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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】液体冷却を備えたモータ駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20221206BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20221206BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20221206BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02K11/33
H05K7/06 C
H05K7/20 M
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020502642
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 NL2018050508
(87)【国際公開番号】W WO2019017792
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】2019308
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】505335968
【氏名又は名称】エー-トラクション ユーロペ ベスローテン フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】E-TRACTION EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン セヴェンター,ティモシー
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02481328(GB,A)
【文献】特開2003-199363(JP,A)
【文献】特開2017-099096(JP,A)
【文献】特開2009-159815(JP,A)
【文献】特開2009-212136(JP,A)
【文献】特開2011-000961(JP,A)
【文献】特開2015-220977(JP,A)
【文献】国際公開第2013/025096(WO,A1)
【文献】欧州特許第01252034(EP,B1)
【文献】国際公開第2005/071824(WO,A1)
【文献】特開2003-199294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02K 11/33
H05K 7/06
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(101)と、1つ以上のコンデンサ(103)と、前記ハウジング(101)内に配置されたソリッドステートスイッチング素子(104)を備え、インホイールモータのモータ駆動ユニット(100)であって、
前記ハウジング(101)が、下方区画(120)を備え、
前記下方区画(120)が、ボトムプレート(121)と、前記ボトムプレート(121)から延出する側壁(123)と、前記側壁(123)と前記ボトムプレート(121)の横端の端側とを備え、
前記ボトムプレート(121)には液体クーラントを受容するための冷却チャネル(122)が配設され、
前記ハウジング(101)がさらに、前記下方区画(120)を覆うセパレーションプレート(130)を備え、
前記セパレーションプレート(130)が、前記側壁および前記1つ以上のコンデンサと熱接触しており、
前記セパレーションプレート(130)が、前記側壁と直接接触するか、または前記セパレーションプレート(130)と前記側壁の間に塗布されたサーマルペーストまたはグリースを介して前記側壁と接触され、
前記モータ駆動ユニットさらに、前記1つ以上のコンデンサ(103)に電気的に接続された直流バスバー(151,152)を備え、
前記直流バスバー(151,152)が前記セパレーションプレート(130)に機械的に固定されて前記セパレーションプレート(130)に熱伝導可能に接続され、
前記ソリッドステートスイッチング素子(104)が、前記下方区画内(120)に、前記ボトムプレート(121)と前記セパレーションプレート(130)の間に配置されて前記ボトムプレート(121)と熱接触しており、
前記コンデンサ(103)前記下方区画(120)と反対方向を向く前記セパレーションプレート(130)の側に配置されて、前記直流バスバー(151,152)上に取り付けられるとともに前記直流バスバー(151,152)によって実質的に支持され、
前記ハウジング(101)さらに、トッププレート(141)と側壁(143)を有する上方区画(140)を備え、
前記コンデンサ(103)前記上方区画(140)内に、前記トッププレート(141)と前記セパレーションプレート(130)の間に配置され、
前記上方区画(140)、前記セパレーションプレート(130)および前記下方区画(120)が共同して前記1つ以上のコンデンサ(103)と前記ソリッドステートスイッチング素子を封入する
ことを特徴とするモータ駆動ユニット。
【請求項2】
前記直流バスバー(151,152)がそれぞれ、前記セパレーションプレート(130)に投影して見た場合に、前記セパレーションプレート(130)に対面する前記1つ以上のコンデンサ(103)それぞれの実質的に全表面に前記直流バスバー(151,152)のうち1つが重なるように、前記セパレーションプレート(130)に対して略平行に延在する部分を含む、請求項1に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項3】
