(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2021101221
(22)【出願日】2021-06-17
【審査請求日】2022-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
(72)【発明者】
【氏名】野口 真史
(72)【発明者】
【氏名】助光 康大
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-058924(JP,A)
【文献】特開2016-110278(JP,A)
【文献】特開2021-026454(JP,A)
【文献】特開2016-126573(JP,A)
【文献】特開2007-323239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する収集部と、
収集した前記入力情報に基づいて前記集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する推定部と、
推定した前記特徴情報に基づいて生成した前記集合住宅に関する集合住宅情報を提供する提供部と
、
を備え
、
前記提供部は、
前記集合住宅を構成する各住戸のうち、利用者によって指定された住戸を注目住戸として、前記注目住戸と他の住戸との前記特徴情報の差分を示す情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記集合住宅の生活環境に関する情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記集合住宅の販売価格に関わる情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記集合住宅の賃料に関わる情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記収集部は、
前記集合住宅の周辺に関する周辺情報をさらに収集し、
前記推定部は、
前記入力情報および前記周辺情報に基づいて前記特徴情報を推定すること
を特徴とする請求項1~
4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記特徴情報をテキスト形式に変換した前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする請求項1~
5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記特徴情報に基づいて、前記集合住宅を仮想的に表示する画像形式の前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする請求項1~
6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する収集工程と、
収集した前記入力情報に基づいて前記集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する推定工程と、
推定した前記特徴情報に基づいて生成した前記集合住宅に関する集合住宅情報を提供する提供工程と
、
を含
み、
前記提供工程は、
前記集合住宅を構成する各住戸のうち、利用者によって指定された住戸を注目住戸として、前記注目住戸と他の住戸との前記特徴情報の差分を示す情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する収集手順と、
収集した前記入力情報に基づいて前記集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する推定手順と、
推定した前記特徴情報に基づいて生成した前記集合住宅に関する集合住宅情報を提供する提供手順と
、
をコンピュータに実行させ
、
前記提供手順は、
前記集合住宅を構成する各住戸のうち、利用者によって指定された住戸を注目住戸として、前記注目住戸と他の住戸との前記特徴情報の差分を示す情報を含む前記集合住宅情報を提供すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、様々な情報分析技術が提案されている。例えば、住宅等の不動産の売買に関して、集合住宅の中の2以上の各住居の価格を各住居に対応付けて出力する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、各住居の価格をそれぞれの住居に対応付けて出力しているにすぎず、集合住宅に関するより有用な情報を提供する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、集合住宅に関するより有用な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、収集部と、推定部と、提供部とを備える。前記収集部は、集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する。前記推定部は、収集した前記入力情報に基づいて前記集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する。前記提供部は、推定した前記特徴情報に基づいて生成した前記集合住宅に関する集合住宅情報を提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、集合住宅に関するより有用な情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る集合住宅データベースの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照して、実施形態に係る情報処理方法の概要について説明する。
【0011】
〔
図1に示す情報処理〕
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。実施形態に係る情報処理方法は、
図1に示す情報処理装置1によって実行される。具体的には、実施形態に係る情報処理装置1は、情報処理方法を実行することで、住居者等の利用者が集合住宅の各住戸に関して入力した入力情報に基づいて集合住宅に関する情報を提供する。
