(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】挿入ユニットを受容するように構成された喫煙物品マウスピース
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
A24D3/04
(21)【出願番号】P 2019554610
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2018058222
(87)【国際公開番号】W WO2018185014
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-03-26
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】グランジャン エメリク
(72)【発明者】
【氏名】ジャンテ ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ナッピ レオナルド
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-518079(JP,A)
【文献】特表2019-522471(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147246(WO,A1)
【文献】カナダ国特許出願公開第02961106(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/00-3/18
A24F 40/00
A24F 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入ユニットを受容するための喫煙物品であって、前記喫煙物品が、
エアロゾル発生基体と、前記エアロゾル発生基体の下流端に固定されたマウスピースとを備え、前記マウスピースが、
弾性変形可能材料の第一のセグメントであって、前記第一のセグメントが前記マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含み、
前記第一のセグメントが、前記第一のセグメントの前記長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部にわたって延び
る少なくとも一つのスリットを備える、挿入ユニット出し入れ部分を備え、
前記少なくとも一つのスリットの境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、
前記マウスピースの前記第一のセグメント内に挿入ユニットを挿入する動作によって、前記少なくとも一つのスリットの前記境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を形成する、変形状態との間の、前記挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にす
る、喫煙物品。
【請求項2】
前記第一のセグメントの前記
挿入ユニット出し入れ部分が、前記少なくとも一つのスリットのみから成る、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記第一のセグメントが弾性変形可能材料の中空管状セグメントであり、前記第一のセグメントの前記
挿入ユニット出し入れ部分が、前記中空管状セグメントに予め形成された開口部をさらに含み、前記少なくとも一つのスリットが、前記予め形成された開口部の前記周辺部上の点から前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部にわたって延びる、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前
記中空管状セグメントの少なくとも一部分が、前記予め形成された開口部の中へと内向きに突出して、少なくとも一つの弾性変形可能突起部を画定する、請求項3に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記少なくとも一つのスリットが、前記少なくとも一つの弾性変形可能突起部の先端によって画定される前記予め形成された開口部の前記周辺部上の点から前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部分にわたって延びる、請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記第一のセグメントが実質的に円形断面を有し、前記少なくとも一つのスリットが前記第一のセグメントの実質的に円形断面の中心を通過する線の少なくとも一部分に沿って延びる、請求項1~5のいずれかに記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記第一のセグメントの前記少なくとも一つのスリットが、第一のスリットおよび第二のスリットを備え、前記第一のスリットが前記第一のセグメント上の位置で前記第二のスリットと交わる、請求項1~6のいずれかに記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記第二のスリットが前記第一のスリットと実質的に直角を成す、請求項7に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記少なくとも一つのスリットが、前記第一のセグメントの全長に沿って延びる、請求項1~8のいずれかに記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記第一のセグメントが、酢酸セルロース繊維、ポリ乳酸繊維または捲縮した紙などの繊維質の濾過材料、および前記繊維質の濾過材料に添加された可塑剤を含む、請求項1~9のいずれかに記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記マウスピースが、前記第一のセグメントに隣接し、かつ前記第一のセグメントの上流にある第二のセグメントをさらに含み、前記第二のセグメントが前記挿入ユニットを受容するためのチャンバーを画定する中空管状セグメントである、請求項1~10のいずれかに記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記マウスピースが、前記第二のセグメントに隣接し、かつ前記第二のセグメントの上流にある濾過材料のセグメントをさらに含む、請求項11に記載の喫煙物品。
【請求項13】
喫煙物品用のマウスピースであって、前記マウスピースが、挿入ユニットを受容するように構成され、
弾性変形可能材料の第一のセグメントであって、前記第一のセグメントが前記マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含み、
前記第一のセグメントが、前記第一のセグメントの前記長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部にわたって延び
る少なくとも一つのスリットを備える、挿入ユニット出し入れ部分を備え、
前記少なくとも一つのスリットの境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、
前記マウスピースの前記第一のセグメント内に挿入ユニットを挿入する動作によって、前記少なくとも一つのスリットの前記境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を形成する、変形状態との間の、前記挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にす
る、喫煙物品用のマウスピース。
【請求項14】
挿入ユニットを受容するように構成された喫煙物品用のマウスピースを形成する方法であって、前記方法が、
弾性変形可能材料の第一のセグメントを提供することであって、前記第一のセグメントが前記マウスピース
の長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する、提供すること、および、
