(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】切削機械ユニット
(51)【国際特許分類】
B28D 1/14 20060101AFI20221207BHJP
B28D 1/04 20060101ALI20221207BHJP
B28D 1/08 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B28D1/14
B28D1/04 B
B28D1/08
(21)【出願番号】P 2018136396
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】596105208
【氏名又は名称】第一カッター興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593110580
【氏名又は名称】株式会社シブヤ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】河野 允告
(72)【発明者】
【氏名】眞野 敬英
(72)【発明者】
【氏名】内田 健
(72)【発明者】
【氏名】奥田 仁
(72)【発明者】
【氏名】浦本 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】原 真司
(72)【発明者】
【氏名】柿木 宗久
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-005754(JP,B1)
【文献】特表2001-502024(JP,A)
【文献】特開2005-106724(JP,A)
【文献】登録実用新案第3165564(JP,U)
【文献】特開2013-063519(JP,A)
【文献】特開平01-105705(JP,A)
【文献】特開平07-075228(JP,A)
【文献】特開2001-030231(JP,A)
【文献】特開平09-300340(JP,A)
【文献】特開2002-327543(JP,A)
【文献】特開2007-176071(JP,A)
【文献】中国実用新案第204658710(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 1/14
B28D 1/04
B28D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機及び前記原動機により回転駆動される回転軸を有するコアドリル本体と、前記回転軸に連結されるコアビットとを有するコアドリルと、
側面にラックを有し、構造物の施工面に立ち上げて設置されるガイドシャフトと、前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドシャフトに係合され、前記コアドリルを取り付けられるコアドリル送りブロックとを有する送り装置と、
を備え、
前記コアドリル、前記送り装置の前記原動機は
それぞれ、高圧の作動
水を回転運動に変換する水圧モーター
からなり、前記
水圧モーターは高圧の作動
水を供給する水圧ポンプユニット
に作動水供給回
路と作動水排出回
路とを介して連結さ
れ、
前記送り装置が水中構造物の施工面にベース、又はガイドレール及び台車を介して設置され、前記送り装置に前記コアドリルが取り付けられて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニッ
トから前記
コアドリル、前記送り装置の各水圧モータ
ーへ供給される高圧の作動
水により
、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記コアドリルと前記送り装置とを駆動して、前記コアビットで水中構造物の施工面を穿孔する、
ことを特徴とする切削機械ユニット。
【請求項2】
原動機及び前記原動機により回転駆動されるブレードを有する切断機と、
ラックを添設され、構造物の施工面に固定されるガイドレール、及び前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドレールに移動可能に装着され、前記切断機を搭載される支持枠を有する送り装置と、
を備え、
前記切断機、前記送り装置の前記原動機はそれぞれ、高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、前記水圧モーターは高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、
前記送り装置が水中構造物の施工面に固定され、前記送り装置に前記切断機が取り付けられて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニットから前記切断機、前記送り装置の各水圧モーターへ供給される高圧の作動水により、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記切断機と前記送り装置とを駆動して、前記ブレードで水中構造物の施工面を切断する、
ことを特徴とする切削機械ユニット。
【請求項3】
複数のプーリーからなるプーリーユニットと、前記各プーリー間に張架されるワイヤーと、原動機及び前記原動機により回転駆動される回転軸を有し、前記各プーリーのうち駆動用のメインプーリーに取り付けられるプーリー駆動装置とを有するワイヤーソーと、
ラックを並設され、前記各プーリーのうち変位張力用の一対のサブプーリーを移動案内するためのガイドレールと、前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドレールに移動可能に装着され、前記各プーリーのうち前記一対のサブプーリーを取り付けられるプーリー支持部とを有する送り装置と、
を備え、
前記プーリー駆動装置、前記送り装置の前記原動機はそれぞれ、高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、前記水圧モーターは高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、
前記一対のサブプーリー間に張架される前記ワイヤーを水中構造物の施工面に当接されて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニットから前記プーリー駆動装置、前記送り装置の各水圧モーターへ供給される高圧の作動水により、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記プーリー駆動装置と前記送り装置とを駆動して、前記ワイヤーで水中構造物の施工面を切断する、
ことを特徴とする切削機械ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物を含む各種の施工対象物の切削に使用する切削機械ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の補修工事や改修工事では、コアドリルによるコンクリート構造物の穿孔、ウォールソーによるコンクリート構造物の切断、ワイヤーソーによるコンクリート構造物の切断など、各種の切削機械を用いて、さまざまな切削施工が行われている。
【0003】
コアドリルによる施工では、特許文献1に開示されているように、コアドリル(穿孔機)の回転軸に、先端刃部にダイヤモンドチップを用いたコアビットを取り付け、コアドリルの原動機駆動によりコアビットを回転させ、コアビットの先端刃部をコンクリート構造物の被穿孔面に押し付け回転させて穿孔する。
【0004】
ウォールソーによる施工では、特許文献2に開示されているように、壁面の切断予定線に沿ってガイドレール固定用のアンカー孔を開け、当該壁面にガイドレールをアンカーで固定するとともに、このガイドレール上にブレード回転駆動装置を搭載した支持枠を装着し、ブレード回転駆動装置にブレードを取り付け、ブレード上にブレードカバーを被せて、切断機のブレードを回転し、この切断機を、支持枠を介してガイドレール上で移動させ、回転するブレードで当該壁面を切断する。
