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特許7189525走行制御装置、走行制御システム、走行制御方法、タイヤ試験装置、及びタイヤ試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】走行制御装置、走行制御システム、走行制御方法、タイヤ試験装置、及びタイヤ試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20221207BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221207BHJP
   B60W 30/00 20060101ALI20221207BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G01M17/02
G08G1/16 C
B60W30/00
F02D29/02 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018134563
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020012711
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(73)【特許権者】
【識別番号】501055145
【氏名又は名称】株式会社ZMP
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】森 亮介
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 正樹
(72)【発明者】
【氏名】アブダルラマン アラディン ムハンマド アブレラ
(72)【発明者】
【氏名】上平 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】キム サンバ
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジャージュン
(72)【発明者】
【氏名】塩原 努
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-310109(JP,A)
【文献】特開2018-069853(JP,A)
【文献】特開2013-092452(JP,A)
【文献】特開2003-344206(JP,A)
【文献】特開2003-322592(JP,A)
【文献】特開2000-019071(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01460409(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00 - 17/10
B60W 30/00
F02D 29/02
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを装着して前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間と前記試験区間の前に位置する判定区間とを含むコースを他車と混じって走行する車両を自動運転で制御する制御部を備え
前記制御部は、前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両の走行を制御し、
前記制御部は、前記他車の位置に関する情報、及び、前記コースに設置された前記他車を検出する検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両の走行を制御し、
前記制御部は、前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定し、
前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含む、走行制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記タイヤの試験データを取得し、前記タイヤの試験データが正常か否か判定する、請求項1に記載の走行制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タイヤの試験データが正常でない場合、再度、前記車両が前記所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両の走行を制御する、請求項に記載の走行制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記タイヤの試験データが正常でない場合、アラームを報知する、請求項又はに記載の走行制御装置。
【請求項5】
タイヤを装着して前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間と前記試験区間の前に位置する判定区間とを含むコースを他車と混じって走行する車両を自動運転で制御する走行制御装置と、
前記車両に関する情報を検出するセンサと
を備え