少なくとも一つのスリットを前記第一のセグメントに提供して前記第一のセグメントに
挿入ユニット出し入れ部分を形成することであって、前記少なくとも一つのスリットが、前記第一のセグメントの前記長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部にわたって延び、
前記少なくとも一つのスリットの境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、
前記マウスピースの前記第一のセグメント内に挿入ユニットを挿入する動作によって、前記少なくとも一つのスリットの前記境界が前記挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を形成する、変形状態との間の、前記挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にする、提供すること、を含む、方法。
【請求項15】
前記第一のセグメントが前記
挿入ユニット出し入れ部分の一部を形成する予め形成された開口部を有する弾性変形可能材料の中空管状セグメントであり、前記少なくとも一つのスリットが、前記予め形成された開口部の前記周辺部上の点から前記第一のセグメントの前記幅の少なくとも一部にわたって延びる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入ユニットをその下流端で受容するように構成された喫煙物品に関する。本発明は特に、壊れやすいカプセルをその下流端で受容するように構成されたフィルター紙巻たばこに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
フィルター紙巻たばこは喫煙物品の一例である。フィルター紙巻たばこは典型的に、紙ラッパーで包囲されたたばこカットフィラーのロッドと、包まれたたばこロッドと端と端を接した関係で整列され、チッピングペーパーによってたばこロッドに取り付けられた円筒状フィルターとを備える。従来的なフィルター紙巻たばこでは、フィルターは、多孔性のプラグラップ内に包まれた酢酸セルローストウのプラグから構成しうる。主流煙の粒子状およびガス状構成要素を除去するために濾過材料の二つ以上のセグメントを備える複数構成要素フィルターを有するフィルター紙巻たばこも公知である。
【0003】
たばこなどのエアロゾル形成基体が燃焼式ではなく加熱式である数多くの喫煙物品も、当業界で提案されてきた。加熱式喫煙物品では、エアロゾルはエアロゾル形成基体の加熱によって生成される。公知の加熱式喫煙物品には、例えばエアロゾルが電気的加熱によるか、または可燃性燃料要素または熱源からエアロゾル形成基体への熱の伝達によって生成される喫煙物品が含まれる。喫煙中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。また、燃焼することなく、また一部の場合において加熱することなく、例えば化学反応によって、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン供与源からニコチン含有エアロゾルが生成される喫煙物品も公知である。
【0004】
消費者に対する喫煙の体験を修正するために風味剤などの添加物を喫煙物品の中へと組み込むことが公知である。喫煙物品の中へと風味剤などの添加物を組み込むための一つの公知の手法は、破壊可能なカプセルの形態をとる。カプセルは、典型的には液体添加物を囲む壊れやすい壁を備える。消費者はカプセルに力をかけ、壁を破り、ひいては添加物を放出することができ、これによって消費者は自身の喫煙の体験を修正できる。
【0005】
しかしながら、こうしたカプセルは、製造中に、例えば、カプセルを繊維質の濾過材料(酢酸セルローストウなどの)のセグメントの中に埋め込むことによって喫煙物品の中へと組み込まれる。結果として、消費者は製造された喫煙物品の一部として既に提供されている添加物を使用するように制限される。
【0006】
国際特許公開第2013000967A1号は、相補的な形状にされた挿入可能なフィルターユニットを受容および保持するように構成された口側端の陥凹部を有するフィルターを記述している。口側端の陥凹部の中へとカプセルが挿入される場合、カプセルはまず濾過材料のプラグの中に包埋され、次いで前記プラグが陥凹部の中へと挿入される必要がある。プラグは陥凹部の中に保持されるように、挿入中に陥凹部内ですべり嵌めを形成するように圧縮される。
【0007】
従って、消費者が自身の喫煙の体験をカスタマイズすることができ、とりわけ喫煙物品を喫煙する時に消費者が使用可能な添加物または風味のタイプをカスタマイズすることができる方法を改善することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、挿入ユニットを受容するための喫煙物品が提供されており、喫煙物品は、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体の下流端に固定されたマウスピースとを備え、マウスピースが、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含み、第一のセグメントが、マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する。第一のセグメントは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延びる、出し入れ部分の変形を容易にするための少なくとも一つのスリットを備え、これによって挿入ユニットの受容時に第一のセグメントの出し入れ部分に開口部を形成可能または拡張可能となる。
【0009】
本発明の一態様によれば、挿入ユニットを受容するための喫煙物品が提供されており、喫煙物品は、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体の下流端に固定されたマウスピースとを備え、マウスピースが、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含み、第一のセグメントが、マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する。第一のセグメントは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延び、挿入ユニットの受容時に、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を画定する、変形状態との間の、挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にするための、少なくとも一つのスリットを備える、挿入ユニット出し入れ部分を備える。
【0010】
少なくとも一つのスリットを含む出し入れ部分を有する第一のセグメントを提供することは、喫煙物品が製造されて消費者に供給された後、消費者が挿入ユニットを喫煙物品のマウスピースの中へと組み込むことを可能にする。挿入ユニットは、喫煙物品の少なくとも一つの特徴を修正するように構成されることができる。結果として、消費者は一つ以上の挿入ユニットを喫煙物品のマウスピースの中へと導入するかどうかを選ぶことによって、自身の喫煙の体験をカスタマイズすることができる。
【0011】
さらに、WO2013000967A1号のものなどの従来技術の陥凹部フィルターとは異なり、本発明の第一のセグメントは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延びる、少なくとも一つのスリットを備える。スリットは、未変形状態と変形状態との間の第一のセグメントの出し入れ部分における弾性変形を容易にするために提供される。こうした変形により、挿入ユニットが第一のセグメントの中へと挿入される時に、第一のセグメントの出し入れ部分に開口部が形成されるか、または拡張されるようになる。すなわち、挿入ユニットを第一のセグメントの出し入れ部分の中へと挿入する行為によって、セグメントのスリットのいずれかの側の弾性変形可能材料が撓み、それを通して挿入ユニットが通ってマウスピースの中へと挿入されることになる出し入れ部分において、開口部を作り出し、または既存の開口部を拡張する。
