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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】車両用電源装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 1/00 20060101AFI20221207BHJP
   B60K 6/442 20071001ALI20221207BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20221207BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20221207BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20221207BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20221207BHJP
   B60W 20/13 20160101ALI20221207BHJP
   B60W 20/50 20160101ALI20221207BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B60L1/00 L
B60K6/442 ZHV
B60L3/00 S
B60L50/16
B60R16/03 A
B60W10/26 900
B60W20/13
B60W20/50
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018230757
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020096402
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内村 貴大
(72)【発明者】
【氏名】大堀 勇二
(72)【発明者】
【氏名】夏目 侑紀
(72)【発明者】
【氏名】犬童 翔太
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-061217(JP,A)
【文献】特開2013-166499(JP,A)
【文献】特開2011-011721(JP,A)
【文献】特開2012-223061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00
B60K 6/442
B60L 3/00
B60L 50/16
B60R 16/03
B60W 10/26
B60W 20/13
B60W 20/50
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両用電源装置であって、
第1蓄電体および第1発電機からなる第1電源部と、前記第1電源部に接続される電気機器と、を備える第1電源系と、
第2蓄電体および第2発電機からなる第2電源部、を備える第2電源系と、
前記第1電源系と前記第2電源系との間に設けられ、前記第1電源系と前記第2電源系とを接続するオン状態と、前記第1電源系と前記第2電源系とを切り離すオフ状態と、に制御されるスイッチと、
前記第1蓄電体のSOCが下限値を上回る場合に、前記第1蓄電体の放電を許可する第1電力モードを実行し、前記第1電源部から前記電気機器に電力を供給する第1モード制御部と、
前記第1蓄電体のSOCが前記下限値を下回る場合に、前記第1蓄電体の放電を禁止する第2電力モードを実行し、前記第2電源部から前記スイッチを介して前記電気機器に電力を供給する第2モード制御部と、
前記第2電力モードが実行された状態のもとで、前記スイッチの異常が検出された場合に、前記第1蓄電体のSOCが前記下限値を下回る領域での放電を許可する第3電力モードを実行し、前記第1電源部から前記電気機器に電力を供給する第3モード制御部と、
を有し、
前記第1電力モード、前記第2電力モードおよび前記第3電力モードが実行される場合に、前記スイッチはオン状態に制御される、
車両用電源装置。
【請求項2】
請求項に記載の車両用電源装置において、
前記第2発電機は、エンジン始動時に力行状態に制御される発電電動機であり、
前記スイッチは、エンジン始動時にオフ状態に制御される、
車両用電源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用電源装置において、
前記第3モード制御部は、前記第3電力モードを実行する場合に、前記第1発電機を発電状態に制御して前記第1蓄電体を充電する、
車両用電源装置。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載の車両用電源装置において、
前記第1蓄電体の電圧は、前記第2蓄電体の電圧よりも高く、
前記第1電源部には、電圧を変換するコンバータが設けられる、
車両用電源装置。
【請求項5】
請求項1~の何れか1項に記載の車両用電源装置において、
前記スイッチの異常が検出される場合とは、前記スイッチの温度が閾値を上回る場合である、
