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特許7189344入射角に基づいて干渉フィルタ補正を行うためのシステム、方法、及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】入射角に基づいて干渉フィルタ補正を行うためのシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021526612
(86)(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2018061741
(87)【国際公開番号】W WO2020101714
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】16/193,236
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512285166
【氏名又は名称】ペルキネルマー ヘルス サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メガンク, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ケンプナー, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ロイヤル, マシュー
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162874(JP,A)
【文献】特表2009-526993(JP,A)
【文献】国際公開第94/11725(WO,A1)
【文献】米国特許第8681247(US,B1)
【文献】HATCH, Andrew C. et al.,1-Million droplet array with wide-field fluorescence imaging for digital PCR,Lab on a Chip,2011年,11,3838-3845 + ESI P1-15
【文献】GOOSSENS, et al.,Finite aperture correction for spectral cameras with integrated thin-film Fabry-Perot filters,Applied Optics,2018年09月10日,Vol. 57, No. 26,7539-7549
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62- G01N 21/83
G01N 33/48- G01N 33/98
C12M 1/00- C12M 1/42
G02B 21/00- G02B 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を生成する方法であって、
過スペクトルを受け取ることであって、前記透過スペクトルは、発光スペクトルを発光フィルタに入力し、前記発光フィルタによって前記発光スペクトルをフィルタリングすることによって前記発光フィルタの出力として取得され、前記透過スペクトルは、前記発光スペクトルの選択された波長範囲に対応し、前記発光スペクトルは、前記発光フィルタに対する垂直入射角から逸脱する複数の入射角で前記発光フィルタによって受け取られる、ことと、
前記透過スペクトルの強度を測定することと、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に対して、(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける関数および(ii)前記1つ以上の位置のうちのある位置に対応する入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数の畳み込みを実行することにより、畳み込み関数を取得することと、
前記畳み込み関数に基づいて、かつ、前記複数の入射角に応じた前記発光フィルタのスペクトル応答に基づいて、前記透過スペクトルの補正された強度を取得することと、
前記透過スペクトル前記補正された強度に基づいて、画像を生成することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記発光スペクトルは、サンプル内の発光源から放出され、前記発光源は、
蛍光源
生物発光源
燐光源
化学発光源
のうちの1つむ、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプルは、生物学的なものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記補正された強度を取得することは、
前記畳み込み関数を下限波長閾値と上限波長閾値との間で積分することにより、積分された畳み込み関数を取得すること
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記補正された強度を取得することは、
基準入射角での前記発光フィルタの既知の透過スペクトルの強度に基づいて、前記積分された畳み込み関数を正規化すること
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記基準入射角は、前記発光フィルタに対し垂直である入射角である、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記正規化することは、
前記既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数および前記基準入射角での前記発光フィルタの前記既知の透過スペクトルを特徴付ける関数畳み込みを実行することにより、基準畳み込み関数を取得することと、
前記基準畳み込み関数を前記下限波長閾値と前記上限波長閾値との間で積分することにより、積分された基準畳み込み関数を取得することと、
前記積分された畳み込み関数前記積分された基準畳み込み関数で除算すること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記補正された強度を取得することは、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に対して、前記1つ以上の位置のうちのある位置で測定された前記透過スペクトルの強度に対する補正を含む補正画像を生成すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像を生成することは、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に対して、前記透過スペクトルの測定された生強度を含む生画像を取得することと、
前記生画像および前記補正画像畳み込みを実行すること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
蛍光撮像を行うためのシステムであって、
励起スペクトルを提供する光源と、
前記励起スペクトルから選択された励起波長範囲をサンプルに向かって提供する励起フィルタと、
前記サンプルから受け取られた発光スペクトルの選択された発光波長範囲を含む透過スペクトルを提供する発光フィルタであって、前記発光フィルタは、前記発光フィルタに対する垂直入射角から逸脱する複数の入射角で前記発光スペクトルを受け取る発光フィルタと、
前記発光フィルタの視野にわたる前記透過スペクトルの強度を測定する蛍光検出器と、
命令を格納するコンピューティングデバイス
を備え、
前記命令は、前記コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると
前記複数の入射角に応じた前記透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、前記強度を補正することと、
複数のピクセルを含むデジタル画像を生成することであって、各ピクセルは、前記発光フィルタの視野の複数の位置のうちの各位置に対応する、ことと、
前記発光フィルタの視野の前記複数の位置に対して、(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける関数および(ii)前記複数の入射角のうち、前記複数の位置のうちのある位置に対応する入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数の畳み込みを実行することにより、畳み込み関数を取得することと
を行う、システム。
【請求項11】
各ピクセルは、前記発光フィルタ視野各位置で測定された前記透過スペクトルの前記強度に対応する値を含み、
各位置は、前記複数の入射角のうちの入射角に対応する請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記命令は、実行されると、前記複数のピクセルのうちのあるピクセルに対して、そのピクセルに対応する前記発光フィルタ視野各位置における前記入射角に基づいて、前記透過スペクトルの前記強度に対応する前記値を修正することにより、前記強度を補正する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記命令は、実行されると、前記ピクセルに補正を適用することにより、前記ピクセルを修正し、
前記命令は、実行されると、前記ピクセルに適用する前記補正を取得し、
前記ピクセルに適用する前記補正を取得することは、
(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数および(ii)前記発光フィルタに垂直である入射角での前記透過スペクトルを特徴付ける関数畳み込みを実行することにより、基準畳み込み関数を取得することと、
前記畳み込み関数と前記基準畳み込み関数と下限波長閾値と上限波長閾値との間でそれぞれ積分することにより、積分された畳み込み関数と積分された基準畳み込み関数とを取得することと、
前記積分された畳み込み関数前記積分された基準畳み込み関数で除算すること
