(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ポイント管理システム、ポイント管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q20/06
(21)【出願番号】P 2021048374
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】早坂 大悟
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-227467(JP,A)
【文献】特開2013-137661(JP,A)
【文献】特開2015-201080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムであって、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部と、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部と、
前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限より小さければ、前記グループに含まれる保護ユーザへ、前記グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る通知部と、
を備えることを特徴とするポイント管理システム。
【請求項2】
前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡時期に、前記記録された使用上限を、前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡数量だけ増加させる増加部
をさらに備えることを特徴とする請求項
1に記載のポイント管理システム。
【請求項3】
前記通知部は、
前記譲渡時期より前に、前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限と前記譲渡数量との和より小さければ、前記保護ユーザへ、前記通知をさらに送る
ことを特徴とする請求項
2に記載のポイント管理システム。
【請求項4】
前記保護ユーザが、前記グループポイントの数量以下の第2充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記グループポイントの数量を前記第2充当数量だけ減少した値が、前記記録された使用上限より小さければ、前記保護ユーザに、前記使用後のグループポイントの数量が前記記録された使用上限に満たない旨を警告する警告部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載のポイント管理システム。
【請求項5】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムであって、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部と、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部と、
を備え、
前記支払部は、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量より大きく、前記グループに将来付与される付与予定ポイントがあれば、前記付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定し、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量と前記前借りポイントの数量との和以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する
ことを特徴とす
るポイント管理システム。
【請求項6】
前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限より小さければ、前記グループに含まれる保護ユーザへ、前記グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る通知部
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のポイント管理システム。
【請求項7】
前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡時期に、前記記録された使用上限を、前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡数量だけ増加させる増加部
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のポイント管理システム。
【請求項8】
前記通知部は、
前記譲渡時期より前に、前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限と前記譲渡数量との和より小さければ、前記保護ユーザへ、前記通知をさらに送る
ことを特徴とする請求項7に記載のポイント管理システム。
【請求項9】
前記保護ユーザが、前記グループポイントの数量以下の第2充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記グループポイントの数量を前記第2充当数量だけ減少した値が、前記記録された使用上限より小さければ、前記保護ユーザに、前記使用後のグループポイントの数量が前記記録された使用上限に満たない旨を警告する警告部
をさらに備えることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のポイント管理システム。
【請求項10】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムが実行するポイント管理方法であって、
前記ポイント管理システムが、
前記グループに含まれる被保護ユーザが、当該被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限であって、記録部に記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行
し、
前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限より小さければ、前記グループに含まれる保護ユーザへ、前記グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る
