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特許7189390情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/00 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q20/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022132642
(22)【出願日】2022-08-23
【審査請求日】2022-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】土門 弘典
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215803(JP,A)
【文献】特開2002-344444(JP,A)
【文献】特開2020-9114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行う情報処理装置であって、
予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記投稿情報に含まれる画像情報が前記コード情報に該当する場合、前記画像情報に紐付くユーザを、前記電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する特定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記所定のキーワードに対応する検索結果として、検索エンジンを通じて間接的に取得される投稿情報、またはSNSから直接取得される投稿情報を周期的に巡回探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記コード情報に基づいて、前記不正ユーザのユーザアカウントを特定し、特定した前記ユーザアカウントを用いた前記電子決済サービスの利用を停止させる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記不正ユーザとして特定された複数のユーザが投稿しているキーワードのうち、複数のユーザに共通するキーワードを抽出し、抽出したキーワードを用いて前記キーワードリストを更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行うコンピュータが実行する情報処理方法であって、
予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記投稿情報に含まれる画像情報が前記コード情報に該当する場合、前記画像情報に紐付くユーザを、前記電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する特定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行うコンピュータに、
予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記投稿情報に含まれる画像情報が前記コード情報に該当する場合、前記画像情報に紐付くユーザを、前記電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する特定手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に企業と個人との間の商取引におけるキャッシュレス決済手段が広く消費者に認知されているが、特に、その利便性から、ユーザ個人が所有するスマートフォンなどのユーザ端末を用いてオンラインで行われる電子決済サービスが広く消費者の間に浸透しつつある。
【0003】
また、上述の電子決済サービスの中には、電子マネーや仮想通貨などのデジタルマネーをユーザ間で手軽に送金することが可能なサービスを提供するものも存在する(たとえば、特許文献1参照)。このように、電子決済サービスのユーザビリティが高まる一方で、金融犯罪などを未然に防止することを目的として、サービスの不正利用の取締りが求められている。たとえば、ウェブサービスに掲載されたドキュメントがサービスにとって不適切なドキュメントであるか否かを判定することにより、サービスを不適切に利用するユーザを検出するための技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-157715号公報
【文献】特開2018-041297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、電子決済サービスの不正利用を効率的に検出する上で改善の余地がある。従来の技術は、オークションサービスなどのサービスの不正利用を検出するものであり、電子決済サービスが不正利用される際の実態に即したものではない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、電子決済サービスの不正利用を効率的に検出できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行う情報処理装置であって、取得部と、特定部とを有する。取得部は、予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する。特定部は、取得部により取得された投稿情報に含まれる画像情報がコード情報に該当する場合、画像情報に紐付くユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、電子決済サービスの不正利用を効率的に検出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るキーワードリストの概要を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るアカウント情報の概要を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る決済サーバにより実行される情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
以下、実施形態に係る情報処理について説明する。図1に、実施形態に係る情報処理の概要を示す。なお、以下では、実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100によって、実施形態に係る情報処理が実現される例を説明する。
