(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20221206BHJP
H01P 1/202 20060101ALI20221206BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H04B1/38
H01P1/202
H05K7/20 B
H05K7/20 D
(21)【出願番号】P 2021548489
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(86)【国際出願番号】 KR2019014244
(87)【国際公開番号】W WO2020091329
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0131191
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0134435
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウー ヨー
(72)【発明者】
【氏名】ミン シク パク
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207319430(CN,U)
【文献】国際公開第2018/182379(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/194425(WO,A1)
【文献】特表2016-506614(JP,A)
【文献】特開2011-155049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0119796(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H01P 1/202
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上のレイヤを形成するように配置されたフィルタユニット部と、
前記フィルタユニット部と異なるレイヤを形成するように前記フィルタユニット部と離隔して結合され、各種電装装置が内蔵される電装ユニット部と、
前記フィルタユニット部のうち前記電装ユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記フィルタユニット部から発生した熱を外部に放熱するフィルタユニット放熱モジュールと、
前記電装ユニット部のうち前記フィルタユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記
電装ユニット部のうち一側部に集中配置された第1発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第1電装部放熱モジュールと、前記第1電装部放熱モジュールに並んで備えられ、前記
電装ユニット部のうち他側部に集中配置された第2発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第2電装部放熱モジュールとを含む電装部放熱モジュールとを含
み、
前記フィルタユニット部は、
一側に所定の設置空間が設けられたフィルタユニット本体と、
前記フィルタユニット本体の設置空間に配置され、複数の信号増幅用素子(Main TR for Power Amplifier)が一面に実装された信号増幅器用印刷回路基板(Power Amplifier PCB)と、
前記信号増幅器用印刷回路基板に対して所定距離離隔して積層配置され、一面に複数のLPF(Low Pass Filter)が配列設置されたフィルタ用印刷回路基板(Filter PCB)とを含み、
前記信号増幅器用印刷回路基板および前記フィルタ用印刷回路基板によって2つのレイヤを形成する、アンテナ装置。
【請求項2】
前記フィルタユニット部と前記電装ユニット部は、一端部は前記フィルタユニット部に結合され、他端部は前記電装ユニット部に結合される複数のエアサポータによって所定距離離隔する、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記フィルタユニット放熱モジュールは、前記フィルタユニット本体の外側に結合され、前記フィルタユニット本体を貫通する熱伝達経路を通して前記複数の信号増幅用素子から発生した熱を放出するように備えられた、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記フィルタユニット放熱モジュールは、
前記複数の信号増幅用素子それぞれの発熱面に接着されて熱を捕集する捕熱プレートと、
前記捕熱プレートの外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部と、
前記第1放熱フィン部に対して水平方向外側に離隔して配置され、前記第1放熱フィン部から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部と、
前記捕熱プレートから熱が供給されて前記第1放熱フィン部に伝達する熱伝達媒介ブロックと、
前記第1放熱フィン部と前記熱伝達媒介ブロックとの間に一端部が挿入され、他端部が前記第2放熱フィン部と連結されて、前記熱伝達媒介ブロックから供給される熱を前記第2放熱フィン部に伝達する複数のヒートパイプとを含む、
請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記捕熱プレートおよび前記熱伝達媒介ブロックは、銅材質で備えられた、
請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
少なくとも1つ以上のレイヤを形成するように配置されたフィルタユニット部と、
前記フィルタユニット部と異なるレイヤを形成するように前記フィルタユニット部と離隔して結合され、各種電装装置が内蔵される電装ユニット部と、
前記フィルタユニット部のうち前記電装ユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記フィルタユニット部から発生した熱を外部に放熱するフィルタユニット放熱モジュールと、
