(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】適合可能な触覚フィードバックを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20221206BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20221206BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/57
A24F40/60
(21)【出願番号】P 2020570945
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2019068092
(87)【国際公開番号】W WO2020008028
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-08
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン グレゴリー アンドレ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/201221(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/149093(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0304567(US,A1)
【文献】特表2015-532158(JP,A)
【文献】特表2017-512480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置であって、
・ユーザーに対する触覚フィードバックを作り出すように構成された触覚要素と、
・前記装置の気流チャネルを通る気流を検出するように構成された気流センサーと、
・前記装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻のうちの少なくとも一つを検出するように構成された検出要素と、
・コントローラであって、前記検出要素
、前記気流センサーおよび前記触覚要素と接続されている、かつ前記検出要素に基づいて前記触覚要素
の動作を制御するように構成されたコントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記触覚要素が、触覚モーターとして構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記触覚モーターが、リニア共振アクチュエータとして構成されている、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記装置が、前記装置を有線または無線で外部装置と接続するためのユーザーインターフェースをさらに備え、かつ所望の触覚フィードバックのタイプがユーザーによって前記外部装置において特定可能であり、また前記検出要素が所望の触覚フィードバックの前記タイプを検出するために前記ユーザーインターフェースと接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記検出要素が、前記装置の前記加熱チャンバーの中に挿入された前記エアロゾル発生物品のタイプを自動的に検出するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記検出要素が
、特定のタイプの挿入可能なエアロゾル発生物品の機械的適合に対応する機械的適合と
、読み取り可能なタグを読み取るために構成された読み取り機とのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記読み取り可能なタグは、挿入可能なエアロゾル発生物品上のバーコードである、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記検出要素がアクチュエータを備え、ユーザーが前記アクチュエータを動作させることによって所望の触覚フィードバックのタイプを手動で設定することを可能にするように前記アクチュエータが構成されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記アクチュエータがスイッチである、請求項
8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記気流センサーまたは前記コントローラが
、一定期間にわたる吸い込みの前記回数、およびユーザーの吸い込みの前記時刻のうちの少なくとも一つを検出するように構成されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記気流センサーが圧力センサーとして構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を
動作させる方法であって、
i)ユーザーに対する触覚フィードバックを作り出すように構成された触覚要素を提供する工程と、
ii)前記装置の気流チャネルを通る気流を検出するように構成された気流センサーを提供する工程と、
iii)前記装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ
