(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
G01N35/02 F
(21)【出願番号】P 2021520043
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002083
(87)【国際公開番号】W WO2020235134
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2019095250
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上路 央
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-352131(JP,A)
【文献】国際公開第2011/078118(WO,A1)
【文献】特開2010-96638(JP,A)
【文献】特開2000-346853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の分析を制御する制御装置と、
複数の位置に複数の容器を設置できる容器保持機構と、
前記容器に前記試料および試薬を分注する分注機構と、
前記容器に前記試料および前記試薬が分注されて調製された反応液から成分を検出する検出機構と、
前記容器を前記容器保持機構の位置に設置する際、および前記位置の前記容器を廃棄ボックスに廃棄する際の搬送を行う搬送機構と、
を備え、
前記分注機構は、前記容器内の液体の液面を検知する液面検知機構を含み、
前記制御装置は、規定のタイミングで、前記分注機構を用いて、前記容器保持機構の対象位置について、前記液面の有無を検知することで、前記反応液が収容されている前記容器の有無を含む状態を判定し、前記容器が有る状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作を実行するように制御し、前記容器が無い状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作を実行しないように制御し、
前記容器保持機構の前記位置における前記容器の有無を検知する容器有無検知機構を備え、
前記制御装置は、前記液面の検知が無い、かつ、前記容器有無検知機構による前記容器の検知が無い場合には、前記容器が無い状態と判定し、前記液面の検知が無い、かつ、前記容器有無検知機構による前記容器の検知が有る場合には、未使用の前記容器が有る状態と判定し、前記未使用の前記容器が有る状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作、および新たな前記容器の設置の動作を実行せずに、次の分析時に前記容器を使用するように制御する、
自動分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記分注機構は、ノズルの下降の際の異常を検知する異常下降検知機構を含み、
前記制御装置は、前記規定のタイミングで、前記分注機構を用いて、前記容器保持機構の対象位置について、前記ノズルの下降の際の異常を検知することで、前記容器の有無を含む状態を判定し、前記液面の検知が無い、かつ前記容器の検知が無い場合には、前記容器が無い状態と判定し、前記液面の検知が無い、かつ前記容器の検知が有る場合には、未使用の前記容器が有る状態と判定し、前記液面の検知が有る場合には、使用済みの前記容器が有る状態と判定し、前記未使用の前記容器が有る状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作、および新たな前記容器の設置の動作を実行せずに、次の分析時に前記容器を使用するように制御する、
自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御装置は、前記容器が無い状態と判定した場合の前記位置については、次の分析の前に前記搬送機構を用いた新たな前記容器の設置の動作を実行するように制御する、
自動分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記規定のタイミングは、装置起動時、および装置異常検出による装置動作停止後の装置動作再開時を含む、
自動分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記液面検知機構は、前記分注機構のノズルと前記液面との接触に応じた静電容量変化に基づいて前記液面の有無を検知する機構である、
自動分析装置。
【請求項7】
請求項3記載の自動分析装置において、
前記異常下降検知機構は、前記分注機構の前記ノズルと前記容器の底面または他の物体との接触の検出に基づいて前記異常の状態を検知する機構である、
自動分析装置。
【請求項8】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御装置は、前記規定のタイミングで、前記分注機構のノズルを、前記容器保持機構の所定の位置にアクセスし、前記容器保持機構を回転駆動することで前記複数の位置のうち全ての位置または一部の位置を前記所定の位置に順次に移動させる、
自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査用の自動分析装置は、分析結果の再現性が高く、処理速度が速いことから、現在の診断等には欠かせない。この自動分析装置は、試料および試薬を反応容器に分注して調製された反応液に対し分析を行う。この自動分析装置における分析方法としては、比色分析や免疫分析等がある。比色分析は、試料中の分析対象成分と反応することで反応液の色が変わるような試薬を用いる分析方法である。免疫分析は、試料中の分析対象成分と直接あるいは間接的に特異的に結合する物質に標識体を付加した試薬を用いて、標識体をカウントする分析方法である。
【0003】
従来技術例の自動分析装置は、所定の分析、例えば免疫分析の場合には、試料等が分注された反応容器を使用した後、その容器を廃棄する制御を行っている。その反応容器は、1回毎の使い捨てとされるタイプの容器である。自動分析装置は、反応容器保持機構上のその反応容器を、廃棄ボックス等に搬送して廃棄する。
【0004】
上記自動分析装置に係わる先行技術例として、特許文献1には、自動分析装置における分注異常検知手段(例えば
図3等)等が記載されている。特許文献2には、免疫凝集測定装置における容器内液面検知手段(例えば第5図等)等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-175783号公報