【0012】
具体的には、まず、情報処理装置1は、集合住宅を構成する各住戸に関して利用者が入力した入力情報を収集する(ステップS1)。集合住宅は、例えば、マンション等のように1棟の建物内に複数の住戸が存在する住宅である。なお、集合住宅は、複数の一戸建てが建築された分譲地であってもよい。利用者は、例えば、集合住宅の各住戸に居住する住居者であるが、これに限らず、集合住宅以外の住戸に居住する住居者や、集合住宅を訪れたことがある人、集合住宅の販売に関わった販売者(売主や仲介業者)等であってもよい。つまり、利用者は、集合住宅に対してなにかしらの接点がある人であればよい。
【0013】
入力情報は、例えば、住戸の属性情報(間取り、床面積、設備、階数、販売価格等)や、環境情報(風通し、日当たり、室内温度、湿度等)、住居者情報(年収、職種、勤務時間帯、家族構成、年齢等)等を含む。
【0014】
なお、入力情報は、利用者によって手入力される情報に限らず、例えば、端末装置100が有するセンサで検出された情報であってもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、収集した入力情報に基づいて集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する(ステップS2)。特徴情報は、集合住宅全体の特徴であり、例えば、集合住宅に居住する住居者全体の情報(年齢層や、年収、家族構成等)や、集合住宅の設備に関する情報、集合住宅の環境情報(何階以上の日当たりが良好、何階以上は風通しが良好等)を含む。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、推定した特徴情報に基づいて集合住宅に関する集合住宅情報を生成する(ステップS3)。集合住宅情報は、特徴情報そのものであってもよく、特徴情報に基づいて生成した新たな情報であってもよい。新たな情報は、例えば、集合住宅を丸ごと売却する場合の売却価格や、住戸毎の売却価格等を含む。また、新たな情報は、例えば、集合住宅の共用部や、各住戸を仮想空間に表示するための情報であってもよい。あるいは、新たな情報は、集合住宅の各階層における日当たり率や、各階層における風通しを示す指標、各階層における時間毎の人流、各階層における時間毎の騒音、各住戸同士の設備の違い等であってもよい。
【0017】
そして、情報処理装置1は、生成した集合住宅情報を、例えば、集合住宅の住戸の購入を希望している購入希望者の端末装置200に対して提供する(ステップS4)。なお、情報処理装置1は、集合住宅の住戸に居住する住居者の端末装置100に対して集合住宅情報を提供してもよい。
【0018】
このように、実施形態に係る情報処理方法によれば、例えば、購入希望者や住居者等に対して、集合住宅に関するより有用な情報を提供することができる。
【0019】
以下、このような情報処理方法を実行する情報処理装置1について詳細に説明する。
【0020】
〔情報提供システム〕
次に、
図2を参照して、情報処理装置1を含むシステムの構成例について説明する。
【0021】
〔情報処理システムの構成要素〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの一例を示す図である。
図2に示されるように、情報処理システムSは、情報処理装置1、住居者端末100および購入希望者端末200等の構成要素を含む。
図2中では図示していないが、情報処理システムSは、複数台の情報処理装置1や、複数台の住居者端末100や、複数台の購入希望者端末200を含んでもよい。また、情報処理システムSは、情報処理装置1に関係するエンティティ(例えば、業者、エンドユーザ)の装置等の、他の構成要素を含んでもよい。
【0022】
情報処理システムSにおいて、情報処理装置1、住居者端末100および購入希望者端末200は、それぞれネットワークNと有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。情報処理システムSの構成要素は、ネットワークNを介して互いに通信を行うことができる。
【0023】
情報処理装置1は、例えば、サーバ装置として構成される。情報処理装置1は、集合住宅に関する集合住宅情報を提供するための処理を実行する。なお、複数台の情報処理装置1が、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ等の各種サーバの機能をそれぞれ提供してもよい。情報処理装置1の構成例の詳細については、後述する。
【0024】
住居者端末100は、集合住宅を構成する各住戸の住居者によって利用される情報処理装置である。住居者端末100は、インターネット上の各種サービス(例えば、ポータルサイト、ポータルアプリ)を介して、入力情報を情報処理装置1へ送信したり、情報処理装置1から集合住宅情報を受信したりすることができる。住居者端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等のクライアント装置を含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0025】
購入希望者端末200は、集合住宅の住戸を購入を希望しているユーザ(あるいは住戸の賃貸を希望しているユーザ)によって利用される情報処理装置である。購入希望者端末200は、インターネット上の各種サービス(例えば、ポータルサイト、ポータルアプリ)を介して、集合住宅の検索クエリを情報処理装置1へ送信したり、集合住宅情報を情報処理装置1から受信したりすることができる。購入希望者端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等のクライアント装置を含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0026】
〔情報処理装置の構成〕
図2に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0027】
(通信部2)
