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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】制御しやすい送入装置の輸送装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20221207BHJP
【FI】
A61F2/966
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2020524004
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2018111573
(87)【国際公開番号】W WO2019080857
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】201710999545.1
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810509283.0
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810940914.4
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517334285
【氏名又は名称】杭州啓明医療器械股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VENUS MEDTECH (HANGZHOU),INC.
【住所又は居所原語表記】Room 311,Floor 3,Building 2,No.88 Jiangling Road,Xixing Street,Binjiang District Hangzhou,Zhejiang 310052(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ズー ジェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ツォン ミン フランク
(72)【発明者】
【氏名】ゴン チュエンガン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0067037(US,A1)
【文献】特開2012-055470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/962
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアチューブを含み、前記コアチューブ上には、案内頭部と固定頭部が固定され、
前記案内頭部はコアチューブの遠端に固定され、
前記コアチューブの近端側は固定頭部を越え、前記案内頭部と固定頭部との間は送入装置の装着位置であり、
前記送入装置の前記装着位置の周囲には軸方向の滑動が可能な外部シースチューブが取り付けられる制御しやすい送入装置の輸送装置であって、
浮動位置決め部を更に含み、前記浮動位置決め部の近端は固定頭部またはコアチューブに相対して移動不可能に設けられる開始端であり、遠端は送入装置の輸送装置と外部シースチューブとの間で浮動する末端であり、
前記固定頭部の外壁には前記送入装置の連結耳部に結合される位置決め部が形成され、前記送入装置が装着状態になるとき、前記浮動位置決め部が前記外部シースチューブの束縛を受けることにより連結耳部と前記位置決め部との間の結合を確保し、
前記位置決め部は位置決め突出部であり、前記送入装置が装着状態になるとき、連結耳部は位置決め突出部上に結合され、前記浮動位置決め部が連結耳部の外側に重畳することにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保し、
または、
前記位置決め部は位置決め溝であり、前記送入装置が装着状態になるとき、連結耳部は所定の位置決め部内に結合され、前記浮動位置決め部が連結耳部の外側に重畳することにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保する、
ことを特徴とする、制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項2】
前記浮動位置決め部の開始端は前記固定頭部または前記コアチューブのうち少なくとも1つに固定されることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項3】
前記浮動位置決め部と位置決め溝の数量は同様であり、円周方向の位置は一対一に対応することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項4】
前記浮動位置決め部の最遠端は固定頭部の最遠端と整列するか或いは固定頭部の最遠端から突出しないか或いは固定頭部の最遠端から出することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項5】
前記位置決め溝は軸方向に貫通し、前記浮動位置決め部の位置決め溝と結合される部位の一部分または全部は位置決め溝内に挿入されることを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項6】
前記位置決め溝の軸方向の貫通区域は浮動位置決め部により完全に密閉されることを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項7】
位置決め溝に挿入される前記浮動位置決め部の部分は、直径方向の内部に向く方向において連結耳部と接触するか或いは連結耳部に当接することを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項8】
前記浮動位置決め部は直径方向において固定頭部の外壁と同高になるか或いは固定頭部の外壁より高くなることを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項9】
前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は直線または曲線に延伸することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項10】
前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は同幅または非同幅に延伸することを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項11】
前記浮動位置決め部の末端には円滑な外周面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項12】
前記浮動位置決め部は円周方向に均等に配列される2、3または4本であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項13】
各浮動位置決め部は同長または非同長に形成されることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項14】
前記浮動位置決め部は中空または中実の構造であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項15】
前記浮動位置決め部は中実のストリップ状であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項16】
前記浮動位置決め部のサイズにおいて、長さは10mm~80mmであり、幅は1~2mmであり、厚さは0.2~0.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項17】
前記浮動位置決め部は、接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により所定の部品に固定連結されることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項18】
前記浮動位置決め部の外部シースチューブと結合される部位と、前記浮動位置決め部のステントと結合される部位のうち少なくとも1つには円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項19】
前記浮動位置決め部の材料はPTFE(Poly tetra fluoroethylene)であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項20】
外部シースチューブの内壁に位置しかつ軸方向に延伸する固定案内部が更に形成されることを特徴とする請求項1~19のうちいずれか一項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項21】
前記浮動位置決め部と固定案内部は円周方向に交替に配置されることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項22】
前記浮動位置決め部の末端と固定案内部の遠端側の軸方向の位置は一致するか或いは交替に配置されることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項23】
前記固定案内部は円周方向に均等に配列される2、3または4本であることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項24】
各固定案内部は同長または非同長に形成されることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項25】
前記固定案内部は中空または中実の構造であることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項26】
前記固定案内部は中実のストリップ状であることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項27】
前記固定案内部のサイズにおいて、長さは10mm~80mmであり、幅は1~2mmであり、厚さは0.2~0.5mmであることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項28】
前記固定案内部の長さは60mm~80mmであることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項29】
