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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】硬化性歯科用二剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 6/891 20200101AFI20221206BHJP
   A61K 6/54 20200101ALI20221206BHJP
   C08G 73/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61K6/891
A61K6/54
C08G73/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021516736
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019080733
(87)【国際公開番号】W WO2020094859
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】18205107.8
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502289695
【氏名又は名称】デンツプライ デトレイ ゲー.エム.ベー.ハー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルム,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】クレー,ヨアヒム・エー
(72)【発明者】
【氏名】リッター,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】カパー,オズギュル
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】タバタバイ,モニル
【審査官】堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許第02813497(EP,B1)
【文献】特開2006-348293(JP,A)
【文献】特表2008-506821(JP,A)
【文献】特表2017-515934(JP,A)
【文献】特開平08-003014(JP,A)
【文献】特表2008-528652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 6/891
A61K 6/54
C08G 73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 少なくとも4つの第一級アミノ基を有する1種以上の架橋剤(a-1)と、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される2つの基を有する1種以上の化合物(a-2)と、を含む第1のペーストと、
(b) 逐次重合反応において第1のペーストの架橋剤と重合可能な1種以上の化合物(b-1)を含む第2のペーストとを含む、硬化性歯科用二剤組成物であって、
前記化合物は、1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている、下記式(A)及び(B):
【化10】

[式中、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はC1-6アルキル基を表わす]
から選択される少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基を有し、
ここで、架橋剤化合物と重合可能な化合物(b-1)は、下記式(II):
【化11】

[式中、
Aは、酸素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基であり、
は、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はメチル基を表わし、
Yは、それぞれ独立しており、単結合、酸素原子、硫黄原子、エステル結合又はウレタン結合を表わす]
で示される化合物である、硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項2】
さらに、
(c) アミノ基を含有しない粒状充填剤を含む、請求項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項3】
さらに、
(c) 放射線不透過性充填剤を含む、請求項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項4】
1種以上の架橋剤(a-1)は、直鎖又は分岐鎖であり、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する、請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項5】
第1のペースト中の成分(a-1)及び(a-2)における第1級アミノ基に対する、第2のペースト中の成分(b-1)における1,3-ジオキソラン-2-オン基(A、B)のモル比[1,3-ジオキソラン-2-オン基(b-1)]/[第1級アミノ基(a-1)、(a-2)]とのモル比は、0.9~1.1である、請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項6】
第1のペーストと第2のペーストとが、等体積量で混合される、請求項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項7】
1種以上の架橋剤(a-1)が、下記式(I):
R(Z)n
(I)
で示される分岐鎖ポリアミン化合物であり、
ここで、
Rが、酸素、窒素及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有してもよいn価で飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族基であり、
Zが、同じか又は異なることができ、独立して、
-(LX)-L-NZ’
を表わし、
Z’が、独立して、Zと同じ意味を有することができ、又は水素原子を表わし、
Lが、同じか又は異なることができ、独立して、単結合又は飽和脂肪族基を表わし、
Xが、同じか又は異なることができ、独立して、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表わし、
nが、1~20の整数であり、
式(I)で示される化合物が、少なくとも4つの第一級アミノ基を含有するという条件の下で、mが0~4の整数である、請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物であって、
該組成物の総重量に基づいて1~40重量%の量で、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する1種以上の架橋剤(a-1)を含有する、硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物であって、
