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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ボトルアタッチメントを含む哺乳瓶
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A61M1/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021507861
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2019071744
(87)【国際公開番号】W WO2020035504
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】18189368.6
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503465052
【氏名又は名称】メデラ ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】シュリング、 マーチン
(72)【発明者】
【氏名】フェルバー、 アーミン
(72)【発明者】
【氏名】リジャ-ト、 マリオ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0296681(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0228342(US,A1)
【文献】特開2001-331223(JP,A)
【文献】特開2015-116431(JP,A)
【文献】特開平01-132986(JP,A)
【文献】国際公開第2016/014469(WO,A1)
【文献】米国特許第06673036(US,B1)
【文献】国際公開第2006/054650(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳瓶(2)と、前記哺乳瓶(2)に連結されかつ搾乳器用のコネクタ(6)を有するボトルトップアタッチメント(4)とを含む装置であって、
前記ボトルトップアタッチメント(4)は、母乳用のリザーバ(10)を有する測定ヘッド(8)を含み、
前記測定ヘッド(8)は、前記リザーバ(10)内の乳汁のレベルを連続的に監視することによって前記リザーバ(10)内の乳汁の量を特定するために前記リザーバ(10)の容積に関連付けられたセンサーユニットを含み、
同じ高さで互いに向かい合って配置された少なくとも2つの光センサーデバイス(16、18)が、前記リザーバ(10)に関連付けられ、
前記リザーバ(10)の一方の側面(20)の複数の光検出器(16)と、前記リザーバ(10)の他方の側面(22)の複数の発光体(18)とが、それぞれ高さ方向に上下に配置され、
前記装置は制御ユニットをさらに含み、前記制御ユニットは、前記発光体(18)に制御するように接続され、前記発光体(18)が所定の期間、所定の順序で繰り返しオン及びオフに切り替えられるように適合されている、装置。
【請求項2】
前記リザーバ(10)は、前記哺乳瓶(2)への流出開口部(12)と、前記流出開口部(12)に配置された閉鎖要素(14)とを含み、前記閉鎖要素(14)は、前記リザーバ(10)内に少なくとも一定量の乳汁を保持するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
弁(14)が前記流出開口部(12)に配置され、閉位置で前記リザーバ(10)の前記流出開口部(12)に当接し、前記リザーバ(10)に含まれる乳汁の重量力により開位置に押し進められる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
光検出器(16)が前記リザーバ(10)の一方の側面(20)に配置され、発光体(18)が前記リザーバ(10)の他方の側面(22)に配置されている、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記発光体(18)のオン及びオフの切り替えが周期的に繰り返されるように適合されている請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記光検出器(16)の測定された強度によって前記リザーバ(10)に含まれる乳汁のパラメータを特定するように適合された処理ユニットをさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記リザーバの中心軸(A)が前記測定ヘッドの中