【文献】特許第2761385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術例の自動分析装置は、例えば装置異常検出によって装置動作停止した後に、装置動作再開する際には、反応容器保持機構上の全ての反応容器を廃棄する制御を行っている。これは、安全確保が第一であるためであり、使用済みの反応容器を次の分析で使用してしまうことを避けるためである。反応容器保持機構の複数の位置における複数の反応容器には、反応液が収容されている使用済みの反応容器と、反応液が収容されていない未使用の反応容器とが混在している可能性がある。上記制御の場合、反応容器保持機構にある未使用の反応容器は、使用できる可能性があるにも係わらず、廃棄されてしまい、無駄になる。このように、従来技術例の自動分析装置は、容器の廃棄および利用の効率の観点では改善余地がある。本発明の目的は、自動分析装置に関して、容器についての廃棄および利用を効率的に制御することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち代表的な実施の形態の自動分析装置は、試料の分析を制御する制御装置と、複数の位置に複数の容器を設置できる容器保持機構と、前記容器に前記試料および試薬を分注する分注機構と、前記容器に前記試料および前記試薬が分注されて調製された反応液から成分を検出する検出機構と、前記容器を前記容器保持機構の位置に設置する際、および前記位置の前記容器を廃棄ボックスに廃棄する際の搬送を行う搬送機構と、を備え、前記分注機構は、前記容器内の液体の液面を検知する液面検知機構を含み、前記制御装置は、規定のタイミングで、前記分注機構を用いて、前記容器保持機構の対象位置について、前記液面の有無を検知することで、前記反応液が収容されている前記容器の有無を含む状態を判定し、前記容器が有る状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作を実行するように制御し、前記容器が無い状態と判定した場合の前記位置については、前記搬送機構を用いた前記廃棄の動作を実行しないように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容器についての廃棄および利用を効率的に制御する自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施の形態1の自動分析装置の機能ブロック構成を示す図。
【
図3】実施の形態1で、インキュベータの反応容器設置位置について示す図。
【
図4】実施の形態1で、全体の処理フロー例を示す図。
【
図7】実施の形態1で、容器状態判定の処理フロー例を示す図。
【
図8】本発明の実施の形態2の自動分析装置における、制御概要を示す図。
【
図9】実施の形態2で、容器状態判定の処理フロー例を示す図。
【
図10】実施の形態2で、異常下降検知について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。全図面において同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【0011】
[課題等]
課題等について補足する。従来技術例の自動分析装置は、反応液を収容する容器である反応容器として、使用後に廃棄される使い捨てタイプの反応容器と、洗浄して何度も再利用されるタイプの反応容器との2種類が存在する。分析に応じて適した容器が使用される。使い捨てタイプの反応容器の場合、以下のような設置および廃棄等の制御が行われている。自動分析装置は、分析前、分析中、装置動作再開時、等の規定のタイミングで、容器の廃棄制御を行う。分析前とは、分注等を含む分析準備工程(後述の
図4のステップS3)等を行う前の時である。分析中とは、光学測定等を含む分析工程(後述の
図4のステップS4)の途中やその後の時である。装置動作再開時とは、装置異常検出によって装置動作を停止した後に装置動作を再開する時である。
【0012】
自動分析装置は、例えば免疫分析を行う場合、搬送機構によって、使い捨てタイプの反応容器が格納されている反応容器トレイから反応容器を把持し、反応容器保持機構であるインキュベータ上の所定の位置に搬送し設置する。自動分析装置は、分注機構によって、インキュベータ上の所定の位置の反応容器に検体および試薬を分注することで混合液を作製する。自動分析装置は、混合液を収容した反応容器を、インキュベータで所定時間保持することで、反応液をインキュベート、言い換えると調製する。自動分析装置は、搬送機構によって対象の反応容器を検出機構に移動し、その反応容器内の反応液について光学測定を行う。その後、自動分析装置は、分析で使用済みのその反応容器を、搬送機構によって廃棄ボックスへ搬送し廃棄する。
【0013】
従来技術例の自動分析装置は、分析前や動作再開時等の規定のタイミングで、反応容器保持機構であるインキュベータ上の全ての位置の全ての反応容器について廃棄動作を行っている。これは、前述のように、安全確保が第一であるためであり、使用済みの反応容器を次の分析で使用してしまうことを避けるためである。例えば、自動分析装置は、何らかの異常の検出によって装置動作を停止した後、トラブルシューティング等を経て、装置動作を再開する。装置動作停止時に、インキュベータ上には、反応液が収容されている使用済みの反応容器と、反応液が収容されていない未使用の反応容器とが、混在している可能性がある。従来技術例の自動分析装置は、規定のタイミングで、特別な判定、例えば位置毎の判定や容器使用状況の判定を行うこと無しに、インキュベータ上の全ての反応容器を廃棄する動作を行う。この場合、インキュベータ上に未使用の反応容器があったとしても、その反応容器は廃棄されてしまい、無駄になる。
【0014】
また、インキュベータ上の複数の位置(設置位置と記載する場合がある)における位置毎に、廃棄動作や設置動作等が必要である。そのため、インキュベータにおける設置位置の数、設置できる反応容器の数、および、反応容器を搬送するための搬送機構の数、等によっては、上記廃棄動作や設置動作等に、長い時間を要し、分析開始が遅くなるという課題もある。例えば、廃棄動作は、1個の設置位置の1個の反応容器毎に、1個の搬送機構がアクセスし、その反応容器を把持し、廃棄ボックスに搬送して廃棄する動作である。設置動作は、1個の搬送機構が反応容器トレイにアクセスし、1個の反応容器を把持し、インキュベータ上の1個の設置位置に搬送して設置する動作である。
【0015】
また、従来技術例の自動分析装置は、専用のセンサ(言い換えると容器有無センサ)を用いて、反応容器の有無を検出する。例えば、インキュベータ上の反応容器の設置位置に、少なくとも1個の専用のセンサが設けられている。このセンサは、例えば光反射等を用いて、その設置位置に反応容器が有るか無いかを検出する。このセンサを用いて、インキュベータ上の反応容器の有無を検出可能である。そして、このセンサの検出結果を用いて、反応容器の有無に応じて廃棄動作等を制御することが考えられる。しかしながら、この方式は、専用のセンサを備える必要があるため、高コストである。特に、インキュベータ上の複数の位置の位置毎にセンサを設ける場合には、より高コストである。
【0016】
また、この方式は、対象位置の反応容器の有無を検出できるが、その反応容器内の反応液の有無等の使用状況については検出や判定をしていない。よって、この方式を用いても、反応容器の使用状況に依らずに、インキュベータ上の全ての反応容器を一律に廃棄することになる。インキュベータ上の未使用の反応容器については、そのまま次の分析に使用できる可能性があるにも係わらず、廃棄されてしまう。
【0017】
(実施の形態1)
図1~
