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特許7189920光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20221207BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20221207BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221207BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
H04N5/225 100
H04N5/232 480
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020194470
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2021086155
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】201922087122.X
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】韋 華
(72)【発明者】
【氏名】蔡 振鵬
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-112933(JP,A)
【文献】特開2019-174790(JP,A)
【文献】特開2016-099622(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0011614(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104216199(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00-5/08
G02B 7/02-7/16
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部材を取り付ける貫通孔が設けられ、矩形状の外形を有するキャリアと、
前記キャリアを挟んで対向する2つの板と、前記2つの板の一方の板から他方の板に向かって起立する複数の柱部とを有する筐体と、
前記キャリアと前記筐体との間に配置されたスプリングと
を具備し、
前記キャリアの四隅に、面取りされた角面が設けられており、前記柱部の内周面は、前側半分の平面に対して、その後側の部分が前記前側半分の平面よりも内側に突出した段差を有しており、
前記前側半分の平面は、前記角面を向いた対向面を形成し、
前記角面と、前記対向面との間に粘弾性樹脂が設けられており、
前記キャリアは、前記貫通孔の周縁部において、前記貫通孔に沿って設けられた環状部と、前記四隅において前記環状部に対して段を形成して前記板とは反対側に向かって窪んだ窪み部と、を有しており、前記段差に対応する前記角面の後端は前記窪み部によって規制されている
ことを特徴とする光学部材駆動装置。
【請求項2】
前記角面の後端と前記段差の高さが同じである
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材駆動装置。
【請求項3】
前記キャリアは、対向する2対の側面を有して前記矩形状の外形を形成し、前記角面は、一方の対の前記側面と他方の対の前記側面によって規制されている
ことを特徴とする請求項1記載の光学部材駆動装置。
【請求項4】
前記スプリングは、前記周縁部の前記環状部に固定されており、前記2つの板が対向する方向から見たときに前記窪み部を通って前記筐体まで延伸している
ことを特徴とする請求項に記載の光学部材駆動装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記一方の板を含むベースと、前記他方の板を含むカバーとを組み合わせたものであり、
前記複数の柱部は、前記ベースが含む前記板の四隅から、前記カバーが含む前記板の四隅に向かって起立している
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材駆動装置。
【請求項6】
前記角面と前記対向面は、その周方向の大きさは前記対向面の方が大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材駆動装置。
【請求項7】
前記角面と前記対向面は、前記2つの板が対向する方向の寸法がほぼ等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部材駆動装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれかに記載の光学部材駆動装置を備えたカメラ装置。
【請求項9】