前記走行制御装置は、前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両に関する情報に基づいて前記車両の走行を制御し、
前記走行制御装置は、前記他車の位置に関する情報、及び、前記コースに設置された前記他車を検出する検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両の走行を制御し、
前記走行制御装置は、前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定し、
前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含む、走行制御システム。
【請求項6】
装着しているタイヤの通過騒音試験を実行する試験区間と前記試験区間の前に位置する判定区間とを含むコースを他車と混じって走行する車両に関する情報を検出するステップと、
前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両に関する情報に基づいて前記車両の走行を自動運転で制御するステップと
前記他車の位置に関する情報、及び、前記コースに設置された前記他車を検出する検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両の走行を制御するステップと、
前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定するステップと
を含み、
前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含む、走行制御方法。
【請求項7】
タイヤを装着して前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間と前記試験区間の前に位置する判定区間とを含むコースを他車と混じって走行する車両を自動運転で制御する制御部を備え
前記制御部は、前記車両を前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行させ、前記試験区間において前記タイヤの試験データを取得させ
前記制御部は、前記他車の位置に関する情報、及び、前記コースに設置された前記他車を検出する検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両を走行させ、
前記制御部は、前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定し、
前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含む、タイヤ試験装置。
【請求項8】
タイヤを装着して前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間と前記試験区間の前に位置する判定区間とを含むコースを他車と混じって走行する車両を自動運転で制御するステップと、
前記車両を前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行させ、前記試験区間において前記タイヤの試験データを取得させるステップと
前記他車の位置に関する情報、及び、前記コースに設置された前記他車を検出する検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両を走行させるステップと、
前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定するステップと
を含み、
前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含む、タイヤ試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御装置、走行制御システム、走行制御方法、タイヤ試験装置、及びタイヤ試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に装着されているタイヤの種類に応じた警告案内を実施する構成が知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-15496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
種々のタイヤを装着した車両をタイヤの試験に関する所定の規格に基づいて走行させることによって、タイヤの性能試験を実施することがある。タイヤの性能試験の効率化が求められる。
【0005】
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、種々のタイヤを装着した車両を所定の規格に基づいて効率よく走行させる走行制御装置、走行制御システム、及び走行制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る走行制御装置は、タイヤを装着している車両の走行を自動運転で制御する制御部を備え、前記車両は、前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間を含むコースを走行し、前記制御部は、前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両の走行を制御する。上記構成を有することにより、種々のタイヤを装着した車両を所定の規格に基づいて効率よく走行させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る走行制御装置において、前記所定の規格は、前記車両を前記試験区間の手前に位置する加速区間で前記車両を加速し、前記試験区間で前記タイヤの通過騒音試験を実行するために前記車両を惰行走行させることを含んでよい。
