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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20221207BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20221207BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20221207BHJP
   B60Q 3/217 20170101ALI20221207BHJP
   B60Q 3/54 20170101ALI20221207BHJP
   B60Q 3/82 20170101ALI20221207BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221207BHJP
【FI】
F21V17/00 200
H01L33/00 H
F21V19/00 130
B60Q3/217
B60Q3/54
B60Q3/82
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019027861
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020136068
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
(72)【発明者】
【氏名】成田 一真
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-4501(JP,A)
【文献】特開2019-21582(JP,A)
【文献】特表2018-502433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
H01L 33/00
F21V 19/00
B60Q 3/217
B60Q 3/54
B60Q 3/82
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性部材と、
前記導電性部材に接続される発光素子と、
該導電性部材を保持し、前記導電性部材の少なくとも一部がインサートされるとともに、前記発光素子が配置される第一面部と、該第一面部の反対側の第二面部と、側面部とを有する保持部材と、
該保持部材を覆うよう前記保持部材に取り付けられるカバー部材と、を備え、
前記導電性部材は、前記側面部及び前記第二面部から外側に露出する露出部を有し、
前記カバー部材は、前記第二面部と前記導電性部材の前記露出部とを覆うよう前記保持部材に取り付けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記カバー部材は中空の直方体状に形成されていて、前記発光素子と対向するように配置されるレンズを有する前面部と、前記前面部の反対側に位置する背面部とを有し、前記前面部と前記背面部以外のいずれか一つの面に開口部が形成され、
前記保持部材は前記カバー部材の前記開口部から挿入され、前記カバー部材が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記背面部にスリットが形成されていて、
前記保持部材は、前記第二面部から突出し、前記カバー部材に挿入されるとき、前記カバー部材の前記スリットに係合する突出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記保持部材の前記突出部及び前記カバー部材の前記スリットは、前記保持部材が前記カバー部材に挿入される方向に沿って、長尺状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記カバー部材の前記スリットは、前記保持部材が挿入される前記開口部側にある前記背面部の端部から延びるよう、長尺状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記保持部材の挿入方向に対して直交する幅方向において前記保持部材の前記第二面部のほぼ中央に形成されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記カバー部材が前記保持部材に取り付けられた状態において、前記突出部は前記カバー部材の前記スリットと略隙間なく係合することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記カバー部材の内部において、前記保持部材が挿入される方向に沿って形成され前記保持部材をガイドすると共に挿入後に前記保持部材を支持するガイド部を備えることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記保持部材は、前記カバー部材の内部に挿入される実装部を備え、
前記実装部は、前記カバー部材の前記前面部と前記背面部との間の長さより厚さが薄い板状に形成されていて、前記ガイド部により前記カバー部材の内部において前記背面部側に密着して位置するよう支持されることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記実装部は平板状に形成され、前記保持部材は、前記カバー部材が前記保持部材に取り付けられたとき前記カバー部材の前記前面部に当接して前記カバー部材の開口を塞ぐ延出部を備えることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に発光素子を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内装用の照明として、例えばLED等の発光素子を備える照明装置が用いられることがある。