【0012】
第一の組の好ましい実施形態では、挿入ユニットの挿入により、最終的に、挿入ユニットはマウスピースの第一のセグメント内に存在しうる。こうした状況では、出し入れ部分の周りの弾性変形可能材料は、挿入ユニットを第一のセグメント内の定位置に保持するように作用する。弾性変形可能材料の適切な選択および出し入れ部分の適切な構成を通して、挿入ユニットを損傷する大きなリスクなしに、挿入ユニットを、マウスピースの第一のセグメント内に簡単に挿入し、かつ確実に保持することができる。例えば、少なくとも一つのスリットは、第一のセグメントの長軸方向に、第一のセクションの少なくとも40パーセントに延びることが好ましく、少なくとも60パーセントに延びることがより好ましい。これは、挿入ユニットの下流に位置する少なくとも一つのスリットの一部分が挿入ユニットの存在によってそれ以上著しく影響を受けず、したがって実質的にそのオリジナルの状態に戻って挿入ユニットを第一のセグメント内の定位置に確実に保持することができるように、挿入ユニットを第一のセグメントの長さに沿って十分に離して挿入するのに役立ちうる。
【0013】
別の方法として、第二の組の好ましい実施形態では、マウスピースは、第一のセグメントに隣接し、かつ第一のセグメントの上流にある第二の管状セグメントをさらに含み、第二の管状セグメントは中空管状セグメントであり、挿入ユニットを受容するためのチャンバーを画定する。こうした実施形態では、挿入ユニットの挿入により、最終的には、挿入ユニットは、マウスピースの第二の中空管状セグメントのチャンバーに到達し、チャンバー内に存在するようになるまで、第一のセグメントの形成された、または拡張された開口部の長軸方向の長さ全体に沿って通過することとなる。こうした実施形態では、挿入ユニットはまた、挿入ユニットを損傷する大きなリスなく、マウスピース内に簡単に挿入され、かつ確実に保持されうる。これは、挿入ユニットが形成されたまたは拡張された開口部を通過する際に第一のセグメントの出し入れ部分がその変形状態へと良好に変形し、挿入ユニットが挿入される際に第一のセグメントの弾性変形可能材料が過大な抵抗力または圧縮力をユニットにかけることを防止するのに、少なくとも一つのスリットが役立つためである。しかしながら、挿入ユニットが第一のセグメントの開口部を通過し、第二の中空管状要素のチャンバー内に存在するようになると、第一のセグメントはその以前の(未変形)状態に弾性的に戻り、挿入ユニットがマウスピースから抜け出るのを防止または阻止するバリアを提供することができる。特に、第一のセグメントの出し入れ部分は、第一のセグメントに開口部がなくなる未変形状態へと、または、第一のセグメントの既存の開口部が、チャンバー内に収容された挿入ユニットの断面積を完全には包含しない断面積を有する未変形状態へと、弾性的に戻ることができる。すなわち、挿入ユニットが第一のセグメントを通過した後、少なくとも一つのスリットによって画定される第一のセグメントの一部分は、少なくとも一つのスリットがその以前の狭い輪郭を示すように、その変形状態からその以前の未変形状態に戻る。これにより、チャンバーの下流端に少なくとも部分的なエンクロージャ表面が存在することを確実にし、これは、挿入ユニットがチャンバーから抜け出るのを防止することができる。結果として、挿入ユニットはチャンバーの中に保持され、マウスピースから抜け出るのが防止される。
【0014】
本発明は、外力を受けた時に壊れるまたは破裂するように構成された、壊れやすいカプセルなどの壊れやすい挿入ユニットで使用するのに特に適している。こうした挿入ユニットで使用される場合、第一のセグメントの少なくとも一つのスリットの構成は、カプセルが喫煙物品マウスピースの中へと挿入されるときにカプセルが過大な圧縮力を受ける(そして望ましくなく破壊される)ことがないようにすることを確保できる。
【0015】
従って、本発明は、消費者が挿入ユニットを挿入中に損傷する大きいリスクを伴わずに、挿入ユニットを喫煙物品のマウスピースの中へと挿入できるようにするための信頼性のある効果的な方法を提供する。本発明はまた、挿入後に喫煙物品のマウスピース内に挿入ユニットを保持するための信頼できる効果的な方法を提供する。従って消費者は好都合なことに、一つ以上の挿入ユニットを喫煙物品のマウスピースに導入するかどうかを選ぶことによって、自身の喫煙の体験をカスタマイズすることができる。
【0016】
第一のセグメントは、外部挿入ユニットを受容するように構成された出し入れ部分を有する。従って、第一のセグメントはマウスピースの下流端に配置されることが好ましい。別の言い方をすれば、第一のセグメントはマウスピースの下流端面を画定することが好ましい。
【0017】
別の方法として、マウスピースは第一のセグメントの下流に一部分を備えてもよい。こうした実施形態において、第一のセグメントの下流の一部分は、挿入ユニットがマウスピースの外部から第一のセグメントの出し入れ部分に通ることができるように構成されるべきである。従って、第一のセグメントの下流の一部分は、一つ以上の中空管状セグメントから成ってもよい。別の方法として、または追加的に、第一のセグメントの下流の一部分は、第一のセグメントの下流に延びる一つ以上のラッパーによって形成された口側端くぼみから成ってもよい。
【0018】
上述のように、第一のセグメントの少なくとも一つのスリットは、挿入ユニットの受容時に第一のセグメントの出し入れ部分に開口部を形成可能または拡張可能であるように、出し入れ部分の変形を容易にするために提供される。したがって、その最も広い意味では、本発明は、出し入れ部分に既存の開口部が実質上なく、開口部が、少なくとも一つのスリットの存在および挿入ユニットを第一のセグメントの中へと挿入する行為によってのみ形成される、構成を網羅する。本発明はまた、第一のセグメントに予め形成された開口部が出し入れ部分の一部として既に存在し、該予め形成された開口部が、少なくとも一つのスリットの存在および挿入ユニットを第一のセグメントの中へと挿入する行為によって拡張することができる、構成も網羅する。
【0019】
従って、一組の好ましい実施形態では、第一のセグメントの出し入れ部分は、少なくとも一つのスリットのみから成る。こうした実施形態では、少なくとも一つのスリットは、挿入ユニットの受容時に第一のセグメントの出し入れ部分に開口部が形成されるように、出し入れ部分の変形を容易にするように構成される。例えば、最も簡単な形態では、第一のセグメントは単一のスリットから成り、開口部は、単一のスリットの境界によって画定され、これは、挿入ユニットがマウスピースの中へと挿入される時に伸展または歪まされる。従って、第一のセグメントがその未変形状態である場合は、実質上開口部がない、または、スリット自体によってのみ画定される微小サイズの開口部が存在する。しかしながら、挿入ユニットが第一のセグメントを通過する、または第一のセグメントの中へと入ると、スリットは出し入れ部分の変形を容易にして開口部を生成および拡張し、挿入ユニットに過大な抵抗力または圧縮力をかけることなく、挿入ユニットが第一のセグメントの中へと入ることを可能にする。こうした状況では、開口部の周辺部は、スリット自体の境界によってのみ画定される。
【0020】
別の例として、第一のセグメントの出し入れ部分は、第一のスリットおよび第二のスリットのみから成ってもよく、第二のスリットは第一のスリットと実質的に直角を成すことが好ましい。こうした実施例では、第一のセグメントは実質的に円筒形であり、各スリットは、第一のセグメントの実質的に円形断面の中心を通過する線の経路に沿って延びることが好ましい。この例では、第一のセグメントの出し入れ部分がその未変形状態である場合は、実質上開口部がない、または、二つのスリット自体によってのみ画定される微小サイズの開口部が存在する。しかしながら、挿入ユニットが第一のセグメントを通過すると、二つのスリットは出し入れ部分の変形を容易にして開口部を生成および拡張し、挿入ユニットに過大な抵抗力または圧縮力をかけることなく、挿入ユニットが第一のセグメントの中へと入ることを可能にする。こうした状況では、開口部の周辺部は、二つのスリットの境界によってのみ画定される。
