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特許7189319ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法
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  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図1
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図2
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図2A
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図3
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図4
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図5A
  • 特許-ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法 図5B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ブラシヘッドの寿命を測定および表示するように構成されたフェイスブラシおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A46B 15/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A46B15/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021505422
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019043081
(87)【国際公開番号】W WO2020028102
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】16/051,368
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ポール・キャロウェイ
(72)【発明者】
【氏名】イランプール・コールマエイ
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0092449(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0366288(US,A1)
【文献】特表2003-532487(JP,A)
【文献】特開2017-070483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 1/00~17/08
A46D 1/00~99/00
A61C 17/22~17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスブラシであって、
ブラシハンドルに対して動くように構成されたブラシヘッドと、
前記ブラシヘッドの動きに基づいて電気信号を生成するように構成されたエネルギーハーベスタと、
前記エネルギーハーベスタと電気通信しているコントローラと、
前記コントローラと電気通信しているインジケータと
を備え、
前記インジケータが、前記コントローラからの信号に基づいて電圧を加えられ
前記エネルギーハーベスタが、前記ブラシヘッドと前記ブラシハンドルとの間に位置するアダプタによって担持され、前記アダプタが円板の形をしており、前記エネルギーハーベスタが、前記アダプタの空洞に構成される、フェイスブラシ。
【請求項2】
前記ブラシヘッドの前記動きが振動または回転である、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項3】
前記エネルギーハーベスタが、前記ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子、または発電機である、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項4】
前記インジケータが発光ダイオード(LED)であり、前記LEDが、前記ブラシヘッドの内腔を通して、または前記ブラシヘッドの、光をチャネリングする剛毛を通して発光する、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項5】
前記インジケータが、音源、触覚素子、またはワイヤレス送信機である、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項6】
前記コントローラおよび前記インジケータと電気的に接続されたコンデンサをさらに備え、前記コントローラが、前記エネルギーハーベスタから受け取る前記電気信号に応じて前記コンデンサを充電する、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記ブラシヘッドの前記動きの回数をカウントすることと、