該組成物の総重量に基づいて、1~40重量%の量で、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される2つの基を有する1種以上の化合物(a-2)を含有する、硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物であって、
該組成物の総重量に基づいて、1~40重量%の量で、架橋剤と重合可能な1種以上の化合物(b-1)を含有する、硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項11】
硬化した組成物が、60℃以下のTを有する、請求項1~10のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項12】
歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物である、請求項1~11のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項13】
双胴シリンジ中に包装される、請求項1~12のいずれか一項記載の硬化性歯科用二剤組成物。
【請求項14】
請求項12記載の硬化性歯科用二剤組成物の製造のための、少なくとも4つの第1級アミノ基を有する、架橋剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、硬化性歯科用二剤組成物に関する。硬化性歯科用二剤組成物は、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤と、逐次重合反応において前記架橋剤に重合可能な化合物とを含む。架橋剤に重合可能な化合物は、1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている、少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基を有し、1,3-ジオキソラン-2-オン基は、任意選択的に置換されていてもよい。硬化性歯科用二剤組成物は、歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物であることができる。
【0002】
さらに、本発明は、歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物から選択される硬化性歯科用二剤組成物の製造のための、少なくとも4つの第1級アミノ基を有する架橋剤の使用に関する。
【0003】
硬化した組成物の望ましい熱機械的特性、及び未硬化組成物の低い粘度、並びに硬化時の組成物の小さな寸法変化のおかげで、歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物中のビスフェノール-A系成分、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを、本発明の硬化性歯科用二剤組成物に含まれる重合性化合物に置き換えることができる。
【0004】
発明の背景
歯科用組成物は、強度及び外観に関して、天然歯の構造に近いことが望ましい。したがって、物理的特性、生体適合性、美観及び取り扱い特性に関して改善された特性を有する歯科用組成物の開発に向けられた多大な努力が、先行技術により報告されている。
【0005】
根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される歯科用組成物は、硬化した製品が高い放射線不透過性を有すること、及び組成物が硬化のために外部照射を必要としないという、更なる要求を受ける。さらに、歯根管の密封をさらに改善するために、組成物が、根管壁に接着するのが望ましい。根管の形状が、咀嚼及び温度変化の結果として変化する場合があることを考慮すると、硬化した組成物は、根管の密封を損なうことなく、このような変化に耐えなければならない。
【0006】
したがって、このような更なる特性を提供するために、根管シーラー組成物又は覆髄組成物は、硬化性マトリックス中に分散された放射線不透過性粒状充填剤を含有する。しかしながら、充填剤が高密度であり、かつ硬化性マトリックスが低粘度であるために、放射線不透過性粒状充填剤の分散には、分散体の安定性問題が生じる。
【0007】
さらに、光の非存在下で根管シーラー組成物又は覆髄組成物を硬化可能にするために、組成物は、熱硬化機構により硬化される。同機構は、エポキシド前駆体化合物、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの逐次重合を含む場合がある。ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、歯科用組成物の目的のための優れた特性の組み合わせを提供する。具体的には、硬化した組成物の機械的特性が優れている一方で、未硬化組成物の粘度を比較的低く調節することができ、硬化時の組成物の収縮が小さいため、歯科分野において、ビスフェノールA系材料が広く使用されている。
【0008】
しかしながら、エポキシド前駆体は刺激物である場合があり、発ガン性及び変異原性に関して問題がある。
【0009】
さらに、ビスフェノールAは、公知の内分泌攪乱物質であり、エストロゲンに似た作用を有する場合があり、健康に悪影響をもたらす場合がある。より具体的には、ビスフェノールAは、天然ホルモンと同じエストロゲンレセプターに結合し、同レセプターを活性化する能力を有するホルモンであるエストラジオールの構造及び機能の点で類似する。ビスフェノール-Aの機能的関連性に基づいて、ビスフェノール-Aは、乳ガンの進行に寄与する可能性があると考えられる。したがって、規制機関は、ヒトに対するビスフェノール-Aの安全レベルを決定する可能性があり、その結果、歯科用組成物中にビスフェノールAを含有するビスフェノールA系材料を、将来的に使用し続けることができない。
【0010】
根管の密封を維持するために、咀嚼又は温度変化により根管の寸法が変化した場合に、硬化した組成物が可撓性を示すように、熱機械的特性を調節しなければならない。この目的で、体温に近いガラス転移点が望ましい。
【0011】
欧州特許出願公開第0673637号には、根管シーラーとして有用な2剤ペースト歯科用充填組成物が開示されている。第1のペーストは、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール-Fのジグリシジルエーテル、CaWO、ZrO、Fe及びAerosil 200を混合することにより得られる。第2のペーストは、1-アミノ-アダマンタン、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン、Aerosil 200、CaWO、ZrO及びシリコン油を混合することにより調製される。この組成物はそれぞれ、8時間(37℃)の長い硬化時間を有し、作業時間は(23℃)で16時間である。一般的な組成物のTは約45℃である。これらのペーストは、1:1の体積比で混合されるが、この比は、双胴混合シリンジを使用する観点から望ましい。欧州特許出願公開第0673637号の組成物は、根管シーラー組成物についての絶対的基準と考えることができる。
【0012】
