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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20221207BHJP
   A47K 13/24 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
E03D9/08 B
A47K13/24
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018162940
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020033806
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】田之頭 優太
(72)【発明者】
【氏名】立木 翔一
(72)【発明者】
【氏名】辻田 正実
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160596(JP,A)
【文献】特開2013-167060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0133131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
A47K 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して開閉自在に軸支され、使用者が着座する便座と、
使用者の着座を検知する着座検知センサと、
使用者を電波により検知する電波センサと、
前記着座検知センサ及び前記電波センサの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着座中動作を実行可能な第1状態と、
前記離座連動動作を実行可能な第2状態と、
前記着座中動作及び前記離座連動動作を実行しない第3状態と、
を有し、
前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態となり、前記電波センサにより検知される使用者の前記便座からの離反量が閾値未満であると、前記第3状態になることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態となり、前記電波センサにより検知される使用者の前記便座からの離反量が閾値以上であると、前記第2状態になることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して開閉自在に軸支され、使用者が着座する便座と、
使用者の着座を検知する着座検知センサと、
使用者を電波により検知する電波センサと、
前記着座検知センサ及び前記電波センサの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着座中動作を実行可能な第1状態と、
前記離座連動動作を実行可能な第2状態と、
前記着座中動作及び前記離座連動動作を実行しない第3状態と、
を有し、
前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態となり、前記電波センサにより検知される使用者の前記便座からの離反量が閾値以上であると、前記第2状態になることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知すると、前記第1状態になることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の位置を検知するセンサを備えた衛生洗浄装置が知られている。このような衛生洗浄装置は、センサの検知結果に基づいて、その機能を実行することができる。例えば、衛生洗浄装置は、使用者のトイレ室への入室を検知すると、便蓋を自動で開く。例えば、衛生洗浄装置は、使用者の便座への着座を検知すると、局部洗浄などの着座中動作を実行可能な状態になる。例えば、衛生洗浄装置は、使用者の離座やトイレ室からの退室を検知すると、便蓋を自動で閉じる動作や便器の自動洗浄などの離座連動動作を実行する。
【0003】
使用者の位置を検知するセンサとしては、例えば、着座スイッチ(特許文献1)や静電センサなどの接触型センサ、及び、光電センサや電波センサ(特許文献2)などの非接触型センサが知られている。
【0004】
可視光や赤外光は、樹脂等を通過することができない。そのため、使用者の位置を検知するセンサとして光電センサを設ける場合には、例えば、洗浄タンクやその他の箇所に透光性の窓部を設け、その窓部に臨むように光電センサを埋設する必要がある。これにより、トイレ室の美観が窓部により損なわれる、あるいは、例えば便器やその他の装置のデザインの自由度が制限されるという問題がある。
【0005】
これに対し、電波は樹脂等を通過可能である。そのため、電波センサは、例えば衛生洗浄装置のケーシング等の内部に設けることができる。これにより、光電センサのために必要であった窓部を省略することができる。よって、トイレ室の美観向上も加味すると、非接触型センサで使用者の位置を検知する場合には、電波センサを用いることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-38435号公報
【文献】特開2013-142221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
