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特許7189896ツイストロックによってバッテリー接続を行う外科システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】ツイストロックによってバッテリー接続を行う外科システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20221207BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B17/16
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2019567702
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018036444
(87)【国際公開番号】W WO2018226945
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】62/517,331
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュバーガー,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ディール,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,スティーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ベノイト,ヘザー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507455(JP,A)
【文献】米国特許第06887244(US,B1)
【文献】米国特許第06018227(US,A)
【文献】特開2009-205980(JP,A)
【文献】特開2013-239259(JP,A)
【文献】特開2014-020798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
H01M 50/20-50/298
B25F 5/00-5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピースであって、
本体と、
ハンドピース制御装置と、
前記本体に動作可能に連結されたハンドピースコネクタであって、前記ハンドピース制御装置にそれぞれ接続されたハンドピース電圧端子及びハンドピースデータ端子と、第1のカプラーとを備える、ハンドピースコネクタと、
を備える、ハンドピースと、
加圧滅菌可能なバッテリーであって、
ハウジングと、
電荷を貯蔵するための再充電可能なセルと、
バッテリー制御装置と、
前記ハウジングに動作可能に連結されたバッテリーコネクタであって、前記バッテリー制御装置にそれぞれ接続されたバッテリー電圧端子及びバッテリーデータ端子と、前記第1のカプラーに回転可能に係合するように構成された第2のカプラーとを備える、バッテリーコネクタと、
を備える、加圧滅菌可能なバッテリーと、
を備える外科システムであって、
前記第2のカプラーは、前記バッテリーと前記ハンドピースとの間の相対的な軸方向移動が可能な初期半径方向位置において、軸に沿って前記第1のカプラーを受け入れ、前記初期半径方向位置から前記バッテリーと前記ハンドピースとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置への前記ハンドピースに対する前記バッテリーの回転を可能にするように、更に構成され、
前記ハンドピース端子及び前記バッテリー端子は、前記初期半径方向位置から前記第1の固定半径方向位置への回転が、前記ハンドピース電圧端子を前記バッテリー電圧端子に係合させ、前記セルと前記ハンドピース制御装置との間に電力を伝達させ、前記第1の固定半径方向位置から前記第2の固定半径方向位置への回転が、前記ハンドピース電圧端子と前記バッテリー電圧端子との間の係合を維持しながら、前記ハンドピースデータ端子を前記バッテリーデータ端子に係合させ、前記バッテリー制御装置と前記ハンドピース制御装置との間でデータを通信させるように、配置されている、
外科システム。
【請求項2】
前記ハンドピース電圧端子及び前記ハンドピースデータ端子は、前記軸を中心として半径方向においてハンドピース端子円弧長さだけ互いに離間しており、
前記バッテリー電圧端子及び前記バッテリーデータ端子は、前記軸を中心として半径方向において前記ハンドピース端子円弧長さと異なるバッテリー端子円弧長さだけ互いに離間している、
請求項1に記載の外科システム。
【請求項3】
前記ハンドピースコネクタは、前記第1のカプラーから外方に延在するタブを更に備え、
前記バッテリーコネクタは、前記初期半径方向位置において前記ハンドピースコネクタの前記タブを受け入れ、前記初期半径方向位置と前記第1及び第2の固定半径方向位置との間で前記ハンドピースに対する前記バッテリーの回転を可能にするために、前記第2のカプラーに離接して形成された長孔を更に備えている、
請求項1に記載の外科システム。
【請求項4】
前記バッテリーコネクタの前記長孔は、前記初期半径方向位置において前記ハンドピースコネクタの前記タブを受け入れる軸方向部分と、前記複数の固定半径方向位置において前記タブを受け入れるための前記軸方向部分に隣接する半径方向部分と、を備えている、請求項3に記載に外科システム。
【請求項5】
前記バッテリーコネクタの前記長孔の前記半径方向部分は、長孔固定面を画定し、
前記ハンドピースコネクタの前記タブは、前記タブが前記長孔の前記半径方向部分内に配置された時に前記長孔固定面に当接するように配置されたタブ固定面を画定している、
請求項4に記載の外科システム。
【請求項6】
前記ハンドピースコネクタの前記タブは、前記初期半径方向位置から前記第1及び第2の固定半径方向位置に向かう移動を容易にするように形作られた移行面取り部を備えている、請求項5に記載の外科システム。
【請求項7】
前記ハンドピースコネクタは、前記第1のカプラーから外方に延在する第1のタブと、前記第1のカプラーから外方に延在する第2のタブであって、前記第1のタブから離間している、第2のタブとを更に備え、
前記バッテリーコネクタは、前記初期半径方向位置において前記ハンドピースコネクタの前記第1のタブを受け入れるために前記第2のカプラーに隣接して形成された第1の長孔と、前記初期半径方向位置において前記ハンドピースコネクタの前記第2のタブを受け入れるために前記第2のカプラーに隣接して且つ前記第1の長孔から離間して形成された第2の長孔と、を更に備えている、
請求項1に記載の外科システム。
【請求項8】
前記バッテリーコネクタの前記第2の長孔は、前記ハンドピースコネクタの前記第1のタブが前記第2の長孔内に受け入れられるのを防ぐために、前記第1の長孔と異なって形作られている、請求項7に記載の外科システム。
【請求項9】
前記バッテリーコネクタの前記第2の長孔は、前記ハンドピースコネクタの前記第1のタブが前記第2の長孔内に受け入れらるのを防ぐために、前記第1の長孔よりも小さくなっている、請求項7に記載の外科システム。
【請求項10】
前記第1のカプラーは、軸に沿って前記第2のカプラーに受け入れられるように更に構成され、
前記ハンドピースコネクタの前記第1及び第2のタブは、前記ハンドピースコネクタの前記第1のタブが前記バッテリーコネクタの前記第2の長孔内に受け入れられるのを防ぐために、前記軸を中心として半径方向において互いに離間している、
請求項7に記載の外科システム。
【請求項11】
前記第1のカプラーは、第1のカプラー端に延在する第1の外側カプラー面及び第1の内側カプラー面を備えている、請求項1に記載の外科システム。
【請求項12】
前記第2のカプラーは、
前記ハンドピースコネクタの前記第1の内側カプラー面と係合するように形作られた第2のカプラー部材面を画定する第2のカプラー部材と、
前記第2のカプラー部材に離接して形成され、前記ハンドピースコネクタの前記第1の外側カプラー面と係合するように形作られた通路内面を画定する第2のカプラー通路と、
を備えている、請求項11に記載の外科システム。
【請求項13】
前記バッテリーコネクタの前記第2のカプラー部材は、第2のカプラー端に延在し、
前記バッテリー電圧端子を収容する第1のレセプタクルが前記第2のカプラー端内に形成され、前記バッテリーデータ端子を収容する第2のレセプタクルが前記第2のカプラー端に形成されている、
請求項12に記載の外科システム。
【請求項14】
前記バッテリー端子は、各々、前記第2のカプラー端に向かってバッテリー端子端まで延在している、請求項13に記載の外科システム。
【請求項15】
前記バッテリー端子端は、前記第2のカプラー端から離間している、請求項14に記載の外科システム。
【請求項16】
前記バッテリー端子端と前記第2のカプラー端との間にバッテリー端子間隙が画定されている、請求項15に記載の外科システム。
【請求項17】
前記ハンドピースコネクタの前記第1のカプラー内面は、ソケット部を画定し、
前記ハンドピース端子は、前記ソケット部内に配置されている、
請求項11に記載の外科システム。
【請求項18】
前記ハンドピース端子は、各々、前記第1のカプラー端に向かってハンドピース端子端まで延在している、請求項11に記載の外科システム。
【請求項19】
前記ハンドピース端子端は、前記第1のカプラー端から離間し、それらの間にハンドピース端子間隙が画定されている、請求項18に記載の外科システム。
【請求項20】
前記ハンドピース端子間隙は、前記ハンドピース端子端と前記第1のカプラー端との間に画定されている、請求項19に記載の外科システム。
【請求項21】
前記ハンドピース端子は、各々、略円弧状の矩形輪郭を有している、請求項1に記載の外科システム。
【請求項22】
前記バッテリー端子は、各々、1対のアームを備え、前記アームは、それらの間に前記ハンドピース端子の1つを受け入れるように配置されている、請求項1に記載の外科システム。
【請求項23】
前記バッテリー端子の各々の前記アームは、互いに対して弾性的に付勢されている、請求項22に記載の外科システム。
【請求項24】
前記バッテリー端子の各々の前記アームは、複数のフィンガーを備え、前記複数のフィンガーは、各々、前記ハンドピース端子の1つと係合するように配置されている、請求項22に記載の外科システム。
【請求項25】
前記ハンドピースコネクタは、第2のハンドピース電圧端子を更に備え、
前記バッテリーコネクタは、第2のバッテリー電圧端子を更に備え、
前記第2のハンドピース電圧端子及び前記第2のバッテリー電圧端子は、前記初期半径方向位置から前記第1の固定半径方向位置への回転が前記第2のハンドピース電圧端子を前記第2のバッテリ電圧端子に係合させるように、配置されている、
請求項1に記載の外科システム。
【請求項26】
前記ハンドピースコネクタは、前記第1のカプラーに隣接して配置されたキャッチを更に備え、
前記バッテリーは、前記ハウジングに支持された解除機構を更に備え、前記解除機構は、前記固定半径方向位置の1つにおいて前記キャッチと係合して前記固定半径方向位置からの回転を拘束するように形作られたラッチを画定している、
請求項1に記載の外科システム。
【請求項27】
前記バッテリーは、前記ハウジングと前記解除機構との間に介設された解除付勢要素を更に備え、前記解除付勢要素は、キャッチに対する前記ラッチの係合を付勢するように配置されている、請求項26に記載の外科システム。
【請求項28】