【0021】
第一のセグメントの出し入れ部分が少なくとも一つのスリットによってのみ画定される構成は、挿入ユニットの挿入を容易にするための単純かつ効果的な方法を提供することができる一方で、挿入された挿入ユニット(またはその構成要素)がその口側端を通してマウスピースから抜け出るのを防止する。こうした実施形態では、第二の中空管状セグメントは、第一のセグメントに隣接し、かつ第一のセグメントの上流に提供されて、挿入ユニットが第一のセグメントを通過した後に存在することができるチャンバーを画定しうる。ただし、挿入ユニットを、第一のセグメント自体内に保持するよう配置することがより好ましい場合がある。これは、挿入ユニットが第一のセグメントの長さに沿って十分に離れて挿入されると、挿入ユニットの下流に(すなわち、口側端に向かって)配置された少なくとも一つのスリットの一部分がそれらのオリジナルの(未変形)状態へと戻って、挿入ユニットがマウスピースから抜け出るのを防止または阻止する効果的なバリアを提供することができるからである。
【0022】
上述のように、本発明はまた、予め形成された開口部が第一のセグメントの出し入れ部分の一部として既に存在し、該予め形成された開口部が、少なくとも一つのスリットの存在および挿入ユニットを第一のセグメントの中へと挿入する行為によって拡張することができる、構成も網羅する。従って、一組の好ましい実施形態では、第一のセグメントの出し入れ部分は、少なくとも一つのスリットと、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延びる予め形成された開口部とを含む。すなわち、第一のセグメントは弾性変形可能材料の中空管状セグメントであり、第一のセグメントの出し入れ部分は、中空管状セグメントに予め形成された開口部をさらに含み、少なくとも一つのスリットは、予め形成された開口部の周辺部上の点から第一のセグメントの幅の少なくとも一部分にわたって延びることが好ましい。こうした実施形態では、マウスピースは、第一のセグメントに隣接し、かつ第一のセグメントの上流にあって、挿入ユニットが第一のセグメントを通過した後に存在することができるチャンバーを画定する、第二の中空管状セグメントをさらに含むことが好ましい。予め形成された開口部および少なくとも一つのスリットは、第一のセグメントの全長に沿って延びることが好ましい。
【0023】
第一のセグメントが弾性変形可能材料の中空管状セグメントであり、かつ出し入れ部分が中空管状セグメントに予め形成された開口部をさらに含む実施形態では、第一の中空管状セグメントの少なくとも一部分が、予め形成された開口部の中へと内向きに突出して、少なくとも一つの弾性変形可能突起部を画定することが好ましい。
【0024】
第一のセグメントを通過する際にフィルターユニットと接触する状態になる可能性のある第一の中空管状セグメントの内部表面の量を低減するために、少なくとも一つの弾性変形可能突起部は予め形成された開口部の中へと内向きに突出する。これは、次いで突起部が、ユニットがマウスピースから抜け出るのを阻害するバリアとして機能することができる、追加の相乗的な利点を有する。
【0025】
少なくとも一つの弾性変形可能突起部は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると任意の適切な輪郭を有してもよい。特に、予め形成された開口部は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると周辺部を有することができる。喫煙物品またはマウスピースの下流端から見た時に、第一の中空管状セグメントの各々の突起部は、周辺部の第一の部分と、周辺部の第一の部分の各々の端と交わる仮想直線とによって区切られている。仮想直線と、仮想直線から最も遠い周辺部の第一の部分上の点との間の、仮想直線と直角を成す方向の距離は、少なくとも約0.5ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約1ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約2ミリメートルであることがより好ましい。従って、各々の突起部は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると、真っ直ぐなまたは湾曲した側面部分を有してもよい。各々の突起部は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると、とがった先端を有してもよく、または丸みのある先端を有してもよい。
【0026】
少なくとも一つのスリットは、少なくとも一つの弾性変形可能突起部の先端によって画定される予め形成された開口部の周辺部上の点から、第一のセグメントの幅の少なくとも一部分にわたって延びることが好ましい。例えば、第一のセグメントは、第一のスリット、第二のスリット、第一の突起部、および第二の突起部を含んでもよく、第一のスリットは、第一の突起部の先端によって画定される予め形成された開口部の周辺部上の点から第一のセグメントの幅の少なくとも一部分にわたって延びてもよく、第二のスリットは、第二の突起部の先端によって画定される予め形成された開口部の周辺部上の点から第一のセグメントの幅の少なくとも一部分にわたって延びてもよい。
【0027】
予め形成された開口部の形状は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると少なくともある程度の左右対称性を有することが好ましい。予め形成された開口部の形状は、喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると放射対称性を有することが好ましい。
【0028】
第一のセグメントは、適切な任意の形状でありうる。第一のセグメントは実質的に円筒形であることが好ましい。すなわち、第一のセグメントは実質的に円形断面を有することが好ましい。こうした実施形態では、少なくとも一つのスリットは、第一のセグメントの実質的に円形断面の中心を通過する線の少なくとも一部に沿って延びることが好ましい。このことは、挿入ユニットが第一のセグメントを通過する際に、第一のセグメントの出し入れ部分を少なくとも一つのスリットの周りで弾性的に変形させるのに役立ち、第一のセグメントによって挿入ユニットにかけられる圧縮力を低減するのに役立ちうる。これはまた、挿入ユニットを挿入するために装置を使用するとき、またはユニットをユーザーの指で直接挿入するときのいずれかで、ユーザーが、挿入ユニットを第一のセグメントの出し入れ部分とより正確に整列させるのに役立ちうる。
【0029】
第一のセグメントの出し入れ部分には、任意の適切な数のスリットが提供されてもよい。例えば、単一のスリットのみが提供されてもよい。別の方法として、いくつかの実施形態では、第一のセグメントの出し入れ部分は、少なくとも第一のスリットおよび第二のスリットを有する。
【0030】
このような実施形態では、第一のセグメント少なくとも一つのスリットは第一のスリットおよび第二のスリットを含み、第一のスリットは第一の仮想線の少なくとも一部分に沿って第一のセグメントの幅にわたって延び、第二のスリットは第二の仮想線の少なくとも一部分に沿って第一のセグメントの幅にわたって延び、第一の仮想線は第一のセグメント上の位置において第二の仮想線と交わる。このような実施形態では、第一のスリットは、第一のスリット上の位置で第二のスリットと交わることが好ましい。
【0031】
第二のスリットは、第一のスリットと実質的に直角を成すことが好ましい。
【0032】
少なくとも一つのスリットは、第一のセグメントの全長に沿って延在することが好ましく、第一のセグメント内のすべてのスリットが、第一のセグメントの全長に沿って延びることがさらにより好ましい。
【0033】
