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特許7189630リサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】リサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置
(51)【国際特許分類】
   B03B 5/00 20060101AFI20221207BHJP
   B07B 1/20 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B03B5/00 Z
B07B1/20 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020504180
(86)(22)【出願日】2018-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 IB2018055551
(87)【国際公開番号】W WO2019021211
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】102017000084595
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102017000138762
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520027408
【氏名又は名称】チェザーロ マック インポート エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェザーロ,オスバルド
(72)【発明者】
【氏名】チェザーロ,クリスティアーノ
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0207806(US,A1)
【文献】特開2017-101353(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02006034(EP,A2)
【文献】実開平05-067378(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03B 1/00-13/06
B07B 1/00-15/00
B02C 9/00-11/08
B02C 19/00-25/00
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置(1)であって、
処理される廃棄物の供給のための開口部(5)の下方に提供される円筒体(3)であって、複数の孔がその横表面上に設けられる、円筒体(3)と、第1のモータによって回転されアクティブになり、前記円筒体(3)の内部で同軸上に位置付けられる、ブレードシャフト(4)と、を備える、実質的に垂直に配置される分別円柱(2)と、
前記処理を受ける前記廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片を放出するための円筒体(3)の上部に配置される第1の上側排出口(6)であって、前記第1のリサイクル断片は、前記ブレードシャフト(4)によって分別され、上向きに移送される、第1の上側排出口(6)と、
前記第1の上側排出口(6)を通し、前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の前記円筒体(3)から抽出するための排出グループ(7)であって、
前記排出グループ(7)は前記第1の上側排出口(6)に接続される排出管(9)を備える、排出グループ(7)と、
前記廃棄物中に存在する第2のリサイクル断片を排出するための、前記円筒体(3)の下部に配置される第2の排出口と、を備え、
前記分別円柱(2)の前記円筒体(3)内に挿入される前記ブレードシャフト(4)は、第1の回転子(40)を備え、前記第1の回転子(40)の横表面上には複数のブレード(41)が固定され、前記複数のブレード(41)は不連続のらせん状巻線を画定するように配向され、
前記ブレードシャフト(4)は、上端に近接して、前記第1の回転子(40)の前記横表面に固定され、半径方向に配置される少なくとも1つのプレート(45)を備え、
前記廃棄物の処理装置(1)は、前記排出管(9)の内部で同軸上に配置され、前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の前記円筒体(3)から前記排出管(9)への抽出を容易にするために第2のモータ(12)によって回転されアクティブになる、スクリュー(11)と、水または同様の希釈液を前記円筒体(3)の内部に供給するために前記分別円柱(2)に沿って位置付けられる希釈グループ(8)とを備えることと、
