視認可能であるが、下部側の第2情報表示領域141bに表示されたメーカー名145については、前側の上装飾カバー(遮蔽部)31に遮られて正面視では視認不可能となっている。
【0077】
但し、証紙141の前側には、ガラス板50a及び上装飾カバー31との間に空間が設けられているため、
図8に示すように正面視から目線をずらし、窓孔24aの内側から下向きに証紙141をのぞき込むことにより、第2情報表示領域141bに表示されたメーカー名145についても視認可能となる。以上のように構成することにより、遊技領域23が左下方に拡張されて証紙141をより外側(下側)に配置しなければならないにも拘わらず、証紙141に表示された情報の視認性を十分に確保することが可能である。
【0078】
また遊技盤16上の所定位置には、
図9に示すように、証紙141に表示されたメーカー名145とは別にメーカー名(第2情報)147が表示されている。このメーカー名147は、大入賞ユニット58の前面板112等、正面視で視認可能な位置に表示されている。これにより、配置位置の制約によって証紙141に表示された情報の一部(ここではメーカー名)が正面視で視認できないにも拘わらず、実質的にそれらと同等の情報を全て正面視で視認可能となる。なお、第2情報の一例としてのメーカー名147の表示位置は証紙141に近い方が望ましいが、遊技盤16上に限らず前枠3の前面側等でもよいし、上皿33の上面側等、正面視では視認できない位置であっても、他の部材に邪魔されることなく視認可能な位置であればよい。また、第2情報はメーカー名そのものである必要はなく、メーカーを示すロゴ等、証紙141に表示されたメーカー名145に関連する(対応する)情報であればよい。
【0079】
また
図3等に示すように、遊技盤16の裏側に配置された裏ケース131の背面側には、主制御基板151が格納された主制御基板ケース152、演出インターフェース基板153、液晶インターフェース基板154、液晶制御基板155、ROM基板156等が格納された演出基板ケース157が着脱自在に装着されている。
【0080】
また前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う裏カバー161が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク162とタンクレール163とが、左右一側に払出手段32と払出通路164とが夫々装着されており、遊技球が第1大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク162内の遊技球をタンクレール163経由で払出手段32により払い出し、その遊技球を払出通路164経由で上皿33に案内するようになっている。なお、裏カバー161は、演出基板ケース157の略全体と主制御基板ケース152の上部側の一部分とを後側から覆うように配置されている。
【0081】
また、前枠3の裏側下部、即ち下部装着部15の裏側には基板装着台165が配置されており、この基板装着台165の背面側に、電源基板166が格納された電源基板ケース167、払出発射制御基板168が格納された払出発射基板ケース169が夫々着脱自在に装着されている。
【0082】
図11は本パチンコ機の全体回路構成を示すブロック図である。
図11に示すように、本パチンコ機の全体回路構成は、遊技盤16側に搭載される盤側部材171と、前枠3側に搭載される枠側部材172とで構成されている。
【0083】
盤側部材171は、主制御基板151、演出インターフェース基板153、液晶インターフェース基板154、液晶制御基板155及びROM基板156の他、遊技盤中継基板173、LED接続基板174、主制御中継基板175、電源中継基板176、枠LED中継基板177等で構成されている。
【0084】
主制御基板151は、遊技制御を統括的に行うもので、普通図柄始動手段61や各入賞手段に設けられた遊技球検出スイッチ、第2特別図柄始動手段63や第2大入賞手段65に設けられたソレノイド、遊技盤16の各部に配置された磁気、電波、振動等の各種センサ等が、遊技盤中継基板173を介して接続されている。また主制御基板151には演出インターフェース基板153が接続されている。演出インターフェース基板153は、各種入出力バッファの他、液晶制御基板155からの指示に基づいて音声信号を再生する音声プロセッサ153a、再生される音声信号の元データである圧縮音声データ等を記憶する音声ROM153b、音声プロセッサ153aから出力される音声信号を受けるデジタルアンプ153c等を備えている。
【0085】
主制御中継基板175、電源中継基板176及び枠LED中継基板177は、盤側部材171を枠側部材172に接続するためのもので、主制御基板151は主制御中継基板175を介して払出発射制御基板168に接続され、演出インターフェース基板153は電源中継基板176を介して電源基板166に、枠LED中継基板177を介して枠下LED接続基板179に夫々接続されている。遊技盤16側の主制御中継基板175、電源中継基板176、枠LED中継基板177には、盤側第1~第3コネクタCN11a~CN13aが夫々遊技盤16の後側に対応して配置され、また内枠6側の遊技盤装着部14には、枠側第1~第3コネクタCN11b~CN13bが夫々盤側第1~第3コネクタCN11a~CN13aに対向するように配置されており、遊技盤16が内枠6の遊技盤装着部14に前側から装着されたとき、盤側第1~第3コネクタCN11a~CN13aが枠側第1~第3コネクタCN11b~CN13bに夫々結合されるようになっている。