所定のカウントに達したとき、前記インジケータに電圧を加えることと
を行うように構成されたカウンタである、請求項1に記載のフェイスブラシ。
【請求項8】
フェイスブラシ用のアダプタであって、
ブラシヘッドの動きに基づいて電気信号を生成するように構成されたエネルギーハーベスタと、
前記エネルギーハーベスタと電気通信しているコントローラと、
前記コントローラと電気通信しているインジケータと
を備え、
前記インジケータが、前記コントローラからの信号に基づいて電圧を加えられ、前記アダプタが、前記ブラシヘッドとブラシハンドルとの間に配置されるように構成され
前記エネルギーハーベスタが前記アダプタによって担持され、前記アダプタが円板の形をしており、前記エネルギーハーベスタが、前記アダプタの空洞に構成される、アダプタ。
【請求項9】
前記エネルギーハーベスタが、前記ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子である、請求項8に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記インジケータが、前記ブラシヘッドの内腔を通して、または前記ブラシヘッドの、光をチャネリングする剛毛を通して発光するように構成された発光ダイオード(LED)である、請求項8に記載のアダプタ。
【請求項11】
フェイスブラシの残存耐用寿命を推定するための方法であって、
エネルギーハーベスタによってブラシヘッドの動きから電気信号を生成するステップと、
コントローラによって前記ブラシヘッドの前記動きをカウントするステップと、
所定のカウントに達したとき、インジケータに電圧を加えるステップと
を含み、
前記エネルギーハーベスタが、前記ブラシヘッドとブラシハンドルとの間に位置するアダプタによって担持され、前記アダプタが円板の形をしており、前記エネルギーハーベスタが、前記アダプタの空洞に構成される、方法。
【請求項12】
前記エネルギーハーベスタが、前記ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子、または発電機である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インジケータが、音源、触覚素子、ワイヤレス送信機、または前記コントローラからの信号に応じて、点灯、点滅、もしくは変色するように構成された発光ダイオード(LED)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラによって前記ブラシヘッドの前記動きの回数をカウントするステップと、
前記ブラシヘッドの前記動きの所定の回数に達したと決定するステップと、
前記ブラシヘッドの前記動きの前記所定の回数に達したことに応じて、前記インジケータに電圧を加えるステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が全体として参照により本明細書に明白に組み込まれる、2018年7月31日に出願された米国特許出願第16/051368号の利益を主張する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明する概念の抜粋を簡略化して紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲の決定を支援するものとして使用されることを意図するものでもない。
【0003】
一実施形態では、フェイスブラシは、ブラシハンドルに対して動くように構成されたブラシヘッドと、ブラシヘッドの動きに基づいて電気信号を生成するように構成されたエネルギーハーベスタと、エネルギーハーベスタと電気通信しているコントローラと、コントローラと電気通信しているインジケータとを含む。インジケータは、コントローラからの信号に基づいて電圧を加えられてもよい。一態様では、ブラシヘッドの動きは、振動または回転である。別の態様では、エネルギーハーベスタは、ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子である。
【0004】
一態様では、エネルギーハーベスタは、ブラシヘッドとブラシハンドルとの間に位置するアダプタによって担持される。別の態様では、アダプタは、円板の形をしており、エネルギーハーベスタは、アダプタの空洞に構成される。一態様では、エネルギーハーベスタは発電機である。
【0005】
一態様では、インジケータは、発光ダイオード(LED)である。別の態様では、LEDは、ブラシヘッドの内腔を通して発光する。一態様では、LEDは、ブラシヘッドの、光をチャネリングする(light-channeling)剛毛を通して発光する。一態様では、インジケータは、音源、触覚素子(haptic element)、またはワイヤレス送信機である。
【0006】
一態様では、コントローラおよびインジケータと電気的に接続されたコンデンサを備える。別の態様では、コントローラは、エネルギーハーベスタから受け取る電気信号に応じてコンデンサを充電する。一態様では、コントローラは、ブラシヘッドの動きの回数をカウントすることと、所定のカウントに達したとき、インジケータに電圧を加えることとを行うように構成されたカウンタである。