心軸(A)と一致する、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記リザーバ(10)は、実質的に矩形の、特に正方形の断面を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記測定ヘッド(8)は、外側ハウジング(24)と、前記リザーバ(10)を形成する内側ハウジング(26)とを含み、前記外側ハウジング(24)は、前記内側ハウジング(26)に着脱可能に接続される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記外側ハウジング(24)は、ねじ山(28)によって前記哺乳瓶(2)の首に螺合できる、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記内側ハウジング(26)は、ねじ山(30)によって前記コネクタに螺合できる、請求項又は10に記載の装置。
【請求項12】
哺乳瓶(2)用のボトルトップアタッチメント(4)であって、
前記ボトルトップアタッチメント(4)はリザーバ(10)を有する測定ヘッド(8)を含み、
前記測定ヘッド(8)は、前記リザーバ(10)内の乳汁のレベルを連続的に監視することによって前記リザーバ(10)内の乳汁の量を特定するために前記リザーバ(10)の容積に関連付けられたセンサーユニットを含み、
同じ高さで互いに向かい合って配置された少なくとも2つの光センサーデバイス(16、18)が、前記リザーバ(10)に関連付けられ、
前記リザーバ(10)の一方の側面(20)の複数の光検出器(16)と、前記リザーバ(10)の他方の側面(22)の複数の発光体(18)とが、それぞれ高さ方向に上下に配置され、
前記ボトルトップアタッチメントは制御ユニットをさらに含み、前記制御ユニットは、前記発光体(18)に制御するように接続され、前記発光体(18)が所定の期間、所定の順序で繰り返しオン及びオフに切り替えられるように適合されている、ボトルトップアタッチメント(4)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴を有する装置に関する。このような装置は、特許文献1から知られている。哺乳瓶とボトルトップアタッチメントとを含む装置が、特許文献1から知られている。ボトルトップアタッチメントは、哺乳瓶のボトルネックに螺合される。一実施形態では、センサーユニットが、哺乳瓶のボトルネックを通って落下する乳汁の液滴を検出する。別の実施形態では、ボトルネックに配置されたフラップ弁の開位置が感知される。哺乳瓶の中身については、哺乳瓶に到達する乳汁液滴の数を測定することによって、又は弁の開位置から、それぞれ結論を導き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】米国特許出願公開第2015/0283311号明細書
【文献】国際公開第2014/161099号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
乳汁液滴の大きさ及び形状が様々であり得るため、この乳汁の量に関する結論は、時として不正確である。本発明の目的は、従来の装置を改良することである。本発明は、特に、哺乳瓶に流入する乳汁のパラメータの正確かつ連続的な検出を可能にし、洗浄が容易であり、簡単なメンテナンスを保証する装置を提供することを目指している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を満たすために、本発明は、請求項1の特徴を有する装置を提案する。装置は、哺乳瓶と、哺乳瓶に連結されたボトルトップアタッチメントとを含む。ボトルトップアタッチメントは、搾乳器を接続することができるコネクタを含む。搾乳器は、典型的には、人間の女性の乳房に適合し、特に人間の女性の乳房に密封するように適用することができ、ハンドポンプ又は電気作動ポンプと相互作用して乳房シールドと乳房との間に負圧を生成するように適合された乳房シールドを含む。負圧は、典型的には、ポンプのポンピング又は吸引ストロークに対応する特定の周波数で生成される。これは、乳汁の流れを刺激する。コネクタは、典型的には、乳房シールド内に集められた乳汁をボトルトップアタッチメントの測定ヘッドの方向に排出する流路を含む。乳房シールドはまた、コネクタに強固に一体化され得る。
【0005】
ボトルトップアタッチメントは、哺乳瓶から分離することができるので、満たされた哺乳瓶を乳児に哺乳するための哺乳瓶用乳首に接続することができる。ボトルトップアタッチメントは、哺乳瓶のボトルネックに着脱可能に接続され、典型的には螺合される。本発明による装置は、ボトルトップアタッチメントが母乳用のリザーバを有する測定ヘッドを含み、測定ヘッドがリザーバの容積に関連付けられたセンサーユニットを含むことを特徴とする。センサーユニットは、リザーバの全容積を検出する必要はない。