車両用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車両用電源装置には、鉛バッテリやリチウムイオンバッテリ等の蓄電体が設けられるとともに、オルタネータやISG(Integrated Starter Generator)等の発電機が設けられている。また、車両用電源装置には、電気機器として各種コントローラやアクチュエータ等が設けられるとともに、蓄電体や電気機器等の接続状態を制御するスイッチが設けられている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-166499号公報
【文献】特開2016-132402号公報
【文献】特表2018-523053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用電源装置に設けられるスイッチは、各種電気機器の作動状況に応じて制御される。例えば、ISG等を力行させるエンジン始動時には、スイッチをオフ状態に制御することにより、ISG等に電力を供給する電源回路から、コントローラ等に電力を供給する電源回路が切り離される。これにより、コントローラの電源電圧の過度な低下を防止することができ、コントローラを適切に動作させることができる。このようなスイッチが過度な通電等によって故障した場合には、車両用電源装置の正常動作が困難になることから、スイッチを保護することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、スイッチを保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用電源装置は、車両に搭載される車両用電源装置であって、第1蓄電体および第1発電機からなる第1電源部と、前記第1電源部に接続される電気機器と、を備える第1電源系と、第2蓄電体および第2発電機からなる第2電源部、を備える第2電源系と、前記第1電源系と前記第2電源系との間に設けられ、前記第1電源系と前記第2電源系とを接続するオン状態と、前記第1電源系と前記第2電源系とを切り離すオフ状態と、に制御されるスイッチと、前記第1蓄電体のSOCが下限値を上回る場合に、前記第1蓄電体の放電を許可する第1電力モードを実行し、前記第1電源部から前記電気機器に電力を供給する第1モード制御部と、前記第1蓄電体のSOCが前記下限値を下回る場合に、前記第1蓄電体の放電を禁止する第2電力モードを実行し、前記第2電源部から前記スイッチを介して前記電気機器に電力を供給する第2モード制御部と、前記第2電力モードが実行された状態のもとで、前記スイッチの異常が検出された場合に、前記第1蓄電体のSOCが前記下限値を下回る領域での放電を許可する第3電力モードを実行し、前記第1電源部から前記電気機器に電力を供給する第3モード制御部と、を有し、前記第1電力モード、前記第2電力モードおよび前記第3電力モードが実行される場合に、前記スイッチはオン状態に制御される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2電力モードが実行された状態のもとで、スイッチの異常が検出された場合に、第1蓄電体のSOCが下限値を下回る領域での放電を許可する第3電力モードが実行され、第1電源部から電気機器に電力が供給される。これにより、スイッチを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態である車両用電源装置が搭載された車両の構成例を示す概略図である。
図2】車両用電源装置が備える電源回路および制御系の一例を示す図である。
図3】通常モードによる電力供給状況の一例を示す図である。
図4】バックアップモードによる電力供給状況の一例を示す図である。
図5】高電圧バッテリのSOCと電力供給モードとの関係を示す説明図である。
図6】通常モードおよびバックアップモードの切替制御の一例を示すタイミングチャートである。
図7】エンジン始動時における電力供給状況の一例を示す図である。
図8】保護モードの実行状況の一例を示すタイミングチャートである。
図9】保護モードによる電力供給状況の一例を示す図である。
図10】電力供給モードの切替手順の一例を示すフローチャートである。
図11】電力供給モードの切替手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
[車両構成]
図1は本発明の一実施の形態である車両用電源装置10が搭載された車両11の構成例を示す概略図である。図1に示すように、車両11には、エンジン12、モータジェネレータ13およびトランスミッション14を備えたパワートレイン15が搭載されている。エンジン12が備えるクランク軸16の一端側には、ベルト機構17を介してスタータジェネレータ18が連結されており、クランク軸16の他端側には、クラッチ機構19を介してモータジェネレータ13が連結されている。また、モータジェネレータ13にはトランスミッション14内の変速機構20が連結されており、変速機構20にはデファレンシャル機構21等を介して車輪22が連結されている。なお、内燃機関であるエンジン12には、インジェクタや点火装置等のエンジン補機23が設けられている。
【0011】