【0005】
ワイヤーソーによる施工は、ワイヤーソーを高速に回転駆動して、切断対象物に接触させ、切断する方式を取り、ワイヤーソーの切断対象物に対するテンションのかけ方の違いで、引き切り切断工法と、押し切り切断工法に大別される。
引き切り切断工法では、特許文献3に開示されているように、切断対象物の周囲(切断位置)に沿ってワイヤーソーを一対のガイドプーリー、駆動装置の駆動プーリーを介して無端状に巻き掛けて線状に接触させ、このワイヤーソーを駆動装置により高速回転するとともに、駆動装置の(切断対象物から引き離す方向へ)の移動により、切断対象物に対する切断進行とともに切断に必要な適度の張力を維持して(ワイヤーソーに生ずる弛みをなくして)、切断対象物のコンクリート、鉄筋などを引き切り、切断する。
押し切り切断工法では、特許文献4に開示されているように、切断対象物(の切断位置)に向けてワイヤーソーを一対のガイドプーリー、駆動装置の駆動プーリー間に無端状に巻き掛けて、このワイヤーソーを駆動装置により高速回転するとともに、一対のガイドプーリー間を走行するワイヤーソーを切断対象物の前側から線状に接触させ、押し付けて、切断対象物のコンクリート、鉄筋などを押し切り、切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-30231公報
【文献】特開平9-300340公報
【文献】特開2002-327543公報
【文献】特開2007-176071公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のコアドリル、ウォールソー、ワイヤーソーなどを用いた各施工では、コアドリル、ウォールソー、ワイヤーソーなどの回転軸の駆動に(つまり、各切削機械を作動する原動機に)油圧モーターを用いているため、施工現場が海や河川、用水路などに近い場合、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部などから作動油が漏れたり油圧ホースが破裂して油圧ホースから作動油が漏れたりすると、この作動油が海や河川、用水路などを流れる水に混入し、環境汚染が生じるという問題がある。
また、このような環境汚染を防止するため、電動油圧ユニットの下に受け皿を用意して作動油が漏れても受け皿の中に収まるようにしたり、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部にテーピングを行って油漏れを防いだり、また、油漏れがあった場合に備えて、オイルの吸着マットや中和剤を用意したり、本来の施工の他に煩雑な作業を行わなければならない、という問題がある。なお、油圧ホースの接続部にテーピングを行うと、施工現場では油圧ホースの脱着ができない、という問題もある。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、コアドリル、ウォールソー、ワイヤーソーなどの切削機械を用いた施工において、施工現場が海や河川、用水路などに近い場合に、作動油の漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止するとともに、これを防止するための煩雑な作業をなくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することもできる切削機械ユニットを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明(1)の切削機械ユニットは、
原動機及び前記原動機により回転駆動される回転軸を有するコアドリル本体と、前記回転軸に連結されるコアビットとを有するコアドリルと、
側面にラックを有し、構造物の施工面に立ち上げて設置されるガイドシャフトと、前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドシャフトに係合され、前記コアドリルを取り付けられるコアドリル送りブロックとを有する送り装置と、
を備え、
前記コアドリル、前記送り装置の前記原動機はそれぞれ、高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、前記水圧モーターは高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、
前記送り装置が水中構造物の施工面にベース、又はガイドレール及び台車を介して設置され、前記送り装置に前記コアドリルが取り付けられて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニットから前記コアドリル、前記送り装置の各水圧モーターへ供給される高圧の作動水により、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記コアドリルと前記送り装置とを駆動して、前記コアビットで水中構造物の施工面を穿孔する、
ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(2)の切削機械ユニットは、
原動機及び前記原動機により回転駆動されるブレードを有する切断機と、
ラックを添設され、構造物の施工面に固定されるガイドレール、及び前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドレールに移動可能に装着され、前記切断機を搭載される支持枠を有する送り装置と、
を備え、
前記切断機、前記送り装置の前記原動機はそれぞれ、高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、前記水圧モーターは高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、
前記送り装置が水中構造物の施工面に固定され、前記送り装置に前記切断機が取り付けられて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニットから前記切断機、前記送り装置の各水圧モーターへ供給される高圧の作動水により、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記切断機と前記送り装置とを駆動して、前記ブレードで水中構造物の施工面を切断する、
ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(3)の切削機械ユニットは、
複数のプーリーからなるプーリーユニットと、前記各プーリー間に張架されるワイヤーと、原動機及び前記原動機により回転駆動される回転軸を有し、前記各プーリーのうち駆動用のメインプーリーに取り付けられるプーリー駆動装置とを有するワイヤーソーと、
ラックを並設され、前記各プーリーのうち変位張力用の一対のサブプーリーを移動案内するためのガイドレールと、前記ラックに噛合されるピニオン及び当該ピニオンを回転駆動する原動機を有し、前記ガイドレールに移動可能に装着され、前記各プーリーのうち前記一対のサブプーリーを取り付けられるプーリー支持部とを有する送り装置と、
を備え、
前記プーリー駆動装置、前記送り装置の前記原動機はそれぞれ、高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、前記水圧モーターは高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、
前記一対のサブプーリー間に張架される前記ワイヤーを水中構造物の施工面に当接されて、
前記水圧ポンプユニットの遠隔操作で、前記水圧ポンプユニットから前記プーリー駆動装置、前記送り装置の各水圧モーターへ供給される高圧の作動水により、前記各水圧モーターを駆動することにより、前記プーリー駆動装置と前記送り装置とを駆動して、前記ワイヤーで水中構造物の施工面を切断する、
