(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】コンピュータ装置、組立手順書作成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2019051466
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長島 裕美
(72)【発明者】
【氏名】川端 健一
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-123045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの製品に取り付けられる可能性がある複数の候補部品の各々に対応する複数の取付手順書であって、前記複数の候補部品の各々の前記製品への取付手順を示した前記複数の取付手順書と、
前記複数の候補部品の各々と、前記複数の取付手順書の各々と、取付手順書の選択条件である第一選択条件との対応付けを示す第一対応付け情報と、
を記憶する記憶部と、
前記製品を構成する構成部品であって、
BTOでの顧客の注文内容に従ってコンピュータ装置によって前記複数の候補部品の中から選択された前記構成部品に基づいて、前記第一対応付け情報を用いて、前記1つの製品を製造するための複数の作業工程の各工程毎に、前記複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の取付手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成するプロセッサと、
を具備
し、
前記第一選択条件は、第一マーク、第二マーク、及び、第三マークの少なくとも一つによって表され、
前記プロセッサは、
選択候補の取付手順書である候補手順書と、選択された前記構成部品の少なくとも1つとに対して、前記第一マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択された前記構成部品のすべてとに対して、前記第二マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択されていない前記候補部品のすべてとに対して、前記第三マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の前記候補手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成する、
コンピュータ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第一対応付け情報が表形式で設定されたテーブルを記憶する、
請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記組立手順書に従って組み立てられる前記1つの製品の内部の確認手順を示した複数の確認手順書と、
前記複数の候補部品の各々と、前記複数の確認手順書の各々と、確認手順書の選択条件である第二選択条件との対応付けを示す第二対応付け情報と、
をさらに記憶し、
前記プロセッサは、さらに、
前記構成部品に基づいて、前記第二対応付け情報を用いて、前記複数の確認手順書の中から1つの確認手順書を選択する、
請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
1つの製品に取り付けられる可能性がある複数の候補部品の各々に対応する複数の取付手順書であって、前記複数の候補部品の各々の前記製品への取付手順を示した前記複数の取付手順書を参照し、
前記複数の候補部品の各々と、前記複数の取付手順書の各々と、取付手順書の選択条件との対応付けを示す対応付け情報を参照し、
前記製品を構成する構成部品であって、
BTOでの顧客の注文内容に従ってコンピュータ装置によって前記複数の候補部品の中から選択された前記構成部品に基づいて、前記対応付け情報を用いて、前記1つの製品を製造するための複数の作業工程の各工程毎に、前記複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の取付手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成
し、
前記選択条件は、第一マーク、第二マーク、及び、第三マークの少なくとも一つによって表され、
選択候補の取付手順書である候補手順書と、選択された前記構成部品の少なくとも1つとに対して、前記第一マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択された前記構成部品のすべてとに対して、前記第二マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択されていない前記候補部品のすべてとに対して、前記第三マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の前記候補手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成する、
組立手順書作成方法。
【請求項5】
1つの製品に取り付けられる可能性がある複数の候補部品の各々に対応する複数の取付手順書であって、前記複数の候補部品の各々の前記製品への取付手順を示した前記複数の取付手順書を参照し、
前記複数の候補部品の各々と、前記複数の取付手順書の各々と、取付手順書の選択条件
であって、第一マーク、第二マーク、及び、第三マークの少なくとも一つによって表される前記選択条件との対応付けを示す対応付け情報を参照し、
前記製品を構成する構成部品であって、
BTOでの顧客の注文内容に従ってコンピュータ装置によって前記複数の候補部品の中から選択された前記構成部品に基づいて、前記対応付け情報を用いて、前記1つの製品を製造するための複数の作業工程の各工程毎に、前記複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の取付手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成
し、