前記表面のうち少なくとも90%に、より好ましくは少なくとも95%に前記バスバーのうち1つが重なる、請求項2に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項4】
前記セパレーションプレート(130)のほうに向いた前記コンデンサ(103)の表面にサーマルペーストまたはサーマルグリースが塗布されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項5】
前記ソリッドステートスイッチング素子に電気的に接続された交流バスバー(161,162,163)を備え、前記交流バスバー(161,162,163)各々が、前記セパレーションプレート(130)に機械的に固定され、前記セパレーションプレート(130)に熱伝導可能に接続されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項6】
前記交流バスバー(161,162,163)が、前記セパレーションプレート(130)を通って前記ソリッドステートスイッチング素子(104)に延出し、前記交流バスバー(161,162,163)を前記セパレーションプレート(130)から電気的に絶縁するために、前記セパレーションプレート(130)を通る前記交流バスバー(161,162,163)の部分の周りにシールが配設されている、請求項5に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項7】
前記セパレーションプレート(130)が、実質的に完全に前記側壁および/または前記端側上に支持され、前記コンデンサ(103)が実質的に完全に前記セパレーションプレート(130)上に支持される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項8】
前記セパレーションプレート(130)が、前記側壁に対面した全長に沿って前記接触をなしている、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項9】
前記1つ以上のコンデンサ(103)がコンデンサアセンブリ内に含まれる、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項10】
前記ソリッドステートスイッチング素子が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタおよび/またはバイポーラ接合トランジスタを含む、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項11】
前記ボトムプレート(121)の横端に配置されて前記下方区画(120)の水平壁を形成する第1のエンドプレートを備え、前記第1のエンドプレートが、前記モータ駆動ユニットの外部から前記チャネルに流体を供給するための冷却液フィードコネクタと、前記モータ駆動ユニットから冷却液を戻すための冷却液リターンコネクタを備えている、請求項1に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項12】
前記第1のエンドプレートが配置されているのと反対側の前記ボトムプレート(121)の横端に配置されて前記下方区画(120)の水平壁を形成する第2のエンドプレートをさらに備え、前記第1のエンドプレートおよび/または第2のエンドプレートには、前記冷却チャネルを互いに流体接続するように適合された接続ダクトが配設されている、請求項11に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項13】
前記冷却液フィードコネクタと前記冷却液リターンコネクタを前記インホイールモータの相補的な冷却液コネクタと係合させるために、前記インホイールモータの支持体に沿った、取り付け位置への摺動挿入のための、前記側壁の外部に沿ったスロットまたはリッジを前記ハウジング(101)が備えている、請求項11または12に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項14】
前記ボトムプレート (121)押出部品として成形され、前記冷却チャネル(122)押出方向に延出している、請求項1に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項15】
前記冷却チャネル(122)が、前記ボトムプレート(121)の横端のうち1つから、対向する前記ボトムプレート(121)の横端へと、互いに略平行に延在する、請求項1ないし14のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項16】
前記ボトムプレート(121)が、該ボトムプレート(121)の横端どうしの間に延在する複数の貫通開口(124)を備え、前記複数の開口(124)はそれぞれインサートが配設され、前記インサートの各々が前記ボトムプレート(121)の長手方向に沿って前記冷却チャネル(122)のうち2つ以上を画定している請求項1ないし15のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項17】
前記コンデンサ(103)が、前記セパレーションプレート(130)を通って前記下方区画(120)へと延出する導体によって前記ソリッドステートスイッチング素子に接続される、請求項1ないし16のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項18】