例えば、特許文献1には、ケースに、発光素子が実装された回路と、回路の接続端子を取り付けた上で、ケースにレンズが設けられたカバーを嵌め込んで構成した照明装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-148184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術では、発光素子の量産工程において、複数の発光装置用の導電性部材がつながった状態となっており、樹脂ホルダ(保持部材)がインサート成形された後に、発光装置ごとに導電性部材が切断される。そのため、ケースの側面から回路の連結部を切断した露出部が露出している。樹脂ホルダには、レンズが形成され発光素子をカバーするカバー部材が取り付けられているが、レンズが形成された面の反対側の面(特許文献1では下面)が開口しているため、そこから水や塵等が侵入する可能性があり、防水・防塵効果が不十分である場合があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電性部材を保持する保持部材において発光素子を取り付けた第一面部の反対側の第二面部に露出する導電性部材を保護すると共に、水・塵等の侵入が抑制された照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明に係る照明装置によれば、導電性部材と、前記導電性部材に接続される発光素子と、該導電性部材を保持し、前記導電性部材の少なくとも一部がインサートされるとともに、前記発光素子が配置される第一面部と、該第一面部の反対側の第二面部と、側面部とを有する保持部材と、前記保持部材に取り付けられるカバー部材と、を備え、前記導電性部材は、前記側面部及び前記第二面部から外側に露出する露出部を有し、前記カバー部材は、前記第二面部と前記導電性部材の前記露出部とを覆うよう前記保持部材に取り付けられることにより解決される。
上記の照明装置によれば、保持部材に取り付けられたカバー部材により、第二面部と、側面部及び第二面部から外側に露出する導電性部材の露出部とが覆われるため、水・塵等の侵入が抑制される。
【0007】
また、上記の照明装置において、前記カバー部材は中空の直方体状に形成されていて、前記発光素子と対向するように配置されるレンズを有する前面部と、該前面部の反対側に位置する背面部とを有し、前記前面部と前記背面部以外のいずれか一つの面に開口部が形成され、前記保持部材は前記カバー部材の前記開口部から挿入され、前記カバー部材が取り付けられると好適である。
前面部及び背面部以外の面に開口部が形成されることで、組み立てが容易になり、露出部を覆う背面部を開口面にしないことにより部を保護すると共に水・塵等の侵入が抑制され、防水・防塵性を損なうことがない。
【0008】
また、上記の照明装置において、前記カバー部材は、前記背面部にスリットが形成されていて、前記保持部材は、前記第二面部から突出し、前記カバー部材に挿入されるとき、前記カバー部材の前記スリットに係合する突出部を備えると好適である。
簡単な構成で係合しやすく、且つ、突出部がスリットと係合することで背面部と第二面部とが密着しやすい構成とすることができる。
【0009】
また、上記の照明装置において、前記保持部材の前記突出部及び前記カバー部材の前記スリットは、前記保持部材が前記カバー部材に挿入される方向に沿って長尺状に形成されていると好適である。
スリットが保持部材の挿入方向に沿って長尺状に形成されることで、組立が容易になりまた突出部がスリットと係合した状態を効果的に保持することができる。
【0010】
上記の照明装置おいて、前記カバー部材の前記スリットは、前記保持部材が挿入される前記開口部側にある前記背面部の端部から延びるよう、長尺状に形成されていると好適である。
スリットを背面部の端部から延びるように設けることにより、保持部材をカバー部材に挿入する際、カバー部材の背面部が撓みやすくなり、組付性を向上させることができる。
【0011】
上記の照明装置において、前記突出部は、前記保持部材の挿入方向に対して直交する幅方向において前記保持部材の第二面部の略中央に形成されていると好適である。
突出部が第二面部の略中央に形成されることにより、バランスよく係合状態を保持することができる。
【0012】
上記の照明装置において、前記突出部は、前記カバー部材が前記保持部材に取り付けられた状態において、前記突出部は前記カバー部材の前記スリットに略隙間なく係合すると好適である。
突出部がスリットに略隙間なく係合することにより、防水性・防塵性をより向上させることができる。また、突出部の頂部と背面部とが面一に形成されることで意匠性が向上する。
【0013】
上記の照明装置において、前記カバー部材は、前記カバー部材の内部において、前記保持部材が挿入される方向に沿って形成され前記保持部材をガイドすると共に挿入後に前記保持部材を支持するガイド部を備えると好適である。
保持部材をガイドすると共に保持部材を支持するガイド部を備えることにより、組付性が向上し且つ簡単な構成により係合した状態を保つことができる。
【0014】
上記の照明装置において、前記保持部材は、前記カバー部材の内部に挿入される実装部を備え、前記実装部は、前記カバー部材の前記前面部と前記背面部との間の長さより厚さが薄い板状に形成されていて、前記ガイド部により前記カバー部材の内部において前記背面部側に密着して位置するよう支持されると好適である。
ガイド部により実装部の第二面部をカバー部材の背面部側に密着して位置させることで、防水性・防塵性が向上する。
【0015】
上記の照明装置において、前記実装部は平板状に形成され、前記保持部材は、前記カバー部材が前記保持部材に取り付けられたとき前記カバー部材の前記前面部に当接して前記カバー部材の開口を塞ぐ延出部を備えると好適である。
