(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電圧モード感光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/10 20060101AFI20221206BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L31/10 E
H01L31/10 H
H01L27/146 E
(21)【出願番号】P 2020540780
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 FI2019050054
(87)【国際公開番号】W WO2019145607
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-09-28
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517151039
【氏名又は名称】エンベリオン オイ
【氏名又は名称原語表記】EMBERION OY
【住所又は居所原語表記】Metsanneidonkuja 8,02130 Espoo,Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100217434
【氏名又は名称】万野 秀人
(72)【発明者】
【氏名】アレン・マーク
(72)【発明者】
【氏名】ベスノフ・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】リュハネン・タパニ
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063165(JP,A)
【文献】特開2017-168812(JP,A)
【文献】特開2017-079462(JP,A)
【文献】特開2016-127265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0349184(US,A1)
【文献】国際公開第2016/146884(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/207876(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
H01L 27/14-27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な基板表面の第1の領域に位置する感光装置であって、
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第1の導電電極であって、少なくとも前記第1の領域上にある、第1の導電電極と、
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第1の誘電体層であって、第1の側が、少なくとも前記第1の領域上にある場所において、前記第1の導電電極の第2の側と接している、第1の誘電体層と、
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な検知電極であって、二次元層状材料からなり、第1の側が、少なくとも前記第1の領域上にある場所において、前記第1の誘電体層の第2の側と接している、検知電極と、
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な光活性層であって、電磁放射線を吸収することができる半導体材料からなり、第1の側が、少なくとも前記第1の領域上にある場所において、前記検知電極の第2の側と接している、光活性層と
を備える感光装置において、
前記感光装置は、前記検知電極の電位を判定するための片端測定電極であって、前記水平な基板表面の接触領域上にある場所において、前記検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している、片端測定電極を備え
、
前記感光装置において、前記感光装置が電磁放射線に曝される取込モードで動作する場合に、前記検知電極のすべての部分が同電位である、
ことを特徴とする、感光装置。
【請求項2】
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の導電電極をさらに備え、
前記第2の導電電極の第1の側が、少なくとも一部が前記第1の領域上にある場所において、前記光活性層の第2の側と接している
ことを特徴とする、請求項1に記載の感光装置。
【請求項3】
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の誘電体層であって、第1の側が、少なくとも一部が前記第1の領域上にある場所において、前記光活性層の第2の側と接している、第2の誘電体層と、
第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の導電電極であって、第1の側が、少なくとも一部が前記第1の領域上にある場所において、前記第2の誘電体層の第2の側と接している、第2の導電電極と
をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の感光装置。
【請求項4】
前記感光装置がリセットモードで動作する場合に前記検知電極に電荷キャリアを移送する、又は、前記検知電極から電荷キャリアを移送するためのリセット電極であって、前記水平な基板表面のリセット領域上にある場所において、前記検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している、リセット電極をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の感光装置。
【請求項5】
前記第1の導電電極、前記第1の誘電体層及び前記光活性層が、前記第1の領域に隣接する基準ピクセル領域上にもあり、
前記感光装置が、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な基準電極であって、二次元層状材料からなる、基準電極を備え、
前記第1の誘電体層の第1の側が、前記基準ピクセル領域上にある場所においても、前記第1の導電電極の第2の側と接しており、
前記基準電極の第1の側が、前記基準ピクセル領域上にある場所において、前記第1の誘電体層の第2の側と接しており、
前記光活性層の第1の側が、前記基準ピクセル領域上にある場所においても、前記基準電極の第2の側と接しており、
前記感光装置が、前記基準電極の電位を判定するための片端基準測定電極であって、基準接触領域上にある場所において、前記基準電極の第1又は第2の側のいずれかと接している、片端基準測定電極を備え、
前記感光装置が、前記基準ピクセル領域上にあるマスク層であって、前記第1の領域よりも前記基準ピクセル領域の光活性層における電磁放射線吸収量を遥かに少なくする、マスク層を備える
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光装置。
【請求項6】
複数の第1の領域を有する水平な基板表面に設けられた複数の感光装置のピクセルアレイを備え、各感光装置が第1の領域に位置するピクセルを形成する、光検出器において、
1又は複数の実質的に水平な第1の導電電極及び1又は複数の実質的に水平な第1の誘電体層であって、各々、第1の側及び第2の側を有し、各第1の誘電体層の第1の側が、少なくとも、前記基板表面の1又は複数の第1の領域上にある場所において、対応する第1の導電電極の第2の側と接している、第1の導電電極及び第1の誘電体層と、
各第1の領域上にあって、特定の第1の領域専用となる、実質的に水平な検知電極であって、二次元層状材料からなり、第1の側及び第2の側を有し、第1の側が、対応する第1の領域上にある場所において、対応する第1の誘電体層の第2の側と接している、検知電極と、