前記固定案内部は、接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により外部シースチューブの内壁に固定されることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項30】
前記固定案内部の送入装置と結合される部位には円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項31】
前記固定案内部の材料はPTFE(Poly tetra fluoroethylene)であることを特徴とする請求項2に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項32】
前記送入装置は送入式心臓弁膜であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項33】
前記送入装置の装着状態は、外部シースチューブが送入装置を完全に包む放出前状態と、一部分の送入装置を露出させる半放出状態を具備し、装着状態において、浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けることにより送入装置の連結耳部と位置決め部との間の結合を確保しかつ連結耳部が固定頭部から離れることを防止し、外部シースチューブが送入装置を完全に露出させるとき送入装置は放出状態になり、放出状態において、浮動位置決め部により連結耳部と位置決め部との間の結合を維持する作用力が除去されることにより送入装置の連結耳部が位置決め部から離れることができることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項34】
装着状態において、前記浮動位置決め部の直径方向の外側は外部シースチューブの内壁に当接し、浮動位置決め部の直径方向の裏側は前記連結耳部に当接し、かつ浮動位置決め部と送入装置の連結耳部の接触部位において、前記浮動位置決め部はいずれも送入装置の直径方向の外部に位置することを特徴とする請求項3に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項35】
装着状態において、前記浮動位置決め部は直径方向において固定頭部の外壁と同高になるか或いは固定頭部の外壁より高くなることを特徴とする請求項3に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項36】
円周方向において前記浮動位置決め部と前記位置決め部は少なくとも一部分が重畳する区域を具備することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項37】
連結耳部はU型構造または環状構造であり、U型構造の開口の一側または環状構造の一側は送入装置に連結され、固定頭部上の位置決め部は位置決め突出部であり、U型構造または環状構造は位置決め突出部に結合されることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項38】
前記位置決め突出部の外周すなわち固定頭部の外壁には挿入溝が形成され、前記連結耳部は挿入溝内に重畳することを特徴とする請求項に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項39】
前記浮動位置決め部は一本のストリップ型構造であるか或いは前記浮動位置決め部はフォーク構造であり、浮動位置決め部の非フォーク型構造は固定頭部の外部に固定され、フォーク構造の遠端は連結耳部上に重畳するように連結耳部の外側まで延伸することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項40】
前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は同厚または非同厚に延伸することを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【請求項41】
送入装置と前記位置決め部の結合連結構造は送入装置の連結部であり、前記送入装置の連結耳部は前記連結部の少なくとも一部分であることを特徴とする請求項1に記載の制御しやすい送入装置の輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野に属し、具体的に、人工的な心臓弁膜を心臓に送入する輸送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
心臓弁膜に関する病気は我が国においてよく見かける心臓病の一種であり、それはリウマチ熱(rheumatic fever)により生じる弁膜の損傷である。近年、高齢化の発展に伴い、弁膜の退化((石灰化;calcification)と粘液の変性等を含む)と新陳代謝の障害による弁膜損傷が増加している。先天性弁膜症もよく見かける心臓病の一種である。重症の心臓弁膜症、例えば重症の弁膜不全、手術により弁膜の置換をできない高齢者、末期の腫瘤、弁膜不全等を有している患者のため、損傷が小さい送入治療方法を発明する必要がある。送入式心臓弁膜は心臓弁膜置換手術から発展してきたものである。近年、皮下弁膜送入手術が発明されかつ2000年以降応用と臨床において成功をした。実験の研究から小規模の臨床に発展してきた研究階段において、弁膜送入により技術上の「課題」を解決し、大規模の臨床を迅速に実現することができ、送入式心臓病の分野において注目を集めることができる。
【0003】
従来技術において、人工的な心臓弁膜ステントを圧縮させた後輸送装置により体内に送入する。圧縮された弁膜ステントは弾性を有しており、圧縮状態の弁膜ステントは圧縮案内管に大きい力を与える。その力が大きいことにより弁膜ステントを徐々に正確に放出させることができず、弁膜ステントと血管の内壁との間に大きい摩擦が形成されるおそれがある。
【0004】
公開番号がCN101953725である中国特許には人工的な心臓弁膜ステントが公開されている。その心臓弁膜ステントは、主動脈ステント、弁膜ステント、流出部ステントおよび連結耳部で構成される。心臓弁膜を圧縮させて輸送装置内に送入するとき、前記連結耳部は輸送装置のステント固定モジュールに結合される。心臓弁膜を放出させるとき、連結耳部の結合と外部シースチューブの束縛により心臓弁膜を徐々に放出させることができる。しかしながら、従来技術において弁膜ステントの連結耳部に与える束縛力が小さいので、弁膜ステントを放出させる後期において、連結耳部が輸送装置のステント固定モジュールからイジェクトすることにより弁膜ステントが突然に完全に放出されるおそれがある。したがって、位置の誤差等の問題が生じても弁膜ステントを迅速に回収することができず、手術方法(外科的手法)によりその弁膜ステントを取り換えなければならない。
【0005】
弁膜ステントを体内に送入して放出させるとき前記問題が生じることを防止するため、米国特許第US5683451号において管状プロステーシスの放出を制御する伝送装置および方法が提案される。具体的に、伝送装置内にレールを取り付けることにより、プロステーシスを輸送、放出させるとき弾性拡張により輸送案内管に与える摩擦力を低減する。その発明によりプロステーシスと輸送案内管との間の摩擦を低減することができる。しかしながら、その発明は弁膜ステントを放出させるとき弾力が大きいことにより弁膜ステントが突然に完全に放出される問題を解決することができず、放出された弁膜ステントの位置を調節するか或いは再び移動させることができないので、手術をするとき弁膜ステントを制御する要求が極めて高く、失敗のリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明において送入装置の放出を制御する輸送装置を提供する。それにより、送入装置が放出される過程において、送入装置の端部を固定させることにより送入装置を放出させるとき強大な弾力により送入装置が制御不可能になりかつ固定頭部から離れることを防止し、放出の過程において送入装置の位置を再び決め、回収することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
制御しやすい送入装置の輸送装置であって、コアチューブを含み、コアチューブ上には案内頭部と固定頭部が固定され、案内頭部はコアチューブの遠端に固定され、コアチューブの近端側は固定頭部を越え、案内頭部と固定頭部との間は送入装置の装着位置であり、送入装置の装着位置の周囲には軸方向の滑動が可能な外部シースチューブが取り付けられ、
浮動位置決め部を更に含み、前記浮動位置決め部の近端は固定頭部またはコアチューブに相対して移動不可能に設けられる開始端であり、遠端は送入装置の輸送装置と外部シースチューブとの間で浮動する末端であり、
前記固定頭部の外壁には送入装置の連結耳部に結合される位置決め部が形成され、送入装置が装着状態になるとき、前記浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けることにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保する。
【0008】
本発明において、浮動位置決め部が外部シースチューブと送入装置との間に位置することにより外部シースチューブは直径方向において送入装置を引っ張り、非制御状態において送入装置が落下することを防止することができる。また、浮動位置決め部は外部シースチューブと送入装置との間の接触面積をある程度低減し、接触時の相対的な摩擦力を低減することができる。外部シースチューブを前進または撤退させるとき医者が操作する力を低減し、送入装置の放出と回収を正確に制御することができる。
【0009】
送入装置の装着位置は装着される送入装置が位置している空間中の位置であると理解することができる。送入装置の重要な部分は固定頭部の遠端と案内頭部の近端との間に位置するが、位置を容易に決めるため、送入装置の局部を固定頭部と案内頭部の外周壁に搭載させることもできる。装着される送入装置が位置している空間中の位置は軸方向上に位置しかつ固定頭部の遠端と案内頭部の近端との間に位置することができる。
【0010】
浮動位置決め部は外部シースチューブの束縛を受けないとき、送入装置またはコアチューブに相対して自由にスイングするか或いは自身の材料強度により相対的な位置と姿勢を維持することができる。「浮動」とは、一端が固定されかつ他端が外部の束縛を受けないとき少なくとも直径方向においてスイングすることができ、かつ自身の材料強度により円周方向の偏移も許容することを指す。
【0011】
前記送入装置の装着状態は、外部シースチューブが送入装置を完全に包む放出前状態と、一部分の送入装置を露出させる半放出状態を具備し、装着状態において、浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けることにより送入装置の連結耳部と位置決め部との間の結合を確保しかつ連結耳部が固定頭部から離れることを防止し、