【0007】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記車両は、前記コースにおいて、他車と混じって走行し、前記制御部は、前記他車の位置に関する情報に基づいて、前記車両の走行を制御してよい。上記構成を有することにより、他車とのコースの共用ができる。その結果、タイヤの試験の効率が向上する。
【0008】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記コースは、前記他車を検出する検出装置を備え、前記制御部は、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両の走行を制御してよい。上記構成を有することにより、他車との関係に基づく制御の精度が向上する。
【0009】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記コースは、判定区間を有し、前記制御部は、前記車両が前記判定区間を走行している間、前記検出装置による前記他車の検出結果に基づいて、前記車両が前記試験区間を走行してよいか判定してよい。上記構成を有することにより、コース上で車両と他車とが混走する場合の安全性が向上する。その結果、タイヤの試験の効率が高められる。
【0010】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記制御部は、前記タイヤの試験データを取得し、前記タイヤの試験データが正常か否か判定してよい。上記構成を有することにより、タイヤの試験の効率が高められる。
【0011】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記制御部は、前記タイヤの試験データが正常でない場合、再度、前記車両が前記所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両の走行を制御してよい。上記構成を有することにより、タイヤの試験の効率が高められる。
【0012】
本発明の一態様に係る走行制御装置において、前記制御部は、前記タイヤの試験データが正常でない場合、アラームを報知してよい。上記構成を有することにより、タイヤ6の試験データの再取得が容易になる。その結果、タイヤの試験の効率が高められる。
【0013】
本発明の一態様に係る走行制御システムは、タイヤを装着している車両の走行を自動運転で制御する走行制御装置と、前記車両に関する情報を検出するセンサとを備え、前記車両は、前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間を含むコースを走行し、前記走行制御装置は、前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両に関する情報に基づいて前記車両の走行を制御する。上記構成を有することにより、種々のタイヤを装着した車両を所定の規格に基づいて効率よく走行させることができる。
【0014】
本発明の一態様に係る走行制御方法は、装着しているタイヤの通過騒音試験を実行する試験区間を含むコースを走行する車両に関する情報を検出するステップと、前記車両が前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行するように、前記車両に関する情報に基づいて前記車両の走行を自動運転で制御するステップとを含む。上記構成を有することにより、種々のタイヤを装着した車両を所定の規格に基づいて効率よく走行させることができる。
【0015】
本発明の一態様に係るタイヤ試験装置は、タイヤを装着している車両の走行を自動運転で制御する制御部を備え、前記車両は、前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間を含むコースを走行し、前記制御部は、前記車両を前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行させ、前記試験区間において前記タイヤの試験データを取得させる。上記構成を有することにより、種々のタイヤを効率よく試験できる。
【0016】
本発明の一態様に係るタイヤ試験方法は、タイヤを装着して前記タイヤの通過騒音試験を実行する試験区間を含むコースを走行する車両を自動運転で制御するステップと、前記車両を前記タイヤの通過騒音試験に関する所定の規格に基づいて前記試験区間を走行させ、前記試験区間において前記タイヤの試験データを取得させるステップとを含む。上記構成を有することにより、種々のタイヤを効率よく試験できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る走行制御装置、走行制御システム、走行制御方法、タイヤ試験装置、及びタイヤ試験方法によれば、種々のタイヤを装着した車両を所定の規格に基づいて効率よく走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る走行制御システムを備える車両の構成例を示すブロック図である。