着座スイッチや静電センサなどの接触型センサは、便座に接している使用者の体を検知して、着座及び離座を検知する。そのため、例えば、用便後におしりを拭く際に片側の足が便座から離れたり、使用者が前屈した際に便座から体の一部が浮いたりする中腰状態になると、意図せず離座(立位)と判定されてしまい、使用中であるにも関わらず、便蓋を自動で閉じる動作や便器の自動洗浄などの離座連動動作が実行される場合がある。
【0008】
電波センサなどの非接触型センサは、衛生洗浄装置から使用者が相対的にどれだけの量離れたか(離反量)を判定できる。そのため、電波センサを用いることで、離反量が少ない中腰状態と離反量が多い立位状態との識別が可能である。これにより、上記のような中腰状態において、意図せず離座(立位)と判定されることを抑制できる。つまり、意図せず離座連動動作が実行されることを抑制できる。
【0009】
一方で、電波センサを設けた場合、例えば、使用者が着座後に座りなおし等で少し前方に動いたりすると、中腰状態と同程度の離反量が得られる場合がある。この場合、着座状態であるにも関わらず、意図せず中腰状態と判定されてしまい、局部洗浄などの着座中動作が実行できない場合がある。
【0010】
上記のように、接触型センサを用いると中腰状態と立位状態の識別ができない場合があり、非接触型センサを用いると着座状態と中腰状態の識別ができない場合がある。つまり、接触型センサまたは非接触型センサでは、使用者の状態を正確に識別することができない場合があり、これによって、意図せず便器の自動洗浄などの離座連動動作が実行されたり、意図せず局部洗浄などの着座中動作を実行できなくなるなどの問題が起き、使い勝手が悪いという問題がある。
【0011】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使い勝手を向上できる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、ケーシングと、前記ケーシングに対して開閉自在に軸支され、使用者が着座する便座と、使用者の着座を検知する着座検知センサと、使用者を電波により検知する電波センサと、前記着座検知センサ及び前記電波センサの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記着座中動作を実行可能な第1状態と、前記離座連動動作を実行可能な第2状態と、前記着座中動作及び前記離座連動動作を実行しない第3状態と、を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、非接触型センサとして電波センサを用いることで、赤外線センサなどの光電センサを用いる際に必要な窓部が不要となるため、トイレ室の美観を向上できる。また、この衛生洗浄装置によれば、着座検知センサ及び電波センサの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御することで、意図せず離座連動動作が実行されたり、意図せず着座中動作を実行できなくなることを抑制できる。これにより、使い勝手を向上できる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態となり、前記電波センサにより検知される使用者の前記便座からの離反量が閾値未満であると、前記第3状態になることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、例えば、使用者が着座状態から離座状態になり、かつ、離反量が比較的小さい場合に、制御部が着座中動作及び離座連動動作を実行しない第3状態になる。これにより、例えば、用便後におしりを拭く際に片側の足が便座から離れたり、使用者が前屈した際に便座から体の一部が浮いたりする中腰状態において、意図せず離座連動動作が実行されることをより確実に抑制でき、使い勝手をより向上できる。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知すると、前記第1状態になることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0017】
この衛生洗浄装置によれば、例えば、使用者が着座している場合に、制御部が着座中動作を実行可能な第1状態になる。これにより、例えば、使用者が着座後に座りなおし等で少し前方に動いた場合にも、制御部は第1状態を維持するため、意図せず着座中動作を実行できなくなることをより確実に抑制でき、使い勝手をより向上できる。
【0018】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記着座検知センサが使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態となり、前記電波センサにより検知される使用者の前記便座からの離反量が閾値以上であると、前記第2状態になることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0019】
この衛生洗浄装置によれば、例えば、使用者が着座状態から離座状態になり、かつ、離反量が比較的大きい場合に、制御部が離座連動動作を実行可能な第2状態になる。これにより、例えば、使用者が便座から十分に離れた際に、離座連動動作をより確実に実行でき、使い勝手をより向上できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、使い勝手を向上できる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図2】実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図3】実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表すブロック図である。
