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特許7189992部分視野を撮像するための装置、多開口撮像装置およびそれらを提供する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】部分視野を撮像するための装置、多開口撮像装置およびそれらを提供する方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
G01B11/24 K
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2021052628
(22)【出願日】2021-03-26
(62)【分割の表示】P 2019555889の分割
【原出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2021103181
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】102017206442.0
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】ドゥパッレ,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】オーバーデルスター,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッパーマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ブリュックナー,アンドレアス
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225843(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091985(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/091986(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサ(12)と、
光学チャネルのアレイ(14)であって、各光学チャネルが、前記画像センサ(12)の画像センサ領域上に全視野(70)の少なくとも1つの部分視野(72a~72b)を投影するための光学系を含み、前記アレイ(14)の第1光学チャネルは前記全視野(70)の第1部分視野(72a)を撮像するように構成され、前記アレイ(14)の第2光学チャネルは前記全視野(70)の第2部分視野(72b)を撮像するように構成され、第3光学チャネルは前記全視野(70)を完全に撮像するように構成された、アレイ(14)と、
前記撮像された部分視野(72a~72b)に基づいて前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)の画像情報を取得し、前記撮像された全視野(70)に基づいて前記全視野(70)の画像情報を取得し、前記全視野(70)の結合画像情報(61)を生成するために、前記部分視野(72a~72b)の前記画像情報と前記全視野(70)の前記画像情報とを結合するように構成された計算ユニット(33)と、を備えた、多開口撮像装置であって、
前記多開口撮像装置は、第1走査度(b×c)を有する前記全視野(70)の前記画像情報を取得して前記第1走査度(b×c)よりも大きい第2走査度(b×a)を有する前記第1部分視野(72a)または前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を取得し、前記第1走査度(b×c)よりも大きい第3走査度を有する前記全視野(70)の前記結合画像情報(61)を提供するように構成され、
前記計算ユニット(33)は、前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)のオーバーラップ領域におけるステッチングのために前記全視野(70)の前記画像情報を用いることにより、前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を結合するように構成されている、
多開口撮像装置(10、30、60、70、80、90)。
【請求項2】
前記全視野(70)の画像フォーマットは、前記撮像された第1部分視野(72a)と前記撮像された第2部分視野(72b)との冗長性のない組み合わせに対応する、請求項1に記載の多開口撮像装置。
【請求項3】
前記第1走査度(b×c)を有する前記全視野(70)の前記画像情報を取得するように構成され、前記第2走査度(b×a)は、第1画像軸および第2画像軸(28、32)に沿って前記第1走査度(b×c)よりも少なくとも30%大きい、請求項1又は2に記載の多開口撮像装置。
【請求項4】
前記計算ユニット(33)は、前記全視野(70)の前記画像情報および前記部分視野(72a~72b)の前記画像情報を画像ブロックに細分化するとともに、ブロックごとに、前記全視野(70)における第1画像ブロック(63c)に含まれる画像情報(x、*、#)を、前記第1部分視野(72a)または前記第2部分視野(72b)における第2画像ブロック(63a、63b)の一致する画像情報と関連付けて、前記第1画像ブロック(63c)および前記第2画像ブロック(63a、63b)を結合することにより、前記結合画像情報(61)における前記全視野(70)の前記画像情報の走査度を増加させるように構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項5】
前記計算ユニット(33)は、関連付け基準が満たされる場合にのみ前記結合を実行するように前記関連付け基準を適用しながら、前記第1画像ブロック(63c)を前記第2画像ブロック(63a、63b)に関連付けるとともに、前記関連付け基準が満たされない場合はいかなる結合もせずに前記第1画像ブロック(63c)内の前記全視野(70)の前記結合画像情報(61)を提供するように構成されている、請求項4に記載の多開口撮像装置。
【請求項6】
前記第1光学チャネルおよび前記第2光学チャネルはそれぞれ、前記全視野(70)のうちの1つの部分視野(72a~72b)を撮像するように構成された光学チャネルのグループの一部であり、前記光学チャネルのグループは、共同で前記全視野(70)を完全に撮像するように構成されている、請求項1~5の何れか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項7】
前記光学チャネルのグループは、2つの部分視野(72a~72b)を正確に捕捉するように構成されている、請求項6に記載の多開口撮像装置。
【請求項8】
前記第1部分視野(72a)の前記画像情報を表す第1部分画像および前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を表す第2部分画像は、第1画像軸(32)に沿って、前記全視野(70)の前記画像情報を表す全画像と同じ寸法を有し、第2画像軸(28)に沿って、前記全画像と比較して異なる寸法を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項9】
単色の輝度情報を有する前記撮像された第1部分視野および第2部分視野(72a~72b)を提供するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項10】
前記計算ユニット(33)は、前記全視野(70)の前記画像情報に基づいて前記部分視野(72a~72b)の前記画像情報のステッチングを実行するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項11】
前記計算ユニット(33)は、前記全視野(70)の画像と前記第1部分視野(72a)の画像との間の第1視差(83a)と、前記全視野(70)の前記画像と前記第2部分視野(72b)の画像との間の第2視差(83b)とを使用しながら、前記全視野(70)の前記画像情報のための深度マップを生成するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項12】
前記部分視野(72a~72b)は、前記全視野(70)内のオーバーラップ領域(73、73a~73e)内でオーバーラップし、前記計算ユニット(33)は、前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を使用しながら、前記オーバーラップ領域(73、73a~73e)内における前記全視野(70)の前記画像情報の深度マップを生成するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項13】
前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の第1相対運動(34、39a)を生成することによる第1画像軸(28)に沿った画像安定化、および前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の第2相対運動(38、39b)を生成することによる第2画像軸(32)に沿った画像安定化のための光学画像安定化装置(22)を備えている、請求項1~12のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項14】