選択候補の取付手順書である候補手順書と、選択された前記構成部品の少なくとも1つとに対して、前記第一マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択された前記構成部品のすべてとに対して、前記第二マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記候補手順書と、選択されていない前記候補部品のすべてとに対して、前記第三マークが対応付けられている場合に、前記複数の取付手順書の中から前記候補手順書を選択し、
前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の前記候補手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成する、
処理をプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、コンピュータ装置、組立手順書作成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置等の工業製品の製造方式の一つとして、顧客の注文に応じて製品の組立てが行われて製品が出荷される「BTO(Build to Order)方式」がある。BTO方式では、顧客は、1つの製品を構成する部品(以下では「構成部品」と呼ぶことがある)の候補となる部品、つまり、1つの製品に取り付けられる可能性がある部品(以下では「候補部品」と呼ぶことがある)の中から顧客の要求に応じた構成部品を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-326370号公報
【文献】特開2011-013986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既製の製品では、予め構成部品が決まっているため、製品の組立手順を示す書類(以下では「組立手順書」と呼ぶことがある)は、1つの製品について1つあれば足りる。
【0005】
一方で、BTO方式では、複数の候補部品の中から顧客の要求に応じた構成部品が選択されるため、選択された構成部品に応じて互いに異なる組立手順書が必要になる。このため、従来は、1つの製品が有する構成部品の数が多くなるほど、また、各構成部品についての候補部品の数が多くなるほど、より多くの種類の組立手順書を予め用意しておくことが必要であった。
【0006】
また、BTO方式では、既製の製品のように構成部品が予め決まっていないため、多くの種類の組立手順書の中から、製品の組立に必要となる組立手順書を予め選択しておくことは難しい。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、BTO方式で製造される製品の組立手順書を効率良く作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の態様では、コンピュータ装置は、記憶部と、プロセッサとを有する。前記記憶部は、1つの製品に取り付けられる可能性がある複数の候補部品の各々に対応する複数の取付手順書であって、前記複数の候補部品の各々の前記製品への取付手順を示した前記複数の取付手順書を記憶する。また、前記記憶部は、前記複数の候補部品の各々と、前記複数の取付手順書の各々と、取付手順書の選択条件である第一選択条件との対応付けを示す第一対応付け情報を記憶する。前記プロセッサは、前記製品を構成する構成部品であって、前記複数の候補部品の中から選択された前記構成部品に基づいて、前記第一対応付け情報を用いて、前記1つの製品を製造するための複数の作業工程の各工程毎に、前記複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択する。また、前記プロセッサは、前記複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の取付手順書を結合することにより、前記1つの製品の組立手順を示す組立手順書を作成する。
【発明の効果】
【0009】
開示の態様によれば、BTO方式で製造される製品の組立手順書を効率良く作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例1のコンピュータ装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図3】
図3は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図4】
図4は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図5】
図5は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図6】
図6は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図7】
図7は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図8】
図8は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図9】
図9は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【
図10】
図10は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示するコンピュータ装置、組立手順書作成方法及びプログラムの実施例を図面に基づいて説明する。なお、この実施例により本願の開示するコンピュータ装置、組立手順書作成方法及びプログラムが限定されるものではない。また、実施例において同一の機能を有する構成には同一の符号を付す。
【0012】
[実施例1]
<コンピュータ装置の構成>
図1は、実施例1のコンピュータ装置の構成例を示す図である。