図4】電波センサの検知信号を例示する概念図である。
図5】実施形態に係る衛生洗浄装置における動作制御の例を表す表である。
図6図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係る衛生洗浄装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図7図7(a)~図7(d)は、使用者の状態を模式的に表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置は、腰掛大便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設置された衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0023】
ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などの局部の洗浄を実現する局部洗浄機能部などが内蔵されている。使用者が例えばリモコンなどの操作部500(図2参照)を操作すると、局部洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)473を便器800のボウル801内に進出させたり、ボウル801内から後退させたりすることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置100では、ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
【0024】
ノズル473は、人体局部に向けて水(洗浄水)を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル473の先端部には、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bが設けられている。ノズル473は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口474aから水を噴射して、便座200に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル473は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口474bから水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0025】
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル473は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
【0026】
なお、図1に表したノズル473では、ビデ洗浄吐水口474aがおしり洗浄吐水口474bよりもノズル473の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口474aは、おしり洗浄吐水口474bよりもノズル473の後端側に設けられていてもよい。また、図1に表したノズル473では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
【0027】
図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図2に表したように、衛生洗浄装置100は、導水部20を有する。導水部20は、水道や貯水タンクなどの給水源10からノズル473に至る管路20aを有する。導水部20は、管路20aにより、給水源10から供給された水をノズル473に導く。管路20aは、例えば、以下に説明する電磁弁431、熱交換器ユニット440、流路切替部472などの各部と、これらの各部を接続する複数の配管と、によって形成される。
【0028】
導水部20の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御部405からの指令に基づいて水の供給を制御する。換言すれば、電磁弁431は、管路20aを開閉する。電磁弁431を開状態にすることにより、給水源10から供給された水が、管路20aに流れる。
【0029】
電磁弁431の下流には、調圧弁432が設けられている。調圧弁432は、給水圧が高い場合に、管路20a内の圧力を所定の圧力範囲に調整する。調圧弁432の下流には、逆止弁433が設けられている。逆止弁433は、管路20a内の圧力が低下した場合などに、逆止弁433よりも上流側への水の逆流を抑制する。
【0030】
逆止弁433の下流には、熱交換器ユニット440(加熱部)が設けられている。熱交換器ユニット440は、ヒータを有し、給水源10から供給された水を加熱して例えば規定の温度まで昇温する。すなわち、熱交換器ユニット440は、温水を生成する。
【0031】
熱交換器ユニット440は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器である。瞬間加熱式の熱交換器は、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器と比較すると、短い時間で水を規定の温度まで昇温させることができる。なお、熱交換器ユニット440は、瞬間加熱式の熱交換器には限定されず、貯湯加熱式の熱交換器であってもよい。また、加熱部は、熱交換器に限ることなく、例えば、マイクロ波加熱を利用するものなど、他の加熱方式を用いたものでもよい。
【0032】