図7を用いて、実施の形態1の自動分析装置について説明する。実施の形態1の自動分析装置は、規定のタイミングで、反応容器保持機構であるインキュベータ上の反応容器の状態をチェックおよび判定し、その判定の結果に応じて、廃棄動作等を制御する機能を有する。実施の形態1の自動分析装置は、専用のセンサを用いず、分注機構を用いて、インキュベータの各位置における反応容器の状態を判定する。特に、実施の形態1の自動分析装置は、分注機構に備える液面検知機構を用いて、反応容器の状態を判定する。制御装置は、状態として、少なくとも、反応液が収容されている反応容器が設置されていない状態と、反応液が収容されている反応容器が設置されている状態とを判別する。そして、実施の形態1の自動分析装置は、その判定の結果の状態に応じて、位置毎に廃棄動作等を決定し、制御する。
【0018】
[自動分析装置]
図1は、実施の形態1の自動分析装置の上面の構成を示す。実施の形態1の自動分析装置は、制御装置100、インキュベータ1、共通ディスク3、分注機構8,9、ポンプ10,11、洗浄槽12,13、試薬攪拌機構14、分光光度計15、検出機構16、搬送機構17、分注チップトレイ19、反応容器トレイ20、廃棄ボックス21、給水タンク24、廃液タンク25、第1液体容器26、洗浄液容器27等を備える。なお、説明上の方向として、X方向、Y方向、Z方向を示す。X方向およびY方向は、水平面を構成する直交する2つの方向であり、X方向は装置の横方向、Y方向は装置の奥行き方向とする。Z方向は鉛直方向であり、装置高さ方向である。制御装置100は、制御部および記憶部を含む装置であり、後述の
図2で説明する。
【0019】
インキュベータ1は、ディスク状または円柱状の反応容器保持機構であり、回転機構を含む。後述の
図3のように、インキュベータ1の円周上の複数の位置に、複数の反応容器2が、設置および保持が可能となっている。インキュベータ1は、保持されている反応容器2を所定の時間および所定の温度で維持する温度管理機構を有し、これにより反応液の化学反応を促進する。反応容器2は、試料と試薬との混合液に基づいた反応液を収容する容器である。反応容器2は、前述の再利用タイプと使い捨てタイプとの2種類が適用できる。実施の形態1では、使用される反応容器2は、全ての分析の際に共通の容器として、使い捨てタイプの反応容器である。
【0020】
インキュベータ1は、制御装置100および駆動機構(後述の
図2)によって、1サイクルで所定の距離を回転するように制御される。所定の距離は、所定の数の反応容器2に相当する距離である。インキュベータ1は、複数のサイクルで回転および静止を繰り返す。これにより、インキュベータ1上の各反応容器2は、順次に移動し、規定の位置毎に分注等の規定の処理が行われる。
【0021】
共通ディスク3は、試料容器5(例えば検体カップ)、および試薬容器4(例えば試薬ボトル)を共通に設置および保持するディスク状の容器保持機構であり、回転機構を含む。共通ディスク3は、試料容器保持機構と試薬容器保持機構とが1つに共通化された機構である。共通ディスク3は、保冷庫やカバーを有する。共通ディスク3内には、円周上の複数の位置に、複数の試料容器5および複数の試薬容器4が設置および保持可能である。本例では、共通ディスク3は、外周側に試料容器5が設置され、内周側に試薬容器4が設置される構造であるが、これに限らず可能である。共通ディスク3は、外周側に試薬容器4、内周側に試料容器5が設置される構造でもよい。共通ディスク3は、内周および外周で区分けされずに、各容器が設置できる構造でもよい。試料容器保持機構と試薬容器保持機構とが、それぞれディスクまたはラック等の構造で独立に設けられてもよい。
【0022】
試薬吸引位置6は、共通ディスク3の円周上で、分注の際に分注機構8,9のノズルがアクセスできる軌道上にある、試薬容器4から試薬を吸引するための規定の位置である。試料吸引位置7は、共通ディスク3の円周上で、分注の際に分注機構8,9のノズルがアクセスできる軌道上にある、試料容器5から試料を吸引するための規定の位置である。
【0023】
インキュベータ1と共通ディスク3との間には、分注機構8,9および洗浄槽12,13が配置されている。分注機構8は、第1分注機構である。分注機構9は、第2分注機構である。分注機構8,9は、それぞれ、回転軸、アーム、およびノズル等を備える。分注機構8,9は、それぞれ、回転軸周りにアームおよびノズルが破線の円弧で示すように回転できる。各アームの先端には鉛直下方にノズルが接続されている。各ノズルは鉛直方向で上下移動ができる。分注機構8のノズルにはポンプ10が接続されている。分注機構9のノズルにはポンプ11が接続されている。
【0024】
実施の形態1では、分注機構8および分注機構9という2系統の分注機構が設けられているが、これに限らず可能である。分注機構8,9は、各ノズルの軌道、および各機構同士が物理的に干渉しないように配置されている。2系統の分注機構8,9は、異なる分析過程の検査で使い分けられる。分注機構8は、生化学検査用に使用され、分注機構9は、免疫検査用に使用される。分注機構8は、生化学分析用の試料および試薬の分注を行う。分注機構9は、免疫分析用の試料および試薬の分注を行う。免疫分析用の分注機構9は、試料間のコンタミネーションを防ぐ必要性が高いため、使い捨てタイプの分注チップ18を使用して分注を行う。分注機構9のノズルには分注チップ18が装着される。実施の形態1の自動分析装置は、生化学検査および免疫検査のいずれでも、使い捨てタイプの反応容器2を使用する。実施の形態1の自動分析装置は、いずれの検査でも、測定対象の試料については、対応する分注機構がアクセスして分注を行う。他の実施の形態では、1系統の分注機構、または3系統以上の分注機構を備える構成としてもよい。
【0025】
分注機構8のノズルの軌道上には、共通ディスク3上の試料吸引位置7および試薬吸引位置6と、インキュベータ1上の第1分注位置および第2分注位置(後述の
図3)と、洗浄槽12とが存在する。分注機構9のノズルの軌道上には、共通ディスク3上の試料吸引位置7および試薬吸引位置6と、インキュベータ1上の第1分注位置および第2分注位置(後述の
図3)と、洗浄槽13とが存在する。また、分注機構9は、分注チップ18を使用するために、ノズルの軌道上に、分注チップ装着位置22および分注チップ廃棄位置23が存在する。
【0026】
試料分注の際、例えば、分注機構8のノズルは、回転軸を中心に円弧を描きながら試料吸引位置7へ移動し、その位置の試料容器5内に下降し、試料容器5内から試料を吸引して上昇する。そして、分注機構8のノズルは、インキュベータ1上の第1分注位置または第2分注位置へ移動し、その位置の反応容器2内に下降し、試料を吐出し、上昇する。
【0027】
分注機構8,9は、ノズルによって試料または試薬を吸引した後、反応容器2内にアクセスし、試料または試薬を吐出する。また、分注機構8,9は、その際、ノズルの吸引および吐出の動作の繰り返しによって、反応容器2内の試料、試薬、またはそれらの混合液を撹拌し、混合を促進する。
【0028】
ポンプ10は、第1分注機構用ポンプであり、分注機構8による吸引や吐出の際に使用される。ポンプ11は、第2分注機構用ポンプであり、分注機構9による吸引や吐出の際に使用される。洗浄槽12は、第1分注ノズル洗浄槽であり、分注機構8のノズルを洗浄する。洗浄槽13は、第2分注ノズル洗浄槽であり、分注機構9のノズルを洗浄する。試薬攪拌機構14は、試薬ボトル4を把持し、試薬を撹拌する。
【0029】
分光光度計15は、生化学検査用の光度計であり、インキュベータ1の周囲の所定の位置に配置されている。分光光度計15は、光源や検出器を備えている。分光光度計15は、所定の位置の反応容器2の反応液についての光学測定を行う。分光光度計15は、反応容器2の反応液に対し、光源からの光を照射して得られる透過光を、分光して検出することにより、反応液の吸光度を測定する。
