IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ビード搬送装置 図1
  • 特許-ビード搬送装置 図2
  • 特許-ビード搬送装置 図3
  • 特許-ビード搬送装置 図4
  • 特許-ビード搬送装置 図5
  • 特許-ビード搬送装置 図6
  • 特許-ビード搬送装置 図7
  • 特許-ビード搬送装置 図8
  • 特許-ビード搬送装置 図9
  • 特許-ビード搬送装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】ビード搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/32 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
B29D30/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018231028
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020093412
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】児玉 紀彦
【審査官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-039573(JP,A)
【文献】特開平02-150341(JP,A)
【文献】特開昭57-095442(JP,A)
【文献】特開2012-056181(JP,A)
【文献】特開平08-164569(JP,A)
【文献】特開2006-142584(JP,A)
【文献】特開2009-039882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00- 30/72
B60C 1/00- 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のビードコアの径方向外側にビードフィラが設けられたビード部材を筒状のカーカスプライの外周面へ搬送するビード搬送装置において、
前記ビードコアを幅方向両側から挟んで保持する一対の保持部を備え、
一対の前記保持部の内周端が前記ビードコアの内周端より径方向外方に位置するとともに、前記ビードコアの径方向内側面が軸方向外側ほど径方向外側へ傾斜するように、一対の前記保持部がビード部材を挟んで保持するビード搬送装置。
【請求項2】
一対の前記保持部は、前記ビードコアの最大幅位置を挟んで保持する請求項1に記載のビード搬送装置。
【請求項3】
筒状の前記カーカスプライの軸方向外側に位置する前記保持部の内周端が、軸方向内側に位置する前記保持部の内周端より径方向外方に位置する請求項1または2に記載のビード搬送装置。
【請求項4】
前記ビードコアの内周端から一対の前記保持部の内周端までの径方向に沿った長さが1mm以上である請求項1~3のいずれか1項に記載のビード搬送装置。
【請求項5】
複数の爪部が前記ビードコアの内周端に当接して前記ビードコアの芯出しを行う請求項1~4のいずれか1項に記載のビード搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビード搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤを製造する方法として、一次成形機で成形したグリーンケースを、二次成形機でトレッドリングと合体させて生タイヤ(グリーンタイヤ)を成形する方法がある。
【0003】
一次成形機では、ドラムの外周にインナーライナー、サイドウォール及びカーカスプライを重ねて巻き付けて筒状のバンド体を形成した後、ビード搬送装置が、バンド体の外周面へ環状のビード部材を搬送する。そして、ビードロック工程によってビード部材を保持した状態で、ビードコアを巻き込むようにバンド体を折り返してグリーンケースを成形する。
【0004】
このようなビード搬送装置では、タイヤのユニフォミティ等のタイヤ性能の悪化を抑えるため、ビード部材をバンド体の所定位置へ正確に搬送する装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭57-95442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ビード部材を正確な位置へ搬送することができたとしても、ビード搬送装置によって搬送されたビード部材とバンド体との圧着が不十分であると、両者の間に空気溜まりが発生して成型不良となったり、あるいは、ビードロック工程においてビード部材の位置ズレが発生しやすくなる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、搬送したビード部材を円筒状のゴム部材の外周面へ圧着することができるビード搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビード搬送装置は、環状のビードコアの径方向外側にビードフィラが設けられたビード部材を筒状のカーカスプライの外周面へ搬送するビード搬送装置において、前記ビードコアを幅方向両側から挟んで保持する一対の保持部を備え、一対の前記保持部の内周端が前記ビードコアの内周端より径方向外方に位置するとともに、前記ビードコアの径方向内側面が軸方向外側ほど径方向外側へ傾斜するように、一対の前記保持部がビード部材を挟んで保持するものである。
