(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ミネラル含有水組成物
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20221206BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20221206BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20221206BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20221206BHJP
【FI】
C02F1/68 520Z
C02F1/68 520B
C02F1/68 510B
A23L2/00 F
A23L2/38 B
A23L2/52
A23L33/16
(21)【出願番号】P 2021541555
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2021006231
(87)【国際公開番号】W WO2021167034
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2021-07-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2020025724
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020025725
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020041409
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020189881
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】大栗 弾宏
(72)【発明者】
【氏名】横尾 芳明
(72)【発明者】
【氏名】小貫 仁
(72)【発明者】
【氏名】長田 知也
(72)【発明者】
【氏名】藤江 彬子
(72)【発明者】
【氏名】喜多 諒
(72)【発明者】
【氏名】寺本 由紀
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】山田 倍司
【審判官】金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-31284(JP,A)
【文献】特開2001-259659(JP,A)
【文献】特開平4-40290(JP,A)
【文献】特開平6-285495(JP,A)
【文献】特開2019-154304(JP,A)
【文献】特開平1-176487(JP,A)
【文献】特開2005-151981(JP,A)
【文献】特開2017-112933(JP,A)
【文献】特開2015-91271(JP,A)
【文献】特開2011-19422(JP,A)
【文献】特開2015-130841(JP,A)
【文献】国際公開第2017/038974(WO,A1)
【文献】藤田 紘一郎、“新陳代謝を活発にする抗酸化水【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.10】”、2015年10月22日、インターネット<URL:https://www.flair-water.jp/column/fujita-column/antioxidant-water-to-actively-metabolism/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/68
A23L 2/00-2/84,5/40-5/49,31/00-33/29
A23F 3/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口摂取用のミネラル水であって、
前記ミネラル水が、植物由来原料の活性炭の抽出液又はその濃縮液を含み、前記ミネラル水中のカリウムイオン濃度が20ppm~200ppmであり、前記ミネラル水中のカルシウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の30%以下であり、そして前記ミネラル水のpHが8.5~10であることを特徴とする、ミネラル水。
【請求項2】
前記ミネラル水中のカリウムイオン濃度が25ppm~200ppmであることを特徴とする、請求項1に記載のミネラル水。
【請求項3】
前記ミネラル水中の塩化物イオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の50%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のミネラル水。
【請求項4】
前記ミネラル水中のマグネシウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の15%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のミネラル水。
【請求項5】
前記ミネラル水中のナトリウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の10~50%であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のミネラル水。
【請求項6】
pH9.2に調整した水酸化ナトリウム溶液100gに対して0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(A)mLとし、前記ミネラル水を0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(B)mLとしたときの比(B)/(A)を緩衝能とした場合、前記ミネラル水の緩衝能が1.5以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のミネラル水。
【請求項7】
前記ミネラル水が、3.0mg/l以下の全有機炭素(TOC)を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のミネラル水。
【請求項8】
前記植物由来原料が、ココヤシ、パームヤシ、アーモンド、クルミ又はプラムの果実殻、おがくず、木炭、樹脂、リグニン、巣灰、竹材、バガス、もみ殻、コーヒー豆、廃糖蜜、あるいはこれらの組み合わせから選択される、請求項
1に記載のミネラル水。
【請求項9】
生体内における酸性化を予防又は改善するために用いられる、請求項1~
8のいずれか1項に記載のミネラル水。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱アルカリ性から弱酸性のpH領域において有意な緩衝能を有し、かつ、まろやかで雑味が少ない、ミネラル含有水組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向や美味志向を背景として、ミネラルウォーターの消費量の増大や家庭用浄水器の普及が進むなど、安全で美味しい水を求める社会的関心が高まっている。
【0003】
また、生体の生理作用に必要な微量元素であるミネラル成分を補給することを目的として、浄水などに高濃度のミネラルを添加した飲用水なども開発されている。例えば、特許文献1には、高マグネシウム含有量濃縮液を浄水と混合することにより、高濃度のマグネシウムを含有する飲用水を製造することが開示されている。特許文献2には、海洋深層水由来の水に、マグネシウム及びカルシウムからなるミネラル成分を添加して飲料を製造することが開示されている。しかしながら、二価の金属イオンは苦みやえぐみなどの雑味をもたらすことが知られており、これらのミネラルを高濃度で含有する飲用水は、摂取しにくいという欠点があった。
【0004】
さらに、特許文献3には、麦飯石、天寿石、トルマリン等の天然鉱石を水に浸漬することによりミネラル成分を溶出させることを特徴とするミネラル水の製造方法が開示されているが、当該方法は、得られたミネラル水中に、過剰摂取すると有害であるとされるバナジウム等の所望されない成分が含まれることやミネラルの抽出効率が高くないといった欠点を有する。また、特許文献4には、鶏糞炭を水で加熱抽出することによるミネラル水の製造方法が開示されているが、鶏糞炭は食品用途の原料としては適切でない。
特許文献5には、竹炭を煮沸抽出することによるミネラルウォーターの製造方法が開示されており、また、特許文献6には、木炭を煮沸抽出することによるアルカリ水の製造方法が開示されている。しかしながら、これらの先行技術に開示される方法では、ミネラル成分を効率的に抽出して、所望のミネラル成分のみを含むミネラルウォーターを得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-102137号公報
【文献】特開2008-48742号公報
【文献】特開2009-72723号公報
【文献】特開平6-31284号公報
【文献】特開2005-334862号公報
【文献】特開2001-259659号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】安部郁夫,活性炭の製造方法,炭素 連載講座,2006,No.225,373-381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、安全で美味く、かつ人体の健康に有益な飲用水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、このたび、純水を用いてミネラルの溶出が可能な天然素材としてヤシ殻活性炭を見出し、これにより得られたミネラル濃縮液を添加した水組成物のミネラル成分について鋭意検討した結果、特定の濃度のカリウムイオンを含む水組成物が、弱アルカリ性から弱酸性のpH領域で有意な緩衝能を有し、かつ、まろやかで雑味が少ないという驚くべき知見を得た。
