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特許7189277提供装置、提供方法、および提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法、および提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021100912
(22)【出願日】2021-06-17
【審査請求日】2022-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】李 ナレ
(72)【発明者】
【氏名】劉 静瑛
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-133899(JP,A)
【文献】特開2008-003869(JP,A)
【文献】特開2015-176330(JP,A)
【文献】特開2010-250022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットとなる利用者の条件を示すターゲット条件と、レーダーチャートとして表示する項目と各項目に関する属性とを示すコンテンツ条件とを受け付けると、コンテンツ条件が示す属性と、各項目との間の相対的な関係性を特定する特定部と、
前記ターゲット条件が示す条件に合致する一人または複数の利用者の前記コンテンツ条件が示す項目に関する興味の強さを示す値と、前記特定部により特定された関係性とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する生成部と、
前記生成部により生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する提供部と
を有することを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記生成部は、所定の原点を中心としてあらかじめ定められた複数の基準方向に対してそれぞれ異なる属性を対応付け、前記各項目を、各軸と対応する属性との関係性が高い程、前記原点を中心とした角度であって当該属性と対応する基準方向との間の角度が小さい方向と対応付け、前記項目ごとに、当該項目と対応する値に応じた距離だけ前記原点から当該項目と対応する方向へ離した位置を当該項目と対応する値に応じた位置とするレーダーチャートを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記属性同士の相対的な関連性に基づいて、前記基準方向と前記属性とを対応付ける
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項4】
前記生成部は、対応する概念を有する2つの属性を、同一の軸を構成する2つの基準方向のそれぞれと対応付ける
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項5】
前記生成部は、操作者により選択された属性と対応する概念を有する属性を特定し、特定した属性を、操作者により選択された属性を対応付けた基準方向とは逆の基準方向と対応付ける
ことを特徴とする請求項に記載の提供装置。
【請求項6】
前記生成部は、第1情報群が有する項目のうち所定の項目と前記複数の属性とに基づいて第1レーダーチャートを生成するとともに、第2情報群が有する項目のうち前記所定の項目と前記複数の属性とに基づいて第2レーダーチャートを生成し、
前記提供部は、前記第1レーダーチャートと前記第2レーダーチャートとを重畳したコンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項7】
前記生成部は、操作者から受け付けた条件情報を満たす利用者の利用者情報の共通性に基づいて、各項目の値を算出し、算出した値に応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項8】
提供装置が実行する提供方法であって、
ターゲットとなる利用者の条件を示すターゲット条件と、レーダーチャートとして表示する項目と各項目に関する属性とを示すコンテンツ条件とを受け付けると、コンテンツ条件が示す属性と、各項目との間の相対的な関係性を特定する特定工程と、
前記ターゲット条件が示す条件に合致する一人または複数の利用者の前記コンテンツ条件が示す項目に関する興味の強さを示す値と、前記特定工程により特定された関係性とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する提供工程と
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項9】
ターゲットとなる利用者の条件を示すターゲット条件と、レーダーチャートとして表示する項目と各項目に関する属性とを示すコンテンツ条件とを受け付けると、コンテンツ条件が示す属性と、各項目との間の相対的な関係性を特定する特定手順と、
前記ターゲット条件が示す条件に合致する一人または複数の利用者の前記コンテンツ条件が示す項目に関する興味の強さを示す値と、前記特定手順により特定された関係性とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する生成手順と、
前記生成手順により生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する提供手順と
をコンピュータに実行させるための提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法、および提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種情報を利用者が認識しやすい形で表示する技術が知られている。このような技術の一例として、指定された利用者の体質に関する複数種別の情報について、レーダーチャートを表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-113471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、表示態様に改善の余地がある。