【0086】
また演出インターフェース基板153には、液晶制御基板155、LED接続基板174等が接続されている。液晶制御基板155には、CGデータを記憶するCGROM156aを有するROM基板156が接続される他、液晶インターフェース基板154を介して液晶表示手段74が接続されている。またLED接続基板174には、遊技盤16側の各種LED基板の他、可動体75aを駆動するモータ、ソレノイド等の可動体駆動手段、位置検出スイッチ等が接続されている。
【0087】
枠側部材172は、電源基板166、払出発射制御基板168を中心に構成されている。電源基板166は、AC24Vを受けて各種の直流電圧を出力するもので、払出発射制御基板168にDC5V,DC12V,DC35Vを、枠下LED接続基板179にDC12Vを夫々出力する他、電源中継基板176を介して演出インターフェース基板153にDC5V,DC12V,DC35Vを出力するようになっている。払出発射制御基板168にはバックアップ基板181が接続されており、払出発射制御基板168から主制御基板151に対しては、電源基板166から受けたDC5V,DC12V,DC35Vの他、バックアップ電源、電源異常信号等が、主制御中継基板175を介して出力される。
【0088】
また払出発射制御基板168には、発射手段17を構成する発射駆動手段17d、外部のホストコンピュータ等に各種情報を出力するための外部端子板182、外部の遊技球貸出装置を接続するための貸出装置接続端子板183の他、枠中継基板184、受け皿中継基板185等が接続されている。
【0089】
枠中継基板184は、内枠6側に配置された払出モータ32a、払出計数スイッチ32b、前扉・内枠開放スイッチ186等と払出発射制御基板168との接続を中継するものである。また受け皿中継基板185は、前扉7側の発射接続基板187、球詰まり検出基板188、度数表示基板189等と払出発射制御基板168との接続を中継するものである。発射接続基板187には、発射ハンドル35を構成する可変抵抗器35a、発射停止スイッチ35b、タッチセンサ35cの他、球送りユニット53aに設けられた球送りソレノイド53c等が接続されている。
【0090】
また、枠下LED接続基板179には、内枠6側の下部スピーカ18の他、前扉7側の枠左下LED接続基板190が接続されている。枠左下LED接続基板190には、前扉7側の電飾を構成するLED基板191、発射ハンドル35に配置されたハンドルLED基板192、演出ボタン41やその内部のLED基板等が接続される演出ボタンLED接続基板193、上部スピーカ25等が接続されている。
【0091】
続いて、主制御基板151について、配線パターン等の詳細を説明する。主制御基板151は、基板本体200の表面200a側に形成された第1配線層L1(
図15)と、裏面200b側に形成された第2配線層L2(
図16)とよりなる計2層の第1,第2配線層L1,L2を備えている。また、基板本体200には多数のビア(層間導通部)が板厚方向に設けられており、第1配線層L1と第2配線層L2は、それらのビアを介して互いに導通されている。本実施形態で使用されるビアは、スルーホールにメッキを施したスルーホール型のビアで、基板本体200の表面200aから裏面200bまで貫通している。
【0092】
なお、主制御基板151を格納する主制御基板ケース152は、
図12,
図13に示すように、互いに嵌め合わせ可能な表ケース体152aと裏ケース体152bとで構成されており、
図3に示すように、表ケース体152aを遊技機本体1に対して後向きとし、裏ケース体152bを裏ケース131の背面に当接又は近接させた状態で裏ケース131に対して着脱自在に固定されている。
【0093】
主制御基板151は、
図12,
図13に示すように、裏面200bを裏ケース体152b側に向けた状態で、表ケース体152aの内側の所定位置にねじ止めにより着脱自在に固定されている。主制御基板151には、
図12,
図13,
図15,
図16に示すように、その四隅のうちの複数箇所、例えば対角となる二箇所に、固定ネジ201aによるねじ止め孔201が設けられ、残りの例えば一箇所に、位置決め突起202aが挿通される位置決め孔202が設けられている。
【0094】
また、裏ケース体152b側には、
図12,
図13に示すように、主制御基板151の裏面200bと対向する背壁204の内面側に、一定高さの突条部(基板支持部)205が複数設けられている。そして、主制御基板151を装着した状態の表ケース体152aに対して裏ケース体152bを嵌め合わせたとき、その裏ケース体152b側の突条部205が主制御基板151の裏面200bに略当接することにより、裏ケース体152bの背壁204と主制御基板151との間に所定の隙間を確保した状態で、主制御基板151を裏面200b側から支持するようになっている。
【0095】
主制御基板151には、CPU回路等を構成するメインチップIC13を初めとする集積回路の他、トランジスタ、コンデンサ、ダイオード、抵抗、コネクタ等の各種電子部品が搭載されているが、主制御基板151ではそれらの電子部品の略全てが表面200a側、即ち第1配線層L1側に配置されており、それら各電子部品を接続するための多数の配線パターンが第1,第2配線層L1,L2に設けられている。なお、
