(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】放熱装置、端末及び放熱装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H05K7/20 S
(21)【出願番号】P 2020509513
(86)(22)【出願日】2017-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2017107387
(87)【国際公開番号】W WO2019079953
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-02-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シェビャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジャリャン
【合議体】
【審判長】▲吉▼田 耕一
【審判官】中野 裕二
【審判官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0267090(US,A1)
【文献】特開平2-126602(JP,A)
【文献】特開2000-243546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源によって生成された熱を吸収する放熱装置であって、
互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、前記第一導電層及び前記第二導電層に接続された電源制御回路と、を備え、
前記第一導電層は、熱伝導性材料からなり、
前記電源制御回路は、前記第一導電層と前記第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加する
ために、
前記第一電界の電場強度が予め設定された第一閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第一電界を印加し、
前記第二電界の電場強度が予め設定された第二閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第二電界を印加する、
ことを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記放熱装置は、前記第一導電層と前記第二導電層との間の電界の電界強度を測定するセンサーをさらに備え、前記センサーの一端は前記第一導電層に接続され、前記センサーの他端は第二導電層に接続される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の放熱装置。
【請求項3】
前記放熱装置は、前記第一導電層の温度を測定する温度測定装置をさらに備え、
前記電源制御回路は、前記温度測定装置によって測定された前記第一導電層の温度に応じて、前記第一電界と前記第二電界の切替頻度を制御する、
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の放熱装置。
【請求項4】
前記第一導電層及び前記第二導電層の中の少なくとも一方が金属導電層である、
ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の放熱装置。
【請求項5】
端末であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されて、熱源によって生成された熱を吸収する放熱装置と、を備え、
前記放熱装置は、
互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、前記第一導電層及び前記第二導電層に接続された電源制御回路と、を備え、
前記第一導電層は、熱伝導性材料からなり、
前記電源制御回路は、前記第一導電層と前記第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加する
ために、
前記第一電界の電場強度が予め設定された第一閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第一電界を印加し、
前記第二電界の電場強度が予め設定された第二閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第二電界を印加する、
ことを特徴とする端末。
【請求項6】
前記放熱装置は、前記第一導電層と前記第二導電層との間の電界の電界強度を測定するセンサーをさらに備え、前記センサーの一端は前記第一導電層に接続され、前記センサーの他端は第二導電層に接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記放熱装置は、前記第一導電層と前記第二導電層との間に設置された絶縁層をさらに備える、
ことを特徴とする請求項
5または6に記載の端末。
【請求項8】
前記第一導電層及び前記第二導電層の中の少なくとも一方が金属導電層である、
ことを特徴とする請求項
5~7のいずれかに記載の端末。
【請求項9】
熱源によって生成された熱を吸収する放熱装置の制御方法であって、
前記放熱装置は、互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、前記第一導電層及び前記第二導電層に接続された電源制御回路と、を備え、前記第一導電層は熱伝導性材料からなり、
前記放熱装置の制御方法は、
前記電源制御回路によって前記第一導電層と前記第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加する
ために、
前記第一電界の電場強度が予め設定された第一閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第一電界を印加し、
前記第二電界の電場強度が予め設定された第二閾値に達するまで、前記第一導電層と前記第二導電層との間に第二電界を印加する、