図1において、コンピュータ装置10は、プロセッサ101と、メモリ102と、ディスクドライブ103と、NIC(Network Interface Card)104とを有する。NIC104はLAN(Local Area Network)20に接続されており、コンピュータ装置10は、LAN20を介して他のコンピュータ装置と通信可能である。メモリ102及びディスクドライブ103は、コンピュータ装置10が有する「記憶部」の一例である。プロセッサ101の一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、メモリ102の一例として、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。また、ディスクドライブ103の一例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
【0013】
<コンピュータ装置の動作>
図2~
図10は、実施例1のコンピュータ装置の動作例の説明に供する図である。以下では、BTO方式で製造される製品(以下では「BTO製品」と呼ぶことがある)の一例としてサーバ装置を挙げて説明する。しかし、開示の技術が適用可能なBTO製品は、サーバ装置に限定されない。開示の技術は、複数の候補部品の中から構成部品が選択される何れの製品にも適用可能である。
【0014】
BTO方式で製造される1つのサーバ装置は、例えば、
図2に示す作業工程WP1~WP9に従って製造される。作業工程WP1は、作業員がベースを組み立てる工程であり、作業工程WP1に続く作業工程WP2は、作業員がベースにメインボード(MB)を取り付ける工程であり、作業工程WP2に続く作業工程WP3は、作業員がメインボードにCPU(Central Processing Unit)を取り付ける工程であり、作業工程WP3に続く作業工程WP4は、作業員がメインボードにメモリを取り付ける工程であり、作業工程WP4に続く作業工程WP5は、作業員がベースに電源を取り付ける工程である。また、作業工程WP5に続く作業工程WP6は、作業員がベースにストレージを取り付ける工程であり、作業工程WP6に続く作業工程WP7は、作業員がベースにオプションの3台目の増設ストレージを取り付ける工程であり、作業工程WP7に続く作業工程WP8は、作業員がベースにDVD(Digital Versatile Disc)ドライブを取り付ける工程であり、作業工程WP8に続く作業工程WP9は、作業員が、作業工程WP1~WP8に従って組み立てられたサーバ装置の内部確認を行う工程である。
【0015】
また、作業工程WP1~WP8の各工程毎に、サーバ装置への候補部品の取付手順を示す書類(以下では「取付手順書」と呼ぶことがある)の電子データ(以下では「取付手順書データ」と呼ぶことがある)が予め用意され、メモリ102またはディスクドライブ103に予め記憶されている。また、作業工程WP9の工程に対しては、組立手順書に従って組み立てられるサーバ装置の内部の確認手順を示す書類(以下では「確認手順書」と呼ぶことがある)の電子データ(以下では「確認手順書データ」と呼ぶことがある)が予め用意され、メモリ102またはディスクドライブ103に予め記憶されている。
【0016】
例えば、作業工程WP1では、顧客の注文内容に従って、互いに異なる組立方法であるベース組立B1またはベース組立B2の何れかに基づいてベースの組立が行われるため、作業工程WP1に対しては、ベース組立B1用の取付手順書データ11と、ベース組立B2用の取付手順書データ12とが用意される。よって、作業工程WP1における候補部品は、ベースとなる。
【0017】
また、作業工程WP2では、顧客の注文内容にかからず、メインボードの取付が行われるため、作業工程WP2に対しては、メインボード取付用の取付手順書データ21が用意される。よって、作業工程WP2における候補部品は、メインボード(MB)となる。
【0018】
また、作業工程WP3では、顧客の注文内容に従って、CPU1の取付、CPU2の取付、または、CPU3の取付の何れかが行われるため、作業工程WP3に対しては、CPU1の取付用の取付手順書データ31と、CPU2の取付用の取付手順書データ32と、CPU3の取付用の取付手順書データ33とが用意される。また、作業工程WP3では、CPU1、CPU2またはCPU3の何れかの取付に応じて、ヒートシンクAまたはヒートシンクBの取付が行われる。よって、作業工程WP3における候補部品は、CPU1、CPU2、CPU3、ヒートシンクA、及び、ヒートシンクBとなる。
【0019】
また、作業工程WP4では、顧客の注文内容に従って、メモリ1枚の取付、メモリ2枚の取付、または、メモリ4枚の取付の何れかが行われるため、作業工程WP4に対しては、メモリ1枚の取付用の取付手順書データ41と、メモリ2枚の取付用の取付手順書データ42と、メモリ4枚の取付用の取付手順書データ43とが用意される。よって、作業工程WP4における候補部品は、メモリ1枚、メモリ2枚のセット、及び、メモリ4枚のセットとなる。
【0020】
また、作業工程WP5では、顧客の注文内容に従って、580W電源の取付、または、1000W電源の取付の何れかが行われるため、作業工程WP5に対しては、580W電源の取付用の取付手順書データ51と、1000W電源の取付用の取付手順書データ52とが用意される。よって、作業工程WP5における候補部品は、580W電源及び1000W電源となる。
【0021】
また、作業工程WP6では、顧客の注文内容に従って、2TBの1台目のHDDの取付、2TBの2台目のHDDの取付、4TBの1台目のHDDの取付、4TBの2台目のHDDの取付、1台目のSSDの取付、または、2台目のSSDの取付が行われるため、作業工程WP6に対しては、2TBの1台目のHDDの取付用の取付手順書データ61と、2TBの2台目のHDDの取付用の取付手順書データ62と、4TBの1台目のHDDの取付用の取付手順書データ63と、4TBの2台目のHDDの取付用の取付手順書データ64と、1台目のSSDの取付用の取付手順書データ65と、2台目のSSDの取付用の取付手順書データ66とが用意される。よって、作業工程WP6における候補部品は、2TBのHDD、4TBのHDD、及び、SSDとなる。
【0022】