【0009】
即ち、本発明の主旨は、以下に存する。
[1] 経口摂取用のミネラル含有水組成物であって、前記ミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度が20ppm以上であることを特徴とする、ミネラル含有水組成物。
[2] 前記ミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度が600ppm以下であることを特徴とする、1に記載のミネラル含有水組成物。
[3] 前記ミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度が50ppm~200ppmであることを特徴とする、1又は2に記載のミネラル含有水組成物。
[4] 前記ミネラル含有水組成物中の塩化物イオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の50%以下であることを特徴とする、1~3のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[5] 前記ミネラル含有水組成物中のカルシウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の30%以下であることを特徴とする、1~4のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[6] 前記ミネラル含有水組成物中のマグネシウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の15%以下であることを特徴とする、1~5のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[7] 前記ミネラル含有水組成物中のナトリウムイオンの含有量が、前記カリウムイオン濃度の10~50%であることを特徴とする、1~6のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[8] 前記ミネラル含有水組成物のpHが7.5~10.5であることを特徴とする、1~7のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[9] 前記ミネラル含有水組成物が、緩衝能を有することを特徴とする、1~8のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[10] pH9.2に調整した水酸化ナトリウム溶液100gに対して0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(A)mLとし、前記ミネラル含有水組成物を0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(B)mLとしたときの比(B)/(A)を緩衝能とした場合、前記ミネラル含有水組成物の緩衝能が1.5以上であることを特徴とする、1~9のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[11] 前記ミネラル含有水組成物が、3.0mg/l以下の全有機炭素(TOC)を有する、1~10のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[12]植物由来原料の活性炭の抽出液又はその濃縮液を含む、1~11のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
[13]前記植物由来原料が、ココヤシ、パームヤシ、アーモンド、クルミ又はプラムの果実殻;おがくず、木炭、樹脂又はリグニンから選択される木材;巣灰;竹材;バガス、もみ殻、コーヒー豆又は廃糖蜜から選択される食品残渣;あるいはこれらの組み合わせから選択される、12に記載のミネラル含有水組成物。
[14] 生体内における酸性化を予防又は改善するために用いられる、1~13のいずれかに記載のミネラル含有水組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、安全で美味く、かつ人体の健康に有益な飲用水を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、各濃度のヤシ殻活性炭からのミネラル濃縮エキスを添加した水組成物と対照(KOH及び市販のアルカリイオン水)の緩衝能を示す。
【
図2】
図2は、最終カリウム濃度が100ppmとなるように調製したヤシ殻活性炭由来のミネラル濃縮エキスを添加した水組成物と対照(浄水及び市販のアルカリイオン水)の緩衝能を示す。
【
図3】
図3は、各濃度のヤシ殻活性炭からのミネラル濃縮エキスを添加した水組成物と対照(K
2CO
3)のまろやかさに関する官能性評価を示す。
【
図4】
図4は、各濃度のヤシ殻活性炭からのミネラル濃縮エキスを添加した水組成物と対照(K
2CO
3)の雑味に関する官能性評価を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ミネラルを含有する水組成物であって、前記ミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度が約20ppm以上であることを特徴とする、水組成物に関する。この場合の前記カリウムイオン濃度の下限値は、25ppm以上、30ppm以上、35ppm以上、45ppm以上、又は50ppm以上であってよい。
【0013】
カリウムは生体に必要なミネラルの1つであり、生体内においては大部分が細胞内に存在し、細胞外液に多く存在するナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、細胞内の水分を保持したりするのに重要な役割を果たしている。カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きを担っている。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果を有することが知られている。このように、カリウムは人にとって極めて重要なミネラル成分であるが、過剰なカリウムイオンは、苦みやえぐみといった雑味をもたらすことから、本発明のミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度は、600ppm以下であることが好ましい。この場合の前記カリウムイオン濃度の上限値は、595ppm以下、590ppm以下、585ppm以下、580ppm以下、575ppm以下、570ppm以下、565ppm以下、560ppm以下、555ppm以下、550ppm以下、545ppm以下、540ppm以下、535ppm以下、530ppm以下、525ppm以下、520ppm以下、515ppm以下、510ppm以下、505ppm以下、500ppm以下、495ppm以下、490ppm以下、485ppm以下、480ppm以下、475ppm以下、470ppm以下、465ppm以下、460ppm以下、455ppm以下、450ppm以下、445ppm以下、440ppm以下、435ppm以下、430ppm以下、425ppm以下、420ppm以下、415ppm以下、410ppm以下、405ppm以下、400ppm以下、395ppm以下、390ppm以下、385ppm以下、380ppm以下、375ppm以下、370ppm以下、365ppm以下、360ppm以下、355ppm以下、350ppm以下、345ppm以下、340ppm以下、335ppm以下、330ppm以下、325ppm以下、320ppm以下、315ppm以下、310ppm以下、305ppm以下、300ppm以下、295ppm以下、290ppm以下、285ppm以下、280ppm以下、275ppm以下、270ppm以下、265ppm以下、260ppm以下、255ppm以下、250ppm以下、245ppm以下、240ppm以下、235ppm以下、230ppm以下、225ppm以下、220ppm以下、215ppm以下、210ppm以下、205ppm以下、又は200ppm以下であってよい。
【0014】