ことを特徴とするポイント管理方法。
【請求項11】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムが実行するポイント管理方法であって、
前記ポイント管理システムが、
前記グループに含まれる被保護ユーザが、当該被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限であって、記録部に記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行し、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量より大きく、前記グループに将来付与される付与予定ポイントがあれば、前記付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定し、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量と前記前借りポイントの数量との和以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する
ことを特徴とするポイント管理方法。
【請求項12】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するコンピュータを、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部、
前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限より小さければ、前記グループに含まれる保護ユーザへ、前記グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る通知部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するコンピュータを、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部、
として機能させ、
前記支払部は、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量より大きく、前記グループに将来付与される付与予定ポイントがあれば、前記付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定し、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量と前記前借りポイントの数量との和以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント管理システム、ポイント管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが商品及びサービスといった販売対象を購入すると、金銭と同様に支払に使用することができるポイントがユーザに付与されるサービスが知られている。例えば、特許文献1には、消費者が、販売者の設定するポイント発行基準を基に、購入により付与されるポイントを使用して、ポイント発行主体の商品を取得し、販売者が、ポイント発行基準を基に利用者にポイントを提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなポイントが、販売対象を購入したユーザを含む家族のようなグループに付与され、グループのメンバーがポイントを使用することができるサービスがある。このようにグループに付与されたポイントを、親等の保護ユーザが、小遣いのように子供等の被保護ユーザに与えられるようにし、被保護ユーザに使用させたいという要望がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、保護ユーザが貯めたポイントを、被保護ユーザに、被保護ユーザに設定される使用上限まで使用させることが可能なポイント管理システム、ポイント管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るポイント管理システムは、
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムであって、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部と、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記観点に係るポイント管理システムにおいて、
前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限より小さければ、前記グループに含まれる保護ユーザへ、前記グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る通知部
をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係るポイント管理システムにおいて、
前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡時期に、前記記録された使用上限を、前記被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡数量だけ増加させる増加部
をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係るポイント管理システムにおいて、
前記通知部は、
前記譲渡時期より前に、前記グループポイントの数量が、前記記録された使用上限と前記譲渡数量との和より小さければ、前記保護ユーザへ、前記通知をさらに送る
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係るポイント管理システムにおいて、
前記支払部は、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量より大きく、前記グループに将来付与される付与予定ポイントがあれば、前記付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定し、
前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量と前記前借りポイントの数量との和以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係るポイント管理システムにおいて、
