IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司の特許一覧

特許7189990撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20221207BHJP
   B29C 45/02 20060101ALI20221207BHJP
   B29C 45/73 20060101ALI20221207BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20221207BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C45/02
B29C45/73
H05K3/28 G
H05K3/00 X
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021044665
(22)【出願日】2021-03-18
(62)【分割の表示】P 2018563522の分割
【原出願日】2017-06-06
(65)【公開番号】P2021100820
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】201610399525.6
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 明珠
(72)【発明者】
【氏名】趙 波傑
(72)【発明者】
【氏名】田中 武彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲貞▼
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-292365(JP,A)
【文献】国際公開第2015/133631(WO,A1)
【文献】特開2008-265020(JP,A)
【文献】特表2013-516656(JP,A)
【文献】特開2000-311909(JP,A)
【文献】特開2003-197655(JP,A)
【文献】特開昭62-019418(JP,A)
【文献】特開2012-009920(JP,A)
【文献】特開2016-100573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 45/00 - 45/84
H01L 21/56
H01L 23/28 - 23/30
H01L 27/14 - 27/148
H01L 27/30
H01L 29/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの撮像モジュールの少なくとも一つのモールド回路基板を製造するための製造装置において、前記モールド回路基板は、基板の上に感光体が装着され、前記感光体の周囲の湾曲したリード線と前記基板を覆うモジュールブラケットが備えられ、前記モジュールブラケットには、前記感光体に光を受光させるための光窓が形成された構造であり、
少なくとも一つの上型と、少なくとも一つの下型と、少なくとも一つの金型固定装置と、少なくとも一つの温度制御装置とを備え、
前記金型固定装置は、前記上型と前記下型の開閉を制御するものであり、少なくとも一つの前記感光体が装着された基板が前記上型または下型に載置されるとともに、前記上型と前記下型が型締め状態にあると、前記上型と前記下型の間に少なくとも一つのキャビティがさらに形成され、
少なくとも一つのモジュールブラケットが前記キャビティ内に成形材料を流し込むことにより形成され、前記キャビティは、前記モジュールブラケットが形成される少なくとも一つのブラケット成形溝を有し、かつ、前記上型または前記下型は、少なくとも一つの光窓形成部材を備え、
前記温度制御装置は、前記モールド回路基板の成形温度を制御するものであり、前記モジュールブラケットが前記基板に一体に成形されて、前記モールド回路基板が形成され、前記光窓形成部材は、前記モジュールブラケットに少なくとも一つの光窓を形成させ、
前記キャビティは、前記上型と前記下型が圧着した後でも、複数の排気穴を有し、
前記上型は、前記光窓形成部材として、スペーサブロックを備え、前記上型と前記下型が型締めされると、前記スペーサブロックが前記キャビティの内に延び、
前記スペーサブロックは、スペーサブロック本体と傾斜部と延び部とを備え、
前記傾斜部は、前記スペーサブロック本体の側部に、前記スペーサブロック本体と一体に成形され、
前記延び部は、前記スペーサブロック本体の底側に、前記スペーサブロック本体と一体に成形され、
前記延び部は、前記傾斜部から延びて、前記スペーサブロック本体から前記感光体に向かって突出するように構成され、
前記延び部は、前記感光体に密着することにより、前記感光体の感光領域を封止し、成形材料が前記感光領域へ流れ込むのを防ぐとともに、前記傾斜部が前記湾曲したリード線を覆う形状の前記モジュールブラケットを成形する
ことを特徴とする製造装置。
【請求項2】
前記上型は、少なくとも一つの上型面を有し、前記下型は、少なくとも一つの下型面を有し、前記モールド回路基板の少なくとも一つの前記基板が前記下型面に載置され、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型面と前記下型面との間の空間に前記キャビティが形成される
請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記上型は、少なくとも一つの前記ブラケット成形溝と少なくとも一つの光窓形成部材とを有し、各前記ブラケット成形溝と各前記光窓形成部材は、前記上型面を形成しており、前記下型は、前記下型面を画定形成した、前記基板が載置される少なくとも一つの基板収容溝を有する
請求項2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記上型は、少なくとも一つのメイン流路凹溝をさらに有し、前記下型は、少なくとも一つの排出溝をさらに有し、前記メイン流路凹溝と前記排出溝は、少なくとも一つのメイン流路を形成しており、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型と前記下型との間に少なくとも一つのサブ流路がさらに形成され、各前記サブ流路と各前記キャビティが連通し、少なくとも一つのモールド材が前記メイン流路を通過した後各前記サブ流路を介して各前記キャビティに進入して、各前記キャビティ内に各前記モジュールブラケットが形成されるとともに、前記メイン流路と各前記サブ流路に硬化成形体が形成される
請求項3に記載の製造装置。
【請求項5】
前記上型および/または前記下型は、キャビティ仕切り段差をさらに有し、前記キャビティ仕切り段差は、各前記キャビティを仕切ることで、硬化形成した各前記モジュールブラケットが各前記キャビティ内に独立して形成される
請求項4に記載の製造装置。
【請求項6】
前記上型は、少なくとも一つの上型面を有し、前記下型は、少なくとも一つの下型面を有し、前記モールド回路基板の少なくとも一つの前記基板が前記上型面に載置され、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型面と前記下型面の間の空間に前記キャビティが形成される
請求項1に記載の製造装置。
【請求項7】
前記基板は、正面を下にして設けられる
請求項6に記載の製造装置。
【請求項8】
前記下型は、少なくとも一つのメイン流路凹溝をさらに有し、前記上型は、少なくとも一つの排出溝をさらに有し、前記メイン流路凹溝と前記排出溝が少なくとも一つのメイン流路を形成しており、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型と前記下型の間に少なくとも一つのサブ流路がさらに形成され、各前記サブ流路と各前記キャビティが連通し、少なくとも一つのモールド材が前記メイン流路を通過した後各前記サブ流路を介して各前記キャビティに進入して、各前記キャビティ内に各前記モジュールブラケットが形成されるとともに、前記メイン流路と各前記サブ流路に各前記硬化成形体が形成される
請求項7に記載の製造装置。
【請求項9】
前記モジュールブラケットを一体に成形する少なくとも一つのモールドユニットをさらに備え、前記上型、前記下型および前記金型固定装置は、前記モールドユニットに設けられる
請求項4に記載の製造装置。
【請求項10】
前記モールドユニットは、少なくとも一つのロード台をさらに備え、前記金型固定装置は、前記下型と前記上型の開閉を制御する少なくとも一つのプレス機であり、前記上型が前記プレス機に固定して接続され、前記下型が前記ロード台に設けられる
請求項9に記載の製造装置。
【請求項11】
前記モジュールブラケットを形成する前記モールド材を供給する少なくとも一つの材料ユニットと、少なくとも一つの基板を有する少なくとも一つの基板組を供給する少なくとも一つのフィーダユニットと、前記基板組を前記モールドユニットへ搬送する少なくとも一つの搬送ユニットとをさらに備え、前記材料ユニットは、少なくとも一つの材料搬送手段を備え、前記材料搬送手段は、前記モールド材を前記モールドユニットへ定量搬送する
請求項9に記載の製造装置。
【請求項12】
前記材料ユニットは、前記モールド材を貯蔵して供給する少なくとも一つの材料供給手段と、前記モールド材の搬出量を制御する少なくとも一つの材料制御手段とをさらに備える
請求項11に記載の製造装置。
【請求項13】
前記材料ユニットは、少なくとも一つの排出部材をさらに備え、前記材料搬送手段は、前記モールド材を前記排出部材へ搬送し、前記排出部材は、少なくとも一つのプランジャを有し、各前記プランジャは、前記モールド材を各前記キャビティ内に押し込む
請求項12に記載の製造装置。
【請求項14】
少なくとも一つのカットユニットをさらに備え、前記カットユニットは、各前記硬化成形体を各前記モジュールブラケットから分離するとともに、モールド回路基板組をそれぞれ独立した前記モールド回路基板に分断する
請求項9に記載の製造装置。
【請求項15】
少なくとも一つのクリーニング装置をさらに備え、前記クリーニング装置は、各前記モジュールブラケットが前記上型と前記下型の間から取り出されると、前記上型および前記下型を速やかにクリーニングすることができる
請求項9に記載の製造装置。
【請求項16】
前記撮像モジュールは、少なくとも一つのレンズユニットと、前記感光体と、前記モールド回路基板とを備え、前記レンズユニットが前記感光体の感光経路に位置する
請求項1から15までのいずれか1項に記載の製造装置。
【請求項17】
前記モジュールブラケットには、前記感光体に感光経路を付与するように前記感光体と対向する少なくとも一つの光窓が形成されている
請求項16に記載の製造装置。
【請求項18】
前記撮像モジュールは、少なくとも一つのモータと、少なくとも一つのフィルタとを備え、前記レンズユニットが前記モータに取り付けられ、前記フィルタが前記モジュールブラケットに取り付けられている
請求項17に記載の製造装置。
【請求項19】
前記撮像モジュールは、少なくとも一つのモールド回路基板と、少なくとも一つのレンズユニットとを備え、前記モールド回路基板には、前記感光体がさらに一体に成形されている
請求項1から15までのいずれか1項に記載の製造装置。
【請求項20】
前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットは、前記感光体の非感光領域に一体にモールドされる
請求項19に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造装置に関し、特に、撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話の撮像モジュールの封止基板には、通常コンデンサおよびプラスチック部品が設けられており、かつ、抵抗容量素子とプラスチック部品とは独立して存在し、空間では重ならない。プラスチック部品はサポートとして機能する。主に塑料ブラケットが個別に成形された後接着剤により基板に接着し、塑料ブラケット自身の凹凸と貼付際の組み立ての傾きにより、モジュールに傾きが発生しやすい、抵抗容量素子と感光体が同一の空間にあるため、抵抗容量素子での塵埃を洗浄しにくく、さらにモジュールに影響してモジュールに黒点や汚れなどの撮影不良につながる可能性もある、基板部分の構造強度が強くない、小型化が困難となり、特に横方向の小型化が困難となり、撮像モジュール間に無駄になる空間があって、全体としての大きさに影響する、という問題点がある。
【0003】
ただし、COB(Chip on Boardチップパッケージ ) プロセスは、従来の撮像モジュールの組み立て製造過程において極めて重要なプロセスである。従来のCOBプロセスにより製造した撮像モジュールは、一般的に、基板、感光体、レンズユニット、ミラーベースおよびモータなどの部材から組み立てられたものである。
【0004】
さらに、COBプロセスでは、通常、ミラーベースと前記基板とは接着剤による接着により基板に固定されているが、接着工程および接着剤の特性によっては、ミラーベースに傾斜(Tilt)、偏心などの現象が生じやすく、通常、AA(Active Arrangement自動アライメント) プロセスによりアライメントを行う必要がある。
【0005】