前記第1の上部排出口(6)に接続される前記排出管(9)、及び前記スクリュー(11)は、前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の前記円筒体(3)から前記排出管(9)への抽出を容易にするように、前記円筒体(3)に対する接線方向に平行に配置されることと、
前記少なくとも1つのプレート(45)は、前記少なくとも1つのプレート(45)の自由端において屈曲縁(46)を備え、前記第1の回転子(40)が既定の回転アクティブ方向に回転してアクティブになるとき、前記屈曲縁(46)が前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の抽出を容易にするように前記回転アクティブ方向に従って配向されるように、前記屈曲縁(46)は傾斜することと、を特徴とする、廃棄物の処理装置(1)。
【請求項2】
前記排出管(9)は直線延在部を有することを特徴とする、請求項1に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項3】
前記排出管(9)は、前記第1の上側排出口(6)において前記円筒体(3)に対する接線方向に配置されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項4】
前記ブレードシャフト(4)及び前記スクリュー(11)は、往復運動可能に配置され、位相関係においてアクティブになり、これにより、前記スクリュー(11)及び前記ブレードシャフト(4)が回転してアクティブになるとき、前記少なくとも1つのプレート(45)の前記屈曲縁(46)は、前記屈曲縁(46)が前記第1の上側排出口(6)に到達するとき、あるピッチだけ互いから離れた前記スクリュー(11)の2つ連続部分(11a,11b)の間に含まれる自由空間内に配置されることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項5】
前記廃棄物の処理装置(1)は、前記第2の排出口と流体連通する前記円筒体(3)を囲むチャンバ(48)を備え、これにより、前記円筒体(3)の前記横表面上に設けられた前記複数の孔を通過する前記第2のリサイクル断片が前記第2の排出口に向かって運ばれることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプレート(45)は、前記第1の回転子(40)の外部表面から半径方向に延在し、前記第1の回転子(40)の軸を含む平面に沿って延在することを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項7】
前記円筒体(3)は、前記ブレードシャフト(4)の前記上端に固定され、前記第1の回転子(40)の前記軸に垂直に配向されるカバー要素(47)を備え、前記少なくとも1つのプレート(45)及び前記カバー要素(47)は、互いに、近接するまたは相互接触することを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項8】
前記排出管(9)は横表面(95)及び2つのヘッド(96,97)を備え、前記排出管(9)の前記横表面(95)は前記第1の上側排出口(6)に接続される開口部を備え、前記スクリュー(11)をアクティブにするための前記第2のモータ(12)は前記排出管(9)の前記第1のヘッド(97)に配置され、前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の前記円筒体(3)から前記排出管(9)への抽出を容易にするようにアクティブになり、前記排出管(9)の前記第2のヘッド(96)は前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の長手方向の排出を可能にするための開放型であることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項9】
前記ブレードシャフト(4)は、前記上端に近接して、前記第1の回転子(40)の前記横表面に固定され、半径方向に配置される、対向するプレート(45)の対を備えることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項10】
前記プレート(45)の対は、前記第1の回転子(40)の前記外部表面から半径方向に延在し、前記第1の回転子(40)の前記軸を含む平面に沿って延在することを特徴とする、請求項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項11】