組成物の硬化速度を速めるために、欧州特許出願公開第2813497号(A1)には、(a)放射線不透過性粒状充填剤と、(b)第一級及び第二級アミノ基並びにチオール基から選択される少なくとも2つの基を有するモノマーと、(c)少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基に基づく逐次重合反応において、モノマー(b)と重合可能な化合物と、を含む、歯科用根管シーラー組成物が開示されている。ビス(2,3-カルボナトプロピル)-2,2,4又は2,4,4 トリメチル-ヘキサメチレンジカルバメートとヘキサメチレンジアミンの化学量論量混合物の37℃でのゲル化時間は、20~30分であった。しかしながら、当該樹脂組成物は、約3000Pas(25℃)程度の動的粘度を有する。この動的粘度は、特に、ペーストが1:1の比で混合するように適合される場合、1~10Pas(25℃)の範囲のより望ましい動的粘度より高い。
【0013】
本発明の目的
本発明の課題は、少なくとも対応するビスフェノールA系材料のレベルにある、硬化した組成物の物性、未硬化組成物の分散安定性及び取り扱い性、並びに生体適合性を含む特性を有する一方で、ビスフェノール-A成分が、特に、歯科用根管シーラー組成物又は覆髄組成物において置き換えられている、硬化性歯科用二剤組成物を提供することである。
【0014】
未硬化組成物は、特に、ペーストの混合比が1:1(体積比)で配合された場合、欧州特許出願公開第2813497号(A1)の組成物と比較して改善された粘度を有するべきである。
【0015】
加えて、硬化速度は速くなければならない。具体的には、歯科用二剤組成物の硬化速度は、先行技術の欧州特許出願公開第0673637号に公知のビスフェノール-A含有歯科用組成物の硬化速度より速くなければならない。
【0016】
この組成物は、根管の密封をさらに改善するために、歯根管壁への安定な接着のための良好な熱機械的特性を示すべきである。
【0017】
本発明の更なる課題は、費用効率が高く、単純であり、工業的に関連する規模で入手可能な、根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される硬化性歯科用二剤組成物を提供することである。
【0018】
発明の概要
第1の態様によれば、本発明は、
(a) 少なくとも4つの第一級アミノ基を有する1種以上の架橋剤(a-1)を含む第1のペーストと、
(b) 逐次重合反応において第1のペーストの架橋剤と重合可能な1種以上の化合物(b-1)を含む第2のペーストとを含み、
同化合物は、1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている、下記式(A)及び(B):
【化1】

[式中、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はC1-6アルキル基を表わす]
から選択される少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基を有する、硬化性歯科用二剤組成物を提供し、
ここで、架橋剤化合物と重合可能な化合物(b-1)は、下記式(II):
【化2】

[式中、
Aは、酸素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基であり、
は、水素原子又はC1-6アルキル基であり、
、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はメチル基を表わし、
Yは、それぞれ独立しており、単結合、酸素原子、硫黄原子、エステル結合又はウレタン結合を表わす]
で示される化合物である。
【0019】
第2の態様によれば、本発明は、第1のペーストが、さらに、
第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される2つの基を有する1種以上の化合物(a-2)を含む、本発明の第1の態様の硬化性歯科用二剤組成物を提供する。
【0020】
第3の態様によれば、本発明は、さらに、
(c) アミノ基を含有しない粒状充填剤を含む、本発明の第1の態様又は第2の態様の硬化性歯科用二剤組成物を提供する。
【0021】
第4の態様によれば、本発明は、歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物である、本発明の第1~第3の態様のいずれか1つ記載の硬化性歯科用二剤組成物を提供する。
【0022】
第5の態様によれば、本発明は、双胴シリンジ中に包装され、それにより、該ペーストの体積比が、好ましくは、0.9~1.1:1、より好ましくは、1:1の範囲にある、第1~第3の態様のいずれか1つに記載の硬化性歯科用二剤組成物を提供する。
【0023】
第6の態様によれば、本発明は、根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される硬化性歯科用二剤組成物の製造のための、本発明の第1の態様の架橋剤の使用を提供する。
【0024】
本発明は、1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている、好ましくは、メチレンオキシ(-CHO-)結合を介して結合または連結されている、少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基(任意選択的に置換していてもよい)を有する重合性化合物が、逐次重合反応において少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤の存在下で重合された場合、根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される歯科用二剤組成物のための優れた特性の組み合わせを提供するという認識に基づいている。具体的には、硬化した組成物の好ましい熱機械的特性;未硬化組成物の低粘度、良好な取り扱い特性、及び高い分散安定性;並びに硬化時の組成物の低い寸法変化により、根管シーラー組成物又は覆髄組成物の調製におけるビスフェノール-Aジグリシジルエーテル系材料及び他のエポキシドの置き換えが可能となる一方、それと同時に、速い硬化速度及び短いゲル化時間(gel time)を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて考慮される以下の本発明の詳細な説明が参照される。
該添付図面において、
図1図1は、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する、本発明の超分岐ポリエチレンイミン架橋剤の合成を示す。
図2図2は、本発明の少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤として使用することができる、複数の第一級アミノ基を有するシリカナノ粒子を示す。
図3図3は、本発明の少なくとも4つの第一級アミノ基を有する分岐架橋剤の合成を示す。
【0026】
発明の詳細な説明
「少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤」とは、少なくとも4つのアンモニア分子から形式的に誘導され、それにより、各アンモニア分子の1つの水素原子が、有機基、ポリマー又は粒子により置き換えられ、それにより、得られる少なくとも4つの第一級アミノ基が単一の架橋剤構造に共有結合している、化合物、ポリマー又は粒子である。
【0027】