前記導体には、前記下方区画(120)へと延出するその端部に、前記下方区画(120)内の対応するソケット内に収容されるプラグが配設されている、請求項17に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項19】
前記コンデンサ(103)が、前記セパレーションプレート(130)を介して前記下方区画(120)へと延出する導体によって前記ソリッドステートスイッチング素子 (104)に接続される、請求項1ないし18のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか一項に記載のモータ駆動ユニット(100)を備えたインホイールモータであって、さらにステータとロータを備え、前記モータ駆動ユニット(100)が完全に前記ステータ内に配置されているインホイールモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インホイールモータのモータ駆動ユニットに関し、そのモータ駆動ユニットは電気的構成要素を備え、電気的構成要素は1つ以上のコンデンサと、典型的には比較的高電圧の電流をインホイールモータの電磁石による使用に適した形態に変換するための、IGBTなどのソリッドステートスイッチング素子を備えている。電気的構成要素は液体クーラントにより冷却される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、1輪以上のタイヤを担持するホイールのリムに電動モータのロータが結合されているインホイール電動モータを備えた電気自動車が既知である。ステータは、ホイールサスペンションシステムを介して車両のフレームに取り付けられている。この既知のインホイールモータは、モータの電磁石が、中間歯車なしでリムとタイヤを直接駆動するダイレクトドライブホイールの一部である。こうして、重量と空間が省かれ、駆動装置内の構成要素の数が極減される。
【0003】
インホイールモータによって生成されるトルクは、ロータとステータの間の磁束搬送面に依存し、ロータ半径の二次関数である。ロータ磁石は、ロータ半径を可能な限り大きくするように、ステータの周りに可能な限り外側に離して配置され、モータ設計は、タイヤに最大パワーとトルクを供給するために、ロータとステータの間の隙間を極減するべく最適化される。ロータとステータの間の隙間の幅は他方では、走行状態中にホイールへの機械的衝撃を吸収するために十分なほど大きくなるように設計される。
【0004】
ステータの巻線は、ステータ内に配置された制御エレクトロニクスによって給電され、その制御エレクトロニクスは、車両の電源システム、例えば電池パックおよび/または発電機からの電気エネルギーを、電動モータによる使用に適した交番電流に変換する。そのような制御エレクトロニクスは典型的にパワー制御エレクトロニクス、例えば特許文献2に記載のようなIGBT電流モジュールと電流調整器を備えている。制御エレクトロニクスを用いて、ステータの巻線に供給される電流および/または電圧を制御することで、ステータによって生成される磁束の磁場ベクトルが制御され、電動モータは所望のトルクおよび/または回転速度で動作する。制御エレクトロニクスをステータ内に一体化することで、制御エレクトロニクスから電磁石にわたるバスバーの長さを短く保つことができ、それは、例えば700Vまたはそれ以上で300Aになり得るような電動モータを動作させるために一般的に必要な高電流および高電圧の損失を極減するという見地から非常に望ましい。
【0005】
電動モータおよび/または制御エレクトロニクスを冷却するために、既知の駆動アセンブリには冷却システムが配設されており、冷却システムは、ステータおよび/または制御エレクトロニクスの外面付近に配置された1つ以上の冷却チャネルを有し、それを介して液体クーラントは駆動アセンブリに流入し駆動アセンブリから流出できる。
【0006】
インホイール駆動アセンブリは、ロータに車両の可動部品が全く付いていない、および/またはロータ内に車両の可動部品が延出していない実質的に自蔵個別のモジュールとして実現され得る。ロータによって画定される内部空間は好ましくは実質的に閉鎖されて、車両の制動システムによって、および/または道路によって放出される塵芥および/または磨耗粒子等の異物粒子の、前記内部への侵入を防止する。
【0007】
インホイール駆動アセンブリは、駆動アセンブリの車両側を車両フレームに接続することによって様々な位置で車両に取り付けられてよい。
【0008】
既知のインホイール駆動アセンブリでは、モータドライブの一部を形成するとともにPCB上に配置され得るコンデンサとIGBTは、これらの電子構成要素を実質的に包囲する周縁ハウジング内に延在するチャネルを備えた冷却システムによって冷却される。既知の冷却システムは、周縁ハウジングの外面上に配置されたインホイールモータの電磁石を冷却するためにも用いられ得るという利点を有する。しかしながら、その冷却能力の大部分は典型的に電磁石を冷却するために使用され、結果として、電子構成要素を冷却するために残されるのは、その冷却能力のうち比較的小部分のみとなる。これは、電子構成要素の動作寿命の低下をもたらし得る。例えば、一部のコンデンサでは、コンデンサの寿命は、動作温度が10℃上がる毎に半減する。
【0009】
特許文献3は、例えば冷媒が通り得る壁が配設されたハウジングを備えた電動モータのインバータである半導体デバイスを記載している。コンデンサおよび電源デバイスが、冷媒を通す壁に直接取り付けられている。そのような壁にコンデンサを固定するために固定ジグが配設されてよい。コンデンサおよび電源デバイスは両方とも、冷媒を通す壁に直接取り付けられるため、冷媒が漏れることを避けるために、ハウジングを組み立てまたは解体するときには特段の注意を払わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2013/025096号パンフレット