前記多開口撮像装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータ(134b)を有する集束手段をさらに備え、前記アクチュエータ(134b)は、前記光学チャネルの1つにおける少なくとも1つの光学系と前記画像センサ(12)との間の相対運動をもたらすように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項15】
前記第1光学チャネルおよび前記第2光学チャネルの光路(26a~26b)を共同で偏向するビーム偏向手段(18)を備えている、請求項1~14の何れか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項16】
前記光学チャネルの光路(26a~26c)の共有偏向のためのビーム偏向手段(18)を含み、前記画像センサ(12)、前記アレイ(14)、および前記ビーム偏向手段(18)の間の第1相対運動を生成することによる第1画像軸(28)に沿った光学画像安定化、および前記画像センサ(12)、前記アレイ(14)、および前記ビーム偏向手段(18)間の第2相対運動(38)を生成することによる第2画像軸(32)に沿った光学画像安定化のための光学画像安定化装置(22)を備えている、請求項1~15のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項17】
前記光学画像安定化装置(22)は、前記第1光学チャネルおよび前記第2光学チャネルに対する第1相対運動と、前記第3光学チャネルに対する第2相対運動とを提供する、請求項16に記載の多開口撮像装置。
【請求項18】
前記第1相対運動は、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動、前記画像センサ(12)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含み、前記第2相対運動(38)は、前記ビーム偏向手段(18)の回転運動、前記画像センサ(12)と前記アレイ(14)との間の並進相対運動、および前記アレイ(14)と前記ビーム偏向手段(18)との間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含む、請求項16または17に記載の多開口撮像装置。
【請求項19】
前記第1画像軸(28)および前記第2画像軸(32)に沿った前記アレイ(14)の前記第1光学チャネルの電子画像安定化のための電子画像安定化装置(41)をさらに備えている、請求項16~18のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項20】
前記電子画像安定化装置(41)は、前記第1画像軸(28)および前記第2画像軸(32)に沿って第1の程度まで前記第1光学チャネルを安定化させるように構成され、さらに、前記第1画像軸(28)および前記第2画像軸(32)に沿った第2の程度まで前記第2光学チャネルの画像安定化のために構成されている、請求項19に記載の多開口撮像装置。
【請求項21】
前記光学画像安定化装置(22)は、前記光学画像安定化が前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)のうちの一つの画像に関連するように、前記第1画像軸(28)に沿って又は前記第2画像軸(32)に沿って前記光学画像安定化を実行するように構成されており、前記電子画像安定化装置(41)は、前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)のうちの一つの前記画像に対して異なる部分視野を安定させるように構成されている、請求項19または20に記載の多開口撮像装置。
【請求項22】
前記光学画像安定化装置(22)は、前記第1光学チャネルと前記第2光学チャネルとを含むグループからの基準チャネルの撮像された部分視野(72a~72b)の画像を安定化するように構成されており、前記電子画像安定化装置(41)は、前記基準チャネルとは異なる光学チャネル(16a~16c)に対してチャネル固有の方法で電子画像安定化を実行するように構成されており、前記多開口撮像装置は前記基準チャネルを光学的にのみ安定させるように構成されている、請求項19~21のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項23】
前記電子画像安定化装置(41)は、チャネル固有の方法で各光学チャネル(16a~16c)に対して電子画像安定化を実行するように構成されている、請求項19~22のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項24】
前記電子画像安定化装置(41)は、前記画像センサ(12)、前記アレイ(14)、および前記ビーム偏向手段(18)間の相対運動に依存する特定の機能的相関に従って、各チャネルでチャネル固有の電子画像安定化を実行するように構成されている、請求項23に記載の多開口撮像装置。
【請求項25】
前記機能的相関は線形関数である、請求項24に記載の多開口撮像装置。
【請求項26】
前記光学画像安定化装置(22)は、前記ビーム偏向手段(18)の回転運動(38)に基づいて、2つの画像軸(28、32)の一方に沿った前記光学画像安定化を提供するように構成されており、前記機能的相関は、前記ビーム偏向手段(18)の回転角を前記2つの画像軸(28、32)に沿った前記電子画像安定化の範囲に投影する角度関数である、請求項24~25のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項27】
前記電子画像安定化装置(41)は、第1の時点および第2の時点において、第1部分視野(72a)の第1部分画像において、一致する特徴を識別して、前記第1部分画像内における前記一致する特徴の動きの比較に基づいて前記電子画像安定化を提供するように構成されている、請求項19~26のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項28】
前記多開口撮像装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータを有する集束手段(87)をさらに備え、前記アクチュエータは、前記光学チャネルの1つにおける少なくとも1つの光学系(64a~64c)と前記画像センサ(12)との間の相対運動をもたらすように構成されている、請求項19~27のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項29】
前記集束手段(87)は、前記第1光学チャネルおよび前記第2光学チャネルに対して第3相対運動を提供するとともに、前記第3光学チャネルに対して第4相対運動を提供するように構成されている、請求項28に記載の多開口撮像装置。
【請求項30】
前記アレイ(14)内の前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)を捕捉するための光学系の配列は、前記全視野(70)を撮像する前記光学系の位置に関して対称であるか、または、
前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)を撮像するための画像センサ領域の配置は、前記全視野(70)を撮像するための前記画像センサ領域の位置に関して対称である、請求項1~29の何れか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項31】
前記第3光学チャネルによって前記画像センサ(12)から第1画像解像度で捕捉される前記全視野(70)の画像情報を取得するように構成されており、前記多開口撮像装置は、最大で前記第1画像解像度で画像情報を表示するように構成された表示手段を備えている、請求項1~30のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項32】
前記全視野(70)の連続画像に基づいて、前記表示手段に前記全視野(70)のビデオ信号を出力するように構成されている、請求項31に記載の多開口撮像装置。
【請求項33】
前記画像センサ領域は、ライン延長方向(35)に沿って前記画像センサ(12)上に配置され、前記画像センサ領域は、前記ライン延長方向(35)に垂直な画像軸(32)に沿って、20%の許容範囲内で同一の寸法を示す、請求項1~32のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項34】
携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはモニタとして構成されている、請求項1~33のいずれか一項に記載の多開口撮像装置。
【請求項35】