【0012】
(1-1.システム構成)
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、端末装置10と、サービス提供装置20と、決済サーバ100とを含む。端末装置10、サービス提供装置20、及び決済サーバ100は、ネットワークN(たとえば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した情報処理システムSYSには、複数の端末装置10や、複数のサービス提供装置20が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す端末装置10は、ユーザUにより使用される情報処理端末である。ユーザUは、サービス提供装置20を通じて提供される各種オンラインサービスを利用するサービス利用者である。また、ユーザUは、決済サーバ100を通じて提供される電子決済サービスを利用するサービス利用者である。図1に示す端末装置10は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。なお、図1では、端末装置10としてスマートフォンを例示している。
【0014】
また、端末装置10は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)などの表示デバイスを備え、サービス提供装置20や決済サーバ100から送信される各種情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、端末装置10が備える表示デバイスはタッチスクリーンディスプレイであってもよい。この場合、端末装置10は、ユーザUから指やスタイラスなどにより、タッチスクリーンディスプレイが有する画面内に表示された画像などのコンテンツに対する各種の操作をユーザUから受付けて、各種の操作に応じた処理を実行する。
【0015】
また、端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)や、4G(4th Generation)や、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。これにより、ユーザUは、端末装置10を操作してサービス提供装置20にアクセスし、サービス提供装置20を通じて提供されるSNSなどのオンラインサービスを利用する。また、これにより、ユーザUは、端末装置10を操作して決済サーバ100にアクセスし、決済サーバ100を通じて提供される電子決済サービスを利用できる。
【0016】
なお、端末装置10は、所定の情報処理を実現する制御情報をサービス提供装置20や決済サーバ100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえばJavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語、Java(登録商標)などのプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、サービス提供装置20や決済サーバ100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0017】
以下の説明において、図1に示す端末装置10には、決済サーバ100と連携して電子決済サービスに関する各種処理を実現するためのサービス利用者用のアプリケーションプログラム(以下、適宜「ユーザアプリ」と称する。)が予めインストールされていてもよい。端末装置10は、ユーザアプリにより提供される機能を用いて、電子決済サービスに関する各種処理を実現できる。また、端末装置10は、ウェブブラウザより所定のウェブサイトにアクセスし、電子決済サービスに関する各種処理を実現することもできる。
【0018】
図1に示すサービス提供装置20は、サービス利用者であるユーザUに対して、各種オンラインサービスを提供する。典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。決済サーバ100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0019】
また、サービス提供装置20は、ユーザUが使用する端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、サービス提供装置20から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0020】
また、サービス提供装置20により提供されるオンラインサービスには、インターネット接続や、検索サービスや、SNS(Social Networking Service)や、電子商取引サービスや、電子決済サービスや、オンラインゲームや、オンラインバンキングサービスや、オンライントレーディングサービスや、宿泊予約サービスや、チケット予約サービスや、動画配信サービスや、音楽配信サービスや、ニュース配信サービスや、地図情報サービスや、ルート検索サービスや、経路案内サービスや、路線情報サービスや、運行情報サービスや、天気情報サービスなどが含まれ得る。また、SNSには、メッセージや画像、動画像などを投稿できる各種サービスが含まれ得る。なお、各種オンラインサービスには、各種アプリケーションに対応するAPI(Application Programming Interface)サービスが含まれていてもよい。
【0021】
図1に示す決済サーバ100は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。決済サーバ100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0022】
また、決済サーバ100は、ユーザUが使用する端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、決済サーバ100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0023】