カバー部材の開口を塞ぐ延出部を備えることで、部材を増やすことなく、カバー部材の開口部を保持部材により塞ぐことができ、カバー部材と保持部材とが係合した状態を保つことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導電部材を保持する保持部材において発光素子を取り付けた第一面部とは反対側の第二面部及び側面部に露出する導電性部材の露出部を保護し、第二面部を覆うことで水・塵等の侵入を抑制することができる。
本発明によれば、前面部及び背面部以外の面に開口部が形成されることで、組み立てが容易になり、露出部を覆う背面部を開口面としないことで、防塵・防水性を損なうことが抑制される。
本発明によれば、カバー部材の背面部にスリットが形成され、保持部材の第二面に、スリットに係合する突出部を備えることにより、簡単な構成で保持部材とカバー部材とが係合しやすくなり、背面部と第二面部が密着しやすい構成とすることができる。
本発明によれば、スリットが保持部材の挿入方向に沿って長尺状に形成されることで、組立が容易になり且つ係合する状態を効果的に保持することができる。
本発明によれば、スリットを背面部の端部から延びるように設けることにより、保持部材をカバー部材に挿入する際、カバー部材の背面部が撓みやすくなり、組付性を向上させることができる。
本発明によれば、突出部が第二面部の略中央に形成されることにより、バランスよく係合状態を保持することができる。
本発明によれば、突出部がスリットに略隙間なく係合することにより、防水性・防塵性をより向上させることができる。
本発明によれば、保持部材をガイドすると共に保持部材を支持するガイド部を備えることにより、組付性が向上し且つ簡単な構成により係合した状態を保つことができる。
本発明によれば、ガイド部により実装部の第二面部をカバー部材の背面部側に密着して位置させることで、防水性・防塵性が向上する。
本発明によれば、カバー部材の開口を塞ぐ延出部を備えることで、部材を増やすことなく、カバー部材の開口部を保持部材により塞ぎ、カバー部材と保持部材が係合した状態を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一実施形態に係る照明装置の斜め後方から見た斜視図である。
図2】第一実施形態に係る照明装置の斜め後方から見た分解斜視図である。
図3】第一実施形態に係る照明装置を斜め前方から見た斜視図である。
図4】第一実施形態に係る照明装置の斜め前方から見た分解斜視図である。
図5】導電性部材が連結されている状態の保持部材の正面図である。
図6】導電性部材を切断した保持部材の背面図である。
図7図1のVII-VII線に沿った断面図である。
図8】カバー部材の別例を示す背面図である。
図9】照明装置を搭載したドアライニングを示す図である。
図10】第二実施形態に係る照明装置を斜め後方から見た斜視図であり、背面部を開けた状態を示す図である。
図11】第二実施形態に係る照明装置を斜め後方から見た斜視図であり、背面部を閉じた状態を示す図である。
図12A図11のXIIA-XIIA線に沿った断面図である。
図12B図11のXIIB-XIIB線に沿った断面図である。
図12C図11のXIIC-XIIC線に沿った断面図である。
図13】第三実施形態に係る照明装置を斜め前方から見た斜視図である。
図14】第三実施形態に係る照明装置の斜め前方から見た分解斜視図である。
図15】第三実施形態に係る照明装置の斜め後方から見た斜視図である。
図16】第一部材を斜め後方から見た斜視図である。
図17図13のXVII-XVII線に沿った断面図である。
図18図13のXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
図19】第四実施形態に係る照明装置の斜め後方から見た斜視図である。
図20】第四実施形態に係る照明装置の背面図である。
図21】第四実施形態に係る照明装置の斜め後方から見た分解斜視図である。
図22】第四実施形態に係る照明装置の斜め前方から見た分解斜視図である。
図23A図19のXXIIIA-XXIIIA線に沿った断面図である
図23B図21のXXIIIB-XXIIIB線に沿ったカバー部材の断面図である。
図24】カバー部材の成形方法を説明するための図である。
図25】カバー部材の成形方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図25を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、本実施形態)に係る照明装置について説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示し、理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
【0019】
[第一実施形態]
図1図9を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る照明装置1について説明する。
なお、以下の説明において、「上下」、「左右」、「前後」の各方向は、図1の矢印で示すように、照明装置1のカバー部材40が上側になるようにし、レンズ部47がある方(図3参照)を前方、その反対側を後方とした場合の「上下」、「左右」、「前後」の各方向に一致する。
【0020】
図1図6に示されるように、照明装置1は、主な構成として、導電性部材11(図5参照)と導電性部材11に接続される発光素子30等の電子素子を有する保持部材20と、保持部材20に取り付けられるカバー部材40とを備える。以下、図5及び図6を参照しながら、保持部材20の構成について説明し、その後カバー部材40とその取り付け手順について説明する。
【0021】
図5は、導電性部材11を有する導電性部材ロッド10と、導電性部材11をインサートした状態で射出成形により形成された状態の保持部材20とを示す。なお、図5では省略しているが、導電性部材ロッド10には複数の導電性部材11が形成されており、それぞれの導電性部材11に保持部材20が接続される。
