(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018091703
(22)【出願日】2018-05-10
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】安福 一郎
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特許第6683349(JP,B2)
【文献】特開2018-051329(JP,A)
【文献】特開2017-148127(JP,A)
【文献】特開2019-195534(JP,A)
【文献】特開2016-174800(JP,A)
【文献】特開2017-202273(JP,A)
【文献】特開2018-019794(JP,A)
【文献】特開2017-196092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に夫々設けられ、該遊技領域に発射された遊技球を入球可能な第一始動口および第二始動口と、
前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に発射された遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される大入賞口と、
第一特別図柄を変動表示する第一特別図柄表示装置と、
第二特別図柄を変動表示する第二特別図柄表示装置と、
前記第一始動口と第二始動口とへの遊技球の入球に起因して、所定の乱数を抽出する乱数抽出手段と、
該乱数抽出手段により抽出した乱数に基づいて、当否判定する当否判定手段と、
所定の第一変動条件の成立を契機として、前記第一特別図柄表示装置の第一特別図柄を変動開始し、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による判定結果を示す図柄態様で停止表示させる第一特別図柄制御手段と、
所定の第二変動条件の成立を契機として、前記第二特別図柄表示装置の第二特別図柄を変動開始し、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による判定結果を示す図柄態様で停止表示させる第二特別図柄制御手段と、
前記当否判定手段で大当り判定した場合に、前記第一特別図柄の変動停止または第二特別図柄の変動停止に基づいて、前記大入賞口を開放する開放ラウンドを複数回繰り返す大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段と、
前記大当り遊技の終了後に、通常遊技状態に比して遊技者の獲得可能な利益が高い複数の高利得遊技状態のいずれかに選択的に移行させる遊技状態移行手段とを備え、前記第一特別図柄と第二特別図柄とを同時並行して変動表示可能である弾球遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、前記第一始動口への入球に基づいて発生する利益と異なる利益を前記第二始動口への入球に基づいて発生する特殊利得遊技状態に、前記大当り遊技後に移行した特定の高利得遊技状態で所定の特殊移行条件が成立することによって移行する処理内容を備え、
前記特殊移行条件が、前記特定の高利得遊技状態で、前記第一特別図柄の変動回数が所定の第一閾値に達すること、又は前記第二特別図柄の変動回数が、該第一閾値よりも小さい第二閾値に達することであり、
前記特定の高利得遊技状態における、前記第二閾値に達する特殊移行条件が成立する前の所定タイミングのみで、前記特殊利得遊技状態への移行を遊技者に予見させる所定の予見演出を実行する予見演出制御手段と、
前記特殊利得遊技状態に移行したことを報知する報知手段を更に備えた弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口への遊技球の入球を契機として当否抽選し、大当りの場合に、大入賞口を開閉する大当り遊技を実行する弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される弾球遊技機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、所定の乱数を抽出し、該乱数に基づいて当否判定を行い、該当否判定の結果が大当りであった場合に、大入賞口を開放する開放ラウンドを所定回数繰り返す大当り遊技が実行される。さらに、こうした弾球遊技機では、大当り遊技の終了後に、通常遊技状態と高利得遊技状態とのいずれか、又は複数の高利得遊技状態のいずれかに移行する構成が知られている。
また、始動口への入球を契機として抽出した乱数に基づく当否判定で、大当り、小当り、又はハズレを判定する構成も知られており、小当りと判定された場合には、大入賞口を短時間開放する小当り遊技が実行される。ここで、小当り遊技は、大入賞口の開放時間が、前記大当り遊技の開放ラウンドにおける総開放時間に比して極めて短いことから、大当り遊技に比して大入賞口への入球数が少なく、賞球数も少ない。
【0003】
近年、大当り遊技の終了後に、小当り遊技を連続して発生可能な遊技状態へ移行するようにした弾球遊技機が知られている。こうした小当り遊技の連続実行は、小当りラッシュと呼称されており、例えば、特許文献1には、該小当りラッシュを行う構成が提案されている。
この従来構成は、二個の始動口と、一方の始動口への遊技球の入球を契機として、高確率で小当りを判定する当否抽選を実行する抽選手段とを備え、大当り遊技の終了後に移行した所定の遊技状態で、該一方の始動口への入球により変動する特別図柄の変動時間を短くすることによって、前記抽選手段で小当り判定を頻繁に生じさせ、小当り遊技が連続的に発生するようにしている。このように小当り遊技が頻繁に発生することにより、大入賞口に入球し易くなるため、賞球数を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、相互に異なる複数の遊技状態へ移行する機能を備えた従来の弾球遊技機では、一般的に、特別図柄の変動回数が所定数値に達することを条件として、特殊な遊技状態へ移行するものもある。例えば、前述した大当り遊技後に通常遊技状態または高利得遊技状態へ移行する構成にあって、該大当り遊技後の遊技状態(通常遊技状態または高利得遊技状態)で、特別図柄の変動回数が所定数値に達することを条件(所謂、移行条件)として、前記特殊な遊技状態に移行する構成である。
ここで、前記した特殊な遊技状態としては、前記高利得遊技状態と相互に異なる利益を獲得可能とする。具体的には、二個の始動口を備え、特殊な遊技状態で一方の始動口に入球することによって、前記高利得遊技状態と異なる利益の獲得に有利とする構成があり得る。
そして、かかる構成では、二個の始動口への夫々の入球によって特別図柄を変動させることから、各始動口への入球を契機とする特別図柄の変動回数により、前記特殊な遊技状態へ移行する移行条件が定められている。すなわち、大当り遊技後の遊技状態(通常遊技状態または高利得遊技状態)における、一方の始動口への入球による特別図柄の変動回数と、他方の始動口への入球による特別図柄の変動回数とを合計した総変動回数が、所定数値に達することで前記移行条件が成立して、特殊な遊技状態へ移行する。
【0006】
こうした構成にあっては、大当り遊技後の遊技状態(通常遊技状態または高利得遊技状態)で、いずれの始動口に入球しても、特別図柄の変動回数が増えることから、遊技者は、いずれかの始動口を狙うこと無く漫然と遊技球を発射させたり、より多くの利益を獲得可能な始動口を狙って遊技球を発射させてしまい易い。
しかし、前述したように特殊な遊技状態では、一方の始動口への入球により、高利得遊技状態と異なる利益を獲得可能としていることから、いずれの始動口を狙うこと無く漫然と遊技球が発射されていると、特殊な遊技状態に移行した際に、該一方の始動口を狙う遊技球の発射に直ぐに対応できずに遅れが生じ易い。そのため、特殊な遊技状態での利益の獲得が遅れ、該特殊な遊技状態で獲得できる利益が低減する虞がある。さらには、一方の始動口への入球に比して、他方の始動口への入球により多くの利益を獲得できる可能性が高い構成では、大当り遊技後の遊技状態でも他方の始動口を狙って遊技球を発射する傾向にあるため、特殊な遊技状態に移行した際に、前記対応が一層遅れ易く、該特殊な遊技状態で獲得可能な利益がさらに低減してしまう虞があった。
【0007】
また、前記特殊な遊技状態への移行前に該移行を予告することにより、前記した遊技者の対応遅れを抑制することが可能と考えられる。しかし、前述したように、前記特殊な遊技状態への移行条件が特別図柄の総変動回数に基づいて定められていることから、一方の特別図柄の変動を注視していると、他方の特別図柄の変動に気付かずに、前記移行条件が成立してしまうことがあり得る。
さらに、前述した二個の始動口を備えた構成では、夫々の始動口に対応する二種類の特別図柄が定められ、夫々の特別図柄が独立して変動可能(所謂、同時変動可能)とした構成もある。こうした構成では、一方の特別図柄の変動中に、他方の特別図柄が変動して前記移行条件が成立することもあり、この場合には該移行条件の成立に遊技者が一層気付き難く、前記特殊な遊技状態に唐突に移行するように感じられる。そして、このように唐突に前記特殊な遊技状態へ移行すると、遊技者に違和感が想起され易い。さらに、こうした違和感を遊技者が気にすると、該移行条件に対する不信感が生じてしまう虞もあるため、該違和感を抑制することが求められていた。
【0008】
本発明は、大当り遊技後に移行した遊技状態で所定の移行条件が成立することにより、特殊な遊技状態へ移行する構成にあって、該特殊な遊技状態に移行する際に、該移行時から該特殊な遊技状態に適正に対応して遊技を進行し得る弾球遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遊技領域に夫々設けられ、該遊技領域に発射された遊技球を入球可能な第一始動口および第二始動口と、前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に発射された遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される大入賞口と、第一特別図柄を変動表示する第一特別図柄表示装置と、第二特別図柄を変動表示する第二特別図柄表示装置と、前記第一始動口と第二始動口とへの遊技球の入球に起因して、所定の乱数を抽出する乱数抽出手段と、該乱数抽出手段により抽出した乱数に基づいて、当否判定する当否判定手段と、所定の第一変動条件の成立を契機として、前記第一特別図柄表示装置の第一特別図柄を変動開始し、所定変動時間の経過後に、前記当否判定手段による判定結果を示す図柄態様で停止表示させる第一特別図柄制御手段と、所定の第二変動条件の成立を契機として、前記第二特別図柄表示装置の第二特別図柄を変動開始し、所定変動時間の経過後に、
前記当否判定手段による判定結果を示す図柄態様で停止表示させる第二特別図柄制御手段と、前記当否判定手段で大当り判定した場合に、前記第一特別図柄の変動停止または第二特別図柄の変動停止に基づいて、前記大入賞口を開放する開放ラウンドを複数回繰り返す大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段と、前記大当り遊技の終了後に、通常遊技状態に比して遊技者の獲得可能な利益が高い複数の高利得遊技状態のいずれかに選択的に移行させる遊技状態移行手段とを備え、前記第一特別図柄と第二特別図柄とを同時並行して変動表示可能である弾球遊技機において、前記遊技状態移行手段は、前記第一始動口への入球に基づいて発生する利益と異なる利益を前記第二始動口への入球に基づいて発生する特殊利得遊技状態に、前記大当り遊技後に移行した特定の高利得遊技状態で所定の特殊移行条件が成立することによって移行する処理内容を備え、前記特殊移行条件が、前記特定の高利得遊技状態で、前記第一特別図柄の変動回数が所定の第一閾値に達すること、又は前記第二特別図柄の変動回数が、該第一閾値よりも小さい第二閾値に達することであり、前記特定の高利得遊技状態における、前記第二閾値に達する特殊移行条件が成立する前の所定タイミングのみで、前記特殊利得遊技状態への移行を遊技者に予見させる所定の予見演出を実行する予見演出制御手段と、前記特殊利得遊技状態に移行したことを報知する報知手段を更に備えた弾球遊技機である。
【0010】
ここで、「第一始動口」は、遊技領域に一個のみ設けられていても良いし、複数個設けられていても良い。複数個設けた場合には、いずれの第一始動口に入球しても、乱数を抽出して当否判定手段により判定が行われ、第一特別図柄制御手段により第一特別図柄の変動と停止とが制御される。
また、「第二始動口」は、始動領域に一個のみ設けられていても良いし、複数個設けられていても良い。そして、複数個設けた場合には、いずれの第二始動口に入球しても、乱数を抽出して当否判定手段により判定が行われ、第二特別図柄制御手段により第二特別図柄の変動と停止とが制御される。
また、「大入賞口」は、遊技領域に一個のみ設けられていても良いし、複数個設けられていても良い。複数個設けた構成では、予め定めた条件に応じて、いずれかの大入賞口を選択的に開放させることが可能である。
また、「第一変動条件」は、第一始動口への遊技球の入球により抽出した乱数に基づいて当否判定手段が当否判定を行うことに定めることが好適である。例えば、第一始動口への入球により抽出した乱数を第一保留記憶として記憶し、当否判定手段が該第一保留記憶の消化により当否判定を行う構成にあって、該第一保留記憶を消化することを、第一変動条件と定めることができる。また、第一始動口への入球により抽出した乱数を保留記憶として記憶せずに、直ぐに該乱数に基づいて当否判定する構成にあっては、該乱数を当否判定することを、第一変動条件と定めることができる。
また、「第二変動条件」は、前記第一変動条件と同様に、第二始動口への遊技球の入球により抽出した乱数に基づいて当否判定手段が当否判定を行うことに定めることが好適である。例えば、第二始動口への入球により抽出した乱数を第二保留記憶として記憶する構成では、該第二保留記憶を消化することを、第二変動条件と定めることができる。また、第二始動口への入球により抽出した乱数を保留記憶として記憶せずに、直ぐに該乱数に基づいて当否判定する構成にあっては、該乱数を当否判定することを、第二変動条件と定めることができる。
また、「高利得遊技状態」は、賞球のように直接的な利益が通常遊技状態よりも高くなる遊技状態だけでなく、遊技者が有利になる遊技状態(例えば、大当り判定する確率が通常遊技状態よりも高くなる遊技状態、特別図柄や普通図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短くなる遊技状態)であっても良いし、又はレア演出(通常遊技状態で発生しない又は発生率の低い演出)を発生する遊技状態であっても良い。
また、「遊技状態移行手段」は、通常遊技状態と一又は複数の高利得遊技状態との全てが選択されるものに限らず、一部の遊技状態を選択する確率を0%とすることも可能である。例えば、大当り遊技の終了後には、通常遊技状態の選択確率を0%として、高利得遊技状態を選択して移行する構成としても良い。さらに、各遊技状態を選択する確率は、全て同じであっても良いし、各遊技状態で異なる確率を定めていても良い。
また、「第一特別図柄と第二特別図柄とを同時並行して変動表示可能」とは、第一特別図柄表示装置での第一特別図柄の変動表示および停止表示と、第二特別図柄表示装置での第二特別図柄の変動表示および停止表示とを、独立して実行可能であることを示す。すなわち、第一特別図柄と第二特別図柄との一方を変動表示中に他方を変動表示開始することができ、夫々に停止表示できる。
また、「特定の高利得遊技状態」は、複数の高利得遊技状態を備えた構成にあって、一の高利得遊技状態としても良いし、複数の高利得遊技状態としても良い。一方、一の高利得遊技状態を備えた構成では、当該高利得遊技状態が特定の高利得遊技状態である。
また、「特殊利得遊技状態」は、第一始動口と第二始動口とへの夫々の入球に基づいて、相互に異なる利益を発生するものであり、該利益が、賞球のような直接的な利益だけでなく、遊技者が有利になる利益やレア演出を実行する利益であっても良い。
【0011】
かかる構成にあっては、特殊移行条件を成立する第二閾値が第一閾値よりも小さく、第一特別図柄に比して第二特別図柄を変動させる方が、該特殊移行条件が成立し易いことから、特定の高利得遊技状態で、遊技者に第二始動口を狙って遊技球を発射させ得る。これにより、特定の高利得遊技状態から特殊利得遊技状態に移行した際に、該特定の高利得遊技状態と同様に第二始動口を狙って遊技球を発射することで、該特殊利得遊技状態の開始時から、第二始動口への入球に基づく利益を獲得し得る遊技に、遅滞なく対応することが可能である。すなわち、特殊利得遊技状態に移行した際に、第二始動口を狙った遊技球の発射を、特定の高利得遊技状態から継続して行うことによって、該第二始動口への入球に基づいて発生する利益を、遊技者が十分に獲得可能であり、第一始動口への入球と異なる該利益を発生させるという特殊利得遊技状態の遊技性を遊技者が十分に満喫できる。
【0012】
また、特殊移行条件は、第一特別図柄の変動回数が第一閾値に達すること、又は第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達することであり、夫々で独立してカウントされる第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数とのいずれか一方のみで成立する。そして、第二閾値が第一閾値よりも小さい値に定められていることから、前記のように第二始動口を狙って遊技球を発射すれば、第二特別図柄の変動回数により特殊移行条件が成立する。そのため、前述した従来構成のように特殊利得遊技状態への移行に対して遊技者に生ずる違和感が、本構成では生じ難く、特殊移行条件に対して不信感を生ずることも防止できる。
尚、前記のように、特殊移行条件は、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数とのいずれか一方のみで成立することから、仮に、第一始動口を狙って遊技球を発射していた場合には、第一特別図柄の変動回数により特殊移行条件が成立する可能性が高い。そのため、第一始動口を狙った遊技であっても、特殊利得遊技状態への移行に対して違和感が生ずることを、可及的に抑制できる。
【0013】