また、決済サーバ100の管理者は、決済サーバ100を通じて、所定のコード情報を用いて行われる電子決済サービス(コード決済による電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を提供するサービス)を提供するプラットフォームサービスを運営する。決済サーバ100は、たとえば、端末装置10で動作するユーザアプリなどと連携して、電子決済サービスに関する情報処理を実行する。たとえば、決済サーバ100は、2次元コードなどのコード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行う。
【0024】
(1-2.端末装置10を用いたコード決済について)
ここで、端末装置10を用いたコード決済(電子決済)の一例について説明する。以下の説明では、店舗Xに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Xを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、店舗Xから商品や役務(サービス)などの取引対象の提供を受けるユーザUが端末装置10を用いた決済を行う例について説明する。なお、以下に説明するコード決済の一例は、任意のサービス利用者が任意の端末装置10を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す2次元コードは、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。また、2次元コードは、紙などの媒体に印字された印刷物により物理的に構成される例に限られず、任意の端末に表示される画像情報により構成されていてもよい。また、店舗識別情報は、電子決済サービスの加盟店として店舗Xのブランドを識別するために個別に付与される加盟店IDと、店舗Xそのものを識別するために付与される店舗IDとが含まれていてもよい。
【0025】
たとえば、ユーザUが店舗Xにて各種の商品やサービスといった取引対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、ユーザUは、端末装置10に予めインストールされたユーザアプリを起動する。そして、ユーザUは、ユーザアプリを介して、店舗Xに設置された2次元コードを撮影する。このような場合、端末装置10は、取引対象の価格を入力するための画面を表示し、ユーザUあるいは店舗Xの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、端末装置10は、ユーザUを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(もしくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗Xを示す情報(たとえば、店舗ID))と、決済額とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0026】
決済サーバ100は、端末装置10から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザUの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)から、店舗識別情報が示す店舗Xの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。このとき、決済サーバ100は、決済額に相当する分の電子マネーから店舗Xに課金する所定の手数料を差し引いてから、店舗Xの口座へ移行させてもよい。そして、決済サーバ100は、取引が完了した旨の通知を端末装置10へと送信する。このような場合、端末装置10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザUに通知する。あるいは、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すユーザUの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗Xの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗Xが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、ユーザUの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザUに通知してもよい。
【0027】
なお、端末装置10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置10を用いた決済は、店舗Xに設置された端末装置(以下、「店舗端末」と称する。)を用いたものであってもよい。具体的には、まず、端末装置10は、ユーザUを識別するための利用者識別情報を示すコード情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗端末は、端末装置10に表示されたコード情報から利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報(もしくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、ユーザUを示す情報(たとえば、利用者ID))と、決済額と、店舗Xを識別する情報とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0028】
決済サーバ100は、店舗端末から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザUの口座から、店舗Xの口座へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ100は、店舗端末あるいは端末装置10に対し、取引が完了した旨の通知を送信する。店舗端末あるいは端末装置10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザUに通知する。また、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すユーザUの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗Xの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗Xが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、ユーザUの口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を店員あるいはユーザUに通知してもよい。