パワートレイン15に設けられるモータジェネレータ13には、インバータ30を介して高電圧バッテリ31が接続されている。この高電圧バッテリ31として、例えば、端子電圧が約100Vのリチウムイオンバッテリや鉛バッテリを用いることが可能である。また、高電圧バッテリ31からモータジェネレータ13に電力を供給し、モータジェネレータ13を力行状態に制御することにより、モータ動力によって車輪22を駆動することができる。さらに、車両減速時には、モータジェネレータ13を発電状態に制御することにより、モータジェネレータ13から高電圧バッテリ31に電力を供給し、高電圧バッテリ31を充電することができる。
【0012】
エンジン12に連結されるスタータジェネレータ18には、低電圧バッテリ32が接続されている。この低電圧バッテリ32として、例えば、端子電圧が約12Vのリチウムイオンバッテリや鉛バッテリを用いることが可能である。また、スタータジェネレータ18は、発電機および電動機として機能する所謂ISG(Integrated Starter Generator)である。例えば、低電圧バッテリ32の蓄電残量であるSOCが低下した場合には、スタータジェネレータ18が発電状態に制御される。また、エンジン12を始動回転させる場合や、発進時や加速時においてエンジン12を補助する場合には、スタータジェネレータ18が力行状態に制御される。なお、スタータジェネレータ18には、ステータコイルやフィールドコイルの通電状態を制御するため、インバータ、レギュレータ、マイコンおよび各種センサ等からなるISGコントローラ33が設けられている。
【0013】
なお、エンジン12とモータジェネレータ13との間には、クラッチ機構19が設けられている。このクラッチ機構19を解放することにより、モータジェネレータ13からエンジン12を切り離すことができ、モータジェネレータ13のみを用いて車両11を走行させることができる。一方、クラッチ機構19を締結することにより、モータジェネレータ13にエンジン12を接続することができ、エンジン12およびモータジェネレータ13の双方を用いて車両11を走行させることができる。
【0014】
[電源回路]
図1に示すように、モータジェネレータ13には、インバータ30を介して高電圧バッテリ31が接続されている。また、高電圧バッテリ31には、電圧を変換するコンバータ34が接続されている。コンバータ34の正極端子34aには正極ライン35が接続されており、この正極ライン35には正極ライン36が接続されている。さらに、正極ライン36には、各種アクチュエータや各種コントローラ等の電気機器37からなる電気機器群38が接続されている。
【0015】
このように、車両用電源装置10が備える電源回路39には、モータジェネレータ13、インバータ30、高電圧バッテリ31、コンバータ34、および電気機器37等からなる第1電源系51が設けられている。つまり、電源回路39には、モータジェネレータ(第1発電機)13および高電圧バッテリ(第1蓄電体)31からなる第1電源部40と、この第1電源部40に接続される第1電気機器37と、を備える第1電源系51が設けられている。なお、図示する例では、第1電源部40にコンバータ34が含まれている。
【0016】
また、スタータジェネレータ18の正極端子18aには正極ライン41が接続されており、低電圧バッテリ32の正極端子32aには正極ライン42が接続されている。さらに、正極ライン41と正極ライン42とは互いに接続されている。このように、車両用電源装置10が備える電源回路39には、スタータジェネレータ(第2発電機,発電電動機)18および低電圧バッテリ(第2蓄電体)32からなる第2電源部43、を備える第2電源系52が設けられている。
【0017】
前述した第1電源系51と第2電源系52との間には、第1電源系51と第2電源系52とを互いに並列接続する通電ライン44が設けられている。また、通電ライン44には、オン状態とオフ状態とに切り替えられるスイッチSWが設けられている。このスイッチSWをオン状態に制御することにより、第1電源系51と第2電源系52とを互いに接続することができ、スイッチSWをオフ状態に制御することにより、第1電源系51と第2電源系52とを互いに切り離すことができる。
【0018】
なお、スイッチSWは、MOSFET等の半導体素子によって構成されるスイッチであっても良く、電磁力等を用いて接点を機械的に開閉させるスイッチであっても良い。また、スイッチSWのオン状態とは、電気的に接続される通電状態や導通状態を意味しており、スイッチSWのオフ状態とは、電気的に切断される非通電状態や遮断状態を意味している。また、スイッチSWは、リレーやコンタクタ等とも呼ばれている。
【0019】
[制御系]
図2は車両用電源装置10が備える電源回路39および制御系の一例を示す図である。図2に示すように、車両用電源装置10は、パワートレイン15や電源回路39等を互いに協調させて制御するため、マイコン等からなるメインコントローラ60を有している。メインコントローラ60は、エンジン12を制御するエンジン制御部61、モータジェネレータ13を制御するモータ制御部62、スタータジェネレータ18を制御するISG制御部63、コンバータ34を制御するコンバータ制御部64、およびスイッチSWを制御するスイッチ制御部65等を有している。
【0020】
また、車両用電源装置10は、電気機器群38の電気機器37に電力を供給する電力供給モードとして、後述する通常モード(第1電力モード)、バックアップモード(第2電力モード)および保護モード(第3電力モード)を有している。このため、メインコントローラ60には、通常モードを実行する第1モード制御部66、バックアップモードを実行する第2モード制御部67、および保護モードを実行する第3モード制御部68が設けられている。