【0030】
検出機構16は、免疫検査用の検出機構であり、免疫分析の際に、反応液についての光学測定を行う。自動分析装置は、インキュベータ1上で所定の時間反応させた反応液が収容されている反応容器2を、搬送機構17によって、検出機構16に移動させる。検出機構16は、その反応容器2の反応液について光学測定を行う。免疫検査は、標識物質を検出する方式として、電気化学発光や化学発光を原理とするものがある。各々の方式に適する第2液体や標識物質、検出領域の構造および物性が選択される。検出機構16は、その標識物質の発光反応に由来する発光量を、光電子増倍管を検出器として測定する。
【0031】
搬送機構17は、インキュベータ1、検出機構16、反応容器トレイ20、廃棄ボックス21等の機構間に配置されている。搬送機構17は、各機構間で反応容器2や分注チップ18等を搬送する機構である。搬送機構17は、先端に、反応容器2や分注チップ18を把持できるグリッパーを備える。搬送機構17は、レール等に沿ってX方向およびY方向に移動可能であり、回転軸の周りに回転可能であり、先端がZ方向で上下移動可能である。搬送機構17は、先端の動作によって反応容器2や分注チップ18を把持したり、離したりすることが可能である。
【0032】
反応容器トレイ20は、未使用の複数の反応容器2を保持している。分注チップ18は、免疫分析の場合の分注の際に分注機構9のノズルの先端に装着されるチップであり、1回毎の使い捨てとして使用される。分注チップトレイ19は、未使用の複数の分注チップ18を保持している。反応容器トレイ20や分注チップトレイ19には、ユーザによって適宜に反応容器2等が補充できる。
【0033】
廃棄ボックス21は、廃棄する反応容器2および分注チップ18に関する廃棄ボックスである。廃棄ボックス21は、搬送機構17によって搬送および廃棄された反応容器2や分注チップ18を収容する。廃棄ボックス21は、引出し等を通じてユーザによって取り出しが可能となっている。分注チップ装着位置22は、分注機構9のノズルに分注チップ18を装着する規定の位置である。分注チップ廃棄位置23は、分注機構9のノズルから分注チップ18を廃棄する規定の位置である。反応容器2の廃棄位置は、廃棄ボックス21の鉛直上方の位置である。
【0034】
給水タンク24は、システム水を蓄積するタンクである。廃液タンク25は、廃液を蓄積するタンクである。第1液体容器26は、分析に係わる第1液体を保持する容器である。洗浄液容器27は、洗浄液を保持する容器である。
【0035】
インキュベータ1上の反応容器2のうち、分析(例えば吸光度の測定)が完了した反応容器2は、搬送機構17によって、廃棄ボックス21に移動して廃棄される。その際、搬送機構17は、インキュベータ1上の対象位置にアクセスし、その位置の反応容器2を把持し、廃棄ボックス21上に搬送し、反応容器2を離す。これにより、その反応容器2は廃棄ボックス21内に落下し収容される。また、検出機構16での光学測定が完了した反応容器2は、同様に、搬送機構17によって廃棄ボックス21に搬送して廃棄される。
【0036】
なお、実施の形態1の自動分析装置は、分注機構8,9を用いて攪拌機能を実現しているが、独立した撹拌機構を設けてもよい。また、搬送機構17は、反応容器2を設置する動作、および反応容器2を廃棄する動作等を含む複数の種類の動作を実現できる機構とされているが、これに限らず、各種の動作を別の機構で実現してもよい。
【0037】
[機能ブロック構成]
図2は、実施の形態1の自動分析装置における特に制御装置100に係わる機能ブロック構成を示す。実施の形態1の自動分析装置は、制御装置100、記憶装置103、入力装置104、出力装置105、電源装置106、インタフェース回路110、共通ディスク駆動部113、インキュベータ駆動部111、分注機構駆動部115、搬送機構駆動部117等を備えている。制御装置100には、バスやケーブル等を含むインタフェース回路110を通じて、各機構が接続されている。制御装置100は、IC基板101または計算機102の少なくとも一方を含む。制御装置100は、プロセッサやメモリを含み、自動分析装置の全体を制御する。制御装置100は、各駆動部を制御することで、インキュベータ1の回転、共通ディスク3の回転、分注機構8,9の分注動作、および搬送機構17の搬送動作等を制御する。記憶装置103は、制御用のデータや情報等を記憶する。入力装置104は、操作パネル等を含む。出力装置105は、表示装置や印刷装置、LED等の発光装置やスピーカ等の音声出力装置を含む。電源装置106は、各部へ電力を供給する。
【0038】
共通ディスク駆動部113は、モータ等を含む機構であり、制御装置100からの指令に従って、共通ディスク3の回転等を駆動する。インキュベータ駆動部111は、モータ等を含む機構であり、制御装置100からの指令に従って、インキュベータ1の回転等を駆動する。分注機構駆動部115は、モータ等を含む機構であり、制御装置100からの指令に従って、ノズルやホンプ10,11等を駆動することで、分注機構8,9の動作を駆動する。搬送機構駆動部117は、モータ等を含む機構であり、制御装置100からの指令に従って、搬送機構17の動作を駆動する。
【0039】
制御装置100は、分光光度計15や検出機構16とも接続されており、それらからの信号を入力し、分析処理を行う。制御装置100は、入力装置104を通じてユーザの入力操作を受け付ける。制御装置100は、分析処理結果を、出力装置105からユーザに対し出力する。制御装置100は、装置の異常を検出した場合には、装置の動作を停止させ、トラブルシューティングのためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)等のガイドを、出力装置105を通じてユーザに提供する。
【0040】
[容器、生化学分析、および免疫分析]
実施の形態1で特有の制御対象となる容器は、反応容器2である。反応容器2の状態は、様々にあり得るが、例えば以下の状態がある。(1)何も収容されていない状態。(2)検体のみが収容されている状態。(3)試薬のみが収容されている状態。(4)検体と試薬との混合液または反応液が収容されている状態。(5)洗浄液が収容されている状態。(6)ブランク水が収容されている状態。実施の形態1における「未使用反応容器」の状態は、上記(1)の状態が該当する。「使用済み反応容器」の状態は、上記(2)~(6)の状態が該当する。
【0041】
免疫分析の場合、使用済み反応容器については、使い捨てとして廃棄される。生化学分析の場合、使用済み反応容器については、洗浄して再利用が可能であるが、実施の形態1では、免疫分析と合わせるために、使い捨てとして廃棄される。実施の形態1の自動分析装置は、生化学分析と免疫分析との両方を1台で可能とする機構を備えている。具体的には、この自動分析装置は、
図1のように、分注機構として2系統の分注機構8,9を備え、2系統の分注機構8,9を生化学分析と免疫分析とに使い分ける。この自動分析装置は、各種の分析のために必要な各機構を備えると共に、各種の分析で共通化できる部分については共通化した機構(例えば共通ディスク3)として実装されている。インキュベータ1上には、生化学分析に用いる反応容器2と、免疫分析に用いる反応容器2とが混在可能であり、両方の分析を並行で実行可能である。なお、他の実施の形態の自動分析装置は、免疫分析機能のみを備えてもよい。