によって行われる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記命令は、実行されると、
前記ピクセルに適用する前記補正を含む補正画像を生成し、
前記デジタル画像および前記補正画像畳み込みを実行することにより、前記ピクセルに前記補正を適用する請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
蛍光画像を生成するための方法であって、
複数のピクセルを含む蛍光画像データを取得することであって、各ピクセルは発光フィルタの視野のある位置で測定された透過スペクトルの各強度に対応する値を有し、前記発光フィルタは、前記視野にわたる発光スペクトルを受け取り、前記発光スペクトルは、複数の入射角で前記視野を照明することと、
蛍光体の既知の発光スペクトルに基づいて、かつ、前記複数の入射角に応じた前記透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、複数の補正値を含む補正画像を生成することと、
前記複数の補正値を前記蛍光画像データに適用することにより、複数の補正されたピクセルを取得することであって、各補正されたピクセルは、前記透過スペクトルの各補正された強度に対応する値を有する、ことと、
前記複数の補正されたピクセルを使用して、補正された蛍光画像を生成することと、
を含む方法。
【請求項16】
前記方法は、ユーザ入力を受け取ることをさらに含み、前記ユーザ入力は、前記蛍光体の選択を示し、かつ、前記発光フィルタの選択を示す請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の補正値は、
(a)(i)前記蛍光体の既知の発光スペクトルを特徴付ける関数および(ii)前記発光フィルタ視野のある位置に対応する入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数畳み込みの第1の積分と、
(b)(i)前記蛍光体の前記既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数および(ii)垂直入射角での前記発光フィルタの既知の透過スペクトルを特徴付ける関数畳み込みの第2の積分
の比率に基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の積分および前記第2の積分は、下限波長閾値と上限波長閾値との間で積分される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月16日に出願された“Systems, Methods, and Apparatus for Interference Filter Correction Based on Angle of Incidence”と題する米国非仮特許出願第16/193,236号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本明細書の開示は、概して、撮像システム及び方法に関する。より具体的には、いくつかの実施例では、本開示は、入射角に基づく干渉フィルタ補正に関する。
【背景技術】
【0003】
高スループット撮像、例えば生体内撮像は、生物学及び医学で応用されるため、魅力的な研究分野である。高スループット撮像は、一度に1つ以上の生きている対象(例えばマウス)の画像を含み得、広い視野を含み得る。その結果、高スループット撮像は、本質的に光の角度分散を生じ得る。例えば、光がサンプルから反射して発光フィルタに当たる光の入射角に、ばらつきが生じ得る。残念ながら、このばらつきは、透過スペクトルの最終強度に影響を与え得る。例えば、入射角の増大により、発光フィルタを通過できる光の波長にシフトが生じ得る。これは、サンプルの撮像の精度に影響を与え得、撮像から引き出される観察及び結論に悪影響を与え得るため、入射角に基づいて透過スペクトルを補正することが望ましく、必要である。さらに、ユーザは、生データ自体に至る機構を使用せずに、透過スペクトルを手動で補正しなければならないため、煩わしく、時間がかかり、効果がなく、非実践的であり得る。
【0004】
本開示の様々な実施態様は、前述の課題のうちの1つ以上に対処する。例えば、本開示は、入射角に基づいて干渉フィルタ補正を行うためのシステム、方法、デバイス、及び装置を説明し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、発光スペクトルが発光フィルタを照明する入射角であって、発光フィルタからの透過スペクトルにスペクトルシフトを生じる当該入射角に基づいて、干渉フィルタ補正を行う技術に関する。
【0006】
本開示は、例えば画像を生成するための方法を提供する。透過スペクトルは、発光フィルタから受け取られ得る。透過スペクトルは、発光フィルタによりフィルタリングされる発光スペクトルの選ばれた波長範囲に対応し得る。発光スペクトルは、発光フィルタに対する垂直の入射角から逸脱する入射角を含む複数の入射角で、発光フィルタを照明し得る。透過スペクトルの強度は、測定及び/または格納され得る。入射角に応じた発光フィルタのスペクトル応答に基づいて、透過スペクトルの補正された強度が取得され得、透過スペクトル及び補正された強度に基づいた画像が生成され得る。
【0007】
特定の実施例では、発光スペクトルは、サンプル内の発光源、例えば蛍光源から、放出され得る。発光源は、発光細胞株によりサンプル内で発現した発光レポータであり得る。発光レポータは、体外から投与されてもよい。一例では、発光レポータは、プローブの構成要素として、サンプルに投与され得る。サンプルは、生物学的なものであり得る(例えば生きているマウス)。
【0008】
発光フィルタには、発光スペクトルにより照明された視野が存在する。発光フィルタの視野の位置は、例えば(x、y)位置座標を使用して特徴付けられ得る。視野内の各位置に関して、発光スペクトルは、それぞれの入射角で発光フィルタを照明し得る。その位置の発光フィルタからの透過スペクトルの測定強度に、入射角は影響を与え得る。
【0009】
発光スペクトルにより照明された発光フィルタの視野の(x,y)座標位置のそれぞれは、対応する入射角を有し得る。いくつかの実施例では、補正された強度は、透過スペクトルの強度の個々の強度値の積分に基づき得る。個々の強度値は、それぞれの(x、y)座標位置、及びそれぞれの(x,y)座標位置の対応する入射角に、対応し得る。
【0010】
取得された画像は、透過スペクトルの測定強度に基づき得、発光フィルタの視野に対する発光スペクトルの入射角に対して補正され得る。取得された画像は、デジタルピクセルベースの画像であり得、各ピクセルは発光フィルタの視野のそれぞれの(x、y)座標位置に対応し、それぞれの(x、y)座標位置を介して発光フィルタは発光スペクトルを受け取る。取得された画像のピクセルの値は、発光フィルタの視野の対応する(x、y)座標位置で測定された透過スペクトルの生強度に対応し得る。特定の(x、y)座標位置における透過スペクトルの生強度は、特定の入射角で発光フィルタのその位置を照明する発光スペクトルの一部に対応し得る。
【0011】
入射角の補正を行うために、補正画像が特定され得る。補正画像は、発光フィルタの視野にわたる異なる入射角がもたらすばらつきを補正するためのデータを含み得る。補正情報を取得するために、2つの畳み込みの積分の比率が特定され得る。第1の畳み込みは、レポータ(例えば蛍光体)の既知の強度を特徴付ける関数、並びに特定の(x、y)座標位置及びその対応する入射角の発光フィルタからの透過スペクトルを特徴付ける関数で、実行され得る。第2の畳み込みは、レポータの既知の強度を特徴付ける関数、及び垂直(すなわち直交)の入射角の発光フィルタからの透過スペクトルを特徴付ける関数で、実行され得る。これらの畳み込みの結果は、上限波長カットオフ閾値及び下限波長カットオフ閾値(例えばスペクトルの短い青端と、スペクトルの長い赤端の近く)の間で、積分され得る。これらの積分の結果の比率は、特定の(x,y)座標位置で測定された透過スペクトルの強度を補正するために使用する補正情報を提供し得る。発光フィルタの各(x、y)座標位置の補正情報は、この技術を使用して取得され得る。
【0012】
補正情報は、補正画像を生成するために使用され、発光フィルタからの透過スペクトルの強度を測定することにより取得された生画像に、補正情報は適用され得る。例えば、取得された生画像及び補正画像の最終畳み込みを実行して、補正済み画像が取得される。補正済み画像は、各ピクセルの値が、発光フィルタの視野の対応する(x、y)座標位置における透過スペクトルの強度に対応し、その位置に対応する入射角に対して補正されたピクセルベースの画像であり得る。従って、補正済み画像は、発光フィルタが発光スペクトルをフィルタリングして検出器により測定される透過スペクトルを提供する時に起こるスペクトルシフト(異なる入射角に起因)を考慮することから、サンプルからの発光スペクトルのより正確な表現を提供し得る。
【0013】
下記の本開示はまた、例えば、数ある構成要素の中でも、光源と、1つ以上の励起フィルタと、1つ以上の発光フィルタと、照明検出器とを含み得る撮像デバイスを提供する。光源は、励起スペクトルを提供し得、一方、励起フィルタ(複数可)は、励起スペクトルの選ばれた励起波長範囲を、撮像されているサンプルに向かって提供し得る。発光フィルタ(複数可)は、透過スペクトルを提供し得る。透過スペクトルは、サンプルから受け取られ発光フィルタによりフィルタリングされた発光スペクトルの選ばれた発光波長範囲を含み得る。発光フィルタ(複数可)は、発光フィルタに対し垂直の入射角から逸脱する複数の入射角で、発光スペクトルを受け取り得る。照明検出器は、透過スペクトルの強度を測定し得る。検出器は、透過スペクトルに対応する信号を生成し得、次に信号は、サンプル内に存在し得、発光スペクトルの少なくとも一部を発光するレポータ(例えば蛍光体)のデジタル画像を生成するために使用される。いくつかの実施例では、特別にプログラムされたコンピューティングデバイスは、様々な入射角に応じた透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、強度を補正するように構成される。デバイスは、サンプルと発光フィルタとの間に配置されたコリメート光学系を含んでも含まなくてもよい。補正情報は、取得された画像の各ピクセルに対する補正を表し得る。