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の切削機械ユニット(1)-(3)によれば、コアドリル、切断機、ワイヤーソーの各原動機が高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターからなり、各原動機が高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットに作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結され、コアドリル、切断機、ワイヤーソーがそれぞれ、水中構造物の施工面で、水圧ポンプユニットから水圧モーターへ供給する高圧の作動水により駆動されるようにしたので、従来の油圧駆動で懸念された油漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止することができるとともにこれを防止するための煩雑な作業をなくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態による切削機械ユニットを示す一部省略全体構成図
【
図2】同切削機械ユニットの切削機械をコアドリルとした場合の具体例を示す一部省略全体構成図
【
図3】同切削機械ユニットの切削機械をウォールソーとした場合の具体例を示す全体構成図
【
図4】同切削機械ユニットの切削機械をウォールソーとした場合の具体例((a)は特に切断機(b)は特に送り装置)を示す部分拡大図
【
図5】同切削機械ユニットの切削機械をウォールソーとした場合の、このウォールソーによる施工例を示す断面図
【
図6】同切削機械ユニットの切削機械をワイヤーソーとした場合の具体例を示す全体構成図
【
図7】同切削機械ユニットの切削機械をワイヤーソーとした場合の、このワイヤーソーによる施工例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1に切削機械ユニットの全体構成を示している。なお、この
図1では、切削機械の図示を省略している。
図1に示すように、この切削機械ユニットMは、コアドリル、ウォールソー、ワイヤーソーを含む各種の切削機械と、各種の切削機械に一体的に装着され、各種の切削機を作動させる原動機2と、原動機2に作動連結され、原動機2を駆動する原動機駆動ユニット3とを備え、切削機械でコンクリート構造物を含む各種施工対象物を切削するもので、この切削機械ユニットMでは、特に、各種の切削機械の原動機2は水圧モーターとし、原動機駆動ユニット3は水圧ポンプユニットとし、水圧モーターと水圧ポンプユニットが作動水供給回路3Aと作動水排出回路3Bとを介して連結されて、各種の切削機械が高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0013】
この切削機械ユニットMでは、原動機2に高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターを採用する。以下、原動機2を水圧モーター2という。
この場合、水圧モーター2は斜板式の水圧モーターで、作動水供給ポート及び作動水排出ポートを有するケーシングと、ケーシング内に回転可能に配置されるシャフトと、シャフトの周囲に一体的に固定され、ケーシング内にシャフトとともに回転可能に配置されるシリンダブロックと、シリンダブロックに形成され、シャフトの周方向に所定の間隔を介して配列される複数のシリンダ、各シリンダ内に摺動可能に挿入配置され、各シリンダ内に容積室を画成する複数のピストン、及び各ピストンの先端に回動可能に連結される複数のシューと、ケーシング内に配置され、各シューが摺接される斜板と、ケーシング内に配置され、作動水供給ポートと容積室とを連通させる入力ポート及び作動水排出ポートと容積室とを連通させる出力ポートを有し、シリンダブロックの端面が摺接されるポートプレートとを備え、高圧の作動水により各ピストンが各シリンダ内で往復動され、各シューと斜板との案内により、シャフトを回転させて、回転駆動力を出力するようになっている。
かかる水圧モーター2がギアボックスを介して切削機械に取り付けられ、切削機械が水圧モーター2により回転駆動される。
【0014】
原動機駆動ユニット3は切削機械の原動機(水圧モーター)2に作動連結され、原動機(水圧モーター)2を駆動する。
この切削機械ユニットMでは、原動機駆動ユニット3に、高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットを採用する。以下、原動機駆動ユニット3を水圧ポンプユニット3という。
この場合、水圧ポンプユニット3は、作動水を貯留する水タンク30と、原動機により駆動され、水タンク30内の作動水を吸引し加圧して高圧の作動水を供給する水圧ポンプ31とを、基本構成として備える。
【0015】
切削機械の水圧モーター2とこれを駆動する水圧ポンプユニット3は作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して連結される。
この場合、水タンク30と水圧モーター2の作動水供給ポートとの間に、水タンク30側から順次、水圧ポンプ31、チェック弁32、高圧3方向ボールバルブ33、圧力計34、ニードルストップ弁35を介装されて水圧ホース36が連結され、これら水圧ホース36などにより作動水供給回路3Aが構成される。また、水圧モーター2の作動水排出ポートと水タンク3との間に水圧モーター2側から順次、ニードルストップ弁35、圧力計34、リターンフィルタ37を介装されて水圧ホース36が連結され、これら水圧ホース36などにより作動水排出回路3Bが構成される。このようにして水タンク30内の作動水が水圧ポンプ31により吸引、加圧されて、作動水供給回路3Aを通じて、水圧モーター2に供給され、水圧モーター2を駆動し、水圧モーター2から排出された作動水は、作動水排出回路3Bを通じて、水タンク30に戻される。なお、水圧ポンプ31から供給される作動水は高圧3方向ボールバルブ33により作動水供給回路3A又は作動水排出回路3Bに切り換え可能である。また、作動水供給回路3Aと作動水排出回路3Bとの間に圧力調整用のリリーフ弁38を介装されて水圧ホース36が連結され、これら水圧ホース36によりバイパス回路3Cが構成される。このバイパス回路3C(リリーフ弁38)は作動水供給回路3Aの圧力が所定値を超えて上昇した場合に開き、このバイパス回路3Cにより、作動水供給回路3Aの圧力が所定値に維持される。
【0016】
このようにして切削機械ユニットMは切削機械が水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0017】
この切削機械ユニットMはまた、切削機械M全体又はその一部(の構成部品)を所定方向に送り駆動する送り装置を併せて備える。
この送り装置は、ここでは特に図示していないが、シャフト状又はレール状のガイドと、切削機械を支持し、ガイド上に自走可能に配設される原動機付きの自走機とを備えて構成される。なお、以下の送り装置の説明の便宜上、送り装置を符号4、ガイドを符号4A、自走機を符号4Bとしておく。
この送り装置4では、自走機4Bの原動機として高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーターが採用され、この原動機駆動ユニットとして高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニットが採用され、これら水圧モーターと水圧ポンプユニットが作動水供給回路と作動水排出回路とを介して連結されて、
図1に示す切削機械の駆動機構と概ね同様に構成され、
図1に示す切削機械の駆動機構とは別に設置される。なお、
図1に、この送り装置4の水圧モーターを示す符号5、水圧ポンプユニット及びその各部を示す符号6、6A、6B、6C、60-68を括弧を付けて併せて表示する。
切削機械は全体又はその一部がこの送り装置4の自走機4Bに取り付けられてガイド4Aと平行に取り付けられる。
このようにして送り装置4は水圧ポンプユニット6から水圧モーター5へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0018】
