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特許7189922情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20221207BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221207BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20221207BHJP
【FI】
G06F16/903
G06Q50/10
G06N20/00 130
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020197467
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085670
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲太
(72)【発明者】
【氏名】渡部 和彦
(72)【発明者】
【氏名】今西 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】松岡 佑磨
(72)【発明者】
【氏名】石井田 聡哉
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-024665(JP,A)
【文献】特開2015-060432(JP,A)
【文献】特開2020-160896(JP,A)
【文献】特開2020-101968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 50/10
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付部によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出部と、
前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供部と、
を備え
前記提供部は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記評価情報に基づいて前記管理者が前記作業者に対して作業の是正を促すメッセージを送信するためのコンテンツを、前記管理画面に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供部は、前記算出部が前記評価値を算出し、当該評価値が所定の条件を満たすごとに、前記正解あり処理対象の識別子と、当該正解あり処理対象への処理に対する評価値に基づく評価情報とを紐づけて、前記管理画面に表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定部をさらに備え、
前記受付部は、
前記決定部によって決定された順番に前記正解あり処理対象を含む前記複数の処理対象に対する処理結果を受け付け、
前記算出部は、
前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記作業者に処理させる順番が小さいほど、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記作業者に処理させる順番が第1閾値を超える場合よりも、前記作業者に処理させる順番が第1閾値以下である場合に、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、
前記作業者に処理させる順番が大きいほど、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定部は、
前記作業者に処理させる順番が2閾値を下回る場合よりも、前記作業者に処理させる順番が第2閾値以上である場合に、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付部によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出部と、
前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定部と、
を備え、
前記決定部は、
前記算出部によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する、
情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部は、
前記統計情報として、前記評価値の変遷に基づいて、前記評価値が第3閾値を下回った場合に、前記評価値が第3閾値を下回る前よりも前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、
前記統計情報として、前記評価値の変遷に基づいて、前記評価値が低下傾向を示した場合に、前記評価値が低下傾向を示す前よりも前記正解あり処理対象を多くすることを決定する、
請求項または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記決定部は、
前記算出部によって算出された評価値に基づいて、前記複数の処理対象の数に対して前記正解あり処理対象を含める数を決定する、
請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記決定部は、
複数の作業者の評価値に基づいて、前記評価値が他の作業者と比べて低い作業者ほど前記複数の処理対象の数に対して前記正解あり処理対象を含める数を多くすることを決定する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記受付部は、
同一の処理対象に対する処理結果を複数の作業者それぞれから受け付け、
前記算出部は、
前記複数の作業者のうち、他の作業者から受け付けた処理結果とは異なる傾向を示す処理結果を処理した作業者に対する評価値を他の作業者に対する評価値よりも低く算出する、
請求項1~13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記受付部は、
前記正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとにさらに受け付け、
前記算出部は、
前記受付部によって受け付けられた処理結果に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する、
請求項1~14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記算出部によって算出された評価値に基づいて、前記処理結果の品質が低下したか否かを判定する判定部と、
前記作業者による作業を管理する管理者に対してアラートを通知する通知部と、
をさらに備え、
前記判定部は、
前記算出部によって算出された評価値が評価閾値を下回った場合に、前記処理結果の品質が低下したと判定し、
前記通知部は、
前記判定部によって品質が低下したと判定された場合に、前記管理者に対してアラートを通知する、
請求項1~15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記作業者による作業を管理する管理者によって利用される管理者装置に対して、複数の作業者それぞれによる処理状況を表示する管理画面を提供する提供部をさらに備え、
前記算出部は、
前記複数の作業者それぞれが前記複数の処理対象の数に対して処理した処理済みの処理対象の数の割合を算出し、
前記提供部は、
前記処理状況として、前記複数の作業者それぞれについて前記算出部によって算出された割合を表示する前記管理画面を提供する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記算出部は、
前記評価値に基づいて、前記複数の作業者それぞれの処理の技能を示す技能スコアを算出し、
前記提供部は、
前記複数の作業者それぞれの技能スコアを表示する前記管理画面を提供する、
請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記提供部は、
前記複数の作業者のうち、前記評価値が他の作業者と比べて低い作業者を前記管理者に対して視覚的に通知する情報を含む前記管理画面を提供する、
請求項17または18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記提供部は、
前記作業者が作業画面で行う処理内容をリアルタイムに表示させる前記管理画面を提供する、
請求項17~19のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記提供部は、
前記作業者が作業画面で行う処理が停滞していることを示す停滞情報を表示させる前記管理画面を提供する、
請求項17~20のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記作業者が前記複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面を前記作業者によって利用される作業者装置に表示させる提供部をさらに備え、
前記提供部は、
前記正解あり処理対象に対する処理を行うための作業画面と前記正解あり処理対象以外の他の処理対象に対する処理を行うための作業画面とを視覚的に区別できない態様によって前記作業者装置に表示させる、
請求項1~21のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記提供部は、
前記作業者が処理対象に対する選択処理をスキップするスキップ操作を行う際に選択するスキップボタンおよび前記作業者が前記選択処理をスキップする理由を示すテキストを入力可能なフィールドを含む前記作業画面を前記作業者装置に表示させ、前記作業画面にて前記作業者による前記スキップボタンの選択操作が行われた場合に、前記フィールドに入力された前記テキストとともに、前記スキップ操作が行われたことを、前記作業者による作業を管理する管理者に対して通知する、
請求項22に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記提供部は、
前記作業者による作業を管理する管理者と前記作業者との間でのメッセージのやり取りが可能な領域を含む前記作業画面を前記作業者装置に表示させる、