外部シースチューブが送入装置を完全に露出させるとき送入装置は放出状態になり、放出状態において、浮動位置決め部により連結耳部と位置決め部との間の結合を維持する作用力が除去されることにより送入装置の連結耳部が位置決め部から離れることができる。
【0012】
前記浮動位置決め部が装着状態になるときのみ、送入装置の連結耳部と位置決め部の結合の安定性を確保する。
【0013】
送入装置と前記位置決め部の結合連結構造は送入装置の連結部であり、前記送入装置の連結耳部は前記連結部の少なくとも一部分である。
【0014】
前記位置決め部は連結耳部の直径方向位置の変化を許容する開放区域を具備し、装着状態において、前記浮動位置決め部は前記開放区域を密閉させ、かつ開放区域の全部または一部分を密閉させることができる。
【0015】
位置決め部の直径方向には開放区域が形成され、送入装置を放出させるとき連結耳部は前記開放区域により位置決め部から離れることができる。装着状態において、前記浮動位置決め部は前記開放区域を密閉させることにより連結耳部の離脱を防止する。開放区域に相対する固定頭部の外周面の開口面積において、放出前状態下の浮動位置決め部は浮動位置決め部は開放区域の全部または一部分を密閉させる。
【0016】
送入装置を外部シースチューブ内に装着させるとき、浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けることにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保することができる。外部シースチューブを撤退させることにより連結耳部を徐々に放出させると、浮動位置決め部も外部シースチューブから外部へ放出される。連結耳部が完全に放出されかつ固定頭部から離れるとき、浮動位置決め部は自由にスイングすることができ、放出される浮動位置決め部は連結耳部に直径方向の圧力を与えないので、連結耳部の位置を制限しない。
【0017】
送入装置を外部シースチューブ内に装着させるとき、浮動位置決め部がスペーサーのような役割をすることにより、外部シースチューブと連結耳部との間の結合誤差を補償し、外部シースチューブと連結耳部との間の直径方向の隙間を充填することができる。浮動位置決め部は構造が簡単であり、隙間を充填しても輸送システムの直径方向のサイズが増加しない。従来技術の送入装置と固定頭部との間の連結結合の強度を増加させ、連結の性能をより安定させることができる。浮動位置決め部が連結耳部に与える直径方向の圧力は外部シースチューブを撤退させることにより同時に除去され、よく放出される弁膜に新しい干渉を与えない。
【0018】
好ましくは、前記浮動位置決め部の開始端は前記固定頭部または前記コアチューブのうち少なくとも1つに固定される。
【0019】
固定頭部のコアチューブ上の位置または少なくとも軸方向の位置が固定される。浮動位置決め部の開始端は前記固定頭部または前記コアチューブのうち少なくとも1つに固定される。
【0020】
浮動位置決め部の近端は下記部分の少なくとも1つに固定連結される。
(a)前記固定頭部上に固定連結される。
(b)前記コアチューブ上に固定連結され、かつ前記固定頭部の近端側に位置する。
【0021】
浮動位置決め部の近端はコアチューブまたは固定頭部に連結され、浮動位置決め部の遠端はコアチューブまたは固定頭部に相対して浮動するように設けられる。例えば浮動位置決め部の開始端の固定位置は固定頭部に接近するか或いは固定頭部の近端(輸送装置が使用者に近づく方向)の尾部またはその尾部に連結されるコアチューブ上に位置する。手術をする前、外部シースチューブに送入装置と浮動位置決め部を収納させると、浮動位置決め部は直径方向に沿って送入装置の外周に当接する。浮動位置決め部が送入装置の外周に当接するということは、送入装置の外周にのみ当接し、送入装置の内部に進入しないことを意味する。送入装置を体内に送入して放出させるとき、外部シースチューブの撤退と送入装置の放出により浮動位置決め部は直径方向の外部へ曲げられる。
【0022】
前記浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けないとき、局部または全体の形状を変化させることにより直径方向の位置を変化させ、連結耳部が直径方向に沿って位置決め部から離れることを許容することができる。前記浮動位置決め部の少なくとも一部分は変形可能な構造であり、その変形可能な構造として弾性材料と/或いはヒンジ構造を採用することができる。
【0023】
好ましくは、前記位置決め部は位置決め突出部であり、前記送入装置が装着状態になるとき、連結耳部は位置決め突出部上に結合され、前記浮動位置決め部が連結耳部の外側に重畳することにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保する。
【0024】
好ましくは、前記位置決め部は位置決め溝(槽)であり、前記送入装置が装着状態になるとき、連結耳部は所定の位置決め部内に結合され、前記浮動位置決め部が連結耳部の外側に重畳することにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保する。
【0025】
送入装置の軸方向の位置を制御するため、送入装置の近端には固定頭部に結合される連結耳部が形成され、連結耳部は、T型、L型、環状、U型、V型等の構造を有し、位置決め部はT型、L型の連結耳部を収納させる位置決め溝または環状、U型、V型の連結耳部に結合される突出部であることができる。装着状態下の送入装置の軸方向の位置は位置決め部により制限される。本発明の連結耳部の形状として従来技術を採用し、連結耳部の形状は本発明が改良しようとするものでない。
【0026】
前記浮動位置決め部の位置決め溝に挿入される部分は、直径方向の内部に向く方向において連結耳部と接触するか或いは連結耳部に当接する。
【0027】
前記位置決め部は位置決め突出部または位置決め溝であり、装着状態になるとき、連結耳部は位置決め突出部に結合されるか或いは位置決め溝に挿入される。
【0028】
装着状態において、前記浮動位置決め部は連結耳部に直接に重畳するか或いは位置決め部の開放区域を密閉させることにより連結耳部と位置決め部との間の結合を確保する。
【0029】
連結耳部に重畳するということは開放区域を密閉させることを意味する。そのとき直径方向の隙間は制限を受け、浮動位置決め部は連結耳部と接触するとともに連結耳部を押す。外部シースチューブと位置決め部との間の直径方向の隙間が大きいとき、浮動位置決め部は直径方向において連結耳部と直接に接触することができず、開放区域を密閉させることにより連結耳部をロックさせることができる。直径方向の隙間が浮動位置決め部に充填されると、連結耳部の厚さより薄いことにより連結耳部が位置決め部から離脱することを確保する必要がある。装着状態において、前記浮動位置決め部の直径方向の外側は外部シースチューブの内壁に当接し、浮動位置決め部の直径方向の裏側は前記連結耳部に当接し、かつ浮動位置決め部と送入装置の連結耳部の接触部位において、前記浮動位置決め部はいずれも送入装置の直径方向の外部に位置する。
【0030】
装着状態において、前記浮動位置決め部は直径方向において固定頭部の外壁と同高になるか或いは固定頭部の外壁より高くなる。
【0031】
装着状態において、前記浮動位置決め部が外部シースチューブの束縛を受けることにより、少なくとも直径方向の分力が形成され、前記直径方向の分力は前記送入装置の連結耳部が直径方向の外部へ移動することを防止し、前記送入装置の連結部が固定頭部に当接することを増強させる。
【0032】
前記位置決め突出部または位置決め溝は、位置決め部が連結耳部に結合される部位であり、装着状態において連結耳部の軸方向の移動する制限する構造であり、かつ放出状態において送入装置が位置決め部に相対して移動する軸方向の制限を除去することができる。
【0033】
装着状態において、前記浮動位置決め部の位置決め溝に結合される部位において、その一部分または全部は直径方向に沿って位置決め溝に挿入される。
【0034】
例えば位置決め溝を採用するとき、装着状態下の連結耳部が位置決め溝内に結合されることにより軸方向の位置を決め、外部シースチューブを撤退させた後、連結耳部はステントの直径方向に沿って位置決め溝から離れることができる。
【0035】
位置決め溝を採用するとき突出構造を共に用いることもできる。すなわち位置決め溝の底部に突出構造を形成し、突出構造の形状を連結耳部の形状に対応させることにより位置決めの効果を向上させることができる。
【0036】
連結耳部はU型構造または環状構造であり、U型構造の開口の一側または環状構造の開口の一側は送入装置に連結される。固定頭部上の位置決め部は位置決め突出部であり、U型構造または環状構造は位置決め突出部に結合される。U型構造または環状構造は位置決め突出部に結合されることにより軸方向の位置を決めることができる。連結耳部が直径方向の外部に過度に突出することを避けるため、位置決め突出部の外周すなわち固定頭部の外壁に挿入溝を形成する。前記連結耳部が挿入溝内に重畳することにより、その直径方向の高さと固定頭部の外壁は同高にすることができる。
【0037】
好ましくは、前記浮動位置決め部と位置決め溝の数量は同様であり、円周方向の位置は一対一に対応する。
【0038】
位置決め溝は浮動位置決め部が収納されるか或いは放出されるとき移動することを防止することができる。
【0039】
装着状態の浮動位置決め部の近端部位は外部シースチューブに包まれることにより位置決め溝に緊密に結合されるとともにその連結耳部に挿入される。外部シースチューブを撤退させて送入装置を放出させるとき、浮動位置決め部が位置決め溝に圧力を与えることにより、非制御状態において送入装置が落下することを防止することができる。送入装置を放出させるとき位置に誤差が形成されると、外部シースチューブを前進させることにより、放出される送入装置を圧縮するとともに回収することができる。そのとき、連結耳部が浮動位置決め部と外部シースチューブに緊密に包まれることにより送入装置を安全に制御しかつその位置を再び決めることができる。
【0040】
好ましくは、前記浮動位置決め部の末端は少なくとも前記連結耳部に対応する位置まで延伸する。すなわち少なくとも一部分の連結耳部を覆うことにより連結耳部の直径方向の移動を制限する。また、浮動位置決め部の末端を遠端側へ更に延伸させ、それが軸方向において自由に活動するようにすることができる。
【0041】
好ましくは、前記浮動位置決め部は一本のストリップ型構造であるか或いは前記浮動位置決め部はフォーク構造であり、浮動位置決め部の非フォーク型構造は固定頭部の外部に固定され、フォーク構造の遠端は連結耳部上に重畳するように連結耳部の外側まで延伸する。