尚、本構成にあっては、特定の高利得遊技状態における第一特別図柄の平均変動時間と第二特別図柄の平均変動時間とをほぼ同じ、又は特定の高利得遊技状態における第二特別図柄の平均変動時間が第一特別図柄よりも短くすることが好適である。ここで、平均変動時間とは、第一,第二特別図柄を、少なくともハズレ確定(および小当り判定)する場合における、夫々の変動時間の平均である。
【0014】
上述した本発明の弾球遊技機にあって、特定の高利得遊技状態における、特殊移行条件が成立する前の所定タイミングで、特殊利得遊技状態への移行を遊技者に予見させる予見演出を実行する予見演出制御手段を備えた構成が提案される。
【0015】
ここで、「予見演出」は、演出図柄表示装置で表示させる静止画や動画によるもの、スピーカで発生させる音によるもの、ランプで発生させる光によるもののいずれであっても良いし、これらの複数によるものであっても良い。そして、「予見演出制御手段」は、前記した予見演出を行う演出図柄表示装置、スピーカ、およびランプと、これらを駆動制御する装置などとを備えるものである。
また、「所定タイミング」は、特殊移行条件の成立前であれば、特定の高利得遊技状態中で適宜設定することが可能であり、具体的には、第一閾値よりも小さい所定回数値や第二閾値よりも小さい所定回数値を定め、これら回数値に達したタイミングとすることができる。
【0016】
かかる構成にあっては、特定の高利得遊技状態での予見演出により、遊技者が事前に特殊利得遊技状態への移行を知得できるため、該移行前から該特殊利得遊技状態での遊技に対する該遊技者の期待感を刺激でき、該特定の高利得遊技状態から特殊利得遊技状態へと続く遊技の興趣を効果的に向上させ得る。さらに、遊技者が事前に特殊利得遊技状態への移行を知得できれば、該特殊利得遊技状態での遊技に備えることができるため、急な移行によって焦ったり浮き足だったりしてしまうことを防止でき、該特殊利得遊技状態の開始時点から遊技を確実かつ十分に満喫できる。
特に、本構成では、前述したように、第二始動口を狙った遊技球の発射により、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達して特殊移行条件が成立することから、予見演出の実行によって、遊技者は、特殊利得遊技状態に移行するタイミングを比較的正確に推測することができる。そのため、前述した従来構成のように移行タイミングが不意に発生して遊技者に違和感を生じさせることを、防止できる。したがって、本構成によれば、遊技者は、特殊利得遊技状態への移行を安心して迎えることができ、特定の高利得遊技状態から特殊利得遊技状態への移行による遊技を安定して楽しむことができる。
【0017】
上述した本発明の弾球遊技機にあって、当否判定手段は、少なくとも第二始動口への入球により抽出した乱数により、大当り、小当り、又はハズレを判定するものであって、該判定の際に、ハズレ判定する確率よりも高く定めた小当り確率により小当りか否かを判定する処理内容を備えてなり、前記当否判定手段で小当り判定した場合に、大入賞口を、大当り遊技による開放ラウンドの総開放時間よりも短い時間で開放させる小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段を備えたものであって、 遊技領域に発射された遊技球が第二始動口に入球可能な通常作動パターンと、該通常作動パターンよりも遊技球が該第二始動口に入球容易な易入球作動パターンとのいずれかにより、該第二始動口の開放作動制御を実行する第二始動口作動手段を備え、大入賞口は、前記第二始動口を易入球作動パターンにより開放作動制御する状態で、開放された該大入賞口に遊技球が入球困難とし、且つ前記通常作動パターンにより開放作動制御する状態で、開放された該大入賞口に遊技球が入球可能とするように、前記第二始動口の下方に配設されてなり、第二特別図柄制御手段は、少なくとも通常遊技状態における第二特別図柄の平均変動時間を、第一特別図柄の平均変動時間よりも長くする長変動制御内容と、特定の高利得遊技状態および特殊利得遊技状態における第二特別図柄の平均変動時間を、第一特別図柄の平均変動時間以下とする短変動制御内容とを備えてなり、特定の高利得遊技状態は、前記第二特別図柄制御手段による短変動制御内容の実行に加えて、少なくとも前記易入球作動パターンにより第二始動口を開放作動制御する一方、前記特殊利得遊技状態は、前記短変動制御内容の実行に加えて、少なくとも前記通常作動パターンにより第二始動口を開放作動制御するものである構成が提案される。
【0018】
ここで、「大当り遊技による開放ラウンドの総開放時間」は、各開放ラウンドの開放時間を合計した時間に相当する。
また、「小当り遊技」は、大入賞口を一回開放するものであっても良いし、複数回開放するものであっても良い。さらには、一回開放と複数回の開放とを選択的に行うものとすることもできる。
また、「平均変動時間」は、第一,第二特別図柄の変動時間の平均であって、通常、大当り確定する場合、小当り確定する場合、ハズレ確定する場合で夫々変動時間が異なることから、それぞれの場合の変動時間の平均を示す。すなわち、平均変動時間の長短は、大当り確定する場合の平均変動時間と、小当り確定する場合の平均変動時間と、ハズレ確定する場合の平均変動時間との夫々の比較に基づく。
そして、「長変動制御内容」は、少なくとも小当り及びハズレ確定する場合における第二特別図柄の平均変動時間を、第一特別図柄の平均変動時間よりも長くすることが好適である。同様に、「短変動制御内容」は、少なくとも小当り及びハズレ確定する場合における第二特別図柄の平均変動時間を、第一特別図柄の平均変動時間以下とすることが好適である。
【0019】
かかる構成にあって、特殊利得遊技状態では、第二始動口への入球により高確率で小当り判定し、且つ第二特別図柄の平均変動時間を短くしていることから、小当り遊技が頻繁に発生する。さらに、この特殊利得遊技状態では、通常作動パターンにより第二始動口を開放作動制御することから、該第二始動口に到達した遊技球の一部が該第二始動口に入球でき、それ以外の多くが下方へ流下する。そのため、第二始動口に入球できなかった遊技球が、頻繁に発生する小当り遊技により開放された大入賞口に、遊技球が入球し易い。すなわち、本構成の特殊利得遊技状態は、所謂小当りラッシュを発生する遊技状態である。
一方、特定の高利得遊技状態では、特殊利得遊技状態と同様に小当り遊技が頻繁に発生するものの、易入球作動パターンにより第二始動口を開放作動制御することから、該第二始動口に到達した遊技球の多くが該第二始動口に入球でき、下方へ流下する遊技球が少ない。そのため、頻繁に発生する小当り遊技により大入賞口が開放されても、遊技球がほとんど入球できない。そのため、特定の高利得遊技状態は、前記した小当りラッシュを発生できない遊技状態である。
このように本構成は、大当り遊技後に移行した特定の高利得遊技状態を介して、小当りラッシュを発生する遊技状態(特殊利得遊技状態)に移行するものであり、該特定の高利得遊技状態で特殊移行条件が成立することによって、小当りラッシュを発生する遊技状態に移行する。そして、小当りラッシュを発生する遊技状態では、前記のように第二始動口への入球により小当りラッシュが発生することから、該第二始動口を狙って遊技球を発射することが遊技者にとって有利である。
【0020】
本構成によれば、第二始動口を狙う遊技球の発射を特定の高利得遊技状態から特殊利得遊技状態で続けることにより、該特殊利得遊技状態では、頻繁に発生する小当り遊技により開放される大入賞口に遊技球が入球し易く、該特殊利得遊技状態の小当りラッシュによる利益を遊技者が十分に獲得できる。これは、特殊移行条件を成立する第二閾値が第一閾値よりも小さく、第一特別図柄に比して第二特別図柄を変動させる方が、該特殊移行条件が成立し易いことによって、特定の高利得遊技状態で遊技者に第二始動口を狙って遊技球を発射させることによる作用効果である。
ここで、仮に、小当りラッシュの遊技状態へ移行する条件が、前述した従来と同様に設定された構成(第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数とを合計した総変動回数が所定数値に達することを、該条件とした構成)では、遊技者がいずれの始動口を狙うこと無く漫然と遊技球を発射させることがあり得る。このような漫然とした遊技球の発射では、小当りラッシュの遊技状態へ移行した際に、対応が遅れてしまい、該小当りラッシュにより獲得できる利益が低減するという問題を生ずる虞がある。本構成では、前述したように、こうした問題を確実に抑制することができる。
【0021】
さらに、前記した特殊利得遊技状態への移行の予見演出を実行する構成では、該予見演出から該移行へと違和感無くスムーズに進行することから、遊技者が安心して遊技を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。
【
図4】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施例のパチンコ機1における遊技の仕様の一部を説明する図表である。
【
図6】(A)第一特別図柄の大当り図柄態様と、大当り遊技の内容および該大当り遊技後の遊技状態との関係を示す図表と、(B)第二特別図柄の大当り遊技態様と、大当り遊技の内容および該大当り遊技後の遊技状態との関係を示す図表である。
【
図7】メインルーチンの概要を示すフローチャートである。
【
図9】第一特別図柄当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図10】第一特別図柄当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図11】第一特別図柄当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図12】第一特別図柄当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図13】第二特別図柄当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図14】第二特別図柄当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図15】第二特別図柄当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図16】第二特別図柄当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図17】大当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図18】大当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図19】大当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図20】小当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図21】小当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図22】普図始動入賞処理を示すフローチャートである。
【
図23】普通図柄当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図24】普通図柄当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図25】普図遊技処理を示すフローチャートである。
【
図26】予見演出処理を示すフローチャートである。
【
図27】演出図柄表示装置6に表示される演出態様を示す説明図である。
【
図28】普通電動役物13と第二大入賞口15との開放を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
【0024】
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0025】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を高めたり、遊技者に注意喚起する。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0026】
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0027】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(
図4参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69が設けられている。
【0028】
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0029】
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、常時遊技球を入球可能に構成されている一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能とする構成である。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能に構成されている。尚、後述するように、第一始動口11への遊技球の入球に起因して、第一特別図柄の変動表示を伴う当否抽選(第一特別図柄当否判定処理)が行われ、第二始動口12への遊技球の入球に起因して、第二特別図柄の変動表示を伴う当否抽選(第二特別図柄当否判定処理)が行われる。
【0030】
さらに、センターケース5の右下方(普通電動役物13の下方)には、第一大入賞口14と第二大入賞口15とが上下に並んで配設されている。第一大入賞口14と第二大入賞口15とは、夫々に特別電動役物により構成されている。各特別電動役物は、各大入賞口14,15を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、各大入賞口14,15へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、各大入賞口14,15へ遊技球を入球可能な開放状態とする。こうした各特別電動役物は、前記開閉片を開閉作動させる大入賞口ソレノイド14b,15b(
図4参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14b,15bを夫々駆動制御することによって各大入賞口14,15を前記閉鎖状態と開放状態とに夫々変換制御できる。
【0031】
また、第一始動口11の左方には、三個の一般入賞口41が配設され、該第一始動口11の右方(第二大入賞口15の右方)には、一個の一般入賞口41が配設されている。これら一般入賞口41は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口(図示せず)が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口に入球する。
【0032】
こうした遊技領域3は、中央のセンターケース5の右側を遊技球が流下する右遊技領域3aと、該センターケース5の左側を遊技球が流下する左遊技領域3bとにより構成されており、遊技球の右打ちによって、センターケース5の上側を通過した遊技球が前記右遊技領域3aを流下し、遊技球の左打ちによって、遊技球が前記左遊技領域3bを流下する。そして、右遊技領域3aには、前記した普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口15が設けられている。そのため、右遊技流域3aを狙い打つこと(所謂、右打ち)により、これら普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口15に入球可能である。一方、センターケース5の直下に配設された前記第一始動口11は、遊技盤2に植設された遊技釘によって、左遊技領域3bを流下した遊技球が入球可能となっている。そのため、左遊技領域3bを狙い打つこと(所謂、左打ち)により、第一始動口11または前記した三個の一般入賞口41に入球できる。このように右遊技領域3aと左遊技領域3bとが構成されていることにより、遊技者は、右打ちと左打ちとを使い分けることで、各始動口11,12や各大入賞口14,15を狙った遊技を行うことができる。尚、本実施例の第一始動口11は、遊技釘によって、右遊技領域3aを流下した遊技球が入球困難となっている。
【0033】
センターケース5の左下方には、複数個のLEDからなる第一特別図柄保留数表示装置18および第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。また、遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と普通図柄保留数表示装置8とが配設されている。
【0034】
図3は、パチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には、前記遊技盤2を脱着可能に取り付けた内枠70が外枠51に収納されている。内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72、及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤2に設けられた前記の各入賞口等に遊技球の入球があると、球タンク71からタンクレール72を介して供給される遊技球が、賞球として、払出装置73により上皿55へ払い出される。また、上記したCRユニット56の貸出ボタン57および精算ボタン58が操作されると、払出装置73によって貸球が払い出される。
【0035】
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が配設されている。主制御装置80、演出図柄制御装置82,およびサブ統合制御装置83は、遊技盤2に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、および電源基板85は、内枠70に設けられている。尚、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており(
図4参照)、該外部接続端子板78を介して、遊技状態や遊技結果を示す信号(情報)が外部(ホールコンピュータ87等)に送られる。尚、従来は、前記外部接続端子板78には、盤用(遊技盤側から出力される信号を外部へ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号を外部へ出力するための端子)との二種類を用いているが、本実施例では、一の外部接続端子板78を介して外部へ信号を送信している。