一方、従来のミラーベースは、一般的に個別の射出成形プロセスにより製造されたものであるため、自身の表面の平坦度が劣っていたが、一回で製造できる前記ミラーベースの数が少ない。組み立て過程は、ブラケットを個別に基板に接着し、撮像モジュールを個別に組み立てることが多いため、製造過程が相対的に煩雑になり、生産效率が低くなる。
【0006】
ところで、基板には、回路駆動部品として、抵抗器、コンデンサなどのような回路素子が取り付けられることが一般的である。これら回路素子は、前記基板1Pに突出しているが、従来のCOBプロセスにおいて、前記基板、前記回路素子および前記ミラーベースの間の組立関係に若干不利な要素になり、かつ、撮像モジュールの軽薄化への進展をある程度に制限している。
【0007】
COB組立の過程において、ミラーベースは、接着剤などの貼付物により基板に貼り付けられ、貼付時に一般的にAA(Active Arrangement自動アライメント) プロセスを行い、つまり、前記ミラーベース、前記基板および前記モータの中心軸線を、水平方向と垂直方向とが一致するように調整しているので、AAプロセスのために、前記ミラーベースと前記基板、および前記ミラーベースと前記モータの間に多くの接着剤を予め設置して、互いの間に調整用空間を作り出すことが必要となるが、これはある程度に撮像モジュールに対する厚さの要求を増加して、その厚さを低減することが困難になる。一方、複数回の貼付や組立では、組み立ての傾きが一致しないようになりやすく、かつ、ミラーベース、基板およびモータの平坦性への要求が高い。
【0008】
また、従来のCOBプロセスにおいて、基板は、基本的な固定、支持体として機能するため、基板自身に対して一定の構造強度が要求される。これにより、前記基板に大きい厚さが付与される一方、撮像モジュールの厚さに対する要求を高めている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一つの目的は、一撮像モジュールの一モールド回路基板の一モジュールブラケットを一体に成形することができる、一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、前記撮像モジュールの生産效率を向上させることができる、撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、前記モジュールブラケットが前記モールド回路基板の一基板に一体形成されて接続され、かつ、前記基板とは強い接続信頼性を有しながら、前記基板の構造強度を向上させることができる、一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、撮像モジュールをモールド成形により組み立て製造することで、従来の撮像モジュールCOBプロセスを変更する、一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法、を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、モールド成形により前記モールド回路基板を製造することで、モールド一体化した前記モールド回路基板が得られる、一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、前記撮像モジュールの製造時、複数の前記基板を同時に一基板組として一体に硬化成形できることで、前記撮像モジュールの多面取り作業が図られ、生産效率が向上する、一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置およびその製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、一製造装置により製造され、生産效率を向上させることができることで、前記撮像モジュールの生産效率を向上させることができる、一撮像モジュールのモールド回路基板を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、一製造装置により製造され、良品率を向上させることができることで、前記撮像モジュールの良品率を向上させることができる、一撮像モジュールのモールド回路基板を提供することである。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも撮像モジュールの少なくともモールド回路基板を製造するための製造装置において、少なくとも上型と、少なくとも下型と、少なくとも金型固定装置と、少なくとも温度制御装置とを備え、前記金型固定装置は、前記上型と前記下型の開閉を制御するものであり、少なくとも基板が前記上型または下型に載置されるとともに、前記上型と前記下型が型締め状態にあると、前記上型と前記下型の間に少なくともキャビティがさらに形成され、少なくともモジュールブラケットが前記キャビティ内に形成され、前記キャビティは、前記モジュールブラケットが形成される少なくともブラケット成形溝を有し、かつ、前記上型または前記下型は、少なくとも光窓形成部材を備え、前記温度制御装置は、前記モールド回路基板の成形温度を制御するものであり、前記モジュールブラケットが前記基板に一体に成形されて、前記モールド回路基板が形成され、前記光窓形成部材は、前記モジュールブラケットに少なくとも光窓を形成させる、製造装置を提供するものである。
【0018】
一実施例では、前記上型は、少なくとも一つの上型面を有し、前記下型は、少なくとも一つの下型面を有し、前記モールド回路基板の少なくとも一つの前記基板が前記下型面に載置され、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型面と前記下型面との間の空間に前記キャビティが形成される。
【0019】
一実施例では、前記上型は、少なくとも一つの前記ブラケット成形溝と少なくとも一つの光窓形成部材とを有し、各前記モジュールブラケット成形溝と各前記光窓形成部材は、前記上型面を形成しており、前記下型は、前記下型面を画定形成した、前記基板が載置される少なくとも一つの基板収容溝を有する
【0020】
一実施例では、前記上型は、少なくとも一つのメイン流路凹溝をさらに有し、前記下型は、少なくとも一つの排出溝をさらに有し、前記メイン流路凹溝と前記排出溝は、少なくとも一つのメイン流路を形成しており、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型と前記下型との間に少なくとも一つのサブ流路がさらに形成され、各前記サブ流路と各前記キャビティが連通し、少なくとも一つのモールド材が前記メイン流路を通過した後各前記サブ流路を介して各前記キャビティに進入して、各前記キャビティ内に各前記モジュールブラケットが形成されるとともに、前記メイン流路と各前記サブ流路に各前記硬化成形体が形成される。
【0021】
一実施例では、前記上型および/または前記下型は、キャビティ仕切り段差をさらに有し、前記キャビティ仕切り段差は、各前記キャビティを仕切ることで、硬化形成した各前記モジュールブラケットが各前記キャビティ内に独立して形成される。
【0022】
一実施例では、前記上型は、少なくとも一つの上型面を有し、前記下型は、少なくとも一つの下型面を有し、前記モールド回路基板の少なくとも一つの前記基板が前記上型面に載置され、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型面と前記下型面の間の空間に前記キャビティが形成される。
【0023】
一実施例では、前記下型は、少なくとも一つのメイン流路凹溝をさらに有し、前記上型は、少なくとも一つの排出溝をさらに有し、前記メイン流路凹溝と前記排出溝が少なくとも一つのメイン流路を形成しており、前記上型と前記下型が型締めされると、前記上型と前記下型の間に少なくとも一つのサブ流路がさらに形成され、各前記サブ流路と各前記キャビティが連通し、少なくとも一つのモールド材が前記メイン流路を通過した後各前記サブ流路を介して各前記キャビティに進入して、各前記キャビティ内に各前記モジュールブラケットが形成されるとともに、前記メイン流路と各前記サブ流路に各前記硬化成形体が形成される。
【0024】
一実施例では、前記製造装置は、 前記モジュールブラケットを一体に成形する少なくとも一つのモールドユニットをさらに備え、前記上型、前記下型および前記金型固定装置は、前記モールドユニットに設けられる。
【0025】
一実施例では、前記モールドユニットは、少なくとも一つのロード台をさらに備え、前記金型固定装置は、前記下型と前記上型の開閉を制御する少なくとも一つのプレス機であり、前記上型が前記プレス機に固定して接続され、前記下型が前記ロード台に設けられる。
【0026】
一実施例では、前記製造装置は、前記モジュールブラケットを形成する前記モールド材を供給する少なくとも一つの材料ユニットと、少なくとも一つの基板を有する少なくとも一つの基板組を供給する少なくとも一つのフィーダユニットと、前記基板組を前記モールドユニットへ搬送する少なくとも一つの搬送ユニットとをさらに備え、前記材料ユニットは、少なくとも一つの材料搬送手段を備え、前記材料搬送手段は、前記モールド材を前記モールドユニットへ定量搬送する。
【0027】
一実施例では、前記材料ユニットは、前記モールド材を貯蔵して供給する少なくとも一つの材料供給手段と、前記モールド材の搬出量を制御する少なくとも一つの材料制御手段とをさらに備える。
【0028】
一実施例では、前記材料ユニットは、少なくとも一つの排出部材をさらに備え、前記材料搬送手段は、前記モールド材を前記排出部材へ搬送し、前記排出部材は、少なくとも一つのプランジャを有し、各前記プランジャは、前記モールド材を各前記キャビティ内に押し込む。
【0029】
一実施例では、前記製造装置は、少なくとも一つのカットユニットをさらに備え、前記カットユニットは、各前記硬化成形体を各前記モジュールブラケットから分離するとともに、モールド回路基板組をそれぞれ独立した前記モールド回路基板に分断する。
【0030】
一実施例では、前記製造装置は、少なくとも一つのクリーニング装置をさらに備え、前記クリーニング装置は、各前記モジュールブラケットが前記上型と前記下型の間から取り出されると、前記上型および前記下型を速やかにクリーニングすることができる。
【0031】
一実施例では、前記撮像モジュールは、少なくとも一つのレンズユニットと、少なくとも一つの感光体と、前記モールド回路基板とを備え、前記レンズユニットが前記感光体の感光経路に位置する。
【0032】
一実施例では、前記モジュールブラケットには、前記感光体に感光経路を提供するように前記感光体と対向する少なくとも一つの一光窓が形成されている。
【0033】
一実施例では、前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットは、前記感光体の非感光領域に一体にモールドされる。
【0034】
一実施例では、前記感光体と前記基板は、一組のリード線により接続され、前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットは、前記リード線を被覆する。
【0035】
一実施例では、前記撮像モジュールは、少なくとも一つのフィルタを備え、前記フィルタが前記感光体に重ね合わせられ、前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットは、前記フィルタに一体にモールドされる。
【0036】
一実施例では、前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットは天井部がそれぞれ上向きに延びて前記レンズユニットを収容する少なくとも一つの一収容溝を形成する。
【0037】
一実施例では、前記基板には少なくとも一つの貫通穴が設けられており、前記モールド回路基板の前記モジュールブラケットが前記貫通穴に延びて嵌めこまれる。
【0038】
一実施例では、前記撮像モジュールは、固定焦点撮像モジュールまたは自動焦点撮像モジュールである。
【0039】
本発明の別の構成によれば、本発明は、撮像モジュールのモールド回路基板のモジュールブラケットの製造方法において、(a)前記モジュールブラケットを形成する少なくとも一つのモールド材および少なくとも一つの基板を有する少なくとも一つの基板組を、製造装置の少なくとも一つの上型と少なくとも一つの下型の間へ搬送するステップ;(b)前記上型と前記下型を型締めして少なくとも一つのキャビティを形成するステップ;(c)各前記モールド材を前記キャビティに充填するステップ;および(d)各前記キャビティ内の前記モールド材を前記モジュールブラケットとして硬化させて、前記基板に一体に成形するステップを備える製造方法を提供することである。
【0040】
一実施例では、前記ステップ(a)の前に、前記モールド材を定量供給するステップをさらに備える。
【0041】
一実施例では、 前記ステップ(a)に、前記基板組を予備加熱するステップをさらに備える。
【0042】
一実施例では、前記ステップ(a) に、前記下型を前記上型の下方まで移動させるステップをさらに備える。
【0043】
一実施例では、前記ステップ(a) に、前記上型を前記下型の上方まで移動させるステップをさらに備える。
【0044】
