(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】指向性バックライト型表示デバイス
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20221206BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02B27/01
(21)【出願番号】P 2021155763
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2021-09-27
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】593061064
【氏名又は名称】怡利電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳錫勲
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045858(JP,A)
【文献】特開2004-325505(JP,A)
【文献】特開平11-052289(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112285927(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108398735(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
F21S 2/00
F21V 8/00
G02B 27/00-30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性バックライト型表示デバイスであって、
光を投射するように構成した光源モジュールと、
アレイ状に広がる複数の微小湾曲鏡を有する反射狭角拡散器であって、光を反射し、狭拡散角で光を均一に拡散するように構成した反射狭角拡散器と、
画像を表示するように構成したバックライト型表示パネルと、を備え、
前記反射狭角拡散器によって反射された光は、
指向性光線としてバックライト型表示パネル上の画像を投射領域に投射し、
画像の各画素は、前記反射狭角拡散器の前記微小湾曲鏡の少なくとも1つに対応し、前記画像の全ての画素を前記投射領域内に均一に拡散可能に
し、
前記反射狭角拡散器によって反射される光の光の場のFWHM(半値全幅)は、±10°以下であることを特徴とする、
指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項2】
前記バックライト表示パネルは、下位画素を有する各画素を備え、前記各下位画素の長辺は、前記バックライト型表示パネルの垂直方向に直交することを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項3】
前記反射狭角拡散器及び前記光源モジュールは、前記反射狭角拡散器と前記光源モジュールとの間に構成される平凸円筒形レンズ又は両凸円筒形レンズを備え、前記光源モジュールの円形投射光領域を、楕円形状に成形することを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項4】
前記反射狭角拡散器及び前記光源モジュールは、前記反射狭角拡散器と前記光源モジュールとの間に構成される平凸レンズ又は両凸レンズを備え、前記光源モジュールの円形投射光領域を、長方形周囲に閉じた形状に成形することを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項5】
前記光源モジュールは、高出力LED、又はLEDアレイ、又は平行化レンズを有するLED、又は平行化LEDアレイであることを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項6】
前記投射領域に画像を投射するように、光路上にフロントガラスが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項7】
前記投射領域に画像を投射するように、光路上に凹面鏡が構成されることを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項8】
前記反射狭角拡散器は、前記投射領域のサイズ、輝度及び場所を規定するように構成される、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項9】
前記光源モジュールは、前記投射領域のサイズ、輝度及び場所を規定するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項10】
前記反射狭角拡散器及び前記光源モジュールは、前記反射狭角拡散器と前記光源モジュールとの間に構成される少なくとも1つの反射器を備えることを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項11】
複数の光源モジュールを備え、前記光源モジュールの少なくとも2つは、第1の光及び第2の光をそれぞれ投射し、前記反射狭角拡散器は、前記第1の光及び前記第2の光を狭拡散角でそれぞれ反射して、均一に拡散し、前記バックライト型表示パネルは、画像を表示でき、前記反射狭角拡散器によって個々に反射される前記第1の光及び前記第2の光は、前記バックライト型表示パネル上に画像を投射し、2つの投射領域を画成することを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項12】