請求項22または23に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記処理対象は、画像に含まれる物体を認識する機械学習モデルの学習に用いるための教師用の画像であり、
前記処理は、前記作業者が画像の中から物体が撮像された領域を選択する選択処理であり、
前記受付部は、
正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像に対する選択領域を作業者が一部の画像に対する領域の選択処理を完了するごとに受け付け、
前記算出部は、
前記受付部によって受け付けられた選択領域に対応する画像が前記正解あり画像である場合に、前記受付部によって受け付けられた選択領域と前記正解の選択領域との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する、
請求項1~24のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項26】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付工程によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出工程と、
前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供工程と、
を含み、
前記提供工程は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる、
情報処理方法。
【請求項27】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付工程によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出工程と、
前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定工程と、
を含み、
前記決定工程は、
前記算出工程によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する、
情報処理方法。
【請求項28】
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付手順によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出手順と、
前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供手順と、
をコンピュータに実行させ
前記提供手順は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる、
情報処理プログラム。
【請求項29】
正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付手順によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出手順と、
前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記決定手順は、
前記算出手順によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人手によって行われる複数の処理対象に対する処理結果の品質を担保可能とするための技術が知られている。例えば、機械学習モデルに学習させるための教師データの作成を支援する技術が知られている。例えば、教師画像にあらかじめ対応付けられた教示クラスと、学習済みの分類器によって教師画像が最も多く分類されるクラスとが相違する場合に、その教師画像を特定教師画像として特定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-162232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人手によって行われる複数の処理対象に対する処理結果の品質を担保可能とする技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る情報処理装置は、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付部によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出部と、前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供部と、を備え、前記提供部は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる
また、前記提供部は、前記評価情報に基づいて前記管理者が前記作業者に対して作業の是正を促すメッセージを送信するためのコンテンツを、前記管理画面に表示させる。
また、前記提供部は、前記算出部が前記評価値を算出し、当該評価値が所定の条件を満たすごとに、前記正解あり処理対象の識別子と、当該正解あり処理対象への処理に対する評価値に基づく評価情報とを紐づけて、前記管理画面に表示させる。
また、前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定部をさらに備え、前記受付部は、前記決定部によって決定された順番に前記正解あり処理対象を含む前記複数の処理対象に対する処理結果を受け付け、前記算出部は、前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
また、決定部は、前記作業者に処理させる順番が小さいほど、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、前記決定部は、前記作業者に処理させる順番が第1閾値を超える場合よりも、前記作業者に処理させる順番が第1閾値以下である場合に、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、前記決定部は、前記作業者に処理させる順番が大きいほど、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、前記決定部は、前記作業者に処理させる順番が第2閾値を下回る場合よりも、前記作業者に処理させる順番が第2閾値以上である場合に、前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、実施形態に係る情報処理装置は、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付部によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出部と、前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定部と、を備え、前記決定部は、前記算出部によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する。
また、前記決定部は、前記統計情報として、前記評価値の変遷に基づいて、前記評価値が第3閾値を下回った場合に、前記評価値が第3閾値を下回る前よりも前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、前記決定部は、前記統計情報として、前記評価値の変遷に基づいて、前記評価値が低下傾向を示した場合に、前記評価値が低下傾向を示す前よりも前記正解あり処理対象を多くすることを決定する。
また、前記決定部は、前記算出部によって算出された評価値に基づいて、前記複数の処理対象の数に対して前記正解あり処理対象を含める数を決定する。
また、前記決定部は、複数の作業者の評価値に基づいて、前記評価値が他の作業者と比べて低い作業者ほど前記複数の処理対象の数に対して前記正解あり処理対象を含める数を多くすることを決定する。
また、前記受付部は、同一の処理対象に対する処理結果を複数の作業者それぞれから受け付け、前記算出部は、前記複数の作業者のうち、他の作業者から受け付けた処理結果とは異なる傾向を示す処理結果を処理した作業者に対する評価値を他の作業者に対する評価値よりも低く算出する。
また、前記受付部は、前記正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとにさらに受け付け、前記算出部は、前記受付部によって受け付けられた処理結果に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
また、前記算出部によって算出された評価値に基づいて、前記処理結果の品質が低下したか否かを判定する判定部と、前記作業者による作業を管理する管理者に対してアラートを通知する通知部と、をさらに備え、前記判定部は、前記算出部によって算出された評価値が評価閾値を下回った場合に、前記処理結果の品質が低下したと判定し、前記通知部は、前記判定部によって品質が低下したと判定された場合に、前記管理者に対してアラートを通知する。
また、前記作業者による作業を管理する管理者によって利用される管理者装置に対して、複数の作業者それぞれによる処理状況を表示する管理画面を提供する提供部をさらに備え、前記算出部は、前記複数の作業者それぞれが前記複数の処理対象の数に対して処理した処理済みの処理対象の数の割合を算出し、前記提供部は、前記処理状況として、前記複数の作業者それぞれについて前記算出部によって算出された割合を表示する前記管理画面を提供する。
また、前記算出部は、前記評価値に基づいて、前記複数の作業者それぞれの処理の技能を示す技能スコアを算出し、前記提供部は、前記複数の作業者それぞれの技能スコアを表示する前記管理画面を提供する。
また、前記提供部は、前記複数の作業者のうち、前記評価値が他の作業者と比べて低い作業者を前記管理者に対して視覚的に通知する情報を含む前記管理画面を提供する。
また、前記提供部は、前記作業者が作業画面で行う処理内容をリアルタイムに表示させる前記管理画面を提供する。
また、前記提供部は、前記作業者が作業画面で行う処理が停滞していることを示す停滞情報を表示させる前記管理画面を提供する。
