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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】電気接続箱の接続構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20221207BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221207BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20221207BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 610A
H01M50/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020047647
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021151054
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 一輝
(72)【発明者】
【氏名】大石 慎也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 千尋
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 広尊
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健佑
(72)【発明者】
【氏名】石原 達大
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-038914(JP,A)
【文献】特開2005-247064(JP,A)
【文献】特開平11-099832(JP,A)
【文献】特開2012-214172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して固定されており、かつ貫通孔が形成されている第一筐体と、
前記第一筐体によって保持される電子部品と、
導体と、前記導体を保持するハウジングと、を有し、前記貫通孔に挿通される端子台と、
前記第一筐体によって保持され、前記電子部品と前記導体とを接続するバスバと、
前記第一筐体によって保持されるボルトと、
を備え、
前記導体は、前記貫通孔に対して前記貫通孔が前記第一筐体を貫通する貫通方向の一方側に位置する第一端子部と、前記第一筐体から前記貫通方向の他方側に向けて突出しており、電線に接続される第二端子部と、を有し、
前記第一端子部は、前記ハウジングから前記貫通方向と直交する方向に突出しており、
前記ボルトは、前記バスバおよび前記第一端子部に挿通され、かつナットと共に前記導体と前記バスバとを共締めし、
前記端子台は、前記ボルトを介して前記第一筐体によって支持される
ことを特徴とする電気接続箱の接続構造。
【請求項2】
前記車両は、車室の床を構成する内装材よりも下方に配置された電池パックを有し、
前記第一筐体は、前記電池パックの筐体である第二筐体の内部に収容され、前記第二筐体を介して前記車両に対して固定され、
前記端子台は、前記第二筐体の底壁を貫通しており、前記第二端子部は、前記底壁から下方に突出している
請求項1に記載の電気接続箱の接続構造。
【請求項3】
前記底壁は、前記車両のフロアパネルである
請求項2に記載の電気接続箱の接続構造。
【請求項4】
前記底壁は、前記電池パックを支持する第一支持部、および前記第一筐体を支持する第二支持部を有し、
前記第二支持部は、前記第一支持部よりも車両上下方向の上側に位置し、
前記端子台は、前記第二支持部を貫通している
請求項2または3に記載の電気接続箱の接続構造。
【請求項5】
前記車両は、車室の床を構成する内装材よりも下方に配置された電池パックを有し、
前記第一筐体は、前記内装材と前記車両のフロアパネルとの間に配置され、
前記端子台は、前記フロアパネルを貫通しており、前記第二端子部は、前記フロアパネルから下方に突出している
請求項1に記載の電気接続箱の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子台が設けられた電気接続箱がある。特許文献1には、絶縁性の内側カバーの上面側にバスバーが配置され、該内側カバーに外側カバーが装着され、該内側カバーや外側カバーに外部電線接続用の端子台が設けられた電気接続箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-50770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気接続箱において、筐体の外部で電線と接続できる構成が検討されている。例えば、電線の配索スペースが筐体よりも下方である場合に、電線と電気接続箱とを接続する作業の効率向上が可能となる。
【0005】