前記バックライト型表示パネルによって表示される画像の一方の部分は、左目視差画像であり、もう一方の部分は、右目視差画像であることを特徴とする、請求項11に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項13】
前記バックライト型表示パネルは、左目視差画像と右目視差画像とを交互に時間多重化様式で表示し、前記光源モジュールは、前記第1の光と前記第2の光とを交互に投射し、前記第1の光及び前記第2の光の投射は、前記左目視差画像及び前記右目視差画像の表示タイミングと同期し、前記第1の光と前記第2の光との間の完全な暗い期間は、前記バックライト型表示パネルの画像変換遅延に対応し、各目に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短いことを特徴とする、請求項11に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項14】
前記バックライト型表示パネルによって表示される画像の一方の部分は、第1の両眼画像であり、もう一方の部分は、第2の両眼画像であることを特徴とする、請求項11に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項15】
前記バックライト型表示パネルは、前記第1の両眼画像と前記第2の両眼画像とを交互に時間多重化様式で表示し、前記光源モジュールは、前記第1の光と前記第2の光とを交互に投射し、前記第1の光及び前記第2の光の投射は、前記第1の両眼画像及び前記第2の両眼画像の表示タイミングと同期し、前記第1の光と前記第2の光との間の完全な暗い期間は、前記バックライト型表示パネルの画像変換遅延に対応し、目に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短いことを特徴とする、請求項11に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【請求項16】
前記反射狭角拡散器を構成するあらゆる微小凹面鏡のサイズは、前記画像のあらゆる画素よりも小さいか又はあらゆる画素と等しいことを特徴とする、請求項1に記載の指向性バックライト型表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、指向性バックライト型表示デバイスに関する。該指向性バックライト型表示デバイスは、微小湾曲鏡アレイを有する反射狭角拡散器に光を投射し、次に、予め設定した方向に向けて光を狭拡散角で反射し、均一な指向性光線を生成するものである。この指向性光線は、指向性バックライト型表示デバイスのためのバックライトとして働く。
【背景技術】
【0002】
図1を参照されたい。TFT-LCD(薄膜トランジスタ-液晶表示)パネルは、最も一般的なバックライト型表示パネルであり、バックライト91と、2つの平行ガラス基体との間に構成した液晶分子層92と、両外側に直交偏光を有する2つの偏光子93とを備える。下側ガラス基体は、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ94を備える。上側ガラス基体は、色フィルタ(CF)を備える。液晶分子の向きは、TFTの駆動信号から生成される電界によって制御される。バックライトからの光は、第1の偏光子を部分的に通過し、第1の偏光子の偏光方向は、第2の偏光子の偏光方向に直交するため、光は、第2の偏光子によって遮断される。第1の偏光子を通過する光が液晶分子によって回転し、偏光方向を変更すると、光は、第2の偏光子を通過し、予め設定した画素の輝度及び色を表示する。
【0003】
図2の理想的な指向性液晶表示器(LCD)96を参照されたい。液晶パネルの各画素からの散乱光は、同一の輝度で観察者のアイ・ボックスZの全ての点に到達し、その逆も同様に、アイ・ボックスの各点は、等しい輝度で液晶パネルの各画素からの光を受ける。観察者は、観察者の目がアイ・ボックスZ内の任意の位置にある間、完全な画像を見ている。一方、観察者は、観察者の目がアイ・ボックスZの外側にある間、画像を全く見ることができない。
【0004】
液晶表示器の液晶パネル上の各画素は、通常、3色の下位画素、即ち、赤、緑及び青(RGB)から構成される。電界の強度によって、下位画素内の液晶分子の回転角度は制御され、下位画素の光度を制御可能にする。各画素内の3色RGBの割合を制御することによって、画素の輝度及び色が規定される。しかし、各下位画素はスリットに等しく、各下位画素を通過する光を回折させる。
図3Aを参照されたい。スリット幅W1が光の波長λよりもかなり大きい場合、回折は明白ではない。
図3Bを参照されたい。スリット幅W2が光の波長λと同様である場合、回折は明白である。
RGB下位画素は、通常、
図4Aに示すように長方形であり、一方の辺が長辺であり、もう一方の片が短辺である。下位画素は、直交アレイ状に広げられる。即ち、各下位画素の長辺は、
図4Aの垂直方向に平行であり、各下位画素の短辺は、水平幅W
sphに対応し、各下位画素の長辺は、垂直幅W
spvに対応する。したがって、水平方向の回折は、垂直方向の回析よりも明らかである。光が液晶パネルを通過する光投射領域は、予め設定した投射領域を超える。即ち、画像は、水平方向ではアイ・ボックスの外側に見える。水平幅W
sphが小さいほど、回析はより明らかである。
【0005】
液晶表示器(LCD)のバックライトは、白熱灯電球、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、エレクトロルミネッセンス(EL)、発光ダイオード(LED)等の可視光源を展開する。光源の分布に基づき、光源は、エッジライト型と直下(バックライト)型とに分割される。