一実施例では、前記ステップ(c) に、前記モールド材を前記キャビティ内に押し込むステップをさらに備える。
【0045】
一実施例では、前記ステップ(c) に、前記モールド材を前記キャビティ内に加圧し押し込むステップをさらに備える。
【0046】
一実施例では、前記ステップ(b)と前記ステップ(c)の間に、前記キャビティ内を減圧するステップをさらに備える。
【0047】
一実施例では、前記ステップ(c) に、少なくとも一つの加熱装置が前記キャビティ内の前記モールド材を加熱するステップをさらに備える。
【0048】
一実施例では、前記ステップ(d) に、少なくとも一つの温度制御装置が前記キャビティ内の前記モールド材を加熱することで、前記キャビティ内の前記モールド材を硬化させて前記モジュールブラケットを形成するステップをさらに備える。
【0049】
一実施例では、前記ステップ(d)の後に、前記モジュールブラケットと前記キャビティ内で前記モジュールブラケットに形成されていない硬化成形体を分離させるステップをさらに備える。
【0050】
一実施例では、前記基板組に多面取りの配列で複数の前記モジュールブラケットを形成するステップをさらに備える。
【0051】
一実施例では、前記基板組を分断して、前記モジュールブラケットおよび前記基板を含む独立した前記モールド回路基板を複数形成するステップをさらに備える。
【0052】
一実施例では、前記モジュールブラケットにより前記基板に突出した回路部品を被覆するステップをさらに備える。
【0053】
一実施例では、少なくとも一つの感光体を前記基板組の前記基板に実装するとともに、前記基板の内側に位置させるステップをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の一好適な実施例に係る一撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の斜視模式図である。
図2】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の模式図である。
図3】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の一上型および一下型の斜視模式図である。
図4】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記上型の斜視模式図である。
図5】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造方法の模式図である。
図6】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図7】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図8】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図9】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図10】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図11】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図12】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図13】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図14】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図15】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図16】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図17】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図18】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の各ユニット部材の斜視模式図である。
図19】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の一モジュール搬出ユニットの斜視模式図である。
図20】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図21】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図22】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図23】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図24】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図25】上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの変形実施の形態である。
図26】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記上型の模式図である。
図27】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記上型の一部拡大模式図である。
図28】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記下型の模式図である。
図29】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記下型の模式図であり、単一の前記モールド回路基板を成形する場合を示している。
図30】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記上型の模式図である。
図31】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記上型の模式図である。
図32】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記下型の模式図である。
図33】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置の前記下型の模式図であり、一多面取りモールド回路基板を成形する場合を示している。
図34】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの一多面取りモールド回路基板の模式図である。
図35】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの一多面取りモールド回路基板の模式図である。
図36】本発明の上記好適な実施例に係る前記撮像モジュールの前記モールド回路基板の製造装置のブロック模式図である。
図37】本発明に係るモールド回路基板の結像手段の斜視模式図である。
図38】本発明の一好適な実施例に係る一成形金型の型開き時の斜視模式図である。
図39】上記好適な実施例に係る成形金型の型締め時の斜視模式図である。
図40】上記好適な実施例に係る成形金型の型抜き時の斜視模式図である。
図41】本発明に係る成形金型により製造したモールド回路基板の斜視模式図である。
図42図42A 上記好適な実施例に係る成形金型の一変形実施の形態である。42B上記好適な実施例に係る成形金型の別の変形実施の形態である。
図43】本発明の上記好適な実施例に係る成形金型の斜視模式図である。
図44】本発明に係る成形金型の別の好適な実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の記載は、当業者に本発明を可能にするために開示されるものである。以下に記載される好適な実施例は、あくまでも例示であって、その変形例が当業者に明らかである。以下の記載で規定される本発明の一般的原理は、他の実施形態、変形形態、改良形態、同等形態および本発明の精神および範囲を逸脱しない他の技術案に適用することができる。
【0056】
なお、本発明の開示において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」という用語の示す方位または位置関係は、添付図面に基づく方位または位置関係であり、あくまでも本発明の説明を分かりやすく簡単にするためのものであって、当該装置または部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造・操作されることを示すまたは示唆するものではないので、上記用語について、本発明を限定するものと理解されるべきではない。
【0057】
なお、「一」という用語について、「少なくとも1つ」あるいは「1つ又は複数」と理解されるべきである。すなわち、一つの実施例において、ある部品の数が一つであるが、別の実施例において、当該部品の数が複数であってもよい。「一」という用語について、数を限定するものと理解されるべきではない。
【0058】
図1図35は、本発明に係る一撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300およびその製造方法の一好適な実施例を示す。前記撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300は、前記撮像モジュールのモールド回路基板を製造するものである。
【0059】
本発明のこの好適な実施例では、図1は、一撮像モジュール100の一モールド回路基板10を製造するための一撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300を示す。前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、原材料を利用して、前記基板11に前記モジュールブラケット12を一体成形するものである。製造過程において、前記撮像モジュール100は、前記モールド回路基板10以外の部材を先に取り付けた後、前記撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300により前記モジュール回路基板10を一体成形してもよく、前記製造装置300により前記モールド回路基板10を一体成形した後、前記撮像モジュール100の他の部材を取り付けてもよい。本発明のこの好適な実施例では、撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300により前記モールド回路基板10を一体成形した後、前記撮像モジュール100の他の部材を取り付ける場合を例に説明する。なお、ここで前記撮像モジュール100の製造の手順は、あくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
本発明のこの好適な実施例では、前記撮像モジュール100のモールド回路基板10の製造装置300は、前記モジュールブラケット12を一体化成形する原材料として、樹脂材料を例に使用する。前記モジュールブラケット12の形成プロセスとして、熱硬化による形成方式を採用している。このため、より具体的には、エポキシ樹脂材料を例に採用して前記モジュールブラケット12を形成する。なお、熱硬化による形成方式および使用する樹脂材料は、本発明のこの好適な実施例では、あくまでも具体的に説明するための例示であって、これ以外、ホットメルトによる形成方式および対応する特質のある材料で形成するなどの方式を採用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
具体的には、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、一材料ユニット310と、一基板搬入ユニット320と、一フィーダユニット330と、一ピックアンドプレースユニット340と、一搬送ユニット350と、一モールドユニット360と、一カットユニット370と、一モジュール搬出ユニット380とを備える。
【0062】
前記基板搬入ユニット320は、前記モジュールブラケット12が形成されていない前記モールド回路基板10を供給するものであり、つまり、前記基板搬入ユニット320には、一つ又は複数の前記基板11が載置されている。量産の需要に応じて、例えば、前記モールドユニット360の金型毎に2つの多面取り基板が設けられ、多面取り基板毎に複数の前記基板11がモールド成形されることにより、金型により一回でモジュールブラケット12が付けられた前記モールド回路基板10を複数切断形成するように製造することができるので、生産效率が向上する。なお、一回で製造できるモジュールブラケット12が付けられた前記モールド回路基板10の数は、本発明の好適な実施例では、あくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。図6に示すように、切断されていない複数の前記基板11をそれぞれ有する複数の基板組1100は、毎回の製造に必要な基板組が前記フィーダユニット330により前記ピックアンドプレースユニット340へ供給されるように、前記金型搬入ユニット320に積み重ねて載置されていてもよい。ところで、前記基板搬入ユニット320と前記モジュール搬出ユニット380はいずれも、前記基板組1100または製造済みの各前記モールド回路基板10を収容しやすいように、一カートリッジとして実施されるとよい。なお、前記基板搬入ユニット320と前記モジュール搬出ユニット380は、他の形態として実施されてもよいことは言うまでもない。