本発明のミネラル含有水組成物中のカリウムイオン濃度は、例えば、50~200ppm、50~190ppm、50~180ppm、50~170ppm、50~160ppm、50~150ppm、50~140ppm、50~130ppm、50~120ppm、50~110ppm、50~100ppm、50~90ppm、50~80ppm、50~70ppm、50~60ppm、60~200ppm、60~190ppm、60~180ppm、60~170ppm、60~160ppm、60~150ppm、60~140ppm、60~130ppm、60~120ppm、60~110ppm、60~100ppm、60~90ppm、60~80ppm、60~70ppm、70~200ppm、70~190ppm、70~180ppm、70~170ppm、70~160ppm、70~150ppm、70~140ppm、70~130ppm、70~120ppm、70~110ppm、70~100ppm、70~90ppm、70~80ppm、80~200ppm、80~190ppm、80~180ppm、80~170ppm、80~160ppm、80~150ppm、80~140ppm、80~130ppm、80~120ppm、80~110ppm、80~100ppm、80~90ppm、90~200ppm、90~190ppm、90~180ppm、90~170ppm、90~160ppm、90~150ppm、90~140ppm、90~130ppm、90~120ppm、90~110ppm、90~100ppm、100~200ppm、100~190ppm、100~180ppm、100~170ppm、100~160ppm、100~150ppm、100~140ppm、100~130ppm、100~120ppm、100~110ppm、110~200ppm、110~190ppm、110~180ppm、110~170ppm、110~160ppm、110~150ppm、110~140ppm、110~130ppm、110~120ppm、120~200ppm、120~190ppm、120~180ppm、120~170ppm、120~160ppm、120~150ppm、120~140ppm、120~130ppm、130~200ppm、130~190ppm、130~180ppm、130~170ppm、130~160ppm、130~150ppm、130~140ppm、140~200ppm、140~190ppm、140~180ppm、140~170ppm、140~160ppm、140~150ppm、150~200ppm、150~190ppm、150~180ppm、150~170ppm、150~160ppm、160~200ppm、160~190ppm、160~180ppm、160~170ppm、170~200ppm、170~190ppm、170~180ppm、180~200ppm、180~190ppm、又は190~200ppmであってよい。
【0015】
天然に存在する水には一定量の塩化物イオンが含まれており、これらの多くは地質や海水に由来するものである。塩化物イオンは、250~400mg/l以上存在すると、味に鋭敏な人には塩味を与え、味を損なう可能性があるため、本発明のミネラル含有水組成物における塩化物イオンの含有量は、できるだけ少ない方が好ましい。本発明のミネラル含有水組成物中の塩化物イオンの含有量は、例えば、前記カリウムイオン濃度の50%以下、49%以下、48%以下、47%以下、46%以下、45%以下、44%以下、43%以下、42%以下、41%以下、40%以下、39%以下、38%以下、37%以下、36%以下、35%以下、34%以下、33%以下、32%以下、31%以下、30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下であってよい。
【0016】
カルシウムは、生体内において、リンと共にハイドロキシアパタイトとして骨格を形成し、筋肉の収縮に関与することが知られている。マグネシウムは、生体内において、骨や歯の形成並びに多くの体内の酵素反応やエネルギー産生に関与することが知られている。また、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含有量は、水の味に影響することが知られており、水中に含まれるミネラル類のうちカルシウムとマグネシウムの合計含有量の指標(硬度)が一定水準より少ない場合を軟水、多い場合を硬水という。一般的には、日本国内で産出されるミネラルウォーターは軟水のものが多く、欧州で産出されるものには硬水が多い。WHOの基準では、これらの塩類の量を炭酸カルシウムに換算したアメリカ硬度(mg/l)において、0~60のものを軟水、120~180のものを硬水、180以上のものを非常な硬水というように決められている。一般的には適度な硬度(10~100mg/l)の水が美味しいとされており、特にマグネシウム含有量が高くなると苦みが強く飲みにくくなる。また、硬度が高すぎると、水の味覚に影響を与えるだけでなく、胃腸を刺激し、下痢などの原因となるため好ましくない。本発明のミネラル含有水組成物中のカルシウムイオンの含有量は、例えば前記カリウムイオン濃度の30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下であってよい。また、本発明のミネラル含有水組成物中のマグネシウムイオンの含有量は、例えば、前記カリウムイオン濃度の15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下であってよい。
【0017】
ナトリウムは、生体内において、水分を保持しながら細胞外液量や循環血液の量を維持し、血圧を調節している。効果的に体内に水分補給するには、一定量のナトリウムイオンを摂取するとよいことが知られており、特に熱中症対策などに有効である。しかしながら、ナトリウムを過剰に摂取すると、この液量が増大するため、血圧が上昇したり、むくみが生じたりするおそれがある。また、ナトリウムイオンの含有量が多くなるにしたがい、塩味やぬめり感が生じてしまい、飲料の爽快感が損なわれる場合がある。本発明のミネラル含有水組成物中のナトリウムイオン濃度は、例えば、前記カリウムイオン濃度の10~50%、10~45%、10~40%、10~35%、10~30%、10~25%、10~20%、10~15%、15~50%、15~45%、15~40%、15~35%、15~30%、15~25%、15~20%、20~50%、20~45%、20~40%、20~35%、20~30%、20~25%、25~50%、25~45%、25~40%、25~35%、25~30%、30~50%、30~45%、30~40%、30~35%、35~50%、35~45%、35~40%、40~50%、40~45%、又は45~50%であってよい。
【0018】
本発明のミネラル含有水組成物は、好ましくは、弱アルカリ性のpHを有しており、例えば、7.5~10.5、7.5~10.0、7.5~9.5、7.5~9.0、7.5~8.5、7.5~8.0、8.0~10.5、8.0~10.0、8.0~9.5、8.0~9.0、8.0~8.5、8.5~10.5、8.5~10.0、8.5~9.5、8.5~9.0、9.0~10.5、9.0~10.0、9.0~9.5、9.5~10.5、9.5~10.0、又は10.0~10.5のpHを有してよい。また、本発明のミネラル含有水組成物は、緩衝能を有しており、好ましくは、弱アルカリ性から弱酸性のpH領域において、有意な緩衝能を有する。例えば、pH9.2に調整した水酸化ナトリウム溶液100gに対して0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(A)mLとし、本発明のミネラル含有水組成物を0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(B)mLとしたときの比(B)/(A)を緩衝能とした場合、本発明のミネラル含有水組成物は、例えば、1.5以上、1,6以上、1,7以上、1,8以上、1.9以上、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上、7.0以上、7.5以上、8.0以上、8.5以上、9.0以上、9.5以上、10.0以上、10.5以上、11.0以上、又は11.5以上の緩衝能を有してよい。このようなpH特性は、生体内における酸性化を予防又は改善するために有用である。したがって、本発明のミネラル含有水組成物を経口摂取することにより、例えば、食後の口腔内の酸性化に起因する酸蝕歯を予防することや、胃腸内の酸性化に起因する胃酸過多や腸内異常発酵などの胃腸症状を改善することが可能となる。
【0019】
本発明のミネラル含有水組成物は、有機物を実質的に含有しない。水中に含まれる有機物量の代表的な指標としては、全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)が挙げられる。TOCは、試料水中に含まれる有機物態炭素を二酸化炭素に酸化、その二酸化炭素量を測定することによって求めることができる。本発明のミネラル含有水組成物のTOC:は、例えば、3.0mg/l以下、2.9mg/l以下、2.8mg/l以下、2.7mg/l以下、2.6mg/l以下、2.5mg/l以下、2.4mg/l以下、2.3mg/l以下、2.2mg/l以下、2.1mg/l以下、2.0mg/l以下、1.9mg/l以下、1.8mg/l以下、1.7mg/l以下、1.6mg/l以下、又は1.5mg/l以下であってよい。
【0020】
本発明のミネラル含有水組成物は、植物由来原料の活性炭の抽出液又はその濃縮液を含んでもよい。活性炭は、大部分の炭素の他、酸素、水素、カルシウムなどからなる多孔質の物質であり、体積あたり表面積が大きいため、多くの物質を吸着する性質を有することから、20世紀初頭から現在にいたるまで、工業的に広く生産されている。一般には、活性炭は、原料となる炭素材料の内部にnmオーダーの微細孔を生成させること(賦活)によって製造される。活性炭の製造方法は、原料を炭化したのち水蒸気や二酸化炭素などの賦活ガスを用いて高温で賦活処理を行うガス賦活法と、原料に塩化亜鉛やリン酸などの薬品を加えてから不活性ガス雰囲気中で加熱して炭化と賦活を同時に行う薬品賦活法に大別される(非特許文献1)。本発明において用いられる活性炭は、炭素材料として植物由来原料を用いて、上記ガス賦活法又は薬品賦活法のいずれかによって製造することができる。
【0021】
本発明において用いられる活性炭の原料は、植物由来原料である限り特に制限されないが、例えば、果実殻(ココヤシ、パームヤシ、アーモンド、クルミ、プラム)、木材(おがくず、木炭、樹脂、リグニン)、巣灰(おがくずの炭化物)、竹材、食品残渣(バガス、もみ殻、コーヒー豆、廃糖蜜)、廃棄物(パルプ工場廃液、建設廃材)などが挙げられ、典型的には、ヤシ殻、おがくず、竹、又はこれらの組み合わせから選択され、好適には、ヤシ殻である。ヤシ殻は、ココヤシ又はパームヤシの実の中にあるシェルと呼ばれる殻を意味する。
【0022】
本発明において用いられる活性炭の形状は特に限定されないが、例えば、粉末活性炭、粒状活性炭(破砕炭、顆粒炭、成型炭)、繊維状活性炭、又は特殊成型活性炭などが挙げられる。