【0006】
直下型は、領域光源を使用し、領域光源は、EL又は平らな蛍光灯等の連続的に均一な面光源であるか、又はLEDアレイ等の複数の点照明によって画成される。
【0007】
LEDバックライトは、輝度が均一、長寿命、低電圧での駆動、インバータが不要、広い色域といった利益を有するため、液晶表示器内で展開される主流となっている。
【0008】
図5Aを参照されたい。直下型バックライトは、LEDアレイを備え、LEDアレイは、導光器97と拡散器98とを備え、光の放出方向及び拡散角度を修正し、前方の輝度を増大させ、光を均一に拡散させる。
【0009】
上述の直下(バックライト)型バックライトには、指向性がない。いくつかの用途、例えば、投影器、ヘッドアップ表示器(HUD)には、指向性バックライトを必要とする。LEDは、
図5Bに示すように、カップ状平行化レンズ99をLEDの上方に備え、光の利用率を改善し、放出される光の指向性を増大させる。
【0010】
図6を参照されたい。バックライト91は、複数のLEDを備える平行化LEDアレイであり、複数のLEDは、各LEDの上方に垂直、水平方向で配置された平行化レンズを有し、領域光源の目的を達成する。
【0011】
しかし、隣接し合う平行化レンズの間の間隙は、領域光源全体において、より暗いブロック(影)となる。各平行化レンズは、中心及び縁部で輝度に差があり、領域光源の輝度に不均一さを生じさせる。その上、平行化レンズから放出された平行な光は、液晶パネルの各画素を通過した後、アイ・ボックスの全ての位置に光を均一に拡散させることができない。
【0012】
図7を参照されたい。平行化LEDアレイ・バックライトからの均一な光の放出を実施するため、拡散器98は、光を均一に拡散するようにバックライト型表示パネルと平行化レンズ・アレイとの間に構成される。しかし、拡散器の効果は、限定され、均一な領域光源を達成することができず、更に、光の減衰及び温度の上昇を生じさせる。
【0013】
図8を参照されたい。反射狭角拡散器は、投影器(LCD、DLP又はレーザー投影器)内に含まれ、投射画像の光を観察者のアイ・ボックスに反射、拡散させ、光の利用率を改善し、画像の輝度を増大させる。反射狭角拡散器は、投射画像内の各画素の光を観察者のアイ・ボックスの全ての位置に反射し、均一に拡散する。
【0014】
図9Aを参照されたい。反射狭角拡散器は、複数の微小凹面鏡21を備え、複数の微小凹面鏡21は、アレイ状に広がり、正方形又は六角ハチの巣状に整列される。各微小湾曲鏡21は、2.5μm~0.25mmの範囲内のサイズで作製される。
【0015】
各微小凹面鏡21は、同一又は非同一の曲率及び角度を有する。
【0016】
反射狭角拡散器の微小凹面鏡の量は、解像度及び光路設計要件に応じて、任意の数、例えば、数十万(480p:640×480=307,200;720p:1280×720=921,600)、数百万(FHD:1920×1080=2,073,600;2K:2560×1440=3,680,400、4K:3840×2160=8,294,400)、又はそれ以上とすることができる。
【0017】
図9Bを参照されたい。反射狭角拡散器は、平坦面又は湾曲面であり、複数の微小湾曲鏡21を一方の側に備える。
【0018】
図10A、即ち、平滑面を有する通常の平坦反射器を参照されたい。入射光の入射角は、反射光の反射角度に等しく、したがって、拡散効果がなければ、光の拡散角度が同じ角度を維持するため、視野角が制限される。
【0019】
図10B、即ち、平坦面を有する投射幕を参照されたい。各角度の観察者が投射画像を見るのを可能にするため、表面散乱が必要であり、平坦面に投射される光は、全ての方向で散乱され(即ち、散乱角度はθ1である)、これにより、観察者が見る画像の輝度は実質的に低減する。
【0020】
図10Cを参照されたい。反射狭角拡散器の微小凹面鏡は、予め設定した方向に向けて入射光を狭角拡散で反射することができ、したがって、拡散角度θ2の範囲内で輝度を実質的に増大させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本開示は、以下を備える指向性バックライト型表示デバイスに関する。
【0022】
光源モジュールは、光を投射する。
【0023】
反射狭角拡散器は、アレイ状に広がる複数の微小湾曲鏡を備える。反射狭角拡散器は、光を反射し、狭拡散角で光を均一に拡散させる。
【0024】
バックライト型表示パネルは、反射狭角拡散器が光を観察者に投射する投射路上に構成される。バックライト型表示パネル上に表示される画像は、光によって投射領域(即ち、観察者のアイ・ボックス)に投射される。画像の各画素は、反射狭角拡散器上の微小湾曲鏡の少なくとも1つに対応する。各画素を通過する光は、投射領域に均一に拡散させることができる。各画素に対応する光投射角度及び拡散角度は、全ての拡散領域が同じ投射領域上に重なるように、反射狭角拡散器によって調節される。バックライト型表示パネル上の数十万、数百万の画素は、全て同じ拡散状況を有する。
【0025】
このような構成下、反射狭角拡散器によって反射された光は、均一な拡散でバックライト型表示パネルに投射され、光路上に光ホモジナイザを取り付ける必要はない。
【0026】
バックライト型表示パネル上の各画素の下位画素は、下位画素の長辺がバックライト型表示パネルの上下方向(即ち、垂直方向)に直交する状態で配置され、これにより、水平方向における回折現象を低減させる。
【0027】
ある実施形態では、反射狭角拡散器の複数の微小湾曲鏡は、微小凹面鏡、微小凸面鏡、又は微小凹面鏡と微小凸面鏡との組合せである。反射狭角拡散器は、投射領域のサイズ、輝度及び場所を規定するように構成される。