前記第1のカプラーは、前記初期半径方向位置において前記解除機構の前記ラッチに係合し、前記初期半径方向位置から前記固定半径方向位置の1つに向かう回転が前記ラッチ及び前記キャッチを係合させるまで、前記解除付勢要素を圧縮するように、形作られている、請求項27に記載の外科システム。
【請求項29】
前記バッテリーハウジングは、非対称面を備えている、請求項1に記載の外科システム。
【請求項30】
前記バッテリーハウジングに少なくとも部分的に配置された解除機構を更に備え、前記解除機構は、前記ハウジングの前記非対称面に配置されたボタンを備える、請求項29に記載の外科システム。
【請求項31】
モジュールであって、
本体と、
モジュール制御装置と、
前記本体に動作可能に連結されたモジュールコネクタであって、第1のカプラーと、第1のモジュール端子と、第2のモジュール端子と、第3のモジュール端子とを備えている、モジュールコネクタと、
を備える、モジュールと、
加圧滅菌可能なバッテリーであって、
ハウジングと、
電荷を貯蔵するための再充電可能なセルと、
バッテリー制御装置と、
前記ハウジングに動作可能に連結されたバッテリーコネクタであって、前記第1のカプラーに動作可能に係合する第2のカプラーと、第1のバッテリー端子と、第2のバッテリー端子と、第3のバッテリー端子とを備える、バッテリーコネクタと、
を備える、加圧滅菌可能なバッテリーと、
を備える外科システムであって、
前記第2のカプラーは、前記バッテリーと前記モジュールとの間の相対的な軸方向移動が可能な初期半径方向位置において、前記第1のカプラーを受け入れ、前記初期半径方向位置から前記バッテリーと前記モジュールとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置への前記モジュールに対する前記バッテリーの回転を可能にするように、更に構成され、
前記モジュール端子及び前記バッテリー端子は、前記初期半径方向位置から前記第1の固定半径方向位置への回転が、前記第1のモジュール端子を前記第1のバッテリー端子に係合させ、前記第1の固定半径方向位置から前記第2の固定半径方向位置への回転が、前記第1のモジュール端子と前記第1のバッテリー端子との間の係合を維持しながら、前記第2のモジュール端子を前記第2のバッテリー端子に係合させるように、配置されている、
外科システム。
【請求項32】
前記モジュールは、外科処置を行うためのハンドピースとして更に規定されている、請求項31に記載の外科システム。
【請求項33】
前記モジュールは、再充電可能なセルのための充電器として更に規定されている、請求項31に記載の外科システム。
【請求項34】
前記モジュール端子及び前記バッテリー端子は、前記初期半径方向位置から前記第1の固定半径方向位置への回転が、前記第3のモジュール端子を前記第3のバッテリー端子に係合させ、前記第1の固定半径方向位置から前記第2の固定半径方向位置への回転が、前記第3のモジュール端子と前記第3のバッテリー端子との間の係合を維持させるように、配置されている、請求項31に記載の外科システム。
【請求項35】
外科システムの組立方法であって、
ハンドピース電圧端子及びハンドピースデータ端子を備えるハンドピースコネクタを備えるハンドピースを準備するステップであって、前記ハンドピースコネクタは、軸を画定している、ステップと、
バッテリー電圧端子及びバッテリーデータ端子を備えるバッテリーコネクタを備える滅菌可能なバッテリーを準備するステップであって、前記バッテリーコネクタは、前記ハンドピースコネクタに離脱可能に取り付けられるように構成されている、ステップと、
前記バッテリーコネクタを前記軸に沿って位置決めするステップと、
初期半径方向位置において前記バッテリーコネクタを前記ハンドピースコネクタに軸方向係合させるように移動させるステップと、
前記初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置に向かって前記軸を中心として前記バッテリーを前記ハンドピースに対して回転させ、前記バッテリー電圧端子を前記ハンドピース電圧端子に係合させ、前記第1の固定半径方向位置よりも大きい第2の固定半径方向位置に回転させ、前記バッテリーデータ端子を前記ハンドピースデータ端子に係合させ、前記第2の固定半径方向位置よりも大きい最終固定半径方向位置に回転させ、前記バッテリーを前記ハンドピースに固定させるステップと、
を含む外科システムの組立方法
【請求項36】
前記固定半径方向位置から前記初期半径方向位置に向かって前記軸を中心として前記バッテリーを前記ハンドピースに対して回転させるステップと、
前記初期半径方向位置において前記バッテリーコネクタを前記ハンドピースコネクタとの軸方向係合から離脱させるように移動させ、前記バッテリーを前記ハンドピースから取り外すステップと、
を更に含む、請求項35に記載の外科システムの組立方法
【請求項37】
非対称面を備えるバッテリーハウジングを設けることを更に含む、請求項35に記載の外科システムの組立方法
【請求項38】
前記バッテリーハウジングに解除機構を設けることであって、前記解除機構のボタンが前記非対称面に配置されていることを更に含む、請求項37に記載の外科システムの組立方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年6月9日に出願された米国仮特許出願第62/517,33号の優先権及び利得の全てを主張するものであり、その内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
従来の医療及び外科処置では、通常、バッテリー式外科システム、例えば、ドリル、矢状鋸、及び他の工具が用いられており、このようなバッテリー式外科システムによって、外科医は、電源、コンソール、等へのコード接続が望ましくない外科部位にアプローチし、手技を行うことが可能になる。この種の外科工具は、概して、充電が枯渇するまで電力源を工具に供給する再充電可能なバッテリーパックに離脱可能に取り付けられるように構成されている。工具及びバッテリーパックは、いずれも、典型的には多数回使用されるように設計され、使用されていない時に洗浄及び滅菌可能であるように製造されている。
【0003】
単一バッテリーパックの充電は、いくつかの処置、例えば、工具による広域にわたる穿孔又は切断において不十分なことがあることを理解されたい。このような場合、1つのバッテリーパックの充電が枯渇した時、外科医は、枯渇したバッテリーパックを工具から取外し、別の充電されたバッテリーパックを工具に取り付け、次いで、処置を継続することになる。この後、枯渇したバッテリーパックは、洗浄、滅菌、再充電され、次いで、他の処置に再使用される。
【0004】
従来のバッテリー式外科システムは、意図された使用に対して概して良好に機能を果たしているが、バッテリーパックを工具から取り外す一連の動作が困難なことがある。この理由は、特に、使用中の不注意による断線又は電気的接点の損傷を避け、振動及び騒音を低減し、及び工具とバッテリーパックとの間の汚染物の侵入を阻止するために、工具及びバッテリーパックが、多くの場合、密封するように又は緊密に互いに係合するように設計されていることにある。この理由から、バッテリーパックの取外しは、場合によっては、工具又はバッテリーパックの一部を損傷させ、その結果、安全性及び/又は取扱いに関する問題をもたらすことがある。従って、当業界において、これらの欠点の1つ又は複数に対処することが必要とされている。
【0005】
本明細書に開示される実施形態の利点は、添付の図面と併せて以下の説明を読むことによって十分に理解されたなら、容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態によるバッテリーに接続されたハンドピースを備えるシステムの斜視図である。
図2】バッテリーがハンドピースから離間され、バッテリーに接続されるように構成された概略的に示される追加的なモジュールに隣接して配置されている、図1のシステムの斜視図である。
図3】バッテリーによって動力供給されるハンドピースを着衣し、図2のモジュールの1つを用いるユーザーの右側面図である。
図4】一実施形態によるバッテリーコネクタを有するものとして示される図1図3のバッテリーの上面図である。
図5図4のバッテリーコネクタの更なる細部を示す部分斜視図である。
図6】バッテリーコネクタ、解除機構、シール、バッテリー制御装置、セル、及び1対のハウジング構成部品を示す、図1図5のバッテリーの部分的分解斜視図である。
図7】バッテリーコネクタの一部、解除機構、及び図6のハウジング構成部品の1つを示す底斜視図である。
図8】一実施形態によるハンドピースコネクタを有するものとして示される図1及び図2のハンドピースの底面図である。
図9図8のハンドピースコネクタの更なる細部を示す部分斜視図である。
図10】ハンドピースコネクタ、1対の付勢要素、及びハンドピース制御装置を示す、図8及び図9のハンドピースの部分的分解斜視図である。
図11A図1図7のバッテリーの斜視図である。
図11B】初期半径方向位置においてハンドピースコネクタがバッテリーコネクタと真っ直ぐに向き合った状態にある、バッテリーの上方に位置する図1図2及び図8図10のハンドピースを示す図11Aのバッテリーの他の斜視図である。
図11C】初期半径方向位置においてハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに係合している状態を示す、図11Bのバッテリー及びハンドピースの他の斜視図である。
図11D】ハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに対して初期半径方向位置から1つの固定半径方向位置に回転された状態を示す、図11Cのバッテリー及びハンドピースの他の斜視図である。
図11E】ハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに対して他の固定半径方向位置に更に回転された状態を示す、図11Dのバッテリー及びハンドピースの他の斜視図である。
図12A図11Aのバッテリーコネクタを示す概略図である。
図12B図11Cに示される初期半径方向位置におけるバッテリーコネクタ及びハンドピースコネクタの係合を示す概略図である。
図12C】ハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに対して初期半径方向位置から1つの固定半径方向位置に回転された状態を示す、図12Bのバッテリーコネクタ及びハンドピースコネクタの係合を示す他の概略図である。
図12D】ハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに対して他の固定半径方向位置に更に回転された状態を示す、図12Cのバッテリーコネクタ及びハンドピースコネクタの係合を示す他の概略図である。
図12E】ハンドピースコネクタがバッテリーコネクタに対して更に他の固定半径方向位置に更に回転された状態を示す、図12Dのバッテリーコネクタ及びハンドピースコネクタの係合を示す他の概略図である。
図13】係合から離脱して互いに隣接して配置されている、図12B図12Eのバッテリーコネクタ及びハンドピースコネクタの概略図である。
図14A図4のバッテリーコネクタのバッテリー端子から離間した図8のハンドピースコネクタのハンドピース端子を示す斜視図である。
図14B】バッテリー端子に隣接して配置されたハンドピース端子を示すとともに、図14Aのハンドピース端子及びバッテリー端子の他の斜視図である。
図14C】バッテリー端子に係合するハンドピースを示すとともに、図14Bのハンドピース端子及びバッテリー端子の他の斜視図である。