【0023】
植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出する工程は、植物由来原料の活性炭を水系溶媒と接触させて、植物由来原料の活性炭に存在するミネラルを溶出させることによって達成される。このような工程は、植物由来原料の活性炭に存在するミネラルを溶出させることができる限り特に制限されないが、例えば、植物由来原料の活性炭を水系溶媒に浸漬することや、植物由来原料の活性炭を充填したカラムに水系溶媒を通過させることによって行うことができる。植物由来原料の活性炭を水系溶媒に浸漬する場合には、抽出効率を上げるために、水系溶媒を攪拌してもよい。また、ミネラル抽出液を製造する方法は、植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出した後に、不純物を除去するために、得られた抽出液を遠心分離する工程、及び/又は濾過する工程などをさらに含んでもよい。
【0024】
植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出する工程において用いられる水系溶媒は、基本的には、HCl溶液以外のものを指す。典型的には水溶媒であり、特に純水であることが好ましい。純水とは、塩類、残留塩素、不溶性微粒子、有機物、非電解性ガスなどの不純物を含まないか殆ど含まない純度の高い水を意味する。純水には、不純物を取り除く方法により、RO水(逆浸透膜を通した水)、脱イオン水(イオン交換樹脂などによりイオンを除去した水)、蒸留水(蒸留器で蒸留した水)などが含まれる。純水はミネラル成分を含まないことから、ミネラルを補給する効果は示さない。
【0025】
植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出できる限り抽出温度は特に制限されないが、植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出する工程は、5℃以上、10℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上、45℃以上、50℃以上、55℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上、80℃以上、85℃以上、90℃以上、又は95℃以上の温度で行うことができ、例えば、5~95℃、5~90℃、5~85℃、5~80℃、5~75℃、5~70℃、5~65℃、5~60℃、5~55℃、5~50℃、5~45℃、5~40℃、5~35℃、5~30℃、5~25℃、5~20℃、5~15℃、5~10℃、10~95℃、10~90℃、10~85℃、10~80℃、10~75℃、10~70℃、10~65℃、10~60℃、10~55℃、10~50℃、10~45℃、10~40℃、10~35℃、10~30℃、10~25℃、10~20℃、10~15℃、15~95℃、15~90℃、15~85℃、15~80℃、15~75℃、15~70℃、15~65℃、15~60℃、15~55℃、15~50℃、15~45℃、15~40℃、15~35℃、15~30℃、15~25℃、15~20℃、20~95℃、20~90℃、20~85℃、20~80℃、20~75℃、20~70℃、20~65℃、20~60℃、20~55℃、20~50℃、20~45℃、20~40℃、20~35℃、20~30℃、20~25℃、25~95℃、25~90℃、25~85℃、25~80℃、25~75℃、25~70℃、25~65℃、25~60℃、25~55℃、25~50℃、25~45℃、25~40℃、25~35℃、25~30℃、30~95℃、30~90℃、30~85℃、30~80℃、30~75℃、30~70℃、30~65℃、30~60℃、30~55℃、30~50℃、30~45℃、30~40℃、30~35℃、35~95℃、35~90℃、35~85℃、35~80℃、35~75℃、35~70℃、35~65℃、35~60℃、35~55℃、35~50℃、35~45℃、35~40℃、40~95℃、40~90℃、40~85℃、40~80℃、40~75℃、40~70℃、40~65℃、40~60℃、40~55℃、40~50℃、40~45℃、45~95℃、45~90℃、45~85℃、45~80℃、45~75℃、45~70℃、45~65℃、45~60℃、45~55℃、45~50℃、50~95℃、50~90℃、50~85℃、50~80℃、50~75℃、50~70℃、50~65℃、50~60℃、50~55℃、55~95℃、55~90℃、55~85℃、55~80℃、55~75℃、55~70℃、55~65℃、55~60℃、60~95℃、60~90℃、60~85℃、60~80℃、60~75℃、60~70℃、60~65℃、65~95℃、65~90℃、65~85℃、65~80℃、65~75℃、65~70℃、70~95℃、70~90℃、70~85℃、70~80℃、70~75℃、75~95℃、75~90℃、75~85℃、75~80℃、80~95℃、80~90℃、80~85℃、85~95℃、85~90℃、又は90~95℃の温度で行われる。
【0026】
植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出できる限り抽出時間は特に制限されないが、植物由来原料の活性炭から水系溶媒を用いてミネラルを抽出する工程は、5分以上、10分以上、15分以上、20分以上、25分以上、30分以上、35分以上、40分以上、45分以上、50分以上、55分以上、60分以上、65分以上、70分以上、75分以上、又は80分以上の時間で行うことができ、例えば、5~80分、5~75分、5~70分、5~65分、5~60分、5~55分、5~50分、5~45分、5~40分、5~35分、5~30分、5~25分、5~20分、5~15分、5~10分、10~80分、10~75分、10~70分、10~65分、10~60分、10~55分、10~50分、10~45分、10~40分、10~35分、10~30分、10~25分、10~20分、10~15分、15~80分、15~75分、15~70分、15~65分、15~60分、15~55分、15~50分、15~45分、15~40分、15~35分、15~30分、15~25分、15~20分、20~80分、20~75分、20~70分、20~65分、20~60分、20~55分、20~50分、20~45分、20~40分、20~35分、20~30分、20~25分、25~80分、25~75分、25~70分、25~65分、25~60分、25~55分、25~50分、25~45分、25~40分、25~35分、25~30分、30~80分、30~75分、30~70分、30~65分、30~60分、30~55分、30~50分、30~45分、30~40分、30~35分、35~80分、35~75分、35~70分、35~65分、35~60分、35~55分、35~50分、35~45分、35~40分、40~80分、40~75分、40~70分、40~65分、40~60分、40~55分、40~50分、40~45分、45~80分、45~75分、45~70分、45~65分、45~60分、45~55分、45~50分、50~80分、50~75分、50~70分、50~65分、50~60分、50~55分、55~80分、55~75分、55~70分、55~65分、55~60分、60~80分、60~75分、60~70分、60~65分、65~80分、65~75分、65~70分、70~80分、70~75分、又は75~80分の時間で行われる。
【0027】
このようにして得られたミネラル抽出液を濃縮することにより、ミネラル濃縮液組成物を得ることができる。
【0028】
ミネラル抽出液を濃縮する工程は、当業界において周知な方法によって行うことができ、このような方法としては、例えば、煮沸濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、膜濃縮、又は超音波霧化分離などが挙げられる。ミネラル抽出液を濃縮することにより、その組成を殆ど変更することなく、高濃度のカリウムなどの所望のミネラルを含有するミネラル濃縮液組成物が得られる。
【0029】
前記ミネラル抽出液を濃縮する工程の後に、得られたミネラル濃縮液組成物を冷蔵保管及び冷時濾過することが好ましい。冷却温度は 、典型的には、0~15℃、好ましくは、3~10℃、3~9℃、3~8℃、3~7℃、3~6℃に調整される。また、このような冷蔵保管及び冷時濾過より前にミネラル濃縮液組成物のpHを調整することが好ましい。ミネラル濃縮液組成物は、例えば、7.5~10.5、7.5~10.0、7.5~9.5、7.5~9.0、7.5~8.5、7.5~8.0、8.0~10.5、8.0~10.0、8.0~9.5、8.0~9.0、8.0~8.5、8.5~10.5、8.5~10.0、8.5~9.5、8.5~9.0、9.0~10.5、9.0~10.0、9.0~9.5、9.5~10.5、9.5~10.0、又は10.0~10.5のpHを有するように調整される。このような処理を行うことにより、透明性が高く、浮遊物や沈殿物が有意に低減されたミネラル濃縮液組成物を得ることができる。
【0030】
このようにして得られたミネラル抽出液、又はミネラル濃縮液組成物を、浄水に添加することにより、本発明のミネラル含有水組成物を製造することができる。
【0031】
本発明のミネラル含有水組成物は、水系溶媒、好ましくは、純水にアルカリ性カリウム塩を添加することにより調製することもできる。アルカリ性カリウム塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二カリウム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。また、本発明のミネラル含有水組成物には、アルカリ性ナトリウム塩やアルカリ性カルシウム塩をさらに添加してもよい。アルカリ性ナトリウム塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。アルカリ性カルシウム塩としては、例えば、水酸化カルシウムが挙げられる。