前記排出グループ(7)の前記排出管(9)内に挿入される前記スクリュー(11)は、第2の回転子(110)を備え、前記第2の回転子(110)の横表面には複数のらせん状要素(115)が固定され、前記スクリュー(11)は、前記廃棄物中に存在する前記第1のリサイクル断片の抽出を容易にするために必要な幾何学形状及びピッチを有する、請求項1~10のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)。
【請求項12】
前記廃棄物は紙生産工程から生じるゴミであり、前記第1のリサイクル断片は、セルロースのりと異質の残留物または物体によって構成され、前記第2のリサイクル断片はセルロースのりである、請求項1~11のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)の使用。
【請求項13】
前記廃棄物は有機物質を含有するパッケージであり、前記第1のリサイクル断片はパッケージであり、前記第2のリサイクル断片は有機物質である、請求項1~11のうちいずれか一項に記載の廃棄物の処理装置(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置に関する技術分野に関する。廃棄物は、くずの分別収集または工業用プラントが起源であり得る。
【0002】
リサイクル断片は、リサイクルのために送られる場合がある同質または異質のいずれかである廃棄物の断片である。
【背景技術】
【0003】
現在の廃材の除去は、環境汚染に互いに関連がある複雑な事態を引き起こす可能性がある大いにある関連のある問題をもたらすことが知られている。
【0004】
環境汚染の減少への寄与のかなりの部分は、ほとんどの先進工業国で実施されることが増え、ますます細かくなっている、ゴミの分別収集によって表される。
【0005】
都市の固形廃棄物の分別収集の場合、例えば、最初の選択は、標準的区分(プラスチック、ガラス、缶及びブリキ缶、紙及び段ボール、有機性廃棄物)に従って、収集所に送られる様々な製品の最終消費者によって行われる。
【0006】
分別収集から生じる有機性廃棄物の場合、多くの場合、例えば、紙パッケージ、缶、ガラスの破片、金属材料、プラスチック材料等の有機物質と混合された異質の物体がある。
【0007】
装置(100)は、(図1図4に示されるように)リサイクルすることになる有機性廃棄物からの有機物質の選択のために知られており、特に、農工業起源の有機物質と異質の残留物及び物体の除去と、段ボールまたは等価な材料によって構成される各々のパッケージから、固体状態または液体状態の食料の分別とに適切であり、
a)実質的に垂直に配置される分別円柱(2)であって、円筒体(3)が挿入され、複数の孔が横表面上に設けられ、円筒体(3)の内部で、ブレードシャフト(4)は同軸上に位置付けられ、第1のモータによって回転されアクティブになり、円筒体(3)は処理される有機性廃棄物の供給のための開口部(5)の下方に設けられる、分別円柱(2)と、
b)有機物質と異質の残留物または物体が、ブレードシャフト(4)によって分別され、上向きに移送される、処理を受ける有機物質と異質の残留物または物体を放出するための円筒体(3)の上部に配置される上側排出口(6)と、
c)有機性廃棄物中に存在する有機物質と異質の上述の残留物または物体を円筒体(3)の上側排出口(6)から抽出するための排出グループ(7)と、
d)水または同様の希釈液を円筒体(3)の内部に供給するために分別円柱(2)に沿って位置付けられる希釈ユニット(8)と、
e)分別円柱(2)から生じる有機物質を収集するために、分別円柱(2)の下方に配置される取集タブと、を備える。
【0008】
既知の方法では、有機性廃棄物中に存在する有機物質と異質の残留物または物体を円筒体(3)の上側排出口(6)から抽出するための排出グループ(7)は、
一方の端において上側排出口(6)に接続され、他方の端において排出開口部(10)が設けられる、排出管(9)と、
排出管(9)の内部で同軸上に配置され、第2のモータ(12)によって回転されアクティブになり、排出開口部(10)に近接して配置される、スクリュー(11)と、を備える。
【0009】
スクリュー(11)の回転軸はブレードシャフト(4)を含有する円筒体(3)に対して半径方向に配置される(図3図4参照)。
【0010】
この場合、有機性廃棄物中に存在する有機物質と異質の残留物または物体は、円筒体(3)の内部の有機物質と異質の残留物または物体の周速度方向に対して垂直方向において、ブレードシャフト(4)によって加えられる遠心力の効果によって排出管(9)に運ばれる。
【0011】
これは、排出口(7)を通るその残留物または物体の抽出を困難にし、長期間、円筒体(3)の内部に残っている有機物質と異質の残留物または物体を含み、装置(100)の稼働能力が減少する。
【0012】
さらに、排出口(7)を通る有機物質と異質の残留物または物体を抽出する困難性により、多くの予定外の保守作業を必要とする。