熱交換器ユニット440は、制御部405と接続されている。制御部405は、例えば、使用者による操作部500の操作に応じて熱交換器ユニット440を制御することにより、操作部500で設定された温度に水を昇温する。
【0033】
熱交換器ユニット440の下流には、流量センサ442が設けられている。流量センサ442は、熱交換器ユニット440から吐出された水の流量を検知する。すなわち、流量センサ442は、管路20a内を流れる水の流量を検知する。流量センサ442は、制御部405に接続されている。流量センサ442は、流量の検知結果を制御部405に入力する。
【0034】
流量センサ442の下流には、電解槽ユニット450が設けられている。電解槽ユニット450は、内部を流れる水道水を電気分解することにより、水道水から次亜塩素酸を含む液(機能水)を生成する。電解槽ユニット450は、制御部405に接続されている。電解槽ユニット450は、制御部405による制御に基づいて、機能水の生成を行う。
【0035】
電解槽ユニット450において生成される機能水は、例えば、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液であってもよい。あるいは、電解槽ユニット450において生成される機能水は、電解塩素やオゾンなどを含む溶液であってもよい。あるいは、電解槽ユニット450において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。
【0036】
電解槽ユニット450の下流には、バキュームブレーカ(VB)452が設けられている。バキュームブレーカ452は、例えば、水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば、流路に水が流れている時に吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ452は、導水部20に水の流れが無い時に、管路20a内に空気を取り込む。弁機構には、例えば、フロート弁が用いられる。
【0037】
バキュームブレーカ452は、上記のように管路20a内に空気を取り込むことにより、例えば、管路20aのバキュームブレーカ452よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ452は、例えば、ノズル473の水抜きを促進する。このように、バキュームブレーカ452は、ノズル473内の水を抜いてノズル473内に空気を取り込むことにより、例えば、ノズル473内の洗浄水やボウル801内に溜まった汚水などが、給水源10(上水)側に逆流してしまうことを抑制する。
【0038】
バキュームブレーカ452の下流には、圧力変調部454が設けられている。圧力変調部454は、導水部20の管路20a内の水の流れに脈動または加速を与え、ノズル473のビデ洗浄吐水口474a及びおしり洗浄吐水口474bやノズル洗浄部478の吐水部から吐水される水に脈動を与える。すなわち、圧力変調部454は、管路20a内を流れる水の流動状態を変動させる。圧力変調部454は、制御部405に接続されている。圧力変調部454は、制御部405による制御に基づいて、水の流動状態を変動させる。圧力変調部454は、管路20a内の水の圧力を変動させる。
【0039】
圧力変調部454の下流には、流量調整部471が設けられている。流量調整部471は、水勢(流量)の調整を行う。流量調整部471の下流には、流路切替部472が設けられている。流路切替部472は、ノズル473やノズル洗浄部478への給水の開閉や切替を行う。流量調整部471及び流路切替部472は、1つのユニットとして設けてもよい。流量調整部471及び流路切替部472は、制御部405に接続されている。流量調整部471及び流路切替部472の動作は、制御部405によって制御される。
【0040】
流路切替部472の下流には、ノズル473、ノズル洗浄部478、及び噴霧ノズル479が設けられている。ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル801内に進出したり、ボウル801内から後退したりする。
【0041】
ノズル洗浄部478は、例えば、吐水部から機能水あるいは水を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。噴霧ノズル479は、洗浄水や機能水をミスト状にしてボウル801に噴霧する。この例では、人体を洗浄するためのノズル473とは別に噴霧ノズル479を設けている。これに限ることなく、ミスト状の液体をボウル801に噴霧するための吐水口をノズル473に設けてもよい。
【0042】
また、流路切替部472の下流には、おしり洗浄流路21と、やわらか洗浄流路22と、ビデ洗浄流路23と、が設けられている。おしり洗浄流路21及びやわらか洗浄流路22は、導水部20を介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をおしり洗浄吐水口474bへ導く。ビデ洗浄流路23は、導水部20を介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をビデ洗浄吐水口474aへ導く。
【0043】
また、流路切替部472の下流には、表面洗浄流路24と、噴霧用流路25と、が設けられている。表面洗浄流路24は、導水部20を介して給水源10から供給された水や電解槽ユニット450において生成された機能水をノズル洗浄部478の吐水部へ導く。噴霧用流路25は、導水部20を介して給水源10から供給される水や電解槽ユニット450において生成された機能水を噴霧ノズル479に導く。