【0042】
前記浮動位置決め部の末端は開始端に相対するものであり、末端は浮動位置決め部の遠端側と理解することもできる。
【0043】
好ましくは、前記浮動位置決め部の最遠端は固定頭部の最遠端と整列するか或いは固定頭部の最遠端から突出しないか或いは固定頭部の最遠端から少し突出する。
【0044】
前記浮動位置決め部が最小の長さを有するとき、浮動位置決め部は少なくとも前記連結耳部を覆うことができる。当接の効果を更に向上させるため、浮動位置決め部の末端は固定頭部の遠端側まで更に延伸するか或いは固定頭部の遠端側を少し越えることができる。例えばその長さは1cmより小さいか或いは等しくてもよい。
【0045】
浮動位置決め部の末端は送入装置の最大直径区域まで延伸することができる。送入装置が放出された後、各部位の直径は異なり、浮動位置決め部の末端は送入装置の最大直径区域まで延伸することができる。
【0046】
浮動位置決め部が最大の長さを有するとき、浮動位置決め部の各部位がいずれも外部シースチューブ内に収納され、かつ浮動位置決め部の末端と外部シースチューブ内の送入装置の遠端側が整列することを確保することができる。そのとき、浮動位置決め部の長さは送入装置全体を包むことができ、浮動位置決め部がレールの役割をすることにより、外部シースチューブがレールに沿って前進、撤退することを確保しかつ送入装置と直接に接触することを防止することができる。
【0047】
送入装置が装着状態になるとき、前記浮動位置決め部は外部シースチューブの束縛を受けることにより連結耳部を位置決め溝内に位置させ、外部シースチューブの内壁と浮動位置決め部が接触することにより直径方向の束縛を提供する。浮動位置決め部は連結耳部を位置決め溝内に固定させることにより連結耳部の離脱を防止する。
【0048】
好ましくは、前記位置決め溝は軸方向に貫通し、前記浮動位置決め部の位置決め溝と結合される部位の一部分または全部は位置決め溝内に挿入される。
【0049】
前記浮動位置決め部は位置決め溝により遠端側へ延伸し、位置決め溝は軸方向に貫通しかつ直径方向の外側は開口されている。すなわち位置決め溝は直径方向の開口を有しているので、浮動位置決め部は直径方向の開口の裏側にのみ集まるものでなく、浮動位置決め部の一部分は直径方向の開口の外側に位置することもできる。例えば、浮動位置決め部の断面がT型であるとき、T型の底部が位置決め溝に挿入されることにより連結耳部の移動を制限し、T型の頂部のサイズが直径方向の開口より大きいことによりT型の頂部は直径方向の開口の外側に位置する。それにより浮動位置決め部と外部シースチューブの内壁の結合を確保し、かつ浮動位置決め部と連結耳部の結合を確保することもできる。
【0050】
好ましくは、前記位置決め溝の軸方向の貫通区域は浮動位置決め部により完全に密閉される。
【0051】
連結耳部の離脱を防止するため、浮動位置決め部の幅は軸方向の貫通区域の直径方向の開口と一致するか或いは少し広い。それにより直径方向の開口を完全に密閉させることができる。浮動位置決め部の幅が直径方向の開口より小さくても、その2つの間に形成される隙間から連結耳部が離脱することができない。好ましくは、浮動位置決め部の幅と軸方向の貫通区域の直径方向の開口が一致することにより浮動位置決め部の移動を更に防止することができる。
【0052】
好ましくは、位置決め溝に挿入される前記浮動位置決め部の部分は、直径方向の内部に向く方向において連結耳部と接触するか或いは連結耳部に当接する。
【0053】
浮動位置決め部は連結耳部の離脱を防止することができるが、浮動位置決め部および連結耳部の厚さ(直径方向のサイズ)と位置決め溝の深さは対応の関係を有していない。外部シースチューブが固定頭部の外周を包む場合、浮動位置決め部は連結耳部の外壁に重畳する。浮動位置決め部および連結耳部の厚さが位置決め溝の深さより大きいとき、浮動位置決め部は直径方向に沿って連結耳部の内部に当接する。逆の場合(すなわち浮動位置決め部および連結耳部の厚さが位置決め溝の深さより大きくないとき)、接触が形成されるが、大きい束縛力が形成されない。2つの場合、浮動位置決め部はいずれも連結耳部の位置を制限することができる。好ましい実施例において、当接の関係を形成することにより軸方向の力が大きいか或いは外部シースチューブが変形するときも、制限の効果を確保することができる。
【0054】
好ましくは、装着状態において、前記浮動位置決め部は直径方向において固定頭部の外壁と同高になるか或いは固定頭部の外壁より高くなる。
【0055】
浮動位置決め部が直径方向において固定頭部の外壁より低くならないことにより浮動位置決め部と外部シースチューブとの間に余計な隙間が形成されることを避けることができる。それにより外部シースチューブの内壁は浮動位置決め部に緊密に当接し、かつ連結耳部を固定頭部の位置決め部内に緊密に当接させることができる。
【0056】
本発明において、浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は直線または曲線に延伸することができる。
【0057】
浮動位置決め部の両側と位置決め溝の所定の側が当接するとき、曲線に延伸する浮動位置決め部の幅は適当に狭くなり、送入装置が放出されるとき外部へ曲げられることにより連結耳部を容易に放出させ、連結耳部が容易に放出されないことを避けることができる。
【0058】
本発明において、浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は同幅または非同幅に延伸することができる。
【0059】
円周方向において前記浮動位置決め部と前記位置決め部は少なくとも一部分が重畳する区域を具備する。
【0060】
本発明において、前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は同厚または非同厚に延伸する。前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位は直線または曲線に延伸することができるが、前記浮動位置決め部の連結耳部と結合される部位を非同幅と/或いは非同厚にすることもできる。幅、厚さを変化せることにより局部の強度を制御し、位置を決めかつ連結耳部を放出させることができる。
【0061】
好ましくは、前記浮動位置決め部の末端には円滑な外周面が形成される。
【0062】
前記浮動位置決め部は送入装置の放出により直径方向に展開される。展開される浮動位置決め部の末端が血管の内壁に損傷を与えることを防止するため、その末端を円滑の輪郭、例えば球形または面取り等にすることができる。
【0063】
好ましくは、前記浮動位置決め部は円周方向に均等に配列される2、3または4本である。
【0064】
好ましくは、各浮動位置決め部は同長または非同長に形成される。
【0065】
各浮動位置決め部が非同長に形成されるとき、各浮動位置決め部の末端の位置は異なることができる。例えば、少なくとも1つの浮動位置決め部の末端は固定頭部の遠端側と整列する所まで延伸し、少なくとも1つの浮動位置決め部の末端は送入装置の装着位置の遠端側まで延伸することができる。
【0066】
前記浮動位置決め部は複数本であり、複数本の浮動位置決め部は同時または前後に装着状態になることができる。
【0067】
好ましくは、前記浮動位置決め部は複数本であり、複数本の浮動位置決め部は同時または前後に装着状態から放出状態に変換されることができる。
【0068】
浮動位置決め部が外部シースチューブに完全に包まれるタイミングを装着状態と見なし、浮動位置決め部を完全に露出させるタイミングを放出状態と見なすことができる。複数本の浮動位置決め部の遠端の軸方向の位置が異なるとき、複数本の浮動位置決め部は前後に装着状態になる。すなわち複数本の浮動位置決め部が前後に装着状態から放出状態に変換される。複数本の浮動位置決め部の遠端の軸方向の位置が一致するとき、複数本の浮動位置決め部は同時に装着状態になる。すなわち複数本の浮動位置決め部が同時に装着状態から放出状態に変換される。
【0069】
好ましくは、前記浮動位置決め部は同長の3本であり、それらはいずれもストリップ状構造を有している。
【0070】
好ましくは、前記浮動位置決め部は中空または中実の構造を有している。
【0071】
好ましくは、前記浮動位置決め部は中実のストリップ状である。
【0072】
浮動位置決め部がストリップ状構造を有していることにより、送入装置の装着位置の直径方向の占用空間を節約し、圧縮後の外部サイズを低減することができる。
【0073】
好ましくは、前記浮動位置決め部のサイズにおいて、長さは10mm~80mmであり、幅は1~2mmであり、厚さは0.2~0.5mmである。
【0074】
好ましくは、前記浮動位置決め部は、接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により所定の部品に固定連結される。
【0075】
前記浮動位置決め部の一端は開始端であり、他端は末端であり、中央部位は延伸端である。前記開始端は、固定頭部の近端の尾部または尾部と内部シースチューブの連結部位に位置し、かつ接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により所定の部品に固定連結される。浮動位置決め部は開始端から遠端まで延伸し、自然の状態において、浮動位置決め部の開始端は固定され、延伸端と末端はコアチューブの軸方向に展開される。
【0076】
好ましくは、前記浮動位置決め部の外部シースチューブと結合される部位と、前記浮動位置決め部のステントと結合される部位のうち少なくとも1つには円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成される。
【0077】
好ましくは、前記浮動位置決め部の材料はPTFE(Poly tetra fluoroethylene)である。
【0078】
好ましくは、外部シースチューブの内壁に位置しかつ軸方向に延伸する固定案内部が更に形成される。
【0079】
固定案内部の一面が外部シースチューブの遠端(送入装置が使用者側から離れる方向)の管状の内壁に固定され、固定案内部は外部シースチューブの管状の内壁の軸方向に延伸する。外部シースチューブにより送入装置を収納、放出させる過程において、送入装置は外部シースチューブの管状の内部に位置する固定案内部と直接に接触し、固定案内部により平坦なレールが形成されることにより送入装置を迅速に正確に制御することができる。
【0080】
固定案内部と外部シースチューブの内壁との間は一部分が接触するか或いは全体が連結されるか或いは間隔を空けて形成される複数個の固定点により連結されることができる。固定案内部は外部シースチューブと共に往復の移動をするので、少なくとも固定案内部の軸方向の両端を外部シースチューブの内壁に固定させることが好ましい。それにより曲げられることにより妨害が形成されることを避けることができる。