【0032】
また、本発明のミネラル含有水組成物は、カルキ臭低減効果をさらに増大させるために、シクロデキストリン、微粉砕活性炭、L-アスコルビン酸ナトリウム、及びエリソルビン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの成分をさらに含んでもよい。
【0033】
シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、又はこれらの組み合わせから選択することができるが、好ましくは、β-シクロデキストリンである。本発明のミネラル含有水組成物は、ミネラル含有水組成物中のシクロデキストリンの濃度が、例えば、0.25~1.00g/L、0.25~0.95g/L、0.25~0.90g/L、0.25~0.85g/L、0.25~0.80g/L、0.25~0.75g/L、0.25~0.70g/L、0.25~0.65g/L、0.25~0.60g/L、0.25~0.55g/L、0.25~0.50g/L、0.25~0.45g/L、0.25~0.40g/L、0.25~0.35g/L、0.25~0.30g/L、0.30~1.00g/L、0.30~0.95g/L、0.30~0.90g/L、0.30~0.85g/L、0.30~0.80g/L、0.30~0.75g/L、0.30~0.70g/L、0.30~0.65g/L、0.30~0.60g/L、0.30~0.55g/L、0.30~0.50g/L、0.30~0.45g/L、0.30~0.40g/L、0.30~0.35g/L、0.35~1.00g/L、0.35~0.95g/L、0.35~0.90g/L、0.35~0.85g/L、0.35~0.80g/L、0.35~0.75g/L、0.35~0.70g/L、0.35~0.65g/L、0.35~0.60g/L、0.35~0.55g/L、0.35~0.50g/L、0.35~0.45g/L、0.35~0.40g/L、0.40~1.00g/L、0.40~0.95g/L、0.40~0.90g/L、0.40~0.85g/L、0.40~0.80g/L、0.40~0.75g/L、0.40~0.70g/L、0.40~0.65g/L、0.40~0.60g/L、0.40~0.55g/L、0.40~0.50g/L、0.40~0.45g/L、0.45~1.00g/L、0.45~0.95g/L、0.45~0.90g/L、0.45~0.85g/L、0.45~0.80g/L、0.45~0.75g/L、0.45~0.70g/L、0.45~0.65g/L、0.45~0.60g/L、0.45~0.55g/L、0.45~0.50g/L、0.50~1.00g/L、0.50~0.95g/L、0.50~0.90g/L、0.50~0.85g/L、0.50~0.80g/L、0.50~0.75g/L、0.50~0.70g/L、0.50~0.65g/L、0.50~0.60g/L、0.50~0.55g/L、0.55~1.00g/L、0.55~0.95g/L、0.55~0.90g/L、0.55~0.85g/L、0.55~0.80g/L、0.55~0.75g/L、0.55~0.70g/L、0.55~0.65g/L、0.55~0.60g/L、0.60~1.00g/L、0.60~0.95g/L、0.60~0.90g/L、0.60~0.85g/L、0.60~0.80g/L、0.60~0.75g/L、0.60~0.70g/L、0.60~0.65g/L、0.65~1.00g/L、0.65~0.95g/L、0.65~0.90g/L、0.65~0.85g/L、0.65~0.80g/L、0.65~0.75g/L、0.65~0.70g/L、0.70~1.00g/L、0.70~0.95g/L、0.70~0.90g/L、0.70~0.85g/L、0.70~0.80g/L、0.70~0.75g/L、0.75~1.00g/L、0.75~0.95g/L、0.75~0.90g/L、0.75~0.85g/L、0.75~0.80g/L、0.80~1.00g/L、0.80~0.95g/L、0.80~0.90g/L、0.80~0.85g/L、0.85~1.00g/L、0.85~0.95g/L、0.85~0.90g/L、0.90~1.00g/L、0.90~0.95g/L、又は0.95~1.00g/Lとなるように調製することができる。
【0034】
本発明のミネラル含有水組成物中の微粉砕活性炭は、例えば、上述の植物由来原料の活性炭であってよい。本発明のミネラル含有水組成物は、ミネラル含有水組成物中の微粉砕活性炭の濃度が、典型的には、0.1~15.0mg/L、好適には、1.0~15.0mg/L、例えば、1.0~14.0mg/L、1.0~13.0mg/L、1.0~12.0mg/L、1.0~11.0mg/L、1.0~10.0mg/L、1.0~9.0mg/L、1.0~8.0mg/L、1.0~7.0mg/L、1.0~6.0mg/L、1.0~5.0mg/L、1.0~4.0mg/L、1.0~3.0mg/L、1.0~2.0mg/L、2.0~15.0mg/L、2.0~14.0mg/L、2.0~13.0mg/L、2.0~12.0mg/L、2.0~11.0mg/L、2.0~10.0mg/L、2.0~9.0mg/L、2.0~8.0mg/L、2.0~7.0mg/L、2.0~6.0mg/L、2.0~5.0mg/L、2.0~4.0mg/L、2.0~3.0mg/L、3.0~15.0mg/L、3.0~14.0mg/L、3.0~13.0mg/L、3.0~12.0mg/L、3.0~11.0mg/L、3.0~10.0mg/L、3.0~9.0mg/L、3.0~8.0mg/L、3.0~7.0mg/L、3.0~6.0mg/L、3.0~5.0mg/L、3.0~4.0mg/L、4.0~15.0mg/L、4.0~14.0mg/L、4.0~13.0mg/L、4.0~12.0mg/L、4.0~11.0mg/L、4.0~10.0mg/L、4.0~9.0mg/L、4.0~8.0mg/L、4.0~7.0mg/L、4.0~6.0mg/L、4.0~5.0mg/L、5.0~15.0mg/L、5.0~14.0mg/L、5.0~13.0mg/L、5.0~12.0mg/L、5.0~11.0mg/L、5.0~10.0mg/L、5.0~9.0mg/L、5.0~8.0mg/L、5.0~7.0mg/L、5.0~6.0mg/L、6.0~15.0mg/L、6.0~14.0mg/L、6.0~13.0mg/L、6.0~12.0mg/L、6.0~11.0mg/L、6.0~10.0mg/L、6.0~9.0mg/L、6.0~8.0mg/L、6.0~7.0mg/L、7.0~15.0mg/L、7.0~14.0mg/L、7.0~13.0mg/L、7.0~12.0mg/L、7.0~11.0mg/L、7.0~10.0mg/L、7.0~9.0mg/L、7.0~8.0mg/L、8.0~15.0mg/L、8.0~14.0mg/L、8.0~13.0mg/L、8.0~12.0mg/L、8.0~11.0mg/L、8.0~10.0mg/L、8.0~9.0mg/L、9.0~15.0mg/L、9.0~14.0mg/L、9.0~13.0mg/L、9.0~12.0mg/L、9.0~11.0mg/L、9.0~10.0mg/L、10.0~15.0mg/L、10.0~14.0mg/L、10.0~13.0mg/L、10.0~12.0mg/L、10.0~11.0mg/L、11.0~15.0mg/L、11.0~14.0mg/L、11.0~13.0mg/L、11.0~12.0mg/L、12.0~15.0mg/L、12.0~14.0mg/L、12.0~13.0mg/L、13.0~15.0mg/L、13.0~14.0mg/L、又は14.0~15.0mg/Lとなるように調製することができる。
【0035】
本発明のミネラル含有水組成物は、ミネラル含有水組成物中のL-アスコルビン酸ナトリウムの濃度が、例えば、10~50mg/L、10~45mg/L、10~40mg/L、10~30mg/L、10~35mg/L、10~30mg/L、10~25mg/L、10~20mg/L、10~15mg/L、15~50mg/L、15~45mg/L、15~40mg/L、15~30mg/L、15~35mg/L、15~30mg/L、15~25mg/L、15~20mg/L、20~50mg/L、20~45mg/L、20~40mg/L、20~30mg/L、20~35mg/L、20~30mg/L、20~25mg/L、25~50mg/L、25~45mg/L、25~40mg/L、25~30mg/L、25~35mg/L、25~30mg/L、30~50mg/L、30~45mg/L、30~40mg/L、30~30mg/L、30~35mg/L、35~50mg/L、35~45mg/L、35~40mg/L、40~50mg/L、40~45mg/L、又は45~50mg/Lとなるように調製することができる。
【0036】
本発明のミネラル含有水組成物は、ミネラル含有水組成物中のエリソルビン酸ナトリウムの濃度が、例えば、10~50mg/L、10~45mg/L、10~40mg/L、10~30mg/L、10~35mg/L、10~30mg/L、10~25mg/L、10~20mg/L、10~15mg/L、15~50mg/L、15~45mg/L、15~40mg/L、15~30mg/L、15~35mg/L、15~30mg/L、15~25mg/L、15~20mg/L、20~50mg/L、20~45mg/L、20~40mg/L、20~30mg/L、20~35mg/L、20~30mg/L、20~25mg/L、25~50mg/L、25~45mg/L、25~40mg/L、25~30mg/L、25~35mg/L、25~30mg/L、30~50mg/L、30~45mg/L、30~40mg/L、30~30mg/L、30~35mg/L、35~50mg/L、35~45mg/L、35~40mg/L、40~50mg/L、40~45mg/L、又は45~50mg/Lとなるように調製することができる。