また、前記作業者が前記複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面を前記作業者によって利用される作業者装置に表示させる提供部をさらに備え、前記提供部は、前記正解あり処理対象に対する処理を行うための作業画面と前記正解あり処理対象以外の他の処理対象に対する処理を行うための作業画面とを視覚的に区別できない態様によって前記作業者装置に表示させる。
また、前記提供部は、前記作業者が処理対象に対する選択処理をスキップするスキップ操作を行う際に選択するスキップボタンおよび前記作業者が前記選択処理をスキップする理由を示すテキストを入力可能なフィールドを含む前記作業画面を前記作業者装置に表示させ、前記作業画面にて前記作業者による前記スキップボタンの選択操作が行われた場合に、前記フィールドに入力された前記テキストとともに、前記スキップ操作が行われたことを、前記作業者による作業を管理する管理者に対して通知する。
また、前記提供部は、前記作業者による作業を管理する管理者と前記作業者との間でのメッセージのやり取りが可能な領域を含む前記作業画面を前記作業者装置に表示させる。
また、前記処理対象は、画像に含まれる物体を認識する機械学習モデルの学習に用いるための教師用の画像であり、前記処理は、前記作業者が画像の中から物体が撮像された領域を選択する選択処理であり、前記受付部は、正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像に対する選択領域を作業者が一部の画像に対する領域の選択処理を完了するごとに受け付け、前記算出部は、前記受付部によって受け付けられた選択領域に対応する画像が前記正解あり画像である場合に、前記受付部によって受け付けられた選択領域と前記正解の選択領域との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
また、実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付工程と、前記受付工程によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付工程によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出工程と、前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供工程と、を含み、前記提供工程は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる。
また、実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付工程と、前記受付工程によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付工程によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出工程と、前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定工程と、を含み、前記決定工程は、前記算出工程によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する。
また、実施形態に係る情報処理プログラムは、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付手順と、前記受付手順によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付手順によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者が前記正解あり処理対象に対して行った処理に対する評価値を算出する算出手順と、前記作業者の作業を管理する管理者のための管理画面に、前記評価値に基づく評価情報を表示させる提供手順と、をコンピュータに実行させ、前記提供手順は、前記作業者による前記複数の処理対象に対する作業途中に、前記評価情報を前記管理画面に表示させる。
また、実施形態に係る情報処理プログラムは、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける受付手順と、前記受付手順によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が前記正解あり処理対象である場合に、前記受付手順によって受け付けられた処理結果と前記正解の処理結果との比較に基づいて、前記作業者に対する評価を示す評価値を算出する算出手順と、前記複数の処理対象のうち前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を決定する決定手順と、をコンピュータに実行させ、前記決定手順は、前記算出手順によって算出された評価値の統計情報に基づいて、前記正解あり処理対象を前記作業者に処理させる順番を動的に決定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る作業者装置の画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る作業者装置の画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る作業者装置の画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る作業者装置の画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るアノテーションの一例を示す図である。
図9図9は、変形例に係るアノテーションの一例を示す図である。
図10図10は、変形例に係るアノテーションの一例を示す図である。
図11図11は、変形例に係るアノテーションの他の例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る管理者装置の画面の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る管理者装置の画面の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る管理者装置の画面の一例を示す図である。
図15図15は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0008】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
従来、機械学習モデルに教師あり学習をさせるための教師データの作成を支援する技術が知られている。一般的に、教師あり学習をさせるための教師データは、正解データとラベルの組からなる。教師あり学習は、教師データとして入力(正解データ)とその正しい出力(ラベル)が与えられ、ある入力を受けると正しい出力ができるよう機械学習モデルを学習させることにより行われる。AI業界では、この教師データ(正解データとラベルの組)を作成する作業をアノテーションと呼ぶ。アノテーションの対象となるデータには、機械学習モデルの用途に応じて、画像、テキスト、音声などの種類が存在する。例えば、機械学習モデルの用途が画像認識である場合には、アノテーションの対象となるデータは画像である。
【0009】
このようなアノテーションの作業は、人手によって行われるが、高精度の機械学習モデルを作成するには、約10~100万件といった膨大な教師データが必要となる。そこで、教師データの作成を行う業者が存在する。しかしながら、機械学習モデルを作成する依頼者が、教師データの作成を行う業者に対して、500組の教師データの作成を依頼したとしても、納品された教師データのうち学習に使えるレベルの教師データが50組しかない等、作成された教師データの品質(アノテーションの精度が悪い)が担保されないという問題があった。
【0010】
そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、アノテーションの精度が悪い教師データがそのまま納品されてしまうことを防ぐべく、業者が教師データを作成している途中段階で、アノテーションの精度を評価し、精度が悪い場合には依頼者から業者に是正を求めることを可能にする。具体的には、情報処理装置100は、アノテーションの精度を評価するために、教師データの作成途中で定期的に経過審査を行う。これにより、情報処理装置100は、経過審査により定期的に品質を評価することで、品質が低下した場合にはすぐに検知することができるので、全体的な品質の低下を未然に防ぐことができる。したがって、情報処理装置100は、アノテーション等の人手によって行われる複数の処理対象に対する処理結果の品質を担保可能とすることができる。
【0011】
〔2.情報処理の概要〕
ここから、図1を用いて、実施形態に係る情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。実施形態に係るアノテーションの作業は、依頼者から依頼を受けた業者の作業者が、依頼を受けた画像の中から物体が撮像された領域を選択することにより行われる。図1では、依頼者がアノテーションを行った画像の領域(アノテーションが正確にされているデータ)と、作業者がアノテーションを行った画像の領域とを比較することにより、作業者によって作成された教師データの精度を評価する例について説明する。また、依頼者は、作業者による作業を管理する。そのため、以下では、依頼者のことを管理者と記載する場合がある。
【0012】
図1では、依頼者は、画像に含まれる物体である猫を検出するための教師データの作成を依頼する。依頼者は、500枚の画像の中からあらかじめ5枚の画像を選択して、選択した5枚の画像それぞれについて正解の選択領域を紐づけておく。情報処理装置100は、依頼者によって選択された正解の選択領域が紐づけられた5枚の正解画像(以下、正解あり画像ともいう)を含む500枚の画像を依頼者(管理者)によって利用される管理者装置20から取得する(ステップS11)。
【0013】
続いて、情報処理装置100は、500枚の画像を受け付けると、500枚の画像を作業者に処理させる順番を決定する。例えば、情報処理装置100は、500枚の画像のうち5枚の正解画像を作業者に処理させる順番(以下、処理順ともいう)を決定する。続いて、情報処理装置100は、5枚の正解画像を作業者に処理させる順番を決定すると、残りの495枚の依頼画像を作業者に処理させる順番を決定する。例えば、情報処理装置100は、500枚の画像のうち、1枚目と101枚目と201枚目と301枚目と401枚目に正解画像を含めることを決定する。続いて、情報処理装置100は、依頼者から受け付けた500枚の画像の処理順を決定すると、決定した処理順が紐づけられた500枚の画像をクラウドにアップロードする。