例えば、上述した従来技術では、所定の利用者の様々な体質であって、あらかじめ定めれた体質の情報を所定の順序で表示しているにすぎない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より多種の情報を認識可能なレーダーチャートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る提供装置は、レーダーチャートを構成する各項目について、複数の属性との相対的な関係性を特定する特定部と、前記特定部により特定された関係性と、各項目と対応する値とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する生成部と、前記生成部により生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、より多種の情報を認識可能なレーダーチャートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を説明する図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置が生成するレーダーチャートの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報提供装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法、および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法、および提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.情報処理システム]
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を説明する図である。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報提供装置10および端末装置100を有する。なお、情報処理システム1は、図1に示す例に限られず、複数の端末装置100、及び情報提供装置10を有していてもよい。また、情報提供装置10は、以下に説明する例に限られず、任意の数の端末装置100について、以下に説明する情報処理を並列して実行できる。
【0011】
端末装置100、及び情報提供装置10は、それぞれ有線又は無線によりネットワークN(図3参照)に接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網、固定電話網等)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNは、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。端末装置100、及び情報提供装置10は、ネットワークNを通じて、相互に通信できる。
【0012】
端末装置100は、情報提供装置10から提供されるサービスを利用するために、所定の操作者が使用する情報提供装置である。端末装置100は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。
【0013】
端末装置100は、情報提供装置10から提供される各種サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。なお、端末装置100は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報提供装置10などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0014】
情報提供装置10は、実施形態に係る情報処理を実行する情報提供装置である。情報提供装置10は、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。なお、情報提供装置10は、操作者が使用する端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報提供装置10から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0015】
[2.情報提供装置について]
以下、提供装置の一例である情報提供装置10が実行する処理の一例を説明する。なお、以下に説明する処理は、情報提供装置10が単独で実現してもよく、例えば、それぞれ個別に動作する複数のサーバ装置が強調することで実現してもよい。
【0016】
[2-1.利用者情報の収集について]
例えば、情報提供装置10は、利用者に関する各種統計情報を生成し提供する機能を有する。例えば、情報提供装置10は、各利用者が入力した検索クエリの履歴、各利用者の購買履歴、電子商店街で閲覧した取引対象の履歴、購入した取引対象の履歴である購買履歴、閲覧したニュース等のコンテンツの履歴である閲覧履歴、SNS(Social Networking Service)に投稿したテキストや画像等の履歴である投稿履歴、位置履歴等を利用者情報として収集する。また、情報提供装置10は、例えば、利用者が保有するスマートフォンを用いて店舗に設置されたQRコード(登録商標)を読み取り、読み取り結果を用いて実現する決済サービスの利用履歴や、利用者が保有するスマートフォンにQRコード(登録商標)を表示させ、かかるQRコード(登録商標)を店舗端末が読み込むことで行われる決済サービスの利用履歴(例えば、購入日時、購入商品、購入額等)を利用者情報として収集してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が保有するクレジットカードの利用履歴や銀行口座の利用履歴等を収集してもよい。
【0017】
また、情報提供装置10は、収集した情報に基づいて推定された情報を利用者情報としてもよい。例えば、情報提供装置10は、購買履歴から、毎月の食料品の平均的な購入総額が10万円以上である場合、例えば、世帯月収若しくは個人月収が30万円以上であるといった収入や、3人家族であるといった家族構成、もしくは同居人構成等を推定してもよい。また、情報提供装置10は、例えば、位置履歴や購入履歴から、利用者が所有する物品や、利用者の居住地、職場等を推定し、推定した情報を利用者情報としてもよい。
【0018】
また、情報提供装置10は、例えば、各種サービスを提供するサーバ装置から、サービスの利用履歴を利用者情報として取得してもよく、このようなサービスを提供するサーバ装置もしくは単独のサーバ装置が、サービスの利用履歴から推定した各種情報を利用者情報として収集してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が登録あるいは推定された各種のジオグラフィック属性や趣味嗜好といったサイコグラフィック属性を示す情報を利用者情報として収集してもよい。
【0019】