図2】車両が走行するコースの一例を示す平面図である。
図3】試験区間の一例を示す平面図である。
図4】複数の走行制御システムを管理するサーバの構成例を示すブロック図である。
図5】試験条件に基づいて車両の走行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
図6】コースを周回する車両の走行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示されるように、一実施形態に係る車両100は、走行制御システム1と、エンジン2と、動力伝達装置3と、制動装置4と、操舵装置5と、タイヤ6と、第1バッテリ7とを備える。動力伝達装置3は、トランスミッション等を含む。制動装置4は、ブレーキ等を含む。操舵装置5は、ステアリング等を含む。車両100は、動力源として、エンジン2の代わりにモータを備えてもよいし、エンジン2とモータとを共に備えてもよい。
【0020】
車両100は、走行制御システム1によって自動運転されるものとする。自動運転のレベルは、SAE(Society of Automotive Engineers)によって定義されているレベル3~5であってよい。
【0021】
車両100は、第1バッテリ7の電力を用いてエンジン2を始動させる。車両100は、種々の電気機器又は電子機器等を備えてよい。車両100は、第1バッテリ7の電力、又は、エンジン2の動力によって発電するオルタネータの電力を用いて電気機器又は電子機器等を動作させてよい。第1バッテリ7は、鉛蓄電池又はリチウムイオン電池等の二次電池であってよい。
【0022】
車両100は、エンジン2で発生した動力が動力伝達装置3を介してタイヤ6に伝達することによって発進したり加速したりする。車両100は、制動装置4がタイヤ6を制御することによって減速したり停止したりする。車両100は、操舵装置5がタイヤ6を制御することによって進行方向を制御する。
【0023】
一実施形態に係る走行制御システム1は、走行制御装置10と、センサ20とを備える。走行制御装置10は、エンジン2と、動力伝達装置3と、制動装置4と、操舵装置5とを制御することによって、車両100の走行を自動運転で制御する。走行制御装置10は、制御部12を備える。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を含んでよい。制御部12は、メモリ等の記憶装置を含んでよい。走行制御装置10は、制御部12とは別に、記憶部を備えてもよい。
【0024】
センサ20は、車両100に関する情報を検出する。車両100に関する情報は、車両100の位置又は速度等の車両100の状態に関する情報を含んでよい。車両100に関する情報は、車両100の周囲の状況に関する情報を含んでよい。センサ20は、車両100が備える速度メータ、タコメータ、燃料メータ、又は、走行距離メータ等の各種のメータから情報を取得してよい。センサ20は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて自機の位置を検出する位置センサを含んでよい。センサ20は、GPSを利用して車両100の速度を検出するGPS速度センサを含んでよい。センサ20は、車両100の周囲を撮像するカメラを含んでよい。センサ20は、車両100の周囲に位置する物体を検出する赤外線センサ又はミリ波センサ等を含んでよい。
【0025】
走行制御システム1は、通信装置30をさらに備えてよい。通信装置30は、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信インタフェースを有してよい。通信装置30は、通信インタフェースを介して、他の機器と無線で通信してよい。
【0026】
走行制御システム1は、第2バッテリ40をさらに備えてよい。第2バッテリ40は、一次電池であってよいし、二次電池であってもよい。第2バッテリ40は、走行制御システム1の各構成部に電力を供給してよい。走行制御システム1は、第2バッテリ40を備えない場合、車両100に搭載されている第1バッテリ7から電力を供給されてよい。
【0027】