【0022】
図5に示すように、保持部材20は、主な構成として、導電性部材11を保持し発光素子30、抵抗素子35が取り付けられた実装部21と、導電性部材11の一部として構成された接続端子14が収容される収容部22とを有する。収容部22は、中空形状をなし、その内部に導電性部材11の接続端子14を収容している。導電性部材11の接続端子14は、図5に示すように上下方向に延出し、外部の電源回路や制御回路に接続される端子である。実装部21は、発光素子30が配置される実装部21の第一面部21aと、第一面部21aの反対側の第二面部21bと、側面部21cとを有する。
【0023】
なお、導電性部材11は、少なくとも一部が保持部材20にインサートされた状態で保持される電気回路である。そして、図5に示すように導電性部材11の一部が実装部21から露出した電極パッド13となり、電極パッド13には発光素子30、抵抗素子35等の電子素子が取り付けられる。導電性部材11は、型成形により形成されることとしてもよいし、打ち抜き成形と曲げ加工等により形成されることとしてもよい。
【0024】
そして、保持部材20は、導電性部材11をインサートした状態で樹脂材料を射出成形することで(すなわちインサート成形により)形成される。樹脂材料には、例えば液晶ポリマー、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いることとしてよい。
【0025】
インサート成形した後、導電性部材ロッド10と保持部材20とを接続する接続部15を切断することにより、図6に示すように個々の保持部材20に分割される。この際、接続部15の切断部(露出部16)は保持部材20から外部に露出することとなる。
【0026】
本実施形態では、図5及び図6に示すように、実装部21の第一面部21a、第二面部21b、側面部21c、上面部21dのそれぞれから導電性部材11の一部である露出部16が露出している。露出部16のそれぞれは、実装部21の外周部に設けられた凹部19内に形成されている。そのため、外部の物体、例えば金属等の導体が直接露出部16に接触して短絡が発生するリスクを低減している。
【0027】
また、実装部21の第一面部21a及び第二面部21bには、成形時に保持部材20をピンにより支持するための複数のピン孔18が形成されている。
【0028】
また、導電性部材11のうち実装部21の第一面部21aから露出する部分は、電極パッド13となる。そして、この電極パッド13には発光素子30等の電子素子がはんだ付けにより取り付けられる。
すなわち、実装部21の第一面部21aに配置された電極パッド13にはんだペーストを塗布し、その後発光素子30等の電子素子を配置した上で、リフロー炉で加熱する。これにより、電極パッド13に発光素子30等の電子素子を取り付けることができる。上記のリフロー工程を実行するために、実装部21の第一面部21aは略段差のない平坦な面となっている。
なお、上記の発光素子30には、LED、有機EL光源を用いることが小型化、低消費電力、及び低発熱の観点で好適であるが、蛍光灯等の他の形態の発光装置を用いてもよい。
【0029】
また、実装部21の左右にある側面部21cのそれぞれに外側に突出した係合爪部23が形成されている。この係合爪部23は、カバー部材40の係合孔部50(図1及び図2参照)に係合する部分である。係合爪部23は、図2に示すように、カバー部材40に実装部21を挿入する際、カバー部材40の内部に挿入しやすいよう、係合爪部23の上部に傾斜部23aが形成されている。
【0030】
また、発光素子30が取り付けられる第一面部21aの反対側の第二面部21bには、実装部21の挿入方向(図2の矢印C方向)に沿って延び、長尺状に形成された突出部25を備える。突出部25は、実装部21をカバー部材40に挿入する際、カバー部材40の背面部42に形成されるスリット51に係合し摺動する。また、突出部25は、保持部材20の挿入方向(矢印C方向)に対して直交する幅方向(左右方向、図1のA方向、B方向)において第二面部21bのほぼ中央に位置するよう形成されている。
【0031】
収容部22と実装部21との間は、カバー部材40の下面の開口部を塞ぐよう形成される。本実施形態では平板状の延出部17が設けられていて、後述するカバー部材40の開口部45を塞ぐようになっている。
【0032】
次に、図1図4を参照しながら、カバー部材40の構成及びカバー部材40の保持部材20への取り付け方法について説明する。
【0033】
カバー部材40は中空の直方体状に形成されていて、主な構成とし前面部41、背面部42、上面部43、側面部44を備える。カバー部材40の下面には保持部材20の実装部21を挿入するための開口部45が形成されている
【0034】
前面部41は、カバー部材40の正面を構成し、実装部21の第一面部21aに対向して位置される部分である。そして、前面部41は、実装部21の第一面部21aを覆うサイズに形成される。なお、実装部21の第一面部21aは、発光素子30等の電子素子が実装される実装面である。
【0035】
図3に示すようにカバー部材40の前面部41には、レンズ部47が形成される。このレンズ部47は、発光素子30から遠ざかる方向に膨らんだ湾曲形状に形成され、発光素子30から入射される光を透過させる際に屈折させる。
なお、レンズ部47は、凸レンズ、凹レンズのいずれであってもよい。例えば、レンズ部47を凸レンズとした場合には、レンズ部47を透過した光は収束し、集光された光が外部に出射される。一方で、レンズ部47に凹レンズを用いた場合には、レンズ部47を透過した光は拡散しながら外部に出射されることとなる。なお、カバー部材40は樹脂製であり透明な樹脂により形成される。そのため、レンズ部47は透明で光を透過させることができる。
【0036】
上面部43は、カバー部材40の上面を構成し、保持部材20の実装部21の上面に対向する面となる。上面部43は略平板形状に形成される。
