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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ダストボックス及びロボット掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/10 20060101AFI20221206BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A47L9/10 A
A47L9/28 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020544004
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2018098033
(87)【国際公開番号】W WO2019184174
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】201820465699.2
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521273938
【氏名又は名称】美智縦横科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Midea Robozone Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.39 Caohu Avenue,Xiangcheng Economic Development Zone,Suzhou,Jiangsu 215131,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】胡衛
(72)【発明者】
【氏名】魏顯民
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼滿智
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201328771(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/10
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に取り外し可能に設けられる第1蓋と、
フィルターと、
前記第1蓋に設けられるフィルター戻し忘れ防止装置と、を含み、
前記フィルター戻し忘れ防止装置は前記第1蓋に回転可能に接続される回転部を含み、
前記回転部は可動部品と、駆動部品と、接続部と、を含み、前記駆動部品及び前記可動部品は前記接続部の両側に接続され、前記接続部は前記第1蓋に回転可能に接続され、
前記フィルターが前記本体に装着されず、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記可動部品が前記本体に干渉して前記第1蓋は前記本体を閉めなくなり、前記駆動部品の末端が浮いた状態で前記本体に進入し、
前記フィルターが前記本体に装着され、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記駆動部品の末端が前記フィルターに干渉して前記駆動部品が前記回転部を動かして回転させることで、前記本体に対する前記可動部品の干渉を解消することによって、前記第1蓋は前記本体を閉め、
前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記フィルターが前記本体に装着されているか否かに関わらず、前記本体の底部に垂直な方向において、前記可動部品及び前記駆動部品における任意の部位と前記本体の底部との間の距離は、前記接続部における前記本体の底部から最も離れた箇所と前記本体の底部との間の距離を超えないロボット掃除機用のダストボックスであって、
前記ダストボックスは前記本体内に設けられるフィルターホルダーと、ダストを止めるように構成される分離構造と、を含み、
前記本体に吸気口及び排気口が形成され、前記フィルターホルダーの側面に孔が形成され、前記分離構造は前記本体内に設けられ、且つ、前記孔の吸気側に位置し、前記フィルターが前記本体に設けられる場合に、前記フィルターは前記フィルターホルダーに設けられ、且つ、前記孔の排気側に位置し、
前記フィルターホルダーは底板と、側板と、を含み、前記側板は前記底板に接続されて、前記底板と共に収納空間を形成しており、前記フィルターは少なくとも部分的に前記収納空間に配置され、前記底板は前記吸気口に対向する斜面を含み、前記斜面によって前記分離構造が形成され、前記孔の吸気側は前記吸気口と反対の側を向いていることを特徴とするロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項2】
前記第1蓋の底面に取付け構造が設けられ、前記取付け構造に取付け孔が設けられ、前記接続部は第1回転軸を含み、前記第1回転軸は前記取付け孔に回転可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載のロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項3】