【0044】
制御部405は、流路切替部472を制御することにより、おしり洗浄流路21、やわらか洗浄流路22、ビデ洗浄流路23、表面洗浄流路24と、及び噴霧用流路25の各流路の開閉を切り替える。このように、流路切替部472は、ビデ洗浄吐水口474a、おしり洗浄吐水口474b、ノズル洗浄部478、及び噴霧ノズル479などの複数の吐水口のそれぞれについて、管路20aに連通させた状態と、管路20aに連通させない状態と、を切り替える。
【0045】
制御部405は、電源回路401から電力を供給され、電波センサ403や、着座検知センサ404や、流量センサ442や、操作部500などからの信号に基づいて、電磁弁431や、熱交換器ユニット440や、電解槽ユニット450や、圧力変調部454や、流量調整部471や、流路切替部472や、ノズルモータ476や、便座200を開閉するための便座駆動部210や、便蓋300を開閉するための便蓋駆動部310などの動作を制御する。
【0046】
電波センサ403は、電波により便座200に近づいた使用者(人体)を検知する。電波センサ403は、例えば、電波により衛生洗浄装置100の前方にいる使用者を検知する。電波センサ403は、例えば、ドップラー効果を利用したドップラーセンサである。電波センサ403は、例えば、ケーシング400の内部に設けられる。非接触型センサとして電波センサ403を用いることで、赤外線センサなどの光電センサを用いる際に必要な窓部が不要となるため、トイレ室の美観を向上できる。
【0047】
電波センサ403は、例えば、使用者の便座200からの離反量を検知することができる。離反量は、電波センサ403の検知結果に基づいて、制御部405において算出されてもよい。この場合も、離反量は、電波センサ403により検知されているとみなすことができる。電波センサ403については、後述する。
【0048】
着座検知センサ404は、使用者の便座200への着座を検知する。着座検知センサ404は、例えば、着座スイッチまたは静電センサである。着座検知センサ404は、例えば、ケーシング400の内部または便座200の内部に設けられる。
【0049】
また、ケーシング400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、ケーシング400の側面には、脱臭ユニットからの排気口407及び室内暖房ユニットからの排出口408が適宜設けられる。ただし、本発明においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
【0050】
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表すブロック図である。図3は、電波センサ403及び制御部405の例を示す。
図3に表したように、電波センサ403は、発振器411と、送信部414(アンテナ)と、受信部416(アンテナ)と、ミキサ部418a、418bと、位相シフト手段413と、を有する。電波センサ403は、Ich信号とQch信号とを含む検知信号S0を出力するセンサである。この例では、送信側のアンテナと受信側のアンテナとは別々に設けられている。但し、送信側のアンテナと受信側のアンテナとを共通としてもよい。
【0051】
発振器411に接続された送信部414から、高周波、マイクロ波またはミリ波などの10kHz~100GHzの周波数帯の電波が放射される。例えば、10.50~10.55GHzまたは24.05~24.25GHzの周波数を有する送信波T1が、トイレ装置の前方に向けて放射される。受信部416は、人体などの検知対象からの反射波T2を受信する。
【0052】
送信波の一部(信号Sig1)及び受信波の一部(信号Sig2)は、ミキサ部418aに入力されて合成される。これにより、例えばドップラー効果が反映された信号(Ich信号)が出力される。
【0053】
また、受信波の一部は、位相シフト手段413に入力される。受信波の一部は、位相シフト手段413によって位相がずらされて、信号Sig4となる。位相シフト手段413の一例としては、受信波の情報をミキサ部418bへ伝える配線の長さや配置を変更する方法が挙げられる。この例では、位相シフト手段413は、90°(π/2、4分の1波長)だけ位相をずらす。送信波の一部(信号Sig5)及び信号Sig4は、ミキサ部418bに入力されて合成される。これにより、例えばドップラー効果が反映された信号(Qch信号)が出力される。なお、位相シフト手段413は、送信部414であってもよい。
【0054】
検知信号S0(Ich信号及びQch信号のそれぞれ)は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。
【0055】
検知信号S0には、ドップラー効果に関する情報が含まれる。すなわち、送信波が移動する検知対象によって反射されると、反射波の波長がドップラー効果によってシフトする。電波センサ403に対して検知対象が相対的に移動すると、検知対象の速度に比例した周波数ΔFの成分を含む検知信号が得られる。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することによって、検知対象の速度を求めることができる。
【0056】
また、検知信号S0には、定在波に関する情報(定在波信号)も含まれる。すなわち、電波センサ403と検知対象との間には、送信波と、検知対象によって反射された反射波と、が互いに干渉することによって定在波が生じている。
【0057】
このようなIch信号、Qch信号は、図3に表したように、制御部405に入力される。