また、作業工程WP7では、顧客の注文内容に従って、オプションの3台目の増設ストレージの取付、または、ストレージ取付用の取付枠(以下では「ストレージ取付枠」と呼ぶことがある)の取付の何れかが行われるため、作業工程WP7に対しては、増設ストレージの取付用の取付手順書データ71と、ストレージ取付枠の取付用の取付手順書データ72とが用意される。よって、作業工程WP7における候補部品は、増設ストレージ及びストレージ取付枠となる。
【0023】
また、作業工程WP8では、顧客の注文内容に従って、DVDドライブの取付、または、DVDドライブのダミー(以下では「DVDダミー」と呼ぶことがある)の取付の何れかが行われるため、作業工程WP8に対しては、DVDドライブの取付用の取付手順書データ81と、DVDダミーの取付用の取付手順書データ82とが用意される。よって、作業工程WP8における候補部品は、DVDドライブ及びDVDダミーとなる。
【0024】
また、作業工程WP9では、作業工程WP1~WP8に従って組み立てられたサーバ装置に対し、顧客の注文内容に従って、パターンP1~P6の確認手順の何れに従った内部確認が行われるため、作業工程WP9に対しては、パターンP1~P6のそれぞれの確認手順を示す6個の確認手順書データ91~96が用意される。
【0025】
図3~
図5に、取付手順書の一例を示す。
図3は、メモリ1枚の取付用の取付手順書データ41によって生成される表示画面DS1の一例を示し、
図4は、メモリ2枚の取付用の取付手順書データ42によって生成される表示画面DS2の一例を示し、
図5は、メモリ4枚の取付用の取付手順書データ43によって生成される表示画面DS3の一例を示す。
図3~
図5に示すように、取付手順書データ41,42,43によって、メインボードへのメモリの取付方法を示す表示画面DS1,DS2,DS3が生成される。
【0026】
図6及び
図7に、手順書定義テーブルPDTの一例を示す。手順書定義テーブルPDTは、メモリ102またはディスクドライブ103に予め記憶されている。
【0027】
手順書定義テーブルPDTでは、
図6及び
図7に示すように、複数の候補部品の各々と、複数の取付手順書データの各々と、取付手順書の選択条件(以下では「取付手順書選択条件」と呼ぶことがある)とが対応付けて設定されている。また、手順書定義テーブルPDTでは、
図7に示すように、複数の候補部品の各々と、複数の確認手順書データの各々と、確認手順書の選択条件(以下では「確認手順書選択条件」と呼ぶことがある)とが対応付けて設定されている。なお、手順書定義テーブルPDTにおける候補部品のうち「HDD-2TB」は2TBのHDDを示し、「HDD-4TB」は4TBのHDDを示す。
【0028】
また、手順書定義テーブルPDTは、複数の候補部品の各々と、複数の取付手順書の各々と、取付手順書選択条件との対応付け(以下では「第一対応付け」と呼ぶことがある)を示す「対応付け情報」、及び、複数の候補部品の各々と、複数の確認手順書の各々と、確認手順書選択条件との対応付け(以下では「第二対応付け」と呼ぶことがある)を示す「対応付け情報」の一例である。
【0029】
このように、手順書定義テーブルPDTでは、第一対応付け及び第二対応付けが表形式で設定されている。
【0030】
ここで、取付手順書選択条件及び確認手順書選択条件は、マーク○,●,★によって表される。
【0031】
例えば、プロセッサ101は、作業工程WP1~WP8については、選択するか否かの判定対象となる取付手順書(以下では「対象取付手順書」と呼ぶことがある)と、顧客の注文内容に従って選択された構成部品の少なくとも1つとに対して、マーク○が対応付けられているという条件(以下では「条件C1」と呼ぶことがある)に合致する場合に、複数の取付手順書の中から対象取付手順書を選択する。
【0032】
また、プロセッサ101は、作業工程WP1~WP8については、対象取付手順書と、顧客の注文内容に従って選択された構成部品のすべてとに対して、マーク●が対応付けられているという条件(以下では「条件C2」と呼ぶことがある)に合致する場合に、複数の取付手順書の中から対象取付手順書を選択する。
【0033】
また、プロセッサ101は、作業工程WP1~WP8については、対象取付手順書と、顧客の注文内容では選択されなかった候補部品のすべてとに対して、マーク★が対応付けられているという条件(以下では「条件C3」と呼ぶことがある)に合致する場合に、複数の取付手順書の中から対象取付手順書を選択する。
【0034】
また、プロセッサ101は、作業工程WP9については、確認手順書データ91~96の中から、条件C1,C2,C3のうち確認手順書データに対応付けられているマークに対応する条件のすべてに合致する確認手順書データを選択する。
【0035】
プロセッサ101は、以下のようにして、BTOでの顧客の注文内容に従って複数の候補部品の中から選択された構成部品に基づいて、手順書定義テーブルPDTを用いて、1つのサーバ装置を製造するための作業工程WP1~WP8の各工程毎に、複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択する。また、プロセッサ101は、以下のようにして、BTOでの顧客の注文内容に従って複数の候補部品の中から選択された構成部品に基づいて、手順書定義テーブルPDTを用いて、複数の確認手順書の中から1つの確認手順書を選択する。
【0036】
すなわち、コンピュータ装置10とLAN20を介して接続されている他のコンピュータ装置には、BTOでの顧客の注文内容を示す情報(以下では「注文情報」と呼ぶことがある)が入力される。他のコンピュータ装置は、注文情報に基づいて製造BOM(Bills Of Materials)を作成し、作成した製造BOMをLAN20を介してコンピュータ装置10へ送信する。他のコンピュータ装置から送信された製造BOMは、NIC104を介してプロセッサ101に入力される。
【0037】
例えば、注文情報に示された注文内容が「CPU3,メモリ4枚,580W電源,1台目のストレージ:2TBのHDD,2台目のストレージ:2TBのHDD,増設ストレージ:2TBのHDD,DVDドライブ:あり」であった場合、他のコンピュータ装置は、注文内容に基づいて、
図8及び