「有機基」という用語は、合計1~40個の炭素原子、好ましくは、2~20個の炭素原子を有する基を指す。有機基は、脂肪族、脂環式もしくは芳香族部分又はこのような部分の2つ以上の組み合わせを含むことができる。有機基は、1つ以上の官能基、例えば、アミド基、エステル基、ウレタン基、尿素基、ケト基、エーテル基、チオエーテル基、第二級アミノ基又は第三級アミノ基をさらに含んでもよく、これらは、2つ以上の脂肪族、脂環式もしくは芳香族部分を連結するか、又は1,3-ジオキソラン-2-オン基を有機基に結合させる。さらに、有機基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又はカルボン酸基から選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0028】
脂肪族基は、飽和でも不飽和でもよい。好ましくは、脂肪族基は飽和である。脂肪族基の例は、アルキル基を含む。本発明によれば、C1-40アルキル基は、1~40個の炭素原子、好ましくは、1~10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル及びn-ヘキシルを含むことができる。
【0029】
脂環式基は、飽和でも不飽和でもよい。好ましくは、脂環式基は飽和である。脂環式基には、例えば、C3-6炭素環式脂肪族環、C3-6複素環式脂肪族環、C3-6飽和脂肪族環又はC3-6不飽和脂肪族環を含むことができる。脂環式基の例には、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキル基が含まれる。シクロアルキル基は、C3-6シクロアルキル基であることができる。シクロアルキル基の例には、3~6個の炭素原子を有するもの、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等を含むことができる。シクロアルキルアルキル基には、4~8個の炭素原子を有するものを含むことができる。シクロアルキルアルキル基についての例としては、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基と、3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル基との組み合わせを含むことができる。シクロアルキルアルキル基の例としては、例えば、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロプロピル、プロピルシクロブチル及びプロピルシクロペンチルを含むことができる。芳香族基には、フェニル基又はナフチル基を含むことができる。
【0030】
本発明は、硬化性歯科用二剤組成物を提供する。硬化性歯科用二剤組成物は、一般的には、ビスフェノールAを含まない系の重合性成分を使用することができる、任意のタイプの歯科用組成物であることができる。具体的には、硬化性歯科用二剤組成物は、根管シーラー組成物又は覆髄組成物から選択することができる。さらに、硬化性歯科用二剤組成物は、歯科用複合材、歯科用セメント又は歯科用接着剤であることもできる。
【0031】
硬化性歯科用二剤組成物は、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する特定の架橋剤(a-1)を含む。この架橋剤はそれぞれが、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する有機基もしくはポリマー、又はその表面に少なくとも4つの有機基(ここで、各有機基は、少なくとも1つの第一級アミノ基をナノ粒子に連結させる)を提示するナノ粒子であることができる。
【0032】
好ましくは、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)は、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する有機基、又は少なくとも4つの第一級アミノ基を有するポリマーである。特定の実施態様によれば、架橋剤(a-1)は、少なくとも4つの第一級アミノ基を有するポリマーである。
【0033】
架橋剤(a-1)が、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する有機基である場合、有機基は、好ましくは、4価の飽和又は不飽和脂肪族C1-40炭化水素基、特に、飽和脂肪族C4-30炭化水素基である。同炭化水素基は、1つ以上の官能基、例えば、エーテル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、尿素基、ケト基、チオエーテル基、第二級アミノ基又は第三級アミノ基を含むことができる。これらの基は、2つ以上の脂肪族、脂環式又は芳香族部分を連結する。好ましくは、有機基は、4価の飽和脂肪族C6-20炭化水素基である。同炭化水素基は、1つ以上の官能基、例えば、エーテル基、アミド基、エステル基、ウレタン基を含むことができる。これらの基は、2つ以上の脂肪族又は脂環式部分を連結する。さらに、有機基は、非置換であるか又はヒドロキシル基、ハロゲン原子もしくはカルボン酸基から選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)は、直鎖又は分岐鎖架橋剤である。好ましくは、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)は、分岐鎖架橋剤である。架橋剤(a-1)は、図3に示されたスキームに従って合成することができる。したがって、4つ以上のヒドロキシル基を有するポリオールを、マイケル付加反応においてアクリロニトリルと反応させることができ、反応生成物のシアノ基を還元して、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤を提供することができる。さらに、アクリロニトリルとのアザ-マイケル又はマイケル付加反応及び後続のアミンへの還元が可能である。別の可能性は、ポリハロゲン又はポリエポキシド化合物と過剰のNHとの反応である。
【0034】
架橋剤の具体例は、下記
【化3】

[式中、Rは、好ましくは、飽和脂肪族基である]
を含む。
【0035】
架橋剤(a-1)が、少なくとも4つの第一級アミノ基を有するポリマーである場合、好ましくは、架橋剤(a-1)は、重合反応により得ることができる直鎖状又は分岐鎖ポリアミンである。より好ましくは、架橋剤(a-1)は、分岐鎖ポリアミンである。同ポリアミンは、下記式(I):
R(Z)n
(I)
で示される化合物であることができる。
ここで、Rは、酸素、窒素及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有してもよい、n価で飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族基であり、
Zは、同じか又は異なることができ、独立して、
-(LX)-L-NZ’
を表わし、
Z’は、独立して、Zと同じ意味を有するか、又は水素原子を表わし、
Lは、同じか又は異なることができ、独立して、単結合又は飽和脂肪族基を表わし、
Xは、同じか又は異なることができ、独立して、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表わし、
nは、1~20の整数であり、