前記保護ユーザが、前記グループポイントの数量以下の第2充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記グループポイントの数量を前記第2充当数量だけ減少した値が、前記記録された使用上限より小さければ、前記保護ユーザに、前記使用後のグループポイントの数量が前記記録された使用上限に満たない旨を警告する警告部
をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係るポイント管理方法は、
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するポイント管理システムが実行するポイント管理方法であって、
前記ポイント管理システムが、
前記グループに含まれる被保護ユーザが、当該被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限であって、記録部に記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理するコンピュータを、
前記グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する記録部、
前記被保護ユーザが、前記記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、前記第1充当数量が、前記グループポイントの数量以下であれば、前記記録された使用上限と、前記グループポイントの数量と、の双方を、前記支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、前記支払を実行する支払部、
として機能させることを特徴とする。
【0014】
上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、保護ユーザが貯めたポイントを、被保護ユーザに、被保護ユーザに設定される使用上限まで使用させることが可能なポイント管理システム、ポイント管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係るポイント管理システムと、保護ユーザ端末と、被保護ユーザ端末と、店舗端末との関係を説明するための図である。
【
図2】実施形態に係るポイント管理システムを実現するサーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】実施形態に係るポイント管理システムの機能構成を示す図である。
【
図4】実施形態に係るグループポイント情報を説明するための図である。
【
図5】実施形態に係る保護ユーザ端末の画面に表示される画像を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る保護ユーザ端末の画面に表示される画像を説明するための図である。
【
図7】実施形態に係るポイント管理システムが行う支払処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】実施形態に係るポイント管理システムが行う増加処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1.全体構成)
本発明の実施形態に係るポイント管理システム100は、
図1に示すように、ネットワーク500を介して、保護ユーザ端末200と、店舗端末400と、通信可能に接続する。
【0018】
ポイント管理システム100は、複数のユーザを含むグループにより保有されるグループポイントを管理する。
【0019】
ここで、ユーザとは、実店舗及び仮想店舗において、販売対象を購入する者である。販売対象には、商品及びサービスが含まれる。また、販売対象を購入するとは、商品及びサービスを購入することである。複数のユーザには、保護ユーザと、被保護ユーザとが含まれる。保護ユーザとは、被保護ユーザを保護する者であり、例えば、父母、祖父母等の保護者である。また、被保護ユーザは、保護ユーザにより保護される者であり、例えば、子供等の未成年者である。グループとは、保護ユーザ及び被保護ユーザを含むユーザの集合であり、例えば、家族である。グループには、一人以上の保護ユーザと、一人以上の被保護ユーザが含まれる。本実施形態では、グループのメンバーは、被保護ユーザ以外は、保護ユーザとする。
【0020】
また、グループポイントとは、販売対象の購入に際し、金銭と同様に支払に使用することができるポイントであって、グループに対して付与されるものである。
【0021】
ポイント管理システム100は、保護ユーザ及び被保護ユーザが販売対象を購入すると、購入された販売対象に応じて、保護ユーザ及び被保護ユーザが属するグループにグループポイントを付与する。グループポイントは、グループに属するユーザであれば、販売対象を購入した者以外も使用することができる。また、ポイント管理システム100は、ポイントによる支払いが行われると、支払いに充当された数量だけ、グループポイントを減少させる。また、ポイント管理システム100は、グループポイントの使用履歴の情報を記録する。
【0022】
ポイント管理システム100は、1つ以上のサーバにより実現される。例えば、ポイント管理システム100は、グループポイントの情報を格納するデータベースサーバと、店舗端末400から送信される情報に基づいて決済を行う決済サーバと、により実現される。
【0023】
保護ユーザ端末200は、保護ユーザが使用する端末である。保護ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等である。
【0024】
被保護ユーザ端末300は、被保護ユーザが使用する端末である。被保護ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等である。被保護ユーザ端末300には、例えば、ポイントによる支払を可能にするためのアプリがインストールされており、被保護ユーザは、実店舗又は仮想店舗で、アプリを使ってポイントによる支払を行う。なお、被保護ユーザは、被保護ユーザ端末300を用いずに、グループポイントを使用するためのポイントカードを用いて支払を行うこともできる。
【0025】
店舗端末400は、販売対象を販売する店舗において使用される端末である。店舗端末400は、例えば、POS(Point of sale)端末、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。