【0029】
また、端末装置10を用いた決済は、ユーザUが予め電子マネーをチャージした口座から店舗Xの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザUが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、端末装置10は、店舗Xの口座に対して決済金額が示す額の電子マネーを移行させるとともに、ユーザUのクレジットカードの運用会社に対し、決済金額が示す額を請求してもよい。
【0030】
また、端末装置10を用いた決済は、ユーザUの口座から店舗Xの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザUの口座から他のサービス利用者の口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、サービス利用者間での送金)であってもよい。たとえば、送金元のユーザUが利用する端末装置10は、送金先のユーザであるサービス利用者を識別する利用者識別情報(たとえば、送金先のサービス利用者が利用する端末装置10に表示される利用者識別情報)を読み取り、ユーザUから送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、ユーザUを識別する利用者識別情報とを示す情報を決済サーバ100へと送信する。このような場合、決済サーバ100は、ユーザUの口座から、送金先のサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、端末装置10または送金先のサービス利用者が利用する端末装置10に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0031】
なお、端末装置10を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、端末装置10を用いた送金は、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や、送金先のユーザであるサービス利用者を示す情報(たとえば、利用者ID)を端末装置10に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置10は、送金先のサービス利用者の電話番号または利用者IDと、送金金額との入力をユーザUから受け付け、入力された電話番号または利用者ID(送金先識別情報)と、送金金額と、ユーザUを識別する利用者識別情報(送金元識別情報)とを決済サーバ100へと送信する。そして、決済サーバ100は、ユーザUの口座から、送信された電話番号または利用者IDに紐づけられたサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0032】
ここで、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や利用者IDは、当該ユーザに関する情報と紐付けてユーザアプリに予め登録されていてもよい。この場合、端末装置10は、ユーザアプリに登録されたユーザ(送金先)の指定と、当該ユーザへの送金金額の入力とをユーザUから受け付け、指定されたユーザに紐付けられた電話番号または利用者IDと、送金金額と、ユーザUを識別する利用者識別情報とを決済サーバ100へと送信する。
【0033】
また、たとえば、端末装置10を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先のユーザであるサービス利用者に提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置10は、ユーザUから送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先のユーザであるサービス利用者が利用する端末装置10にリンク情報を提供する。そして、送金先のユーザであるサービス利用者がリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、決済サーバ100は、ユーザUの口座から、送金先のユーザであるサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。上述してきたように、決済サーバ100は、サービス利用者に電子決済サービスを提供する同一のプラットフォーム上で、電子マネーを用いた決済、及び電子マネーの送金に関する情報処理を実行できる。
【0034】
なお、上述した電子決済サービスに対応する各種処理を実現する決済手段などは、商品の購入や役務(サービス)の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものや、複数のユーザが有する口座間の送金のためのものに限定されるものではない。たとえば、上述した決済手段などは、ユーザや店舗など、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段などは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0035】
(1-3.実施形態に係る情報処理の概要について)
続いて、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。図1に、実施形態に係る情報処理の概要を示す。以下では、実施形態に係る決済サーバ100が、サービス提供装置20からSNSに投稿された投稿情報を取得して、取得した投稿情報に基づいて、電子決済サービスの不正利用を目的とした不正投稿を行う不正ユーザを特定する情報処理の概要について説明する。決済サーバ100は、以下に説明する情報処理により、電子決済サービスの不正利用を効率的に検出する。
【0036】
また、図1において、ユーザUは、SNSなどに、電子決済サービスの不正利用を目的とした不正投稿を行う不正ユーザを示している。また、以下の説明において、不正利用とは、たとえば、電子決済サービスの利用規約に違反する行為全般を指し、たとえば、公序良俗に反して、電子マネーの送金を募る行為などが例示される。なお、以下の説明において、端末装置10をユーザUと表記して説明する場合がある。すなわち、ユーザUを端末装置10と読み替えることができる。
【0037】