【0021】
メインコントローラ60、ISGコントローラ33、インバータ30、コンバータ34およびエンジン補機23等は、CANやLIN等の車載ネットワークを介して互いに通信自在に接続されている。また、メインコントローラ60に接続されるセンサとして、高電圧バッテリ31の充放電電流やSOC等を検出するバッテリセンサ70があり、低電圧バッテリ32の充放電電流やSOC等を検出するバッテリセンサ71があり、スイッチSWの温度や抵抗等を検出するスイッチセンサ72がある。
【0022】
メインコントローラ60には、バッテリセンサ70から高電圧バッテリ31の充放電電流やSOC等が入力されており、バッテリセンサ71から低電圧バッテリ32の充放電電流やSOC等が入力されており、スイッチセンサ72からスイッチSWの温度や抵抗等が入力されている。また、メインコントローラ60には、ISGコントローラ33からスタータジェネレータ18の発電電圧や発電電流等が入力されており、コンバータ34内の図示しないコントローラからコンバータ34の放電電圧や放電電流等が入力されている。
【0023】
高電圧バッテリ31に設けられるバッテリセンサ70は、高電圧バッテリ31の充放電電流、端子電圧、温度、SOC等を検出する機能を有している。なお、高電圧バッテリ31の充電状態であるSOC(State of Charge)とは、高電圧バッテリ31の蓄電残量を示す比率であり、高電圧バッテリ31の満充電容量に対する蓄電量の比率である。例えば、高電圧バッテリ31が上限容量まで充電された場合には、SOCが100%として算出され、高電圧バッテリ31が下限容量まで放電した場合には、SOCが0%として算出される。
【0024】
低電圧バッテリ32に設けられるバッテリセンサ71は、低電圧バッテリ32の充放電電流、端子電圧、温度、SOC等を検出する機能を有している。なお、低電圧バッテリ32の充電状態であるSOC(State of Charge)とは、低電圧バッテリ32の蓄電残量を示す比率であり、低電圧バッテリ32の満充電容量に対する蓄電量の比率である。例えば、低電圧バッテリ32が上限容量まで充電された場合には、SOCが100%として算出され、低電圧バッテリ32が下限容量まで放電した場合には、SOCが0%として算出される。
【0025】
[通常モードおよびバックアップモード]
続いて、電気機器37に対する電力供給について説明する。前述したように、電気機器37に電力を供給する電力供給モードとして、通常モードおよびバックアップモードが設定されている。ここで、図3は通常モードによる電力供給状況の一例を示す図であり、図4はバックアップモードによる電力供給状況の一例を示す図である。図3および図4には黒塗り矢印を用いて電力の供給状況が示されている。
【0026】
図3に示すように、通常モードにおいては、メインコントローラ60からコンバータ34に放電指令が出力される。そして、放電指令を受けたコンバータ34は、所定の目標電圧に向けて放電電圧を制御しながら、高電圧バッテリ31から電気機器37に向けて電力を供給する。また、通常モードにおいては、メインコントローラ60からスタータジェネレータ18に発電停止指令が出力される。このように、通常モードは、第2電源部43から電気機器37に電力を供給するのではなく、第1電源部40から電気機器37に電力を供給する電力供給モードとなっている。また、通常モードにおいてはメインコントローラ60からスイッチSWにオン指令が出力されており、スイッチSWを介して第1電源系51と第2電源系52とは互いに接続されている。これにより、電気機器37の消費電力が一時的に急増した場合であっても、低電圧バッテリ32から電気機器37に電力を供給することができ、電気機器37の動作を安定させることができる。なお、通常モードにおいては、エンジン12が停止状態に制御されていても良く、エンジン12が運転状態に制御されていても良い。
【0027】
図4に示すように、バックアップモードにおいては、メインコントローラ60からスタータジェネレータ18に発電指令が出力され、メインコントローラ60からスイッチSWにオン指令が出力される。そして、発電指令を受けたスタータジェネレータ18は、所定の目標電圧に向けて発電電圧を制御しながら、スイッチSWを介して電気機器37に電力を供給する。また、バックアップモードにおいては、メインコントローラ60からコンバータ34に放電停止指令が出力される。このように、バックアップモードは、第1電源部40から電気機器37に電力を供給するのではなく、第2電源部43から電気機器37に電力を供給する電力供給モードとなっている。なお、電気機器37の消費電力が一時的に急増した場合であっても、低電圧バッテリ32から電気機器37に電力を供給することができ、電気機器37の動作を安定させることができる。また、スタータジェネレータ18を発電させるバックアップモードにおいては、エンジン12が運転状態に制御される。
【0028】
[通常モードおよびバックアップモードの切替制御]