1又は複数の実質的に水平な光活性層であって、各々、第1の側及び第2の側を有し、第1の側が、前記基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの検知電極の第2の側と接している、光活性層と
を備え、
前記各感光装置が、対応する検知電極の電位を判定するための片端測定電極であって、前記水平な基板表面の接触領域上にある場所において、対応する検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している、片端測定電極を備え
、
前記各感光装置において、前記感光装置が電磁放射線に曝される取込モードで動作する場合に、前記検知電極のすべての部分が同電位である、
ことを特徴とする、光検出器。
【請求項7】
前記各感光装置が、1又は複数の実質的に水平な第2の導電電極であって、各々、第1の側及び第2の側を有し、第1の側が、前記基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの光活性層の第2の側と接している、第2の導電電極をさらに備える
ことを特徴とする、請求項6に記載の光検出器。
【請求項8】
前記各感光装置が、
第1の側及び第2の側を有する1又は複数の実質的に水平な第2の誘電体層であって、第1の側が、前記基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの光活性層の第2の側と接している、第2の誘電体層と、
1又は複数の実質的に水平な第2の導電電極であって、各々、第1の側及び第2の側を有し、第1の側が、前記基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの第2の誘電体層の第2の側と接している、第2の導電電極と
をさらに備える
ことを特徴とする、請求項6に記載の光検出器。
【請求項9】
前記1又は複数の実質的に水平な第2の導電電極は、前記ピクセルアレイにおけるすべてのピクセルにわたって延在している1つの第2の導電電極である
ことを特徴とする、請求項7~8のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項10】
前記光活性層の数が、前記ピクセルの数と等しいことにより、前記各光活性層が前記ピクセルアレイにおける特定のピクセル専用となる
ことを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項11】
1つの光活性層が前記ピクセルアレイにおけるすべてのピクセルにわたって延在している
ことを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項12】
1つの第1の導電電極が前記ピクセルアレイにおけるすべてのピクセルにわたって延在している
ことを特徴とする、請求項6~11のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項13】
前記各感光装置が、
前記感光装置がリセットモードで動作する場合に前記検知電極に電荷キャリアを移送する、又は、前記検知電極から電荷キャリアを移送するためのリセット電極であって、各々、前記水平な基板表面のリセット領域上にある場所において、対応する検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している、リセット電極をさらに備える
ことを特徴とする、請求項6~12のいずれか1項に記載の光検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入射電磁放射線の強度を測定するために使用可能な感光センサに関し、より詳細には、二次元層状材料が検知電極として使用される感光センサに関する。本開示は、さらに、複数の感光ピクセルを備える光検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタチャネルとして二次元層状材料を利用する感光装置を使用して、赤外線~紫外線波長域の電磁放射線を検出することが可能である。グラフェン電界効果トランジスタ(GFET)は、例えば、電磁放射線を照射すると導電率が増加する半導体グラフェンチャネルを含む。増加した導電率は電界効果トランジスタ形状にて測定することができる。電界効果トランジスタ形状では、ソース電極及びドレイン電極からの電流が、チャネルに隣接する電極に印加されたゲート電圧によって制御される。
【0003】
一般に、二次元材料の1つの層における放射線吸収は、殆どの波長において全放射線強度の数パーセントに制限されるが、電界効果トランジスタによる吸収及びスペクトル応答性は、グラフェンチャネルに隣接する光活性層を追加することにより高めることができる。光活性材料は、典型的には半導体である。
【0004】
光活性層を追加することで、光活性層と二次元層状材料との間にビルトイン電界を熱力学的平衡状態にて形成してもよい。これにより、電磁放射線が光活性材料に照射されると、光活性層に少数又は大多数の電荷キャリアを閉じ込めやすくなる。対応する大多数のキャリアがトランジスタチャネルに移動可能である。これにより、光活性層は、照射されると、二次元層状材料に電荷キャリアを提供し、二次元層状材料の導電率を変化させる。このキャリア倍増プロセスは、トランジスタのソース-ドレイン電流を照射線強度に比例させることが可能である。
【0005】
所与の光学バンドギャップを有する半導体を光活性層に対して選択することにより、感光センサは、このバンドギャップを超える放射線波長に対して特に強く反応するよう増感することができる。
【0006】
米国特許出願公開第2015/0364545号明細書は、グラフェン層に隣接する半導体層を有する電界効果トランジスタを開示する。
【0007】
しかしながら、電界効果トランジスタには、ある固有の欠点がある。放射線強度により変化する出力変数は、ソース電極とドレイン電極との間を流れる電流である。ピクセル領域全体にわたる電流測定を可能にするには、ソース電極及びドレイン電極の配置が比較的複雑でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2015/0364545号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、上述の欠点を軽減する装置を提供することである。
【0010】
本開示の目的は、独立項に記載の特徴を有する装置によって達成される。本開示の好適な実施形態は従属項に開示する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、電圧モード感光センサとして、光活性層と組み合わせた二次元層状材料を利用するという考えに基づくものであり、該電圧モード感光センサは、二次元層状材料の電位が、入射した電磁放射線の強度に比例する電圧モード感光センサである。
【発明の効果】
【0012】
この構成の利点は、両端測定電極よりも形状やカバレッジ要件が厳格ではない片端測定電極を用いて、感光センサからの出力信号を読み取ることができるということである。他の利点も以下で述べる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、好適な実施形態により本開示を詳細に説明する。
【0014】
【
図2c】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2d】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2e】前置増幅器のゲート電極に接続された感光装置を示す図である。
【
図2f】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2g】前置増幅器のゲート電極に接続された感光装置を示す図である。