前記フィルター戻し忘れ防止装置は第1弾性部品を含み、
前記第1弾性部品は前記第1蓋及び前記回転部に当接し、前記第1弾性部品は、前記駆動部品が前記フィルターに干渉した時に前記可動部品を駆動して回転させ、前記本体に対する前記可動部品の干渉を解消するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項4】
前記本体の底部に排塵口が形成され、前記ダストボックスは第2蓋を含み、前記第2蓋は前記本体に回転可能に接続され、且つ、前記排塵口を開放又は閉鎖するように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項5】
前記第2蓋は互いに反対側に位置する第1側部及び第2側部を含み、前記第1側部は前記本体に回転可能に接続され、前記第2蓋が前記排塵口を閉鎖する場合に、前記第2側部は係止構造によって前記本体に係合して接続されることを特徴とする請求項に記載のロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項6】
前記ダストボックスは、ボタンを含み、前記ボタンは第2回転軸を含み、前記ボタンは前記第2回転軸によって回転可能に前記本体に設けられ、前記係止構造は前記ボタンの一端に形成される係止フックと、前記第2側部に形成される係止部と、を含み、前記ボタンは前記本体に対して第1位置と第2位置との間で揺動可能であり、前記第1位置にある場合に、前記係止フックが前記係止部に係合して、前記第2蓋は前記排塵口を閉鎖し、前記第2位置にある場合に、前記係止フックが前記係止部から離脱して、前記第2蓋は前記排塵口を開放することを特徴とする請求項に記載のロボット掃除機用のダストボックス。
【請求項7】
ロボット掃除機であって、
ボディと、前記ボディに設けられた、請求項1からのいずれか一項に記載のロボット掃除機用のダストボックスとを含む、
ことを特徴とするロボット掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年03月30日に中国国家知識産権局に提出された特許出願番号が201820465699.2である特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照することにより本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、家庭用電化製品技術の分野に関し、特にダストボックス及びロボット掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ロボット掃除機で一般にフィルターは可動的に取り付けられ、即ち、ユーザーがフィルターを交換しやすいように、フィルターはロボット掃除機のダストボックスから取り出せるように取り付けられる。しかしながら、ユーザーが実際に使用する時、フィルターをダストボックスに戻すことを忘れることが多く、フィルターのないダストボックスをロボット掃除機に取り付けると、空気はフィルターされずに直接掃除モータに入ることになり、ダストの殆どが空気に伴って排出され、二次汚染が起きる。また、掃除モータに入ったダストはモータの耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施形態によれば、ダストボックス及びロボット掃除機が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施形態のダストボックスは、本体と、前記本体に取り外し可能に設けられる第1蓋と、フィルターと、前記第1蓋に設けられるフィルター戻し忘れ防止装置と、を含み、前記フィルター戻し忘れ防止装置は可動部品を含み、前記フィルターが前記本体に装着されず、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記可動部品が前記本体に干渉して前記第1蓋は前記本体を閉めることができない。前記フィルターが前記本体に装着され、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記フィルター戻し忘れ防止装置が前記フィルターに干渉して前記本体に対する前記可動部品の干渉を解消し、前記第1蓋は前記本体を閉める。
【0006】
本願の実施形態のダストボックスによれば、本体にフィルターが取り付けられていない場合に、フィルター戻し忘れ防止装置が作用して第1蓋は本体を閉めることができない。これによって、ユーザーがフィルターを戻し忘れることが効果的に防止され、空気がフィルターせずに排出されることが避けられるとともに、ダストが掃除モータの耐用年数に影響を与えることも避けられる。
【0007】