図2に示されるように、車両100は、コース200を走行する。コース200は、車両100のタイヤ6を試験するための試験区間210を有する。本実施形態において、タイヤ6の試験は、通過騒音試験であるものとする。通過騒音試験は、PBN(Pass By Noise)試験ともいう。通過騒音試験は、タイヤ6の試験に関する所定の規格に基づいて実施される。所定の規格は、例えば、タイヤ単体騒音規制に係る国際基準であるECE R117-02であってよい。試験区間210における路面は、ISO10844の規格に基づく路面であってよい。通過騒音試験における試験データは、タイヤ6を装着した車両100が走行する際にタイヤ6と路面との摩擦によって発生する走行騒音の騒音レベルを含む。通過騒音試験において、車両100の走行雑音が車両100のエンジン2又はモータの駆動音を含まないように、試験データが取得される。このようにするために、走行制御システム1又は走行制御装置10は、エンジン2又はモータが停止している状態で車両100が試験区間210を通過するように、車両100の走行を制御する。車両100が走行している間にエンジン2又はモータが停止している状態における走行は、惰行走行ともいう。ECE R117-02に基づく試験データは、基準速度に対して±10km/hの範囲で、略等間隔の8種類以上の試験速度で車両100を走行させて取得した走行雑音の雑音レベルを含む。車両100に新たなタイヤ6が装着された後、タイヤ6の試験を開始するまでに、車両100の慣らし走行が実施される。慣らし走行は、車両100を所定距離だけ走行させるものである。慣らし走行の走行距離は所定の規格によって定められる。タイヤ6の試験は、PBN試験に限られず、他の試験であってもよい。
【0028】
図3に示されるように、試験区間210に、2つのマイク212が設けられている。試験区間210において、車両100は、破線の矢印で表されている経路に沿って走行する。マイク212は、車両100から見て左右に位置し、車両100が走行する経路から等距離に位置する。言い換えれば、走行制御システム1は、2つのマイク212が並んで設けられている位置の中央を車両100が通過するように、車両100の走行を制御する。マイク212は、車両100が試験区間210を通過している間に、車両100の走行騒音の騒音レベルを検出し、タイヤ6の試験データとして取得する。マイク212は、試験装置ともいう。車両100がマイク212の間を通過する際の速度を測定する速度計が試験区間210に設けられていてよい。速度計は、レーザ速度計等の種々の形態のものであってよい。
【0029】
車両100から見て左右に位置する2つのマイク212によって検出された試験データは、所定の規格に基づいて正常なデータであるか否か判定される。例えば、左右のマイク212それぞれで検出した騒音レベルの差が所定値以上である場合、その試験データは、正常ではないと判定される。試験データを検出する際の車両100の速度と試験速度との差が所定値以上である場合、その試験データは、正常ではないと判定される。
【0030】
図4に示されるように、車両100に搭載されている走行制御システム1は、サーバ300と通信可能に接続してよい。サーバ300は、外部装置ともいう。サーバ300は、通信装置30を介して、走行制御システム1と接続してよい。サーバ300は、試験区間210に設けられているマイク212と通信可能に接続し、マイク212から試験データを取得する。サーバ300と接続する走行制御システム1の数は、1であってもよいし、2以上であってもよい。
【0031】
サーバ300は、タイヤ6の試験データを管理するものとする。サーバ300は、試験対象となるタイヤ6を装着している車両100の走行制御システム1に対して、タイヤ6を試験するための車両100の走行条件を送信する。タイヤ6を試験するための車両100の走行条件は、試験条件ともいう。試験条件は、所定の規格に関する情報を含んでよい。試験条件は、試験データを取得する際の車両100の基準速度を含んでよい。試験条件は、取得する試験データの数を含んでよい。試験条件は、取得した試験データが正常であるか判定するための基準を含んでよい。走行制御装置10が試験条件に基づいて車両100を走行させることによって、その車両100が装着しているタイヤ6の試験データがマイク212で取得される。
【0032】
走行制御装置10は、サーバ300から試験データを取得し、試験条件に基づいて、その試験データが正常であるか否か判定してよい。走行制御装置10は、試験データが正常でないと判定した場合、試験データを再取得するように、車両100を試験区間210で走行させてよい。走行制御装置10は、正常でなかった試験データのみを再取得するように車両100を走行させてよいし、試験条件に含まれる全ての試験データを再取得するように車両100を走行させてもよい。走行制御装置10は、試験データが正常であると判定した場合、試験条件に基づく車両100の走行の制御を終了してよい。走行制御装置10が試験データの判定結果に基づいて制御を終了することによって、タイヤ6の試験をやり直す可能性が低減する。その結果、タイヤ6の試験の効率が高められる。
【0033】
サーバ300は、取得した試験データが正常であるか否か判定してよい。走行制御装置10は、サーバ300から試験データが正常であるか否かの判定結果を取得してよい。走行制御装置10は、サーバ300から、試験データが正常でないことを表す判定結果を取得した場合、試験データを再取得するように、車両100を試験区間210で走行させてよい。走行制御装置10は、サーバ300から、試験データが正常であることを表す判定結果を取得した場合、試験条件に基づく車両100の走行の制御を終了してよい。サーバ300は、取得した試験データが正常であると判定した場合、走行制御装置10に対して試験条件に基づく車両100の走行の制御を終了する指示を送信してよい。走行制御装置10は、サーバ300からの指示に基づいて試験条件に基づく車両100の走行の制御を終了してよい。このようにすることで、タイヤ6の試験の効率が高められる。