前記電装ユニット部のうち前記フィルタユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記電装ユニット部のうち一側部に集中配置された第1発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第1電装部放熱モジュールと、前記第1電装部放熱モジュールに並んで備えられ、前記電装ユニット部のうち他側部に集中配置された第2発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第2電装部放熱モジュールとを含む電装部放熱モジュールとを含み、
前記電装ユニット部は、
前記フィルタユニット部側に開口し、少なくとも2つの区画された設置空間が備えられ、前記少なくとも2つの区画された設置空間のいずれか1つ(以下、「第1設置空間」と称し、残りの設置空間は「第2設置空間」と称する)に相当する部位であって、前記フィルタユニット部が隣接する面と反対の面(以下、「外側面」という)に複数の放熱フィンが一体に備えられた電装ユニット本体と、
前記電装ユニット本体の第1設置空間に設けられ、前記外側面に向かう一面に複数のFPGA(Field Progammable Gate Array)が実装された第1電装用印刷回路基板と、
前記電装ユニット本体の第2設置空間に設けられ、前記外側面に向かう一面に複数のPSU用直流電源モジュールが実装された第2電装用印刷回路基板とを含み、
前記第1電装用印刷回路基板および前記第2電装用印刷回路基板は、1つのレイヤ(層)を形成するように同じ高さに前記第1設置空間と第2設置空間とによって区画されて
配置された、アンテナ装置。
【請求項7】
前記電装部放熱モジュールは、
前記電装ユニット本体に開口して形成された複数の熱伝達孔を介して前記複数のFPGAと熱接触するように配置され、前記電装ユニット本体に形成された前記複数の放熱フィンよりも外側にさらに離隔して配置された第1電装側放熱部と、
前記電装ユニット本体に開口して形成された開口部を閉鎖するように前記電装ユニット本体の外側面に結合され、前記第1電装用印刷回路基板の前記複数のPSU用直流電源モジュールと接触するように備えられた第2電装側放熱部とを含む、
請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記第1電装側放熱部は、
前記複数のFPGAそれぞれの発熱面に接着されて熱を捕集する捕熱プレートと、
前記捕熱プレートの外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部と、
前記第1放熱フィン部に対して水平方向外側に離隔して配置され、前記第1放熱フィン部から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部と、
前記捕熱プレートから熱が供給されて前記第1放熱フィン部に伝達する熱伝達媒介ブロックと、
前記第1放熱フィン部と前記熱伝達媒介ブロックとの間に一端部が挿入され、他端部が前記第2放熱フィン部と連結されて、前記熱伝達媒介ブロックから供給される熱を前記第2放熱フィン部に伝達する複数のヒートパイプとを含む、
請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記捕熱プレートおよび前記熱伝達媒介ブロックは、銅材質で備えられた、
請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記第2電装側放熱部は、前記電装ユニット本体の外側面に形成された前記複数の放熱フィンと同じ高さを有する複数の放熱フィンが一体に形成された、
請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
少なくとも1つ以上のレイヤを形成するように配置されたフィルタユニット部と、
前記フィルタユニット部と異なるレイヤを形成するように前記フィルタユニット部と離隔して結合され、各種電装装置が内蔵される電装ユニット部と、
前記フィルタユニット部のうち前記電装ユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記フィルタユニット部から発生した熱を外部に放熱するフィルタユニット放熱モジュールと、
前記電装ユニット部のうち前記フィルタユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記電装ユニット部のうち一側部に集中配置された第1発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第1電装部放熱モジュールと、前記第1電装部放熱モジュールに並んで備えられ、前記電装ユニット部のうち他側部に集中配置された第2発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第2電装部放熱モジュールとを含む電装部放熱モジュールとを含み、
前記フィルタユニット部には少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子および少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子が備えられ、前記電装ユニット部には少なくとも1つの電装側パワー接続端子および少なくとも1つの電装側信号接続端子が備えられ、
前記少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子および少なくとも1つの電装側パワー接続端子を相互連結させるように一側の厚さ部を形成しながら結合される第1インターフェースブロックコネクタと、
前記少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子および少なくとも1つの電装側信号接続端子を相互連結させるように他側の厚さ部を形成しながら結合される第2インターフェースブロックコネクタとをさらに
含む、アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置(ANTENNA APPARATUS)に関し、より詳しくは、無線通信用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分するSpatial multiplexing手法である。
