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特許7189398錯化高分子電解質を含有するパーソナルケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】錯化高分子電解質を含有するパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20221207BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20221207BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20221207BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20221207BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221207BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/46
A61K8/44
A61Q19/10
A61Q19/00
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017120205
(22)【出願日】2017-06-20
(65)【公開番号】P2017226658
(43)【公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】62/352,713
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/278,184
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイ・フェボラ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ジェイ・フュッテラー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・エイ・ローア
【審査官】寺▲崎▼ 遥
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-139734(JP,A)
【文献】米国特許第04299817(US,A)
【文献】特表2012-502907(JP,A)
【文献】国際公開第2016/051086(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容される水性媒質中に、
a)0.1~1重量%の陽イオン性高分子電解質と、
b)少なくとも1種類の界面活性剤と、
c)0.03~1.2重量%の陰イオン性高分子電解質と、
を含む、組成物であって、
前記陰イオン性高分子電解質は、非架橋の疎水性変性されたアルカリ膨潤性エマルションポリマー(HASE)であり
前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の重量比が0.11.00である、組成物。
【請求項2】
前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の前記重量比が、0.150.50である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.03 重量%~0.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
0.2 重量%~0.8重量%の前記陽イオン性高分子電解質を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
0.6重量%の前記陽イオン性高分子電解質を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
0.1重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
重量%~11重量%の前記界面活性剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
3重量%~11重量%の、1種又は2種以上の陰イオン性界面活性剤と1種又は2種以上の双極性イオン性界面活性剤とからなる前記界面活性剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、0.03重量%~1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を0.1~1の前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の前記重量比で含まない実質的に同じ組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率よりも高い、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、0.03~1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を0.1の前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の前記重量比で含まない実質的に同じ組成物と比較して10%以上高められている、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、0.03重量%~1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含まない実質的に同じ組成物と比較して20%以上高められている、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、0.03重量%~1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含まない実質的に同じ組成物と比較して40%以上高められている、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記陰イオン性高分子電解質が、ポリアクリレート-33である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記陽イオン性高分子電解質が、ポリオクタニウム-10又はポリクオタニウム-7である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムとコカミドプロピルベタインとの組み合わせである、請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年6月21日出願の米国仮特許出願第62/352713号に基づく利益を主張するものであり、当該出願の完全な開示内容をあらゆる目的で本明細書に参照により援用するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、錯化高分子電解質有益成分を含有するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
角質表面(例えば皮膚及び毛髪)は、埃、汚れ、及び余分な皮脂を落とすために、一般的には界面活性剤系組成物を用いて洗浄されている。しかしながら、こうしたクレンジング処理は、クレンジングの際に角質表面から必須/有益成分を除去してしまうという問題を有している。これにより、不快感が生じる可能性があり、例えば、髪にはりがなくなり、絡まってまとまりにくくなり、柔らかさ及びつやがなくなり、かつ/又は皮膚若しくは頭皮が乾燥して固く感じられ、かつ/又は痒みを感じ、場合により赤くなることがある。更に、泡立ち、並びに埃、汚れ、及び余分な皮脂を除去する以上の効果がクレンジング組成物から得られることが望ましい。クレンジング処理による問題を緩和し、泡立ち及びクレンジング以上の更なる効果を高めるために様々なアプローチが開発されている。例えば、クレンジング組成物は、(界面活性剤以外に)例えば、洗浄された表面に例えば柔らかな感触及び高い保湿効果を与えるためにシリコーンオイル、植物油、及び鉱油などのオイルを含んでもよい。洗浄された表面に、例えば柔らかさ又は向上した機能性品質(例えば絡んだ髪をほぐす効果、静電気防止効果)などの向上した感覚的特性を与えるためにクレンジング組成物中に陽イオン性成分(多くの場合、陽イオン性ポリマー)を組み込むことも広く行われている。クレンジング組成物中のこれらの種類の添加剤は、通常、コンディショニング剤と呼ばれている。クレンジング組成物は、ジンクピリチオン、サリチル酸、又はヒアルロン酸などの更なる有益剤を含有してもよい。これらのコンディショニング剤及び有益剤が効果を発揮するためには、これらをクレンジング処理の際に表面(例えば皮膚及び毛髪)上に付着させる必要がある。
【0004】
クレンジング組成物に見られる一般的な課題は、洗浄された表面へのコンディショニング剤及び有益剤の付着の効率である。一般的には、各剤のごく一部のみが付着し、残りは洗い/すすぎ落とされる。角質表面は一定の陰イオン性表面電荷を特徴的に有しており、その結果、陽イオン性成分は静電相互作用を介して角質表面上にある程度付着することができる。そのため、陽イオン性成分、特に陽イオン性ポリマーが、クレンジング組成物中でコンディショニング剤として使用されている。陽イオン性ポリマーは、一般的に「コアセルベーション」又は「錯化」又は「希釈沈殿」と呼ばれるプロセスを通じて、皮膚軟化剤などのコンディショニング剤、オイル、他の有益剤、及び陽イオン性ポリマー自体の付着効率を高めることができる。このプロセスでは、陽イオン性ポリマーは、クレンジング組成物の使用時、すなわち希釈時に陰イオン性界面活性剤と不溶性の錯体を形成する。これらの不溶性錯体又はコアセルベートは、オイルなどの非水溶性成分ばかりでなく、陽イオン性ポリマーの付着効率を高めることができる。
【0005】
陰イオン性界面活性剤と陽イオン性ポリマーとを組み合わせる発想は、今日では多くのクレンジング組成物に用いられている。コアセルベートの形成は、分子量、電荷密度、pH、及び温度などの様々な基準に依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメータの効果についてはこれまでに研究されており、例えば、J.Caelles,et al.,Cosmetics & Toiletries,Vol.106,April 1991,pp 49~54、C.J.van Oss,J.Dispersion Science and Technology,Vol.9(5,6),1988~89,pp 561~573、D.J.Burgess,J.of Colloid and Interface Science,Vol.140,No.1,November 1990,pp 227~238、S.Zhou et al.,Langmuir,20,2004,8482~8489、及びC.Lepilleur et al.,J.Cosmet.Sci.,62,March/April 2011,161~177に開示されている。したがって、クレンジング組成物からの付着性を高めるためのアプローチには、界面活性剤系だけでなく陽イオン性ポリマーを最適化することが含まれる。陽イオン性ポリマーの最適化には、陽イオン性電荷密度、分子量、骨格の化学的性質、及び陽イオン性部分の化学的性質の変化が含まれる。クレンジング組成物中の界面活性剤系は、通常、効率、相溶性、及び配合安定性を高めるために用いられる特定の陽イオン性ポリマーに合わせて調整される(又はその逆)。これらのアプローチのいくつかの例が、米国特許出願第2003/0108507号、及び該出願中の参照文献に開示されている。
【0006】
しかしながら、この参照文献は、2μm以下の粒径を有する小さい分散活性成分(すなわち、クレンジング配合物中に不溶性であり、クレンジング配合物中に懸濁された粒子又は液滴として存在する有益剤物質)では、付着効率がわずかに2~3%にすぎない(配合物中、活性成分濃度1%当たり200~300ppm)ことも開示している。わずかに2~3%の付着効率は、クレンジング配合物からの付着効率を高める一般的必要性があることを示している。更に、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性ポリマーとの錯化の利用によって、コアセルベート中に存在する特定の量の陰イオン性界面活性剤が角質表面上に付着する。陰イオン性界面活性剤は皮膚に残留すると刺激を与える可能性が高く、また、陰イオン性界面活性剤は皮膚及び毛髪の角質成分を変性させて、これらの基質に望ましくない形態的変化をもたらし得るため、この界面活性剤の付着は望ましくない。
【0007】
更に、水溶性有益剤は、希釈時にポリマー/界面活性剤コアセルベート中に効率的に捕捉されず、したがって付着されないことから、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性ポリマーとの錯化を利用した組成物は、こうした有益剤の付着性を通常は向上させない/補助しない。
【0008】
従来技術に述べられている、特定の有益剤の付着効率を高めるための別のアプローチは、陽イオン性電荷を皮膚軟化剤、湿潤剤、及びワックスなどの有益剤に導入することである。陽イオン性電荷は、毛髪及び皮膚などの陰イオン性表面電荷を有する表面上への有益剤の付着を助けることができる。しかしながら、こうしたアプローチは、更なる陽イオン性部分による有益剤の化学修飾、又は陽イオン性物質による有益剤の封入を必要とし、これらはいずれも実現可能であるかどうかは不明である。
【0009】
陽イオン性ポリマー及び陰イオン性界面活性剤を含む組成物中の陰イオン性ポリマーの存在は付着効率の向上につながらないことが、従来技術において報告されている。例えば、例えば国際特許公開第2014/137859 A1号に開示されているように、カルボマー及びアクリレートのコポリマーのような陰イオン性レオロジー変性ポリマーは付着効率に悪影響を及ぼすことが示されている。詳細には、この参照文献は、陰イオン性アクリルコポリマー(例えばカーボポール(Carbopol))などの一般的なレオロジーポリマーの存在は、シリコーンオイルの付着効率を改善しないと述べている。更に、これらのレオロジーポリマーは、シリコーンオイルが粒径の小さい(例えば5マイクロメートルよりも小さい平均オイル液滴径)ものである場合には、シリコーンオイルの付着効率を大きく低下させすらする。この参照文献は更に、「シリコーン付着量は、存在するアクリル安定化増粘剤の量に反比例する」と述べている。該参照文献は、組成物を「シリコーン材料の付着を妨げることなく」安定化させるための非イオン性両親媒性レオロジー変性ポリマーの使用について開示しているが、付着効率をどのようにして高めるかについては記載がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