図15,
図16は夫々第1,第2配線層L1,L2の配線パターンを示しているが、
図16に示す第2配線層L2は、裏面200b側から見たものではなく、
図15に示す第1配線層L1と同じ向きで表示している。
【0096】
以下の説明では、第1,第2配線層L1,L2の面内での方向や向きについては、
図3,
図15,
図16等に座標系で示すように、同図における左右方向をX方向、同じく上下方向をY方向とし、右向き/左向きを夫々+X/-X方向(側)、上向き/下向きを夫々+Y/-Y方向(側)とする。また
図3より明らかなように、主制御基板151を遊技機本体1に装着した状態では、主制御基板151の+X方向が遊技機本体1に対する背面視で右向き、同じく+Y方向が上向きとなる。
【0097】
また本実施形態では、主制御基板151に設けられた多数の配線パターンのうち、ソレノイドを駆動制御するための第1信号をメインチップIC13からコネクタ(所定コネクタ)CN7に向けて伝送可能な甲配線パターンWPa、第1信号とは異なる第2信号(ここでは磁気センサからの信号)をメインチップIC13とコネクタ(所定コネクタ)CN7との間で伝送可能な乙配線パターンWPb、ソレノイドを駆動するための電源をコネクタCN1からコネクタ(所定コネクタ)CN7まで供給可能な丙配線パターンWPc、リセット信号とクロック信号をメインチップIC13に入力するための丁配線パターンWPdの4種類の配線パターンWPa~WPdに着目し、その詳細について図面を参照しつつ説明する。
【0098】
ここで、メインチップIC13は、
図15に示すように、主制御基板151の表面200a側における中央部よりも若干-X,-Y側にずれた位置に配置され、その配置領域はX方向に長い細長矩形状となっており、その配置領域の長手方向に沿って多数の端子が二列状に配列されている。コネクタCN1は、
図15に示すように、主制御基板151の四辺206a~206dのうち、-X側の第1辺206aに沿ってその略中央に配置されており、その配置領域の長手方向に沿って多数の端子(計16個)が二列状に配列されている。このコネクタCN1は主制御中継基板175(
図11)に接続され、払出発射制御基板168等を介してDC5V,DC12V,DC35V、バックアップ電源、電源異常信号等が供給されるようになっている。またコネクタCN7は、
図15に示すように、主制御基板151の四辺206a~206dのうち、-Y側の第2辺206bに沿ってその+X側の端部近傍に配置されており、その配置領域の長手方向に沿って多数の端子(計16個)が一列状に配列されている。このコネクタCN7は、遊技盤中継基板173(
図11)を介して普通電動役物ソレノイド93、第1大入賞口ソレノイド96、第2大入賞口ソレノイド101、振り分けソレノイド107等のソレノイド、磁気センサ等に接続される。
【0099】
なお本実施形態では、コネクタ(所定コネクタ)CN7と各種ソレノイド等(所定部品)とを遊技盤中継基板173を介して間接的に接続した例を示したが(
図11)、ソレノイド等の所定部品の一部又は全部をコネクタCN7に対して中継基板を介することなく直接的に接続してもよい。
【0100】
図15,
図16では、甲~丁配線パターンWPa~WPdに対応する部分を濃色(濃いグレー又は黒)で、それ以外の配線パターンを淡色(薄いグレー)で表示しており、
図17~
図20はそれらの要部拡大図である。また、
図21~
図26は、主制御基板151の回路図の一部であり、甲~丁配線パターンWPa~WPdに関する部分を網掛けで示している。
【0101】
まず、メインチップIC13とコネクタCN7とを接続する甲,乙配線パターンWPa,WPbの詳細を、メインチップIC13側から説明する。なお、甲,乙配線パターンWPa,WPbは何れも、メインチップIC13のデータバス端子D0~D7に接続されており、メインチップIC13から所定の分岐点までの配線路は共通となっている。また
図17等に示すように、データバス端子D0~D7は、メインチップIC13の二列状の端子配列のうち、+Y側の端子列における+X端側に、-X側から+X側に向けて連続的に配列されている。
【0102】
甲,乙配線パターンWPa,WPbの共通部分(
図21の回路図参照)から説明すると、
図17等に示すように、第1配線層L1側において、メインチップIC13のデータバス端子D0~D7から夫々配線路P0~P7が+Y側に引き出され、-X側から+X側に向けて略等間隔で一列状に配列されたビアV0~V7に夫々接続されている。そしてそれらの配線路P0~P7は、
図18,
図20等に示すように、第2配線層L2側でビアV0~V7から更に+X側に向けて延設され、甲配線パターンWPaと乙配線パターンWPbの分岐点であるビアV10~V17に達している。ここで、配線路P0~P7のうち、第2配線層L2側でビアV0~V7とビアV10~V17とをX方向に接続する部分については、
図18,
図20等に示すように、配線路P0が-Y側、配線路P7が+Y側となるように略一定間隔で並行している。また、ビアV10~V17は、
図20に示すように、最も-Y側のビアV10が最も+X側、最も+Y側のビアV17が最も-X側となるように緩やかな傾斜状に配列されている。
【0103】