【0026】
ネットワーク500は、いかなるものであってもよく、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、電話回線網等である。
【0027】
(2.サーバのハードウェア構成)
図2は、ポイント管理システム100を実現するサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
サーバ10は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM13と、記録媒体14と、出力デバイス15と、通信デバイス16と、入力デバイス17と、を備える。各構成要素は、バス18により接続されている。
【0029】
CPU11は、サーバ10全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0030】
ROM12には、サーバ10全体の動作制御に必要なオペレーティングのプログラムや各種のデータが記録される。
【0031】
RAM13は、データやプログラムを一時的に記録するためのもので、記録媒体14から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0032】
記録媒体14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、サーバ10で処理するデータを記録する。
【0033】
出力デバイス15は、LCD(Liquid Crystal Display)及びバックライト等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置を備える。出力デバイス15は、CPU11による制御の下、例えば、CPU11から出力されたデータを出力する。
【0034】
通信デバイス16は、サーバ10をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するための通信インターフェースを含み、通信デバイス16を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0035】
入力デバイス17は、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイク、カメラ、光学スキャナ等の入力装置を備える。入力デバイス17は、サーバ10の使用者から操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号をCPU11に出力する。
【0036】
(3.実施形態のポイント管理システムの機能構成)
ポイント管理システム100の機能構成について、
図3を用いて説明する。
【0037】
ポイント管理システム100は、機能的には、記録部101と、支払部102と、通知部103と、増加部104と、警告部105と、を備える。本実施形態において、記録媒体14が、記録部101として機能し、CPU11及び通信デバイス16が協働して、支払部102、通知部103及び警告部105として機能し、CPU11が、増加部104として機能する。例えば、記録部101は、データベースサーバにより実現され、支払部102、通知部103、増加部104及び警告部105は、決済サーバにより実現される。
【0038】
記録部101は、グループに含まれる被保護ユーザに設定されるポイントの使用上限を記録する。
【0039】
使用上限とは、被保護ユーザが使用できるグループポイントの数量の上限を示すものである。
【0040】
例えば、記録部101は、
図4に示すグループポイント情報を記録する。グループポイント情報には、グループIDと、保護ユーザIDと、被保護ユーザIDと、グループポイント数量と、使用上限と、譲渡時期と、譲渡数量と、付与予定日と、付与予定ポイント数量と、が対応付けて含まれる。
【0041】
グループIDは、グループポイントを保有するグループを識別するための識別情報である。保護ユーザIDは、グループに含まれる保護ユーザを識別するための識別情報である。被保護ユーザIDは、グループに含まれる被保護ユーザを識別するための識別情報である。グループポイント数量は、グループが保有するポイントの数量である。グループポイント数量は、グループに含まれる保護ユーザ及び被保護ユーザがポイントを使用すると、使用した数量だけ、減少される。譲渡時期は、被保護ユーザにポイントが譲渡される時期である。譲渡数量は、被保護ユーザに譲渡されるポイントの数量である。譲渡時期及び譲渡数量の値は、保護ユーザにより任意に設定される。譲渡時期になると、譲渡数量のポイントが、使用上限に加算される。付与予定日は、グループにポイントが将来付与される予定がある場合、そのポイントが付与される日付である。付与予定ポイント数量は、グループに付与される予定のポイントの数量である。付与予定日になると、付与予定ポイント数量のポイントが、グループポイント数量に加算される。前借りポイント数量は、グループポイント数量が支払に充当する数量に満たない場合に、後述する支払部102により算出されるポイントの数量である。
【0042】
図4の1行目のレコードは、グループID“G1”のグループ(以下、グループG1という)に、保護ユーザID“P1-1”、“P1-2”の保護ユーザ(以下、保護ユーザP1-1,P1-2という)と、被保護ユーザID“C1-1”の被保護ユーザ(以下、被保護ユーザC1-1という)が含まれ、グループG1が保有するグループポイント数量は“5000”であり、被保護ユーザC1-1に設定される使用上限は“700”であり、譲渡時期は“毎月1日”で、譲渡数量は“1000”であり、グループG1に、付与予定日“2021年4月5日”に付与されるポイントが、付与予定ポイント数量“500”だけあり、前借りポイント数量は無いことを示す。
【0043】
また、記録部101は、保護ユーザ及び被保護ユーザの住所、氏名、電話番号、メールアドレス等のユーザ情報を記録する。
【0044】
支払部102は、被保護ユーザが、記録された使用上限以下の第1充当数量のポイントを支払に使用しようとすると、第1充当数量が、グループポイントの数量以下であれば、記録された使用上限と、グループポイントの数量と、の双方を、支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、支払を実行する。
【0045】
第1充当数量とは、被保護ユーザが、販売対象を購入するための支払に充当しようとするポイントの数量である。
【0046】