[2-2.統計情報について]
上述のように収集された利用者情報は、個人情報に該当するため、そのままの状態で操作者に提供するのは、不適切であると考えられる。また、利用者情報量が多い場合、より詳細な分析を行うことができるが、多くの利用者情報をそのまま操作者に提供した場合、例えば、どのような傾向を有する利用者がどれくらいいるのか、ある行動を行った利用者がどのような傾向を有するのかといった分析が困難となる。
【0020】
このような点を鑑みて、情報提供装置10は、各種利用者情報をそのまま操作者には提供せず、利用者情報から統計情報を生成し、生成した統計情報を操作者に提供する。例えば、情報提供装置10は、所定のクラスタに属する複数の利用者について利用者情報を収集し、収集した利用者情報が有する特徴(すなわち、同一クラスタに属する利用者の傾向)を特定する。換言すると、情報提供装置10は、同一クラスタに属する複数利用者のペルソナ(仮想的な人物像)を特定する。そして、情報提供装置10は、特定したペルソナに関する情報を提供することとなる。
【0021】
以下、情報提供装置10が提供する統計情報の一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、操作者から、統計情報の生成対象となる利用者群を指摘するための検索クエリをターゲット条件として受け付ける。例えば、情報提供装置10は、「直近3か月で冷蔵庫を購入した人」や、「東京都千代田区に在住の男性で、車を所有している人」といったターゲットとなる利用者に関する条件を受け付ける。このような場合、情報提供装置10は、利用者情報を参照し、ターゲット条件を満たす利用者を検索する。なお、このような検索処理は、各種公知の検索技術が採用可能である。
【0022】
続いて、情報提供装置10は、ターゲット条件を満たす利用者をターゲットユーザとし、ターゲットユーザの利用者情報を抽出する。そして、情報提供装置10は、抽出した利用者の情報に基づいて、ターゲットユーザの傾向を示す統計情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、各ターゲットユーザの購買履歴、閲覧履歴、投稿履歴、位置履歴、各種属性の共通性に基づいて、ターゲットユーザの傾向を推定する。例えば、情報提供装置10は、ターゲット条件を満たす利用者の過半数が「40代」の「男性」であり、年収が「1000万円以上」であり、「投資」関連のコンテンツを閲覧している、すなわち、「投資」に興味があるといった複数項目に渡る傾向を推定する。また、情報提供装置10は、「投資」や「銀行/金融」、「ニュース/情報メディア」といった分野に対してどれくらい興味を有するかを示すスコアを算出してもよい。このような推定技術は、各種クラスタリングに関する公知技術や、スコア算出技術等、情報分析技術を採用可能である。
【0023】
そして、情報提供装置10は、推定した複数項目にわたる傾向を示す情報をターゲット情報、すなわち、ターゲット条件を満たす利用者の統計情報として操作者に提供する。このような処理の結果、操作者は、例えば、所定の商品のマーケティングにおいて、どのような利用者をターゲットとすればよいかといった分析を容易に行うことができる。
【0024】
[2-3.提供処理について]
ここで、情報提供装置10は、任意の形式でターゲット情報を示すコンテンツを提供してよい。例えば、情報提供装置10は、各傾向を示す情報や、ターゲットユーザの割合(例えば、「男性3割、女性7割」や「30代4割、406割」といった情報)、各種情報に基づいたヒートマップ、ターゲットユーザが他に購入している商品の種別や価格帯等を示すコンテンツを提供してもよい。
【0025】
ここで、複数項目にわたる情報を提供する形式として、レーダーチャートが知られている。このようなレーダーチャートでは、複数項目のそれぞれについて複数段階で評価した評価値を取得し、各項目を所定の中心点からそれぞれ異なる方向へと対応付け、各項目の評価値の値だけ中心点から対応する方向へと離した点を頂点とする多角形を表示することで、複数の項目の相対的な度合を容易に視認させることができる。
【0026】
しかしながら、このようなレーダーチャートには、情報をより容易に認識させるため、改良の余地がある。例えば、ターゲットユーザが金融関連、グルメ関連、ニュース関連といった所定のカテゴリに対して有する興味の度合いを推定し、推定した度合を示すレーダーチャートを表示するといった態様が考えられる。しかしながら、このようなレーダーチャートにおいて、各項目をランダムに各方向と対応付けた場合は、その都度異なるレーダーチャートが表示されてしまう。また、各項目と所定の方向とを対応付ける場合は、項目の組合せごとに適切な方向をあらかじめ設定しなければならず、手間がかかる。
【0027】
一方、項目の相対的な関係性に応じて並べたレーダーチャートを生成した場合、レーダーチャートが示す内容を容易に認識させることができると考えられる。例えば、「金融」といった項目と「投資」といった項目とは、ターゲットユーザが有する特徴のうち比較的近い属性の特徴を示すと考えられる。このように、近い属性の特徴を示す項目を隣接する位置に配置した場合、レーダーチャートが示す情報をより容易に認識させることができると考えられる。
【0028】
そこで、情報提供装置10は、各項目と、所定の属性との関係性に基づいて、各項目と対応付ける方向を決定し、レーダーチャートの生成を行う。例えば、情報提供装置10は、レーダーチャートを構成する各項目について、複数の属性との相対的な関係性を特定する。続いて、情報提供装置10は、特定された関係性と、各項目と対応する値とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する。そして、情報提供装置10は、生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する。
【0029】
[2-4.提供処理について]
以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理の一例について説明する。まず、情報提供装置10は、利用者情報を収集する(ステップS1)。続いて、情報提供装置10は、端末装置100から、生成するコンテンツに関するコンテンツ条件と、ターゲットごとのターゲット条件とを取得する(ステップS2)。
【0030】
ここで、コンテンツ条件とは、どのような統計情報をどのような形態で表示するコンテンツを作成するかを示す情報である。例えば、操作者は、レーダーチャートとして表示する各項目と、各項目に関する属性を指定する。このような場合、端末装置100は、指定された各項目と属性とを示すコンテンツ条件を生成し、生成したコンテンツ条件を情報提供装置10へと送信する。