【0037】
本発明のミネラル含有水組成物は、そのまま飲んでもよいが、炊飯などの調理用の水として用いたり、茶葉・麦茶やコーヒー豆などの浸出・抽出用の水として用いたり、茶やコーヒーや果実などのエキスやパウダーの希釈水として用いたり、ウイスキーなどの飲料の水として用いてもよい。
【0038】
以下、実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、適宜変更を加えて実施することが可能である。
【実施例】
【0039】
<実施例1:ヤシ殻活性炭からのミネラル抽出液の作製>
1L三角フラスコにヤシ殻活性炭(「太閤CWタイプ」未洗浄品/フタムラ化学社製)30g、及び90℃に加温した蒸留水400gを入れ、90℃で加温しながら100rpmで15分間、撹拌子によって攪拌した。得られた懸濁液をポリエステル500メッシュ(25μm)で吸引濾過し、これにより得られた濾液を3000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離した後の上清を濾紙で吸引濾過し、ミネラル抽出液を得た。
【0040】
<実施例2:活性炭の比較>
ヤシ殻活性炭をクラレコール(登録商標)GG(未洗浄品/クラレ社製)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でミネラル抽出液を作成した。
【0041】
<実施例3-6:抽出時間の比較>
抽出時間を10、20、40、80分に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でミネラル抽出液を作成した。
【0042】
<実施例7-9:蒸留水量、抽出時間の比較>
蒸留水を130、200、400g、抽出時間を5分に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でミネラル抽出液を作成した。
【0043】
<実施例10-12:抽出温度、抽出時間の比較>
抽出温度を30、60、90℃、抽出時間を5分に変更したこと以外は実施例1と同様の方法でミネラル抽出液を作成した。
【0044】
実施例1-12で作成したミネラル抽出液を下記の方法に従って分析した。
<金属のICP分析>
ICP発光分光分析装置:iCAP6500Duo(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を使用した。ICP汎用混合液XSTC-622Bを希釈して0、0.1、0.5、1.0mg/Lの4点検量線を作成した。試料を検量線範囲に入るように希硝酸で希釈し、ICP測定を行った。
【0045】
<Cl-,SO4
2-のIC分析>
イオンクロマトグラフシステム:ICS-5000K(日本ダイオネクス社製)を使用した。カラムはDionex Ion Pac AG20およびDionex Ion Pac AS20を用いた。溶離液は0~11分は5mmol/L、13~18分は13mmol/L、20~30分は45mmol/Lの水酸化カリウム水溶液を用い、0.25mL/分の流量で溶出した。陰イオン混合標準液1(Cl-20mg/L、SO4
2-100mg/L含む7イオン種含有:富士フイルム和光純薬社製)を希釈して、Cl-は0、0.1、0.2、0.4、1.0mg/Lの5点検量線を、SO4
2-は0、0.5、1.0、2.0、5.0mg/Lの5点検量線を作成した。試料を検量線範囲に入るように希釈し、25μL注入してIC測定を行った。
【0046】
【0047】
活性炭、抽出時間、活性炭に対する抽出液量、抽出温度を変更してもカリウム濃度が有意に高いという特徴は変わらなかった。また、HClを用いた場合には有意な量の塩化物イオンが抽出された一方(データは示さず)で、いずれの実施例においても、塩化物イオンの濃度は低かった。なお、上記いずれの実施例においても、重金属類(鉛、カドミウム、ヒ素、水銀など)は検出されなかった(データは示さず)。
【0048】
<実施例13:濃縮液の作成>
1L三角フラスコにヤシ殻活性炭(「太閤CWタイプ」未洗浄品/フタムラ化学社製)174g、及び30℃に加温した蒸留水753gを入れ、30℃で加温しながら100rpmで5分間、撹拌子によって攪拌した。得られた懸濁液をポリエステル500メッシュ(25μm)で吸引濾過し、これにより得られた濾液を3000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離した後の上清を濾紙で吸引濾過し、ミネラル抽出液を得た。同様に、さらに2回実施した。得られた3回のミネラル抽出液を混合し、エバポレーターによって62倍に濃縮し、下記に示すミネラル濃縮エキスを得た。
【0049】
実施例13で作成したミネラル抽出液とミネラル濃縮エキスを62倍に希釈したものを上記の方法に従って分析した。結果を以下の表に示す。
【0050】
【0051】
濃縮の条件を経ても、カリウム濃度が高く、ナトリウム、塩化物イオンの濃度が低い特徴は変わらなかった。
【0052】
<実施例14:ヤシ殻活性炭からのミネラル濃縮エキスの作製>
1L三角フラスコにヤシ殻活性炭(「太閤CWタイプ」未洗浄品/フタムラ化学社製)200g、及び90℃に加温した蒸留水1500gを入れ、90℃で加温しながら100rpmで15分間、撹拌子によって攪拌した。得られた懸濁液をポリエステル500メッシュ(25μm)で吸引濾過し、これにより得られた濾液を3000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離した後の上清を濾紙で吸引濾過し、ミネラル抽出液を得た。得られたミネラル抽出液を、エバポレーターによって14倍に濃縮し、下記に示すミネラル濃縮エキスを得た。
【表3】
【0053】
<実施例15:緩衝能評価-I>
(1)評価用サンプルの作成
カリウム濃度がそれぞれ下記で示す濃度となるように、上記で得られたミネラル濃縮エキスを、超純水(MilliQ水)に添加し、評価用サンプルを作製した。
【表4】
【0054】
(2)pHの測定
上記で得られた抽出液の他、比較例として下記のサンプルを用意した。各サンプル100mlに対し、0.1N HClを撹拌子で攪拌しながら1mlずつ添加し、pHを測定した。
・KOH
・市販のアルカリイオン水(Na:8.0mg/l、K:1.6mg/l、Ca:13mg/l、Mg:6.4mg/l、pH値:8.8~9.4)
pH9.2に調整した水酸化ナトリウム溶液100gに対して0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(A)mLとし、前記ミネラル含有水組成物を0.1M塩酸で滴定し、pH9.2からpH3.0までに要した液量を(B)mLとしたときの比(B)/(A)を緩衝能とした。
図1に示すとおり、ヤシ殻活性炭由来のミネラル濃縮エキスを添加した水は、優れた緩衝能を有することが判明した。
【0055】
<実施例16:緩衝能評価-II>
(1)比較例及び評価用サンプルの作成
比較例として、浄水(水道水をWater Stand社製の浄水器で処理したもの)、及び、実施例1と同じ、市販のアルカリイオン水を用意した。また、カリウム濃度が100ppmとなるように、実施例1で得られたミネラル濃縮エキスを、浄水(上記に同じ)に添加し、評価用サンプルを作製した。
(2)pHの測定
上記で得られたサンプルを実施例2と同様に緩衝能の評価を行った。すなわち、各サンプル100mlに対し、0.1N HClを撹拌子で攪拌しながら1mlずつ添加し、pHを測定した。
図2に示すとおり、水道水の浄水にヤシ殻活性炭由来のミネラル濃縮エキスを添加した水は、浄水やアルカリイオン水に比べて、優れた緩衝能を有することが判明した。
【0056】
<実施例17:ヤシ殼活性炭からのミネラル濃縮エキスの作製>
=パイロットスケール=
ヤシ殼活性炭(「太閤」、塩酸未洗浄品、フタムラ化学社製)40kgに180Lの純水を通液し、得られた懸濁液をメッシュ及び遠心分離によって清澄化し、ミネラル抽出液を得た。遠心式薄膜真空蒸発装置によって92倍に減圧濃縮し、得られた濃縮液を遠心分離及び濾紙によって清澄化した。これを各1Lのビニールパウチに充填し、85℃、30分間熱処理し、ミネラル濃縮処理エキスを得た。得られたミネラル濃縮処理エキスのカリウムイオン濃度、ナトリウムイオン濃度、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度はICP発光分光分析法に従い、塩化物イオン濃度はイオンクロマトグラフ法、TOCは全有機炭素計測定法で分析した。また、得られたミネラル濃縮処理エキスについて2週間冷蔵にて保管後、「-」(透明性が高く浮遊物および沈殿物が認められない)、「+」(わずかに浮遊物または沈殿物が認められる)、「++」(浮遊物や凝集物が多く認められる)、「+++」(浮遊物や凝集物がさらに多く認められ、透明性が失われている)、「++++」(浮遊物が多く凝集物が堆積し、透明性が低い)の五段階で濁りの程度の目視評価を行った。
【0057】
<実施例18:ヤシ殼活性炭からのミネラル濃縮エキスの作製>
=ラボ・スモールスケール=