【0028】
ある実施形態では、平凸円筒形レンズ又は両凸円筒形レンズは、反射狭角拡散器と光源モジュールとの間に更に含まれ、光源モジュールの円形投射領域を、長方形アイ・ボックスと同様の楕円形状に成形する。
【0029】
ある実施形態では、平凸レンズ、又は両凸レンズ、即ち、両軸方向に湾曲を有するレンズは、反射狭角拡散器と光源モジュールとの間に更に含まれ、光源モジュールの円形投射領域を、より長方形アイ・ボックスに近い、略直方形状に成形する。
【0030】
ある実施形態では、少なくとも1つの反射器は、反射狭角拡散器と光源モジュールとの間に含まれ、光路を折り曲げ、空間の利用をより柔軟にする。
【0031】
ある実施形態では、光源モジュールは、高出力LED、LEDアレイ、平行化レンズを有するLED、又は平行化LEDアレイである。
【0032】
ある実施形態では、光源モジュールは、投射領域のサイズ、輝度及び場所を規定するように構成される。
【0033】
ある実施形態では、バックライト型表示パネルの画像光投射路は、凹面鏡とフロントガラスとを更に含む。画像光は、見る者のアイ・ボックスに投射される前に、凹面鏡及びフロントガラスによって反射され、拡大される。
【0034】
ある実施形態では、指向性バックライト型裸眼立体表示デバイスを開示する。この表示デバイスは、複数の光源モジュール、即ち、第1の光及び第2の光のそれぞれを投射する少なくとも2つの光源モジュールと、第1の光及び第2の光を反射し、第1の光及び第2の光をそれぞれ狭拡散角で均一に拡散する反射狭角拡散器と、左目視差画像と右目視差画像とを時間多重化様式で交互に表示するバックライト型表示パネルとを備える。第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールは、第1の光と第2の光とを交互に投射する。第1の光及び第2の光がバックライト型表示パネルを通過すると、左目視差画像は、第1の光によって観察者の左目に対応する投射領域(即ち、左アイ・ボックス)に投射され、右目視差画像は、第2の光によって観察者の右目に対応する投射領域(即ち、右アイ・ボックス)に投射される。パネルの交互表示のタイミングは、光源モジュールの交互投射のタイミングと同期される。第1の光と第2の光との間に完全な暗い期間があり、この暗い期間は、バックライト型表示パネルの画像変換遅延に対応する。各目に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短いため、観察者の左目は、左目視差画像を連続的に見ていると感じ、観察者の右目は、右目視差画像を連続的に見ていると感じる。したがって、観察者の脳内に立体画像が現れる。
【0035】
ある実施形態では、指向性バックライト型二重画像表示デバイスを開示する。この表示デバイスは、複数の光源モジュール、即ち、第1の光及び第2の光のそれぞれを投射する少なくとも2つの光源モジュールと、第1の光及び第2の光を反射し、第1の光及び第2の光をそれぞれ狭拡散角で均一に拡散する反射狭角拡散器と、第1の画像と第2の画像とを時間多重化様式で交互に表示するバックライト型表示パネルとを備える。第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールは、第1の光と第2の光とを交互に投射する。第1の光及び第2の光がバックライト表示パネルを通過すると、第1の画像は、第1の光によって第1の観察者に対応する投射領域(即ち、第1のアイ・ボックス)に投射され、第2の画像は、第2の光によって第2の観察者に対応する投射領域(即ち、第2のアイ・ボックス)に投射される。パネルの交互表示のタイミングは、光源モジュールの交互投射のタイミングと同期される。第1の光と第2の光との間に完全な暗い期間があり、この暗い期間は、バックライト型表示パネルの画像変換遅延に対応する。各観察者に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短いため、第1の観察者は、第1の画像を連続的に見ていると感じ、第2の観察者は、第2の画像を連続的に見ていると感じる。したがって、第1の観察者及び第2の観察者は、それぞれ第1の画像及び第2の画像を同時に見る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】理想的な指向性TFT-LCDの概略図である。
【
図4A】TFT-LCDパネルの画素及びRGB下位画素の構成の概略図である。
【
図4B】TFT-LCDパネルの画素及びRGB下位画素の構成の概略図である。
【
図5A】バックライト型表示器のバックライトの概略図である。
【
図5B】バックライト型表示器のバックライトの概略図である。
【
図6】平行化LEDアレイと共に展開したバックライトの概略図である。
【
図7】バックライト型表示器の平行化LEDアレイ・バックライトを均一化した概略図である。
【
図8】投射画像内に展開される反射狭角拡散器の概略図である。
【
図10A】反射面上で散乱する投射光の概略図である。
【
図10B】反射面上で散乱する投射光の概略図である。
【
図10C】反射面上で散乱する投射光の概略図である。
【
図11】本開示の第1の実施形態の指向性バックライトの投射方向の概略図である。
【
図12A】本開示のある実施形態による指向性バックライト型表示デバイスの概略図である。
【
図12B】本開示のある実施形態による指向性バックライト型表示デバイスの概略図である。
【
図13A】本開示のバックライト型表示パネルの位置を示す概略図である。
【
図13B】本開示のバックライト型表示パネルの位置を示す概略図である。
【