【0014】
後述される技術は、特に蛍光画像を生成するために使用され得る。例えば、発光フィルタが蛍光体の発光スペクトルをフィルタリングすることにより提供する透過スペクトルの測定強度に対応する、例えば生でデジタルのピクセルベース画像といった、蛍光画像データが取得され得る。本明細書に説明される技術は、蛍光画像のピクセルに対する補正を提供し得、補正済み蛍光画像は、補正情報を使用して生成され得る。
【0015】
蛍光体及び発光フィルタは、ユーザにより選択され得る。さらに、発光フィルタの光学性能が評価され得、補正済み画像を生成するために追加補正が適用され得る。これらの追加補正には、光学的歪み、口径食、及び光路の読み出しバイアスを補正することが含まれ得る。
【0016】
本明細書で説明される様々な実施例の態様は、他の実施例の態様と組み合わされてもよく、及び/または他の実施例の態様の代わりに使用されてもよいことを、理解されたい(例えば1つの独立請求項に従属する請求項の要素を使用して、他の独立請求項の実施態様がさらに特定され得る)。本開示の他の特徴及び利点は、下記の図、発明を実装するための形態、及び特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【0017】
本開示の目的及び特徴は、後述の図面、及び特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解されよう。図面では、様々な図を通して同様の部分を示すために、同様の数字が使用される。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
画像を生成する方法であって、
発光フィルタから、発光スペクトルの選ばれた波長範囲に対応する透過スペクトルを受信することであって、前記発光スペクトルは、前記発光フィルタに対する垂直入射角から逸脱する複数の入射角で、前記発光フィルタを照明する、前記受信することと、
前記透過スペクトルの強度を測定することと、
前記複数の入射角に応じた前記発光フィルタのスペクトル応答に基づいて、前記透過スペクトルの補正された強度を取得することと、
前記透過スペクトル及び前記補正された強度に基づいて、画像を生成することと、
を含む、前記方法。
(項目2)
前記発光スペクトルは、サンプル内の発光源から放たれ、前記発光源には、
蛍光源と、
生物発光源と、
燐光源と、
化学発光源と、
のうちの1つが含まれる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記サンプルは、生物学的なものである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記補正された強度を取得することは、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に関して、(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける関数と、(ii)前記1つ以上の位置のうちのある位置に対応する入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数とで、畳み込みを行うことにより、畳み込み関数を取得すること
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記補正された強度を取得することは、
前記畳み込み関数を下限波長閾値と上限波長閾値との間で積分することにより、積分された畳み込み関数を取得すること
をさらに含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記補正された強度を取得することは、
基準入射角での前記発光フィルタの既知の透過スペクトルの強度に基づいて、前記積分された畳み込み関数を正規化すること
をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記基準入射角は、前記発光フィルタに対し垂直である入射角である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記正規化を行うことは、
前記既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数と、前記基準入射角での前記発光フィルタの前記既知の透過スペクトルを特徴付ける関数との畳み込みを実行することにより、基準畳み込み関数を取得することと、
前記基準畳み込み関数を前記下限波長閾値と前記上限波長閾値との間で積分することにより、積分された基準畳み込み関数を取得することと、
前記積分された畳み込み関数を、前記積分された基準畳み込み関数で除算することと、
を含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記補正された強度を取得することは、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に関して、前記1つ以上の位置のうちのある位置で測定された前記透過スペクトルの強度に対する補正を含む補正画像を生成すること
を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記画像を生成することは、
前記発光フィルタの視野の1つ以上の位置に関して、前記透過スペクトルの測定された生強度を含む生画像を取得することと、
前記生画像と前記補正画像との畳み込みを実行することと、
を含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
蛍光撮像を行うためのシステムであって、
励起スペクトルを提供する光源と、
前記励起スペクトルから選ばれた励起波長範囲をサンプルに向かって提供する励起フィルタと、
前記サンプルから受け取られた発光スペクトルの選ばれた発光波長範囲を含む透過スペクトルを提供する発光フィルタであって、前記発光フィルタに対する垂直入射角から逸脱する複数の入射角で前記発光スペクトルを受け取る、前記発光フィルタと、
前記発光フィルタの視野にわたる前記透過スペクトルの強度を測定する蛍光検出器と、
命令を格納するコンピューティングデバイスであって、前記命令は、前記コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記複数の入射角に応じた前記透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、前記強度を補正する、前記コンピューティングデバイスと、
を備える、前記システム。
(項目12)
前記サンプルと前記発光フィルタとの間に配置されたコリメート光学系をさらに備える、項目11に記載のデバイス。
(項目13)
前記命令は、実行されると、複数のピクセルを含むデジタル画像を生成し、
各ピクセルは、前記発光フィルタの前記視野の複数の位置のうちの各位置に対応し、
各ピクセルは、前記発光フィルタの前記視野の前記各位置で測定された前記透過スペクトルの前記強度に対応する値を含み、
各位置は、前記複数の入射角のうちの入射角に対応する、
項目11に記載のデバイス。
(項目14)
前記命令は、実行されると、前記複数のピクセルのうちのあるピクセルに関して、そのピクセルに対応する前記発光フィルタの前記視野の前記各位置における前記入射角に基づいて、前記透過スペクトルの前記強度に対応する前記値を修正することにより、前記強度を補正する、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
前記命令は、実行されると、前記ピクセルに補正を適用することにより、前記ピクセルを修正し、
前記命令は、実行されると、
前記発光フィルタの前記視野の前記複数の位置に関して、(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける関数と、(ii)前記複数の位置のうちのある位置に対応する、前記複数の入射角のうちの入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数とで、畳み込みを行うことにより、畳み込み関数を取得することと、
(i)レポータの既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数と、(ii)前記発光フィルタに垂直である入射角での前記透過スペクトルを特徴付ける関数とで、畳み込みを実行することにより、基準畳み込み関数を取得することと、
前記畳み込み関数と前記基準畳み込み関数とを、下限波長閾値と上限波長閾値との間でそれぞれ積分することにより、積分された畳み込み関数と積分された基準畳み込み関数とを取得することと、
前記積分された畳み込み関数を、前記積分された基準畳み込み関数で除算することと、
を行うことにより、前記ピクセルに適用する前記補正を取得する、
項目14に記載のデバイス。
(項目16)
前記命令は、実行されると、
前記ピクセルに適用する前記補正を含む補正画像を生成し、
前記デジタル画像と前記補正画像との畳み込みを実行することにより、前記ピクセルに前記補正を適用する、
項目15に記載のデバイス。
(項目17)
蛍光画像を生成するための方法であって、
複数のピクセルを含む蛍光画像データを取得することであって、各ピクセルは、発光スペクトルが照明する発光フィルタの視野のある位置で測定された透過スペクトルの各強度に対応し、前記発光スペクトルは、複数の入射角で前記視野を照明する、前記取得することと、
蛍光体の既知の発光スペクトル、及び前記複数の入射角に応じた前記透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、複数の補正値を含む補正画像を生成することと、
複数の補正済みピクセルを取得するために、前記蛍光画像に前記複数の補正値を適用することであって、各補正済みピクセルは、前記透過スペクトルの各補正済み強度に対応する、前記適用することと、