ヤシ殼活性炭(粒状白鷺、塩酸未洗浄品、大阪ガスケミカル社製)200gと蒸留水910gを入れ、30℃で加温しながら100rpmで20分間、撹拌子によって攪拌した。得られた懸濁液を濾紙(東洋濾紙株式会社ADVANTEC定量濾紙No.5Cφ55mm)で吸引濾過し、これにより得られた濾液をさらに濾紙(MERCKOmnipore PTFE Membrane 5.0μmφ47mm)で吸引濾過し、ミネラル抽出液を得た。これを十分量のミネラル抽出液が得られるまで複数回繰り返し、ミネラル抽出液全体を混合した後、ロータリーエバポレーターによって50倍に減圧濃縮し、得られた濃縮液を濾紙(東洋濾紙株式会社 ADVANTEC 25ASO20AN 0.2μm)で濾過し、ミネラル濃縮エキスを得た。このミネラル濃縮液に塩酸を添加し、pHが9.5程度付近になるように調整し、これをバイアル瓶に10mL小分け充填し、2日間冷蔵にて保管した。その後、濾紙(東洋濾紙株式会社 ADVANTEC 25ASO20AN 0.2μm)で冷時濾過し、これを80℃、30分間熱処理し、ミネラル濃縮処理エキスを得た。得られたミネラル濃縮処理エキスのカリウムイオン濃度、ナトリウムイオン濃度、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度は高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)に従って分析し、塩化物イオン濃度、硫酸イオン濃度はイオンクロマトグラフィー(IC)に従って分析した。また、得られたミネラル濃縮処理エキスについて2週間冷蔵にて保管後、「-」(透明性が高く浮遊物および沈殿物が認められない)、「+」(わずかに浮遊物または沈殿物が認められる)、「++」(浮遊物や凝集物が多く認められる)、「+++」(浮遊物や凝集物がさらに多く認められ、透明性が失われている)、「++++」(浮遊物が多く凝集物が堆積し、透明性が低い)の五段階で濁りの程度の目視評価を行った。
【0058】
<実施例19:ヤシ殼活性炭からのミネラル濃縮エキスの作製>
=ラボ・ラージスケール=
ヤシ殼活性炭(粒状白鷺、塩酸未洗浄品、大阪ガスケミカル社製)800gと蒸留水3660gを入れ、30℃で加温しながら15分間、攪拌した。得られた懸濁液を濾紙(東洋濾紙株式会社 ADVANTEC A080A090C)で吸引濾過し、ミネラル抽出液を得た。これを十分量のミネラル抽出液が得られるまで複数回繰り返し、ミネラル抽出液全体を混合した後、ロータリーエバポレーターによって60倍に減圧濃縮し、得られた濃縮液を濾紙(東洋濾紙株式会社 ADVANTEC A080A090C)で濾過し、ミネラル濃縮エキスを得た。これをバイアル瓶に10mL小分け充填し、2日間冷蔵にて保管した。その後、濾紙(東洋濾紙株式会社 ADVANTEC A080A090C)で冷時濾過した。これに塩酸を添加し、pHが9.5程度付近になるように調整し、さらに純水によってカリウムイオン濃度が100000ppm程度になるよう希釈調整した。これを80℃、30分間熱処理し、ミネラル濃縮処理エキスを得た。得られたミネラル濃縮処理エキスのカリウムイオン濃度、ナトリウムイオン濃度、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度、硫酸イオンはイオンクロマトグラフィー(IC)に従い、塩化物イオン濃度はイオンクロマトグラフ法、TOCは全有機炭素計測定法で分析した。また、得られたミネラル濃縮処理エキスについて2週間冷蔵にて保管後、「-」(透明性が高く浮遊物および沈殿物が認められない)、「+」(わずかに浮遊物または沈殿物が認められる)、「++」(浮遊物や凝集物が多く認められる)、「+++」(浮遊物や凝集物がさらに多く認められ、透明性が失われている)、「++++」(浮遊物が多く凝集物が堆積し、透明性が低い)の五段階で濁りの程度の目視評価を行った。
【0059】
<実施例20:ヤシ殼活性炭からのミネラル濃縮エキスの作製>
=パイロットスケール=
2500Lコニカルタンクにヤシ殼活性炭(「粒状白鷺、未洗浄品、大阪ガスケミカル社製)360kgと35℃純水1620kgを入れ、15分間攪拌し、得られた懸濁液を振動篩及び遠心分離、濾紙濾過に清澄化し、ミネラル抽出液を得た。遠心式薄膜真空蒸発装置によって60倍に減圧濃縮し、得られた濃縮液を濾紙で濾過し、ミネラル濃縮エキスを得た。ドラム缶に充填して2日間冷蔵にて保管し、その後、濾紙で冷時濾過した。これに塩酸を添加し、pHが9.5程度付近になるように調整し、さらに純水によってカリウムイオン濃度が100000ppm程度になるよう希釈調整した。これを130℃、30秒間熱処理し、ミネラル濃縮処理エキスを得た。得られたミネラル濃縮処理エキスのカリウムイオン濃度、ナトリウムイオン濃度、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度、硫酸イオンはイオンクロマトグラフィー(IC)に従い、塩化物イオン濃度はイオンクロマトグラフ法、TOCは燃焼酸化-赤外線TOC分析法で分析した。また、得られたミネラル濃縮処理エキスについて2週間冷蔵にて保管後、「-」(透明性が高く浮遊物および沈殿物が認められない)、「+」(わずかに浮遊物または沈殿物が認められる)、「++」(浮遊物や凝集物が多く認められる)、「+++」(浮遊物や凝集物がさらに多く認められ、透明性が失われている)、「++++」(浮遊物が多く凝集物が堆積し、透明性が低い)の五段階で濁りの程度の目視評価を行い、さらに濁度計(HACH社 2100AN TURBISIMETRER)を用いてNTU濁度を測定した。
【0060】
実施例17-20の結果を表5に示す。ミネラルエキスの成分として、実施例17ではカリウム濃度が60994ppm、塩化物イオン濃度が3030ppm、pHが11.1のミネラルエキスが得られ、実施例18ではカリウム濃度が87500ppm、塩化物イオン濃度が32890ppm、pHが9.50のミネラルエキスが得られ、実施例19ではカリウム濃度が100000ppm、塩化物イオン濃度が13132ppm、pHが9.51のミネラルエキスが得られ、実施例20ではカリウム濃度が111747ppm、塩化物イオン濃度が8545ppm、pHが9.48のミネラルエキスが得られた。また、濁りの観点では、実施例17では「++++」(浮遊物が多く凝集物が堆積し、透明性が低い)という評価であった一方で、冷蔵保管及び冷時濾過を行った実施例18、実施例19及び実施例20ではいずれも「++」(浮遊物や凝集物が多く認められる)の評価となった。特に、pH調整を冷蔵保管及び冷時濾過より前に行った実施例18では、「-」(透明性が高く浮遊物及び沈殿物が認められない)となった。このことから、透明性の高いミネラルエキスを得るためには、冷蔵保管及び冷時濾過を行うのが望ましく、pH調整を行う場合は冷蔵保管及び冷時濾過より前に行うのが望ましいことが判明した。
【表5】
【0061】
<実施例21:官能評価>
カリウム終濃度が50~300ppmとなるように、実施例1で作製したミネラル濃縮エキス、又は炭酸カリウムをそれぞれ浄水に添加し、下記の表に示すとおり、ミネラル飲用水のサンプルを得た。また、コントロールとして浄水を用意した。浄水は、水道水を市販の汎用浄水器で処理したもの(活性炭によりカルキ臭などを除いたもの)を用いた。
【表6】
上記で得られたサンプルについて、訓練された評価パネラー4名により官能評価を行った。官能評価に際しては、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で、水の「まろやかさ」及び「雑味」についてコントロールと比較した評価を行い、各パネラーの評価点を平均した。
「まろやかさ」は、口当たりが良く、刺激がない、まるい風味とし、以下の4段階の評価点をつけた(0点=コントロールと同等、1点=ややまろやか、2点=まろやか、3点=非常にまろやか)。数値が正に大きい程、まろやかさが強化されていることを意味する。
「雑味」は、苦みやえぐみなど、不快と感じられる風味とし、以下の4段階の評価点をつけた(0点=コントロールと同等、-1点=やや雑味がある、-2点=雑味がある、-3点=非常に雑味がある)。数値が負に大きい程、雑味が大きいことを意味する。
【0062】
「まろやかさ」に関する官能評価(
図3)からわかるように、ヤシ殻活性炭由来のミネラル濃縮エキスを添加することにより、浄水に比べてまろやかな味わいを得ることができる。また、上記表中のサンプルCとサンプルGを比較した場合には、炭酸カリウム水溶液よりも、ミネラル濃縮エキスの添加水の方がまろやかであるとすべての評価者が回答し、上記表中のサンプルDとサンプルHを比較した場合には、炭酸カリウム水溶液よりも、ミネラル濃縮エキスの添加水の方がまろやかであると半数以上の評価者が回答した。
「雑味」に関する官能評価(
図4)からわかるように、カリウム濃度が同等の場合には、ヤシ殻活性炭由来のミネラル濃縮エキスを添加した場合の方が、炭酸カリウム溶液よりも雑味が少ない。また、上記表中のサンプルCとサンプルGを比較した場合には、炭酸カリウム水溶液よりも、ミネラル濃縮エキスの添加水の方が雑味が少ないと半数以上の評価者が回答し、上記表中のサンプルDとサンプルHを比較した場合には、炭酸カリウム水溶液よりも、ミネラル濃縮エキスの添加水の方が雑味が少ないとすべての評価者が回答した。
【0063】
<実施例22:水における官能評価-pH影響>
水は浄水(水道水を浄水器処理したもの)と水道水を用意し、実施例17と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:53375ppm)を塩酸で各pH(pH11.2、10.2、9.2及び8.1)に調整後、水中の添加されるカリウム濃度がそれぞれ下記に示す濃度となるように添加して水の官能評価を実施した。
官能評価は、訓練された評価パネラー5名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、ミネラル濃縮エキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。
【表7】