かくしてこの切削機械ユニットMでは、切削機械の水圧モーター2に切削機械の水圧ポンプユニット3が水圧ホース36を介して接続され、切削機械の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、切削機械の水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により切削機械を駆動し、送り装置4の水圧モーター5に送り装置4の水圧ポンプユニット6が水圧ホース66を介して接続され、送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、送り装置4の水圧ポンプユニット6から水圧モーター5へ供給される高圧の作動水により送り装置4を駆動するものとなっている。
すなわち、送り装置4においては、送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、水タンク60内の作動水が水圧ポンプ61により吸引、加圧されて、作動水供給回路6Aを通じて、送り装置4の各水圧モーター5に供給され、この高圧の作動水により各水圧モーター5が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、送り装置4の自走機4Bがガイド4A上を走行して切削機械全体又はその一部をガイド4A上で前進又は後退させる。また、切削機械においては、切削機械の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、水タンク30内の作動水が水圧ポンプ31により吸引、加圧されて、作動水供給回路3Aを通じて、切削機械の水圧モーター2に供給され、この高圧の作動水により切削機械の水圧モーター2が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、切削機械が回転駆動する。
この送り装置の走行駆動と切削機械の回転駆動とにより、切削機械でコンクリート構造物などの被切削位置を切削する。
この切削機械ユニットMの駆動中、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりすることがあっても、水なので、施工現場やその周辺環境を汚染することがない。
【0019】
以上説明したように、この水圧モーター駆動式の切削機械ユニットMでは、切削機械の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター2とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット3とし、これら水圧モーター2と水圧ポンプユニット3とを作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して連結して、切削機械を水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給する高圧の作動水により駆動し、さらに、切削機械の送り装置4の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター5とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット6とし、これら水圧モーター5と水圧ポンプユニット6とを作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して連結して、送り装置4を水圧ポンプユニット6から水圧モーター52へ供給する高圧の作動水により駆動するようにしたので、従来の油圧駆動の場合の油漏れと異なり、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりして、この作動水が施工現場近くの海や河川、用水路などを流れる水に混入しても、環境汚染が生じることがない。また、従来の油圧駆動の場合、環境汚染を防止するため、電動油圧ユニットの下に受け皿を用意して作動油が漏れても受け皿の中に収まるようにしたり、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部にテーピングを行って油漏れを防いだり、また、油漏れがあった場合に備えて、オイルの吸着マットや中和剤を用意したりするなど、本来の施工の他に煩雑な作業を行う必要があったが、この水圧モーター駆動式切削機械ユニットMでは、このような煩雑な作業が不要となる。また、この水圧ホース36、66の場合、油圧ホースのように接続部にテーピングを行う必要がなく、施工現場で水圧ホース36、66を脱着することができる。
したがって、この水圧モーター駆動式の切削機械ユニットMによれば、従来の油圧駆動で懸念された油漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止することができるとともにこれを防止するための煩雑な作業を一切なくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することができる。
【0020】
なお、この実施の形態では、切削機械ユニットを水圧モーター駆動式として例示したが、この切削機械ユニットは水圧モーターをエアモーターに、水圧ポンプユニットの各部をエア用に変更して、エアモーター駆動式とすることができる。
この場合、エアモーターは、円筒状の内周面を有し、圧縮空気の給気口及び排気口を有するシリンダと、シリンダの内部に回転中心軸線が偏心するように回転自在に保持されるロータと、ロータの外周面に放射状に形成される複数のベーン収容溝に出没自在に配置されるベーンとを備え、このエアモーターにエア供給回路及びエア排出回路を介してエアポンプ(エアコンプレッサ)、エアタンクが連結されて、エアポンプから供給された圧縮空気(高圧の作動エア)が、シリンダの給気口から排気口に向けてシリンダ内のロータの周囲を一方向に流され、これがロータの外周面から外方に飛び出すベーンに作用して、ロータを回転駆動するようになっている。このロータの回転力によって切削機械を駆動する。
このようにしても上記実施の形態と略同様の作用効果を奏することができる。
また、この実施の形態では、切削機械又はその一部の送り装置を水圧モーター駆動式として例示したが、この送り装置は水圧モーターをエアモーター又はエアシリンダーに、水圧ポンプユニットの各部をエア用に変更して、エアモーター駆動式又はエアシリンダー駆動式とすることができる。
エアモーター駆動式とする場合、エアモーターは、円筒状の内周面を有し、圧縮空気の給気口及び排気口を有するシリンダと、シリンダの内部に回転中心軸線が偏心するように回転自在に保持されるロータと、ロータの外周面に放射状に形成される複数のベーン収容溝に出没自在に配置されるベーンとを備え、このエアモーターにエア供給回路及びエア排出回路を介してエアポンプ(エアコンプレッサ)、エアタンクが連結されて、エアポンプから供給された圧縮空気(高圧の作動エア)が、シリンダの給気口から排気口に向けてシリンダ内のロータの周囲を一方向に流され、これがロータの外周面から外方に飛び出すベーンに作用して、ロータを回転駆動するようになっている。このロータの回転力によって送り装置の自走機を駆動する。
エアシリンダー駆動式とする場合、エアシリンダーは、シリンダー本体と、シリンダー本体内を軸方向に摺動可能に配置されるピストンと、ピストンに連結され、シリンダー本体から突出されるピストンロッドと、シリンダー本体内のピストンの両側に形成される圧力室と、これらの圧力室に圧縮空気を給排気する2つのポートとを備え、このエアシリンダー(の各ポート)にエア供給回路及びエア排出回路を介してエアポンプ(エアコンプレッサ)、エアタンクが連結されて、エアポンプから供給された圧縮空気(高圧の作動エア)が、シリンダ本体の各ポートを通じて、シリンダー本体内の圧力室に交互に給排気されることにより、シリンダー本体内でピストンが往復動してピストンロッドが直線的に往復駆動されるようになっている。このピストンロッドの往復動によって送り装置の自走機を駆動する。
このようにしても上記実施の形態と略同様の作用効果を奏することができる。
【0021】