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。通信部2は、住居者端末100および購入希望者端末200に、ネットワークNを介して、通信可能に接続されることで、情報の送受信を行うことができる。
【0028】
(記憶部4)
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示されるように、記憶部4は、集合住宅データベース410を有する。
【0029】
(集合住宅データベース410)
図3は、実施形態に係る集合住宅データベース410の一例を示す図である。集合住宅データベース410は、集合住宅に関する情報を記憶する。
【0030】
図3の例では、集合住宅データベース410は、「集合住宅ID」、「入力情報」、「集合住宅情報」等の項目を有する。
【0031】
「集合住宅ID」は、集合住宅を識別するための識別子を示す。「入力情報」は、集合住宅を構成する各住戸に関して利用者が入力した情報である。「集合住宅情報」は、後述する生成部33によって生成された集合住宅情報を示す。
【0032】
例えば、
図3は、集合住宅ID「集合住宅#1」で識別される集合住宅の入力情報が「入力情報#1-1」であり、集合住宅情報が「集合住宅情報#1-1」であることを示している。集合住宅ID「集合住宅#1」は、例えば、所定の文字列である。入力情報「入力情報#1-1」は、例えば、住戸の属性情報(間取り、床面積、設備、階数、販売価格等)や、環境情報(風通し、日当たり、室内温度、湿度等)、住居者情報(年収、職種、勤務時間帯、家族構成、年齢等)等を含む。「集合住宅情報」は、後述する推定部32によって推定された特徴情報そのものであってもよく、特徴情報に基づいて生成した新たな情報であってもよい。新たな情報は、例えば、集合住宅を丸ごと売却する場合の売却価格や、住戸毎の売却価格等を含む。また、新たな情報は、例えば、集合住宅の共用部や、各住戸を仮想空間に表示するための情報であってもよい。あるいは、新たな情報は、集合住宅の各階層における日当たり率や、各階層における風通しを示す指標、各階層における時間毎の人流、各階層における時間毎の騒音、各住戸同士の設備の違い等であってもよい。
【0033】
(制御部3)
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(判定プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0034】
制御部3は、
図2に示されるように、収集部31と、推定部32と、生成部33と、提供部34とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。また、制御部3は、
図1を参照して上述した情報処理を実現することができる。情報処理装置1の1つまたは複数のプロセッサは、情報処理装置1の1つまたは複数のメモリに記憶された命令を実行することによって、制御部3内の各制御部の機能を実現することができる。なお、制御部3の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。例えば、推定部32は、推定部32以外の部に関して後述する情報処理の全部または一部を行ってもよい。
【0035】
収集部31は、集合住宅を構成する各住戸に関して利用者が入力した入力情報を収集する。入力情報は、例えば、住戸の属性情報(間取り、床面積、設備、階数、販売価格等)や、環境情報(風通し、日当たり、室内温度、湿度等)、住居者情報(年収、職種、勤務時間帯、家族構成、年齢等)等を含む。
【0036】
なお、収集部31は、利用者の属性に応じて入力情報を取捨選択してもよい。例えば、収集部31は、集合住宅に居住する住居者や、集合住宅の販売者(売主や仲介業者)が入力した入力情報については収集し、それ以外のユーザが入力した入力情報については破棄してもよい。
【0037】
つまり、収集部31は、集合住宅と接点があるユーザの入力情報を収集し、集合住宅と接点が無い、もしくは、集合住宅の周辺の物件を販売している販売者の入力情報を破棄する。これにより、悪意のあるユーザが入力した偽の入力情報を破棄して、集合住宅と接点があるユーザの真の入力情報のみを収集することができる。
【0038】
また、収集部31は、集合住宅の周辺に関する周辺情報を収集する。周辺情報は、例えば、ショッピングモール等の施設に関する情報や、電車等の交通機関に関する情報を含む。
【0039】
推定部32は、収集部31が収集した入力情報に基づいて集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する。特徴情報は、集合住宅全体の特徴であり、例えば、集合住宅に居住する住居者全体の情報(年齢層や、年収、家族構成等)や、集合住宅の設備に関する情報(設備性能等)、集合住宅の環境情報(何階以上の日当たりが良好、何階以上は風通しが良好等)を含む。
【0040】
また、推定部32は、入力情報に加え、収集部31が収集した周辺情報を加味して特徴情報を推定してもよい。例えば、推定部32は、周辺の施設に伴う人や車の混雑を予測し、時間や曜日毎の混雑の情報を含む特徴情報を推定する。また、推定部32は、例えば、電車が通過した際の騒音や振動の広がりを予測し、集合住宅における騒音や振動の影響の情報を含む特徴情報を推定する。
【0041】
生成部33は、推定部32によって推定された特徴情報に基づいて集合住宅に関する集合住宅情報を生成する。例えば、生成部33は、特徴情報をテキスト形式に変換した集合住宅情報を生成する。
【0042】
また、生成部33は、特徴情報に基づいて、集合住宅の共用部や住戸を仮想空間やディスプレイ等に表示する画像形式の集合住宅情報を生成してもよい。
【0043】
集合住宅情報は、例えば、集合住宅を丸ごと売却する場合の売却価格や、住戸毎の売却価格等のような販売価格に関わる情報を含む。また、集合住宅情報は、集合住宅の各階層における日当たり率や、各階層における風通しを示す指標、各階層における時間毎の人流、各階層における時間毎の騒音等のような生活環境に関わる情報を含む。また、集合住宅情報は、例えば、各住戸間での設備性能の違い等であってもよい。
【0044】
また、集合住宅情報は、例えば、利用者によって指定された住戸を注目住戸として、注目住戸と他の住戸との特徴情報の差分を示す情報であってもよい。