請求項に記載のカメラ装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の電子機器に用いられる光学部材駆動装置、カメラ装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に関わる技術を開示した文献として、特許文献1がある。特許文献1のボイスコイルモータ用制振構造は、レンズを保持するキャリアと、キャリアを支持するベースとを有する。この制振構造では、キャリアの4隅に外側に突出した塗布拡張部が形成され、塗布拡張部とベースの四隅から起立した柱との間に粘弾性樹脂が配置されている。粘弾性樹脂により、キャリアの駆動時の制振作用が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国CN209044147U公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術の場合、キャリアを、四隅に塗布拡張部をもった形状にする必要があるため、キャリアの加工に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、安定した制振効果を発揮でき、且つ製造が容易な光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の好適な態様である光学部材支持装置は、光学部材を取り付ける貫通孔が設けられ、矩形状の外形を有するキャリアと、前記キャリアを挟んで対向する2つの板と、前記2つの板の一方の板から他方の板に向かって起立する複数の柱部とを有する筐体と、前記キャリアと前記筐体との間に配置されたスプリングとを具備し、前記キャリアの四隅に、面取りされた角面が設けられており、前記角面と、前記柱部における前記角面を向いた対向面との間に粘弾性樹脂が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この態様において、前記キャリアは、対向する2対の側面を有して前記矩形状の外形を形成し、前記角面は、一方の対の前記側面と他方の対の前記側面によって規制されていてもよい。また、前記キャリアは、前記貫通孔の周縁部の前記四隅において前記板とは反対側に向かって窪んだ窪み部を有しており、前記角面は前記窪み部によって規制されていてもよい。またそのとき、前記スプリングは、前記周縁部に固定されており、前記窪み部を通って前記筐体まで延伸していてもよい。
【0008】
この態様において、前記筐体は、前記一方の板を含むベースと、前記他方の板を含むカバーとを組み合わせたものであり、前記複数の柱部は、前記ベースが含む前記板の四隅から、前記カバーが含む前記板の四隅に向かって起立していてもよい。
【0009】
本発明の別の好適な態様であるカメラ装置は、上記の光学部材支持装置を備えたものである。
【0010】
本発明の別の好適な態様である電子機器は、上記のカメラ装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明による光学部材駆動装置は、光学部材を取り付ける貫通孔が設けられ、矩形状の外形を有するキャリアと、前記キャリアを挟んで対向する2つの板と、前記2つの板の一方の板から他方の板に向かって起立する複数の柱部とを有する筐体と、前記キャリアと前記筐体との間に配置されたスプリングとを具備する。そして、前記キャリアの四隅に、面取りされた角面が設けられており、前記角面と、前記柱部における前記角面を向いた対向面との間に前記粘弾性樹脂が設けられている。この角面と対角面との間の粘弾性樹脂により、制振作用が発揮される。また、キャリアの形状は、矩形の四隅を面取するだけのものであるから、製造は比較的容易である。よって、安定した制振効果を発揮でき、且つ製造が容易な光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態である光学部材駆動装置1を含むカメラ装置15が搭載されたスマートフォン19の正面図である。
図2図1の光学部材駆動装置1の斜視図である。
図3図2の光学部材駆動装置1を分解した斜視図である。
図4図2の光学部材駆動装置1を分解した斜視図である。
図5図2の光学部材駆動装置1におけるケース2の中の構成を示す図である。
図6図2の光学部材駆動装置1における粘弾性樹脂100の配置された部分を示す図である。
図7図2の光学部材駆動装置1における粘弾性樹脂100の配置された部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態である光学部材駆動装置1を含むカメラ装置15は、スマートフォン19の筐体に埋め込まれる。
【0014】
カメラ装置15は、光学部材であるレンズ体11と、レンズ体11を経由して入射する光を画像信号に変換する画像センサ12と、レンズ体11及び画像センサ12を保持すると共にレンズ体11を駆動するための光学部材駆動装置1とを有する。ここで、以下では、レンズ体11の光軸方向を適宜Z方向といい、Z方向と直交する一の方向を適宜X方向といい、Z方向及びX方向の両方と直交する方向を適宜Y方向という。また、レンズ体11から見て被写体の側を前側と称し、その反対側(画像センサ12側)を後側と称することがある。前側が+Z側、後側が-Z側に相当する。
【0015】
図2図3および図4に示すように、光学部材駆動装置1は、ベース3とケース2とを組み合わせた筐体10に、キャリア4、前側スプリング5、2つの後側スプリング6、2つの磁石7、2つのコイル8、及びFPC(Flexible printed circuits)9を収めたものである。これらの各部のうち、筐体10、磁石7、及びFPC9は、固定部を形成し、キャリア4、及びコイル8は、固定部に対して相対移動する可動部を形成する。