【0036】
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
【0037】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を夫々検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、第一大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第一カウントスイッチ14a、第二大入賞口15に入球した遊技球を計数するための第二カウントスイッチ15a、一般入賞口41に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ41a、磁気を検知する磁石センサ、電波を検知する電波センサ等からの検出信号が入力される。
【0038】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板75を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一大入賞口ソレノイド14b、第二大入賞口ソレノイド15b、普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、第一大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで第一大入賞口14を開閉制御し、第二大入賞口ソレノイド15bを駆動制御することで第二大入賞口15を開閉制御し、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
【0039】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0040】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0041】
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置95とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置95に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0042】
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0043】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
【0044】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
【0045】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似特別図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0046】
電源基板85(
図3参照)は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板85に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板85は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板85以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板85は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0047】
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
遊技領域3に発射された遊技球が第一始動口11に入球すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第一特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
【0048】
一方、右遊技領域3aを流下した遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると、所定の乱数が抽出されて、普図保留記憶として記憶される。この普図保留記憶は最大四個まで記憶され、該普図保留記憶の記憶数は、普通図柄保留数表示装置8の点灯数により表される。こうして記憶した普図保留記憶を消化することによって、当否抽選(後述の普通図柄当否判定処理)を行うと共に、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始して、所定時間後に停止表示する。ここで、停止表示した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物13の翼片が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入球可能となる。
普通電動役物13は、一回の普通図柄の当りにより、翼片を0.5秒開放させる通常作動パターンと、該翼片を2秒開放させる易入球作動パターンとのいずれかで作動制御される。ここで、通常作動パターンは、0.5秒開放を一回実行するパターンであり、非開放延長モードで選択されて実行され、易入球作動パターンは、2秒開放を一回実行するパターンであり、開放延長モードで選択されて実行される。こうした非開放延長モードと開放延長モードとは、後述するように、第一始動口11と第二始動口12への入球により抽出される乱数(後述する第一,第二大当り図柄決定用乱数)に基づいて決定される。そして、大当り遊技の終了後に、非開放延長モードと開放延長モードとのいずれかとなる。尚、開放延長モードは、予め定められた終了条件が成立すると、非開放延長モードに変換される。
【0049】
普通電動役物13の第二始動口12に遊技球が入球すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
【0050】
本実施例では、第一特別図柄表示装置9による第一特別図柄の変動表示と、第二特別図柄表示装置10による第二特別図柄の変動表示とを同時並行して実行可能である。すなわち、第一特別図柄と第二特別図柄との一方を変動表示中であっても、他方を変動表示させることができる。
【0051】
また、第一始動口11へ遊技球が入球すると、後述するように、所定の乱数が抽出されて、第一保留記憶として記憶される。この第一保留記憶は最大四個まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数は、第一特別図柄保留数表示装置18の点灯数により表される。同様に、第二始動口12へ遊技球が入球すると、後述するように、所定の乱数が抽出されて、第二保留記憶として記憶される。この第二保留記憶は最大四個まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数は、第二特別図柄保留数表示装置19の点灯数により表される。
【0052】
こうして記憶された第一保留記憶を消化することによって、大当りか否かの当否抽選を行い(後述の第一特別図柄当否判定処理)、第二保留記憶を消化することによって、大当りか否かの当否抽選を行う(後述の第二特別図柄当否判定処理)。ここで、本実施例にあって、第一保留記憶の消化による当否抽選では、大当りかハズレかを判定する一方、第二保留記憶の消化による当否抽選では、大当り、小当り、又はハズレを判定する。
【0053】
前記第一保留記憶または第二保留記憶の消化による当否抽選で大当りと判定された場合には、第一特別図柄または第二特別図柄を変動後に該大当りを示す図柄態様で停止させ、大当りを確定する。そして、この大当り確定に伴って、第一大入賞口14を開放する大当り遊技を実行する。この大当り遊技は、第一大入賞口14を開放する開放ラウンドを所定回数繰り返し実行する。一方、前記第二保留記憶の消化による当否抽選で小当りと判定された場合には、第二特別図柄を変動後に該小当りを示す図柄態様で停止させ、小当りを確定する。そして、この小当り確定に伴って、第二大入賞口15を開放する小当り遊技を実行する。
【0054】
ここで、前記した大当り遊技と小当り遊技とについて説明する。
本実施例では、開放ラウンドのラウンド数が異なる二種類の大当り遊技を備えており、前記した第一保留記憶または第二保留記憶の消化による当否抽選で大当りと判定された場合に、いずれか一の大当り遊技を選択的に実行する。この大当り遊技の選択は、後述するように、第一始動口11と第二始動口12への入球により抽出される乱数(後述する第一,第二大当り図柄決定用乱数)に基づいて行われる。
【0055】
二種類の大当り遊技は、第一大入賞口14を開放する開放ラウンドを8回実行するロングタイプと、該開放ラウンドを4回実行するショートタイプとであり、各開放ラウンドはインターバルを挟んで繰り返される。そして、いずれのタイプにあっても、各開放ラウンドでは、第一大入賞口14の開放時間が30秒経過するか、該第一大入賞口14に10個(規定数)の遊技球が入賞すると、該第一大入賞口14を閉鎖して終了する。こうした大当り遊技では、ラウンド数の多いロングタイプが実行された場合に、ショートタイプに比して、多くの遊技球を第一大入賞口14に入球可能であり、多くの賞球を獲得できる。
【0056】
本実施例の小当り遊技は、第二大入賞口15を1.5秒間開放する開放作動を一回行うものである。すなわち、小当り遊技は、第二大入賞口15の開放時間(1.5秒間)が、前記した大当り遊技における開放ラウンドの開放時間の合計(総開放時間)に比して、極めて短い。こうした小当り遊技は、単独で実行された場合に、第二大入賞口15へ入球することが難しいものの、後述するように小当りラッシュ遊技状態で頻繁に発生する場合には、第二大入賞口15へ入球し易い。
【0057】
次に、本実施例のパチンコ機1の仕様について説明する。以下では、賞球数、大当りの当選確率、小当りの当選確率、普通図柄の当選確率、第一,第二特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、および各遊技状態について説明する。その他の仕様については、従来と同様であることから、説明を省略した。
【0058】
図5に示すように、各始動口11,12、各大入賞口14,15、および一般入賞口41に入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口11への入球毎に3個の賞球が、第二始動口12への入球毎に1個の賞球が、第一大入賞口14および第二大入賞口15への入球毎に10個の賞球が、一般入賞口41への入球毎に5個の賞球が、夫々払い出される。
【0059】
また、本実施例の構成は、前記した当否抽選で大当りに当選する確率を高くする機能を有するものであり、いわゆる確率変動機として構成されている。大当りの当選確率には、低当選確率と、該低当選確率よりも高い高当選確率とが定められており、該低当選確率は、大当り遊技の終了後に低確率モードとなった場合に前記当否抽選で用いられ、該高当選確率は、大当り遊技の終了後に高確率モードとなった場合に前記当否抽選で用いられる。本実施例にあって、低当選確率は、
図5に示すように、1/200に設定されており、高当選確率は、1/50に設定されており、第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とのいずれ場合も、同じ低当選確率と高当選確率とを用いる。
尚、大当り遊技後に低確率モードと高確率モードとのいずれとなるかは、後述するように、第一始動口11と第二始動口12への入球により抽出される乱数(後述する第一,第二大当り図柄決定用乱数)に基づいて決定される。
【0060】
小当りの当選確率は、
図5に示すように、前記低確率モードと高確率モードとのいずれの場合にも48/50に設定されている。小当りの抽選は、前述したように、第二保留記憶の消化により実行されることから、該第二保留記憶の消化による当否抽選では、ほとんどの場合で小当りと判定される。尚、第一保留記憶の消化では、小当りの抽選を実行しないことから、この小当りの当選確率が適用されない。
前記した普通図柄の当選確率は、前記低確率モードと高確率モードとのいずれの場合にも199/200に設定されている。普通図柄の抽選は、前述したように、普図保留記憶の消化により実行される。
【0061】
また、本実施例の構成は、前述した第一特別図柄と第二特別図柄とを、非時短モードに設定された変動時間と時短モードに設定された変動時間とに従って、夫々変動する。非時短モードと時短モードとには、大当り、小当り、およびハズレ毎に夫々複数の変動時間が設定されており、いずれかの変動時間が、第一,第二保留記憶の乱数(第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数など)に従って決定される。ここで、非時短モードにおける第一特別図柄の変動時間は、ハズレの場合に平均12秒、大当りの場合に平均2分であり、非時短モードにおける第二特別図柄の変動時間は、ハズレの場合と小当りの場合に10分、大当りの場合に平均2分である。一方、時短モードにおける第一特別図柄の変動時間は、ハズレの場合に平均2秒、大当りの場合に平均2分であり、時短モードにおける第二特別図柄の変動時間は、ハズレの場合と小当りの場合に平均0.2秒、大当りの場合に平均2分である。
普通図柄の変動時間は、非時短モードと時短モードとのいずれの場合にも1秒に設定されている。
【0062】
尚、普通電動役物13の開放作動制御に係る開放延長モードでは、前述したように、普通図柄が当りとなった場合に、該普通電動役物13の翼片を易入球作動パターン(2秒開放を1回)により開放作動する一方、非開放延長モードでは通常作動パターン(0.5秒開放を1回)により開放作動する。
【0063】
さらに、本実施例では、大当り遊技の終了後に、予め定められた通常遊技状態または高利得遊技状態に移行する。ここで、通常遊技状態は、「低確率モード/非時短モード/非開放延長モード」とする遊技状態であり、高利得遊技状態は、「高確率モード/時短モード/開放延長モード」とする遊技状態である。さらに、これらの他に、「高確率モード/時短モード/非開放延長モード」とする小当りラッシュ遊技状態が定められており、前記した高利得遊技状態で、所定の特殊移行条件が成立すると、小当りラッシュ遊技状態に移行する。尚、高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とは、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。
【0064】
そして、前記した高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とは、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計が10000回に達すること、または第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが後述の大当り図柄態様で確定表示されること(大当り遊技が開始されること)を条件として、終了する。ここで、高確率モードは、前述したように大当りの当選確率が1/50であることから、高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とは、実質的に次に大当りが確定するまで継続される。
さらに、高利得遊技状態から小当りラッシュ遊技状態へ移行する特殊移行条件は、該高利得遊技状態で、第一特別図柄の変動回数が所定の第一閾値に達すること、または第二特別図柄の変動回数が所定の第二閾値に達することである。そして、第二閾値(例えば、20回)が第一閾値(例えば、100回)に比して小さい値に設定されている(
図5参照)。そのため、大当り遊技後に高利得遊技状態となると、第二特別図柄の変動を狙って右打ちすることにより、小当りラッシュ遊技状態へ移行し易くなる。
このように本実施例では、大当り遊技の終了後に高利得遊技状態に移行すると、該高利得遊技状態で第一特別図柄又は第二特別図柄により大当りを確定した場合に、小当りラッシュ遊技状態に移行すること無く、大当り遊技が実行される一方、高利得遊技状態で前記特殊移行条件が成立した場合には、該高利得遊技状態から小当りラッシュ遊技状態へ移行し、該小当りラッシュ遊技状態で大当りを確定することにより、大当り遊技が実行される。
【0065】
次に、第一,第二特別図柄の大当り図柄態様について、
図6を用いて説明する。
前述したように、第一特別図柄は、第一保留記憶の消化に基づいて第一特別図柄表示装置9で変動表示され、変動時間の経過後に、当否抽選の判定結果を示す図柄態様で停止表示される。第一特別図柄は、当否抽選により大当り又はハズレ判定することから、大当りを示す図柄態様(大当り図柄態様)またはハズレを示す図柄態様(ハズレ図柄態様)で停止表示して、大当りまたはハズレを確定する。
一方、第二特別図柄は、第二保留記憶の消化に基づいて第二特別図柄表示装置10で変動表示され、変動時間の経過後に、当否抽選の判定結果を示す図柄態様で停止表示される。第二特別図柄は、前述したように、当否抽選により大当り、小当り、又はハズレ判定することから、大当り図柄態様、小当り図柄態様、又はハズレ図柄態様で停止表示して、大当り、小当り、又はハズレを確定する。
【0066】
第一特別図柄と第二特別図柄とには、夫々10種類の大当り図柄態様が予め定められており、当否抽選により大当り判定された場合に、第一,第二保留記憶の大当り図柄決定用乱数に従って、いずれか一の大当り図柄態様が決定される。
【0067】
本実施例にあって、第一特別図柄には、
図6(A)に示すように、第1~第10大当り図柄態様が定められており、各大当り図柄態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第1~第4大当り図柄態様には、8回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第1~第4大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを8回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第5~第8大当り図柄態様には、4回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した高利得遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第5~第8大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを4回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