【0031】
続いて、情報提供装置10は、ターゲット条件ごとに、ターゲット条件を満たす利用者の利用者情報を収集する(ステップS3)。そして、情報提供装置10は、ターゲットごとにコンテンツ条件に応じた複数項目についての値を算出する(ステップS4)。
【0032】
例えば、操作者は、同一のターゲット条件を満たすターゲットユーザ群(以下、「ターゲット」と総称する。)が興味を有する情報の分野を分析する場合、分析対象とする情報の分野を項目として指定する。例えば、操作者は、分析対象の候補としてあらかじめ設定された情報の分野の中から、「ニュース/情報メディア」、「メディア/エンターテイメント」、「ゲーム」、「旅行/出張」、「美容/健康」、「ショッピング」、「グルメ/料理」、「投資」、「銀行/金融」、および「ライフ/趣味」といった分野を項目として選択する。
【0033】
このような場合、情報提供装置10は、ターゲットユーザの利用者情報を分析し、選択された各項目に対するターゲットユーザの興味の強さを数値化する。例えば、情報提供装置10は、ターゲットユーザが「美容/健康」に関連するコンテンツを頻繁に閲覧している場合や、「美容/健康」に関連する商品を購入している場合は、項目「美容/健康」に対する数値をより大きい数値とする。すなわち、情報提供装置10は、数値の算出対象となる項目について、その項目と関連性を有する行動をターゲットユーザが実行している程(すなわち、ターゲットユーザと項目との関連性が高い程)、より高い値の数値を算出する。なお、このような項目ごとの数値計算については、例えば、スコア算出モデル等、ある項目に対する関連性を数値化する各種の公知技術が採用可能である。
【0034】
続いて、情報提供装置10は、コンテンツ条件に応じた属性と、各項目との間の相対的な関係性を特定する(ステップS5)。例えば、操作者は、各項目を並べる順序の基準として、「大衆」、「個別」、「一般」、および「専門」といった4つの属性を選択したものとする。このような場合、情報提供装置10は、「大衆」、「個別」、「一般」、および「専門」のそれぞれと、選択された項目である「ニュース/情報メディア」、「メディア/エンターテイメント」、「ゲーム」、「旅行/出張」、「美容/健康」、「ショッピング」、「グルメ/料理」、「投資」、「銀行/金融」、および「ライフ/趣味」の関係性の強さを特定する。
【0035】
例えば、情報提供装置10は、w2vを用いて、各属性と各項目との間の類似性を示すスコアを算出し、算出したスコアが高い程、関係性が強いと判定する。そして、情報提供装置10は、関係性が強い程より高い値のスコアを算出する。なお、情報提供装置10は、属性と項目との間にあらかじめ設定されたスコアであって、関係性が強い程高い値が設定されるスコアを参照してもよい。そして、情報提供装置10は、関係性が高い順に選択された各項目を並べたランキングを属性ごとに生成する。
【0036】
そして、情報提供装置10は、各項目の値を属性との間の相対的な関係性に応じた位置に配置したレーダーチャートを生成する(ステップS6)。ここで、情報提供装置10は、複数のターゲットについてそれぞれ異なるターゲット条件を取得していた場合、ターゲットごとにレーダーチャートを生成する。そして、情報提供装置10は、ターゲットごとに生成したレーダーチャートを重畳したコンテンツを端末装置100に提供し(ステップS7)、表示させる。
【0037】
[2-5.レーダーチャートの一例について]
以下、図2を用いて、図1のステップS6にてレーダーチャートを生成する処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置が生成するレーダーチャートの一例を示す図である。
【0038】
まず、情報提供装置10は、所定の原点を中心として、隣接する方向間の角度が同じになるように、属性を対応付ける方向を基準方向として決定する。例えば、情報提供装置10は、4つの属性「大衆」、「個別」、「一般」、および「専門」が選択された場合は、原点を中心とし、縦軸および横軸を構成する4つの方向(すなわち、上下左右)にを基準方向とする。そして、情報提供装置10は、各基準方向に対して、「大衆」、「個別」、「一般」、および「専門」をそれぞれ対応付ける。
【0039】
ここで、情報提供装置10は、操作者からどの方向を基準方向とするかの指定を受け付けてもよく、どの基準方向にどの属性を対応付けるかの指定を受け付けてもよい。また、情報提供装置10は、所定のルールに従って、各属性を対応付ける方法を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、属性同士の相対的な関連性に基づいて、基準方向と前記属性とを対応付けてもよい。
【0040】
例えば、情報提供装置10は、指定された属性の中から対応する概念を有する2つの属性の組を特定する。例えば、情報提供装置10は、「大衆」と「個別」との組、および、「一般」と「専門」との組を特定する。そして、情報提供装置10は、同一の軸を構成する2つの基準方向、すなわち、相互に反転する基準方向のそれぞれに、同一の組に含まれる属性を対応付ける。例えば、情報提供装置10は、図2に示す紙面上方向(以下、基準方向A1とする)に属性「大衆」を対応付け、紙面下方向(以下、基準方向A2とする)に属性「個別」を対応付ける。また、情報提供装置10は、図2に示す紙面右方向(以下、基準方向A3とする)に属性「一般」を対応付け、紙面左方向(以下、基準方向A4とする)に属性「専門」を対応付ける。
【0041】
なお、このような対応する概念を有する2つの属性の組は、あらかじめ設定されたものであってもよい。また、例えば、情報提供装置10は、w2vの空間内において反対方向を向くベクトルに投影される属性同士を、対応する概念を有する2つの属性の組としてもよい。
【0042】
続いて、情報提供装置10は、基準方向の間に複数の表示方向を設定し、設定した各表示方向に対し、選択された項目を対応付ける。この際、情報提供装置10は、基準方向と同じ方向に表示方向を設定してもよい。そして、情報提供装置10は、ある項目について、その項目と所定の属性との関係性が高い程、その所定の属性が対応付けられた基準方向との間の角度が小さい表示方向に対し、その項目を対応付ける。
【0043】