図2に切削機械ユニットMの切削機械をコアドリルとした場合の具体例1を示している。
図2に示すように、コアドリルDは、コアドリル本体11と、コアドリル本体11に連結されるコアビット112とを備え、コアビット112でコンクリート構造物を含む各種施工対象物を穿孔するものである。
【0022】
コアドリル本体11は、原動機としての水圧モーター2とこの水圧モーター2により回転駆動される回転軸111とを有する。
この場合、水圧モーター2は既述のとおり斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター2は既述のとおり作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して水圧ポンプユニット3に連結される。回転軸111は水圧モーター2にギアボックス2Gを介して回転可能に取り付けられ、水圧モーター2により回転駆動される。
【0023】
コアビット112は、先端が開口し、基端が閉塞された全体が略円筒状をなし、先端に刃部としてダイヤモンドチップが設けられ、基端の中心に回転軸111に連結するための連結部が設けられる。このコアビット112はコアドリル本体11の回転軸111に同芯的に取り付けられる。
なお、このコアビット112の下方には、コアビット112のための振れ止め装置が設置されることが好ましい。この振れ止め装置は、コアビット112の直下に配置され、穿孔方向に移動されるコアビット112の外周面に沿って抱持可能な一対の抱持アームと、これらの抱持アームをコアビット112の外周面に対して接離可能に駆動するアーム駆動部とを備えてなる。
【0024】
このようにしてコアドリルDはコアドリル本体11が水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0025】
このコアドリルDはまた、送り装置4(コアドリル(切削機械)D全体を所定方向に送り駆動する送り装置)を併せて備え、ガイド4Aとしてガイドシャフト(以下、ガイドシャフト4Aという。)と自走機4Bとして水中モーター付きのコアドリル送りブロック(以下、コアドリル送りブロック4Bという。)とを有する。
【0026】
ガイドシャフト4Aは、1本の断面略四角形の支柱113からなり、その一側面にラック114が支柱113の長さ方向に設けられて構成される。このガイドシャフト4Aは、ベース、又はガイドレール及び台車を介して、水中又は陸上の構造物の被穿孔面に対して略直角に立ち上げて設置される。なお、ここではベースBが例示されており、ベースBは略平板状のプレートからなり、ガイドシャフト4Aの下面に固着され、このベースBがアンカーを用いて被穿孔物の被穿孔面に固着される。
【0027】
コアドリル送りブロック4Bは、ガイドシャフト4Aの周囲に係合可能な断面略口字形のブロック115と、ブロック115のガイドシャフト4Aのラック114を有する面に対向する内面に配設され、ガイドシャフト4Aのラック114に噛合可能なピニオン(図示省略)と、ブロック115の片側一方にピニオンの回転軸に作動連結されて配設され、ピニオンを手動により回転駆動するハンドル116と、ブロック115の片側他方に又はハンドル116に代えて片側一方にピニオンの回転軸に作動連結されて配設され、ピニオンを自動的に回転駆動する原動機として水中モーター5とにより構成される。この場合、水圧モーター5は既述のとおり(
図1参照)斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター5は既述のとおり(
図1参照)作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して水圧ポンプユニット6に連結される。ピニオンはかかる水圧モーター5にギアボックス5Gを介して回転可能に連結される。
このコアドリル送りブロック4Bはガイドシャフト4Aにその長さ方向に沿って移動可能に配置され、水圧ポンプユニット6駆動の水圧モーター5によるピニオンのラック上での正転方向又は逆転方向の転動により、前進駆動又は後退駆動される。
かくして送り装置4のコアドリル本体11は、このコアドリル送りブロック4Bの外周面に取り付けられてガイドシャフト4Aと平行に取り付けられ、このコアドリル送りブロック4Bのガイドシャフト4A上での駆動により、コンクリート構造物などの被穿孔面に対して前進又は後退されるようになっている。
【0028】
このようにしてこの水圧モーター駆動式のコアドリルDでは、コアドリルDの水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット3からコアドリルDの水圧モーター2へ供給される高圧の作動水によりコアドリルDを駆動し、送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット6から送り装置4の水圧モーター5へ供給される高圧の作動水により送り装置4を駆動するようになっている。
すなわち、送り装置4においては、
図1を参照すると、この送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、水タンク60内の作動水が水圧ポンプ61により吸引、加圧されて、作動水供給回路6Aを通じて、水圧モーター5に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター5が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、送り装置4が駆動されてピニオンの回転によりコアドリルDがガイドシャフト4A上を進退駆動して、コアビット112を前進又は後退させる。そして、コアドリルDにおいては、
図1を参照すると、このコアドリルDの水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、水タンク30内の作動水が水圧ポンプ31により吸引、加圧されて、作動水供給回路3Aを通じて、水圧モーター2に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター2が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、コアドリルDが駆動されてコアビット112を回転する。
この送り装置4の駆動とコアドリルDの駆動とにより、コアビット112でコンクリート構造物などの被穿孔位置を穿孔する。
このコアドリルDの駆動中、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりすることがあっても、水なので、施工現場やその周辺環境を汚染することがない。
【0029】
以上説明したように、この水圧モーター駆動式のコアドリルDでは、コアドリル本体11の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター2とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット3とし、これら水圧モーター2と水圧ポンプユニット3とを作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して連結して、コアドリルDを水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給する高圧の作動水により駆動し、さらに、コアドリルDの送り装置4の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター5とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット6とし、これら水圧モーター5と水圧ポンプユニット6とを作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して連結して、送り装置4を水圧ポンプユニット6から水圧モーター2へ供給する高圧の作動水により駆動するようにしたので、従来の油圧駆動の場合の油漏れと異なり、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりして、この作動水が施工現場近くの海や河川、用水路などを流れる水に混入しても、環境汚染が生じることがない。また、従来の油圧駆動の場合、環境汚染を防止するため、電動油圧ユニットの下に受け皿を用意して作動油が漏れても受け皿の中に収まるようにしたり、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部にテーピングを行って油漏れを防いだり、また、油漏れがあった場合に備えて、オイルの吸着マットや中和剤を用意したりするなど、本来の施工の他に煩雑な作業を行う必要があったが、この水圧モーター駆動式のコアドリルDでは、このような煩雑な作業が不要となる。また、この水圧ホース36、66の場合、油圧ホースのように接続部にテーピングを行う必要がなく、施工現場で水圧ホース36、66を脱着することができる。