要約すると、クレンジング配合物からのコンディショニング及び付着効率を向上させるために従来技術で用いられている様々なアプローチにもかかわらず、従来技術には、低い付着効率、界面活性剤の付着による潜在的な刺激、陰イオン性ポリマーとの制限された相溶性、及び界面活性剤以外の水溶性成分の付着が補助されないことなどの問題が依然存在している。したがって、最適な性能及び向上した付着効率を有する改善されたクレンジング組成物が提供されることが依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、化粧品的に許容される水性媒質中に、a)陽イオン性高分子電解質、b)少なくとも1種類の界面活性剤、及びc)約0.01重量%~約1.2重量%の陰イオン性高分子電解質を含む組成物を提供する。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比は、約0.05~約1.2である。本発明の組成物は、約0.01重量%~約1.2重量%の陰イオン性高分子電解質を約0.05~約1.2の陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比で含有しない実質的に同じ組成物と比較した場合に、最小有意変化閾値(Δη最小)よりも小さい粘度変化を示し、かつ、測定可能な降伏応力も降伏応力の値の増大も示さない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のクレンジング組成物は、陽イオン性高分子電解質と陰イオン性高分子電解質との組み合わせを含む。陰イオン性高分子電解質の量は、陰イオン性高分子電解質が希釈時の乾燥沈殿物質量収率の量を増大させ、組成物のレオロジー特性を変化させる望ましくない効果を伴わずに効果的なクレンジング効果を維持するうえで充分であるように選択される。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が約0.05~約1.2である場合、陰イオン性高分子電解質は乾燥沈殿物質量収率を増大させない。
【0013】
本明細書に述べられるような界面活性剤系における陰イオン性高分子電解質と陽イオン性高分子電解質との特定の組み合わせは、「高分子電解質コンディショニング系」と呼ばれる。本明細書で使用するところの「高分子電解質コンディショニング系」とは、陰イオン性高分子電解質と陽イオン性高分子電解質との組み合わせを意味し、陰イオン性高分子電解質及び陽イオン性高分子電解質は、約0.05~約1.2の陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比で存在し、クレンジング組成物の全重量に対する陰イオン性高分子電解質の濃度は約0.01~約1.2重量%である。
【0014】
このような高分子電解質コンディショニング系を含有する本発明の組成物は、このような高分子電解質コンディショニング系を含まない同様の組成物と比較してコンディショニング剤及び有益剤の向上した付着効率を示すばかりでなく、例えば塗布後の改善された皮膚の感覚、又は付着される界面活性剤の量が減るといった更なる効果を与えるものである。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の好ましい重量比としては、約0.05~約1.2、又は約0.1~約1.2、又は約0.1~約1が挙げられる。特定の範囲内の陰イオン性高分子電解質の存在は、下記に述べるようにして測定される希釈時の乾燥沈殿物質量収率を、そのような量の陰イオン性高分子電解質を含有しない実質的に同じ組成物と比較して10%以上増大させる。より好ましくは、希釈時の乾燥沈殿物質量収率は、20%以上、又は更により好ましくは40重量%以上増大する。
【0015】
上記に述べたように、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比は、極めて重要である。一般的には、約0.05~約1.2の比では、組成物は、増大した希釈時の乾燥沈殿物質量収率を示す。高分子電解質の種類、界面活性剤系、及び例えば塩濃度などその他の配合パラメータに応じて、最大の乾燥沈殿物質量収率を得るための陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の最適重量比は、この範囲内で変わり得る。クレンジング組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率の増大は、コンディショニング剤及び有益剤の付着の向上した効率の指標である。更に、乾燥沈殿物質量収率の増大は、陰イオン性高分子電解質が希釈時に形成されたコアセルベートの一部となっており、したがってやはり付着されていることの指標である。しかしながら、組成物中に組み込まれる陰イオン性高分子電解質が陽イオン性高分子電解質と比較して多すぎると(すなわち、陽イオン性高分子電解質の質量に対する陰イオン性高分子電解質の質量の比が約1.2よりも大きい場合)、陰イオン性高分子電解質を含まない組成物と比較して性能の改善にはつながらず、性能が低下する場合すらある。
【0016】
適用可能な場合、化学物質はそれらのINCI名にしたがって指定される。供給業者及び商標名を含む更なる情報は、Personal Care Products Council(PCPC)(Washington DC)により刊行されているInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,15th Editionの適切なINCIモノグラフに見ることができる(http://online.personalcarecouncil.org/jsp/Home.jspでPCPC On-Line Infobaseよりオンラインでも利用可能である)。
【0017】
そうでない旨が具体的に断られていないかぎり、本明細書に記載されるすべての割合は、重量百分率である。本明細書に記載される高分子電解質、界面活性剤、塩、ポリマー、酸などの成分の割合及び重量は、例えば組成物に加えられる塩化ナトリウム水溶液の水のような溶媒を除いた、成分の活性物質の割合及び重量である。
【0018】
本明細書で使用するところの「実質的に同じ組成物」とは、陰イオン性高分子電解質及び陽イオン性高分子電解質の相対量以外は本発明の組成物と実質的に同じである組成物を意味する。
【0019】
本明細書で使用するところの「重量%」とは、重量比率、すなわち重量/重量%を指し、例えば、95gの水中の5gの塩化ナトリウムは、水溶液中、5重量%の活性塩化ナトリウムである。
【0020】
陰イオン性高分子電解質
陰イオン性高分子電解質は、複数の陰イオン性電荷を有するポリマーである(すなわち、この高分子電解質は、陰イオン性部分を有するモノマー又は繰り返し単位を含有する)。陰イオン性電荷を有する好適な部分は、これらに限定されるものではないが、CO2-、SO 、SO 、PO 2-、及びPO 2-であり得る。本発明の組成物は、約0.01重量%~約1.2重量%の陰イオン性高分子電解質を含有する。
【0021】
陰イオン性高分子電解質は、約0.1ミリ当量/g(meq/g)以上、より好ましくは約0.1~10meq/g、更により好ましくは約0.5~5meq/g、更により好ましくは約0.5~4meq/gの電荷密度、及び約10,000g/mol以上、より好ましくは約50,000g/mol以上の重量平均分子量(Mw)を有する。非架橋陰イオン性高分子電解質では、分子量は、約50,000~3,000,000g/mol、より好ましくは約50,000g/mol~1,000,000g/molである。架橋高分子電解質は、一般的には、分子量よりもむしろその一次粒径によって特徴づけられる。架橋陰イオン性高分子電解質の好ましい一次粒径は、約0.01マイクロメートル(μm)以上、より好ましくは約0.1μm以上、かつ1000μm以下、より好ましくは約100μm以下である。架橋陰イオン性高分子電解質の例としては、例えば一次粒径が約0.2μmであるCarbopol(登録商標)Aqua SF-1のようなアクリレートコポリマー、及び約25~500μmの粒径を有するポリアクリレート超吸収性ポリマー粒子が挙げられる。
【0022】
好適な陰イオン性高分子電解質としては、これらに限定されるものではないが、1)陰イオン性又は陰イオン化可能なモノマーを含有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される高分子電解質、2)陰イオン性及び陰イオン化可能な多糖類及び多糖類誘導体、並びに3)陰イオン性/陰イオン化可能なポリペプチド/タンパク質、天然ポリマー鎖(例えば多糖類又はタンパク質鎖など)及び合成ポリマー鎖(例えばポリエチレングリコール又はアクリレート(コ)ポリマーなど)を含有する陰イオン性/陰イオン化可能なハイブリッド(コ)ポリマーなど、その他の陰イオン性高分子電解質が挙げられる。
【0023】
そのような高分子電解質の非限定的な例は、Personal Care Products Council(PCPC)(Washington DC)により刊行されているInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,15th Editionの適切なINCIモノグラフに記載されている。
【0024】
陰イオン性/陰イオン化可能なモノマーを含有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される高分子電解質としては、これらに限定されるものではないが、(a)非架橋アルカリ膨潤性エマルション(ASE)ポリマーを含む、直鎖状非架橋(コ)ポリマー、(b)架橋ASEポリマー(xASE)を含む、架橋(コ)ポリマー、並びに(c)非架橋及び架橋の疎水性変性されたアルカリ膨潤性エマルション(HASE及びxHASE)ポリマーを含む、(a)及び(b)に述べられる(コ)ポリマーの疎水性変性された誘導体が挙げられる。
【0025】
陰イオン性/陰イオン化可能なエチレン性不飽和モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニル硫酸(sulforic acid)、ビニルホスホン酸、ビニルリン酸、ビニルボロン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、リン酸メタクリルオキシエチル、メタクリルオキシエチル硫酸、メタクリルオキシエチルスルホン酸及び2-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPSA)、2-メチル-2-プロペン酸エチル-2-リン酸エステル(HEMAホスフェート)、メタクリロイルオキシPPG-7ホスフェート、β-カルボキシエチルアクリレート、3-アクリルアミド-3-メチルブタン酸(AMBA)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用するところの「(コ)ポリマー」なる用語は、基本的に1種類のモノマーから誘導される高分子電解質(ホモポリマー)及び1つを超える種類のモノマーから誘導される高分子電解質(コポリマー)を含むものとする。
【0027】
本発明のエチレン性不飽和モノマーから誘導される陰イオン性高分子電解質は、当該技術分野では周知のフリーラジカル重合法によって合成することができる。別の態様では、バルク重合、溶媒重合、沈殿重合、又は乳化重合法を使用してエチレン性不飽和モノマーから誘導される本発明の陰イオン性高分子電解質を合成することができる。
【0028】
本明細書で使用するところの本発明の「直鎖状非架橋(コ)ポリマー」なる用語は、1種類以上の陰イオン性/陰イオン化可能なエチレン性不飽和モノマーと、場合により1種類以上の非イオン性又は両性エチレン性不飽和モノマーと、を含有するエチレン性不飽和モノマーで作られた陰イオン性高分子電解質を指す。非イオン性又は両性エチレン性不飽和モノマーの例としては、これらに限定されるものではないが、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酢酸1-メチルビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スルホベタインアクリレート、例えば3-メタクリルアミドプロピルジメチルアンモニオプロパンスルホネート、及びこれらの混合物が挙げられる。陰イオン性直鎖状非架橋(コ)ポリマーの例としては、いかなる意味でもこれらに限定されるものではないが、ポリ(メタ)アクリル酸ホモポリマー、又はアクリルアミド/(メタ)アクリル酸コポリマーが挙げられる。本明細書で使用するところの「(メタ)アクリル酸」なる用語は、アクリル酸の対応するメチル誘導体を含むものであり、「(メタ)アクリレート」とはアルキルアクリレートの対応するメチル誘導体及びアクリル酸の塩形態を含むものである。例えば、「(メタ)アクリル」酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を指し、「(メタ)アクリレート」は、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレートを指し、「(メタ)アクリル酸ナトリウム」は、アクリル酸ナトリウム及び/又はメタクリル酸ナトリウムを指す。直鎖状非架橋(コ)ポリマーは、疎水性変性されていない。
【0029】
本明細書で使用するところの本発明の「架橋(コ)ポリマー」なる用語は、エチレン性不飽和モノマーから作られた架橋陰イオン性高分子電解質を指す。詳細には、架橋(コ)ポリマーは、上記に述べた直鎖状非架橋(コ)ポリマーの架橋誘導体である。架橋は、例えば、多官能性エチレン性不飽和モノマーとの共重合又は架橋を誘導するための後重合化反応などの、当該技術分野では周知の様々な方法によって実現することができる。例としては、これらに限定されるものではないが、カルボマー及びアクリレートクロスポリマーが挙げられる。カルボマーの例としては、Lubrizol社のCarbopol(登録商標)934、940、980、Ultrez10、Ultrez30、ETD2050、2984、又はAshland社のAshland(登録商標)940、941、980、981がある。アクリレートクロスポリマーの一例としては、アクリレートクロスポリマー4(Lubrizol社のCarbopol(登録商標)Aqua SF-2)がある。他の例としては、超吸収性ポリマー、すなわち架橋ポリアクリル酸ナトリウム粒子が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用するところの「疎水性変性された(コ)ポリマー」なる用語は、疎水性モノマーを含有する直鎖状非架橋及び架橋(コ)ポリマーを指す。詳細には「疎水性変性された」とは、高分子電解質が、疎水性側基を含有する一定量のモノマー(疎水性モノマー、会合性モノマー(associative monomer)とも呼ばれる)を含有することを意味する。一般的に、疎水性側基を含有するモノマーの量は、約0.1重量%~約20重量%、より一般的には約0.5重量%~約10重量%、更により一般的には約1重量%~約5重量%である。これらは、場合により架橋剤を含有してもよく、かつ/又は場合により架橋(コ)ポリマーであってもよい。例としては、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー(Lubrizol社のCarbopol(登録商標)ETD2020、Ultrez 20)及びアクリレート/イソデカン酸ビニルクロスポリマー(3V Sigma社のStabylen 30)がある。
【0031】