【
図2h】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2i】前置増幅器のゲート電極に接続された感光装置を示す図である。
【
図2j】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2k】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【
図2l】対応する典型的な測定回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、検知電極11として二次元層状材料が使用される電圧モード感光装置を示す。本装置は、検知電極11の少なくとも一部を覆っている光活性層12を備える。また、本装置は、検知電極11と共にキャパシタを形成する第1の導電電極13を備える。第1の誘電体層14は、その一部が検知電極11に覆われている。さらに、第1の誘電体層14が、第1の導電電極13を覆っている。これにより、電極間にキャパシタが形成される。これらの層はすべて、基板15の水平な上面に堆積されている。
【0016】
本開示において、「水平(horizontal)」なる用語は、
図1のx軸で部分的に示すxy平面を指し、「垂直(vertical)」なる用語は、z方向を指す。本開示において、「実質的に水平な層(substantially horizontal layer)」等の表現は、当該層の主たる配向が基板平面により定まること意味する。各層は他の層の上に堆積された際に垂直方向に小さな段差を形成してもよいが、それにもかかわらず、その主たる配向により実質的に水平である。さらに、「上(top)」、「下(bottom)」、「垂直」、「水平」等の用語は、本装置の製造時又は使用時の基板の配向について何ら言及するものではない。本装置及び基板は、使用中又は製造中、任意の適切な方向に向けられていてもよい。例えば、本開示において「水平(horizontal)」という層が垂直になるよう横向きであってもよい。言い換えると、「水平」及び「垂直」なる用語は、単に2つの直交する方向を定義するものであり、一方が基板表面と平行で、他方が基板表面に対して垂直である。
【0017】
図1において、第1の領域161は、水平な基板表面上に画定することができる。この領域は、光活性層12が検知電極11と接続され、且つ、第1の検知電極が導電電極16上にある場所によって画定されている。
【0018】
図1に示す装置に放射線が照射されない場合、検知電極11の電荷密度は、第1の導電電極13に印加される電位V
BGによって決まる。電極11、13間のキャパシタは、フェルミ準位が、検知電極11と光活性層12との界面間で等しくなるまで、光活性層12からの電子又は正孔を引き付ける。これにより空乏領域が形成され、その結果、検知電極11と光活性層12との接合部分に内部電界が形成される。第1の導電電極は、実行する機能が電界効果トランジスタのゲート電極の機能と同様であるため、バックゲート電極と呼んでもよい。検知電極は、電荷変調層又は電位変調層と呼んでもよい。
【0019】
電磁放射線が光活性層12に吸収されると、該放射線により放出された電子-正孔対の一部が、検知電極11と光活性層12との界面における内部電界により分離される。光活性層に残存する放出された電荷キャリアは、光活性層に閉じ込められる。これらの閉じ込められた電荷キャリアの濃度は、一般に、少なくとも低照度下において、入射電磁放射線の強度に比例する。光活性層は電荷トラップ層と呼んでもよい。
【0020】
一方、放射線により放出され、再結合する前に検知電極11と光活性層12との界面間を移送された、反対の種類の電荷キャリアは、検知電極の電荷密度を変化させる。界面間を移送される追加の電荷が、測定可能な程度に二次元材料の単位面積あたりの電荷密度を変化させることは、二次元層状材料独特の特性である。
【0021】
この電荷密度の変化により、ΔV
Gの量だけ検知電極の電位が変化する。ΔV
Gは、次のように表すことができる。
【数1】
【0022】
式中、eは単位電荷を表し、Coxは検知電極11及び第1の導電電極13間のキャパシタの静電容量を表し、ΔnGは二次元材料の電荷キャリア密度の変化を表し、Δntrappedは光活性層に閉じ込められた電荷キャリアの密度を表す。
【0023】
すなわち、最初に非照射状態で検知電極の電位を測定し、次に照射下で検知電極の電位を測定することにより、その照射強度を、測定電位から判定することができる。
【0024】
本開示の典型的な実施形態において、グラフェンを、二次元層状材料の一例として使用する。ただし、本開示の任意の実施形態においては、ホスホレン(黒リン)、シリセン、ゲルマネン、スタネン、GaN、InN、InP、InAs、BAs、BP、又はGaP等の他の二次元層状材料を使用してもよい。さらに、本開示の任意の実施形態で使用される二次元層状材料は、遷移金属ジカルコゲナイド又は遷移金属酸化物であってもよく、例えば、WE2、MoE2、ScE2、TiE2、HfE2、ZrE2、VE2、CrE2、MnE2、FeE2、CoE2、NiE2、NbE2、TcE2、ReE2、PdE2、又はPtE2が挙げられ、Eは、O、S、Se、又はTeを表す。二次元材料は1~10枚の原子層で構成され、その合計の厚さは0.3nm~10nmである。
【0025】
半導体特性又は半金属特性を備えた二次元層状材料とする場合、これらの材料はすべて、電磁放射線が照射された光活性層と接続したときに、上記の照射依存電位を示すように構成することができる。
【0026】
本開示の典型的な実施形態において、量子ドットを、半導体電気特性を備えた光活性材料の一例として使用する。これらの量子ドットは、以下の群、すなわち、PbS、PbSe、PbTe、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、CuS、Cu2S、Cu2Se、CZTS、MnS、Bi2S3、Ag2S、Ag2Se、HgTe、HgCdTe、GaSe、MoS2、CIS、InAs、InSb、Ge、Si、グラフェン、又は、前述のコア/シェル構成要素のいずれかを有するコア/シェルナノ結晶から選択される半導体ナノ結晶又はコロイド量子ドットを含んでもよい。
【0027】
あるいは、本開示のいずれかの実施形態において、光活性層は、金属カルコゲニド、金属ハロゲン化物、又はハイブリッドハロゲン化物ペロブスカイトを含むホスト材料に埋め込まれた前述の半導体ナノ結晶又はコロイド量子ドットのいずれかを含んでもよい。金属カルコゲニドは一般式MEnを有してもよく、式中、EはS、Se又はTeを表し、例えば、AsSx、CdS、CdSe、CdTe、CuInS2、SnSx、In2Se又はBi2Te3であってもよい。金属ハロゲン化物は一般式MXnを有してもよく、式中、MはPb、Bi、Cd、In、Zn、Sn、Cu、Fe、Ga、Li又はSbを表し、XはI、Br又はClを表し、例えば、PbI2又はBiI3であってもよい。ハイブリッドハロゲン化物ペロブスカイトは一般式ABX3を有してもよく、式中、AはCs、CH3NH3又はNH2CH=NH2を表し、BはPb又はSnを表し、XはCl、Br又はIを表す。
【0028】
ホスト材料に充填する量子ドットは、1%~90%の間で変化してもよい。半導体ナノ結晶又は量子ドットの直径は、例えば、2~20nmであってもよい。感光性半導体材料は、使用される材料の光学バンドギャップによって定義される、0.4~5μmの波長範囲で実質的な光吸収を提供してもよい。
【0029】