【0037】
側面部44は、カバー部材40の左右の側面を構成する。なお、左右の側面部44は左右対称に形成され、実質的に同一の構成である。そのため、以下では、左側の側面部44について説明する。
【0038】
左側の側面部44は、前面部41、背面部42及び上面部43と連結し、実装部21の左側の側面部21cと対向する面となる。具体的には、図1及び図7に示されるように、左側の側面部44には、実装部21の係合爪部23が係合する係合孔部50と、内側において実装部21の第一面部21aの端部を支持し、実装部21を挿入する際、実装部21をガイドするガイド部52が形成される(図7)。係合孔部50は、矩形状の孔であり、係合爪部23が係合孔部50に係合することにより、カバー部材40は保持部材20に対して固定されるようになる。
【0039】
スリット51は、カバー部材40の保持部材20に対する挿入方向(図2の矢印C方向)の動きを規制している。ここで、上記の「挿入方向」とは、カバー部材40を保持部材20に取り付ける際に、保持部材20を移動させる方向である。換言すれば、上面部43の法線方向であって、本実施形態では図1の上方向(図2の矢印C方向)が上記の「挿入方向」に相当する。
【0040】
係合孔部50は、実装部21をカバー部材40の所定位置に取り付けるための機構である。所定位置とは、例えば、カバー部材40のレンズ部47のレンズ中心と、実装部21に取り付けられた発光素子30の光軸とが略一致する位置である。実装部21の係合爪部23が係合孔部50に係合することにより、レンズ部47の中心に発光素子30が位置するようになる。
【0041】
ガイド部52は、カバー部材40に実装部21を挿入する方向(図2の矢印C方向)に沿って形成される。具体的には、図7に示されるように、ガイド部57は、挿入方向に延びる凸部である。ガイド部52により実装部21は背面部42側に位置するよう取り付けられる。
【0042】
また、ガイド部52は、カバー部材40へ実装部21を挿入方向と垂直な方向(ここでは前後方向)の動きを規制する。すなわち、ガイド部57により、実装部21の第一面部21aが支持され、実装部21の第二面部21bがカバー部材40の背面部と密着するようになり、前後方向に位置ずれすることを抑制することができる。
【0043】
背面部42は、カバー部材40の背面を構成する。実装部21の第二面部21bに対向して位置される部分である。そして、背面部42は、実装部21の第二面部21bを覆うサイズに形成される。実装部21の第二面部21bには、導電性部材11の露出部16が露出しており、また、複数のピン孔18が形成されている。
【0044】
背面部42は、第二面部21bにある複数の露出部16と複数のピン孔18とを覆うように設けられている。また、開口部45側の端部(基端部53)から実装部21の挿入方向(上方向)に延びるスリット51が形成されている。そして、実装部21の挿入時に、実装部21の第二面部21bから突出する突出部25が、スリット51に係合する。突出部25及びスリット51は、図1に示すように、保持部材20がカバー部材40に挿入される方向(矢印C方向)に沿って長尺状に形成されている。実装部21をカバー部材に、突出部25はスリット51を摺動し、突出部25によりスリット51が隙間なく塞がれる。そのため、背面部42から、カバー部材40の内部に水・塵が侵入することが抑制される。
また、実装部21の挿入時において係合爪部23が開口部45に当接すると、スリット51があることにより、カバー部材40が左右方向(図1の矢印A方向、B方向)に撓むようになっている。それにより、実装部21はスリット51がない場合より挿入が容易である。
【0045】
[照明装置1の取り付け例]
ここで、図9を参照しながら、照明装置1を取り付け例について説明する。図9には、照明装置1を取り付けたドアライニングDを示した。図9に示されるように、ドアライニングDは、上部部品であるドアアームレストD1と、下部部品であるロア部D2を備える。
ドアアームレストD1は、車両の前後方向(進行方向)に沿って設けられている。また、ロア部D2は、物品を収容するドアポケットD3を有する。
ドアポケットD3の上部には、照明装置1が取り付けられる。この照明装置1のレンズ部47からの照射光は、ドアポケットD3に形成された照射用孔部Hを通じて、車両の座席の下方を照らす。
なお、照明装置1は、ドアライニングDに対し、複数設けられていてもよい。例えば、車両の前後方向に沿って複数の照明装置1を一列に並べて配置することとしてよい。この場合、一列に並べた照明装置1を順次光らせる等により、各種の発光演出が可能となる。
【0046】
[第二実施形態]
次に、図10図12Cを参照しながら、本発明の第二実施形態に係る照明装置201について説明する。図10図12Cの各図の概要は以下の通りである。
図10は、第二実施形態に係る照明装置201を斜め後方から見た斜視図であり、カバー部材の背面部242を開けた状態を示す図である。
図11は、第二実施形態に係る照明装置201を斜め後方から見た斜視図であり、カバー部材40の背面部242を閉じた状態を示す図である。
図12Aは、図11のXIIA-XIIA線に沿った断面図、図12Bは、図11のXIIB-XIIB線に沿った断面図、図12Cは、図11のXIIC-XIIC線に沿った断面図である。
【0047】
第二実施形態に係る照明装置201は、第一実施形態に係る照明装置1とは、保持部材20の実装部21に設けられた係合爪部23及び突出部25の形状と、カバー部材40の構成が相違し、他の点では共通している。
以下では、第二実施形態に係る照明装置201に関する、第一実施形態に係る照明装置1からの相違点について説明する。
【0048】