本願の実施形態のロボット掃除機は、ボディと、前記ボディに設けられたダストボックスとを含み、前記ダストボックスは、本体と、前記本体に取り外し可能に設けられる第1蓋と、フィルターと、前記第1蓋に設けられるフィルター戻し忘れ防止装置とを有し、前記フィルター戻し忘れ防止装置は可動部品を含み、前記フィルターが前記本体に装着されず、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記可動部品が前記本体に干渉して前記第1蓋は前記本体を閉めることができない。前記フィルタが前記本体に装着され、且つ前記第1蓋が前記本体に設けられた場合に、前記フィルター戻し忘れ防止装置が前記フィルターに干渉して前記本体に対する前記可動部品の干渉を解消し、前記第1蓋は前記本体を閉める。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施形態のロボット掃除機によれば、ダストボックスの本体にフィルターが戻されない場合に、フィルター戻し忘れ防止装置が作用して第1蓋は本体を閉めることができない。これによって、ユーザーがフィルターを戻し忘れることが効果的に防止され、空気がフィルターせずに排出されることが避けられるとともに、ダストが掃除モータの耐用年数に影響を与えることも避けられる。
【0009】
本願の付加的な態様及び利点は次の説明の部分に示される。その内容の一部は次の説明により明瞭になるか、本願の実施によって理解されるのであろう。
本願の上述した及び/又は付加的な態様及び利点は、次の図面を用いる実施形態の説明により明瞭で理解しやすいものになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の実施形態における本体に対する可動部品の干渉の解消に関する局所断面模式図である。
図2図1のIIの部分の拡大模式図である。
図3】本願の実施形態における可動部品が本体に干渉することに関する局所断面模式図である。
図4図3のIVの部分の拡大模式図である。
図5】本願の実施形態の第1蓋の斜視模式図である。
図6図5の第1蓋のVIの部分の拡大模式図である。
図7】本願の実施形態の回転部の斜視模式図である。
図8】本願の実施形態のダストボックスの斜視模式図である。
図9】本願の実施形態のダストボックスの断面模式図である。
図10】本願の実施形態のダストボックスの分解模式図である。
図11】本願の実施形態のフィルターホルダーの斜視模式図である。
図12】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
図13】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
図14】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
図15】本願の実施形態のフィルターホルダーの側面模式図である。
図16】本願の実施形態のダストボックスの局所分解模式図である。
図17】本願の実施形態のロボット掃除機の構造模式図である。
【符号の説明】
【0011】
100…ダストボックス、102…本体、104…第1蓋、106…フィルター、108…フィルター戻し忘れ防止装置、110…可動部品、112…回転部、114…駆動部品、116…接続部、118…取付け構造、120…取付け孔、122…第1回転軸、124…第1弾性部品、126…フィルターホルダー、128…分離構造、130…吸気口、132…排気口、134…孔、136…底板、138…側板、140…収納空間、142…斜面、144…支持板、146…排塵口、148…第2蓋、150…第1側部、152…第2側部、154…係止構造、156…ボタン、158…第2回転軸、160…係止フック、162…係止部、164…係合面、166…係止バー、168…パネル、170…第1揺動端、172…第2揺動端、174…第2弾性部品、176…シール部品、1000…ロボット掃除機、200…ボディ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願の実施形態を詳細に説明し、図面の部分に当該実施形態の例を示している。常に同じ又は類似の符号で、同じもしくは類似の部品又は同じ又は類似の機能を有する部品を示す。図面を参照して説明される下記の実施形態は例示的なもので、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願に対する制限として理解されるべきではない。
【0013】
本願の説明において、用語「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等で指示された方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいていうものであり、本願の説明の便宜上及び説明の簡素化のために使用されるものに過ぎず、その対象になる装置又は部品は必ず特定の方位に設けられ、特定の方位から構成又は操作されなければならないことを指示するか又はその旨示唆するものではなく、本願に対する制限として理解されるべきではない。また、用語「第1」、「第2」は説明の目的で使用されるものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆するもの、あるいはそれによって示される技術的特徴の数量を暗黙的に指示するものとして理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は1つの又は複数の当該特徴を明確に又は暗黙的に含んでよい。本願の説明において、特に明確で具体的に限定される場合を除き、「複数」は少なくとも2つ、又は3つ以上を意味する。