、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻のうちの少なくとも一つを検出するように構成された検出要素を提供する工程と、
iv)コントローラを提供する工程であって、前記コントローラが前記検出要素
、前記気流センサーおよび前記触覚要素と接続されている、提供する工程と、
v)前記装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ
、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻のうちの少なくとも一つを前記検出要素によって検出する工程と、
vi)前記検出要素に基づいて前記触覚要素の動作を前記コントローラによって制御する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生基体を含有するエアロゾル発生物品を中に挿入することができるエアロゾル発生装置を提供することが周知である。エアロゾル発生物品は、これらの装置の加熱チャンバーの中に挿入される。加熱ピンまたは加熱ブレードなどの発熱体は、加熱チャンバーの中に配設されていて、かつエアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入されている時、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生基体の中に貫通するように構成されている。
【0003】
異なる種類の喫煙物品において、ユーザーが喫煙物品を吸う時、ユーザーに対するフィードバックを作り出すことが周知である。こうした喫煙装置は、欧州特許第3 295 812 A1号に開示されている。この装置において、流れ駆動振動構成要素が提供されていて、これは装置の流路の道筋に沿って通る流れの反応として、ユーザーに触覚シミュレーションを提供するように構成されている。発生した振動は、ユーザーによって引き出された流れが増大する時に増大し、ユーザーによって引き出された流れが減少する時に減少しうる。この装置は機械的に複雑であり、また振動フィードバックを簡単に変更することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
触覚フィードバックを有するエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになり、触覚フィードバックは可撓性であり、かつ実装が容易である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、ユーザーに対する触覚フィードバックを作り出すように構成された触覚要素を備える。装置は、装置の気流チャネルを通る気流を検出するように構成された気流センサーと、装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ、所望の触覚フィードバックのタイプ、ユーザーの吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、およびユーザーの吸い込みの段階のうちの少なくとも一つを検出するように構成された検出要素とを備える。装置は、検出要素と接続されている、かつ触覚要素と接続されているコントローラをさらに備える。コントローラは、前述の検出要素に基づいて触覚要素の動作を制御するために構成されている。言い換えれば、コントローラは、検出要素の検出出力に基づいて触覚要素の動作を制御する。
【0006】
本発明による装置は、触覚フィードバックによってユーザー体験が最適化されるという事実に起因して、直観性および制御の感覚を強化する。結果として、より豊かで、よりダイナミックな感覚的な体験が達成される。本発明で可能な異なる触覚フィードバックに起因して、ユーザー選択肢の増加およびより幅広い体験が可能である。検出された気流、検出された物品のタイプ、または検出された所望の触覚フィードバックのタイプに基づいて、異なる触覚フィードバックが可能であることに起因して、強化された装置フィードバックが生成される。また、最適化された触覚フィードバックはまた、異なるタイプの挿入可能な物品の使用中の、変換および保持の補助につながる場合がある。
【0007】
触覚要素は、触覚モーターとして構成されてもよい。触覚モーターは、装置を保持しているユーザーによって体験されうる力、振動、または動きを作り出すために構成されてもよい。触覚モーターは、振動プロファイルを作り出すために構成されうることが好ましい。触覚モーターは、モーターシャフトに取り付けられたアンバランスウェイトから成る偏心回転質量アクチュエータとして構成されてもよい。シャフトが回転するにつれて、この変則的な質量の回転は、アクチュエータ、そして結果として、取り付けられた装置に振盪を引き起こす場合がある。別の方法として、または追加的に、触覚モーターは、圧電アクチュエータとして構成されてもよい。
【0008】
触覚モーターは、電気エネルギーを触覚モーターに供給するための電源と接続されてもよい。触覚モーターは、移動可能な要素および固定本体を備えることが好ましく、移動可能な要素の移動は、エアロゾル発生装置の振動につながる場合がある。触覚モーターは、異なる動作プロファイルのために構成されてもよく、この動作プロファイルにおいて、振動の長さ、強度、および周波数はコントローラによって制御可能である。触覚モーターは、リニア共振アクチュエータとして構成されてもよい。リニア共振アクチュエータは、磁気的なボイスコイルによって往復運動の様態で質量を動かすように構成されてもよい。リニア共振アクチュエータを使用することによって、素早い応答が得られる場合がある。