続いて、通常モードおよびバックアップモードの切替制御について説明する。メインコントローラ60は、高電圧バッテリ31のSOCに基づいて、前述した通常モードとバックアップモードとを切り替えている。ここで、図5は高電圧バッテリ31のSOCと電力供給モードとの関係を示す説明図である。図5には、矢印αを用いて通常モードの実行領域が示されており、矢印βを用いてバックアップモードの実行領域が示されている。なお、図5に示す例では、電力供給モードを切り替える際の制御ハンチングを回避する観点から、高電圧バッテリ31のSOCと比較判定される下限値Saとして、第1下限値Sa1が設定されるとともに、第1下限値Sa1よりも高い第2下限値Sa2が設定されている。
【0029】
図5に矢印αで示すように、高電圧バッテリ31のSOCが、第2下限値Sa2を上回ってから第1下限値Sa1を下回る迄は、電力供給モードとして通常モードが実行される。つまり、高電圧バッテリ31のSOCが高い領域では、高電圧バッテリ31の電力を用いた通常モードが実行される。このように、高電圧バッテリ31のSOCが下限値Saを上回る場合には、メインコントローラ60によって、高電圧バッテリ31の放電を許可する通常モードが実行され、第1電源部40から電気機器37に電力が供給される。
【0030】
また、矢印βで示すように、高電圧バッテリ31のSOCが、第2下限値Sa2を上回ってから第1下限値Sa1を下回る迄は、電力供給モードとしてバックアップモードが実行される。つまり、高電圧バッテリ31のSOCが低い領域では、高電圧バッテリ31の電力を使用しないバックアップモードが実行される。このように、高電圧バッテリ31のSOCが下限値Sa下回る場合には、メインコントローラ60によって、高電圧バッテリ31の放電を禁止するバックアップモードが実行され、第2電源部43から電気機器37に電力が供給される。
【0031】
なお、図5に示した例では、下限値Saとして第1下限値Sa1および第2下限値Sa2を設定しているが、これに限られることはなく、下限値Saとして1つの下限値だけを設定しても良い。この場合には、高電圧バッテリ31のSOCが1つの下限値を上回る領域では通常モードが実行される一方、高電圧バッテリ31のSOCが1つの下限値を下回る領域ではバックアップモードが実行される。
【0032】
[通常モードおよびバックアップモードの切替制御:タイミングチャート]
次いで、タイミングチャートを用いて通常モードおよびバックアップモードの切替制御について説明する。図6は通常モードおよびバックアップモードの切替制御の一例を示すタイミングチャートである。
【0033】
図6に時刻t1で示すように、電力供給モードとして通常モードが設定される場合(符号a1)には、高電圧バッテリ31から電気機器37に電力を供給するため、コンバータ34が放電状態に制御され(符号b1)、スタータジェネレータ18が発電停止状態に制御される(符号c1)。続いて、時刻t2で示すように、通常モードの実行に伴って高電圧バッテリ31のSOCが低下し、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回ると(符号d1)、電力供給モードがバックアップモードに切り替えられる(符号a2)。このバックアップモードにおいては、スタータジェネレータ18から電気機器37に電力を供給するため、スタータジェネレータ18が発電状態に制御され(符号c2)、コンバータ34が放電停止状態に制御される(符号b2)。
【0034】
バックアップモードが実行されると、高電圧バッテリ31からの放電が停止されるため、高電圧バッテリ31のSOC低下が抑制される。また、矢印x1,x2で示すように、減速走行つまり回生発電の機会が訪れた場合には、モータジェネレータ13が発電状態に制御されるため、モータジェネレータ13の発電電力によって高電圧バッテリ31のSOCが上昇することになる。そして、時刻t3で示すように、モータジェネレータ13の回生発電に伴って高電圧バッテリ31のSOCが上昇し、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を上回ると(符号d2)、電力供給モードが通常モードに切り替えられる(符号a3)。この通常モードにおいては、高電圧バッテリ31から電気機器37に電力を供給するため、コンバータ34が放電状態に制御され(符号b3)、スタータジェネレータ18が発電停止状態に制御される(符号c3)。
【0035】
このように、高電圧バッテリ31のSOCが十分に確保されている場合には、高電圧バッテリ31から電気機器37に電力を供給する通常モードが実行される。これにより、スタータジェネレータ18を発電休止状態に制御することができ、エンジン負荷を軽減して燃料消費量を抑制することができる。また、通常モードによって高電圧バッテリ31のSOCを下げることにより、高電圧バッテリ31の空き容量を確保することができるため、減速走行の機会を逃すことなくモータジェネレータ13を回生発電させることができ、車両11のエネルギー効率を高めることができる。一方、高電圧バッテリ31のSOCが大きく低下した場合には、スタータジェネレータ18から電気機器37に電力を供給するバックアップモードが実行される。これにより、高電圧バッテリ31の放電を停止させることができるため、高電圧バッテリ31を過放電から適切に保護することができる。なお、前述したように、減速走行時にはモータジェネレータ13の回生発電が行われ、その度に高電圧バッテリ31のSOCが上昇するため、走行中には多くの時間で通常モードが実行されることになる。
【0036】
[エンジン始動時のスイッチ制御]