図13C】本開示のバックライト型表示パネルの位置を示す概略図である。
【
図14A】本開示の第2の実施形態の指向性バックライト型裸眼立体表示デバイスの概略図である。
【
図14B】本開示の第2の実施形態の指向性バックライト型裸眼立体表示デバイスの概略図である。
【
図14C】本開示の第2の実施形態の指向性バックライト型裸眼立体表示デバイスの概略図である。
【
図15A】本開示のある実施形態による概略図である。
【
図15B】本開示のある実施形態による概略図である。
【
図16A】本開示の第3の実施形態の指向性バックライト型二重画像表示デバイスの概略図である。
【
図16B】本開示の第3の実施形態の指向性バックライト型二重画像表示デバイスの概略図である。
【
図16C】本開示の第3の実施形態の指向性バックライト型二重画像表示デバイスの概略図である。
【
図17A】本開示のある実施形態による自動車での用途を示す概略図である。
【
図17B】本開示のある実施形態による自動車での用途を示す概略図である。
【
図18】アイ・ボックス及び光源モジュールの投射領域の概略図である。
【
図19】本開示の光投射領域の成形を示す概略図である。
【
図20】本開示の光投射領域の成形を示す別の概略図である。
【
図22A】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図22B】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図22C】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図23A】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図23B】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図24】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図25】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図26】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【
図27】本開示のアイ・ボックス構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の説明において、当業者の共通の理解に合致するように、光投射方向を前として定義する。
【0038】
図11~
図13を参照されたい。本開示は、以下を備える指向性バックライト型表示デバイスの一実施形態を提供する。
【0039】
光源モジュール1は、光Lを投射する。
【0040】
反射狭角拡散器2は、アレイ状に広がる複数の微小凹面鏡21を備える。反射狭角拡散器2は、光Lを反射し、狭拡散角で光Lを均一に拡散させる。言い換えれば、各微小凹面鏡21は、光Lを反射し、反射光Lは、光拡散領域を投射する、予め設定された方向に向けられる。ある実施形態では、微小凹面鏡21は、微小凸面鏡又は他の形態の微小湾曲鏡にも変更される。
【0041】
図11を参照されたい。光源モジュール1は、反射狭角拡散器2上に光Lを投射し、複数の微小凹面鏡21は、予め設定した方向に向けて光を反射し、狭拡散角で光を拡散し、均一な輝度を有する指向性光線を生成する。
【0042】
図12Aを参照されたい。TFT-LCDパネル3は、反射狭角拡散器2が光Lを観察者に投射する投射路上に置かれている。TFT-LCDパネル3上に表示される画像Gは、光Lによって投射領域(即ち、観察者のアイ・ボックスZ)に投射される。画像Gの各画素は、
図12Bに示すように、反射狭角拡散器2上の微小凹面鏡21の少なくとも1つに対応する。各画素を通過する光は、アイ・ボックスZに均一に拡散される。画像Gの各画素に対応する光投射角及び拡散角は、設計距離下、全ての拡散領域が同じ投射領域上に重なるように、反射狭角拡散器によって調節される。TFT-LCDパネル上の数十万、数百万の画素は、全て同じ拡散状況を有する。
図4Bを参照されたい。TFT-LCDパネル3上の各画素の下位画素、即ちRGB下位画素等は、下位画素の長辺が表示パネルの上下方向に直交する状態で配置され、各下位画素の水平幅W
sphを増大させ、水平方向での回折現象を低減し、そばにいる他者から画像が見えないようにする。
【0043】
この状況において、観察者は、観察者の目がアイ・ボックスZ内の任意の位置にある間、完全な画像Gを見ている。一方、観察者は、観察者の目がアイ・ボックスZの外側にある間、画像Gを全く見ることができない。
【0044】
反射狭角拡散器2のあらゆる微小凹面鏡21のサイズは、画像Gのあらゆる画素31よりも小さいか又はあらゆる画素31と等しい。反射狭角拡散器2は、投射領域Z1のサイズ、輝度及び場所を規定するように構成される。
図13Aを参照されたい。TFT-LCDパネル3が反射狭角拡散器2の微小凹面鏡21の焦点長さ部に置かれると、ここでは、画像Gの1つの画素31は、光拡散領域19よりも大きいか又は光拡散領域19と等しい。単一の微小凹面鏡21によって画素31を通る投射光Lは、アイ・ボックスZ全体に拡散させることができる。
図13Bを参照されたい。TFT-LCDパネル3が微小凹面鏡21の焦点長さ部よりも大きい距離で置かれると、ここでは、画像Gの1つの画素31は、微小凹面鏡21の光拡散領域19よりも小さい。このため、光は、多数の微小凹面鏡で投射され、したがって、画素31の光Lは、アイ・ボックスZ全体に拡散される。