【0009】
本発明の好ましい態様において、一対の前記保持部は、前記ビードコアの最大幅位置を挟んで保持してもよい。
【0010】
本発明の他の好ましい態様において、筒状の前記カーカスプライの軸方向外側に位置する前記保持部の内周端が、軸方向内側に位置する前記保持部の内周端より径方向外方に位置してもよい。
【0011】
本発明の他の好ましい態様において、前記ビードコアの内周端から一対の前記保持部の内周端までの径方向に沿った長さが1mm以上であってもよい。
【0012】
本発明の他の好ましい態様において、複数の爪部が前記ビードコアの内周端に当接して前記ビードコアの芯出しを行ってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、搬送したビード部材を円筒状のゴム部材の外周面へ圧着することができ、ビードコアとバンド体との間に空気溜まりが発生しにくく、また、ビードロック工程におけるビード部材の位置ズレを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るビード搬送装置を示す概略側面図
図2】保持部及び爪部をビード部材の軸方向から見た図
図3】爪部にビード部材を載置した状態において保持部及び爪部をビード部材の軸方向から見た図
図4図3のA-A断面図
図5】爪部が拡径した状態における保持部及び爪部の断面図
図6】保持部がビード部材を保持した状態における保持部及び爪部の断面図
図7】保持部がビード部材を保持した後、爪部が待避位置へ移動した状態における保持部及び爪部の断面図
図8】バンド体の外周面の外方へビード部材を搬送した状態を示すバンドドラム及び保持部の概略断面図
図9】バンドドラムを拡径してバンド体の外周面へビード部材を設けた状態を示すバンドドラム及び保持部の概略断面図
図10】ビード搬送装置が搬送するビード部材の一例を示すビード部材の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るビード搬送装置10について図面を参照して説明する。
【0016】
ビード搬送装置10は、バンドドラム11にインナーライナー及びカーカスプライを重ねて巻き付けて形成された筒状のバンド体Bの外周面へビード部材1を搬送し、バンド体Bの外周面の所定位置へビード部材1を設ける装置である。
【0017】
なお、図中に示された矢印X方向は、ビード搬送装置10によって搬送されるビード部材1の軸方向(ビード軸方向)を示し、矢印X1方向は、ビード部材1をバンド体Bに取り付けた時に内側(バンド体Bの軸方向内側)になるビード軸方向内側を示し、矢印X2方向は、ビード部材1をバンド体Bに取り付けた時にバンド体Bの軸方向外側になるビード軸方向外側を示す。
【0018】
図中に示された矢印Y方向は、ビード部材1の径方向(ビード径方向)を示し、矢印Y1方向は、ビード部材1の径方向内側を示し、矢印Y2方向は、ビード部材1の径方向外側を示す。
【0019】
本実施形態においてバンド体Bへ搬送するビード部材1は、環状のビードコア2と、ビードコア2の径方向外側に設けられたビードフィラ3と備える。
【0020】
図10に例示するように、ビードコア2は、1本又は複数本の鋼線が円環状に複数周巻かれて束ねられることによって形成されている。ビードコア2の断面形状は、水平方向(ビード軸方向X)に対して傾いた六角形である。つまり、ビードコア2のビード径方向内側面4及びビード径方向外側面5がビード軸方向外側X2ほどビード径方向外側Y2へ向かうように、ビード軸方向Xに対して所定角度θで傾斜している。この所定角度θは例えば15°程度である。
【0021】
このようなビードコア2において、最大幅位置とは、ビード軸方向内側X1に位置するビードコア2の角部6、及びビード軸方向外側X2に位置するビードコア2の角部7である。また、ビードコア2の内周端とは、ビード径方向内側面4のビード軸方向内側X1の角部8である。なお、ビード径方向内側面4及びビード径方向外側面5はビード軸方向Xに対して傾斜していなくてもよい。
【0022】
図1に示すように、バンドドラム11は、周方向に分割された多数のセグメント11aを備えている。それぞれのセグメント11aがバンドドラム11の外周面の一部を形成する円弧形状に形成されている。このセグメント11aが周方向に並べられて、円筒状のバンドドラム11が形成されている。このセグメント11aは、半径方向に移動可能にされている。このセグメント11aが半径方向に移動してバンドドラム11を拡径及び縮径する。
【0023】
ビード搬送装置10は、移動機構12、一対の保持部14A、14B、駆動部16、爪部18及び拡縮装置20を備える。なお、図1に示すように、1のバンドドラム11に対して左右一対のビード搬送装置10が設けられているが、左右一対のビード搬送装置10は、左右反転して配置されている以外の基本的な構成が同一であるため、一方のビード搬送装置10について説明し、他方のビード搬送装置10の説明は省略する。