挿入ユニットは、喫煙物品マウスピースの中へと挿入することができるいかなる構成要素であってもよい。挿入ユニットは、喫煙の体験の少なくとも一つの特徴を変化させる能力を有することが好ましい。例えば、挿入ユニットは濾過材料を含んでもよく、ひいてはマウスピースを通る主流煙またはベイパーの特定の成分の量を低減してもよい。挿入ユニットはマウスピースを通る主流煙またはベイパーの流れを変化させてもよい。例えば、主流煙またはベイパーは、挿入ユニットを選択的に通って流れてもよく、または挿入ユニットは流量制限器として作用してもよい。この場合において、挿入ユニットの引き出し抵抗は、マウスピースのその他の構成要素よりも高くてもよく、または低くてもよい。
【0034】
挿入ユニットは、マウスピースを通過する主流煙またはベイパーの中へと少なくとも一つの風味を付与するように構成されることが好ましい。挿入ユニットは、例えば風味ビーズまたは風味スレッドを含んでもよい。しかしながら、挿入ユニットは壊れやすいカプセルを含むことが好ましく、壊れやすい風味カプセルを含むことがより好ましい。
【0035】
壊れやすいカプセルはフィルターユニットの一部として、例えば濾過材料のプラグ内に包埋された壊れやすいカプセルとして、提供されてもよい。別の方法として、一部の好ましい実施形態において、挿入ユニットは壊れやすいカプセルのみから成る。
【0036】
壊れやすいカプセルは、マウスピースを通過する主流煙またはベイパーを修正する能力を有する少なくとも一つの添加物を含むペイロードを包囲する壊れやすいシェルを備えることが好ましい。ペイロードは液体ペイロードであることが好ましい。
【0037】
第一のセグメントが少なくとも一つの弾性変形可能な内部突起部を有する中空管状セグメントである場合、単一の突起部のみが提供されうる。これは、第一の中空管状セグメントの製造の複雑さを低減することができる。
【0038】
別の方法として、一部の好ましい実施形態において、第一の中空管状セグメントは、第一の中空管状セグメントの予め変形された開口部の中へと内向きに突出する二つ以上の弾性変形可能突起部を備える。こうした実施形態において、二つ以上の弾性変形可能突起部は予め形成された開口部の周囲に均一に配置されることが好ましい。例えば、第一の中空管状セグメントは、予め形成された開口部の周囲に直径方向に反対側の二つの弾性変形可能突起部を備えてもよい。別の実施例として、第一の中空管状セグメントは、予め形成された開口部の周囲に配置された三つの弾性変形可能突起部を備えてもよく、各々の突起部はマウスピースの下流端面から見ると、仮想正三角形の先端に配置されている。この均一な分布は、挿入ユニットがマウスピースの中へと、好ましくは第一のセグメントの上流のチャンバーの中へと通ることを可能にすることにおいて、突起部の有効性を高めることができる。均一な分布はまた、挿入後にマウスピース内に挿入ユニットを保持することにおいて、突起部の有効性を改善することができる。すなわち、均一な分布は、挿入ユニットが第一のセグメントの出し入れ部分の開口部を通過する際に、第一のセグメントによって挿入ユニットにかけられる圧縮力を、より均一に分散させることを可能にすることができる。これは、挿入ユニットがマウスピースの中へと挿入される際に損傷を受けるリスクをさらに低減することができる。従って、これは挿入ユニットが壊れやすい時に(例えば壊れやすいカプセルの場合で)、特に有利である。
【0039】
喫煙物品またはマウスピースの下流端から見ると、少なくとも一つの突起部は予め形成された開口部の形状を区切り、直径約2ミリメートル~約5ミリメートルの円を予め形成された開口部が完全に包含できないようになることが好ましく、約3ミリメートル~約4ミリメートルの円を包含できないようになることがより好ましい。こうした円形の直径は、喫煙物品用の典型的な壊れやすいカプセルの直径に対応する。結果として、こうしたカプセルは、第一の中空管状セグメントの一部分をまず変形することなく予め形成された開口部を通過することができない。
【0040】
第一のセグメントの少なくとも一部分が予め形成された開口部の中へと内向きに突出して少なくとも一つの弾性変形可能突起部を画定するかどうかに関わらず、第二の中空管状セグメントが存在する場合、第一のセグメントの開口部内のチャンバーの空間量よりも、第二の中空管状セグメントのチャンバー内の空間量が大きくなることが好ましい。これは、第一の中空管状セグメントの出し入れ部分の開口部を通過した後に、第二のセグメントのチャンバー内に挿入ユニットを効果的に保持するのに役立つ。
【0041】
結果として、第一のセグメントの予め形成された開口部の断面積は、第二の中空管状セグメントのチャンバーの断面積より小さいことが好ましい。これは、二つのセグメントの間に、挿入ユニットがチャンバーから抜け出るのを防止するのを補助する工程を作るのに役立つことができる。マウスピースの中央の長軸方向軸は、第一のセグメントの予め形成された開口部と第二の中空管状部材のチャンバーとの両方を通って延びることが好ましい。
【0042】
これは、第一の中空管状セグメントの予め変形された開口部の形状の面積と同一の面積を有する円の直径である等価直径(Deq.)の観点から表される場合がある。従って、第一のセグメントの予め形成された開口部の断面積の等価直径(Deq.)が、第二の中空管状セグメントのチャンバーの断面積の等価直径(Deq.)の約90パーセント以下であることが好ましく、約70パーセント以下であることがより好ましく、約60パーセント以下であることがなおより好ましい。等価直径(Deq.)は、以下の式を使用して計算することができる。
【0043】
【数1】
式中Sは所与の長軸方向位置での第一のセグメントの断面積であり、πは数学定数「円周率」である。第一のセグメントの場合において、Sは少なくとも一つのスリットが存在する長軸方向の位置での第一のセグメントの断面積である。
【0044】
第一のセグメントの予め形成された開口部の断面積の等価直径(Deq.)は、約1.8ミリメートル~約3.8ミリメートルであることが好ましい。
【0045】
第二の中空管状セグメントのチャンバーの断面積の等価直径(Deq.)は約2.5ミリメートル~約6.9ミリメートルであることが好ましい。
【0046】
第一のセグメントの予め形成された開口部の断面積は、マウスピースの長軸方向軸に沿って変化しないことが好ましい。この場合において、スリットは第一のセグメントの全長に沿って存在することが好ましい。これは、第一のセグメントの製造を簡単にするために役立つ場合がある。別の方法として、一部の実施形態において、第一のセグメントの予め形成された開口部の断面積は、マウスピースの長軸方向軸に沿って変化する。例えば、第一のセグメントの予め形成された開口部は、第一のセグメントの一方の端でより小さい断面積を有するように先細りしてもよい。別の例として、セグメントは、上述の突起部のうちの一つ以上を含んでもよく、これは第一のセグメントのある一定の長軸方向の部分または部分に沿ってのみ存在しうる。
【0047】
マウスピースが第二の中空管状セグメントを含む場合、第二の中空管状セグメントはマウスピースの最上流セグメントとしうる。こうした実施形態において、第二の中空管状セグメントは、エアロゾル発生基体の下流端に直接隣接している。しかしながら、マウスピースは、第二の中空管状セグメントに隣接し、かつその上流にある濾過材料のセグメントをさらに備えることが好ましい。濾過材料のセグメントは、酢酸セルローストウのプラグなどの繊維質の濾過材料のプラグであることが好ましい。これは、第二の中空管状セグメントのチャンバーに上流端面を提供する。繊維質の濾過材料のこうした上流セグメントは、挿入ユニットが液体ペイロードを包囲する壊れやすいシェルを有するカプセルである時に、有利でありうる。これは、カプセルが破裂した後、液体ペイロードが繊維質の材料にくっつきうるため、およびカプセルシェルの断片をチャンバー内に保持するのに役立ちうるためである。第二の中空管状セグメントに隣接し、かつ第二の中空管状セグメントの上流にある濾過材料のセグメントはまた、有利なことに、マウスピースへの追加的な濾過を提供しうるが、これは該セグメントの下流に提供される任意の濾過の欠如または低い濾過を補正するのに役立ちうる。
【0048】