【0014】
本願において、特に明確で具体的に規定又は限定される場合を除き、「取り付ける」、「連通」、「接続」は広義に理解されるべきである。例えば、固定して接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、又は一体的に接続されてもよい。機械的に接続されてもよいし、電気的に接続されてもよい。直接接続されてもよいし、中間の媒介を介して間接的に接続されてもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互の作用関係であってもよい。当業者にとって、状況に応じて本願における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0015】
図1図5が参照されるとおり、本願の実施形態のダストボックス100は本体102と、本体102に取り外し可能に設けられる第1蓋104と、フィルター106と、第1蓋104に設けられるフィルター戻し忘れ防止装置108と、を含む。フィルター戻し忘れ防止装置108は可動部品110を含む。フィルター106が本体102に装着されず、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、可動部品110が本体102に干渉して第1蓋104は本体102を閉めることができない。フィルター106が本体102に装着され、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、フィルター戻し忘れ防止装置108がフィルター106に干渉して本体102に対する可動部品110の干渉を解消し、第1蓋104は本体102を閉める。
【0016】
本願の実施形態のダストボックス100によれば、本体102にフィルター106が取り付けられていない場合に、フィルター戻し忘れ防止装置108が作用して第1蓋104は本体102を閉めることができない。これによって、ユーザーがフィルター106を戻し忘れることが効果的に防止され、空気がフィルターせずに排出されることが避けられるとともに、ダストが掃除モータの耐用年数に影響を与えることも避けられる。
【0017】
なお、ダストボックス100で本体102内には一般に、ダストをフィルターするように構成されるフィルター106が設けられる。本願でフィルター戻し忘れ防止装置108の可動部品110が本体102に干渉することを利用してユーザーがフィルター106を戻し忘れることを防止する。フィルター106が本体102に戻されず、且つ第1蓋104が本体102に設けられる場合に、可動部品110が本体102に干渉して、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができない。フィルター106が本体102に戻され、且つ第1蓋104が本体102に設けられる場合に、フィルター戻し忘れ防止装置108がフィルター106に干渉して、本体102に対する可動部品110の干渉を解消し、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができる。本体102に対する可動部品110の干渉は可動部品110の回転又は伸縮により解消することができる。例えば、伸縮の方式で本体102に対する可動部品110の干渉を解消する場合に、フィルター戻し忘れ防止装置108は押圧アセンブリを含んでよく、押圧アセンブリは押圧部と、伸縮できる可動部品110と、を含み、可動部品はストッパブロックとして設けられてよく、押圧部は可動部品に接続される。フィルター106が本体102に戻されず、且つ第1蓋104が本体102に設けられる場合に、可動部品が本体102の上縁部に保持され、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができない。フィルター106が本体102に戻され、且つ第1蓋104が本体102に設けられる場合に、押圧部がフィルター106に接触して力がかかり、可動部品が引き込むように駆動することで、ストッパブロックが本体102から離脱し、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができる。
【0018】
次に、回転の方式で本体102に対する可動部品110の干渉を解消する実施形態について、具体的に説明する。
【0019】
図1図7が参照されるとおり、本実施形態において、フィルター戻し忘れ防止装置108は第1蓋104に回転可能に接続される回転部112を含む。回転部112は可動部品110と、駆動部品114と、を含む。フィルター106が本体102に装着されず、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、駆動部品114の末端が浮いた状態で本体102に進入する。フィルター106が本体102に装着され、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、駆動部品114の末端がフィルター106に干渉して駆動部品114は回転部112を連れて回転させることで本体102に対する可動部品110の干渉を解消する。
【0020】