第9,第10大当り図柄態様には、8回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した高利得遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第9,第10大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを8回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
【0068】
こうした第1~4大当り図柄態様を選択する確率が40%、第5~第8大当り図柄態様を選択する確率が40%、第9,第10大当り図柄態様を選択する確率が20%に、夫々定められている。すなわち、第一保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、前記の各選択確率により、第1~第10大当り図柄態様が選択され、第一特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。
【0069】
第二特別図柄には、
図6(B)に示すように、第11~第20大当り図柄態様が定められており、上述の第一特別図柄と同様に、各大当り図画態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第11~第14大当り図柄態様には、8回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第11~第14大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを8回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第15~第18大当り図柄態様には、4回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した高利得遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第15~第18大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを4回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
第19,第20大当り図柄態様には、8回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した高利得遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第19,第20大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを8回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
【0070】
こうした第11~14大当り図柄態様を選択する確率が40%、第15~第18大当り図柄態様を選択する確率が40%、第19,第20大当り図柄態様を選択する確率が20%に、夫々定められている。すなわち、第二保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、前記の各選択確率により、第11~第20大当り図柄態様が選択され、第二特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。
【0071】
次に、前記した高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とにおける遊技について説明する。
高利得遊技状態は、前記したように「高確率モード/時短モード/開放延長モード」であり、時短モードによって、第二特別図柄の変動時間が、ハズレと小当りの場合に0.2秒となる。そして、第二特別図柄の小当り当選確率は、前記のように極めて高い48/50であることから、第二始動口12へ入球すると、ほとんどの場合に小当り遊技(第二大入賞口15の開放作動)が実行される。そのため、高利得遊技状態では、右打ちにより、小当り遊技が頻繁に発生する。しかしながら、高利得遊技状態は、開放延長モード(易入球作動パターン)によって普通電動役物13の開放時間が長いことから、右打ちにより、普通図柄作動ゲート17への遊技球通過により普通電動役物13が頻繁に開放して、多くの遊技球が第二始動口12へ入球する。そのため、前記のように第二始動口12への入球により第二大入賞口15の開放作動(小当り遊技)が頻繁に行われても、右打ちにより右遊技領域3aを流下する遊技球の多くが第二始動口12へ入球し、該第二大入賞口15に入球することが困難となる。
【0072】
こうした高利得遊技状態における普通電動役物13の開放と第二大入賞口15の開放とを、
図28(A)に示すタイムチャートを用いて詳述する。
右遊技領域3aを流下した遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると、普通図柄が変動開始し、1秒経過後に停止する。ここで、普通図柄の当選確率は、前記のように199/200であるから、普通図柄は、ほぼ当り図画態様で確定停止する。高利得遊技状態では、開放延長モードであることから、この当り図柄態様での確定停止に伴って、普通電動役物13の翼片が2秒開放する。そして、この開放された状態で、遊技球が第二始動口12に入球すると、第二特別図柄が変動開始し、0.2秒経過後に停止する(時短モード)。第二特別図柄の小当り当選確率は、前記のように48/50であるから、該第二特別図柄は、ほぼ小当り図柄態様で確定停止する。そして、これに伴って、第二大入賞口15が1.5秒開放作動する。ここで、第二特別図柄の変動時間と小当り遊技での第二大入賞口15の開放時間との合計が、前記した普通電動役物13の開放時間に比して短いことから、該普通電動役物13の開放作動中では、右遊技領域3aを流下する遊技球の多くが、第二始動口12に入球してしまい、開放中の第二大入賞口15へ到達することが困難となる。
尚、第二始動口12の閉鎖直前に遊技球が入球すると、該第二始動口12の閉鎖中に第二大入賞口15が開放するようにも思える。しかし、右遊技領域3aを流下する遊技球が次々と普通図柄作動ゲート17を通過することにより、普通電動役物13の開放作動も次々と発生することから、該遊技球の多くが第二始動口12に入球するため、第二始動口12の開放直後での入球によって第二大入賞口15が開放作動する。そのため、第二始動口12の閉鎖中に第二大入賞口15が開放するという状況は、発生し難い。
このように高利得遊技状態では、右打ちにより、第二大入賞口15を開放する小当り遊技が頻繁に発生しても、該第二大入賞口15への入球が困難であり、該小当り遊技による賞球を獲得することが困難である。
【0073】
一方の小当りラッシュ遊技状態は、前記したように「高確率モード/時短モード/非開放延長モード」であり、時短モードによって、高利得遊技状態と同様に小当り遊技が頻繁に発生する。さらに、非開放延長モード(通常作動パターン)によって普通電動役物13の開放時間が短いことから、右打ちにより右遊技領域3aを流下する遊技球は、その一部が第二始動口12へ入球でき、他のほとんどが第二始動口12へ入球できずに第二大入賞口15へ至る。そのため、右打ちにより第二大入賞口15の開放作動(小当り遊技)が頻繁に実行され、該第二大入賞口15に入球し易い。
【0074】
こうした小当りラッシュ遊技状態における普通電動役物13の開放と第二大入賞口15の開放とを、
図28(B)に示すタイムチャートを用いて詳述する。
小当りラッシュ遊技状態にあっても、高利得遊技状態と同様に、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると、普通図柄が変動開始して1秒経過後に停止し、該普通図柄が、ほぼ当り図画態様で確定停止する。小当りラッシュ遊技状態は、非開放延長モードであることから、普通図柄の当りにより、普通電動役物13の翼片が0.5秒開放する。そして、遊技球が第二始動口12に入球することにより、第二特別図柄が変動開始して0.2秒経過後にする(時短モード)。前記のように第二特別図柄は、ほぼ小当り図柄態様で確定停止することから、第二大入賞口15が1.5秒開放する。こうした小当りラッシュ遊技状態では、第二特別図柄の変動時間と小当り遊技での第二大入賞口15の開放時間との合計が、普通電動役物13の開放時間に比して短いことから、第二始動口12へ入球できなかった遊技球が、開放中の第二大入賞口15に到達できる。尚、第二始動口12に入球するタイミングが普通電動役物13の開放直後や閉鎖直前であっても、右打ちを連続している状況では、他の遊技球が開放中の第二大入賞口15に到達できる。
このように小当りラッシュ遊技状態では、右打ちにより、第二大入賞口15を開放する小当り遊技が頻繁に発生し、該第二大入賞口15へ入球し易いことから、比較的多くの賞球を獲得することができる。
【0075】
このように高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とでは、右打ちにより小当り遊技が頻繁に発生するものの、該高利得遊技状態では、多くの遊技球が第二始動口12へ入球することから、第二大入賞口15に入球困難である。一方、小当りラッシュ遊技状態では、第二始動口12への入球が制限されることから、第二大入賞口15に入球し易い。そのため、高利得遊技状態では、小当りラッシュ遊技状態と同様に小当り遊技が頻繁に発生しても、獲得できる賞球が少なく、該頻繁に発生する小当り遊技による利益をほとんど得られない一方、小当りラッシュ遊技状態では、頻繁に発生する小当り遊技による利益を十分に獲得できる。このように第二大入賞口15に入球困難か入球容易かの点で、高利得遊技状態と小当りラッシュ遊技状態とが大きく相違する。
【0076】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図7に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S70までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS80の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0077】
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S80)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、当り決定用乱数の更新処理(S35)、リーチ判定用乱数の更新処理(S40)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S45)、入賞確認処理(S50)、当否判定処理(S55)、特別遊技処理(S60)、不正監視処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S80)をループ処理する。
【0078】
上記の初期値乱数更新処理(S20)の初期値乱数は、「0」~「3999」までの4000個の整数をとり、この処理の実行毎に+1されて、該整数の昇順に作成される。尚、初期値乱数が「3999」のときに、この処理が実行された場合には、「0」に戻す。
【0079】
また、大当り決定用乱数更新処理(S25)の大当り決定用乱数は、前記初期値乱数と同様に、「0」~「3999」までの4000個の整数をとり、この処理の実行毎に昇順に作成される。また、大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)の乱数は、「0」~「59」までの60個の整数をとり、この処理の実行毎に昇順に作成される。また、当り決定用乱数更新処理(S35)の乱数は、「0」~「996」までの997個の整数をとり、この処理の実行毎に昇順に作成される。また、リーチ判定用乱数更新処理(S40)の乱数は、「0」~「228」までの229個の整数をとり、この処理の実行毎に昇順に作成される。また、変動パターン決定用乱数更新処理(S45)の乱数は、「0」~「1020」までの1021個の整数をとり、この処理の実行毎に昇順に作成される。
【0080】
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図8のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S50)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
【0081】
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
【0082】
次に、主制御装置80で実行する第一特別図柄当否判定処理を、
図9~12のフローチャートを用いて説明する。この第一特別図柄当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理(S55)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0083】
第一特別図柄当否判定処理では、
図9に示すように、特別電動役物の作動中であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、第一特別図柄当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図11のS240に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図12のS300に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0084】
S165では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、第一特別図柄当否判定処理を終了する。S170では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第一保留記憶を選択して、当該第一保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を第一大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第一保留記憶を消化する。さらに、確変フラグ=1の場合には、高確率モード中に実行可能な当否抽選の残り回数(確変回数)をデクリメントすると共に、開放延長フラグ=1の場合には、高利得遊技状態における第一特別図柄の変動回数を示す第一移行回数をインクリメントする。このS170の後に、S175に進む。
尚、前記確変回数は、第一保留記憶の消化と後述する第二保留記憶の消化とのいずれでもデクリメントされる一方、第一移行回数は、第一保留記憶の消化毎にインクリメントされる。また、前記確変フラグは、前記高確率モードかつ時短モードの場合に1であり、前記低確率モードかつ非時短モードの場合に0である。また、後述する開放延長フラグは、前記開放延長モードの場合に1であり、非開放延長モードの場合に0である。
【0085】
S175では、前記確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、S185に進む。
S180では、高確率モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を有効として、有効とした確変テーブルに基づいて、第一大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、確変テーブルには、前述した高確率モードの当選確率(1/50)となる80個の整数値が大当り当選値として定められている。そして、第一大当り判定用バッファの大当り決定用乱数を、これら大当り当選値と照合し、一致すると大当りと判定される。S180の後に、S190に進む。
【0086】
一方、S185では、低確率モードに対応する当否判定テーブル(通常テーブル)を有効として、有効とした通常テーブルに基づいて、第一大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、通常テーブルには、前述した低確率モードの当選確率(1/200)となる20個の整数値が大当り当選値として定められている。そして、第一大当り判定用バッファの大当り決定用乱数を、これら大当り当選値と照合し、一致すると大当りと判定される。S185の後に、S190に進む。
【0087】
図10のS190では、第二特別図柄が大当り図柄態様で確定する変動中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S190:Yes)、S215に進み、否定判定の場合には(S190:No)、S195に進む。ここで、肯定判定の場合には、前記したS180又はS185の判定結果に関係無く、強制的にハズレとされる。これにより、第一特別図柄による大当り遊技が、第二特別図柄による大当り遊技および小当り遊技と重複しないようにしている。
【0088】
S195では、S180又はS185の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S195:Yes)、S200に進み、否定判定の場合には(S195:No)、S215に進む。
【0089】
S200では、消化した第一保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数(第一大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数)に基づいて、前記した第1~第10大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する(
図6(A)参照)。