【0034】
走行制御装置10の制御部12は、図5に例示されるフローチャートの手順に沿って、サーバ300がタイヤ6の試験データを取得できるように、車両100の走行を制御してよい。
【0035】
制御部12は、試験条件に基づいてマイク212で試験データを取得できるように車両100を試験区間210で走行させる(ステップS1)。マイク212は、試験データをサーバ300に送信する。制御部12は、試験条件に含まれる全ての試験データを取得するための走行を実施した後にステップS4に進むものとする。
【0036】
制御部12は、試験データが正常だったか判定する(ステップS2)。制御部12は、サーバ300から試験データを取得し、その試験データが正常か否か、試験条件に基づいて判定してよい。制御部12は、サーバ300が試験条件に基づいて試験データが正常であるか否かを判定した結果を、サーバ300から取得してよい。
【0037】
制御部12は、試験データが正常である場合(ステップS2:Yes)、図5のフローチャートの手順を終了する。制御部12は、試験データが正常でない場合(ステップS2:No)、試験データをマイク212で再取得できるように車両100を試験区間210で走行させる(ステップS3)。制御部12は、ステップS3の後、ステップS2の判定の手順に戻る。
【0038】
制御部12は、ステップS1において、1つの試験データを取得するための走行を実施した後にステップS2に進んでもよい。この場合において、ステップS2の判定の手順でその試験データが正常であると判定した場合、制御部12は、ステップS1に戻って他の試験データを取得するための走行を実施する。
【0039】
図2に示されるように、車両100だけではなく、他の車両110もコース200を走行する。つまり、車両100は、他の車両110と混じってコース200を走行する。他の車両110は、他車ともいう。他の車両110は、運転者の操作によって走行してもよい。他の車両110は、走行制御システム1を備えることによって、車両100と同様に、運転者による操作によらず走行してもよい。
【0040】
コース200において、車両100と他の車両110とが混じって走行する場合、車両100及び他の車両110はそれぞれ、所定のルールに従ってコース200を走行してよい。所定のルールは、走行制御装置10によって制御される車両100と、運転者によって手動で運転される他の車両110とで同じ内容を含んでよいし、異なる内容を含んでもよい。走行制御装置10は、センサ20から他車の位置に関する情報を取得し、他車の位置に関する情報に基づいて、車両100の走行を制御してよい。このようにすることで、車両100は、他の車両110とコース200を共用できる。その結果、タイヤ6を試験する試験区間210の利用効率が向上する。つまり、タイヤ6の試験の効率が向上する。
【0041】
例えば、所定のルールは、車両100が他の車両110を追い越さないように車両100の走行を制御する内容を含んでよい。このようにすることで、他の車両110よりもさらに前方の状況がセンサ20から見て他の車両110に遮られ、センサ20によって検出されない場合であっても、車両100を安全に走行させることができる。
【0042】
他の車両110が試験区間210を走行している間に、車両100が試験区間210に進入した場合、他の車両110の走行騒音が車両100の試験データに重なる。この場合、マイク212は、車両100が装着しているタイヤ6の試験データを正常に取得できない。よって、コース200が試験区間210を含む場合、所定のルールは、他の車両110が試験区間210を走行している間に車両100が試験区間210に進入しないように車両100の走行を制御する内容を含むものとする。走行制御装置10は、センサ20の検出結果に基づいて、他車の位置又は速度に関する情報を取得してもよい。走行制御装置10は、他車の位置又は速度に関する情報に基づいて、車両100の走行を制御してよい。
【0043】
図2に示されるように、コース200は、試験区間210の他に、待機区間230を有してよい。走行制御装置10は、他の車両110が試験区間210を走行している間に車両100が試験区間210に進入する可能性がある場合、車両100を待機区間230で停止させる。
【0044】
コース200は、待機区間230と試験区間210との間に、加速区間240を有してよい。走行制御装置10は、加速区間240において車両100の速度を制御し、車両100が試験区間210で惰行走行する際に試験速度でマイク212の間を通過させる。コース200は、待機区間230の前に、判定区間220を含んでよい。走行制御装置10は、車両100が判定区間220を走行している間に、車両100が試験区間210を走行してよいか判定する。走行制御装置10は、車両100が試験区間210を走行してよいと判定しない場合、車両100が加速区間240に進入しないように車両100の走行を制御してよい。言い換えれば、走行制御装置10は、車両100が加速区間240に進入した後、車両100が停止せずに試験区間210を走行するように車両100の走行を制御してよい。
【0045】