式(I)で示される化合物が、少なくとも4つの第一級アミノ基を含有するという条件の下で、mは0~4の整数である。
【0036】
好ましい実施態様によれば、架橋剤(a-1)は、分岐鎖ポリアミン化合物である。ここで、分岐鎖ポリアミン化合物は、ポリエチレンイミンである。さらにより好ましい実施態様では、架橋剤(a-1)は、図1に示された超分岐ポリエチレンイミンである。最も好ましくは、架橋剤(a-1)は、図1に示された超分枝ポリエチレンイミンであり、200~3000g/mol、好ましくは、400~2000g/molの範囲のMn、特に、約1000g/molのMn、及び0.1~25Pa*s、好ましくは、1~5Pa*sの範囲の粘度、特に、23℃でη=1.6Pa*sを有する。
【0037】
また、架橋剤は、デンドリマーであることもでき、好ましくは、Woerner C. et al. Angew. Chem. 1993, 105(9), 1367-1370、又はde Brabander-van den Berg et al. Angew. Chem. 1993, 105(9), 1370-1372に従って得ることができる1、2又は3世代のデンドリマーであることもできる。
【0038】
架橋剤(a-1)が、少なくとも4つの有機基により置換されているナノ粒子(ここで、各有機基は、少なくとも1つの第1級アミノ基をナノ粒子に連結する)である場合、ナノ粒子は、シリカナノ粒子、アルミナナノ粒子、ジルコニアナノ粒子、チタニアナノ粒子又はSi、Al、Zr及びTiから選択される2つ以上の金属を含有する混合酸化物ナノ粒子であることができる。放射線不透過性を向上させるための更なる高原子数金属、例えば、亜鉛、タングステン又はバリウムも、混合酸化物に包含させることができる。好ましくは、有機基は、単一の第一級アミノ基をナノ粒子に連結する飽和脂肪族C1-40炭化水素基である。架橋剤は、図2に示されたナノ粒子であることができる。
【0039】
硬化性歯科用二剤組成物は、逐次重合反応において重合するように適合された特定の重合性化合物(b-1)を含み、該逐次重合反応は、1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている、少なくとも2つの1,3-ジオキソラン-2-オン基に基づく。1,3-ジオキソラン-2-オン基は、任意選択的に置換していてもよい。
【0040】
重合性化合物(b-1)は、前駆体化合物の性質に応じて、立体異性体及び/又は位置異性体の混合物又は組成物として得ることができる。本発明の目的のために、重合性化合物(b-1)の混合物又は組成物を、歯科用二剤組成物を調製用に使用することができる。重合性化合物(b-1)の単一の立体異性体及び/又は位置異性体を単離し、本発明の硬化性歯科用二剤組成物の調製用に、重合性化合物(b-1)の単離された単一の立体異性体及び/又は位置異性体を使用することも可能である。
【0041】
1つ以上の有機基に結合しているか、又は同有機基により連結されている下記式(A)及び(B):
【化4】

[式中、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はC1-6アルキル基を表わす]
から選択される少なくとも2つの基を有する化合物(b-1)は、逐次重合反応において、架橋剤(a-1)と重合可能である。
【0042】
架橋剤(a-1)又は化合物(a-2)と逐次重合可能な化合物(b-1)は、下記式(II):
【化5】

で示される化合物である。
[式中、
Aは、酸素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基であり;Rは、それぞれ独立しており、水素原子又はC1-6アルキル基を表わし;R、R、R及びRは、それぞれ独立しており、水素原子又はメチル基を表わし;Yは、それぞれ独立しており、単結合、酸素原子、硫黄原子、エステル結合又はウレタン結合を表わす。好ましくは、Yは、単結合又は酸素原子、より好ましくは、酸素原子である]。
【0043】
式(II)において、Aは、好ましくは、直鎖もしくは分岐鎖アルキレン基又は芳香族基である。C1-20アルキレン基は、1~20個の炭素原子、好ましくは、1~10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、イソペンチレン及びn-ヘキシレンを含むことができる。芳香族基は、好ましくはフェニレン基又はキシリレン基であり、1つ以上のメチル基により置換されていてもよい。
【0044】
本発明の別の好ましい実施態様では、式(II)において、Aは、好ましくは、環状C3-8炭化水素基、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基である。ここで、シクロヘキシル基が特に好ましい。
【0045】
特に好ましい化合物(b-1)は、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールビスシクロカーボネート(CHDM-BCC)であり、下記式:
【化6】

を有する。
【0046】
別の特に好ましい化合物(b-1)は、ネオペンチルジグリシジルビスシクロカーボネート(NPDG-BCC)1であり、下記式:
【化7】

を有する。
【0047】
硬化性歯科用二剤組成物は、本発明の重合性化合物の他に、更なる成分、すなわち、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)を含有する。少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)を使用する利点は、高い架橋密度、それによる好ましい機械的特性である。
【0048】
硬化性歯科用二剤組成物は、更なる成分、すなわち、第一級及び第二級アミノ基から選択される2つ又は3つの基を有する1つ以上の化合物(a-2)を含有することができる。
【0049】
一部の用途では、第一級ジアミンが特に有用である。代表的なジアミンは、脂肪族ジアミン、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、ビス(6-アミノヘキシル)エーテル;脂環式ジアミン、例えば、イソホロンジアミン、4,4’-メチレン-ビス-シクロヘキシルアミン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、2,2-ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)、2,6-ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)及びシクロヘキサンジアミン;並びに複素環式ジアミン、例えば、3,4 ジアミノフラン及びピペラジンを含む。芳香族ジアミン、例えば、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N,N’-ジベンジル-3,6-ジオキサオクタンジアミン-1,8、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9、N,N’-ジベンジル-(2,2,4)/(2,4,4)トリメチルヘキサメチレンジアミン、m-又はp-フェニレンジアミン、2,4-又は2,6-ジアミノトルエン及び4,4’-ジアミノジフェニルメタンも使用することができるが、毒性学的懸念のためにあまり好ましくない。したがって、非芳香族アミンのみを利用するのが好ましい。2種以上のジアミンの混合物も利用することができる。さらに、反応性基の化学量論の関数としてペーストの体積比を調整するために、ジグリシジルエーテルをアンモニアと反応させて対応するβ-ヒドロキシアミノ化合物を調製することにより得ることができる、オリゴマー又はポリマージアミンを使用するのが好ましい。