【0003】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させることによりチャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保する。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が用いられると予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のCell運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、ANTの数字が増えるにつれ、これによるtransmitterとFilterの数字も一緒に増加するが、設置場所のリース費用や空間的な制約があるので、RF部品(Antenna/Filter/Power Amplifier/Transceiver etc.)を小さくて軽く、安価に作ること望まれる。Massive MIMOはCoverage拡張のためには高出力が必要になるが、このような高出力による消耗電力と発熱量は重量およびサイズを減少させるのに否定的な要因として作用する。
【0006】
特に、RF素子とデジタル素子が実現されたモジュールが積層構造で結合されたMIMOアンテナを限られた空間に設ける時、設置容易性や空間活用性を極大化するためにMIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計の必要性が浮上し、この場合、複数のレイヤに実装された通信部品で発生する熱に対する新たな放熱構造に関する設計が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、放熱性能が向上したアンテナ装置を提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、同一の仕様および諸元の発熱素子群に対応する独立放熱部をマッチング配置しかつ、よりシンプルな配置構造を有するアンテナ装置を提供することである。
【0009】
さらに、本発明のさらに他の目的は、互換性および適用性に優れたパワーコネクタ(第1インターフェースブロックコネクタ)およびRFコネクタ(第2インターフェースブロックコネクタ)が備えられたアンテナ装置を提供することである。
【0010】
本発明の技術的課題は以上に述べた技術的課題に制限されず、述べていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるアンテナ装置の一実施例は、少なくとも1つ以上のレイヤ(層)を形成するように配置されたフィルタユニット部と、前記フィルタユニット部と異なるレイヤ(層)を形成するように前記フィルタユニット部と離隔して結合され、各種電装装置が内蔵される電装ユニット部と、前記フィルタユニット部のうち前記電装ユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記フィルタユニット部から発生した熱を外部に放熱するフィルタユニット放熱モジュールと、前記電装ユニット部のうち前記フィルタユニット部が結合される面の反対面に結合され、前記フィルタユニット部のうち一側部に集中配置された第1発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第1電装部放熱モジュールと、前記第1電装部放熱モジュールに並んで備えられ、前記フィルタユニット部のうち他側部に集中配置された第2発熱素子から発生した熱を外部に放熱する第2電装部放熱モジュールとを含む。
【0012】
ここで、前記フィルタユニット部と前記電装ユニット部は、一端部は前記フィルタユニット部に結合され、他端部は前記電装ユニット部に結合される複数のエアサポータによって所定距離離隔可能である。
【0013】
また、前記フィルタユニット部は、一側に所定の設置空間が設けられたフィルタユニット本体と、前記フィルタユニット本体の設置空間に配置され、複数の信号増幅用素子(Main TR for Power Amplifier)が一面に実装された信号増幅器用印刷回路基板(Power Amplifier PCB)と、前記信号増幅器用印刷回路基板に対して所定距離離隔して積層配置され、一面に複数のLPF(Low Pass Filter)が配列設置されたフィルタ用印刷回路基板(Filter PCB)とを含み、前記信号増幅器用印刷回路基板および前記フィルタ用印刷回路基板を介して2つのレイヤ(層)を形成することができる。
【0014】
また、前記フィルタユニット放熱モジュールは、前記フィルタユニット本体の外側に結合され、前記フィルタユニット本体を貫通する熱伝達経路を通して前記複数の信号増幅用素子から発生した熱を放出するように備えられる。
【0015】
また、前記フィルタユニット放熱モジュールは、前記複数の信号増幅用素子それぞれの発熱面に接着されて熱を捕集する捕熱プレートと、前記捕熱プレートの外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部と、前記第1放熱フィン部に対して水平方向外側に離隔して配置され、前記第1放熱フィン部から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部と、前記捕熱プレートから熱が供給されて前記第1放熱フィン部に伝達する熱伝達媒介ブロックと、前記第1放熱フィン部と前記熱伝達媒介ブロックとの間に一端部が挿入され、他端部が前記第2放熱フィン部と連結されて、前記熱伝達媒介ブロックから供給される熱を前記第2放熱フィン部に伝達する複数のヒートパイプとを含むことができる。
【0016】
また、前記捕熱プレートおよび前記熱伝達媒介ブロックは、銅材質で備えられる。
【0017】