図13Cを参照されたい。TFT-LCDパネル3が反射狭角拡散器2の微小凹面鏡21の焦点長さ部よりも小さい距離で置かれると、ここでは、画像Gの1つの画素31は、微小凹面鏡21の光拡散領域19より大きい。単一の微小凹面鏡21によって画素31を通る投射光Lは、アイ・ボックスZ全体に拡散される。同様に、単一の微小凹面鏡21によって画像Gに投影される光Lの光拡散領域19が多数の画素に対応する場合でさえ、画像Gが反射拡散器の反射光線の範囲内にある限り、上記の効果を達成することができる。したがって、TFT-LCDパネル3の位置は、反射狭角拡散器2と観察者のアイ・ボックスZとの間で、光路(反射路)上の任意の位置で設定することができる。
【0045】
非指向性バックライト型表示デバイス内に展開されるバックライトに関し、電磁波エネルギーの場の指向性を使用してバックライト光の場の指向性を規定する場合、FWHM(半値全幅)は、約±30~±60°以上であり、これにより、投影画像は、より広い視野角を有する。
【0046】
本開示における指向性バックライト型表示デバイスのバックライトは、
図11~
図13に示される。バックライト光の場のFWHMは、約±5~±10°以下であり、即ち、狭拡散角は約±5~±10°以下である。これにより、投射画像は、より狭い視野角を有する。しかし、本発明は、本開示の他のモードを使用する特定の角度の狭拡散角を規定することに限定するものではない。
【0047】
本開示の指向性バックライト型表示デバイスは、凹面鏡と、フロントガラスとを更に備え、フロントガラスは、光路上で、バックライト型表示パネルの前に配置される。画像を担持する光は、凹面鏡及びフロントガラスによって反射、拡大され、最終的に観察者のアイ・ボックスZに投射される。
【0048】
図14A、
図14B及び
図14Cを参照されたい。本開示は、以下を備える裸眼立体画像を形成する指向性バックライト型表示デバイスの一実施形態を提供する。
【0049】
第1の光源モジュール11は、第1の光L1を投射する。
【0050】
第2の光源モジュール12は、第2の光L2を投射する。
【0051】
反射狭角拡散器2は、アレイ状に広がる複数の微小凹面鏡21を備える。反射狭角拡散器2は、第1の光L1及び第2の光L2を反射し、狭拡散角で第1の光L1及び第2の光L2をそれぞれ均一に拡散する。
【0052】
TFT-LCDパネル3は、反射狭角拡散器2が第1の光L1及び第2の光L2を観察者Pに投射する投射路上に置かれる。TFT-LCDパネル3は、左目視差画像G1と右目視差画像G2とを交互に時間多重化様式で表示する。第1の光源モジュール11及び第2の光源モジュール12は、第1の光L1と第2の光L2とを交互に投射する。
図14Aを参照されたい。第1の光L1は、左目視差画像G1を観察者Pの左目E1の投射領域(即ち、
図15Aに示す左アイ・ボックスZL)に投射する。
図14Bを参照されたい。第2の光L2は、右目視差画像G2を観察者Pの右目E2の投射領域(即ち、
図15Bに示す右アイ・ボックスZR)に投射する。第1の光L1及び第2の光L2を投射するタイミングは、左目視差画像G1及び右目視差画像G2を表示するタイミングと同期される。第1の光L1と第2の光L2との間に完全な暗い期間があり、この暗い期間は、TFT-LCDパネル3の画像変換遅延に対応する。各目に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短い、即ち、約1/15~1/60秒である。例えば、左目画像及び右目画像は、左目フレーム・レート(FPS)が60Hzであり、右目フレーム・レートが60Hzであるように120Hzの周波数で交互に表示されるため、観察者Pは、画像のちらつきに気付かない。
図14Cに示すように、単一のTFT-LCDパネル3を使用して、観察者Pの左目が左目視差画像G1を見ることを可能にする一方で、観察者Pの右目が右目視差画像G2を見ることを可能に、観察者Pの脳内に立体画像を形成することができる。合理的には、144Hz及び240Hz等のより高い周波数が左目画像と右目画像とに交互に表示されるほど、より画像は平滑である。
【0053】
図4Bを参照されたい。TFT-LCDパネル上の各画素(画素)の色下位画素(下位画素)、赤緑青(RGB)下位画素等は、各下位画素の長辺がTFT-LCDパネルの垂直方向に直交する状態で配置され、各下位画素の水平幅W
sphを増大させ、水平方向における回折現象を低減し、左目で右目視差画像が見えないようにする、又は右目で左目視差画像が見えないようにする。
【0054】
左目視差画像G1及び右目視差画像G2は、TFT-LCDパネル3上の同じ領域上に置いても、異なる領域上に置いてもよく、左目視差画像G1及び右目視差画像G2は、同じ又は異なるサイズである。
【0055】
図15Aを参照されたい。本開示の指向性バックライト型表示デバイスは、凹面鏡4とフロントガラス5とを更に含む。左目視差画像G1を担持する第1の光L1は、凹面鏡4及びフロントガラス5によって反射、拡大され、最終的に、観察者に対応する左アイ・ボックスZLの投射領域に投射される。
図15Bを参照されたい。右目視差画像G2を担持する第2の光L2は、凹面鏡4及びフロントガラス5によって反射、拡大され、最終的に、観察者に対応する右アイ・ボックスZRの投射領域に投射される。
【0056】
図16A、
図16B及び
図16Cを参照されたい。本開示は、以下を備える二重画像を形成する指向性バックライト型表示デバイスの一実施形態を提供する。
【0057】
第1の光源モジュール11は、第1の光L1を投射する。
【0058】
第2の光源モジュール12は、第2の光L2を投射する。
【0059】
反射狭角拡散器2は、アレイ状に広がる複数の微小凹面鏡21を備える。反射狭角拡散器2は、第1の光L1及び第2の光L2を反射し、狭拡散角で第1の光L1及び第2の光L2をそれぞれ均一に拡散する。