【0013】
さらに、周速度方向に対する導管(9)の垂直な位置付けにより、分別円柱(2)の内部の有機性廃棄物の回転速度の全体的減少、ひいては、装置(100)の稼働能力の減少を判定する。
【0014】
スクリュー(11)に関して、関連する回転軸のこの配置には、ブラインド型の排出管(9)の利用が必須とされる、すなわち、閉鎖ヘッド(90)と、有機物質と異質の残留物または物体の排出開口部(10)が排出管(9)の横表面上に配置される。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は上述の欠点を未然に防ぐことである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、処理を受ける廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の分別円柱の円筒体からの排出を容易にすることである。
【0017】
上記に示した目的は、請求項1に従ったリサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置によって達成される。
【0018】
複数のブレード及び少なくとも1つのプレートは、有利には、第1のリサイクル断片を上向きに、ひいては、円筒体の上部に向かって吸い込む傾向がある上昇気流の形成を保証する。同時に、円筒体に対する接線方向に平行な排出管及びスクリューの配置は、分別円柱の円筒体からの第1のリサイクル断片の排出を容易にする。
【0019】
言い換えれば、排出管のこの配置により、廃棄物が円筒体の内部でより速い回転速度を帯び、ひいては、廃棄物の処理装置の稼働能力の改善が行われる。
【0020】
さらに、複数のブレードは、そうでなければ受ける重力によって円筒体の下部に向かって落下する危険性がある廃棄物のために、上昇経路を画定する。さらに、複数のブレードは、廃棄物が上昇経路を通る間に、廃棄物をより小さいサイズに減じ、分別処理を容易にする。この上昇経路を通る間に、廃棄物の第2のリサイクル断片は、円筒体の横表面に向かって遠心力によって投げ出される。
【0021】
廃棄物の処理装置は、有利には、廃棄物が紙生産工程から生じるゴミである場合に使用されることができる。この場合、第1のリサイクル断片は、セルロースのりと異質の残留物または物体を含み、残留物及び物体は第1の排出口から出る一方、第2のリサイクル断片はセルロースのりであり、第2の排出口から出ることが観察されている。
【0022】
さらに、廃棄物の処理装置は、有利には、廃棄物が有機物質を含有するパッケージである場合に使用されることができる。この場合、第1のリサイクル断片はパッケージであり、第1の排出口から出る一方、第2のリサイクル断片は有機物質であり、第2の排出口から出ることが分かっている。
【0023】
したがって、この廃棄物の処理装置は、異なる動作設定と、処理装置への入口の異なる種類の廃棄物とに柔軟性及び適応性があり、第1のリサイクル断片及び第2のリサイクル断片の良好な分別能力を保証する。
【0024】
概して、以下の第1のリサイクル断片は同質または異質の廃棄物の断片と見なされ、その構成要素は上昇気流によって上向きに移送可能であるような重さを有する。他方では、第2のリサイクル断片は同質または異質の廃棄物の断片を意味すると見なされ、その構成要素は遠心力の影響を受け、円筒体の横表面に向かって投げ出されるような重さを有する。
【0025】
両方の場合、これらはリサイクルのために送られる場合がある廃棄物の断片である。
【0026】
本発明の特徴は、付随の図面の一覧を参照して、好ましいが排他的ではない実施形態の一部を特に参照して以下に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】先行技術による装置の平面図を示す。
図2図1に示される区分A-Aに沿った図である。
図3図2に示される分別円柱の拡大図である。
図4図3に示される区分B-Bに沿った図である。
図5】本発明による廃棄物の処理装置の分別円柱の図3の図と同様の図である。
図6図5に示される区分C-Cに沿った図である。
図7】本発明による廃棄物の処理装置内で使用される単独スクリューの対応する前面図を示す。
図8】本発明による廃棄物の処理装置内で使用される単独スクリューの対応する斜視図を示す。
図9図7に示される区分D-Dに沿った図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面の上述の一覧を参照すると、参照数字1は、本発明の目的であるリサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置を示す。
【0029】