例えば、情報提供装置10は、属性「大衆」に対して、項目「ニュース/情報メディア」が最も関連性が高い場合、属性「大衆」を対応付けた基準方向A1との間の角度が最も少ない表示方向I1(図2に示す例では、基準方向A1と同じ方向)に対し、項目「ニュース/情報メディア」を対応付ける。また、情報提供装置10は、属性「大衆」に対して、項目「メディア/エンターテイメント」が2番目に関連性が高い場合、属性「大衆」を対応付けた基準方向A1との間の角度が2番目に少ない表示方向I2若しくは表示方向I10に項目「メディア/エンターテイメント」を対応付けることとなる。ここで、項目「メディア/エンターテイメント」は、属性「専門」よりも属性「一般」との関係性が高いと考えられる。そこで、情報提供装置10は、表示方向I2および表示方向I10のうち、属性「一般」を対応付けた基準方向A3との間の角度がより小さい表示方向I2に対し、項目「メディア/エンターテイメント」を対応付ける。
【0044】
また、情報提供装置10は、項目「ゲーム」と各属性との間の関係性を推定する。例えば、項目「ゲーム」と属性「一般」との関係性が「メディア/エンターテイメント」と属性「一般」との関係性よりも強いが、項目「ゲーム」と属性「大衆」との関係性が「メディア/エンターテイメント」と属性「大衆」との関係性よりも弱いものとする。このような場合、項目「ゲーム」の表示方向として、「メディア/エンターテイメント」と対応付けた表示方向I2よりも属性「大衆」を対応付けた基準方向A1から遠く(中心角度が大きく、表示方向I2よりも属性「一般」を対応付けた基準方向A3に近い(中心角度が小さい)表示方向、すなわち、表示方向I3を選択し、項目「ゲーム」を対応付ける。
【0045】
このような処理を繰り返し行うことで、情報提供装置10は、図2に示すように、表示方向I1に項目「ニュース/情報メディア」を対応付け、表示方向I2に項目「メディア/エンターテイメント」を対応付け、表示方向I3に項目「ゲーム」を対応付け、表示方向I4に項目「旅行/出張」を対応付ける。また、情報提供装置10は、図2に示すように、表示方向I5に項目「美容/健康」を対応付け、表示方向I6に項目「ショッピング」を対応付け、表示方向I7に項目「グルメ/料理」を対応付け、表示方向I8に項目「投資」を対応付ける。また、情報提供装置10は、図2に示すように、表示方向I9に項目「銀行/金融」を対応付け、表示方向I10に項目「ライフ/趣味」を対応付ける。
【0046】
そして、情報提供装置10は、各項目が対応付けられた方向であって、原点から各項目の値と対応する距離だけ話した位置に頂点を有する多角形をレーダーチャートとして描画する。また、情報提供装置10は、複数のターゲットについてターゲット条件が設定されている場合は、同一の属性および同一の項目について、各ターゲットごとに生成したレーダーチャートを重畳する。例えば、情報提供装置10は、第1ターゲットに関するレーダーチャートと、第2ターゲットに関するレーダーチャートとを重畳したコンテンツを生成する。
【0047】
このように、情報提供装置10は、レーダーチャート上に基準方向を設定し、各基準方向に項目とは個別に設定される属性を設定し、各属性との相対的な関係性に応じて、レーダーチャートとして表示する各項目の配置方向を設定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、1つのレーダーチャートにおいて、各項目の値のみならず、各項目の関係性を示すことができるので、複数の情報を容易に認識可能なレーダーチャートを生成することができる。
【0048】
[2-4.項目の選択について]
上述した例では、情報提供装置10は、操作者からコンテンツ条件として、項目の指定を受け付けた。ここで、情報提供装置10は、任意の態様で、項目の指定を受け付けてよい。例えば、情報提供装置10は、w2v等といった各種テキスト解析技術を用いて、操作者がテキスト入力した項目と、利用者情報に含まれる文字列との間の関係性の強さを推定し、推定した強さを示す指標値を項目の値としてもよい。また、情報提供装置10は、同様のテキスト解析技術を用いて、指定された属性と入力された項目との間の関係性を特定してもよい。また、情報提供装置10は、あらかじめ設定された項目の候補の中から、利用者が選択した項目について、レーダーチャートを生成してもよい。
【0049】
また、情報提供装置10は、項目を自動的に選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、ターゲット条件に合致する利用者情報を特定し、あらかじめ定められた所定の項目について、特定した利用者情報が有する傾向を示す値を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した値が高い方から順に所定の数の項目や、値が所定の閾値を超える項目を表示対象として選択してもよい。
【0050】
また、情報提供装置10は、利用者が選択した属性に基づいて、レーダーチャートを構成する各項目を選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、あらかじめ定められた所定の項目と指定された属性との間の関係性の強さを示すスコアを、選択された属性ごとに算出する。そして、情報提供装置10は、スコアの合計値が所定の閾値を超える項目や、スコアの合計値が高い方から順に所定数の項目を表示対象としてもよい。また、情報提供装置10は、スコアの合計値が所定の閾値を超える項目や、スコアの合計値が高い方から順に所定数の項目を、表示対象の候補として操作者に提供し、操作者が選択した候補を表示対象としてもよい。
【0051】
[2-5.属性の自動選択について]
上述した例では、情報提供装置10は、操作者からコンテンツ条件として、属性の指定を受け付けた。ここで、情報提供装置10は、任意の態様で、属性の指定を受け付けてよい。例えば、情報提供装置10は、テキストで属性の指摘を受け付けた場合、w2v等といった各種テキスト解析技術を用いて、操作者がテキスト入力した属性と、表示対象となる項目との間の関係性を特定してもよい。また、情報提供装置10は、あらかじめ設定された属性の候補の中から、利用者が選択した属性について、レーダーチャートを生成してもよい。
【0052】
また、情報提供装置10は、表示対象となる項目に基づいて、属性を選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、ターゲット条件に合致する利用者情報が有する傾向に基づいて自動的に選択された項目や、操作者により選択された項目を表示対象となる項目とし、表示対象となる項目と、あらかじめ定めれた複数の属性との間の関係性の強さを示すスコアを算出する。そして、情報提供装置10は、算出されたスコアの値が所定の閾値を超える属性を選択し、選択した属性に基づいて、レーダーチャートを生成してもよい。また、情報提供装置10は、上述した処理により複数の属性の候補を選択し、選択した属性の候補の中から操作者が選択した属性に基づいて、レーダーチャートを生成してもよい。