本発明の目的は、筐体の外部で電線と接続できる電気接続箱の接続構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気接続箱の接続構造は、車両に対して固定されており、かつ貫通孔が形成されている第一筐体と、前記貫通孔に挿通されており、導体を有し、前記第一筐体によって支持されている端子台と、を備え、前記導体は、前記貫通孔に対して前記貫通孔が前記第一筐体を貫通する貫通方向の一方側に位置する第一端子部と、前記第一筐体から前記貫通方向の他方側に向けて突出しており、電線に接続される第二端子部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電気接続箱の接続構造は、貫通孔が形成されている第一筐体と、貫通孔に挿通されており、導体を有し、第一筐体によって支持されている端子台と、を備える。導体は、貫通孔に対して貫通孔が第一筐体を貫通する貫通方向の一方側に位置する第一端子部と、第一筐体から貫通方向の他方側に向けて突出しており、電線に接続される第二端子部と、を有する。本発明に係る電気接続箱の接続構造によれば、電気接続箱の筐体の外部で電線と接続できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の平面図である。
図3図3は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の側面図である。
図4図4は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の分解斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るアッパカバーの斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る端子台の斜視図である。
図7図7は、筐体に対する端子台の組み付けを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る電気接続箱の接続構造につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものおよび実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から図7を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、電気接続箱の接続構造に関する。図1は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の斜視図、図2は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の平面図、図3は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の側面図、図4は、実施形態に係る電気接続箱の接続構造の分解斜視図、図5は、実施形態に係るアッパカバーの斜視図、図6は、実施形態に係る端子台の斜視図、図7は、筐体に対する端子台の組み付けを示す斜視図である。
【0011】
図1から図4に示すように、本実施形態に係る電気接続箱の接続構造1は、電気接続箱10における電線Wと接続される部分の接続構造である。電気接続箱の接続構造1は、第一筐体2と、端子台3と、を有する。電気接続箱10は、第一筐体2と、バスバ7と、ボルト53,54と、電子部品6と、を有する。なお、電気接続箱10は、端子台3を含んでいてもよい。図4に示すように、第一筐体2は、アッパカバー4およびロアカバー5を有する。以下の説明において、「上側」および「上方」は、車両上下方向Zにおける上側および上方を意味するものとする。また、「下側」および「下方」は、車両上下方向Zにおける下側および下方を意味するものとする。電気接続箱10は、例えば、アッパカバー4がロアカバー5に対して車両上下方向Zの上側に位置する姿勢で車両100に搭載される。本実施形態では、電気接続箱10がこのような姿勢で車両100に搭載されるものとして各部について説明する。
【0012】
例示されたアッパカバー4は、略直方体の形状を有しており、かつ下方に向けて開口している。アッパカバー4は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって成型される。図4および図5に示すように、アッパカバー4は、頂壁40、側壁41、仕切壁42、および保持部43を有する。頂壁40は、車両上下方向Zにおいてロアカバー5と対向する壁部である。側壁41は、角筒状の壁部であり、頂壁40の縁部から下方に向けて立設されている。側壁41は、第一側壁41a、第二側壁41b、第三側壁41c、および第四側壁41dを有する。
【0013】
第一側壁41aおよび第二側壁41bは、第一方向Xに沿って延在している。第一方向Xは、頂壁40の長手方向である。本実施形態において、第一方向Xは、車両上下方向Zに対して直交している。第三側壁41cおよび第四側壁41dは、第二方向Yに沿って延在している。第二方向Yは、頂壁40の短手方向である。第二方向Yは、車両上下方向Zおよび第一方向Xのそれぞれに対して直交している。側壁41の下端には、側方に向けて突出した複数の固定部41eが設けられている。固定部41eは、ボルト等の締結部材が挿通される孔41fを有する。