多開口撮像装置を提供する方法(1500)であって、
画像センサ(12)を提供すること(1510)と、
光学チャネルのアレイを配置すること(1520)であって、各光学チャネルが全視野(70)の少なくとも1つの部分視野を前記画像センサ(12)の画像センサ領域に投影するための光学系を含むとともに、前記アレイの第1光学チャネルが前記全視野(70)の第1部分視野(72a)を撮像するように構成され、前記アレイの第2光学チャネルが前記全視野(70)の第2部分視野(72b)を撮像するように構成され、第3光学チャネルは、前記全視野(70)を完全に撮像するように構成されている、配置すること(1520)と、
前記撮像された部分視野(72a~72b)に基づいて前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)の画像情報を取得することであって、前記撮像された全視野(70)に基づいて前記全視野(70)の画像情報を取得する、取得することと、
前記全視野(70)の結合画像情報(61)を生成するために、前記部分視野(72a~72b)の前記画像情報と前記全視野(70)の前記画像情報とを結合することと、
を含み、
前記多開口撮像装置は、第1走査度(b×c)を有する前記全視野(70)の前記画像情報を取得して前記第1走査度(b×c)よりも大きい第2走査度(b×a)を有する前記第1部分視野(72a)または前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を取得し、前記第1走査度(b×c)よりも大きい第3走査度を有する前記全視野(70)の前記結合画像情報(61)を提供するように構成され、
前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)のオーバーラップ領域におけるステッチングのために前記全視野(70)の前記画像情報を用いることにより、前記第1部分視野(72a)および前記第2部分視野(72b)の前記画像情報を結合すること、
をさらに含む、
多開口撮像装置を提供する方法(1500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全視野をマルチチャネルで捕捉するための装置、既存のカメラを補足するための補足装置、多開口撮像装置、ならびに本書に記載されている装置および多開口撮像装置を製造する方法に関する。本発明はさらに、異なる視野への対称なチャネル配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカメラはそれぞれ、オブジェクト領域全体を撮像する撮像チャネルを備えている。他のカメラには、いくつかの部分視野によって全視野を撮像するべく、いくつかの撮像チャネルを備えている。カメラからの距離が異なるオブジェクトを含む全視野の画像の正しいステッチング(一緒に播種および/または結合)を行うには、捕捉された全視野の深度マップを計算する必要がある。
【0003】
この目的で立体視捕捉を使用する場合、(人工の、中央の)参照カメラの視野を合成する必要がある場合がある。一部のオブジェクトは視線に沿って覆われる可能性があるため、これにより掩蔽または閉塞の問題が発生する可能性がある。プレビューおよび/または映像を出力するために、例えばステッチングを使用して画像処理を実行できるが、これには大量の計算費用が必要である。
【0004】
したがって、望ましいのは、上記の欠点を示さない高品質の画像を提供するという概念である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、前処理に関してほとんど費用をかけずに画像の捕捉に影響を及ぼしながら、全視野の高品質画像を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。
本発明の研究結果は、上記の目的がその画像情報で達成できることを認識したことにある。全視野の解像度は、同じ全視野の部分視野の画像情報と組み合わせることにより増加する場合があるが、全視野の画像情報は既に存在し、粗い情報として使用することができ、全体の画像情報を使用することで掩蔽アーチファクトの発生を回避することができる。
【0007】
一実施形態によれば、装置は、画像センサと光学チャネルのアレイとを備えている。各光学チャネルは、画像センサの画像センサ領域に全視野の部分視野を投影(撮像)するための光学系を含む。アレイの第1光学チャネルは、全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは、全視野の第2部分視野を撮像するように構成されている。装置は、撮像された部分視野に基づいて第1部分視野の画像情報および第2部分視野の画像情報を取得するように構成された計算ユニットを含む。計算ユニットはさらに、例えばさらなる装置から全視野の画像情報を取得し、部分視野の画像情報を全視野の画像情報と組み合わせて全視野の結合画像情報を生成するように構成される。
【0008】
部分視野の画像情報と全視野の画像情報とを組み合わせることにより、画像情報が大量にあるため、高品質の結合画像情報が得られる。さらに、全視野の画像情報は、部分画像をストリングにする必要なくユーザに表示できるため、少ない前処理費用で影響を与えることができる。
【0009】
さらなる実施形態によれば、補充装置は、そのような装置を含み、そこから全視野の画像情報を取得するためにカメラに結合されるように構成される。これにより、部分視野を追加で撮像することで、既存のカメラ(おそらくはモノカメラ)を補完し、全視野の高品質の結合画像情報を取得できる。同時に、カメラの画像は、全視野に関する情報が少なくとも大まかに存在しているので、画像処理に影響を与えるために利用することができる。
【0010】
さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置は、画像センサ、光学チャネルのアレイを含み、各光学チャネルは、全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影する光学系を含む。アレイの第1光学チャネルは、全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは、全視野の第2部分視野を撮像するように構成され、第3光学チャネルは、全視野を完全に撮像するように構成されている。
【0011】
これにより、全視野に関する画像情報の取得と、さらに同じ全視野の部分視野に関する画像情報の取得の両方が可能になり、結果として部分視野の画像領域が数回走査されるため、例えば、立体的に生成された深度マップ、したがって、高品質の画像生成が可能になる。同時に、部分視野に関する情報に加えて、全視野に関する情報があり、これによってユーザは以前の画像処理を実行せずに影響を与えることができる。
【0012】
さらなる実施形態は、全視野をマルチチャネルで捕捉するための装置を製造する方法、および多開口撮像装置を提供するための装置に関する。
【0013】
上述の実施形態は、全視野の画像および全視野の結合画像情報の主視線が変化せず、部分視野の画像によって補足されるため、掩蔽を回避または低減することができる。
さらに有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示す。
図2a】一実施形態による、全視野内の部分視野の配置の概略図を示す。
図2b】一実施形態による、全視野内の部分視野の配置の概略図を示す。
図2c】一実施形態による、全視野内の部分視野の配置の概略図を示す。
図3】一実施形態による、計算ユニットを含む多開口撮像装置の概略斜視図を示す。
図4】一実施形態による、例えば図1または図3の多開口撮像装置内に配置され得る画像センサ領域の概略図を示す。
図5】一実施形態による、計算ユニットの可能な実装の概略図を示す。
図6】深度マップを生成するように構成された、一実施形態による図3の多開口撮像装置の概略上面図を示す。
図7】表示手段を含むさらなる実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示す。
図8】光学安定化装置と電子画像安定化装置とを含む一実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示す。
図9】集束手段を含むさらなる実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示す。
図10】さらなる実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示し、画像センサ領域は、少なくとも2つの互いに異なるチップ上に配置され、互いに対して配向される。
図11】さらなる実施形態による多開口撮像装置の概略斜視図を示し、光学系は異なる光学長を有する。
図12】さらなる実施形態による装置の概略斜視図を示す。
図13】一実施形態による補充装置の概略斜視図を示す。
図14】一実施形態による装置を提供する方法の概略フローチャートを示す。