【0081】
手術をする前、送入装置が外部シースチューブに収納されることにより固定案内部は送入装置に緊密に当接する。送入装置が放出されるとき、固定案内部により外部シースチューブの管状の内壁と送入装置との間(送入装置に近づいている一面)に平坦なレールが形成されることにより、摩擦を低減し、送入装置の放出と制御を容易にすることができる。
【0082】
好ましくは、前記浮動位置決め部と固定案内部は円周方向に交替に配置される。
【0083】
各固定案内部の位置と固定頭部上の位置決め溝は交替に配置される。それは浮動位置決め部と固定案内部が交替に配置されることを意味する。
【0084】
好ましくは、前記浮動位置決め部の末端と固定案内部の遠端側の軸方向の位置は一致するか或いは交替に配置される。
【0085】
好ましくは、前記固定案内部は円周方向に均等に配列される2、3または4本である。
【0086】
好ましくは、各固定案内部は同長または非同長に形成される。
【0087】
好ましくは、前記固定案内部は同長の3本であり、それらはいずれもストリップ状構造を有している。
【0088】
好ましくは、前記固定案内部は中空または中実の構造である。
【0089】
好ましくは、前記固定案内部は中実のストリップ状である。
【0090】
固定案内部がストリップ状構造を有していることにより、送入装置の装着位置の直径方向の占用空間を節約し、圧縮後の外部サイズを低減することができる。
【0091】
好ましくは、前記固定案内部のサイズにおいて、長さは10mm~80mmであり、幅は1~2mmであり、厚さは0.2~0.5mmである。
【0092】
好ましくは、前記固定案内部の長さは60mm~80mmである。
【0093】
本発明において、前記浮動位置決め部、固定案内部の形状およびサイズは異なることができる。例えば中空または中実のストリップ状構造であることができる。その断面の形状はストリップ状であることが好ましく、ストリップ状の厚さの方向は外部シースチューブの直径方向であることができる。
【0094】
ステントの放出と回収を容易に制御するため、ステントと外部シースチューブの接触面積を低減することによりステントと外部シースチューブとの間の摩擦力を低減することができ、浮動位置決め部、固定案内部のサイズを適当に選択することができる。
【0095】
好ましくは、前記固定案内部は、接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により外部シースチューブの内壁に固定される。
【0096】
好ましくは、前記固定案内部の送入装置と結合される部位には円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成される。
【0097】
好ましくは、前記固定案内部の材料はPTFE(Poly tetra fluoroethylene)である。
【0098】
本発明において、前記浮動位置決め部と固定案内部の材料は異なることができる。好ましい材料として弾性とバイオコンパチビリティー(biocompatibility)を備えた材料を選択することができる。具体的に、従来技術の材料を採用することができる。
【0099】
本発明において前記送入装置は送入式心臓弁膜であることができる。応用が異なることにより前記送入装置は血管のステントであることもできる。
【0100】
浮動位置決め部、固定案内部が適当な弾性と小さいダイナミック摩擦係数を有することを確保するため、それらの材料としてPTFE(Poly tetra fluoroethylene)を選択することができる。好ましくは、浮動位置決め部、固定案内部の外表面を円滑にするか或いは円滑な塗布層を形成することができる。円滑な塗布層の材料として、潤滑の特性がよい親水性モノマー(monomer)またはハイポリマー(high polymer)、例えばN,N-dimethylacrylamide(DMAA)、アクリルアミド(acrylamide、AAm)、n-vinylpyrrolidone(NVP)、ポリビニールアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide、PAAm)、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol、PEG)等を選択し、カップリング剤(coupling agent)または化学方法により前記塗布材料を浮動位置決め部または固定案内部の外表面に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1】本発明の実施例に係る送入装置の輸送装置の構造を示す図である。
図2】本発明の実施例に係る送入装置の輸送装置の遠端部位の構造を示す図である。
図3】ロック部位の構造を示す図である。
図4】浮動位置決め部の末端の構造を示す図である。
図5A】外部シースチューブが送入装置を完全に包む放出前状態を示す構造図である。
図5B】外部シースチューブが一部分の送入装置を露出させる半放出状態を示す構造図である。
図5C】外部シースチューブが送入装置を完全に露出させる放出状態を示す図である(図面の送入装置の近端は直径方向の弾性変形をしていない)。
図5D】弁膜ステントの放出状態を示す図である(図面の送入装置の近端は直径方向の弾性変形をした)。
図6】本発明の他の実施例において短い浮動位置決め部を採用することを示す構造図である。
図7A】本発明の他の実施例において短い浮動位置決め部を採用するとき、送入装置が放出前状態になっていることを示す構造図である。
図7B】送入装置が半放出状態になっていることを示す構造図である。
図7C】短い浮動位置決め部を採用するとき、送入装置が放出状態になっていることを示す図である(図面の送入装置の近端は直径方向の弾性変形をしていない)。
図7D】送入装置の放出状態を示す図である(図面の送入装置の近端は直径方向の弾性変形をした)。
図7E図7D中の浮動位置決め部が復位することを示す構造図である。
図7F】送入装置の半放出状態を示す図である。
図7G】心臓弁膜が放出されるとき浮動位置決め部の一部分が放出されることを状態図である。
図7H】送入装置が放出状態になっていることを状態図である。
図8】固定案内部が更に形成されることを示す構造図である。
図9】外部シースチューブの断面を示す図である。
図10】浮動位置決め部と固定案内部が装着される送入装置の放出状態を示す図である。
図11A】連結耳部の固定頭部と結合される部位を示す図である。
図11B】装着状態において図11Aの連結耳部が浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図12A】他の連結耳部の固定頭部と結合される部位を示す図である。
図12B】装着状態において図12Aの連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図12C】装着状態において図12Aの連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図12D】装着状態において図12Aの連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図13A】他の連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図13B】他の連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図13C】他の連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
図13D】他の連結耳部が異なる浮動位置決め部の制限を受けることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下、本発明の実施例の図面により本発明の実施例の技術的事項をより詳細に、充分に説明する。下記実施例は本発明の一部分の実施例にしか過ぎないものであり、すべての実施例を示すものでない。本発明の実施例を参照する場合、この技術分野の技術者は創造的な研究をしなくても他の実施例を想到することができ、それらがあっても本発明に含まれることは勿論である。
【0103】
本発明の実施例をより詳細に説明するため、1つまたは複数の図面を参照することができる。図面に示される事項または例示は、本発明の技術的事項、説明している実施例または好適な実施形態の範囲を限定するものでない。
【0104】
注意されたいことは、モジュールが他のモジュールに「連結」されるということは、モジュールが他のモジュールに直接に連結されるか或いは中間のモジュールにより間接に連結されることを意味する。モジュールが他のモジュールに「取り付けられる」ということは、モジュールが他のモジュールに直接に取り付けられるか或いは中間のモジュールにより間接に取り付けられることを意味する。
【0105】
特別な説明がない限り、本文において用いる技術的用語または科学的用語はこの技術分野の技術者が常用している用語の意味を指す。本文または本発明において用いる用語は、本発明の具体的な実施例を説明するものであり、本発明を限定するものでない。
【0106】
本文において、前記近端とは使用者に近づいている輸送装置の一端を指し、前記近端とは使用者から離れている輸送装置の一端を指す。この実施例の送入装置として弁膜ステントを例として説明する。
【0107】
図1図2を参照すると、本発明の送入装置の輸送装置は、案内頭部2、コアチューブ(core tube)7、浮動位置決め部1(浮動位置決め部1は近端の開始端部13、延伸段12および遠端である末端11を含む)、固定頭部3、内部シースチューブ(sheath tube)4、外部シースチューブ5および操作取っ手6を含む。
【0108】
案内頭部2と固定頭部3はいずれもコアチューブ7上に固定され、案内頭部2はコアチューブ7の最遠端に位置し、コアチューブ7の遠端には固定頭部3が取り付けられている。案内頭部2と固定頭部3との間には送入装置の装着位置が形成され、固定頭部3の外壁には送入装置の連結耳部に結合される位置決め部30が形成され、送入装置の連結耳部81は送入装置と位置決め部30を連結結合させる構造の少なくとも一部分である。外部シースチューブ5は送入装置の装着位置の外周に位置しかつ軸方向に滑動することができ、コアチューブ7と外部シースチューブ5の近端はいずれも操作取っ手6に連結され、操作取っ手6により外部シースチューブ5がコアチューブ7に相対して軸方向に滑動することを制御することができる。需要により内部シースチューブ4を取り付けるか或いは取り付けないことができる。内部シースチューブ4はコアチューブ7上に取り付けられかつ固定頭部3の近端に位置し、内部シースチューブ4は通常、外部シースチューブ5と共に軸方向に移動しない。