ことを特徴とする放熱装置の制御方法。
【請求項10】
前記第一導電層と前記第二導電層との間の電界の電界強度を測定するセンサーであって、その一端は前記第一導電層に接続され、その他端は第二導電層に接続されたセンサーから、前記第一電界の電場強度と前記第二電界の電場強度とを取得する、ことを特徴とする請求項9に記載の放熱装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱分野に関し、さらに具体的に、放熱装置、端末及び放熱装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装置の放熱方式は、主動放熱方式と被動放熱方式を備える。被動放熱方式は、一般的に、より優れる熱伝導性を有する材料を採用して、被放熱装置のある部品(ハウジングなど)によって熱源から発生した熱を被放熱装置の周囲環境に伝導する。被動放熱方式は、主に熱伝導性材料の性能に依存し、且つ熱伝導性材料の熱伝導過程は一般に非常に遅いので、放熱効率が低い。
【0003】
被動放熱方式と比較して、一般的に、主動放熱方式の放熱効率はより高い。従来の主動放熱方式は、空冷、水冷、空気圧縮機による放熱方式などを含む。従来の主動放熱方式は、被放熱装置の内部に複雑な構造を有する放熱装置(空冷システム、水冷システム、空気圧縮機システムなど)を設置することを必要として、大きなスペースを占める。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、放熱装置、端末及び放熱装置の制御方法を提供し、放熱装置の体積を小さくすることができる。
【0005】
本発明の第一態様において、放熱装置が提供される。放熱装置は、互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、第一導電層及び第二導電層に接続された電源制御回路と、を備える。第一導電層は、熱伝導性材料からなる。電源制御回路は、第一導電層と第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加する。
【0006】
本発明の第二態様において、端末が提供される。端末は、ハウジングと、ハウジングに収容されている第一態様の放熱装置と、を備える。
【0007】
本発明の第三態様において、放熱装置の制御方法が提供される。放熱装置は、互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、第一導電層及び第二導電層に接続された電源制御回路と、を備える。第一導電層は、熱伝導性材料からなる。放熱装置の制御方法は、電源制御回路によって第一導電層と第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加することを備える。
【0008】
本発明によって提供される放熱装置は、主動放熱方式を採用して被放熱装置に対して放熱する。放熱装置は、温度の微視的原理を利用して、電源制御回路によって第一導電層と第二導電層が熱運動激烈程度の異なる自由電子を交換するように制御して、温度伝導と放熱を実現する。放熱装置は、従来の主動放熱方式のように複雑なシステム構造を導入することを必要としないので、放熱装置の体積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の放熱装置の構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施例の放熱装置の構造を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係わる第一電界の印加方式を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係わる第二電界の印加方式を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明のさらに別の実施例の放熱装置の構造を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例の端末の構造を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例の放熱装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、構造が簡単であり且つ体積が小さい放熱装置を提供する。
図1に示されたように、放熱装置10は、第一導電層12、第二導電層14及び電源制御回路16を備える。
【0011】
第一導電層12は、熱伝導性材料からなることができる。つまり、第一導電層12は、導電性だけではなく熱伝導性も有する。第一導電層12の材料は、導電性及び熱伝導性を有する任意の材料であることができ、本発明は第一導電層12の材料に対して具体的に限定しない。一例として、第一導電層12は金属導電層であることができる。例えば、第一導電層12は、銅導電層又はアルミニウム導電層であることができる。実際の使用過程において、第一導電層12を被放熱装置の熱源の近傍に配置して、熱源によって生成された熱を吸収するようにする。
【0012】
第二導電層14の材料は、導電性を有する任意の材料であることができ、本発明は第二導電層14の材料に対して具体的に限定しない。一例として、第二導電層14の材料は金属であることができ、すなわち、第二導電層14は金属導電層であることができる。例えば、第二導電層14は、銅導電層又はアルミニウム導電層であることができる。さらに、いくつかの実装形態において、第二導電層14は熱伝導性材料からなることができ、即ち第二導電層14は導電性と熱伝導特性の両方を有することができる。
【0013】
第一導電層12と第二導電層14は、互いに対向して配置され、キャパシター(capacitor)のような構造を形成することができる。例えば、第一導電層12及び第二導電層14の両方が板状構造を有し、第一導電層12の一面と第二導電層14の一面は平行であってもよい。