【0060】
TFT-LCDパネル3は、反射狭角拡散器2が第1の光L1及び第2の光L2を第1の観察者P1及び第2の観察者P2に投射する投射路上に置かれる。TFT-LCDパネル3は、第1の画像G11と第2の画像G12とを交互に時間多重化様式で表示する。第1の光源モジュール11及び第2の光源モジュール12は、第1の光L1と第2の光L2とを交互に投射する。第1の光L1は、第1の画像G11を第1の観察者P1の目の投射領域(即ち、
図17Aに示す第1のアイ・ボックスZp1)に投射する。第2の光L2は、第2の画像G12を第2の観察者P2の目の投射領域(即ち、
図17Bに示す第2のアイ・ボックスZp2)に投射する。
第1の光L1及び第2の光L2を投射するタイミングは、第1の画像G11及び第2の画像G12を表示するタイミングと同期される。第1の光L1と第2の光L2との間に完全な暗い期間があり、この暗い期間は、TFT-LCDパネル3の画像変換遅延に対応する。各観察者に対する画像切替え間隔は、人の視覚の持続時間よりも短いため、観察者は画像のちらつきに気付かない。単一TFT-LCDパネル3を使用し、第1の観察者P1が第1の画像G11を見ることを可能にする一方で、第2の観察者P2が第2の画像G12を見ることを可能にする。第1の観察者P1は第2の画像G12を見ることができず、第2の観察者P2は第1の画像G11を見ることができない。
【0061】
図4Bを参照されたい。TFT-LCDパネル上の各画素(画素)の色下位画素(下位画素)、赤緑青(RGB)下位画素等は、各下位画素の長辺がTFT-LCDパネルの垂直方向に直交する状態で配置され、各下位画素の水平幅W
sphを増大させ、水平方向における回折現象を低減し、第1の観察者から第2の画像が見えないようにする、又は第2の観察者から第1の画像が見えないようにする。
【0062】
図16Bを参照されたい。本開示の指向性バックライト型表示デバイスは、フロントガラス5を更に含み、フロントガラス5は、TFT-LCDパネル3から第1の観察者P1及び第2の観察者P2まで進行する第1の光L1の光路と第2の光L2の光路との間に配置される。第1の画像G11を担持する第1の光L1は、フロントガラス5に投射され、次に、フロントガラス5によって反射され、最終的に、第1の観察者P1の目の第1のアイ・ボックスZp1に投射される(
図17Aに示す)。
第2の画像G12を担持する第2の光L2は、フロントガラス5に投射され、次に、フロントガラス5によって反射され、最終的に、第2の観察者P2の目の第2のアイ・ボックスZp2に投射される(
図17Bに示す)。これにより、第1の観察者P1が第1の画像G11を見ることを可能にする一方で、第2の観察者P2が第2の画像G12を見ることを可能にし、第1の観察者P1は第2の画像G12を見ることができず、第2の観察者P2は第1の画像G11を見ることができない。
【0063】
図16Cを参照されたい。本開示の指向性バックライト型表示デバイスは、
図16Bに示す実施形態と比較すると、TFT-LCDパネル3とフロントガラス5との間に構成した凹面鏡4を更に備える。
図17Aを参照されたい。第1の画像G11を担持する第1の光L1は、凹面鏡4に投射され、凹面鏡4によって反射、拡大され、次に、フロントガラス5に投射され、フロントガラス5によって反射され、最終的に、第1の観察者P1の目の第1のアイ・ボックスZp1に投射される。
図17Bを参照されたい。第2の画像G12を担持する第2の光L2は、凹面鏡4に投射され、凹面鏡4によって反射、拡大され、次に、フロントガラス5に投射され、フロントガラス5によって反射され、最終的に、第2の観察者P2の目の第2のアイ・ボックスZp2に投射される。これにより、第1の観察者P1が第1の画像G11を見ることを可能にする一方で、第2の観察者P2が第2の画像G12を見ることを可能にし、第1の観察者P1は第2の画像G12を見ることができず、第2の観察者P2は第1の画像G11を見ることができない。
【0064】
図18を参照されたい。概して、光源モジュールによって生成される最終投射領域(即ち、アイ・ボックスZ)は、通常、長方形として設計されるが、光Lによって形成される投射領域RZは、長方形ではない。実際、投射領域RZは、通常、円形状であり、アイ・ボックスZ外側の光Lの一部は、光路上で無駄になる。
【0065】
図19を参照されたい。画像の輝度を増加し、投射光の利用率を改善するため、上記実施形態は、反射狭角拡散器2と光源モジュール1との間に平凸円筒形レンズ61又は両凸円筒形レンズ62を更に含み、光源モジュール1の円形投射領域RZを、長方形アイ・ボックスと同様の楕円形状に成形する。
【0066】
図20を参照されたい。画像の輝度を増加し、投射光の利用率を改善するため、上記実施形態は、反射狭角拡散器2と光源モジュール1との間に平凸レンズ63又は両凸レンズ64、即ち、両軸方向に湾曲を有するレンズを更に含み、光源モジュール1の円形投射領域RZを、長方形アイ・ボックスと同様のほぼ長方形の形状に成形する。
【0067】
更に、少なくとも1つの反射器は、反射狭角拡散器と光源モジュールとの間に含まれ、光路を折り曲げ、空間使用をより柔軟にする。
【0068】
図21を参照されたい。ある実施形態では、第1の光源モジュール11及び第2の光源モジュール12は、高出力LED13、LEDアレイ14、平行化レンズ15を有するLED、又は平行化LEDレンズ・アレイ16である。これらの光源モジュールは、光を反射狭角拡散器2によって反射した後、指向性の光を生成することができる。
【0069】
図22A~