【0109】
コアチューブ7は1つの部品で構成されるか或いは挿入固定される2つの部品で構成されることができる。挿入位置を固定頭部3内に位置させることにより連結の強度と外表の平坦性を確保することができる。
【0110】
図1の浮動位置決め部1は長さが同一である三本であり、外部シースチューブ5の束縛を受けないとき、浮動位置決め部1は放出状態になりかつ自然の状態に延伸する。
【0111】
図2を参照すると、浮動位置決め部1の各部位には開始端部13、延伸段12および末端11がそれぞれ形成されている。開始端部13は浮動位置決め部の近端である。開始端部13はコアチューブ7上に固定されかつ頭部尾部固定部32の近端側に位置している。図面に示されるとおり、開始端部13は内部シースチューブ4と頭部尾部固定部32との間に位置している。本実施例の位置決め部は位置決め溝であり、固定頭部3の外周には位置決め溝33が形成されている。位置決め溝と送入装置の連結耳部を結合させる必要があるので、位置決め溝の位置と形状は連結耳部の位置と形状に対応する。図面には3個の位置決め溝が示され、それらは軸方向に交差に配置されている。例えば位置決め溝31と位置決め溝33を参照することができる。浮動位置決め部1の延伸を妨害することを防止するため、位置決め溝は軸方向に貫通する構造を有することが好ましい。弁膜ステントが放出されるとき、連結耳部が直径方向の外部に沿って位置決め溝から離れることを確保するため、位置決め溝の直径方向の外側は開放の状態にされている。すなわち位置決め溝の直径方向の外側は開口の状態にされている。浮動位置決め部1が位置決め部30の直径方向の開口区域に位置し、かつ位置決め部30の直径方向の開口区域の全部または一部分を密閉させる。それれにより連結耳部81が外部へ移動しかつ位置決め部から離れることを防止する。それにより本実施例の位置決め溝33が形成される。
【0112】
図面中の位置決め溝は軸方向に貫通し、その両側には外部へ延伸しかつT型の連結耳部に対応する羽部が形成されている。浮動位置決め部1が遠端へ延伸するとき、浮動位置決め部1は所定の位置決め溝の軸方向の貫通区域を通過しかつ送入装置の装着位置の遠端側まで延伸する。図2中の浮動位置決め部1は無負荷状態にされ、末端11は軸方向に沿って案内頭部2の外周まで延伸する。
【0113】
図2において、浮動位置決め部が軸方向に展開されるとき、その遠端は案内頭部2の部位まで延伸する。浮動位置決め部が送入装置に結合されるとき、送入装置と外部シースチューブとの間のレールになることにより案内の役割をすることができる。外部シースチューブの束縛を受けないとき、浮動位置決め部の遠端は直径方向の外部へ曲げられるとともに展開されることが好ましい(図1を参照)。それにより送入装置の放出を確保し、予想外の直径方向の妨害を防止することができる。浮動位置決め部の形状を予め決めることができる。例えば、外部シースチューブが放出状態になるとき直径方向の外部へ拡張する形状にすることができる。浮動位置決め部の少なくとも一部分は変形可能な構造であることもできる。前記変形可能な構造は弾性材料と/或いはヒンジ構造で構成されることができる。
【0114】
浮動位置決め部の開始端部13は、接着、バインディング(binding)、ロック、溶接、一体成型の方法により固定されることができる。接着材料としてバイオコンパチビリティー(biocompatibility)を有している耐食性のクロスリンキングエージェント(cross-linking agent)を用いることができる。バインディングとして柔軟性と耐食性がよいバインディング線材を用いることができる。
【0115】
溶接方法において、合金材料で製造されるロック部を頭部尾部固定部またはコアチューブに連結させた後、ロック部により開始端を固定させることができる。例えば、図3を参照すると、浮動位置決め部1の開始端13はステンレスで製造されるロック部14内に固定されることができる。図面には一部分の延伸段12、ロック部14が溶接方法により固定頭部3またはコアチューブ7上に連結されることが示されている。
【0116】
図1図2に示される送入装置(この図面には送入式心臓弁膜が示されていない。すなわち浮動位置決め部1は無負荷状態になっている)に送入式心臓弁膜を装着させると、浮動位置決め部は負荷状態になる。すなわち浮動位置決め部は外部シースチューブの束縛により送入装置の連結部に作用力を与える。例えば送入式心臓弁膜の連結耳部が位置決め溝から離れることを防止することができる。浮動位置決め部は放出状態を更に含む。送入装置が外部シースチューブと浮動位置決め部から離れて放出状態になると、外部シースチューブが浮動位置決め部により送入装置の連結部に作用力を与えることが除去される。例えば、外部シースチューブを撤去し、送入式心臓弁膜を放出させると、外部シースチューブが浮動位置決め部により送入式心臓弁膜の連結耳部に作用力を与えることが除去され、弁膜ステントは連結耳部を直径方向に放出させかつ位置決め溝から離れるようにする。
【0117】
浮動位置決め部1はストリップ状の中実または中空の構造を有している。本実施例の浮動位置決め部1は中実のストリップ状である。末端11にポインテッドが形成されることを防止するため、末端11の辺縁部を円弧形に形成することができる(図4を参照)。
【0118】
各浮動位置決め部1の長さは10mm~80mmであり、幅は1~2mmであり、厚さは0.2~0.5mmである。浮動位置決め部1が最大の長さに延伸するとき、浮動位置決め部1全体が外部シースチューブ5内に収納され、かつ浮動位置決め部1の末端が弁膜ステント8の遠端側まで延伸することを確保するため、装着状態下の浮動位置決め部1の長さが弁膜ステント8全体を包む必要がある。それにより外部シースチューブ5が前進または撤退するとき弁膜ステント8と直接に接触することを防止することができる。
【0119】
図5A図5Dを参照する。浮動位置決め部1が小さいダイナミック摩擦係数を有することを確保するため、浮動位置決め部1の材料としてPTFE(Poly tetra fluoroethylene)を選択して製造することができる。図面において、各浮動位置決め部1の長さは65mmであり、その幅は固定頭部3の位置決め溝の幅に対応し、その厚さは0.5mmである。浮動位置決め部1が収縮状態になるとき、3本の浮動位置決め部1は軸方向の貫通位置に対応する位置決め溝に沿って遠端側に更に延伸する。弁膜ステント8は3個のT型の連結耳部を含み、連結耳部に対応させるため位置決め溝をT型に形成させるとともに軸方向に貫通させる。すなわち十字型に形成させる。位置決めの効果を確保するため、所定の浮動位置決め部1により位置決め溝の軸方向の貫通区域を完全に密閉させる。すなわち浮動位置決め部1の幅は軸方向の貫通区域の幅に対応する。貫通区域が軸方向に沿って同幅に延伸しないとき、浮動位置決め部1の幅が少なくとも貫通区域の幅最小部に対応することにより、浮動位置決め部の一部分または全体が位置決め溝内に収納されることを確保することができる。浮動位置決め部1の外側が固定頭部3の外周面より少し高いことにより、固定頭部3の外周面と外部シースチューブ5の内壁との間の摩擦を低減することができる。
【0120】
図5A図5Dを参照する。図5A図5Bは送入装置の装着状態を示し、図5Aは外部シースチューブ5が送入装置8を完全に包む放出前状態を示し、図5Bは一部分の送入装置8を露出させる半放出状態を示し、図5C図5Dは送入装置の放出状態を示す。図5Cにおいて外部シースチューブが弁膜ステントを完全に露出させるとき、弁膜ステントの近端は自己膨張状態になるが、直径方向の弾性変形をしない。それは非常に短い瞬間である。図5Dの弁膜ステントの近端は完全に弾性変形する放出状態を示す。送入装置が装着状態になっているとき、浮動位置決め部1は連結耳部が位置決め部から離脱することを制限する。
【0121】
図5Aに示すとおり、弁膜ステント8を輸送装置に装着させるとき、浮動位置決め部1は固定頭部3から弁膜ステント8を包んだ後それらを外部シースチューブ5内に収納させる。送入装置が装着状態になると、浮動位置決め部1は直径方向に沿って外部シースチューブの内壁に当接し、直径方向において浮動位置決め部1は連結耳部81が直径方向に沿って位置決め溝33から離脱することを制限する。
【0122】
図5Bに示すとおり、弁膜ステント8が放出される過程において、外部シースチューブ5が弁膜ステント8と直接に接触することを避けながら、浮動位置決め部1を順に撤退させる。浮動位置決め部1の末端11と延伸段12は弁膜ステント8の展開により展開される。放出される過程において、浮動位置決め部の末端11は弁膜ステント8と当接する状態から展開状態に変化する。外部シースチューブ5を浮動位置決め部1の方向に撤退させることにより弁膜ステント8の放出を実施する。浮動位置決め部1の開始端13は固定頭部3に当接するとともに固定され、開始端13に隣接している延伸段12は開始端13の束縛力を受ける。弁膜ステント8の連結耳部を固定頭部3の位置決め溝33に挿入させるとき、浮動位置決め部1の近端は位置決め溝33に当接し、弁膜ステント8の連結耳部に直径方向の圧力を与える。それにより弁膜ステント8を放出させるときその連結耳部が固定頭部3の位置決め溝33から早めに離脱して弁膜ステント8が突然放出されることを防止することができる。また、弁膜ステント8を放出させる過程において、弁膜ステントの位置に偏差が生じることによりそれを再び装着させる必要があると、浮動位置決め部1の近端により位置決め溝33内の連結耳部に束縛力を与えることにより外部シースチューブ5が浮動位置決め部1に沿って前進することを確保し、放出される弁膜ステント8を収納させることにより弁膜ステント8を回収することができる。
【0123】
図5Cにおいて、外部シースチューブ5と固定頭部3の位置決め溝33の近端により外部シースチューブの軸線区域に形成される投影は交差に配列され、浮動位置決め部1は外部シースチューブの束縛を受けないが弁膜ステントの連結耳部が直径方向に移動することを制限する。それは浮動位置決め部1が弁膜ステント8の連結耳部に与える作用力が除去されることを意味する。すんわち浮動位置決め部1は放出状態になり、弁膜ステント8は展開された後位置決め溝33から離脱することができる。図5Cの連結耳部は直径方向の弾性変形をしていないが、直径方向の弾性変形をできる状態になっている。
【0124】
図5Dにおいて、弁膜ステントの近端部において、連結耳部81は直径方向に展開され、浮動位置決め部1は連結耳部から離れる。
【0125】
図6を参照すると、他の実施例において、浮動位置決め部1の軸方向の長さは短く、末端は固定頭部3の遠端と整列することができる。