図9に示すような製造BOM(Bills Of Materials)を作成する。つまり、注文内容が「CPU3,メモリ4枚,580W電源,1台目のストレージ:2TBのHDD,2台目のストレージ:2TBのHDD,増設ストレージ:2TBのHDD,DVDドライブ:あり」であった場合、他のコンピュータ装置は、複数の候補部品の中から、ベースと、メインボード(MB)と、CPU3と、ヒートシンクBと、メモリ4枚セットと、580W電源と、3台の2TBのHDDと、DVDドライブとを構成部品として選択し、選択したこれらの構成部品からなる製造BOMを作成する。
【0038】
プロセッサ101は、
図8及び
図9に示すように、他のコンピュータ装置によって作成された製造BOMを手順書定義テーブルPDTに展開する。プロセッサ101は、例えばマーク□を用いて、製造BOMを手順書定義テーブルPDTに展開する。つまり、手順書定義テーブルPDTに設定された複数の候補部品のうち、マーク□が付されている候補部品が構成部品となる。
【0039】
次いで、プロセッサ101は、作業工程WP1~WP8の各工程毎に、複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択する。
【0040】
例えば、
図8に示すように、作業工程WP1における取付手順書データ11を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ11の列に設定されている2つのマーク●のすべてに対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ11は、条件C2に合致する。一方で、作業工程WP1における取付手順書データ12を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ12の列に設定されている2つのマーク●のうち、上方のマーク●に対しては構成部品が存在するが、下方のマーク●に対しては構成部品が存在しない。つまり、取付手順書データ12は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP1については、
図10に示すように、取付手順書データ11,12の中から、取付手順書データ11を選択する。
【0041】
また例えば、作業工程WP2における取付手順書データ21を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ21の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ21は、条件C2に合致する。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP2については、
図10に示すように、取付手順書データ21を選択する。
【0042】
また例えば、作業工程WP3における取付手順書データ31を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ31の列に設定されている2つのマーク●の何れに対しても構成部品が存在しない。また、作業工程WP3における取付手順書データ32を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ32の列に設定されている2つのマーク●の何れに対しても構成部品が存在しない。つまり、取付手順書データ31,32は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。一方で、作業工程WP3における取付手順書データ33を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ33の列に設定されている2つのマーク●のすべてに対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ33は、条件C2に合致する。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP3については、
図10に示すように、取付手順書データ31,32,33の中から、取付手順書データ33を選択する。
【0043】
また例えば、作業工程WP4における取付手順書データ41を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ41の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、作業工程WP4における取付手順書データ42を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ42の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。つまり、取付手順書データ41,42は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。一方で、作業工程WP4における取付手順書データ43を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ43の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ43は、条件C2に合致する。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP4については、
図10に示すように、取付手順書データ41,42,43の中から、取付手順書データ43を選択する。
【0044】
また例えば、作業工程WP5における取付手順書データ51を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ51の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ51は、条件C2に合致する。一方で、作業工程WP5における取付手順書データ52を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ52の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。つまり、取付手順書データ52は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP5については、