【0014】
また、依頼者からアノテーションの依頼を受けた業者の作業者は、作業者によって利用される作業者装置10を介して作業対象となる画像がアップロードされたクラウドにアクセスする。情報処理装置100は、500枚の画像を1枚ずつ作業者に処理させる順番に作業者装置10の画面に表示する。作業者は、作業者装置10の画面に表示された画像の中から猫が撮像された領域を選択する選択処理を行う(ステップS12)。例えば、作業者は、301枚目の画像に対して、画像の中から7匹の猫が撮像された領域をそれぞれ囲む7つの矩形(バウンディングボックスという)を手作業によってそれぞれ選択する選択処理を行う。情報処理装置100は、作業者が1枚の画像に対する領域の選択処理を完了するごとに、作業者によって選択された画像の選択領域を作業者装置10から受け付ける。
【0015】
また、情報処理装置100は、作業者装置10から受け付けた選択領域に対応する画像が正解あり画像である場合に、作業者装置10から受け付けた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、作業者装置10から受け付けた選択領域と正解の選択領域との重なり具合(一致度)を算出する(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、作業者装置10から受け付けた選択領域に対応する301枚目の画像が正解あり画像であると判定する。続いて、情報処理装置100は、作業者装置10から受け付けた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、作業者の選択領域と正解の選択領域との重なり具合(一致度)が70%であると算出する。
【0016】
情報処理装置100は、作業者装置10から受け付けた選択領域と正解の選択領域との重なり具合(一致度)を算出すると、算出した結果を依頼者に対して通知する(ステップS14)。このように、情報処理装置100は、作業者による500枚の画像に対する選択処理のうち、1枚目と101枚目と201枚目と301枚目と401枚目に含まれる正解画像に対する選択処理の処理結果と正解の処理結果との重なり具合(一致度)を算出して依頼者に対して通知する。通知を受けた依頼者は、通知の結果を見て、作業者による選択処理の処理結果(以下、品質ともいう)の精度がどのように推移しているかを知ることができる。
【0017】
例えば、情報処理装置100は、複数の画像に対する作業の途中で作業者による処理結果の品質が低下し始めた場合に、品質の低下を検知して、依頼者に対して品質の低下を通知する。これにより、情報処理装置100は、例えば、依頼者から作業者に対して品質の低下に対する是正を促すことを可能にする。したがって、情報処理装置100は、人手によって行われる複数の画像に対するアノテーションの品質を担保可能とすることができる。
【0018】
〔3.情報処理システムの構成〕
まず、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1には、作業者装置10と、管理者装置20と、情報処理装置100とが含まれてよい。作業者装置10と、管理者装置20と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。なお、情報処理システム1には、任意の数の作業者装置10と任意の数の管理者装置20と任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0019】
作業者装置10は、作業者によって利用される情報処理装置である。作業者装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ヘッドマウントディスプレイ等である。実施形態では、作業者装置10がノート型PCまたはデスクトップPC(以下、単にPCと記載する場合がある)である例について説明する。
【0020】
なお、図2に示すように、作業者装置10を利用する作業者に応じて、作業者装置10を作業者装置10-1~10-Nのように区別して説明する場合がある。例えば、作業者装置10-1は、作業者ID「U1」で識別される作業者U1によって利用される作業者装置10である。また、例えば、作業者装置10-2は、作業者ID「U2」で識別される作業者U2によって利用される作業者装置10である。また、以下では、作業者装置10-1~10-Nについて、特に区別なく説明する場合には、作業者装置10と記載する。
【0021】
管理者装置20は、作業者による作業を管理する管理者によって利用される情報処理装置である。管理者装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ヘッドマウントディスプレイ等である。実施形態では、管理者装置20がノート型PCまたはデスクトップPC(以下、単にPCと記載する場合がある)である例について説明する。
【0022】
情報処理装置100は、図1で説明した処理を実行する情報処理装置である。情報処理装置100は、正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像に対する選択領域を作業者が一つの画像に対する領域の選択処理を完了するごとに作業者装置10から受け付ける。また、情報処理装置100は、受け付けた選択領域に対応する画像が正解あり画像である場合に、受け付けた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。また、情報処理装置100は、算出した評価値に関する情報を管理者装置20に送信する。
【0023】
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有してよい。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0024】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、作業者装置10や管理者装置20との間で情報の送受信を行う。
【0025】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。具体的には、記憶部120は、複数の処理対象それぞれを識別可能な情報と複数の処理対象それぞれとを対応付けて記憶する。例えば、記憶部120は、処理対象の一例として、複数の画像それぞれを識別可能な情報(例えば、画像ID)と複数の画像それぞれとを対応付けて記憶する。また、記憶部120は、正解あり処理対象と正解の処理結果とを対応付けて記憶する。例えば、記憶部120は、処理対象の一例として、アノテーションの依頼者によって選択された正解の選択領域と正解あり画像とを対応付けて記憶する。
【0026】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0027】
制御部130は、取得部131と、決定部132と、提供部133と、受付部134と、算出部135と、判定部136と、通知部137を機能部として有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行してよい。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、各機能部は、制御部130の機能を示したものであり、必ずしも物理的に区別されるものでなくともよい。
【0028】
(取得部131)
取得部131は、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象を取得する。具体的には、取得部131は、処理対象の一例として、アノテーション作業の対象となる画像を取得する。例えば、取得部131は、アノテーションの依頼者によって選択された正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像を依頼者(管理者)によって利用される管理者装置20から取得する。
【0029】
また、取得部131は、正解あり処理対象を含む複数の処理対象を取得すると、複数の処理対象それぞれを識別可能な情報と複数の処理対象それぞれとを対応付けて記憶部120に記憶する。例えば、取得部131は、処理対象の一例として、アノテーション作業の対象となる複数の画像を取得すると、複数の画像それぞれを識別可能な情報(例えば、画像ID)と複数の画像それぞれとを対応付けて記憶部120に記憶する。
【0030】
また、取得部131は、正解あり処理対象を取得すると、正解あり処理対象と正解の処理結果とを対応付けて記憶部120に記憶する。例えば、取得部131は、処理対象の一例として、アノテーションの依頼者によって選択された正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を取得すると、正解あり画像と正解の選択領域とを対応付けて記憶部120に記憶する。
【0031】
(決定部132)
決定部132は、複数の処理対象のうち正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を決定する。具体的には、決定部132は、取得部131によって複数の処理対象が取得されると、取得部131によって取得された複数の処理対象のうち正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を決定する。例えば、決定部132は、取得部131によって複数の画像が取得されると、取得部131によって取得された複数の画像のうち正解あり画像を作業者に処理させる順番を決定する。
【0032】
より具体的には、決定部132は、複数の処理対象に対して所定間隔で正解あり処理対象を作業者に処理させるように順番を決定する。例えば、決定部132は、複数の画像に対して所定間隔で正解あり画像を作業者に処理させるように順番を決定する。図1に示す例では、決定部132は、500枚の画像に対して100枚ごとに5枚の正解あり画像を作業者に処理させるように順番を決定する。すなわち、決定部132は、500枚の画像のうち正解あり画像を作業者に処理させる順番を1番目と101番目と201番目と301番目と401番目に決定する。