図15】一実施形態による多開口撮像装置を提供する方法の概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態が図面を参照してより詳細に説明される前に、異なる図面において、同一、機能が同一、または動作が同一の要素、目的および/または構造には、同一の参照番号が与えられており、したがって、異なる実施形態で提示された前記要素の説明は交換可能であり、および/または相互に適用可能であることに留意されたい。
【0016】
図1は、一実施形態による多開口撮像装置10の概略斜視図を示している。多開口撮像装置10は、複数の画像センサ領域24a~24cを含む画像センサ12を備えている。画像センサ12は、画像センサ領域24a~24cが共有チップの一部であるように実装されてもよいが、代替として、画像センサ12は、画像センサ領域24a~24cが異なるチップ上に配置され得ることを意味するいくつかの構成要素を含んでもよい。
【0017】
代替的または追加的に、画像センサ領域24bの反対側に位置する画像センサ領域24aおよび24c、および/または画像センサ領域24bの反対側に位置する画像センサ領域24aは、センサ表面に関して異なるサイズ、および/または異なる数/またはサイズのピクセルを有してもよい。
【0018】
多開口撮像装置10は、光学チャネル16a~16cのアレイ14をさらに含む。各光学チャネル16a~16cは、全視野またはオブジェクト領域の少なくとも部分視野を画像センサ12の画像センサ領域24a~24cに投影するための光学系64a~64cを含む。光学系64a~64cのうちの1つは、それぞれ、画像センサ領域24a~24cのうちの1つと関連付けられており、例えば集中または散乱により、光路26a~26cに影響を与えるように構成され、結果としてそれぞれの部分視野または全視野が画像センサ領域24a~24cに投影される。
【0019】
光学系64a~64cは、アレイ14を形成するように共有キャリア上に配置されてもよいが、異なる方法で互いに機械的に接続されてもよく、または機械的に接触しなくてもよい。長さ、光軸に垂直な延長などのような光学チャネルの特性、および/または、例えば焦点距離、F値、開口径、収差補正、または物理的寸法等の光学系の特性は、光学チャネル16a、16bおよび/または16c間で変化してもよく、互いに異なっていてもよい。
【0020】
光学チャネル16a~16cのうちの2つは、それぞれ1つの部分視野を、関連する画像センサ領域24a~24cに投影するように構成される。ここで、部分視野を投影(撮像)することは、全視野が不完全な方法で映像化されることを意味する。光学チャネル16a~16cのさらなる光学チャネルは、全視野を完全に撮像するように構成される。多開口撮像装置10は、例えば、光学チャネル16bが全視野を完全に捕捉するように構成されるように実装される。光学チャネル16aおよび16cは、例えば、せいぜい不完全な方法で互いにオーバーラップするか、または相互にばらばらに配置されるような、全視野のその部分視野を捕捉するように構成される。
【0021】
これは、アレイ14の第1部分視野および第2部分視野を捕捉するための光学系64aおよび64cの配置が、全視野の撮像を捕捉するための光学系64bに関して対称であり得ること、および/または第1部分視野および第2部分視野を撮像するための画像センサ領域24aおよび24cの配置は、全視野を撮像するための画像センサ領域24bの位置に対して対称であってもよいことを意味する。視野、光学系、および画像センサ領域の間の他の関連付けも可能であるが、対称配置は、特に部分視野の追加の捕捉が中心視野に関して対称視差を可能にする、すなわち、全視野を捕捉するという利点を提供する。
【0022】
多開口撮像装置10は、ビーム偏向領域46a~46cを含む任意のビーム偏向手段18を備えていてもよく、ビーム偏向手段18は、ビーム偏向領域46a~46cのそれぞれにより光路26a~26cを偏向するように構成される。ビーム偏向手段18は、ビーム偏向領域46a~46cを含む鏡面を含み得る。あるいは、ビーム偏向領域46a~46cの少なくとも2つは、相互に傾斜し、複数の鏡面を形成してもよい。
【0023】
代替的または追加的に、ビーム偏向手段18は、複数または多数のファセットを備えてもよい。ビーム偏向手段18の利用は、捕捉される視野が、画像センサ12とアレイ14との間の視線とは異なる多開口撮像装置10の方向に位置する場合に有利であり得る。代替的に、ビーム偏向手段18が存在しない場合、全視野は、多開口撮像装置10の視線に沿っておよび/または画像センサ12とアレイ14との間の方向に沿っておよびそれを超えて捕捉され得る。しかしながら、ビーム偏向手段18を配置することにより、この目的のために画像センサ12および/またはアレイ14の空間配向を変更することなく、ビーム偏向手段18を並進方式および/または回転方式で移動させることにより、多開口撮像装置10の視線を変更することができる。
【0024】
図2aは、例えば、多開口撮像装置10によって捕捉することができる全視野70内の部分視野72aおよび72bの配置の概略図を示している。例えば、全視野70は、光学チャネル16bを使用することにより、画像センサ領域24b上に投影され得る。例えば、光学チャネル16aは、部分視野72aを捕捉し、それを画像センサ領域24aに投影するように構成されてもよい。光学チャネル16cは、部分視野72bを捕捉し、それを画像センサ領域24cに投影するように構成されてもよい。このことは、光学チャネルのグループが、2つの部分視野72aおよび72bを正確に捕捉するように構成できることを意味する。
【0025】
部分視野72aおよび72bは、区別可能性を改善するために異なる延長部を有するように描かれているが、少なくとも画像軸28または32に沿って、例えば画像軸32に沿って、同一または同等の延長部を有してもよい。部分視野72aおよび72bの延長は、画像軸32に沿って、全視野70の延長と同一であってもよい。このことは、部分視野72aおよび72bが画像軸32に沿って全視野70を完全に捕捉し、前者に垂直に配置された異なる画像軸28に沿って部分的な方法で全視野を捕捉できること、および組み合わせて第2方向に沿って全視野70の完全な捕捉が得られるように、互いにオフセットするように配置されてもよいことを意味する。
【0026】
ここで、部分視野72aおよび72bは、互いに関してばらばらであってもよいし、またはおそらくは全視野70の画像軸32に沿って完全に延びるオーバーラップ領域73においてせいぜい不完全な方法でオーバーラップしてもよい。光学チャネル16aおよび16cを含む光学チャネルのグループは、組み合わされたときに全視野70を完全に撮像するように構成され得る。画像軸28は、例えば提供される画像の水平線であってもよい。簡単に言えば、画像軸28および32は、所望の方法で空間的に配置された2つの異なる画像軸を表す。
【0027】
図2bは、異なる画像軸、すなわち画像軸32に沿って相互にオフセットするように配置され、互いにオーバーラップする部分視野72aおよび72bの配置の概略図を示す。部分視野72aおよび72bは、それぞれ、画像軸28に沿っては完全に、画像軸32に沿っては不完全な方法で全視野70を捕捉することができる。オーバーラップ領域73は、例えば、画像軸28に沿って全視野70内に完全に配置される。
【0028】
図2cは、それぞれ、方向28および32の両方で不完全な方法で全視野70を捕捉する4つの部分視野72a~72dの概略図を示している。2つの隣接する部分視野72aおよび72bは、オーバーラップ領域73bでオーバーラップしている。2つのオーバーラップする部分視野72bおよび72cは、オーバーラップ領域73cでオーバーラップしている。
【0029】
同様に、部分視野72cおよび72dは、オーバーラップ領域73dでオーバーラップし、部分視野72dは、オーバーラップ領域73aで部分視野72aとオーバーラップする。4つの部分視野のすべて72a~72dは、全視野70のオーバーラップ領域73eでオーバーラップしてもよい。
【0030】
全視野70および部分視野72a~72dを捕捉するために、多開口撮像装置は、図1の文脈で説明したものと同様に構成することができ、アレイ14は、例えば、4つが部分視野72a~72dを捕捉するためのものであり、1つが全視野70を捕捉するためのものである5つの光学系を含み得る。
【0031】
オーバーラップ領域73a~73eでは、多数の画像情報項目が利用可能である。例えば、オーバーラップ領域73bは、全視野70、部分視野72a、および部分視野72bを介して捕捉される。全視野の画像フォーマットは、撮像された部分視野の冗長性のない組み合わせ、例えば、図2cの部分視野72a~72dの組み合わせに対応してもよく、その場合、オーバーラップ領域73a~73eは各場合に1回のみカウントされる。
【0032】
図2aおよび図2bに関連して、これは、部分視野72aおよび72bの冗長性のない組み合わせに適用される。オーバーラップ領域73および/または73a~73eのオーバーラップは、例えば、それぞれの部分画像の最大で50%、最大で35%、または最大で20%を含み得る。
【0033】
図3は、計算ユニット33によって多開口撮像装置10を拡張する、さらなる実施形態による多開口撮像装置30の概略斜視図を示す。