【0009】
装置は、有線または無線によって装置を外部装置と接続するためのユーザーインターフェースをさらに備えてもよい。所望の触覚フィードバックのタイプは、ユーザーによって外部装置の中で特定されてもよい。検出要素は、所望の触覚フィードバックのタイプを検出するために、ユーザーインターフェースと接続されてもよい。
【0010】
外部装置は、スマートフォンまたはスマートウォッチであってもよい。ユーザーインターフェースは、Bluetooth、Wi-Fi、GSM/EDGE、およびUMTS/HSPA技術のうちの少なくとも一つを介して外部装置との接続を提供してもよい。別の方法として、または追加的に、外部装置は、ケーブルを介してユーザーインターフェースに接続可能であってもよい。外部装置は、ユーザーが所望の触覚フィードバックプロファイルを入力することを可能にするために、好ましくは接触感知式でありうるディスプレイを備えてもよい。外部装置は、複数の異なる触覚フィードバックプロファイルをユーザーに表示するように構成されてもよく、またユーザーは、これらの異なる触覚フィードバックプロファイルの中から選ぶことが可能でありうる。外部装置は、ユーザーがエアロゾル発生装置での自らの体験を自らのために調整するために、精選された範囲の触覚プロファイルを外部装置から選択してもよいように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、ユーザーは、触覚プロファイルの強度およびプロファイルを変更してもよい。プロファイルは触覚吸い込み応答に対応する。
【0011】
検出要素は、装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプを自動的に検出するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置のコントローラは、触覚プロファイルを自動調整して、検出された挿入されたエアロゾル発生物品と組み合わせるように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生物品はミントポッドとして構成されてもよく、これは微細な歯切れの良い新鮮な触覚プロファイルと組み合わされ、触覚と風味が一緒に組み合わされて、特有のユーザー体験を作り出すことを確実にする。挿入された物品の検出は、物品上の読み取り可能なタグ(バーコードなど)を提供することによって達成されてもよい。このタグは検出要素によって認識されてもよく、またコントローラは、ユーザー体験中に振動プロファイルなどの対応する触覚フィードバックを起動してもよい。
【0012】
物品のタイプの検出は、物品の風味またはニコチン含有量などの情報を含んでもよい。追加的に、検出要素またはコントローラは、吸い込み回数、および触覚フィードバックの手動で選択されたタイプのうちの少なくとも一つを検出するように構成されてもよい。
【0013】
検出要素は、ポカヨケと、特定のタイプの挿入可能なエアロゾル発生物品の機械的適合に対応する機械的適合と、挿入可能なエアロゾル発生物品上の読み取り可能なタグ(好ましくはバーコード)を読み取るために構成された読み取り機とのうちの少なくとも一つを備えてもよい。読み取り可能なタグを読み取るために、検出要素は、読み取り機、スキャナ、カメラ、または異なる光学的要素を備えてもよい。検出要素は、装置の加熱チャンバーの中に挿入された物品のタイプの検出を可能にするように構成されてもよい。コントローラは、検出要素と接続されるように構成されてもよい。コントローラは、挿入された物品の検出されたタイプに基づいて触覚要素を動作するように構成されてもよい。
【0014】
第一のタイプの物品および第二のタイプの物品は、検出要素によって検出可能であってもよい。第一のタイプの物品および第二のタイプの物品は、形状またはサイズのうちの少なくとも一つにおいて異なっていてもよい。物品が中に挿入されうる、装置の加熱チャンバーは、第一のタイプの物品を受容するための第一の構造を備えてもよく、また第二のタイプの物品を受容するための第二の構造を備えてもよく、または第一の構造と第二の構造の間で選択するための構造セレクタを備えてもよい。第一の構造および第二の構造は、加熱チャンバーの中での形状、サイズ、または位置のうちの少なくとも一つにおいて異なっていてもよい。加熱チャンバーの構造は、検出要素と挿入可能な物品の間の機械的適合に対応してもよい。
【0015】
第一のタイプまたは第二のタイプの物品は、加熱チャンバーの第一の構造または第二の構造と相関付けられてもよく、例えば第一の構造または第二の構造の中に受容されてもよい。検出要素は、触覚フィードバックを制御するために物品のタイプを識別してもよい。
【0016】
異なるタイプの物品に対応する、加熱チャンバーの中のすべての構造は、加熱チャンバーの中に常に存在してもよい。これによって、装置と組み合わせて使用されることが意図されている任意のタイプの物品が、加熱チャンバーの中に挿入されてもよい。物品の形状またはサイズは、加熱チャンバーの中のそれぞれの構造に対応してもよい。物品または物品の一部分は、加熱チャンバーの対応する構造に適合する形態を形成することが好ましい。
【0017】