ここで、第1~第10大当り図柄態様を選択して決定する確率が、予め定められている。本実施例にあっては、第1~第4大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が40%であり、第5~第8大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が40%であり、第9,第10大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が20%である。すなわち、大当り判定した場合に、大当り遊技後に前記した通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する確率が40%であり、高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する確率が60%である。このように本実施例では、第一特別図柄により大当りとなると、大当り遊技後に、通常遊技状態または高利得遊技状態に移行する。
【0090】
続くS205の変動パターン決定処理では、消化した第一保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(第一大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と、前述した確変フラグとに基づいて、第一特別図柄の変動パターンを決定し、これに伴って第一特別図柄の変動時間が決定する。
詳述すると、確変フラグに応じて、選定可能な第一特別図柄の変動パターンが予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数等に従って変動パターンが決定される。すなわち、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非時短モードであることから、非時短モードに対応する第一特別図柄の変動パターンを選択可能とし、消化した第一保留記憶の変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。一方、確変フラグ=1の場合(高利得遊技状態)には、時短モードであることから、時短モードに対応する第一特別図柄の変動パターンを選択可能とし、変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。
【0091】
続くS210では、前記S200で決定した図柄態様に従って、大当り遊技のラウンド数等の大当り遊技内容と、大当り遊技後の遊技状態とを設定する(
図6(A)参照)。ここで、大当り遊技後に通常遊技状態に移行する場合には、前記低確率モード、非時短モード、および非開放延長モードにすることを決定し、高利得遊技状態に移行する場合には、前記した高確率モード、時短モード、および開放延長モードにすることを決定する。このS210の後に、S230に進む。
【0092】
一方、前記S190の肯定判定またはS195の否定判定から続くS215では、ハズレ図柄態様を決定する。そして、S215の後に、S220に進む。
【0093】
S220の変動パターン決定処理では、前述したS205と同様に、第一保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(第一大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と、前述した確変フラグとに基づいて、第一特別図柄の変動パターンを決定し、これに伴って第一特別図柄の変動時間が決定する。すなわち、確変フラグを確認して、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非時短モードに対応する変動パターンを選択可能として、消化した第一保留記憶の変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。一方、確変フラグ=1の場合(高利得遊技状態)には、時短モードに対応する第一特別図柄の変動パターンを選択可能とし、変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。
続くS225では、ハズレにかかる処理を行い、S230に進む。
【0094】
S230では、前記S170でデクリメントした第一保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、大当り又はハズレの情報、前記した変動パターンの情報、および第一特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを、サブ統合制御装置83に送信すると共に、第一特別図柄表示装置9を駆動制御して第一特別図柄を変動開始させ、第一特別図柄当否判定処理を終了する。ここで、本実施例にあっては、変動開始コマンドが、前記した確変回数の情報と第一移行回数の情報とを含むものとしており、該変動開始コマンドによって、これら情報を、サブ統合制御装置83へ伝える。
尚、サブ統合制御装置83は、上記の変動開始コマンドを受信すると、変動開始コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、第一特別図柄(大当り図柄態様又はハズレ図柄態様)および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の表示を開始する。
【0095】
前記したS155の肯定判定から続く
図11のS240では、中断フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S240に進み、否定判定の場合には(S240:No)、S245に進む。ここで、中断フラグは、後述するように、小当り遊技中であるか否かを示すものであり、第二特別図柄による小当り確定に伴って1とし、その後に小当り遊技の終了に伴って0とする。
S245では、変動時間中断処理を実行し、第一特別図柄の変動時間の時間計測を中断する処理を行う。これにより、小当り遊技中に第一特別図柄が変動停止することが無く、小当り遊技と大当り遊技とが同時発生しない。S240の後に、第一特別図柄当否判定処理を終了する。
【0096】
S250では、第一特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に進み、否定判定の場合には(S250:No)、S270に進む。S255では、第一特別図柄表示装置9を駆動制御し、第一特別図柄の変動表示を終了して、第一特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS200で決定した大当り図柄態様、又はS215で決定したハズレ図柄態様)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、第一特別図柄の変動停止を示す信号を送信する。このS255の後に、S260に進む。
【0097】
S260では、上記S255で停止表示させた第一特別図柄が大当り図柄態様であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S260:Yes)、S265に進み、否定判定の場合には(S260:No)、第一特別図柄当否判定処理を終了する。S265では、停止フラグ=1とする。この停止フラグは、第一特別図柄による大当りの確定から大当り遊技の終了までと、後述するように第二特別図柄による大当り確定から大当り遊技の終了までとのいずれか間で、1で維持される。すなわち、停止フラグ=1により、大当りを確定したことが示される。
【0098】
前記したS250の否定判定から続くS270では、停止フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S270:Yes)、S275に進み、否定判定の場合には(S270:No)、第一特別図柄当否判定処理を終了する。ここで、停止フラグ=1の場合は、第二特別図柄の大当り図柄態様を確定表示中であることから、第一特別図柄を、前記したS215で決定したハズレ図柄態様で強制停止させる。尚、第一特別図柄は、前記したS190の肯定判定の場合(第二特別図柄の大当り変動中)に、ハズレ図柄態様を決定して変動開始していることから、該第二特別図柄を大当り確定すると(停止フラグ=1)、強制的に変動終了して該ハズレ図柄態様で停止させる。そして、大当り遊技の終了まで、第一特別図柄の変動が開始されない(第一保留記憶を消化しない)。
【0099】
前記したS160の肯定判定から続く
図12のS300では、第一特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、第一特別図柄当否判定処理を終了する。S305では、第一特別図柄の確定表示を終了し、S310に進む。S310では、確定表示された第一特別図柄が大当り図柄態様か否かを判定し、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S315に進み、否定判定の場合には(S310:No)、S360に進む。S315では、確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、さらに、前記した確変回数と第一移行回数とをクリアし(S322)、S325に進む。S325では、開放延長フラグを参照して、開放延長フラグ=1である場合には開放延長フラグをクリアし(S330)、S340に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S340)、条件装置作動開始処理(S345)、役物連続作動装置作動開始処理(S350)、大当り開始演出処理(S355)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
【0100】
前記S310の否定判定から続くS360では、確変フラグを参照し、確変フラグ=1である場合には(S360:Yes)、確変モード中に実行可能な当否抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S365)。そして、確変回数=0である場合には(S365:Yes)、確変フラグをクリアし(S370)、S385に移行する。一方、S365の否定判定の場合には(S365:No)、S375に移行する。S375では、開放延長フラグを参照し、開放延長フラグ=1である場合には(S375:Yes)、前記した高利得遊技状態における第一特別図柄の変動回数(第一移行回数)を参照する(S380)。そして、第一移行回数が、前記した第一閾値(例えば、100回)に達している場合には(S380:Yes)、S385に移行する。S385では、開放延長フラグをクリアし(S385)、S390に移行する。S390では、状態指定コマンド送信処理を実行し、第一特別図柄当否判定処理を終了する。本実施例の状態指定コマンド送信処理(S390)では、第一移行回数を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。尚、サブ統合制御装置83では、この情報を受信すると、後述する予見演出処理を実行する。
【0101】
次に、主制御装置80で実行する第二特別図柄当否判定処理を、
図13~16のフローチャートを用いて説明する。この第二特別図柄当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理(S55)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0102】
第二特別図柄当否判定処理では、
図13に示すように、特別電動役物の作動中であるか否かを判定し(S400)、肯定判定の場合には(S400:Yes)、第二特別図柄当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S400:No)、S405に進む。S405では、第二特別図柄の変動表示中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図15のS510に進み、否定判定の場合には(S405:No)、S410に進む。S410では、第二特別図柄の確定表示中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図16のS600に進み、否定判定の場合には(S410:No)、S415に進む。
【0103】
S415では、第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、S420に進み、否定判定の場合には(S415:No)、第二特別図柄当否判定処理を終了する。S420では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第二保留記憶を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を第二大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第二保留記憶を消化する。さらに、確変フラグ=1の場合には、高確率モード中に実行可能な当否抽選の残り回数(確変回数)をデクリメントすると共に、開放延長フラグ=1の場合には、高利得遊技状態における第二特別図柄の変動回数を示す第二移行回数をインクリメントする。このS420の後に、S425に進む。
尚、確変回数は、前述したように、第二保留記憶の消化と前記した第一保留記憶の消化とのいずれでもデクリメントされる。一方、第二移行回数は、第二保留記憶の消化毎にインクリメントされる。
【0104】
S425では、前記確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S425:Yes)、S430に進み、否定判定の場合には(S425:No)、S435に進む。
S430では、高確率モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を有効として、有効とした確変テーブルに基づいて、第二大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当り、小当り、又はハズレ判定する。この判定処理では、確変テーブルに示された大当り当選値により、大当り決定用乱数が大当りか否かを判定し、否定判定の場合には、予め定められた小当り当選値により、当該大当り決定用乱数が小当りか否かを判定する。ここで、小当り当選確率には、小当りの当選確率(48/50)となる3960個の整数値が予め定められており、小当りか否かの判定は、大当り決定用乱数をこれら小当り当選確率と照合し、一致した場合に小当りと判定する。S430の後に、S440に進む。
【0105】
一方、S435では、低確率モードに対応する当否判定テーブル(通常テーブル)を有効として、有効とした通常テーブルに基づいて、第二大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当り、小当り、又はハズレ判定する。この判定処理では、通常テーブルに示された大当り当選確率により、大当り決定用乱数が大当りか否かを判定し、否定判定の場合には、前記した小当り当選値により、当該大当り決定用乱数が小当りか否かを判定する。この小当りか否かの判定は、前記したS430と同様に行う。S435の後に、S440に進む。
【0106】
図14のS440では、第一特別図柄が大当り図柄態様で確定する変動中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S440:Yes)、S485に進み、否定判定の場合には(S440:No)、S445に進む。ここで、肯定判定の場合には、前記したS430又はS435の判定結果に関係無く、強制的にハズレとされる。これにより、第二特別図柄による大当り遊技と小当り遊技とが、第一特別図柄による大当り遊技と重複しないようにしている。
【0107】
S445では、S430又はS435の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S445:Yes)、S450に進み、否定判定の場合には(S445:No)、S447に進む。
【0108】
S450では、消化した第二保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数)に基づいて、前記した第11~第20大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する(
図6(B)参照)。
ここで、第11~第20大当り図柄態様を選択して決定する確率が、予め定められている。本実施例にあっては、第11~第14大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が40%であり、第15~第18大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が40%であり、第19,第20大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が20%である。すなわち、大当り判定した場合に、大当り遊技後に前記した通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する確率が40%であり、高利得遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する確率が60%である。このように本実施例では、第二特別図柄で大当りとなると、第一特別図柄と同様に、通常遊技状態または高利得遊技状態に移行する。
【0109】
続くS455の変動パターン決定処理では、消化した第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(第二大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と、前述した確変フラグとに基づいて、第二特別図柄の変動パターンを決定し、これに伴って第二特別図柄の変動時間が決定する。
詳述すると、確変フラグに応じて、選定可能な第二特別図柄の変動パターンが予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数等に従って変動パターンが決定される。すなわち、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非時短モードであることから、非時短モードに対応する第二特別図柄の変動パターンを選定可能とし、消化した第二保留記憶の変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。一方、確変フラグ=1の場合(高利得遊技状態)には、時短モードであることから、時短モードに対応する第二特別図柄の変動パターンを選択可能とし、変動パターン決定用乱数等により変動パターンを決定する。