前記複数の補正済みピクセルを使用して、前記蛍光画像を生成することと、
を含む、前記方法。
(項目18)
前記蛍光体の選択を示し、前記発光フィルタの選択を示すユーザ入力を受信することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記複数の補正値は、
(a)(i)前記蛍光体の既知の発光スペクトルを特徴付ける関数と、(ii)前記発光フィルタの前記視野のある位置に対応する入射角の既知の透過スペクトルを特徴付ける関数との、畳み込みの第1の積分と、
(b)(i)前記蛍光体の前記既知の発光スペクトルを特徴付ける前記関数と、(ii)垂直入射角での前記発光フィルタの既知の透過スペクトルを特徴付ける関数との、畳み込みの第2の積分と、
の比率に基づく、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記第1の積分及び前記第2の積分は、下限波長閾値と上限波長閾値との間で積分される、項目19に記載の方法。
【0018】
特許または出願ファイルには、色付きで描かれた図面が少なくとも1つ含まれる。色付き図面(複数可)を伴う本特許または特許出願出版物の複製は、要求及び必要な料金の支払いに応じて、特許局から提供されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】光学撮像システムの実施例の図である。
図2A】発光フィルタの視野にわたるそれぞれの入射角がもたらす透過スペクトルの例示的測定値を示すグラフである。
図2B】発光フィルタの視野にわたるそれぞれの入射角がもたらす透過スペクトルの例示的測定値を示すグラフである。
図2C】発光フィルタの視野にわたるそれぞれの入射角がもたらす透過スペクトルの例示的測定値を示すグラフである。
図3A】発光フィルタの視野に対する入射角の補正を行うための例示的な方法ステップを示す。
図3B】発光フィルタの視野に対する入射角の補正を行うための例示的な方法ステップを示す。
図4A】発光フィルタの視野に対する入射角の補正のために実行される畳み込み演算の入力及び出力を示すグラフである。
図4B】補正済み蛍光画像を取得するために使用され得るサンプル画像である。
図5】本明細書の開示の態様が実施され得る例示的なコンピューティングハードウェアのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で説明される方法、システム、及びプロセスは、本明細書で説明される実施例の情報を使用して展開された変形形態及び適応形態を含むことが企図される。
【0021】
説明全体を通して、システム及び構成物が特定の構成要素を有する、含む、または備えると説明される場合、あるいはプロセス及び方法が特定のステップを有する、含む、または備えると説明される場合、挙げられた構成要素から基本的に成る、または挙げられた構成要素から成る本開示のシステム及び構成物が存在すること、並びに挙げられた処理ステップから基本的に成る、または挙げられた処理ステップから成る本開示のプロセス及び方法が存在することが、さらに企図される。
【0022】
本明細書で使用される用語「画像」は、視覚的表示、または視覚的表示のために解釈され得る任意のデータ表現を意味すると理解される。例えば、2次元画像は、2つの空間次元で変化する所与の数量の値のデータセット(例えばピクセル)を含み得る。
【0023】
本明細書では、撮像システムで使用されるフィルタの視野にわたるそれぞれの入射角がもたらす角度分散を補正するための技術が説明される。これらの入射角により、フィルタの透過率は、フィルタの視野にわたり異なる。例えば、フィルタの視野の端では、サンプルからの光は、視野の中心付近よりも大きい入射角で、フィルタを照明する。本明細書で説明される技術は、撮像動作中に対象が放つ光のより正確な画像を提供するために、これらの入射角の補正を行う。便宜上、フィルタにより透過される照明は、本明細書では透過スペクトルと称される。本明細書で説明される技術の少なくともいくつかの実施例は、補正された強度を有する透過スペクトルに基づいて、画像を生成する。補正された強度は、入射角のばらつきにより生じるあらゆる波長シフトも考慮し得る。生成される画像は、撮像手順中に得られる情報、例えば生体内撮像研究中に得られる定量的、構造的、機能的、及び/または分子的な情報を、向上させ得る。この精度の向上は、生画像データ(例えばピクセルごと)を、基準入射角(例えば発光フィルタに対する垂直の入射角)に対応する既知の、推定の、またはシミュレーションの画像データに正規化することにより、実現され得る。
【0024】
前述のように、発光フィルタに光が入射する角度が異なると、透過スペクトルにスペクトルシフトが生じ得る。例えば、発光分光法の間、このようなスペクトルシフトは、不均一な蛍光画像をもたらし得る。発光分光法では、発光フィルタを使用して、様々な蛍光体及び他のレポータ(例えば特定の遺伝子、タンパク質などが光源により検出/励起された時に点灯するタグ)が正確に検出され得る。例えば、臨床現場では、処理量を向上させ、時間を短縮するために、複数のサンプル(例えば動物)が撮像され得る(例えば一度に1匹のマウスに対して一度に10匹のマウス)。しかし、複数のサンプルを撮像するには、より高い視野が必要となり得、高い視野では、光が発光フィルタに当たる時に光の角度分散が生じ得、データ測定に影響を与えるスペクトルシフトが生じる。従って、発光フィルタに当たる光の角度分散は、臨床、研究、及び/または診断の状況での撮像に問題を引き起こし得る。本明細書で説明される技術は、これらのスペクトルの差異を補正する。
【0025】
いくつかの実施例では、本開示はさらに、入射角に基づく干渉フィルタ補正により取得された画像に頼る、またはカスタマイズする分析ツールの使用を可能にし、その結果、精度が向上する。これらのツールは、干渉フィルタ補正により生成された画像を通して、例えば生体内の動物の光学撮像設定に関連する情報を提供し得る。
【0026】
図1は、光学撮像システム100の実施例である。光学撮像システムは、発光源と、照明光線がある角度で当たる可能性があり得る発光フィルタとを伴う任意の撮像デバイスを含み得る。発光源が放つ照明には、可視光及び非可視光(例えば紫外線、赤外線)の両方が含まれ得ることが理解されよう。光学撮像は、発光源の生体内撮像に使用され得る。光学撮像システム100は、例えば発光分光法などの様々な種類の分光法に使用され得る。光学撮像システム100を使用して、発光源が放つ光の測定値が取得され得る。このような測定値を使用して、例えば、発光源に対応する画像が生成され得る。発光源は、例えば反応の結果として発光する物質またはタンパク質であり得る。
【0027】
光学撮像システムを使用して、様々な種類の発光源が測定(例えば撮像)され得る。例えば、発光源は、蛍光源、生物発光源、燐光源、化学発光源(例えば化学反応の結果として発光するもの、例えば蛍光源)、電気化学発光源(例えば電気化学反応の結果として発光するもの)、溶解発光源(例えば固体が液体に溶解する結果として発光するもの)、強熱発光源(例えば温度が上昇する時、例えば炎にさらされた時に発光するもの)、結晶発光源(例えば結晶化中に発光するもの)、電気発光源(例えば電流が流れた時に発光するもの)、機械発光源(例えば固体に対する機械的作用の結果として発光するもの)、光発光源(例えば蛍光のように光子の吸収の結果として発光するもの)、放射性発光源(例えば電離放射線による衝撃の結果として発光するもの)、熱発光源(例えば物質が加熱された時に、吸収したエネルギーの再放出の結果として発光するもの)、またはこれらの組み合わせであり得る。サンプルは、生物学的なものであり得る。生物学的サンプルは、生きていても死んでいてもよい。一例では、サンプルが生きている対象(例えばマウス)である場合、発光源は、対象の中または上に組み込まれ得る(例えば内在、摂取、注射、注入、及び局所適用など)。例えば、発光源(複数可)には、生物学的構造(例えば抗体、膜タンパク質など)に結合して蛍光を発する蛍光体及び他のレポータが含まれ、これは、例えば生物学的構造についての詳細を明らかにするのに役立つ。追加例は、本明細書で明記される追加の開示の恩恵により、理解されよう。
【0028】
本明細書で説明される技術は、可視光を使用する様々な撮像システムで使用することができる。
【0029】
例示的な光学撮像システム100の構成要素は、励起光を使用してサンプル内の発光源(例えば蛍光体)を励起させ、発光源からの発光を測定する発光分光法に関連して、例として後述される。しかし、他の種類の光学撮像システムは、追加及び代替の構成要素を含み得ることを理解されたい。光が発生し、通常の動作で、すなわち光路に沿って、構成要素を通過する順序で、例示的な光学撮像システム100の構成要素は提示される。この実施例では、光学撮像システム100は、光源102と、励起フィルタ104と、ファイバ束スイッチ106と、サンプル110と、一次対物レンズ114と、発光フィルタ116と、二次集束レンズ118と、検出器120とを含む。
【0030】
光源102は、サンプルに向けて照明を提供するために光を生成する任意のデバイス(例えばランプ)であり得る。光は、人間の目の可視光または非可視光(例えば紫外線、赤外線など)であり得る。光源102からの照明は、便宜上、本明細書では励起スペクトルと称される。発光分光法の場合、光源102には、キセノン(Xe)電球を備えた広帯域ランプが含まれ得る。同様に、また便宜上、励起スペクトルに応じてサンプルが放つ励起光は、本明細書では発光スペクトルと称される。
【0031】
励起フィルタ104は、光が光源102からサンプル110に向かって進む時に、光をフィルタリングして、励起スペクトルの選ばれた波長または波長範囲をサンプル110に到達させる光学デバイスであり得る。光学撮像システム100は、複数の励起フィルタを選択用に提供し得、ユーザは、使用する励起フィルタを選択し得る。
【0032】