【0053】
[2-5.対象情報について]
上述した説明では、情報提供装置10は、操作者から受け付けたターゲット条件(すなわち、条件情報)を満たす利用者の利用者情報を取得し、利用者情報の共通性に基づいて、各項目の値を算出した。例えば、情報提供装置10は、ある項目について、関係性が高い利用者が情報が多い程、その項目の値としてより高い値を算出した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、利用者情報以外にも、各種任意の情報について、上述した処理を実行し、レーダーチャートの生成を行ってもよい。
【0054】
[2-6.レーダーチャートについて]
また、情報提供装置10は、任意の態様のレーダーチャートを生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、基準方向として、同一の軸を構成する2方向(例えば、上下方向や左右方向)を基準方向としてもよく、例えば、中心角が同じ角度となるように設定された任意の数の方向を基準方向とし、それぞれに対して属性を設定してもよい。また、情報提供装置10は、例えば、3次元空間に含まれる各方向について、基準方向を設定したレーダーチャートを生成してもよい。また、情報提供装置10は、基準方向の中心角が90度となるように(すなわち、基準方向が基底を構成するように)してもよく、中心角を30度や60度といった角度にしてもよい。
【0055】
また、情報提供装置10は、属性間の関係性の強さに基づいて、基準方向を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、属性間の類似性が高い程、基準方向間の中心の角度が小さくなるように、基準方向を設定してもよい。また、情報提供装置10は、基準方向と同じ方向に表示方向を設定してもよく、基準方向と重複しないように、表示方向を設定してもよい。また、情報提供装置10は、基準方向や表示方向の設定を、操作者からコンテンツ条件として受け付けてもよい。
【0056】
また、情報提供装置10は、各項目の値としてマイナスの値が含まれるような場合は、表示対象となる項目の値に応じてレーダーチャート内の0位置を決定する。例えば、情報提供装置10は、表示対象となる項目の最大値と最小値との差分に基づいて、項目の値が0である場合に頂点が配置される0位置を決定する。ここで、情報提供装置10は、各項目の0位置が、正多角形を構成するように0位置を決定する。そして、情報提供装置10は、決定した0位置を基準として、レーダーチャートの生成を行ってもよい。
【0057】
[3.情報提供装置の構成]
以下、図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【0058】
図3に示すように、情報提供装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。なお、図3は、情報提供装置10の構成例を示すものであり、図3に示す形態には限られず、図3に示す以外の他の機能部を備える形態であってもよい。
【0059】
通信部11は、例えば、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置100などの他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)やアンテナなどによって実現される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)や、電話網(携帯電話網や固定電話網など)や、地域IP(Internet Protocol)網や、インターネットなどの通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0060】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部12は、制御部13の各部により実行される情報処理を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。
【0061】
図3に示すように、記憶部12は、利用者情報データベース121を有する、利用者情報データベース121には、各種の利用者情報が任意の形式で登録されているものとする。なお、利用者情報データベース121は、例えば、各種外部のストレージサーバ等に登録されていてもよい。
【0062】
制御部13は、情報提供装置10を制御するコントローラ(controller)である。制御部13は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0063】
また、制御部13は、CPUとGPU等、複数種別の装置が協調して動作することにより実現されてもよい。また、制御部13が発揮する機能は、例えば、一部がCPU側で実行され、一部がCPUの指示によりGPUを動作させることで実現されてもよい。
【0064】
図3に示すように、制御部13は、受付部14、選択部15、特定部16、生成部17、および提供部18を有する。制御部13は、これらの各部により、提供処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、図3に示した構成に限られず、他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0065】
受付部14は、コンテンツ条件やターゲット条件を受け付ける。例えば、受付部14は、ターゲット条件として、レーダーチャートの表示対象となる利用者に関する条件を受け付ける。このような場合、受付部14は、利用者情報データベース121を参照し、ターゲット条件を満たす利用者の利用者情報を抽出する。なお、受付部14は、外部のストレージサーバ等に対して、ターゲット条件に基づく検索クエリを提供することにより、ターゲット条件を満たす利用者の利用者情報を取得してもよい。
【0066】
また、受付部14は、コンテンツ条件として、属性の指定、もしくは、項目の指定を受け付ける。なお、受付部14は、属性および項目の指定を受け付けてもよい。また、受付部14は、基準方向や表示方向の指定を受け付けてもよい。
【0067】
選択部15は、項目を選択する項目選択部、もしくは、属性を選択する属性選択部として動作する。例えば、選択部15は、操作者により選択された属性に基づいて、レーダーチャートを構成する各項目を選択する。より具体的な例を挙げると、選択部15は、操作者が属性のみを選択し項目を所定数選択していない場合は、選択された属性に基づいて、項目の自動選択を行う。