なお、フィルター戻し忘れ防止装置108は第1蓋104に設けられる。フィルター106が本体102に装着されず、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、駆動部品114の末端が浮いた状態で本体102に進入し、駆動部品114に力がかからず、可動部品110が本体102の上縁部に当接し、即ち可動部品110が本体102に干渉して、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができない。フィルター106が本体102に装着され、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、駆動部品114の末端がフィルター106に接触して力がかかり、駆動部品114が回転部112を連れて回転させることで可動部品110は図1及び図2に示すように時計回り回転して、本体102に対する可動部品110の干渉を解消し、第1蓋104は本体102を支障なく閉めることができる。
【0021】
本実施形態において、回転部112は接続部116を含む。駆動部品114及び可動部品110は接続部116の両側に接続される。接続部116は第1蓋104に回転可能に接続される。
【0022】
これによって、駆動部品114が回転部112を連れて回転させて可動部品110が本体102から離脱することで、本体102に対する可動部品110の干渉を解消することができる。
【0023】
具体的には、図6が参照されるとおり、第1蓋104の底面に取付け構造118が設けられる。取付け構造118に取付け孔120が設けられ、接続部116は第1回転軸122を含み、図6に示すように、第1回転軸122は取付け孔120に回転可能に設けられる。
【0024】
これによって、第1回転軸122が取付け孔120に係合することで、回転部112は第1蓋104に回転可能に接続される。
【0025】
本実施形態において、フィルター戻し忘れ防止装置108は第1弾性部品124を含む。第1弾性部品124は第1蓋104及び回転部112に当接する。第1弾性部品124は駆動部品114がフィルター106に干渉した時に可動部品110を駆動して回転させ、本体102に対する可動部品110の干渉を解消するように配置される。
【0026】
なお、第1弾性部品124は第1蓋104及び回転部112に当接し、フィルター106が本体102に装着され、且つ第1蓋104が本体102に設けられた場合に、駆動部品114の末端がフィルター106に接触して力がかかり、駆動部品114にかかる力を第1弾性部品124を介して伝達されることで可動部品110が回転して、可動部品110が本体102から離脱すると本体102に対する可動部品110の干渉が解消される。好ましくは、第1弾性部品124がねじりばねであり、ねじりばねは第1回転軸122に嵌設され、ねじりばねの両端はそれぞれ第1蓋104及び駆動部品114に当接する。
【0027】
図8図10が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、ダストボックス100は本体102内に設けられるフィルターホルダー126と、ダストを止めるように構成される分離構造128と、を含む。本体102に吸気口130及び排気口132が形成される。フィルターホルダー126の側面に孔134が形成される。分離構造128は本体102内に設けられ、且つ、孔134の吸気側に位置する。フィルター106が本体102に設けられる場合に、フィルター106はフィルターホルダー126に設けられ、且つ、孔134の排気側に位置する。
【0028】
なお、最初には分離構造128によってダストの大半が止められ、次に空気が孔134を介してフィルター106に入り、当該空気はフィルター106によって空気と少量のダストが分離され、排出される空気は効果的に浄化される。具体的には、ロボット掃除機1000が動作する時、機器の内部が真空になり、内外圧力差の作用で、ダストが空気に伴って吸気口130から本体102に吸い込まれる。ダストが空気に伴って本体102に入った後、ダストの大半、とりわけサイズが比較的大きいダスト粒子が分離構造128に止められて本体102の底部に落ち、少量の微細なダストだけが空気に伴って孔134を介してフィルター106に届く。この場合に、ダストがフィルター106によってフィルターされ、空気とダストが効果的に分離され、排出される空気は効果的に浄化される。これによって、ダストボックス100から排出される空気の質が悪いため、二次汚染が起きることが避けられる。図9で、ダストボックス100で矢印付きの直線は空気の気流を示す。分離構造128は孔134の吸気側に配置され、即ち、分離構造128は空気の気流が孔134に入る前の任意の位置に配置されてよく、言い換えれば、分離構造128に対して、孔134はダストボックス100内に空気の流動方向の下流に配置される。これによって、空気が孔134に入る前に、分離構造128に触れることが保証される。
【0029】
また、少量のダストだけがフィルター106に届くため、フィルター106の耐用年数が引き延ばされ、ユーザーはフィルター106を頻繁に交換又は清掃しなくて済み、使いやすいのである。
【0030】
本実施形態において、分離構造128はフィルターホルダー126の底部の斜面142である。
【0031】