【0014】
第一導電層12と第二導電層14との間に電界が生成されるように、第一導電層12と第二導電層14は互いに離間して設置されることができる。一例として、第一導電層12と第二導電層14との間は、空気を介して離間している。別の例として、
図2に示されたように、第一導電層12と第二導電層14との間は、絶縁層18を介して離間している。絶縁層18は、絶縁特性を有する任意の材料からなることができる。例えば、絶縁層18は、高分子ポリマーを含むことができる。
【0015】
電源制御回路16は、第一導電層12及び第二導電層14に接続されることができる。電源制御回路16は、第一導電層12と第二導電層14との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加するように構成される。
【0016】
本発明の実施例は電源制御回路16の構造に対して具体的に限定しない。一例として、電源制御回路16は、電源、制御モジュール及びスイッチモジュールを備えることができる。第一導電層12と第二導電層14の間に第一電界を印加することを必要とする場合、制御モジュールは、スイッチモジュールによって、電源の正極を第一導電層12に接続させ、電源の負極を第二導電層14に接続させることにより、
図3に示す等価回路を形成する。第一導電層12と第二導電層14の間に第二電界を印加することを必要とする場合、制御モジュールは、スイッチモジュールによって、電源と第一導電層12及び第二導電層14との間の接続関係を変更することができ、電源の負極を第一導電層12に接続させ、電源の正極を第二導電層14に接続させることにより、
図4に示す等価回路を形成する。
【0017】
別の例として、電源制御回路16は、第一電源、第二電源及び制御モジュールを備えることができる。第一電源の正極は第一導電層12に接続され、第一電源の負極は第二導電層14に接続される。第二電源の負極は第一導電層12に接続され、第二電源の正極は第二導電層14に接続される。第一導電層12と第二導電層14の間に第一電界を印加することを必要とする場合、制御モジュールは第一電源が作動するように制御して、
図3に示す等価回路を形成する。第一導電層12と第二導電層14の間に第二電界を印加することを必要とする場合、制御モジュールは第二電源が作動するように制御して、
図4に示す等価回路を形成する。
【0018】
以下、
図3及び
図4を参照して、放熱装置10の動作方式に対して例を挙げて説明する。
【0019】
先ず、微視的には、温度は物体分子の熱運動の激烈程度を表す。
【0020】
第一導電層12は被放熱装置内の熱源に近く、第二導電層14は被放熱装置の熱源から離れていると仮定すると、第一導電層12は熱伝導特性を有するので、熱源の影響によって、第一導電層12内部の自由電子の熱運動は激烈になる。
【0021】
第一導電層12と第二導電層14との間に
図3に示す第一電界が印加されると、第一電界の作用により、熱運動が激しい第一導電層12の自由電子は電源を介して第二導電層14に移動し、自由電子の移動方向は、
図3の矢印によって示されている。比較的に、第二導電層14の内部分子の熱運動はゆっくりであり、第二導電層14の内部分子と熱運動が激しい第一導電層12の自由電子が互いに作用して(例えば、互いに衝突する)、第一導電層12の自由電子の熱運動の激烈程度を低減することができる。
【0022】
第一導電層12と第二導電層14との間に
図4に示す第二電界が印加されると、第二電界の作用により、熱運動がゆっくりである第二導電層14の自由電子は電源を介して第一導電層12に移動し、自由電子の移動方向は、
図4の矢印によって示されている。第二導電層14から第一導電層12に移動する自由電子の熱運動はゆっくりであるので、第一導電層12の内部分子と第二導電層14の自由電子が互いに作用して、第一導電層12の内部分子の熱運動の激烈程度を低減することができる。
【0023】
電源制御回路16は、第一導電層12と第二導電層14との間に第一電界と第二電界を交互に印加することにより、熱運動が激しい第一導電層12の自由電子を第二導電層14に移動させ、熱運動がゆっくりである第二導電層14の自由電子を第一導電層12移動させることができる。巨視的には、第一導電層12の熱を第二導電層14に伝導することに等しい。
【0024】
本発明の実施例によって提供される放熱装置10は、主動放熱方式を採用して被放熱装置に対して放熱する。放熱装置10は、温度の微視的原理を利用して、電源制御回路16によって第一導電層12と第二導電層14が熱運動激烈程度の異なる自由電子を交換するように制御して、温度伝導と放熱を実現する。放熱装置10は、従来の主動放熱方式のように複雑な放熱システムを導入することを必要としないので、放熱装置の体積を小さくすることができる。
【0025】
本発明の実施例は、電源制御回路16の制御方式に対して具体的に限定しない。例えば、電源制御回路16は、第一電界及び第二電界の電界強度、第一導電層の温度、第一電界及び第二電界の持続時間、第一電界と第二電界の切替頻度のうちの1つに基づいて、第一導電層12と第二導電層14との間に第一電界と第二電界を交互に印加することができる。以下、選択することができるいくつかの制御方式を提供する。
【0026】
一例として、電源制御回路16は、以下の操作を交互に実行することができる:第一電界の電場強度が予め設定された第一閾値に達するまで、第一導電層12と第二電導層14との間に第一電界を印加する;第二電界の電場強度が予め設定された第二閾値に達するまで、第一電導層12と第二電導層14との間に第二電界を印加する。例えば、第一電界が印加されると、電源制御回路16は、第一導電層12と第二導電層14との間の電界強度を監視することができる。第一導電層12と第二導電層14との間の電界強度が予め設定された第一閾値に達すると、第一電界を除去してから、第一導電層12と第二導電層14との間に第一電界と相反する第二電界を印加する。第二電界が印加されると、電源制御回路16は、第一導電層12と第二導電層14との間の電界強度を監視することができる。第一導電層12と第二導電層14との間の電界強度が第二閾値(第二閾値は0以上であることができる)に降下すると、第二電界を除去してから、第一導電層12と第二導電層14との間に第一電界を印加する。