上記半導体材料上のキャッピング配位子は、有機分子又は無機分子、若しくは、両方の組合せを含んでもよい。有機配位子としては、1,2-エタンジチオール、3-メルカプトプロピオン酸、ベンゼンチオール等のアルキル又はアリールチオールが挙げられるが、これらに限定されない。また、有機配位子としては、アルキル又はアリールアミン、N-複素環、例えば、1,2-エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。無機配位子としては、原子ハロゲン(I、Br、Cl)、擬ハロゲン(SCN)、又はカルコゲン(S、Se)が挙げられる。また、無機配位子としては、金属ハロゲン化物又は金属カルコゲニドが挙げられる。
【0030】
しかしながら、本開示のいずれかの実施形態において、光活性層は、結晶構造又はアモルファス構造を有する薄膜半導体層であってもよい。薄膜半導体層は、以下の群、PbS、PbSe、PbTe、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、CuS、Cu2S、Cu2Se、CZTS、MnS、Bi2S3、Ag2S、Ag2Se、HgTe、HgCdTe、GaSe、MoS2、CIS、InAs、InSb、Ge又はSiから選択される材料を含んでもよい。
【0031】
光活性層は、複数の副層からなる積層体を含んでもよく、各副層は、上述した半導体ナノ結晶材料又は薄膜半導体材料の一方を含む。各副層の材料の電気特性は、ショットキー接合、p-n接合、p-i-n接合、nBn接合、又はかかるヘテロ構造のいくつかの組合せが、積層体中の2枚以上の副層の間に形成されるように選択してもよい。
【0032】
本開示において、「覆う(cover)」なる動詞は、直接的な接触を伴う垂直方向の配置を指す。所与の場所において第1の層が第2の層を「覆っている」場合、この場所において第1の層及び第2の層は垂直に配置され、両層は直接的に接している。すなわち、この2枚の層は、基板の所与の場所に順次堆積されている。この場所にまず第2の層が堆積され、次に同じ場所に第1の層が堆積されるため、これらの層は垂直に配置される。したがって、この場所内では、第2の層は垂直方向において第1の層の下にある。第1の層と第2の層との間に他の層が存在しないため、第1の層はこの場所で第2の層を「覆っている」。
【0033】
動詞「覆う」は、さらなる修飾語を伴うことなく用いる場合、第2の層に関して第1の層に覆われていない場所はないという完全な垂直方向の配置を指す。「部分的に覆う(partly cover)」等の修飾語を伴う表現は、部分的な垂直配置を指すために用い、第2の層に関して第1の層に覆われていない場所がある。「少なくとも一部を覆う(at least partly cover)」等の修飾語を伴う表現は、完全な又は部分的な垂直方向の配置を指すために用いる。
【0034】
本開示において、「上にある(overlie)」及び「下にある(underlie)」なる動詞は、直接的な接触を伴わない垂直方向の配置を指す。所与の場所において第1の層が第2の層の「上にある」又は「下にある」場合、この場所において第1の層及び第2の層は垂直に配置されているが、両層は直接的に接していない。すなわち、この2枚の層は共に基板の所与の場所に堆積されているが、第3の介在層が間に堆積されている。これらの3つの層はすべて、この場所で垂直方向に配置される。
【0035】
本開示におけるいくつかの文脈において「接する(in contact with)」なる用語は、直接的な物理的接触に加えて、直接的な物理的接触を伴わない電気的接触も意味する。すなわち、光活性層又はその一部が検知電極と接している場合、光活性層は、特殊な電子又は正孔輸送/阻止層等の中間層を介して検知電極と物理的に離間されていてもよいが、中間層は電荷キャリアを通過させるに十分な薄さであるため、検知電極とは依然として接している。電荷キャリアが例えばトンネル効果により中間層を通過する場合、光活性層は、依然して検知電極と「接している」と見なしてもよい。
【0036】
(感光装置)
本開示は、水平な基板表面の第1の領域に位置する感光装置を説明する。本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第1の導電電極を備える。第1の導電電極は、少なくとも第1の領域上にある。また、本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第1の誘電体層を備える。第1の誘電体層の第1の側は、少なくとも第1の領域上にある場所において、第1の導電電極の第2の側と接している。また、本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な検知電極を備える。検知電極は二次元層状材料からなる。検知電極の第1の側は、少なくとも第1の領域上にある場所において、第1の誘電体層の第2の側と接している。また、本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な光活性層を備える。光活性層は、電磁放射線を吸収することが可能な半導体材料からなる。光活性層の第1の側は、少なくとも第1の領域上にある場所において、検知電極の第2の側と接している。
【0037】
さらに、本装置は、検知電極の電位を判定するための片端測定電極を備える。測定電極は、水平な基板表面の接触領域上にある場所において、検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している。
【0038】
本開示において、「片端測定電極(single‐ended measurement electrode)」なる用語は、検知電極の電位を外部の測定回路に送出する電極を意味する。また、「片端(single‐ended)」なる用語は、測定電極が、検知電極と接続された他の測定電極と対になっていないことを意味する。
【0039】
そうではあるものの、例えば、バックアップのために複数の測定電極を検知電極に接続することができる。また、リセット電極等の、検知電極に接続された他の電極を、測定電極として使用してもよい場合がある。ただし、複数の測定電極を検知電極に接続したとしても、検知電極の電位を判定するために使用するのであれば、該測定電極は片端測定用に構成しなければならない。片端測定電極は、電位を測定するための読出回路に接続されている。それらは、同じ検知電極に接続された他の測定電極と対になっていない。
【0040】
本開示において用いる意味において、片端測定電極は、検知電極の異なる部分を異なる電位に設定しないし、設定することができない。また、検知電極の電流を駆動するために、又は、電流測定を行うために使用することができない。測定時には、検知電極のすべての部分が同電位である。対象の変数が検知電極を流れる電流である場合、片端測定電極は測定を行うには不十分である。かかる場合においては、検知電極及び電流測定用の読出回路に接続される一対の電極を含む両端測定電極が、検知電極間の電位差を設定し、電流を測定するのに必要とされる。
【0041】
言い換えると、入射光強度に比例する電圧信号を感光装置に接続された外部の読出回路に出力するには、検知電極に接続された1つの片端測定電極で十分である。読出回路は、片端測定電極と基準電位との間の電圧を測定するよう構成されてもよい。片端測定電極は単測定電極と呼んでもよい。
【0042】
(第1の装置実施形態)
図2a及び
図2bは第1の装置実施形態を示す。符号21~25、261は、
図1の符号11~15、161にそれぞれ対応する。ただし、グラフェンは、検知電極材料の図示例として使用し、半導体ナノ結晶(SNC)層は、光活性層の図示例として使用する。
図2bは、
図2aの「第1の側(first side)」及び「第2の側(second side)」なる表現の意味を示す。所与の層29の「第1の側」291は、基板と対向する下側であり、「第2の側」292は、基板の反対側に面する上側である。この用語は、
図2aに示す第1の領域内のすべての層に当てはまる。
【0043】