なお、分離構造128はフィルターホルダー126の底部の斜面142であり、即ち分離構造128はフィルターホルダー126と一体的に構成される。これによって、本体102に多くのスペースが使用されることが避けられる。分離構造128は本体102の底部を向く斜面142であってよく、斜面142は吸気口130に対向し、ダストを含む空気の気流をガイドする役割を果たし、ダストを本体102の底部に落とす。当然ながら、分離構造128はフィルターホルダー126と一体的に構成されなくてもよく、本体102内で、他の位置に別の分離構造128が設けられてもよい。分離構造128は斜面142、球面、非球面等のガイド面を有する構造部品であってよい。
【0032】
本実施形態において、フィルター106はHEPAフィルター、フィルタースポンジ、活性炭ストレーナーのいずれか1種又は複数種を含む。
【0033】
なお、HEPAフィルター、フィルタースポンジ、活性炭ストレーナーはいずれもダストをフィルターするため使用できる。フィルター106はHEPAフィルター、フィルタースポンジ又は活性炭ストレーナーであってよい。当然ながら、フィルター106はHEPAフィルターとフィルタースポンジの組み合わせ、HEPAフィルターと活性炭ストレーナーの組み合わせ、又はフィルタースポンジと活性炭ストレーナーの組み合わせであってもよい。また、フィルター106はHEPAフィルターとフィルタースポンジと活性炭ストレーナーの組み合わせであってもよい。フィルター106は、ニーズに応じて、1つ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
【0034】
図11図15が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、フィルターホルダー126は底板136と、側板138と、を含む。側板138は底板136に接続されて、底板136と共に収納空間140を形成している。フィルター106は少なくとも部分的に収納空間140に配置される。底板136は吸気口130に対向する斜面142を含む。斜面142によって分離構造128が形成され、孔134の吸気側は吸気口130と反対の側を向いている。
【0035】
なお、吸気口130に対向する斜面142により分離構造128が形成されることによって、分離構造128が空気に伴って本体102に入るダストの大半を止めることに役立つとともに、ダストボックス100の内部の構造部品が減り、ダストボックス100内のダストを集めるスペースが広くなる。孔134の吸気側は吸気口130に背き、分離構造128は孔134の吸気側に配置される。これによって、孔134は可能な限り吸気口130から離れることになり、ダストを含む空気の気流が最初に分離構造128を経て、分離構造128によってダストの大半が止められ、次に空気の気流は孔134を通過しフィルター106を経てフィルター106によって空気と少量のダストが分離され、これによって空気とダストがさらに効果的に分離され、排出される空気が一層効果的に浄化される。
【0036】
本実施形態において、フィルター106はほぼ収納空間140内に配置され、即ち、フィルター106の上面がフィルターホルダー126の上面とほぼ面一になる。これによって、フィルター106及びフィルターホルダー126の全体の厚さが減らされ、ダストボックス100に集塵スペースが確保されるとともに、ダストボックス100の小型化にも役立つ。別の実施形態において、フィルター106は部分的に収納空間140に配置され、即ち、フィルター106はフィルターホルダー126の上面に対して突出していてよい。このような実施形態において、収納空間140の深さを小さく設計するか、又はフィルター106の突出した部位はフィルター106又はフィルターホルダー126上の他の部材に位置決めして取り付けるためにも利用できる。
【0037】
なお、フィルターの効果を確保するために、フィルター106が収納空間140に収容される場合には、フィルター106がフィルターホルダー126によりよく固定されるようにフィルター106にはある程度の変形が許容される。当然ながら、接続を助ける部品、例えば、係止部品、ねじ等を利用してフィルター106をフィルターホルダー126に固定してもよい。
【0038】
本実施形態において、フィルターホルダー126は支持板144を含む。支持板144は収納空間140に配置され、且つ、底板136と側板138を接続しており、フィルター106は支持板144に支持される。
【0039】
これによって、支持板144がフィルター106を支持することで、フィルター106がフィルターホルダー126に設けられる場合にその位置が相対的に安定しており、位置ずれしにくく、孔134を通過する空気の気流をより効果的にフィルターでき、ダストと空気が効果的に分離される。
【0040】
本実施形態で、支持板144は複数であり、複数の支持板144が間隔をあけて収納空間140に設けられる。これによって、フィルター106がより確実に支持され、フィルター106に作用する力が不均一であるため位置がずれ、フィルターの効果に影響を与えることが避けられる。
【0041】
本実施形態において、図9及び図10が参照されるとおり、吸気口130及び排気口132は本体102の同じ側面に設けられ、吸気口130は排気口132の下方に配置される。