また、前記電装ユニット部は、前記フィルタユニット部側に開口し、少なくとも2つの区画された設置空間が備えられ、前記少なくとも2つの区画された設置空間のいずれか1つ(以下、「第1設置空間」と称し、残りの設置空間は「第2設置空間」と称する)に相当する部位であって、前記フィルタユニット部が隣接する面と反対の面(以下、「外側面」という)に複数の放熱フィンが一体に備えられた電装ユニット本体と、前記電装ユニット本体の第1設置空間に設けられ、前記外側面に向かう一面に複数のFPGA(Field Progammable Gate Array)が実装された第1電装用印刷回路基板と、前記電装ユニット本体の第2設置空間に設けられ、前記外側面に向かう一面に複数のPSU用直流電源モジュールが実装された第2電装用印刷回路基板とを含み、前記第1電装用印刷回路基板および前記第2電装用印刷回路基板は、1つのレイヤ(層)を形成するように同じ高さに前記第1設置空間と第2設置空間とによって区画されて配置される。
【0018】
また、前記電装部放熱モジュールは、前記電装ユニット本体に開口して形成された複数の熱伝達孔を介して前記複数のFPGAと熱接触するように配置され、前記電装ユニット本体に形成された前記複数の放熱フィンよりも外側にさらに離隔して配置された第1電装側放熱部と、前記電装ユニット本体に開口して形成された開口部を閉鎖するように前記電装ユニット本体の外側面に結合され、前記第1電装用印刷回路基板の前記複数のPSU用直流電源モジュールと接触するように備えられた第2電装側放熱部とを含むことができる。
【0019】
また、前記第1電装側放熱部は、前記複数のFPGAそれぞれの発熱面に接着されて熱を捕集する捕熱プレートと、前記捕熱プレートの外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部と、前記第1放熱フィン部に対して水平方向外側に離隔して配置され、前記第1放熱フィン部から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部と、前記捕熱プレートから熱が供給されて前記第1放熱フィン部に伝達する熱伝達媒介ブロックと、前記第1放熱フィン部と前記熱伝達媒介ブロックとの間に一端部が挿入され、他端部が前記第2放熱フィン部と連結されて、前記熱伝達媒介ブロックから供給される熱を前記第2放熱フィン部に伝達する複数のヒートパイプとを含むことができる。
【0020】
また、前記捕熱プレートおよび前記熱伝達媒介ブロックは、銅材質で備えられる。
【0021】
また、前記第2電装側放熱部は、前記電装ユニット本体の外側面に形成された前記複数の放熱フィンと同じ高さを有する複数の放熱フィンが一体に形成可能である。
【0022】
また、前記フィルタユニット部には少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子および少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子が備えられ、前記電装ユニット部には少なくとも1つの電装側パワー接続端子および少なくとも1つの電装側信号接続端子が備えられ、前記少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子および少なくとも1つの電装側パワー接続端子を相互連結させるように一側の厚さ部を形成しながら結合される第1インターフェースブロックコネクタと、前記少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子および少なくとも1つの電装側信号接続端子を相互連結させるように他側の厚さ部を形成しながら結合される第2インターフェースブロックコネクタとをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるアンテナ装置の一実施例によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0024】
第一、本発明は、放熱性能を向上させる効果を有する。
【0025】
第二、本発明は、同一の仕様および諸元の発熱素子群に対応する独立放熱部をマッチング配置しかつ、よりシンプルな配置構造を有することにより、組立性を向上させるのはもちろん、放熱設計が非常に効果的である。
【0026】
第三、本発明は、互換性および適用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明によるアンテナ装置の一実施例を示す斜視図である。
【
図3A】
図1の構成のうちフィルタユニット部を示す分解斜視図である。
【
図3B】
図1の構成のうちフィルタユニット部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図3のフィルタユニット部のうちフィルタ用印刷回路基板に設けられたLPF素子を示す分解斜視図である。
【
図5A】
図3のフィルタユニット部のうち信号増幅器用印刷回路基板を示す分解斜視図である。
【
図5B】
図3のフィルタユニット部のうち信号増幅器用印刷回路基板を示す分解斜視図である。
【
図6】
図3のフィルタユニット部のうちフィルタユニット放熱モジュールを示す分解斜視図である。
【
図7】
図3のフィルタユニット部を示す背面図である。
【
図10A】
図1の構成のうち電装ユニット部を示す分解斜視図である。
【
図10B】
図1の構成のうち電装ユニット部を示す分解斜視図である。
【
図12】
図11のC-C、D-DおよびE-E線に沿った断面図である。
【
図13】
図1の構成のうちフィルタユニット部と電装ユニット部とを離隔させるエアサポータの結合関係を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明によるアンテナ装置の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合は、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、特に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0030】
図1は、本発明によるアンテナ装置の一実施例を示す斜視図であり、
図2は、
図1の分解斜視図である。
【0031】
本発明によるアンテナ装置1の一実施例は、
図1および
図2に示すように、アンテナアセンブリまたはフィルタ素子が内蔵されるフィルタユニット部100と、各種電装装置が内蔵される電装ユニット部200とを含む。