本明細書で使用するところの「疎水性変性されていない」とは、高分子電解質が、疎水性側基を含有するモノマー(疎水性モノマー、会合性モノマーとも呼ばれる)を、まったく含まないか又はごく微量含むことを意味する。一般的に、疎水性側基を含有するモノマーの量は、約1重量%以下、より一般的には約0.5重量%以下、更により一般的には約0.1重量%以下である。例外として、4個よりも多い炭素原子を有する側鎖を有し得るが、疎水性モノマーとはみなされない(また高分子電解質中におけるその使用濃度が一般的に低い(すなわち1重量%未満))架橋剤モノマー/分子がある。
【0032】
本明細書で使用するところの「アルカリ膨潤性エマルションポリマー」すなわち「ASEポリマー」なる用語は、エチレン性不飽和モノマーから作られ(例えばアクリレート又はビニル(コ)ポリマーである)、陰イオン化可能なモノマーを含有することにより、塩基(アルカリ)を加えた際にイオン化され水溶液中で膨潤及び/又は溶解する高分子電解質のことを指す。ASEポリマーは、場合により架橋剤を含有してもよく、かつ/又は架橋されたポリマー(xASE)であってもよい。一実施形態において、ASE又はxASEポリマーは、(メタ)アクリル酸の1種類以上のモノマー、並びに/又はその単純アルキルエステル(メチル、エチル、プロピル、ブチルエステルなど)及び単純ヒドロキシアルキルエステル(ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステルなど)及び単純アルコキシアルキルエステル(メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステルなど)のうちの1つからなるアクリレート(コ)ポリマーである。「単純」アルキルエステルとは、1~4個の炭素を有するアルキル基を指す。ポリマー中の単純アルキルエステル(メタ)アクリレートモノマーの量は、0~80重量%、10~70重量%、20~70重量%、30~70重量%、30~60重量%の範囲である。単純アルキルエステル(メタ)アクリレートモノマーの特定の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ASEポリマーの例としては、アクリレートコポリマー(例えば、Lubrizol社のCarbopol(登録商標)Aqua SF-1、又はSeppic社のEliclear(商標)4U)又はアクリル酸カリウムコポリマー(LubrizolのEX-968及びEX-1112)がある。
【0033】
本明細書で使用するところの「疎水性変性されたアルカリ膨潤性エマルションポリマー」すなわち「HASEポリマー」(「xHaseポリマー」を含む)とは、疎水性モノマー(上記の「疎水性変性された」の定義を参照)を含有するASEポリマー及びxASEポリマーをそれぞれ指す。HASEポリマーの例としては、Polyacrylate-33(Solvay社のRheomer(商標)33)、及びxHASEの例としては、例えばアクリレート/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー(Dow社のAculyn(商標)88)がある。
【0034】
疎水性変性された高分子電解質に使用される疎水性モノマー(「会合性」モノマーとも呼ばれる)は、例えば、それぞれの内容をその全体にわたって本明細書に参照により援用するところの米国特許第5,292,843号、同第6,897,253号、同第7,288,616号、同第3,035,004、及び米国特許出願公開第2006/0270563号に記載されている。
【0035】
本明細書で使用するところの「非架橋」なる用語は、ポリマー鎖間の共有結合による連結が実質的にない(コ)ポリマーを指す。
【0036】
本明細書で使用するところの「架橋」なる用語は、ポリマー鎖間に共有結合による一定量の連結を有する(コ)ポリマーを指す。かかる結合による連結は、重合プロセスに際して(コ)ポリマーに一定量の架橋モノマーを添加することによって生成される。架橋剤の例としては、ペンタエリスリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテル、又はプロピレンのアリルエーテル、又はトリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコールがある。更なる架橋剤については、米国特許第9,187,590(B2)号に記載されており、当該特許の内容を本明細書に参照により援用する。
【0037】
エチレン性不飽和モノマーから誘導される陰イオン性高分子電解質は、他のモノマーを含有してもよい。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、N-ビニルピロリジン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミド、及びN-ビニルアセトアミドなどのN-ビニルアミド、並びにメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びヒドロキシブチルエーテルなどのビニルエーテル、並びにスチレン、アセトキシエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和アリール化合物、並びに(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、並びにマレイン酸ブチルメチル(butyl methyl maleate)などのジカルボン酸モノマーのエチレン性不飽和アルキルエステルが挙げられる。
【0038】
陰イオン性及び陰イオン変性された多糖類並びに多糖類誘導体としては、これらに限定されるものではないが、
a.天然に存在する陰イオン性多糖類(アルギン酸塩(アルギン酸)、ペクチン、カラギーナン、キサンタン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アラビアガム、カラヤガム、トラガカント(traganth)ガム、アラビノキシラン、へパラン硫酸)、
b.陰イオン変性された多糖類(デンプン、ガム、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルデンプン、リン酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、硫酸デンプン、デンプン-2-ヒドロキシプロピルクエン酸、カルボキシメチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、その他の陰イオン性ガラクトマンナン誘導体、カルボキシメチルセルロース(INCI名:セルロースガム)、例えばAshland社のAqualon(商標)CMCナトリウム、又はDow社のWalocel(商標)CRT、ポリアニオン性セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、及びカルボキシエチルセルロース、並びにその他の多糖類、例えばデキストラン及びデキストリン、例えば硫酸デキストラン/デキストリン)が挙げられる。
【0039】
その他の陰イオン性高分子電解質としては、陰イオン性/陰イオン化可能なタンパク質、陰イオン性ポリペプチド、例えばポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、及びポリ核酸などその他の陰イオン性コポリマーが挙げられる。
【0040】
陽イオン性高分子電解質
陽イオン性高分子電解質とは、複数の陽イオン性電荷を有するポリマーである(すなわち、この高分子電解質は、陽イオン性部分を有する繰り返し単位を含有する)。本発明の組成物で使用するのに適した陽イオン性高分子電解質は、第四級アンモニウム又は陽イオン性プロトン化アミノ部分などの陽イオン性窒素含有部分を含有する。陽イオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の化学種及び選択されたpHに応じて、第一級、第二級、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であってよい。高分子電解質が水、組成物、又は組成物のコアセルベート相中に可溶な状態に保たれるかぎり、また、対イオンが組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶性であるか、さもなくば製品の性能、安定性又は美観を不要に損なわないかぎり、任意の陰イオン性対イオンを陽イオン性高分子電解質と組み合わせて使用することができる。そのような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、硫酸塩、メチル硫酸塩、及びエチル硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、及び乳酸塩が挙げられる。
【0041】
本発明の組成物は、約0.1重量%~約1重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.8重量%の陽イオン性高分子電解質を含有する。
【0042】
本発明の組成物に使用される好ましい陽イオン性高分子電解質は、組成物の使用が想定されるpH範囲において、少なくとも約0.2meq/g、好ましくは少なくとも約0.6meq/g、より好ましくは少なくとも約1.5meq/gであり、ただし更に、好ましくは約7meq/g未満、より好ましくは約5meq/g未満、更により好ましくは約3meq/g未満の陽イオン性電荷密度を有する。本明細書で使用するところの高分子電解質の「陽イオン性電荷密度」とは、高分子電解質の分子量に対する高分子電解質上の正電荷の数の比を指す。そのような好適な陽イオン性高分子電解質の重量平均分子量(Mw)は、一般的には約10,000~約5,000,000g/mol、好ましくは約50,000~約5,000,000g/mol、より好ましくは約100,000~約3,000,000g/molである。陽イオン性高分子電解質は架橋(コ)ポリマーであってよい。
【0043】
そのような陽イオン性高分子電解質の非限定的な例は、その内容を本明細書に参照により援用するPersonal Care Products Council(PCPC)(Washington DC)により刊行されているInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,15th Editionの適切なINCIモノグラフに記載されている。
【0044】
好適な陽イオン性高分子電解質の非限定的な例としては、陽イオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するエチレン性不飽和モノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンなどの水溶性スペーサーモノマーと、のコポリマーが挙げられる。
【0045】
本明細書の組成物の陽イオン性ポリマーに含めるのに適した陽イオン性プロトン化アミノ及び第四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩で置換されたエチレン性不飽和化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩のような環状陽イオン性窒素含有環を有するビニル四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0046】
本組成物での使用に適した他の陽イオン性高分子電解質としては、1-ビニル-2-ピロリドンと1-ビニル-3-メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物)とのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-16);1-ビニル-2-ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-11);ビニルピロリドンと第四級ビニルイミダゾリウム塩とのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-44);ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-28);メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート(METAMS)とアクリルアミドとのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-5);例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーなどの陽イオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(INCI名:それぞれポリクオタニウム-6及びポリクオタニウム-7)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーを含むアクリル酸の両性コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-22)、ポリベタイン及びポリスルホベタインなどのポリ両性電解質(コ)ポリマー、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-39)、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-47)が挙げられる。好ましい陽イオン性置換モノマーとしては、陽イオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせがある。非限定的な一具体例として、ポリメチルアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドがある。全コポリマーの電荷密度が約0.6~約5meq/gであるような陽イオン性モノマーと非イオン性モノマーとのコポリマーも好ましい。
【0047】
本組成物での使用に適した他の陽イオン性高分子電解質としては、陽イオン性セルロース誘導体及び陽イオン性デンプン誘導体などの多糖類ポリマーが挙げられる。好適な陽イオン性多糖類ポリマーとしては、下式に従うものが挙げられる。
【0048】
【化1】
式中、Aは、デンプンのようなアンヒドログルコース残基、又はセルロースアンヒドログルコース残基であり、Rは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、R1、R2、及びR3は、独立して、各基が最大約18個の炭素原子を含有するアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各陽イオン性部分の炭素原子の総数(すなわちR1、R2及びR3の炭素原子の合計)は、好ましくは約20個以下、より好ましくは約10個以下であり、Xは、本明細書で上記に述べた陰イオン性対イオンである。好ましい一実施形態において、Rは2-ヒドロキシプロピルであり、R、R、及びRはメチルである。
【0049】