図1に示すように、端末装置10は、ユーザUの操作に応じて、投稿情報をサービス提供装置20に送信する(ステップS01)。図1において、ユーザUが投稿する投稿情報は、電子決済サービスの不正利用を目的とする投稿情報である。たとえば、図1には、ユーザUによる投稿情報の例として、メッセージ情報M-EXと、コード情報C-EXとを含む投稿情報J-EXが示されている。コード情報C-EXは、電子決済サービスを利用して電子マネーの送金を受けるためのコード情報(以下、「送金受付用コード」と称する。)を示している。なお、コード情報C-EXは、送金受付用コードを表示させるためのリンク情報であってもよい。
【0038】
サービス提供装置20は、端末装置10から受信した投稿情報を記録するとともに、SNSに掲載する(ステップS02)。なお、サービス提供装置20が提供するSNSは、メッセージや画像、動画像などを投稿できる各種サービスのうち、検索クエリに合致する投稿情報を探索する機能を有するサービスであれば、任意のサービスであってよい。
【0039】
決済サーバ100は、予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、サービス提供装置20が運営するSNSに投稿された投稿情報を探索する(ステップS03)。たとえば、決済サーバ100は、「Pマネー下さい」を検索クエリとして、SNSに投稿された投稿情報を探索する。
【0040】
そして、決済サーバ100は、所定のキーワードに合致する探索結果としてサービス提供装置20から取得した投稿情報の中から、画像情報を含む投稿情報を取得する(ステップS04)。なお、決済サーバ100は、所定のキーワードに合致する投稿情報に画像情報が含まれていない場合、該当のサービス利用者の全ての投稿情報をサービス提供装置20から取得し、取得した全ての投稿情報に画像情報が含まれているか否かを判定してもよい。
【0041】
また、決済サーバ100は、サービス提供装置20から取得した投稿情報に含まれる画像情報が送金受付用コードに該当する場合、送金受付用コードを投稿したユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する(ステップS05)。
【0042】
また、決済サーバ100は、送金受付用コードに基づいて、不正ユーザの電子決済サービスにおけるユーザアカウントを特定し、特定したユーザアカウントを用いた電子決済サービスの利用を停止させる(ステップS06)。
【0043】
また、決済サーバ100は、上述のステップS04の処理において、画像情報を含む投稿情報を取得する場合に限られず、リンク情報を含む投稿情報を取得してもよい。この場合、決済サーバ100は、サービス提供装置20から取得した投稿情報に含まれるリンク情報が送金受付用コードを表示させるためのリンク情報に該当する場合、リンク情報を投稿したユーザを不正ユーザとして特定する。
【0044】
また、決済サーバ100は、上述のステップS06において、不正ユーザについて、ユーザアカウントの利用を停止させる場合に限られず、たとえば、不正ユーザに対して警告を行ってもよい。この場合、決済サーバ100は、ユーザアカウントに紐付けられているメールアドレスや電話番号、住所などの個人情報を用いて、電子メールや電話、封書などの任意の方法で不正ユーザに対して警告を行うことができる。また、決済サーバ100は、不正ユーザの送金受付用コードを無効化してもよい。また、決済サーバ100は、不正ユーザの電子マネーのやり取りを監視するため、不正ユーザのユーザアカウントを監視リストに登録してもよい。
【0045】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、実施形態に係る決済サーバ100の構成について説明する。図2に、実施形態に係る決済サーバ100の構成例を示す。図2に示すように、決済サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0046】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置10やサービス提供装置20などとの間で情報の送受信を行う。
【0047】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部120は、キーワードリスト記憶部121と、アカウント情報記憶部122とを有する。なお、図2に示す例に限られず、記憶部120は、上述し記憶部以外に、他の情報を記憶する記憶部を有していていもよい。
【0048】
(キーワードリスト記憶部121について)
キーワードリスト記憶部121は、決済サーバ100の管理者により予め用意されたキーワードリストに関する情報を記憶する。図3に、実施形態に係るキーワードリストの概要を示す。図3は、実施形態に係るキーワードリストの一例であり、図3に示す以外の情報が含まれていてもよい。
【0049】
図3に示すように、実施形態に係るキーワードリスト記憶部121に記憶されるキーワードリストは、「サイト」の項目と、「キーワード」の項目とを有し、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0050】
「サイト」の項目には、投稿情報が投稿されていたサイトを示す情報が記憶される。「キーワード」の項目には、投稿情報に含まれていたキーワードを示す情報が記憶される。たとえば、決済サーバ100は、サイトごとに、サイトに対応付けられているキーワードを検索クエリとして投稿情報の探索を実行できる。
【0051】
(アカウント情報記憶部122について)
アカウント情報記憶部122は、電子決済サービスのサービス利用者に関するアカウント情報を記憶する。図4に、実施形態に係るアカウント情報の概要を示す。図4は、実施形態に係るアカウント情報の一例であり、図4に示す以外の情報が含まれていてもよい。
【0052】
図4に示すように、実施形態に係るアカウント情報記憶部122が記憶されているアカウント情報は、「利用者ID」の項目や、「利用者情報」の項目や、「決済履歴」の項目や、「送金履歴」の項目や、「着金履歴」の項目や、「コード情報」の項目や、「ステータス」の項目などといった複数の項目を有している。アカウント情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0053】