【0034】
計算ユニット33は、画像センサ領域24bに投影され得る全視野、例えば全視野70の画像情報に加えて、画像センサ領域24aおよび24cに投影された部分視野、例えば部分視野72aおよび72bに関する画像情報を意味する画像情報を画像センサ12から取得するように構成されている。
【0035】
計算ユニット33は、部分視野の画像情報と全視野の画像情報とを結合するように構成されている。画像情報の結合は、例えば、全視野の走査度が部分視野の走査度よりも低くなるように実行されてもよい。走査度は、部分視野または全視野の局所解像度、すなわち、オブジェクト領域のどの表面が画像センサのどの表面領域またはピクセルサイズに投影されるかを示す量を意味すると理解され得る。本明細書で説明する実装では、解像度という用語は、対応する画像センサ表面に投影される部分視野または全体視野の拡大を意味すると理解される。
【0036】
したがって、比較的大きい解像度とは、同じピクセルサイズの視野の一定の表面積がより大きな画像センサ表面に投影されること、および/または同じピクセルサイズの比較的小さいオブジェクトの表面積が一定の画像センサの表面に投影されることを意味する。画像情報を結合することにより、結合画像情報61の走査度および/または解像度は、全視野の取得に関して増加され得る。
【0037】
図4は、例えば、多開口撮像装置10または30内に配置され得る画像センサ領域24a~24cの概略図を示す。部分視野72aは、例えば、画像センサ領域24aに投影される。部分視野72bは、例えば、画像センサ領域24cに投影される。全視野70は、例えば、画像センサ領域24bに投影される。部分視野72aおよび72bの空間的配置は、例えば、図2bの構成に対応し得る。
【0038】
画像センサ領域24a、24bおよび24cは、画像軸32に沿って、同一もしくは20%、10%または5%の許容範囲内で同一であり、同じピクセル数に対応し得る物理的延長部bを有し得る。画像軸28に沿って、画像センサ領域24aおよび24cは、同じピクセル数に対応し得る物理的延長部aを有し得る。延長部またはピクセルaは、画像軸28に沿って、画像センサ領域24bの延長部またはピクセル数cより大きくてもよい。
【0039】
部分視野72aおよび72bは、画像軸28に沿ってサイズが等しく、全視野70と比較されるため、走査は、画像軸28に沿った全視野のより高い解像度またはより高い走査度で行われる。すなわち、結果として得られる組み合わせ解像度および/または走査度が増加するように、オブジェクト領域内のより小さい領域が一定サイズのピクセルに投影される。超解像効果は、例えば、部分視野の画像のピクセルが相互サブピクセルオフセットを示す場合に実装できる。
【0040】
画像軸32に沿って、例えば、部分視野72aおよび72bを介して全視野70を撮像するために、いくつかの2×bピクセルが使用され、ここではオーバーラップ領域73を考慮しなければならない。しかしながら、部分視野72aおよび72bの互いにばらばらなまたは単なる部分的なオーバーラップも、画像軸32に沿って、画像センサ領域24における全視野70の捕捉と比較して増加した解像度ももたらす。
【0041】
したがって、画像センサ領域24a~24cの画像を結合することにより、撮像領域24bで得られる解像度と比較して、全視野61の結合画像情報を増加させることができる。画像センサ領域24b内の画像のアスペクト比は、3:4の値を有し得る。これにより、同じアスペクト比の組み合わせ画像を取得できる。
【0042】
画像センサ領域24aおよび/または24cの解像度は、それぞれの画像軸および/または新生画像において、画像センサ領域24bよりも、20%、10%、または正確に少なくとも30%、少なくとも50%、または少なくとも100%の許容範囲内で大きくなってもよく、ここでは、オーバーラップ領域の拡張が考慮される。
【0043】
画像センサ領域24a~24cは、例えば、画像軸28と平行なライン延長方向35に沿って配置され得、および/または、多開口撮像装置10または30の光学系64a~64cは、ライン延長方向35に沿って配置され得る。ライン延長方向35に垂直であり、多開口撮像装置の厚さ方向であり得る方向zに沿って、例えば、画像センサ領域24a~24cは、公差範囲内で同一の延長部を有していてもよく、このことは、多開口撮像装置の追加の厚みを避けながら、全視野の捕捉の解像度の増加を得ることができることを意味する。
【0044】
言い換えれば、少なくとも3つのカメラチャネル、すなわち光学チャネルの線形対称配置を実施することができ、光学チャネルのうちの1つ、好ましくは中央の光学チャネルが全視野をカバーし、(2つの)外側チャネルはそれぞれ、視野の一部、例えば、上/下または左/右のみをカバーし、それらは一緒に全視野をカバーし、同時に視野の中心でわずかにオーバーラップする場合がある。これは、左/右および/または上/下で、高解像度の部分画像が取得されることを意味する。中央では、関連する視野全体をカバーする低解像度の画像が捕捉される。
【0045】
中央画像の解像度は、同じ画像高さに対応する短い焦点距離によって、すなわちアスペクト比を全く考慮せず、且つ同じピクセルサイズによって決定されまたは可能とされる程度に、低下する可能性がある。換言すれば、画像センサの高さ24a、24b、および24cは同一である。したがって、オーバーラップがない場合、画像センサ領域24bの画像の高さは、24aと24cとを合わせた画像の高さの半分だけである。したがって、同じ視野を撮像するために、画像センサ領域24b(光学チャネル26b)の光学系の焦点距離(または倍率)は、24aおよび24cの場合の半分の長さまたはサイズであり得る。
【0046】
これは、同じピクセルサイズの場合、24aと24cとを組み合わせた場合と比較して、24bの解像度(または視野のスキャン)の半分を意味する。対応する画像幅は、単に画像の望ましいアスペクト比から得られる。
【0047】
中央カメラチャネルは、後者が計算ユニットによって作成された場合に深度マップを生成するための参照カメラである。中央チャネルに関する対称性を含む上記の配置は、深度マップにおける掩蔽に関して得られる結合された全画像の高品質化を可能にする。したがって、中央の画像は、高解像度の結合画像を計算するための基準でもあることは理にかなっている。
【0048】
少なくとも2つの高解像度の画像が、ブロックごとに低解像度の参照に挿入される。したがって、それらは、適合の精度が確保された場合、つまり部分視野と全視野とに一致する特徴が見つかった場合に使用できる素材として機能する。前記挿入は、非常に小さなブロックで行われる可能性があり、そのため、大きな深度ジャンプを含む微細なオブジェクトについても、視差関連の問題を回避することができる。
【0049】
適切なブロックは、例えば、対応関係によって検索され、これは、視差マップ、すなわち深度マップが生成されることを意味し得る。ただし、低解像度のブロックについて十分な信頼性のある高解像度のブロックが見つからない場合でも、壊滅的な影響はない。低解像度の元の画像をそのまま残すだけである。言い換えると、深度マップに存在する穴は、はっきりと見えるアーチファクトではなく、画像全体のよりぼやけた場所になる。
【0050】
言い換えると、中央の画像センサは、焦点距離が短いために、視野全体をカバーし、本質的に望ましいアスペクト比を示す低解像度の画像を捕捉する可能性がある。上記カメラは、例えば、取得された結合画像が上記カメラの遠近感を示すため、参照カメラと呼ばれることもある。
【0051】
次に続くのは、高解像度の部分画像を結合することであり、これらの画像は、部分的に重なり合う場合があり、組み合わせて、参照カメラと同じアスペクト比を示す。参照カメラを使用して部分視野の画像を結合すると、そこには、解像度が低くても本質的に正しい画像が存在するため、オーバーラップ領域で非常に正確なステッチングが可能になる。有利な実装によれば、利用可能な設計高さを最適な方法で活用するために、3つの画像センサすべての高さは同一またはほぼ同一である。
【0052】
すべてのカメラは、共有ミラー(ビーム偏向手段)を介して偏向できる。深度マップは、必要に応じて次のように計算できる。2つの高解像度部分画像のオーバーラップ領域73では、後者と低解像度の全体画像とによって上記計算を実行することができ、残りの領域では、高解像度の部分画像の1つを低解像度の全体画像の対応する部分と組み合わせることにより、この計算を行うことができる。
【0053】
図5は、計算ユニット33の可能な実装の概略図を示している。計算ユニット33は、全視野70の画像情報および部分視野72aおよび72bの画像情報を、部分視野72aの画像ブロック63a、部分視野72bの画像ブロック63b、全視野70の画像ブロック73cに分割するように構成されてもよい。
【0054】
画像ブロックは、画像軸28および32の両方に沿って特定の数のピクセルを含んでもよい。ブロックは、画像軸28および32に沿って、例えば、最小2および最大1000ピクセル、最小10および最大500ピクセル、または最小20および最大100ピクセルのサイズを有してもよい。
【0055】