【0006】
ボトルトップアタッチメントは、典型的には、哺乳瓶のボトルネックによって形成される哺乳瓶の開口部に設けられる。ボトルベースは、一般に、ボトルネックと反対側の端部に配置される。通常、哺乳瓶は、束縛を受けずに、哺乳瓶の底に直立するように設計されている。上、下、垂直、水平などの方向情報は、すべての場合において、平らな水平面にボトルベースを置いて立っている装置に関するものである。
【0007】
本発明による哺乳瓶は、典型的には、少なくとも部分的に透明な熱可塑性材料又はガラスから製造される。特に好ましくは、ポリプロピレンが使用される。プラスチック材料で作られる哺乳瓶は、使い捨ての瓶として又はリターナブル瓶として製造することができ、通常7.5~30gの重量を有する。再使用可能な哺乳瓶は、好ましくは、約0.9mmの壁厚を有する。
【0008】
哺乳瓶の公称容積は、典型的には80から250ml、特に80ml、150ml又は250mlである。哺乳瓶が収容できる最大容積は、通常330ml以下である。
【0009】
哺乳瓶は、好ましくは約60から160mm、好ましくは66mm、99.5mm、102mm、136mm又は148.5mmの高さを有する。ボトルのネックの直径は、典型的には33mmである。哺乳瓶の最大直径は、典型的には50から70mm以下、好ましくは53mm、60mm又は65mm以下である。全ての寸法は、±10%、好ましくは±5%の公差を有するものと理解されるべきである。
【0010】
哺乳瓶は、一般に、円錐状に先細りしてボトルネックを形成する実質的に円筒形のボトル本体を有する。瓶の本体の直径も、その長さにわたって様々であり得る。例えば、瓶の本体は、特に1つ以上の円錐形部分によって接続され得る、異なる直径のいくつかの円筒形部分を有することができ。通常、ボトルネックの直径は最小である。ボトルネックは、好ましくは雄ねじを備える。
【0011】
ボトルベースは通常、座面を形成し、哺乳瓶は座面で平らな支持面上に直立する。座面は、典型的には実質的に平坦な面であり、任意選択でリザーバに向かって内側に中心曲率を任意に有することができる。設置面積の座面は、下方に突出するリングによって形成することもできる。
【0012】
測定ヘッドは、典型的にはコネクタの下に配置され、好ましくは搾乳器を通してコネクタに吸い込まれた乳汁液滴をリザーバ内に捕捉する。このために、リザーバは、典型的には、上端に充填口を有するように形成される。好ましくは、リザーバは、頂部に向かって開口している。また、リザーバは、典型的には、乳汁液滴がリザーバから直接落下しないように設計される。リザーバの下側側壁は、好ましくは液密である。リザーバの幾何学的形状は、特定の容積を有するキャビティを画定する。この容積は、典型的には0.5mlから4ml、好ましくは0.8mlから1.5mlである。この容積は、センサーユニットに関連付けられている。換言すれば、センサーユニットは、リザーバのキャビティに向かって配向される。センサーユニットは、特に、リザーバ内の乳汁のパラメータ、例えば、リザーバ内の乳汁充填量を特定するように設計される。
【0013】
本発明は、乳汁が哺乳瓶に入る前に乳汁のパラメータを特定することを可能にする。乳汁を滴下する際に及び/又は一滴ずつ測定する必要がないため、精度は従来技術よりも高くなる。代わりに、複数の乳汁液滴は、まとめられてリザーバ内の一部分を形成することができ、次いでセンサーユニットによって測定又は正確に測定される。
【0014】
本発明の1つの好ましい展開によれば、リザーバは、哺乳瓶への流出開口部と、流出開口部に配置された閉鎖要素とを有する。閉鎖要素は、リザーバ内に少なくとも一定量の乳汁を保持するように適合される。閉鎖要素は、好ましくは、閉位置において、液滴充填中にリザーバの流出開口部に当接する弁として設計される。リザーバ内の流体圧力が閉鎖要素の抵抗閾値を超えると、閉鎖要素は開位置に押し進められ、その結果、一定量の乳汁が、リザーバから哺乳瓶に流れ込むことができる。閉鎖要素は、例えば、出願人に由来する特許文献2に従って、又は特許文献1に従ってフラップ弁のように設計することができる。典型的には、流体圧力の低下により閉鎖部材が閉位置に戻るため、リザーバは完全に空にならない。
【0015】
閉鎖要素の抵抗閾値は、好ましくは調整可能である。閉鎖要素は、流出開口部に接して予め張力を加えられている可能性がある。充填高さは、好ましくは15から25mmである。閉鎖要素が再び閉じられた後にリザーバに典型的に残る残留量は、典型的には0.1mlから0.3mlである。