好ましい陽イオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩である(INCI名:ポリクオタニウム-10)。陽イオン性セルロースのその他の好適な種類としては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させた(INCI名:ポリクオタニウム-24)、並びにラウリルジメチルアンモニウム及びトリメチルアンモニム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩(INCI名:ポリクオタニウム-67)が挙げられる。
【0050】
その他の好適な陽イオン性高分子電解質としては、陽イオン性タラガム、カシアガム、及びグアーガム誘導体(例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)などの陽イオン性ガラクトマンナンが挙げられ、その具体例としては、Solvay社より市販されているJaguarシリーズ、及びAshland社より市販されているN-Hanceシリーズが挙げられる。その他の好適な陽イオン性高分子電解質としては、第四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、そのいくつかの例が、その記載内容を本明細書に参照により援用する米国特許第3,962,418号に記載されている。その他の好適な陽イオン性高分子電解質としては、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられ、そのいくつかの例が、その内容を本明細書に参照により援用する米国特許第3,958,581号に記載されている。その他の好適なコンディショニングポリマーとしては、その内容を本明細書に参照により援用する米国特許第5,876,705号に開示されるものが挙げられる。使用される場合、本明細書の陽イオン性高分子電解質は、組成物に可溶性であるか、又は陽イオン性高分子電解質と、本明細書で上記に述べた陰イオン性、両性及び/又は双極性イオン性の洗浄性界面活性剤成分と、によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。
【0051】
その他の好適な陽イオン性高分子電解質としては、ヒドロキシプロピルトリモニウム部分で置換されたゼラチン、オボアルブミン、血清アルブミン、カゼイン、及び加水分解小麦又は米又は絹タンパク質のような陽イオン性電荷を有するタンパク質、並びにポリ(L-リシン)、ポリ(L-アルギニン)、アバエシン(abaecin)、プロペニン(propenin)、又はインドリシジンなどの陽イオン性ポリペプチドを挙げることができる。
【0052】
その他の好適な陽イオン性高分子電解質としては、直鎖状及び分枝状ポリエチレンイミン(PEI)(コ)ポリマーが挙げられる。例として、PEI-2500、PEI-14Mが挙げられる。
【0053】
一般的に、陽イオン性高分子電解質は、クレンジング組成物中にコアセルベート相として存在するか又は希釈時にコアセルベート相を形成することが認識されている。クレンジング組成物中に既にコアセルベートが存在していない場合、陽イオン性高分子電解質は、水による希釈時にクレンジング組成物中に複合コアセルベートの形態で、水と組成物との重量比が約20:1、より好ましくは約10:1、更により好ましくは約5:1、更により好ましくは約3:1となるように存在することが好ましい。
【0054】
界面活性剤
本発明の組成物は、約1重量%~約25重量%の界面活性剤,より好ましくは約3重量%~約25重量%の界面活性剤、より好ましくは約3重量%~約15重量%、更により好ましくは約3重量%~約12重量%、更により好ましくは約4重量%~約12重量%の界面活性剤を含有する。
【0055】
好適な界面活性剤は、陰イオン性、双極性イオン性、非イオン性、及び陽イオン性の界面活性剤であってよく、その例を以下に述べる。
【0056】
本明細書で使用するところの「陰イオン性界面活性剤」なる用語は、少なくとも負の電荷を有し、対イオンM以外の正電荷を有さない界面活性剤分子を指す。適当な陰イオン性界面活性剤としては、以下の界面活性剤の部類から選択されるものが挙げられる。すなわち、
・アシルイセチオン酸塩:
【化2】
式中、RCO=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=H又はCH、M=一価の陽イオン(ココイルイセチオン酸ナトリウム(RCO=ココアシル、R’=H、M=Na)及びラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、R’=CH、M=Na)など)。
・アルキルスルホコハク酸塩:
【化3】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、M=一価の陽イオン(スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム(R=ラウリル、M=Na)など)。
・α-スルホ脂肪酸エステル:
【化4】
式中、R=C~C16アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=C~Cアルキル、M=一価の陽イオン(メチル2-スルホラウリン酸ナトリウム(R=C1021、R’=メチル、CH、M=Na)など)。
・α-スルホ脂肪酸塩:
【化5】
式中、R=C~C16アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、M=一価の陽イオン(2-スルホラウリン酸二ナトリウム(R=C1021、M=Na)など)。
・アルキルスルホ酢酸塩:
【化6】
式中、R=C~C18アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、M=一価の陽イオン(ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(R=ラウリル、C1225、M=Na)など)。
・アルキル硫酸塩:
【化7】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物。具体的な例としては、ラウリル硫酸TEA(R=ラウリル、C1225、MHN(CHCH-OH))、ラウリル硫酸ナトリウム(R=ラウリル、C1225、M=Na)、及びココ硫酸ナトリウム(R=ココアルキル、M=Na)が挙げられる。
・アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩又はアルコキシルヒドロキシプロピルスルホン酸塩:
【化8】
式中、R=C~C24アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン(スルホン酸ココグリセリルエーテルナトリウム(R=ココアルキル、M=Na)など)。
・長鎖αオレフィンのスルホン化により調製されるαオレフィンスルホン酸塩(AOS)。アルケンスルホン酸塩:
【化9】
(式中、R=C~C18アルキル又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン)と、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩:
【化10】
(式中、R=C~C18アルキル又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン)と、の混合物からなるαオレフィンスルホン酸塩(AOS)。例としては、C12~14オレフィンスルホン酸ナトリウム(R=C~C10アルキル、M=Na)及びC14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム(R=C10~C12アルキル、M=Na)が挙げられる。
・アルキルスルホン酸塩又はパラフィンスルホン酸塩:
【化11】
式中、R=C~C24アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン。例としては、C13~17アルカンスルホン酸ナトリウム(R=C13~C17アルキル、M=Na)及びC14~17アルキルSecスルホン酸ナトリウム(R=C14~C17アルキル、M=Na)が挙げられる。
・アルキルアリールスルホン酸塩又は直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩:
【化12】
式中、R=C~C18アルキル(直鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン。例としては、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(R=C10アルキル、M=Na)及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(R=C12アルキル、M=NH )が挙げられる。
・アルキルエーテル硫酸塩:
【化13】
式中、R=C~C24アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、n=1~12、及びM=一価の陽イオン。例としては、ラウレス硫酸ナトリウム(R=C12アルキル、M=Na、n=1~3)、ラウレス硫酸アンモニウム(R=C12アルキル、M=NH 、n=1~3)、及びトリデセス硫酸ナトリウム(R=C13アルキル、M=Na、n=1~4)が挙げられる。
・アルキルモノグリセリド硫酸塩:
【化14】
式中、RCO=C~C24アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン。例としては、ココモノグリセリド硫酸ナトリウム(RCO=ココアシル、M=Na)及びココモノグリセリド硫酸アンモニウム(RCO=ココアシル、M=NH )が挙げられる。
・アルキルエーテルカルボン酸塩:
【化15】
式中、R=C~C24アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、n=1~20、及びM=一価の陽イオン。例としては、ラウレス-13カルボン酸ナトリウム(R=C12アルキル、M=Na、n=13)、及びラウレス-3カルボン酸ナトリウム(R=C12アルキル、M=Na、n=3)が挙げられる。
・アルキルエーテルスルホコハク酸塩:
【化16】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、n=1~12、及びM=一価の陽イオン(スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム(R=ラウリル、n=1~4、M=Na)など)。
・ジアルキルスルホコハク酸塩:
【化17】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン(スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム(R=2-エチルヘキシル、M=Na)など)。
・アルキルアミドアルキルスルホコハク酸塩:
【化18】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=C~Cアルキル(直鎖又は分枝鎖)、及びM=一価の陽イオン(コカミドMIPAスルホコハク酸二ナトリウム(RCO=ココアシル、R’=イソプロピル、M=Na)など)。
・アルキルスルホスクシンアミド酸塩(Alkyl sulfosuccinamates):
【化19】
式中、R=C~C20アルキル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン(ステアリルスルホスクシンアミド酸二ナトリウム(R=ステアリル、C1837、M=Na)など)。
・アシルグルタミン酸塩:
【化20】
式中、RCO=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=H又はCH、M=一価の陽イオン(ココイルグルタミン酸二ナトリウム(RCO=ココアシル、R’=H、M=Na)及びラウロイルグルタミン酸二ナトリウム(RCO=ラウロイル、R’=H、M=Na)など)。
・アシルアスパラギン酸塩:
【化21】
式中、RCO=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=H又はCH、M=一価の陽イオン(N-ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム(RCO=ラウロイル、R’=H、M=Na)など)。
・アシルタウリン酸塩:
【化22】
式中、RCO=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=H又はCH、M=一価の陽イオン(メチルココイルタウリン酸ナトリウム(RCO=ココアシル、R’=CH、M=Na)及びココイルタウリン酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、R’=H、M=Na)など)。
・アシル乳酸塩:
【化23】
式中、R=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、M=一価の陽イオン(ラウロイル乳酸ナトリウム(R=ラウロイル、M=Na)など)。
・アシルグリシン酸塩及びアシルサルコシン酸塩:
【化24】
式中、RCO=C~C20アシル(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、R’=H(グリシン酸塩)又はCH(サルコシン酸塩)、M=一価の陽イオン(ココイルグリシン酸ナトリウム(RCO=ココアシル、R’=H、M=Na)、ココイルサルコシン酸アンモニウム(RCO=ココアシル、R’=CH、M=NH )、及びラウロイルサルコシン酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、R’=CH、M=Na)など)。
・ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココグルコシドクエン酸二ナトリウム、ココグルコシド酒石酸ナトリウム、ココグルコシドスルホコハク酸二ナトリウムなどのアルキルポリグルコシドの陰イオン性誘導体;ココグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、デシルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウリルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム;ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム/ココグルコシドクロスポリマー、ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム/デシルグルコシドクロスポリマー、ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム/ラウリルグルコシドクロスポリマー;O’Lenickによる米国特許第7,507,399号、同第7,375,064号、及び同第7,335,627号に記載されているものなどの陰イオン性ポリマーAPG誘導体、並びにそれらの2つ以上の組み合わせなど。