第1の領域内の積層体を説明する他の方法として、第1の導電電極23は第1の領域における水平な基板表面を覆っており、第1の誘電体層24は第1の領域における第1の導電電極を覆っている。検知電極21は、少なくとも第1の領域において誘電体層を覆っている。光活性層22は、第1の領域において検知電極21の少なくとも一部を覆っている。これらの層21~24はすべて第1の領域261上にある。
【0044】
また、
図2aに示す本装置は片端測定電極27を備える。測定電極27は、水平な基板表面の接触領域262上にある場所において、検知電極21の第1の側と接している。あるいは、測定電極は、グラフェン層21の第2の側、若しくは、グラフェン層21の第1の側及び第2の側の両方とさえ接することが可能である。
【0045】
図2aに示すように、検知電極を第1の領域261の外側にまで延在させることによって、基板表面の第1の領域261から離間して接触領域262を配置することは、多くの装置形状において簡便である。ただし、例えば、第1の領域は接触領域を取り囲んでいてもよい。いくつかの装置形状において、接触領域は第1の領域と重なり合っていてもよい。接触領域は、電流信号を伝送する必要がないため、第1の領域よりも大幅に小さくすることができる。さらに、検知電極の電位はその全表面にわたって同じであるため、グラフェン層21の任意の自由選択可能な位置で、測定電極27をグラフェン層21に接触させることができる。これにより、以下でさらに詳細に説明するように、感光装置のピクセル形状に新しい可能性が開かれる。
【0046】
本開示の任意の実施形態において、グラフェン層21と光活性層22とは共に第1の領域261を越えて延在してもよい。例えば、それらはピクセル全体を覆ってもよい。
図2aに示すように、片端測定電極27がグラフェン層21の第1の側のみに接続されている場合、それらは接触領域262上にあってもよい。
【0047】
図2cに示すように、外部回路により電圧V
BGを第1の導電電極23に印加し、出力電圧V
Gをグラフェン層21より読み出すことが可能である。グラフェン層21及び第1の導電電極23はキャパシタを形成する。一般に、第1の誘電体層24の厚さは、50nm~300nmであってもよい。ただし、5~50nm程度にまで薄くすることも可能であるし、300~1000nm程度にまで厚くすることも可能である。半導体ナノ結晶層22の厚さは、材料に応じて最適化ししてもよい。
【0048】
感光装置は、本装置が電磁放射線に曝される取込モードと、先の取込モードにおいて本装置に入射した放射線強度に比例する出力電圧が片端測定電極より読み出される読出モードとの2つの交番するモードで動作してもよい。リセットモードと呼んでもよい第3のモードは、任意により読出モードの後でもよい。リセットモードは、後述の第5の装置実施形態においてより詳細に説明する。
【0049】
取込モードにおいて、グラフェン層21は、得られ得る任意の電位で浮遊可能である。好ましくは、半導体ナノ結晶層の空乏領域が拡大するように、ビルトイン電界が最大化するように、且つ、半導体からグラフェンへの少数の型のキャリアの移送が(エネルギ障壁の殆どない状態で)最も効果的となるように、電位を設定する。光子が光活性層に吸収されると、上述のようにして励起子がビルトイン電界によって分離し、半導体ナノ結晶層22に閉じ込められた電荷とのバランスを取るようにして電荷がグラフェン層に蓄積される。電荷はグラフェン層21から流出することができないため、また、静電容量Coxは変化しないと想定されるため、グラフェン層21の電位VGは変化する。動作時は特に本装置に電流は流れないため、電力を殆ど消費しない。本装置の電圧出力は、グラフェンと半導体ナノ結晶と間の界面間の電圧の光誘起変化により決められる。接合電圧は、グラフェン及び半導体ナノ結晶のフェルミ準位に依存するが、グラフェン電界効果トランジスタの出力がゲート電圧に対して敏感であるほどには、感光装置の出力は電圧VBGに対して敏感ではない。また、本装置は、グラフェン層の電位のみが対象の変数である場合、グラフェン層の欠陥や不連続性にも耐性がある。
【0050】
測定中にグラフェン層の電荷が漏出しないよう、高入力インピーダンスを有する読出回路に測定電極27を結合してもよい。測定電極は電圧のみを測定するため、この電極とグラフェン層との間の接触抵抗は必ずしも非常に低くなくてもよい。同じことは、以下で説明するリセット電極にも当てはまる。
【0051】
図2cは典型的な測定回路を示し、図中、V
0=A・V
G+(1-A)・V
REFであり、式中、Aは増幅器のゲインを表す。測定電極27は、グラフェン層21の比較的小さな接触領域に対してガルバニック接触していてもよく、測定電極27からの引出線は、
図2cの典型的な回路の演算増幅器の非反転入力端子に接続してもよい。
【0052】
測定回路は、1つの正確な電圧基準のみを必要とする。片端測定電極が判定する電位V
Gは、検知電極21と共通基準電位V
Rとの間の電位差として測定される。また、
図2cに示す測定回路のV
BG及びV
REFの大きさは、この共通基準電位V
Rに対してできるだけ正確に設定する必要がある。共通基準電位V
Rは、本装置における接地電位又は他の何らかの固定電位であってもよい。
【0053】
他の構成において、測定電極27からの引出線を電荷増幅器回路に接続してもよい。この構成において、電荷増幅器回路の負のフィードバックキャパシタは、検知電極の電位を、所定の基準レベルに維持し、増幅器は、検知電極での光生成電荷の測定値を出力する。これを
図2dに示す。図中、要素288は低リークのリセットスイッチである。
【0054】
他の実施において、フィードバック回路が光誘起電荷の測定値を取り込む間、検知電極の電位が取込シーケンス中ずっと所定のレベルに維持されるよう、第1の導電電極23に印加した電圧VBGを動的に調整して光誘起電荷を補償することによりフィードバック制御を得る。
【0055】
あるいは、測定電極27がMOSFET前置増幅器の金属ゲート電極と直接接していてもよい。これを
図2eに示す。あるいは、検知電極21は、MOSFET前置増幅器の金属ゲート電極に容量結合されていてもよい。これを
図2gに示す。図中、26は、MOSFET前置増幅器のゲートに直接接続された結合電極を示す。結合電極は、検知電極21の下に位置し、誘電体層により検知電極21から離間されている。この構成において、MOSFETのゲートと検知電極との間はガルバニック接続ではない。
【0056】
あるいは、測定電極67自体が前置増幅器におけるMOSFETゲート電極を構成してもよい。これを
図2iに示す。基板25はCMOS基板であってもよい。CMOS基板においては、電界効果トランジスタがソース電極28Sと、ドレイン電極28Dと、第1の誘電体層24のみによりグラフェン層21から離間されたチャネル29とから形成されている。同じ回路配置を
図2jに模式的に示す。図中、282は前置増幅器FETを示す。
図2e、
図2g、
図2iに示す装置においては、グラフェン層21及び第1の導電電極23によるキャパシタの静電容量が読出回路の前端の入力静電容量と一致すると、最適な感度が得られうる。
図2f、
図2h、
図2kに示す対応する回路において、この入力静電容量は、前置増幅器FET282のゲート-ソース静電容量C
gsに相当する。
図2gに示す装置において、結合容量はC
ox及びC
gsより大きくてもよい。
図2lは測定回路を示し、図中、286はバイアス電圧源であり、281はリセットスイッチであり、282は再び前置増幅器FETである。
【0057】
検知電極21と読出電子回路とのこれら他の界面のいずれかは、本開示の任意の実施形態によって実施してもよい。
【0058】
(第2の装置実施形態)
図3aは、積層体を逆の順で基板表面に堆積した一実施形態を示す。符号31~34は、
図2aの符号21~24にそれぞれ対応している。第1の領域及び接触領域は離間して図示していないが、それぞれ
図2aに示す領域に相当する。グラフェンを再び検知電極材料の図示例として使用し、半導体ナノ結晶(SNC)層を光活性層の図示例として使用する。