【0016】
閉鎖要素に作用するリザーバ内の乳汁の流体圧力は静水圧である。弁は、好ましくは一方向弁として設計される。さらに好ましくは、弁は弁膜を有し、弁膜は、その幾何学的形状により、哺乳瓶の側の弁膜に流体圧力がかかっている間、静止位置に留まる。静止位置では、弁膜はリザーバの流出開口部に支えられている。流出開口部は、一般にリザーバの側壁に設けられ、その結果、弁膜は、垂直な位置から離れて開位置に押し進められ、好ましくは旋回される。弁膜は、好ましくは、可撓性プラスチック材料、特にシリコーンで作られている。
【0017】
ポンプの真空サイクルによって引き起こされる流れのリズム、すなわち哺乳瓶への乳汁の部分的な流出は、その後、簡単かつ省エネルギーな方法で実施することができる。
【0018】
本発明の1つの好ましい展開によれば、同じ高さで互いに向かい合って配置された少なくとも2つの光学センサーデバイスがリザーバに関連付けられている。この文脈における「光学的」及び「光」という用語は、可視光に限定されず、基本的に、電磁スペクトル全体を指している。光センサーデバイスは、好ましくは赤外線範囲に適合されている。一般に、センサーデバイスは、乳汁がリザーバの容積を満たすときにリザーバ内の乳汁カラム(柱状体)の少なくとも一部がセンサーデバイスの間に設けられるように配置される。センサーデバイスは、センサーデバイス間に乳汁が配置されているか又は空気が配置されているかに応じて、異なる信号を検出するように配置される。センサーデバイスは、好ましくは、例えば射出成形によって、向かい合って配置されたリザーバの側壁に組み込まれる。代わりに、センサーデバイスはそれぞれ、リザーバの透明又は半透明の側壁の外側に取り付けることができる。
【0019】
次いで、リザーバ内の乳汁カラムがセンサーデバイス間に延在するか否か、又はどれだけ高く延在するかを特定することができ、その結果、リザーバ内の乳汁充填量に関して結論を導き出すことができる。
【0020】
さらに好ましくは、光検出器がリザーバの一方の側に配置され、発光体がリザーバの他方の側に配置される。光検出器及び発光体はそこで同じ高さに配置されているため、光検出器と発光体との間の最短光路は水平方向に延びている。発光体は、典型的には、光検出器に向かって配向される。光検出器によって受信される信号は、発光体と光検出器との間に乳汁が存在する場合よりも、発光体と光検出器との間に空気が存在する場合の方が高い強度を有する。
【0021】
発光体は好ましくはLED又はLEDチップであり、光検出器は好ましくはフォトトランジスタである。さらに好ましくは、いくつかの光検出器がリザーバの一方の側に配置され、いくつかの発光体がリザーバの他方の側に配置される。光検出器は垂直方向に上下に配置される。発光体についても同様である。各光検出器は、同じ高さに向かい合って配置された発光体に関連付けられている。発光体及び光検出器はそれぞれ、好ましくは高さ方向に延びる一直線上に配置される。
【0022】
結果として、リザーバ内の乳汁カラムのレベルをより正確に特定することができる。
【0023】
本発明の1つの好ましい展開によれば、装置は、発光体に制御するように接続された制御ユニットであって、発光体が所定の期間中に所定の順序で再びオン及びオフに切り替えられるように適合された制御ユニットを含む。期間は通常数ミリ秒、好ましくは2ミリ秒以下である。期間が非常に短いように選択されるので、リザーバ内の乳汁カラムは、それぞれの光検出器の高さに対する光検出器の測定強度をプロットすることによって、それぞれの時点でマッピングすることができる。発光体が再びオン及びオフされるシーケンスは通常それほど重要ではないが、好ましくは高さ方向に連続的である。
【0024】
制御ユニットは、好ましくは、このようなマッピングを周期的な間隔で生成する。この好ましい展開によれば、制御ユニットは、発光体のオンとオフの切り替えが周期的に繰り返されるように適合されている。期間は、好ましくは10から20ミリ秒、より好ましくは13から17ミリ秒、非常に好ましくは約15ミリ秒である。
【0025】
これにより、リザーバ内の乳汁カラムのレベルを連続的に監視することができる。
【0026】
本発明のさらに好ましい1つの展開によれば、装置は、光検出器の測定された強度によってリザーバに含まれる乳汁のパラメータを特定するように適合された処理ユニットを含む。例えば、哺乳瓶への体積流量は、処理ユニットを用いて、時間の関数としてのリザーバ内の乳汁レベルの変化に基づいて計算することができる。これにより、経時的な乳房の乳汁送達に関する直接的な結論が可能になる。別のパラメータは、所定の時点でのリザーバ内の乳汁の量であり、これは、乳汁カラムの現在のレベル及びリザーバの寸法によって特定することができる。