「利用者ID」の項目には、電子決済サービスのサービス利用者を識別するために各サービス利用者に対して個別に割り当てられる識別情報が記憶される。「利用者情報」の項目には、電子決済サービスの利用登録の際にサービス利用者が自ら設定する本人確認情報などの個人情報が記憶される。本人確認情報には、氏名や、年齢や、住所や、電話番号や、メールアドレスなどが含まれる。
【0054】
「決済履歴」の項目には、電子決済サービスによる決済の履歴を示す情報が記憶される。「送金履歴」の項目には、電子決済サービスによる送金の履歴を示す情報が記憶される。たとえば、「送金履歴」の項目には、他のサービス利用者に対して電子マネーを譲渡した取引に関する情報が記憶される。「着金履歴」の項目には、電子決済サービスによる着金の履歴を示す情報が記憶される。たとえば、「着金履歴」の項目には、他のサービス利用者から電子マネーの残高を譲り受けた取引に関する情報が記憶される。
【0055】
「コード情報」の項目には、サービス利用者に対して個別に割り当てられる識別情報に対応する2次元コードなどのコード情報を示す情報が記憶される。「コード情報」の項目に記憶されるコード情報は、たとえば、送金受付用コードとして利用される。「ステータス」の項目には、ユーザアカウントを利用した電子決済サービスの利用が可能であるか否かを示す情報が記憶される。図4に示す例では、利用者ID:「利用者#001」で識別されるサービス利用者のユーザアカウントを利用した電子決済サービスの利用が不可能な状態であることを示す「利用不可」が記憶されている。図4に示す例では、利用者ID:「利用者#002」で識別されるサービス利用者のユーザアカウントを利用した電子決済サービスの利用が可能な状態であることを示す「利用可」が記憶されている。
【0056】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、決済サーバ100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現され得る。制御部130は、図2に示すように、取得部131と、特定部132とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0057】
(取得部131について)
取得部131は、予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する。たとえば、取得部131は、キーワードリスト記憶部121に記憶されているキーワードリストに含まれる所定のキーワードに対応する検索結果として、検索エンジンを通じて間接的に取得される投稿情報、またはSNSから直接取得される投稿情報を周期的に巡回探索することにより、画像情報を含む投稿情報をサービス提供装置20から取得する。
【0058】
(特定部132について)
特定部132は、取得部131により取得された投稿情報に含まれる画像情報が送金受付用コード(「コード情報」の一例)に該当する場合、送金受付用コードに紐付くユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する。たとえば、特定部132は、送金受付用コードに基づいて、不正ユーザのユーザアカウントを特定し、特定したユーザアカウントを用いた電子決済サービスの利用を停止させる。具体的には、特定部132は、アカウント情報記憶部122に記憶されているアカウント情報のうち、不正ユーザが利用した送金受付用コードに紐付くアカウント情報が有する「ステータス」の項目に対して「利用不可」の情報を登録する。
【0059】
また、特定部132は、投稿情報が動画像である場合、動画像に送金用受付コードが含まれるか否かを判定する。たとえば、特定部132は、動画像の概要欄などに送金用受付コードが添付されていたり、送金用受付コードを表示させるためのリンク情報が添付されていたりするかを判定する。そして、特定部132は、動画像に送金用受付コードやリンク情報が含まれていると判定した場合、動画像に含まれる音内容を分析し、分析結果に所定のキーワードが含まれるか否かを判定し、所定のキーワードが含まれる場合、不正ユーザであると特定する。
【0060】
〔3.処理手順例〕
以下、実施形態に係る決済サーバ100における処理手順の一例を説明する。図5に、実施形態に係る決済サーバ100により実行される情報処理手順の一例を示す。
【0061】
図5に示すように、取得部131は、キーワードリスト記憶部121に記憶されているキーワードリストの中から、探索対象となるサイトに対応するキーワードを取得する(ステップS101)。
【0062】
また、取得部131は、取得したキーワードを用いて、サービス提供装置20が運営するSNSなどの各種オンラインサービスに投稿された投稿情報を探索する(ステップS102)。
【0063】
また、特定部132は、所定のキーワードに合致する探索結果としてサービス提供装置20から取得した投稿情報の中から、画像情報を含む投稿情報を取得する(ステップS103)。
【0064】
また、特定部132は、サービス提供装置20から取得した投稿情報に含まれる画像情報が送金受付用コードに該当する場合、送金受付用コードを投稿したユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する(ステップS104)。
【0065】
また、特定部132は、送金受付用コードに基づいて、不正ユーザの電子決済サービスにおけるユーザアカウントを特定し、不正ユーザのサービス利用を停止させて(ステップS105)、図5に示す処理手順を終了する。
【0066】
〔4.変形例〕
(4-1.キーワードリストの更新)
上述の実施形態において、決済サーバ100は、キーワードリスト記憶部121に記憶されているキーワードリストを更新してもよい。たとえば、特定部132は、不正ユーザとして特定された複数のユーザが投稿しているキーワードのうち、複数のユーザに共通するキーワードを抽出し、抽出したキーワードを用いてキーワードリストを更新する。
【0067】
(4-2.不正ユーザの推定について)
また、上述の実施形態において、決済サーバ100は、ユーザによりSNSなどに投稿されたキーワードに基づいて、不正ユーザであるか否かを推定する情報を出力する学習済みモデルを用いて、不正ユーザである可能性が高いか否かを判定してもよい。この場合、決済サーバ100の管理者は、不正ユーザとして特定されたユーザがSNSに投稿したキーワードに基づいて、学習用データを準備する。たとえば、管理者は、不正ユーザにより入力されたキーワードに類似するキーワードに対して高いスコアを割り当て、不正ユーザにより入力されたキーワードと類似しないキーワードに対して低いスコアを割り当てた学習用データを準備する。そして、管理者は、学習用データに基づいて、キーワードを入力した場合、不正ユーザにより入力されたキーワードと同一又は類似するキーワードが多いほど高いスコアが出力され、不正ユーザにより入力されたキーワードに類似しないキーワードが多いほど低いスコアが出力されるように推定モデルを学習する。