【0126】
図1図2図5A図5Dにおいて、長さが長い浮動位置決め部1を採用する。浮動位置決め部1が負荷状態になるとき送入装置を制限する。例えば心臓弁膜ステントの連結耳部の直径方向の移動を制限し、連結耳部と結合され安定性を向上させる。また、弁膜ステント8と外部シースチューブ5との間に平坦なレールを形成することにより、その2つが接触するときの摩擦力を低減する。外部シースチューブ5が前進または撤退するとき浮動位置決め部1と接触することにより医者が操作する力を低減し、弁膜ステント8の放出と回収を正確に制御することができる。
【0127】
図6中の浮動位置決め部1は3本でありかつ中実のストリップ状である。浮動位置決め部1はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン;Poly tetra fluoroethylene)で製造され、浮動位置決め部1の開始端は接着方法により固定頭部3の近端尾部に固定され、浮動位置決め部1の末端は固定頭部3の遠端と整列する。すなわち浮動位置決め部1の末端は少なくとも連結耳部の覆うかつ連結耳部を位置決め溝内に収納させる。浮動位置決め部1の幅は位置決め溝33の軸方向の貫通区域の幅と一致し、その厚さは0.5mmである。
【0128】
図7A図7Eを参照する。他の実施例において、外部シースチューブ5は、送入装置8を完全に包む放出前状態、一部分の送入装置8を露出させる半放出状態および送入装置8を完全に露出させる放出状態を具備する。外部シースチューブ5が放出前状態と半放出状態になるとき、浮動位置決め部1は負荷状態になる。
【0129】
本実施例において、弁膜ステント8は連結耳部81を具備する。弁膜ステント8を輸送システムに装着させるとき、浮動位置決め部1が延伸する長さは固定頭部3の遠端の位置に対応し、その末端は固定頭部の位置決め溝33の内部に結合される連結耳部にのみ当接する。弁膜ステント8を人体内に送入して放出させるとき、外部シースチューブ5を撤去すると、弁膜ステント8は徐々に放出される。そのとき、弁膜ステント8の連結耳部81は固定頭部の位置決め溝33内に結合され、連結耳部は浮動位置決め部1の開始端の収縮力により位置決め溝33内に安定に収納されるので、放出される弁膜ステント8が連結耳部に拡張力を与えることにより弁膜ステントが迅速に完全に放出されることを防止することができる。
【0130】
長さが短い浮動位置決め部1を採用するとき、弁膜ステントの放出に影響を与えることと余計な束縛を避けることができる。浮動位置決め部1の長さは弁膜ステント8の軸方向の中部区域まで延伸することができる。すなわち浮動位置決め部1の長さは弁膜が完全に放出されるときの弁膜の軸方向の最大寸法を越えない。例えば図7H中のA点を越えない。
【0131】
図7Aには外部シースチューブ5の放出前状態が示されている。
【0132】
図7Bにおいて、弁膜ステント8を人体内に送入して放出させるとき、外部シースチューブ5を撤去すると、弁膜ステント8は徐々に放出される。そのとき、弁膜ステント8の連結耳部81は固定頭部の位置決め溝33内に結合され、かつ連結耳部は浮動位置決め部1の開始端の収縮力により位置決め溝33内に安定に収納されるので、放出される弁膜ステント8が連結耳部に拡張力を与えることにより弁膜ステントが迅速に完全に放出されることを防止することができる。
【0133】
図7Cにおいて、外部シースチューブ5を撤去すると、外部シースチューブ5と位置決め溝33の外部シースチューブの軸線上の投影区域はずれ、浮動位置決め部1により連結耳部81を束縛しないことが除去され、かつ浮動位置決め部1により弁膜ステント8に作用力を伝送することが除去される。すなわち浮動位置決め部1は放出状態になり、弁膜ステント8が位置決め溝33から離れることを許容する。図7Cの瞬間状態において、連結耳部は、直径方向に放出されず、直径方向に放出されようとする瞬間状態になっている。
【0134】
本発明の装着状態は送入装置の連結部が位置決め部に結合されている状態を意味する。具体的に、送入装置が位置決め部に結合されている状態を意味する。放出状態において送入装置の連結部は位置決め部から離れることができるが、送入装置が完全に放出されることのみを指さず、位置決め部に結合される連結部のみが解除可能な状態になっていることを指すことができる。位置決め部に結合されない部分において、一部分または全部は放出されかつ直径方向に拡張されることができる。
【0135】
図7Dにおいて、連結耳部81は直径方向の変形が可能な浮動位置決め部1が直径方向の弾性変形をするように駆動する。その場合、浮動位置決め部1も外部へ曲げられる。図7Eにおいて、浮動位置決め部1は固定頭部3側に接近して復位状態になる。
【0136】
他の実施例において、図7F図7G図7Hを参照する。浮動位置決め部1が小さいダイナミック摩擦係数を有することを確保するため、浮動位置決め部1の材料としてPTFE(Poly tetra fluoroethylene)を選択して製造することができる。図面において、各浮動位置決め部1の長さは15mmであり、浮動位置決め部はステントの固定頭部から少し突出する。各浮動位置決め部1の幅は固定頭部3の位置決め溝の幅に対応し、その厚さは0.5mmである。浮動位置決め部1が収縮状態になるとき、3本の浮動位置決め部1は軸方向の貫通位置に対応する位置決め溝に沿って遠端側に更に延伸する。弁膜ステント8は3個のT型の連結耳部81を含み、連結耳部に対応させるため位置決め溝をT型に形成させるとともに軸方向に貫通させる。すなわち十字型に形成させる。位置決めの効果を確保するため、所定の浮動位置決め部1により位置決め溝の軸方向の貫通区域を完全に密閉させる。すなわち浮動位置決め部1の幅は軸方向の貫通区域の幅に対応する。貫通区域が軸方向に沿って同幅に延伸しないとき、浮動位置決め部1の幅が少なくとも貫通区域の幅最小部に対応することにより、浮動位置決め部の一部分または全部が位置決め溝内に収納されることを確保することができる。浮動位置決め部1の外側が固定頭部3の外周面より少し高いことにより、固定頭部3の外周面と外部シースチューブ5の内壁との間の摩擦を低減することができる。
【0137】
弁膜ステント8を輸送装置上に装着させるとき、浮動位置決め部1は弁膜ステント8を包みかつその2つは一緒に外部シースチューブ5内に収納される。すなわち外部シースチューブは放出前状態になっている送入装置を完全に包み、放出前状態において浮動位置決め部1は装着状態になる。弁膜ステント8が放出されるとき、図7Fに示される矢印Mの方向において、外部シースチューブ5は浮動位置決め部1(図面の浮動位置決め部は外部シースチューブ5内に収納されているので、図面に示されていない)に沿って潤滑に撤退し、浮動位置決め部1は作動状態になる。連結耳部81が外部シースチューブ5内に収納されているとき外部シースチューブ5の束縛を受けることにより、浮動位置決め部1は連結耳部81上に当接し、連結耳部81のイジェクトを防止することができる。
【0138】
図7Gに示すとおり、外部シースチューブ5を矢印Mの方向に更に撤退させるとき、浮動位置決め部1の遠端の末端101は外部シースチューブ5の束縛を受けないようになり、延伸段102と弁膜ステントの連結耳部は依然として外部シースチューブ5内に収納されているので、延伸段102は連結耳部81に作用力を与える。連結耳部81が延伸段102の作用力を受けることにより、ステントが膨張して放出されるとき強い膨張力が形成されることを防止し、連結耳部がステントの固定頭部3の位置決め溝33内に安定に結合されることを確保することができる。すなわち延伸段102が連結耳部81に作用力を与えることにより、弁膜ステントの連結耳部81に直径方向の圧力を与え、弁膜ステントの連結耳部が安定に結合されることを確保し、ステントが膨張して放出されるとき強い膨張力が形成されることを防止し、連結耳部がステントの固定頭部3の位置決め溝33内に安定に結合されることを確保し、かつ連結耳部が固定頭部の位置決め溝から離れてステントが完全に放出されることを防止することができる。
【0139】
そのとき、弁膜ステントの放出位置が正確でないと、外部シースチューブ5を前進させることによりステントを回収し(矢印Mの反対方向に沿う)、弁膜を再び放出させることができる。弁膜ステントの放出位置が正確であると、外部シースチューブ5を矢印Mの方向に更に撤退させる。そのとき、図7Hに示されるとおり、浮動位置決め部1の末端101と延伸段102は外部シースチューブ5の束縛を受けないので、浮動位置決め部1の末端101と延伸段102は弁膜ステント8の展開により展開されることができる。そのとき、浮動位置決め部1は非作動状態になり、連結耳部81に作用力を与えないので、弁膜ステント8が展開されることができる。
【0140】
この明細書の作動状態は浮動位置決め部1が装着状態になっていることを指し、非作動状態は浮動位置決め部1が放出状態になっていることを指す。送入装置が放出状態になり始まるとき、外部シースチューブが浮動位置決め部により送入装置の連結部に作用力を与えることが除去される。例えば、外部シースチューブを撤去し、送入式心臓弁膜を放出させると、外部シースチューブが浮動位置決め部により送入式心臓弁膜の連結耳部に作用力を与えることが除去され、弁膜ステントは連結耳部を直径方向に放出させかつ位置決め溝から離れるようにする。
【0141】
放出される過程において、弁膜ステントの放出位置が正確でないことを発見すると、外部シースチューブ5を前進させることにより、すなわち矢印Mの反対方向に前進させることにより、弁膜ステント8を外部シースチューブ5内に再び収納させ、収納と2回目の放出をすることができる。
【0142】
従来技術を比較してみると、本発明は、弁膜を安定に回収することができ、弁膜ステントが放出されるとき弁膜ステントの放出位置が正確でないことを発見すると、弁膜ステント8を外部シースチューブ5内に収納させることにより2回目の位置決めと回収をすることができる。安定な後方向の引張力は弁膜ステントを外部シースチューブ5内に再び収納させるポイントである。浮動位置決め部1がスペーサーのような役割をすることにより、連結耳部81が位置決め溝33に安定に収納されることを確保し、外部シースチューブの移動により弁膜ステントに有効な回収力を提供し、弁膜ステントを外部シースチューブ内に収納させることができる。
【0143】
放出の過程において、一部分の送入装置が露出しても(すなわち外部シースチューブ5が半放出状態になる)、浮動位置決め部1は依然として装着状態になっている。
【0144】