【0032】
フィルタユニット部100は、図示しないが、RF素子とデジタル素子とからなるアンテナアセンブリおよびLPF(Low Pass Filter)105が実装または結合される部位である。RF素子とデジタル素子およびLPF105は、RF給電ネットワーク(feeding network)が実現されたフィルタ用印刷回路基板107aまたは信号増幅器用印刷回路基板107bに分けて設けられる。
【0033】
図3Aおよび
図3Bは、
図1の構成のうちフィルタユニット部100を示す分解斜視図であり、
図4は、
図3のフィルタユニット部100のうちフィルタ用印刷回路基板107aに設けられたLPF素子105を示す分解斜視図であり、
図5Aおよび
図5Bは、
図3のフィルタユニット部100のうち信号増幅器用印刷回路基板107bを示す分解斜視図であり、
図6は、
図3のフィルタユニット部100のうちフィルタユニット放熱モジュール110を示す分解斜視図であり、
図7は、
図3のフィルタユニット部100を示す背面図であり、
図8は、
図7のA-A線に沿った断面図であり、
図9は、
図7のB-B線に沿った断面図である。
【0034】
フィルタ用印刷回路基板107aおよび信号増幅器用印刷回路基板107bは、
図3Aおよび
図3Bに示すように、フィルタユニット部100の骨格を形成するフィルタユニット本体100aに形成された所定の設置空間内に積層配置される。フィルタユニット本体100aは、後述する電装ユニット部200が結合された側に開口して形成されてその内部に上述した設置空間を具備し、設置空間内にフィルタ用印刷回路基板107aおよび信号増幅器用印刷回路基板107bが所定の厚さを形成しながら積層配置される。
【0035】
これとともに、フィルタユニット本体100aの閉鎖された内側面には、外側に開口した複数の放熱設置口100bが設けられる。複数の放熱設置口100bを貫通して、後述するフィルタユニット放熱モジュール110が複数の信号増幅用素子108aまたはRF素子のいずれか1つに直接熱接触するように結合できる。
【0036】
そして、フィルタユニット本体100aの左右側端部には、後述する第1インターフェースブロックコネクタ310および第2インターフェースブロックコネクタ320の端子連結のための端子挿入口100cが備えられる。
【0037】
より詳しくは、フィルタユニット部100は、
図3Aおよび
図3Bに示すように、少なくとも1つ以上のレイヤ(層)を形成しかつ、フィルタユニット本体100aの設置空間に配置され、複数の信号増幅用素子(Main TR for Power Amplifier)108aが一面に実装された信号増幅器用印刷回路基板(Power Amplifier PCB)107bと、信号増幅器用印刷回路基板107bに対して所定距離離隔して積層配置され、一面にLPF(Low Pass Filter)105を構成するように複数のエアストリップライン106が配列設置されたフィルタ用印刷回路基板(Filter PCB)107aを含むことができ、信号増幅器用印刷回路基板107bおよびフィルタ用印刷回路基板107aを介して2つのレイヤ(層)を形成することができる。
【0038】
すなわち、信号増幅器用印刷回路基板107bの一面には、
図3Aに示すように、複数のPA(Power Amplifier)の信号増幅用素子(Main TR)108aが実装できる。信号増幅用素子(Main TR)108aは集中発熱素子であって、後述するフィルタユニット放熱モジュール110によって発生した熱が外部に放熱できる。
【0039】
一方、フィルタ用印刷回路基板107aには、
図4に示すように、送受信(TRX)ポートが8つ備えられたエアストリップライン106が配列され、エアストリップライン106が収容されるようにするための複数の函体102が備えられる。このように、エアストリップライン106は、アンテナから送受信される連結ポート102aが長く形成されたもの4つおよび短く形成されたもの4つであって、相互繰り返し配列されている形態を有する。
【0040】
函体102は、内部に収容されたエアストリップライン106をカバーリングする函体カバー103がそれぞれ備えられる。ここで、函体102および函体カバー103は、エアストリップライン106と同じ面であって、連結ポート102aが備えられた面に対して反対面のポケット(Pocket)面に形成されてそのサイズを最大に設計可能なため、RF性能を大きく向上させることができるという利点を有する。また、エアストリップライン106とポケット面を相互相反する面に配置することにより、ポケット面へのLPF105の構成設計の際、その自由度を向上させることができる。
【0041】
一方、フィルタ用印刷回路基板107aの端部には、
図4に示すように、LPF105とそれぞれ連結されかつ、遠隔で電子的チルティング可能に備えられてアンテナ制御をする複数のRETポート104が図面上左右に整列されるように備えられる。
【0042】
信号増幅器用印刷回路基板107bには、
図5Aに示すように、LPF105のフィルタ入力端と連結されるPA Outポート108bが実装配置されるとともに、信号受信(Rx)時に回路を保護するための複数のサーキュレータ(Circulator)108cがPA Outポート108bの一側に備えられる。フィルタ用印刷回路基板107aと信号増幅器用印刷回路基板107bは、少なくともサーキュレータ108cの高さだけ厚さ方向に所定距離離隔して配置され、PA Outポート108bおよび複数のサーキュレータ108cが相互離隔した空間の内部に配置される。ここで、PA Outポート108bの高さは、上述した離隔距離よりも大きく形成されてLPF105のフィルタ入力端に挿着固定可能である。
【0043】
一方、
図5Aおよび
図5Bに示すように、フィルタユニット本体100aはフィルタ側放熱兼用カバーであって、フィルタ用印刷回路基板107aと信号増幅器用印刷回路基板107bを覆うように結合できる。フィルタ側放熱兼用カバーとして備えられたフィルタユニット本体100aの外側には、複数の放熱フィン100dが形成され、フィルタ本体100aの設置空間の内部であって、フィルタ用印刷回路基板107aと信号増幅器用印刷回路基板107bとの間にはPA Clamshell109が配置されることにより、PAまたは信号増幅器用印刷回路基板107bに対する電磁波を遮蔽することができる。