【0033】
続いて、決定部132は、正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を決定すると、取得部131によって取得された複数の処理対象のうち正解あり処理対象以外の他の処理対象(以下、正解なし処理対象ともいう)を作業者に処理させる順番を決定する。例えば、決定部132は、正解あり画像を作業者に処理させる順番を決定すると、取得部131によって取得された複数の画像のうち正解あり画像以外の画像(以下、正解なし画像ともいう)を作業者に処理させる順番を決定する。図1に示す例では、決定部132は、5枚の正解あり画像を作業者に処理させる順番を決定すると、500枚の画像のうち残り495枚の正解なし画像を作業者に処理させる順番を決定する。
【0034】
決定部132は、複数の処理対象の処理順を決定すると、決定した処理順が紐づけられた複数の処理対象を共有サーバ(例えば、クラウドサーバ)にアップロードする。例えば、決定部132は、複数の画像の処理順を決定すると、決定した処理順が紐づけられた複数の画像を共有サーバにアップロードする。図1に示す例では、決定部132は、依頼者から受け付けた500枚の画像の処理順を決定すると、決定した処理順が紐づけられた500枚の画像を共有サーバにアップロードする。
【0035】
(提供部133)
提供部133は、作業者が複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面を作業者に対して提供する。具体的には、提供部133は、作業者が複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面を作業者装置10に表示させる。より具体的には、提供部133は、作業者が複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面に相当するコンテンツを作業者装置10に送信する。例えば、提供部133は、作業者が複数の画像に対する選択領域の選択処理を行うための作業画面に相当するコンテンツを作業者装置10に送信する。作業者装置10は、情報処理装置100から受信したコンテンツを画面に表示することで、作業画面を表示する。例えば、提供部133は、決定部132によって決定された処理順に複数の画像を1枚ずつ作業者装置10の画面に表示させる。例えば、提供部133は、後述する図4図7に示す作業画面に相当するコンテンツを作業者装置10の画面に表示させる。
【0036】
また、提供部133は、正解あり処理対象に対する処理を行うための作業画面と正解なし処理対象に対する処理を行うための作業画面とを視覚的に区別できない態様によって作業者装置10に表示させる。例えば、提供部133は、作業者装置10の画面に表示された画像においては、正解あり画像と正解なし画像とを視覚的に区別できない態様によって複数の画像を1枚ずつ作業者装置10の画面に表示させる。
【0037】
また、提供部133は、作業者による処理状況を表示する管理画面を管理者に対して提供する。具体的には、算出部135は、複数の作業者それぞれが複数の処理対象の数に対して処理した処理済みの処理対象の数の割合を算出する。提供部133は、作業者による処理状況の一例として、算出部135によって算出された作業者による処理済みの処理対象の数の割合を表示する管理画面を提供する。例えば、提供部133は、作業者が複数存在する場合には、複数の作業者それぞれについて算出部135によって算出された処理済みの処理対象の数の割合を表示する管理画面を提供する。
【0038】
また、提供部133は、作業者の技能スコアを表示する管理画面を提供する。より具体的には、算出部135は、評価値に基づいて、複数の作業者それぞれの処理の技能を示す技能スコアを算出する。例えば、提供部133は、作業者が複数存在する場合には、複数の作業者それぞれの技能スコアを表示する管理画面を提供する。例えば、提供部133は、管理画面に相当するコンテンツを管理者装置20に送信する。管理者装置20は、情報処理装置100から受信したコンテンツを画面に表示することで、管理画面を表示する。
【0039】
ここで、提供部133が提供する管理画面について、図12図13を用いて詳しく説明する。図12図13は、実施形態に係る管理者装置の画面の一例を示す図である。
【0040】
図12に示す例では、提供部133は、XXプロジェクトの教師データ作成を担当する複数の作業者それぞれの処理状況(本日の進捗)および技能スコアを示す星印が表示された部分コンテンツC211~C216を含むコンテンツC21を管理者装置20に送信する。
【0041】
また、提供部133は、作業者であるJohnさんによって作成された教師データの品質が高いことを管理者に対して視覚的に通知する情報を含む部分コンテンツC211を含むコンテンツC21を提供する。例えば、提供部133は、部分コンテンツC211に表示された「高品質」の文字が管理者によって選択された場合に、Johnさんの詳しい処理状況を表示する画面に遷移させることが可能な部分コンテンツC211を含むコンテンツC21を提供する。
【0042】
また、提供部133は、複数の作業者のうち、評価値が他の作業者と比べて低い作業者を管理者に対して視覚的に通知する情報を含む管理画面を提供する。例えば、提供部133は、評価値が他の作業者と比べて低い作業者を管理者に対して視覚的に通知する情報を含む管理画面の一例として、例えば、作業者であるBobさんによって作成された教師データの品質が低下したことを管理者に対して視覚的に通知する情報を含む部分コンテンツC214を含むコンテンツC21を提供する。例えば、提供部133は、部分コンテンツC214に表示された「セキュリティ検知」の文字が管理者によって選択された場合に、Bobさんの詳しい処理状況を表示する画面に遷移させることが可能な部分コンテンツC214を含むコンテンツC21を提供する。
【0043】
また、提供部133は、作業者であるNigelさんによるアノテーション作業が停滞していることを管理者に対して視覚的に通知する情報を含む部分コンテンツC216を含むコンテンツC21を提供する。例えば、提供部133は、部分コンテンツC216に表示された「作業停滞」の文字が管理者によって選択された場合に、Nigelさんの詳しい処理状況を表示する画面に遷移させることが可能な部分コンテンツC216を含むコンテンツC21を提供する。
【0044】
また、提供部133は、XXプロジェクト全体の進捗状況を表示するコンテンツC21を提供する。例えば、提供部133は、XXプロジェクト全体の進捗状況の一例として、XXプロジェクト全体で処理すべき500枚の画像のうち386枚の画像が処理済みであることを表示したコンテンツC21を提供する。また、提供部133は、残りの作業時間を表示するコンテンツC21を提供する。例えば、提供部133は、XXプロジェクトの残りの作業時間が2時間であることを表示したコンテンツC21を提供する。管理者装置20は、コンテンツC21を受信すると、受信したコンテンツC21を画面に表示する。
【0045】
図13に示す例では、提供部133は、作業者であるNigelさんによる詳しい処理状況を表示する部分コンテンツC221を含むコンテンツC22を管理者装置20に送信する。例えば、提供部133は、図12に示す部分コンテンツC216に表示された「作業停滞」の文字が管理者によって選択された場合に、Nigelさんの詳しい処理状況を表示する画面に相当するコンテンツC22を管理者装置20に送信する。管理者装置20は、コンテンツC22を受信すると、受信したコンテンツC22を画面に表示する。
【0046】
また、提供部133は、作業者であるNigelさんによる処理がリアルタイムに表示される動画C222を含むコンテンツC22を提供する。例えば、提供部133は、作業者であるNigelさんのカーソルが遊んでいる動画C222を含むコンテンツC22を提供する。
【0047】
また、提供部133は、画面を通じて管理者と作業者であるNigelさんがメッセージをやり取りすることが可能な領域C223を含むコンテンツC22を提供する。例えば、提供部133は、メッセージを入力可能な領域F22とメッセージの送信ボタンB22を含むコンテンツC22を提供する。また、提供部133は、「印刷しようとしちゃダメですよ」という管理者のメッセージに対する「ごめんなさい、もうしません」というNigelさんの返信メッセージが表示された領域C223を含むコンテンツC22を提供する。
【0048】
(受付部134)
受付部134は、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに作業者装置10から受け付ける。具体的には、受付部134は、正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像に対する選択領域を作業者が一つの画像に対する領域の選択処理を完了するごとに作業者装置10から受け付ける。より具体的には、受付部134は、提供部133によって提供される作業画面を通じて、作業者が一つの画像に対する領域の選択処理を完了するごとに作業者による選択処理の処理結果を作業者装置10から受け付ける。
【0049】
また、受付部134は、決定部132によって決定された順番に正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者装置10から受け付ける。具体的には、受付部134は、決定部132によって決定された順番に正解あり画像を含む複数の画像に対する選択処理の処理結果を作業者装置10から受け付ける。より具体的には、提供部133は、決定部132によって決定された順番に、決定部132によって決定された処理順の画像を1枚ずつ含む作業画面を作業者装置10に送信する。そして、受付部134は、提供部133によって提供される作業画面を通じて、作業者が一つの画像に対する領域の選択処理を完了するごとに作業者による選択処理の処理結果を作業者装置10から受け付ける。このようにして、受付部134は、決定部132によって決定された順番に画像に対する選択処理の処理結果を作業者装置10から受け付ける。
【0050】
ここで、受付部134が画像に対する選択処理の処理結果を作業者装置10から受け付ける処理について、図4図7を用いて詳しく説明する。図4図7は、実施形態に係る作業者装置10の画面の一例を示す図である。
【0051】