pH8.1~11.2、特にpH8.1~10.2に調整したミネラル濃縮エキスを添加したアルカリ水において広いカリウム濃度範囲で香味が有意に改善された。また、水道水では、50ppm以上のカリウム濃度において、どのpHにおいてもミネラル濃縮エキスの添加前と比較してカルキ臭の有意な低減が確認されたが、各pHとカリウム濃度により、香味良好なpH-カリウム濃度領域がそれぞれ得られた。浄水においても、各pHとカリウム濃度により、香味良好なpH-カリウム濃度領域がそれぞれ得られた。
【0064】
<実施例23:疑似エキスの作製と官能評価>
ミネラル濃縮エキスの疑似エキスとして、カリウム塩を混合したエキスを作製した。具体的には、炭酸カリウム(K
2CO
3)40.9mg/L(純水)と炭酸水素カリウム(KHCO
3)196.8mg/L(純水)を混合し、カリウム濃度100000ppm、pH9.41の溶液の疑似エキス1を得た。また、同様のpHの疑似エキスとして、水酸化ナトリウム(NaOH)1.265mg/L(純水)を調整し、pH9.45の疑似エキス2を得た。
各エキスを作製直後に官能評価を実施したものと、保管テストとして、各エキスを5℃で1か月、45℃で1か月保存したものを用いて官能評価を実施した。
水は浄水(水道水を浄水器処理したもの)と水道水を用意し、水中の添加されるカリウム濃度が100ppmとなるように、実施例20と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:88000ppm)を添加して水の官能評価を実施した。疑似エキス1も同様にカリウム濃度が100ppmとなるように1000倍希釈し、疑似エキス2は疑似エキス1と同様に1000倍希釈し、それぞれの官能サンプルとした。
官能評価は、訓練された評価パネラー4名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、それぞれのエキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。水道水のカルキ臭低減では、コントロールの水道水を飲んだときに鼻に抜けるカルキ臭の低減率を0%として、コントロールに比べて
・まったくカルキ臭が減っていないと感じた場合:(0%のまま)
・ややカルキ臭が減っていると感じた場合:1%~25%
・ある程度カルキ臭が減っていると感じた場合:26%~50%
・かなりカルキ臭が減っていると感じた場合:51~75%
・非常にカルキ臭が減っていると感じた場合:76~99%
・完全にカルキ臭が無くなっていると感じた場合:100%
として評価した。
【表8】
ミネラル濃縮エキスを添加した浄水及び水道水では、まろやかさが付与され、風味が有意に改善された。特に、水道水では、カルキ臭が有意に低減された。また、ミネラル濃縮エキスほどではないが、カリウムイオンを含む疑似エキスについても、風味の改善及びカルキ臭の低減に関して機能を有することが確認された。これらは5℃および45℃の1か月保管の場合においても同様に確認された。
【0065】
<実施例24:シクロデキストリンによる水道水のカルキ臭低減効果>
水は水道水を用意し、水中の添加されるα-、β-、γ-シクロデキストリンそれぞれが、0.25g/L、0.5g/L、0.75g/L、1g/Lとなるように調整した。さらに、カリウム濃度が80ppmとなるように、実施例20と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:88000ppm)を添加した水、及びその水にβ-シクロデキストリンを上記の濃度でさらに添加した水の官能評価を実施した。
官能評価は、訓練された評価パネラー6~7名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、それぞれシクロデキストリン及びエキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。カルキ臭低減では、コントロールの水道水を飲んだときに鼻に抜けるカルキ臭の低減率を0%として、コントロールに比べて
・まったくカルキ臭が減っていないと感じた場合:(0%のまま)
・ややカルキ臭が減っていると感じた場合:1%~25%
・ある程度カルキ臭が減っていると感じた場合:26%~50%
・かなりカルキ臭が減っていると感じた場合:51~75%
・非常にカルキ臭が減っていると感じた場合:76~99%
・完全にカルキ臭が無くなっていると感じた場合:100%
として評価した。
【表9】
ミネラル濃縮エキスとともにシクロデキストリンを添加することによって、カルキ臭が顕著に低減されることが確認された。
【0066】
<実施例25:活性炭による水道水のカルキ臭低減効果>
水は水道水を用意し、水中の添加される微粉砕活性炭を0.14mg/L、1.4mg/L、14mg/L、140mg/Lとなるように調整した。微粉砕活性炭はヤシ殼活性炭(粒状白鷺、大阪ガスケミカル社製)を粉砕機で粉砕したのち500メッシュを通過した画分を使用した。カリウム濃度が80ppmとなるように、実施例20と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:88000ppm)を添加した水、上記の濃度で微粉砕活性炭を添加した水、及び上記濃度の微粉砕活性炭とミネラル濃縮エキスを添加した水の官能評価を実施した。
官能評価は、訓練された評価パネラー4名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、それぞれ活性炭及びエキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。カルキ臭低減では、コントロールの水道水を飲んだときに鼻に抜けるカルキ臭の低減率を0%として、コントロールに比べて
・まったくカルキ臭が減っていないと感じた場合:(0%のまま)
・ややカルキ臭が減っていると感じた場合:1%~25%
・ある程度カルキ臭が減っていると感じた場合:26%~50%
・かなりカルキ臭が減っていると感じた場合:51~75%
・非常にカルキ臭が減っていると感じた場合:76~99%
・完全にカルキ臭が無くなっていると感じた場合:100%
として評価した。
【表10】
ミネラル濃縮エキスとともに微粉砕活性炭を添加することによって、カルキ臭が顕著に低減されることが確認された。
【0067】
<実施例26:L-アスコルビン酸ナトリウムによる水道水のカルキ臭低減効果>
水は水道水を用意し、水中の添加されるカリウム濃度が80ppmとなるように、実施例20と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:88000ppm)を添加した水及びその水に、L-アスコルビン酸ナトリウムを10mg/L、15mg/L、20mg/L、25mg/L、30mg/L、50mg/Lとなるように調整した水の官能評価を実施した。
官能評価は、訓練された評価パネラー5名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、エキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。カルキ臭低減では、コントロールの水道水を飲んだときに鼻に抜けるカルキ臭の低減率を0%として、コントロールに比べて
・まったくカルキ臭が減っていないと感じた場合:(0%のまま)
・ややカルキ臭が減っていると感じた場合:1%~25%
・ある程度カルキ臭が減っていると感じた場合:26%~50%
・かなりカルキ臭が減っていると感じた場合:51~75%
・非常にカルキ臭が減っていると感じた場合:76~99%
・完全にカルキ臭が無くなっていると感じた場合:100%
として評価した。
【表11】
ミネラル濃縮エキスとともにL-アスコルビン酸ナトリウムを添加することによって、カルキ臭が顕著に低減されることが確認された。
【0068】
<実施例27:L-アスコルビン酸ナトリウムとエリソルビン酸ナトリウム混合による水道水のカルキ臭低減効果>
水は水道水を用意し、水中の添加されるカリウム濃度が80ppmとなるように、実施例20と同様にして得られたミネラル濃縮エキス(カリウム濃度:88000ppm)を添加した水及びその水に、L-アスコルビン酸ナトリウムを25mg/Lとなるように調整した水、エリソルビン酸ナトリウムを25mg/Lとなるように調整した水、L-アスコルビン酸ナトリウム12.5mg/Lとエリソルビン酸ナトリウム12.5mg/Lを混合した水の官能評価を実施した。
官能評価は、訓練された評価パネラー4名により、事前に評価パネラー間で評価基準のすり合わせを行った上で実施した。評価は、エキスを添加していないものをコントロールとして用いて、各パネラーによる以下の4段階の評価点(0点=変化があるが香味大変不良;1点=変化があるが香味不良;2点=変化なし;3点=変化があり香味良好;4点=変化があり香味大変良好)を合計した後にそれぞれの平均値を算出し、平均値が1以下である場合を×、1.1以上2以下である場合を△、2.1以上3以下である場合を〇、3.1以上である場合を◎とした。カルキ臭低減では、コントロールの水道水を飲んだときに鼻に抜けるカルキ臭の低減率を0%として、コントロールに比べて
・まったくカルキ臭が減っていないと感じた場合:(0%のまま)
・ややカルキ臭が減っていると感じた場合:1%~25%
・ある程度カルキ臭が減っていると感じた場合:26%~50%
・かなりカルキ臭が減っていると感じた場合:51~75%
・非常にカルキ臭が減っていると感じた場合:76~99%
・完全にカルキ臭が無くなっていると感じた場合:100%
として評価した。
【表12】
ミネラル濃縮エキスとともにエリソルビン酸ナトリウムを添加することによって、カルキ臭が顕著に低減されることが確認された。また、L-アスコルビン酸ナトリウムとエリソルビン酸ナトリウムの組み合わせにより、さらに低減されることが確認された。