上述の定義に第1のリサイクル断片及び第2のリサイクル断片が参照できることが記述される。
【0030】
図5図9に以下のことが参照される。
【0031】
本発明の目的であるリサイクル断片を分別するための廃棄物を処理するための処理装置(1)は、
処理される廃棄物の供給のための開口部(5)の下方に提供される円筒体(3)であって、複数の孔がその横表面上に設けられる、円筒体(3)と、第1のモータによって回転されアクティブになり、円筒体(3)の内部で同軸上に位置付けられる、ブレードシャフト(4)と、を備える、実質的に垂直に配置される分別円柱(2)と、
処理を受ける廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片を放出するための円筒体(3)の上部に配置される第1の上側排出口(6)であって、第1のリサイクル断片は、ブレードシャフト(4)によって分別され、上向きに移送される、第1の上側排出口(6)と、
第1の上側排出口(6)を通して、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片を円筒体(3)から抽出するための排出グループ(7)であって、
排出グループ(7)は第1の上側排出口(6)に接続される排出管(9)を備える、排出グループ(7)と、
第2のリサイクル断片を排出するための、円筒体(3)の下部に配置される第2の排出口と、を備える。
【0032】
分別円柱(2)の円筒体(3)内に挿入されるブレードシャフト(4)は、第1の回転子(40)を備え、その横表面上には複数のブレード(41)が固定され、ブレード(41)は不連続のらせん状巻線を画定するように配向される。さらに、ブレードシャフト(4)は、上端に近接して、第1の回転子(40)の横表面に固定され、半径方向に配置される少なくとも1つのプレート(45)を備える。
【0033】
上述の廃棄物の処理装置(1)は、排出管(9)の内部で同軸上に配置され、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片を円筒体(3)から排出管(9)へ抽出するのを容易にするために第2のモータ(12)によって回転されアクティブになる、スクリュー(11)と、水または同様の希釈液を円筒体(3)の内部に供給するために分別円柱(2)に沿って位置付けられる希釈グループ(8)と、を備える。
【0034】
さらに、第1の上部排出口(6)に接続される排出管(9)、及びスクリュー(11)は、円筒体(3)に対する接線方向に平行に配置される(図5図6参照)。
【0035】
この配置は、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の円筒体(3)から排出管(9)への抽出を容易にする。
【0036】
少なくとも1つのプレート(45)は、少なくとも1つのプレート(45)の自由端において屈曲縁(46)を備え、第1の回転子(40)が既定の回転アクティブ方向に回転してアクティブになるとき、屈曲縁(46)が廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の抽出を容易にするように回転アクティブ方向に従って配向されるように、屈曲縁(46)は傾斜する。
【0037】
屈曲縁(46)は、第1の上側排出口(6)における第1のリサイクル断片の蓄積を抑制する。以下の理由のために、この蓄積は生じる。
【0038】
第1のリサイクル断片は、第1のリサイクル断片の上向きの移送中、また、遠心力の効果によって円筒体(3)の壁に向かって投げ出される。ブレードシャフト(4)の上端において、遠心力を受ける第1のリサイクル断片は、第1の上側排出口(6)への入口によって識別された領域内に蓄積する。
【0039】
いったん屈曲縁(46)がブレードシャフト(4)の上端において遠心力を受ける第1のリサイクル断片に遭遇すると、屈曲縁(46)は、有利には、スクリュー(11)の進歩方向に従って、第1のリサイクル断片を排出管(9)の内部に投げ出す。
【0040】
言い換えれば、屈曲縁(46)は、排出管(9)の内部の第1のリサイクル断片の前進方向に第1のリサイクル断片を投げ出すように、第1のリサイクル断片の軌道を修正するのに資する。
【0041】
詳細には、屈曲縁(46)が、ブレードシャフト(4)の回転中に遠心力の効果によって円筒体(3)の壁に向かって投げられ、第1の上側排出口(6)に近接して位置する第1のリサイクル断片に遭遇するとき、屈曲縁(46)は、第1のリサイクル断片に、排出管(9)に平行な、ひいては、スクリュー(11)の前進方向に平行な速度成分を与える。これは、排出口(8)を通って円筒体(3)から抽出される第1のリサイクル断片の排出を容易にする。さらに、第1のリサイクル断片は、スクリュー(11)の存在による最適な方法で、処理装置(1)の外側に向かって排出口(8)から除去される。