【0050】
トリアミンは、ジエチレントリアミン、N,N’-ジメチルジエチルトリアミン、シクロヘキシル-1,2,4-トリアミンを含む。他のトリアミン、例えば、Huntsman Chemicals, Inc.から入手可能なJeffamine(登録商標)ポリオキシプロピレンアミンも実用的である。2つ以上の更なる化合物(a-2)の混合物も利用することができる。
【0051】
好ましくは、硬化性歯科用二剤組成物は、第1のペースト中の成分(a-1)及び(a-2)における第一級アミノ基に対する、第2のペースト中の成分(b-1)における1,3-ジオキソラン-2-オン基(A、B)のモル比[1,3-ジオキソラン-2-オン基(b-1)]/[第一級アミノ基(a-1)、(a-2)]が0.9~1.1の範囲にある比で、化合物(b-1)、(a-1)及び(a-2)を含む。未硬化歯科用二剤組成物が、前記化合物を0.9~1.1の前記比で含む場合、硬化した歯科用二剤組成物は、特に適切な機械的特性を有する。
【0052】
硬化性歯科用二剤組成物の好ましい実施態様では、第1のペースト及び第2のペーストは、等体積量で混合される。
【0053】
別の好ましい実施態様では、硬化性歯科用二剤組成物は、該組成物の総重量に基づいて、1~40重量%の量で、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する1種以上の化合物(a-1)を含有する。
【0054】
別の好ましい実施態様では、硬化性歯科用二剤組成物は、該組成物の総重量に基づいて、1~40重量%の量で、第一級及び第二級アミノ基から選択される2つの基を有する1種以上の化合物(a-2)を含有する。
【0055】
別の好ましい実施態様では、硬化性歯科用二剤組成物は、該組成物の総重量に基づいて、1~40重量%の量で、架橋剤と重合可能な1種以上の化合物(b-1)を含有する。
【0056】
硬化性歯科用二剤組成物は、更なる成分、すなわち、アミノ基を含有しない粒状充填剤(c)を含有することができる。
【0057】
アミノ基を含まない粒状充填剤は、当技術分野において公知の歯科用充填剤であることができる。好ましくは、歯科用充填剤は、粒状ガラス充填剤及び放射線不透過性充填剤から選択される。より好ましくは、歯科用充填剤は、放射線不透過性充填剤から選択される。
【0058】
「粒状ガラス充填剤」という用語は、熱溶融プロセスによりガラスに変換され、種々のプロセスにより粉砕された、主に金属酸化物の固体混合物を指す。ガラスは粒状である。さらに、粒状ガラス充填剤は、表面改質、例えば、シラン化又は酸処理により表面改質されていることができる。
【0059】
好ましくは、粒状ガラス充填剤は球形である。
【0060】
歯科用充填剤について、ガラス成分を「不活性ガラス」、「反応性ガラス」及び「フッ化物放出ガラス」から選択することができる。
【0061】
「不活性ガラス」という用語は、硬化反応において酸性基を含有するポリマーと反応し得ないガラスを指す。例えば、不活性ガラスは、the Journal of Dental Research June 1979, pages 1607-1619、又はより近年では、米国特許明細書第4814362号、同第5318929号、同第5360770号、及び米国特許出願公開第2004/0079258号(A1)に記載されている。特に、米国特許出願公開第2004/0079258号から、強塩基性酸化物、例えば、CaO、BaO、SrO、MgO、ZnO、NaO、KO、LiO等が、弱塩基性酸化物、例えば、スカンジウム又はランタニド系列の酸化物により置き換えられている不活性ガラスが公知である。
【0062】
「反応性ガラス」という用語は、硬化反応において酸性基を含有するポリマーと反応可能なガラスを指す。ガラスは粒状である。任意の従来の反応性歯科用ガラスを、本発明の目的のために使用することができる。粒状反応性ガラスの具体例は、カルシウムアルミノシリケートガラス、カルシウムアルミノフルオロシリケートガラス、カルシウムアルミノフルオロボロシリケートガラス、ストロンチウムアルミノシリケートガラス、ストロンチウムアルミノフルオロシリケートガラス、ストロンチウムアルミノフルオロボロシリケートガラスから選択される。適切な反応性ガラスは、金属酸化物、例えば、酸化亜鉛及び/若しくは酸化マグネシウムの形態、並びに/又は、例えば、米国特許明細書第3,655,605号、同第3,814,717号、同第4,143,018号、同第4,209,434号、同第4,360,605号及び同第4,376,835号に記載されているようなイオン溶出性ガラスの形態にあることができる。
【0063】
「フッ化物放出ガラス」という用語は、フッ化物を放出可能なガラスを指す。フッ化物放出能は、ガラスがフッ化物放出性、好ましくは、持続的なフッ化物放出性を有することを条件として、フッ化物を含有する無機粒子を、ガラスを形成するための酸化物の混合物に加えることにより提供することができる。このような無機粒子は、フッ化ナトリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化ランタン、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム及びカルシウム含有フルオロアルミノシリケートガラスからなる群より選択することができる。
【0064】
好ましくは、粒状ガラス充填剤は、上記に定義された反応性ガラス又はフッ化物放出ガラス、より好ましくは、反応性ガラスである。
【0065】
より好ましくは、粒状ガラス充填剤は、以下の;
1)20~45重量% シリカ、
2)20~40重量% アルミナ、
3)20~40重量% 酸化ストロンチウム、
4)1~10重量% P及び
5)3~25重量% フッ化物
を含む反応性粒状ガラス充填剤である。
【0066】
本硬化性歯科用二剤組成物は、該組成物の総重量に基づいて、好ましくは、20~90重量%、より好ましくは、30~80重量%の粒状ガラス充填剤を含む。
【0067】
粒状ガラス充填剤は、例えば、電子顕微鏡により、又はMALVERN Mastersizer SもしくはMALVERN Mastersizer 3000装置により実施されるような従来のレーザー回折粒径測定法を使用することにより測定された場合、通常、0.005~100μm、好ましくは、0.01~40μm、より好ましくは、0.05~20μm、最も好ましくは、0.1~3μmの平均粒径を有する。
【0068】
粒状ガラス充填剤は、単峰性又は多峰性(例えば、二峰性)粒径分布を有することができる。ここで、多峰性粒状ガラス充填剤は、異なる平均粒径を有する2つ以上の粒状画分の混合物を表わす。
【0069】
より好ましくは、アミノ基を含有しない粒状充填剤(c)は、放射線不透過性充填剤である。適切な放射線不透過性粒状充填剤は、タングステン、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、タンタル、セリウム、スズ、ジルコニウム、イッテルビウム及びイットリウムを含む群の元素を含有する充填剤から選択することができる。