【文献】欧州特許第1252034号明細書
【文献】欧州特許第1713169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、より単純な構造を有する電子構成要素の冷却システムを備えた車両のインホイールモータのモータ駆動ユニットを提供することである。さらなる目的は、そのようなモータ駆動ユニットを備えたインホイールモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的で、第1の態様により、本発明はインホイールモータのモータ駆動ユニットを提供し、モータ駆動ユニットは、ハウジングと、1つ以上のコンデンサと、ソリッドステートスイッチング素子ハウジング内に配置されたソリッドステートスイッチング素子を備え、ハウジングは、ボトムプレートと、ボトムプレートから延出する側壁と、側壁およびボトムプレートの横端の端側を備えた下方区画を備え、ボトムプレートには液体クーラントを受容するための冷却チャネルが配設され、ハウジングはさらに、下方区画を覆うセパレーションプレートを備え、セパレーションプレートは側壁および1つ以上のコンデンサと熱接触しており、ソリッドステートスイッチング素子は、下方区画内に、ボトムプレートとセパレーションプレートの間に配置されてボトムプレートと熱接触しており、1つ以上のコンデンサは、下方区画と反対方向を向くセパレーションプレートの側に配置され、直流バスバー上に取り付けられ且つ直流バスバーによって実質的に支持されている。こうして本発明は、セパレーションプレートが1つ以上のコンデンサ用のヒートシンクとして働く専用冷却システムを提供し、他方でソリッドステートスイッチング素子は、ボトムプレートとのより直接的な接触によって冷却される。コンデンサは、少なくとも側壁の高さ分、ボトムプレート内のチャネルと間隔があるが、それでもコンデンサの効率的な冷却は達成され、一方、同時に、液体クーラントによって提供される冷却能力が、最も必要とされる場所、すなわち、ソリッドステートスイッチング素子付近で先ず提供されることが確保される。直流バスバーはセパレーションプレートに機械的に固定されているため、バスバーとセパレーションプレートは一括してハウジングに配置またはハウジングから取り出すことができる。さらに、直流バスバーは、セパレーションプレートと側壁を介して、1つ以上のコンデンサからボトムプレートに熱を転移させることを補助する。
【0013】
セパレーションプレートは好ましくは実質的に完全に側壁および/または端側上に支持され、1つ以上のコンデンサのほうは好ましくはセパレーションプレート上に実質的に完全に支持される。こうしてこれらの構成要素はセパレーションプレートに固定されることができ、保守中に、セパレーションプレートを下方区画から取り外すことによって下方区画から取り出され得る。
【0014】
こうして、1つ以上のコンデンサは対応する直流バスバーとの接触によって冷却されることができ、直流バスバーのほうはセパレーションプレートによって冷却される。直流バスバーはそれぞれ、セパレーションプレートに投影して見た場合に、セパレーションプレートに対面するコンデンサそれぞれの全表面に、バスバーのうち1つが重なるように、セパレーションプレートに対して略平行に延在する部分を備えていることが好ましい。好ましくは、前記表面の少なくとも90%に、より好ましくは少なくとも95%に、バスバーのうち1つが重なる。1つ以上のコンデンサと直流バスバーおよび/またはセパレーションプレートとの間の熱接触を改善するために、サーマルペーストまたはグリース等が、セパレーションプレートのほうに向いたコンデンサの表面に塗布されてよい。
【0015】
1つ以上のコンデンサは直流バスバーに取り付けられ、好ましくは実質的に完全に直流バスバーによって支持されているため、これらの構成要素および/または直流バスバーへのさらなる支持を提供するためのスペーサ等は必要ない。
【0016】
一実施形態では、モータ駆動ユニットはさらに、ソリッドステートスイッチング素子に電気的に接続された交流バスバーを備え、各交流バスバーはセパレーションプレートに機械的に固定され、セパレーションプレートに熱伝導可能に接続されている。こうして、交流バスバーもセパレーションプレートによって提供される冷却からの恩恵を蒙る。
【0017】
一実施形態では、交流バスバーはセパレーションプレートを介してソリッドステートスイッチング素子へと延在し、セパレーションプレートを介して延在する交流バスバーの部分の周囲にシールが配設されて、セパレーションプレートから交流バスバーを電気的に絶縁している。
【0018】
一実施形態では、セパレーションプレートは側壁と直接接触するか、またはセパレーションプレートと側壁の間に塗布されたサーマルペーストまたはグリース等を介して側壁と接触する。好ましくは、そのような接触、すなわち、セパレーションプレートの側壁との直接接触またはサーマルペーストもしくはグリース等を介した接触は、側壁の対向面の全長に沿ったものである。より好ましくは、セパレーションプレートは両エンドプレートとも接触する。
【0019】
一実施形態では、複数のコンデンサは1つのコンデンサアセンブリに含まれている。
【0020】
一実施形態では、ソリッドステートスイッチング素子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタおよび/またはバイポーラ接合トランジスタを備えている。
【0021】