前述したように、第1電源系51と第2電源系52との間には、第1電源系51と第2電源系52とを分離するスイッチSWが設けられている。このスイッチSWは、スタータジェネレータ18によってエンジン12を始動回転させる際に、電気機器37を正常に機能させる観点からオフ状態に制御される。ここで、図7はエンジン始動時における電力供給状況の一例を示す図であり、図7には黒塗り矢印を用いて電力の供給状況が示されている。
【0037】
図7に示すように、スタータジェネレータ18によってエンジン12を始動回転させる場合には、メインコントローラ60からコンバータ34に放電指令が出力され、メインコントローラ60からスイッチSWにオフ指令が出力され、メインコントローラ60からスタータジェネレータ18に力行指令が出力される。このように、スタータジェネレータ18を力行状態に制御するエンジン始動時には、スイッチSWがオフ状態に切り替えられ、第1電源系51と第2電源系52とが互いに切り離される。これにより、クランキングに伴ってスタータジェネレータ18の消費電力が急増する場合であっても、第1電源系51からスタータジェネレータ18に電力が流れることはなく、第1電源系51の電気機器37に対する瞬間的な電圧低下を防止することができ、電気機器37を正常に機能させることができる。
【0038】
[保護モード]
前述したように、スタータジェネレータ18の消費電力が急増した場合であっても、電気機器37を正常に機能させる観点から、第1電源系51と第2電源系52との間にはスイッチSWが設けられている。ところで、図4に示すように、高電圧バッテリ31のSOC低下に伴ってバックアップモードを実行する際には、スイッチSWを介して電気機器37に電流が流れることから、スイッチSWの温度(以下、スイッチ温度Tswと記載する。)が大きく上昇してしまう虞がある。スイッチ温度Tswが過度に上昇することはスイッチSWの故障を招く要因であることから、バックアップモードにおいてはスイッチ温度Tswの過度な上昇を防止することが求められている。
【0039】
そこで、車両用電源装置10には、電気機器37に電力を供給する電力供給モードとして、通常モードやバックアップモードが設定されるだけでなく、スイッチSWを保護する保護モードが設定されている。ここで、図8は保護モードの実行状況の一例を示すタイミングチャートである。また、図9は保護モードによる電力供給状況の一例を示す図であり、図9には黒塗り矢印を用いて電力の供給状況が示されている。
【0040】
図8に時刻t1で示すように、通常モードの実行に伴って高電圧バッテリ31のSOCが低下し、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回ると(符号e1)、電力供給モードがバックアップモードに切り替えられる(符号f1)。図4に示すように、バックアップモードにおいてはスイッチSWに電流が流れるため、スイッチ温度Tswが徐々に上昇する(符号g1)。続いて、時刻t2で示すように、スイッチ温度Tswが所定の温度閾値(閾値)Te1を上回ると(符号g2)、温度上昇によってスイッチSWに異常が生じていると判定され、電力供給モードが保護モードに切り替えられる(符号f2)。この保護モードにおいては、コンバータ34が放電状態に切り替えられ(符号h1)、スタータジェネレータ18が発電停止状態に切り替えられる(符号i1)。
【0041】
図9に示すように、保護モードにおいては、メインコントローラ60からコンバータ34に放電指令が出力される。放電指令を受けたコンバータ34は、所定の目標電圧に向けて放電電圧を制御しながら、高電圧バッテリ31から電気機器37に電力を供給する。そして、発電状態であったスタータジェネレータ18には、メインコントローラ60から発電停止指令が出力される。また、電力供給モードをバックアップモードから保護モードに切り替える際には、コンバータ34の放電電圧を上昇させた後に、スタータジェネレータ18の発電電圧を低下させる。これにより、電気機器37に対する電力供給を維持したまま、電気機器37の電源を第2電源部43から第1電源部40に切り替えることができ、スイッチSWの通電電流を低下させることができる。そして、スイッチSWの通電電流を低下させることにより、過度な温度上昇からスイッチSWを保護することができる。
【0042】
また、図9に示すように、保護モードにおいては、メインコントローラ60からエンジン補機23に向けて回転上昇指令が出力され、メインコントローラ60からインバータ30に向けて発電指令が出力される。これらの指令に基づき、エンジン補機23はエンジン回転数を上昇させるように制御され、インバータ30はモータジェネレータ13を発電させるように制御される。これにより、高電圧バッテリ31を放電させる保護モードにおいて、高電圧バッテリ31を積極的に充電することができるため、高電圧バッテリ31の過放電を防止することができる。なお、エンジン12によってモータジェネレータ13を駆動する際には、クラッチ機構19が締結状態に制御されることはいうまでもない。
【0043】
また、図8に示すように、保護モードにおいては、高電圧バッテリ31のSOCの下限値として、第1下限値Sa1よりも低い下限値Sbが設定されている。つまり、前述した通常モードやバックアップモードにおいては、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回る領域での放電を禁止しているが、保護モードにおいては、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回る領域での放電を許可している。すなわち、保護モードにおいては、スイッチSWを保護する観点から、高電圧バッテリ31のSOCが下限値Sbに達するまで、一時的に高電圧バッテリ31の放電を許可している。