【0059】
図3bは、
図3bの「第1の側(first side)」及び「第2の側(second side)」なる表現の意味を示す。本実施形態では、所与の層39の「第1の側」391は、基板の反対側に面する上側であり、「第2の側」392は、基板と対向する下側である。この用語は、
図3aに示す第1の領域内のすべての層に当てはまる。
【0060】
第1の領域内の積層体を説明する他の方法として、光活性層32は第1の領域における水平な基板表面を覆っており、検知電極31は第1の領域における光活性層を覆っている。第1の誘電体層34は、少なくとも第1の領域において検知電極31を覆っており、第1の導電電極33は、少なくとも第1の領域において第1の誘電体層34を覆っている。これらの層31~34はすべて第1の領域上にある。さらに、平坦な表面を得るために、水平な基板表面にパターン形成した誘電体層38を要してもよく、該平坦な表面には、第1の領域の外側にまで延伸するように検知電極を堆積させることができる。
【0061】
第1の装置実施形態で説明した同じ測定回路を使用して、
図3aに示す感光装置からの出力信号をさらに測定してもよい。
【0062】
必要以上に本開示を拡大しないために、各層の第1の側及び第2の側が第1の装置実施形態において上述し、
図2bに示した順序に相当する構成にて、以下の装置実施形態のすべてを説明する。ただし、第2の装置実施形態において使用し、
図3bに示した代替的順序は、以下の実施形態のすべてにおいて本装置を実施する代替的な方法である。
【0063】
(第3の装置実施形態)
また、感光装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の導電電極を備えてもよい。第2の導電電極の第1の側は、少なくとも一部が第1の領域上にある場所において、光活性層の第2の側と接していてもよい。
【0064】
図4aは、この第3の実施形態に係る感光装置を示す。符号41~44、47は、
図2aの符号21~24、27にそれぞれ対応している。第1の領域及び接触領域は離間して図示していないが、それぞれ
図2aに示す領域に相当する。グラフェンを再び検知電極材料の図示例として使用し、半導体ナノ結晶(SNC)層を光活性層42の図示例として使用する。
図4aに示すように、本装置は、第1の領域において光活性層42を覆っている第2の導電電極48を備える。
【0065】
第2の導電電極48は、半導体ナノ結晶層42とオーミック接触又はショットキー接触のいずれかを形成することができる。例えば、第2の導電電極48にAl等の金属が使われていると、第2の導電電極48は、半導体ナノ結晶に対するショットキー障壁を形成する。次いで、半導体ナノ結晶層において、両方の界面がショットキー障壁を呈する二重障壁構造が得られてもよく、光活性層42と第2の導電電極48との界面での障壁の高さを、第2の導電電極48に印加する電圧を変えることにより調節してもよい。言い換えると、電荷キャリアが層42に閉じ込められたままの場合の取込モード及び読出モードでの第1の値と、電荷キャリアが半導体ナノ結晶層42から放出された場合の任意のリセットモードでの第2の値との間で電圧VFGを交番させることができる。
【0066】
第1の導電電極43及び第2の導電電極48をそれぞれ所与の電圧に設定すると、グラフェン層41の電位は該電圧間にある。半導体ナノ結晶層42とグラフェン層41との間のビルトイン電界により分離された電荷は、これら2つの層に閉じ込められたままである。
【0067】
感光装置は、
図5中、正のz軸の方向から照射されるため、第2の導電電極の少なくとも一部が透光性でなければならない。第2の導電電極は透光性の導電酸化物であってもよい。第2の導電電極に金属材料が用いられる場合、十分な量の光透過が得られる程度に薄くなければならない。第2の導電電極はトップゲート電極と呼んでもよい。
【0068】
測定中にグラフェン層の電荷が漏出しないよう、高入力インピーダンスを有する読出回路に測定電極47を結合してもよい。
図4bは典型的な測定回路を示す。該測定回路は、グラフェン層41に接続された任意のリセット電極のための回路を含む(このオプションは
図4aには示さないが、後述の第5の装置実施形態にて説明する)。
【0069】
(第4の装置実施形態)
また、上述の第1及び第2の装置実施形態にて明記した特徴に加えて、感光装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の誘電体層を備えてもよい。第2の誘電体層の第1の側は、少なくとも一部が第1の領域上にある場所において、光活性層の第2の側と接していてもよい。また、本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な第2の導電電極を備えてもよい。第2の導電電極の第1の側は、少なくとも一部が第1の領域上にある場所において、第2の誘電体層の第2の側と接していてもよい。
【0070】
図5は、この第4の実施形態に係る感光装置を示す。符号51~54、57は、
図2aの符号21~24、27にそれぞれ対応している。また、第1の領域及び接触領域は離間して図示していないが、それぞれ
図2aに示す領域に相当する。そして、グラフェンを再び検知電極材料の図示例として使用し、半導体ナノ結晶(SNC)層を光活性層52の図示例として使用する。
図5に示すように、本装置は、第1の領域において半導体ナノ結晶層52を覆っている第2の誘電体層56と、第1の領域において半導体ナノ結晶層42を覆っている第2の導電電極58とを備える。
【0071】
この構成において、第2の導電電極は、半導体ナノ結晶52に電荷を注入したり、半導体ナノ結晶52から電荷を抽出したりすることはできない。すなわち、第2の導電電極は、光活性層にリセット機能を付与することはできない。ただし、第2の導電電極は、検知電極51と半導体ナノ結晶層52との界面で、半導体ナノ結晶層52内の空乏層の幅を伸ばしたり縮めたりすることが可能なバイアス電界を供与する。これにより、第2の導電電極は、空乏層が拡張して、電界が層52内への電荷の閉じ込めを増強させるアクティブな取込モードと、電界が反転するか弱まって、光励起時に半導体ナノ結晶中の電荷キャリア分離が最小化する、いわゆるフラットバンド状態をもたらすシャッターモードとの間で本装置を切り替えることができる。
【0072】
第3の装置実施形態同様、第2の導電電極58は透光性の導電酸化物であってもよい。第2の導電電極に金属材料が用いられる場合、十分な量の光透過が得られる程度に薄くなければならない。
【0073】
図4bに示す測定回路を、
図5に示す装置に用いてもよい。
【0074】
(第5の装置実施形態)
また、上述の第1、第2、及び、第3又は第4の装置実施形態にて明記した特徴に加えて、感光装置は、検知電極に電荷キャリアを移送する、又は、検知電極から電荷キャリアを移送するためのリセット電極を備えてもよい。リセット電極は、水平な基板表面のリセット領域上にある場所において、検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接していてもよい。
【0075】
図6aは、この第5の実施形態に係る感光装置を示す。符号61~65、67は、
図2aの符号21~25、27にそれぞれ対応している。また、第1の領域及び接触領域は離間して図示していないが、それぞれ
図2aに示す領域に相当する。グラフェンを再び検知電極材料の図示例として使用し、半導体ナノ結晶(SNC)層を光活性層62の図示例として使用する。
【0076】
上記実施形態と同様に、グラフェン層61は、第1の領域を越えて接触領域にまで延在し、さらに、第1の領域の外部へリセット領域663にまで延在している。リセット領域663では、リセット電極68がグラフェン層と接している。上記実施形態の測定電極27、37、47、57、67と同様、本実施形態において、リセット電極68は、グラフェン層61のいずれかの側、又は、グラフェン層61の両方の側と接していてもよい。第1の領域及び/又は接触領域は、リセット領域を取り囲んでいてもよく、又は、リセット領域と重なり合っていてもよい。