計算ユニットは、ブロックごとに、全視野の画像ブロック内に含まれる画像情報を、第1部分視野72aまたは第2部分視野72bの画像ブロックの一致する画像情報と関連付けるように構成されてもよく、第1画像ブロックおよび第2画像ブロックを結合することにより、結合画像情報における全視野の画像情報の解像度を増加させる。第1画像ブロックおよび第2画像ブロックは、それぞれ、そのオーバーラップ領域内の異なる部分視野の画像の一致する画像ブロックであってもよい。
【0056】
代替的または追加的に、第1ブロックまたは第2画像ブロックは全体画像のブロックであり、他のブロックは部分画像のブロックであり得る。計算ユニット33は、例えば、全視野70のブロック63cのオブジェクトxと一致するものとして、ブロック63aのxとして示されるオブジェクトを識別するように構成される。全視野70の解像度と比較して高い部分視野72aの解像度に基づいて、計算ユニットは、両方のブロック63aおよび63cの画像情報を互いに結合して、当該ブロックにおいては、全視野に関して元よりも結果として高くなった解像度が得られる。
【0057】
これに関連して、結果として生じる組み合わせ解像度は、部分視野72aの捕捉の解像度の値に対応するか、それよりも高くなり得る。全視野70のブロック63cにおいて#で示されるオブジェクトは、例えば、部分視野72aのブロック63aおよび部分視野72bのブロック63bにおいて、計算ユニットによって識別されるので、画像品質を改善するために、部分視野72aおよび72bの両方の画像からの画像情報を使用することができる。
【0058】
ブロック63cにおいて*で示されるオブジェクトは、計算ユニットによって、例えば部分視野72bのブロック63bにおいて識別され、その結果、ブロック63bの画像情報が、例えば計算ユニットによって使用され、ブロック63cにおける画像情報が増加する。
【0059】
例えばブロック63cに関して示されるように、部分視野72aおよび72bのブロックが全視野のブロックに関連付けられない場合、計算ユニットは、少なくともブロック63cが全体画像内に位置するように、結合された全体画像のブロックを出力するように構成されてもよい。つまり、解像度が局所的に増加していなくても、画像情報が表示される場合がある。これにより、せいぜい、画像全体にわずかな変化が生じる可能性があり、このことは、つまり、ブロック63cの位置では、例えば、局所的に解像度が低下する可能性がある。
【0060】
計算ユニット33は、全視野70の画像情報に基づいて、部分視野72aおよび72bの画像情報のステッチングを行うように構成されていてもよい。これは、全視野の全撮像が、部分視野72aおよび72bの部分画像の相互位置合わせを少なくともサポートするために、または実行さえするために使用され得ることを意味する。
【0061】
代替的または追加的に、全視野の全画像からの情報は、部分画像からの、および/または全画像内の部分画像内のシーン内のオブジェクトの配置をサポートまたは実行するために活用されてもよい。全視野は、部分視野72aおよび72bにも描かれている多数またはすべてのオブジェクトを含むため、それぞれの部分画像と全視野の全体画像との比較、および/またはオブジェクトの位置の比較により、画像全体に対する位置合わせが可能になるため、部分画像の相互ステッチングが可能になる。
【0062】
言い換えれば、オブジェクトが全体画像に結合された状態で既に存在するため、低解像度画像は、高解像度画像のステッチングをサポートするための基礎、すなわち、方向の基礎を常に先験的に提供する。2つの広範囲な部分画像領域の単純な結合に加えて、ステッチングは、ステッチ画像内における距離の関数として、オブジェクトがシーン内および/または背景に対して(画像内の横方向の位置に関して)異なる方法で再統合されることも意味し、このことは、シーン内の距離に関連するオブジェクトの分布に応じて、必要または望ましい場合がある。
【0063】
ここで説明する概念は、正確なステッチングに深度マップが必要な場合でも、ステッチングプロセスを大幅に簡素化する。中央の位置にカメラがないことによって引き起こされる掩蔽の問題は、少なくとも3つの光学チャネルが全視野に向けて少なくとも3つの視線を可能にするため回避できる。したがって、1つの画角での掩蔽は、1つまたは2つの他の画角によって低減または防止され得る。
【0064】
図6は、一実施形態による多開口撮像装置30の概略上面図を示している。計算ユニット33は、深度マップ81を生成するように構成され得る。深度マップ81は、全視野70の画像情報を参照してもよい。計算ユニット33は、深度マップを生成するために、例えば、部分視野72aの画像と全視野70の画像との間の視差83aと、部分視野72aの画像と全視野70の画像の間の視差83bを活用するように構成される。これは、光学系64a、64bおよび64cならびに画像センサ領域24a、24bおよび24cの物理的距離により、計算ユニット33の側で深度マップ81を生成するために利用される異なる視野角または視点が得られることを意味する。
【0065】
計算ユニット33は、部分視野72aおよび72bの画像情報を用いて、部分視野72aおよび72bがオーバーラップするオーバーラップ領域73に深度マップ81を生成するように構成されてもよい。これにより、個々の視差83aおよび83bと比較して、簡略化された用語では、個々の視差の合計、ならびに高解像度(部分)画像の利用と比較して大きい視差の利用が可能になる。これは、一実施形態では、計算ユニット33は、画像センサ領域24bに投影される全視野70の情報なしで、オーバーラップ領域73に深度マップ81を生成するように構成され得ることを意味する。あるいは、オーバーラップ領域73内の全視野70の情報の利用が可能であり、例えば、高い情報密度を達成するために有利である。
【0066】
画像センサ領域24aおよび24cにおける投影は、24bのような(例えばRGB)ベイヤーカラーフィルタ配列を利用せずに、または少なくとも均一なカラーフィルタを使用しながら、有利なさらなる発展に従って達成することができ、結果として単色輝度情報を有する第1部分視野および第2部分視野が多開口撮像装置により提供される。例えば、単色の赤外線フィルタ、紫外線フィルタ、赤フィルタ、青フィルタなどを配置してもよいし、フィルタを全く配置しなくてもよいが、24bのようなベイヤ配列のような多色フィルタは配置しなくてもよい。言い換えれば、外側チャネルは全視野の画像の品質を高めるという点で細部に寄与するだけであるため、外側チャネル16aおよび16cがカラーフィルタを含まないことが有利な場合がある。
【0067】
外側のチャネルは、輝度情報のみに貢献する。つまり、一般的なシャープネス/細部の増加に寄与するが、色情報の改善はない。これにより得られる利点は、感度の向上、したがってノイズの低減にある。これにより、例えばピクセルに重畳されるベイヤ・カラーフィルタ・パターンがないため、画像の平滑化の必要性が低くなるため、最終的に解像度および/またはシャープネスも向上するが、デベイヤリングが不要なため、輝度のみのチャネルに存在する解像度は本質的に高くなる(理想的には2倍)。事実上、カラーピクセルは白黒ピクセルのサイズの約2倍になる。ここでは、白黒ピクセルは解像度のみに使用することはできないが、白黒ピクセルを典型的なRGBGフィルタパターンと重ね合わせることにより、色の識別にも使用できるため、これは物理的には当てはまらない。
【0068】
図7は、表示手段85を含むさらなる実施形態による多開口撮像装置71の概略斜視図を示す。多開口撮像装置71は、画像センサ領域24bに投影される全視野70の表示を表示手段85で再現するように構成される。この目的のために、計算ユニット33は、例えば、画像センサ12からの対応する信号を表示手段85に転送するように構成され得る。あるいは、表示手段85は、画像センサ12に直接結合され、画像センサ12から対応する信号を取得してもよい。
【0069】
表示手段85は、最大で画像センサ領域24bによって提供される解像度で、全視野の画像情報を受信および出力するように構成される。好ましくは、画像センサ領域24bに投影される全視野の解像度は、変更されずに表示手段85に転送される。これにより、現在捕捉されている可能性のある画像または映像を、例えばユーザのプレビューとして表示できるため、ユーザは捕捉に影響を与えることができる。結合画像情報61によって提供される高解像度画像は、異なる時点で表示手段85に提供されてもよく、異なる表示手段に提供されてもよく、記憶または送信されてもよい。
【0070】
時々、すなわち必要な場合にのみ、結合画像情報61を取得することも可能であり、そうでなければ、深度マップを必要とせず、または細部にズームインする必要がないときに例えば表示装置85で見るなど、現在の用途に十分であれば、おそらくはより低い解像度を有する全視野70の画像を利用することもできる。これにより、計算および時間の点である程度の費用が必要になる画像信号の組み合わせなしで画像捕捉に影響を与えることができ、このことは、表示手段85の遅延および計算に必要なエネルギーにとって有利な効果がある。多開口撮像装置71の部分でいくつかの画像をストリングにすることにより、画像センサ12からビデオ信号を得て、表示手段85に全視野のビデオ信号を出力することも可能である。