例えば、加熱チャンバーは、第一の構造として、円筒形状の物品を受容するために適合された円筒状部分を備えてもよい。加熱チャンバーは、第二の構造として、円筒状部分を通って、かつ円筒状部分の上に延びる長方形の部分を備えてもよい。長方形の部分は、長方形の形状の物品を受容するために適合されてもよい。
【0018】
加熱チャンバーの構造は、装置の使用時に構造セレクタによって選択可能であるように設計されてもよい。それ故に、構造は、加熱チャンバーの中で予見されうるか、装置の使用の際、および消費される物品が選択された後にのみ作り出されてもよく、もしくは提供されてもよい。構造セレクタは、加熱チャンバーの中にそれぞれの構造を作り出して物品の選択されたタイプに対応するように適宜に位置付けられてもよい。
【0019】
使用時の構造のこうした選択または提供は、装置の適合が例えば検出要素として直接的に使用されてもよいという利点を提供する場合がある。例えばスイッチの形態で実現された構造セレクタは例えば、第一の位置にある時、加熱チャンバー壁で第一の構造を提供してもよく、また第二の位置にある時、加熱チャンバー壁の異なる位置に第二の構造を提供してもよい。次に、構造セレクタの位置は、第一のタイプの物品および第二のタイプの物品に直接的に対応する。別の方法として、スイッチは構造を変更しなくてもよいが、異なるタイプのエアロゾル発生物品の使用をコントローラに信号で知らせてもよい。異なるタイプのエアロゾル発生物品は、味わい、ニコチン含有量、および使用されたエアロゾル発生基体のうちの少なくとも一つにおいて異なっていてもよい。
【0020】
第一の構造および第二の構造は、加熱チャンバー壁での構造であってもよく、または加熱チャンバー壁の一部分を形成してもよい。例えば、第一の構造および第二の構造は、加熱チャンバー底部壁もしくは加熱チャンバー側壁の構造であってもよく、または加熱チャンバー底部壁もしくは加熱チャンバー側壁の部分を形成してもよい。
【0021】
例えば、加熱チャンバーは、加熱チャンバーの底部壁に配設されて、陥凹部の中に第一のタイプの物品または第二のタイプの物品のうちのいずれか一つを受容する陥凹部を備えてもよい。陥凹部の形態およびサイズは、一つのタイプの物品の底部分の形態およびサイズに対応することが好ましい。
【0022】
加熱チャンバーの底部壁全体は、別のタイプの物品に対応してもよい。
【0023】
加熱チャンバーは、別のタイプの物品の形状およびサイズに対応する形状およびサイズを有してもよい。例えば、加熱チャンバーは円筒の形態を有してもよい。次に、陥凹部は、加熱チャンバーの底部壁より小さい直径を有する円形状の、例えば中央に配設された陥凹部であってもよい。それ故に、こうした実施形態において、装置の加熱チャンバーは、異なる直径、より小さい直径およびより大きい直径を有する二つの円筒形状の物品を受容するように適合されている。
【0024】
陥凹部は、陥凹部から加熱チャンバーの方向に延びる穿孔部材を備えてもよい。こうした穿孔部材は、穿孔を必要とする物品と組み合わせて使用可能となるように装置を適合してもよい。例えば、カートリッジまたはカプセルは、カートリッジまたはカプセル中のエアロゾル形成基体または吸入可能な粉末へのアクセスを得るために穿孔されてもよい。穿孔部材は、気流が穿孔部材を通過して穿孔された物品の中に入る、または穿孔された物品を通ることを可能にするように開放していてもよい。穿孔部材は、穿孔部材が陥凹部を越えて延びないように、陥凹部の深さと同じ、または陥凹部の深さよりも小さい高さを有することが好ましい。これによって、加熱チャンバーの中に挿入されているが、陥凹部の中に挿入されていない、穿孔を必要としない別のタイプの物品は、穿孔部材による影響を受けない状態に保たれる。
【0025】
加熱チャンバーの構造は、例えば加熱チャンバー側壁の開口部分での一つまたは幾つかのノッチであってもよい。ノッチの配設および場合によっては形状またはサイズも、特定のタイプの物品に対応する場合がある。例えば、加熱チャンバー側壁の開口部分は、物品の周辺部から延びる二つの対向して配設されたラグを有する物品に対応する二つの対向して配設されたノッチを備えてもよい。開口部分は、第一のノッチと第二のノッチの間に配設された第三のノッチを有してもよい。その結果、第二のタイプの物品は、物品の周辺部から延びる二つのラグを備えてもよいが、これらのラグは、対向して配設されていなく、180度より小さい角度で配設されている。
【0026】
加熱チャンバー側壁の開口部分のノッチは、装置の使用に伴い構造セレクタによって選択可能であるためによく適している。
【0027】
第一の構造、または第二の構造、または第一の構造と第二の構造の両方は、加熱チャンバーの中で構造セレクタを移動させ、かつそれによって位置付けることによって選択可能であってもよい。構造セレクタは、加熱チャンバーの側壁の移動可能な部分であってもよい。その後、構造セレクタの異なる位置は、加熱チャンバー側壁で異なる位置に配設された加熱チャンバー側壁の、例えばスリットまたは溝などのノッチに対応する。
【0028】
構造セレクタはまた、チャンバー側壁の取り外し可能な部分であってもよい。構造セレクタの据え付けられた位置において、加熱チャンバーは、第一のタイプの物品を受容するように適合されている。構造セレクタの除去された位置において、加熱チャンバー側壁は開口を備え、これによって加熱チャンバーは第二のタイプの物品を受容するように適合されている。取り外し可能な構造セレクタは、再び据え付け位置になるように、再度据え付けられてもよいことが好ましい。
【0029】