【0042】
[分注機構、液面検知機構、および異常下降検知機構]
分注機構8,9は、それぞれ、後述の液面検知機構および異常下降検知機構を備えている。液面検知機構は、試料または試薬の分注時にノズルが下降および静止する好適な位置を決定するために、容器内の液面を検知する液面検知器を含む機構である。異常下降検知機構は、分注時にノズルを含む分注機構の異常下降(対応する接触等)を検知する検知器を含む機構である。従来技術例の自動分析装置は、分注の効率や精度の向上、容器や分注機構のダメージ防止等を目的として、このような検知器等を含む検知機構を備えている。
【0043】
[インキュベータ]
図3は、インキュベータ1の上面の概略構成を示し、反応容器2の設置位置について示す。本例では、インキュベータ1の上面の円周上において、複数の設置位置として、番号1~64で示す64個の位置が規定されている。インキュベータ1は回転駆動されるため、インキュベータ1の円周上の位置(対応する設置孔や反応容器2)は回転移動する。
図3の状態で、複数の位置のうち、分注機構8,9や搬送機構17によってアクセス可能な位置(自動分析装置での規定の位置)として、特に、位置P1,P4,P34,P36,P47を有する。
【0044】
位置P1は、生化学検査用の第1試薬および試料の分注および撹拌のための規定の位置(第1分注位置と記載する)である。位置P4は、生化学検査用の第2試薬および試料の分注および撹拌のための規定の位置(第2分注位置と記載する)である。位置P34は、生化学検査用の反応容器2の設置のための規定の位置である。位置P36は、生化学検査用の反応容器2の取り出し位置、免疫検査用の反応容器2の設置位置、および取り出し位置のための規定の位置である。位置P47は、免疫検査用の分注および撹拌のための第1分注位置である。位置P55は、免疫検査用の分注および撹拌のための第2分注位置である。
【0045】
なお、
図3の構成は一例であり、インキュベータ1における複数の位置の数および位置に関する最適な値は、異なる反応過程の反応時間の違い、分注機構8,9の軌道半径、分注機構8,9および搬送機構17の配置、等の様々なパラメータによって異なる。
【0046】
自動分析装置は、インキュベータ1の所定の位置に対しアクセスが可能である。例えば、分注機構8のノズルは、位置P1と位置P4にアクセスできる。分注機構9のノズルは、位置P47と位置P55にアクセスできる。搬送機構17は、位置P34と位置P36にアクセスできる。自動分析装置は、インキュベータ1の所定の位置において、後述の容器状態チェック(
図4のステップS1またはステップS9)を実行する。例えば、分注機構8を用いて容器状態チェックを行う際には、位置P1と位置P4との少なくとも一方の位置を用いればよい。本例では、容器状態チェックの際、分注機構8が位置P1を使用し、分注機構9が位置P47を使用する。
【0047】
容器状態チェックの際、制御装置100は、インキュベータ1の回転駆動制御によって、容器状態チェック用の所定の位置(例えば位置P1,P47)に対し、インキュベータ1の全位置(対応する設置孔や反応容器2)を順次に移動させることで、全位置について順次に容器状態チェックを行う。
【0048】
実施の形態1の自動分析装置は、次の分析のための確実性を重視し、インキュベータ1の全位置(位置P1~P64)について、容器状態チェックを適用する。これに限らず、インキュベータ1の一部の位置について、容器状態チェックを適用してもよい。例えば、制御装置100は、管理情報に基づいて、一部の位置のみについて容器状態チェックを行ってもよい。この場合、容器状態チェックに要する時間を短縮できる。
【0049】
[全体処理フロー]
図4は、実施の形態1の自動分析装置における分析全体に係わる処理フロー例を示す。
図4は、ステップS1~S10を有し、以下、ステップの順に説明する。ステップS1で、制御装置100は、例えば装置起動後に、容器状態チェックを実行し、インキュベータ1上の各位置の状態を把握する。ステップS2で、制御装置100は、ステップS1のチェックの結果に応じて、容器廃棄制御を実行する。ステップS3で、制御装置100は、規定の分析準備工程を実行する。この分析準備工程は、インキュベータ1上に反応容器2を設置し、反応容器2に試料および試薬を分注して反応液を調製する工程等を含む。ステップS4で、制御装置100は、分析準備済みの反応容器2の反応液を用いて、指定された生化学分析または免疫分析等の分析工程を実行する。この分析工程は、反応液の光学測定および分析処理を含む。制御装置100は、分析結果を記憶装置103に保存し、出力装置105を通じてユーザに出力する。ステップS5で、制御装置100は、分析で使用済みの反応容器2や分注チップ18について、廃棄動作を行う。ステップS3~S5は、分析対象の反応容器2毎に同様に繰り返され、全ての分析が終了した場合には、本フローが終了となる。
【0050】
ステップS3やステップS4の途中で自動分析装置に何らかの異常が発生した場合、制御装置100は、装置異常検出に応じて、ステップS6に移行し、装置動作を一時停止する。ステップS7で、制御装置100は、異常への対処のためのトラブルシューティング等を行う。制御装置100は、ユーザに対し、トラブルシューティングや保守作業のガイドのためのGUI画面等を提供する。ユーザは、GUI画面等を通じて、異常への対処のための保守作業等を行う。ステップS8で、制御装置100は、自動分析装置が正常な状態になったことを確認し、装置動作を再開する制御を行う。ステップS9で、制御装置100は、動作再開に伴い、ステップS1と同様に容器状態チェックを行う。ステップS10で、制御装置100は、ステップS9のチェックの結果に応じて、反応容器2の廃棄制御を行い、その後、ステップS3またはステップS4等、停止前の状態に戻る。
【0051】
[制御概要(1)]
図5は、実施の形態1における制御概要をまとめた表を示す。(A)の表は、容器状態判定の概要を示し、(B)の表は、(A)に対応した廃棄制御等の概要を示す。(A)の表において、2行は、分注機構8,9の液面検知機構を用いた液面検知有無を示す。液面検知無しは、反応液等の液体が無い状態に対応する。液面検知有りは、反応液等の液体が有る状態に対応する。行毎の項目は、液面検知結果に応じた状態判定結果の値を示す。この値は、(1)「反応容器無し」、(3)「使用済み反応容器有り」、の2種類の状態の値がある。制御装置100は、分注機構8,9の液面検知機構によってノズル下降時の液面の有無を検知し、その検知結果から、対象位置での反応容器2の状態として、(1)「反応容器無し」の状態と、(3)「使用済み反応容器有り」の状態とを判別する。制御装置100は、液面検知無しの場合には、(1)「反応容器無し」の状態であると判定し、液面検知有りの場合には、(3)「使用済み反応容器有り」の状態であると判定する。(1)「反応容器無し」の状態は、対象位置に反応容器2が設置されていない状態である。(3)「使用済み反応容器有り」の状態は、反応液が収容された反応容器2が設置されている状態である。
【0052】