【0070】
放射線不透過性粒状充填剤は、例えば、電子顕微鏡により、又はMALVERN Mastersizer SもしくはMALVERN Mastersizer 2000装置により実施されるような従来のレーザー回折粒径測定法を使用することにより測定された場合、通常、0.005~100μm、好ましくは、0.01~40μmの平均粒径を有する。放射線不透過性粒状反応性ガラスは、異なる平均粒径を有する2つ以上の放射線不透過性微粒子画分の混合物を表わす多峰性放射線不透過性粒状反応性ガラスであることができる。また、放射線不透過性粒状反応性ガラスは、異なる化学組成の粒子の混合物であることもできる。特に、放射線不透過性粒状反応性材料と放射線不透過性粒状非反応性材料との混合物を使用することが可能である。
【0071】
本発明の根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される歯科用二剤組成物は、該組成物全体の重量に基づいて、好ましくは、1~80重量%、より好ましくは、40~70重量%の放射線不透過性粒状充填剤を含む。
【0072】
好ましい実施態様では、硬化した歯科用二剤組成物は、60℃以下のTを有する。
【0073】
特に好ましい実施態様では、硬化性歯科用二剤組成物は、歯根管シーラー組成物又は覆髄組成物である。
【0074】
好ましくは、硬化性歯科用二剤組成物は、双胴シリンジ中に包装される。
【0075】
根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される歯科用二剤組成物は、触媒系並びに従来の添加剤、例えば、安定剤及び顔料を更に含有することができる。
【0076】
適切な触媒系は、アルカリ性化合物、例えば、KOH、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は4-ジメチルアミノピリジンを含有することができる。
【0077】
また、本発明は、根管シーラー組成物及び覆髄組成物から選択される硬化性歯科用二剤組成物の製造のための、少なくとも4つの第一級アミノ基を有する架橋剤(a-1)の使用も提供する。
【0078】
実施例
本発明を下記実施例によりさらに説明するものとする。
【0079】
材料
ポリプロピレンオキシドビスシクロカーボネート(PPO-BCC、M=450~500g/mol、23℃でのη=4.9Pa*s)をSpecific Polymers(フランス)から購入し、そのまま使用した。シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジグリシジルエーテルをCarbonsynthから購入した。PPOジグリシジルエーテル(M 約640g/mol)及び超分岐ポリエチレンイミン(hbPEI、M 約600g/mol、23℃でのη=1.6Pa*s)をSigma Aldrichから購入した。ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルをabcrから購入した。Priamine 1071は、Crodaにより提供された。シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジグリシジルエーテル及びN,N,N’,N’-テトラキス(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン(TAPB)をCarbosynth(イギリス)から購入した。CaWO(1μm及び6μm、グレードB)粒子をStarck H.C. GmbHから購入した。Aerosil200は、CSC Jaekle Chemieにより提供された。全ての他の化学物質を一般的な化学物質供給元から購入した。SICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E 172)をSimon und Werner GmbHから購入した。
【0080】
方法
ゲル化時間測定
1,3-ジオキソラン-2-オンのペースト及びアミンのペーストを、スパチュラを使用して、混合プレート上で混合した(各適用例について、混合比は、1,3-ジオキソラン-2-オンのペースト:アミンのペーストを示す)。均質なペースト-ペースト混合物となるまで、30秒間混合した。個々のペーストの各質量を、±0.0001gの精度で天秤により測定した。ペースト-ペースト混合物 約1mLを丸く切ったプラスチック蓋及びガラス棒を有するガラスバイアル(10mL)に移した。ガラス棒は、ペースト混合物と接触している必要がある。このバイアルを温度調節[ΔT=±1℃]による37℃(t)の油浴に入れた。ゲル化は、ガラス棒の回転がもはや不可能であったときに達成された(tゲル化)。
【0081】
ポリプロピレンビス(β-アミノアルコール)(PPO-BAA)の合成
【化8】

オートクレーブ反応器(500mL)中で、PPOジグリシジルエーテル(50g、0.078mol)をエタノール(100mL)に溶解させ、アンモニア溶液(25wt%、220mL、39当量)を加えた。このオートクレーブ反応器を密閉し、反応を100℃、内圧4~5barで24時間、反応を行った。密閉したオートクレーブ反応器を、圧力が1.5barに下がるまで放冷した。過剰のアンモニアを、希硫酸を含む洗浄瓶に注意深く通し、この反応混合物を500mLのフラスコに移した。全ての揮発性物質をロータリーエバポレーターにより減圧下で除去して、純粋な生成物(収率:99%)を黄色の粘性油状物として与えた。粘度は、23℃でη=12.5Pa*sであった。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 1.05 (CH3-CH-), 2.30 - 2.70 (-CH2-NH2), 2.30 - 2.70 (-CH2-NH2), 3.20 - 4.00 (O-CH2-CH-, O-CH2-CH-, -NH2, -OH).
【0082】
ネオペンチルジグリシジルビスシクロカーボネート(NPDG-BCC)の合成
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(31.2g、144.26mmol、30mL)を、氷浴を使用して、フラスコ中で3分間撹拌冷却し、続けて、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)(1.33g、3.61mmol、2.5mol%)を少量ずつ加えた。フラスコを隔膜により密閉し、カニューレガスの流入及び流出口を取り付けた。二酸化炭素(CO)を、混合物に通して25℃で3分間バブリングし、CO導入を85℃で継続した。エポキシド部分の完全な変換をH NMR分光法により明らかにした後、反応を9時間後に停止させた。生成物であるネオペンチルジグリシジルビスシクロカーボネート(NPDG-BCC)を無色の粘性油状物として定量的収率で回収した。粘度は、23℃でη=5.0Pa*sであった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ [ppm] = 0.89 (CH3), 2.30 - 2.70 (-CH2-NH2), 3.14 - 4.14 (-CH2-NH2), 4.33 - 4.60 (-(CO)O-CH-CH2-O), 4.74 - 4.94 (-(CO)O-CH-CH2-O).