【0071】
例えば、本明細書に記載の多開口撮像装置71または異なる多開口撮像装置、例えば、多開口撮像装置10、30または60は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはモニタとして形成されてもよい。
【0072】
多開口撮像装置71は、表示装置85上でリアルタイムのプレビューを提供してもよく、したがって、2つの外側カメラチャネルを常にアクティブにする必要はないため、電流を節約可能であり、および/または部分画像をリンクするために追加のコンピューティング費用が必要なく、これにより、プロセッサのコンデンサ使用率を削減したり、エネルギー消費を削減したりでき、バッテリ寿命も延長される。
【0073】
代替的または追加的に、生データを最初に保存し、PCなどの別の計算ユニットに送信する直前になってから、および/または細部にズームインしながら表示装置で上記画像を表示するときに、高解像度画像を生成することができる。ここで、関連する画像領域に対してのみ組み合わせ画像を生成すること、または少なくとも無関係な画像領域に対して組み合わせ画像を生成しないことが可能である。関連エリアは、例えば、拡大された描写(ズーム)が望まれる画像エリアであり得る。
【0074】
したがって、個々の画像(フレーム)および映像の両方について、画像センサ領域24bの画像を直接使用することができ、おそらく映像に十分な解像度を有することができる。中央のカメラに、一般的なビデオフォーマットに適した解像度、例えば、最初から1080pまたは4Kを提供することも考えられ、そのため、リサンプリング(サンプリングレート変換)、ビニング(隣接する画像要素の結合)またはスキップ(ピクセルのスキップ)は、通常は実行されるが、回避でき、この文脈では、高解像度の静止画像を生成できるように、解像度が十分に高い場合がある。
【0075】
図8は、光学画像安定化装置22と電子画像安定化装置41とを備える多開口撮像装置80の概略斜視図を示す。画像安定化に関して以下で説明する態様は、計算ユニット33の機能を使用しながら、制限なしに、個別にまたは組み合わせて実現することができる。
【0076】
光学画像安定化装置22は、例えばアクチュエータ36a、36bおよび42を含み、アクチュエータ36aおよび36bは、アレイ14をライン延長方向35に沿って変位させることにより、画像センサ領域24a~24cの部分視野の画像の光学画像安定化を得るように構成される。加えて、光学画像安定化装置22は、例えば、ビーム偏向手段18の回転運動38によって画像軸32に沿って光学画像安定化を得るように構成される。
【0077】
例えば、アレイ14の光学系64aおよび64bは、ほぼ同一の方法で部分視野を捕捉するように、それぞれ最大10%、最大5%または最大3%の許容範囲内で互いに異なる有効焦点距離fおよびfを含む。光学系64bは、そこから少なくとも10%異なる焦点距離fを有してもよい。すべてのチャネルに対して実行される回転運動38は、焦点距離fとfとの差と協力して、またはfとfとの間の焦点距離の差内で、画像センサ領域24a~24cの画像の異なる変位69~69をもたらす。これは、光学画像安定化装置22が、すべてのチャネルに対して実行される回転運動38により、画像内の異なる効果を達成し、少なくとも1つ、いくつかまたはすべての画像が理論上の収差なしの状態から逸脱することを意味する。
【0078】
光学画像安定化装置22は、すべての画像の偏差を全体的に最小化するように構成されてもよいが、これにより、各画像に欠陥が生じる可能性がある。あるいは、光学画像安定化装置22は、画像センサ領域24a~24dの1つで参照画像を選択し、参照画像または基準チャネルの画像が可能な限り正確になるようにアクチュエータ42の制御を実行するように構成されてもよく、これは収差なしとも呼ばれる。これは、すべてのチャネルに対して実行される光学画像安定化により、影響を受ける画像軸に関してチャネルを収差なしに保ち、他のチャネルは、異なる焦点距離f~fのために上記参照画像から逸脱することを意味する。言い換えると、チャネルは、実装されている機械的光学画像安定化装置によって修正され、これは、すべてのチャネルに影響を与えるが、すべてのチャネルを安定に保つわけではない。上記さらなるチャネルは、電子画像安定化装置によってさらに修正される。
【0079】
光学画像安定化装置は、チャネル固有の方法で、および/または光学チャネルのグループ、例えば、光学チャネルの部分視野を捕捉するための光学チャネル16aおよび16cのグループ、および全視野を捕捉するための光学チャネル16bを含むグループに対して、光学チャネルの相対運動を提供するように構成され得る。
【0080】
電子画像安定化装置41は、画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18の間の相対運動に依存する特定の機能的相関に従って、各チャネルでチャネル固有の電子画像安定化を実行するように構成され得る。電子画像安定化装置41は、各画像を個別に安定させるように構成されてもよい。このため、電子画像安定化装置41は、画像の光学的品質を向上させるために、グローバル値、例えばカメラの動きなどを使用してもよい。
【0081】
電子画像安定化装置41は、光学画像安定化装置22の参照画像に基づいて電子式画像補正を実行するように構成されることが特に有利である。異なる焦点距離は、光学画像安定化によって引き起こされる画像の異なる変化間において、好ましくは線形の形、例えば、
収差=f(f、相対運動)、
の機能的相関をもたらし、すなわち、収差は、全体的に、または基準チャネルに関連して、焦点距離または焦点距離の差、および視線を変更するため、または光学画像安定化を達成するために実行される相対運動の関数として表すことができる。
【0082】
電子画像安定化装置41は、実行される電子画像安定化に関する信頼できる情報を取得するため、および機能的相関を確立および/または活用するために、画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18の間の相対運動の程度を、焦点距離f~f3、または基準チャネルに関する焦点距離の差にリンクすることができる。光学特性および/または機能的相関の必要なデータは、キャリブレーション中に取得できる。別の画像に対する画像の変位を決定するための画像の相互整列は、部分視野の画像、例えばエッジ輪郭、オブジェクトサイズなどの画像内の一致する特徴を決定することによって達成されてもよい。
【0083】
これは、例えば、第1画像および第2画像における特徴の動きの比較に基づいて電子画像安定化を提供するようにさらに構成され得る電子画像安定化装置41によって識別され得る。したがって、チャネル固有の電子画像安定化は、画像の細部の動きのチャネル固有の画像評価によって達成され得る。
【0084】
異なる画像での比較の代わりに、またはそれに加えて、特に時間間隔を空けて撮影された2つの写真またはフレームに関して、同じ画像内の特徴の比較を実行することもできる。光学画像安定化装置41は、第1時点および第2時点で対応する部分画像内の一致する特徴を識別し、第1画像内の特徴の動きの比較に基づいて電子画像安定化を提供するように構成され得る。比較は、例えば、相対的な動きによって特徴が変位され、画像アーチファクトを少なくとも部分的に修正するために画像が後方に変位されなければならない変位の広がりを示してもよい。
【0085】
光学画像安定化装置は、画像センサ領域24a内の画像などの基準チャネルの撮像された部分視野の画像を安定させるために使用されてもよい。これは、基準チャネルが完全に光学的に安定化されることを意味する。実施形態によれば、複数の光学画像安定化装置を配置することができ、少なくともグループの光学チャネル、例えば、第1焦点距離を有する1つまたは複数の光学チャネル、例えば全視野を撮像する光学チャネル、および例えば部分視野を撮像するための第2焦点距離を有する光学チャネルの光学画像安定化を提供する。あるいは、チャネル固有の光学画像安定化も提供され得る。
【0086】
電子画像安定化装置41は、例えば、基準チャネルとは異なり、画像センサ領域24bおよび24cに投影する光学チャネルに対して、チャネル固有の方法で画像安定化を実行するように構成される。多開口撮像装置は、光学的に排他的に基準チャネルを安定化するように構成されてもよい。すなわち、一実施形態では、機械的に達成される光学画像安定化のみを使用することにより、基準チャネルで十分な画像安定化を達成することができる。他のチャネルでは、焦点距離の違いによる不十分な光学画像安定化の上述の効果を完全または部分的に補償するために、追加の電子画像安定化があり、上記電子安定化は各チャネルで個別に実行される。
【0087】