図15A図6のバッテリーのバッテリーコネクタ、解除機構、及びハウジング構成部品の一部に隣接して配置された図8のハンドピースコネクタの一部を示す概略図である。
図15B図11Cに示される初期半径方向位置においてハンドピースが解除機構に当接している状態を示すとともに、図15Aのハンドピースコネクタ及びバッテリーの一部を示す他の概略図である。
図15C図11Eに示される固定半径方向位置におい解除機構がハンドピースコネクタに係合するように付勢された状態を示すとともに、図15Bのハンドピースコネクタ及びバッテリの一部を示す他の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面に関連して、いくつかの図を通して同様の構造を指すために、同様の番号が用いられている。
【0008】
本明細書に用いられる「受け入れる(receive)」という用語及びその変形(例えば、received, receives)は、構成要素間の機械的な関係を記述し、どの構成要素がどの構成要素内に嵌合するかに関わらず、1つの構成要素が他の構成要素内に少なくとも部分的に嵌合する関係を含んでいる。従って、雄型構成要素が雌型構成要素を受け入れることもあり、雌型構成要素が雄型構成要素を受け入れることもある。本明細書に用いられる「半径方向位置(radial position)」という用語及びその変形(例えば、半径方向に離間している(radially spaced))は、規定された基準位置、例えば、第2の構成要素に対するある構成要素の相対的な回転方位に依存する位置を意味している。半径方向位置は、代替的に、周方向位置又は角位置として特徴付けられてもよい。
【0009】
外科システムは、ハンドピースと加圧滅菌可能なバッテリーとを備えている。ハンドピースは、本体と、ハンドピース制御装置と、ハンドピースコネクタとを備えている。ハンドピースコネクタは、本体に動作可能に連結され、ハンドピース制御装置にそれぞれ接続されたハンドピース電圧端子及びハンドピースデータ端子と、第1のカプラーとを備えている。加圧滅菌可能なバッテリーは、ハウジングと、電荷を貯蔵するための再充電可能なセルと、バッテリー制御装置と、ハウジングに動作可能に連結されたバッテリーコネクタとを備えている。バッテリーコネクターは、バッテリー制御装置にそれぞれ接続されたバッテリー電圧端子及びバッテリーデータ端子と、第1のカプラーに回転可能に係合する第2のカプラーとを備えている。第2のカプラーは、初期半径方向位置において軸に沿って第1のカプラーを受け入れるように、更に構成されている。また、第2のカプラーは、初期半径方向位置においてバッテリーとハンドピースとの間の相対的な軸方向移動を可能にするように構成されている。相対的な軸方向移動は、初期半径方向位置からバッテリーとハンドピースとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置へのハンドピースに対するバッテリーの回転を可能にする。ハンドピース端子及びバッテリー端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が、ハンドピース電圧端子をバッテリー電圧端子に係合させ、セルとハンドピース制御装置との間に電力を伝達させるように、配置されている。第1の固定半径方向位置から第2の固定半径方向位置への回転が、ハンドピース電圧端子とバッテリー電圧端子との間の係合を維持しながら、ハンドピースデータ端子をバッテリーデータ端子に係合させ、バッテリー制御装置とハンドピース制御装置との間でデータを通信させる。
【0010】
外科システムは、ハンドピースと加圧滅菌可能なバッテリーとを備えている。ハンドピースは、外科処置を行うためのものである。ハンドピースは、本体と、ハンドピースを作動させるためのハンドピース制御装置と、ハンドピースコネクタとを備えている。ハンドピースコネクタは、本体に動作可能に連結され、第1のカプラーと、ハンドピース電力端子と、ハンドピースデータ端子とを備えている。加圧滅菌可能なバッテリーは、動力源をハンドピースに供給するためのものである。バッテリーは、ハウジングと、電荷を貯蔵するためのセルと、バッテリー制御装置と、ハウジングに動作可能に連結されたバッテリーコネクタとを備えている。更に、バッテリーは、第1のカプラーに回転可能に係合する第2のカプラーと、バッテリー電力端子と、バッテリーデータ端子とを備えている。第2のカプラーは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタの第1のカプラーを受け入れるように、更に構成されている。また、第2のカプラーは、初期半径方向位置において、バッテリーとハンドピースとの間の相対的な軸方向移動を可能にするように構成されている。相対的な軸方向移動は、初期半径方向位置からバッテリーとハンドピースとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置へのハンドピースに対するバッテリーの回転を可能にする。ハンドピース端子及びバッテリー端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が、ハンドピース電力端子をバッテリー電力端子に係合させ、セルとハンドピース制御装置との間に電力を伝達させるように、配置されている。第1の固定半径方向位置から第2の固定半径方向位置への回転が、ハンドピース電力端子とバッテリー電力端子との間の係合を維持しながら、ハンドピースデータ端子をバッテリーデータ端子に係合させ、バッテリー制御装置とハンドピース制御装置との間でデータを通信させる。
【0011】
外科システムは、軸を中心として半径方向においてハンドピース端子円弧長さだけ互いに離間したハンドピース電力端子及びハンドピースデータ端子を更に備えていてもよい。バッテリー電力端子及びバッテリーデータ端子は、軸を中心として半径方向においてハンドピース端子円弧長さと異なるバッテリー端子円弧長さだけ互いに離間していてもよい。
【0012】
外科システムは、セル内に電荷を貯蔵するための充電器を更に備えていてよい。
【0013】
外科システムは、モジュールと加圧滅菌可能なバッテリーとを備えている。モジュールは、本体と、モジュール制御装置と、モジュールコネクタとを備えている。モジュールコネクタは、本体に動作可能に連結され、第1のカプラーと、第1のモジュール端子と、第2のモジュール端子と、第3のモジュール端子とを備えている。加圧滅菌可能なバッテリーは、ハウジングと、電荷を貯蔵するためのセルと、バッテリー制御装置と、バッテリーコネクタとを備えている。バッテリーコネクタは、ハウジングに動作可能に連結されている。バッテリーコネクタは、第1のカプラーに動作可能に係合する第2のカプラーと、第1のバッテリー端子と、第2のバッテリー端子と、第3のバッテリー端子とを備えている。第2のカプラーは、バッテリーとモジュールとの間の相対的な軸方向移動が可能な初期半径方向位置において、モジュールコネクタの第1のカプラーを受け入れるように構成されている。第2のカプラーは、初期半径方向位置からバッテリーとモジュールとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置へのモジュールに対するバッテリーの回転を可能にするように、構成されている。モジュール端子及びバッテリー端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が、第1のモジュール端子を第1のバッテリー端子に係合させるように配置されている。また、モジュール端子及びバッテリー端子は、第1の固定半径方向位置から第2の固定半径方向位置への回転が、第1のモジュール端子と第1のバッテリー端子との間の係合を維持しながら、第2のモジュール端子を第2のバッテリー端子に係合させるように、配置されている。
【0014】
外科システムは、モジュールと加圧滅菌可能なバッテリーとを備えている。モジュールは、本体と、モジュール制御装置と、本体に動作可能に連結されたモジュールコネクタとを備えている。モジュールコネクタは、第1のカプラーと、第1のモジュール端子と、第2のモジュール端子と、第3のモジュール端子とを備えている。加圧滅菌可能なバッテリーは、ハウジングと、電荷を貯蔵するためのセルと、バッテリー制御装置と、バッテリーコネクタとを備えている。バッテリーコネクタは、ハウジングに動作可能に連結されている。バッテリーコネクタは、第1のカプラーに動作可能に係合する第2のカプラーと、第1のバッテリー端子と、第2のバッテリー端子と、第3のバッテリー端子とを備えている。第2のカプラーは、バッテリーとモジュールとの間の相対的な軸方向移動が可能な初期半径方向位置において、モジュールコネクタの第1のカプラーを受け入れるように更に構成されている。また、第2のカプラーは、初期半径方向位置からバッテリーとモジュールとの間の相対的な軸方向移動が拘束される第1の固定半径方向位置及び第2の固定半径方向位置へのモジュールに対するバッテリーの回転を可能にするように、構成されている。 モジュール端子及びバッテリー端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が、第1のモジュール端子を第1のバッテリー端子に係合させ、第3のモジュール端子を第3のバッテリー端子に係合させ、第1の固定半径方向位置から第2の固定半径方向位置への回転が、第1のモジュール端子と第1のバッテリー端子との間の係合及び第3のモジュール端子と第3のバッテリー端子との間の係合を維持しながら、第2のモジュール端子を第2のバッテリー端子に係合させるように、配置されている。
【0015】
モジュールは、外科処置を行うためのハンドピースとして更に規定されていてもよい。
【0016】
モジュールは、代替的に、セル内に電荷を貯蔵するための充電器として更に規定されていてもよい。
【0017】
外科システムは、ハンドピースと、バッテリーとを備えている。ハンドピースは、外科処置を行うためのものである。ハンドピースは、本体と、ハンドピースを作動させるためのハンドピース制御装置と、本体に動作可能に連結されたハンドピースコネクタとを備えている。本体は、第1のカプラー、ハンドピース電力端子、及びハンドピースデータ端子とを備えている。バッテリーは、電力源をハンドピースに供給するためのものである。バッテリーは、ハウジングと、電荷を貯蔵するためのセルと、バッテリー制御装置と、バッテリーコネクタとを備えている。バッテリーコネクタは、バッテリーハウジングに動作可能に連結され、第1のカプラーに回転可能に係合する第2のカプラーと、バッテリー電力端子と、バッテリーデータ端子とを備えている。バッテリーコネクタの第2のカプラーは、軸に沿ってハンドピースコネクタの第1のカプラーを受け入れるように更に構成されている。ハンドピース電圧端子及びハンドピースデータ端子は、軸を中心として半径方向においてハンドピース端子円弧長さだけ互いに離間している。バッテリー電力端子及びバッテリーデータ端子は、軸を中心として半径方向においてハンドピース端子円弧長さと異なるバッテリー端子円弧長さだけ互いに離間している。
【0018】
ハンドピースコネクタは、第1のカプラーから外方に延在するタブを更に備えていてもよい。バッテリーコネクタは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタのタブを受け入れ、初期半径方向位置と第1及び第2の固定半径方向位置との間でハンドピースに対するバッテリーの回転を可能にするために、第2のカプラーに離接して形成された長孔を更に備えていてもよい。
【0019】