【0042】
これによって、ロボット掃除機1000が動作する時、吸気口130と排気口132との間に気流が形成され、ダストは気流に伴って吸気口130から本体102に入る。フィルターされた後、ダストは止められて排気口132に流動できずに本体102内に残り、フィルターされた空気は排気口132から排出される。当然ながら、吸気口130及び排気口132は本体102の異なる側面に設けられてもよい。吸気口130と排気口132が本体102の同じ側面に設けられる場合には、排気口132が吸気口130の下方に配置されてもよい。
【0043】
図16が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、本体102の底部に排塵口146が形成される。ダストボックス100は第2蓋148を含み、第2蓋148は本体102に回転可能に接続され、且つ、排塵口146を開放又は閉鎖するように構成される。
【0044】
なお、第2蓋148によって本体102の底部の排塵口146が開放又は閉鎖されることにより、本体102内のダストを除去しやすくなる。
【0045】
いくつかの実施形態において、第2蓋148は互いに反対側に位置する第1側部150及び第2側部152を含む。第1側部150は本体102に回転可能に接続され、第2蓋148が排塵口146を閉鎖する場合に、第2側部152は係止構造154によって本体102に係合して接続される。
【0046】
なお、係止構造154が設けられることで、第2蓋148によって排塵口146を開放又は閉鎖しやすくなる。第2蓋148が排塵口146を閉鎖する場合に、第2側部152は係止構造154によって本体102により確実に係合して接続される。具体的には、ロボット掃除機1000からダストを除去する場合に、ダストボックス100をロボット掃除機1000から取り出し、次に第2蓋148と本体102との係合を解除することによって、第2蓋148が回転できるようになると排塵口146を開放し、第2蓋148に担持されたダストが第2蓋148の回転に伴って本体102から流出する。このように、ダストを除去する時は、本体102内のフィルター106及びフィルターホルダー126を取り出さなくて済み、清掃しやすくなる。
【0047】
さらに、第1側部150が本体102に回転可能に接続されることは、次の形態で実現できる。例えば、第1側部150に回転軸が設けられ、本体102に遷移孔が形成され、回転軸が遷移孔に収容されることによって、第1側部150が本体102に回転可能に接続される。
【0048】
なお、底部なる方向は図中の下向きの方向であり、頂部なる方向は図中の上向きの方向である。
【0049】
いくつかの実施形態において、ダストボックス100はボタン156を含む。ボタン156は第2回転軸158を含み、ボタン156は第2回転軸158によって回転可能に本体102に設けられる。係止構造154はボタン156の一端に形成される係止フック160と、第2側部152に形成される係止部162と、を含み。ボタン156は本体102に対して第1位置と第2位置との間で揺動できる。第1位置にある場合に、係止フック160が係止部162に係合して、第2蓋148は排塵口146を閉鎖する。第2位置にある場合に、係止フック160が係止部162から離脱して、第2蓋148は排塵口146を開放する。
【0050】
これによって、ボタン156が押下されると、係止フック160が係止部162から離脱して、第2蓋148が回転して排塵口146を開放するとダストが排出され、シンプルな方式で排塵が実現される。具体的には、係止フック160は上向きの係合面164を含み、係止部162は係止バー166を含み、図9に示すように、第1位置にある場合に、係止バー166が係合面164を受け止める。
【0051】
本実施形態において、ボタン156はパネル168を含み、第2回転軸158はパネル168の中央の部位に固定される。パネル168は第2回転軸158の対向する両側にそれぞれに配置される第1揺動端170及び第2揺動端172を含む。係止フック160は第1揺動端170に形成され、第1揺動端170は本体102から離れる方向に揺動し、第2揺動端172は本体102に近づく方向に揺動する。本体102には第2揺動端172が揺動するために回避空間が形成される。第1揺動端170が本体102から離れる方向に揺動する場合に、係止フック160が係止バー166から離脱して、第2蓋148が開放される。
【0052】
これによって、回避空間はボタン156が回転する過程で本体102に干渉することを防止できる。
【0053】
また、パネル168の本体102に対向する外面には第2弾性部品174が設けられ、通常状態では、第2弾性部品174が本体102の外面に接触してもよいし、又は接触しなくてもよい。接触する場合には、第2弾性部品174が弾力を生成しなくてもよいし弾力を生成してもよい。弾力が生成される場合に、生成される弾力によって、第2揺動端172は本体102から離れるように駆動され、これによって係止フック160と第2蓋148の係合が一層確実になる。
【0054】
第2揺動端172が外力によって本体102へ押される場合には、第2弾性部品174が圧縮され、第1揺動端170が本体102から離れる方向に揺動することによって、係止フック160が係止バー166から離脱して、第2蓋148は開放される。外力がなくなると、第2弾性部品174は第2揺動端172が本体102から離れる方向に揺動するように駆動して、第1揺動端170は復帰する。