【0110】
続くS460では、前記S450で決定した図柄態様に従って、大当り遊技のラウンド数等の大当り遊技内容と、大当り遊技後の遊技状態とを設定する(
図6(B)参照)。ここで、大当り遊技後に通常遊技状態に移行する場合には、前記低確率モード、非時短モード、および非開放延長モードにすることを決定し、高利得遊技状態に移行する場合には、前記した高確率モード、時短モード、および開放延長モードにすることを決定する。このS460の後に、S500に進む。
【0111】
前記S445の否定判定から続くS447では、S430又はS435の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S447:Yes)、S470に進み、否定判定の場合には(S447:No)、S485に進む。
【0112】
S470では、小当り図柄を決定し、S475に進む。
S475の変動パターン決定処理では、前述したS455と同様に、第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(第二大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と、前述した確変フラグとに基づいて、第二特別図柄の変動パターンを決定する。すなわち、確変フラグ=1の場合(高利得遊技状態)には、時短モードに対応した変動パターンを決定する。ここで、時短モードで選択可能な変動パターンは、平均変動時間が0.2秒と極めて短いものである。一方、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、10分の変動時間の変動パターンを決定する。
続くS480では、小当り遊技における第二大入賞口15の開放作動パターン等を設定し、S500に進む。
【0113】
前記S440の肯定判定またはS447の否定判定から続くS485では、ハズレ図柄態様を決定する。そして、S485の後に、S490に進む。
【0114】
S490の変動パターン決定処理では、前述したS455と同様に、第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(第二大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と、前述した確変フラグとに基づいて、第二特別図柄の変動パターンを決定し、これに伴って第二特別図柄の変動時間が決定する。すなわち、確変フラグ=1の場合(高利得遊技状態)には、時短モードに対応した変動パターンを決定する。ここで、時短モードで選択可能な変動パターンは、平均変動時間が0.2秒と極めて短いものである。一方、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、10分の変動時間の変動パターンを決定する。
続くS495では、ハズレにかかる処理を行い、S500に進む。
【0115】
S500では、前記S420でデクリメントした第二保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、当否判定の情報(大当り、小当り、又はハズレの情報)、前記した変動パターンの情報、および第二特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを、サブ統合制御装置83に送信すると共に、第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第二特別図柄を変動開始させ、第二特別図柄当否判定処理を終了する。ここで、本実施例にあっては、変動開始コマンドが、前記した確変回数の情報と第二移行回数の情報とを含むものとしており、該変動開始コマンドによって、これら情報を、サブ統合制御装置83へ伝える。
尚、サブ統合制御装置83は、上記の変動開始コマンドを受信すると、変動開始コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、演出図柄表示装置6で所定の演出表示を行う。
【0116】
前記したS405の肯定判定から続く
図15のS510では、第二特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、S515に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S540に進む。S515では、第二特別図柄表示装置10を駆動制御し、第二特別図柄の変動表示を終了して、第二特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS450で決定した大当り図柄態様、S470で決定した小当り図柄態様、又はS485で決定したハズレ図柄態様)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、第二特別図柄の変動停止を示す信号を送信する。このS515の後に、S520に進む。
【0117】
S520では、上記S515で停止表示させた第二特別図柄が大当り図柄態様であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、S530に進む。S525では、停止フラグ=1とする。
このS525の後に、第二特別図柄当否判定処理を終了する。
S530では、上記S515で停止表示させた第二特別図柄が小当り図柄態様であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535に進み、否定判定の場合には(S530:No)、第二特別図柄当否判定処理を終了する。S535では、中断フラグ=1とする。このS535の後に、第二特別図柄当否判定処理を終了する。
【0118】
前記したS510の否定判定から続くS540では、停止フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S540:Yes)、S545に進み、否定判定の場合には(S540:No)、第二特別図柄当否判定処理を終了する。ここで、停止フラグ=1の場合は、第一特別図柄の大当り図柄態様を確定表示中であることから、第二特別図柄を、前記したS485で決定したハズレ図柄態様で強制停止させる。尚、第二特別図柄は、前記したS440の肯定判定の場合(第一特別図柄の大当り変動中)に、ハズレ図柄態様を決定して変動開始していることから、該第一特別図柄を大当り確定すると(停止フラグ=1)、強制的に変動終了して該ハズレ図柄態様で停止させる。そして、大当り遊技の終了まで、第二特別図柄の変動が開始されない(第二保留記憶を消化しない)。
【0119】
前記したS410の肯定判定から続く
図16のS600では、第二特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、否定判定の場合には(S600:No)には、第二特別図柄当否判定処理を終了する。S605では、第二特別図柄の確定表示を終了し、S610に進む。S610では、確定表示された第二特別図柄が大当り図柄態様か否かを判定し、肯定判定の場合には(S610:Yes)、S615に進み、否定判定の場合には(S610:No)、S660に進む。S615では、確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S620)、さらに、前記した確変回数と第二移行回数とをクリアし(S622)、S625に進む。S630~S655の各処理は、前述した第一特別図柄当否判定処理のS330~S355の各処理と同じ処理内容であることから、説明を省略する。
【0120】
前記S610の否定判定から続くS660では、確変フラグを参照し、確変フラグ=1である場合には(S660:Yes)、確変モード中に実行可能な当否抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S665)。そして、確変回数=0である場合には(S665:Yes)、確変フラグをクリアし(S670)、S685に移行する。一方、S665の否定判定の場合には(S665:No)、S675に移行する。S675では、開放延長フラグを参照し、開放延長フラグ=1である場合には(S675:Yes)、前記した高利得遊技状態における第二特別図柄の変動回数(第二移行回数)を参照する(S680)。そして、第二移行回数が、前記した第二閾値(例えば、20回)に達している場合には(S680:Yes)、S685に移行する。S685では、開放延長フラグをクリアし(S685)、S690に移行する。S690では、状態指定コマンド送信処理を実行する。本実施例の状態指定コマンド送信処理(S690)では、第二移行回数を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。尚、サブ統合制御装置83では、この情報を受信すると、後述する予見演出処理を実行する。
【0121】
S695では、確定表示された第二特別図柄が小当り図柄態様か否かを判定し、肯定判定の場合には(S695:Yes)、S700に移行し、特別電動役物作動開始処理(S700)、小当り開始演出処理(S705)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、第二特別図柄当否判定処理を終了する。また、S695で否定判定の場合(S695:No)には、第二特別図柄当否判定処理を終了する。
【0122】
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図17~19のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した第一特別図柄当否判定処理または第二特別図柄当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S60)から実行される処理である。
【0123】
大当り遊技処理では、
図17に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S800)。ここで、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に進み、否定判定の場合には(S800:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0124】
S805では、第一大入賞口14の開放ラウンド中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S805:Yes)、
図18のS840に進み、否定判定の場合には(S805:No)、S810に進む。
【0125】
S810では、大当り遊技における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S810:Yes)、
図18のS860に進み、否定判定の場合には(S810:No)、S815に進む。S815では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S815:Yes)、
図19のS880に進み、否定判定の場合には(S815:No)、S820に進む。
【0126】
S820では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825に進み、否定判定の場合には(S820:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0127】
S825では、第一大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、第一大入賞口14の開放開始と同期して、開閉ラウンドにおける第一大入賞口14の最大開放時間として予め設定された開放時間(例えば、30秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放制限タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
【0128】
前記S805の肯定判定から続く
図18のS840では、第一大入賞口14に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S840:Yes)、S850に進み、否定判定の場合には(S840:No)、S845に進む。S845では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間(30秒)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S845:Yes)、S850に進み、否定判定の場合には(S845:No)、大当り遊技処理を終了する。S850では、大入賞口閉鎖処理を実行し、第一大入賞口14を閉鎖させる(開放ラウンドを終了する)。続くS855では、大当り遊技の各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0129】
前記S810の肯定判定から続く
図18のS860では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S860:Yes)、S865に進み、否定判定の場合には(S860:No)、大当り遊技処理を終了する。S865では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S865:Yes)、S870に進み、否定判定の場合には(S865:No)、S875に進む。
S870では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
S875では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、前記したS825と同様の処理を行い、第一大入賞口14を開放させると共に、開放時間(30秒)の時間消化を開始する。
【0130】
前記S815の肯定判定から続く
図19のS880では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S880:Yes)、S885に進み、該S885とS890とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S880:No)、大当り遊技処理を終了する。S885とS890とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S895に進む。S895では、大当り遊技後に高確率モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S895:Yes)、高確率モード中に実行可能な当否抽選の回数(確変回数)を設定し(S900)、確変フラグ=1とする(S905)。S895の否定判定またはS905から続くS910では、大当り遊技後に開放延長モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S910:Yes)、前記した第一移行回数と第二移行回数とをクリアし(S915)、開放延長フラグ=1とする(S920)。
【0131】
続くS940では、停止フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S940:Yes)、停止フラグ=0とする(S945)。
S940の否定判定またはS945から続くS950とS955とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0132】
次に、主制御装置80で実行する小当り遊技処理を、
図20,21のフローチャートを用いて説明する。この小当り遊技処理は、上記した第二特別図柄当否判定処理により小当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S60)から実行される処理である。
【0133】
小当り遊技処理では、
図20に示すように、特別電動役物の作動中か否かを判定する(S1000)。ここで、肯定判定の場合には(S1000:Yes)、S1005に進み、否定判定の場合には(S1000:No)、小当り遊技処理を終了する。
【0134】
S1005では、第二大入賞口15が開放中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1005:Yes)、
図21のS1030に進み、否定判定の場合には(S1005:No)、S1010に進む。S1010では、小当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1010:Yes)、
図21のS1050に進み、否定判定の場合には(S1010:No)、S1015に進む。S1015では、小当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1015:Yes)、S1020に進み、否定判定の場合には(S1015:No)、小当り遊技処理を終了する。S1020では、大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、前記した第二特別図柄当否判定処理のS480(
図14参照)で設定した小当り遊技に係る第二大入賞口15の開放パターンに従って、該第二大入賞口15を開放作動する。この処理後に、小当り遊技処理を終了する。
【0135】
前記S1005の肯定判定から続く
図21のS1030では、第二大入賞口15の開放時間(1.5秒間)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1030:Yes)、S1035に進み、否定判定の場合には(S1030:No)、小当り遊技処理を終了する。S1035では、大入賞口閉鎖処理を実行し、第二大入賞口15を閉鎖作動する。続くS1040では、小当り遊技を終了させる際の演出を行う小当り終了演出処理を実行し、小当り遊技処理を終了する。
【0136】
前記S1010の肯定判定から続くS1050では、小当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1050:Yes)、S1055に進み、否定判定の場合には(S1050:No)、小当り遊技処理を終了する。S1055では、特別電動役物の作動を停止させ、S1060では、小当り遊技に関する演出を終了させる小当り終了コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