【0007】
一実施形態では、フェイスブラシ用のアダプタが、ブラシヘッドの動きに基づいて電気信号を生成するように構成されたエネルギーハーベスタと、エネルギーハーベスタと電気通信しているコントローラと、コントローラと電気通信しているインジケータとを含む。一態様では、インジケータは、コントローラからの信号に基づいて電圧を加えられ、アダプタは、ブラシヘッドとブラシハンドルとの間に配置されるように構成される。
【0008】
一態様では、エネルギーハーベスタは、ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子である。一態様では、インジケータは、ブラシヘッドの内腔を通して、またはブラシヘッドの、光をチャネリングする剛毛を通して発光するように構成された発光ダイオード(LED)である。
【0009】
一実施形態では、フェイスブラシの残存耐用寿命を推定するための方法が、エネルギーハーベスタによってブラシヘッドの動きから電気信号を生成するステップと、コントローラによってブラシヘッドの動きをカウントするステップと、所定のカウントに達したとき、インジケータに電圧を加えるステップとを含む。一態様では、エネルギーハーベスタは、ブラシヘッドが動くとき振動するように構成された圧電素子である。別の態様では、エネルギーハーベスタは発電機である。
【0010】
一態様では、インジケータは、コントローラからの信号に応じて、点灯、点滅、または変色するように構成された発光ダイオード(LED)である。別の態様では、インジケータは、音源、触覚素子、またはワイヤレス送信機である。
【0011】
一態様では、方法は、エネルギーハーベスタから受け取る電気信号に応じてコンデンサを充電するステップと、少なくとも部分的にコンデンサによってインジケータに電圧を加えるステップとを含む。別の態様では、方法はまた、コントローラによってブラシヘッドの動きの回数をカウントするステップと、ブラシヘッドの動きの所定の回数に達したと決定するステップと、ブラシヘッドの動きの所定の回数に達したことに応じて、インジケータに電圧を加えるステップとを含む。
【0012】
本発明の技術の前述の態様および付随する利点は、添付の図面とともに行う、次の詳細な説明への参照によってより良く理解されるようになると、より容易に諒解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の一実施形態によるフェイスブラシの部分概略分解図である。
図2】本技術の一実施形態によるフェイスブラシの側面平面図である。
図2A図2に示すフェイスブラシの断面図である。
図3】本技術の一実施形態による、エネルギーハーベスタの配置の概略図である。
図4】本技術の実施形態による、エネルギーハーベスタの概略図である。
図5A】本技術の実施形態による、エネルギーハーベスタの出力の検知の概略図である。
図5B】図に示す、いくつかの問題があるとわかった、使用中のエネルギーハーベスタの動作パラメータのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次の開示は、ブラシヘッドの寿命を測定し、表示するためのシステムおよび関連する方法の様々な実施形態について説明する。本技術が追加の実施形態を有する場合があること、および本技術が図1図5Bに関して以下に説明する実施形態の詳細の一部なしに実践される場合があることもまた、当業者には理解されよう。
【0015】
簡潔に説明すると、ブラシヘッドの寿命を測定し、表示するためのシステムおよび方法を、本明細書で説明する。いくつかの実施形態では、本発明の技術は、フェイスブラシの残存耐用寿命を表示する。ブラシは、ブラシヘッドの回転または振動に基づいて電気信号を生成するエネルギーハーベスタを含んでもよい。エネルギーハーベスタのいくつかの例は、ブラシヘッドが回転または振動すると信号を生成するように構成された圧電素子および発電機である。本出願の文脈において、電気信号を生成することは、動きについての情報(たとえば、ブラシヘッドの回転、振動など)を生成すること、ならびにエネルギーとして使用することができる差動電圧(たとえば、圧電素子の対向する面によって生成される電圧)を生成することを包含する。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベスタによって生成された電気信号は、カウンタ(たとえば、コントローラ、プロセッサ、または他の集積回路)によって追跡され、カウントされる。異なる態様では、インジケータは、光源(たとえば、発光ダイオード(LED))、音源(たとえば、ブザー)、触覚素子、または受信者に信号を送るワイヤレス送信機であることがある。受信信号の数についての所定のしきい値が、ブラシの寿命の終わり、提案される交換期間、提案される再充電時間などに対応してもよい。いくつかの実施形態では、信号カウントが所定のしきい値に達するとき、カウンタはインジケータに信号を送る。
【0016】
本発明の技術の一実施形態では、エネルギーハーベスタは、既存のブラシ設計で使用することができるアダプタに統合される。他の実施形態では、エネルギーハーベスタは、ブラシヘッドまたはブラシハンドルと統合されることがある。
【0017】