濾過材料のセグメントの色は、第一の中空管状セグメントとは異なる色であることが好ましい。これは、消費者が第一の中空管状セグメント内の開口部の周辺部を識別するのをより簡単にすることができる。
【0049】
マウスピースは、少なくとも第一のセグメントを囲む一つ以上のラッパーをさらに備えてもよい。一つ以上のラッパーはまた、第一のセグメントに隣接し、かつ第一のセグメントの上流にある第二の中空管状セグメントなどの、存在しうる任意の追加的なセグメントを囲みうる。特に好ましい実施形態において、マウスピースは、少なくとも第一のセグメントを囲む不浸透性ラッパーをさらに備える。挿入ユニットが、液体ペイロードを包囲する壊れやすいシェルを有するカプセルである時に、不浸透性ラッパーは有利でありうる。これは、液体ペイロードがマウスピースの外部表面を通してしみ出るのを不浸透性ラッパーが防止することができるためである。不浸透性ラッパーは、液体に対して不浸透性のコーティングで被覆された紙基材などの基材を含んでもよい。適切なコーティングには例えば、ニトロセルロースおよびエチルセルロースが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
マウスピースの第一のセグメントは、任意の適切な弾性変形可能材料から形成されてもよい。例えば、第一のセグメントは発泡体材料またはゴムから形成されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生基体によって発生した任意のエアロゾルは、弾性変形可能材料によって形成される第一のセグメントの一部分を通過することができることが好ましい。
【0052】
好ましい実施形態において、第一のセグメントの弾性変形可能材料は繊維質の濾過材料を含む。繊維質の濾過材料は、酢酸セルロース繊維などのセルロース系繊維を含んでもよい。こうした実施形態において、第一の中空管状セグメントは、あるタイプの中空アセテート管であると理解されてもよい。別の方法としてまたは追加的に、繊維質材料はポリ乳酸繊維または捲縮した紙を含みうる。
【0053】
可塑剤は、第一のセグメントの弾性特性を調整するために繊維質の濾過材料に添加されてもよい。こうした可塑剤には、トリアセチン、およびトリエチレングリコールジアセテートが挙げられる。可塑剤が第一のセグメントの中に含まれる場合、可塑剤は第一のセグメントの全重量の約5重量パーセント~約23重量パーセントの量で含まれることが好ましい。一部の好ましい実施形態では、第一のセグメントは、繊維質の濾過材料および繊維質の濾過材料に添加された可塑剤を含む。
【0054】
マウスピースが、繊維質の濾過材料と繊維質の濾過材料に添加された可塑剤とを含む第二の中空管状セグメントを含む場合、第一のセグメント中の可塑剤の重量含有量割合は第二の中空管状セグメント中の可塑剤の重量含有量割合と同じであってもよい。ただし、第一のセグメント中の可塑剤の重量含有量割合は、第二の中空管状セグメント中の可塑剤の重量含有量割合よりも小さいことが好ましい。これにより、有利なことに、挿入ユニットが第二の中空管状セグメントのチャンバーの中に簡単に挿入できるようにするために第一のセグメントの出し入れ部分が適切に変形可能になる一方、挿入ユニットがチャンバーの中へと受容されると挿入ユニットのための安定した周囲を提供する。第二の中空管状セグメントは、任意の適切な材料から形成されてもよい。第二の中空管状セグメントは透過性の周辺部分と、中空の中央コアまたはチャンバーとを備えることが好ましい。第二の中空管状セグメントは繊維質の濾過材料を含むことが好ましい。すなわち、第二の中空管状セグメントの透過性周辺部分は、繊維質の濾過材料を含むことが好ましい。繊維質の濾過材料は、酢酸セルロース繊維などのセルロース系繊維を含んでもよい。こうした実施形態において、第二の中空管状セグメントは、あるタイプの中空アセテート管であると理解されてもよい。チャンバーが不浸透性挿入ユニットで充填されている場合でさえも、透過性周辺部分を有する第二の中空管状セグメントを提供することによって、煙は依然としてセグメントを通って流れることができる。例えば、チャンバーに壊れやすいカプセルが提供される場合、煙は透過性の周辺部分を通過することができるので、消費者は依然としてカプセルを壊すことなく喫煙物品を喫煙することができる。これは、カプセルを喫煙前に必ず破裂させる必要なく、消費者の喫煙の体験中に、いつカプセルを破裂させるかをカスタマイズする能力を消費者に提供する。
【0055】
第二の中空管状セグメントが繊維質の濾過材料を含む時に、可塑剤は繊維質の濾過材料に添加されてもよい。こうした可塑剤には、トリアセチン、およびトリエチレングリコールジアセテートが挙げられる。可塑剤は、第二の中空管状セグメントの全重量の約13重量パーセント~約25重量パーセントの量で第二の中空管状セグメント中に含まれてもよい。
【0056】
マウスピースの長軸方向における第一のセグメントの長さは約3ミリメートル~約10ミリメートルであることが好ましく、約4ミリメートル~約7ミリメートルであることが好ましく、約5ミリメートルであることが最も好ましい。こうした長さは、挿入ユニットが開口部を通過する際に、チャンバーに到達するために挿入ユニットを過度に遠くまで進める必要がなく、従って過度に高い圧縮力を過度に長い期間にわたって受けないことを確実にするのに役立ちうる。
【0057】
第二の中空管状セグメントが提供される場合、第二の中空管状セグメントの長さは約4ミリメートル~約12ミリメートルであることが好ましく、約5ミリメートル~約10ミリメートルであることが好ましく、約5ミリメートルまたは7ミリメートルであることが最も好ましい。これは、少なくとも二つの挿入ユニット、とりわけ少なくとも二つの壊れやすい風味カプセルを収容するのに十分なサイズのチャンバーにすることを可能にする。少なくとも二つの挿入ユニットを収容する能力は、消費者が異なる挿入ユニットの組み合わせの中から選ぶことを可能にするため、消費者が自身の喫煙物品マウスピースをカスタマイズする際に、より高い選択度を消費者に提供することができる。
【0058】
当然のことながら、本発明は喫煙物品について上述してきたが、本発明の利点および技術的効果は喫煙物品用のマウスピースに等しく適用可能である。結果として、本発明の第二の態様によれば、喫煙物品用のマウスピースが提供されており、マウスピースは、挿入ユニットを受容するように構成され、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含んでおり、第一のセグメントは、マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有し、第一のセグメントは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延びる、出し入れ部分の変形を容易にするための少なくとも一つのスリットを備え、これによって挿入ユニットの受容時に第一のセグメントの出し入れ部分に開口部を形成可能または拡張可能となる。
【0059】
本発明の態様によれば、喫煙物品用のマウスピースが提供されており、マウスピースは挿入ユニットを受容するように構成され、弾性変形可能材料の第一のセグメントを含み、第一のセグメントはマウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する。第一のセグメントは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延び、挿入ユニットの受容時に、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を画定する、変形状態との間の、挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にするための、少なくとも一つのスリットを備える、挿入ユニット出し入れ部分を備える。
【0060】