したがって、この水圧モーター駆動式のコアドリルDによれば、従来の油圧駆動で懸念された油漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止することができるとともにこれを防止するための煩雑な作業を一切なくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することができる。
【0030】
なお、この具体例1では、水圧モーター駆動式のコアドリルDを例示したが、コアドリルDの水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしても上記具体例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、この具体例1では、水圧モーター駆動式の送り装置4を例示したが、送り装置4の水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター又はエアシリンダー、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしても上記具体例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0031】
図3、
図4に切削機械ユニットMの切削機械をウォールソーとした場合の具体例2を示している。
図3に示すように、ウォールソーSは切断機21と送り装置4(切断機(切削機械)21全体を所定方向に送り駆動する送り装置)とを備え、切断機21でコンクリート構造物を含む各種施工対象物を切断するものである。
【0032】
切断機21は、
図4に示すように、円板状のブレード(ダイヤモンドブレード)211と、ブレード211を覆うブレードカバー212と、ブレード211を回転駆動するブレード回転駆動装置213とを有し、これらブレード211、ブレードカバー212、ブレード回転駆動装置213は支持枠214上に組み立てられる。
この場合、支持枠214は枠形形状に形成され、その上部に2本の支軸215が並列に立ち上げられて、これらの支軸215に支持台216がハンドル217の操作により昇降可能に取り付けられる。この支持枠214の支持台216にブレード回転駆動装置213が支持固定される。ブレード回転駆動装置213は原動機として水圧モーター2とこの水圧モーター2により回転駆動される回転軸2131とを有する。ここで水圧モーター2は既述のとおり斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター2は既述のとおり作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して水圧ポンプユニット3に連結される。回転軸2131はかかる水圧モーター2にギアボックスを介して回転可能に取り付けられる。このブレード回転駆動装置213の回転軸2131にブレード211が取り付けられ、ブレードカバー212がブレード211にブレード211下端を外部に突出させて被せられ、支持台216に支持固定される。
このようにして切断機21はブレード211が水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0033】
送り装置4は、
図4に示すように、ガイド4Aとして被切断壁上に固定されるガイドレール(以下、ガイドレール4Aという。)と、このガイドレール4A上に移動可能に装着される自走機としての支持枠214(以下、支持枠4B(214)という。)とを有する。
この場合、ガイドレール4Aにラック(図示省略)が添設される。支持枠4B(214)はガイドレール4A上に組み付け可能な枠形形状に形成され、一端にガイドレール4Aのラックに噛合されるピニオン(図示省略)とこのピニオンを回転駆動する原動機として水中モーター(図示省略)とを有する。ここで水圧モーターは既述のとおり(
図1参照)斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター5は既述のとおり(
図1参照)作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して水圧ポンプユニット6に連結される。ピニオンはかかる水圧モーターにギアボックスを介して回転可能に連結される。
このようにして送り装置4は支持枠4B(214)がガイドレール4A上を水圧ポンプユニット6から水圧モーター5へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0034】
このようにしてこの水圧モーター駆動式のウォールソーSでは、コンクリート構造物などの被切断壁を切断する場合、
図5に示すように、当該壁面の切断予定線に沿ってガイドレール4A固定用のアンカー孔を開け、当該壁面にガイドレール4Aをアンカーで固定するとともに、このガイドレール4A上にブレード回転駆動装置213を搭載した支持枠4B(214)を装着して、ブレード回転駆動装置213にブレード211を取り付け、ブレード211上にブレードカバー212を被せる。そして、
図1を併せて参照すると、切断機21の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット3から切断機21の水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により切断機21を駆動し、送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット6から送り装置4の水圧モーター5へ供給される高圧の作動水により送り装置4を駆動するようになっている。
すなわち、切断機21においては、この切断機21の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、水タンク30内の作動水が水圧ポンプ31により吸引、加圧されて、作動水供給回路3Aを通じて、水圧モーター2に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター2が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、切断機21が駆動されてブレード211を回転する。そして、送り装置4においては、この送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、水タンク60内の作動水が水圧ポンプ61により吸引、加圧されて、作動水供給回路6Aを通じて、水圧モーター5に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター5が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、送り装置4が駆動されてピニオンの回転により支持枠4B(214)がガイドレール4A上を進退駆動して、切断機21を前進又は後退させる。
このように切断機21の駆動と送り装置4の駆動とにより、切断機21のブレード211を回転し、この切断機21をガイドレール4A上で移動させて、回転するブレード21で当該壁面を切断する。