構造セレクタは、加熱チャンバーの、移動可能かつ取り外し可能な組み合わせられた部分であってもよい。こうした実施形態において、構造セレクタの異なる位置は、加熱チャンバー側壁に異なる陥凹部を作り出してもよく、一方で取り外された構造セレクタは、構造セレクタのさらなる位置に対応する。
【0030】
構造セレクタはまた、移動可能な加熱チャンバー壁部分であってもよく、構造セレクタの異なる位置は、加熱チャンバーの異なる直径に対応する。
【0031】
エアロゾル発生装置の加熱チャンバーは、第三のタイプの物品を受容するための第三の構造を備えてもよい。第三の構造は、加熱チャンバーの中での形状、サイズ、または位置のうちの少なくとも一つにおいて、第一の構造および第二の構造と異なってもよい。加熱チャンバーには、加熱チャンバー壁に第三の構造が提供されてもよく、または第三の構造は加熱チャンバー壁の部分を形成してもよい。例えば、加熱チャンバーの底部壁には、二つの陥凹部、例えば同心に配設された陥凹部が提供されてもよい。陥凹部の各々は、例えば加熱チャンバーの底部に互い違いの様態で配設されてもよい。その後、一つの陥凹部は第一のタイプの物品に対応してもよく、第二の陥凹部は第二のタイプの物品に対応してもよく、加熱チャンバーの底部壁全体は第三のタイプの物品に対応してもよい。
【0032】
一つまたは幾つかのさらなるノッチが、加熱チャンバー側壁の開口部分に提供されてもよい。
【0033】
構造セレクタは、第三の構造を選択する第三の位置に移動可能になるように設計されてもよい。例えば、構造セレクタの移動は、加熱チャンバー側壁の開口部分において、異なる位置にさらなるノッチ、または異なる形状のさらなるノッチ、またはこれら両方のさらなるノッチを作り出してもよい。
【0034】
第三のタイプの物品は、少なくともその形状またはサイズにおいて、第一のタイプの物品および第二のタイプの物品と異なることが好ましい。
【0035】
異なるタイプの物品を受容するために構成されている加熱チャンバーとは別の方法として、または追加的に、検出要素は、ユーザーが所望の触覚フィードバックを手動で特定するように構成されてもよい。検出要素はアクチュエータを備えてもよい。アクチュエータは、ユーザーがアクチュエータを動作することによって所望の触覚フィードバックのタイプを手動で設定することを可能にするように構成されてもよい。アクチュエータはスイッチであってもよい。ユーザーは、時と場合に応じて体験をパーソナライズするために、異なる触覚プロファイルまたは設定を装置から直接選択してもよい。アクチュエータは、ユーザーが好む振動応答のタイプを手動で選択するためにユーザーによって利用されてもよい。
【0036】
触覚フィードバックとしては、振幅、持続時間、および周波数に基づく触覚応答が挙げられる。言い換えれば、触覚フィードバックは、吸い込みの強度、長さ、およびタイミングに直接関連するフィードバックを提供する、経験に基づく触覚表現を含む。この経験には例えば、予め設定された期間にわたって展開する触覚的な「波状」表現が含まれ、エアロゾル発生装置の使用の経験についてのより高度な制御と知識をユーザーに与える。ADSR(アタック、ディケイ、サステイン、リリース)のパターンなど複雑なパターンには例えば、ユーザーを喜ばせて刺激するために、単一の衝動的吸い込みの過程で、または使用時全体で変形する多層的な触覚体験が含まれる。
【0037】
気流センサーまたはコントローラは、ユーザーの吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、およびユーザーの吸い込みの段階のうちの少なくとも一つを検出するように構成されてもよい。気流センサー、コントローラ、または検出要素は、ユーザーの吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、およびユーザーの吸い込みの段階のうちの少なくとも一つと併せて、ユーザーの吸い込みの強度を検出するために構成されてもよい。
【0038】
ユーザーの吸い込みの長さは、この吸い込みの長さにとって適切な特定の触覚フィードバックを決定するために、およびそれに応じて触覚要素を制御するために、コントローラによって利用されてもよい。一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、およびユーザーの吸い込みの段階は、同様のやり方でコントローラによって利用されてもよい。コントローラは、特定の触覚フィードバックの複数の予め設定されたプロファイルを備えてもよい。これらの予め設定されたプロファイルは、気流センサーの特定のパラメータの検出の際に利用されてもよい。予め設定されたプロファイルは別の方法として、または追加的に、挿入されたエアロゾル発生物品の特定のタイプの検出の際に利用されてもよい。予め設定されたプロファイルはまた、ユーザーによって手動で選ばれてもよい。
【0039】
触覚フィードバックを作り出す触覚要素は、ユーザーのその後の各吸い込みで、ますます微細な触覚応答を作り出すように構成されてもよい。これは、消費体験が終わりに近づいていることをユーザーに知らせて、その体験における段階をより明瞭に自覚させ、最終的に満足感を与える場合がある。
【0040】
気流センサーは、気流速度を測定してもよい。気流速度は、エアロゾル発生装置の気流チャネルを通してユーザーによって引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸い込みの開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。気流センサーはコントローラと接続されてもよい。