バッテリーコネクタの長孔は、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタのタブを受け入れる軸方向部分と、複数の固定半径方向位置においてタブを受け入れるための軸方向部分に隣接する半径方向部分と、を備えていてもよい。
【0020】
バッテリーコネクタの長孔の半径方向部分は、長孔固定面を画定していてもよい。ハンドピースコネクタのタブは、タブが長孔の半径方向部分内に配置された時に長孔固定面に当接するように配置されたタブ固定面を画定していてもよい。
【0021】
ハンドピースコネクタのタブは、初期半径方向位置から第1及び第2の固定半径方向位置に向かう移動を容易にするように形作られた移行面取り部を備えていてもよい。
【0022】
ハンドピースコネクタは、第1のカプラーから外方に延在する第1のタブと、第1のカプラーから外方に延在する第2のタブであって、第1のタブから離間している、第2のタブとを更に備えていてもよい。バッテリーコネクタは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタの第1のタブを受け入れるために第2のカプラーに隣接して形成された第1の長孔と、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタの第2のタブを受け入れるために第2のカプラーに隣接して且つ第1の長孔から離間して形成された第2の長孔と、を更に備えていてもよい。
【0023】
バッテリーコネクタの第2の長孔は、ハンドピースコネクタの第1のタブが第2の長孔内に受け入れられるのを防ぐために、第1の長孔と異なって形作られていてもよい。
【0024】
バッテリーコネクタの第2の長孔は、ハンドピースコネクタの第1のタブが第2の長孔内に受け入れられるのを防ぐために、第1の長孔よりも小さくなっていてもよい。
【0025】
ハンドピースコネクタの第1のカプラーは、軸に沿ってバッテリーコネクタの第2のカプラーに受け入れられるように更に構成されていてもよい。ハンドピースコネクタの第1及び第2のタブは、ハンドピースコネクタの第1のタブがバッテリーコネクタの第2の長孔内に受け入れられるのを防ぐために、軸を中心として半径方向において互いに離間していてもよい。
【0026】
ハンドピースコネクタの第1のカプラーは、第1のカプラー端に延在する第1の外側カプラー面及び第1の内側カプラー面を備えていてもよい。
【0027】
バッテリーコネクタの第2のカプラーは、第2のカプラー部材及び第2のカプラー通路を備えていてもよい。第2のカプラー部材は、ハンドピースコネクタの第1の内側カプラー面と係合するように形作られた第2のカプラー部材面を画定していてもよい。第2のカプラー通路は、第2のカプラー部材に離接して形成されていてもよく、ハンドピースコネクタの第1の外側カプラー面と係合するように形作られた通路内面を画定していてもよい。
【0028】
バッテリーコネクタの第2のカプラー部材は、第2のカプラー端に延在していてもよい。バッテリー電力端子を収容する第1のレセプタクルが第2のカプラー端内に形成されていてもよい。バッテリーデータ端子を収容する第2のレセプタクルが第2のカプラー端に形成されていてもよい。
【0029】
バッテリー端子は、各々、第2のカプラー端に向かってバッテリー端子端まで延在していてもよい。
【0030】
バッテリー端子端は、第2のカプラー端から離間していてもよい。
【0031】
バッテリー端子端と第2のカプラー端との間にバッテリー端子間隙が画定されていてもよい。
【0032】
ハンドピースコネクタの第1のカプラー内面は、ソケット部を画定していてもよい。ハンドピース端子は、ソケット部内に配置されていてもよい。
【0033】
ハンドピース端子は、各々、第1のカプラー端に向かってハンドピース端子端まで延在していてもよい。
【0034】
ハンドピース端子端は、第1のカプラー端から離間し、それらの間にハンドピース端子間隙が画定されていてもよい。
【0035】
ハンドピース端子間隙は、ハンドピース端子端と第1のカプラー端との間に画定されていてもよい。
【0036】
ハンドピース端子は、各々、略円弧状の矩形輪郭を有していてもよい。
【0037】
バッテリー端子は、各々、1対のアームを備えていてもよく、アームは、それらの間にハンドピース端子の1つを受け入れるように配置されていてもよい。
【0038】
バッテリー端子の各々のアームは、互いに対して弾性的に付勢されていてもよい。
【0039】
バッテリー端子の各々のアームは、複数のフィンガーを備えていてもよく、複数のフィンガーは、各々、ハンドピース端子の1つと係合するように配置されていてもよい。
【0040】
カプラーは、初期半径方向位置から固定半径方向位置への軸を中心とする所定の回転がバッテリーとハンドピースとの間の相対的な軸方向移動を拘束するように、構成されていてもよい。
【0041】
ハンドピースコネクタは、ハンドピース接地端子を更に備えていてもよく、バッテリーは、バッテリー接地端子を更に備えていてもよい。ハンドピース接地端子及びバッテリー接地端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が、ハンドピース接地端子をバッテリー接地端子に係合させ、ハンドピース制御装置及びセルを接地させるように、配置されていてもよい。
【0042】
ハンドピースコネクタは、第2のハンドピース電圧端子を更に備えていてもよい。バッテリーコネクタは、第2のバッテリー電圧端子を更に備えていてもよい。第2のハンドピース電圧端子及び第2のバッテリー電圧端子は、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置への回転が第2のハンドピース電圧端子を第2のバッテリ電圧端子に係合させるように、配置されていてもよい。
【0043】
ハンドピースコネクタは、第1のカプラーに隣接して配置されたキャッチを更に備えていてもよい。バッテリーは、ハウジングに支持された解除機構を更に備えていてもよく、解除機構は、固定半径方向位置の1つにおいてキャッチと係合して固定半径方向位置からの回転を拘束するように形作られたラッチを画定していてもよい。、
【0044】
ハンドピースコネクタの第1のカプラーは、初期半径方向位置において解除機構のラッチに係合し、初期半径方向位置から固定半径方向位置の1つに向かう回転がラッチ及びキャッチを係合させるまで、解除付勢要素を圧縮するように、形作られていてもよい。
【0045】
バッテリーは、ハウジングと解除機構との間に介設された解除付勢要素を更に備えていてもよく、解除付勢要素は、キャッチに対するラッチの係合を付勢するように配置されていてもよい。
【0046】
外科システムを用いる方法は、ハンドピースを準備し、加圧滅菌可能なバッテリーを準備し、バッテリーコネクタを位置決めし、バッテリーコネクタを移動させ、バッテリーを回転させることを含んでいる。ハンドピースは、ハンドピースコネクタを備え、ハンドピースコネクタは、軸を画定している。加圧滅菌可能なバッテリーは、ハンドピースコネクタに離脱可能に取り付けられるように構成されたバッテリーコネクタを備えている。バッテリーコネクタが、軸に沿って位置決めされる。バッテリーーコネクタは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタと軸方向係合するように移動される。バッテリーは、軸を中心として、初期半径方向位置から固定半径方向位置に向かってハンドピースに対して回転され、これによって、バッテリーがハンドピースに固定される。
【0047】
外科システムを用いる方法は、ハンドピースを準備し、加圧滅菌可能なバッテリーを準備し、バッテリーコネクタを位置決めし、バッテリーコネクタを移動させ、バッテリーを回転させることを含んでいる。ハンドピースは、ハンドピースコネクタを備え、ハンドピースコネクタは、ハンドピース電圧端子及びハンドピースデータ端子を画定している。ハンドピースコネクタは、軸も画定している。加圧滅菌可能なバッテリーは、バッテリー電圧端子及びバッテリーデータ端子を備えるバッテリーコネクタを備えている。バッテリーコネクタは、ハンドピースコネクタに離脱可能に取り付けられるように構成されている。バッテリーコネクタが、軸に沿って位置決めされる。バッテリーコネクタは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクと軸方向係合するように移動される。バッテリーは、初期半径方向位置から第1の固定半径方向位置に向かって軸を中心としてハンドピースに対して回転され、バッテリー電圧端子をハンドピース電圧端子に係合させる。バッテリーは、第2の固定半径方向位置に回転され、バッテリーデータ端子をハンドピースデータ端子に係合させる。第2の固定半径方向位置は、第1の固定半径方向位置よりも大きくなっている。バッテリーは、第2の固定半径方向位置よりも大きい最終半径方向位置に回転され、これによって、バッテリーがハンドピースに固定される。
【0048】
この方法は、バッテリーを回転させ、バッテリーコネクタを移動させることを更に含んでいてもよい。バッテリーは、固定半径方向位置から初期半径方向位置に向かって軸を中心としてハンドピースに対して回転されてもよい。バッテリーコネクタは、初期半径方向位置においてハンドピースコネクタとの軸方向係合を離脱するように移動され、これによって、バッテリーがハンドピースから取り外されるようになっていてもよい。
【0049】
この方法は、非対称面を備えるバッテリーハウジングを設けることを更に含んでいてもよい。
【0050】
この方法は、バッテリーハウジングに解除機構を設けることであって、解除機構のボタンが非対称面に配置されている、ことを更に含んでいてもよい。
【0051】
図1において、モジュール32をバッテリー34に離脱可能に固定するための外科システムが30で示されている。以下に更に詳細に説明するように、外科システム30は、バッテリー34と外科又は医療処置に用いられる種々の形式のモジュール32との間に「ツイストロック」方式による物理的及び電気的な接続を円滑にもたらすように構成されている。
【0052】
図2に示されるように、モジュール32は、外科処置を行うためのハンドピース36と、バッテリー34に電荷を貯蔵するための(部分図によって概略的に示される)充電器38と、又はバッテリー34によって給電され、医療従事者によって用いられるように構成された(部分図によって概略的に示される)器具40とを備えている。図3に示される代表的な実施形態では、器具40は、バッテリー34によって給電される空気循環システム42を用いるコード付き外科ハンドピースである。しかし、以下の外科システム30の更なる説明から明らかなように、バッテリー34を介して給電される他の形式の器具40も考えられる。非制限的な例によれば、器具40は、光源、カメラ、スピーカー、マイクロフォン、センサ、等を備えていてもよい。明瞭さ及び一貫性を図るために、モジュール32の以下の説明は、概して、(図面の全体を通して示され、以下に更に詳細に説明する)ハンドピース36を参照して行われる。従って、別段の指摘がない限り、本明細書に記載されるハンドピース36の種々の構成要素及び特徴の説明は、他の形式のモジュール32にも適用される。
【0053】
本明細書に示される実施形態では、外科システム30の種々の構成部品の1つ又は複数、更には全てが「滅菌可能(sterilizable)」、「加圧滅菌可能(autoclavable)」、又はオートクレーブ内において、例えば、134℃の温度で3分間繰り返し蒸気滅菌に耐えることができるものとされている。他の滅菌又はオートクレーブサイクルパラメータも考えられる。
【0054】