このウォールソーSの駆動中、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりすることがあっても、水なので、施工現場やその周辺環境を汚染することがない。
【0035】
以上説明したように、この水圧モーター駆動式のウォールソーSでは、切断機21の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター2とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット3とし、これら水圧モーター2と水圧ポンプユニット3とを作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して連結して、切断機21を水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給する高圧の作動水により駆動し、さらに、送り装置4の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター5とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット6とし、これら水圧モーター5と水圧ポンプユニット6とを作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して連結して、送り装置4を水圧ポンプユニット6から水圧モーター5へ供給する高圧の作動水により駆動するようにしたので、従来の油圧駆動の場合の油漏れと異なり、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりして、この作動水が施工現場近くの海や河川、用水路などを流れる水に混入しても、環境汚染が生じることがない。また、従来の油圧駆動の場合、環境汚染を防止するため、電動油圧ユニットの下に受け皿を用意して作動油が漏れても受け皿の中に収まるようにしたり、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部にテーピングを行って油漏れを防いだり、また、油漏れがあった場合に備えて、オイルの吸着マットや中和剤を用意したりするなど、本来の施工の他に煩雑な作業を行う必要があったが、この水圧モーター駆動式のウォールソーSでは、このような煩雑な作業が不要となる。また、この水圧ホース36、66の場合、油圧ホースのように接続部にテーピングを行う必要がなく、施工現場で水圧ホース36、66を脱着することができる。
したがって、この水圧モーター駆動式のウォールソーSによれば、従来の油圧駆動で懸念された油漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止することができるとともにこれを防止するための煩雑な作業を一切なくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することができる。
【0036】
なお、この具体例2では、水圧モーター駆動式のウォールソーSを例示したが、ウォールソーSの水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしても上記具体例2と同様の作用効果を奏することができる。
また、この具体例2では、水圧モーター駆動式の送り装置4を例示したが、送り装置4の水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター又はエアシリンダー、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしても上記具体例2と同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
図6に切削機械ユニットMの切削機械をワイヤーソーとした場合の具体例3を示している。
図6に示すように、ワイヤーソーWは複数のプーリー221-224からなるプーリーユニット22と、各プーリー221-224間に張架されるワイヤー23と、一部のプーリー221を回転駆動するプーリー駆動装置24と、一部のプーリー223を変位させるプーリー送り装置4(ワイヤーソー(切削機械)Wの一部を所定方向に送り駆動する送り装置)とを備え、ワイヤー23でコンクリート構造物を含む各種施工対象物を切断するものである。
【0038】
プーリーユニット22は、駆動用のメインプーリー221、及び切断用、張力用の複数のサブプーリー222、223を含む複数のプーリー221-224からなり、メイン支柱251とサブ支柱252とこれらメイン支柱251、サブ支柱252の上部間、下部間に架設される上下の各バー253、254を有するフレーム25に回転可能に取り付けられる。
この場合、一対の切断用のサブプーリー222がそれぞれ、下のバー254でメイン支柱251及びサブ支柱252の外側近傍に回転可能に取り付けられ、メインプーリー221が一対の切断用のサブプーリー222間でこれら切断用のサブプーリー222の直上にメイン支柱251に取り付けられ、一対の変位張力用のサブプーリー223がメインプーリー221の直上にメイン支柱251にプーリー送り装置4を介して昇降変位可能に取り付けられ、さらに2つのサブプーリー224がそれぞれ、サブ支柱252に取り付けられる。
【0039】
ワイヤー23はスチールワイヤーに切削用ダイヤモンドのビーズを数珠状に押し通して、一定の間隔に固着したもので、ワイヤー23は被切断物にループ状に巻き付けられてプーリーユニット22の各プーリー221-223、224間に張架され、両端が接続される。
【0040】
プーリー駆動装置24は原動機として水圧モーター2とこの水圧モーター2により回転駆動される回転軸241とを有し、回転軸241にメインプーリー221を取り付けられて、フレーム25上に設置される。ここで水圧モーター2は既述のとおり(
図1参照)斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター2は既述のとおり(
図1参照)作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して水圧ポンプユニット3に連結される。回転軸241はかかる水圧モーター2にギアボックスを介して回転可能に取り付けられる。
このようにしてワイヤーソーWはメインプーリー221が水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給される高圧の作動水により駆動されるようになっている。
【0041】
プーリー送り装置4は、ガイド4Aとしてガイドレール(以下、ガイドレール4Aという。)と、このガイドレール4A上に移動可能に装着される自走機4Bとしてのプーリー支持部(以下、プーリー支持部4Bという。)とを有する。
この場合、ガイドレール4Aはメイン支柱251にラック(図示省略)が並設されて構成される。プーリー支持部4Bはガイドレール4A上に組み付け可能なフレーム形状に形成され、ガイドレール4Aのラックに噛合されるピニオン(図示省略)と、このピニオンを回転駆動する原動機として水中モーターとを有する。ここで水圧モーターは既述のとおり(
図1参照)斜板式の水圧モーターで、この水圧モーター5は既述のとおり(
図1参照)作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して水圧ポンプユニット6に連結される。ピニオンはかかる水圧モーターにギアボックスを介して回転可能に連結される。
このプーリー支持部4Bはガイドレール4Aにその長さ方向に沿って移動可能に配置され、水圧ポンプユニット6駆動の水圧モーター5によるピニオンのラック上での正転方向又は逆転方向の転動により、上昇駆動又は下降駆動される。
かくしてプーリー送り装置4の一対の変位張力用のサブプーリー223は、このプーリー支持部4Bの外周面にガイドレール4Aに対して直角に取り付けられ、メイン支柱251上で、上昇又は下降されるようになっている。
【0042】