【0063】
図7に示すように、前記フィーダユニット330は、前記モジュールブラケット12の成形対象である基板組1100を前記ピックアンドプレースユニット340に供給した後、図1に示すように、前記ピックアンドプレースユニット340の一第1のピックアンドプレース装置341は、各基板組1100をピックし、所定の配列順序で前記搬送ユニット350にプレースする。ただし、各基板組1100の所定の配列順序は、図2で示すような配列順序であってもよい。なお、実際のニーズに応じて、別の所定の配列順序に変形してもよいが、本発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0064】
より具体的には、図9図13に示すように、前記材料ユニット310は、前記モジュールブラケット12を形成する樹脂材料を供給するものである。前記材料ユニット310は、一材料供給手段311と、一材料搬送手段312と、一材料制御手段313とをさらに備える。前記材料供給手段311は、樹脂材料を貯蔵して供給するものであり、前記材料搬送手段312は、前記材料供給手段311から樹脂材料を外へ搬送するものであり、前記材料制御手段313は、前記モジュールブラケット12の形成過程において樹脂材料の使用量が多すぎて、無駄になったり、他の部品が汚れたりしないように、前記樹脂材料の搬出量を制御するものである。本発明のこの好適な実施例では、前記材料制御手段313は、一材料秤量器として実施され、樹脂材料への秤量により、前記モジュールブラケット12を形成するに必要な樹脂材料を定量化して制御する。なお、本発明における前記材料制御手段313は、時間制御器または圧力制御器等として実施されてもよく、つまり、樹脂材料の毎回の搬出時間や搬出圧力を制御することにより、前記モジュールブラケット12を形成するに必要な樹脂材料の量を制御しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
本発明のこの好適な実施例では、樹脂材料として、前記モジュールブラケット12を熱硬化により形成するのに適したものを使用しているため、前記モジュールブラケット12が完全に硬化形成されるまでに、使用する樹脂材料が硬化可能な半固体半流体状態であってもよい。前記搬送ユニット350は、各基板組1100を前記モールドユニット360へ搬送して、各前記モジュールブラケット12を一体化成形することに備える。
【0066】
さらに、図1図3および図4に示すように、前記モールドユニット360は、一ロード台361と、一アンロード台362と、一上型363と、一下型364と、一プレス機365とをさらに備える。前記上型363と前記下型364の間に一キャビティ3600が形成され、各前記モジュールブラケット12が各前記キャビティ3600内に形成される。前記キャビティ3600の形状は、前記モジュールブラケット12の形状に合わせて予め設けられておく。前記下型364は、前記ロード台361に設けられており、前記下型364には、前記基板11が載置される一基板載置区aと、配置した未硬化の樹脂材料として実施されるモールド材1200が載置される一材料載置区bとが設けられている。前記プレス機365は、前記下型364と前記上型363の開閉を制御するものである。なお、本発明のこの好適な実施例では、前記基板載置区aと前記材料載置区bが前記下型364に設けられること、および、その設置位置は、あくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明のこの好適な実施例では、前記上型363を固定型とし、前記下型364を前記ロード台361に設けて可動型として、前記モジュールブラケット12が前記上型363に一体成形されている。なお、本発明のこの好適な実施例では、前記上型363を固定型とし、前記下型364を可動型として、前記モジュールブラケット12が前記上型363に硬化成形されることは、あくまでも例示であって、他の実施例では、前記上型363を可動型とし、前記下型364を固定型として、前記モジュールブラケット12が前記下型364に硬化成形されていてもよく、また他の実施例では、前記上型363と前記下型364をいずれも可動型としてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。ところで、前記上型363と前記下型364の開閉は、この実施例では前記プレス機365により制御されている。なお、本発明の前記上型363と前記下型364の開閉は、一金型固定装置により制御されていてもよく、前記金型固定装置は、本発明のこの好適な実施例では前記プレス機365として実施される。前記金型固定装置は、前記上型363と前記下型364の開閉を一駆動部品によりさらに制御してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
より具体的には、材料は、前記材料制御手段313により定量供給され、前記材料搬送手段312は、配置された各樹脂材料を一排出部材314へ搬送し、前記下型364は、少なくとも一つの排出溝3640を有し、前記排出溝3640内に前記排出部材314が内蔵されており、前記排出部材314は、少なくとも一つのプランジャ3641を有し、前記プランジャ3641は、樹脂材料として実施される前記モールド材1200を各前記キャビティ3600内に押し込み、前記モールド材1200を硬化させた後、前記キャビティ3600内に各前記モジュールブラケット12が形成される。つまり、前記上型363と各前記モールド材1200および各前記基板組1100が載置された前記下型364は、前記プレス機365の制御により型閉じされると、前記モールド材1200が各前記キャビティ3600を充填することができることにより、硬化した後、各前記モジュールブラケット12を形成している。
【0068】
つまり、前記キャビティ3600を形成する型面の形状は、前記の成形対象である前記モールド回路基板10の形状に合わせて形成されており、前記モールド材1200が前記排出部材314から前記キャビティ3600に充填された後、前記キャビティ3600内の前記モールド材1200の外面が前記キャビティを形成する型面と密着することで、前記キャビティ3600内の前記モールド材1200が硬化した後前記モジュールブラケット12を形成している。
【0069】
より具体的には、例えば、本発明のこの好適な実施例では、図5に示すように、前記基板11は、一回路基板112と1組の電子部品113とをさらに備える。MOCプロセスの場合、前記基板は、前記回路基板112に接続される一感光体111をさらに備える。前記上型363は、モジュールブラケット成形領域として実施され、前記上型363は、少なくとも一つのブラケット成形溝3631と、少なくとも一つのメイン流路凹溝3632と、少なくとも一つの光窓形成部材3633とをさらに有し、各前記ブラケット成形溝3631と各前記光窓形成部材3633が少なくとも一つの上型面を形成しており、前記下型364は、少なくとも一つの下型面を形成する前記基板11が載置可能な少なくとも一つの基板収容溝3642を有する。前記上型363と前記下型364が型締めされる時、前記上型363と前記下型364の密着部分が密着部と定義され、前記上型面と前記下型面の間の空間により前記キャビティ3600が形成されている。つまり、各前記キャビティ3600は、前記モジュールブラケット12の形状および大きさを有している。
【0070】
生産效率を向上させるために、前記上型363と前記下型364の間に前記基板11を複数有する前記基板組1100が一体成形されることが多い。前記メイン流路凹溝3632と前記排出溝3641が一メイン流路1301を形成している。前記下型364は、少なくとも一つのサブ流路凸起3643を更に有し、前記上型363は、少なくとも一つのサブ流路突起3634を更に有し、前記サブ流路凸起3643と各前記サブ流路突起3634の間に少なくとも一つのサブ流路1302が形成されている。前記モールド材1200は、前記メイン流路1301に進入した後、各サブ流路1302を介して各前記キャビティ3600に充填され、加熱硬化した後前記モジュールブラケット12を形成する。一方、加熱硬化した後、前記メイン流路1301、前記各サブ流路1302、および各前記キャビティ3600に進入した各モールド材1200のうち、各前記モジュールブラケット12に形成されていない部分は、硬化成形体14と定義されている。前記硬化成形体14は、後の工程において各前記モジュールブラケット12と分離させる必要がある。
【0071】
ところで、前記上型363および/または前記下型364は、キャビティ仕切り段差をさらに有する。前記キャビティ仕切り段差により各前記キャビティ3600を仕切ることで、加熱硬化した各前記モジュールブラケット12が各前記キャビティ3600内に独立して形成され、くっつくことがなく、良品率を向上させることができる。
【0072】
ところで、前記モジュールブラケット12には、熱硬化による成形を採用しているため、前記上型363又は前記下型364には加熱装置が設けられており、エポキシ樹脂として実施される前記モールド材1200は、前記加熱装置の加熱により、各前記キャビティ3600内に充填した後に加熱されることで徐々に硬化して、最終的に前記キャビティ3600の形状に合わせる固定形状の前記モジュールブラケット12を形成している。なお、本発明のこの好適な実施例では、熱硬化成形に必要な前記モールド材1200の材料は、エポキシ樹脂として実施されているが、あくまでも例示であって、他の実施例では、他の熱硬化特性のある材料であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。また、なお、前記加熱装置は、製造過程に必要な各種の温度を制御することができる一温度制御装置であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0073】
より具体的には、一実施例では、各前記基板11は、前記下型364に載置されており、各前記モールド材1200は、前記下型364の各前記溝3640内に載置されている。前記下型364が前記上型364の下方まで垂直に上方へ移動され、前記上型363と前記下型364が圧着し、前記プランジャ3641が前記モールド材1200に圧力を与えることで、前記モールド材1200が各前記キャビティ3600に進入する。前記モールド材1200が各前記キャビティ3600に充填された後、各前記キャビティ3600内の各前記モールド材1200が加熱され、本発明のこの好適な実施例では180度まで加熱されており、加熱時間は約2分であり、各前記モールド材1200が徐々に熱硬化して各前記モジュールブラケット12として成形される。前記上型363と前記下型364が型開きされた後、前記モジュールブラケット12と前記基板11で形成された各前記モジュール回路基板10が取り出される。
【0074】
より具体的には、図5に示すように、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300による前記モールド回路基板10の製造は以下の手順で行われる。前記下型364を前記上型363の下方まで移動させる;前記基板11と前記モールド材1200が前記下型364上に載置される;前記下型364と前記上型363が圧着する;前記栓塞3641が前記モールド材1200を前記キャビティ3600内に押し込む;前記モールド材1200が前記キャビティ3600に充填され、175度の温度で2min加熱されることで、硬化して前記モジュールブラケット12を形成する;前記モジュールブラケット12と余分な前記モールド材1200が取り出される;余分な前記モールド材1200を前記モジュールブラケット12から分離させる;175度の温度で、前記モジュールブラケット12を4時間加熱し続け、前記モジュールブラケット12が成形されて、前記モールド回路基板10が製造される。
【0075】
なお、上記に開示した加熱温度および時間は、あくまでも好適な値として例示したものであって、前記モールド材1200の材料によっては、加熱温度範囲も異なり、例えば、加熱温度範囲は、130~210度であってもよい。つまり、上記に開示した加熱温度および加熱時間は、あくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
ところで、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、一予備加熱装置をさらに備え、前記予備加熱装置は、前記モジュールブラケット12が一体化成形される前に、前記基板組1100を予備加熱することで、前記モジュールブラケット12の前記キャビティ3600内における熱硬化成形時間を短縮し、前記撮像モジュール100の生産效率が向上する。
【0077】