【0057】
本明細書で使用するところの「硫酸化陰イオン性界面活性剤」なる用語は、Mが存在しないか、又はH若しくはNH 若しくはNa若しくはK若しくは他の一価若しくは多価の陰イオンであるような-SO 基を含有する陰イオン性界面活性剤のことを指す。硫酸化陰イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、硫酸化陰イオン性界面活性剤を実質的に含まず、好ましくは硫酸化陰イオン性界面活性剤を含まない。
【0058】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、陰イオン性界面活性剤を実質的に含まず、好ましくは陰イオン性界面活性剤を含まない。
【0059】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、双極性イオン性界面活性剤を含んでもよい。双極性イオン性界面活性剤の好適な濃度は、約0重量%~15重量%、好ましくは約1~10重量%、より好ましくは約2重量%~6重量%である。
【0060】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、1種類以上の陰イオン性界面活性剤及び1種類以上の双極性イオン性界面活性剤を含有する。組成物中の陰イオン性界面活性剤と双極性イオン性界面活性剤との重量比は、1:0~0:1の範囲であってよい。一般的な範囲は、陰イオン性:双極性イオン性=4:1~1:1:4である。
【0061】
本明細書で使用するところの「双極性イオン性界面活性剤」とは、反対の形式電荷を有する2つの部分を有するか又は反対の形式電荷を有することが可能な(酸ー塩基特性及び溶液のpHに応じて)、疎水性基と1個以上の親水性基とを含む両親媒性分子のことを指す。そのような界面活性剤は、「両性界面活性剤」と呼ばれる場合もある。
【0062】
好適な双極性イオン性界面活性剤としては、これらに限定されるものではないが、下式により示される界面活性剤が挙げられる:
【0063】
【化25】
式中、Rは、直鎖状、分枝鎖状、飽和又は不飽和のC5~C21疎水性基であり、
は、直鎖状、分枝鎖状、又は環状アルキル、ヒドロキシアルキル、若しくは芳香族基であり、
は、直鎖状又は分枝鎖状アルキル、ヒドロキシアルキル、若しくは芳香族基であり、
は、直鎖状又は分枝鎖状アルキル、ヒドロキシアルキル、若しくは芳香族基であり、
は、直鎖状又は分枝鎖状アルキル、ヒドロキシアルキル、若しくは芳香族基であり、
、R、又はRのいずれも環構造に結合されてよく、
Yは、-N(H)-、-N(R3)-、-O-、-S-であり、
Xは、-CO2-、-SO3-、若しくは-SO4-、又はリン酸塩若しくはホスホン酸塩である。
【0064】
双極性イオン性界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられる。
下式のアルキルアミドアルキルベタイン:
【化26】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びx=1~4。例としては、コカミドエチルベタイン(RCO=ココアシル、x=2)、コカミドプロピルベタイン(RCO=ココアシル、x=3)、ラウラミドプロピルベタイン(RCO=ラウロイル、及びx=3)、ミリストアミドプロピルベタイン(RCO=ミリストイル、及びx=3)、ソイアミドプロピルベタイン(R=ソイアシル、x=3)、及びオレアミドプロピルベタイン(RCO=オレオイル、x=3)が挙げられる。
【0065】
下式のアルキルアミドアルキルヒドロキシスルタイン:
【化27】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物。例としては、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCO=ココアシル、x=3)、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCO=ラウロイル、及びx=3)、ミリスタミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCO=ミリストイル、及びx=3)、及びオレアミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCO=オレオイル、及びx=3)が挙げられる。
【0066】
下式のアルキルアミドアルキルスルタイン:
【化28】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物。例としては、コカミドプロピルスルタイン(RCO=ココアシル、x=3)、ラウラミドプロピルスルタイン(RCO=ラウロイル、及びx=3)、ミリスタミドプロピルスルタイン(RCO=ミリストイル、及びx=3)、ソイアミドプロピルベタイン(RCO=ソイアシル、x=3)、及びオレアミドプロピルベタイン(RCO=オレオイル、及びx=3)が挙げられる。
【0067】
下式のアンホ酢酸塩:
【化29】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン。例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、及びM=Na)、及びココアンホ酢酸ナトリウム(RCO=ココアシル、及びM=Na)が挙げられる。
【0068】
下式のアンホ二酢酸塩:
【化30】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン]。例としては、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(RCO=ラウロイル、及びM=Na)及びココアンホ二酢酸二ナトリウム(RCO=ココアシル、及びM=Na)が挙げられる。
【0069】
下式のアンホプロピオン酸塩:
【化31】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン]。例としては、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、及びM=Na)、及びココアンホプロピオン酸ナトリウム(RCO=ココアシル、及びM=Na)が挙げられる。
【0070】
下式のアンホジプロピオン酸塩:
【化32】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン。例としては、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(RCO=ラウロイル、及びM=Na)、及びココアンホジプロピオン酸二ナトリウム(RCO=ココアシル、及びM=Na)が挙げられる。
【0071】
下式のアンホヒドロキシプロピルスルホン酸塩:
【化33】
式中、RCO=C~C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物、及びM=一価の陽イオン(ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(RCO=ラウロイル、及びM=Na)、及びココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(RCO=ココアシル、及びM=Na)など)。
【0072】
他の例としては、アンホヒドロキシアルキルリン酸塩及びアルキルアミドアルキルアミンオキシドが挙げられる。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、組成物は非イオン性界面活性剤を含むことができる。非イオン性界面活性剤の好適な濃度は、約0重量%~15重量%、一般的には約1~10重量%、より一般的には約2重量%~6重量%である。本明細書で使用するところの「非イオン界面活性剤」なる用語は、静電荷を有さない界面活性剤分子を指す。様々な非イオン界面活性剤のいずれも本発明における使用に適している。好適な非イオン界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、脂肪アルコール、酸、又はアミドエトキシレート、モノグリセリドエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、アルキルポリグルコシド、及びそれらの混合物などが挙げられる。特定の好ましい非イオン界面活性剤としてはポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体が挙げられ、当該ポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体は、(1)(a)約8~約22個、好ましくは、約10~約14個の炭素原子を含有する脂肪酸、及び(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、α-メチルグルコシド、1分子当たり平均約1~約3個のグルコース残基を有するポリグルコース、グリセリン、ペンタエリスリトール、及びそれらの混合物から選択されるポリオールから誘導され、(2)平均で約10~約120個、好ましくは約20~約80個のエチレンオキシ単位を含有し、(3)ポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体1モル当たり平均で約1~約3個の脂肪酸残基を有する。ポリオールエステルのそのような好ましいポリエチレンオキシ誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、PEG-80ラウリン酸ソルビタン及びポリソルベート20が挙げられる。PEG-80ラウリン酸ソルビタンは、平均で約80モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたラウリン酸のソルビタンモノエステルである。ポリソルベート20は、約20モルのエチレンオキシドと縮合されたソルビトールとソルビトール無水物との混合物のラウレートモノエステルである。
【0074】
別の部類の好適な非イオン界面活性剤としては、長鎖アルキルグルコシド又はポリグルコシドが挙げられ、これらは(a)約6~約22個、好ましくは約8~約14個の炭素原子を含有する長鎖アルコールと(b)グルコース又はグルコース含有ポリマーとの縮合生成物である。好ましいアルキルグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たり約1~約6個のグルコース残基を含む。好ましいグルコシドの1つとしてデシルグルコシドがあり、これはデシルアルコールとグルコースオリゴマーとの縮合生成物である。
【0075】
好適な非イオン性界面活性剤の別の部類として、ポリグリセロール非イオン性界面活性剤がある。ポリグリセロール非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ラウリン酸ポリグリセロール-10などのポリグリセロールエステル(PGE)が挙げられる。
【0076】
本明細書で使用するところの「ポリグリセリル非イオン性界面活性剤」なる用語は、ポリグリセリル部分と1つ以上の疎水性部分とからなる1つ以上の非イオン性親水性セグメントを含む両親媒性分子を意味する。ポリグリセリル非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ポリグリセリルエステル(PGE)、例えばラウリン酸ポリグリセリル-10(式中、PG=10個のグリセリル繰り返し単位を含むポリグリセリル部分、及びR=C1123):
【化34】
並びに、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10、ヤシ脂肪酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、パルミチン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-12などが挙げられる。本発明のPGEは、複数のエステル置換基を有するポリグリセリル部分を含むことができる(すなわち、PGEはモノエステル、ジエステル、トリエステル等であり得る)。他のポリグリセリル非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリルエーテル、例えばポリグリセリル-10ラウリルエーテル(式中、PG=10個のグリセリル繰り返し単位を含むポリグリセリル部分、及びR=C1225):
【化35】
などが挙げられる。更に他のポリグリセリル非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリルソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリグリセリル-20ラウリン酸ソルビタン(式中、PG=ポリグリセロール、すべてのPGの繰り返し単位の合計=20個、及びR=C1123)(Croda International PLC社に譲渡されたBevinakattiらによる国際特許公開第2009/016375号を参照)が挙げられる。
【0077】
【化36】
【0078】
別の部類の適した非イオン界面活性剤は、コカミドMEA及びコカミドDEA等のアルカノールアミドを含む。
【0079】
本発明の特定の実施形態では、組成物は無機塩を更に含んでもよい。本発明への使用に適した無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、並びに塩を含有する他の一価イオン及び多価イオンが挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、本発明の組成物は、約0.05重量%~約6重量%の無機塩、又は約0.1重量%~約4重量%の無機塩、又は約0.1重量%~約2重量%の無機塩、又は約0.1重量%~約1.5重量%の無機塩を含む。
【0080】
本発明の特定の実施形態では、組成物は陽イオン性界面活性剤を更に含んでもよい。本発明での使用に適した陽イオン性界面活性剤の部類としては、これらに限定されるものではないが、アルキル四級塩(モノ、ジ、又はトリ)、ベンジル四級塩、エステル四級塩、エトキシ化四級塩、アルキルアミン、及びこれらの混合物が挙げられ、この場合、アルキル基は約6個の炭素原子~約30個の炭素原子を有しているが、約8個~約22個の炭素原子が好ましい。
【0081】
本発明の組成物は、パーソナルケア製品(例えば皮膚科用)又は化粧用配合物に一般的に使用される、活性成分を含む任意の他の成分又は添加剤を更に含有してもよい。更なる成分又は添加剤の例としては、これらが組成物の他の成分と物理的及び化学的相溶性を有するものとして、界面活性剤、乳化剤、粘度調整剤、潤滑剤、キレート剤、充填剤、結合剤、酸化防止剤、防腐剤及び防腐剤促進剤(preservative booster)、染料、緩衝剤、pH調整剤、溶媒、並びに活性成分、芳香剤、剥離剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、顔料及び乳白剤などの有益剤がある。活性成分としては、これらに限定されるものではないが、抗炎症剤、抗細菌剤、抗真菌剤、かゆみ止め剤、保湿剤、植物抽出物、ビタミンなどが挙げられる。本質的に無機成分であっても有機成分であってよい日焼け止め活性物質も含まれる。