【0042】
屈曲縁(46)は、第1の上側排出口(6)内への第1の上側排出口(6)に近接する第1のリサイクル断片の通過を容易にし、したがって、ブレードシャフト(4)の回転によって、円筒体(3)の内部で、第1のリサイクル断片が循環して保持されることを防止する利点をもたらす。
【0043】
円筒体(3)は中空体であることが好ましい(図5及び図6参照)。
【0044】
開口部(5)は、円筒体(3)の横表面の下部に配置されることが好ましい。
【0045】
排出管(9)は直線延在部を有することが好ましい(図5及び図6参照)。
【0046】
排出管(9)は、第1の上部排出口(6)において、円筒体(3)に対する接線方向に配置されることが好ましい(図5及び図6参照)。
【0047】
円筒体(3)に対する排出管(9)の接線方向の配置により、有利には、より速い回転速度を発生し、ひいては、廃棄物の処理装置(1)の稼働能力が改善され、第1のリサイクル断片の排出を容易にする。
【0048】
ブレードシャフト(4)及びスクリュー(11)は、往復運動可能に及びそれらの間の位相関係において配置されることが好ましく、それにより、スクリュー(11)及びブレードシャフト(4)が回転してアクティブになるとき、少なくとも1つのプレート(45)の屈曲縁(46)は、屈曲縁(46)が第1の上側排出口(6)に到達するとき、あるピッチだけ互いから離れたスクリュー(11)の2つ連続部分(11a,11b)の間に含まれる自由空間内に配置される。
【0049】
このように、例えば、ブレードシャフト(4)の各回転によって、それぞれスクリュー(11)自体を構成するスクリューのピッチに等しい距離だけ、スクリュー(11)の前進方向に2回転が生じる。
【0050】
有利には、抽出される第1のリサイクル断片の量は、ブレードシャフト(4)の各回転によって、半分になり、すなわち、円筒体(3)の上部に及び第1の上側排出口(6)に近接して配置される第1のリサイクル断片の一部になり、抽出された第1のリサイクル断片の流れは、閉塞を防止するために規則化される。
【0051】
複数のブレード(41)の各ブレードは、円筒体(3)の横表面に近接して導かれるように、約20cmだけ第1の回転子(40)の横表面から突出し得る。
【0052】
例として、第1の回転子(40)は、約2メートルの高さと、約30cmのシャフトの直径とを有し得る。複数のブレード(41)のブレードは、互いから約35cmだけ離れて第1の回転子(40)の横表面に沿って位置付けられ得る。
【0053】
有利には、複数のブレード(41)の不連続のらせん状巻線は、円筒体(3)の内部にある廃棄物が1つのパレットから複数のブレード(41)の別のものに当たるものである。
【0054】
ブレードシャフト(4)は、第1の回転子(40)によって回転されアクティブになることができ、複数のブレード(41)及び少なくとも1つのプレート(45)が円筒体(3)内で第1のリサイクル断片を上向きに吸い込む上昇気流を形成し、円筒体(3)の横表面に向かって第2のリサイクル断片を投げ出す遠心力を形成することができる。
【0055】
図5を参照すると、いったん廃棄物が円筒体(3)の軸に対する垂直方向に従って分別円柱の円筒体(3)内の開口部(5)を通って送り込まれ、複数のブレード(41)は、ブレードシャフト(4)の回転によって、円筒体(3)内で廃棄物を上向きに上げる。複数のブレード(41)は、上向きに上げている間、廃棄物中に存在するリサイクル断片の分別を容易にするように、廃棄物をより小さいサイズに小さくする。円筒体(3)の内部では、第1のリサイクル断片は、上昇気流によって円筒体(3)内で上向きに吸い込まれる一方、第2のリサイクル断片は、複数の孔を交差し得るように、円筒体(3)の横表面上に設けられた複数の孔に向かって、遠心力の効果によって投げ出される。
【0056】
円筒体(3)及び第2の排出口は流体連通することができ、これにより、いったん第2のリサイクル断片が円筒体(3)の横表面上に設けられた複数の孔を通過すると、第2のリサイクル断片が第2の排出口に向かって運ばれる。
【0057】
廃棄物の処理装置(1)は、好ましくは第2の排出口と流体連通する円筒体(3)を囲むチャンバ(48)を備え、これにより、円筒体(3)の横表面上に設けられた複数の孔を通過する第2のリサイクル断片が第2の排出口に向かって運ばれる。
【0058】
少なくとも1つのプレート(45)は、好ましくは第1の回転子(40)の外部表面から半径方向に延在し、第1の回転子(40)の軸を含む平面に沿って延在する(図7及び図8参照)。
【0059】
少なくとも1つのプレート(45)の発展及び拡張は、円筒体(3)の内部に生じる上昇気流に、第1のリサイクル断片のより大きい上向きの吸引力を与える利点をもたらす。言い換えれば、より大きい吸引は、排出管(9)に向かって上方向に、第1のリサイクル断片に発生する。