ファイバ束スイッチ106は、光が励起フィルタ104を出る時に、例えば光ファイバケーブルを介して、サンプル110の様々な点に向かって光を散らすことを支援し得る。いくつかの実施態様では、内部構造に光を提供し、及び/またはサンプル110の表面トポグラフィを明らかにするために、レーザ検流計112が使用され得る。さらに、ステージ108は、励起光を、サンプルを撮像するための2次元(例えばx及びy次元)の集束光学系に変換することができる。
【0033】
光学撮像システム100は、サンプル110と発光フィルタ116との間に配置されたコリメート光学系を含み得る。別の実施例では、デバイス100は、コリメート光学系を省き得る。コリメート光学系は、例えば発光スペクトルが発光フィルタ116に到達する前に、発光スペクトルの光線を整列させる1つ以上のレンズを含み得る。
【0034】
発光フィルタ116も、同様に、光(例えば発光スペクトル)がサンプル110から検出器120に向かって進む時に、光をフィルタリングして、選ばれた波長または波長範囲を検出器に到達させる光学デバイスであり得る。発光フィルタ116が透過させる光(すなわち発光フィルタを通過することができる発光スペクトルからの光)は、便宜上、本明細書では透過スペクトルと称される。前述のように、発光フィルタ116は、発光フィルタに対し垂直(例えば直交)の基準入射角から逸脱する複数の入射角で、発光スペクトルを受け取り得る。光学撮像システム100は、複数の発光フィルタを選択用に提供し得、ユーザは、フィルタホイール117を介して使用する発光フィルタを選択し得る。選択された励起フィルタ(複数可)及び発光フィルタ(複数可)に基づいて、光の波長は、発光源(例えば蛍光レポータ)に依存した方法でシフトし得る。しかし、本明細書に説明されるように、発光フィルタ116に対する垂直すなわち基準の入射角と比較して、光が発光フィルタ116に当たる角度も、透過スペクトルに影響を与え得る。
【0035】
光学撮像システム100はまた、発光スペクトル及び透過スペクトルを集束させる1つ以上の対物レンズを含み得る。例えば、光学撮像システム100は、発光スペクトルを集束させるために、サンプル110と発光フィルタ116との間に配置された一次対物レンズ114を含み得る。光学撮像システム100はまた、透過スペクトルを集束させるために、発光フィルタ116と検出器120との間に配置された集束レンズ118を含み得る。レンズは、ユーザにより調整され得る。
【0036】
光学撮像システム100は、透過スペクトルの強度を測定し得る検出器(例えば蛍光検出器)を含み得る。検出器120は、受信した光を画像データに変換する感光デバイスであり得る。例えば、検出器120は、電荷結合素子(CCD)検出器であり得る。CCD検出器または他の同様の検出器は、光の強度に基づいて、電荷を蓄積し得る様々な検出器要素を含み得る。本開示のいくつかの態様では、電磁放射線の他の検出器、例えば光電子増倍管、光ダイオード、及びアバランシェ光ダイオードなどが、使用され得る。画像データは、光学撮像システム100のコンピューティングデバイスにより受信され得る。
【0037】
図5を参照して後述されるように、光学撮像システム100は、入射角に基づいて干渉フィルタ補正を行うようにプログラムされたコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、コンピューティングデバイスは、光が発光フィルタ116に当たる様々な入射角に応じた透過スペクトルのスペクトルシフトに基づいて、透過スペクトルの測定された強度を補正するようにプログラムされ得る。
【0038】
図2A図2Cは、例示的な波長に関して観測された入射角のばらつきにより生じる透過スペクトルのばらつきを表す例示的な結果のグラフを示す。上記で論述されたように、サンプルからの光が発光フィルタに当たる入射角のばらつきは、発光フィルタを通過できる光の波長のシフトを生じ得る。これらのシフトは、透過スペクトルの測定強度に影響を与え得る。これは、サンプル110の撮像の精度に影響を与え得、撮像から引き出される観察及び結論に悪影響を与え得るため、入射角に基づいて透過スペクトルの測定値を補正することが望ましく、必要である。
【0039】
図2Aは、例えば605ナノメートル(nm)の励起(EX)フィルタ及び660nmの発光(EM)フィルタといった様々な励起フィルタ及び発光フィルタ208に関して、発光フィルタの視野の中心から半径方向位置204に応じた最大蛍光効率から、平均蛍光効率の乖離率202を描くグラフを示す。蛍光効率は、例えば発光フィルタから透過された孔子の数と、光源から進む途中で例えばサンプルにより吸収された光子の数との比率に基づき得る。半径方向位置は、例えば中心からの水平中心線に沿った、中心からの距離として表され得る。従って、半径方向位置204は、発光フィルタの視野の水平中心線に沿った位置に対応し、ゼロの位置は、発光フィルタの視野の中心を示し得る。発光フィルタの視野の中心では、入射角は、視野に対して直角であり得、すなわち、垂直(直交)の入射角に対応し得る。中心から離れた位置の発光フィルタの視野の位置は、垂直の入射角から逸脱した入射角に対応し得、最も極端な入射角は、発光フィルタの視野の中心から最も遠い位置に対応する。図2Aに示されるように、半径方向位置204は、最大蛍光効率からの蛍光効率の乖離率と相関する。平均蛍光効率の乖離率202は、視野内の所与の位置における透過スペクトルの強度のばらつきを示し得る。例えば、特定の水平位置での大きな乖離は、その半径方向位置(例えば発光フィルタの視野の中心からの位置)で発光フィルタに当たる光の特定の入射角がもたらす透過スペクトルの強度の大きな増加または減少を示し得る。透過スペクトルの強度の増加または減少は、光学レポータのピーク波長に対するフィルタ曲線の位置に関係し得る。
【0040】
図2Aは、最大値からの平均蛍光効率の乖離率が、励起フィルタ及び発光フィルタにわたり均一ではないことを示す。例えば、曲線206は、675nmの励起フィルタ及び720nmの発光フィルタ(すなわち675EX、720EMフィルタペア)に対応する。図2Aに示されるように、675EX、720EMフィルタペアは、水平中心線に沿った約12センチメートル(cm)で約27%のピーク乖離をもたらし、水平中心線に沿った約2cm及び約23cmで最小乖離(例えば約0%)をもたらす。対照的に、605EX、660EMフィルタペアに対応する曲線207は、水平中心線に沿った約2cm及び約23cmで約30%のピーク乖離をもたらし、水平中心線に沿った約12cmで最小乖離(約0%)をもたらす。
【0041】
図2Bは、波長範囲212(例えば600~700nm)にわたる例示的な蛍光体(例えばAlexa Fluor 635)及び例示的な発光フィルタ(例えば640/20nm単一波帯バンドパスフィルタ)の透過率210を示すグラフである。実線曲線216は(集合的に)、波長範囲212内の様々な入射角214(例えば0度~23度)での発光フィルタからの透過スペクトルの透過率を表す。破線曲線218は、波長範囲212内の蛍光体の発光スペクトルの透過率を表す。図2Bに示されるように、発光フィルタからの透過スペクトルは、入射角が増大するにつれ、大きくシフトする。例えば、当実施例で最も極端な入射角(例えば23度)の透過スペクトルに対応する曲線216aは、左方向に(例えば約610~640nmへ)シフトし、これは、当実施例で使用される640/20nmフィルタの垂直入射角(0度)の透過スペクトル(例えば約620~660nm)に対応する曲線216bから、大きく偏位している。入射角が増大すると、より短い波長へ向かうこの左方向シフトは、青方偏移と称され得る。図2にも示されるように、この青方偏移により、蛍光体の発光スペクトルに対応する曲線218と、発光フィルタの透過スペクトルに対応する曲線216との重複は、少なくなる。言い換えると、蛍光体の発光スペクトルは、より小さい入射角(例えば0度)の曲線216bとより多く重複し、より大きい入射角(例えば23度)の曲線216aとより少なく重複する。この効果は、図2Cで示される。
【0042】
図2Cは、基準(例えば垂直)入射角での発光フィルタの透過スペクトルのグラフ230と、軸外入射角(すなわち基準入射角から逸脱した入射角)での発光フィルタの透過スペクトルのグラフ240とを示す。各グラフは、蛍光体の発光スペクトルに対応する曲線250(すなわち蛍光体発光曲線)を含み、これは、両方のグラフにおいて一定に保たれる。各グラフはまた、基準入射角及び軸外入射角での発光フィルタからの測定された透過スペクトルに対応するそれぞれの曲線252a及び252b(すなわち基準角透過曲線及び軸外角透過曲線)を含む。グラフ230の影付き領域260aにより示されるように、基準角透過曲線252aは、蛍光体発光曲線250と重複する。軸外角透過曲線252bも同様に、グラフ240の影付き領域260bにより示されるように、蛍光体発光曲線250と重複する。実質的に、影付き領域260a及び260bは、蛍光体曲線250と透過曲線252a及び252bとの重複領域のそれぞれの積分を表す。しかし、2つの影付き領域260a及び260bの面積は異なり、基準入射角の影付き領域260aは、軸外入射角の影付き領域260bより大きい。影付き領域260a及び260bにおけるこの差異は、入射角が基準(例えば垂直)入射角から逸脱すると、発光フィルタからの透過スペクトルがシフトすることにより生じる。言い換えると、この差異は、異なる入射角で発光フィルタにより透過される発光スペクトルの異なる光の量により、説明することができる。発光フィルタは、その視野の中心付近(すなわち垂直入射角付近)で比較的多くの光を透過させ、入射角がより極端な視野の端付近では比較的少ない光を透過させる。その結果、発光フィルタからの透過スペクトルのシフトが原因で、重複領域(例えば影付き領域260a及び260b)のそれぞれの積分は変化する。同様に、蛍光体曲線250と、透過曲線252a及び252bとのそれぞれの畳み込みも、入射角が変わると変化する。言い換えると、蛍光体曲線と、発光フィルタからの測定された透過スペクトルとの畳み込みの積分は、発光フィルタに対する発光スペクトルの入射角と相関する。
【0043】