図1は、本技術の一実施形態による、フェイスブラシ1000の部分概略分解図である。いくつかの実施形態では、フェイスブラシ1000は、従来のハンドル200、およびブラシヘッド100の組合せであってもよく、ハンドル200とブラシヘッド100との間にアダプタ300が挿入される。異なる実施形態では、アダプタ300は、たとえば、円板、多角形、または楕円の形をしていてもよい。いくつかの実施形態では、アダプタ300は、プラスチックまたは他の比較的軽い材料で作られる。従来のフェイスブラシとともに使用される場合、アダプタは、従来のフェイスブラシに対するアップグレードであってもよい。他の実施形態では、エネルギーハーベスタ400は、ブラシヘッド100と一体であって(たとえば、製造時にブラシヘッド100に内蔵されて)もよい。
【0018】
アダプタ300は、(矢印410で示すように)エネルギーハーベスタ400を担持してもよく、エネルギーハーベスタ400は動作時、ブラシヘッド100の振動または回転に基づいてエネルギーのパルスを作り出す。エネルギーハーベスタのいくつかの非排他的例は、振動圧電素子、およびコイルを磁界と誘導的に結合する小型発電機である。ブラシヘッド100の振動または回転から得たエネルギーは、ブラシヘッドの規定回数の振動に達した後に(たとえば、しきい値カウントに達した後に)インジケータ430に電圧を加えるコントローラ420によって計測されてもよい。インジケータ430の一実施形態について、図2および図2Aに関して以下に説明する。
【0019】
図2は、本技術の一実施形態によるフェイスブラシの側面平面図ある。異なる実施形態では、インジケータ430は、発光ダイオード(LED)、音源(たとえば、小型スピーカー)、触覚素子、ワイヤレス送信機、または他のインジケータであってもよい。いくつかの実施形態では、インジケータ430は、たとえば点滅光、またはブラシヘッド100の余寿命の機能として変色する光として、剛毛110の間で視認できる。たとえば、LEDインジケータ430は、余寿命がかなりあるブラシヘッド100の場合は緑色、余寿命がほとんどまたはまったくないブラシヘッド100の場合は赤色であってもよい。いくつかの実施形態では、インジケータ430は、リモート受信機に適切な信号を送るワイヤレス送信機である。そのようなリモート受信機は、フェイスブラシの再充電スタンド(図示せず)に置かれてもよい。
【0020】
図2Aは、図2に示すフェイスブラシの断面図A-Aである。図示の実施形態では、インジケータ430は、空洞440内で発光するLEDである。ブラシヘッド100は、インジケータ430によって発せられた光をフェイスブラシの外に誘導するための対応する内腔120を有してもよい。いくつかの実施形態では、剛毛110の一部または全部が、光をチャネリングする剛毛(たとえば、光ファイバー)であってもよく、したがって、フェイスブラシの余寿命の視覚的表示を強調する。
【0021】
図3は、本技術の一実施形態による、エネルギーハーベスタ400の配置の概略図である。エネルギーハーベスタ400の配置は、矢印411によって示される。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベスタ400は、ブラシヘッド100に配置される。たとえば、ブラシヘッド100は、エネルギーハーベスタ400の素子を収納する空洞130を含んでもよい。図示の実施形態では、エネルギーハーベスタ400は、ブラシヘッド100とハンドル200との間にはさまれ、したがって湿気、埃、化学薬品などから保護される。
【0022】
図4は、本技術の実施形態による、エネルギーハーベスタ400の概略図である。図示したエネルギーハーベスタ400は、アダプタ300またはブラシヘッドによって担持された圧電素子417を含む。圧電素子417は、一方の側ではブラシの可動(たとえば、振動または回転)表面に反対側では素子419に取り付けられた、圧電ビーム410を有してもよい。動作時、アダプタ300の動きは、素子419(「マス」とも呼ばれる)を振動させ、したがって圧電ビームを上下に曲げて、圧電ビーム410の両側を圧縮および伸張させる。圧電ビーム410の一方の面が縮み、反対側が伸びると、これらの対向する面は、コントローラ420に供給される異なるエネルギーポテンシャル(電圧)を生成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、エネルギーハーベスタ400は、mmスケールを有し、圧電ビーム410の厚さは、サブmmスケールである。圧電素子417の結果として生じる固有振動数は、数十から数百Hzの範囲であってもよい。多くの適用例では、圧電素子417の固有振動数は、圧電ビーム410の寸法および材料、ならびにマス415の大きさの選択により調整可能である。いくつかの実施形態では、これらのパラメータは、圧電素子417の固有振動数がブラシヘッドの振動の周波数に対応するように選択される。
【0024】
異なる実施形態では、コントローラ420は、圧電素子417の振動数をカウントし、圧電素子のための動作の合計時間、合計アイドル時間を決定し、またはフェイスブラシの他の使用量インジケータを追跡する。圧電ビーム410から得たエネルギーは、一部はコンデンサ425または他のエネルギー貯蔵部(たとえば、再充電式バッテリー)に貯蔵されてもよい。