第二実施形態の保持部材220は導電性部材11を保持しており、導電性部材11の一部が露出した実装部221と、接続端子14(不図示)を収容する収容部222とを備える。実装部221の第一面部221aには、発光素子30等の電子素子が配置されている(図12A図12C参照)。実装部221の側面部221cの両方には、後述するカバー部材240の側面部244に形成されたスリット251に係合する突出部225と、係合孔部250に係合する係合爪部223とが形成されている。
【0049】
実装部221の側面部221cに設けられた突出部225は、実装部221の後方から前方に向けて延びるよう形成されている。また、係合爪部223は、実装部221の上下方向に延びる矩形状に形成されている。また、係合爪部223は、カバー部材240の係合孔部250に係合しやすいよう前方側に傾斜部223aを有する。
【0050】
第二実施形態のカバー部材240は、中空の直方体状に形成され、主な構成とし前面部241、背面部242、上面部243、側面部244を備える。背面部242は、開閉可能に上面部243に取付けられている。また、カバー部材240の下面は開口しており、実装部221の基部により塞がれている。
【0051】
前面部241には、保持部材220に取り付けられたときに発光素子30と対向するレンズ部47が設けられている。
背面部242と上面部243とはヒンジ部254により連結され、背面部242はヒンジ部254を中心にして回動することで開閉する。カバー部材240は背面部242が矢印F方向に回転することで閉じられる。また、背面部242の両側部には係合爪部242aが形成されている。また、側面部244の内側に係合凹部244aが形成されている。背面部242を閉じた時に、背面部242の係合爪部242aが、それぞれの対応する位置に形成された係合凹部244aに係合する。それにより、背面部242を閉じたとき、背面部242が側面部244に固定される。なお、背面部242は上面部243とヒンジ部254により連結されているが、これは一例であり、背面部242は、側面部244とヒンジ部により連結され開閉可能に取り付けられてもよい。
【0052】
カバー部材240の側面部244には、前後方向に延びるスリット251が形成されており、実装部221をカバー部材240に挿入する際、実装部221の側面部221cに形成された突出部225がスリット251内を摺動する。
また、カバー部材240の側面部244には、実装部221の側面部221cに形成された係合爪部223が係合する係合孔部250が形成されている。実装部221がカバー部材240に挿入されたとき、係合爪部223が係合孔部250に係合すると、実装部221は前後方向の位置決めがされる。
【0053】
保持部材220の実装部221は、カバー部材240の背面側にある開口部245からカバー部材240の内部に向けて挿入される。すなわち、保持部材220は、カバー部材240の後方から前方に向けて挿入される。挿入する際、実装部221の突出部225が、カバー部材240のスリット251に係合し摺動する。係合爪部223が係合孔部250に係合することで、実装部221が位置決めされるようになる。その後、カバー部材240の背面部242を、ヒンジ部を中心にして回動させ、カバー部材240の背面側の開口部245を閉じる。背面部242は、実装部221の第二面部221bに対向するように位置し、水や塵の侵入が抑制され、第二面部221bに露出する露出部16及びピン孔18が保護されるようになる。
【0054】
[第三実施形態]
次に、図13から図18を参照しながら、本発明の第三実施形態に係る照明装置301について説明する。図13から図18の各図の概要は以下の通りである。
図13は、第三実施形態に係る照明装置301を斜め前方から見た斜視図である。
図14は、第三実施形態に係る照明装置301を斜め前方から見た分解斜視図であり、カバー部材340を取り付ける前の状態を示す図である。
図15は、第三実施形態に係る照明装置301を斜め後方から見た斜視図であり、カバー部材340を保持部材320に取り付けた状態を示す図である。
図16は、第一部材340Aを斜め後方から見た斜視図である。
図17は、図13のXVII-XVII線に沿った断面図である。
図18は、図13のXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
【0055】
第三実施形態に係る照明装置301は、第二実施形態に係る照明装置201と比較すると、主にカバー部材240の構成が相違し、他の点では共通している。
以下では、第三実施形態に係る照明装置301に関する、第二実施形態に係る照明装置201からの相違点について説明する。
【0056】
第三実施形態の保持部材320も導電性部材11を保持しており、導電性部材11の一部が露出した実装部321と、接続端子14を収容する収容部322とを備える。
【0057】
図14に示すように、実装部321の第一面部321aには、発光素子30等の電子素子が配置されている。実装部321は第二面部321b及び側面部321cの外側において露出部16が露出している。実装部321の側面部321cには、後述するカバー部材340を構成する第一部材340A及び第二部材340Bの側面部344A、344Bに形成されたスリット351A、351Bに係合する突出部325が形成される。また、カバー部材340を構成する第一部材340Aの側面部344A、第二部材340Bの側面部344Bに形成された係合孔部350A、350Bに係合する係合爪部223が形成されている。
【0058】
実装部321の側面部321cに設けられた突出部325は、実装部321の後方から前方に向けて延びるよう形成されている。また、係合爪部323は、実装部321の上下方向に延びるよう矩形状に形成されている。また、係合爪部323は、カバー部材340の係合孔部350Aに係合しやすいよう前方に設けられた傾斜部323aを有する。
【0059】