【0055】
本実施形態において、第2弾性部品174はパネル168上の弾性パネルである。別の実施形態において、第2弾性部品174はばね、弾性ブロック等の他の弾性部品であってよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、ダストボックス100はシール部品176を含み、シール部品176はダストボックス100の部材を接続する箇所に設けられる。
【0057】
なお、ダストボックス100内の部材を接続する箇所は気密性が悪く、部材を接続する箇所にシール部品176を設けることでダストボックス100の気密性が保証され、ロボット掃除機1000による掃除には役立つ。シール部品176はシールリング又はシールバーであってよい。具体的には、本願の実施形態において、第1蓋104と本体102の頂部との間にシールリングが設けられ、フィルターホルダー126と本体102の内壁との間にシールリングが設けられ、第2蓋148と本体102の底部との間にシールリングが設けられる。
【0058】
図17が参照されるとおり、本願の実施形態のロボット掃除機1000は、ボディ200と、上記のいずれかの実施形態のダストボックス100と、を含み、ダストボックス100はボディ200に設けられる。
【0059】
本願の実施形態のロボット掃除機1000によれば、ダストボックス100の本体102にフィルター106が取り付けられていない場合に、フィルター戻し忘れ防止装置108が作用して第1蓋104は本体102を閉めることができない。これによって、ユーザーがフィルター106を戻し忘れることが効果的に防止され、空気がフィルターせずに排出されることが避けられるとともに、ダストが掃除モータの耐用年数に影響を与えることも避けられる。
【0060】
好ましくは、ダストボックス100はボディ200に取り外し可能に設けられる。例えば、係止、ねじ、接着等の方式で、ボディ200に取り外し可能に設けられる。
【0061】
本願において、特に明確な規定又は限定される場合を除き、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」に配置されることは、第1特徴が第2特徴に直接接触することであってもよいし、第1特徴が第2特徴に直接接触するのではなく、それらの間の他の特徴を介して接触することであってもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上部」に配置されることは、第1特徴が第2特徴の直上又は斜め上方に配置されることであってもよいし、第1特徴が第2特徴よりもの水平面に対する高さが大きいことを意味してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下部」に配置されることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下方に配置されることであってもよいし、第1特徴が第2特徴よりも水平面に対する高さ小さいことを意味してもよい。
【0062】
上述した内容で本願の異なる構造を実現するために多くの異なる実施形態又は例が開示されている。本願の開示の簡素化のために、上述した内容で特定の例に係る部材とその設置を説明している。当然ながら、これらは例示的なものに過ぎず、しかもその目的は本願を限定することではない。また、本願では異なる例において、同じ数字や記号を参照することができ、このような参照は説明の簡素化と分かりやすくすることが目的である。それ自体は説明される各種の実施形態及び/又は設置の関連性を示すものではない。さらに、本願で様々な特定のプロセスと材料の例が挙げられているが、当業者にとって、その他プロセス及び/又はその他材料も適用できることが自明である。
【0063】
本明細書の説明において、用語「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」等が含まれる文言は、当該実施形態又は例を用いて説明している具体的な特徴、構造、材料又は利点は、本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味するものである。本明細書において、上記の用語を用いる例示的な文言は、必ずしも同一の実施形態又は例に限定されるものとは限らない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点はいずれか1つ又は複数の実施形態もしくは例において、適切な方式で組み合わせることができる。
【0064】
本願の実施形態を示してそれを説明しているとはいえ、本願の趣旨から逸脱しないことを前提に、これらの実施形態には様々な変更、補正、差替え及び変形が可能であり、本願の範囲が特許請求の範囲及び同等なものによって限定されることは、当業者に自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
図11
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