【0137】
S1065では、中断フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1065:Yes)、S1070に進み、否定判定の場合には(S1065:No)、小当り遊技処理を終了する。S1070では、変動時間再開処理を実行し、前記した第一特別図柄当否判定処理のS240(変動時間中断処理)により中断した第一特別図柄の変動時間の時間計測を再開する。このS1070の後に、中断フラグ=0とし(S1075)、小当り遊技処理を終了する。
【0138】
次に、主制御装置80で実行する普図始動入賞処理を、
図22のフローチャートを用いて説明する。この普図始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S50)でコールされるサブルーチンの一つである。
普図始動入賞処理では、S1100で、普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1100:Yes)、S1105に進み、否定判定の場合には(S1100:No)、普図始動入賞処理を終了する。S1105では、普図保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1105:Yes)、普図始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S1105:No)、S1110に進む。S1110では、普通図柄用の抽出乱数保留記憶処理を実行する。この抽出乱数保留記憶処理では、普図当り決定用乱数、普図当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、普図保留記憶として記憶すると共に、普図保留記憶の数を示す普図保留数カウンタに1を加算する。次のS1115では、普図保留数表示処理を実行して、前記普図保留数カウンタの情報に従って普通図柄保留数表示装置8を点灯させるために必要な処理を行う。
【0139】
次に、主制御装置80で実行する普通図柄当否判定処理を、
図23,24のフローチャートを用いて説明する。この普図当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理(S55)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0140】
普通図柄当否判定処理では、
図23に示すように、普通電動役物13の作動中であるか否かを判定する(S1150)。そして、肯定判定の場合には(S1150:Yes)、普通図柄当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S1150:No)、S1155に進む。S1155では、普通図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1155:Yes)、
図24のS1210に進み、否定判定の場合には(S1155:No)、S1160に進む。S1160では、普通図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1160:Yes)、普通図柄当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S1160:No)、S1165に進む。
【0141】
S1165では、普図保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1165:Yes)、S1170に進み、否定判定の場合には(S1165:No)、普通図柄当否判定処理を終了する。S1170では、普図保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い普図保留記憶を選択して、当該普図保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を普図当否判定用の所定のバッファに移動させる。こうして普図保留記憶を消化する。続くS1175では、当否判定処理を実行して、普図当否判定用のバッファ内の普図当り決定用乱数を当否判定する。この当否判定処理では、普図当り決定用乱数を、予め定められた普図用判定テーブルの当選値と照合し、一致した場合に当りと判定する。尚、当選値は、前記した普通図柄の当選確率(199/200)に従って予め定められている。
【0142】
S1180では、前記S1175の判定結果が当りか否かを確認し、当りの場合には(S1180:Yes)、S1185に進み、ハズレの場合には(S1180:No)、S1190に進む。S1185では、前記した普図当否判定用のバッファ内の普図当り図柄決定用乱数に従って、普通図柄表示装置7で確定表示させる普通図柄の当り図柄態様を決定する。一方、S1190では、普通図柄表示装置7で確定表示させる普通図柄のハズレ図柄態様を決定する。
【0143】
続くS1195では、普通図柄の変動パターンを設定する処理を行い、S1200に進む。S1200では、普通図柄表示装置7を駆動制御し、設定した変動パターンに従って普通図柄の変動を開始する。続くS1205では、普通電動役物の作動パターンや普通電動役物の作動開始などを示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。S1205の後に、普通図柄当否判定処理を終了する。
【0144】
前記S1155の肯定判定から続く
図24のS1210では、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1210:Yes)、S1215に進み、否定判定の場合には(S1210:No)、普通図柄当否判定処理を終了する。S1215では、普通図柄表示装置7を駆動制御し、普通図柄の変動表示を終了して、前記S1185又はS1190で決定した図柄態様に従って、普通図柄を確定停止する。S1215の後に、普通図柄当否判定処理を終了する。
【0145】
次に、主制御装置80で実行する普図遊技処理を、
図25のフローチャートを用いて説明する。この普図遊技処理は、上記した普通図柄当否判定処理により当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S60)から実行される処理である。
【0146】
普図遊技処理では、
図25に示すように、普通電動役物13が開放作動中であるか否かを判定する(S1230)。ここで、肯定判定の場合には(S1230:Yes)、S1270に進み、否定判定の場合には(S1230:No)、S1240に進む。
【0147】
S1240では、普通図柄表示装置7で確定表示した普通図柄の表示時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1240:Yes)、S1245に進み、否定判定の場合には(S1240:No)には、普図遊技処理を終了する。
S1245では、普通図柄の確定表示を終了し、S1250に進む。S1250では、開放延長フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1250:Yes)、S1255に進み、否定判定の場合には(S1250:No)には、S1260に進む。S1255では、開放延長モードで有効とする易入球作動パターン(2秒開放を1回)に従って普通電動役物13を開放作動制御する。一方、S1260では、非開放延長モードで有効とする通常作動パターン(0.5秒開放を1回)に従って普通電動役物13を開放作動制御する。こうしたS1255又はS1260の後に、普図遊技処理を終了する。
【0148】
前記S1230の肯定判定から続くS1270では、普通電動役物13の開放中に、第二始動口12への遊技球の入球数が10個に達したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1270:Yes)、S1275に進み、否定判定の場合には(S1270:No)、S1290に進む。S1290では、普通電動役物13の開放時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1290:Yes)、S1275に進み、否定判定の場合には(S1290:No)、普図遊技処理を終了する。
S1275では、普通電動役物13の閉鎖作動を実行する。続くS1280では、普通電動役物13の開放作動を終了したことを示すコマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する。このS1280の後に、普図遊技処理を終了する。
【0149】
次に、サブ統合制御装置83で実行する予見演出表示処理を、
図26のフローチャートを用いて説明する。この予見演出表示処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理であり、前記した第二特別図柄当否判定処理における第二特図変動開始処理(S500)により主制御装置80から変動開始コマンドを受信した際に実行される。
ここで、予見演出表示処理は、高利得遊技状態で、第二特別図柄の変動回数(前記した第二移行回数に相当)が所定の予見値に達すると、小当りラッシュ遊技状態への移行を予見させる予見演出メッセージ100(
図27参照)を、演出図柄表示装置6で表示する。尚、本実施例の予見演出表示処理にあっては、第一特別図柄の変動回数(第一移行回数)を対象としていない。これは、前記した第一閾値(100回)が、第二閾値(20回)よりも大きいことから、高利得遊技状態で遊技者が右打ちする可能性が高いこと、および該高利得遊技状態で、第一移行回数が該第一閾値に達する前に、大当り判定される可能性(大当りの当選確率=1/50)が極めて高いことに因る。
【0150】
予見演出表示処理は、S1300で、高利得遊技状態(確変フラグ=1かつ開放延長フラグ=1)であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1300:Yes)、S1305に進み、否定判定の場合には(S1300:No)、予見演出表示処理を終了する。S1305では、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1305:Yes)、S1310に進み、否定判定の場合には(S1305:No)、予見演出表示処理を終了する。ここで、変動開始コマンドには、前述したように、高利得遊技状態における第一特別図柄の変動回数を示す第一移行回数の情報、又は該高利得遊技状態における第二特別図柄の変動回数を示す第二移行回数の情報が含まれている。
【0151】
S1310では、予見演出メッセージ100(
図27参照)を表示中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1310:Yes)、S1315に進み、否定判定の場合には(S1310:No)、1325に進む。S1315では、受信した変動開始コマンドの第二移行回数が、予め定められた予見値に達したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1315:Yes)、S1320に進み、否定判定の場合には(S1315:No)、予見演出表示処理を終了する。ここで、予見値は、前記した第二閾値(20回)よりも小さい値に設定されており、例えば、該第二閾値よりも5回少ない15回に設定される。
【0152】
S1320では、予見演出開始処理を実行し、演出図柄表示装置6で予見演出メッセージ100(
図27参照)の表示を開始する。この予見演出メッセージ100は、後述するように、まもなく小当りラッシュ遊技状態へ移行することを、遊技者に予見させるものであり、第二移行回数に応じた図柄態様で表示される。S1320の後に、予見演出表示処理を終了する。
【0153】
前記S1310の肯定判定から続くS1325では、第二移行回数が第二閾値に達したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1325:Yes)、S1330に進み、否定判定の場合には(S1325:No)、1335に進む。
S1330では、予見演出終了処理を実行し、前記した予見演出メッセージ100の表示を終了する。一方、S1335では、予見演出更新処理を実行し、第二移行回数に応じて予見演出メッセージ100の表示態様を変化させる。これらS1330とS1335の後に、予見演出表示処理を終了する。
【0154】
次に、演出図柄表示装置6で表示する前記の予見演出メッセージ100について、
図27を用いて説明する。
例えば、通常遊技状態で第一保留記憶が消化されると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動開始し、これに伴って、
図27(A)に示すように、演出図柄表示装置6の表示画面で第一特別図柄に対応する擬似図柄111aが変動表示される。そして、第一特別図柄により大当りを確定する場合には、変動時間の経過後に、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を大当り図柄態様で停止表示させると共に、
図27(B)に示すように、演出図柄表示装置6で擬似図柄111aを停止表示させる。ここで、第一特別図柄を前記した第5大当り図柄態様で確定停止させる場合には、該第5大当り図柄態様に割り当てられた演出図柄態様により、擬似図柄111aを停止表示させる。この第5大当り図柄態様の確定停止によって、開放ラウンドを4回繰り返す大当り遊技の実行と、該大当り遊技後に高利得遊技状態へ移行することとが決まる(
図6(A)参照)。そして、演出図柄表示装置6では、高利得遊技状態に移行する大当りであることを報知するメッセージ121が表示される。このメッセージ121は、高利得遊技状態に移行する第5~第10大当り図柄態様を確定停止した際に、演出図柄表示装置6で表示される。
【0155】
尚、本実施例の通常遊技状態では、前述したように、ハズレ又は小当り確定する第二特別図柄の変動時間が10分であり、第一特別図柄の変動時間に比して極めて長い。そのため、演出図柄表示装置6では、前記擬似図柄111aにより、第一特別図柄の変動開始から確定停止に至る一連の演出表示を行う。そして、仮に、第二特別図柄を大当り図柄態様で確定する変動を開始する場合には、前記擬似図柄111aに換えて、第二特別図柄に対応する擬似図柄111b(
図27(C)~(F)参照)により、第二特別図柄の変動開始から大当り図柄態様での確定停止に至る一連の演出表示を行う。このように第一特別図柄の変動中では、主に、第一特別図柄に対応した擬似図柄111aによる演出表示を行い、第二保留記憶を大当り判定した場合には、第二特別図柄に対応した擬似図柄111bによる演出表示を行う。
【0156】
大当り遊技中には、開放ラウンドのラウンド数を示すメッセージやキャラクタ、各開放ラウンドにおける第一大入賞口14への入球数を示すメッセージやキャラクタなどが、演出図柄表示装置6で表示される(図示せず)。
【0157】
大当り遊技が終了すると、高利得遊技状態が開始される。演出図柄表示装置6では、
図27(C)に示すように、高利得遊技状態を示すメッセージ105aやキャラクタ105bと、第二特別図柄に対応する擬似図柄111bと、右打ちを勧めるメッセージ122とが夫々表示される。ここで、高利得遊技状態では、ハズレ又は小当り確定する第二特別図柄の変動時間が極めて短く(0.2秒)、さらに小当りの当選確率が極めて高い(48/50)ことから、前記擬似図柄111bが変動表示と小当り図柄態様(例えば、「1 2
3」)の停止表示とが極短時間で繰り返され易い。擬似図柄111bは、演出図柄表示装置6の表示画面の左下部に小さく表示される。
尚、高利得遊技状態では、時短モードであることから、第一保留記憶が速やかに消化されてしまうと共に、右打ちにより該第一保留記憶が貯まり難い。そのため、高利得遊技状態では、第一特別図柄がほとんど変動しない。こうしたことから、高利得遊技状態では、第二特別図柄の変動が主に発生し、前記のように擬似図柄111bが表示される。
【0158】
高利得遊技状態では、前記のように、小当りラッシュ遊技状態への条件である第二閾値(20回)が第一閾値(100回)よりも小さいことから、第二始動口12を狙って右打ちが行われ易い。こうした右打ちにより第二始動口12に入球し易く、該入球に起因して第二特別図柄が変動し、該変動毎に前記第二移行回数がカウントされる。この第二特別図柄の変動では、極めて高い確率(48/50)で小当りとなることから、擬似図柄111bにより小当り確定結果が断続的に表示される。
そして、高利得遊技状態で、第二特別図柄の変動回数が15回(予見値)に達すると、
図27(D)に示すように、まもなく小当りラッシュ遊技状態に移行することを予見させる予見演出メッセージ100が表示される。本実施例の予見演出メッセージ100は、第二特別図柄の変動回数(第二移行回数)が20回(第二閾値)に達するまでの残り回数を表示することから、第二特別図柄の変動回数が増えるに従って、
図27(E)のように更新表示される。
【0159】
この後に、第二特別図柄の変動回数(第二移行回数)が20回(第二閾値)に達すると、小当りラッシュ遊技状態に移行し、これに伴って、
図27(F)に示すように、小当りラッシュ遊技状態の開始を示すメッセージ108と、小当りラッシュ遊技状態を示すキャラクタ109と、第二特別図柄の小当り確定に対応するメッセージ106とを表示する。このメッセージ106は、第二特別図柄による小当り確定毎に表示され、小当りの発生を遊技者に強調して報知する。
【0160】
尚、前記した高利得遊技状態で、第一保留記憶の消化により第一特別図柄が大当り図柄態様で確定停止することもあり得る。この場合には、前記擬似図柄111aを、該大当りを示す図柄態様で停止表示する(
図27(B)参照)。これにより、大当り遊技が開始されることから、小当りラッシュ遊技状態へは移行しない。また、高利得遊技状態で、第二特別図柄が大当り図柄態様で確定停止する場合には、前記メッセージ106と予見演出メッセージ100との表示を終了して、前記擬似図柄111bを、大当りを示す図柄態様で表示する(
図27(B)参照)。さらにまた、小当りラッシュ遊技状態で、第二特別図柄が大当り図柄態様で確定停止する場合には、擬似図柄111bにより該第二特別図柄に対応する表示を行う(
図27(B)参照)。
【0161】
次に本実施例の特徴を説明する。