【0082】
本発明の組成物は、「高分子電解質コンディショニング系」の一部をなさない、増粘剤、懸濁剤、及びレオロジー変性剤を更に含むことができる。例としては、これらに限定されるものではないが、a)Cyamopsis tetragonoloba(グアー)ガム、カシアガム、微結晶セルロース、セルロースのエトキシ化及び非エトキシ化誘導体(例えばヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、及びヒドロキシプロピルグアーを含む天然由来の多糖類、b)界面活性剤反応性マイクロゲル(例えば米国特許第9,096,755(B2)号に記載。例としてはアクリレート/ベヘネス-25メタクリレート/HEMAクロスポリマー及びアクリレート/ベヘネス-25メタクリレート/HEMAクロスポリマー-2が挙げられる)及びアクリレート/アミノアクリレート/C10~30アルキルPEG-20イタコン酸コポリマーなどのアクリレートポリマーを含む合成ポリマー、c)コカミドMIPA、ラクチル乳酸ラウリル若しくはセスキカプリル酸ソルビタンなどのミセル状増粘剤、又はジステアリン酸PEG-150並びにジオレイン酸及びトリオレイン酸PEG-120メチルグルコースなどのポリエチレングリコール系増粘剤、並びにd)シリコーン、ワックス、粘土、シリカ、塩、天然及び合成エステル、又は脂肪酸アルコールなど、その他の増粘剤、並びにe)上記のものの2つ以上の組み合わせなどが挙げられる。
【0083】
防腐剤及び防腐剤促進剤の例としては、これらに限定されるものではないが、有機酸(例えば安息香酸、乳酸、サリチル酸等)、ベンジルアルコール、カプリリルグリコール、デシレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、グルコノラクトン、メチルイソチアゾリノン(methylisothazolinone)、及び上記のものの2つ以上の組み合わせなどが挙げられる。
【0084】
本発明の組成物は、分散された不溶性粒子を含んでもよい。分散粒子は、油滴、ジンクピリチオン粒子、雲母粒子、コロイド状オートミール、及び破砕したクルミの殻などの有益剤であり得る。本発明の組成物では、少なくとも0.025重量%の分散粒子、より好ましくは少なくとも0.05重量%、更により好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも0.25重量%、いっそうより好ましくは少なくとも0.5重量%の分散粒子を組み込むことが好ましい。本発明の組成物では、約30重量%以下の分散粒子、より好ましくは約15重量%以下、更により好ましくは10重量%以下の分散粒子を組み込むことが好ましい。
【0085】
本発明の組成物のpHは、好ましくは約3~約7、より好ましくは約3~約6.5、より好ましくは約3~約6、より好ましくは約3~約5.5、より好ましくは約3~約5、最も好ましくは約3~約4.5に調整される。組成物のpHは、配合の安定性及び性能(例えば、発泡性、穏和さ、及び粘度)が悪影響を受けない限り、3程度の低い値に調整されてもよい。組成物のpHは、例えば、クエン酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、塩酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせなど、任意の化粧品的に許容される有機酸又は無機酸を使用して、適切な酸価まで調整されてもよい。
【実施例
【0086】
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明をこれらの実施例に限定するためのものではない。
【0087】
実施例において使用される試験方法を以下に説明する。
乾燥沈殿物質量収率試験
以下の手順を用いて、希釈したクレンジング組成物中のコアセルベート沈殿物の測定を行った。最初に、2.5gのクレンジング組成物を、7.5gのDI水が入った20mLのガラス製シンチレーションバイアルに加えた。バイアルを閉じ、VWR Analogボルテックスミキサーで20秒間混合した。混合直後に1mLのバルク希釈溶液を1.5mLの微小遠心管にピペットで入れ、Mettler Toledo XS105化学天秤で予め秤量した。1mLの溶液が入った遠心管の質量を測定した後、管をVWR Galaxy微量遠心機で13,000rpmで遠心分離にかけた。遠心分離後、目視できる沈殿物が観察された場合には、上清をピペットで除き、高分子電解質を豊富に含む沈殿物のみを残した。次いで遠心管をキャップを開いた状態で一晩50℃のオーブンに入れて沈殿物から水を除去した。次いで、乾燥沈殿物のみを有する遠心管を再び秤量した。次いで全希釈溶液及び乾燥沈殿物の質量を、1mLの希釈溶液の入った遠心管の測定値及び乾燥沈殿物の入った遠心管の測定値のそれぞれから遠心管の質量を差し引くことによって計算した。
【0088】
乾燥沈殿物質量収率を、微小遠心管に加えられた希釈溶液中に含有される陽イオン性高分子電解質及び陰イオン性高分子電解質の全質量に対する乾燥沈殿物質量の比として計算した。場合によっては、管の底に固体/粘稠沈殿物が現れる代わりに、単一相が観察された。これらの試料は、希釈/遠心分離に際して単一相を呈するものとして指定され、乾燥沈殿物質量収率は0として記録される。
【0089】
粘度試験及び有意な粘度変化の基準:
クレンジング組成物の見かけ粘度の測定を、応力制御されたレオメーター(AR-2000、TA Instruments社(New Castle,DE,USA)で行った。定常状態のせん断速度の掃引を、円錐プレート型(直径50mm、円錐角1°)を使用して25.0±0.1℃で行った。データの取得及び分析は、Rheology Advantageソフトウェアv5.7.0(TA Instruments社(New Castle,DE,USA))で行った。中間のせん断粘度を、せん断速度10s-1での定常状態流量測定値から記録し、センチポアズ(cps)で示す。低いせん断粘度を、せん断速度1s-1での定常状態流量測定値から記録し、センチポアズ(cps)で示す。
【0090】
本明細書で使用するところの最小有意変化閾値は、ηを上記に述べたプロトコールを用いて測定した粘度として、Δη最小=82.65×η0.396として定義される。検出可能な粘度差間のこの関係は、定性的観察結果、文献からの値、及び物理値と知覚される大きさとの間のべき乗則関係の一般的な予測と一致している(Bergmann Tiest,W.M.,Vision Research,109,2015,178~184,Bergmann Tiest et al.,IEEE Transactions on Haptics,6,2013,24~34,Stevens,J.C.& Guirao,M.,Science,144,1964,1157~1158)。ここで、高分子電解質が粘度ηの組成物に加えられる場合には、粘度の観察可能/知覚可能な変化であるとするうえで必要な最小粘度をη最小=Δη最小+η=82.65×η00.396+ηとして定義する。
【0091】
降伏応力試験
本明細書で使用するところの「降伏応力」とは、粘弾性材料/試料が固体が支配する挙動を有することを示す。換言すれば、振幅掃引の低歪み/応力のプラトー領域では、弾性率が粘性率よりも高くなければならない。降伏応力の値は、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’との交点における応力として記録され、パスカル(Pa)で表される。
【0092】
本発明のクレンジング組成物は、高分子電解質コンディショニング系に伴う又はこれに起因する降伏応力の値を実質的に示さない。すなわち、組成物は、高分子電解質コンディショニング系中に陰イオン性高分子電解質を、本明細書に述べられる方法によって測定されたときに、測定可能な降伏応力又は降伏応力の値の増加を組成物にもたらすのに充分な量では含有しない。測定可能な降伏応力の値の増加は、一般的には約0.01Pa以上、又はより一般的には約0.05Pa以上、又は更により一般的には約0.1Pa以上である。
【0093】
クレンジング組成物の降伏応力の値の測定を、応力制御されたレオメーター(AR-2000、TA Instruments社(New Castle, DE, USA)で行った。0.1%~1000%の振動歪み増幅掃引を、1rad/sの振動周波数で円錐プレート型(直径50mm、円錐角1°)を使用して25.0±0.1℃で行った。データの取得及び分析は、Rheology Advantageソフトウェアv5.7.0(TA Instruments社(New Castle,DE,USA))で行った。降伏応力の値は、それ以下では貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回り、それ以上ではG’’がG’を上回る振動応力とする。機器の感度よりも高いどの振動応力でもG’がG’’を上回らない場合には、降伏応力は0Paとする。特に断らない場合には、降伏応力の値はパスカル(Pa)で示す。
【0094】
エリプソメトリーに基づく高分子電解質付着試験
モデル表面上でクレンジング時の比較例及び本発明の実施例の高分子電解質付着効率の評価を行い、エリプロメトリーを用いて測定した。最初に、2.5gのクレンジング組成物を、40℃に加熱した7.5gのDI水が入った20mLのガラス製シンチレーションバイアルに加えた。バイアルを閉じ、VWR社製Analogボルテックスミキサーで20秒間攪拌した。攪拌直後に、100μLの希釈溶液を、試験グレードのシリコンウェハ(University Wafer社)の2cm×2cmの切断チップ(脱イオン(DI)水及びエタノールで予め洗浄し、乾燥したもの)上にピペットで加え、表面上に塗り広げ、30秒間置いた。シリコンウェハを約45°に傾けた後、40℃のDI水5mLをシリコンチップ上に滴下して、希釈クレンジング溶液を表面から洗い流した。次いでチップをワイプで軽く叩いて3~4分間乾燥させた。
【0095】
シリコンウェハ上の付着物の厚さを、クレンジング溶液による処理の前後に各チップの5箇所の異なる位置でα-SE分光エリプソメーター(J.A.Woolam社)で測定した。層の厚さを、CompleteEASE(登録商標)ソフトウェアパッケージを使用し、シリコン基板上の透明フィルムの生のエリプソメトリーデータに対して標準フィットを適用することにより計算する。次いで、最終的な平均の付着層の厚さを、希釈組成物を塗布した後で測定した平均の層の厚さから希釈組成物を塗布する前に測定した平均の層の厚さを差し引くことにより計算する。
【0096】
ジメチコン付着試験
本発明の実施例及び比較例からの皮膚上のシリコーン付着効率の評価をヒト志願者の前腕で行い、ヒトの皮膚上のシリコーンに対して以前に行われている評価(Klimisch,H.M.& G.Chandra,J.Soc.Cosmet.Chem.,37,1986,73~87)と同様の減衰全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR-FTIR)を用いて測定した。ATR-FTIR測定値は、REMSPEC IR TissueView(商標)ATR FTIR分光計を使用して得た。取得したスペクトルは、900cm-1~3500cm-1の波数の範囲にわたって2cm-1間隔で取った。
【0097】
約0.65μmのジメチコン液滴径を有する予め乳化した充分な量のジメチコンを配合物に組み込むことで、最終配合物中5重量%の活性ジメチコンとすることにより、本発明の実施例及び比較例のジメチコン含有配合物を調製した。例えば、0.78gのXiameter MEM-1352(活性ジメチコン64重量%)を9.22gの配合物に加え、配合物10.0g中、全体で0.5gのジメチコンとした。
【0098】
最初に被験者の前腕掌側面を、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES,活性成分5重量%)、コカミドプロピルベタイン(CAPB,活性成分5重量%)、NaCl、及び安息香酸ナトリウムからなる、pH4.5に調整したクレンジング組成物で洗浄し、よく洗い流し、滅菌ワイプで乾かした。次いで、5cm×7cmの長方形の領域を前腕掌側面上にマークした。次いで、マークした領域の中心においてATR-FTIRスペクトルを取得した。次いで、100μLのジメチコン含有配合物及び100μLのDI水を前腕のマークした領域に塗布し、実験用手袋をはめた人差し指(index finger)及び人差し指(forefinger)でこの領域全体を30秒間静かに擦った。配合物を前腕上に更に30秒間置いた後、前腕をスプレー蛇口からの37℃の水の流れ(流速3L/分)の15cm(6インチ)下に(マークした領域の中心にスプレーの中心を合わせて)10秒間置いた。洗い流した後、前腕を少し振り、マークした領域の外側の腕を滅菌ワイプで乾かし、マークした領域を空気乾燥させた(5~10分間)。乾燥後、マークした領域の中心において900cm-1~3500cm-1のATR-FTIRスペクトルを取得した。
【0099】
それぞれの取得されたATR-FTIR吸光度スペクトルについて、シリコーン(Si)のピーク(1240~1280cm-1)及びアミドIIのピーク(1487~1780cm-1)のそれぞれのベースラインを差し引いた後、シリコーンピーク(1240~1280cm-1)の吸光度の値をアミドIIピークの下の総面積(1487~1780cm-1の吸光度の値の総和)により正規化した。次いで、シリコーン含有試験配合物で洗浄する前のSiピークの吸光度の値を、シリコーン含有試験配合物で洗浄した後のSiピークの吸光度の値から差し引いた。次いで、1260cm-1におけるSiピークの吸光度の値を、これまでの研究(Klimisch,H.M.& G.Chandra,J.Soc.Cosmet.Chem.,37,1986,73~87)で皮膚上のジメチコン濃度の尺度として用いられているのと同様に、相対的なジメチコン付着の尺度として用いる。
【0100】
本発明の実施例及び比較例の調製
本発明の実施例及び比較例を、異なる種類の配合成分(すなわち異なる供給業者からの原材料)を用いて調製した。これらの材料を、INCI/材料名、略称、商品名及び供給業者とともに以下に記載する。
【0101】
陰イオン界面活性剤
ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)はBASF社よりTexapon(登録商標)N70として入手した。
オレフィン(C14~C16)スルホン酸ナトリウムは、Stepan社よりBio-Terge(登録商標)AS-40CGKとして入手した。
トリデセス硫酸ナトリウムは、Stepan社よりCedepal(登録商標)TD403MFLDとして入手した。
【0102】
双極性イオン性/両性/非イオン性界面活性剤
コカミドプロピルベタイン(CAPB)は、特にEvonik社からのTego(登録商標)Betain L7Vとして指定されないかぎりは、Evonik社よりTego(登録商標)Betain F50として入手した。
ココベタインはSolvay社よりMackam(登録商標)C35として入手した。
コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(CAPHS)は、Solvay社よりMirataine(登録商標)CBSとして入手した。