【0027】
リザーバの中心軸は、好ましくは、測定ヘッドの中心軸と一致する。これにより、センサーユニットをリザーバに対して最適に配向させることができる。また、制御ユニット及び処理ユニットは、リザーバと測定ヘッドの外壁との間に配置することができる。
【0028】
より好ましくは、リザーバは、実質的に矩形の、特に正方形の断面を有する。ここでの断面は水平方向に延びているので、断面又はリザーバの上面図にそれぞれ矩形形状が示されている。これは、流出開口部がリザーバの側壁に配置されかつ閉鎖要素が平坦な板状要素として提供されるならば、流出開口部に対する閉鎖要素の支持を単純化する。リザーバは、好ましくは、8mmの長さ、8mmの幅、及び20mmの高さを有する。出口開口部は、好ましくは5mmの直径を有する。
【0029】
本発明の1つの好ましい展開によれば、測定ヘッドは、外側ハウジングと、リザーバを形成する内側ハウジングとを含み、外側ハウジングは、内側ハウジングに着脱可能に接続される。内側ハウジングは、一般に、外側ハウジング内に同軸に配置される。
【0030】
これにより、測定ヘッドのクリーニング及びセンサーユニットのメンテナンスが容易になる。外側ハウジングは、衝撃に対するリザーバの保護及び損傷に対するセンサーユニットの保護を強化する。
【0031】
外側ハウジングは、好ましくは、ねじ山によって哺乳瓶の首に螺合される。哺乳瓶のボトルネックは、一般に、外側ハウジングの雌ねじと相互作用する雄ねじを有する。また好ましくは、内側ハウジングは、ねじ山によってコネクタに螺合される。内側ハウジングは、典型的には、コネクタによって円周方向に囲まれかつコネクタとねじ係合する雄ねじを有する。
【0032】
結果として、ボトルトップアタッチメントの個々のコンポーネントを容易に分離することができるので、クリーニング及びメンテナンスが容易になる。
【0033】
代替的に、測定ヘッドは、一体的に形成され、一方の側で哺乳瓶の首に、他方の側でコネクタに着脱可能に接続され、好ましくは螺合される。更なる代替案によれば、ボトルトップアタッチメントは、完全に一体的に形成することができる。
【0034】
リザーバは、好ましくは、ポリプロピレン(PP)で作られ、リザーバは、特に、赤外光に対して透過性である必要がある。内側及び外側ハウジングもポリプロピレン(PP)で作られる必要がある。
【0035】
独立した態様では、本発明は、哺乳瓶用のボトルトップアタッチメントを提供する。ボトルトップアタッチメントは、リザーバを有する測定ヘッドを含む。測定ヘッドは、リザーバの容積に関連付けられたセンサーユニットを有する。ボトルトップアタッチメントは、通常、搾乳器用のコネクタを含む。ボトルトップアタッチメントは、好ましくは、上述した展開の1つ以上に従って形成される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の更なる詳細は、図面と組み合わせた本発明の一実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
図1】本発明の一実施形態の側面図を示す。
図2図1の測定ヘッドの断面図を示す。
図3図2に対して90°回転した視点からの、図2の測定ヘッドの内側ハウジングの断面図を示す。
図4図3に対して180°回転した視点からの測定ヘッドの内側ハウジングの断面図を示す。
図5】実施形態の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、哺乳瓶2と、哺乳瓶2に連結されたボトルトップアタッチメント4とを含む、本発明による装置の実施形態を示す。ボトルトップアタッチメント4は、コネクタ6と、哺乳瓶2とコネクタ6との間に配置された測定ヘッド8とを含む。測定ヘッド8は、哺乳瓶2とコネクタ6とに螺合される。典型的なコネクタ6は、搾乳器用の接続部を有する。この搾乳器の乳房シールド9のみが図1に示されており、女性の乳房に適用され、コネクタ6に接続可能なポンプと相互作用して、乳房に負圧を発生させることができる。本実施形態によれば、哺乳瓶2は、測定ヘッドの中心軸と一致する垂直対称軸に関して回転対称である。哺乳瓶2は、透明なプラスチック材料又はガラスで作られている。
【0038】
図2は、その中心軸A(図4参照)の周りにリザーバ10が配置されている測定ヘッド8の断面図を示す。本実施形態によれば、リザーバ10は、正方形断面を有する。図で左側にあるリザーバ10の側壁の下端に、リザーバ10は流出開口部12を有する。リザーバ10の下側底部は、出口開口部12の方向に下がるように形成される。閉鎖要素14が出口開口部に当接する。本実施形態における閉鎖要素14は、弁膜として形成されている。リザーバ内の乳汁による弁膜への十分な流体圧力によって、弁膜は、出口開口部12から横方向に持ち上がり、少なくとも部分的に出口開口部12を露出させることができる。出口開口部12は、リザーバ10の最下点と同一平面に形成される。