【0025】
コントローラ420は、フェイスブラシの余寿命を推定するために、1つまたは複数の使用量インジケータを所定のしきい値と比較してもよい。所定のしきい値に達するとき、コントローラ420は、貯蔵されたエネルギーをコンデンサ(または他のエネルギー貯蔵部)425からインジケータ430にルーティングしてもよい。それに応じて、インジケータ430は、フェイスブラシの寿命の終わりについてユーザに警告するために、信号(光、音、ワイヤレス信号など)を発する。
【0026】
図5Aは、本技術の実施形態による、エネルギーハーベスタ400aの出力の検知の概略図である。エネルギーハーベスタ400aは、圧電素子417を含む。ブラシヘッドが振動または回転すると、圧電ビーム410の固定された側は、加速度「a」で加速し、圧電素子417を振動させる。この振動は、圧電ビーム410にわたる電圧差を作り出し、検知素子435によって検知され得る。いくつかの実施形態では、検知素子435は、好適なコントローラおよびメモリストレージに接続されたアナログデジタル(A/D)変換器である。検知素子435は、圧電素子417の動作を特徴づけるために使用されてもよい。そのような特徴づけの一例について、以下に図5Bを参照して説明する。
【0027】
図5Bは、図5に示すエネルギーハーベスタの動作パラメータのグラフ500である。水平軸は、複数の重力加速度として表される、アダプタ300またはブラシヘッド100の加速度に対応する。垂直軸は、圧電素子が曲がるときの圧電ビーム410の表面においての電圧上昇に対応する。120Hzで振動する振動源(たとえば、ブラシヘッド)に対して、サンプル測定が行われ、マス415は0.22gであった。しかしながら、エネルギーハーベスタ400の目標共振周波数および所望のエネルギー出力に応じて、他の値が考えられる。
【0028】
グラフ500は、エネルギーハーベスタ400の電圧出力、およびしたがってエネルギー生産が、ブラシヘッドのピーク加速度とともに着実に増えることを示す。斜線領域は、エネルギーハーベスタ400の動作領域に対応する。動作領域は、圧電素子417によって生成されるエネルギーが、エネルギーハーベスタ400の検知素子、コントローラ、および/または他のエネルギーを消費する素子の、内部損失を含むエネルギー消費を十分に上回る条件のセットとして定義されてもよい。したがって、エネルギーハーベスタ400aが動作領域内で振動するとき、十分なエネルギーが目標時間内に貯蔵されて、必要なときにインジケータ430を作動させる。図示の例では、動作領域は、約0.7g以上のピーク加速度に対応するが、異なるエネルギーハーベスタには他の値が考えられる。
【0029】
上記で説明した技術の多くの実施形態は、プログラム可能なコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含む、コンピュータまたはコントローラ実行可能命令の形態をとってもよい。この技術は上記で示して説明したもの以外のコンピュータ/コントローラシステムにおいて実践できることが、当業者には諒解されよう。この技術は、上記で説明したコンピュータ実行可能命令の1つまたは複数を実施するように特にプログラム、構成、または構築された、専用コンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサにおいて具体化され得る。したがって、本明細書で一般的に使用される「コンピュータ」および「コントローラ」という用語は、どんなデータプロセッサも指し、インターネット機器およびハンドヘルドデバイス(パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、セルラーまたはモバイル電話、マルチプロセッサシステム、プロセッサベースまたはプログラム可能家電、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含む)を含むことができる。
【0030】
上記のことから、本技術の特定の実施形態について、例示の目的で本明細書において説明したが、本開示から逸脱することなく様々な変更が行われる場合があることが諒解されよう。たとえば、いくつかの実施形態では、カウンタまたはコントローラは、コンデンサに接続された低電力バックレギュレータに基づいていてもよい。その上、いくつかの実施形態に関連する様々な利点および特徴について、それらの実施形態の文脈において上記で説明したが、他の実施形態もまた、そのような利点および/または特徴を示す場合があり、すべての実施形態が、本技術の範囲内に入るためにそのような利点および/または特徴を必ずしも示す必要があるとは限らない。したがって、本開示は、本明細書で明示的に図示または説明されない他の実施形態を包含することができる。
【符号の説明】
【0031】
100 ブラシヘッド
110 剛毛
120 内腔
130 空洞
200 ハンドル
300 アダプタ
400 エネルギーハーベスタ
410 矢印
410 圧電ビーム
411 矢印
415 マス
417 圧電素子
419 素子
420 コントローラ
425 コンデンサ
430 インジケータ
435 検知素子
440 空洞
1000 フェイスブラシ
図1
図2
図2A
図3
図4
図5A
図5B