なお、メインチップIC13のデータバス端子D0~D7に接続される配線路P0~P7は、
図21,
図23等の回路図からも明らかなように、甲,乙配線パターンWPa,WPb以外の配線パターンでも共通に使用されており、夫々任意の分岐点で分岐しているが、それらの分岐路についてはここでは触れない。
【0104】
甲配線パターンWPaでは、メインチップIC13のデータバス端子D0~D7のうちのD0~D3から、普通電動役物ソレノイド93、第1大入賞口ソレノイド96、第2大入賞口ソレノイド101、振り分けソレノイド107の4つのソレノイドに対応するソレノイド駆動信号(第1信号)を出力するようになっている。即ち、甲配線パターンWPaは、4つのソレノイドに対応して4本設けられている(
図22の回路図参照)。従って、甲配線パターンWPaでは、
図19に示すように、第1配線層L1側でビアV10~V17のうちのV10~V13から例えば+Y側に分岐した配線路P10~P13が、フリップフロップを構成する集積回路IC6の入力端子4D,5D,3D,6Dに夫々接続されている。なお、集積回路IC6は、ビアV10~V17の+Y側に、長手方向がX方向となるように配置されている。
【0105】
そして甲配線パターンWPaでは、
図19,
図20に示すように、集積回路IC6の入力端子4D,5D,3D,6Dに対応する出力端子4Q,5Q,3Q,6Qから夫々引き出された配線路P20~P23が、夫々抵抗R31~R28を介してトランジスタ(第1回路)Q1~Q4に接続されている(
図24の回路図参照)。ここで、抵抗R31~R28は、主制御基板151における+X側の第3辺206cの略中央部近傍に、夫々X方向に沿う姿勢で、-Y側から+Y側に向けて略等間隔で配列されている。また、トランジスタQ1~Q4は、主制御基板151の第3辺206cの近傍で且つ抵抗R31~R28の-Y側に、+Y側から-Y側に向けて略等間隔で配列されている。
【0106】
配線路P20~P23のうちの配線路P20,P21は、
図19に示すように、第1配線層L1側で集積回路IC6の出力端子4Q,5Qから-Y側に引き出された後、ビアV20,V21を介して第2配線層L2側に移り、
図20に示すように抵抗R31,R30の-X側の端部に対して-X側から接続されている。また、配線路P20~P23のうちの配線路P22,P23は、
図20に示すように、第2配線層L2側で集積回路IC6の出力端子3Q,6Qから+X側に引き出された後、ビアV22,V23を介して第1配線層L1側に移り、
図19に示すように抵抗R29,R28の-X側の端部に対して+Y側から接続されている。
【0107】
また甲配線パターンWPaでは、
図19,
図20に示すように、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4から+X側に引き出された配線路P30~P33が、主制御基板151の第3辺206cに沿って-Y側に延設され、複数の屈曲部を介してコネクタCN7の第3~第6端子T3~T6に+Y側から接続されている(
図24の回路図参照)。なお、コネクタCN7の端子列では、+X側から-X側に向けて第1~第16端子T1~T16が一列状に配列されている。
【0108】
ここで、配線路P30~P33は、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4からビアV30~V33までの部分が第1配線層L1側に(
図19)、ビアV30~V33からコネクタCN7までの部分が第2配線層L2側に(
図20)夫々配置されている。なお、ビアV30~V33は、トランジスタQ1~Q4の-Y側に夫々配置されたダイオードD1,D2,D3,D5への分岐点も兼ねているため、トランジスタQ1~Q4の近傍に配置されている。従って、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4とコネクタCN7とを接続する配線路P30~P33(甲第2配線パターンWPa2)は、その配線長のうちの大部分が第2配線層L2側に配置されている。なお上述したように、第2配線層L2が設けられる主制御基板151の裏面200bと裏ケース体152bとの間には所定の隙間が確保されている(
図13)。
【0109】
以上説明した甲配線パターンWPaでは、
図15~
図20等より明らかなように、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4を挟んでそれよりもメインチップIC13側(入力側)の配線路P0~P3,P10~P13,P20~P23(甲第1配線パターンWPa1)と、同じくコネクタCN7側(出力側)の配線路P30~P33(甲第2配線パターンWPa2)とで配線幅が異なっており、前者(甲第1配線パターンWPa1)よりも後者(甲第2配線パターンWPa2)の方が幅広に形成されている。
【0110】
また
図15~
図20等より明らかなように、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4はメインチップIC13よりもコネクタ(所定コネクタ)CN7に近い位置に配置されており、メインチップIC13とトランジスタQ1~Q4とを接続する甲第1配線パターンWPa1の配線長よりも、トランジスタQ1~Q4とコネクタCN7とを接続する甲第2配線パターンWPa2の配線長の方が短くなっている。
【0111】