【0041】
センサーは、吸い込み中にユーザーによって装置の気流チャネルを通して引き出される、エアロゾル発生装置内部の空気の圧力を測定する圧力センサーとして構成されてもよい。気流チャネルは、空気吸込み口と装置の口側端の間に提供されている。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、好ましくは半開放の吸込み口、装置の口側端、加熱チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーにて検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置内部に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出される場合がある。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力に対する相対圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸い込みの開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合に、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0042】
コントローラは電気回路の一部であってもよい。コントローラは電気回路の一部であってもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は触覚要素への電力の供給を調節するように構成されてもよい。
【0043】
電源は、任意の適切な電源であってもよく、例えば電池などの直流電圧源であってもよい。一実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。
【0044】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を備える喫煙物品は、たばこスティックと呼ばれる。
【0046】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0047】
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0048】
エアロゾル発生物品は、およそ45mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0049】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成要素と液体構成要素の両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0050】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0051】
本明細書で使用される「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこはシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で組み合わせることによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および発送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填材、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0052】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0053】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。ある特定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にきめのある均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0054】
固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0055】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。
【0056】
装置は、片手の指の間に保持するのが快適な携帯型または手持ち式の装置であることが好ましい。装置は実質的に円筒状であり、70~120mmの長さを有してもよい。装置の最大直径は、10~20mmであることが好ましい。一実施形態において、装置は多角形の断面を有し、かつ一方の面上に形成された突出したボタンを有する。この実施形態において、装置の直径は、一方の平坦な面から反対側の平坦な面までで12.7~13.65mmであり、一方の縁から反対側の縁まで(すなわち、装置の一方の側上の二つの面の交差部から他方の側の対応する交差部まで)で13.4~14.2mmであり、ボタンの上部から反対側の底部の平坦な面までで14.2~15mmである。この装置は、電気加熱式の喫煙装置であってもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は、加熱チャンバーの中に挿入された物品を加熱するための発熱体を備えてもよい。発熱体は加熱ピンまたは加熱ブレードであってもよい。装置はまた、物品を加熱するために物品の中に存在する発熱体に接続され、かつ発熱体に電力を供給するための、加熱チャンバーの中に配設された電気接点を備えてもよい。コントローラは、発熱体への電力供給源を制御するために、またはエアロゾル化プロセスを制御するために構成されてもよい。