【0024】
移動機構12は、バンドドラム11の軸線に平行に延びているガイドレール22と、ガイドレール22に沿って移動可能に設けられた第1移動台24及び第2移動台26とを備える。
【0025】
第1移動台24にはバンドドラム11が設けられており、ビード部材1を保持する保持部14A,14Bから離れた離隔位置と、ビード部材1の中空部に挿入され保持部14A,14Bからビード部材1を受け取る受取位置との間を、バンドドラム11がガイドレール22に沿って移動する。
【0026】
第2移動台26には、リングフレーム28が設けられており、リングフレーム28に取り付けられた一対の保持部14A、14B、駆動部16、爪部18及び拡縮装置20がガイドレール22に沿って移動する。
【0027】
リングフレーム28は、中央に円形の貫通孔が形成されたリング形状をなしている。この貫通孔の内径は、バンドドラム11の外径より大きい。また、貫通孔の中心軸は、バンドドラム11の軸線と同一直線上に位置している。
【0028】
図2に示すように、保持部14A,14Bは、それぞれ複数のリングセグメント14B1を周方向に並べて構成されている。各リングセグメント14B1は、不図示の拡縮装置に接続され、保持部14A,14Bの径方向に移動可能となっている。保持部14A、14Bを構成する各リングセグメント14B1は、径方向内側において互いに寄り集まって円形の貫通孔15A、15Bが形成されたリング状をなしている。この貫通孔15A、15Bの内径は、バンドドラム11の外径より大きい。また、貫通孔15A、15Bの中心軸は、バンドドラム11の軸線と同一直線上に位置している。
【0029】
一対の保持部14A、14Bは、貫通孔15A、15Bの軸方向に間隔をあけて配置されている。一対の保持部14A、14Bのうち少なくとも一方が、駆動部16によって他方の保持部へ近接移動及び離隔移動するように構成されている。この例では、ビード軸方向内側X1に位置する保持部14Aが駆動部16と接続されている。駆動部16は、保持部14Bをビード軸方向内側X1に位置する保持部14Aに近接移動させて、一対の保持部14A、14Bの間でビード部材1のビードコア2をビード軸方向両側から挟んで保持する。また、駆動部16は、保持部14Bを保持部14Aから離隔移動させることで、一対の保持部14A、14Bによるビードコア2の保持を解除する。
【0030】
本実施形態では、ビード軸方向外側X2の保持部14Bの内周端(つまり、貫通孔15Bの周縁)は、ビード軸方向内側X1の保持部14Aの内周端(つまり、貫通孔15Aの周縁)よりビード径方向外側Y2に位置している。
【0031】
また、保持部14A、14Bのいずれか一方(本実施形態では、ビード軸方向外側X2に位置する保持部14B)には、爪部18及び拡縮装置20が設けられている。
【0032】
図2図4に示すように、爪部18は、保持部14Bの周方向に間隔を開けて複数(例えば、3つ以上)設けられ、爪部18ごとに1つずつ拡縮装置20が設けられている。
【0033】
爪部18、貫通孔15Bの周縁近傍において貫通孔15Bに挿入される載置部18aと、保持部14Bのビード軸方向外側X2に沿ってビード径方向外側Y2へ延びる取付部18bとを備える。
【0034】
載置部18aは、ビード径方向外側Y2にビードコア2が載置され、一対の保持部14A,14Bの間にビード部材1を配置する。ビード部材1は、一対の保持部14A,14Bによって保持されるまでの間、載置部18aに仮置きされる。
【0035】
取付部18bには、ビード径方向に垂直な方向(ビード部材1の接線方向)に延びる回転軸18cが設けられている。これにより、載置部18aが回転軸18cの周りに回転移動するようになっている。
【0036】
拡縮装置20は、取付部18bに取り付けられ、載置部18aを移動させる。具体的には、拡縮装置20は、載置部18aをビード径方向Yへ移動させる第1シリンダ20aと、載置部18aを回転軸18cの周りに回転移動させる第2シリンダ20bとを備える。
【0037】
第1シリンダ20aは、ビード部材1の内径よりビード径方向内側の位置と、ビード部材1の内径に等しい位置との間で、載置部18aを移動させる。
【0038】
第2シリンダ20bは、図4に示すような貫通孔15Bに挿通されビード部材1を支持することができる位置(以下、この位置を載置位置ということもある)と、図7に示すような保持部14Bよりビード軸方向外側X2、かつ、貫通孔15A、15Bよりビード径方向外側Y2の位置(以下、この位置を待避位置ということもある)との間で、載置部18aを回転軸18cの周りに回転移動する。
【0039】
まず、図1に示すように、外周面にバンド体Bが設けられたバンドドラム11を、保持部14A,14Bから離れた離隔位置に配置する。この時、保持部14Bに設けられた爪部18の載置部18aを、ビード部材1の内径よりビード径方向内側に配置する。この状態で、図3及び図4に示すように、ビード部材1のビードコア2を載置部18aに載置し、ビード部材1を載置部18aに仮置きする。
【0040】