図27を参照されたい。本開示の実施形態は、投影領域のサイズ、輝度及び場所をどのように設計又は調節するかを更に説明する。
【0070】
図22Aを参照されたい。第1の光源モジュール11は、第1の光L1を反射狭角拡散器2に投射する。TFT-LCDパネル3は、3つの画素31、32、33を有する。第1の光L1は、反射狭角拡散器2上の微小凹面鏡21アレイによって反射、拡散され、次に、TFT-LCDパネル3の3つの画素31、32、33を貫通し、次に、第1の投射領域Z1に投射、拡散される。本開示の実施形態では、第1の投射領域Z1のサイズは、アイ・ボックスZのサイズである。目が第1の投射領域Z1の範囲内である限り、観察者は、TFT-LCDパネル3の同一の3つの画素31、32、33を見ている。
【0071】
図22Aに示す第1の投射領域Z1のサイズに基づき、2倍の幅の投射領域アイ・ボックスZ(即ち、第1の投射領域Z1に第2の投射領域Z2を追加したもの)を
図22Bに示すように展開する。
図22Aに示す実施形態と比較すると、
図22Bに示す実施形態は、様々な曲率及び角度を有する微小凹面鏡210のアレイを使用する反射狭角拡散器20である。第1の光L1は、反射狭角拡散器2によって反射、拡散され、TFT-LCDパネル3の3つの画素31、32、33を貫通し、次に、第1の投射領域Z1及び第2の投射領域Z2によって形成したアイ・ボックスZに投射、拡散される。観察者の目が第1の投射領域Z1及び第2の投射領域Z2の範囲内である限り、観察者は、TFT-LCDパネル3の同一の3つの画素31、32、33を見ている。しかし、この方法は、第1の光L1をアイ・ボックスZの範囲に分散させることに対応し、これにより、見ている画像の輝度を半減させる。
【0072】
第1の投射領域Z1のサイズに基づき、2倍幅のアイ・ボックスZを
図22Cに示すように展開する。ある実施形態では、反射狭角拡散器は、
図22Aに示すものと同じ局率及び角度を有する微小凹面鏡アレイ210を使用し、更に、第1の光源モジュール11及び第2の光源モジュール12を同時に使用する。第1の光源モジュール11は、第1の光L1を反射狭角拡散器2に投射する。第1の光L1は、反射狭角拡散器2上の微小凹面鏡21アレイによって反射、拡散され、次に、TFT-LCDパネル3の3つの画素31、32、33を貫通し、次に、アイ・ボックスZの第1の投射領域Z1に投射、拡散される。
第2の光源モジュール12は、第2の光L2を反射狭角拡散器2に投射する。第2の光L2は、反射狭角拡散器2上の微小凹面鏡21アレイによって反射、拡散され、次に、TFT-LCDパネル3の3つの画素31、32、33を貫通し、次に、アイ・ボックスZの第2の投射領域Z2に投射、拡散される。このように、目が第1の投射領域Z1及び第2の投射領域Z2の範囲内である限り、観察者は、TFT-LCDパネル3の同一の3つの画素31、32、33を見ており、画像輝度は、
図22Aの実施形態で示すものと同じであり、輝度は、アイ・ボックスZのサイズが2倍であるために半減しない。
【0073】
同じ反射狭角拡散器で複数の光源モジュールを使用することは、異なる角度の複数の入射光線を追加することである。各光源モジュールは、異なる角度で拡散させる。したがって、光源の領域が小さいほど、アイ・ボックスの拡散領域はより小さく、光源の領域が大きいほど、アイ・ボックスの拡散領域はより大きい。
【0074】
図23A及び
図23Bに示す実施形態では、アイ・ボックスZの範囲は、同じサイズの第1の投射領域Z1及び第2の投射領域Z2から構成される。各投射領域Z1、Z2は、個別の光源モジュールによって生成される。例えば、2つの投射領域Z1、Z2は、並べて配置され、アイ・ボックスZを形成する。第1の光源モジュール101は、第1の投射領域Z1に対応し、第2の光源モジュール102は、第2の投射領域Z2に対応する。目がこのアイ・ボックスZ内にある限り、観察者は、同じ画像を見ている。第1の光源モジュール101及び第2の光源モジュール102が光を同時に投射すると、このことは、2つの光源の輝度がアイ・ボックスZ内にあることに相当する。
【0075】
図24に示す実施形態では、アイ・ボックスZは、4つの投射領域を並べて配置することによって形成され、第1の光源モジュール101は、第1の投射領域Z1を対応して形成し、第2の光源モジュール102は、第2の投射領域Z2を対応して形成し、第3の光源モジュール103は、第3の投射領域Z3を対応して形成し、第4の光源モジュール104は、第4の投射領域Z4を対応して形成する。
図25に示すように、第1の光源モジュール101、第2の光源モジュール102、第3の光源モジュール103及び第4の光源モジュール104が光を同時に投射すると、このことは、4つの光源の輝度が細長いアイ・ボックスZ内にあることに相当する。目がこのアイ・ボックスZ内にある限り、観察者は、同じ画像を見ている。
【0076】
図26に示すある実施形態では、アイ・ボックスZは、4つの投射領域をマトリックス状に配置することによって形成され、第1の光源モジュール101は、第1の投射領域Z1を対応して形成し、第2の光源モジュール102は、第2の投射領域Z2を対応して形成し、第3の光源モジュール103は、第3の投射領域Z3を対応して形成し、第4の光源モジュール104は、第4の投射領域Z4を対応して形成する。
図27に示すように、第1の光源モジュール101、第2の光源モジュール102、第3の光源モジュール103及び第4の光源モジュール104が光を同時に投射すると、このことは、4つの光源の輝度がマトリックス・アイ・ボックスZ内にあることに相当する。
【0077】
アイ・ボックスのサイズを形成する投射領域の組合せ及び配置は、上記の例に限定するものではない。様々な要望に応じて変更を行うことができる。