【0058】
発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、セラミック材料製・金属材料製の複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0059】
エアロゾル発生装置は、内部発熱体、または外部発熱体、または内部発熱体と外部発熱体の両方を備えうるが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてである。内部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部発熱体は加熱ブレードの形態を取ってもよい。別の方法として、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基体の形態を取ってもよい。別の方法として、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部発熱体は剛直な担体材料の中またはその上に配置されてもよい。こうした一つの実施形態において、電気抵抗性のある発熱体は、温度と抵抗率の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは動作中に、発熱体の加熱と、その温度の監視の両方に使用されてもよい。
【0060】
外部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状にすることができる。別の方法として、外部発熱体は、金属のグリッド(複数可)、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と抵抗率の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、その温度の監視の両方に使用されてもよい。
【0061】
発熱体は有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。別の方法として、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。発熱体は誘導ヒーターとして構成されてもよい。誘導ヒーターは、加熱チャンバーの周りに巻かれた誘導コイルを備えてもよい。サセプタ材料は、ピンまたはブレードの形態で加熱チャンバーの中に配設されてもよい。別の方法として、または追加的に、サセプタ材料は、エアロゾル発生物品に含有されたエアロゾル形成基体中に包埋されてもよい。
【0062】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸ってもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。
【0063】
本発明はまた、吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を製造する方法に関し、方法は以下の工程を含む。
i) ユーザーに対する触覚フィードバックを作り出すように構成された触覚要素を提供する工程、
ii) 装置の気流チャネルを通る気流を検出するように構成された気流センサーを提供する工程、
iii) 装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ、所望の触覚フィードバックのタイプ、ユーザーの吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、ユーザーの吸い込みの段階のうちの少なくとも一つを検出するように構成された検出要素を提供する工程、
iv) コントローラを提供する工程であって、コントローラが検出要素および触覚要素と接続されている、提供する工程、
v) 装置の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品のタイプ、所望の触覚フィードバックのタイプ、ユーザーの吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザーの吸い込みの時刻、ユーザーの吸い込みの段階のうちの少なくとも一つを検出要素によって検出する工程、
vi) 前述の検出要素に基づいて触覚要素の動作をコントローラによって制御する工程。
【0064】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル発生装置の使用を示す。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生装置の内部構成要素を示す。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生装置のための触覚フィードバックプロファイルを選ぶための外部装置を示す。
【
図4】
図4は、エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の接続を示す。