【0045】
また、生成部33は、集合住宅の住戸が賃貸の場合には、特徴情報に基づいて適切な賃料を算出し、現在の賃料の差分に応じて賃料の値下げ(または値上げ)を提案するための集合住宅情報を生成してもよい。あるいは、集合住宅情報は、適切な賃料の情報であってもよい。つまり、生成部33は、集合住宅の住戸が賃貸の場合には、賃料に関する情報を集合住宅情報として生成する。
【0046】
提供部34は、生成部33によって生成された集合住宅情報を利用者である住居者や購入希望者へ提供する。具体的には、提供部34は、住居者端末100や購入希望者端末200へ集合住宅情報を提供する。
【0047】
〔処理フロー〕
次に、
図4を参照して、実施形態に係る情報処理装置1による処理の手順について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置1によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図4に示すように、制御部3は、集合住宅を構成する各住戸に関して利用者が入力した入力情報を収集する(ステップS101)。
【0049】
つづいて、制御部3は、集合住宅の周辺情報を収集する(ステップS102)。
【0050】
つづいて、制御部3は、収集した入力情報および周辺情報に基づいて、集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する(ステップS103)。
【0051】
つづいて、制御部3は、推定した特徴情報に基づいて生成した集合住宅に関する集合住宅情報を提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0052】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0053】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0054】
例えば、
図2に示した記憶部4の一部又は全部は、情報処理装置1によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、情報処理装置1は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0055】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0056】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0057】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0058】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0059】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0060】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0061】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0062】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、収集部31と、推定部32と、提供部34とを備える。収集部31は、集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する。推定部32は、収集した入力情報に基づいて集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する。提供部34は、推定した特徴情報に基づいて生成した集合住宅に関する集合住宅情報を提供する。提供部34は、集合住宅の生活環境に関する情報を含む集合住宅情報を提供する。提供部34は、集合住宅の販売価格に関わる情報を含む集合住宅情報を提供する。提供部34は、集合住宅の賃料に関わる情報を含む集合住宅情報を提供する。提供部34は、集合住宅を構成する各住戸のうち、利用者によって指定された住戸を注目住戸として、注目住戸と他の住戸との特徴情報の差分を示す情報を含む集合住宅情報を提供する。収集部31は、集合住宅の周辺に関する周辺情報をさらに収集する。推定部32は、入力情報および周辺情報に基づいて特徴情報を推定する。提供部34は、特徴情報をテキスト形式に変換した集合住宅情報を提供する。提供部34は、特徴情報に基づいて、集合住宅を仮想的に表示する画像形式の集合住宅情報を提供する。このような構成により、集合住宅に関するより有用な情報を提供することができる。
【0063】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0064】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0065】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0066】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0067】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、推定部32は、推定手段や推定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 収集部
32 推定部
33 生成部
34 提供部
100 住居者端末
200 購入希望者端末
410 集合住宅データベース
【要約】 (修正有)
【課題】集合住宅に関するより有用な情報を提供する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、収集部31と、推定部32と、提供部34と、を備える。収集部31は、集合住宅を構成する各住戸に関する入力情報を収集する。推定部32は、収集した入力情報に基づいて集合住宅の特徴に関する特徴情報を推定する。提供部34は、推定した特徴情報に基づいて生成した集合住宅に関する集合住宅情報を提供する。
【選択図】
図2