制御部405は、受信出力部405a(A/D変換手段)と、周波数フィルタ405bと、判定部405cと、駆動制御部405dと、を有する。なお、図3に表したブロック図は、一例であり、実施形態は、これに限定されない。例えば、制御部405に含まれる機能ブロックの一部は、適宜、分割又は統合されてもよい。例えば、受信出力部405a、周波数フィルタ405b、判定部405c及び駆動制御部405dは、互いに別体として設けられていてもよい。
【0058】
Ich信号及びQch信号は、受信出力部405aに入力され、デジタルの信号に変換される。デジタル化された信号は、周波数フィルタ405bに入力される。周波数フィルタ405bは、不要な周波数成分を除去する。これにより、Ich信号から定在波に関する第1信号S1が抽出される。すなわち、制御部405は、検知信号に含まれる第1信号S1を取得する。例えば、第1信号S1は、定在波の信号強度を示し、Ich信号の直流成分を含んだ信号である。
また、Qch信号から定在波に関する第2信号S2が抽出される。すなわち、制御部405は、検知信号に含まれる第2信号S2を取得する。例えば、第2信号S2は、定在波の信号強度を示し、Qch信号の直流成分を含んだ信号である。
【0059】
なお、周波数フィルタ405bが電波センサ403と受信出力部405aとの間に設けられていてもよい。この場合、周波数フィルタ405bによって処理が行われた信号に対して、デジタル信号への変換処理が行われる。
【0060】
制御部405は、取得した検知信号(第1信号S1及び第2信号S2)に基づいて、検知対象(使用者)の便座200からの離反量を検知する。
【0061】
図4は、実施形態に係る検知信号(第1信号S1及び第2信号S2)を例示する概念図である。
図4の横軸は、電波センサ403と検知対象との間の距離Lを表す。図4の右側ほど距離Lは短く、左側ほど距離Lは長い。図4の縦軸は、第1信号S1の電圧値及び第2信号S2の電圧値を表す。図4は、距離Lに対する第1信号S1の電圧値の変化、及び、距離Lに対する第2信号S2の電圧値の変化を示す。
【0062】
第1信号S1及び第2信号S2は、距離Lが変化すると基準値LVを中心にそれぞれ振動する。なお、電波センサ403の周囲の環境によっては、第1信号S1の振動中心と、第2信号S2の振動中心と、が一致しない場合があるが、この例では、制御部405において各信号の振動中心は、基準値LVに揃えられている。基準値LVは、例えば各信号の移動平均などから定めることができる。
【0063】
距離Lが長くなると、電波センサ403が受信する反射波の強度が低くなる。このため、基準値LVを中心とした第1信号S1の振幅は、距離Lが長いほど小さい。同様に、基準値LVを中心とした第2信号S2の振幅は、距離Lが長いほど小さい。
【0064】
図4に表した波形において、第1信号S1の位相と第2信号S2の位相とは互いにずれている。制御部405は、例えば、このような検知信号の位相情報に基づいて、検知対象(使用者)の便座200からの離反量を検知する。すなわち、第1信号S1の位相と、第2信号S2の位相と、の差に基づいて、検知対象(使用者)の便座200からの離反量を検知する。
【0065】
図5は、実施形態に係る衛生洗浄装置における動作制御の例を表す表である。
図5に表したように、制御部405は、第1状態と、第2状態と、第3状態と、を有する。第3状態は、例えば、第1状態と第2状態との間の状態である。第1状態において、制御部405は、着座中動作を実行可能である。第1状態において、制御部405は、例えば、離座連動動作を実行しない。第2状態において、制御部405は、離座連動動作を実行可能である。第2状態において、制御部405は、例えば、着座中動作を実行しない。第3状態において、制御部405は、着座中動作及び離座連動動作を実行しない。このように、制御部405は、第1~第3状態において、着座中動作及び離座連動動作を制御する。
【0066】
着座中動作は、使用者が便座200に着座した状態で操作部(リモコン)500等の操作により実行可能な動作である。着座中動作は、例えば、ノズル473による局部洗浄を含む。局部洗浄は、例えば、「ビデ洗浄」、「おしり洗浄」、及び「やわらか洗浄」などの洗浄開始や、洗浄モードの変更を含む。着座中動作は、「温風乾燥機能」を含んでもよい。
【0067】
離座連動動作は、使用者が便座200から離座すると自動で実行される動作である。離座連動動作は、例えば、便器800を自動で洗浄する動作(自動洗浄)を含む。離座連動動作は、例えば、便蓋300を自動で閉める動作を含んでもよい。離座連動動作は、例えば、噴霧ノズル479などから洗浄水や機能水をミスト状にしてボウル801に自動で噴霧する動作を含んでもよい。
【0068】
また、制御部405は、離座中動作を実行可能であってもよい。離座中動作は、使用者が便座200から離座した状態で操作部(リモコン)500等の操作により実行可能な動作である。制御部405は、例えば、第2状態において離座中動作を実行可能であり、第1状態及び第3状態において離座中動作を実行しない。離座中動作は、例えば、便座駆動部210により便座200を開閉する動作、及び、便蓋駆動部310により便蓋300を開閉する動作を含む。
【0069】
また、制御部405は、共通動作を実行可能であってもよい。共通動作は、第1~第3状態のいずれの状態においても操作部(リモコン)500等の操作により実行可能な動作である。共通動作は、例えば、便器800を洗浄する動作を含む。共通動作は、例えば、局部洗浄の停止を含んでもよい。
【0070】
図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係る衛生洗浄装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図6(a)に表したように、通常モードにおいて、着座検知センサ404が使用者の着座を検知すると(ステップS101:Yes)、制御部405は、着座モードになる(ステップS102)。