例えば、被保護ユーザC1-1が、被保護ユーザ端末300を用いて、実店舗において、商品Xの購入の支払に第1充当数量“300”のポイントを充当しようとすると、商品Xの販売店の店舗端末400から、被保護ユーザC1-1のユーザ情報と、商品Xの金額等の情報と、第1充当数量“300”の情報がポイント管理システム100に送信される。ポイント管理システム100の支払部102は、受信した情報と
図4のグループポイント情報とに基づき、第1充当数量“300”が、被保護ユーザC1-1の使用上限以下の値であるか否かを判断する。支払部102は、第1充当数量“300”が被保護ユーザC1-1の使用上限より大きい場合は、店舗端末400に、支払が行えない旨を通知する。
【0047】
支払部102は、第1充当数量“300”が被保護ユーザC1-1の使用上限“700”以下と判断すると、次に、
図4のグループポイント情報を参照して、第1充当数量“300”が、グループG1のグループポイント数量以下であるか否かを判断する。そして、支払部102は、第1充当数量“300”がグループG1のグループポイント数量“5000”以下と判断すると、
図4のグループポイント情報の、被保護ユーザC1-1の使用上限“700”及びグループG1のグループポイント数量“5000”から、第1充当数量“300”を減少させ、商品Xについてグループポイントによる支払を実行する。そして、支払部102は、店舗端末400に、商品Xの支払に第1充当数量“300”が充当された旨を通知する。支払部102が支払を実行すると、
図4のグループポイント情報の被保護ユーザC1-1の使用上限は“400”、グループG1のグループポイント数量は“4700”の値に更新される。
【0048】
また、支払部102は、第1充当数量が、グループポイントの数量より大きく、グループに将来付与される付与予定ポイントがあれば、付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定する。そして、支払部102は、第1充当数量が、グループポイントの数量と前借りポイントの数量との和以下であれば、記録された使用上限と、グループポイントの数量と、の双方を、支払に使用される第1充当数量だけ減少させて、支払を実行する。
【0049】
例えば、被保護ユーザID“C2-1”の被保護ユーザ(以下、被保護ユーザC2-1という)が、被保護ユーザ端末300を用いて、実店舗において、商品Yの購入の支払に第1充当数量“2000”のポイントを充当しようとすると、商品Yの販売店の店舗端末400から、被保護ユーザC2-1のユーザ情報と、商品Yの金額等の情報と、第1充当数量“2000”の情報がポイント管理システム100に送信される。ポイント管理システム100の支払部102は、受信した情報と
図4のグループポイント情報とに基づき、第1充当数量“2000”が、被保護ユーザC2-1の使用上限以下の値であるか否かを判断する。支払部102は、第1充当数量“2000”が被保護ユーザC2-1の使用上限“2500”以下と判断すると、次に、
図4のグループポイント情報を参照して、第1充当数量“2000”が、グループID“G2”のグループ(以下、グループG2という)のグループポイント数量以下であるか否かを判断する。支払部102は、第1充当数量“2000”がグループG2のグループポイント数量“1700”より大きいと判断すると、グループG2に付与予定ポイントがあるか否かを判断する。グループG2に付与予定ポイントがあるので、支払部102は、付与予定ポイント数量“500”以下の前借りポイントの数量を算定する。例えば、支払部102は、付与予定ポイント数量“500”を前借りポイント数量として算出する。
【0050】
次に、支払部102は、第1充当数量“2000”が、グループG2のグループポイント数量と前借りポイント数量との和以下であるか否かを判断する。支払部102は、第1充当数量“2000”がグループG2のグループポイント数量と前借りポイント数量との和よりも大きい場合は、店舗端末400に、支払が行えない旨を通知する。
【0051】
支払部102は、第1充当数量“2000”が、グループG2のグループポイント数量“1700”と前借りポイント数量“500”との和“2200”以下であると判断すると、被保護ユーザC2-1の使用上限“2500”と、グループG2のグループポイント数量“1700”とから、第1充当数量“2000”だけ減少させて、商品Yについてグループポイントによる支払を実行する。そして、支払部102は、店舗端末400に、商品Yの支払に第1充当数量“2000”が充当された旨を通知する。支払部102が支払を実行すると、
図4のグループポイント情報の被保護ユーザC2-1の使用上限は“500”、グループG2のグループポイント数量は“-300”の値に更新される。
【0052】
通知部103は、グループポイントの数量が、記録された使用上限より小さければ、グループに含まれる保護ユーザへ、グループポイントの数量を増加させるべき旨の通知を送る。
【0053】
例えば、通知部103は、被保護ユーザC2-1による商品Yの購入後、グループG2のグループポイント数量“-300”が、被保護ユーザC2-1の使用上限“500”より小さいと判断すると、記録部101に記録されたユーザ情報を参照して、保護ユーザID“P2-1”、“P2-2”の保護ユーザ(以下、保護ユーザP2-1,P2-2という)のメールアドレスに、グループポイント数量の増加を依頼するメッセージを送信する。
図5に、保護ユーザP2-1,P2-2の保護ユーザ端末200の画面に、メッセージが含まれる画像610が表示されている様子を示す。
図5の画像610には、被保護ユーザによるグループポイントの使用内容を通知するメッセージ611と、付与予定ポイントの使用を通知するメッセージ612と、グループポイントの数量の増加を依頼するメッセージ613と、が含まれる。
【0054】
なお、グループポイントの数量が、記録された使用上限より小さい場合、被保護ユーザは、グループポイントの残高までは、グループポイントを使用することができる。ただし、グループポイントの残高は、1以上の値に限る。
【0055】
増加部104は、被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡時期に、記録された使用上限を、被保護ユーザに設定されるポイントの譲渡数量だけ増加させる。
【0056】
例えば、増加部104は、予め定められたタイミングで、周期的に、