図10に示すように、取付手順書データ51,52の中から、取付手順書データ51を選択する。
【0045】
また例えば、
図9に示すように、作業工程WP6における取付手順書データ61を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ61の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。また、作業工程WP6における取付手順書データ62を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ62の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ61,62は、条件C2に合致する。一方で、作業工程WP6における取付手順書データ63を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ63の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、作業工程WP6における取付手順書データ64を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ64の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、作業工程WP6における取付手順書データ65を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ65の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、作業工程WP6における取付手順書データ66を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ66の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。つまり、取付手順書データ63,64,65,66は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP6については、
図10に示すように、取付手順書データ61,62,63,64,65,66の中から、取付手順書データ61,62を選択する。
【0046】
また例えば、作業工程WP7における取付手順書データ71を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ71の列に設定されている3つのマーク○のうち最上のマーク○に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ71は、条件C1に合致する。一方で、作業工程WP7における取付手順書データ72を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ72の列に設定されている3つのマーク★のうち最上のマーク★に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ72は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP7については、
図10に示すように、取付手順書データ71,72の中から、取付手順書データ71を選択する。
【0047】
また例えば、作業工程WP8における取付手順書データ81を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ81の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。つまり、取付手順書データ81は、条件C2に合致する。一方で、作業工程WP8における取付手順書データ82を対象取付手順書とした場合、取付手順書データ82の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。つまり、取付手順書データ82は、条件C1,C2,C3の何れにも合致しない。そこで、プロセッサ101は、作業工程WP8については、
図10に示すように、取付手順書データ81,82の中から、取付手順書データ81を選択する。
【0048】
そして、プロセッサ101は、
図10に示すように、作業工程WP1~WP8の各工程で選択した取付手順書データ11,21,33,43,51,61,62,71,81の各々を互いに結合することにより、BTOでの顧客の注文内容に応じて製造される1つのサーバ装置の組立手順書BPを作成する。
【0049】
また、選択するか否かの判定対象となる確認手順書(以下では「対象確認手順書」と呼ぶことがある)を、作業工程WP9における確認手順書データ91とした場合、確認手順書データ91の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する一方で、確認手順書データ91の列に設定されている4つのマーク★のうち最上及び最下のマーク★に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ91は、条件C2には合致するが、条件C3には合致しない。
【0050】
また、作業工程WP9における確認手順書データ92を対象確認手順書とした場合、確認手順書データ92の列に設定されている1つのマーク●に対して構成部品が存在する。また、確認手順書データ92の列に設定されている3つのマーク○のうち最上のマーク○に対して構成部品が存在する。一方で、確認手順書データ92の列に設定されている1つのマーク★に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ92は、条件C1,C2には合致するが、条件C3には合致しない。
【0051】
また、作業工程WP9における確認手順書データ93を対象確認手順書とした場合、確認手順書データ93の列に設定されている2つのマーク●のすべてに対して構成部品が存在する。また、確認手順書データ93の列に設定されている3つのマーク○のうち最上のマーク○に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ93は、各マーク○,●に対応する各条件C1,C2のすべてに合致する。