【0071】
一方、通常モードにおいて、着座検知センサ404が使用者の着座を検知しない場合(ステップS101:No)、制御部405は、第2状態になる(ステップS103)。制御部405は、第2状態になると、ステップS101に戻り、上記のフローを繰り返す。
【0072】
図6(b)に表したように、着座モードにおいて、着座検知センサ404が使用者の着座を検知すると(ステップS201:Yes)、制御部405は、第1状態になる(ステップS202)。制御部405は、第1状態になると、ステップS201に戻り、上記のフローを繰り返す。
【0073】
着座モードにおいて、着座検知センサ404が使用者の着座を検知しない場合(ステップS201:No)、制御部405は、電波センサ403により検知される使用者の便座200からの離反量が閾値以上であるかを判定する(ステップS203)。離反量が閾値以上であると(ステップS203:Yes)、制御部405は、通常モードになる(ステップS204)。離反量が閾値未満であると(ステップS203:No)、制御部405は、第3状態になる(ステップS205)。制御部405は、第3状態になると、ステップS201に戻り、上記のフローを繰り返す。
【0074】
制御部405は、第1~第3状態において、上記のように着座中動作及び離座連動動作を制御する。
【0075】
図7(a)~図7(d)は、使用者の状態を模式的に表す側面図である。
以下、図7(a)及び図7(b)に表した状態を「着座状態」、図7(c)に表した状態を「中腰状態」、図7(d)に表した状態を「立位状態」とする。
【0076】
用便時において、使用者は、例えば、図7(a)及び図7(b)に表したように、着座状態になる。着座状態において、使用者は便座200に着座している。換言すれば、使用者の体の少なくとも一部は、便座200に接している。このとき、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知する。例えば、図7(b)に表したように、着座後に座りなおし等で少し前方に動いた場合にも、使用者の体の少なくとも一部は、便座200に接しているため、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知する。
【0077】
一方、用便後におしりを拭く際には、使用者は、図7(c)に表したように、中腰状態になることがある。このように、使用者の体の一部が便座200から離れると、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知しなくなることがある。また、トイレ装置の使用後には、使用者は、図7(d)に表したように、立位状態になる。このように、使用者の体が便座200から離れると、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知しなくなる。
【0078】
上記のように、着座検知センサ404は、使用者が便座200に接している状態(例えば、図7(a)及び図7(b)に表したような着座状態)と、使用者が便座200に接していない状態(例えば、図7(c)に表したような中腰状態及び図7(d)に表したような立位状態)と、を判別することができる。しかし、着座検知センサ404は、図7(c)に表したような中腰状態と、図7(d)に表したような立位状態と、を判別することができない。したがって、例えば、着座検知センサ404のみの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御すると、図7(c)に表したような中腰状態において、意図せず離座(立位状態)と判定され、離座連動動作が実行される場合がある。
【0079】
電波センサ403は、使用者の便座200からの離反量を検知できる。例えば、図7(c)に表したような中腰状態における離反量は、図7(d)に表したような立位状態における離反量よりも少ない。したがって、電波センサ403は、適切な離反量の閾値を設けることで、図7(c)に表したような中腰状態と、図7(d)に表したような立位状態と、を判別することができる。また、例えば、図7(a)に表したような着座状態における離反量は、図7(c)に表したような中腰状態における離反量よりも少ない場合がある。したがって、電波センサ403は、適切な複数の離反量の閾値を設けることで、図7(a)に表したような着座状態と、図7(c)に表したような中腰状態と、図7(d)に表したような立位状態と、を判別することができる。
【0080】
一方、使用者の動きによっては、図7(b)に表したような着座状態において、図7(c)に表したような中腰状態と同程度の離反量が得られる場合がある。この場合、電波センサ403は、図7(b)に表したような着座状態と、図7(c)に表したような中腰状態と、を判別することができない。したがって、例えば、電波センサ403のみの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御すると、図7(b)に表したような着座状態において、意図せず中腰状態と判定され、局部洗浄などの着座中動作が実行できない場合がある。
【0081】
このように、着座検知センサ404または電波センサ403のみの検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御すると、意図せず離座連動動作が実行されたり、意図せず着座中動作を実行できなくなるなどの問題が起きる場合があり、使い勝手が悪い。