【0044】
フィルタユニット本体100aの外側には、
図6に示すように、複数のフィルタユニット放熱モジュール110が結合できる。フィルタユニット放熱モジュール110は、集中発熱素子である信号増幅用素子(Main TR)108aから発生する熱を捕熱して外部に放熱する役割を果たす。
【0045】
すなわち、フィルタユニット放熱モジュール110は、フィルタユニット本体100aの外側に結合されかつ、フィルタユニット本体100aを貫通するように備えられた放熱設置口100bを介した熱伝達経路を通して前記複数の信号増幅用素子(Main TR)108aから発生した熱を放出するように備えられる。
【0046】
フィルタユニット放熱モジュール110は、
図6~
図9に示すように、複数の信号増幅用素子(Main TR)108aそれぞれの発熱面に接着されて熱を捕集する捕熱プレート111と、捕熱プレート111の外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部113と、第1放熱フィン部113に対して水平方向外側に離隔して配置され、第1放熱フィン部113から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部115と、捕熱プレート111から熱が供給されて第1放熱フィン部113に伝達する熱伝達媒介ブロック112と、第1放熱フィン部113と熱伝達媒介ブロック112との間に一端部が挿入され、他端部が第2放熱フィン部115と連結されて、熱伝達媒介ブロック112から供給される熱を第2放熱フィン部115に伝達する複数のヒートパイプ114とを含むことができる。
【0047】
ここで、捕熱プレート111および熱伝達媒介ブロック112は、銅材質の銅プレート(Cu plate)で備えられる。しかし、捕熱プレート111が必ずしも純粋な銅材質である必要はなく、銅が含まれた合金材質で備えられても構わない。これは、集中発熱素子である信号増幅用素子(Main TR)から発生した熱をより高い熱伝導性を有する銅材質の捕熱プレート111および熱伝達媒介ブロック112を介して効果的に外部放出可能にするためである。
【0048】
捕熱プレート111は、フィルタユニット本体100aに信号増幅用素子(Main TR)が実装された位置にそれぞれ対応して開口するように形成された放熱設置口100b部位に内挿されるように備えられる。
【0049】
本発明によるアンテナ装置1の一実施例は、上述のように、集中発熱素子である信号増幅用素子(Main TR)は、別のモジュールで備えられたフィルタユニット放熱モジュール110を用いて効果的に外部に放熱させるとともに、集中発熱素子ではないものの、フィルタユニット本体100aの内部に生成された熱はフィルタユニット本体100aの外側に備えられた複数の放熱フィン100dを介して外部に放熱するように備えられることにより、同一の発熱素子毎の能動的な放熱設計が容易であるという利点を有する。
例えば、信号増幅器用印刷回路基板107bに実装された集中発熱素子が信号増幅用素子(Main TR)以外に他の仕様または諸元で備えられた場合、当該集中発熱素子の熱発生の程度を予め計算して、最適な放熱性能を有する専用の放熱モジュールを設計することができる。
【0050】
信号増幅用素子(Main TR)から発生した熱は捕熱プレート111によって捕熱された後、熱伝達媒介ブロック112を介して、一部は第1放熱フィン部113に直接伝達するとともに、残りの一部は複数のヒートパイプ114に伝達し、第1放熱フィン部113を介して近接放熱し、第2放熱フィン部115を介して遠距離放熱される。ここで、第1放熱フィン部113および第2放熱フィン部115それぞれの外側端部は、少なくともフィルタユニット本体100aの外側面に直接備えられた複数の放熱フィン100dの先端よりも外側に備えられることから、フィルタユニット本体100aの設置空間上で生成された熱と信号増幅用素子(Main TR)から発生した熱とを相互分離して放熱することができる。
【0051】
【0052】
電装ユニット部200は、
図10Aおよび
図10Bに示すように、フィルタユニット部100側に開口し、少なくとも2つの区画された設置空間201a、201bが備えられ、少なくとも2つの区画された設置空間201a、201bのいずれか1つ(以下、「第1設置空間201a」と称し、残りの設置空間は「第2設置空間201b」と称する)に相当する部位であって、フィルタユニット部100が隣接する面と反対の面(以下、「前方面」という)に複数の放熱フィン200dが一体に備えられた電装ユニット本体200aと、電装ユニット本体200aの第1設置空間201aに設けられ、前方面に向かう一面に複数のFPGA207(Field Progammable Gate Array)が実装された第1電装用印刷回路基板206aと、電装ユニット本体200aの第2設置空間201bに設けられ、前方面に向かう一面に複数のPSU用直流電源モジュール203が実装された第2電装用印刷回路基板206bとを含む。
【0053】
ここで、第1電装用印刷回路基板206aおよび第2電装用印刷回路基板206bは、1つのレイヤ(層)を形成するように同じ高さで第1設置空間201aと第2設置空間201bとによって区画されて配置される。
【0054】
より詳しくは、電装ユニット本体200aは、
図10Aおよび
図10Bに示すように、フィルタユニット部100が備えられた方向に開口し、所定の厚さを有する直方体形状に形成されかつ、2つの空間に区画されて、一側には第1設置空間201aが形成され、他側には第2設置空間201bが形成される。特に、複数のPSU用直流電源モジュール203が設けられる第2設置空間201bは、厚さ方向側の両方がすべて開口した形態に形成される。
【0055】
電装ユニット本体200aの第1設置空間201aに対応する前方面には、第1設置空間201aの内部の熱を直ちに外部に放出するように複数の放熱フィン200dが一体に形成可能である。これとともに、複数の放熱フィン200dの間には、電装ユニット本体200aを貫通するように備えられて複数のFPGA207の発熱面が外部に露出するようにする放熱孔200bが、複数のFPGA207の個数に対応する個数で形成される。