図14に示すように、第三実施形態のカバー部材340は、二つの部材(第一部材340A、第二部材340B)からなる。第一部材340Aは、実装部321の第一面部321a、側面部321c及び上面部を覆うよう形成される。第二部材340Bは、実装部321の第二面部321b、第一部材340Aの側面部344B及び上面部343を覆うよう形成される。
【0060】
第三実施形態のカバー部材340の第一部材340A及び第二部材340Bは、中空の直方体状に形成されていて、主な構成として前面部341、上面部343、側面部344を備える。前面部341には、保持部材320に取り付けられたときに発光素子30と対向するレンズ部47が形成されている。
【0061】
第一部材340Aの側面部344Aのそれぞれには、実装部321の突出部325が摺動するスリット351Aが形成されている。また、係合爪部323と係合する係合孔部350Aが形成されている。第一部材340Aの下面は、実装部321の基部324が挿入されるよう開口している。また、第一部材340Aの背面部も、実装部321を挿入するために開口している。実装部321の第二面部321b及び第一部材340Aの背面は、第二部材340Bにより覆われる。
【0062】
第二部材340Bの側面部344Bのそれぞれには、第二部材340Bを、実装部321が挿入された第一部材340Aに取り付ける際、実装部321の突出部325が摺動するスリット351Bが形成されている。スリット351Bは、第二部材340Bの挿入方向、すなわち保持部材320の前後方向に延びるよう形成される。また、第一部材340Aの側面部344Aに形成された係合爪部353が係合するよう、係合孔部350Bが形成される。
【0063】
保持部材320の実装部321に、第一部材340Aを前方から後方に移動させ挿入する。係合爪部323が、係合孔部354に係合した後、第一部材340Aは、保持部材320に取り付けられる。第二部材340Bを後方から前方に移動させ取り付ける。突出部225をスリット351Bに摺動させつつ、第一部材340Aの係合爪部353を、第二部材340Bの係合孔部350Bに係合させる。
第二部材340Bにより、第一部材340Aの背面、すなわち実装部321の第二面部321bが覆われることで、防水性、防塵性が高まり、導電性部材11の露出部16が保護されるようになる。
【0064】
図16から図19を用いて、第三実施形態の第一部材340Aに設けられるレンズ部347について説明する。インサート成形で作製された保持部材320は、発光素子30等の電子素子を取り付けるため、第一面部321aを平坦にする必要がある。そのため、レンズ部と発光素子30との間に距離があり、発光素子30を側面から覆うことができなかった。レンズ部と発光素子30との間に距離があると、レンズ部から反射した光がカバー部材340の側面から漏れるという、光漏れの原因となる場合があった。
【0065】
第三実施形態では、レンズ部347において、図16図19に示すように第一部材341Aの内側に放射形状の導光部347aを設けている。導光部347aの頂上部分を発光素子30に近づけることにより、発光素子30の近傍で導光部347aに入光させる。それにより、効率的に前方に光を通過させ、且つ余計な反射によるカバー部材340の側面等への光漏れを低減させることができるようになる。また、第二部材340Bを光が透過しにくい色や素材で構成することにより、側面等への光漏れをさらに低減させることができるようになる。
【0066】
[第四実施形態]
次に、図19図25を参照しながら、本発明の第四実施形態に係る照明装置401について説明する。図19図25の各図の概要は以下の通りである。
図19は、第四実施形態に係る照明装置401を斜め後方から見た斜視図であり、カバー部材440を保持部材420に取り付けた状態を示す図である。
図20は、第四実施形態に係る照明装置401を背面図であり、カバー部材440を保持部材420に取り付けた状態を示す図である。
図21は、第四実施形態に係る照明装置401の斜め後方から見た分解斜視図である。
図22は、第四実施形態に係る照明装置401の斜め前方から見た分解斜視図である。
図23Aは、図19のXXIIIA-XXIIIA線に沿った断面図であり、図23B図21のXXIIIB-XXIIIB線に沿ったカバー部材440の断面図である。
図24はカバー部材440の成形方法を説明するための図である。
図25はカバー部材440の成形方法を説明するための図である。
【0067】
第四実施形態に係る照明装置401は、第一実施形態に係る照明装置1とは、実装部21に設けられた露出部16の位置や、係合爪部23の位置、カバー部材40の形状が相違する。
以下では、第四実施形態に係る照明装置401に関し、第一実施形態に係る照明装置1からの相違点を主に説明する。
【0068】
照明装置401の保持部材420は、第一実施形態の照明装置1と同様に導電性部材11を保持していて、導電性部材11の一部が露出した実装部421と、接続端子14を収容する収容部422とを備える。実装部421の第一面部421aには、発光素子30等の電子素子が配置されている(図20A参照)。第一実施形態の実装部21は、実装部21の上面部に導電性部材11の露出部16があったが、第四実施形態の実装部421では、露出部16は実装部421の側面部421cのみに集約されている(図18参照)。また、実装部421の下方端部に、平板状の延出部417が設けられていて、カバー部材440が保持部材420に取り付けられた際、カバー部材440の下面側にある開口部445を塞ぐようになっている。露出部16のそれぞれは、実装部421の側面部421cに形成された凹部19の中に設けられ、カバー部材440に直接に接触することがないように構成されている。
【0069】
実装部421の第二面部421b及び側面部421cとの接合部は、実装部421をカバー部材440に挿入する方向に沿ってL字状に切り欠かれており、その途中において、カバー部材440に設けられた係合凹部450に係合する係合爪部423が設けられている。係合爪部423は、係合凹部450に挿入しやすいようその上端部には、上端部に向かって高さが低くなるように傾斜した傾斜部423aを有する。