【0014】
図5に示すように、仕切壁42は、頂壁40から立設されており、第二方向Yに沿って延在している。仕切壁42は、第一側壁41aと第二側壁41bとをつないでいる。アッパカバー4の内部空間は、仕切壁42によって、第一方向Xの一方側の第一空間部4aと第一方向Xの他方側の第二空間部4bとに仕切られている。第一空間部4aは、ロアカバー5によって閉塞される。一方、第二空間部4bは、下方に向けて開放している。
【0015】
保持部43は、電子部品6を保持する部分である。電子部品6は、例えば、リレーである。保持部43は、頂壁40から上方に向けて立設された周壁43aを有する。頂壁40において、周壁43aによって囲まれた部分には、貫通孔40aが形成されている。貫通孔40aには、バスバ7の端子部7aが挿通される。端子部7aは、電子部品6と電気的に接続される。
【0016】
図4等に示すように、頂壁40には、下方に向けて凹んだ凹部44が設けられている。凹部44は、第一方向Xにおいて、仕切壁42よりも第三側壁41cの側に位置している。平面視における凹部44の形状は、例えば、矩形である。凹部44の底壁部44aには、所定の方向に沿って貫通孔45が形成されている。以下の説明では、貫通孔45が第一筐体2を貫通する方向を「貫通方向」と称する。貫通孔45の貫通方向は、例えば、第一筐体2の高さ方向である。貫通孔45は、例えば、電気接続箱10が車両100に搭載された状態で、車両上下方向Zに沿って底壁部44aを貫通している。平面視における貫通孔45の形状は、例えば、矩形である。貫通孔45には、端子台3を保持する複数の突起45aが設けられている。頂壁40には、凹部44に隣接する一対の切欠き40bが形成されている。切欠き40bは、凹部44に向けて開放している。
【0017】
例示されたロアカバー5は、略直方体の形状を有しており、かつ上方に向けて開口している。図4に示すように、ロアカバー5は、底壁50、側壁51、および保持部52を有する。底壁50、側壁51、および保持部52は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって一体に成型される。底壁50は、車両上下方向Zにおいてアッパカバー4と対向する壁部である。側壁51は、角筒状の壁部であり、底壁50の縁部から上方に向けて立設されている。ロアカバー5は、アッパカバー4の第一空間部4aを閉塞するようにアッパカバー4に対して嵌合する。
【0018】
保持部52は、車両上下方向Zにおいてアッパカバー4の切欠き40bと対向している。保持部52は、二本のボルト53,54を保持している。ボルト53,54は、雄ねじ部53a,54aを上方に向けて回転不能に保持されている。バスバ7は、ボルト53に対応する端子部7bを有する。端子部7bには、雄ねじ部53aが挿通される孔7cが設けられている。バスバ7は、雄ねじ部53aを孔7cに挿通させ、ロアカバー5によって保持される。
【0019】
図4および図6に示すように、端子台3は、ハウジング30と、第一導体31と、第二導体32と、を有する。ハウジング30は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって成型される。第一導体31および第二導体32は、ハウジング30によって保持されている。ハウジング30は、インサート成型により第一導体31および第二導体32と一体化されていてもよい。ハウジング30は、第一導体31と第二導体32との間の絶縁距離を確保できるように構成されている。例示されたハウジング30の形状は、略直方体形状である。
【0020】
例示された第一導体31および第二導体32は、バスバである。第一導体31および第二導体32は、銅やアルミニウム等によって形成された導電性の金属板である。第一導体31は、第一端子部31aおよび第二端子部31bを有する。第二導体32は、第一端子部32aおよび第二端子部32bを有する。第一端子部31a,32aは、ハウジング30の上部から第一方向Xに沿って突出している。第一端子部31a,32aは、平板状であり、貫通孔31c,32cを有する。第二端子部31b,32bは、ハウジング30の下面30aから下方に向けて露出している。第二端子部31b,32bは、平板状であり、貫通孔31d,32dを有する。
【0021】
図7に示すように、端子台3は、下面30aを下方に向けて貫通孔45に挿通される。ボルト53の雄ねじ部53aは、第一導体31の貫通孔31cに挿通される。雄ねじ部53aにナットが締結され、第一導体31とバスバ7とが共締めされる。ボルト54の雄ねじ部54aは、第二導体32の貫通孔32cに挿通される。雄ねじ部54aにナットが締結され、第二導体32と相手方の端子とが共締めされる。端子台3は、ボルト53,54を介して第一筐体2によって支持される。
【0022】
図1等に示すように、端子台3の第二端子部31b,32bは、第一筐体2から下方に突出している。よって、第一筐体2の下方において電線Wを電気接続箱10に接続することができる。
【0023】
本実施形態の電気接続箱10は、例えば、図3に示すように、車両100に搭載された電池パック200に収容される。電池パック200は、第二筐体210と、複数の電池セル220と、を有する。第二筐体210は、例えば、アルミニウム等の金属によって形成されている。電池セル220は、第二筐体210の内部に収容されている。