このように甲配線パターンWPaでは、トランジスタQ1~Q4への入力側の配線路P0~P3,P10~P13,P20~P23(甲第1配線パターンWPa1)よりも、トランジスタQ1~Q4からの出力側の配線路P30~P33(甲第2配線パターンWPa2)の方が配線幅が幅広でしかも配線長が短くなっているため、配線効率を高く維持しつつ、トランジスタQ1~Q4での電流増幅による下流側での発熱及びそれによる断線を確実に防止することが可能となっている。
【0112】
また、トランジスタ(第1回路)Q1~Q4から出力されるソレノイドのON/OFF信号をコネクタCN7まで伝送する配線路P30~P33(甲第2配線パターンWPa2)については、その配線長の大部分が、遊技機本体1の後側からは視認できない主制御基板151の裏面200b側、即ち第2配線層L2側に配置されており、しかも主制御基板151の裏面200bと裏ケース体152bとの間には所定の隙間が確保されているため、不正行為を防止するとともに、熱の滞留による不具合の発生を防止することが可能である。
【0113】
一方、乙配線パターンWPbでは、メインチップIC13のデータバス端子D0~D7のうちのD0~D5を使用して、6つの磁気センサに関する信号の入出力を行うようになっている。即ち、乙配線パターンWPbは、6つの磁気センサに対応して6本設けられている(
図23,
図24の回路図参照)。なお、これらの磁気センサはゴト対策用で、遊技盤16における各ユニット部品56~59等における所定箇所に配置されている(図示省略)。乙配線パターンWPbでは、
図19に示すように、甲配線パターンWPaとの分岐点であるビアV10~V17のうちのV10~V15から、第1配線層L1側で-Y側に分岐した配線路P100~P105が、バッファを構成する集積回路(第2回路)IC12の端子Y8~Y3に対して+Y側から夫々接続されている(
図23の回路図参照)。なお、集積回路IC12は、ビアV10~V17の-Y側に、長手方向がX方向となるように配置され、端子Y8~Y3はその+Y側縁部に沿って配列されている。
【0114】
そして乙配線パターンWPbでは、
図19,
図20に示すように、集積回路IC12の端子Y8~Y3に対応する端子D8~D3から夫々-Y側に引き出された配線路P110~P115が、夫々抵抗R53~R48を介してコネクタCN7の第9~第14端子に+Y側から接続されている(
図24の回路図参照)。なお、抵抗R53~R48は、集積回路IC12とその-Y側のコネクタCN7との間に、夫々Y方向に沿う姿勢で、+X側から-X側に向けて略等間隔で配列されている。また、抵抗R53~R48の-Y側近傍には夫々ビアV100~V106が配置されており、配線路P110~P115は、集積回路IC12からビアV100~V106までの部分が第1配線層L1側に(
図19)、ビアV100~V106からコネクタCN7までの部分が第2配線層L2側に(
図20)夫々配置されている。
【0115】
以上説明した乙配線パターンWPbでは、
図15~
図20等より明らかなように、バッファを構成する集積回路(第2回路)IC12を挟んでそれよりもメインチップIC13側の配線路P0~P5,P100~P105(乙第1配線パターンWPb1)と、同じくコネクタCN7側の配線路P110~P115(乙第2配線パターンWPb2)とで配線幅は略同幅となっている。また、甲第1配線パターンWPa1と乙第1配線パターンWPb1の配線幅は略同幅であるから、甲第2配線パターンWPa2の配線幅は、乙配線パターンWPb(乙第1配線パターンWPb1及び乙第2配線パターンWPb2)の配線幅よりも幅広となっている。このように、乙配線パターンWPbについては、発熱等の問題は生じないため、その全体を甲第1配線パターンWPa1と同等の配線幅とすることで配線効率を高く維持している。
【0116】
続いて、コネクタCN1とコネクタCN7とを接続するソレノイド電源供給用の丙配線パターンWPcの詳細を、コネクタCN1側から説明する。コネクタCN1は、
図15に示すように、主制御基板151の第1辺206aに沿ってその略中央部近傍に配置されており、二列に配列された端子列のうち、基板外側の端子列における第11端子がDC35Vの電源端子となっている。
【0117】
丙配線パターンWPcを構成する配線路P201は、
図15,
図16に示すように、第2配線層L2側において、コネクタCN1のDC35V電源端子から第1辺206aの近傍まで-X側に引き出され、更に第1辺206a,第2辺206bの外周に沿って反時計廻りに配設された後、
図15,
図19に示すように、第3辺206cの途中で基板内側、即ち-X側に屈折してEMIフィルタFLT4の一端側に接続されている(
図25の回路図参照)。そして、配線路P201は、
図19等に示すように、第1配線層L1側でEMIフィルタFLT4の他端側から-Y側に引き出された後、
図20等に示すように、ビアV201を介して第2配線層L2側でコネクタCN7のDC35V端子に+Y側から接続されている(
図24の回路図参照)。なお、コネクタCN7では、最も+X側の第1端子T1と第2端子T2がDC35V電源端子となっている。
【0118】
以上説明した丙配線パターンWPcの配線幅は、
図15~
図20等より明らかなように、甲第1配線パターンWPa1、甲第2配線パターンWPa2、乙第1配線パターンWPb1、乙第2配線パターンWPb2の何れの配線幅よりも幅広に形成されている。このように本実施形態では、複数(4つ)のソレノイドに電源を供給するために丙配線パターンWPcについては十分な配線幅を確保している。