一実施形態では、モータ駆動ユニットはさらに、ボトムプレートの横端に配置されて下方区画の水平壁を形成する第1のエンドプレートを備え、前記第1のエンドプレートは、モータ駆動ユニットの外部からチャネルに流体を供給するための冷却液フィードコネクタと、モータ駆動ユニットから冷却液を戻すための冷却液リターンコネクタを備えている。第1のエンドプレートを通って延在する、および/または第1のエンドプレートを通る貫通開口に出るコネクタはこうして、モータ駆動ユニットの同じ横側から容易にアクセス可能である。
【0022】
一実施形態では、モータドライブはさらに、第1のエンドプレートが配置されて下方区画の水平壁を形成しているところと反対側のボトムプレートの横端に配置された第2のエンドプレートを備え、第1のエンドプレートおよび/または第2のエンドプレートには、冷却チャネルを互いに流体接続するように適合された接続ダクトが配設されている。こうしてボトムプレート自体はチャネル間の接続とは遊離した状態を保つことができ、ボトムプレートにチャネルが特に単純な方式で配設されることを可能にしている。
【0023】
一実施形態では、ハウジングはさらに、冷却液フィードコネクタと冷却液リターンコネクタをインホイールモータの相補的な冷却液コネクタと係合させるために、インホイールモータの支持体に沿って摺動して取り付け位置に挿入するための、側壁の外部に沿ったスロットまたはリッジを備えている。モータ駆動ユニットはこうして、インホイールモータの冷却液コネクタと、モータ駆動ユニットの冷却液フィードコネクタおよびリターンコネクタとの間の液密接続がなされるような様式で、インホイールモータの内部へと容易に摺動され得る。
【0024】
一実施形態では、ボトムプレートは押出成形部品として成形され、冷却チャネルは押出方向に延出している。ボトムプレートは好ましくは、アルミニウムなどの金属または金属合金から押出成形される。そのような押出成形ボトムプレートは、別個の部品から構成されたボトムプレートよりも熱をよく伝導することがわかっている。このため、ボトムプレートの押出し中に、側壁がボトムプレートと一体に成形されることが非常に好ましい。
【0025】
一実施形態では、冷却チャネルはボトムプレートの横端のうち1つから、ボトムプレートの反対側の横端へと、互いに対して略平行に延在する。
【0026】
一実施形態では、ボトムプレートはボトムプレートの横端どうしの間に延在する貫通開口を備え、前記開口にインサートが配設され、各インサートがボトムプレートの長手方向に沿って2つ以上の冷却チャネルを画定している。こうしてボトムプレートは、貫通開口がチャネルよりも大きい直径を有する状態で製造されることができ、特にボトムプレートが押出成形によって製造される場合に製造プロセスを容易にする。
【0027】
一実施形態では、1つ以上のコンデンサは、セパレーションプレートを介して下方区域へと延在する導体によってソリッドステートスイッチング素子に接続される。好ましくは これらの導体には、下方区域へと延出するそれらの端部に、下方区画内の対応するソケット内に収容されるプラグが配設されて、1つ以上のコンデンサの出力とソリッドステートスイッチング素子の入力の間の容易に着脱自在な電気的接続を提供する。
【0028】
一実施形態では、ハウジングはさらに、トッププレートと側壁を有する上方区画を備え、1つ以上のコンデンサはトッププレートとセパレーションプレートの間の上方区画に配置され、上方区画、セパレーションプレートおよび下方区画は共同して1つ以上のコンデンサとソリッドステートスイッチング素子を封入する。ハウジングが電気的構成要素を、好ましくは実質的に防水方式で実質的に完全に覆うため、塵芥と水分がハウジングの外部から電気的構成要素に通ることが防止される。
【0029】
一実施形態では、交流および直流バスバーは、ハウジングの外部に、それぞれ、1つの直流入力電流と1つ以上の交流出力電流のための端子を備えている。好ましくは、交流および直流バスバー端子は、クーラント液のインレットおよびアウトレットコネクタから離れたハウジングの側に配置され、その結果、例えばインホイールモータ内のモータ駆動ユニットの取り付け中にクーラント液が漏れた場合でも、短絡が形成される危険が低減される。
【0030】
第2の態様により、本発明は、先行請求項に記載のモータ駆動ユニットを備えたインホイールモータを提供し、さらにステータとロータを備え、モータ駆動ユニットはステータ内部に完全に配置されている。好ましくは、複数の電磁石がステータの外面に装着され、別個の冷却システムが、電磁石を冷却するためにインホイールモータに配設されている。
【0031】
第3の態様により、本発明は、例えば、請求項1の従属項に記載のような、本発明の第1の態様の1つ以上の実施形態の特徴を備えた、請求項1の少なくとも前提部分に記載のインホイールモータのモータ駆動ユニットを提供する。この態様によるモータ駆動ユニットは、請求項1の特徴部分の特徴を必ずしも含まなくてもよい。
【0032】
本発明を、添付図面を参照して以下にさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】本発明に係るモータ駆動ユニットを備えた駆動アセンブリの断面図である。
図1B】本発明に係るモータ駆動ユニットを備えた駆動アセンブリの破断等角図である。
図2】本発明に係るモータ駆動ユニットの模式断面図である。
図3A】モータ駆動ユニットの下方区画の分解等角図である。
図3B】下方区画のエンドプレートの断面図である。
図3C】下方区画のボトムプレートの上面図である。
図4A図2のセパレータプレートの異なる等角図である。