【0016】
以下、各部の構成の詳細を説明する。ケース2は、四角形の前板20と、前板20の-Y側の辺から-Z側に延在する側板22と、それ以外の3辺から-Z側に延在する3つの側板21とを有する。ケース2の-Y側の側板22には、+Z側に切り欠かれた凹部29がある。側板21の-Z側の端辺には、凸部26が設けられている。前板20の中心には、貫通孔25が穿設されている。ケース2の前板20の後面の4隅には、前側スプリング5の位置決め突起が設けられている。ケース2における+X側の側板21と-X側の側板21の内側には、Y方向に離れた2対の凸片27a及び27bがそれぞれ設けられている。側板21における凸片27aの各対の間には、磁石7が収められ、固定される。側板21から離れた側の凸片27bの各対の間には、コイル8が隙間をあけて収められる。
【0017】
ベース3は、前板20の四角形に対応した四角形の後板30と、後板30の+Y側の2つの隅から+Z側に向かって起立した2つの柱部33aと、後板30の-Y側の2つの隅から+Z側に向かって起立した2つの柱部33bと、後板30の-Y側の端辺から+Z側に向かって起立した側板39とを有する。側板39は、凹部29の形状に対応して設けられる。後板30の中心には、貫通孔35が穿設されている。後板30の端辺におけるケース2の凸部26と対応する位置には、貫通孔35の側に窪んだ凹部36が設けられている。
【0018】
後板30の四隅の柱部33a及び33bのうち、-Y側の2つの柱部33bは、貫通孔35の側の内側柱片33b1と隅の頂点の側の外側柱片33b2とに分かれている。内側柱片33b1と外側柱片33b2との間には、隙間38が設けられている。後板30における四隅の柱部33a及び33bの各々の所定の一側におけるわずかに離れた各位置には、後側スプリング6の位置決め突起が設けられている。柱部33aの+Y側の側面には、溝336が形成されている。側板39には、複数個の矩形孔が穿設されている。
【0019】
柱部33a及び33bは内周側に対向面31を有する。対向面31は、後述するキャリア4の角面43に対向する。対向面31は、柱部33a及び33bの前側半分に形成された平面であり、貫通孔35の中心を向いて、90度間隔に設けられている。
【0020】
FPC9は、長方形の四隅の部分を切り欠いた板状を有している。FPC9の+Y側の面には、ホール素子92などの複数個の部品やランド96が設けられている。FPC9の-Y側の面には複数個の端子(不図示)が設けられている。FPC9は、その+Y側の面の部品をベース3の側板39の矩形孔に収めるようにして、側板39に固定されている。
【0021】
ベース3の凹部36と溝336には、接着剤が塗布され、この接着剤により、ベース3とケース2が接合されている。ベース3の凹部36には、ケース2の凸部26が嵌合する。FPC9の+Z側の部分は、ケース2の側板22の凹部29に嵌り込み、FPC9の-Y側の面はケース2の外側に露出する。この端子は、画像センサ12が搭載される基板と接続される。
【0022】
キャリア4は、光学部材であるレンズ体11を取り付けるための貫通孔45が設けられ、Z方向から見て矩形状の外形を有している。キャリア4は、Y方向及びX方向にそれぞれ対向する2対の側面41及び側面42と、4つの角部の各々における面取された角面43とを有する。側面42には、X方向外側に突出した凸部48が設けられている。凸部48には、コイル8が巻回されている。コイル8は、磁石7と共に、可動部の駆動力を生み出す。
【0023】
角面43は、周方向が側面41及び側面42によって規制され、前後が後述する窪み部431によって規制される平面であり、貫通孔35の中心とは反対側を向いて、90度間隔に設けられている。角面43と対向面31は、そのZ方向の寸法はほぼ同じ大きさであるが、その周方向の大きさは対向面31の方が大きく、互いに平行に向き合っている。
【0024】
図6及び図7に示すように、貫通孔45の+Z側及び-Z側の周縁部46の各角部は、窪み部431としてそれぞれ-Z側及び+Z側に窪んでいる。窪み部431は、後述する前側スプリング5の腕部54及び後側スプリング6の腕部64a、64bがここを通るようにすることにより、キャリア4が光軸方向に移動する際の、腕部54及び腕部64a、64bの逃げとして働く。また、角面43のZ方向の寸法を規制している。+Z側の周縁部46の前面、及び-Z側の周縁部46の後面には、それぞれ、+Z側及び-Z側に突出した4つの凸部461が形成されている。+Z側及び-Z側の各凸部461は、直角三角形の斜辺を周縁部46に合わせて内側に丸めたような形状を有している。凸部461は、キャリア4の光軸方向におけるストッパとして働く。また、+Z側の周縁部46の前面、及び-Z側の周縁部46の後面には、前側スプリング5及び後側スプリング6の位置決め突起が設けられている。
【0025】
前側スプリング5は、1つの内側部56と、4つの外側部53と、これらの間に介在する4つの腕部54とを有する。内側部56には外側にコの字に折れ曲っている屈曲部58が設けられている。外側部53は、矩形状をなしている。外側部53には、位置決め孔が穿設されている。腕部54は、曲がりくねった形状を有している。腕部54は、内側部56と外側部53に繋がっている。
【0026】