【0044】
図8に時刻t3で示すように、保護モードによって低下するスイッチ温度Tswが所定の温度閾値Te2を下回ると(符号g3)、電力供給モードが通常モードまたはバックアップモードに切り替えられる。図示する例では、符号e2で示すように、回生発電によって高電圧バッテリ31のSOCが若干回復するものの、符号e3で示すように、高電圧バッテリ31のSOCは第2下限値Sa2を下回って推移することから、電力供給モードはバックアップモードに切り替えられる(符号f3)。なお、図8に示した例では、保護モードにおいて、高電圧バッテリ31のSOCが緩やかに低下しているが、これに限られることはない。例えば、保護モードにおいて、モータジェネレータ13の発電電力を高めることにより、高電圧バッテリ31のSOCを積極的に上昇させても良い。
【0045】
なお、図8に示した時刻t3において、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を下回ることから、電力供給モードをバックアップモードに切り替えているが、時刻t3において、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を上回る場合には、電力供給モードが通常モードに切り替えられる。また、保護モードにおいて高電圧バッテリ31のSOCが低下し、高電圧バッテリ31のSOCが下限値Sbを下回る場合には、高電圧バッテリ31を過放電から保護するため、電力供給モードが保護モードからバックアップモードに切り替えられる。また、通常モードやバックアップモードにおいてスイッチSWがオン状態に制御されるだけでなく、保護モードにおいてもスイッチSWがオン状態に制御されている。これにより、各モード間で電力供給モードを切り替える場合であっても、スイッチSWをオン状態に保持することができるため、電力供給モードを簡単に切り替えることができる。
【0046】
[電力供給モードの切替制御:フローチャート]
以下、前述した電力供給モードの切替制御をフローチャートに沿って説明する。図10および図11は電力供給モードの切替手順の一例を示すフローチャートである。図10および図11に示すフローチャートは符号Aの箇所で互いに接続されている。
【0047】
図10および図11に示すように、ステップS10では、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を上回るか否かが判定される。ステップS10において、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を上回ると判定された場合には、高電圧バッテリ31の蓄電量が十分に確保されていることから、ステップS11に進み、電力供給モードとして通常モードが実行される。続くステップS12では、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回るか否かが判定される。ステップS12において、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を上回ると判定された場合には、高電圧バッテリ31の蓄電量が十分に確保されていることから、ステップS11に進み、電力供給モードとして通常モードが継続される。すなわち、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2を上回ってから第1下限値Sa1を下回る迄は、電力供給モードとして通常モードが実行される。
【0048】
一方、ステップS12において、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回ると判定された場合には、高電圧バッテリ31の蓄電量が低下していることから、ステップS13に進み、電力供給モードとしてバックアップモードが実行される。また、ステップS10において、高電圧バッテリ31のSOCが第2下限値Sa2以下であると判定された場合には、ステップS14に進み、現在の電力供給モードが通常モードであるか否かが判定される。ステップS14において、通常モードが実行されていないと判定された場合、つまりバックアップモードが実行されていると判定された場合には、ステップS13に進み、電力供給モードとしてバックアップモードが継続される。すなわち、高電圧バッテリ31のSOCが第1下限値Sa1を下回ってから第2下限値Sa2を上回る迄は、電力供給モードとしてバックアップモードが実行される。
【0049】
また、ステップS13において、バックアップモードが実行されると、ステップS15に進み、スイッチ温度Tswが温度閾値Te1を上回るか否かが判定される。ステップS15において、スイッチ温度Tswが温度閾値Te1を下回ると判定された場合には、スイッチ温度Tswが過度に上昇していないことから、ステップS10に進み、高電圧バッテリ31のSOCに基づき通常モードまたはバックアップモードが実行される。一方、ステップS15において、スイッチ温度Tswが温度閾値Te1を上回ると判定された場合には、スイッチ温度Tswが過度に上昇していることから、ステップS16に進み、高電圧バッテリ31のSOCの下限値が「Sa1,Sa2」から「Sb」に引き下げられ、ステップS17に進み、電力供給モードとして保護モードが実行される。