本開示は、発光フィルタの視野内での発光スペクトルの入射角の逸脱がもたらす発光フィルタからの透過スペクトルの波長のシフトを補正するための技術を提供する。これらの技術は、より極端な入射角で発光フィルタで受け取られる比較的弱い光の量を、発光フィルタの視野の中心で受け取られる光の量に、正規化する。このような技術は、発光フィルタからの測定された透過スペクトルに適用するための正規化値を提供し得る。このような正規化値は、発光フィルタの中心での垂直入射角に近い、または垂直入射角から遠い入射角がもたらす強度の差異を補正し得る。従って、このような正規化値は、補正値とも称され得る。
【0044】
いくつかの例では、発光フィルタからの測定された透過スペクトルに対応する2次元ピクセルベース画像が生成され得る。この取得された画像の各ピクセルは、発光フィルタの視野の対応する位置での透過スペクトルの強度に対応し得る。異なる入射角がもたらす強度の差異を補正するために、補正画像が生成され得る。補正画像は、発光フィルタの視野にわたり測定された強度を、発光フィルタの視野の中心に対応する強度値(例えば「1」)に正規化する補正値を含み得る。言い換えると、補正画像は、発光フィルタの視野の中心での透過スペクトルの強度に対し、それぞれの入射角での測定された透過スペクトルの強度を示す補正値を提供し得る。補正画像を使用するこの技術は、下記でさらに詳しく説明される。
【0045】
図3A~3Bはそれぞれ、干渉フィルタ補正の例示的な方法ステップのフローチャート300A及び300Bである。いくつかの実施例では、方法300A及び300Bは、光学撮像システムのコンピューティングシステムまたはデバイス(「コンピューティングデバイス」)により実行され得る。このコンピューティングデバイスは、ローカルに配置されてもよく、または光学撮像システムの他の構成要素と相対的に、リモートに(例えばネットワークを介してアクセス可能なリモート設置サーバ上に)配置されてもよい。
【0046】
例えば、図3Aは、取得された画像の干渉フィルタ補正の方法300を説明し、これは、補正済み画像を生成し、補正済み画像の測定を可能にする。図3Bに示される方法300Bの1つ以上のステップは、1つ以上のプロセッサを使用する特別にプログラムされたコンピューティングデバイス(例えば図5のコンピューティングデバイス500)により実行され得る。本明細書で説明されるステップは、発光分光法で実行され得る例示的なステップであるが、追加のまたは代替的なステップは、他の種類の光学撮像プロセスで実行されてもよい。便宜上、方法300は、3つの段階、準備段階、測定段階、及び補正段階を有すると理解することができる。準備段階は、通常、測定段階中に得られた生画像に対し、補正段階中に補正を適用するために必要な情報を収集するために使用され得る。従って、準備段階では、生蛍光画像が取得され得る(ステップ302)。生画像は、前述の構成要素を使用する光学撮像システムにより生成され得る。例えば、(1)光源は、励起スペクトルでサンプルを照明し得、(2)サンプル中のレポータ(例えば蛍光体)は、励起スペクトルで照明されると励起され、発光スペクトルを放出し得、(3)発光スペクトルは、発光フィルタによりフィルタリングされ得、(4)検出器(例えばCCD)は、発光フィルタにより透過された透過スペクトルを検出して、生蛍光画像を生成し得る。上記のように、集束光学系及びコリメート光学系を使用して、発光スペクトル及び透過スペクトルは、発光フィルタ及び検出器にそれぞれ集束され整列され得る。さらに、上記のように、撮像されるサンプルが放つ発光スペクトルは、発光フィルタに対して垂直(直交)ではない角度で、発光フィルタに当たり得、本明細書で提示される方法を使用して、生画像データが補正され得る。いくつかの実施例では、特定の入射角でのフィルタの透過スペクトルは、一般的に既知のものであり得、発光フィルタの製造業者から得ることができる。生画像データは、デジタル化され、検出器からコンピューティングデバイスにより受信され得る。生画像データを使用して、ユーザが観察可能なサンプルの最終画像が作成され得る。
【0047】
ここで準備段階を参照すると、測定段階で得られた生画像に対し補正段階で補正を適用するために、本明細書で説明されるステップを使用して、参照情報が収集され、補正情報が生成され得る。例えば、ステップ304Bは、選択されたレポータの発光スペクトルを特徴付ける情報を受信することを含み得る。発光スペクトルは、取得された画像データの選ばれた波長に及び得る。レポータ発光スペクトルは、レポータの選択を示す受信ユーザ入力に基づき得る(ステップ304A)。例えば、ユーザは、市販の蛍光体、例えばAF635のレポータ発光スペクトルを選択し得る。発光スペクトルを特徴付ける情報は、一般的に既知のものであり得る。従って、情報は、ライブラリ(例えばデータベース)から、または外部ネットワークを介して外部ソースから、取得され得る。
【0048】
フィルタの光学性能を特徴付ける情報が取得され得る(ステップ306A)。この情報は、入射角が変化すると、発光フィルタからの透過スペクトルの波長がどのようにシフトし得るか(例えば「青色偏移」、「赤色偏移」など)を示し得る。使用されている特定のフィルタ(複数可)の光学性能を特徴付ける情報は、既知のものであり得る。従って、情報は、受信され得る(例えばフィルタ製造業者により提供され得る)、またはフィルタの光学性能情報のデータのライブラリ(例えばデータベース)から受信され得る。いくつかの実施例では、情報は、フィルタに関して分析的に特定され得る。例えば、情報は、使用するレポータ、使用する発光フィルタ及び励起フィルタの種類、並びに撮像されたサンプルに関連する任意の他の特徴(例えば視野、光源、集束、バイアスなど)に基づき得る。
【0049】
準備段階はまた、特定の入射角の発光フィルタの参照透過スペクトルを(例えば特定することを介して)取得することを含み得る(ステップ306B)。入射角は、発光フィルタに対するものであり、垂直入射角(例えば直交)及び斜め(例えば鋭角、鈍角)の入射角の両方を含み、透過スペクトルのばらつきを生じると説明された入射角のばらつきを考慮し得る。特定の入射角の透過スペクトルを特徴付ける情報は、既知のものであり得、フィルタ製造業者から受信され得る、または分析的に特定され得る。いくつかの実施例では、1つ以上のプロセッサは、透過スペクトル、画像に関連する特性、及び関連入射角を含むデータのライブラリ(例えばデータベース)を利用し得る。検出器が発光フィルタから受け取られる透過スペクトルに基づいて生画像データを生成するいくつかの実施例では、コンピューティングデバイスは、検出器を使用して、生画像データに関連付けられた透過スペクトルを遡及的に受信し得る。
【0050】
入射角に基づく、選択されたレポータ及び発光フィルタ用の補正情報が、生成され得る(ステップ308)。これは、レポータ発光スペクトル(ステップ304B)を発光フィルタの透過スペクトル(ステップ306B)と畳み込むことを伴い得る。補正情報は、ステップ302で取得された生画像のピクセルに適用する補正値を有する補正画像(例えばC(x、y))であり得る。補正画像C(x、y)内の補正値も、ピクセルであり得る。ピクセルは、それらのx座標及びy座標(例えば(x、y))により、画像内に配置され得る。補正情報の生成については、図3Bを参照しながら下記でさらに詳しく論述される。
【0051】
準備段階中に、光学撮像システム及び光学系路の光学特性も特定され得る。これは、参照蛍光画像を取得することと(例えばステップ314のように)、口径食及び読み出しバイアスを測定することと(例えばステップ312のように)、光学的歪みを特徴付ける情報を取得して、多項補正情報を特定することと(例えばステップ310のように)を含み得る。
【0052】
補正済み画像を取得するために、補正段階では、測定段階中に取得された生画像に、様々な補正が適用され得る(ステップ316)。補正は、補正段階中に生成された補正情報に基づき得る。例えば、選択されたレポータ及び発光フィルタのために取得された補正情報(ステップ308)は、前述のように生画像に適用され得る。例えば口径食、読み出しバイアス、及び光学的歪みなど、準備段階(ステップ310~314)中に得られた情報に基づいて、他の補正も適用され得る。例えば、口径食は、参照オブジェクト、例えば空のフィールドから、口径食関数を推定し、その関数を使用して、取得された画像データ内の口径食を正規化することにより、補正され得る。ユーザは、補正済み画像上のデータ(例えば蛍光データ)を測定し得る、またはコンピューティングデバイスが、当該データの測定値を提供し得る(ステップ318)。補正済み画像は、コンピューティングデバイスのディスプレイでの提示、メモリへの保存、ローカルエリアネットワーク及び/または広域ネットワークを介した送信、及びハードコピー印刷などが行われ得る。
【0053】
図3Aのいくつかのステップは、3つの段階のうちの1つの段階のものとして説明されているが(例えばステップ304A~314は「準備段階」)、フローチャートには、ステップまたは段階に関していずれの特定の順序も暗示する意図はない。さらに、準備段階にあると識別されたステップのうちのいくつかは、生蛍光画像が取得された後に実行されてもよい。例として、例えば発光スペクトルを透過スペクトルと畳み込むことにより補正情報を生成すること(ステップ310)は、いつでも、例えば生蛍光画像が取得された後に、実行することができる。
【0054】
ここで図3Bを参照すると、発光フィルタの視野に対する入射角の補正を行うために使用される補正情報を生成するため(図3Aのステップ308)の例示的な方法ステップのフローチャート300Bが示される。前述のように、これらの入射角に起因した、発光フィルタが提供する透過スペクトルのスペクトルシフトを補正するために、補正情報が生蛍光画像に適用され得る。下記にさらに詳しく説明されるように、補正情報を生成することは、(i)発光フィルタの視野の各位置に関して、選択されたレポータ(例えば蛍光体)の発光スペクトルと、選択された発光フィルタの透過スペクトルとの畳み込みを行うことと、(ii)上限波長カットオフと下限波長カットオフとの間の結果を積分することと、(iii)発光スペクトルと基準入射角(例えば0度)での透過スペクトルとの畳み込みの積分に基づいて結果を正規化することと、を含み得る。前述のように、補正情報を生成することは、2次元(2D)ピクセルベースの補正画像を生成することを含み、画像の各ピクセルは、発光フィルタの視野のそれぞれの位置に対応し、その位置の透過スペクトルの測定された強度に対する補正を表す。