当然のことながら、本発明はまた、喫煙物品用のマウスピースを形成する方法に関する。結果として、本発明の第三の態様によれば、喫煙物品用のマウスピースを形成する方法が提供されており、該方法は、弾性変形可能材料の第一のセグメント提供することであって、第一のセグメントが、マウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さに対する横断方向の幅を有する、提供することと、出し入れ部分を第一のセグメントに形成することであって、出し入れ部分が、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延びる、出し入れ部分の変形を容易にするための少なくとも一つのスリットを備え、これによって挿入ユニットの受容時に第一のセグメントの出し入れ部分に開口部を形成可能または拡張可能となる、形成することと、を含む。
【0061】
本発明の態様によると、挿入ユニットを受容するように構成された喫煙物品用マウスピースを形成するための方法が提供されており、該方法は、弾性変形可能材料の第一のセグメントを提供することであって、第一のセグメントがマウスピースの長軸方向の長さ、およびその長さの横断方向の幅を有する、提供すること、および、少なくとも一つのスリットを第一のセグメントに提供して出し入れ部分を第一のセグメントに形成することであって、少なくとも一つのスリットは、第一のセグメントの長さの少なくとも一部に沿って延び、かつ第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延び、挿入ユニットの受容時に、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部を画定しない、未変形状態と、少なくとも一つのスリットの境界が挿入ユニット出し入れ部分に開口部の周辺部の少なくとも一部分を画定する、変形状態との間の、挿入ユニット出し入れ部分の変形を容易にする、提供すること、を含む。
【0062】
本発明の第三の態様の方法では、第一のセグメントは、出し入れ部分の一部を形成する予め形成された開口部を有する弾性変形可能材料の中空管状セグメントであり、少なくとも一つのスリットが、予め形成された開口部の周辺部上の点から第一のセグメントの幅の少なくとも一部にわたって延びることが好ましい。出し入れ部分を第一のセグメントに形成する工程は、少なくとも一つの切れ目線を第一のセグメントに加えて少なくとも一つのスリットを形成することを含むことが好ましい。
【0063】
当然のことながら、本発明の第一の態様に関して上述した好ましい特徴はまた、本発明の第二の態様および第三の態様のそれぞれに同様に適用されてもよい。
【0064】
「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生基体から引き出され、フィルターまたはマウスピースを通過する時の主流煙の方向に関連して説明された、喫煙物品またはマウスピースの要素間の相対的位置を意味する。当然のことながら、「拡張された」という用語は本明細書で使用される場合、挿入ユニットの挿入および少なくとも一つのスリットによって既存の空間または開口部が第一のセグメントの別の部分の中へと拡張され、その後一般的に、該空間が挿入ユニットの少なくとも一部分によって充填されるようになることを意味する。これにより、第一のセグメントの変形可能材料が、少なくとも一時的に空間の容積全体をより小さく占めることにつながる場合もあり、つながらない場合もある。例えば、変形可能材料は、挿入ユニットが第一のセグメントの中へと挿入されているときに、挿入ユニットが占めるための追加的な空間を作り出すよう、少なくとも一つのスリットの境界の周りで単に撓んでもよい。
【0065】
「長軸方向の」という用語は本明細書で使用される場合、エアロゾル発生物品の長さに平行な方向を指す。
【0066】
本発明による喫煙物品は、フィルター付き紙巻たばこまたは他の喫煙物品であって、その中でエアロゾル発生基体が、煙を形成するために燃焼されるたばこ材料を含むものでもよい。従って、上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、エアロゾル発生基体はたばこロッドを備えてもよい。その上、上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、マウスピースはフィルターを備えてもよい。こうした実施形態において、フィルターはチッピングペーパーによってたばこロッドに固定されてもよい。
【0067】
別の方法として、本発明による喫煙物品は、中のたばこ材料が燃焼されるのではなく、加熱されてエアロゾルを形成する物品であってもよい。一つのタイプの加熱式エアロゾル発生物品において、たばこ材料は一つ以上の電気発熱体によって加熱されてエアロゾルを生成する。別のタイプの加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは、熱を可燃性の熱源または化学的な熱源から、物理的に分離されたたばこ材料(これは熱源の中、周囲、または下流に位置しうる)へと伝達することによって生成される。本発明は、燃焼を経ずに、一部の場合では加熱を経ずに、例えば化学反応によって、たばこ材料、たばこ抽出物、または他のニコチン供給源からニコチン含有エアロゾルが生成されるエアロゾル発生物品をさらに包含する。
【0068】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながらさらに本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図2】
図2は、フィルターが包まれていない状態の
図1の喫煙物品の部分的な透視図を示す。
【
図4】
図4~6は、本発明の様々な異なる実施形態による喫煙物品の第一のセグメントの例示的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1および2は、本発明の一実施形態による喫煙物品10を図示する。喫煙物品10は、一方の端で軸方向に整列したフィルター14に取り付けられたたばこカットフィラーの包まれたロッド12を備える。チッピングペーパーの帯16は、フィルター14と、たばこの包まれたロッド12の一部分とを囲んで、喫煙物品10の二つの部分をひとまとめにする。
【0071】
図2に示すように、フィルター14は、中空管状セグメントの形態の第一のセグメント24を含む。第一のセグメント24は、弾性変形可能な繊維質の濾過材料(酢酸セルローストウなど)で形成された透過性の周辺部分、およびセグメント24の全長に沿って延びる予め形成された中央開口部25を備える。
【0072】
図2の喫煙物品において、第一のセグメント24は、フィルター14の下流端にある。しかしながら、一部の場合においてフィルターは第一の中空管状セグメントの下流に一つ以上のさらなる中空管状セグメントを含むことができる。別の方法として、または追加的に、第一のセグメントの下流の一部分は、第一の中空管状セグメントの下流に延びる一つ以上のラッパーによって形成された口側端くぼみから成ってもよい。
【0073】
第一のセグメント24の上流は第二の中空管状セグメント30であり、これも酢酸セルローストウなどの繊維質の濾過材料で形成されている。第二の中空管状セグメント30は、酢酸セルローストウなどの繊維質の濾過材料で形成された周辺部分31を有する。
図2で見られるように、第二の中空管状セグメント30は、第一のセグメント24に隣接している。
【0074】
第二の中空管状セグメント30は、カプセル50などの挿入ユニット50を受容するためのチャンバー32を画定する。酢酸セルローストウのプラグなどの濾過材料のプラグ40が第二の中空管状セグメント30に隣接し、かつその上流にある。第一の中空管状セグメント24、第二の中空管状セグメント30、および濾過材料のプラグ40の分解組立図を
図3で見ることができる。
図2では、カプセル50は、第二の中空管状セグメント30のチャンバー32内にあるものとして示されている。
図3では、カプセル50は、マウスピースセグメントの外部にあるものとして示され、矢印51は、カプセルがそれに沿って進み、第二の中空管状セグメント30のチャンバー32に入る経路を示す。
【0075】
図2および