また、外科システム30の構成部品は、医療/外科機器の洗浄に用いられる化学洗剤に耐えるように構成されているとよい。他の実施形態では、バッテリー34及びハンドピース36は、医療機器に対する全ての周知の滅菌及び除染方法に耐えるように構成されていてもよいし、又は特定の滅菌方法及び/又は特定の除染方法のみに耐えるように構成されていてもよい。一実施形態では、「耐える(withstand)」という用語は、溶解、変形、又は分解を生じることなく除染条件下に置かれることを意味している。除染のためのいくつかの方法として、手動洗浄、(例えば、熱消毒剤による)自動消毒、蒸気滅菌、低温滅菌(例えば、Sterrad(R))、化学的消毒(例えば、接触点消毒)、(洗剤及び超極細繊維材料等による)化学的及び機械的洗浄、等が挙げられる。
【0055】
バッテリー34は、蒸気滅菌、過酸化水素滅菌、又は他の適切な滅菌技術によって滅菌されるように構成されている。「滅菌(steile)」という用語は、いったんその処理が完了したなら、バッテリ34が少なくとも10-6の滅菌保証レベル(SAL)を有することを意味している。これは、滅菌された対象物内に単一の微生物が生存する確率が100万分の1以下であることを意味している。滅菌のこの定義は、ANSUAAMI ST35-1966:「医療施設及び非臨床的設備における医療装置の安全な取扱い及び生物学的除染」に記載されている。代替的用途では、「滅菌」処理は、その処理が完了した時点において、もしバッテリー34が少なくとも10-4のSALを有していたなら、十分である。いくつかの実施形態において「滅菌」という用語を定義するために、他の規格が用いられてもよいことを理解されたい。
【0056】
以下、図1図10を参照すると、前述したように、ハンドピース36は、外科処置の実施に用いられるものであり、バッテリー34によって給電される。ハンドピース36は、外科処置と関連して用いられるのに適するどのような適切な構成のものであってもよいことを理解されたい。制限されるものではないが、ハンドピース36は、ドリル、矢状鋸、ステープラー、等として具体化することができる。ハンドピース36は、概して、本体44、ハンドピース制御装置46(図10参照)、及びハンドピースコネクタ48を備えている。以下、これらの構成部品の各々について、詳細に説明する。
【0057】
ハンドピース36の本体44は、握り部50及びシャシ52を有する略ピストル状の輪郭を有している。ハンドピースコネクタ48は、図8に示されるように、例えば、1つ又は複数の固定具54によって握り部50に動作可能に連結され、以下に詳述するように、バッテリー34に離脱可能に取り付けられるように構成されている。本体44のシャシ52は、インターフェイス56を支持している。インターフェイス56は、切断器具、ドリルビット、バー、鋸、ブレード、ステープルカートリッジ、等のような工具アクセサリを離脱可能に固定するように構成されている。図面の全体にわたって概してハンドピース36が示されているが、当業者であれば、ハンドピース36の特別の構成に依存して、インターフェイス56がチャック、往復ヘッド、ステプルドライバー、等を備えていてもよいことを理解するだろう。
【0058】
図10に示されるように、ハンドピース36は、概して、モータ58及び入力つまみ60も備えている。これらは、各々、本体44内に支持されたハンドピース制御装置46に電気的に連通して配置されている。入力つまみ60は、トリガー形状を有し、外科医による作動に応答し、ハンドピース制御装置46に連通している。モータ58は、インターフェイス56に連結され、ハンドピース制御装置46から受信した指令、信号、等に応答し、回転トルクを選択的に生成するように構成されている。従って、外科医が入力つまみ60を作動させ、ハンドピース36を始動させると、ハンドピース制御装置46は、バッテリー34から電力をモータ58に導き、これによっって、モータ58がインターフェイス56を駆動させることになる。当業者であれば、本体44、ハンドピース制御装置46、インターフェイス56、モータ58、及び入力つまみ60は、各々、バッテリー34からの電力によってハンドピース36の作動を行うのに十分な多数の異なる方法によって構成されてもよいことを理解するだろう。
【0059】
前述したように、バッテリー34は、ハンドピース36に対して電力源を供給するものである。この目的を達成するために、図6に最もよく示されるように、バッテリー34は、概して、ハウジング62、電荷を貯蔵するための再充電可能なセル64、バッテリー制御装置66、及びバッテリーコネクタ68を備えている。バッテリーコネクタ68は、動作可能にハウジング62に連結され、ハンドピースコネクタ48に離脱可能に取り付けられるように構成されている。以下、これらの構成要素の各々について詳細に説明する。本明細書に示される代表的な実施形態では、バッテリー34のハウジング62は、バッテリー34の種々の構成部品を支持するために協働する第1及び第2のハウジング構成部品62A,62Bを備えている。第1のハウジング構成部品62Aは、図示の実施形態において、バッテリーコネクタ68のいくつの部分を画定している。しかし、当業者であれば、以下の説明から、バッテリーコネクタ68は、ハウジング62と別に形成され、ハウジング62に動作可能に連結されてもよいことを理解するだろう。
【0060】
第1及び第2のハウジング構成部品62A,62Bは、繰り返し滅菌に耐えることができる継目無し接合部を形成するのに十分な多数の異なる方法によって、例えば、連動する構造特徴部、固定具、接着剤、溶接、等を用いることによって、互いに取り付けられることを理解されたい。更に、滅菌可能な(例えば、加圧滅菌可能な又は無菌的処理可能な)及び/又は圧縮可能な材料(例えば、EDPMゴム又はシリコーンゴム)から形成された1つ又は複数のガスケット、シール、O-リング、等が第1及び第2のハウジング構成部品62A,62b間に配置され、それらの間に気密バリアを形成するようになっていてもよい。バッテリー34のハウジング62は、オートクレーブサイクルに適する材料、例えば、制限されないが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルホン、等から構成されているとよいことを理解されたい。1つの形式のシール61が図6に示されている。他の形式のシール及びこれらのシールの配列も考えられる。
【0061】
バッテリー34は、多くの態様において、セル64、バッテリー制御装置66、及びバッテリー34の他の構成部品を支持する(滅菌可能にシールされた)ハウジング62を備えているが、いくつかの実施形態では、異なって設計されてもよいことを理解されたい。例えば、バッテリー34は、電気的構成部品、例えば、セルレギュレータ、FETS、レジスタ、キャパシター、プロセッサ、等を支持する回路基板を有する滅菌不可セルクラスタを用いる「無菌バッテリー(asptic battery)」として具体化されてもよい。この場合、セルクラスタは、滅菌可能なハウジング内に取外し可能に装着されるようになっている。いったんセルクラスタがハウジング内に装着されたなら、ハウジングが密封され、これによって、セルクラスタを滅菌筐体内にカプセル化することになる。無菌バッテリーアセンブリの構造の更なる理解は、米国特許第7,705,559号/国際特許出願公開第2007/090025A1号から得られるだろう。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。また、2005年10月21日に「過酷な環境に晒されるバッテリーを再充填するためのシステム及び方法」と題して出願された米国特許出願公開第2007/0090788号も参照されたい、この文献の内容も、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0062】
図示される実施形態では、バッテリー34は、パック70を画定するように協働する複数のセル64を備えている。セル64は、パック70の特別の電力出力要求を達成するために、異なって配置されてもよく、例えば、パック70の電位差を単一セル64の電位差よりも高めるために、各セル64を直列に配線してもよいことを理解されたい。しかし、当業者であれば、ハンドピース36に対して電力源をもたらすのに十分な任意の適切な形態に配列又は配置された任意の適切な数の離散セル64及び/又はセル64のパック70を用いることができることを理解するだろう。例えば、セル64は、並列に接続されてもよい。更に、セル64は、電荷を貯蔵するのに十分な任意の形式又は形態であってもよいことを理解されたい。セル64は、滅菌サイクル中に損傷されずに機能性を維持するように構成された「高温」セル64として具体化されるとよい。例えば、セル64は、どのような適切なニッケル又はリチウム化学セル、例えば、制限されないが、リチウムイオンセラミックセル、リチウムイオンリン酸オキシ窒化物セル、リチウム錫リン酸硫化物セル、等であってもよい。セル64は、滅菌サイクル中に被る損傷を最小限に抑えるために熱絶縁物を備えているとよい。熱絶縁物として、エアロゲル、例えば、ポリイミドエアロゲル、シリカエアロゲル、又はカーボンエアロゲルが挙げられる。
【0063】
セル64のパック70は、バッテリ制御装置66に電気的に連通して配置され、バッテリ制御装置66は、バッテリコネクタ68に電気的に連通して配置されている。ここで、電気的連通は、多くの異なる方法によって、例えば、半田付け、配線、又は導体材料間の物理的接触、等によって達成されることを理解されたい。図6に示される実施形態では、バッテリー制御装置66は、印刷回路基板72上に配置されている。印刷回路基板72は、バッテリーストラップ(例えば、図示されない導電材料の薄片)を介してバッテリーセルパック70に電気的に接続されるように構成されている。ストラップは、(例えば、半田付け又は溶接によって)パック70にしっかりと電気的に接続されているとよい。ストラップは、パック70と印刷回路基板72との間を電気的に接続するために印刷回路基板72上の電気的接触パッド(図示せず)に係合してもよい。接触パッドは、バッテリーコネクタ68に(図示されない)ワイヤによって接続されるとよい。他の構成も考えられる。例えば、バッテリー制御装置66は、印刷回路基板72から離間していてもよい。同様に、図示される実施形態では、印刷回路基板72は、パック70に連結されているが、パック70から離間され、ハウジング62に独立して取り付けられてもよい。
【0064】
ハンドピース制御装置46(図10参照)及びバッテリー制御装置66(図6参照)は、使用時、協働してハンドピース36を作動させる。いくつかの実施形態では、ハンドピース制御装置46は、バッテリー34及び/又はハンドピース36の種々の作動条件、パラメータ、等に基づき、ハンドピース36の作動を促進するように構成されている。非制限的な例によれば、ハンドピース制御装置46は、バッテリー34の状態条件、例えば、電圧、電流引込み、内部抵抗、充電サイクル数、及び前回充填からの経過時間等、並びにバッテリー34を他のバッテリー34から識別又は区別する特性、例えば、製造日又は点検日、シリアル番号又は製造番号、ファームウエアバージョン、充電能力、等に基づき、ハンドピース36の作動を制限、拘束、又は調整するように構成されているとよい。これらの目的を達成するために、ハンドピース制御装置46は、ハンドピース電力接続部46P、ハンドピース接地接続部46G、及びハンドピースデータ接続部46Dを有し、バッテリー制御装置66は、対応するバッテリー電力接続部66P、バッテリー接地接続部66G、及びバッテリーデータ接続部66Dを有している。ハンドピース接続部46P,46G,46Dは、以下に更に詳細に説明するように、ハンドピース36がハンドピースコネクタ48とバッテリーコネクタ68との係合によってバッテリー34に適切に固定された時、それぞれ、バッテリー接続部66P,66G,66Dに電気的に連通して配置されるように構成されている。