【0119】
続いて、リセット信号とクロック信号をメインチップIC13に入力するための丁配線パターンWPdの詳細を説明する。なお本実施形態では、リセット信号を出力する電源電圧監視用の集積回路IC20とメインチップIC13とを接続する配線パターンを丁第1配線パターンWPd1、クロック信号を出力する水晶発振器OSC1とメインチップIC13とを接続する配線パターンを丁第2配線パターンWPd2とする。
【0120】
丁第1配線パターンWPd1では、
図17,
図18に示すように、第2配線層L2側において、電源電圧監視用の集積回路IC20におけるリセット端子RESETから+X側に引き出された配線路P301が、ビアV301を介して第1配線層L1側に移り、更に+Y側に延設されて、インバータを構成する集積回路IC19に接続されている(
図26の回路図参照)。また配線路P301は、
図17,
図18に示すように、第2配線層L2側で集積回路IC19から-X側に聞き出された後、ビアV301を介して第1配線層L1側で+Y方向に延設され、更にビアV303を介して第2配線層L2側で+Y方向に延設されてメインチップIC13のシステムリセット端子RST0に-Y側から接続されている(
図26,
図21の回路図参照)。
【0121】
また丁第2配線パターンWPd2では、
図17,
図18に示すように、第2配線層L2側において、水晶発振器OSC1から+Y側に引き出された配線路P311が、そのままメインチップIC13のシステムクロック端子MCLKに-Y側から接続されている(ず21の回路図参照)。
【0122】
なお、丁第1配線パターンWPd1を構成する配線路P301、丁第2配線パターンWPd2を構成する配線路P311については、その略全体に対してGNDガードが設けられている。即ち、配線路P301,P311の両側には、ICメインチップIC13の端子近傍を除き、他の配線パターンを挟むことなくグランド配線パターンが隣接している。
【0123】
また、
図15~
図20等より明らかなように、丁第1配線パターンWPd1及び丁第2配線パターンWPd2の配線幅は、甲第1配線パターンWPa1、乙第1配線パターンWPb1、乙第2配線パターンWPb2の各配線幅よりも幅広に形成されている。また、丁第2配線パターンWPd2の配線幅は、丁第1配線パターンWPd1の配線幅よりも幅広で、甲第2配線パターンWPa2の配線幅と略同幅となっている。
【0124】
このように本実施形態では、リセット信号やクロック信号についてはノイズによって誤作動を生じた場合の影響が大きいことに鑑み、丁配線パターンWPdについてはその略全体に対してGNDガードを設けるとともに、配線幅を通常(甲第1配線パターンWPa1、乙配線パターンWPb等)よりも幅広とすることで他の信号線等からの影響を極力排除している。
【0125】
また上述したように、主制御基板ケース152の裏ケース体152bには、主制御基板151を裏面200b側から支持する突条部205が設けられているが、その突条部205は、
図16等に示すように主制御基板151の縁部(ここでは+Y側、-Y側の各縁部)に沿って配置されており、第2配線層L2に設けられた配線パターンのうち、グランド配線パターンには当接するが、甲第2配線パターンWPa2を含む甲~丁配線パターンWPa~WPdには当接しないようになっている。これにより、突条部205との接触によって甲第2配線パターンWPa2の熱による断線等のリスクが上昇することを防止できる。
【0126】
また上述したように、主制御基板151には、その四隅のうち、対角となる二箇所に、固定ネジ201aによるねじ止め孔201が設けられ、残りの一箇所に、位置決め突起202aが挿通される位置決め孔202が設けられているが、
図15,
図16に示すように、表面200a側、裏面200b側の何れにおいても、ねじ止め孔201及び位置決め孔202の周囲には配線パターンを設けない非配線領域203が形成されており、固定ネジ201aによって主制御基板151を主制御基板ケース152に固定したとき、
図16に示すように、その固定ネジ201aが第2配線層L2側の何れの配線パターンとも接触しないようになっている。このように、ねじ止め孔201や位置決め孔202の周囲に非配線領域203を設けることにより、ねじ止め孔201や位置決め孔202から第1,第2配線層L1,L2に不要な電流やノイズがのってしまう不具合を抑制することが可能である。
【0127】
また
図14に示すように、コネクタCN7等の各コネクタには夫々一又は複数(ここでは端部近傍に1個)の突出部211が設けられ、基板本体200にはその突出部211に対応する貫通孔212が設けられており、コネクタCN7等はその突出部211を貫通孔212に嵌合させることによって基板本体200の所定位置に位置決めされるようになっている。そして、
図19,
図20等に示すように、基板本体200の表面200a側、裏面200b側の何れについても、貫通孔212の周囲には配線パターンが配置されない非導電領域213が形成されている。このように、コネクタ位置決め用の貫通孔212の周囲に非導電領域213を設けることにより、貫通孔212から第1,第2配線層L1,L2に不要な電流やノイズがのってしまう不具合を抑制することが可能である。