【0068】
例えば、選択部15は、あらかじめ定めれた項目のうち、選択された属性との関連性が所定の閾値を超える複数の項目を選択してもよい。また、選択部15は、例えば、ターゲット条件に合致する利用者の利用者情報が有する共通性や傾向に基づいて項目を選択してもよい。例えば、選択部15は、各項目について、利用者情報に基づいたスコア(例えば、興味を有する若しくは関連性が高い程高い値となるスコア)を算出し、算出したスコアの値が所定の閾値を超える所定数の項目を表示対象として選択してもよい。
【0069】
また、選択部15は、例えば、複数のターゲットが存在する場合、ターゲットごとに、各項目のスコアを算出し、算出したスコアの値が所定の条件を満たす項目を選択してもよい。例えば、選択部15は、各スコアの値が所定の閾値を超える項目を選択してもよく、項目ごとに算出したスコアの合計値が所定の閾値を超える項目を選択してもよい。
【0070】
また、選択部15は、操作者が属性を選択していない場合、属性選択部として項目を自動的に選択する。例えば、選択部15は、利用者が選択した項目と関連性が高い所定数の属性を選択してもよい。また、選択部15は、利用者情報等から自動的に選択された項目と関連性が高い所定数の属性を選択してもよい。また、選択部15は、例えば、対応する2つの属性の組を選択するようにしてもよい。この場合、選択部15は、組ごとに、関連性が高い項目の数や各項目と属性との間の関連性のスコアを算出し、算出したスコアの合計値が高い属性の組を選択することで、項目と属性との間の関係性の偏りを軽減するようにしてもよい。
【0071】
なお、上述した選択部15の処理は、あくまで一例であり、選択部15は、任意の態様で、属性および項目の選択を行ってよい。
【0072】
特定部16は、レーダーチャートを構成する各項目について、複数の属性との相対的な関係性を特定する。例えば、特定部16は、操作者により、もしくは、選択部15により選択された項目と属性とを取得する。このような場合、特定部16は、あらかじめ属性と項目との間の関係性を定めた関係性テーブルを参照し、項目と属性との間の関係性を示すスコアを特定する。なお、特定部16は、w2v等の言語処理技術を用いて関係性を示すスコアを特定してもよい。このようなスコアの値の差は、属性と項目との間の関係性を示すこととなる。
【0073】
生成部17は、特定部16により特定された関係性と、各項目と対応する値とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する。例えば、生成部17は、各属性を基準方向に対応付ける。ここで、生成部17は、対応する2つの属性を、反対方向の基準方向に対応付けるようにする。
【0074】
また、生成部17は、相対的に関係性が高い属性を対応付けた基準方向とより中心角が小さく、相対的な関係性が低い属性を対応付けた基準方向とより中心角が大きい表示方向に、各項目を対応付ける。このような処理の結果、生成部17は、所定の原点を中心としてあらかじめ定められた複数の基準方向に対してそれぞれ異なる属性を対応付け、各項目を、各軸と対応する属性との関係性が高い程、原点を中心とした角度であってその属性と対応する基準方向との間の角度が小さい方向と対応付ける。
【0075】
また、生成部17は、ターゲットごとに、各項目の値を算出する。例えば、生成部17は、各項目と関連するコンテンツ等の対象に対する興味の度合いを値として算出する。そして、生成部17は、項目ごとに、その項目と対応する値に応じた距離だけ原点からその項目と対応する方向へ離した位置をその項目と対応する値に応じた位置とするレーダーチャートを生成する。
【0076】
なお、生成部17は、例えば、2次元平面状に4つ以上の基準方向を設定する場合、属性同士の相対的な関連性に基づいて、基準方向と前記属性とを対応付けてもよい。例えば、生成部17は、関連性がより高い属性程、より中心角の角度が小さい基準方向に対応付けるようにしてもよい。
【0077】
なお、生成部17は、操作者から、基準方向と属性との対応、もしくは表示方向と属性との対応の指定を受け付けた場合、かかる指定に従って、レーダーチャートを生成してもよい。また、生成部17は、ターゲットごとに、レーダーチャートを生成し、生成したレーダーチャートを重畳したコンテンツを生成する。
【0078】
提供部18は、生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する。例えば、提供部18は、生成部17が生成した複数のコンテンツを重畳したコンテンツを端末装置100へと送信する。
【0079】
[4.処理手順]
以下、図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置10による処理手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報提供装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0080】
図4に示すように、情報提供装置10は、生成条件とターゲット条件とを受け付けたか否かを判定し(ステップS101)、受け付けていない場合は(ステップS101:No)、受け付けるまで待機する。そして、情報提供装置10は、生成条件とターゲット条件とを受け付けた場合は(ステップS101:Yes)、ターゲット条件と対応する利用者情報を取得する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、ターゲット条件に応じた項目ごとの値を算出する(ステップS103)。そして、情報提供装置10は、ターゲット条件に応じた属性と項目との間の相対的な関係性を特定する(ステップS104)。その後、情報提供装置10は、特定した関係性と、値とに応じた位置に頂点を有するレーダーチャートを生成し(ステップS105)、レーダーチャートを示すコンテンツを提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0081】
〔5.変形例〕
上記では、提供処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、提供処理の変形例について説明する。なお、以下に説明する提供処理は、端末装置100側が発揮する機能により実現されてもよく、情報提供装置10側が発揮する機能により実現されてもよい。
【0082】
〔5-1.装置構成〕