ところで、前記上型363と前記下型364が圧着すると、各前記キャビティ3600が一真空引き装置により内部真空状態になることができることで、前記モールド材1200の各前記キャビティ3600への流動速度を上げて、前記モールド材1200が前記キャビティ3600を充填する時間をさらに短縮し、前記撮像モジュール100の生産效率が向上する。
【0078】
ところで、前記モールド材1200の各前記キャビティ3600に進入する流動速度が速すぎると望ましくない場合、あるいは前記電子部品113が脆いものとする場合、前記キャビティ3600は、前記上型363と前記下型364が圧着した後でも、複数の排気穴を有しており、前記プランジャ3641が前記モールド材1200を前記キャビティ3600内に押し込む過程では、前記キャビティ3600にあった気体が各前記排気穴を介して排出されることができることで、前記キャビティ3600が前記モールド材1200で満たされることができ、各前記モジュールブラケット12として一体に成形される。
【0079】
さらに、前記モールド材1200が前記モジュールブラケット12として一体に成形された後、前記上型363と前記下型364が型開きされ、製造した前記モジュールブラケット12が付けられた前記基板組1100が前記アンロード台362に載置され、つまり、製造した前記モジュールブラケット12が付けられた前記基板組1100は、切断されていないモールド回路基板組として定義されてもよい。前記搬送ユニット340は、前記アンロード台362上の各切断されていないモールド回路基板組を前記ピックアンドプレースユニット340の一第2のピックアンドプレース装置342へ搬送し、前記第2のピックアンドプレース装置342は、各切断されていないモールド回路基板組をそれぞれピックし、前記カットユニット370にプレースする。前記カットユニット370は、切断されていないモールド回路基板組をそれぞれ独立した前記モールド回路基板10となるように切断する。この切断過程は、硬化成形体の余分な前記モールド材1200を前記カットユニット370により各前記硬化成形した前記モジュールブラケット12から分離するものとして定義されてもよい。前記搬送ユニット350は、切断されて製造した各前記モールド回路基板10を一搬送出口352から前記モジュール搬出ユニット380へ搬送することで、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300による前記撮像モジュール100の前記モールド回路基板10の製造が完了する。
【0080】
ところで、図15に示すように、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、一クリーニング装置391を備えていてもよく、前記モジュールブラケット12が前記上型363と前記下型364との間から取り出されると、前記クリーニング装置391は、前記上型363および前記下型364を速やかにクリーニングすることができ、前記上型363および前記下型364の継続使用が容易となる。
【0081】
ところで、図16に示すように、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、ローラブラシとして実施される一掃除装置392を備えていてもよく、前記掃除装置392は、前記ロード台361および前記アンロード台362を速やかに掃除することができる。
【0082】
ところで、前記クリーニング装置391と前記掃除装置392とは、隙間のクリーニングをやすくするために、ともにローラブラシとして実施されるとよい。また、本発明の他の実施例では、前記クリーニング装置391および前記掃除装置392の代わりに、一送風機としてもよい。送風機を使用しても装置のクリーニングおよび掃除が図られる。
【0083】
なお、本発明のこの好適な実施例では、前記クリーニング装置391と前記掃除装置392は、あくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300による前記撮像モジュール100の前記モールド回路基板10の前記モジュールブラケット12の製造は、以下の手順で行われる。(1)前記フィーダユニット330は、複数の前記基板11を有する基板組1100を前記ピックアンドプレースユニット340の一第1のピックアンドプレース装置341へ供給する;(2)前記ピックアンドプレースユニット340の一第1のピックアンドプレース装置341は、各基板組1100をピックし、所定の配列順序で前記搬送ユニット350上に載置する;(3)前記搬送ユニット350は、各基板組1100を前記モールドユニット360へ搬送する;(4)前記材料ユニット310は、モールド料1200を前記モールドユニット360へ定量搬送する;(5)前記モールドユニット360は、モールド材1200を各前記基板組1100の各前記基板11に一体に硬化成形し、各前記モールドブラケット12を形成する;(6)前記搬送ユニット340は、前記モールドユニット360上の各切断されていないモールド回路基板組1300を前記ピックアンドプレースユニット340の一第2のピックアンドプレース装置342へ搬送する;(7)前記第2のピックアンドプレース装置342は、各切断されていないモールド回路基板組をそれぞれピックし、前記カットユニット370に載置する;(8)前記カットユニット370は、切断されていないモールド回路基板組から前記モジュールブラケット12に形成されていない各前記硬化成形体13を切断し、モールド回路基板組をそれぞれ独立した前記モールド回路基板10となるように切断する;(9)前記搬送ユニット350は、切断されて製造した各前記モールド回路基板10を一搬送出口352から前記モジュール搬出ユニット380へ搬送する。図34および図35は、MOC(Molding On Chip)およびMOB(Molding On Board)による前記モールド回路基板組1300の2つの実施の形態をそれぞれ示す。ただし、両方の前記モールド回路基板組1300は、それぞれMOB多面取り基板とMOC多面取り基板と呼ばれてもよい。なお、図34および図35における前記モールド回路基板組1300は、他の変形の実施形態に実施されてもよいが、本発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0085】
ところで、前記ステップ(5)の後に、各前記硬化成形体を切断することによりモールド回路基板組を先に分離してから、前記モールド回路基板組を独立した前記モールド回路基板10となるように分断してもよい。なお、各前記硬化成形体と各前記モジュールブラケット12の分離について、本発明の製造工程の手順で調整できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
ところで、前記ステップ(8)で各硬化成形体が切断されたモールド回路基板組は、独立した前記モールド回路基板10として分離されることなく、そのまま前記ステップ(9)で前記モジュール搬出ユニット380へ搬送されてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
さらに、前記ステップ(5)で、前記モールドユニット360は、モールド材1200を各前記基板組1100の各前記基板11に一体に硬化成形し、各前記モールドブラケット12を形成する過程において、 (a)前記下型364を前記上型363の下方まで移動させるステップ;(b)前記排出部材314から前記モールド材1200を供給し、前記基板組1100を前記下型364に搬送するステップ;(c)前記下型364と前記上型363が圧着するステップ;(e)前記栓塞3641が前記モールド材1200を前記キャビティ3600内に押し込むステップ;(f)前記モールド材1200が前記キャビティ3600に充填されるステップ;(g)前記加熱装置が前記栓塞3641を介して熱量を前記モールド材1200へ伝達するステップ;(h)前記モールド材1200が加熱され硬化して前記キャビティ3600内の前記モジュールブラケット12および前記メイン流路内の硬化成形体を形成するステップ;(i)前記モジュールブラケット12と前記硬化成形体が取り出されるステップをさらに備える。
【0088】
ただし、前記ステップ(e)は、前記モールド材1200が前記キャビティ3600に進入する方式の一つであり、上記に開示した真空減圧または非真空加圧などの適宜方式により前記モールド材1200が前記キャビティ3600に進入するようにしてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0089】
ただし、前記ステップ(g)での加熱方式は、前記加熱装置による熱伝導により前記キャビティ3600内の前記モジュールブラケット12を加熱して硬化させるものであるが、例えば前記上型363を加熱する等他の加熱方式であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】
ただし、前記ステップ(c)と前記ステップ(e)との間に、前記キャビティ3600内の空气を減圧するすステップをさらに備えてもよい。減圧により前記ステップ(e)と前記ステップ(f)にかかる必要時間を短縮することができ、前記モールド材1200を前記キャビティ3600により容易に充填することもできる。
【0091】
ただし、前記上型363が可動型である場合、つまり前記下型364が製品成形領域である場合、前記ステップ(a)および前記ステップ(c)における前記上型363と前記下型364の移動と圧着の順序を調整することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0092】
なお、他の実施例では、前記モールド材1200の材料特性に応じて、前記キャビティ3600内における前記モールド材1200の熱硬化時間も変化するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
ところで、本発明の上記好適な実施例では、前記撮像モジュール100の構成は、あくまでも例示であって、他の変形構成であってもよい。例えば、モールドプロセスとして、一般的には二通りの方法を採用している。一つはMOB、つまり、前記モジュールブラケット12を前記撮像モジュール100の前記モールド回路基板12のみに形成するものであり;もう一つはMOC、つまり、前記モジュールブラケット12を前記撮像モジュール100の前記モールド回路基板12および一感光体20に形成するものである。
【0094】
図20図25は、前記撮像モジュール100の変形実施例である。前記撮像モジュール100が異なる変形実施および前記モジュールブラケット12の構成が異なる変形実施によっては、前記上型363と前記下型364が圧着して形成された前記キャビティ3600は、各前記モジュールブラケット12の変形に応じて変形できることで、異なる変形実施の前記モジュールブラケット12を製造し、さらに異なる変形実施の前記撮像モジュール100の前記モールド回路基板10を製造する。以下は、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300により製造した各前記撮像モジュールのモールド回路基板の構成の様々な変形実施である。
【0095】
図20に示すように、MOBプロセスを採用している。前記撮像モジュール100Aは、一モールド回路基板10Aと、一フィルタ20Aと、一レンズユニット30Aと、一モータ40Aとを備える。なお、前記モータ40Aについて、例えば固定焦点(FF)モジュールに係る他の実施例では、設けられなくてもよい。本発明はこれに限定されるものではない。つまり、本発明のこの実施例では、自動焦点(AF)モジュールを例に説明する。前記モールド回路基板10Aは、一基板11Aと一モジュールブラケット12Aを備える。前記基板11Aは、一組の電子部品113A(例えば抵抗器、コンデンサ、ドライブ等、以下に単にICという)および一組のリード線114Aが配置された一回路基板112Aをさらに備える。前記リード線114Aが接続して前記感光体111Aと前記回路基板112Aを導通しており、前記感光体111Aと前記回路基板112Aが他の形態で導通されてもよいことは言うまでもない。本発明の該実施例では、前記リード線114Aは金線として実施されてもよい。前記モジュールブラケット12Aは、前記フィルタ20Aが載置されるブラケットとして、例えば回路を彫刻されることで前記モータ40Aと前記基板11Aを通電するように、電気的な性能を有していてよく、従来のモータのボンディングワイヤの代わりにでき、従来の工程プロセスが減少する。前記モータ40Aと前記回路基板112Aは、従来のフットパッド溶接により導通してもよいことは言うまでない。本発明の該実施例では、前記モジュールブラケット12Aは、前記回路基板112Aにおける前記感光体111Aおよび前記リード線114Aと接触する領域以外の領域を封止している。ところで、前記モジュールブラケット12Aは、前記回路基板112Aの天井面1121Aを封止するだけではなく、前記回路基板112Aの少なくとも一つの側面1122Aも封止し被覆する。なお、前記モジュールブラケット12Aは、前記電子部品113Aを一体に封止してよい 。
【0096】