現在の放出位置が正確であると、外部シースチューブ5を矢印Mの方向に更に撤退させる。そのとき、図7Hに示されるとおり、浮動位置決め部1の末端101と延伸段102は外部シースチューブ5の束縛を受けないので、浮動位置決め部1の末端101と延伸段102は弁膜ステント8の展開により展開されることができる。そのとき、浮動位置決め部1は放出状態になり、連結耳部81に作用力を与えないので、弁膜ステント8を放出させることができる。弁膜ステントが完全に放出されるとき、浮動位置決め部が連結耳部81に与える直径方向の圧力は外部シースチューブ5の撤退と同時に消失するので、良好に放出される弁膜ステントに新しい干渉を与えることを防止し、弁膜ステントの移動を有効に防止することができる。
【0145】
図8図9および図10を参照する。他の実施例において、外部シースチューブ5の遠端の内壁には固定案内部10が更に形成されている。
【0146】
図面には、浮動位置決め部1、案内頭部2、固定頭部3、内部シースチューブ4、外部シースチューブ5および弁膜ステント8が示され、外部シースチューブ5の内壁には固定案内部10が更に形成されている。固定案内部10は同様な長さを有している3本であり、それらは円周方向に均等に配置されている。固定案内部10が外部シースチューブ5の遠端の管状の内壁に固定されることにより、弁膜ステント8と外部シースチューブ5との間に平坦なレールが形成されることができる。
【0147】
各固定案内部10の円周の位置と固定頭部3の位置決め溝(浮動位置決め部1の円周に配置されている)が交差に配列されることにより、外部シースチューブ5に弁膜ステント8を収納させるとき、固定案内部の近端が固定頭部3に接近し、その位置は位置決め溝とそれぞれ交差する。
【0148】
固定案内部10は中実のストリップ状であり、その長さは10mm~80mmであり、その幅は1~2mmであり、その厚さは0.2~0.5mmである。本実施例の固定案内部10の長さと弁膜ステント8の軸方向の長さは約60mmである。
【0149】
固定案内部10は、接着、バインディング、ロック、溶接または一体成型の方法により外部シースチューブ5の内壁に固定されることができる。固定案内部10の材料はPTFE(Poly tetra fluoroethylene)であり、固定案内部10において送入装置8と結合するの部位には円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成されている。好適な実施例において、固定案内部10と外部シースチューブ5の内壁は一体に形成され、固定案内部10は外部シースチューブ5の内壁に突出している突出部であり、その上には円滑な表面と/或いは円滑な塗布層が形成されている。
【0150】
固定案内部は長さが異なる浮動位置決め部に対応することができる。固定案内部は、図1および図2に示される浮動位置決め部と、図6および図7A図7Hに示される短い浮動位置決め部とを含むことができるが、それにのみ限定されるものでない。具体的に、図10を参照すると、図10は浮動位置決め部と固定案内部が装着されている装着装置の放出状態を示す図である。弁膜ステント8の連結耳部81と浮動位置決め部1との間の構造をよい示すため、図10中の外部シースチューブ5は浮動位置決め部を完全に露出させる位置まで撤退している。そのとき、連結耳部は直径方向に展開されず、直径方向に放出しようとする瞬間状態になっている。
【0151】
図10を参照すると、弁膜ステント8が放出されるとき、外部シースチューブ5が固定案内部10により弁膜ステント8と滑動可能に接触する。摩擦力が非常に小さいとき、外部シースチューブ5を撤退させることによりステントを徐々に放出させることができる。
【0152】
外部シースチューブ5を固定頭部3の位置まで撤退させるとき、弁膜ステント8の連結耳部のみが外部シースチューブ5内に収納される。そのとき、固定案内部10と弁膜ステント8は完全に分離され、浮動位置決め部1は外部シースチューブ5の束縛により連結耳部上に緊密に当接する。外部シースチューブ5を更に撤退させると、浮動位置決め部1が連結耳部に与える束縛力が小さくなるので、連結耳部が放出されることができる。弁膜ステント8は、固定案内部10、浮動位置決め部1により形成される円滑なレールと直径方向の圧力により徐々に放出されることができる。外部シースチューブ5が固定案内部10、浮動位置決め部1により形成される円滑なレールと隙間により充填されることにより、外部シースチューブ5と圧縮状態の弁膜ステントとの間の摩擦力を低減し、弁膜ステントを放出させるか或いはシースチューブ内に再び収納させることを容易にすることができる。
【0153】
本発明を更に改良する他の実施例において、前記浮動位置決め部の一部分が固定頭部の位置決め溝上/位置決め溝内に取り付けられることにより、ステントの固定耳部が直径方向に拡張して位置決め溝から離れることを制限することができる。前記浮動位置決め部の他の一部分が固定頭部の外周壁に取り付けられることにより、レールのような役割をし、外部シースチューブは浮動位置決め部に沿って滑動することができる。好適な実施例において、位置決め溝に対応する浮動位置決め部の最遠端は固定頭部と整列するか或いは固定頭部の最遠端から突出しないか或いは固定頭部の最遠端から少し突出することができる。
【0154】
下記実施例において、主として、浮動位置決め部の長さと形状、連結耳部と固定頭部の結合方法について更に説明する。他の部品として前記各実施例の少なくとも一種を採用することができる。
【0155】
図11A図11Bを参照すると、連結耳部81はT型であり、固定頭部3上の位置決め部は位置決め溝33である。装着状態において、連結耳部81は対応の形状を有している位置決め溝33内に結合され、浮動位置決め部1が外部シースチューブの束縛により連結耳部81上に緊密に当接することにより、連結耳部81が位置決め溝33から離れることを防止することができる。ステントが放出される過程において、外部シースチューブが浮動位置決め部1から完全に離脱するとき、連結耳部81の位置制限が除去される。
【0156】
位置決め溝33が適当な深度(深度は連結耳部の厚さより小さくない)を有していることにより、連結耳部81は位置決め溝33内に直径方向に結合(挿入)されることができる。
【0157】
他の好適な実施例において、浮動位置決め部1と連結耳部81は位置決め溝33内に一緒に重畳することができる。位置決め溝33が適当な深度(深度は連結耳部と浮動位置決め部の厚さの合計である)を有していることにより、装着状態下の浮動位置決め部1の直径方向の高さと固定頭部3の外壁は同高になることができる。
【0158】
図12A図12Dを参照すると、連結耳部81はU型であり、U型の開口の一側はステントに連結され、かつU型の開口は密閉される。固定頭部3上の位置決め部は位置決め突出部34であり、連結耳部81はそのU型の構造により位置決め突出部34上に結合され、それにより軸方向の位置を決めることができる。連結耳部81が直径方向の外部に過度に突出することを避けるため、位置決め突出部34の外周すなわち固定頭部3の外壁に挿入溝35を形成する。連結耳部81が挿入溝35内に重畳することにより、その直径方向の高さと固定頭部3の外壁は同高になることができる。
【0159】
他の好適な実施例において、浮動位置決め部1と連結耳部81は挿入溝35内に一緒に重畳することができる。挿入溝35が適当な深度(深度は連結耳部と浮動位置決め部の厚さの合計である)を有していることにより、装着状態下の浮動位置決め部1の直径方向の高さと固定頭部3の外壁は同高になることができる。
【0160】
図12Bにおいて、浮動位置決め部1はフォーク構造すなわちU型の構造を有している。浮動位置決め部1の非フォーク型構造は固定頭部3の外部に固定され、フォーク構造の遠端は連結耳部81上に重畳するように連結耳部81の外側まで延伸する。
【0161】
図12Cにおいて、浮動位置決め部1は一本のストリップ型構造であり、浮動位置決め部の遠端は連結耳部81上に重畳するように連結耳部81の外側まで延伸する。
【0162】
図12Dにおいて、浮動位置決め部1はフォーク構造、例えばV型またはY型の構造を有することができる。浮動位置決め部1の非フォーク型構造は固定頭部3の外部に固定され、フォーク構造の遠端は連結耳部81上に重畳するように連結耳部81の外側まで延伸する。
【0163】
図13A図13Dを参照すると、その図面には連結耳部が異なる長さを有している浮動位置決め部1に押されることを示されている。送入式心臓弁膜が装着状態になるとき、浮動位置決め部1は外部シースチューブ5の束縛を受け、連結耳部81は固定頭部の外部の位置を決める。固定頭部上の位置決め部が位置決め突出部34である例において、浮動位置決め部1の遠端側の少なくとも一部分は連結耳部81上に重畳する。
【0164】
図13Aに示されるとおり、浮動位置決め部1の遠端側は連結耳部81上に重畳し、浮動位置決め部1の遠端側は位置決め突出部34まで延伸せず、連結耳部81の小部分の区域にのみ重畳する。
【0165】
図13Bに示されるとおり、浮動位置決め部1の遠端側は連結耳部81上に重畳し、浮動位置決め部1の遠端側は少なくとも軸方向において固定頭部上の位置決め部を完全に覆う。すなわち位置決め突出部34を越えて固定頭部3の遠端側まで達し、軸方向において遠端の一側に向いて連結耳部81と固定頭部3全体に重畳する。
【0166】
図13Cに示されるとおり、浮動位置決め部1の遠端側は連結耳部81上に重畳し、浮動位置決め部1の遠端側は軸方向において固定頭部を越える。
【0167】
図13Dにおいて、浮動位置決め部1の遠端側は連結耳部81上に重畳し、浮動位置決め部1の遠端側は軸方向において固定頭部を越え、送入式心臓弁膜の直径最大部まで送入される。装着状態の送入式心臓弁膜は外部シースチューブの束縛を受けるので、送入式心臓弁膜の外径は一致する。そのため、直径最大部は放出状態下の直径最大部であると理解することができる。
【0168】
本発明の実施例において、心臓弁膜ステントを体内に送入して用いることを例として説明してきたが、この技術分野の技術者は、本発明の送入装置を心臓弁膜ステントに用いるだけでなく、他の送入体を載置装置として体の他の位置に送入して用いることができる。
【0169】
本発明の各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。
【0170】
以上、本発明の具体的な実施例を詳述してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は実施例の構成にのみ限定されるものではない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において設計の変更、改良等をすることができ、そのような設計の変更、改良等があっても本発明に含まれることは勿論である。本発明が保護しようとする範囲は特許請求の範囲が定めた範囲を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D