このようにしてこの水圧モーター駆動式のワイヤーソーWでは、コンクリート構造物などの被切断物を切断する場合、
図7に示すように、一対の切断用のサブプーリー222間に張架されたワイヤー23を被切断物に当接させる。そして、
図1を併せて参照すると、プーリー駆動装置24の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット3からプーリー駆動装置24の水圧モーター2へ供給される高圧の作動水によりプーリー駆動装置24を駆動して、メインプーリー221を回転駆動することにより、メインプーリー221及び各サブプーリー222、223間でワイヤー23を循環駆動し、プーリー送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、この水圧ポンプユニット6からプーリー送り装置4の水圧モーター5へ供給される高圧の作動水によりプーリー送り装置4を駆動して、一対の変位張力用のサブプーリー223をワイヤー23の被切断物に対する接触圧を調整しつつ変位させ、被切断物を切断するようになっている。
すなわち、プーリー駆動装置24においては、このプーリー駆動装置24の水圧ポンプユニット3の遠隔操作により、水タンク30内の作動水が水圧ポンプ31により吸引、加圧されて、作動水供給回路3Aを通じて、水圧モーター2に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター2が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、メインプーリー221が回転駆動されてワイヤー23を循環回転させる。そして、プーリー送り装置4においては、このプーリー送り装置4の水圧ポンプユニット6の遠隔操作により、水タンク60内の作動水が水圧ポンプ61により吸引、加圧されて、作動水供給回路6Aを通じて、水圧モーター5に供給され、この高圧の作動水により水圧モーター5が駆動されて、ケーシング内で各ピストンが各シリンダ内を往復動し、このピストンの動作と各シューと斜板との案内により、シャフトが回転されて、回転駆動力を出力する。この回転駆動力により、プーリー送り装置4が駆動されてピニオンの回転によりプーリー支持部4Bがガイドレール4A上を昇降(この場合は上昇)して、一対の変位張力用のサブプーリー223を上昇又は下降(この場合は上昇)させる。
このようにメインプーリー221の駆動とプーリー送り装置4の駆動とにより、ワイヤーソーWのワイヤー23を回転し、このワイヤー23をプーリー送り装置4により移動させながら、回転循環するワイヤー23で被切断物を切断する。
このワイヤーソーWの駆動中、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりすることがあっても、水なので、施工現場やその周辺環境を汚染することがない。
【0043】
以上説明したように、この水圧モーター駆動式のワイヤーソーWでは、駆動用のメインプーリー221を回転駆動するプーリー駆動装置24の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター2とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット3とし、これら水圧モーター2と水圧ポンプユニット3とを作動水供給回路3A及び作動水排出回路3Bを介して連結して、プーリー駆動装置24を水圧ポンプユニット3から水圧モーター2へ供給する高圧の作動水により駆動し、さらに、プーリー送り装置4の原動機を高圧の作動水を回転運動に変換する水圧モーター5とし、この原動機を駆動する原動機駆動ユニットを高圧の作動水を供給する水圧ポンプユニット6とし、これら水圧モーター5と水圧ポンプユニット6とを作動水供給回路6A及び作動水排出回路6Bを介して連結して、プーリー送り装置4を水圧ポンプユニット6から水圧モーター5へ供給する高圧の作動水により駆動するようにしたので、従来の油圧駆動の場合の油漏れと異なり、水圧モーター2、5と水圧ホース36、66との接続部や水圧ポンプユニット3、6と水圧ホース36、66との接続部などから作動水が漏れたり水圧ホース36、66が破裂して水圧ホース36、66から作動水が漏れたりして、この作動水が施工現場近くの海や河川、用水路などを流れる水に混入しても、環境汚染が生じることがない。また、従来の油圧駆動の場合、環境汚染を防止するため、電動油圧ユニットの下に受け皿を用意して作動油が漏れても受け皿の中に収まるようにしたり、油圧モーターと油圧ホースとの接続部や電動油圧ユニットと油圧ホースとの接続部にテーピングを行って油漏れを防いだり、また、油漏れがあった場合に備えて、オイルの吸着マットや中和剤を用意したりするなど、本来の施工の他に煩雑な作業を行う必要があったが、この水圧モーター駆動式のワイヤーソーWでは、このような煩雑な作業が不要となる。また、この水圧ホース36、66の場合、油圧ホースのように接続部にテーピングを行う必要がなく、施工現場で水圧ホース36、66を脱着することができる。
したがって、この水圧モーター駆動式のワイヤーソーWによれば、従来の油圧駆動で懸念された油漏れによる海、河川、用水路などの環境汚染を防止することができるとともにこれを防止するための煩雑な作業を一切なくすことができ、また、作動油使用制限のある環境下での施工に使用することができる。
【0044】
なお、この具体例3では、水圧モーター駆動式のワイヤーソーを例示したが、このワイヤーソーの水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしてもこの具体例3と同様の作用効果を奏することができる。
また、この具体例3では、プーリー送り装置4は、一対のサブプーリー223が変位可能に構成されているが、複数のプーリー221-224は種々の配置構成に変更可能であり、駆動用のメインプーリー221が変位可能に構成される場合もある。
このようにしてもこの具体例3と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、この具体例3では、水圧モーター駆動式の送り装置4を例示したが、送り装置4の水圧モーター2,5、水圧ポンプユニット3,6をそれぞれ、既述のように、エアモーター又はエアシリンダー、エアポンプユニット(エアコンプレッサなど)に代えて、エアモーター駆動式に変更することもできる。
このようにしても上記具体例3と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0045】
M 削機械ユニット
D アドリル
11 コアドリル本体
11 転軸
112 コアビット
113 ガイドシャフト
114 ラック
B ベース
115 ブロック
116 ハンドル
S ウォールソー
21 切断機
211 ブレード
212 カバー
213 ブレード回転駆動装置
2131 回転軸
214 支持枠
215 支軸
216 支持台
217 ハンドル
W ワイヤーソー
22 プーリーユニット
221 メインプーリー
222 サブプーリー
223 サブプーリー
224 サブプーリー
23 ワイヤー
24 プーリー駆動装置
241 回転軸
25 フレーム
251 メイン支柱
252 サブ支柱
253 上のバー
254 下のバー
2 原動機(水圧モーター)
2G ギアボックス
3 原動機駆動ユニット(水圧ポンプユニット)
3A 作動水供給回路
3B 作動水排出回路
3C バイパス回路
30 水タンク
31 水圧ポンプ
32 チェック弁
33 高圧3方向ボールバルブ
34 圧力計
35 ニードルストップ弁
36 水圧ホース
37 リターンフィルタ
38 リリーフ弁
4 送り装置(プーリー送り装置)
4A ガイド
4B 自走機
5 原動機(水圧モーター)
5G ギアボックス
6 原動機駆動ユニット(水圧ポンプユニット)
6A 作動水供給回路
6B 作動水排出回路
6C バイパス回路
60 水タンク
61 水圧ポンプ
62 チェック弁
63 高圧3方向ボールバルブ
64 圧力計
65 ニードルストップ弁
66 水圧ホース
67 リターンフィルタ
68 リリーフ弁