(B)の表において、行毎の項目は、(A)の判定結果値に応じた廃棄動作や搬送動作の制御内容を示す。制御装置100は、(1)「反応容器無し」の状態の場合、廃棄制御に関して、対象位置(「反応容器無し」と判定された該当位置)についての廃棄動作が不要であると決定する。廃棄動作は、搬送機構17をインキュベータ1上の対象位置にアクセスし、反応容器2を把持して廃棄ボックス21に搬送し廃棄する動作である。また、制御装置100は、搬送制御に関して、次の分析時には、搬送機構17が反応容器トレイ20から未使用の反応容器2を取得し、インキュベータ1上の対象位置に搬送して設置するように、制御する。なお、次の分析時とは、
図4でいえば、ステップS1,S2またはステップS9,S10に対し、ステップS3,S4が該当する。
【0053】
制御装置100は、(3)「使用済み反応容器有り」の場合、廃棄制御に関して、対象位置(「使用済み反応容器有り」と判定された該当位置)についての廃棄動作が必要であると決定する。制御装置100は、インキュベータ1上の対象位置を、搬送機構17がアクセス可能な位置(
図3での位置P34または位置P36)に移動させる。そして、制御装置100は、搬送機構17が対象位置の使用済みの反応容器2を廃棄ボックス21に搬送し廃棄するように、制御する。また、制御装置100は、次の分析時には、搬送機機構17が反応容器トレイ20から未使用の反応容器2を取得し、インキュベータ1上の対象位置に設置するように、制御する。
【0054】
[液面検知機構]
図6を用いて、分注機構8,9に備えている液面検知機構について説明する。従来技術例の自動分析装置は、分注機構に液面検知機構を備えている。
図6は、液面検知に関する説明図を示す。実施の形態1の自動分析装置は、分注機構8,9の液面検知機構を利用して、反応容器2の状態を判定および検知する。
【0055】
従来技術例の液面検知機構の主な機能や目的は、好適な位置での分注(すなわち液体の吸引や吐出)を制御するために、容器内の液面を検知することである。例えば、従来、試料容器から試料を吸引する分注動作の際に、個別の試料容器に応じて、収容されている試料量に差があり得る。分注動作の際には、ノズル先端を試料容器内の液面の位置に合わせるようにして試料の吸引を行うことが好適である。自動分析装置は、例えば液体の吸引による液量および液面位置の変化に応じて、ノズル先端が液面位置に追随するように、分注機構を制御する。そのため、従来技術例の自動分析装置は、例えば試料容器内にノズルを下降させた際、液面検知機構を用いて、ノズル先端が液面の位置にある状態を検知する。試薬の分注の場合にも同様である。この液面検知は、例えば電気回路を用いて静電容量変化を検出および判定することで可能である。
【0056】
実施の形態1の自動分析装置において、液面検知機能は、分注機構8,9に設置されている液面検知回路によって、ノズルの先端が反応容器2内の液面に接触したか否かを、静電容量変化に基づいて検知する機能である。閾値以上の静電容量変化が有る場合、液面有りと判定され、閾値以上の静電容量変化が無い場合、液面無しと判定される。
【0057】
図6の(A)では、例えば分注機構8のノズル51、インキュベータ1上のある1つの設置位置50、およびその設置位置50に設置されている反応容器2等を概略的に示す。設置位置50は、例えば設置孔に対応する。反応容器2の形状や設置の仕方等は一例であり限定しない。制御装置100は、容器状態チェックの際、例えば分注機構8のノズルを、対象位置である設置位置50に移動させる。分注機構8は、最初、設置位置50の上側にノズル51を移動させる。その時のノズル51aの先端の位置は、鉛直方向で例えば位置Z1にある。分注機構8は、ノズル51aを下降させる。ノズル51aは、反応容器2の上面の位置Z2を通過して下降する。この反応容器2は、反応液52が収容されている使用済みの反応容器2の場合である。反応液52の液面は、例えば位置Z3にある。下降中、ノズル51bの先端は、反応液52の液面に接触する。液面検知回路は、この時の静電容量変化を検出することで、液面有りと判定する。
【0058】
[処理フロー(1)]
図7は、実施の形態1の自動分析装置における容器状態チェック(
図4のステップS1またはS9)および廃棄制御(ステップS2またはS10)に係わる処理フローを示す。
図7は、ステップS31~S38を有し、以下、ステップの順に説明する。実施の形態1における機能では、分注機構8,9に備えている液面検知機構を用いて、対象位置毎に、反応容器2の有無および使用状況(使用済み反応容器の有無)を認識し、その認識に応じて、反応容器2の廃棄制御等の内容(廃棄動作の要否等)を判定および決定する。
【0059】
ステップS31で、制御装置100は、例えば分注機構8のノズルを、インキュベータ1の反応容器2の設置位置(例えば
図3の位置P1)の上に移動させ、その設置位置で既定量の下降を開始させる。規定量は設定値である。
【0060】
ステップ32で、制御装置100は、分注機構8の液面検知機構によって、ノズルが設置位置で下降中に液面を検知したか否かを検知する。ステップS32の検知結果に応じて分岐する。分注機構8のノズルが設置位置で下降中に液面を検知せずに既定量を下降した場合、すなわち液面検知無しの場合(N)には、ステップS33へ移る。分注機構8のノズルがその反応容器設置位置で下降中に液面を検知した場合、すなわち液面検知有りの場合(Y)には、ステップS35へ移る。
【0061】
ステップS33で、制御装置100は、その設置位置には反応容器2が設置されていない(1)「反応容器無し」の状態であると判定し、ステップS34へ進む。ステップS34で、制御装置100は、その設置位置について、搬送機構17による反応容器2の廃棄動作が不要であると決定する。
【0062】
一方、ステップS35で、制御装置100は、その設置位置には、反応液を保持した反応容器2が設置されている(3)「使用済み反応容器有り」の状態であると判定し、ステップS36へ進む。ステップS36で、制御装置100は、その設置位置について、搬送機構17による反応容器2の廃棄動作が必要であると決定する。
【0063】
ステップS34やステップS36の次にステップS37に移る。ステップS37で、制御装置100は、上記分注機構8の液面検知機構を用いた、インキュベータ1上の全ての設置位置における反応容器2の状況の確認が完了したか否かを確認する。全ての設置位置の確認が完了した場合(Y)には本フローを終了し、未完了の場合(N)にはステップS38に進む。ステップS38で、制御装置100は、インキュベータ1を回転駆動することで、未確認の設置位置を、分注機構8のノズルの下降の位置(位置P1)に移動し、その後、ステップS31に戻る。
【0064】
上記例では、分注機構8を用いて容器状態チェックを行う場合を説明したが、これに限らず、分注機構9を用いても、両方の分注機構8,9を同時に用いても、同様の機能が実現できる。また、自動分析装置が分注機構8,9以外に液面検知機構を備えている場合でも、その液面検知機構を用いて同様の機能が実現できる。
【0065】
[実施の形態1の効果等]