【0082】
これに対し、実施形態によれば、制御部405は、着座検知センサ404及び電波センサ403の検知結果に基づいて、着座中動作及び離座連動動作を制御する。より具体的には、制御部405は、着座検知センサ404及び電波センサ403の検知結果に基づいて、第1~第3状態になる。制御部405は、第1~第3状態において、着座中動作及び離座連動動作を制御する。
【0083】
例えば、使用者が図7(a)及び図7(b)に表したような着座状態になると、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知する。これにより、制御部405は、第1状態になる。第1状態において、制御部405は、着座中動作を実行可能である。例えば、第1状態において、操作部(リモコン)500等により着座中動作の操作が行われると、制御部405は、操作に応じて着座中動作を実行する。一方、第1状態において、制御部405は、離座連動動作を実行しない。これにより、例えば、使用中であるにも関わらず、便蓋を自動で閉じる動作や便器の自動洗浄などの離座連動動作が実行されることを抑制できる。
【0084】
例えば、使用者が図7(d)に表したような立位状態になると、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態になる。このとき、例えば、電波センサ403により検知される離反量が閾値以上であれば、制御部405は、第2状態になる。第2状態において、制御部405は、離座連動動作を実行する。一方、第2状態において、制御部405は、着座中動作を実行しない。例えば、第2状態において、操作部(リモコン)500等により着座中動作の操作が行われても、制御部405は、操作を受け付けない。これにより、例えば、使用者が着座していない状態でノズル473から吐水されることを抑制でき、ノズル473からの吐水がトイレ装置の外側に漏れることを抑制できる。
【0085】
例えば、使用者が図7(c)に表したような中腰状態になると、着座検知センサ404は、使用者の着座を検知した状態から着座を検知しない状態になる。このとき、例えば、電波センサ403により検知される離反量が閾値未満であれば、制御部405は、第3状態になる。第3状態において、制御部405は、着座中動作を実行しない。例えば、第3状態において、操作部(リモコン)500等により着座中動作の操作が行われても、制御部405は、操作を受け付けない。これにより、例えば、使用者が着座していない状態でノズル473から吐水されることを抑制でき、ノズル473からの吐水がトイレ装置の外側に漏れることを抑制できる。また、第3状態において、制御部405は、離座連動動作を実行しない。これにより、例えば、使用中であるにも関わらず、便蓋を自動で閉じる動作や便器の自動洗浄などの離座連動動作が実行されることを抑制できる。
【0086】
このように、実施形態によれば、着座検知センサ404及び電波センサ403の両方の検知結果に基づいて、例えば、図7(a)及び図7(b)に表したような着座状態と、図7(c)に表したような中腰状態と、図7(d)に表したような立位状態と、を判別し、各状態に合わせて着座中動作及び離座連動動作を制御することができる。これにより、意図せず離座連動動作が実行されたり、意図せず着座中動作を実行できなくなることを抑制でき、使い勝手を向上できる。
【0087】
なお、電波センサ403は、例えば、使用者のトイレ室への入室及び使用者のトイレ室からの退室を検知可能であってもよい。また、制御部405は、電波センサ403が使用者のトイレ室への入室を検知したら、便蓋300を開ける、便座200にヒータが設けられていればヒータをつける、衛生洗浄装置100に照明が設けられていれば照明を点灯させるなどの所定の入室連動動作を実行可能であってもよい。また、制御部405は、電波センサ403が使用者のトイレ室からの退室を検知したら、便座200に設けられたヒータを切る、衛生洗浄装置100に設けられた照明を消灯させるなどの所定の退室連動動作を実行可能であってもよい。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0089】
10 給水源、 20 導水部、 21 おしり洗浄流路、 22 やわらか洗浄流路、 23 ビデ洗浄流路、 24 表面洗浄流路、 25 噴霧用流路、 100 衛生洗浄装置、 200 便座、 210 便座駆動部、 300 便蓋、 310 便蓋駆動部、 400 ケーシング、 401 電源回路、 403 電波センサ、 404 着座検知センサ、 405 制御部、 405a 受信出力部、 405b 周波数フィルタ、 405c 判定部、 405d 駆動制御部、 407 排気口、 408 排出口、 411 発振器、 413 位相シフト手段、 414 送信部、 416 受信部、 418a、418b ミキサ部、 431 電磁弁、 432 調圧弁、 433 逆止弁、 440 熱交換器ユニット、 442 流量センサ、 450 電解槽ユニット、 452 バキュームブレーカ、 454 圧力変調部、 471 流量調整部、 472 流路切替部、 473 ノズル、 474a ビデ洗浄吐水口、 474b おしり洗浄吐水口、 476 ノズルモータ、 478 ノズル洗浄部、 479 噴霧ノズル、 481 開口、 482 ノズル支持部、 500 操作部、 800 便器、 801 ボウル、 L 距離、 LV 基準値、 S0 検知信号、 S1 第1信号、 S2 第2信号、 Sig1、Sig2、Sig4、Sig5 信号、 T1 送信波、 T2 反射波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7