図4のグループポイント情報を参照して、現時点が各グループの譲渡時期と一致するか否かを判断する。例えば、現時点が“2021年4月5日”であり、増加部104は、被保護ユーザID“C3-1”の被保護ユーザ(以下、被保護ユーザC3-1という)に設定された譲渡時期と一致すると判断すると、被保護ユーザC3-1の使用上限“1000”を、被保護ユーザC3-1に設定された譲渡数量“1000”だけ増加させる。
図4のグループポイント情報の被保護ユーザC3-1の使用上限は“2000”の値に更新される。これにより、例えば、親が子供に、毎月、所定のポイント数を小遣いとして与えることができる。
【0057】
また、通知部103は、譲渡時期より前に、グループポイントの数量が、記録された使用上限と譲渡数量との和より小さければ、保護ユーザへ、通知をさらに送る。
【0058】
例えば、現時点が“2021年4月2日”であり、増加部104は、各グループの譲渡時期の前であると判断すると、通知部103は、各グループについて、グループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和より小さいか否かを判断する。例えば、通知部103は、グループID“G3”のグループ(以下、グループG3という)のグループポイント数量“1500”が、使用上限“1000”と譲渡数量“1000”との和より小さいと判断すると、記録部101に記録されたユーザ情報を参照して、保護ユーザID“P3-1”の保護ユーザ(以下、保護ユーザP3-1という)のメールアドレスに、グループポイント数量の増加を依頼するメッセージを送信する。
【0059】
警告部105は、保護ユーザが、グループポイントの数量以下の第2充当数量を支払に使用しようとすると、グループポイントの数量を第2充当数量だけ減少した値が、記録された使用上限より小さければ、保護ユーザに、使用後のグループポイントの数量が記録された使用上限に満たない旨を警告する。
【0060】
例えば、保護ユーザP3-1が、保護ユーザ端末200を用いて、仮想店舗において、商品Zの購入の支払に第2充当数量“1200”のポイントを充当しようとすると、商品Zを販売する電子商取引サーバから、保護ユーザP3-1のユーザ情報と、商品Zの金額等の情報と、第2充当数量“1200”の情報がポイント管理システム100に送信される。ポイント管理システム100の警告部105は、受信した情報と
図4のグループポイント情報とに基づき、グループG3のグループポイント数量を第2充当数量“1200”だけ減少した値が、被保護ユーザC3-1の使用上限より小さいか否かを判断する。警告部105は、グループG3のグループポイント数量“1500”を第2充当数量“1200”だけ減少した値“300”が被保護ユーザC3-1の使用上限“1000”より小さいと判断すると、保護ユーザP3-1の保護ユーザ端末200の画面に、充当後のグループポイント数量が使用上限に満たない旨の警告を表示させる。
図6に、保護ユーザP3-1の保護ユーザ端末200の画面に、警告のメッセージが含まれる画像620が表示されている様子を示す。
図6の画像620は、購入手続においてポイントを使用する手続を行う際に画面に表示されるものである。警告部105により、グループポイント数量から第2充当数量だけ減少した値が使用上限より小さいと判断されると、ポイント使用後のグループポイント数量が使用上限に満たないことを警告するメッセージ621が画面に表示される。
【0061】
(4.実施形態のポイント管理システムの動作)
本実施形態のポイント管理システム100が実行する支払処理について、
図7を用いて説明する。例えば、ポイント管理システム100は、ユーザによる販売対象の購入の手続が開始されると、
図7に示す支払処理を開始する。
【0062】
支払部102は、販売対象の購入の支払を行うユーザが、被保護ユーザであるか否かを判断する(ステップS101)。支払部102は、販売対象の購入の支払を行うユーザが、被保護ユーザであると判断すると(ステップS101;YES)、支払部102は、被保護ユーザが支払に充当しようとするポイントの第1充当数量が、被保護ユーザに設定された使用上限以下であるか否かを判断する(ステップS102)。一方、支払部102は、販売対象の購入の支払を行うユーザが、被保護ユーザでないと判断すると(ステップS101;NO)、ステップS112に進む。
【0063】
例えば、被保護ユーザC1-1が、実店舗において、商品Xの購入の支払に、第1充当数量“300”のポイントを充当しようとすると、支払部102は、商品Xの販売店の店舗端末400から送信されたユーザ情報と、記録部101に記録されたユーザ情報とに基づいて、被保護ユーザC1-1が被保護ユーザであると判断する。そして、支払部102は、
図4のグループポイント情報を参照して、第1充当数量“300”が、被保護ユーザC1-1の使用上限以下の値であるか否かを判断する。
【0064】
ステップS102において、支払部102は、第1充当数量が使用上限以下であると判断すると(ステップS102;YES)、第1充当数量が、グループポイント数量以下であるか否かを判断する(ステップS103)。一方、支払部102は、第1充当数量が使用上限より大きいと判断すると(ステップS102;NO)、支払が行えない旨を通知する(ステップS106)。
【0065】
例えば、支払部102は、第1充当数量“300”が被保護ユーザC1-1の使用上限“700”以下と判断すると、
図4のグループポイント情報を参照して、第1充当数量“300”が、グループG1のグループポイント数量以下であるか否かを判断する。一方、支払部102は、第1充当数量“300”が被保護ユーザC1-1の使用上限より大きいと判断すると、店舗端末400に、支払が行えない旨を通知する。
【0066】
ステップS103において、第1充当数量がグループポイント数量以下と判断すると(ステップS103;YES)、グループポイント数量及び使用上限から、第1充当数量を減少させる(ステップS104)。そして、支払部102は、支払を実行する(ステップS105)。一方、ステップS103において、支払部102は、第1充当数量がグループポイント数量より大きいと判断すると(ステップS103;NO)、グループに付与予定ポイントがあるか否かを判断する(ステップS107)。
【0067】
例えば、支払部102は、第1充当数量“300”がグループG1のグループポイント数量“5000”以下と判断すると、
図4のグループポイント情報の、被保護ユーザC1-1の使用上限“700”及びグループG1のグループポイント数量“5000”から、第1充当数量“300”を減少させ、商品Xのグループポイントによる支払を実行する。一方、例えば、支払部102は、被保護ユーザC2-1が、商品Yの購入の支払に、使用上限以下の第1充当数量“2000”を充当しようとした場合、第1充当数量“2000”がグループG2のグループポイント数量“1700”より大きいと判断し、グループG2に付与予定ポイントがあるか否かを判断する。