図4に示す例では、提供部133が、決定部132によって決定された処理順が15番目である画像G11を含む作業画面に相当するコンテンツC11を作業者装置10に送信する。作業者装置10は、コンテンツC11を受信すると、受信したコンテンツC11を画面に表示する。作業者装置10は、作業者の操作に従って、作業者が画像G11の中から自動車が撮像された領域O1を選択する選択処理を受け付ける。続いて、作業者装置10は、作業者の操作に従って、コンテンツC11に含まれる送信ボタンB11の選択操作を受け付ける。作業者装置10は、送信ボタンB11の選択操作を受け付けると、作業者によって選択された選択領域O1に関する情報を情報処理装置100に送信する。受付部134は、作業者による画像G11に対する選択処理の処理結果である選択領域O1を作業者装置10から受け付ける。
【0052】
図5に示す例では、作業者装置10は、作業者の操作に従って、作業者が画像G12の中から選択領域O1に含まれる自動車とは異なる別の自動車が撮像された領域O2を選択する選択処理を受け付ける。続いて、作業者装置10は、作業者の操作に従って、画像G12を含むコンテンツC12に含まれるスキップボタンB12の選択操作を受け付ける。ここで、スキップボタンB12とは、何らかの理由により、作業者が選択領域の選択処理をスキップするためのボタンである。作業者装置10は、スキップボタンB12の選択操作を受け付けると、作業者が選択領域O2の選択処理のスキップに関する情報を情報処理装置100に送信する。受付部134は、作業者による選択領域O2の選択処理のスキップに関する情報を作業者装置10から受け付ける。
【0053】
図6に示す例では、受付部134によって選択領域O2の選択処理のスキップに関する情報が受け付けられると、提供部133が、作業者が選択領域O2の選択処理をスキップする理由をテキストにより入力可能なフィールドF13を含む部分コンテンツG131が表示された作業画面に対応するコンテンツC13を作業者装置10に送信する。ここで、部分コンテンツG131には、フィールドF13に入力されたテキストを情報処理装置100に送信するためのスキップボタンB13とフィールドF13に入力されたテキストを情報処理装置100に送信しないためのキャンセルボタンB14が含まれる。
【0054】
続いて、図7では、作業者装置10が、作業者の操作に従って、作業者が選択領域O2の選択処理をスキップする理由を示すテキストをフィールドF13´に入力する操作を受け付ける。図7では、作業者装置10は、「どこまで奥の車を加工するか確認したい。」というテキストの入力操作を受け付ける。続いて、作業者装置10は、作業者の操作に従って、部分コンテンツG131に含まれるスキップボタンB13の選択操作を受け付ける。作業者装置10は、スキップボタンB13の選択操作を受け付けると、作業者が入力したテキストを情報処理装置100に送信する。受付部134は、作業者によって入力されたテキストを作業者装置10から受け付ける。受付部134によってテキストが受け付けられると、通知部137は、受付部134によって受け付けられたテキストに関する情報を作業者IDと対応付けて管理者装置20に送信する。
【0055】
ここで、図8を用いて、実施形態に係るアノテーションについてさらに詳しく説明する。図8は、実施形態に係るアノテーションの一例を示す図である。図8に示す例では、画像の中に「bottle」、「cup」、および3つの「cube」といった複数の物体が含まれている。このとき、作業者によるアノテーションの作業は、画像に含まれる「bottle」、「cup」、および3つの「cube」が撮像された領域をそれぞれ囲む5つのバウンディングボックスを手作業によってそれぞれ選択することによって行われる。このとき、受付部134は、作業者によって選択された「bottle」、「cup」、および3つの「cube」に対応する5つのバウンディングボックスを作業者装置10から受け付ける。なお、図8に示すような、バウンディングボックスの選択によるアノテーションによって生成される教師データは、例えば、画像に含まれる複数種類の物体検出(Object Detection)を行う機械学習モデルの学習に用いられる。
【0056】
なお、上述した例では、受付部134が正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を受け付ける例について説明したが、これに限られない。具体的には、受付部134は、正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとにさらに受け付けてよい。
【0057】
(算出部135)
算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が正解あり処理対象である場合に、受付部134によって受け付けられた処理結果と正解の処理結果との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。具体的には、算出部135は、受付部134によって処理結果が受け付けられると、記憶部120を参照して、処理結果に対応する処理対象を特定する。続いて、算出部135は、処理結果に対応する処理対象を特定すると、特定した処理対象が正解あり処理対象であるか否かを判定する。例えば、算出部135は、記憶部120を参照して、特定した処理対象と紐づけられた正解の処理結果が存在するか否かを判定する。算出部135は、特定した処理対象と紐づけられた正解の処理結果が存在すると判定した場合に、特定した処理対象が正解あり処理対象であると判定する。続いて、算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が正解あり処理対象であると判定した場合に、記憶部120を参照して、正解あり処理対象と紐づけられた正解の処理結果に関する情報を取得する。続いて、算出部135は、正解の処理結果に関する情報を取得すると、取得した正解の処理結果と受付部134によって受け付けられた処理結果との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
【0058】
より具体的には、算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果と正解の処理結果との比較に基づいて、評価値の一例として、受付部134によって受け付けられた処理結果と正解の処理結果との重なり具合(一致度)を算出する。例えば、算出部135は、受付部134によって受け付けられた選択領域に対応する画像が正解あり画像である場合に、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。例えば、算出部135は、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、評価値の一例として、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域との重なり具合(一致度)を算出する。
【0059】
例えば、算出部135は、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域の共通部分(Intersection)の面積を受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域の和集合(Union)の面積で除した値であるIoU(Intersection over Union)を算出する。ここで、IoUは、物体検出における評価指標として用いられる。例えば、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域がぴったり重なっている(一致する)場合、IoUの値は1となる。一方、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域が全く重なっていない場合、IoUの値は0となる。つまり、IoUの値が大きいほど、物体検出がうまくできていると言える。すなわち、算出部135によって算出されたIoUの値が大きいほど、作業者による物体検出の品質が高いと言える。したがって、算出部135によって算出されたIoUの値が大きいほど、作業者に対する評価は高くなる。
【0060】
なお、上述した例では、算出部135が受付部134によって受け付けられた処理結果と正解の処理結果との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する例について説明したが、これに限られない。具体的には、算出部135は、受付部134によって受け付けられた正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出してよい。例えば、算出部135は、受付部134によって受け付けられた正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果に基づいて、正解の処理結果との比較に基づく評価以外の評価を示す他の評価値を算出する。例えば、算出部135は、他の評価値の一例として、作業者が複数の処理対象を処理する処理速度を算出してよい。例えば、算出部135は、作業者が処理した複数の処理対象の数を作業者が処理するのに要した時間で除した値を処理速度として算出する。
【0061】
(判定部136)
判定部136は、算出部135によって算出された評価値に基づいて、処理結果の品質が低下したか否かを判定する。具体的には、判定部136は、算出部135によって算出された評価値が評価閾値を下回った場合に、処理結果の品質が低下したと判定する。例えば、判定部136は、算出部135によって算出されたIoUの値が評価閾値を下回った場合に、処理結果の品質が低下したと判定する。
【0062】
(通知部137)
通知部137は、作業者による作業を管理する管理者に対してアラートを通知する。具体的には、通知部137は、判定部136によって品質が低下したと判定された場合に、管理者に対してアラートを通知する。通知部137によるアラートの通知処理について、図14を用いて詳しく説明する。図14は、実施形態に係る管理者装置の画面の一例を示す図である。
【0063】