電装ユニット本体200aの第1設置空間201aに結合される第1電装用印刷回路基板206aには複数のFPGA207が実装できる。複数のFPGA207は、プログラミング化されたゲートアレイ(Field Progammable Gate Array)半導体の一種であって、上述した信号増幅用素子(Main TR)108aと同じく、集中発熱素子の1つである。
【0056】
一方、電装部放熱モジュール210は、
図10Aおよび
図11に示すように、前記電装ユニット本体200aに開口して形成された複数の放熱孔200bを介して複数のFPGA207と熱接触するように配置され、電装ユニット本体200aに形成された複数の放熱フィン200dよりも前方にさらに離隔して配置された第1電装側放熱部220と、電装ユニット本体200aに開口して形成された開口部201aを閉鎖するように電装ユニット本体200aの外側面に結合され、第1電装用印刷回路基板206aの前記複数のPSU用直流電源モジュール203と接触するように備えられた第2電装側放熱部230とを含むことができる。
【0057】
以下、説明の便宜のために、電装ユニット本体200aの一側部に集中配置された複数のFPGA207を「第1発熱素子」と定義し、電装ユニット本体200aの他側部に集中配置された複数のPSU用直流電源モジュール203を「第2発熱素子」と定義して説明する。
【0058】
電装部放熱モジュール210の構成のうち第1電装側放熱部220は、フィルタユニット部100のフィルタユニット放熱モジュール110と同一の構成および諸元を有する。
より詳しくは、
図12の(a)および(b)に示すように、第1電装側放熱部220は、複数のFPGA207それぞれの発熱面に接触して熱を捕集する捕熱プレート211と、捕熱プレート211の外側面に接するように配置され、外側に複数の放熱フィンが形成された第1放熱フィン部213と、第1放熱フィン部213に対して水平方向外側に離隔して配置され、第1放熱フィン部213から熱が伝達されて遠距離放熱させるように外側に複数の放熱フィンが形成された第2放熱フィン部215と、捕熱プレート211から熱が供給されて第1放熱フィン部213に伝達する熱伝達媒介ブロック212と、第1放熱フィン部213と熱伝達媒介ブロック212との間に一端部が挿入され、他端部が第2放熱フィン部215と連結されて、熱伝達媒介ブロック212から供給される熱を第2放熱フィン部215に伝達する複数のヒートパイプ214とを含むことができる。本発明の一実施例によるアンテナ装置において、FPGA207は、2つが第1電装用印刷回路基板206aの前面部に設けられかつ、第1設置空間201a内での熱が集中するのを防止するように、1つは相対的に図面上上側に位置し、他の1つは相対的に図面上下側に位置するように実装できる。
【0059】
したがって、各FPGA207に関与する第1電装側放熱部220の構成のうち第2放熱フィン部215および複数のヒートパイプ214の長さが異なるように設計可能である。
第2電装側放熱部230は、
図10Aおよび
図10Bに示すように、電装ユニット本体200aの外側面に形成された複数の放熱フィン200dと同じ高さを有する複数の放熱フィン230dが一体に形成可能である。このような第2電装側放熱部230は、両側がすべて開口した電装ユニット本体200aの第2設置空間201bの一側に結合されて第2設置空間201bの一側を閉鎖し、電装ユニット本体200aの外側面に形成された複数の放熱フィン200dと共に一体感を有する外形をなすように備えられる。
【0060】
第2電装側放熱部230の内側面の一部は、
図12の(c)に示すように、複数のPSU用直流電源モジュール203の発熱面に直接接触して外部に複数のPSU用直流電源モジュール203が発生させる熱を直ちに外部に放熱させることができる。さらに、第2電装側放熱部230は、第2設置空間201bの内部の熱も複数の放熱フィン200dを介して外部に放熱させることができる。
【0061】
第2設置空間201bの内部に実装される複数のPSU用直流電源モジュール203は、整流電圧の大きさによって、5V用、12V用および30V用で採用できる。しかし、実施例によっては多様な電圧用直流電源モジュール203が備えられることは言うまでもない。
【0062】
このように、本発明によるアンテナ装置の一実施例は、実施例によって多様な電圧用直流電源モジュール203が採用できることから、その切替および組立が容易となるように、第2設置空間201bはフィルタユニット部100が備えられた側の反対方向に開口するように形成されかつ、第2電装用印刷回路基板206bも第1電装用印刷回路基板206aとは分離可能に備えられ、それぞれ異なる第1電装側放熱部220および第2電装側放熱部230を介して独立した放熱が行われるように備えられる。
【0063】
第2電装用印刷回路基板206bのうち複数のPSU用直流電源モジュール203の一側には、
図12の(c)に示すように、サージ保護用ラインフィルタ(Surge Protector Line Filter)208が備えられる。これとともに、第2電装用印刷回路基板206bの前端には電源入力コネクタ253が備えられ、外部電源を供給することができる。そして、第2電装用印刷回路基板206bの前端部には、電装部品の作動によって発生する熱によって第1設置空間201aまたは第2設置空間201bの内部圧力の上昇を防止するための圧力調節機能を行うゴアテックス(登録商標)251が備えられる。
【0064】
一方、電装ユニット本体200aの外側面のうち複数の放熱フィン200dが形成されていない反対面には、
図10Aおよび
図10Bに示すように、電装ユニット放熱カバー250が結合できる。電装ユニット放熱カバー250の外側面にも複数の放熱フィン250dが備えられ、電装ユニット本体200aの第1設置空間201aおよび第2設置空間201bの熱を外部に放熱させることができる。
【0065】
図13は、
図1の構成のうちフィルタユニット部100と電装ユニット部200とを離隔させるエアサポータ400の結合関係を示す分解斜視図である。