上記のように、実施の形態1の自動分析装置によれば、反応容器2についての廃棄および利用を効率的に制御することができる。実施の形態1の自動分析装置によれば、分注機構8,9に備えている液面検知機構を用いて、容器状態チェックとして、インキュベータ1上の設置位置の反応容器2の状態を判定でき、その状態に応じて設置位置の反応容器2の廃棄動作を異ならせることができる。「反応容器無し」の状態と判定された位置については、搬送機構17による廃棄動作を省略させることができる。よって、廃棄動作の全体的な効率を向上でき、次の分析までの時間短縮も可能である。また、実施の形態1における容器状態チェックおよび廃棄制御の機能および方式は、インキュベータ1等に専用の液面検知センサを設置することは不要であるため、既存の機構を活用し、低コストで機能を実現できる。
【0066】
(実施の形態2)
図8~
図10を用いて、実施の形態2の自動分析装置について説明する。実施の形態2における基本的な構成は実施の形態1と同様であり、以下では実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
【0067】
実施の形態2の自動分析装置は、インキュベータ上に使用済みの反応容器と未使用の反応容器が混在していた場合でも、それらの状態を区別して検知し、位置毎に廃棄動作等を異ならせるように制御する機能を有する。実施の形態2の自動分析装置は、分注機構に備える液面検知機構および異常下降検知機構を用いて、反応容器保持機構(対応するインキュベータ)の各位置における反応容器の使用状況を含む状態を判定する。制御装置は、状態として、少なくとも、反応液が収容されている使用済みの反応容器が設置されている状態と、反応液が収容されていない未使用の反応容器が設置されている状態とを判別する。そして、実施の形態2の自動分析装置は、その判定の結果の状態に応じて、位置毎に廃棄動作等を決定し、制御する。
【0068】
実施の形態2の自動分析装置は、分注機構8,9に備える液面検知機構を用いて各設置位置の反応容器2の状態を検知することに加え、分注機構8,9に備える異常下降検知機構を用いて各設置位置の反応容器2の状態を検知する。実施の形態2の自動分析装置は、液面検知機構による検知結果と、異常下降検知機構による検知結果とを組み合わせて、各設置位置の反応容器2の使用状況を判定する。
【0069】
[制御概要(2)]
図8は、実施の形態2における制御概要をまとめた表を示す。(A)の表は、容器状態チェックの概要を示し、(B)の表は、(A)に対応した廃棄制御等の概要を示す。(A)の表において、2行は、液面検知機構を用いた液面検知有無を示し、2列は、異常下降検知機構を用いた異常下降検知有無を示す。液面検知無しは、反応液等の液体が無い状態に対応する。液面検知有りは、反応液等の液体が有る状態に対応する。異常下降検知無しは、接触無し、反応容器無しという状態に対応する。異常下降検知有りは、接触有り、反応容器有りという状態に対応する。行列が交差する項目は、2種類の検知結果の組合せに応じた状態判定結果の値を示す。この値は、(1)「反応容器無し」、(2)「未使用反応容器有り」、(3)「使用済み反応容器有り」、の3種類の状態の値がある。(1)の状態と(3)の状態は、実施の形態1(
図5)で説明した状態と同様であり、実施の形態2では(2)の状態が追加されている。
【0070】
制御装置100は、液面検知無し、かつ、異常下降検知無しの場合には、(1)「反応容器無し」の状態であると判定する。制御装置100は、液面検知無し、かつ、異常下降検知有りの場合には、(2)「未使用反応容器有り」の状態であると判定する。制御装置100は、液面検知有りの場合には、異常下降検知に依らず、(3)「使用済み反応容器有り」の状態であると判定する。
【0071】
液面検知無しの判定は、液面が無いことから、設置位置に、反応容器2が設置されていない状態、または、反応容器2が設置されているがその反応容器2内には反応液等の液体が無い状態であるという推定に相当する。異常下降検知無しの判定は、規定量の下降ができたことから、ノズルの下降動作を遮る物体が無いという推定、すなわち反応容器2の底面や底面上の物体等が無いという推定に相当する。よって、制御装置100は、上記2つの判定結果から、(1)「反応容器無し」の状態であると判定する。また、液面検知無しの判定に加え、異常下降検知有りの判定は、規定量の下降ができなかったことから、ノズルの先端が、反応液が収容されていない反応容器2の底面または底面上の物体に接触したことを表している。よって、制御装置100は、上記2つの判定結果から、(2)「未使用反応容器有り」の状態であると判定する。また、液面検知有りの判定は、設置位置に、反応液を保持した反応容器2が設置されているという推定に対応する。液面検知有りの場合、異常下降検知および判定は不要である。よって、制御装置100は、この場合、(3)「使用済み反応容器有り」の状態であると判定する。
【0072】
(B)の表において、行と列は(A)と同じであり、行列が交差する項目は、(A)の判定結果値に応じた廃棄制御等の内容を示す。制御装置100は、(1)「反応容器無し」の場合、廃棄制御に関して、対象位置(「反応容器無し」と判定された該当位置)についての廃棄動作を実行しない。また、制御装置100は、次の分析時には、搬送機構17が反応容器トレイ20から未使用の反応容器2を取得し、インキュベータ1上の対象位置に搬送して設置するように、制御する。
【0073】
制御装置100は、(2)「未使用反応容器有り」の場合、廃棄制御に関して、対象位置(「未使用反応容器有り」と判定された該当位置)についての廃棄動作を実行しない。また、制御装置100は、次の分析時には、インキュベータ1上の対象位置に設置されている未使用の反応容器2を使用するように制御する。制御装置100は、搬送機構17が反応容器トレイ20から新しい反応容器2をその対象位置に搬送および設置しないように、制御する。
【0074】
制御装置100は、(3)「使用済み反応容器有り」の場合、廃棄制御に関して、インキュベータ1上の対象位置(「使用済み反応容器有り」と判定された該当位置)を、搬送機構17がアクセス可能な位置(
図3での位置P34または位置P36)に移動させる。そして、制御装置100は、搬送機構17が対象位置の使用済みの反応容器2を廃棄ボックス21に搬送し廃棄するように、制御する。また、制御装置100は、次の分析時には、搬送機機構17が反応容器トレイ20から未使用の反応容器2を取得し、インキュベータ1上の対象位置に搬送して設置するように、制御する。
【0075】
[異常下降検知機構]
図10を用いて、分注機構8,9に備えている異常下降検知機構について説明する。従来技術例の自動分析装置は、分注機構に、異常下降検知機構を備えている。
図10は、その異常下降検知に関する説明図を示す。実施の形態2の自動分析装置は、分注機構8,9の液面検知機構および異常下降検知機能を利用して、反応容器2の使用状況を判定および検知する。
【0076】
従来技術例の異常下降検知機構の主な機能や目的は、分注動作時のノズルと容器との接触によるダメージや破損等を防止することである。自動分析装置は、通常、分注動作の際には、ノズルを容器内に下降させ、適切な位置で停止させて、その位置で液体の吸引あるいは吐出等を行う。この際、容器が、規定の正しい位置から上下の位置にずれている場合や、ノズルが、規定の正しい位置から上下の位置にずれている場合があり得る。それらの場合、容器の底面または底面上の何らかの物体と、ノズル先端とが接触する可能性がある。接触した場合、それらの一方または両方がダメージを受け、ダメージが大きければ破損等に至る可能性がある。そのため、自動分析装置は、分注機構の異常下降検知機構を用いて、その接触等を異常下降として検知し、検知に応じて分注動作(例えばノズル移動)を停止させる。