図14では、判定部136は、算出部135によって算出されたIoUの値が評価閾値である50点を下回った場合に、処理結果の品質が低下したと判定する。例えば、算出部135は、101枚目の画像に関するIoUの値を45点と算出する。判定部136は、算出部135によって算出されたIoUの値が評価閾値である50点を下回ったので、作業者によるアノテーションの品質が低下したと判定する。通知部137は、判定部136によって品質が低下したと判定されたので、管理者に対してアラートを通知する。図14に示す例では、通知部137は、101枚目の画像のサムネイルの右下に品質の低下を通知するビックリマークが表示された画像G231を含む部分コンテンツC231を含むコンテンツC23を管理者装置20に送信する。また、通知部137は、101枚目の画像に対する評価値S232、101枚目の画像のサムネイルの右下に品質の低下を通知するビックリマークが表示された画像G232、および品質低下検知に関するメッセージM23を含む部分コンテンツC232を含むコンテンツC23を管理者装置20に送信する。管理者装置20は、コンテンツC23を受信すると、受信したコンテンツC23を画面に表示する。
【0064】
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理システム1の他の実施形態について説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
〔5-1.正解あり処理対象の処理順〕
上述した実施形態では、決定部132が、複数の処理対象に対して所定間隔で正解あり処理対象を作業者に処理させるように順番を決定する例について説明したが、正解あり処理対象の処理順はこれに限られない。
【0066】
具体的には、決定部132は、作業者に処理させる順番が小さいほど、正解あり処理対象を多くすることを決定する。より具体的には、決定部132は、作業者に処理させる順番が第1閾値を超える場合よりも、作業者に処理させる順番が第1閾値以下である場合に、正解あり処理対象を多くすることを決定する。これにより、情報処理装置100は、複数の処理対象に対する処理の早い段階で、作業者による処理結果と依頼者による正解の処理結果との齟齬がないかどうか確認することができる。
【0067】
また、決定部132は、作業者に処理させる順番が大きいほど、正解あり処理対象を多くすることを決定する。より具体的には、決定部132は、作業者に処理させる順番が2閾値を下回る場合よりも、作業者に処理させる順番が第2閾値以上である場合に、正解あり処理対象を多くすることを決定する。これにより、情報処理装置100は、例えば、複数の処理対象のうちの前半よりも、作業者が疲れてくる後半により多くの正解あり処理対象を含めることで、作業者の疲れによる品質の低下を適切に検知することができる。
【0068】
また、決定部132は、算出部135によって算出された評価値の統計情報に基づいて、正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を動的に決定する。より具体的には、決定部132は、統計情報として、評価値の変遷に基づいて、評価値が第3閾値を下回った場合に、評価値が第3閾値を下回る前よりも正解あり処理対象を多くすることを決定する。例えば、決定部132は、作業者ごとに異なる評価値の変遷に基づいて、作業者ごとに異なる第3閾値を決定する。続いて、決定部132は、作業者ごとに異なる第3閾値に応じて、評価値が第3閾値を下回った場合に、評価値が第3閾値を下回る前よりも正解あり処理対象を多くすることを決定する。これにより、情報処理装置100は、例えば、評価値の変遷に基づいて作業者ごとに品質が低下する傾向を分析して第3閾値を決定することで、作業者に応じた品質の低下を適切に検知することができる。
【0069】
また、決定部132は、統計情報として、評価値の変遷に基づいて、評価値が低下傾向を示した場合に、評価値が低下傾向を示す前よりも正解あり処理対象を多くすることを決定する。これにより、情報処理装置100は、例えば、評価値が低下傾向を示す前よりも、評価値が低下傾向を示した後により多くの正解あり処理対象を含めることで、品質の低下を食い止めることができる。
【0070】
また、決定部132は、算出部135によって算出された評価値に基づいて、複数の処理対象の数に対して正解あり処理対象を含める数を決定する。例えば、決定部132は、複数の作業者の評価値に基づいて、評価値が他の作業者と比べて低い作業者ほど複数の処理対象の数に対して正解あり処理対象を含める数を多くすることを決定する。これにより、情報処理装置100は、作成に手間がかかる正解あり処理対象をたくさん準備する手間を省き、数に限りのある正解あり処理対象を効率よく配分することができる。
【0071】
また、受付部134は、同一の処理対象に対する処理結果を複数の作業者それぞれから受け付ける。算出部135は、複数の作業者のうち、他の作業者から受け付けた処理結果とは異なる傾向を示す処理結果を処理した作業者に対する評価値を他の作業者に対する評価値よりも低く算出する。これにより、情報処理装置100は、正解なし処理対象に対しても、作業者の作業内容の評価をすることができる。また、情報処理装置100は、作成に手間がかかる正解あり処理対象をたくさん準備する手間を省き、数に限りのある正解あり処理対象を効率よく配分することができる。
【0072】
〔5-2.教師データの種類〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が画像認識技術のうち物体検出を行う機械学習モデルの教師データの品質を評価する例について説明したが、情報処理装置100が評価する教師データの種類はこれに限られない。具体的には、上述した処理対象は、機械学習モデルの用途に応じて、画像以外に、テキストや音声であってよい。
【0073】
〔5-3.アノテーションの種類〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が、図8に示すバウンディングボックスの選択によるアノテーションにより作成された教師データの品質を評価する例について説明したが、他の種類のアノテーションにより作成された教師データの品質を評価してよい。ここで、アノテーションの種類について、図9図11を用いて詳しく説明する。図9図11は、変形例に係るアノテーションの一例を示す図である。情報処理装置100は、図9図11に示すアノテーションにより作成された教師データの品質を評価してよい。
【0074】
図9に示す例では、画像の中に「bottle」、「cup」、および3つの「cube」といった複数の物体が含まれている。このとき、作業者によるアノテーションの作業は、画像に含まれる「bottle」、「cup」、および「cube」といった物体の種類を示すラベルを、手作業によって画像に付与することによって行われる。このとき、受付部134は、作業者によって付与された「bottle」、「cup」、および「cube」に対応する3つのラベルを作業者装置10から受け付ける。なお、図9に示すような、ラベルの付与によるアノテーションによって生成される教師データは、例えば、画像をラベルに対応するクラスに分類する画像分類(Image Classification)を行う機械学習モデルの学習に用いられる。
【0075】
図10に示す例では、画像の中に「bottle」、「cup」、および3つの「cube」といった複数の物体が含まれている。このとき、作業者によるアノテーションの作業は、画像に含まれる「bottle」、「cup」、および3つの「cube」が撮像された領域を、物体の種類ごとに「bottle」、「cup」、「cube」の3種類に色分けして塗りつぶすことによって行われる。このとき、受付部134は、作業者によって3種類に色分けして塗りつぶされた領域を作業者装置10から受け付ける。なお、図10に示すような、物体の種類ごとに領域を色分けするアノテーションによって生成される教師データは、例えば、画像中の全ピクセルをクラスに分類するセマンティック・セグメンテーション(Semantic Segmentation)を行う機械学習モデルの学習に用いられる。
【0076】
図11に示す例では、画像の中に「bottle」、「cup」、および3つの「cube」といった複数の物体が含まれている。このとき、作業者によるアノテーションの作業は、画像に含まれる「bottle」、「cup」、および3つの「cube」が撮像された領域を、物体ごとに5種類に色分けして塗りつぶすことによって行われる。このとき、受付部134は、作業者によって5種類に色分けして塗りつぶされた領域を作業者装置10から受け付ける。なお、図11に示すような、物体ごとに領域を色分けするアノテーションによって生成される教師データは、例えば、画像中の各ピクセルを物体ごとに分類するインスタント・セグメンテーション(Instant Segmentation)を行う機械学習モデルの学習に用いられる。
【0077】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、受付部134と算出部135を備える。受付部134は、正解の処理結果が紐づけられた正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとに受け付ける。算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が正解あり処理対象である場合に、受付部134によって受け付けられた処理結果と正解の処理結果との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
【0078】
このように、情報処理装置100は、人手によって行われる複数の処理対象に対する処理の途中で、作業者による処理結果と正解あり処理対象との比較に基づく経過審査を行う。これにより、情報処理装置100は、経過審査により定期的に品質を評価することで、品質が低下した場合にはすぐに検知することができるので、全体的な品質の低下を未然に防ぐことができる。したがって、情報処理装置100は、アノテーション等の人手によって行われる複数の処理対象に対する処理結果の品質を担保可能とすることができる。
【0079】
また、情報処理装置100は、決定部132をさらに備える。決定部132は、複数の処理対象のうち正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を決定する。受付部134は、決定部132によって決定された順番に正解あり処理対象を含む複数の処理対象に対する処理結果を受け付ける。算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果に対応する処理対象が正解あり処理対象である場合に、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