コース200は、他車の存在を検出する検出装置280を備えてよい。検出装置280は、コース200の路面の横に位置してもよいし、コース200の路面上に位置してもよい。検出装置280は、例えば、赤外線センサ等の検出デバイスを含んでもよいし、カメラ等の撮像デバイスを含んでもよい。検出装置280は、走行制御システム1と通信する通信デバイスを含み、検出結果を走行制御システム1に送信してよい。検出装置280は、コース200上を走行する他車の位置又は速度を検出してよい。検出装置280は、他車と通信する通信デバイスを含み、通信によって他車の位置又は速度を検出してもよい。
【0046】
走行制御装置10は、検出装置280から他車に関する情報を取得し、その情報に基づいて車両100の走行を制御してよい。他車に関する情報は、他車の存在、又は、位置若しくは速度等を含む。このようにすることで、他車との関係に基づく走行の制御の精度が向上する。
【0047】
走行制御装置10は、車両100が判定区間220を走行している間、センサ20及び検出装置280の少なくとも一方の検出結果に基づいて車両100の走行を制御してよい。走行制御装置10は、センサ20及び検出装置280の少なくとも一方の検出結果に基づいて、加速区間240及び試験区間210における他車の存在を検出してよい。走行制御装置10は、センサ20及び検出装置280の少なくとも一方の検出結果に基づいて、加速区間240及び試験区間210における他車の位置又は速度を検出してもよい。走行制御装置10は、加速区間240及び試験区間210における他車に関する情報に基づいて、車両100が試験区間210を走行してよいか判定してよい。走行制御装置10が他車に関する情報に基づいて車両100が試験区間210を走行してよいか判定することによって、コース200上で車両100と他車とが混走する場合の安全性が向上する。走行制御装置10は、加速区間240及び試験区間210を走行している他車の位置及び速度に基づいて、他車が試験区間210を通過する時間を算出し、その時間に基づいて車両100が加速区間240に進入してよいか判定してもよい。
【0048】
コース200は、車両100が自車の位置を認識できるようなマーカを有してよい。マーカは、例えばコース200の路面上に、白線等で表示されていてよい。この場合、車両100は、センサ20によってマーカを読み取り、自車の位置を認識してよい。マーカは、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の通信によって読み取り可能なものであってもよい。この場合、車両100は、センサ20によってマーカと通信し、マーカの位置情報を読み取ることによって、自車の位置を認識してよい。
【0049】
コース200は、車両100の進入を制限するゲートシステムを備えてもよい。ゲートシステムは、待機区間230に含まれてもよい。ゲートシステムは、車両100に対して進入の可否を知らせるゲートを備えてよい。ゲートシステムは、例えば車両100が試験区間210を走行している場合、他の車両110が加速区間240に進入しないように、ゲートを閉じてよい。つまり、ゲートシステムは、コース200内における車両100及び車両110の位置情報に基づいて、ゲートの開閉を制御してよい。ゲートは、信号機等のように進入の可否を視覚的に表すものであってもよいし、バー等の障害物であってもよい。この場合、走行制御装置10は、センサ20によって信号機又はバーの状態を検出し、車両100を進入させるか否か決定してよい。ゲートは、車両100に対して、通信によって進入の可否を表す情報を送信してよい。この場合、走行制御装置10は、受信した情報に含まれる進入の可否に従って、車両100を進入させるか否か決定してよい。
【0050】
走行制御装置10は、車両100が加速区間240に進入する前に、センサ20及び検出装置280の少なくとも一方の検出結果に基づいて、車両100が加速区間240に進入してよいか判定する。走行制御装置10は、車両100が加速区間240に進入してよいと判定しない場合、車両100を待機区間230で停止させる。走行制御装置10は、車両100が加速区間240に進入してよいと判定した場合、車両100が待機区間230から発進したり、待機区間230を通過したりするように、車両100の走行を制御する。
【0051】
走行制御装置10は、待機区間230から車両100を発進させた後、加速区間240において、試験区間210で車両100が惰行走行している間に減速し、マイク212の間を試験速度で走行するように、車両100を試験速度よりも速い速度に加速する。走行制御装置10は、マイク212でタイヤ6の試験データを取得できるように試験区間210で車両100を惰行走行させる。コース200は、試験区間210の後に巡航区間250を含んでよい。走行制御装置10は、車両100が試験区間210を通過した後、車両100を巡航区間250で走行させ、判定区間220に戻す。
【0052】
走行制御装置10の制御部12は、図6に例示されるフローチャートの手順に沿って、コース200上における車両100の走行を制御してよい。
【0053】
制御部12は、車両100を待機区間230で停止させる(ステップS11)。
【0054】
制御部12は、車両100を発進させるか判定する(ステップS12)。制御部12は、車両100を発進させても、他の車両110が試験区間210を走行している間に車両100が試験区間210に進入しない場合に、車両100を発進させると判定してよい。制御部12は、検出装置280からの情報に基づいて、車両100を発進させるか判定してよい。