【0024】
電池パック200は、車両100の内装材110よりも下方に配置されている。内装材110は、車両100の車室の床を構成する部材である。内装材110は、例えば、成形されたフロアカーペットである。電池パック200は、内装材110よりも下方の収容空間130に配置されている。
【0025】
電気接続箱10の第一筐体2は、第二筐体210の内部に収容されている。第一筐体2の固定部41eは、締結部材によって第二筐体210に対して固定される。つまり、第一筐体2は、第二筐体210を介して車両100に対して固定される。本実施形態の第二筐体210は、底壁211がフロアパネル120で構成されている。つまり、フロアパネル120の一部が第二筐体210の底壁211を兼ねている。第二筐体210は、底壁211から立設された側壁212を有する。底壁211および側壁212によって、電池セル220および第一筐体2を収容する収容空間が形成されている。底壁211は、電池パック200を支持する第一支持部211a、および第一筐体2を支持する第二支持部211bを有する。フロアパネル120の下方には、電池パック200を保護するフレーム部材が配置される。
【0026】
本実施形態の電気接続箱10は、電池セル220と電線Wとを接続する。電線Wは、例えば、フロアパネル120の下面に沿って配索される。車両100は、電線Wを下方から覆うカバーを有していてもよい。第一導体31の第一端子部31aは、バスバ7および電子部品6を介して電池セル220の一方の極(例えば、陽極)に接続されている。電子部品6は、第一導体31と電池セル220とを電気的に接続および遮断する。第二導体32の第一端子部32aは、第二筐体210の内部において電池セル220の他方の極(例えば、陰極)に接続される。
【0027】
第一導体31の第二端子部31bおよび第二導体32の第二端子部32bは、第一筐体2から下方に突出している。第二筐体210の第二支持部211bは、端子台3が挿通される貫通孔210aを有する。端子台3のハウジング30は、貫通孔210aに挿通される。つまり、第一導体31の第二端子部31bおよび第二導体32の第二端子部32bは、第二筐体210から下方に突出する。すなわち、第一導体31の第二端子部31bおよび第二導体32の第二端子部32bは、フロアパネル120から下方に突出する。
【0028】
貫通孔210aには、筒状のハウジング60が嵌合している。ハウジング60は、第一筒部61、および第二筒部62を有する。第一筒部61および第二筒部62は、例えば、直交している。第一筒部61は、貫通孔210aに嵌合している。第一筒部61の外側面と貫通孔210aとの間は、シール部材140によってシールされる。端子台3のハウジング30は、第一筒部61に挿入される。電線Wは、第二筒部62に挿入され、第二筒部62によって保持される。第二端子部31b,32bには、それぞれ電線Wが接続される。各電線Wの先端には、それぞれ端子70が接続されている。端子70は、締結部材71によって第二端子部31b,32bに対して固定される。第二筒部62の内側面と電線Wとの間は、シール部材150によってシールされる。二本の電線Wは、例えば、車両100に搭載されている負荷に接続される。一例として、電線Wは、インバータを介して走行用モータに接続される。
【0029】
第二端子部31b,32bが第二筐体210から突出している構成により、第二筐体210の外部空間において電気接続箱10に対する電線Wの接続作業および取り外し作業が可能となる。従って、電池パック200を組み上げた後に、外部より電池パック200に対して電線Wを接続することが可能である。また、電池パック200を交換するときには、電池パック200の外部で電線Wを取り外すことができ、交換作業が容易である。電線Wを電池パック200の内部で取り回すといった繁雑な作業が不要となり、組付け工数が削減される。また、電線Wが電池パック200の外部に出ているため、電池パック200の小型化が可能である。
【0030】
また、本実施形態では、第二端子部31b,32bがフロアパネル120から下方に突出している。よって、車両100の外部空間において電気接続箱10に対する電線Wの接続作業および取り外し作業が可能である。従って、フロアパネル120に対して電池パック200を固定した後に、外部より電池パック200に対して電線Wを接続することが可能である。また、電池パック200を交換するときに車両100の外部で電線Wを取り外すことができる。
【0031】