【0050】
続くステップS18では、スイッチ温度Tswが温度閾値Te2を下回るか否かが判定される。ステップS18において、スイッチ温度Tswが温度閾値Te2を上回ると判定された場合には、スイッチ温度Tswが十分に低下していないことから、ステップS17に進み、電力供給モードとして保護モードが継続される。一方、ステップS18において、スイッチ温度Tswが温度閾値Te2を下回ると判定された場合には、スイッチ温度Tswが十分に低下していることから、ステップS19に進み、保護モードを終了させ、高電圧バッテリ31のSOCの下限値が「Sb」から「Sa1,Sa2」に引き上げられる。
【0051】
これまで説明したように、バックアップモードが実行された状態のもとで、スイッチSWの異常が検出された場合には、メインコントローラ60によって保護モードが実行され、電気機器37の電源が第2電源部43から第1電源部40に切り替えられる。これにより、スイッチSWの通電電流を低下させることができ、スイッチSWを過度な温度上昇から保護することができる。また、メインコントローラ60は、スイッチSWに異常が生じているか否かを、スイッチ温度Tswに基づき検出しているが、これに限られることはない。例えば、スイッチセンサ72によってスイッチSWの抵抗値を検出し、この抵抗値に基づきスイッチSWが異常であるか否かを判定しても良い。この場合には、スイッチSWの抵抗値が所定の閾値を上回る場合に、メインコントローラ60によってスイッチSWの異常が検出され、電力供給モードがバックアップモードから保護モードに切り替えられる。
【0052】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。図示する例では、第1蓄電体の電圧が第2蓄電体の電圧よりも高いことから、第1電源部40に直流電力を降圧するコンバータ34を設けているが、これに限られることはなく、第1電源部40にコンバータ34が含まれていない場合であっても、本発明を有効に適用することができる。この場合には、第1蓄電体と第2蓄電体とが直接的に並列接続されるため、第1蓄電体と第2蓄電体との電圧差が所定範囲に収まるように設計される。
【0053】
前述の説明では、第1蓄電体として、端子電圧が約100Vのリチウムイオンバッテリや鉛バッテリを用いているが、これに限られることはない。例えば、第1蓄電体として、端子電圧が100V以外の蓄電体を用いても良く、第1蓄電体として、キャパシタや他形式のバッテリを用いても良い。同様に、第2蓄電体として、端子電圧が約12Vのリチウムイオンバッテリや鉛バッテリを用いているが、これに限られることはない。例えば、第2蓄電体として、端子電圧が12V以外の蓄電体を用いても良く、第2蓄電体として、キャパシタや他形式のバッテリを用いても良い。
【0054】
前述の説明では、第1発電機として、発電機および電動機として機能するモータジェネレータ13を用いているが、これに限られることはなく、第1発電機として、発電機としてのみ機能するジェネレータを用いても良い。同様に、第2発電機として、発電機および電動機として機能するスタータジェネレータ18を用いているが、これに限られることはなく、第2発電機として、発電機としてのみ機能するジェネレータを用いても良い。
【0055】
前述の説明では、スタータジェネレータ18を力行させるエンジン始動時にスイッチSWをオフ状態に制御しているが、これに限られることはない。例えば、消費電力の大きな他の電動アクチュエータが作動する際に、電気機器37に対する瞬間的な電圧低下を回避する観点から、スイッチSWをオフ状態に制御しても良い。また、前述の説明では、保護モードにおいて、エンジン12によってモータジェネレータ13を回転させ、モータジェネレータ13を発電状態に制御しているが、これに限られることはなく、保護モードにおいて、モータジェネレータ13を発電停止状態に制御しても良い。
【0056】
前述の説明では、メインコントローラ60に、エンジン制御部61、モータ制御部62、ISG制御部63、コンバータ制御部64、スイッチ制御部65、第1モード制御部66、第2モード制御部67および第3モード制御部68を設けているが、これに限られることはない。例えば、各制御部61~68を他のコントローラに設けても良く、各制御部61~68を複数のコントローラに分けて設けても良い。
【符号の説明】
【0057】
10 車両用電源装置
11 車両
12 エンジン
13 モータジェネレータ(第1発電機)
18 スタータジェネレータ(第2発電機,発電電動機)
31 高電圧バッテリ(第1蓄電体)
32 低電圧バッテリ(第2蓄電体)
34 コンバータ
37 電気機器
40 第1電源部
43 第2電源部
51 第1電源系
52 第2電源系
66 第1モード制御部
67 第2モード制御部
68 第3モード制御部
SW スイッチ
Sa 下限値
Sa1 第1下限値(下限値)
Sa2 第2下限値(下限値)
Tsw スイッチ温度(スイッチの温度)
Te1 温度閾値(閾値)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11