【0077】
実施の形態2の自動分析装置において、異常下降検知機能は、例えば分注機構8の上部に設置されている検知器によって、例えばノズルの先端と反応容器2の底面とが接触していないかどうかを検知し、検知有無に応じて異常下降有無として判定する機能である。ノズルが規定量の下降をした場合、接触無しに対応し、異常下降検知無しと判定される。ノズルが規定量の下降をしなかった場合、接触有りに対応し、異常下降(異常下降検知有り)と判定される。異常下降検知は、反応容器2内部に対するノズルの下降時の動作に関する異常状態の検知である。この異常状態は、規定された正常状態以外の状態であり、反応容器2の底面または他の物体へのノズル先端の接触を含む。
【0078】
図10で、制御装置100は、容器状態チェックの際、前述と同様に、例えば分注機構8のノズル51を、対象位置である設置位置50に移動させる。分注機構8は、最初、設置位置50の上側にノズル51aを移動させる。分注機構8は、ノズル51aを下降させる。この反応容器2は、反応液52が収容されていない未使用の反応容器2の場合である。制御装置100は、規定量までを最大限として、ノズル51aを下降させる。規定量は、容器状態チェック用に設定された所定の距離であり、正常時の反応容器2の底面に近接する位置に対応させた距離よりも大きい距離である。反応容器2の底面は位置Z4にある。正常に反応容器2およびノズルが配置されている場合、下降中、ノズル51cの先端は、反応容器2の底面に接触する。分注機構8の上部の検知器は、この時の接触を検出することで、異常下降検知有りと判定する。分注機構8は、接触の検出に伴い、ノズルの下降を停止させる。なお、実施の形態2では、異常下降検知機構を容器状態チェックに利用しているため、ここでの異常下降検知有りという値は、元々の機能での異常下降の状態(分注動作の異常)とは意味が異なる。
【0079】
制御装置100は、この異常下降検知結果を、液面検知結果と組み合わせることで、
図8のように、(1)「反応容器無し」の状態と、(2)「未使用反応容器有り」の状態と、(3)「使用済み反応容器有り」の状態とを判別する。なお、実施の形態1や実施の形態2の自動分析装置では、液面検知や異常下降検知として上記のような機構を用いる構成としたが、これに限らず、他の実施の形態では、他の機構や方式を用いてもよい。
【0080】
[処理フロー(2)]
図9は、実施の形態2の自動分析装置における容器状態チェックおよび廃棄制御に係わる処理フローを示す。
図9は、ステップS41~S50を有し、以下、ステップの順に説明する。ステップS41,S42,S47~S50は、
図7のステップS31~S38と同様であり、主に異なるステップとして、S43~S46がある。制御装置100は、ステップS41,S42で前述の液面検知を行い、ステップS42で液面検知無しの場合(N)にはステップS43へ進む。
【0081】
ステップS43で、制御装置100は、分注機構8の異常下降検知機構を用いて、ノズルが設置位置で下降中に異常下降(言い換えると接触)を検知したか否かを検知する。異常下降を検知しなかった場合(N)にはステップS44へ移り、異常下降を検知した場合(Y)にはステップS46に移る。ステップS44への遷移は、
図8の液面検知無し、かつ異常下降検知無しの場合に対応する。ステップS46への遷移は、
図8の液面検知無し、かつ異常下降検知有りの場合に対応する。
【0082】
ステップS44で、制御装置100は、その設置位置について、(1)「反応容器無し」の状態であると判定する。そして、ステップS45で、制御装置100は、その設置位置について、廃棄動作が不要であると決定する。一方、ステップS46で、制御装置100は、その設置位置について、(2)「未使用反応容器有り」の状態であると判定する。そして、ステップS45に進み、制御装置100は、同様に、その設置位置について、廃棄動作が不要であると決定する。
【0083】
[実施の形態2の効果等]
上記のように、実施の形態2の自動分析装置によれば、反応容器2についての廃棄および利用を効率的に制御することができる。実施の形態2の自動分析装置によれば、分注機構8,9に備える液面検知機構および異常下降検知機構を利用して、インキュベータ1の各設置位置の各反応容器2の使用状況を判定する。制御装置100は、設置位置に未使用の反応容器2が有ると判定した場合には、その設置位置についての廃棄動作を省略し、次の分析時にその反応容器2をそのまま使用させるように制御する。制御装置100は、その設置位置に新たな反応容器を搬送する動作をしないように制御する。このように、設置位置の反応容器2の有無および使用状況に応じて、異なる動作となるように制御されるので、反応容器2の効率的な使用が実現でき、装置運用コスト等を低減できる。
【0084】
[変形例(1)]
変形例の自動分析装置として以下も可能である。変形例の自動分析装置は、反応容器2の状態を検知するための手段や機構として、前述の分注機構8,9に備える異常下降検知機構の代わりに、他の機構、例えば搬送機構17を利用する。搬送機構17には、反応容器2を把持できるグリッパーを備えている。制御装置100は、前述の容器状態チェックの際に、搬送機構17を制御し、インキュベータ1上の設置位置に、搬送機構17をアクセスし、グリッパーによって反応容器2を把持しようとする動作を行わせる。制御装置100は、その際、搬送機構17のグリッパーが反応容器2を把持できた場合には、その設置位置に反応容器2が有ると判定でき、把持できなかった場合には、その設置位置に反応容器2が無いと判定できる。制御装置100は、この判定と、前述の液面検知の判定とを組合せることで、前述と同様に、設置位置の反応容器2の使用状況を判定できる。
【0085】
この変形例では、分注機構8,9の液面検知機構と、搬送機構17とを用いて、2種類の検知を行う。実施の形態2の場合には、分注機構8,9の液面検知機構および異常下降検知機構を用いて2種類の検知を行うので、分注機構8,9を制御するだけで、反応容器2の状態の判定が可能である。
【0086】
[変形例(2)]
前述の従来技術例の自動分析装置のように、反応容器の設置位置に専用のセンサ(容器有無センサ)を設け、そのセンサの検出結果を利用してもよい。分注機構8,9の異常下降検知機構の代わりに、このセンサを利用してもよい。この変形例の場合、前述のように、センサを設けるためのコストを要するが、液面検知との組合せによって、実施の形態2と同様の機能や効果を実現できる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記実施の形態は、複数の測定種類の測定ユニットを有する複合型自動分析装置および複数モジュール型自動分析装置の例を示したが、装置実装形態については限定しない。単一の測定種類を測定可能な自動分析装置にも適用可能である。前述の実施の形態の構成要素についての追加、削除、置換等が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…インキュベータ、2…反応容器、3…共通ディスク、4…試薬ボトル、5…試料容器、8…分注機構、9…分注機構、17…搬送機構、20…反応容器トレイ、21…廃棄ボックス、100…制御装置。