図6aの左下隅に示すスイッチは、取込モード及び読出モードでは開いた状態にあり、感光装置がリセットモードになると閉じる。リセットモードでは、グラフェン層21に電荷キャリアを移送する、又は、グラフェン層21から電荷キャリアを移送するのに適した電圧V
RESETをグラフェン層に印加してもよい。
【0077】
ただし、測定電極67及びリセット電極68の両方として1つの電極を使用することも可能である。この代替例を
図6bに示す。この構成において、読出モード及びリセットモードは、2つの分離した電極を使用する場合よりも僅かに遅くなるが、感光装置近傍にて必要な回路は簡素化される。
【0078】
図6cは、
図6aに示す装置のための典型的な測定回路を示す。他の回路構成を使用してもよい。
【0079】
(第6の装置実施形態)
第6の装置実施形態は、前述の5つの装置実施形態のいずれかと一緒に実施してもよい。本実施形態において、感光装置の第1の導電電極、第1の誘電体層及び光活性層が、第1の領域に隣接する基準ピクセル領域上にもある。本装置は、第1の側及び第2の側を有する、実質的に水平な基準電極を備える。基準電極は、二次元層状材料からなる。また、第1の誘電体層の第1の側は、基準ピクセル領域上にある場所においても、第1の導電電極の第2の側に接している。また、基準電極の第1の側は、基準ピクセル領域上にある場所において、第1の誘電体層の第2の側に接している。また、光活性層の第1の側は、基準ピクセル領域上にある場所において、基準電極の第2の側に接している。
【0080】
また、本装置は、基準電極の電位を判定するための片端基準測定電極を備える。基準測定電極は、基準接触領域上にある場所において、基準電極の第1又は第2の側のいずれかと接している。また、本装置は、基準ピクセル領域上にあるマスク層を備える。マスク層は、第1の領域よりも基準ピクセル領域の光活性層における電磁放射線吸収量を遥かに少なくする。
【0081】
基準ピクセルにより、系統的な測定誤差を引き起こす可能性のある、ドリフト、ピクセルアレイにわたるドープレベル変動、サーマルオフセット、その他要因に関連する誤差のための補償を算出することができる。第1の領域及び基準ピクセル領域は、同じ第1の導電電極、第1の誘電体層、光活性層を共有することができる。
【0082】
第2の誘電体層及び/又は第2の導電電極を第1の領域の光活性層上にて使用する場合、これらの層は第1の領域に隣接する基準ピクセル領域上にあってもよく、また、第1の領域での積層と同じ順序で、基準ピクセル領域にて積層してもよい。
【0083】
グラフェンを検知電極材料の図示例として使用すると、上述の説明より、第1の領域及び基準ピクセル領域が同じグラフェン電極を共有しないことが分かる。それにもかかわらず、これらの領域は互いに隣接しているため、グラフェン品質は、この2つの領域において非常に均一であると想定できる(同じドープレベル)。
【0084】
感光装置からの測定信号は、差動モードで片端測定電極及び片端基準測定電極より読み取ることができる。差動モードでは、感光装置が照射されていなければ、検知電極のグラフェン層からの出力電圧と基準電極のグラフェン層からの出力電圧との間に僅かな差が生じる。感光装置が照射されると、マスク層に遮られるため、基準領域の光活性層に到達する放射線は極めて少なくなり、オフセット又はドリフト誤差のない電圧差を測定することができる。マスク層は、感光装置の最上層上に堆積させることができる任意の適切な不透光性・誘電性材料からなる層であってもよい。
【0085】
図7aは、水平xy平面における本実施形態のための典型的な方形ピクセル形状を示す。基準ピクセル領域764は第1の領域761に隣接している。なお、積層体において他の層は任意にパターン形成することができるが、グラフェン層だけはパターン形成してこれら2つの領域を離間させる必要がある。測定電極は、接触領域762上にある場所において第1の領域のグラフェン層と接しており、基準測定電極は、基準接触領域765上にある場所において基準ピクセルのグラフェン層と接している。
【0086】
図7bは、典型的な円形形状の同領域を示す。
図7cは、第1の領域からの出力V
G及び基準領域からの基準出力V
G,refを差動的に読み取るための典型的な測定回路を示す。
【0087】
(光検出器)
光検出器は感光装置のアレイを備える。前述の装置実施形態で説明した感光装置は、ピクセル固有のパターン形成を行うことなくいくつかの層を複数のピクセル上に又はアレイ全体にわたってさえ作成することができるため、より大きなアレイに都合よくスケーリングすることができる。
【0088】
本開示は、複数の第1の領域を有する水平な基板表面に設けられた複数の感光装置のアレイを備える光検出器を説明するものであり、各感光装置は第1の領域に位置する。光検出器は、1又は複数の実質的に水平な第1の導電電極と、1又は複数の実質的に水平な第1の誘電体層とを備える。各第1の導電電極及び各第1の誘電体層は、第1の側及び第2の側を有する。各第1の誘電体層の第1の側は、少なくとも、基板表面の1又は複数の第1の領域上にある場所において、対応する第1の導電電極の第2の側と接している。
【0089】
また、光検出器は、各第1の領域上にある実質的に水平な検知電極を備える。これにより、各感知電極は、特定の第1の領域専用となる。各検知電極は二次元層状材料からなる。各検知電極は、第1の側及び第2の側を有する。各検知電極の第1の側は、対応する第1の領域上にある場所において、対応する第1の誘電体層の第2の側と接している。
【0090】
また、光検出器は、1又は複数の実質的に水平な光活性層を備える。各光活性層は、第1の側及び第2の側を有する。各光活性層の第1の側は、基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの検知電極の第2の側と接している。
【0091】
各感光装置は、対応する検知電極の電位を判定するための片端測定電極を備える。片端測定電極は、水平な基板表面の接触領域上にある場所において、対応する検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接している。
【0092】
また、各感光装置は、1又は複数の実質的に水平な第2の導電電極を備えてもよい。各第2の導電電極は、第1の側及び第2の側を有してもよい。各第2の導電電極の第1の側は、基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの光活性層の第2の側と接していてもよい。
【0093】
あるいは、各感光装置は、第1の側及び第2の側を有する、1又は複数の実質的に水平な第2の誘電体層を備えてもよい。各第2の誘電体層の第1の側は、基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの光活性層の第2の側と接していてもよい。また、同感光装置は、1又は複数の実質的に水平な第2の導電電極を備えてもよい。各第2の導電電極は、第1の側及び第2の側を有してもよい。各第2の導電電極の第1の側は、基板表面の少なくとも1つの第1の領域上にある場所において、少なくとも1つの第2の誘電体層の第2の側と接していてもよい。
【0094】
各層の第1の側及び第2の側が第1の装置実施形態において上述し、
図2bに示した順序に相当する構成において、以下、光検出器装置構造を説明する。ただし、第2の装置実施形態において使用し、
図3bに示した代替的順序は、以下の実施形態において各光検出器を実施する代替的な方法である。
【0095】