【0065】
また、いくつかのバッテリー34は、補足的な構成部品、例えば、内部センサ、データ収集回路、メモリー、制御プロセッサ、等を備えている。これらの構成部品は、バッテリー34が晒される環境を監視し、バッテリー34の使用に関するデータを貯蔵し、又はバッテリー34が取り付けられたハンドピース36に関するデータを貯蔵するものであるとよい。バッテリー34がこれらの補足的な構成部品の1つを備える時、信号は、バッテリーデータ接続部66Cを横切って、補足的な構成部品から受信され、及び/又は補足的な構成部品に送信されることになる。出願人は、2000年1月25日に刊行された「滅菌可能な再充填可能バッテリーパックと共に用いられると特に有用なバッテリー充電器」と題する米国第6,018.227号及び2007年4月26日に公開された「過酷な環境に晒されるバッテリーを再充填するためのシステム及び方法」と題する米国特許第9,419,462B2号/国際特許出願公開第2007/050439A2号において、これらの形式の補助的な構成部品を備えるバッテリーを開示している。なお、これらの開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0066】
本明細書に示される代表的な実施形態は、ハンドピースコネクタ48及びバッテリーコネクタ68の物理的な接触によるハンドピース36とバッテリー34との間の電気的な連通を促進することに向けられているが、電気的な連通は、多数の異なる方法によって行われてもよいことを理解されたい。非制限的な例によれば、ハンドピースデータ接続部46Dとバッテリーデータ接続部66Dとの間の電気的な連通は、データ及び/又は情報を無線によって交換するように構成された送信機及び受信機を用いて行われてもよい。この目的を達成するために、近距離無線通信(NFC)、無線識別(RFID)、Wi-Fi(R)、ブルートゥース(登録商標)、等の1つ又は複数を用いて、ハンドピース36のハンドピースデータ接続部46Dとバッテリー34のバッテリーデータ接続部66Dとの間の無線による連通を行うようになっていてもよい。
【0067】
以下に更に詳細に説明するように、ハンドピース及びバッテリー電力接続部46P,66P及びハンドピース及びバッテリー接地接続部46G,66Gを介するバッテリー34から固定されたハンドピース36への電力の伝達を促進するために、ハンドピースコネクタ48とバッテリーコネクタ68との間の物理的な接触が用いられるとよい。また、モジュール32がハンドピースコネクタ48と同じようにバッテリーコネクタ68に接続される充電器38である場合(図2参照)、バッテリー34を充電するために、この物理的接触が用いられてもよい。しかし、当業者であれば、バッテリー34は、種々の方法によって、例えば、バッテリーコネクタ68と接触する充電器38に物理的/電気的に接続されない方法によって充電されてもよいことを理解するだろう。非制限的な例によれば、バッテリー34は、無線による誘導充電を行うように構成された充電コイル(図示せず)を用いることもできる。他の構成も考えられる。
【0068】
前述したように、外科システム30は、「ツイストロック(twist-lock)」によってバッテリーコネクタ68及びハンドピースコネクタ48を介してバッテリー34とハンドピース36との間に物理的及び電気的連通を円滑に達成するように構成されている。この目的を達成するために、図8図10に最もよく示されるように、ハンドピースコネクタ48は、第1のカプラー74、第1のハンドピース端子76A、第2のハンドピース端子76B、及び第3のハンドピース端子76Cを備えている。代替的に、第1のハンドピース端子76A及び第3のハンドピース端子76Cは、それぞれ、ハンドピース電力端子76A及びハンドピース接地端子76Cとして特徴付けられてもよい。更に代替的に、端子76A,76Cは、概して、ハンドピース電圧端子76A,76Cとして特定されてもよい。代替的に、第2のハンドピース端子76Bは、ハンドピースデータ端子76Bとして特定されてもよい。同様に、図4図6に最もよく示されるように、バッテリーコネクタ68は、第1のカプラー74と回転可能に係合するように構成された第2のカプラー78、第1のバッテリー端子80A、第2のバッテリー端子80B、及び第3のバッテリー端子80Cを備えている。代替的に、第1のバッテリー端子80A及び第3のバッテリー端子80Cは、それぞれ、バッテリー電力端子80A及びバッテリー接地端子80Cとして特徴付けられてもよい。更に代替的に、端子80A,80Cは、概して、バッテリー電圧端子80A,80Cとして特定されてもよい。代替的に、第2のバッテリ端子80Bは、バッテリーデータ端子80Bとして特定されてもよい。以下、これらの構成部品の各々について詳細に説明する。
【0069】
以下、図11A図11Cを参照すると、バッテリー34とハンドピース36との間の「ツイストロック」接続を行うためのいくつかのステップが連続的に示されている。図11Aは、バッテリー34の斜視図を示している。図において、バッテリーコネクタ68の第2のカプラー78は、軸AXを画定し、この軸AXを中心としてバッテリー端子80A,80B,80Cが配置されている。図11Bは、バッテリー34の上方に位置するハンドピース36を示している。ハンドピースコネクタ48の第1のカプラー74は、軸AXを中心として位置合せされ、バッテリーコネクタ68に対して初期半径方向位置IRPに配置されている。図11Cは、初期半径方向位置IRPに配置された状態で軸AXに沿ってバッテリー34に向かって移動したハンドピース36を示している(図11C図11Bと比較されたい)。以下に更に詳細に説明するように、第2のカプラー78は、初期半径方向位置IRPにおいて第1のカプラー74を受け入れると共に初期半径方向位置IRPにおいて軸AXに沿ってバッテリー34とハンドピース36との間の相対的な軸方向移動を可能にするように、構成されている。
【0070】
いったんバッテリーコネクタ68が図11Cに示されるように初期半径方向位置IRPにおいてハンドピースコネクタ48を受け入れたなら、初期半径方向位置IRPから図11D及び図11Eに示される(バッテリー34とハンドピース36との間の相対的な軸方向移動が拘束される)複数の異なる固定半径方向位置へのハンドピース36に対するバッテリー34の回転が可能になる。複数の異なる固定半径方向位置として、第1の固定半径方向位置SRP1(図11D図12C参照)、第2の固定半径方向位置SRDP2(図12D参照)、及び最終固定半径方向位置SRPF(図11E図12E参照)が挙げられる。以下、これらの固定半径方向位置の各々について、図12A図12Eを参照して、更に詳細に説明する。追加的な固定位置も考えられる。
【0071】
図面の全体にわたって示される代表的な実施形態において、第1の固定半径方向位置SRP1は、第1のハンドピース端子76Aと第1のバッテリー端子80Aとの間に生じる初期係合によって画定され(図12C参照)、第2の固定半径方向位置SRP2は、第2のハンドピース端子76Bと第2のバッテリ端子80Bとの間に生じる初期係合によって画定される(図12D参照)。しかし、以下の説明から明らかなように、第1及び第2の固定半径方向位置SRP1,SRP2は、(バッテリー34とハンドピース36との間の相対的な移動が拘束される)ハンドピースコネクタ48とバッテリーコネクタ68との間の任意の適切な方位に基づく多数の異なる形態によって画定されてもよい。
【0072】
図4図12Eを参照すると、ハンドピースコネクタ48のハンドピース端子76A,76B,76C及びバッテリーコネクタ68のバッテリー端子80A,80B,80Cは、各々、以下のように、すなわち、第2のカプラー78が第1のカプラー74を受け入れている初期半径方向位置IRP(図12B参照)から第1の固定半径方向位置SRP1(図12C参照)への回転によって、第1のハンドピース端子76Aが第1のバッテリーコネクタ80Aに係合し、第1の固定半径方向位置SRP1(図12C参照)から第2の固定半径方向位置SRP2(図12D参照)への回転によって、(第1のハンドピース端子76Aと第1のバッテリー端子80Aとの係合を維持しながら)第2のハンドピース端子76Bが第2のバッテリー端子80Bに係合するように、配置されている。従って、ハンドピース36に対するバッテリー34の回転中、第1の端子76A,80Aの係合は、第2の端子78B,80Bの係合の前に生じる。図示の実施形態では、第3の端子76C,80Cの係合は、第1の端子76A,80Aと同時に生じるので、第2の端子78A,80Aの係合の前に生じることになる。
【0073】
前述の端子76A,76B,76C,80A,80B,80Cの配置によって、ハンピース36とバッテリー34との間の電気的連通が特定の順序で生じることを理解されたい。非制限的な例によれば、一実施形態において、第1のハンドピース端子76A、すなわち、ハンドピース電力端子は、ハンドピース電力接続部46Pに電気的に連結され、第1のバッテリー端子80A、すなわち、バッテリー電力端子は、バッテリー電力接続部66Bに電気的に連結されている。また、第2のハンドピース端子76B、すなわち、ハンドピースデータ端子は、ハンドピースデータ接続部46Dに電気的に連結され、第2のバッテリー端子80B、すなわち、バッテリーデータ端子は、バッテリーデータ接続部66Dに電気的に連結されている。更に、第3のハンドピース端子76C、すなわち、ハンドピース接地端子は、ハンドピース接地接続部46Gに電気的に連結され、第3のバッテリー端子80C、すなわち、バッテリー接地端子は、バッテリー接地接続部66Gに電気的に連結されている。ここで、初期半径方向位置IRP(図12B参照)から第1の固定半径方向位置SRP1(図12C参照)への回転が行われると、第1のハンドピース端子76Aが第1のバッテリー端子80Aに係合し、ハンドピース電力接続部46Pがバッテリー電力接続部66Pに電気的に連結され、第3のハンドピース端子76Cが第3のバッテリー端子80Cに係合し、ハンドピース接地接続部46Gがバッテリー接地接続部66Gに電気的に連結される。しかし、初期半径方向位置IRPにおいて、第2のハンドピース端子76Bは、第2のバッテリー端子80Bとの係合から外れた位置にとどまっており、これによって、第1の固定半径方向位置SRP1において、ハンドピースデータ接続部46Dとバッテリーデータ接続部66Dとの間に電気的連通が生じないことになる。換言すれば、データがバッテリー34とハンドピース36との間に通信する前に、電力接続及び接地接続がバッテリー34とハンドピース36との間に確立され、セル64とハンドピース制御装置48との間の電力の伝達が可能になる。バッテリー34とハンドピース36との間のデータ通信は、第1の固定半径方向位置SRP1(図12C参照)から第2の固定半径方向位置SRP2(図12D参照)への後続の回転が行われた後に生じる。
【0074】