図4B図2のセパレータプレートの異なる等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1Aは、本発明で使用する駆動アセンブリ1の断面図を示す。駆動アセンブリは、周りにロータ60を配置する外面32を有する中空ステータボディ31を備えたステータ30を備えている。駆動アセンブリはさらに、駆動アセンブリを車両に装着するためにアセンブリ1の車両側2に配置されたコネクタスタブ33を備えている。コネクタスタブ33は、シャフト34と、ステータボディ31に固定接続されたフランジ35を備えている。フランジ35はロータ60内に配置され、ロータ60の周面63の外部にあるシャフト34の部分36よりも大きい直径を有する。回転軸R周りでのロータ60の回転運動を支持するために車両側ベアリング52が配設され、それを介してロータは車両側でスタブ33上に支持される。道路側3では、ロータは道路側ベアリング53を介してステータボディ31上に回転可能に支持される。
【0035】
複数の永久磁石61がロータ60の内周面62に装着されて、ステータ30の電磁石41の周りで回転可能である。電磁石41はステータボディ31上に固定されて、永久磁石61と、電磁石41によって生成される磁束の間の相互作用によってロータの回転を駆動する。ステータ30とロータ60は、回転軸R周りでのホイールの回転を直接駆動するように適合された電動モータを形成する。電磁石41を制御し電磁石41に給電するために、モータ駆動ユニット100が中空ステータボディ31内部に配置されており、モータ駆動ユニット100は、車両の電源システム、例えば電池パックおよび/または発電機からの電気エネルギーを、電動モータによる使用に適した交流形態に変換するための、IGBTまたは他の種のソリッドステートスイッチング素子などの構成要素およびコンデンサを含むパワー制御エレクトロニクス42を備えている。レゾルバ81は、パワー制御エレクトロニクスに対するロータの角度位置を示す角度位置信号を提供し、交番電流が、ロータの磁界と一致した位相で供給されるようにする。
【0036】
電動モータが動作しているときにパワー制御エレクトロニクスの過熱を防止するために、冷却ダクトが、ステータボディ31の内部且つボディ31から離隔して、パワー制御エレクトロニクス42付近のモータ駆動ユニット100内に配設されている。クーラントは、コネクタスタブ33を通ってロータの外部からその内部に至るクーラント供給チャネル45を介して冷却ダクトに供給される。液体クーラントの流路Fは矢印Fで模式的に示されている。パワー制御エレクトロニクス42を冷却した後で、クーラントは、コネクタスタブ33内の通路46を介して、ステータボディ31の外面32に配設された冷却ジャケット37に流入する。冷却ジャケット37には、中空円筒ボディ31に沿って通る回路を形成して、冷却ジャケット37の外側40に配置された電磁石41を冷却するために流れる液体クーラントを通す通路を提供するチャネル38が配設されている。こうして、比較的低温のクーラントがクーラント供給チャネル45を通って供給されることができ、クーラントは冷却ダクトを通過する間に暖機してパワー制御エレクトロニクス42から熱エネルギーを吸収し、次にチャネル38を通過して電磁石41から熱エネルギーを吸収し、その後で駆動アセンブリ1から除去されて、コネクタスタブ33を通って延在するクーラント排出チャネル(図示せず)を通して車両に戻される。暖機されたクーラントは好ましくは車両上の熱交換器で冷却され、その後クーラント供給チャネル45を通って再循環される。
【0037】
パワー制御エレクトロニクス42に給電するための給電線43a,43bが、ロータ60の外部から、コネクタスタブ33内の通路44を通って、パワー制御エレクトロニクスに通る。
【0038】
ロータ60は、それぞれその車両側2とその道路側3に横端72,73を有する略円筒形のロータボディ71を備えている。両横端72,73は、道路からの、または、車両の制動システムによって放出される塵芥および磨耗粒子などの異物粒子が中空ロータ60の内部に侵入することを防止するために実質的に閉鎖されている。ロータの車両側は、回転軸Rに対して横断方向に延在するサイドプレート74によって、またカバープレート75によって実質的に閉鎖されている。サイドプレート74とカバープレート75にはそれぞれ、コネクタスタブ33の部分34がそれを介して延出する開口部が配設されている。サイドプレート74は車両側ベアリング52を支持するのに対し、カバープレート75はサイドプレート74に装着されてベアリング51を、それらの側方車両側2で覆い、それを介して部分34が延出する開口部77を備えている。カバープレート75は、開口部77の内周縁79とコネクタスタブ33のシャフト34の外周の間に配置されたシャフトシール78とともに、異物粒子が車両側ベアリング52を損傷することを防止する。さらに、カバープレート75とシャフトシール78は、粒子が電磁石41に干渉する可能性がある車両側2からそのような粒子がロータの内部5に侵入することを実質的に防止する。
【0039】
ステータボディ31の内側に配置された道路側ベアリング53は、道路側3において第2のカバープレート80によって覆われている。レゾルバ81はステータ30を第2のサイドプレート80に回転可能に接続し、ステータ30に対するロータ60の角度位置を検出するように適合されている。
【0040】
図1Bは、図1Aの駆動アセンブリの部分破断等角図を示すが、この図では、中空ステータボディ31とレゾルバ81を見やすくするために、第2のカバープレート80と道路側ベアリング53は図示していない。
【0041】