【0066】
フィルタユニット部100と電装ユニット部200は、
図13に示すように、複数のエアサポータ400によって相互向かい合う面が離隔して配置される。エアサポータ400は、フィルタユニット部100と電装ユニット部200とを相互結合させる役割を果たすだけでなく、フィルタユニット部100と電装ユニット部200とが相互向かい合う面に形成された複数の放熱フィン250dを介して放熱される空間が形成されるように所定距離離隔させることにより、放熱性能を大きく向上させることができる。
【0067】
一方、
図5Aおよび
図5B、
図10Aおよび
図10B、そして
図13に示すように、フィルタユニット部100のうち信号増幅器用印刷回路基板107bの一側には少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子140および少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子145が備えられ、電装ユニット部200のうち第1電装用印刷回路基板206aには少なくとも1つの電装側パワー接続端子240が備えられるとともに、電装ユニット部200のうち第2電装用印刷回路基板206bには少なくとも1つの電装側信号接続端子245が備えられる。
【0068】
ここで、本発明によるアンテナ装置1の一実施例は、
図13に示すように、上述した少なくとも1つのフィルタ側パワー接続端子140および少なくとも1つの電装側パワー接続端子240を相互連結させるように一側の厚さ部を形成しながら結合される第1インターフェースブロックコネクタ310と、少なくとも1つのフィルタ側信号接続端子145および少なくとも1つの電装側信号接続端子245を相互連結させるように他側の厚さ部を形成しながら結合される第2インターフェースブロックコネクタ320とをさらに含むことができる。
【0069】
第1インターフェースブロックコネクタ310および第2インターフェースブロックコネクタ320は、それぞれ電源またはデータ信号などを送受信するためのインターフェース個体であって、従来電源連結線などが電装部品または発熱素子と共に内部に配線されていたものを、フィルタユニット本体100aおよび電装ユニット本体200aの外部に配置することにより、自体の発熱を低減させる役割を果たす。また、従来の電源連結線などを外部に配置することにより、各ユニット(フィルタユニット部100または電装ユニット部200)の空間活用度を最大化させることができるのはもちろん、ソケット結合方式で結合されることにより、組立工程が容易になるというさらなる利点を創出することができる。
【0070】
第1インターフェースブロックコネクタ310は、パワーサプライユニット(PSU)およびPA(Power Amplifier)などの電気的駆動構成に対する電源供給およびデータ信号の連結ポートの役割を果たすことができる。これとともに、第2インターフェースブロックコネクタ320は、第1電装用印刷回路基板206aおよび第2電装用印刷回路基板206bに備えられた各種電装部品を介したRF信号の送受信用ポートの役割を果たすことができる。
【0071】
ここで、第1インターフェースブロックコネクタ310および第2インターフェースブロックコネクタ320による電源供給およびデータ信号の伝送のための信号ラインの配置は、後述のように、後の設計変更による部品の切替や故障/修理などのA/S対応が容易にできるように規格化することが好ましい。
【0072】
前記のように構成される本発明によるアンテナ装置の一実施例は、
図2に示すように、同一の諸元および仕様を有する発熱素子(すなわち、フィルタユニット部100のMain TR、電装ユニット部200の第1設置空間201aに備えられたFPGA207および第2設置空間201bに備えられたPSU用直流電源モジュール203)をフィルタユニット放熱モジュールおよび電装ユニット放熱モジュールと共にサブアセンブリ(sub-assembly)化して組立可能に備えられることにより、後の設計変更による部品の切替および故障/修理などのA/S対応が容易なプラットフォーム(Flatform)構造を設けられるようにするという利点を創出する。前記のような各部品のサブアセンブリ化は、フィルタユニット部100および電装ユニット部200、そして設計変更により追加されるその他のユニット間の空間の活用を最大化できるのはもちろん、組立工程も既存の結合部位を汎用化して設計可能であるという利点を有することができる。
【0073】
これは、エアサポータ400によって相互離隔して備えられたフィルタユニット部100と電装ユニット部200との間の電源供給およびデータ信号の連結ポートの役割を果たす第1インターフェースブロックコネクタ310および第2インターフェースブロックコネクタ320による共通ラインの設計の適用により可能である。
【0074】
一方、
図13に示すように、フィルタユニット部100および電装ユニット部200のいずれか1つに連結され、本発明の一実施例によるアンテナ装置の作業者による手動搬送が容易となるように一対の取っ手部500が連結可能である。
【0075】
以上、本発明によるアンテナ装置の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然である。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、同一の仕様および諸元の発熱素子群に対応する独立放熱部をマッチング配置しかつ、よりシンプルな配置構造を有するアンテナ装置を提供する。
【符号の説明】
【0077】
1:アンテナ装置
100:フィルタユニット部
100a:フィルタユニット本体
107a:フィルタ用印刷回路基板
102:函体
103:函体カバー
104:RETポート
110:フィルタユニット放熱モジュール
111:捕熱プレート
112:熱伝達媒介ブロック
113:第1放熱フィン部
114:ヒートパイプ
115:第2放熱フィン部
200:電装ユニット部
200a:電装ユニット本体
210:電装ユニット放熱モジュール
220:第1電装側放熱部
230:第2電装側放熱部
310:第1インターフェースブロックコネクタ
320:第2インターフェースブロックコネクタ
400:エアサポータ