図13を参照すると、データ通信の前に電力接続及び接地接続がバッテリー34とハンドピース36との間に確立されることを確実なものとするために、一実施形態では、第1のハンドピース端子76A及び第2のハンドピース端子76Bは、ハンドピース端子円弧長さAL1だけ軸AXを中心として半径方向において互いに離間し、第1のバッテリー端子80A及び第2のバッテリー端子80Bは、(ハンドピース端子円弧長さALLと異なる)バッテリー端子円弧長さAL2だけ軸AXを中心として半径方向において互いに離間している。図13に示される代表的な実施形態では、バッテリー端子80A,80B,80Cは、半径方向において軸AXを中心として互いに等距離に離間し、ハンドピース端子76A,76B,76Cは、半径方向において軸AXを中心として互いに非等距離に離間している。この配置によって、ハンドピース端子円弧長さAL1とバッテリー端子円弧長さAL2との間の差が生じることになる。しかし、当業者であれば、ハンドピース端子76A,76B,76C及び/又はバッテリー端子80A,80B,80Cの他の配置が用いられてもよいことを理解するだろう。
【0075】
図8図10を参照すると、ハンドピースコネクタ48の第1のカプラー74は、第1のカプラー部材82、端子リテーナ84、及び1つ又は複数の付勢要素86を備えているとよい。図10に示される代表的な実施形態では、第1のカプラー部材82は、フランジ部88及びソケット部90を有している。フランジ部88は、平坦な略環形状を有し、前述したようにハンドピース36の本体に取り付けられるように構成されている。ソケット部90は、フランジ部88から第1のカプラー端92に延在し、第1のカプラー外面94及び第1のカプラー内面96を画定する略テーパ付き円筒輪郭を有している。第1のカプラー外面94及び第1のカプラー内面96は、各々、第2のカプラー78への第1のカプラー74の係合を案内するように形作られている。ハンドピース端子76A,76B,76Cは、ソケット部90内に配置されている(図9参照)。また、第1のカプラー74は、第1のカプラー外面94から外方に延在する複数のタブ98A,98B,98C,98Dを備えている。複数、例えば、3つの位置合せタブ98A,98B,98Cは、軸AXを中心として半径方向において互いに離間し、以下に更に詳細に説明するように、初期半径方向位置において、バッテリー34及びハンドピース36の適切な位置合せを確実なものとする。停止タブ98Dは、以下に更に詳細に説明するように、ハンドピース36に対するバッテリー34の相対的な回転割出しをSRPF位置に制限するように軸方向及び半径方向に配置されている。
【0076】
図10を更に参照すると、端子リテーナ84は、ハンドピース端子76A,76B,76Cを支持し、ハンドピース36の第1のカプラー部材82と本体44との間に配置されている。端子リテーナ84は、位置合せキー100を備えている。位置合せキー100は、ハンドピース36の第1のカプラーー部材82及び本体44内にそれぞれ形成された対応するように形作られた位置合せポケット102,104内に配置されるように形作られ、タブ98A,98B,98Cに対するハンドピース端子76A,76B,76Cの適切な位置合せを確実なものとする。付勢要素86は、同様に、ハンドピース36の第1のカプラー部材82と本体44との間に介在し、第1のカプラー部材82のフランジ部88内に画定された別の付勢開口106内に着座している。図示される実施形態では、付勢要素86は、各々、湾曲した、略矩形状の輪郭を有し、バッテリーコネクタ68の部分に係合し、ハンドピースコネクタ48を軸AXに沿ってバッテリーコネクタ68から離れる方に付勢するように構成され、これによって、固定半径方向位置SRP1,SRP2から不注意による回転を防ぎ、バッテリー34とハンドピース36との間の回転中に一貫した触覚をもたらすことになる。また、付勢要素86は、使用中のハンドピース36とバッテリ034との間の騒音及び/又は振動を減衰し、その結果、取扱いの快適さを改良し、またハンドピース端子76A,76B,76C及び/又はバッテリー端子80A,80B,80Cの1つ又は複数の間の生じることがある構成部品の摩耗を低減させる。
【0077】
図4図7を参照すると、ここに示される代表的な実施形態では、バッテリーコネクタ68の第2のカプラー78は、第2のカプラー部材108と、第2のカプラー部材108に隣接して形成された第2のカプラー通路110とを備えている(図5参照)。第2のカプラー部材108は、ハンドピースコネクタ48の第1のカプラー内面96に係合するように形作られた第2のカプラー部材面112を画定している。第2のカプラー通路110は、ハンドピース48の第1のカプラー外面94に係合するように形作られた通路内面114を画定している。従って、ハンドピースコネクタ48の第1のカプラー74のソケット部90は、バッテリーコネクタ68の第2のカプラー78の第2のカプラー通路110内に配置されるように形作られている。ここで、第2のカプラー部材108は、第1のカプラー74のソケット部90と相補的に形作られたテーパ付きの略円筒状の輪郭を有し、これによって、バッテリーコネクタ68へのハンドピースコネクタ48の係合を案内することになる。他の輪郭も考えられる。
【0078】
図5に最もよく示されるように、バッテリーコネクタ68の第2のカプラー78の第2のカプラー部材108は、第2のカプラー端116に延在している。バッテリー端子80A,80B,80Cを収容する複数のレセプタクル118A,118B,118Cが、第2のカプラ端116内に形成されている。更に詳細には、レセプタクル118A,118B,118Cは、各々、挿入部120及び係合部122を有している。バッテリー端子80A,80B、80Cは、それぞれ、レセプタクル118A,118B,118Cの係合部122内に着座し、挿入部120から離間している。挿入部120は、それぞれ、初期半径方向位置(図12B参照)においてハンドピース端子76A,76B,76Cを軸方向において受け入れるように形作られている。レセプタクル118A,118B,118Cの各々の挿入部120及び係合部122は、互いに連通しており、初期半径方向位置IRP(図12B)から複数の固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPF(図12C図12E図14A図14C参照)の1つ又は複数へのハンドピース端子76A,76B,76Cの移動を可能にする。
【0079】
図5を更に参照すると、バッテリーコネクタ68は、第2のカプラー78に隣接して形成された複数の長孔124A,124B,124Cを備えている。これらの長孔124A,124B,124Cは、初期半径方向位置IRP(図12B参照)においてハンドピースコネクタ48のそれぞれのタブ98A,98B,98Cを受け入れ、初期半径方向位置IRPと複数の固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPFとの間のハンドピース36に対するバッテリー34の回転を可能にするためのものである。この目的を達成するために、長孔124A,124B,124Cの各々は、初期半径方向位置IRPにおいてハンドピースコネクタ48のそれぞれのタブ98A,98B,98Cを受け入れる軸方向部分126と、複数の固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPFにおいてハンドピースコネクタ48のそれぞれのタブ98A,98B,98Cを受け入れるために軸方向部分126に隣接して且つ連通する半径方向部分128とを備えている。
【0080】
長孔124A,124B,124Cの各々の半径方向部分128は、長孔固定面130を画定している。長孔固定面130は、前述したようにバッテリー34とハンドピース36との間の相対的な軸方向移動を阻止するために、固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPFにおいてタブ98A,98B,98Cのそれぞれに係合するように形作られている。この目的を達成するために、図9に最もよく示されるように、タブ98A,98B,98Cの各々は、タブ固定面132を画定している。タブ固定面132は、タブ98A,98B,98Cが長孔124A,124B,124Cの半径方向部分128内に配置された時、長孔124A,124B,124Cの各々によって画定された長孔固定面130に当接するように配置されている(図12C図12Bと比較されたい)。いくつかの実施形態では、ハンドピースコネクタ48のタブ98A,98B,98Cは、各々、移行面取り部134(図9参照)を備えている。移行面取り部134は、初期半径方向位置IRP(図12B参照)から複数の固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPF(図12C図12E参照)の1つへの移動を容易にするように形作られている。一実施形態では、長孔124A,124B,124Cの1つ、例えば、長孔124Cの半径方向部分128は、(図7及び図12A図12Eに仮想線に示される)長孔停止面136Cを画定している。長孔停止面136Cは、最終固定半径方向位置SRPF(図12E参照)において、タブ98A,98B,98Cの対応する1つ、例えば、98Cのタブ停止面138C(図12B図12E参照)に当接するように形作られている。このような実施形態では、ハンドピース停止タブ98D及びバッテリー停止タブ129は、以下に述べるように、必ずしも必要ではない。面136C,138C間の接触が必要ではない代替的構成では、バッテリー停止タブ139が通路内面114から軸AXに向かって突出し、バッテリー停止面136Dを画定する。一方、ハンドピース停止タブ98Dが面94から(軸AXから離れる方に)外方に延在し、ハンドピース停止面138Dを画定する。タブ139、98Dは、いずれも実質的に立方体として示されているが、面136D,138Dから離れる方に延在する代替的形状(例えば、三角形、円弧)を有していてもよい。面136D,138Dは、軸AXから延在する共面であるとよい。ハンドピース停止タブ98D及びバッテリー停止タブ139は、ハンドピース停止面138D及びバッテリー停止面136Dと真っ直ぐに並ぶようにそれらの面上に軸方向及び半径方向に配置されている。ハンドピース停止面138D及びバッテリー停止面136Dは、図12Eに示されるように、最終固定半径方向位置SRPFにおいて互いに係合している。この代替的実施形態では、長孔124Cの半径方向部分128の端は、面136Cが位置する箇所を超え、面138Cと長孔124Cの端との間に間隙が生じている。タブ98A,98Bの対応する面及び長孔124A,124Bの端についても同様である。
【0081】
図2図13を参照すると、前述したように、タブ98A,98B,98Cは、長孔124A,124B,124Cと協働し、初期半径方向位置IRPにおいて軸AXに沿ったハンドピースコネクタ48とバッテリーコネクタ68との間の軸方向係合を促進するようになっている。図面の全体に示される代表的な実施形態では、第1のタブ98Bは、第2及び第3のタブ98B,98Cと異なって形作られ、第1の長孔124Aも同様に、第2及び第3の長孔124B,124Cと異なって形作られ、これによって、ハンドピースコネクタ48の第1のタブ98Aがバッテリーコネクタ68の第2又は第3の長孔124B,124C内に受け入れられるのを阻止する。この目的を達成するために、第2及び第3の長孔124B,124Cは、第1の長孔124Aよりも小さくなっている(図13参照)。従って、軸AXに沿ったハンドピース36とバッテリー34との間の軸方向係合は、初期半径方向位置IRPに制限されるが、これは、第1のタブ98Aが第1の長孔124Aに適切に位置合せされた時に達成される(図12B参照)。
【0082】