【
図5】
図5は、異なる触覚フィードバックプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、エアロゾル発生装置10の使用を示す。装置10はユーザー12によって保持されている。ユーザー12はエアロゾル発生装置10を吸ってもよい。エアロゾル発生装置10は、装置10の使用中にユーザー12への触覚フィードバック14を作り出すように構成されている。触覚フィードバック14は振動であることが好ましい。振動は、単一の吸い込み中に、または喫煙の体験の経過中に変化してもよい。触覚フィードバック14は、喫煙の体験を強化する、ユーザー12に対するさらなる感覚的な入力である。
【0067】
図2は、エアロゾル発生装置10の内部構成要素16を示す。特に、
図2は、ユーザー12に対する触覚フィードバック14を作り出すために使用される触覚要素18を示す。触覚要素18は、リニア共振アクチュエータなどの触覚モーターとして提供されることが好ましい。触覚要素18の起動がエアロゾル発生装置10全体の振動につながるように、触覚要素18はエアロゾル発生装置10のハウジングに連結されている。振動は、装置10を保持するユーザー12によって感知されることができる。言い換えれば、触覚要素18は、エアロゾル発生装置10を使用する時、ユーザー12に対する触覚応答を作り出すように構成されている。
【0068】
図2は、コントローラ20などの、エアロゾル発生装置10の内部構成要素16をさらに示す。コントローラ20は、触覚要素18の動作を制御するように構成されている。異なる触覚フィードバックプロファイル26が、コントローラ20に(例えば、ルックアップテーブルに)保存されてもよい。コントローラ20は、触覚要素18を制御するための触覚要素18と接続されている。
図2は、さらなる内部構成要素である気流センサー22を示す。気流センサー22は、装置10を通る気流を検出するために提供されてもよい。装置10を通る気流は、
図2において矢印で示されている。気流センサー22は、気流の存在または不在の検出以外のこともするように構成されてもよい。気流センサー22は、コントローラ20と接続されてもよい。気流センサー22は、ユーザー12の吸い込みの長さ、一定期間にわたる吸い込みの回数、ユーザー12の吸い込みの時刻、およびユーザー12の吸い込みの段階のうちの少なくとも一つを検出するように構成されてもよい。このデータは、触覚要素18を制御するためにコントローラ20によって利用されてもよい。コントローラ20は、気流センサー22によって検出された気流に応答して、特定の触覚フィードバックプロファイル26を選んでもよい。
【0069】
図3は、触覚フィードバックプロファイル26を手動で選ぶための外部装置24を示す。外部装置24はスマートフォンであってもよい。外部装置24はまた、スマートウォッチなどの、異なる装置10であってもよい。外部装置24は、有線または無線によって、好ましくはBluetoothまたはWi-Fiによって、エアロゾル発生装置10と接続可能であってもよい。外部装置24は、複数の触覚フィードバックプロファイル26をユーザー12に表示するためのディスプレイを備える。ユーザー12がディスプレイ上のそれぞれの区域に触れることによって、異なる触覚フィードバックプロファイル26から選ぶことができるように、ディスプレイは接触感知式ディスプレイであることが好ましい。
【0070】
図4は、エアロゾル発生装置10が検出要素28を備える態様を示す。検出要素28は、
図4に描写されている通り、スイッチとして提供されてもよい。しかしながら、検出要素28はまた、エアロゾル発生装置10の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品30のタイプを自動的に検出する自動検出要素28として提供されてもよい。スイッチは、触覚フィードバックプロファイル26を手動で設定するために、ユーザー12によって利用されてもよい。検出要素28が自動検出要素28として提供される場合、検出要素28は、エアロゾル発生物品30上の読み取り可能なタグ(バーコードなど)を読み取るように構成された読み取り機として構成されてもよい。検出要素28は、装置10の加熱チャンバーの中に挿入されたエアロゾル発生物品30のタイプを識別するために提供されてもよい。検出要素28は、気流センサー22に加えて提供されていることが好ましく、検出要素28は、挿入されたエアロゾル発生物品30のタイプ、所望の触覚フィードバックプロファイル26、および気流センサー22によって測定される流れ特性のうちの一つ以上を検出するように構成されている。気流センサー22は、個別の吸い込みを検出するように構成されていて、またコントローラ20は、検出された物品30または所望のプロファイルおよび検出された吸い込みに基づいて、触覚要素18の動作を制御するように構成されている。
【0071】
図5は、異なる触覚フィードバックプロファイル26を示す。
図5内の上方の図はプロファイルを示し、このプロファイルにおいて、触覚要素18は、ユーザー12の吸い込みの開始32からユーザー12の吸い込みの終了34に向かって、交互に動作されている。さらなる触覚フィードバックプロファイル26において、
図5内の下方の図に示す通り、吸い込みの長さに関連するさらなるフィードバックをユーザー12に与えるように、ユーザー12の吸い込み中、触覚要素18の動作はゆっくりと減少する。