【0055】
制御部12は、車両100を発進させないと判定した場合(ステップS12:No)、ステップS11に戻って、車両100を待機区間230で待機させ続ける。制御部12は、車両100を発進させると判定した場合(ステップS12:Yes)、車両100を発進させ、車両100を加速区間240に進入させる(ステップS13)。制御部12は、加速区間240において、車両100が試験速度でマイク212の間を通過できるように、車両100の速度を制御する。
【0056】
制御部12は、車両100を試験区間210へ進入させる(ステップS14)。制御部12は、車両100のエンジン2又はモータを停止させ、車両100を惰行走行させる。車両100が試験区間210を通過している間、マイク212は、車両100に装着されているタイヤ6の試験データを検出している。
【0057】
制御部12は、車両100を巡航区間250へ進入させる(ステップS15)。制御部12は、所定のルールに基づいて車両100の走行を制御し、車両100を判定区間220まで走行させる。
【0058】
制御部12は、車両100を判定区間220へ進入させる(ステップS16)。
【0059】
制御部12は、車両100が判定区間220を走行している間に、車両100を加速区間240に進入させるか判定する(ステップS17)。つまり、制御部12は、車両100が判定区間220を走行している間に、車両100に待機区間230を通過させるか、車両100を待機区間230で停止させるかを判定する。制御部12は、車両100を加速区間240へ進入させると判定した場合(ステップS17:Yes)、ステップS13の手順に進み、車両100を加速区間240へ進入させる。制御部12は、車両100を加速区間240へ進入させないと判定した場合(ステップS17:No)、ステップS11の手順に進み、車両100を待機区間230で停止させる。
【0060】
比較例として、他の車両110に試験対象としてのタイヤ6が装着される場合、他の車両110を、タイヤ6の試験に関する所定の規格に基づいて運転することができる技術を習得した運転者が少なくとも1名必要となる。運転者がタイヤ6の試験に関する所定の規格に基づいて運転することができる技術を習得するために、時間及びコストがかかる。
【0061】
一方、本実施形態に係る車両100は、走行制御装置10を備えることによって、自動運転で走行する。車両100に試験対象としてのタイヤ6が装着される場合、車両100が自動運転で走行してタイヤ6の試験データを取得する。車両100が自動運転で走行する場合、車両100は、無人で走行してもよいし、タイヤ6の試験に関する所定の規格に基づいて運転することができる技術を習得していない運転者が乗車している状態で走行してもよい。つまり、車両100が自動運転で走行する場合、タイヤ6の試験に関する所定の規格に基づいて運転することができる技術を習得した運転者が必要とされない。その結果、運転者に技術を習得させるための時間及びコストが削減される。また、タイヤ6の試験データは、サーバ300に集められる。この場合、1人のオペレータが、サーバ300を確認することによって、複数の車両100における試験データの取得状況を並列的に確認できる。その結果、種々のタイヤ6を装着した車両100を所定の規格に基づいて効率よく走行させることができる。サーバ300を確認するオペレータは、運転技術を習得していても習得していなくてもよい。その結果、オペレータに技術を習得させるための時間及びコストが削減される。以上のように、走行制御装置10が車両100の走行を自動運転で制御することによって、タイヤ6の試験データの取得が効率化される。
【0062】
走行制御装置10は、試験データが正常でないと判定した場合、試験データが正常でないことを表すアラームを報知してもよい。アラームを報知する対象は、サーバ300を確認するオペレータであってよいし、車両100の運転者であってもよい。アラームを報知することによって、タイヤ6の試験データの再取得が容易になる。その結果、タイヤ6の試験データの取得が効率化される。
【0063】
本開示に係る走行制御システム1及び走行制御装置10は、上述した実施形態に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。
【0064】
本開示に係る走行制御システム1又は走行制御装置10は、タイヤ6の試験データを取得するタイヤ試験装置として用いられてよい。本開示に係る走行制御システム1又は走行制御装置10は、タイヤ6の試験データを取得するタイヤ試験方法を実行できる。
【符号の説明】
【0065】
1:走行制御システム、2:エンジン、3:動力伝達装置、4:制動装置、5:操舵装置、6:タイヤ、7:第1バッテリ、10:走行制御装置、12:制御部、20:センサ、30:通信装置、40:第2バッテリ、100:車両、110:他の車両、200:コース、210:試験区間、212:マイク、220:判定区間、230:待機区間、240:加速区間、250:巡航区間、280:検出装置、300:サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6