初期半径方向位置IRP以外における軸方向係合を阻止するために、タブ98A,98B,98C及び/又は長孔124A,124B,124Cの他の配置及び構成が用いられてもよいことを理解されたい。非制限的な例によれば、タブ98A,98B,98C及び長孔124A,124B,124Cの各々が同じ寸法を有することも考えられるが、この場合、初期半径方向位置IRP以外における軸方向係合を阻止するように半径方向に互いに離間されるとよく、例えば、互いに非等距離に離間されるとよい。例示的な実施形態では、3つのタブ98A,98B,98C及び3つの対応する長孔124A,124B,124Cが示されているが、当業者であれば、初期半径方向位置IRPにおける軸方向係合を容易にし、固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPFにおける相対的な軸方向移動を拘束するのに適切な種々の構成及び配置を有する種々の数のタブ及び長孔が考えられてもよいことを理解されたい。
【0083】
タブ98A,98B,98C及び長孔124A,124B,124Cの配置及び構成にによって、バッテリー34及びハンドピース36が互いに固定される時の(例えば、初期半径方向位置IRPから外れた不適切な位置合わせによって生じる)ハンドピース端子76A,76B,76Cとバッテリー端子80A,80B,80Cとの間の不注意による接触が防がれることを理解されたい。図5に示されるように、不注意による接触を更に防ぐために、バッテリー端子80A,80B,80Cの各々は、バッテリー端子端140に向かって軸方向に延在しているが、バッテリー端子端140は、バッテリー端子端140と第2のカプラー端116との間に画定されたバッテリー端子間隙142だけバッテリーコネクタ68の第2のカプラー端116から離間している。同様に、図9に示されるように、ハンドピース端子76A,76B,76Cの各々は、ハンドピース端子端144まで軸方向に延在しているが、ハンドピース端子端144は、ハンドピース端子端144と第1のカプラー端92との間に画定されたハンドピース端子間隙146だけハンドピースコネクタ48の第1のカプラー端92から離間している。バッテリー端子間隙142及びハンドピース端子間隙146の存在によって、バッテリー端子80A,80B,80Cとハンドピース端子76A,76B,76Cとの間に生じる不注意による接触が更に防がれることになる。
【0084】
図14A図14Cを参照すると、1つのハンドピース端子76A及び1つのバッテリー端子80Aが示されている。図14Aにおいて、ハンドピース76Aは、図11Bに示されるように軸AXに沿ってバッテリー端子80Aから離間し、初期半径方向位置IRPに配置されている。図14Bは、図11Cに示されるように(初期半径方向位置IRPにおいて)軸AXに沿ってバッテリー端子80Aに隣接して配置されたハンドピース76Aを示している。第2のカプラー78は、図14A図14Cに示されていないが、図14Bに示されるハンドピース端子76Aは、この配置においてレセプタクル118A,118B,118Cの1つの挿入部120内に収容されることを理解されたい。図14Cは、最終固定半径方向位置SRPFにおいて、図11Eに示されるように配置されたバッテリー端子80Aに係合されたハンドピース端子76Aを示している。
【0085】
図14A図14Cに示される例示的な実施形態では、ハンドピース端子76A.76B,76Cの各々は、略円弧状の矩形輪郭を有し、バッテリ端子80A,80B,80Cの各々は、1対のアーム148を備えている。1対のアーム148は、それらの間にハンドピース端子76A,76B,76Cの1つを受け入れるように構成されている。各バッテリ端子80A、80B,80Cは、互いに対して弾性的に付勢され、ハンドピース端子76A,76B,76Cに対する繰り返し係合及び脱係合を容易にし、同時に、バッテリー34がハンドピース36に固定された時に適切な電気的接触が確実に達成されるようになっている。代表的な実施形態では、アーム148の各々は、複数のフィンガー150を備えている。これらのフィンガー150の各々は、ハンドピース端子76A,76B,76Cの1つと係合するように配置されている。具体的には、各アーム148は、ハンドピース端子A,76B,76Cに係合するように協働する3つのフィンガー150を備えている。他の構成も考えられる。
【0086】
図4図15Cを参照すると、外科システム30は、最終半径方向位置SRPFから外れる不注意による回転を防ぐために、図15Aにおいて152で総称的に示されるロックを備えている。この目的を達成するために、例示的な一実施形態では、ハンドピースコネクタ48は、第1のカプラー74(図8図9参照)に隣接して配置されるキャッチ154を備え、バッテリー34は、ハウジング62(図6図7参照)内に支持される解除機構156を備えている。解除機構156は、ラッチ158を画定している。ラッチ158は、最終固定半径方向位置SRPFにおいてキャッチ154に受け入れられ且つキャッチ154に係合し、最終固定半径方向位置SRPFから離れる方への更なる回転を拘束するように形作られている。図9に示されるように、キャッチ154は、第1のカプラー部材82の第1のカプラー端92に形成され、第1のタブ98Aに隣接して配置される略矩形輪郭を有している。図4図7に示されるように、解除機構156のラッチ158も同様の矩形輪郭を有している。また、解除機構156は、総称的に160で表されるボタンを画定している。ボタン160は、ハウジング62の第1のハウジング構成部品62Aの非対称面163に形成されたボタン開口162を貫通し、外科医又は他のユーザーがハンドピース36からのバッテリー34の離脱を行うための作動に適するように配置されている。非対称面163は、軸AXから第1のハウジング構成部品62Aの他の略上面よりも更に延在する略上面、すなわち、略上向き面である。非対称面163は、掴み部50から遠位側前方に延在している。本明細書に用いられる「遠位側(distally)」という用語は、システム30の外科医又は他のユーザーから離れる方向を指している。解除付勢要素164、例えば、コイルバネがハウジング62と解除機構156との間に介在し、ラッチう158をキャッチ154と係合させるように付勢するように配置されているとよい。
【0087】
図15A図15Cを参照すると、ロック152の操作を連続的に示すためのハンドピースコネクタ48及びバッテリーコネクタ68の部分の概略図が示されている。図15Aにおいて、ハンドピースコネクタ48は、図11Bに示されるように、初期半径方向位置IRPに配置され、軸AXに沿ってバッテリコネクタ68から離間している。図15Bにおいて、ハンドピースコネクタ48は、図11Cに示されるように、初期半径方向位置IRPに配置され、軸AXに沿ってバッテリーコネクタ68に係合している。図15Bにおいて、ハンドピースコネクタ48の第1のカプラー74の第1のカプラー端92が解除機構156のラッチ158と係合し、初期半径方向位置IRPから最終半径方向位置SRPFへの後続の回転がラッチ158及びキャッチ154を互いに係合させ、これによって、図15Cに示されるように、最終固定半径方向位置SRPFヘの回転に応じてロック152を「自己作動(self-actuating)」させる(図15Bと比較されたい)まで、解除付勢要素164を圧縮する(図15B図15Aと比較されたい)。従って、ボタン160が押し下げられ、ラッチ158をキャッチ154から離脱させるまで、最終固定半径方向位置SRPFから外れる回転が拘束される。
【0088】
前述の外科システム30を用いる方法が本明細書に開示されている。この方法は、軸AXを画定するハンドピースコネクタ48を備えるハンドピース36を準備するステップと、ハンドピースコネクタ48に離脱可能に取り付けられるように構成されたバッテリーコネクタ68を備える加圧滅菌可能なバッテリー34を準備するステップと、バッテリーコネクタ68を軸AXに沿って位置決めするステップと、初期半径方向位置IRPにおいてバッテリーコネクタ68をハンドピースコネクタ48と軸方向において係合させるように移動させるステップと、バッテリー34を軸AXを中心としてハンドピース36に対して初期半径方向位置IRPから固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRPFに回転させ、バッテリー34をハンドピース36に固定するステップとを含んでいる。一実施形態において、この方法は、軸AXを中心としてバッテリー34をハンドピース36に対して固定半径方向位置SRP1,SRP2,SRP2から初期半径方向位置IRPに回転させるステップと、初期半径方向位置IRPにおいてバッテリーコネクタ68をハンドピースコネクタ48との軸方向係合から離脱させ、バッテリー34をハンドピース36から取り出すステップを更に含んでいる。外科システム30を用いる他の方法も考えられる。
【0089】
本明細書に記載される外科システムは、外科用ハンドピース36及び他のモジュール32、例えば、充電器38,器具40、及び外科及び/又は医療処置及び手術に関連して用いられる他の工具に対するバッテリー34の接続に著しい利点をもたらすものである。具体的には、ハンドピースコネクタ48及びバッテリーコネクタ68の構成によって、バッテリー34及びハンドピース36が簡単、確実、且つ効率的なツイストロック(twist-lock)によって互いに離脱可能に取り付けられることが可能になる。更に、多くの異なる条件下において、例えば、無菌手袋を着用した外科医又は他のユーザーがバッテリー34をハンドピース36から取り外すことを試みる条件下において、(安全性及び/又は取扱いの課題となる)外科医システム30の構成部品を損傷又は変形させる可能性のある過剰な力を必要とすることなく、バッテリー34とハンドピース36との間の離脱可能な取付けを行うことができる。
【0090】
更に、本明細書に記載される外科システム30によってもたらされる「ツイストロック」接続は、バッテリー34とハンドピース36との間の一貫した信頼性の高い物理的接続をもたらし、同時に、使用中バッテリー34とハンドピース36との間の信頼性の高い電気的連通を確実にすることを理解されたい。ここで、ハンドピースコネクタ48とバッテリーコネクタ68の構成によって、データ接続が確立される前に、バッテリ34とハンドピース36との間に電力連通及び接地連通が達成され、これによって、ハンドピース制御装置48及びバッテリー制御装置66は、使用中に適切に連通し、相互作用し、且つ機能することになる。加えて、ハンドピースコネクタ48及びバッテリーコネクタ68は、協働して、ハンドピース端子76A,76B,76Cとバッテリー端子80A,80B,80Cとの間の不注意による接触を確実に避けるようになっている。
【0091】
「備える(include, includes, including)」という用語は、「備える(comprise, comorises, comprising)」という用語と同じ意味を有することを更に理解されたい。更に、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」等の用語は、本明細書において、明瞭性及び一貫性をもたらすための非制限な例示を目的とし、いくつかの構造学的特徴及び構造要素を区別するために用いられることを理解されたい。
【0092】
以上、いくつかの実施形態について検討した。しかし、本明細書において検討した実施形態は、包括的であることを意図するものではなく、又は本発明をどのような特定の形態に制限することを意図するものでもない。例えば、バッテリー及びハンドピースの各々の電圧端子の1つがデータ端子と共に軸AXの中心に位置し、電圧端子の他方が前述したように軸AXから離間していてもよい。用いられる専門用語は、制限するための語句というよりも説明するための語句であることが意図されている。前述の示唆に照らして多くの修正及び変更が可能であり、本発明は、具体的に記載されている以外の形態で実施されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C