【0128】
図27,
図28は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、証紙141を、遊技領域23の左下部に対応するガイドレール55の外側に沿って傾けて配置した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、証紙141の配置位置と配置姿勢のみである。
【0129】
図27に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様の証紙141が、遊技盤16における遊技領域23の左下部に対応するガイドレール55の外側に、ガイドレール55に沿って右下がりの傾斜状となるように配置されている。
【0130】
証紙141は、
図27,
図28に示すように、遊技盤16におけるベース板54の前面側に装着されたレール形成部材146に装着されている。即ち、レール形成部材146は、ベース板54の盤面に沿って設けられた平板部146aと、その平板部146aの発射誘導通路60側縁部にそって設けられた前向き突出状のレール部146bとを一体に備え、レール部146bの発射誘導通路60側の面に、例えば金属製の外レール55aが配置されており、平板部146aの前面側に、第1情報表示領域141a、第2情報表示領域141bが右下がりの傾斜状となるように証紙141が斜めに貼付されている。なお、レール形成部材146の平板部146aに証紙貼付部材を着脱可能に装着し、その証紙貼付部材に証紙141を貼付してもよいし、ベース板54の前面に証紙141を直接貼付してもよい。
【0131】
また証紙141は、
図27,
図28に示すように、その上部側(第1情報表示領域141a側)の一部分のみが窓孔24a内に位置し、それ以外の下部側は窓孔24aよりも外側、即ち上装飾カバー31の後側に位置している。これにより、第1情報表示領域141aに表示された管理記号142、管理番号143及び二次元コード144については、正面視においても、ガラスユニット50を構成する前後のガラス板(透明板)50aを介して視認可能であるが、下部側の第2情報表示領域141bに表示されたメーカー名145については、前側の上装飾カバー(遮蔽部)31に遮られて正面視では視認不可能となっている。
【0132】
但し、証紙141の前側には、ガラス板50a及び上装飾カバー31との間に空間が設けられているため、
図28に示すように正面視から目線をずらし、窓孔24aの内側から斜め下向きに証紙141をのぞき込むことにより、第2情報表示領域141bに表示されたメーカー名145についても視認可能となる。以上のように、発射誘導通路60の存在によって遊技領域23を外向きに拡張することができないために比較的スペースに余裕のある遊技盤16の左下部に、証紙141をガイドレール55に沿って斜めに配置することにより、情報の視認性を十分に確保しつつ比較的容易に証紙141を配置することが可能である。
【0133】
図29は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、証紙141を、ガラス板50aの後側近傍に配置した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、証紙141の前後方向の配置位置のみである。
【0134】
第1の実施形態では、
図8に示すように、レール形成部材146の平板部146aは後側のベース板54の盤面に近い位置に配置されており、その平板部146aに貼付された証紙141とその前側のガラス板50aとの間には十分な空間が形成されていたが、本実施形態では、
図29に示すように、レール形成部材146の平板部146aはガラス板50aの後側近傍に配置されており、その平板部146aに貼付された証紙141とその前側のガラス板50aとの間には僅かな隙間が設けられているのみである。
【0135】
このような本実施形態においても、遮蔽部を構成する上装飾カバー31と証紙141との間には、ガラスユニット50を配置するための隙間があるため、第1の実施形態と同様、正面視では視認できないメーカー名145を、正面視から目線をずらし、窓孔24aの内側から下向きにのぞき込むことによって視認可能となるように証紙141を配置することは可能である。このように、証紙141とその前側の遮蔽部(上装飾カバー31)との間に十分な隙間があり、その隙間に視界を遮るものが配置されていなければ、正面視から目線をずらすことによって証紙141に表示された情報に対する視認性が向上するように構成することは可能である。
【0136】
なお、第2の実施形態についても同様に、証紙141を、ガラス板50aの後側近傍に配置することも可能である。
【0137】
図30は本発明の第4の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第2大入賞手段65の下流側と第2アウト口73bとの間に遊技球通路221を配置した例を示している。
【0138】
本実施形態では、
図30に示すように、第2大入賞手段65の下流側近傍に、遊技球通路221の流入口221aが上向き開口状に設けられ、その流入口221aから略下向きに遊技球通路221が配置されており、その遊技球通路221の下流端側に第2アウト口73bが設けられている。このように、大入賞ユニット58に、第2アウト口73bとその第2アウト口73bに遊技球を流下させる遊技球通路221とを設けることにより、第2大入賞手段65の下流側近傍に第2アウト口73bを配置した第1の実施形態と同様の効果に加えて、第2アウト口73bの配置自由度をより高めることが可能である。