【0068】
ステップS107において、支払部102は、グループに付与予定ポイントがあると判断すると(ステップS107;YES)、付与予定ポイントの数量以下の前借りポイントの数量を算定する(ステップS108)。一方、支払部102は、グループに付与予定ポイントがないと判断すると(ステップS107;YES)、ステップS106に進む。
【0069】
例えば、支払部102は、被保護ユーザC2-1のグループG2に付与予定ポイントがあると判断すると、付与予定ポイント数量“500”と同数の前借りポイント数量“500”を算定する。一方、支払部102は、被保護ユーザC2-1のグループG2に付与予定ポイントがないと判断した場合は、店舗端末400に、支払が行えない旨を通知する。
【0070】
ステップS108において、前借りポイントが算出されると、支払部102は、第1充当数量が、グループポイント数量と前借りポイント数量との和以下であるか否かを判断する(ステップS109)。支払部102は、第1充当数量が、グループポイント数量と前借りポイント数量との和以下と判断すると(ステップS109;YES)、ステップS104に進む。一方、支払部102は、第1充当数量が、グループポイント数量と前借りポイント数量との和より大きいと判断すると(ステップS109;NO)、ステップS106に進む。
【0071】
例えば、支払部102は、第1充当数量“2000”が、グループG2のグループポイント数量“1700”と前借りポイントの数量“500”との和“2200”以下であると判断すると、被保護ユーザC2-1の使用上限“2500”と、グループG2のグループポイントの数量“1700”とを、第1充当数量“2000”だけ減少させて、商品Yの支払を実行する。一方、支払部102は、第1充当数量“2000”がグループG2のグループポイントの数量と前借りポイントの数量との和よりも大きい場合は、店舗端末400に、支払が行えない旨を通知する。
【0072】
ステップS105において、支払が実行された後、通知部103は、グループポイント数量が、使用上限より小さいか否かを判断する(ステップS110)。通知部103は、グループポイント数量が、使用上限より小さいと判断すると(ステップS110;YES)、グループに含まれる保護ユーザへ、グループポイント数量を増加させるべき旨の通知を送る(ステップS111)。一方、通知部103は、グループポイント数量が、使用上限以上と判断すると(ステップS110;NO)、処理を終了する。
【0073】
例えば、通知部103は、被保護ユーザC2-1による商品Yの購入後、グループG2のグループポイント数量“-300”が、被保護ユーザC2-1の使用上限“500”より小さいと判断すると、保護ユーザP2-1,P2-2のメールアドレスに、
図5に示すような、グループポイント数量の増加を依頼するメッセージを送信する。一方、通知部103は、グループG2のグループポイント数量が被保護ユーザC2-1の使用上限以上と判断した場合は、
図7の支払処理を終了する。
【0074】
ステップS101において、支払部102は、販売対象の購入の支払を行うユーザが、被保護ユーザでない、すなわち、保護ユーザと判断すると(ステップS101;NO)、警告部105は、グループポイント数量を第2充当数量だけ減少した値が、使用上限より小さいか否かを判断する(ステップS112)。警告部105は、グループポイント数量を第2充当数量だけ減少した値が、使用上限より小さいと判断すると(ステップS112;YES)、保護ユーザに、充当後のグループポイント数量が使用上限に満たない旨を警告する(ステップS113)。その後、ステップS104に進む。一方、警告部105は、グループポイント数量を第2充当数量だけ減少した値が、使用上限以上と判断すると(ステップS112;NO)、ステップS104に進む。
【0075】
例えば、保護ユーザP3-1が、保護ユーザ端末200を用いて、仮想店舗において、商品Zの購入の支払に第2充当数量“1200”のポイントを充当しようとすると、警告部105は、
図4のグループポイント情報を参照して、グループG3のグループポイント数量“1500”を第2充当数量“1200”だけ減少した値“300”が被保護ユーザC3-1の使用上限“1000”より小さいと判断する。そして、警告部105は、
図6に示すように、保護ユーザP3-1の保護ユーザ端末200の画面に、充当後のグループポイント数量が使用上限に満たない旨の警告を表示させる。そして、支払部102は、グループG3のグループポイント数量“1500”から、第2充当数量“1200”を減少させ、商品Zについてグループポイントによる支払を実行する。一方、警告部105が、グループG3のグループポイント数量を第2充当数量だけ減少した値が被保護ユーザC3-1の使用上限以上と判断した場合は、支払部102は、グループG3のグループポイント数量から第2充当数量だけ減少させ、商品Zについてグループポイントによる支払を実行する。
【0076】
次に、本実施形態のポイント管理システム100が実行する増加処理について、
図8を用いて説明する。例えば、ポイント管理システム100は、予め定められたタイミングで、周期的に、
図8に示す増加処理を開始する。
【0077】
増加部104は、現時点が譲渡時期と一致するか否かを判断する(ステップS201)。増加部104は、現時点が譲渡時期と一致すると判断すると(ステップS201;YES)、使用上限を譲渡数量だけ増加させる(ステップS202)。一方、増加部104が、現時点が譲渡時期と一致しないと判断すると(ステップS201;NO)、通知部103は、グループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和より小さいか否かを判断する(ステップS203)。
【0078】
例えば、増加部104は、現時点が、
図4のグループポイント情報に含まれる各グループの譲渡時期と一致するか否かを判断する。増加部104は、現時点が“2021年4月5日”であり、被保護ユーザC3-1に設定された譲渡時期と一致すると判断すると、被保護ユーザC3-1の使用上限“1000”を、被保護ユーザC3-1に設定された譲渡数量“1000”だけ増加させる。一方、警告部105が、現時点が“2021年4月2日”であり、各グループに設定された譲渡時期の前であると判断すると、通知部103は、各グループのグループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和より小さいか否かを判断する。