【0083】
シクロヘキサン-1,4-ジメタノールビスシクロカーボネート(CHDM-BCC)の合成
シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジグリシジルエーテル(59.9g、233.8mmol、54.5mL)を、氷浴を使用して、フラスコ中で3分間撹拌冷却し、続けて、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)(2.16g、5.85mmol、2.5mol%)を少量ずつ加えた。フラスコを隔膜により密閉し、カニューレガスの流入及び流出口を取り付けた。二酸化炭素(CO)を、混合物に通して25℃で3分間バブリングし、CO導入を85℃で継続した。エポキシド部分の完全な変換をH NMR分光法により明らかにした後、反応を9時間後に停止させた。生成物であるシクロヘキサン-1,4-ジメタノールビスシクロカーボネート(CHDM-BCC)を無色の粘性油状物として定量的収率で回収した。粘度は、23℃でη=34.0Pa*sであった。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 4,91 (m, 2H, H13, H15), 4,51 and 4,24 (2xt, 4H, H14, H16), 3,88 - 3,18 (br. m, 8H, H7, H9, H11, H12), 1,81 - 1,61 and 1,54 - 1,24 (2x br. m, 8H, H1, H4, H3, H6), 0,97 - 0,81 (br. m, 2H, H2, H5)
【化9】
【0084】
適用例1-ペーストA.1(アミンマトリックス中のhbPEIの含量:25wt%)
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストA1(ASO3-129-01)の調製
PPO-BCC(4.2762g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=100mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(10.4733g)、Aerosil(登録商標)200(0.1490g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0382g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、100mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、100mBar)を行って、均質な淡黄色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=25.4±0.7Pa*sである。
【0085】
アミンペーストA1(ASO3-128-01)の調製
hbPEI600(1.1183g、25wt%)及びPPO-BAA(3.3384g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=1000mBar)下、2150rpmで3分間混合した。CaWO(6.3329g)及びAerosil(登録商標)200(0.1091g)を加え、スピード混合した(5分、2150rpm、1000mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、1000mBar)を行って、均質な白色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=43.5±1.1Pa*sである。
【0086】
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストA1とアミンペーストA1とを1:1.384 w(アミンペースト)/w(1,3-ジオキソラン-2-オンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、2時間10分±10分である。
【0087】
適用例2-ペーストA.2(アミンマトリックス中のhbPEIの含量:20wt%)
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストA2(ASO3-135-01)の調製
PPO-BCC(3.4309g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=100mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(10.5852g)、Aerosil(登録商標)200(0.2862g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0148g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、100mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、100mBar)を行って、均質な淡黄色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=68.4±0.6Pa*sである。
【0088】
アミンペーストA2(ASO3-134-01)の調製
hbPEI600(0.7661g、20wt%)及びPPO-BAA(3.0658g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=1000mBar)下、2150rpmで3分間混合した。CaWO(6.0186g)及びAerosil(登録商標)200(0.2011g)を加え、スピード混合した(5分、2150rpm、1000mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、1000mBar)を行って、均質な白色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=85.3±10.0Pa*sである。
【0089】
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストA2とアミンペーストA2とを1:1.439 w(アミンペースト)/w(1,3-ジオキソラン-2-オンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、6時間30分±30分である。
【0090】
適用例3-ペーストB.1(アミンマトリックス中のhbPEIの含量:25wt%)
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストB1(ASO3-81-01)の調製
PPO-BCC(1.7559g)及びNPDG-BCC(4.1078g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=100mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(14.9768g)、Aerosil(登録商標)200(0.1900g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0564g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、100mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、100mBar)を行って、均質な淡黄色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=14.0±0.5Pa*sである。
【0091】
アミンペーストB1(ASO3-80-01)の調製
hbPEI600(1.5733g、25wt%)及びPPO-BAA(4.7209g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=1000mBar)下、2150rpmで3分間混合した。CaWO(8.529g)及びAerosil(登録商標)200(0.1819g)を加え、スピード混合した(5分、2150rpm、1000mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、1000mBar)を行って、均質な白色ペーストを与えた。このペーストの粘度は、23℃でη=30.6±1.7Pa*sである。
【0092】
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストB1とアミンペーストB1とを1:1.387 w(アミンペースト)/w(1,3-ジオキソラン-2-オンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、4時間46分±15分である。
【0093】
適用例4-ペーストB.2(アミンマトリックス中のhbPEIの含量:30wt%)
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストB2(ASO3-84-01)の調製
PPO-BCC(1.8183g)及びNPDG-BCC(4.2420g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=100mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(13.8912g)、Aerosil(登録商標)200(0.1892g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0540g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、100mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、100mBar)を行って、均質な淡黄色ペーストを与えた。
【0094】
アミンペーストB2(ASO3-83-01)の調製
hbPEI600(1.8303g、30wt%)及びPPO-BAA(4.2700g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=1000mBar)下、2150rpmで3分間混合した。CaWO(9.4529g)及びAerosil(登録商標)200(0.1818g)を加え、スピード混合した(5分、2150rpm、1000mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、1000mBar)を行って、均質な白色ペーストを与えた。
【0095】
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストB1とアミンペーストB1とを1:1.267 w(アミンペースト)/w(1,3-ジオキソラン-2-オンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、2時間34分±10分である。
【0096】
適用例5-ペーストC.1(アミンマトリックス中のTAPBの含量:30wt%)
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストC1(ASO4-135-02)の調製
CHDM-BCC(2.336g)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=100mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(グレードB)(7.0550g)、Aerosil(登録商標)200(0.0953g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0091g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、100mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、100mBar)を行って、均質な淡黄色ペーストを与えた。
【0097】
アミンペーストC1(ASO4-135-01)の調製
N,N,N’,N’-テトラキス(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン(TAPB)(0.5443g、30wt%)及びPriamine 1071(1.2710g)(23℃でのアミン樹脂マトリックスのηは、0.387Pa*sであった。SAR3-83-01)をスピードミキサー容器に移し、減圧(p=1000mBar)下、2150rpmで1分間混合した。CaWO(グレードB)(6.632g)及びAerosil(登録商標)200(0.0862g)を加え、スピード混合した(1分、2150rpm、1000mBar)。このペーストをスパチュラにより手動で混合し、続けて、更なるスピードミキサー運転(1分、2150rpm、1000mBar)を行って、均質な白色ペーストを与えた。
【0098】
1,3-ジオキソラン-2-オンペーストC.1とアミンペーストC.1とを1.0627:1 w(1,3-ジオキソラン-2-オンペースト)/w(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、1時間20分であった(ASO4-153-03)。流動量:19.2mm、膜厚:13μm(ISO6876:2012に準拠)(ASO4-160-01)。
【0099】
本明細書に記載された実施態様は、単に例示的なものであり、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び改変を行うことができると理解されたい。上記検討されたものを含む全てのこのような変形及び改変は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3