なお、電気接続箱10の姿勢は、ハウジング30が第一筐体2から下方に向けて突出する姿勢には限定されない。例えば、電気接続箱10は、ハウジング30が第一筐体2から水平方向に向けて突出する姿勢で車両100に対して固定されてもよい。この場合、第二端子部31b,32bは、水平方向に沿って第二筐体210の外部空間に向けて突出する。また、第二端子部31b,32bは、水平方向に沿って車両100の外部空間に突出してもよい。つまり、電気接続箱10は、貫通孔45の貫通方向が車両上下方向Zと一致するように車両100に搭載されてもよく、貫通方向が車両前後方向や車幅方向と一致するように車両100に搭載されてもよい。電気接続箱10は、貫通方向が任意の方向となるように車両100に搭載可能である。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る電気接続箱の接続構造1は、第一筐体2と、端子台3と、を有する。第一筐体2は、車両100に対して固定されており、かつ貫通孔45が形成されている。端子台3は、貫通孔45に挿通されており、第一導体31および第二導体32を有し、第一筐体2によって支持されている。第一導体31および第二導体32は、貫通孔45に対して貫通孔45が第一筐体2を貫通する貫通方向の一方側に位置する第一端子部31a,32aと、第一筐体2から貫通方向の他方側に向けて突出しており、電線Wに接続される第二端子部31b,32bと、を有する。本実施形態に係る電気接続箱の接続構造1によれば、第一筐体2の外部で電気接続箱10を電線Wと接続できる。
【0033】
本実施形態の車両100は、車室の床を構成する内装材110よりも下方に配置された電池パック200を有する。第一筐体2は、例えば、電池パック200の筐体である第二筐体210の内部に配置され、第二筐体210を介して車両100に対して固定される。端子台3は、第二筐体210の底壁211を貫通しており、第二端子部31b,32bは、底壁211から下方に突出している。本実施形態のこのような構成により、電池パック200の外部において電池パック200に対する電線Wの接続および取り外しを行なうことが可能となる。
【0034】
本実施形態において、第二筐体210の底壁211は、車両100のフロアパネル120である。このような構成により、車両100の外部において電池パック200に対する電線Wの接続および取り外しを行なうことが可能となる。また、フロアパネル120によって第二筐体210が構成されることで、電池パック200の低背化が可能となる。
【0035】
[実施形態の変形例]
実施形態の変形例について説明する。第二筐体210は、フロアパネル120とは別体であってもよい。この場合、第二筐体210は、フロアパネル120に対して固定され、フロアパネル120によって支持されてもよい。端子台3は、第二筐体210の底壁211およびフロアパネル120を貫通していてもよい。この場合、第二端子部31b,32bは、フロアパネル120から下方に突出して電線Wと接続される。
【0036】
電気接続箱10は、第二筐体210の外部に配置されてもよい。この場合、第一筐体2は、例えば、フロアパネル120に対して固定され、フロアパネル120によって固定される。端子台3は、フロアパネル120を貫通し、第二端子部31b,32bは、フロアパネル120から下方に突出してもよい。
【0037】
電気接続箱の接続構造1は、電池パック200とは異なる装置に対して適用されてもよい。電気接続箱10の第一筐体2の位置は、内装材110よりも下方には限定されない。第一筐体2は、例えば、内装材110の上面に固定されてもよい。この場合、端子台3は、内装材110を貫通し、第二端子部31b,32bを収容空間130に突出させていてもよい。第一筐体2は、段差部の上段に固定されてもよい。この場合、端子台3は、段差部の下段において電線Wと接続されてもよい。
【0038】
車両上下方向Zにおいて、第一導体31の第二端子部31bの位置と、第二導体32の第二端子部32bの位置とが異なっていてもよい。端子台3が有する導体の数は、二つには限定されない。一つの端子台3が一つの導体を保持していてもよい。この場合、電気接続箱の接続構造1は、複数の端子台3を有していてもよい。第一導体31および第二導体32は、バスバには限定されない。第一端子部31a,32aの形状や配置、および第二端子部31b,32bの形状や配置は、例示された形状や配置には限定されない。
【0039】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 電気接続箱の接続構造
2 第一筐体
3 端子台
4 アッパカバー
5 ロアカバー
6 電子部品
7 バスバ
7a,7b 端子部
10 電気接続箱
30 ハウジング
30a 下面
31 第一導体
31a:第一端子部、 31b:第二端子部、 31c,31d:貫通孔
32 第二導体
32a:第一端子部、 32b:第二端子部、 32c,32d:貫通孔
40 頂壁
40a:貫通孔、 40b:切欠き
41 側壁
41a:第一側壁、 41b:第二側壁、 41c:第三側壁、 41d:第四側壁、
41e:固定部、 41f:孔
42 仕切壁
43 保持部
43a 周壁
44 凹部
44a 底壁部
45 貫通孔
50:底壁、 51:側壁、 52:保持部、 53,54:ボルト
60:ハウジング、 61:第一筒部、 62:第二筒部
100 車両
110:内装材、 120:フロアパネル、 130:収容空間
140:シール部材、 150:シール部材
200 電池パック
210:第二筐体、211:底壁、 211a:第一支持部、
211b:第二支持部、 212:側壁 220:電池セル
X:第一方向、 Y:第二方向、 Z:車両上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7