PEG-80ラウリン酸ソルビタンは、Croda社よりTween-28(登録商標)LQ(AP)として入手した。
【0103】
陽イオン性(第四級)コンディショニング高分子電解質
ポリクオタニウム-7(PQ-7)は、Lubrizol社よりMerquat(登録商標)7SPRとして入手した。
ポリクオタニウム-10(PQ-10)は、Dow Chemical社よりUcare(登録商標)JR-400として入手した。
グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(陽イオン性グアーガム)は、Solvay社よりJaguar(登録商標)C500として入手した。
ポリクオタニウム-5(PQ-5)は、Lubrizol社よりMerquat(登録商標)5として入手した。
ポリクオタニウム-28(PQ-28)は、Ashland社よりConditioneze(登録商標)NT-20として入手した。
ポリクオタニウム-44(PQ-44)は、BASF社よりLuviquat(登録商標)UltraCare AT-1として入手した。
【0104】
陰イオン性高分子電解質
アクリル酸カリウムコポリマーは、Lubrizol社より入手した。
アクリレートコポリマーは、Lubrizol社よりCarbopol(登録商標)Aqua SF-1として入手した。
ポリアクリレート-33は、Solvay社よりRheomer(登録商標)33Tとして入手した。
キサンタンガムは、Vanderbilt Minerals社よりVanzan(登録商標)NFとして入手した。
カルボキシメチルセルロース(CMC)は、Ashland社よりAqualon(登録商標)CMC 7MFとして入手した。
ポリアクリル酸ナトリウム(架橋されたもの)は、Evonik Stockhausen社よりAP 80HSとして入手した。
【0105】
湿潤剤
グリセリンは、P&G Chemicals社よりMoon OUグリセリンとして入手した。
【0106】
キレート剤
EDTA二ナトリウムは、Dow社よりVersene(登録商標)NAとして入手した。
EDTA四ナトリウムは、Dow社よりVersene(登録商標)100XLとして入手した。
【0107】
有機酸/防腐剤
安息香酸ナトリウム、NF、FCCは、Emerald Performance Materials社より入手した。
Phenonip XBは、Clariant社より入手した。
クオタニウム-15は、DAW社よりDowicil(登録商標)200として入手した。
【0108】
有益剤
グリコール酸ナトリウムは、Acros Organics社より入手した。
予め乳化されたジメチコンは、Dow Corning社よりXiameter(登録商標)MEM-1352として入手した。
【0109】
その他
ヘキシレングリコールは、Penta International社より入手した。
芳香剤は、Firmenich社よりLuxury 475537 Fとして入手した。
ココアンホ二酢酸二ナトリウムは、Croda社よりCrodateric(登録商標)
CDA 40-LQ-(AP)として入手した。
脱イオン水(DI水、以下の実施例では水とも呼ばれる)は、Progard(商標)2フィルターを備えたMillipore Direct-Q(商標)Systemから入手した。
【0110】
特に断らないかぎり、すべての成分製品は、入手したものをそのまま、組成物が結果として得られる重量%の量の活性物質を含有するような量で加えた。例えば、コカミドプロピルベタイン(表3aに示される)の3.5重量%活性成分は、39重量%の活性を有する9重量%のTegoベタインF50に相当する。すなわち、3.5重量%/39重量%=9重量%。
【0111】
本発明の実施例E1~E24及び比較例C1~C24、C29~C34の調製
本発明の実施例E1~E24及び比較例C1~C24、C29~C34を以下のようにして調製した。すなわち、ホットプレート及びオーバーヘッド機械式スターラーを備えた適当なサイズの容器に、必要な量のDI水及び陰イオン性高分子電解質を加え、混合物が均質となるまで200~250rpmで混合した。次いで、陰イオン性及び双極性イオン性/両性界面活性剤を加え、溶液が均質となるまで混合した。次いで、水酸化ナトリウム及び/又はクエン酸の水溶液を加えて6.4~6.6の所望のpHの値に調整した。pHが安定した時点で、陽イオン性高分子電解質を混合物に加えた。水性懸濁液として予め供給されている陽イオン性高分子電解質の場合には、高分子電解質溶液を混合物に直接、ゆっくりと滴下して加えた。乾燥粉末として提供される高分子電解質の場合には、DI水に加えた高分子電解質の9重量%プレミックスを最初に調製し、これを混合物にゆっくりと滴下して加えた。混合物が均質となった時点で、塩化ナトリウム及び安息香酸ナトリウムを加え、均質となるまで再び混合した。次いで、水酸化ナトリウム及び/又はクエン酸をDI水に加えた水溶液を室温で加えて所望のpH(特に断らないかぎりはpH4.4~4.6)に調製した。適量のDI水を加えて100重量%とし、このバッチを均一となるまで混合した後、適当な保存容器に排出させた。
【0112】
(実施例1a)
陰イオン性高分子電解質及び陽イオン性高分子電解質を異なる重量比で組み込んだ本発明の実施例(E1~E3)及び比較例(C1~C3)の沈殿物の測定
表1aに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C1~C3及び本発明の実施例E1~E3は、同じ量及び種類の界面活性剤(9重量%のSLES、2重量%のCAPB)、陽イオン性高分子電解質(0.6重量%のPQ-10)、塩及び防腐剤を含むが、陰イオン性高分子電解質、詳細には周知のレオロジー変性剤かつ懸濁剤であるアクリレートコポリマーの添加量が異なる配合物である。表1aに示されるように、本発明の実施例E1~E3は、陰イオン性高分子電解質を含有しない比較例C1と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。これに対して、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.2よりも大きい比較例C2~C3は(詳細にはそれぞれ1.67及び2.5)、C1と比較して乾燥沈殿物質量収率の向上を示していない。
【0113】
【表1】
【0114】
(実施例1b)
陰イオン性高分子電解質及び陽イオン性高分子電解質を異なる重量比で組み込んだ本発明の実施例(E4~E6)及び比較例(C4~C6)の沈殿物の測定
表1bに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C4~C6及び本発明の実施例E4~E6は、同じ成分を異なる濃度及び比率で含有し、特により低い濃度の陽イオン性高分子電解質PQ-10(0.2重量%)を含有する配合物である。表1bに示されるように、本発明の実施例E4~E6は、陰イオン性高分子電解質を含有しない比較例C4と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。これに対して、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.2よりも大きい比較例C5~C6は(詳細にはそれぞれ1.5及び2.5)、C4と比較して乾燥沈殿物質量収率の向上を示していない。
【0115】
【表2】
【0116】
(実施例2a)
合成陽イオン性高分子電解質(PQ-7)を使用した本発明の実施例(E7)及び比較例(C7及びC8)の沈殿物の測定
表2aに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C7~C8及び本発明の実施例E7は、同じ量及び種類の界面活性剤(9重量%のSLES、2重量%のCAPB)、陽イオン性高分子電解質(0.6重量%のPQ-7)、塩及び防腐剤を含むが、陰イオン性高分子電解質、詳細にはアクリレートコポリマーの添加量が異なる配合物である。これらの組成物は、使用される陽イオン性高分子電解質の種類のみが表1aに示されるものと異なっている(天然由来のセルロース系PQ-10の代わりに合成PQ-7)。表2aに示されるように、本発明の実施例E7は、陰イオン性高分子電解質を含有しない比較例C7と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の比が1.2よりも大きい(詳細には2.5)比較例C8は、陰イオン性高分子電解質を含有しない比較例C7と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0117】
【表3】
【0118】
(実施例3a~b)
異なる界面活性剤濃度、比率、及び化学的特性を有する本発明の実施例(E8~E9)及び比較例(C9~C12)の沈殿物の測定
表3a~3bに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C9~C12及び本発明の実施例E8~E9は、選択された陽イオン性高分子電解質、陰イオン性高分子電解質、塩、及び防腐剤の濃度を表1a及び2aと同じとしたが、界面活性剤の全体濃度をより低くし(全体で7重量%)、陰イオン性界面活性剤と双極性イオン性界面活性剤との重量比が異なる(1:1SLES:CAPB)配合物である。表3a及び3bに示されるように、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が0.17である本発明の実施例E8及びE9は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例(それぞれC9及びC11)と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が2.5である比較例C10及びC12は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例(それぞれC9及びC11)と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】
(実施例3c)
異なる界面活性剤濃度、比率、及び化学的特性を有する本発明の実施例(E10)及び比較例(C13~C14)の沈殿物の測定
表3cに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C13~C14及び本発明の実施例E10は、選択された陽イオン性高分子電解質、陰イオン性高分子電解質、塩、及び防腐剤の濃度を表1a及び2aと同じとしたが、化学的特性の異なる陰イオン性界面活性剤(SLESの代わりにC14~C16オレフィンスルホン酸ナトリウム)及び両性/双極性イオン性界面活性剤(CAPBの代わりにCPAHS)を使用した配合物である。表3cに示されるように、本発明の実施例E10は、陰イオン性高分子電解質を含有しないその対応する比較例C13と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が2.5である比較例C14は、陰イオン性高分子電解質を含有しないその対応する比較例C13と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0122】
【表6】
【0123】
(実施例4a~4d)
異なる合成及び天然由来の陽イオン性高分子電解質を使用した本発明の実施例(E11~E14)及び比較例(C15~C22)の測定
表4a~4dに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C15~C22及び本発明の実施例E11~E14は、選択された陰イオン性高分子電解質、塩、及び防腐剤の濃度を表3aと同じとしたが、化学的特性の異なる陽イオン性高分子電解質(0.6重量%の活性成分)、詳細にはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、PQ-5、PQ-22、及びPQ-44を使用した配合物である。表4a~4dに示されるように、本発明の実施例E11~E14は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例(それぞれ、C15、C17、C19、及びC21)と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.2よりも大きい(詳細には2.5)比較例C16、C18、C20、及びC22は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例(それぞれC15、C17、C19、及びC21)と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
【表9】
【0127】
【表10】
【0128】
(実施例5)
非架橋、低分子量の陰イオン性高分子電解質を使用した本発明の実施例(E15~E17)及び比較例(C7、C11、C23、C24)の沈殿物の測定
表5aに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C7、C11、C23及びC24並びに本発明の実施例E15~E17は、PQ-7を異なる比率のSLES及びCAPBとともに組み込む、表2a及び3bの組成物と同様の配合物であるが、この場合、これらの組成物は、別の陰イオン性高分子電解質、詳細にはアクリル酸カリウムコポリマーを組み込んでいる。架橋されているアクリレートコポリマー(Carbopol(登録商標)AQUA SF-1)とは異なり、アクリル酸カリウムコポリマーは、比較的低分子量の非架橋高分子電解質である。表5a及び5bに示されるように、本発明の実施例E15~E17は、陰イオン性高分子電解質を含有しない対応する比較例C11及びC7と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.2よりも大きい(詳細には2.5)比較例C23及びC24は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例(それぞれC11及びC7)と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0129】
【表11】
【0130】
【表12】
【0131】
(実施例6)
比較例(C25~C28)の調製及び沈殿物の測定
表6aに示される比較例C25及びC26は、国際特許公開第2005/023969号の実施例10及び11と同様に調製したものである。原材料の選択及び配合プロセスは、入手可能な市販の材料を用い、この公報に記載される材料及びプロセスと同様としている。これらの組成物は以下のようにして調製した。
【0132】
50重量%のDI水をビーカーに加えた。アクリレートコポリマーを含む場合は、混合下でこの水に加えた。次いで、PEG-80ラウリン酸ソルビタンを混合下でこれに加えた。これに以下の成分、すなわち、コカミドプロピルベタイン(Tego Betain L7V)、トリデセス硫酸ナトリウム、グリセリン、ポリクオタニウム-10、クオタニウム-15及びEDTA四ナトリウムを別々に加え、それぞれ得られた混合物が均質となるまで混合した。この後、得られた溶液のpHを20重量%の水酸化ナトリウム溶液又は20重量%のクエン酸溶液で約6.3~6.6の最終的なpHが得られるまで調整した。この後、残りの水を加えた。