図21は、本発明に係る前記撮像モジュール100の別の実施の形態を示す。モールドプロセス後のモジュールは、組み立てと位置決めが容易となって平坦度が高められるように確保するために、同様にMOB形式を採用している。撮像モジュール100Bは、一モールド回路基板10Bと、一フィルタ20Bと、一レンズユニット30Bと、一モータ40Bとを備える。同様に、AFモジュールを例に説明するため、前記モータ40Bが開示されているが、他のFFモジュールでは、前記モータ40Bが必要でなくてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0097】
具体的には、前記モールド回路基板10Bは、一基板11Bと一モジュールブラケット12Bとを備える。前記基板11Bは、一組の電子部品113Bおよび一組のリード線114Bが配置された一回路基板112Bをさらに備える。前記モジュールブラケット12Bは、前記フィルタ20Bが載置されるブラケットとしている。本発明の上記図21の実施例に比べて、モールド過程において、前記モジュールブラケット12Bが前記回路基板112Bおよび前記電子部品113Bを封止し、かつ前記回路基板112Bの前記天井面1121Bおよび少なくとも一つの側面1122Bを封止し被覆する以外に、前記モジュールブラケット12Bが前記回路基板112Bの一底部1123Bもモールド封止する。これにより、モールド成形の完了後、前記撮像モジュールは全体として側面および底部が平坦となることが保証され、他の構成への取り付け位置決めも容易となる。前記底部1123Bのモールド封止を実現するために、前記下型364には、前記底部1123Bの形状に合わせる凹溝および前記基板11Bを固定するバンプが設けられていることで、前記上型363と前記下型364が型締めされると、モールド材1200Bが充填され前記回路基板112Bの前記天井面1121Bおよび少なくとも一つの側面1122Bを被覆することができて、前記回路基板112Bの側面および/または底面を被覆する前記モジュールブラケット12Bが一体化成形される。
【0098】
図20及び図21に示す二つの実施例は、MOBの形式を採用して開示されているが、以下の変形実施例は、MOCの形式を採用している。
【0099】
図22は、本発明に係る前記撮像モジュール100の別の実施例を示す。撮像モジュール100Cは、一モールド回路基板10Cと、一フィルタ20Cと、一レンズユニット30Cとを備える。前記モールド回路基板10Cは、一基板11Cと一モジュールブラケット12Cを備える。前記基板11Cは、一感光体111Cと、一組の電子部品113Cおよび一組のリード線114Cが配置された一回路基板112Cとをさらに備える。前記基板11Cは、前記フィルタ20Cが載置されるブラケットとして、前記回路基板112Cにおけるチップ感光領域以外の領域に直接的に成形される。つまり、本発明のこの実施例にMOC形式を採用している。ところで、前記感光体111Cは、一感光領域1111Cおよび前記感光領域1111C以外の一非感光領域1112Cを備える。封止時、前記モジュールブラケット12Cは、前記感光領域1111Cを封止しておらず、前記感光体111Cの前記非感光領域1112Cを封止している。前記非感光領域1112Cには、前記リード線114Cに接続され、前記感光体111Cを導通するピンが設けられている。前記モジュールブラケット12Cの側面は、前記回路基板112Cの前記側面1122Cを被覆することで、前記モジュールブラケット12Cの側面と前記回路基板112Cの間に一定のズレ空間を取っておく。モールド形成の完了後、側面に前記基板122Cが突出することがない。また、本実施例による其他変形形態では、前記封止部11Cは、前記回路基板112Cの複数の側面を封止し被覆していてもよい。本実施例による其他変形形態では、前記モジュールブラケット12Cは、前記回路基板112Cの底部もモールド封止する。ところで、前記モジュールブラケット12Cは、前記リード線114C、前記感光体111Cの前記非感光領域1112Cも被覆するため、前記上型363にはそれらと合わせる凹溝が設けられており、これにより前記モールド材1200が硬化して形成した形状を所要の前記モジュールブラケット12Cに合わせる。
【0100】
図23に示すモジュール構成は、別の変形である。その他の構成は同様であるが、前記フィルタ20Dを前記感光体111Dに載置して、前記感光体111Dとともに前記モジュールブラケット12Dにより封止する点で異なる。このように、前記感光体111Dの封止および使用中におけるダメージを減少することができ、そして、レンズユニットのバックフォーカスを短くすることができることで、大きさをより小さくする。
【0101】
ところで、前記製造装置300の前記モールドユニット360により前記モジュールブラケット12を製作するMOBまたはMOCプロセス過程において、前記感光体111が薄い厚さおよび脆い性質を有することが一般的である。従って、前記感光体111に対して隔離対策を設計する過程において、前記感光体111は過大な圧力によって潰されることがないように確保する必要がある。同時に、前記感光体111と前記回路基板112との間には、前記基板11と前記感光体222を導通するように、前記感光体111と前記回路基板112との間に湾曲して延びる一リード線114が設けられていることが多い。したがって、前記感光体に対して隔離対策を設計する過程において、さらに前記リード線に空間を取っておく必要があり、前記感光体222に対して隔離環境をたてる過程において、前記リード線が押えられて変形し、ひいては前記感光体111と前記基板111から脱離する現象が生じることがないようにする。それに応じて、前記モールドユニット360の構成、特に前記上型363と前記下型364を有する一成形金型構成要素を、改良や調整する必要があり、このようにして上記に言及されたそれら懸念を効果的に避ける。
【0102】
図24は、モジュール構成の別の変形である。主にモジュールブラケット12Eの変形である。前記モジュールブラケット12Eの天井部は、それぞれ上向きに延出して受け壁121Eを形成しており、前記受け壁111Eにはレンズユニットを収納する一収容溝1200Dが形成されている。つまり、前記モジュールブラケット12Eにレンズユニットを直接的に載置することができ、精度の高い固定焦点(FF)モジュールを実現できる。
【0103】
図25は、モジュール構成の別の変形である。前記基板111Fには一つまたは複数の貫通穴116Fが設けられており、前記モジュールブラケット12Fを形成する成形材料が前記貫通穴116Fに進入して前記貫通穴116Fに嵌め込まれることで、前記基板111Eに対する補強作用をさらに強化する。同様に、前記モジュールブラケット12Fは、前記基板111Fの天井面だけでなく、前記基板111Fの側面および底面まで被覆するすることができる。なお、ここでの前記基板111Eに前記貫通穴116Eが設けられる形態は、本発明の他の実施例に適用されていてもよい。
【0104】
要するに、上記撮像モジュール100Aから撮像モジュール100Fは、いずれも好適な実施例における前記撮像モジュール100の様々な変形である。前記上型363と前記下型364が型締めされたキャビティの形状は、前記モジュールブラケットの変形実施の形状に合わせて形成され、つまり、前記上型363と前記下型364が型締めされると、各前記上型363の各凹溝および各凸起により形成した前記上型面と前記下型364の各凹溝および各凸起により形成した前記下型面との間に形成されたキャビティは、変形可能であり、前記上型363と前記下型364の各凹溝および各凸起は、撮像モジュールのモールド回路基板の様々な変形に合わせて変形することができ、前記撮像モジュールのモールド回路基板の製造装置300は、様々な撮像モジュールのモールド回路基板のモールドブラケットを製造することができる。なお、上記各実施例における前記撮像モジュール100およびその変形実施例はいずれも例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0105】
ところで、前記モジュールブラケット12が一体化成形された後、例えばめっきなどの表面処理工程にて処理されることで、前記モジュールブラケット12の硬度を向上させ、スリ傷および腐食が防止できる。また、離型が容易となる。
【0106】
次に、本発明の前記成形金型の別の変形構成について説明する。当業者に改良した前記成形金型の技術要素を十分に理解するために、前記成形金型と前記模塑回路基板の構成について、再び名前を付けて符号を付する。なお、新しい命名系統は、あくまでも前記成形金型の技術要素をより良く説明するためのものであって、本発明の請求の範囲を限定するものではない。
【0107】
具体的には、図37図44は、本発明の別の実施例に係る一成形金型9100および前記成形金型9100により製造された一モールド回路基板920を示す。図37および図41に示すように、前記モールド回路基板920は、一結像手段921と一モールドベース923とを備える。前記モールドベース923は、前記成形金型9100により製造されたものであり、前記結像手段921に一体成形されることにより、前記モールドベース923は、従来の撮像モジュールのミラーベースまたはモジュールブラケットの代わりにでき、かつ、従来の封止工程のようにミラーベースまたはブラケットを接着剤により回路基板9212へ組み立てる必要がない。
【0108】
前記結像手段921は、一感光部品9211と一回路基板9212とを備える。前記感光部品9211が前記回路基板9212に導通可能に結合されている。前記モールドベース923は、一環状モールド本体9231と一光窓9232とを備える。前記モールドベース923が前記結像手段921に一体に成形されている。前記光窓9232は、前記感光部品9211が前記モールドベース923の光窓9232を介して外部からの光線を受光するように、前記結像手段921の前記感光部品9211の感光経路に対応して設けられている。
【0109】
さらに、前記回路基板9212は、一チップ実装領域92121と一周辺領域92122とを備える。前記周辺領域92122と前記チップ実装領域92121とが一体成形され、かつ、前記チップ実装領域92121が前記回路基板9212の中部に位置し、前記周辺領域92122に囲まれている。前記感光部品9211は、前記回路基板9212の前記チップ実装領域92121に対応して実装されている。前記回路基板9212は、前記チップ実装領域92121と前記周辺領域92122の間に設置された、前記感光部品9211と導通する一組の回路基板コネクタ92123をさらに備える。
【0110】
したがって、前記感光部品9211は、一感光領域92111と一非感光領域92112とを備え、前記感光領域92111は、前記感光部品9211に前記感光領域92111と前記非感光領域92112が一体形成される天井面に位置するとともに、前記感光部品9211の中部に位置し、前記非感光領域92112に囲まれている。前記感光部品9211は、前記感光領域92111に位置するとともに、前記回路基板9212と前記感光部品9211を導通するように、前記回路基板9212の前記回路基板コネクタ92123と接続する一組のチップコネクタ92113をさらに備える。
【0111】
さらに、前記結像手段921は、前記感光部品9211と前記回路基板9212とを導通するように、前記回路基板9212と前記感光部品9211との間に湾曲して延びる一組のリード線9214をさらに備える。具体的には、前記リード線9214のそれぞれは、一回路基板接続端子92141と一チップ接続端子92142とを有し、前記回路基板接続端子92141は、前記回路基板9212の回路基板コネクタ92123に接続されるように設けられ、前記チップ接続端子92142は、前記チップのチップコネクタ92113に接続されるように設けられ、これにより前記回路基板9212と前記感光部品9211とが導通される。ところで、前記リード線9214のそれぞれは、前記回路基板9212と前記感光部品9211との間に延びて上向きに突起しているので、本発明に係る成形金型9100により前記モールド回路基板920を製造する場合、前記モールドベース923のモールド成形の過程において前記リード線9214が押圧されて前記回路基板9212または前記感光部品9211から脱落しないように、前記リード線9214に対して一定の配線空間93021を設ける必要がある。
【0112】
また、前記結像手段921は、一連の電子部品9215を備え、前記電子部品9215は、例えばSMTなどのプロセスにより前記回路基板9212に組み立てられ、前記モールドベース923が一体成形された後、前記モールドベース923により被覆される。前記電子部品9214は、コンデンサ、抵抗器、インダクタなどを含む。
【0113】
なお、前記回路基板9212および前記感光部品9211は、前記リード線9214により導通されていなくてもよく、例えば、フリップチップにより前記感光部品9211を前記回路基板9212の底側に設けるとともに、前記感光部品9211のチップコネクタ92113を前記回路基板9212のチップコネクタ92113に導電媒体を介して直接的に圧着させることにより、前記回路基板9212と感光部品9211を導通する。本発明のこの好適な実施例では、前記感光部品9211と前記回路基板9212はリード線9214による接続により互いに導通されているが、あくまでも例示であって、本発明に係る成形金型9100による前記モールド回路基板920の製造過程に備える利点をよりよく説明するためのものである。つまり、本発明では、前記モールド回路基板920は、あくまでもワークとして前記成形金型9100によるモールド成形工程過程に備える技術要素を説明するものであって、本発明の請求の範囲に影響しない。