【0060】
円筒体(3)は、好ましくはブレードシャフト(4)の上端に固定され、第1の回転子(40)の軸に垂直に配向されるカバー要素(47)を備える。少なくとも1つのプレート(45)及びカバー要素(47)は、近接する、または相互接触する(図7及び図8参照)。
【0061】
カバー要素(47)は好ましくは円プレートである。カバー要素(47)は、約62cmの直径を有し得る。
【0062】
カバー要素(47)は、円筒体(3)を上方で閉じることができる。
【0063】
カバー要素(47)は、有利には、分別され及び上向きに移送される第1のリサイクル断片に対する当接部として動作する。
【0064】
排出管(9)は横表面(95)及び2つのヘッド(96,97)を備え、横表面(95)は、第1の上側排出口(6)に接続される開口部を含む可能性がある(図5及び図6参照)。
【0065】
スクリュー(11)をアクティブにするための第2のモータ(12)は、有利には、排出管(9)の第1のヘッド(97)に配置され、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の円筒体(3)から排出管(9)への抽出を容易にするようにアクティブになる。
【0066】
スクリュー(11)をアクティブにするための第2のモータ(12)は、円筒体(3)の外部に、分別円柱(2)に近接して配置される。
【0067】
排出管(9)の第2のヘッド(96)は、有利には、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の長手方向の排出を可能にするような開放型である。
【0068】
これは、開放型である第2のヘッド(96)を通って排出管(9)からの第1のリサイクル断片の排出を容易にすることを可能にする。
【0069】
このように、スクリュー(11)上で第1のリサイクル断片が絡まる現象は回避され、したがって予定外の保守介入の必要性を制限する。
【0070】
複数のブレード(41)は、有利には、溶接によって、第1の回転子(40)の横表面に固定されることができる。
【0071】
これは、処理される廃棄物とのブレードシャフト(4)の接触表面を制限することを可能にし、したがって、複数のブレード(41)が受ける摩耗を小さくする。
【0072】
第1の回転子(40)の横表面への複数のブレード(41)の溶接は、さらに、複数のブレード(41)の各ブレードの破壊及び分離の可能性を大幅に小さくすることを可能にし、結果として、廃棄物の処理装置(1)の内部構成要素を保護する。
【0073】
例として、ブレードシャフト(4)は、上端に近接して、第1の回転子(40)の横表面に固定され、半径方向に配置される対向するプレート(45)の対を備える(図9参照)。
【0074】
プレート(45)の対は、好ましくは第1の回転子(40)の外部表面から半径方向に延在し、第1の回転子(40)の軸を含む平面に沿って延在する。ブレードシャフト(4)と同様に、排出グループ(7)の排出管(9)内に挿入されるスクリュー(11)はまた、第2の回転子(110)を備え得、その横表面には複数のらせん状要素(115)が固定され、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の抽出を容易にするために必要な幾何学形状及びピッチを有する。
【0075】
同じように、らせん状要素(115)は、溶接によって、第2の回転子(110)の横表面に固定されることができる。
【0076】
以下には、廃棄物は、紙の生産から派生するゴミと見なされる。紙生産工程の最後に、廃棄物は、セルロースのりと、セルロースのりと異質の物体(例えば、ポリエチレン、粗粒材料、布または他の材料のぼろ切れ及び繊維、木鉄及びアルミニウム等)とを含むように生じる。具体的には、上述の廃棄物は、「製紙パルプ廃棄物」として知られ、現在、除去のために送られている。
【0077】
しかしながら、ある量のセルロースのりは、紙生産サイクルで再利用するために、廃棄物からリサイクルされることができる。
【0078】
本発明は、前述に説明したように、廃棄物の処理装置(1)の使用に関し、廃棄物は、紙生産工程から生じるゴミであり、第1のリサイクル断片は、セルロースのりと異質の残留物または物体で構成され、第2のリサイクル断片はセルロースのりである。
【0079】
第2のリサイクル断片として紙生産工程のゴミから分別されるセルロースのりは、ケミカルセルロースのり、またはセミケミカルセルロースのり、またはメカニカルセルロースのりであり得る。
【0080】
紙生産工程では、異なる種類のセルロースのりを使用することができる。紙生産工程から生じるゴミの整理では、同じ紙生産工程で最初に使用された同じ種類のセルロースのりが見つけられる。