【0068】
そして、決済サーバ100は、処理対象となるユーザ(電子決済サービスのサービス利用者)が投稿したキーワードの情報を学習済みモデルに入力することにより、学習済みモデルから出力されるスコアが所定の閾値以上である場合、不正ユーザである可能性が高いという判定結果を導出する。一方、決済サーバ100は、処理対象となるユーザが投稿したキーワードの情報を学習済みモデルに入力することにより、学習済みモデルから出力されるスコアが所定の閾値未満である場合、不正ユーザである可能性が低いという判定結果を導出する。
【0069】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ100は、コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行う情報処理装置であって、取得部131と、特定部132とを有する。取得部131は、予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する。特定部132は、取得部131により取得された投稿情報に含まれる画像情報がコード情報に該当する場合、画像情報に紐付くユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する。
【0070】
また、取得部131は、所定のキーワードに対応する検索結果として、検索エンジンを通じて間接的に取得される投稿情報、またはSNSから直接取得される投稿情報を周期的に巡回探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する。
【0071】
また、特定部132は、コード情報に基づいて、不正ユーザのユーザアカウントを特定し、特定したユーザアカウントを用いた電子決済サービスの利用を停止させる。
【0072】
また、特定部132は、不正ユーザとして特定された複数のユーザが投稿しているキーワードのうち、複数のユーザに共通するキーワードを抽出し、抽出したキーワードを用いてキーワードリストを更新する。
【0073】
このようにして、実施形態に係る決済サーバ100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、電子決済サービスの不正利用を効率的に検出できる。
【0074】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る決済サーバ100は、たとえば、図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6に、実施形態に係る決済サーバ100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図を示す。
【0075】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0076】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0077】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0078】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0079】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0080】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0081】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、実施形態に係る決済サーバ100による処理を実現する。
【0082】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0083】
また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。たとえば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。たとえば、実施形態に係る情報処理システムSYSは、実施形態に係る決済サーバ100が有する処理機能部のうち、実施形態に係る情報処理(たとえば、図1図4など参照)の機能や作用を実現または実行する処理機能部を有する他の情報処理装置を含んで構成されていてもよい。
【0085】
また、上述した決済サーバ100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0086】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。たとえば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0087】
10 端末装置
20 サービス提供装置
100 決済サーバ
110 通信部
120 記憶部
121 キーワードリスト記憶部
122 アカウント情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 特定部
【要約】
【課題】電子決済サービスの不正利用を効率的に検出すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、コード情報を通じて、電子マネーを一方のウォレットからもう一方のウォレットへと移動させる電子決済サービスに関する処理を行う情報処理装置であって、取得部と、特定部とを有する。取得部は、予め用意されたキーワードリストに含まれる所定のキーワードを用いて、インターネット上に投稿された投稿情報を探索することにより、画像情報を含む投稿情報を取得する。特定部は、取得部により取得された投稿情報に含まれる画像情報がコード情報に該当する場合、画像情報に紐付くユーザを、電子決済サービスを利用して所定の不正行為を行った可能性がある不正ユーザとして特定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6