次いで、図5に示すように、拡縮装置20の第1シリンダ20aが、載置部18aをビード部材1の内径に等しい位置へ移動させる。この時、保持部14Bに設けられた複数の拡縮装置20は、複数の爪部18を同期してビード径方向Yへ移動させることで、ビードコア2の芯出しを行う。つまり、ビードコア2の中空部の中心が、保持部14A,14Bの貫通孔15A、15Bの中心軸や、バンドドラム11の軸線と同一直線上に位置するように、ビード部材1の位置を調整する。
【0041】
このようなビードコア2の芯出しを行うと、保持部14A、14Bの内周端が、ビードコア2の内周端(本実施形態ではビードコア2の角部8)よりビード径方向外方Y2に位置する。ビードコア2の内周端から保持部14A、14Bの内周端までのビード径方向Yに沿った長さLAが1mm以上であることが好ましい。ビード径方向内側面4のビード軸方向外側X2の角部9から保持部14Bの内周端までのビード径方向Yに沿った長さLBが1mm以上であることがより好ましい。
【0042】
次いで、図6に示すように、駆動部16が、保持部14Bをビード軸方向内側X1に位置する保持部14Aに近接移動させて、一対の保持部14A、14Bの間でビード部材1のビードコア2をビード軸方向両側から挟んで保持する。この時、保持部14A、14Bは、ビードコア2の最大幅位置にあるビードコア2の角部6、7に当接し、最大幅位置を挟んで保持する。
【0043】
一対の保持部14A,14Bがビード部材1のビードコア2を保持すると、拡縮装置20の第2シリンダ20bが載置部18aを載置位置から待避位置へ移動させる(図7参照)。
【0044】
次いで、移動機構12の第1移動台24が、離隔位置から受取位置へバンドドラム11を移動させる(図8参照)。また、必要に応じて、移動機構12の第2移動台26が、保持部14A、14B等が設けられたリングフレーム28を移動させて、左右一対のビード搬送装置10の間隔を変更してもよい。
【0045】
その後、バンドドラム11は、これを構成するセグメント11aが半径方向外方へ移動して拡径することで、図9に示すように、バンドドラム11に設けられているバンド体Bの外周面にビード部材1を配設する。
【0046】
そして、バンド体Bの外周面にビード部材1を配設すると、セグメント11aが半径方向内方へ縮径する。これにより、ビード搬送装置10が、保持部14A,14Bの間でビード部材1を保持するとともに、ビード部材1に接着されたバンド体Bを保持する。そして、移動機構12の第1移動台24が、受取位置から離隔位置へバンドドラム11を移動させた後、ビード搬送装置10は、ビード部材1を配設したバンド体Bを不図示のシェーピングドラムへ搬送する。そして、バンド体Bに設けられたビード部材をビードロック工程によって保持した後、ビードコアを巻き込むようにバンド体を折り返してシェーピング工程を行う。
【0047】
本実施形態のビード搬送装置10では、保持部14A、14Bの内周端が、ビードコア2の内周端(本実施形態ではビードコア2の角部8)よりビード径方向外方Y2に位置する。そのため、バンドドラム11を拡径させると、バンド体Bが、保持部14A,14Bの内周端に当接するより先にビードコア2の径方向内側面4に当接し、ビードコア2に押し付けられる。その結果、バンド体Bとビードコア2とを圧着することができ、両者の間に空気が溜まりにくく、また、バンド体Bの軸方向両端部でビードコアを巻き込むように折り返すビードロック工程においてビード部材1の位置ズレを抑えることができる。
【0048】
しかも、本実施形態では、バンドドラム11を拡径させてバンド体Bにビードコア2を圧着する時も、一対の保持部14A,14Bがビードコア2を保持することができるため、圧着時にビード部材1が不用意に位置ズレすることもない。
【0049】
また、本実施形態では、一対の保持部14A,14Bが、ビードコア2の最大幅位置を挟んで保持するため、ビード部材1を安定して保持することができる。
【0050】
また、本実施形態では、ビード軸方向外側X2の保持部14Bの内周端が、ビード軸方向内側X1の保持部14Aの内周端よりビード径方向外側Y2に位置しているため、ビードコア2が、ビード軸方向外側X2ほどビード径方向外側Y2へ向かうようにビード軸方向Xに対して傾斜している場合であっても、一対の保持部14A,14Bによってビードコア2の最大幅位置を保持しやすくなり、ビード部材1を安定して保持することができる。
【0051】
また、本実施形態では、爪部18によってビードコア2の芯出しを行った後、一対の保持部14A,14Bがビードコア2を挟んで保持するため、一対の保持部14A,14Bによってビードコア2の所望位置を保持することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1…ビード部材、2…ビードコア、3…ビードフィラ、10…ビード搬送装置、11…バンドドラム、12…移動機構、14…保持部、16…駆動部、18…爪部、18a…載置部、18b…取付部、20…拡縮装置、20a…第1シリンダ、20b…第2シリンダ、22…ガイドレール、24…第1移動台、26…第2移動台、28…リングフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10