【0052】
また、作業工程WP9における確認手順書データ94を対象確認手順書とした場合、確認手順書データ94の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、確認手順書データ94の列に設定されている4つのマーク★のうち最上及び最下のマーク★に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ94は、条件C2,C3の何れにも合致しない。
【0053】
また、作業工程WP9における確認手順書データ95を対象確認手順書とした場合、確認手順書データ95の列に設定されている1つのマーク●に対する構成部品は存在しない。また、確認手順書データ95の列に設定されている3つのマーク○のうち最上のマーク○に対して構成部品が存在する。また、確認手順書データ95の列に設定されている1つのマーク★に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ95は、条件C1には合致するが、条件C2,C3には合致しない。
【0054】
また、作業工程WP9における確認手順書データ96を対象確認手順書とした場合、確認手順書データ96の列に設定されている2つのマーク●のうち、下方のマーク●に対する構成部品は存在するが、上方のマーク●に対する構成部品は存在しない。また、確認手順書データ96の列に設定されている3つのマーク○のうち最上のマーク○に対して構成部品が存在する。つまり、確認手順書データ96は、条件C1には合致するが、条件C2には合致しない。
【0055】
そこで、プロセッサ101は、作業工程WP9については、
図10に示すように、確認手順書データ91,92,93,94,95,96の中から、確認手順書データ93を選択する。
【0056】
以上のように、実施例1では、コンピュータ装置10は、プロセッサ101と、メモリ102と、ディスクドライブ103とを有する。メモリ102またはディスクドライブ103は、複数の候補部品の各々に対応する複数の取付手順書を記憶する。また、メモリ102またはディスクドライブ103は、複数の候補部品の各々と、複数の取付手順書の各々と、取付手順書選択条件とが対応付けて設定されている手順書定義テーブルPDTを記憶する。プロセッサ101は、複数の候補部品の中から選択された構成部品に基づいて、手順書定義テーブルPDTを用いて、1つのサーバ装置を製造するための複数の作業工程の各工程毎に、複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択する。そして、プロセッサ101は、複数の作業工程の各工程に渡って選択した複数の取付手順書を結合することにより、1つのサーバ装置の組立手順書を作成する。
【0057】
こうすることで、BTO方式で製造される製品の組立手順書を効率良く作成することができる。
【0058】
また、実施例1では、取付手順書選択条件は、マーク○、マーク●、及び、マーク★の少なくとも一つによって表される。プロセッサ101は、各マーク○,●,★にそれぞれ対応する取付手順書選択条件である条件C1,C2,C3に従って、複数の取付手順書の中から少なくとも1つの取付手順書を選択する。
【0059】
こうすることで、複数の取付手順書の各々について適切な取付手順書選択条件を容易に設定することができる。
【0060】
また、メモリ102またはディスクドライブ103は、組立手順書に従って組み立てられるサーバ装置の複数の確認手順書を記憶する。また、手順書定義テーブルPDTには、複数の候補部品の各々と、複数の確認手順書の各々と、確認手順書選択条件とが対応付けて設定されている。プロセッサ101は、複数の候補部品の中から選択された構成部品に基づいて、手順書定義テーブルPDTを用いて、複数の確認手順書の中から1つの確認手順書を選択する。
【0061】
こうすることで、BTO方式で製造される製品の確認手順書を効率良く作成することができる。
【0062】
また、実施例1では、手順書定義テーブルPDTには、第一対応付け及び第二対応付けが表形式で設定されている。
【0063】
こうすることで、取付手順書選択条件及び確認手順書選択条件の設定や変更を容易に行うことができる。
【0064】
以上、実施例1について説明した。
【0065】
[実施例2]
コンピュータ装置10での上記説明における各処理の全部または一部は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ101に実行させることによって実現しても良い。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ102またはディスクドライブ103に記憶され、プログラムがプロセッサ101によって、メモリ102またはディスクドライブ103から読み出されて実行されても良い。また、プログラムは、任意のネットワークを介してコンピュータ装置10に接続されたプログラムサーバに記憶され、そのプログラムサーバからコンピュータ装置10にダウンロードされて実行されたり、コンピュータ装置10が読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から読み出されて実行されても良い。コンピュータ装置10が読み取り可能な記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク等の可搬の記憶媒体が含まれる。また、プログラムは、任意の言語や任意の記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。また、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールや複数のライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものも含む。
【0066】
以上、実施例2について説明した。
【符号の説明】
【0067】
10 コンピュータ装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ディスクドライブ
104 NIC