【0114】
具体的には、図38図40に示すように、前記成形金型9100は、一上金型9101と一下金型9102とをさらに備える。前記上金型9101と前記下金型9102とが密着すると、前記上金型9101と下金型9102の間に一成形空間9103が形成され、前記結像手段921を前記成キャビティ内に取り付け、さらに前記モールドベース923をモールド成形するための成形材料を前記成形空間9103に充填して硬化成形した後、前記回路基板に前記モールドベース923が一体成形され、前記モールドベース923は、前記回路基板9212と前記感光部品9211の少なくとも一部を被覆する。
【0115】
より具体的には、前記成形金型9100は、一スペーサブロック930をさらに備える。前記上金型9101と下金型9102が型締めされると、前記スペーサブロック930が前記成形空間9103内に延びる。前記モールド回路基板920の結像手段921が前記成形空間9103に取り付けられた時、前記スペーサブロック930は、前記感光部品9211を封止するように、前記結像手段921の感光部品9211の上部に対応して設置されることにより、前記成形空間9103は成形材料で充填されると、前記成形材料がスペーサブロック930と前記感光部品9211へ流れ込まれなくなり、前記スペーサブロック930の外側に前記モールドベース923の前記環状モールドベース923を形成しながら、前記スペーサブロック930の対応する位置に前記モールドベース923の前記光窓9232が形成される。
【0116】
前記スペーサブロック930が前記上金型9101に設置され、前記結像手段921が前記下金型9102に取り付けられている。前記上金型9101と前記下金型9102が前記成形空間9103を形成するように互いに近づく過程では、上金型9101に設けられた前記スペーサブロック930は、下金型9102に位置する前記結像手段921の感光部品9211に徐々に近づき、最終的に前記感光部品9211に重ね合わせられることで、前記モールドベース923のモールドプロセス過程において、前記スペーサブロック930により、成形材料が前記感光部品9211に進入することが効果的に阻止される。ところで、前記スペーサブロック930は、同様に、前記成形金型9100の下金型9102に設けられてもよい。それに応じて、前記結像手段921を前記上金型9101に上下を逆にして取り付けることで、前記上金型9101と下金型9102が型締め状態にある際、前記下金型9102に設けられた前記スペーサブロック930は、前記感光部品9211を封止するように、前記感光部品9211の上部に対応して設けられる。つまり、本発明に係る前記成形金型9100では、前記スペーサブロック930の位置が限られず、例えば本発明のこの好適な実施例では、前記スペーサブロック930が前記成形金型9100の上金型9101に設置され、それに応じて、前記下金型9102には、前記モールド回路基板920の結像手段921を収容する一取り付け溝91021が設置されている。
【0117】
より具体的には、前記上金型9101と下金型9102を型締めしてモールドプロセスを実行する時に、前記スペーサブロック930は、前記感光部品9211に重ね合わせられ、少なくとも前記感光部品9211の感光領域92111を遮蔽することにより、成形材料は前記感光部品9211の少なくとも感光領域92111に進入することが阻止されることで、前記感光部品9211の感光領域92111の外部環境に前記モールドベース923が成形され、前記スペーサブロック930の対応する位置に前記モールドベース923の前記光窓9232が形成される。なお、この場合、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211の前記チップコネクタ92113の内側に設けられており、モールドプロセスの過程において、前記スペーサブロック930は、少なくとも前記感光部品9211の感光領域92111を封止するように、前記感光部品9211のチップコネクタ92113の内側の領域に密着し、かつ、前記モールドベース923の一体成形後、前記モールドベース923は、前記回路基板9212および前記感光部品9211を被覆して、一体構造の前記モールド回路基板920が形成される。
【0118】
図42に示すように、前記スペーサブロック930は、一スペーサブロック本体9301と一傾斜部9302とをさらに備える。前記傾斜部9302は、前記スペーサブロック本体9301に一体に成形されるとともに、前記スペーサブロック本体9301の側部に形成されることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211のチップコネクタ92113の内側に付着された時に、前記スペーサブロック本体9301が前記感光部品9211の感光領域92111に重ね合わせられ、前記傾斜部9302は、前記感光部品9211と前記回路基板9212を導通する前記リード線9214の上方で、前記スペーサブロック930と前記リード線9214が接触しないように延びている。なお、前記リード線9214は、前記感光部品9211のチップコネクタ92113と前記回路基板9212の回路基板コネクタ92123との間に延びて上方へ突出していることで、前記スペーサブロック930を前記感光部品9211に重ね合わせて設ける場合、前記スペーサブロック930により前記リード線9214が押圧されて変形し、ひいては感光部品9211から脱落しないように、前記リード線9214に十分な配線空間を設ける必要がある。言い換えると、前記スペーサブロック本体9301が前記感光部品9211に重ね合わせて設けられると、前記傾斜部9302が前記リード線9214の上部で延びていることで、前記リード線9214に対して一配線空間93021が作り出される。前記リード線9214が、前記配線空間93021で前記感光部品9211からに外へ自在に延びることで、前記傾斜部9302により前記スペーサブロック930と前記リード線9214の接触を効果的に避ける。
【0119】
ところで、前記モールドベース923のモールド成形の過程において、成形材料は、前記成形空間9103を流れ前記配線空間93021に充填されることで、前記成形材料の硬化成形の後、前記モールドベース923が前記リード線9214により良く密着することができる。言い換えると、前記スペーサブロック930により前記配線空間93021を画定する設計過程において、前記リード線9214が前記配線空間93021内に自在に通過可能に膨らむように、前記リード線9214に対して十分な空間を設けるだけでなく、前記配線空間93021の形状を前記リード線9214の湾曲の形状に近い形状となるようにさらに調整する必要がある。これにより、後のモールドプロセスにおいて、前記リード線9214が前記モールドベース923によりその形状に合わせて被覆されてより安定の一体構成に形成できる。この点については、後述する。
【0120】
さらに、前記スペーサブロック930は、一延び部9303をを備える。前記延び部9303は、前記スペーサブロック本体9301に一体に成形されるとともに、前記スペーサブロック本体9301の底側に形成されることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211の上部に設けられると、前記スペーサブロック930の延び部9303が前記感光部品9211に密着して、前記延び部9303により前記感光部品9211の少なくとも感光領域92111が封止される。なお、前記延び部9303は、前記スペーサブロック本体9301の底側から下向きに延びる構成となることで、前記スペーサブロック930に多くの利点が付与される。
【0121】
具体的には、前記延び部9303が設けられていない場合によりも、前記スペーサブロック930の傾斜部9302と前記スペーサブロック本体9301との間のスペーサブロック930底部における過渡角が大きいため、後のモールドプロセス過程において、成形材料が前記傾斜部9302および前記スペーサブロック本体9301を通り底部の過渡領域で前記感光部品9211に浸入しやすく、前記感光部品9211の周囲に「バリ」などの現象が生じる。一方、前記スペーサブロック930に前記延び部9303が設けられている場合、前記延び部9303が前記スペーサブロック本体9301の底部から一体に下向きに伸びており、モールド過程において前記感光部品9211に付着する。これにより、前記スペーサブロック930の底部における過渡角を効果的に減少することで、前記スペーサブロック930が前記延び部9303により前記感光部品9211にしっかり密着し、前記プロセスにおいて前記感光部品9211の感光領域92111をより効果的に封止し、成形材料が前記感光部品9211に進入して「バリ」などのプロセスばらつきが生じることを効果的に防止できる。
【0122】
次に、前記延び部9303は、前記スペーサブロック本体9301から一体に下向きに伸びて、一定の高さを有していることにより、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に重ね合わせられると、前記延び部9303により前記スペーサブロック本体9301と前記傾斜部9302の相対位置高さを効果的に上げて、前記配線空間93021を効果的に拡張することができ、前記リード線9214が前記配線空間93021内に自在に蛇行することがより容易となる。言い換えると、前記スペーサブロック本体9301に前記延び部9303が設けられている場合、前記配線空間93021が前記延び部9303と前記傾斜部9302の外側に形成される。前記傾斜部9302だけで前記配線空間93021を画定する場合によりも、前記配線空間93021の領域、特に高さ方向の空間が大幅に増加し、前記スペーサブロック930と前記リード線9214との不要な接触をより効果的に回避することができる。例えば、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に付着するとともに、前記スペーサブロック930の底部が前記感光部品9211のチップコネクタ92113に近接した時、この場合、前記リード線9214は、前記感光部品9211の前記チップコネクタ92113における膨らむ部分が前記スペーサブロック930と極めて接触しやすいので、前記延び部9303が設けられていない場合、前記スペーサブロック930の傾斜部9302の傾きを大幅に減少しなければならないが、このようにしても前記スペーサブロック930と前記リード線9214との不要な接触をかろうじて避けることができる。しかし、小さ過ぎる傾きで画定された配線空間93021は、後のモールドプロセスに不利となる。
【0123】
言い換えると、前記スペーサブロック930の前記延び部9303により、前記スペーサブロック930の傾斜部9302の傾きを大幅に変えることなく、前記スペーサブロック930と前記リード線9214との間の不要な押圧を容易に回避できる。なお、前記スペーサブロック930の前記延び部9303と前記傾斜部9302は協働して前記配線空間93021を画定することにより、前記配線空間93021の形状および大きさをより便利に調整でき、前記リード線9214が前記スペーサブロック930に押圧されることをより効果的に回避できる。一方、前記配線空間93021の形状は、前記リード線9214の湾曲にさらに合わせるするように、前記延び部9303と前記傾斜部9302の相対位置関係を適宜調整することにより、後で形成した前記モールドベース923が前記リード線9214の弧線に合わせて密着することができる。
【0124】
本発明のこの好適な実施例では、前記延び部9303が前記スペーサブロック本体9301の底側から鉛直方向に沿って下向きに延びることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に重ね合わせて設けられると、前記延び部9303が前記感光部品9211とほぼ垂直に結合され、これにより、前記スペーサブロック930の底部過渡領域での過渡角を効果的に減少できることで、前記感光部品9211をよりしっかり封止し、後のモールドプロセスでバリなどの製造ばらつきを生じることを防止することに有利となる。
【0125】
図42Aは、本発明の該好適な実施例の一つ変形実施を示す。前記延び部9303は、前記スペーサブロック本体9301の底側から下向き且つ内向きに延びており、前記延び部9303の内向き且つ下向きに延びる角度は、前記延び部9303と前記傾きとにより前記リード線9214の弧線に近い形状の配線空間93021を画定するように自在に調整可能となることで、後に形成したモールドベース923が、前記リード線9214をより密に密着して被覆することができる。ところで、前記スペーサブロック930の前記傾斜部9302の傾きは、前記延び部9303と協働して前記リード線9214の弧線に合わせて前記配線空間93021の形状および大きさを調整するように自在に調整可能にしてもよい。
【0126】