図2は、比較的高電圧の直流電流を、インホイールモータの電磁石に給電するのに適した形態に変換するように適合された、本発明に係るモータ駆動ユニット100の断面図を示す。この目的で、駆動ユニットには、電気自動車の電池パックなどの直流電流源に接続される入力側と、ここではIGBTの形態であるソリッドステートスイッチング素子104a-104dに電気的に接続される出力側を有する、コンデンサ103a-103cを備えたコンデンサアセンブリ103が配設されている。電気的構成要素103a-103c、104a-104cはハウジング101によって封入され、ソリッドステートスイッチング素子はハウジング101の下方区画120に配置されている。ソリッドステートスイッチング素子を冷却するために、下方区画にはボトムプレート121が配設され、ボトムプレート121を通って貫通開口124がボトムプレートの長手方向に延在する。インサート125が開口に配置され、長手方向に分離壁を備え、液体クーラントがボトムプレートを冷却するために流れる、液体クーラントの平行なチャネル122を画定している。下方区画はさらに、ボトムプレート121から垂直に延出する、例えば押出加工中に好ましくはアルミニウムなどの金属である同じ材料でボトムプレート121と単一ユニットとして成形された側壁123を備えている。こうして、ボトムプレートと側壁の間の良好な熱伝導率が達成され、その結果、開口124を介した液体クーラントの流れがボトムプレート121と側壁123の両方を冷却する。ハウジング101はさらに、側壁123によって支持され下方区画120を覆うセパレーションプレート130を備え、その結果ソリッドステートスイッチング素子104a-104dはボトムプレート121とセパレーションプレート130の間に配置される。コンデンサ103a-103は、セパレーションプレート130によって、下方区画120と反対方向に向くセパレーションプレートの側131上に支持される。こうしてセパレーションプレートは、ソリッドステートスイッチング素子103a-103cとコンデンサ104a-104dの間の物理的分離を提供する。さらに、セパレーションプレート130は、コンデンサによって生成された熱エネルギーが吸収され得る冷却された側壁123に向いた熱伝導面を形成する。
【0042】
コンデンサ103a-cを塵芥および水分などの外部の影響から保護するために、ハウジング101はさらに、ボトムプレート121と略平行なトッププレート141を有する上方区画140を備え、側壁143がトッププレートからセパレーションプレート130に向けて延在している。上方区画は好ましくは同様に、例えばアルミニウム等の高い熱伝達率を有する材料から製造され、セパレーションプレートを介して側壁143と熱接触している。こうして、セパレーションプレート130と反対方向を向く側でのコンデンサの或る程度の冷却が達成され得る。
【0043】
図3Aは、図2の下方区画120の分解図を示す。ボトムプレート121には、ボトムプレートの長手方向Lに対して平行に通る貫通開口124が配設されている。図1からわかるように、モータ駆動ユニット100がインホイールモータ内に取り付けられているとき、ボトムプレートは、その長手方向をロータ60の回転軸Rに対して平行にして配向している。図3Aに戻って参照すると、貫通開口124に、略平坦なインサート125が配設されている。
【0044】
図3Bは、貫通開口124内に配置された場合のインサートの側面図を示す。貫通開口124には、インサートの頂面を壁部124a付近または壁部124aに当接させてインサート125が開口124に挿入された場合に液体クーラントを流すチャネル122を画定する壁部124aが配設されている。インサートの使用は、ボトムプレートと側壁123が押出加工で単一のユニットとして製造されることを可能にする。ボトムプレートが製造された後で、インサート125が貫通開口124に挿入されて、液体クーラント用のチャネル122の特定の形状および/または寸法を画定する。別の実施形態では、インサートには壁部が配設されてよく、貫通開口は実質的に一定の長方形の断面を有し得ることが理解されよう。
【0045】
側壁123は、ボトムプレート120の頂面127からの高さHを有し、ボトムプレートの全長に沿って通る。側壁の最小幅Wはボトムプレートの厚さTの三分の一であり、ボトムプレートと側壁の間の十分な熱伝導能力を確実にしている。側壁は、最小幅Wよりも少なくとも1.5倍大きい幅の頂面126を有し、セパレーションプレートに接触するための拡大した面を提供している。側壁123内のスロット128は、ボトムプレートの長手方向Lに沿って長手方向に延在して、モータ駆動ユニットの、インホイールモータの対応する支持体上への取り付けを容易にしている。
【0046】
その横側を実質的に封鎖するために、下方区画には、ボトムプレー120の第1の横側に第1のエンドプレート170が、また、ボトムプレートの反対側の横側に第2のエンドプレート180が配設されている。第1のエンドプレート170は貫通するダクト171および172を備え、それはそれぞれ、液体クーラントフィードコネクタをチャネル122に、また液体クーラントリターンコネクタをチャネル122の別の部分に流体接続している。こうして、ボトムプレート120のチャネルは、モータ駆動ユニットをその長手方向に沿って、インホイールモータの対応するコネクタのほうに摺動させることによって、外部液体クーラントサプライおよびリターンに容易に流体接続され得る。第2のエンドプレート180には、プラグ184b,185bによって封鎖される貫通開口184a,185aが配設されている。プラグをそれらの貫通開口から抜くことによって、液体クーラントは、中空ステータボディの開放端からアクセス可能な第2のエンドプレートの位置から排出され得る。ボトムプレート121とそれぞれの横断エンドプレート170,180の間に、防止するためにシール173,183が配置されている。
【0047】