【0079】
ステップS203において、通知部103は、グループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和より小さいと判断すると(ステップS203;YES)、グループポイント数量が上記和より小さいと判断されたグループの保護ユーザへ、グループポイント数量を増加させるべき旨の通知を送る(ステップS204)。一方、通知部103は、グループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和以上と判断すると(ステップS203;NO)、処理を終了する。
【0080】
例えば、通知部103は、グループG3のグループポイント数量“1500”が、使用上限“1000”と譲渡数量“1000”との和より小さいと判断すると、保護ユーザP3-1のメールアドレスに、グループポイント数量の増加を依頼するメッセージを送信する。一方、通知部103は、各グループポイント数量が、使用上限と譲渡数量との和以上と判断すると、
図8の処理を終了する。
【0081】
本実施形態によれば、グループが保有するグループポイントを、グループに属する被保護ユーザに、予め定められた使用上限まで使用させることができる。したがって、両親等の保護ユーザが貯めたポイントを、子供等の被保護ユーザに使用させることができる。また、ポイントは、現金よりも使用用途が限られ、且つ、ポイント管理システムではポイントの使用履歴が記録されるので、保護ユーザは安心して被保護ユーザにポイントを使用させることができる。また、一般的に、被保護ユーザは、クレジットカードを利用しないので、ポイントが貯まらず、ポイントの使用頻度は少ないが、保護ユーザが貯めたグループポイントを被保護ユーザに使用させることにより、被保護ユーザのポイント使用を促すことができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、予め定められた譲渡時期に、予め定められた譲渡数量だけ、被保護ユーザの使用上限を増やすことができる。これにより、保護ユーザは、小遣いのように、計画的に被保護ユーザにポイントを与えることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、グループポイントの数量が、被保護ユーザに設定された使用上限より小さい場合、及び、使用上限と譲渡数量との和より小さい場合、保護ユーザに、グループポイントの数量を増加させるべき旨が通知される。これにより、保護ユーザにグループポイントの数量の増加を促すことができる。
【0084】
さらに、本実施形態によれば、保護ユーザが、グループポイントを販売対象の購入の支払に使用する場合、使用後のグループポイントが、被保護ユーザに設定された使用上限より小さくなると、使用後のグループポイントが使用上限に満たないことが警告される。これにより、保護ユーザが、グループポイントを使い過ぎて、被保護ユーザが使用上限までポイントを使えなくなることを防ぎ、被保護ユーザが使用できるグループポイントの数量を確保することができる。
【0085】
(5.変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0086】
上記実施形態において、記録部101は、データベースサーバにより実現され、支払部102、通知部103、増加部104及び警告部105は、決済サーバにより実現されるとしたが、これに限らない。記録部101、支払部102、通知部103、増加部104及び警告部105は1つのサーバにより実現されてもよい。
【0087】
また、上記実施形態において、支払部102は、付与予定ポイントの数量を、前借りポイントの数量として算出したが、前借りポイントの数量の算出手法はこれに限らない。例えば、被保護ユーザC2-1が、商品Yの購入の支払に、使用上限“2500”以下の第1充当数量“2000”のポイントを充当しようとする場合、支払部102は、付与予定ポイントの数量“500”以下であって、第1充当数量“2000”からグループG2のグループポイント数量“1700”を減算した値“300”を、前借りポイントの数量として算出してもよい。また、或いは、支払部102は、付与予定日までの期間の長さ,又は保護ユーザの信用度に基づいて、前借りポイントの数量を算出してもよい。信用度は、例えば、クレジットカードの支払を滞納した回数、販売対象の購入のキャンセル回数等により判断される。例えば、支払部102は、現時点から付与予定日の長さが長いほど、前借りポイントの数量を小さく算出してもよい。また、支払部102は、保護ユーザの信用度が高い程、前借りポイントの数量を大きく算出してもよい。
【0088】
また、上記実施形態において、充当後のグループポイントの数量が使用上限に満たない旨の警告は、購入手続の画面にメッセージ621を表示することにより行われるとしたが、これに限らない。例えば、警告は、メール、SMS(Short Message Service)、テキストチャット等により行われてもよい。
【0089】
また、上記実施形態において、充当後のグループポイントの数量が使用上限に満たない旨の警告は、ポイントを充当しようとしている保護ユーザP3-1に対して行ったが、これに限らない。例えば、グループに複数の保護ユーザが含まれる場合は、警告部105は、ポイントを充当しようとしている保護ユーザを含め、全ての保護ユーザに警告する。これにより、例えば、父母等の保護ユーザがグループポイントを使用して、グループポイントの数量が使用上限に満たなくなる場合に、祖父母等の保護ユーザに警告を通知して、グループポイントの追加を促すことができる。
【0090】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、保護ユーザが貯めたポイントを、被保護ユーザに、被保護ユーザに設定される使用上限まで使用させることが可能なポイント管理システム、ポイント管理方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0092】
10 サーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記録媒体
15 出力デバイス
16 通信デバイス
17 入力デバイス
18 バス
100 ポイント管理システム
101 記録部
102 支払部
103 通知部
104 増加部
105 警告部
200 保護ユーザ端末
300 被保護ユーザ端末
400 店舗端末
500 ネットワーク
610,620 画像
611,612,613,621 メッセージ