本実施例のパチンコ機1にあっては、大当り遊技の終了後に移行した高利得遊技状態で、第一特別図柄の変動回数が第一閾値(100回)に達するか、第二特別図柄の変動回数が第二閾値(20回)に達すると、小当りラッシュ遊技状態に移行するようにしたものであり、第二閾値が第一閾値よりも小さいことから、該高利得遊技状態で第二始動口12を狙った右打ちが行われ易い。
ここで、高利得遊技状態は、確変モードかつ開放延長モードであることから、右遊技領域3aを流下する遊技球の多くが第二始動口12へ入球し、小当り遊技により開放される第二大入賞口15への入球が困難である。一方、小当りラッシュ遊技状態は、確変モードかつ非開放延長モードであることから、右遊技領域3aを流下する遊技球の一部が第二始動口12へ入球するものの、多くの遊技球が第二大入賞口15へ到達し易いことから、頻繁に発生する小当り遊技により開放する第二大入賞口15に入球し易い。すなわち、高利得遊技状態では、小当り遊技が頻繁に発生しても第二大入賞口15へ入球し難く、該小当り遊技により獲得できる賞球も少ないことに対し、小当りラッシュ遊技状態では、頻繁に発生する小当り遊技により開放される第二大入賞口15へ入球し易く、多くの賞球を獲得可能である。
本実施例は、前述したように、第一特別図柄に比して第二特別図柄を変動させる方が、小当りラッシュ遊技状態への移行条件を成立させ易いことから、該小当りラッシュ遊技状態への移行前の高利得遊技状態で、遊技者に右打ちを効果的に勧めることができる。そして、遊技者が高利得遊技状態から右打ちすることにより、該高利得遊技状態から移行した小当りラッシュ遊技状態の開始時から、前記した第二大入賞口15への入球により賞球を獲得することができる。すなわち、遊技者は、小当りラッシュ遊技状態の開始時から、遅滞無く、該小当りラッシュ遊技状態による利益を獲得できる。したがって、本実施例によれば、高利得遊技状態から移行する小当りラッシュ遊技状態による遊技性を、遊技者が十分に満喫でき得る。
【0162】
また、本実施例では、高利得遊技状態で、小当りラッシュ遊技状態への移行を予見させる予見演出メッセージ100を演出図柄表示装置6で表示するようにしたから、該移行前から、多くの賞球を獲得可能な該小当りラッシュ遊技状態に対する遊技者の期待感を効果的に刺激できる。これにより、大当り遊技から高利得遊技状態を介して小当りラッシュ遊技状態へと続く一連の遊技の興趣を向上できる。
さらに、予見演出メッセージ100の表示により事前に小当りラッシュ遊技状態への移行を遊技者が知得できることから、該遊技者が小当りラッシュ遊技状態での遊技に備えることができるため、急な移行によって焦ったり浮き足だったりすることを防止でき、該小当りラッシュ遊技状態の開始時から十分に楽しむことができる。
【0163】
本実施例は、小当りラッシュ遊技状態への移行条件が、前述したように、第一特別図柄の変動回数が第一閾値に達すること、又は第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達することであり、これらいずれか一方のみで成立する。そして、第二閾値(20回)が第一閾値(100回)よりも著しく小さいことから、予見演出メッセージ100の表示を、第二特別図柄の変動回数に基づいて実行している。こうした本実施例によれば、遊技者は、予見演出メッセージ100の表示により小当りラッシュ遊技状態へ移行するタイミングを正確に知得することができる。そのため、前述した従来構成のように小当りラッシュ遊技状態への移行を予告する演出に対して遊技者に生ずる違和感を、本実施例では生じ難い。
したがって、本実施例の構成によれば、予見演出メッセージ100の表示により小当りラッシュ遊技状態への移行を報知するという面白さを、遊技者が十分に楽しむことができ、該小当りラッシュ遊技状態での遊技の興趣を一層効果的に向上できる。
【0164】
以下に、前述した実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。実施例のパチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機に相当する。第一大入賞口14と第二大入賞口15とが、本発明にかかる大入賞口の一例に相当する。始動入賞処理のS110とS130とが、本発明にかかる乱数抽出手段の一例に相当する。そして、第一,第二大当り決定用乱数と第一,第二大当り図柄決定用乱数とが、本発明にかかる乱数の一例に相当する。第一特別図柄当否判定処理のS165~S195と、第二特別図柄当否判定処理のS415~S447とが、本発明にかかる当否判定手段の一例に相当する。第一特別図柄当否判定処理のS200~S275が、本発明にかかる第一特別図柄制御手段の一例に相当する。そして、第一保留記憶を消化すること(第一特別図柄当否判定処理のS165~S170)が、本発明にかかる第一変動条件の一例に相当する。第二特別図柄当否判定処理のS450~S545が、本発明にかかる第二特別図柄制御手段の一例に相当する。そして、第二保留記憶を消化すること(第二特別図柄当否判定処理のS415~S420)が、本発明にかかる第二変動条件の一例に相当する。大当り遊技処理(
図17~
図19)が、本発明にかかる大当り遊技制御手段の一例に相当する。大当り遊技処理のS895~S920が、本発明にかかる遊技状態移行手段の一例に相当する。高利得遊技状態が、本発明にかかる特定の高利得遊技状態の一例に相当する。小当りラッシュ遊技状態が、本発明にかかる特殊利得遊技状態の一例に相当する。予見演出表示処理(
図26)と演出図柄表示装置6とが、本発明にかかる予見演出制御手段の一例に相当する。予見演出メッセージ100が、本発明にかかる予見演出の一例に相当し、第二特別図柄の変動回数が予見値に達した時点が、本発明にかかる予見演出を実行する所定タイミングの一例に相当する。小当り遊技処理(
図20,21)が、本発明にかかる小当り遊技制御手段の一例に相当する。第二特別図柄当否判定処理のS430およびS435における、予め定められた小当り当選確率(48/50)に従って小当りか否かを判定する処理が、本発明にかかる判定処理内容に相当し、この小当り当選確率(48/50)が、本発明の小当り確率の一例に相当する。普図遊技処理のS1250~S1275が、本発明にかかる第二始動口作動手段の一例に相当する。非時短モードにおける第二特別図柄の変動時間(10分)に従って実行される、第二特別図柄当否判定処理におけるS475およびS490~S545に至る処理が、本発明にかかる長変動制御内容の一例に相当する。時短モードにおける第二特別図柄の変動時間(0.2秒)に従って実行される、第二特別図柄当否判定処理におけるS475およびS490~S545に至る処理が、本発明にかかる短変動制御内容の一例に相当する。
【0165】
以下に、前述した本実施例の別例を説明する。
本実施例にあっては、大当り遊技の終了後に、通常遊技状態と高利得遊技状態とのいずれかに移行するようにした構成であるが、これに限らず、通常遊技状態と複数の高利得遊技状態のいずれかに移行する構成や、複数の高利得遊技状態のいずれかに移行する構成とすることもできる。そして、複数の高利得遊技状態へ移行可能とする構成では、少なくとも一の高利得遊技状態(特定の高利得遊技状態)で、特殊移行条件が成立することにより、小当りラッシュ遊技状態に移行するものが好適である。
【0166】
また、本実施例では、小当りラッシュ遊技状態に移行する特殊移行条件として、第一特別図柄の変動回数が第一閾値に達すること、および第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達することの二種類の条件を設定した構成であるが、これに限らず、さらに他の条件を備えていても良い。例えば、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計回数が、前記第一閾値以上の第三閾値に達することを、第三の特殊移行条件に定めることが可能である。こうした別例の構成にあっても、各条件が独立して成立できることから、前記第三の特殊移行条件を設定しても、実施例と同様の作用効果を奏する。
【0167】
また、本実施例では、第二始動口を普通電動役物により構成し、小当りラッシュ遊技状態で小当り遊技を頻繁に発生するようにした構成であるが、これに限定されず、他の構成でも小当りラッシュ遊技状態を実現することが可能である。例えば、常時入球可能な第二始動口を備え、高利得遊技状態では、小当り遊技が発生し難く、小当りラッシュ遊技状態となると、頻繁に小当り遊技が発生する構成とする。
【0168】
また、本実施例では、予見演出メッセージ100により、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達すまでの残り回数を表示するようにした構成であるが、これに限定されず、例えば、予見演出メッセージが、「もう少しで小当りラッシュに突入か?」等のように、まもなく小当りラッシュ遊技状態へ移行するかもしれないことを、遊技者に予見させる内容のものとすることもできる。この予見演出メッセージは、小当りラッシュ遊技状態への移行タイミングを明示しないものであるから、遊技者に適度な緊張感を想起させ得る。さらに、こうした予見演出メッセージを表示する構成では、小当りラッシュ遊技状態に移行するタイミング(特殊移行条件が成立したタイミング)で、該小当りラッシュ遊技状態の開始を示す開始演出を行うようにしても良い。
そして、まもなく小当りラッシュ遊技状態へ移行するかもしれないという予見演出メッセージと、小当りラッシュ遊技状態の開始演出とを表示する別例の構成にあっては、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達する一回前となったタイミングで、該開始演出を表示する構成が好適である。かかる構成によれば、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達する際に、普通電動役物13が通常作動パターンにより変動することによって、前記開始演出前に小当りラッシュ遊技状態への移行が遊技者に分かってしまうことを、抑制できる。詳述すると、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達する際に、第一保留記憶を消化すると、該消化による第一特別図柄の変動開始時点で、該第二閾値に達したことで特殊移行条件が成立していることから、非開放延長モードが有効となって、普通電動役物13が通常作動パターンにより変動する。そのため、前記予見演出メッセージが小当りラッシュ遊技状態への移行タイミングを明示しないものであるにも関わらず、普通電動役物13の作動を見ることで、小当りラッシュ遊技状態に移行するか否かが遊技者に分かってしまうという不都合が生じてしまう。こうした不都合を抑制するために、小当りラッシュ遊技状態の開始演出を実行するタイミングを、第二特別図柄の変動回数が第二閾値に達する一回前となった時点とする。
【0169】
また、本実施例では、第一始動口と第二始動口とを夫々一個配設した構成であるが、これに限らず、第一始動口を二個配設した構成や、第二始動口を二個配設した構成とすることもできる。また、本実施例では、二個の大入賞口を配設した構成であるが、これに限らず、一個の大入賞口を配設した構成としても良い。大入賞口を一個配設した構成では、この大入賞口で大当り遊技と小当り遊技とを実行する。
さらに、本実施例では、第一大入賞口で大当り遊技を実行し、第二大入賞口で小当り遊技を実行するようにしたが、これに限らず、例えば、第一大入賞口と第二大入賞口とで大当り遊技を実行するようにしても良い。具体的には、第二大入賞口の内部に、開閉可能な確変口を配設し、大当り遊技における特定の開放ラウンドを第二大入賞口の開放により実行し、当該開放ラウンドで第二大入賞口内の確変口に入球すると、高利得遊技状態への移行条件が成立するようにできる。尚、この場合には、小当り遊技では、確変口を閉鎖したまま、第二大入賞口の開放を行う。
【0170】
また、本実施例では、大当り遊技後に高利得遊技状態に移行すると、実質的に次に大当り判定するまで高確率モードと時短モードとを継続するものとしたが、その他の構成として、高確率モードと時短モードとの終了条件を、第一,第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回や100回など)に達することと、大当り判定することとのいずれかで成立する条件とした構成であっても良い。この構成では、高利得遊技状態および小当りラッシュ遊技状態が、大当り判定すること無く終了して、通常遊技状態に移行する場合もあり得る。こうした構成にあっても、前述した本実施例と同様に、高利得遊技状態で特殊移行条件が成立した場合に小当りラッシュ遊技状態へ移行することから、該実施例と同様の作用効果を奏し得る。
【0171】
また、本実施例では、第二始動口への入球により第二保留記憶を生成して記憶し、該第二保留記憶の消化により第二特別図柄を変動開始するようにしたが、これに限らず、該二保留記憶を記憶することなく、第二特別図柄当否判定処理を実行して第二特別図柄を変動開始する構成とすることもできる。すなわち、第二始動口への入球を契機として、大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などを抽出すると、直ぐに、これら抽出した乱数を用いて第二特別図柄判定処理を実行して、第二特別図柄の変動を開始する。この構成では、第二保留記憶を記憶しないことから、第二特別図柄の変動中に第二始動口に入球すると、該入球による乱数の抽出を実行しない(又は、抽出した乱数を破棄する)。
同様に、第一始動口への入球により第一保留記憶を生成することなく、第一特別図柄当否判定処理を実行する構成とすることも可能である。
【0172】
また、本実施例にあっては、特殊移行条件の成立により移行する特殊利得遊技状態を、小当りラッシュ遊技状態とした構成であるが、これに限らず、特殊利得遊技状態を他の遊技状態とすることも可能である。例えば、特殊利得遊技状態では、第二始動口への入球に基づいて、他の遊技状態で実行されないレアな演出を行う構成や、他の遊技状態よりも当選確率がさらに向上する構成などとすることができる。又は、遊技店の管理者により大当りの当選確率を変更可能な構成にあって、特殊利得遊技状態では、第二始動口への入球に基づいて、当該機台にセットされた大当りの当選確率が報知される構成とすることもできる。
【0173】
また、本実施例では、第二特別図柄の小当り確定表示から小当り遊技の終了までの間で第一特別図柄の変動時間の計測を中断するようにしたものであるが、この他の構成として、第二特別図柄が小当り図柄態様で確定表示された場合に第一特別図柄をハズレ図柄態様で確定停止する構成としても良い。
【0174】
また、本実施例では、開放ラウンドのラウンド数が相互に異なる二種類の大当り遊技を選択的に実行する構成としたが、これに限らず、さらに多くの種類の大当り遊技を実行可能としても良いし、一種類の大当り遊技を実行する構成としても良い。さらに、大当り遊技の遊技内容は、異なるラウンド数を設定することに限らず、異なる開放パターンを設定することも可能である。例えば、本実施例のように最大30秒開放する開放パターンの開放ラウンドと、インターバル(例えば、1秒)を挟んで複数の開放作動(例えば、1回の開放時間を2秒)を行う開放パターンの開放ラウンドとのいずれか一方、又は両者を適宜組合わせた大当り遊技を実行しても良い。
【0175】
また、大当りの当選確率、小当りの当選確率、普通図柄の当選確率は、前記した本実施例における各確率に限定されず、適宜変更して設定することが可能である。
また、本実施例では、小当り当選確率を、低確率モードと高確率モードとで同じ当選確率(48/50)としたが、これに限定されず、大当り当選確率と同様に、低確率モードと高確率モードとで相互に異なる確率を設定することもできる。普通図柄の当選確率も同様に設定可能である。
また、実施例にあって、管理者(遊技店の従業員など)の操作により、予め定められた複数の大当り当選確率のいずれかを有効としてセット可能とする構成とすることも可能である。同様に、予め複数の小当り当選確率(小当り確率)を備え、管理者の操作によりいずれか一の小当り当選確率をセット可能とする構成とすることも可能である。
【0176】
また、本実施例にあっては、高確率モード(高利得遊技状態、小当りラッシュ遊技状態)へ移行する大当りの上限回数を定めていないが、この他の構成として、該上限回数を定めた構成(所謂、セット機)であっても良い。尚、セット機における上限回数は、2回、3回、5回など適宜設定可能である。
【0177】
また、本実施例にあっては、小当り遊技が大入賞口を1.5秒間(開放時間)開放するものとしたが、この開放時間は適宜変更することも可能である。又は、小当り遊技が大入賞口を複数回(例えば、二回)開放するものとすることもできる。また、小当り遊技が、大入賞口への所定個数(例えば、5個)を入球することで、該大入賞口を閉鎖するものであっても良い。さらには、小当り遊技が、大当り遊技と同様に、前記した所定の開放時間と所定個数の入球とのいずれか一方を満足することで、大入賞口を閉鎖するようにしても良い。
【0178】
また、実施例のパチンコ機1は、上皿55と下皿63とを備えた構成であるが、これに限らず、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。封入式のパチンコ機は、内部に封入した所定個数の遊技球を循環させることによって遊技を行うものである。こうした封入式のパチンコ機に、上述の実施例を適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。また、実施例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機であっても良い。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを不能とするものであり、主制御装置から枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)へ一方向にのみ通信可能とし、枠制御装置を介してのみホールコンピュータと通信可能な構成である。こうした管理遊技機に、上述した実施例の構成を適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。
【符号の説明】
【0179】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
3 遊技領域
6 演出図柄表示装置
9 第一特別図柄表示装置
10 第二特別図柄表示装置
11 第一始動口
12 第二始動口
14 第一大入賞口
15 第二大入賞口