【0080】
これにより、情報処理装置100は、作業者や処理対象の種類に応じて柔軟に正解あり処理対象を処理させる順番を決定することができるので、作業者や処理対象の種類に応じた品質の低下をより適切に検知することを可能にする。
【0081】
また、決定部132は、作業者に処理させる順番が小さいほど、正解あり処理対象を多くすることを決定する。具体的には、決定部132は、作業者に処理させる順番が第1閾値を超える場合よりも、作業者に処理させる順番が第1閾値以下である場合に、正解あり処理対象を多くすることを決定する。
【0082】
これにより、情報処理装置100は、複数の処理対象に対する処理の早い段階で、作業者による処理結果と依頼者による正解の処理結果との齟齬がないかどうか確認することができる。
【0083】
また、決定部132は、作業者に処理させる順番が大きいほど、正解あり処理対象を多くすることを決定する。具体的には、決定部132は、作業者に処理させる順番が2閾値を下回る場合よりも、作業者に処理させる順番が第2閾値以上である場合に、正解あり処理対象を多くすることを決定する。
【0084】
これにより、情報処理装置100は、例えば、複数の処理対象のうちの前半よりも、作業者が疲れてくる後半により多くの正解あり処理対象を含めることで、作業者の疲れによる品質の低下を適切に検知することができる。
【0085】
また、決定部132は、算出部135によって算出された評価値の統計情報に基づいて、正解あり処理対象を作業者に処理させる順番を動的に決定する。具体的には、決定部132は、統計情報として、評価値の変遷に基づいて、評価値が第3閾値を下回った場合に、評価値が第3閾値を下回る前よりも正解あり処理対象を多くすることを決定する。
【0086】
これにより、情報処理装置100は、例えば、評価値の変遷に基づいて作業者ごとに品質が低下する傾向を分析して第3閾値を決定することで、作業者に応じた品質の低下を適切に検知することができる。
【0087】
また、決定部132は、統計情報として、評価値の変遷に基づいて、評価値が低下傾向を示した場合に、評価値が低下傾向を示す前よりも正解あり処理対象を多くすることを決定する。
【0088】
これにより、情報処理装置100は、例えば、評価値が低下傾向を示す前よりも、評価値が低下傾向を示した後により多くの正解あり処理対象を含めることで、品質の低下を食い止めることができる。
【0089】
また、決定部132は、算出部135によって算出された評価値に基づいて、複数の処理対象の数に対して正解あり処理対象を含める数を決定する。例えば、決定部132は、複数の作業者の評価値に基づいて、評価値が他の作業者と比べて低い作業者ほど複数の処理対象の数に対して正解あり処理対象を含める数を多くすることを決定する。
【0090】
これにより、情報処理装置100は、作成に手間がかかる正解あり処理対象をたくさん準備する手間を省き、数に限りのある正解あり処理対象を効率よく配分することができる。
【0091】
また、受付部134は、同一の処理対象に対する処理結果を複数の作業者それぞれから受け付ける。算出部135は、複数の作業者のうち、他の作業者から受け付けた処理結果とは異なる傾向を示す処理結果を処理した作業者に対する評価値を他の作業者に対する評価値よりも低く算出する。
【0092】
これにより、情報処理装置100は、正解なし処理対象に対しても、作業者の作業内容の評価をすることができる。また、情報処理装置100は、作成に手間がかかる正解あり処理対象をたくさん準備する手間を省き、数に限りのある正解あり処理対象を効率よく配分することができる。
【0093】
また、受付部134は、正解あり処理対象を含まない複数の処理対象に対する処理結果を作業者が一部の処理対象に対する処理を完了するごとにさらに受け付ける。算出部135は、受付部134によって受け付けられた処理結果に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
【0094】
これにより、情報処理装置100は、正解あり処理対象との比較に基づく評価以外の評価を示す他の評価値(例えば、作業者の処理速度)を算出することができる。
【0095】
また、情報処理装置100は、判定部136と通知部137をさらに備える。判定部136は、算出部135によって算出された評価値に基づいて、処理結果の品質が低下したか否かを判定する。通知部137は、作業者による作業を管理する管理者に対してアラートを通知する。判定部136は、算出部135によって算出された評価値が評価閾値を下回った場合に、処理結果の品質が低下したと判定する。通知部137は、判定部136によって品質が低下したと判定された場合に、管理者に対してアラートを通知する。
【0096】
これにより、情報処理装置100は、作業者による処理結果の品質の低下を検知した場合には、管理者から作業者に対して品質の低下を是正するよう促すことを可能にする。
【0097】
また、情報処理装置100は、提供部133をさらに備える。提供部133は、作業者による作業を管理する管理者によって利用される管理者装置20に対して、複数の作業者それぞれによる処理状況を表示する管理画面を提供する。算出部135は、複数の作業者それぞれが複数の処理対象の数に対して処理した処理済みの処理対象の数の割合を算出する。提供部133は、処理状況として、複数の作業者それぞれについて算出部135によって算出された割合を表示する管理画面を提供する。
【0098】
これにより、情報処理装置100は、管理者が作業者の処理状況を確認することを可能にするので、例えば、管理者が作業者の処理状況に応じて処理対象や正解あり処理対象を割り振ることを可能にする。
【0099】
また、算出部135は、評価値に基づいて、複数の作業者それぞれの処理の技能を示す技能スコアを算出する。提供部133は、複数の作業者それぞれの技能スコアを表示する管理画面を提供する。
【0100】
これにより、情報処理装置100は、管理者が作業者の技能を確認することを可能にするので、例えば、管理者が作業者の技能に応じて処理対象や正解あり処理対象を割り振ることを可能にする。
【0101】
また、提供部133は、複数の作業者のうち、評価値が他の作業者と比べて低い作業者を管理者に対して視覚的に通知する情報を含む管理画面を提供する。
【0102】
これにより、情報処理装置100は、評価値が他の作業者と比べて低い作業者を管理者が把握することを可能にする。
【0103】
また、情報処理装置100は、作業者が複数の処理対象に対する処理を行うための作業画面を作業者によって利用される作業者装置に表示させる提供部133をさらに備える。提供部133は、正解あり処理対象に対する処理を行うための作業画面と正解あり処理対象以外の他の処理対象に対する処理を行うための作業画面とを視覚的に区別できない態様によって作業者装置10に表示させる。
【0104】
これにより、情報処理装置100は、作業者からは正解あり処理対象と正解あり処理対象以外の他の処理対象を区別することができないので、作業者が正解あり処理対象に対する処理を行うときだけ注意して処理を行うといったことを防ぐことができる。
【0105】
また、処理対象は、画像に含まれる物体を認識する機械学習モデルの学習に用いるための教師用の画像である。また、処理は、作業者が画像の中から物体が撮像された領域を選択する選択処理である。受付部134は、正解の選択領域が紐づけられた正解あり画像を含む複数の画像に対する選択領域を作業者が一部の画像に対する領域の選択処理を完了するごとに受け付ける。算出部135は、受付部134によって受け付けられた選択領域に対応する画像が正解あり画像である場合に、受付部134によって受け付けられた選択領域と正解の選択領域との比較に基づいて、作業者に対する評価を示す評価値を算出する。
【0106】
このように、情報処理装置100は、人手によって行われる複数の画像に対するアノテーションの途中で、作業者によって選択された選択領域と正解の選択領域との比較に基づく経過審査を行う。これにより、情報処理装置100は、経過審査により定期的にアノテーションの品質を評価することで、アノテーションの品質が低下した場合にはすぐに検知することができるので、全体的なアノテーションの品質の低下を未然に防ぐことができる。したがって、情報処理装置100は、アノテーション等の品質を担保可能とすることができる。
【0107】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図14は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0108】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0109】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0110】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0111】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0112】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0113】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0114】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0116】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0117】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、算出部は、算出手段や算出回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム
10 作業者装置
20 管理者装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 決定部
133 提供部
134 受付部
135 算出部
136 判定部
137 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15