図3Cは、ボトムプレート121、 第1のエンドプレート170および第2のエンドプレート180の上面図を模式的に示し、面127の下方の貫通開口124が、破線を用いて示されている。エンドプレート170,180には、貫通開口124を互いに流体接続するためのU屈曲形状接続ダクト176,186が配設されている。こうして、液体流により矢印Cの方向が達成される。
【0048】
図4Aおよび4Bはそれぞれ、コンデンサ103を取り付けたセパレーションプレート130の等角図を示す。図4Aは、電気自動車の電池パックまたは発電機などの比較的高電圧直流電源に接続するための端子151a,152aを備えた直流バスバー151,152を示す。端子151a,151bは、セパレーションプレート130に対して略平行に延在するバスバー151,152の対応する部分から約90度の角度で延出する。直流バスバー151,152の略平行な部分が、セパレーションプレートと熱接触しており、コンデンサ103a-103cのほうは直流バスバーと熱接触しているため、セパレーションプレート130は、セパレーションプレートに対面する側でコンデンサアセンブリ103に冷却を提供する。熱接触は直接当接接触を含み得るが、好ましくは、直流バスバー151,152とセパレーションプレート130の間の熱接触および/またはコンデンサ103と直流バスバー151,152の間の熱接触を改善するために、非導電性サーマルペースト等が配設されることが理解されよう。
【0049】
それぞれの交流バスバーの端子161a,162a,163aは、構成要素103a-103cおよび構成要素104a-104dによって、インホイールモータの電磁石に給電するのに適した電圧に変換された電流を出力するために配設される。交流バスバー161,162,163はコンデンサの視界からは殆ど隠れているが、これらのバスバーもそれぞれ、セパレーションプレート130と平行に延在する部分を備えている。
【0050】
交流バスバーと直流バスバーは両方ともセパレーションプレート130に熱的且つ機械的に接続されている。
【0051】
図4Bは、いくつかの貫通開口が配設されたセパレーションプレートを示し、その貫通開口を介して導体191,192,193,194がコンデンサ103から下方区画に延出してその中のIGBT104a-104dに接続する。下方区画に対面するセパレーションプレート130の側132の導体191-194は、下方区画の対応するソケットにプラグの様に嵌合する端部を有し、そのソケットはIGBT104a-104dに電気的に接続されている。
【0052】
セパレーションプレート130は、側壁123の対向面126と接触するように配置された、また好ましくはエンドプレート170および180の上向きの面178,188とも接触するように配置された周縁を有して、ボトムプレート120とセパレーションプレート130の間の良好な熱接触を提供している。
【0053】
モータユニットは、中空ステータボディを有するインホイールモータ、例えば、図1Aおよび1Bのインホイールモータ内に全体として摺動されることができ、中空ステータボディには、その内面に、ユニットの側壁の外部上のスロット128に係合するための支持体が配設されている。側壁123内のスロット128は、ステータの支持体と協働して、ステータの横断フランジ内の対応するコネクタへの、ダクト171,172の容易な位置合わせを可能にする。クーラントが端子に漏れる危険を低減するために、液体クーラントコネクタ171,172がモータ駆動ユニットの車両側に配置され、バスバー端子151a,152a,161a,162a,163aがモータ駆動ユニットの道路側に配置されていることが好ましい。
【0054】
要約すると、本発明は、ハウジングと、コンデンサと、ハウジング内に配置されたソリッドステートスイッチング素子を備えたインホイールモータのモータ駆動ユニットに関し、そのハウジングが下方区画を備え、下方区画はボトムプレートと、ボトムプレートから延出する側壁と、側壁とボトムプレートの横端の端側を備え、ボトムプレートには液体クーラントを受容するための冷却チャネルが配設されている。コンデンサは比較的高電圧の構成要素であってよく、ソリッドステートスイッチング素子は比較的低電圧の構成要素であってよい。ソリッドステートスイッチング素子が、下方区画に、ボトムプレートとセパレーションプレートの間に配置されてボトムプレートと熱接触してよく、1つ以上のコンデンサが直流バスバーに接続されて、下方区画と反対方向を向くセパレーションプレートの側に配置されてよい。
【0055】
本発明を、図面に示したいくつかの代表的実施形態を参照して説明してきた。一部の部品または要素の修正や別の実装が可能であり、それらは、添付の特許請求に定義される保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 駆動アセンブリ
2 車両側
3 道路側
30 ステータ
31 ステータボディ
33 コネクタスタブ
34 シャフト
35 フランジ
52 車両側ベアリング
53 道路側ベアリング
60 ロータ
61 永久磁石
71 ロータボディ
72,73 横端
74 サイドプレート
75,80 カバープレート
78 シャフトシール
81 レゾルバ
100 駆動ユニット
101 ハウジング
103 コンデンサ
104 スイッチング素子
120 下方区画
121 ボトムプレート
122 冷却チャネル
123 側壁
124 貫通開口
125 インサート
130 セパレーションプレート
140 上方区画
141 トッププレート
143 側壁
151,152 直流バスバー
161,162,163 交流バスバー
179,180 エンドプレート
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B