前側スプリング5の内側部56は、当該内側部56の屈曲部58にキャリア4の+Z側の周縁部46の位置決め突起を嵌め込んで、+Z側の周縁部46に固定されている。前側スプリング5の外側部53は、当該外側部53の位置決め孔にケース2の前板20の位置決め突起を嵌め込んで、前板20に固定されている。
【0027】
2つの後側スプリング6は、+X側と-X側に離れて、全体として四角形状をなしている。2つの後側スプリング6は、互いに電気的に絶縁されている。2つの後側スプリング6は、それぞれ、1つの内側部66と、2つの外側部63a及び63bと、内側部66と外側部63aとの間に介在する腕部64aと、内側部66と外側部63bとの間に介在する腕部64bと、を有する。
【0028】
内側部66は、キャリア4の周縁部46に沿って設けられており、位置決め孔が穿設されている。また、コイル8との電気接続部を有する。
【0029】
外側部63aは、+Y側にあり、三角形の一の頂角を切り欠いたような形状を有している。外側部63bは、-Y側にあり、外側部片63b1と延伸片63b2とを有する。外側部63aは、五角形状をなしている。外側部63a、及び外側部片63b1には、位置決め孔が穿設されている。
【0030】
延伸片63b2は、ベース3の隙間38に嵌め込まれ、外側部片63b1と繋がった基端から隙間38に沿って-Y側に延伸し、FPC9のランド96に接続されている。
【0031】
腕部64a及び64bは、曲がりくねった形状を有している。腕部64aは、内側部66と外側部63aに繋がっており、腕部64bは、内側部66と外側部63bに繋がっている。
【0032】
後側スプリング6の内側部66は、当該内側部66の位置決め孔にキャリア4の-Z側の周縁部46の位置決め突起を嵌め込んで、-Z側の周縁部46に固定されている。後側スプリング6の外側部63は、当該外側部63aの位置決め孔にベース3の後板30の位置決め突起を嵌め込んで、後板30に固定されている。延伸片63b2は隙間38に嵌め込まれる。
【0033】
2つのコイル8は1本のコイル線で形成され、両端がそれぞれ後側スプリング6の電気接続部に電気接続される。後側スプリング6の2つの延伸片63b2の先端は、それぞれFPC9のランド96と電気接続される。これにより、外部電源→FPC9の端子→FPC9の+X側のランド96→+X側の後側スプリング6→+X側のコイル8→-X側のコイル8→-X側の後側スプリング6→FPC9の-X側のランド96→FPC9の端子→外部電源、という電流経路が形成され、コイル8に電流が供給される。
【0034】
図6及び図7に示すように、キャリア4の角面43と、柱部33a及び33bにおける角面43を向いた対向面31は、平行に対峙しており、この角面43と対向面31との間に、粘弾性樹脂100が配置される。粘弾性樹脂100は、いわゆるダンパーゲルである。このダンパーゲルにより、前側スプリング5及び後側スプリング6を介して筐体10に支持されているキャリア4に発生する振動が、早く収束する。
【0035】
以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態における光学部材駆動装置1は、光学部材を取り付ける貫通孔45が設けられ、矩形状の外形を有するキャリア4と、前記キャリア4を挟んで対向する前板20及び後板30と、後板30から前板20に向かって起立する複数の柱部33a及び33bとを有する筐体10と、キャリア4と筐体10との間に配置された前側スプリング5及び後側スプリング6とを具備する。そして、キャリア4の四隅に、面取りされた角面43が設けられており、角面43と、柱部33a及び33bにおける角面43を向いた対向面31との間に粘弾性樹脂100が設けられている。この角面43と対向面31との間の粘弾性樹脂100により、制振作用が発揮される。また、このキャリア4の形状は、矩形の四隅を面取するだけのものであるから、製造は比較的容易である。よって、安定した制振効果を発揮でき、且つ製造が容易な光学部材駆動装置1、カメラ装置15及び電子機器を提供することができる。
【0036】
なお、角面43又は対向面31の少なくとも一方が平面ではなく、曲面であってもよい。また、その表面は粗面にしてもよい。粘弾性樹脂100は、全ての角面43と対向面31との間に設ける必要は無く、適正な制振作用が得られるように設ければよい。また、角面43と対向面31の大きさ、その距離は適切に設計されればよい。
【符号の説明】
【0037】
1 光学部材駆動装置
2 ケース
3 ベース
4 キャリア
5 前側スプリング
6 後側スプリング
7 磁石
8 コイル
9 FPC
10 筐体
11 レンズ体
12 画像センサ
15 カメラ装置
19 スマートフォン
20 前板
21 22 39 側板
25 35 45 貫通孔
27a 27b 凸片
29 36 凹部
30 後板
31 対向面
33a 柱部
33b 柱部
33b1 内側柱片
33b2 外側柱片
38 隙間
41 42 側面
43 角面
46 周縁部
26 48 461 凸部
53 外側部
54 64a 64b 腕部
56 内側部
58 屈曲部
63a 63b 外側部
63b1 外側部片
63b2 延伸片
66 内側部
92 ホール素子
96 ランド
100 粘弾性樹脂
336 溝
431 窪み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7