図3から最もよく分かるように、第一のセグメント24は、予め形成された開口部25および一対のスリット60を含む、挿入ユニット出し入れ部分を備える。出し入れ部分は、挿入ユニット50がマウスピースの外部から第二の中空管状セグメント30のチャンバー32の中へと通ることができるように提供される。特に、
図3から最もよく分かるように、第一の中空管状セグメント24の二つの部分が予め形成された開口部25内へと内向きに突出して、フィルター14の下流端で二つの弾性変形可能突起部26を画定する。これらの突起部は、チャンバー32の断面積と比べて予め形成された開口部25の断面積を減少させるのに役立つ。
【0076】
出し入れ部分の各スリット60は、第一のセグメント24の全長に沿って、および、それぞれの弾性変形可能突起部26の先端によって画定される予め形成された開口部25の周辺部上の点から第一のセグメント24の幅の一部分にわたって延びる。スリット60は、第一のセグメント24の出し入れ部分の変形を容易にし、これによって挿入ユニットが第一のセグメント24を通過する時に、予め形成された開口部25を出し入れ部分に拡張することができる。
【0077】
スリット60は、開口部25が形成された後に、切断ブレードを第一のセグメント24に適用することによって形成されうる。
【0078】
スリット60を第一のセグメントに提供することによって、挿入中にカプセル50を損傷する大きなリスクなく、カプセル50をマウスピース14の中に簡単に挿入することができる。これは、カプセル50が第一のセグメント24を通過する際に、第一のセグメント24の出し入れ部分、特に、第一のセグメント24の突起部26が予め形成された開口部25の周りでより良好に変形するのに、スリット60が役立つためである。これにより、第一のセグメント24の弾性変形可能材料が、カプセル50に過大な抵抗力または圧縮力をかけることを防止する。ただし、カプセル50が予め形成された開口部25を通過し、第二の中空管状要素30のチャンバー32内に存在するようになると、第一のセグメント24、特に突起部26はその以前の未変形状態に弾性的に戻り、カプセル50がマウスピース14から抜け出るのを防止または阻止するバリアを提供することができる。特に、第一のセグメント24は、チャンバー32内に収容されたカプセル50の断面積を完全には包含しない断面積を有する第一のセグメントの開口部25をもたらす位置に弾性的に戻ることができる。すなわち、カプセル50が第一のセグメント24を通過した後、スリット60によって画定される第一のセグメント24の一部分はその以前の位置に戻り、これによって、スリット60がその以前の狭い輪郭を示し、チャンバー32の下流に少なくとも部分的なエンクロージャ表面があるようにし、カプセル50をチャンバー32内に固定することを確実にする。結果として、カプセル50はチャンバー32の中に保持され、マウスピース13から抜け出るのが防止される。
【0079】
従って、消費者は、第一のセグメント24の出し入れ部分を通して、第二の中空管状セグメント30のチャンバー32の中へとカプセル50を挿入することができる。挿入中に突起部26は弾性的に変形して、挿入ユニット50が開口部25を通して通過することを可能にする。突起部26の変形は、スリット60の存在によってさらに容易になる。カプセル50がチャンバー32の中へと通った後、突起部26はそれらの以前の(未変形)状態に戻り、カプセル50がマウスピースから抜け出るのを防止するバリアを提供する。
【0080】
図4~
図6は、喫煙物品の中央長軸方向軸に沿った点での喫煙物品の下流端から見た、本発明の実施形態による喫煙物品の第一のセグメント24の出し入れ部分の例示的な構成を示す。
図4では、出し入れ部分は予め形成された開口部25を含む。予め形成された開口部25の周囲に均一に配置された三つの弾性変形可能突起部26があり、各々の突起部26は仮想正三角形の先端に配置されている。すなわち、突起部26は予め形成された開口部25の周囲に均等に間隙を介している。
【0081】
図4に示すように、第一のセグメントの出し入れ部分は、第一のスリット611および第二のスリット612をさらに備え、スリットそれぞれは、それぞれの突起部26の先端から延びる。突起部のうちの一つは、対応するスリットを有さない。
【0082】
図4から分かる通り、喫煙物品の下流端から見ると、予め形成された開口部25は周辺部255を有する。第一の中空管状セグメント24の各々の突起部26は、周辺部の第一の部分と、周辺部の第一の部分の各々の端と交わる仮想直線262とによって区切られている。直線262と、直線から最も遠い周辺部の第一の部分上の点との間の、直線と直角を成す方向の距離265は、突起部26の「高さ」265に対応する。
【0083】
図5および6は、本発明の実施形態による喫煙物品の第一のセグメント24の出し入れ部分のさらなる例示的な構成を示す。
図5では、出し入れ部分は予め形成された開口部25を含む。ただし、この実施形態では、第一のセグメント24の出し入れ部分の予め形成された開口部25の周囲に突起部は提供されない。代わりに、予め形成された開口部25は円形断面を有する。
図5における第一のセグメント24の出し入れ部分も、予め形成された開口部25の周囲に均等に間隔を介した四つのスリット61、62、63、64を備える。各スリットは、予め形成された開口部25の周辺部上の点から第一のセグメント24の幅の一部分にわたって、および第一のセグメント24の実質的に円形断面の中心241を通過する線の経路に沿って延びる。
図5の実施形態では、予め形成された開口部25の断面は、マウスピースの中へと挿入される挿入ユニット50の断面よりも小さい。こうしたシナリオでは、第一のセグメント24の弾性変形可能材料は、予め形成された開口部25を通過する際に、挿入ユニット50に比較的大きな圧縮力を提供することが期待されうる。ただし、出し入れ部分は、予め形成された開口部25の周囲に間隔を介した四つのスリット61、62、63、64を含むため、出し入れ部分の変形がさらに容易になりうる。これは、ユニット50が第一のセグメントの出し入れ部分の中へと、またはそれを通して挿入される際に、第一のセグメント24の弾性変形可能材料が挿入ユニット50に過大な抵抗力または圧縮力をかけることを防止するのに役立つ。
【0084】
図6は、本発明の別の実施形態による喫煙物品の第一のセグメント24のさらなる例示的な構成を示す。
図4および5のセグメントとは異なり、
図6の第一のセグメントの出し入れ部分は、予め形成された開口部25を含まない。代わりに、
図6の第一のセグメントの出し入れ部分は、第一のスリット65および第二のスリット66によってのみ画定される。第二のスリット66は、第一のスリット65と実質的に直角を成す。各スリットは、第一のセグメント24の幅の一部分にわたって、および第一のセグメント24の実質的に円形断面の中心241を通過する線の経路に沿って延びる。したがって、
図6における第一のセグメント24の出し入れ部分がその未変形状態である場合は、出し入れ部分に実質上開口部がない、またはスリット65、66自体によってのみ画定される微小サイズの開口部が存在する。ただし、消費者が第一のセグメント24の出し入れ部分を介して挿入ユニット50をマウスピースの中へと挿入しようとすると、スリット65、66が挿入ユニット50の周囲の出し入れ部分の変形を容易にして、開口部を出し入れ部分に形成し、過大な抵抗力または圧縮力を挿入ユニット50にかけることなく、挿入ユニット50が第一のセグメント24を少なくとも部分的に通過することを可能にする。
【0085】
挿入ユニット50が第一のセグメント24の出し入れ部分の長さに沿って十分に離れて通過した後、第一のセグメント24の口側端におけるスリット65、66の一部分はそれ以上挿入ユニットの存在によって影響を受けなくなり、従ってそれらの以前の未変形状態に戻ることができる。これは、スリット65、66が
図6に示すように以前の狭い輪郭を示し、したがって、挿入ユニット50の下流に少なくとも部分的なエンクロージャ表面が存在することを確実にすることを意味する。したがって、スリット65、66の口側端部分は、挿入された後に挿入ユニット50がマウスピースから抜け出るのを防止または阻止する非常に効果的なバリアを提供することができる。