【0055】
図3Bに見られるように、選択されたレポータの発光スペクトルを特徴付ける情報が取得され得る(ステップ322A)。情報は、波長範囲にわたる発光スペクトルの強度の関数であり得る。その関数は、指定された波長λの発光スペクトルの強度を出すS(λ)と特定され得る。例として、図2Bの破線曲線218は、レポータAF635のサンプル発光スペクトルを示す。選択されたレポータは、サンプルの撮像に使用されるレポータ(例えば既知の蛍光色素)であり得る。
【0056】
さらに、複数の入射角での選択された発光フィルタの透過スペクトルを特徴付ける情報が取得され得る(ステップ322B)。情報は、各入射角θに関して、その入射角での選ばれた波長範囲にわたる透過スペクトルの関数を含み得る。この関数は、指定された入射角θで、指定された波長λの透過スペクトルの強度を出すT(λ,θ)と特定され得る。透過スペクトルは、発光フィルタの視野の複数の位置のそれぞれに関して、受け取られ得る。発光フィルタの視野内の各位置(x,y)は、特定の入射角に対応する。従って、対応する入射角で、ある位置の透過スペクトルの強度を出す関数は、T(λ,θ(x,y))と特定され得、θ(x,y)は、位置(x,y)を起点とする光線が生じる入射角θである。例として、図2Bの実線曲線216は、640/20nmバンドパスフィルタの様々な入射角(例えば0度、5度、10度、・・・、23度)のサンプル透過スペクトルを示す。
【0057】
選択されたレポータの発光スペクトルを特徴付ける情報を取得し、様々な入射角での選択された発光フィルタの透過スペクトルを特徴付ける情報を取得した後、補正画像C(x,y)を得るために、発光フィルタの視野の各位置(x,y)に関して、補正情報が取得され得る(ステップ324~330)。
【0058】
特定の入射角θで、ある位置(x,y)場合、その位置(x,y)及び入射角の透過スペクトルの強度が特定され得る。各位置(x,y)は、光が発光フィルタに当たる特定の入射角に対応することから、強度値は、その位置に対応する特定の入射角の波長範囲にわたる透過スペクトルの関数を使用して、特定され得る。
【0059】
畳み込みは、(i)発光スペクトルを特徴付ける関数S(λ)と、(ii)位置(x,y)に対応する入射角θの透過スペクトルを特徴付ける関数T(λ,θ(x,y))とにより、実行され得る。演算が記号「*」で表される畳み込みは、S(λ)*T(λ,θ(x,y))と特定され得る。
【0060】
この畳み込みの結果は、上限波長カットオフ閾値と下限波長カットオフ閾値、それぞれλS1とλS2の間で積分され得る(ステップ328)。波長カットオフ閾値は、選択されたレポータの発光スペクトルまたは選択された発光フィルタの透過スペクトルが得られた波長範囲の終点であり得る、または波長範囲内であり得る。例えば、波長カットオフ閾値は、選択されたレポータの発光スペクトルと選択された発光フィルタの透過スペクトルとの重複領域の波長範囲の終点であり得る。例として、図2Cは、例示的な重複領域260a及び260bを示す。重複領域260aの場合、波長範囲は、おおよそ650nm及び675nmに対応し、波長範囲の終点を使用して、波長カットオフ閾値が形成され得る。従って、積分された結果は、
【化1】
と特定され得、(x,y)は、発光フィルタの視野内の位置に対応し、同様に、取得された生画像内のピクセル位置に対応する座標位置であり、S(λ)は、レポータの発光スペクトルの強度を特徴付ける関数であり、T(λ,θ(x,y))は、位置(x,y)に対応する入射角θの発光フィルタからの透過スペクトルの強度を特徴付ける関数であり、λS1及びλS2は、それぞれ下限波長カットオフ閾値及び上限波長カットオフ閾値である。
【0061】
積分結果は、入射角のばらつきの影響を受けた透過スペクトルに基づいていることから、積分結果は、基準入射角(例えば発光フィルタの視野に直交する入射角)での発光フィルタの透過スペクトルとの関係を定量的に示すように、「正規化」され得る。正規化には、積分結果を正規化係数で除算することが含まれ得る。正規化係数は、レポータの発光スペクトルを特徴付ける関数S(λ)と、基準入射角θでの発光フィルタの透過スペクトルを特徴付ける関数との畳み込みの積分であり得る。基準入射角での発光フィルタの透過スペクトルを特徴付ける関数は、T(λ,θ)と特定され得る。この後者の畳み込みの結果も同様に、波長カットオフ閾値λS1とλS2の間で積分され得る。従って、積分の結果(ステップ328)は、2つの関数S(λ)とT(λ、θ)の畳み込みの結果の積分により、正規化され得る。基準入射角θでの透過スペクトルは、発光フィルタの視野の中心となる垂直(すなわち0度)の入射角での透過スペクトルの強度であり得ると考えられる。この正規化により、発光フィルタの視野の中心から逸脱するそれぞれの入射角での透過スペクトルの強度に対するそれぞれの関係の指標が提供される。従って、強度補正は、特定の入射角を伴う第1の積分の結果(ステップ328)を、正規化係数、例えば基準入射角を伴う第2の積分の結果で割ることにより、取得され得る(ステップ330)。上記のように、ステップ324~330は、発光フィルタの視野内の各位置(x,y)に対して実行され得る。
【0062】
特定の入射角に対応する発光フィルタの視野の各位置(x,y)に対し、前述の正規化を実行することにより、補正画像C(x,y)が取得され得る(ステップ332)。明確にするために、補正画像C(x,y)は、発光フィルタの視野の各位置(x,y)の「強度補正」を有するものとして説明され得る。よって、取得された生画像(図3Aのステップ302)はまた、発光フィルタの視野の各位置(x,y)に「生強度」、「元の強度」、すなわち「補正されていない強度」を有するものとして説明され得、これは、補正済み画像を作成するために、「補正画像」内の「強度補正」を使用して補正され得る。一例では、補正画像は、様々な入射角がもたらす透過スペクトルのばらつきを補正するために、視野の各位置にインディシアム(例えばパーセント)を含む画像すなわち画像データであり得る。
【0063】
従って、位置(x,y)の強度補正は、関数S(λ)とT(λ,θ(x,y))の積分された畳み込み(ステップ328)と、関数S(λ)とT(λ、θ)の積分された畳み込みとの比率であり得る(ステップ330)。従って、補正画像C(x,y)は、次のように計算され得る。
【化2】
(x,y)は、発光フィルタの視野内の位置に対応し、同様に、取得された生画像内のピクセル位置に対応する座標位置であり、S(λ)は、特定の波長λでのレポータの発光スペクトルの強度を特徴付ける関数であり、T(λ,θ(x,y))は、波長λで、位置(x,y)に対応する入射角θでの発光フィルタからの透過スペクトルの強度を特徴付ける関数であり、T(λ,θ)は、波長λで、垂直(0度)の入射角での発光フィルタからの透過スペクトルの強度を特徴付ける関数であり、λS1及びλS2は、それぞれ下限波長カットオフ閾値及び上限波長カットオフ閾値である。
【0064】
上記の式を使用して、図3Aのフローチャート300Aのステップ302で取得された生画像IACQUIRED(x,y)内の各(x,y)ピクセル位置の強度補正が特定され得る。従って、補正画像C(x,y)内の位置と、取得された生画像IACQUIRED(x,y)のピクセル位置との一対一対応が存在する。よって、補正画像C(x,y)を使用して、補正済み画像ICORRECTED(x,y)が生成され得る。
【0065】
補正済み画像ICORRECTED(x,y)を得るために、取得された生画像IACQUIRED(x,y)と補正画像C(x,y)の畳み込みが実行され得、例えばICORRECTED(x,y)=IACQUIRED(x,y)*C(x,y)であり、IACQUIRED(x,y)は取得された画像であり、「*」は畳み込み演算を示し、ICORRECTED(x,y)は補正済み画像であり、C(x,y)は、各位置(x,y)の強度補正を含む補正画像である。
【0066】
図4Aは、蛍光体の発光スペクトル、及び垂直(0度)の入射角での発光フィルタの透過スペクトルに対して実行された例示的な畳み込み演算の結果を示すグラフ400及び450を描く。畳み込みは、2つの関数(例えば発光フィルタの透過スペクトルを特徴付ける関数、及びレポータの発光スペクトルを特徴付ける関数)に対し実行される数学演算であり、一方の関数の形状がもう一方の関数によりどのように変更されるかを表す第3の関数が生成される。例えば、グラフ400は、対応する波長(例えば図4Aでは720nm~900nm)に応じて描かれた、発光フィルタの透過スペクトルの強度曲線402と、レポータ(例えば蛍光体)の発光スペクトルの強度曲線404とを示す。グラフ450は、透過スペクトルの曲線402と発光スペクトルの曲線404との畳み込みを表す曲線406を示す。グラフ450に見られるように、2つの曲線402及び404の畳み込みから生じる曲線406の波長範囲は、約805ナノメートル~約830ナノメートルであり、これは、グラフ400で曲線402及び404の重複領域の波長範囲に対応する。いくつかの実施態様では、発光フィルタの透過スペクトルがレポータの発光スペクトルによりどのように変更され得るかを示すグラフを表現するために、畳み込み以外の数学演算(例えば曲線乗算の他の数値実行)が使用され得る。さらに、適用可能な場合、積分または合計に近い方法を代替的に使用して、積分として説明された演算が実行されてもよい。
【0067】
図4Bは、本明細書で説明される技術を使用して補正された蛍光画像を取得するのに使用され得る例示的画像の集合を示す。
【0068】
左上の画像408は、画像の中心から端まで配置された一式のウェルの取得された生蛍光画像の例を示す。この例では、ウェルの色(及び/または色合い)は均一であることが期待される。しかし、画像408に示されるように、ウェルの色(及び/または色合い)は、取得された生蛍光画像の中心から端に向かって変化する(例えば中心の緑(及び/またはわずかに暗い色合い)から、端の黄色(及び/またはわずかに明るい色合いに変化する)。この色(及び/または色合い)の変化は、発光フィルタの視野の端近くで、垂直入射角から逸脱した異なる入射角がもたらす強度の変化に起因する。