上記実施形態では、情報提供装置10は、端末装置100とは異なる装置として動作した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10と同様の機能は、端末装置100単独により実現されてもよい。このような場合、端末装置100は、例えば、外部のストレージサーバ等に登録された利用者情報のうち、ターゲット条件を満たす利用者の利用者情報を収集して、上述した各種の処理を実現してもよい。
【0083】
〔5-2.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0085】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0086】
〔5-3.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置10および端末装置100は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0087】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0088】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0089】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0090】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0091】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0092】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13と同様の機能を実現する。また、コンピュータ1000が端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13と同様の機能を実現する。
【0093】
〔7.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、レーダーチャートを構成する各項目について、複数の属性との相対的な関係性を特定し、特定された関係性と、各項目と対応する値とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成し、生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者の各項目に関する情報のみならず、項目と属性との間の関係性を示すレーダーチャートを提供するので、より多種の情報を認識可能なレーダーチャートを提供することができる。
【0094】
また、情報提供装置10は、操作者により選択された属性に基づいて、レーダーチャートを構成する各項目を選択し、選択された各項目について、操作者により選択された属性との間の相対的な関係性を特定する。また、情報提供装置10は、属性に基づいて、レーダーチャートを構成する各項目の候補を選択し、選択された各項目の候補の中から操作者により選択された項目について、操作者により選択された属性との間の相対的な関係性を特定する。
【0095】
また、情報提供装置10は、操作者により選択された項目に基づいて、複数の属性を選択し、操作者により選択された各項目について、属性選択部により選択された属性との間の相対的な関係性を特定する。また、情報提供装置10は、操作者により選択された項目に基づいて、複数の属性の候補を選択し、操作者により選択された各項目について、属性選択部により選択された属性の候補のうち、操作者により選択された属性との間の相対的な関係性を特定する。
【0096】
また、情報提供装置10は、所定の原点を中心としてあらかじめ定められた複数の基準方向に対してそれぞれ異なる属性を対応付け、各項目を、各軸と対応する属性との関係性が高い程、原点を中心とした角度であってその属性と対応する基準方向との間の角度が小さい方向と対応付ける。そして、情報提供装置10は、項目ごとに、その項目と対応する値に応じた距離だけ原点からその項目と対応する方向へ離した位置をその項目と対応する値に応じた位置とするレーダーチャートを生成する。
【0097】
また、情報提供装置10は、属性同士の相対的な関連性に基づいて、基準方向と属性とを対応付ける。また、情報提供装置10は、対応する概念を有する2つの属性を、同一の軸を構成する2つの基準方向のそれぞれと対応付ける。また、情報提供装置10は、操作者により選択された属性と対応する概念を有する属性を特定し、特定した属性を、操作者により選択された属性を対応付けた基準方向とは逆の基準方向と対応付ける。
【0098】
また、情報提供装置10は、第1情報群が有する項目のうち所定の項目と複数の属性とに基づいて第1レーダーチャートを生成するとともに、第2情報群が有する項目のうち所定の項目と複数の属性とに基づいて第2レーダーチャートを生成し、第1レーダーチャートと第2レーダーチャートとを重畳したコンテンツを提供する。また、情報提供装置10は、操作者から受け付けた条件情報を満たす利用者の利用者情報の共通性に基づいて、各項目の値を算出し、算出した値に応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する。
【0099】
これらの処理の結果、情報提供装置10は、項目のみならず、項目間の関係性や属性と項目との関係性を示すレーダーチャートを提供するので、より多種の情報を認識可能なレーダーチャートを提供することができる。
【0100】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0101】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
121 利用者情報データベース
13 制御部
14 受付部
15 選択部
16 特定部
17 生成部
18 提供部
100 端末装置
【要約】
【課題】より多種の情報を認識可能なレーダーチャートを提供する。
【解決手段】本願に係る提供装置は、レーダーチャートを構成する各項目について、複数の属性との相対的な関係性を特定する特定部と、前記特定部により特定された関係性と、各項目と対応する値とに応じた位置に頂点を配置したレーダーチャートを生成する生成部と、前記生成部により生成されたレーダーチャートを示すコンテンツを提供する提供部とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5