【0133】
乾燥沈殿物質量収率を、本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定した。表6aに示されるように、比較例C26は、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.86であり、陰イオン性高分子電解質を含有しないその対応する比較例C25と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0134】
【表13】
【0135】
表6bに示される比較例C27及びC28は、米国特許第7,776,318号の実施例4及び1に合わせてそれぞれ調製した。これらの配合物に対する唯一の変更点は、配合物中に可溶化されず、希釈時に沈降する乳白剤であるジステアリン酸グリコールを加えていない点である。このような懸濁化された固体は本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験の妨げとなるため、これらの組成物の高分子電解質沈殿特性の考察に支障をきたさないように、以下の配合物からは除外している。それ以外の原材料の選択及び配合プロセスは、現時点で入手可能な市販の材料を用い、この特許に記載される材料及びプロセスと同様としている。これらの組成物は以下のようにして調製した。
【0136】
水、防腐剤、グリセリン、及びヘキシレングリコールを、ホットプレート及びオーバーヘッド機械式スターラーを備えた適切なサイズの容器に加えた。バッチを50℃にまで加熱した後、ラウレス硫酸ナトリウムの一部を完全に溶解するまで加えた。次いで、EDTA二ナトリウム、ポリクオタニウム-7、及びアクリレートコポリマーを、各追加成分の間に完全かつ均一な分散が観察されるように充分な時間をおいて順に加えた。次いで、希釈水酸化ナトリウムを加えて溶液のpHを6.4~6.6に調整した。次いで、混合物に芳香剤を加えた。
【0137】
この後、ココベタイン、次いでココアンホ二酢酸二ナトリウムを加える。この後、グリコール酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを加える。最後に、水酸化ナトリウム及び/又はクエン酸の希釈溶液を用いて溶液のpHを6.4~6.6に調整し(防腐剤としてPhenonip XBを含有する実施例について)、残りの水を適量加えて100重量%とした。このバッチを均一となるまで混合した後、適切な保存容器に移した。
【0138】
乾燥沈殿物質量収率を、本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定した。表6bに示されるように、組成物C28は、陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が2.36であり、陰イオン性高分子電解質を含有しない対応する比較例C27と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0139】
【表14】
【0140】
(実施例7a~7g)
化学特性の異なる陰イオン性高分子電解質を使用した本発明の実施例(E18~E24)及び比較例(C9、C11、C29~32)の沈殿物の測定
表7a~7gに乾燥沈殿物質量収率(本明細書に述べられる乾燥沈殿物質量収率試験にしたがって測定したもの)とともに示される比較例C9、C11、C29~32及び本発明の実施例E18~E24は、選択された陰イオン性高分子電解質、塩、及び防腐剤の濃度を表3a~3bと同じとしたが、異なる濃度及び化学的特性の陰イオン性高分子電解質を使用した配合物である。表7a~7gに示されるように、本発明の実施例E18~E24は、陰イオン性高分子電解質を含まないそれらの対応する比較例C9及びC11と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大を示している。陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比が1.2よりも大きい(詳細には2.5又は3.33)比較例C29~34は、陰イオン性高分子電解質を含有しないそれらの対応する比較例C9及びC11と比較して乾燥沈殿物質量収率の測定可能な増大は示していない。
【0141】
【表15】
【0142】
【表16】
【0143】
【表17】
【0144】
【表18】
【0145】
【表19】
【0146】
【表20】
【0147】
【表21】
【0148】
(実施例8a~8e)
本発明の実施例(E1~E3、E7~E9、E18~E20)及び比較例(C1~C3、C7~C12、C29~31)のレオロジー特性の比較
上記に記載した比較例及び本発明の実施例のうちの選ばれたものを、本明細書に述べられる粘度試験及び降伏応力試験にしたがって試験した。表1aに示される組成物のレオロジー特性を表8aに示す。向上した沈殿性を示す(上記表1aに示したような)本発明の実施例E1~E3に含まれるアクリレートコポリマーの量は、本明細書に述べられる陰イオン性高分子電解質を含まない系と比較して顕著な/知覚される粘度の変化を示すために必要な最小値であるη最小を上回る値にまで測定粘度を増大させるのに充分ではない。同様に、本発明の組成物E1~E3は測定可能な降伏応力の値を示さない。測定可能な降伏応力及び粘度の顕著な増大を生じさせるのに充分なアクリレートコポリマー(1~1.5重量%)が含まれているのは、比較例C2~C3(いずれも向上した沈殿性を示さない)のみである。したがって、本発明の実施例E1~E3中の架橋ASEアクリレートコポリマーの使用は、懸濁剤、増粘剤、又はレオロジー変性剤としての高分子電解質の規定の使用の範囲外のものである。
【0149】
【表22】
【0150】
表8b~8dに示されるように、アクリレートコポリマーの使用も同様に、異なる界面活性剤のブレンド及び異なる化学特性の陽イオン性高分子電解質を含む本発明の実施例において測定可能な降伏応力も粘度の顕著な変化も与えないことが示されている。
【0151】
【表23】
【0152】
【表24】
【0153】
【表25】
【0154】
代替的な陰イオン性レオロジー変性高分子電解質(詳細にはカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート-33、及びキサンタンガム)を使用した本発明の実施例E18及びE19のレオロジー特性を表8eに示す。この場合もやはり、増大した高分子電解質の沈殿性に必要とされる低濃度でのこれらの陰イオン性高分子電解質の使用は、降伏応力も粘度の顕著な変化も与えていない。したがって、本発明の実施例におけるこれらの代替的な陰イオン性レオロジー変性剤の使用は、懸濁剤、増粘剤、又は粘度変性剤としてのそれらの規定の使用の範囲外のものである。
【0155】
【表26】
【0156】
(実施例9)
本発明の実施例(E1)及び比較例(C1、C3)のインビトロ基材上のクレンジング高分子電解質フィルムの付着性の比較
陰イオン性高分子電解質(表1aに示されるC1、E1及びC3)の濃度以外は同様の組成を有する一組の比較例及び本発明の実施例について、フィルム/高分子電解質の付着効率を、本明細書に述べるような「エリプソメトリーに基づく高分子電解質付着試験」にしたがって評価する。表9に示される結果は、本発明の実施例E1が比較例C1及びC3(それぞれ陰イオン性/陽イオン性高分子電解質の活性成分の重量比0及び2.5)と比較して約40%の付着したフィルムの厚さの増大を示したことを示している。
【0157】
【表27】
【0158】
(実施例10)
本発明の実施例(E9)及び比較例(C11)の皮膚感触の評価及び比較
比較例C8及び本発明の実施例E6(表3bに示される陰イオン性高分子電解質の濃度以外は同様の組成を有する)で洗浄してから乾燥させた後の皮膚感触を、感覚評価試験にしたがって3人の志願者により定性的に比較してもらった。この試験では、皮膚の平衡化の目的で、最初に参加者に1mLの標準界面活性剤溶液(活性成分5重量%のラウレス硫酸ナトリウム、活性成分5重量%のコカミドプロピルベタイン、pH4.5、DI水)で両手及び両前腕を洗浄してもらった。よく洗い流した後(35~45℃の水道水で約3L/分にて60秒間)、1mLの試験組成物(それぞれC8又はE6)を濡れた状態の掌に分注した。参加者に、両前腕上で両手を円を描くように動かすことによって30秒間、濡れた両手及び両前腕を洗ってもらった。洗い流した後(35~45℃の水道水で約3L/分にて30秒間)、参加者に両手及び両前腕をペーパータオルで軽く叩いて乾かしてもらい、およそ120秒間、完全に両手及び両前腕を空気乾燥してもらった。その後、参加者に、両手及び両前腕上で指を滑らせることによって皮膚の感触を感覚的に説明してもらった。比較例及び本発明の実施例の使用後の乾燥した皮膚の感覚の説明を表10に示す。0.1重量%のアクリレートコポリマーの添加により、相対乾燥沈殿物質量収率試験(表1aに示される)において測定される沈殿物の量が顕著に増大するばかりでなく、クレンジングによる結果としての皮膚の感触に対して一般的に一致した感想が、乾燥後に「柔らかい」から「粉末状に感じる」に変化することが本明細書に示されている。このことは、付着したフィルムの触感特性が変化したことを示すものである。
【0159】
【表28】
【0160】
(実施例11)
本発明の実施例(E11)及び比較例(C15)のヒトの皮膚に対する配合物の使用によるジメチコン付着性の比較
陰イオン性高分子電解質C15(陰イオン性高分子電解質を含まない)及びE11(0.1重量%のアクリレートコポリマー)(上記表4aに示される)の濃度以外は同じ組成を有する、0.6重量%のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを含有する一対の比較例及び本発明の実施例のジメチコン付着効率を、本明細書で述べたようなジメチコン付着試験にしたがって評価した。ヒトの皮膚上のジメチコンの濃度と相関している1260cm-1のSiピークの強度が表11に示されている。これらのデータは、比較例C15から本発明の実施例E11へのジメチコン付着性の顕著な改善を示している。
【0161】
【表29】
【0162】
〔実施の態様〕
(1) 化粧品的に許容される水性媒質中に、
a)陽イオン性高分子電解質と、
b)少なくとも1種類の界面活性剤と、
c)約0.01~約1.2重量%の陰イオン性高分子電解質と、
を含む、組成物であって、
前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の重量比が約0.05~約1.2であり、約0.01~約1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を、約0.05~約1.2の陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比で含有しない実質的に同じ組成物と比較した場合に、最小有意変化閾値(Δη最小)よりも小さい粘度変化を示し、かつ、測定可能な降伏応力も降伏応力の値の増大も示さない、組成物。
(2) 前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の重量比が、約0.1~約1である、実施態様1に記載の組成物。
(3) 約0.1重量%~約1重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含む、実施態様1に記載の組成物。
(4) 約0.1重量%~約1重量%の前記陽イオン性高分子電解質を含む、実施態様1に記載の組成物。
(5) 約0.1重量%~約0.8重量%の前記陽イオン性高分子電解質を含む、実施態様1に記載の組成物。
【0163】
(6) 約0.2重量%~約0.6重量%の前記陽イオン性高分子電解質を含む、実施態様1に記載の組成物。
(7) 約1重量%~約25重量%の前記界面活性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(8) 約3重量%~約15重量%の前記界面活性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(9) 前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、約0.01重量%~約1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を約0.05~約1の前記陽イオン性高分子電解質に対する前記陰イオン性高分子電解質の重量比で含まない実質的に同じ組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率よりも高い、実施態様1に記載の組成物。
(10) 前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、約0.01~約1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を約0.05~約1.2の陽イオン性高分子電解質に対する陰イオン性高分子電解質の重量比で含まない実質的に同じ組成物と比較して10%以上高められている、実施態様1に記載の組成物。
【0164】
(11) 前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、約0.01重量%~約1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含まない実質的に同じ組成物と比較して20%以上高められている、実施態様1に記載の組成物。
(12) 前記組成物の希釈時の乾燥沈殿物質量収率が、約0.01重量%~約1.2重量%の前記陰イオン性高分子電解質を含まない実質的に同じ組成物と比較して40%以上高められている、実施態様1に記載の組成物。
(13) 前記陰イオン性高分子電解質が、陰イオン性及び陰イオン化可能な(anionically-ionizable)モノマーを含有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される高分子電解質、陰イオン性及び陰イオン化可能な多糖類及びそれらの多糖類誘導体、並びに陰イオン性若しくは陰イオン化可能なポリペプチド若しくはタンパク質又はハイブリッド(コ)ポリマーからなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(14) 前記陽イオン性高分子電解質が、陽イオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される高分子電解質、陽イオン性及び陽イオン化可能な(cationically-ionizable)多糖類及びそれらの多糖類誘導体、並びに陽イオン性若しくは陽イオン化可能なポリペプチド若しくはタンパク質又はハイブリッド(コ)ポリマーからなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(15) 前記界面活性剤が、陰イオン性、双極性イオン性、非イオン性、及び陽イオン性界面活性剤からなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。