【0139】
図31は本発明の第5の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第1大入賞手段64の上流側近傍に、普通入賞手段66ではなく第2アウト口73bを配置した例を示している。このように、第2アウト口73bの配置位置は入賞手段の下流側に限られるものではなく、入賞手段の上流側に配置してもよい。また、本実施形態のように入賞手段の上流側にアウト口を配置する場合についても、第4の実施形態と同様、遊技球通路を介してその下流側にアウト口を配置してもよい。
【0140】
図32は本発明の第6の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、遊技球通路221の下流側に、第2アウト口73bと開閉作動式の入賞手段(ここでは第2特別図柄始動手段63)とを配置した例を示している。
【0141】
図32に示すように、本実施形態では、第2大入賞手段65の下流側に遊技球通路221の流入口221aが設けられており、更にその遊技球通路221の下流端側には、第2アウト口73bと第2特別図柄始動手段63の第2始動入賞口63aとが例えば左右に隣接して配置されている。そして、第2特別図柄始動手段63の可動部94は、閉状態では第2始動入賞口63a側を閉鎖して遊技球を第2アウト口73b側に案内し、開状態では第2アウト口73b側を閉鎖して遊技球を第2始動入賞口63a側に案内するように構成されている。
【0142】
このように、入賞手段の下流側(又は上流側)に、遊技球通路221を介して第2アウト口73bと入賞口とを設けてもよい。なお、本実施形態では、遊技球通路221の下流側に作動式の入賞手段を配置したが、非作動式の入賞手段を配置してもよい。
【0143】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、証紙141を、正面視では第1情報表示領域141aの管理記号142、管理番号143、二次元コード144が視認可能で、第2情報表示領域141bのメーカー名145が視認不可能であり、正面視から目線をずらすことによって全ての情報が視認可能(即ちメーカー名145の視認性が向上)となるように配置したが、これに限られるものではなく、正面視では一部又は全部の情報が視認困難又は視認不可能であり、正面視から目線をずらすことによってそれらの情報に対する視認性が向上するように構成すればよい。
【0144】
例えば、正面視では管理記号142の一部のみが視認可能(視認困難)で、その他の管理番号143、二次元コード144、メーカー名145は視認不可能であり、正面視から目線をずらすことによってそれらの全ての情報が視認可能となる(視認性が向上する)ように構成してもよい。また、正面視では証紙141に表示されている全ての情報が視認不可能であり、正面視から目線をずらすことによってそれらの全ての情報が視認可能となる(視認性が向上する)ように構成してもよい。また、正面視では管理記号142、管理番号143、二次元コード144の全体が視認可能で、メーカー名145についてはその一部のみが視認可能(視認困難)であり、正面視から目線をずらすことによってメーカー名145の全体が視認可能となる(視認性が向上する)ように構成してもよい。
【0145】
なお、証紙141に表示された各種情報のうち、二次元コード144については、スキャナによる読み取りを容易にするべく、正面視で視認可能な位置に表示することが望ましい。
【0146】
実施形態では、複数の普通入賞口67a,68aの上流側に第3アウト口73cを配置した例を示したが、それに代えて或いはそれに加えて、複数の普通入賞口67a,68aの間に第3アウト口73cを配置してもよい。
【0147】
実施形態では、共通遊技球検出スイッチ135を前枠3側に配置したが、共通遊技球検出スイッチ135を遊技盤16側の例えば盤側排出口132の近傍に配置してもよい。
【0148】
実施形態では、アウト口識別情報119,123を、その表示領域の少なくとも一部が装飾表示118,122の表示領域と重なるように表示する例を示したが、この場合、装飾表示118,122の前側にアウト口識別情報119,123を実際に重ねて表示し、アウト口識別情報119,123の部分については装飾表示118,122が隠れて見えないようにすることももちろん可能であるが、アウト口識別情報119,123の表示領域に対応して装飾表示118,122の表示領域内にブランク領域を設け、そのブランク領域にアウト口識別情報119,123を表示してもよい。またそのブランク領域を、アウト口識別情報119,123の表示領域よりも若干広めに形成してもよい。
【0149】
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0150】
17 発射手段
23 遊技領域
58 大入賞ユニット(第1ユニット部品)
65a 第2大入賞口(特定入賞口)
73a 第1アウト口
73b 第2アウト口
73c 第3アウト口
85a 左流下経路
85b 右流下経路
102 開閉部材(特定開閉手段)
112 前面板
118 装飾表示
119 アウト口識別情報