図8aは、2つのピクセルを有する光検出器を示す。水平な基板表面の一方の第1の領域8611に第1の感光装置が設けられ、他方の第1の領域8612に第2の感光装置が設けられている。1つの第1の導電電極83が、基板表面の第1の領域の少なくとも両方を覆い、1つの第1の誘電体層84が、少なくとも第1の領域における第1の導電電極を覆っている。
【0096】
第1のピクセルは、少なくとも第1の領域8611において誘電体層を覆っている第1の検知電極811を含む。第2のピクセルは、少なくとも第1の領域8612において誘電体層を覆っている第2の検知電極812を含む。
【0097】
最後に、図示した光検出器は、少なくとも第1の領域8611、8612において第1、第2の検知電極811、812を覆っている光活性層をさらに備える。共通の光活性層を共有する隣接するピクセル間のクロストークは、この層に選択された材料と、ピクセルのサイズ及び形状とに依存する。光活性層をパターン形成することによって、別の光活性層が各第1の領域の対応する検知電極を覆うようにすることが好ましい場合がある。このオプションを別途図示はしない。
【0098】
また、第1のピクセルは、第1の接触領域8621上にある場所において第1の検知電極811と接している第1の片端測定電極871を含む。対応して、第2のピクセルは、第2の接触領域8622上にある場所において第2の検知電極812と接している第2の片端測定電極872を含む。
【0099】
光検出器は、さらに多くのピクセルを備えてもよい。
図8aの両第1の領域上にある層82~84は、同様に、基板の他のすべての第1の領域上にあってもよい。また、図示した構成において、第1の導電電極83には、測定電極からの引出線が通過する各接触領域に適切な開口部を設ける必要があるものの、これらの層は、第1の領域間のいかなる介在領域にわたって延在してもよい。
【0100】
図8aに示すように、光検出器のすべてのピクセルにわたって第1の導電電極83を所望の電圧V
BGに設定するのに1つの引出線で十分である。また、上記第5の装置実施形態で説明した方法で、測定電極871、872にリセット機能を任意で追加することができる。
【0101】
各感光装置は、検知電極に電荷キャリアを移送する、又は、検知電極から電荷キャリアを移送するためのリセット電極を備えてもよい。各リセット電極は、水平な基板表面のリセット領域上にある場所において、対応する検知電極の第1又は第2の側のいずれかと接していてもよい。
【0102】
図8bは、第1、第2のリセット電極881、882が、それぞれ第1、第2の検知電極811、812と接して実装されている代替的な実施例を示す。この場合、第1の導電電極83にも、基板に向けて延在するリセット電極引出線のための開口部を設ける必要がある。
【0103】
図8cは、
図8bに示す装置をピクセルアレイの一部として実装するための回路を示す。この回路は、バイアス電圧源896と、リセットスイッチ891と、前置増幅器FET892と、負荷893と、ピクセルをバス895に接続することができるピクセル選択スイッチ894とを含む。
【0104】
第1の導電電極は、すべてのピクセルにわたって延在してもよい。アレイのすべてのピクセルに共通の第1の導電電極83を使用する利点は、例えば、各感光装置下にあるCMOS層から電気的に遮蔽する連続的又はほぼ連続的なシートとして第1の導電電極を実装することができる、ということである。
図8dは、CMOS基板851に形成された光検出器を示す。第1の導電電極83、接触電極871、872、リセット電極881、882は、同じ金属層よりパターン形成されている。測定電極83は、xy平面において接触電極871、872、リセット電極881、882を取り囲んでいてもよい。図示するように、第1の誘電体層84はパターン形成されて検知電極811、812を接触電極871、872、リセット電極881、882と接触させる。
【0105】
また、図示した装置は第2の導電電極88を含む。第2の導電電極は、該第2の導電電極を含む任意の光検出器のすべてのピクセルにわたって延在していてもよい。任意により、光活性層82と第2の導電電極88との間に第2の誘電体層を堆積することができる。図示しないが、この層は、光検出器のすべてのピクセルにわたって延在していてもよい。
【0106】
光活性層82は、本開示に示すいずれかの光検出器のすべてのピクセルにわたって延在していてもよい。あるいは、光活性層82はパターン形成されて、電気的に分離した複数の光活性層であってもよい。かかる光活性層の数は、ピクセルの数と等しくてもよく、これにより、各光活性層は、特定のピクセル専用となる。
【0107】
図8eは、CMOS基板851に設けられた複数の感光装置ピクセルを備える光検出器を模式的に示す。該ピクセルの検知電極811~819は、別途の読出回路に接続されている。各読出回路を対応する検知電極に結合させる、第1の導電電極83内の開口部を除き、第1の導電電極83及び光活性層82はパターン形成されていない。誘電体層及び/又は第2の導電電極は
図8eには図示されていないが、任意によりピクセルアレイ全体を覆っていてもよい。電気的にアクティブな装置層上に、カプセル封じ層を追加で堆積させてもよい。これらのカプセル封じ層は、光検出器の上側において、少なくとも一部が透光性を有する必要がある。
【0108】
(xy平面におけるピクセル形状)
装置ピクセルのサイズが十分に小さく、検知電極に用いる二次元材料の導電率が十分に高いと想定すると、xy平面における感光装置の形状は、測定電極の配置に制限されない。なぜなら、検知電極の電位は、検知電極全体にわたって同じであるためである。二次元材料の導電率が比較的低ければ、ピクセルサイズは、導電率の高い二次元材料を用いる装置におけるピクセルサイズより小さくてもよい。
【0109】
これらの制約とは別に、本開示に記載の感光装置においては、概して、電界効果トランジスタ形状を用いる装置よりも極めて自由にピクセル形状を選択することができる。なぜなら、本開示に記載の装置形状は、第1の領域にわたる集電要件に限定されないためである。検知電極の電位のみを測定する必要があれば、測定電極を、検知電極と接触させて任意の適切な場所に配置することができる。
図9aは、3つの典型的な形状、すなわち、左から右に向かって方形形状、線形形状、円形形状における検知電極91及び測定電極97を示す。例えば、1つ目はVGAイメージャで使用してもよく、2つ目は線形アレイで使用してもよく、3つ目は1つの大型ピクセルのみを要する単ピクセル装置で使用してもよい。
【0110】
図9bは、例えば、
図6aに示す装置に用いてもよいピクセル形状を示す。符号97、98は、符号67、68にそれぞれ対応する。測定電極及びリセット電極は、方形検知電極の2個所の隅に位置する。
【0111】
図9cは、典型的なピクセル及びアレイ寸法を示す。4つの検知電極911~914を図示する。1つの検知電極の幅dは、例えば、5~50μmであってもよい。隣接するピクセル間の距離Lは、例えば、0.1~3μmであってもよい。測定電極及び/又はリセット電極の幅sは、例えば、0.5~5μmであってもよい。
図9cに示すようにピクセル中央に測定電極及びリセット電極を配置すると、位置合せ誤差に対する許容が増えるため有利である。検知電極のパターン形成が、測定電極及びリセット電極に対して僅かにずれたとしても、(又は測定電極及びリセット電極が、検知電極のパターン形成に対して僅かにずれたとしても、)測定電極及びリセット電極は依然として各感光装置の第1の領域内にある。
【0112】
図9dは、
図2iに示す装置に用いてもよい形状を示す。アクティブなピクセル領域は、CMOS電界効果トランジスタチャネル29に隣接している。
図2e及び
図2gに示した装置に同様の形状を使用してもよい。
図9eは典型的なピクセル形状を示す。該ピクセル形状は、アクティブピクセル領域961と、検知電極91及び検知電極91によりゲート制御された前置増幅器電界効果トランジスタのチャネル99にリセット電極98を介して接続されたリセットスイッチ981とを含む。