【0069】
対照的に、左下の画像414は、異なる入射角が原因で生蛍光画像408で観察されたスペクトルシフトを考慮して補正された補正済み画像の例を示す。画像414に見られるように、色(及び/または色合い)は、ウェルが画像の中心から端まで期待通りにより均一な色(及び/または色合い)を発するように、補正されている。画像408内の色(及び/または色合い)のばらつきとは対照的に、画像414内の色(及び/または色合い)の相対的均一性は、発光スペクトルが発光フィルタを照明する入射角に応じて、発光フィルタからの透過スペクトルの強度を補正することにより、達成され得る。
【0070】
中央下の画像416は、取得された生蛍光画像の別の例を示す。画像416に見られるように、視野は平面である。視野内の各位置(x,y)は、光が発光フィルタに当たる特定の入射角に対応する。従って、垂直(すなわち直交)の入射角(例えば0度)は、視野の中心に対応する。画像416内の中心から離れると色(及び/または色合い)がシフトすることが示すように、視野の中心から外れた位置で入射角が変化すると、透過スペクトルの強度がシフトする。言い換えると、画像416に例として示されるように、入射角が視野に直交する画像416の中心では強度がより強くあり得、入射角がより極端な画像の端付近では強度が弱くあり得る。
【0071】
右下の画像418は、前述の補正画像の例を示す。画像416と同様に、画像418の補正画像は平面であり、各位置(x,y)は、生画像416内の位置に対応する。補正画像C(x,y)は、各位置(x,y)に対応する特定の入射角を考慮した各位置(x,y)での強度補正を含む。補正画像にわたる強度補正は、補正画像418内の位置(x,y)に対応するそれぞれの入射角に基づいて、異なり得る。
【0072】
図3Aを参照して前述されたように、光学撮像システム及び光学系路の光学特性が、特定され得る、または取得され得る(例えばフィルタ製造業者から)。これらの光学特性は、異なる入射角がもたらすばらつきを補正することに加えて、生画像を補正するためにも使用され得る。中央上の画像410及び右上の画像412は、例えば準備段階中に取得され得る画像をそれぞれ表す。例えば、中央上の画像410は、参照画像の例であり、右上の画像は、光学撮像システムに読み出しバイアスを提供する画像の例である。
【0073】
図5は、本開示の態様を実施するために使用され得るコンピューティング環境500を示す。図1を参照して前述されたように、照明源(複数可)502は、サンプル504を照明し得、これはレポータ506(例えば蛍光体)を励起し得、これにより、サンプル504は、検出器508(例えばCCD)でフィルタリングされ受け取られ得る発光スペクトルを発光する。検出器508は、コンピューティングデバイス550の入力デバイス551に、検出されたスペクトルに対応する信号を提供し得る。
【0074】
本開示のシステムは、コンピューティングデバイス550を含み得、これは、1つ以上の機器の動作を制御するソフトウェア、及び/またはシステムが取得したデータを処理するソフトウェアを実行する。ソフトウェアには、例えば磁気ディスク、磁気テープ、CD-ROM、及び半導体メモリなどの機械可読媒体に記録された1つ以上のモジュールが含まれ得る。機械可読媒体は、コンピュータ内に常駐し得、またはネットワークI/O557(例えば外部ネットワーク570を介したアクセス)により、コンピュータに接続され得る。しかし、代替的な実施例では、ソフトウェアの代わりにハードウェア組み込みロジックの形態のコンピュータ命令が使用され得、またはソフトウェアの代わりにファームウェア(すなわちPROM、EPROM、またはEEPROMなどのデバイスに記録されたコンピュータ命令)が使用され得る。本明細書で使用される機械可読命令という用語には、ソフトウェア、ハードウェア組み込みロジック、ファームウェア、及びオブジェクトコードなどを包含することが意図される。
【0075】
コンピューティングデバイス550は、本明細書で説明される様々な画像処理動作を実行するための特定の命令でプログラムされ得る。コンピュータは、例えば、特別にプログラムされた組み込みコンピュータ、ラップトップまたはデスクトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ、あるいはソフトウェアを実行すること、好適な制御コマンドを発行すること、及び/またはリアルタイムで情報を記録することが可能な別の種類のコンピュータであり得る。コンピュータは、機器のオペレータに情報を報告する(例えば生蛍光画像、補正画像、補正済み画像などを表示する)ためのディスプレイ556、オペレータが情報及びコマンドを入力することを可能にするための入力デバイス551(例えばキーボード、マウス、光学撮像システムとのインターフェースなど)、及び/またはシステムにより行われた測定のプリントアウト、すなわち永久記録を提供するため、及び画像を印刷するためのプリンタ558を含み得る。キーボードで入力されたいくつかのコマンドにより、ユーザは、特定のデータ処理タスクを実行することが可能となり得る。いくつかの実施態様では、データ取得及びデータ処理は、自動化され、システムの初期化後、ユーザ入力をほとんど、または全く必要としない。
【0076】
コンピューティングデバイス550は、1つ以上のプロセッサ560を備え得、これは、コンピュータプログラムの命令を実行して、本明細書で説明される機能のうちのいずれかを実行し得る。命令は、読み出し専用メモリ(ROM)552、ランダムアクセスメモリ(RAM)553、リムーバブルメディア554(例えばUSBドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、及び/または任意の他の種類のコンピュータ可読媒体またはメモリ(集合的に「電子記憶媒体」と称される)に、格納され得る。命令はまた、接続された(または内部の)ハードドライブ559または他の種類の記憶媒体に記憶されてもよい。コンピューティングデバイス550は、ディスプレイデバイス556(例えば生成された画像を表示するため)及びプリンタ558などの1つ以上の出力デバイスを備え得、本明細書で説明される動作を実行するための画像プロセッサなどの1つ以上の出力デバイスコントローラ555を備え得る。1つ以上のユーザ入力デバイス551には、リモコン、キーボード、マウス、タッチスクリーン(ディスプレイデバイス556に統合され得る)などが含まれ得る。コンピューティングデバイス550はまた、外部ネットワーク570と通信するためのネットワーク入力/出力(I/O)インターフェース557(例えばネットワークカード)などの1つ以上のネットワークインターフェースを備え得る。ネットワークI/Oインターフェース557は、有線インターフェース(例えば電気的インターフェース、RFインターフェース(同軸を介した)、光インターフェース(ファイバを介した))、無線インターフェース、またはこれら2つの組み合わせであり得る。ネットワークI/Oインターフェース557は、外部ネットワーク570を介して通信するように構成されたモデムを備え得る。外部ネットワークには、例えば、ローカルエリアネットワーク、ネットワークプロバイダの無線、同軸、ファイバ、またはハイブリッドファイバ/同軸分配システム(例えばDOCSISネットワーク)、または任意の他の望ましいネットワークが含まれ得る。
【0077】
コンピューティングデバイス550の要素のうちの1つ以上は、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。コンピューティングデバイス550の構成要素を追加、削除、結合、分割などするように、変更が加えられてもよい。さらに、図5に示される要素は、本明細書で説明されるような動作を実行するように特別に構成されプログラムされたコンピューティングデバイス及び構成要素を使用して、実装され得る。例えば、コンピューティングデバイス550のメモリは、コンピュータ実行可能命令を格納し得、コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングデバイス550のプロセッサ560及び/または1つ以上の他のプロセッサにより実行されると、コンピューティングデバイス550に、本明細書で説明される動作のうちの1つ、いくつか、または全てを実行させる。このようなメモリ及びプロセッサ(複数可)は、付加的または代替的に、1つ以上の集積回路(IC)を介して実装され得る。ICは、例えば、ROMに格納された、及び/またはICに組み込まれたプログラミング命令または他のデータにアクセスするマイクロプロセッサであり得る。例えば、ICは、本明細書で説明される計算及び他の動作専用のゲート及び/または他のロジックを有する特定用途向け集積回路(ASIC)を備え得る。ICは、ゲートまたは他のロジックに組み込まれた他の動作と共に、ROMまたはRAMから読み出されたプログラミング命令の実行に基づいて、いくつかの動作を実行し得る。さらに、ICは、画像データをディスプレイバッファに出力するように構成され得る。
【0078】
従って、本明細書で説明されるシステム及び方法は、異なる入射角がもたらす、発光フィルタからの透過スペクトルの測定された強度のばらつきを補正することにより、より正確な画像(例えば蛍光画像)を生成するために、使用され得る。より正確な撮像には、ユーザがより正確な生体内画像を分析し、疾患領域を特定し特徴付けて、検出が困難な腫瘍境界の検出といった病変組織と正常組織を区別することを促進し得るなど、素晴らしい利点があり得る。さらに、正確な画像は、複数の生きている対象を伴う高スループット撮像で特に役立つ。
【0079】
本開示は、例示的な実施態様を参照して具体的に示され説明されたが、請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更が本開示において行われてもよいことが、当業者には理解されよう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5