【0027】
第一電場又は第二電場の電場強度を測定するために、放熱装置にセンサーを設置することができる。例えば、図2に示されたように、放熱装置10は、第一導電層12と第二導電層14との間の電界の電界強度を測定することができるセンサーをさらに備え、センサーの一端は第一導電層12に接続され、センサーの他端は第二導電層14に接続される。
【0028】
別の例として、電源制御回路16は、以下の操作を交互に実行することができる:第一電界の持続時間が予め設定された第一持続時間に達するまで、第一導電層12と第二導電層14との間に第一電界を印加する;第二電界の持続時間が予め設定された第二持続時間に達するまで、第一導電層12と第二導電層14との間に第二電界を印加する。例えば、第一電界が印加されると、電源制御回路16は、第一電界が印加される持続時間を計算することができる。第一電界の持続時間が予め設定された第一持続時間に達すると、第一電界を除去してから、第一導電層12と第二導電層14の間に第一電界と相反する第二電界を印加する。第二電界が印加されると、電源制御回路16は、第二電界が印加される持続時間を監視することができる。第二電界の持続時間が予め設定された第二持続時間に達すると、第二電界を除去してから、第一導電層12と第二導電層14の間に第一電界を印加する。
【0029】
第一電界と第二電界の切替頻度が速いほど、第一導電層12と第二導電層14との間の自由電子の交換速度が速く、第一導電層12と第二導電層14の熱伝導効率も高い。本発明の実施例は第一電界と第二電界の切替頻度に対して具体的に限定しなく、固定頻度を採用することができ、実際の需要によって選択することもできる。
【0030】
一例として、
図5に示されたように、放熱装置10は温度測定装置17をさらに備えることができる。温度測定装置17は、第一導電層12の温度を測定することができる。第一導電層12の温度を測定するために、温度測定装置17は第一導電層12に接触することができ、又は、温度測定装置17は第一導電層12の近傍に設置されて、第一導電層12の周囲の空気温度を第一導電層12の温度とすることができると理解されるべきである。電源制御回路16は、温度測定装置17によって測定された第一導電層12の温度に応じて、第一電界と第二電界の切替頻度を制御することができる。一例として、電源制御回路16は、第一電界と第二電界の切替頻度を制御することができ、第一導電層12の温度が高いほど、第一電界と第二電界の切替頻度は高い。具体的には、電源制御回路16は、第一導電層12の温度と切替頻度の対応関係を予め記録し、第一電界と第二電界の切替頻度を第一導電層12の現在の温度に対応する切替頻度と設定することができる。
【0032】
本発明の実施例は、第一導電層12の温度に応じて、第一電界と第二電界の切替頻度を制御するので、放熱装置の知能程度を向上させる。
【0033】
本発明の実施例は、さらに端末を提供する。
図6に示されたように、端末60は、ハウジング61と、ハウジング61に収容されている放熱装置62と、を備える。放熱装置62は、上記の任意の実施例に係わる放熱装置10を採用することができる。
【0034】
本発明に係わる端末は移動端末であることができ、例えば、「通信端末」(又は略して「端末」と呼ばれる)であり、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、それに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インタフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM-FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、衛星又はセルラー電話、パーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末(セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせることができる)、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)(無線電話(radio telephone)、ページャ(pager)、インターネット/イントラネットアクセス(Internet/Intranet access)、ウェブブラウジング(web browsing)、ノートブック(notebook)、カレンダー(calendar)及び/又は全地球測位システム(global positioning system, GPS)受信機を備えることができる)及び通常のラップトップ型及び/又はハンドヘルド受信機、又は無線電話機能を備えた他の電子デバイスを備えるが、それに限定されるものではない。
【0035】
移動端末(携帯電話など)の内部空間は小さく、空冷システムや水冷システムなどのような主動放熱システムを収容し難いので、従来の移動端末は、通常、被動放熱方式を採用する。本発明の実施例において、移動端末の内部に主動放熱できる放熱装置を設置し、この放熱装置は体積が小さく、放熱効率が高いという利点を有し、移動端末に非常に適している。
【0036】
以上、
図1~
図6を参照して、本発明の実施例に係わる放熱装置及び端子を詳細に説明した。以下、
図7を参照して、本発明の実施例に係わる放熱装置の制御方法を詳細に説明する。この放熱装置は、上述した任意の実施例で説明される放熱装置10であることができ、放熱装置に関する説明は、前述の説明を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0037】
放熱装置は、互いに対向して配置された第一導電層及び第二導電層と、第一導電層及び第二導電層に接続された電源制御回路と、を備える。第一導電層は、熱伝導性材料からなる。