【0039】
図3に示すように、同じ高さで互いに向かい合って配置された光検出器16及び発光体18は、リザーバに関連付けられている。光検出器16は、リザーバの一方の側面20に、高さ方向に垂直線上に上下に配置されている。発光体18は、リザーバ10の反対の側面22に、高さ方向に垂直線上に上下に対応して配置されている。出口開口部は、図3では、実質的に円形の開口部として見ることができる。
【0040】
測定ヘッド8は、外側ハウジング24と、リザーバ10を形成する内側ハウジング26とを有する(図2参照)。測定ヘッド8は、外側ハウジング24の下端にある雌ねじ28によって、哺乳瓶2のボトルネックに雄ねじで螺合される。測定ヘッド8の内側ハウジング26には、測定ヘッド8をコネクタ6に螺合する雄ねじ30が形成されている。
【0041】
図4は、測定ヘッド8の垂直対称軸Aの両側の等しい高さでの光検出器16及び発光体18の配置を示す。本実施形態によれば、合計14個の光検出器16a~16nと、14個の発光体18a~18nとが設けられている。これらは、それぞれ中心軸Aに平行な垂直線上で上下に直線的に配置されている。光検出器16及び発光体18は、それぞれリザーバ10の側壁に取り付けられている。リザーバ10は、透明材料で作られている。
【0042】
図5に示すように、リザーバ10の出口開口部12は、外側ハウジング24の方向に下向きに傾斜する傾斜路32に隣接している。外側ハウジング24は、ボトルネックの開口部を取り囲み、ドリップエッジとして機能するカラー34を有する。
【0043】
乳房シールド9に集められた母乳は、乳房シールドと一体的に形成されたポートを通してコネクタ6に送られる。ポートは、乳房シールド9から斜め下方にコネクタ6まで延びている。コネクタ6の流路は、ポートの下端の下に形成されている。流路は、上方に開いたリザーバの真上で終了する。乳房シールド9に集められた乳汁は、上述した幾何学的形状及び重力により、リザーバ10に流入する。リザーバの下向きに傾斜した底部(図2参照)により、乳汁は最初に流出開口部12の上流に集まる。閉鎖要素14は、初めは、重量力から生じる乳汁の流体圧力に耐える。リザーバ10内に乳汁カラムが形成される。乳汁カラムの流体圧力が、閉鎖要素14を流出開口部12から離すのに十分な大きさである場合、乳汁カラムの一部分は、流出開口部12を通ってリザーバ10から流出することができる。上記部分は、傾斜路32を通って外側ハウジングの内壁に流れる。この内壁から、上記部分はカラー34へと下方に流れ、そこで上記部分は最終的に哺乳瓶2内に滴下する。その後、閉鎖要素が閉位置に移動すると、リザーバ内の乳汁カラムは、閉鎖要素が再び開位置に押し進められるまで再び高くなる。
【0044】
本実施形態によれば、リザーバ10内の乳汁カラムは、15ミリ秒毎にセンサーデバイス16、18によって透過照明される。この透過照明のために、センサーデバイス16、18は2ミリ秒以下を必要とする。15ミリ秒ごとに、乳汁カラムの垂直方向の延長のスナップショットが作成される。乳汁は空気よりも多くの光を吸収及び/又は散乱するので、乳汁カラムの上方に配置された光検出器16は、乳汁カラムがその間に延びる光検出器16よりも高い強度を測定する。しかしながら、本実施形態に係る光検出器16及び発光体18は、赤外領域に適合されている。リザーバ10内の乳汁カラムの高さは、連続的に監視される。閉鎖要素14の開位置ごとに、乳汁カラムの高さ又は乳汁レベルはそれぞれ減少する。吸引ポンプの1回の吸引サイクル中に哺乳瓶に流入する乳汁の量又は部分は、この減少から計算することができる。監視は連続的であるため、哺乳瓶への体積流量、すなわち、単位時間当たりの乳汁の量を特定することができる。体積流量が多い場合、より多くの乳汁が排出される。体積流量が少ない場合、排出される乳汁は少なくなる。
【符号の説明】
【0045】
2 哺乳瓶
4 ボトルトップアタッチメント
6 コネクタ
8 測定ヘッド
10 リザーバ
12 流出開口部
14 閉鎖要素
16 光検出器
18 発光体
20、22 向かい合って配置されたリザーバの側面
24 外側ハウジング
26 内側ハウジング
28 雌ねじ
30 雄ねじ
32 下向きに傾斜する傾斜路
34 ドリップエッジ
A 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5