【0081】
さらに、本発明は、前述に説明したように、廃棄物の処理装置(1)の使用に関し、廃棄物は、有機物質を含有するパッケージであり、第1のリサイクル断片はパッケージであり、第2のリサイクル断片は有機物質である。
【0082】
有機物質を含有するパッケージから分別される有機物質は、第2のリサイクル断片であり、ほとんど同質である有機物質の断片であり、有機物質と異質のかなり低い割合の残留物または物体があり、リサイクルまたは回収のためにすぐに送られる準備ができている。
【0083】
廃棄物が紙生産工程から生じるゴミである場合の、リサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置(1)が説明される。
【0084】
紙生産工程のゴミは、円筒体(3)の横表面上に配置される開口部(5)を通って処理装置に送り込まれ、これにより、紙生産工程のゴミは円筒体(3)の軸に対する垂直方向に送り込まれる。同時に、希釈グループ(8)は水を円筒体(3)の内部に供給するためにアクティブになる。いったん第1の回転子(40)が回転してアクティブになると、複数のブレード(41)のいくつかのブレードは、具体的には、第1の回転子(40)の下面上に配置されるブレードは、上向きに送り込まれる紙生産工程のゴミを移送するのに資する。さらに、複数のブレード(41)は、リサイクル断片の分別を容易にするように、紙生産工程の廃棄物をより小さいサイズに小さくする。この時点では、複数のブレード(41)及び少なくとも1つのプレート(45)は、円筒体(3)内でセルロースのりと異質の残留物または物体を上向きに吸い込む上昇気流を形成する。その結果、セルロースのりと異質の残留物または物体は、第1の上側排出口(6)に向かって吸い込まれる。代わりに、セルロースのり及び水は、複数のブレード(41)の動作による上昇経路内で遠心力を受け、円筒体(3)の横表面上に配置される複数の孔に向かって投げ出され、チャンバ(48)を介して第2の排出口に向かって運ばれる。
【0085】
同様に、廃棄物が有機物質を含有するパッケージである場合、同じ動作が行われる。前述と異なって、いったん第1の回転子(40)が回転してアクティブになると、第1の回転子(40)の下部に配置される複数のブレード(41)のいくつかのブレードは、パッケージを含有される有機物質から分別するように、有機物質を含有するパッケージを壊す。
【0086】
前述に基づいて、廃棄物の処理装置(1)は、例えばリサイクルされるセルロースのりと異質の残留物もしくは物体、または回収される有機物質等の、処理を受ける廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の分別円柱(2)の円筒体(3)からの排出を容易にすることが可能であることは明らかである。
【0087】
本発明のリサイクル断片を分別するための廃棄物の処理装置(1)は、さらに、円筒体(3)の内部で廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の待機時間をかなり制限することが可能である。
【0088】
さらに、本発明は、遠心運動中の有機物質を含有するパッケージが受ける速度の増加により、有機物質とパッケージとの分別を容易にする。
【0089】
これは、基本的に、第1の上部排出口(6)に接続される排出管(9)と、分別円柱(2)の円筒体(3)に対して実質的に接線方向に配置されるスクリュー(11)とによるものである。
【0090】
廃棄物の処理装置(1)は、さらに、排出管(9)から廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の排出を加速することを可能にする。
【0091】
これは、スクリュー(11)の第2のモータ(12)が、円筒体(3)の外部で分別円柱(2)に近接して、排出管(9)の第1のヘッド(97)に配置されることによるものである。
【0092】
この場合、排出管(9)の第2のヘッド(96)は、有利には、廃棄物中に存在する第1のリサイクル断片の長手方向の排出を可能にするような開放型であり得、スクリュー(11)の第1のリサイクル断片が絡まる現象を抑制する。
【0093】
その結果、予定外の保守作業はかなり減る。
【0094】
第1の回転子(40)の横表面への複数のブレード(41)の溶接による固定は、ブレードシャフト(4)と処理される廃棄物との間の接触表面を制限することを可能にし、複数のブレード(41)が受ける摩耗を小さくする。
【0095】
これは、さらに、複数のブレード(41)の各ブレードの破壊及び分離の可能性を大幅に小さくすることを可能にし、結果として、廃棄物の処理装置(1)の内部構成要素を保護する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9