【0038】
図7に示す制御方法は、ステップ710を備えることができる。
【0039】
ステップ710において、電源制御回路は、第一導電層と第二導電層との間に反対方向の第一電界及び第二電界を交互に印加する。
【0040】
選択的に、いくつかの実施形態において、ステップ710は、第一電界の電場強度が予め設定された第一閾値に達するまで、第一導電層と第二電導層との間に第一電界を印加することと、第二電界の電場強度が予め設定された第二閾値に達するまで、第一電導層と第二電導層との間に第二電界を印加することと、を備える。
【0041】
選択的に、いくつかの実施形態において、ステップ710は、第一電界の持続時間が予め設定された第一持続時間に達するまで、第一導電層と第二導電層との間に第一電界を印加することと、第二電界の持続時間が予め設定された第二持続時間に達するまで、第一導電層と第二導電層との間に第二電界を印加することと、を備える。
【0042】
選択的に、いくつかの実施形態において、放熱装置は、第一導電層の温度を測定する温度測定装置をさらに備えることができる。
図7の制御方法は、電源制御回路は温度測定装置によって測定された第一導電層の温度に応じて第一電界と第二電界の切替頻度を制御することをさらに備えることができる。
【0043】
いくつかの実装形態において、電源制御回路は固定周波数で第一電界と第二電界を交互に印加する。
【0044】
上述した実施形態において、全部又は一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、又は任意の他の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアによって実現する場合、全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形式で実現することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータにコンピュータプログラム命令をアップロードして実行される場合、本発明の実装形態のプロセス又は機能の全部または一部が実行される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であることができる。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信することができる。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)である)又は無線(赤外線、無線、マイクロ波などである)方式によって、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体、又は1つ又は複数の利用可能な媒体統合を含むサーバ、データセンタなどのデータ記憶装置であることができる。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、ソフトディスク、ハードディスク、磁気テープである)、光学媒体(例えば、デジタルビデオディスク(digital video disc,DVD)である)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk,SSD)である)などであることができる。
【0045】
本願に開示された実施例に基づいて記載される各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータプログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか又はソフトウェアにより実行されるかについて、技術方案の特定の応用場合や設計の制限条件などによって決められる。当業者は、特定応用ごとに異なる方法を使用して記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0046】
本願によって提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置及び方法は、他の形態により実現され得ると理解されるべきである。例えば、上記に説明された装置の実施例は、例示するためのものに過ぎない。例えば、ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに別の分割形態を有してもよい。例えば、複数のユニット又は部品を組み合わせ、又は別のシステムに集積し、又は若干の特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。さらに、図示又は検討する相互間の結合や直接結合や通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、又はユニットの間接結合や通信接続であってもよいし、電気、機械や他の形態であってもよい。
【0047】
分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットではなくておもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワークユニットに設置してもよい。実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術方案の目的を実現することができる。
【0048】
また、本発明に係る各実施例の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。
【0049】
上述したのは、ただ本願の具体的な実施形態であり、本願の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本願に開示された技術範囲内で変更又は置換を容易に想到しうることであり、全て本出願の範囲内に含まれるべきである。従って本願の保護範囲は特許請求の範囲によって決めるべきである。