また、実装部421の嵌合部426は、カバー部材440の上面部443に形成された嵌合孔部451に嵌合するよう形成される。
【0070】
第四実施形態のカバー部材440は、図21に示すように中空の直方体状に形成されていて、主な構成として、前面部441、上面部443、側面部444を備える。カバー部材440の背面には、実装部421の第二面部421bの端部と側面部444とを支持する係止部454が設けられる。また、側面部444の内側には実装部421をその挿入時に案内するガイド部452が形成されている。係止部454及びガイド部452は実装部421の挿入方向Fに沿って形成される。係止部454の途中には、実装部421に設けられた係合爪部423が係合する係合凹部450が形成されている。ガイド部452は、実装部421の第一面部421aの端部を支持する。また、カバー部材440の内側において、担持部448がレンズ部447の上半分を囲うように設けられ、実装部421の第一面部421aの上方部分を担持している。
【0071】
カバー部材440の上面部443には、実装部421の上端に設けられた嵌合孔部451が形成されている。
係止部454の下方端部に傾斜部454aが形成されている。実装部421をカバー部材440に挿入する際、係合爪部423が傾斜部454aに当接することで側面部444が左右方向に撓み、そのまま実装部421を推し進めることにより、係合凹部450に係合爪部423が係合する。また、略同時に嵌合孔部451に実装部421の嵌合部426が嵌合する。実装部421の第二面部421bと係止部454、実装部421の嵌合部426と嵌合する嵌合孔部451とは略隙間がなく形成されているため防水性・防塵性が向上する。
【0072】
次に、図24及び図25を用いて第四実施形態のカバー部材440を成形する際に用いられる型の構造について説明する。
カバー部材440は、インサート成形により作製される。カバー部材440のレンズ部447の形状を作製する部分はインジェクション型のキャビーコアで成形し、覆い部分(カバー部材440の内部でレンズ部447を除く部分)はスライド型にて成形する。その際、例えば図24に示すように、キャビーコア型501を矢印I方向にカバー部材440へ挿入し、スライド型502を矢印G方向にカバー部材440へ挿入することで、成形することが可能である。
しかしながら、図24に示すスライド型502では、キャビーコア型501を挟む部分503が薄く細長になってしまうため、強度が低下するおそれがある。
【0073】
そのため、図25に示すように、レンズ部447を成形するキャビーコア型510と、二分割されたスライド型511によりカバー部材440の内部を成形する。スライド型511を上方スライド型511a、下方スライド型511bに分割し、上方スライド型511aを矢印M方向に挿入し、下方スライド型511bを矢印J方向に挿入する。キャビーコア型510を矢印K方向にカバー部材440へ挿入する。覆い部分を成形するスライド型511を、上方スライド型511a、下方スライド型511bに分割することで、スライド型511の薄くなる部分512a、512b(キャビーコア型510を囲う部分)の長さが短くなり、スライド型511の強度を維持できるようにしている。なお、上方スライド型511aは、成形する際、カバー部材440の嵌合孔部451から出し入れされ、下方スライド型511bは、カバー部材440の下面側の開口部445から出し入れされる。キャビーコア型510は、カバー部材440の背面側の開口部446から出し入れされる。
【0074】
以上、上記の実施形態では、図を用いて本発明に係る照明装置に関して説明した。本発明に係る照明装置は、自動車の内装に搭載される照明装置を例として説明したが、これはあくまで一例にすぎず、本発明を限定するものではない。また、照明装置は、電車、バス等の内装、飛行機、船等の内装にも利用することができ、通常の照明装置としても利用することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1、201、301、401 照明装置
10 導電性部材ロッド
11 導電性部材
13 電極パッド
14 接続端子
15 接続部
16 露出部
17 延出部
18 ピン孔
19 凹部
20、220、320、420 保持部材
21、221、321、421 実装部
22、222、322、422 収容部
21a、221a、321a、421a 第一面部
21b、221b、321b、421b 第二面部
21c、221c、321c、421c 側面部
23、223、323、423 係合爪部
224、324 基部
25、225、325 突出部
254 ヒンジ部
242a 係合爪部
30 発光素子
340A 第一部材
340B 第二部材
35 抵抗素子
353 係合爪部
40、240、340、440 カバー部材
41、241、341、441 前面部
42、242、342、442 背面部
43、243、343、443 上面部
44、244、344A、344B、444 側面部
45、245、345、445、446 開口部
47、347、447 レンズ部
426 嵌合部
448 担持部
450 係合凹部
451 嵌合孔部
454 係止部
454a 傾斜部
50、250、350 係合孔部
51、251、351A、351B スリット
52、452 ガイド部
53 基端部
501 キャビーコア型
502 スライド型
503 挟む部分
510 キャビーコア型
511 スライド型
511a 上方スライド型
511b 下方スライド型
512a、512b 挟む部分
D ドアライニング
D1 ドアアームレスト
D2 ロア部
D3 ドアポケット
H 照射用孔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25