図42Bは、本発明の該好適な実施例の別の変形実施例を示す。前記延び部9303は、前記スペーサブロック本体9301の底側から下向き且つ外向きに延びており、前記延び部9303の外向き且つ下向きに延びる角度は、自在に調整可能となることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に重ね合わせて設けられると、前記延び部9303が前記スペーサブロック930の底部での過渡領域の過渡角をさらに減少できることで、前記感光部品9211をよりしっかり封止して、後のモールドプロセスにバリ等製造ばらつきが生じることを防止することに有利となる。ところで、この構成は、後述に言及される前記成形金型9100が一緩衝膜をさらに備える場合に特に適用し、これは、前記スペーサブロック本体の底側から下向き且つ外向きに延びる前記延び部9303は、前記緩衝膜9104により大きい圧力を与えて、前記緩衝膜9104を前記感光部品9211により密に密着させるようにすることで、前記緩衝膜9104が大きい厚さを有する場合でも、モールドプロセスにおいて緩衝膜の湾曲した曲率半径が大きくなりすぎることで底部とチップ表面の間に大きい隙間が生じてバリなどの不良が生じることを効果的に回避できるからである。さらに、本発明のこの好適な実施例では、前記スペーサブロック930は、一退避空間9300をさらに有し、前記退避空間9300が前記スペーサブロック930の底部に凹んで形成されることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に付着すると、前記退避空間9300が前記感光部品9211と前記スペーサブロック930の間に設けられ、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211の感光領域92111との直接接触を回避し、前記感光部品9211の感光領域92111が潰されることから効果的に保護できる。前記退避空間9300は、前記感光部品9211の感光領域92111よりも僅かに大きい空間範囲を有するように設けられることが好ましい。これにより、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211が密着すると、前記退避空間9300は、前記スペーサブロック930の底部と前記感光部品9211の感光領域92111が直接的に接触しないように、前記感光部品9211の感光領域92111の上部に対応して設けられることで、型締めの過程において、前記感光チップの感光領域92111が潰される事故および感光領域に画素が破壊される事故が効果的に減少される。
【0127】
なお、前記退避空間9300が前記スペーサブロック930の底部に凹んで形成されていることで、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930の密着領域が大幅に減少することにより、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930を合わせる困難度が効果的に低減される。より具体的には、前記スペーサブロック930底部に前記退避空間9300が設けられていない場合、すなわち、前記スペーサブロック930の底部に全体として一成形面が形成される場合、前記感光部品9211の平坦度と前記スペーサブロック930の底部成形面の平坦度との両方を充分に確保するだけで、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930の間が精度よく密着することを確保できる。前記スペーサブロック930の成形面に前記退避空間9300が設けられている場合、前記スペーサブロック930の成形面は少なくとも一部分が凹んでいて、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211との接触領域は、前記感光部品9211の非感光領域92112に設けられるだけでなく、前記退避空間9300が設けられていない場合よりも、該接触領域の面積が大幅に減少することで、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930を合わせる困難度が低減され、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930の間の密着度を向上させることに有利となる。本発明のこの好適な実施例では、前記退避空間9300は、前記延び部9303と合わせて前記感光部品9211をより良く封止するように、前記スペーサブロック930の前記延び部9303に設置されていることで、より良いモールド成形效果が得られることに有利となる。
【0128】
図39に示すように、前記成形金型9100は、一緩衝膜9104をさらに備え、前記緩衝膜9104は、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211の封止性を向上させるために、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211との間に設けられることで、後のモールドプロセスにおいて、前記緩衝膜9104により、成形材料が前記感光部品9211に進入することがさらに阻止され、モールドプロセスの成形品質が向上する。ところで、本発明のこの好適な実施例では、前記緩衝膜9104は、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930との間に一緩衝層が形成されるように、前記スペーサブロック930の底部に貼り付けられている。前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に重ね合わせられると、前記感光部品9211にかかる負荷が前記緩衝膜9104に効果的に吸収されることで、チップのダメージが効果的に抑制される。なお、モールドプロセスの終了後、前記成形金型9100の前記上金型9101と前記下金型9102の間が互いに脱離して、前記モールド回路基板920を前記成形金型9100から脱離させるが、この時、予め設置した緩衝膜9104は、またモールド回路基板920が成形金型9100から脱離することが容易となるように機能する。
【0129】
より具体的には、本発明のこの好適な実施例では、前記緩衝膜9104は、前記延び部9303と前記傾斜部9302の全体を被覆するように、前記上金型の成形面に設けられていることで、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211の上部に設けられる時、前記緩衝膜9104が前記感光部品9211に密着して、前記スペーサブロック930のシール効果が高められる。前記緩衝膜9104は、一定の弾性および可撓性を有するため、前記感光部品9211に密着すると、前記スペーサブロック930の延び部9303に押圧されてわずかに押圧変形することで、前記緩衝膜9104を前記感光部品9211によりしっかり密着させ、前記感光部品9211のシール効果がさらに高められる。さらに、前記スペーサブロック930の底部に前記退避空間9300が設けられている場合、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930の底部との接触面積がその分減少するため、前記緩衝膜9104に作用する押圧強度がその分増加されることで、前記緩衝膜9104をさらに下方へ移動させ、前記感光部品9211と前記緩衝膜9104との密着隙間をより小さくし、前記感光部品9211と前記スペーサブロック930との密着效果がさらに高められる。ところで、前記延び部9303の延び方向を変えることにより、それに応じて前記延び部9303による前記緩衝膜9104への力学效果を変えることができることで、前記緩衝膜9104の厚さが大きくても、前記感光部品9211と前記緩衝膜9104の前記スペーサブロック930底部における過渡領域の隙間が大きくなりすぎるという問題を前記延び部9303によりよく解決でき、モールドプロセスにバリなどの製造ばらつきが生じることが効果的に防止される。
【0130】
モールドプロセスにおいて、前記緩衝膜9104が常に前記スペーサブロック930の底部にしっかり密着し、位置ずれやシフトなどのトラブルが発生しないように確保している。なお、ここでの位置ずれとは、前記スペーサブロック930を前記感光部品9211に対応して密着させると、前記緩衝膜9104が前記スペーサブロック930の底部から脱離して、前記感光部品9211が前記スペーサブロック930と直接的に接触し、この場合、前記感光部品9211が前記スペーサブロック930により潰されたり傷ついたりしやすいことを言う。ここでのシフトとは、モールドプロセスの過程において、前記緩衝膜9104は、強固に固着されないため、前記スペーサブロック930と前記感光部品9211の間に移動でき、前記スペーサブロック930および前記感光部品9211との間に摩擦を生じて、屑が発生したり感光部品9211の非感光領域92112での塵埃を前記感光部品9211の感光領域92111に巻き込んだりすることを言う。
【0131】
したがって、図43に示すように、本発明のこの好適な実施例では、前記スペーサブロック930は、一气体通路9105をさらに有し、前記气体通路9105は、前記スペーサブロック930の内部に形成され、前記スペーサブロック930と前記成形金型9100の外部環境を導通することで、前記气体通路9105により前記スペーサブロック930の底部と緩衝膜9104の間に一負圧空間が効果的に形成され、前記緩衝膜9104を前記モールドプロセス過程において常に前記スペーサブロック930の底部にしっかり密着させることで、位置ずれなどの製造ばらつきを効果的になくすることができる。より具体的には、前記气体通路9105には、少なくとも一气体入口91051と一气体出口91052が設けられており、前記气体入口91051が前記スペーサブロック930の底部に設置して形成されることで、前記气体出口91052により、前記緩衝膜9104と前記スペーサブロック930底部の間にあった空気を効果的に除去することができ、気圧差により前記緩衝膜9104が前記スペーサブロック930の底部にしっかり吸着される。ところで、前記出气口91051の形状は限らず、円形、三角形、多穴密集状など、つまり、前記气体入口91051が前記緩衝膜9104と前記上金型9101の間に位置する残余气体を導出できる形状であれば、どんな形状であってもよい。
【0132】
図44は、本発明の別の等価実施例を示す。前記スペーサブロック930は、一剛性ブロック931と一可撓性ブロック932とをさらに備える。前記可撓性ブロックは、前記剛性ブロック931に結合されるとともに、前記剛性ブロック931に位置合わせて下向きに延びており、前記スペーサブロック930が前記感光部品9211に対応して密着すると、前記可撓性ブロック932は、前記感光部品9211に密着するようになる。前記可撓性ブロックは、一定の可撓性を有し、前記チップが潰されたり傷ついたりすることを効果的に防止できるとともに、前記可撓性ブロックの可撓性により、前記感光部品9211との密着の過程において前記感光部品9211と前記可撓性ブロックの間のシール効果がさらに高められる。前記可撓性ブロックは、前記剛性ブロック931に交換可能に結合されることが好ましい。これによって、前記可撓性ブロックにトラブルが生じた時、または、機能が無効化になったり時に、元の前記可撓性ブロックを新しい前記可撓性ブロックに交換することができることで、前記成形金型9100のコストが低減される。
【0133】
ところで、前記可撓性ブロックは、可撓性材料から構成されており、かつ、前記可撓性材料は、コストをさらに低減させるために、モールドプロセスの後に前記可撓性ブロックが繰り返し使用可能となるように、モールド成形材料と互いに固着することがないものとする。例えば本発明のこの好適な実施例では、前記可撓性材料が有機ポリマーであり、前記剛性材料が金属であり、前記ゴムブロックが前記金属ブロックに交換可能に結合されて、前記成形金型9100の前記スペーサブロック930を形成している。ところで、前記成形金型は、特に前記モールドベースが前記感光部品および前記基板の少なくとも一部分を一体に封止する場合に適用されるが、前記成形金型9100は、前記モールドベースが前記基板の少なくとも一部分を一体封止する場合に適用されてもよいことは言うまでもない。
【0134】
なお、別の変形実施例では、前記スペーサブロック930は、全体として可撓性材料から構成されていることで、前記感光部品9211に密着することができ、前記感光部品9211が潰されたり傷ついたりすることを効果的に防止できるようにしてもよい。ところで、前記スペーサブロック930として、可撓性ブロック932または全体として可撓性材料を使用する場合でも、緩衝膜を採用でき、また、緩衝膜の厚さが減少できる。
【0135】
なお、上記の記載および添付図面に示す本発明の実施例は、あくまでも例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の目的は、完全に効果的に達成される。本発明の機能および構成原理は、実施例に示されて説明したが、本発明の実施の形態は、前記原理を逸脱しない範囲において、各種の変形または修正を行なうことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44