さらなる実施形態によれば、多開口撮像装置の各チャネルが個々の電子画像安定化を含むことも可能である。多開口撮像装置の各チャネルに対して個別に、すなわち専用の範囲で実行される電子画像安定化は、個々のチャネルで実施される画像変位間の特定の機能的相関が活用されるように行われ得る。例えば、チャネル内の方向32に沿った変位は、異なる画像の方向32に沿った変位の1.1倍、1.007倍、1.3倍、または2倍または5倍になる。さらに、このチャネル固有の機能的相関は、ビーム偏向ユニットおよび/またはアレイおよび/または画像センサ間の相対運動に依存する場合があり、線形関数でも、画像軸に沿った電子画像安定化の範囲に対するビーム偏向手段の回転角を投影する角度関数に対応してもよい。方向28の数値が同一または異なる場合、同一の相関が得られる。
【0088】
すべての実施形態に当てはまるのは、実装された相対運動が、例えばジャイロスコープなどの対応する追加のセンサなどによって捕捉されるか、1つ、いくつか、またはすべてのチャネルの捕捉された画像データから得られることである。このデータまたは情報は、光学画像安定化装置および/または電子画像安定化装置に使用することができ、このことは、例えば、多開口撮像装置が、センサからセンサ信号を受信し、多開口撮像装置とオブジェクトとの間の相対的な動きと相関する情報に関してセンサ信号を評価するとともに、この情報を使用して光学画像安定化装置および/または電子画像安定化装置の制御を実行するように構成されることを意味する。
【0089】
光学画像安定化装置は、方向28および方向32に沿った安定化のための様々な構成要素、例えばアレイ14およびビーム偏向手段18の回転38の移動によって画像軸28および画像軸32に沿った光学画像安定化を得るように構成され得る。どちらの場合でも、光学系64a~64cの違いが影響する。電子画像安定化に関するこれまでの説明は、両方の相対的な動きに対して実装できる。特に、方向28および32を互いに別々に考慮することにより、方向28および32に沿った光学系64a~64c間の異なる偏差を考慮することが可能になる。
【0090】
本明細書で説明される実施形態は、画像センサ領域24a~24c内の部分画像に対して画像軸28および/または32を共有することができる。あるいは、方向も異なり、互いに変換される場合がある。
【0091】
図9は、集束手段87を含むさらなる実施形態による多開口撮像装置90の概略斜視図を示す。集束手段87は、1つ以上のアクチュエータ89a、89bおよび/または89cを含むことができ、これらは、アレイ14と画像センサ12との間および/またはビーム偏向手段18とアレイ14との間および/またはビーム偏向手段18と画像センサ12との間の距離を変えるように構成され、画像センサ領域24a、24bまたは24cへの画像の焦点合わせを調整する。
【0092】
光学系64a、64b、および64cは、一緒に移動できるように共有キャリア上に配置されるように描かれているが、少なくとも光学系64b、画像センサ領域24b、および/またはビーム偏向領域46bは、他のチャネルでの焦点合わせとは異なるように、光学チャネル16bの焦点合わせを調整するべく、個別に移動できる。すなわち、集束手段87は、第1光学チャネル16aおよび第2光学チャネル16cの相対運動と、光学チャネル16bの相対運動とを調整して、これらの相対運動が互いに異なるように構成され得る。
【0093】
集束手段87は、光学画像安定化装置22と組み合わせることができ、すなわち、アクチュエータによって光学画像安定化装置22および集束手段87の両方に提供される動きは、追加の配置アクチュエータによって、または集束および光学画像安定化の両方の目的で、コンポーネント間で動きを提供する共有アクチュエータによって提供することができる。
【0094】
言い換えれば、オートフォーカス(AF)おそらくは光学画像安定化(OIS)に別々のアクチュエータを使用することが有利である。解像度と焦点距離に関して隣接するチャネルのアーキテクチャが異なる可能性があるため、チャネル固有の作動によりチャネル固有の調整が可能になり、すべてのチャネルでオートフォーカスおよび/または画像安定化の利点が得られる場合がある。例えば、高品質で同じ焦点距離を実行するために、様々な焦点距離でのオートフォーカス機能のために、焦点を合わせる目的で、カバーされる様々な像側距離が必要である。全視野を捕捉するように構成された光学チャネルがビーム偏向手段なしで構成されるように、代替の構造形態が実装されてもよい。
【0095】
図10は、さらなる実施形態による多開口撮像装置100の概略斜視図を示し、画像センサ領域24a~24cは、互いに方向付けられる、すなわち傾斜する少なくとも2つの互いに異なるチップ上に配置される。画像センサ領域24bは、光学系64bと組み合わせて、おそらくは全視野70に直接向かう第1視線を含み得る。画像センサ領域24aおよび24cは、それらに関連付けられた光学系64aおよび64cと組み合わせて、前者とは異なる、例えばx方向に沿ってそれに垂直な視線を含むことができ、光路26aおよび26cは、ビーム偏向手段18によって部分視野72aおよび72bに向かって偏向される。これは、前述の多開口撮像装置に代わる構造形態を表している。
【0096】
ビーム偏向手段18の利用は、チャネル16bが結局は部分視野72aおよび72bよりも大きい全視野を捕捉する必要があるため、部分視野を捕捉するための隣接するチャネルよりもチャネル24bの方が大きい特定のミラーサイズまたは偏向表面積サイズをもたらす可能性がある。これにより、デバイスの厚さ方向に沿って、例えばいくつかの実施形態では望ましくないz方向に沿ってサイズが増加する場合がある。したがって、ビーム偏向手段18の使用は、光路26aおよび26cのみが偏向され、光路26bが全視野70に向かって直接、すなわち偏向することなく向けられるように再構成され得る。
【0097】
言い換えると、中央カメラチャネルは、偏向ミラーなしで、つまり古典的な向きで、2つの偏向された高解像度カメラチャネルの間に中央に取り付けられ、装置、例えば電話の平面から直接見えるようにする。例えば少なくとも30%、少なくとも50%、または少なくとも100%の追加のチャネルの上記の高解像度に対応する0.77および/または1/1.3、0.66および/または1/1.5、または0.5および/または1/2の比較的低い解像度、及びそれに対応する焦点距離により、中央カメラチャネルは、このような直立構成で、横たわった構成になっている2つの外側のカメラチャネルとほぼ同じz方向に沿った設計高さを備えている。
【0098】
前記解決策は、中央チャネル16bの視線の切り替えをおそらく妨げる可能性があるが、これは、追加のカメラチャネルを配置することによっておそらく補償され得る。アクチュエータを個別に配置することにより、オートフォーカス機能および/または光学画像安定化を配置することができる。
【0099】
さらに言い換えると、大きな視野「1」は、短い焦点距離および/または小さな倍率で「立ち上がって」撮像され、小さな部分視野「2」は、より長い焦点距離および/またはより大きな倍率で「横たわった位置でおよび折りたたまれた光路により」撮像され、それぞれの状況に最もよく適合させ得る。「1」は既に短く設計されているが、大きな視野を可能にし、ミラーを大きくすることもあり、一方で、「2」は長く設計されてもよく、視野が狭いため、小さいミラーを必要とし得る。
【0100】
図11は、さらなる実施形態による多開口撮像装置110の概略斜視図を示しており、焦点距離fおよびfを含む光学系64aおよび64cの画像センサ12からの距離dは、焦点距離fを含む光学系64bと画像センサ12との間の距離dより大きい。したがって、距離dおよび/またはdは、光学系64a~64cの焦点距離に適合させることができる。ビーム偏向手段18が配置される場合、ビーム偏向手段18のビーム偏向領域46a~46cは個別に制御可能であってもよい。
【0101】
図12は、さらなる実施形態による装置120の概略斜視図を示す。装置120は、画像センサ領域24aおよび24cを含む画像センサ12を含む。装置120は、光学チャネル16aおよび16cを含むアレイ14をさらに含む。上述の多開口撮像装置に関連して説明したように、各光学チャネル16aおよび16cは、それぞれ、全視野70の部分視野72aおよび72bをそれぞれ撮像するための光学系64aおよび64cを含む。簡単に言えば、画像センサ12およびアレイ14は、全視野を撮像するための光学チャネルがない状態で構成されてもよい。
【0102】
装置120は、画像センサ12から部分視野72aおよび72bに関する画像情報を取得するように構成された計算ユニット33を含む。計算ユニット33はさらに、全視野70の画像情報を含む信号91を取得するように構成される。計算ユニット33は、部分視野72aおよび72bの画像情報を全視野70の画像情報91と結合して、全視野70の結合画像情報61を取得するように構成される。
【0103】
簡単に言えば、装置120は、既存のカメラ装置用の追加モジュールであってもよく、カメラ装置から、捕捉された全視野に関する画像信号を取得するように構成されてもよい。前記カメラ装置は、任意のカメラであり得る。したがって、装置120は、品質を改善するために、取得された画像信号91が追加的に捕捉された部分視野72aおよび72bと重ね合わされるように、外部装置の解像度を高めるように構成され得る。
【0104】
計算ユニット33は、本明細書で説明される多開口撮像装置に関連して説明されるのと同じ機能を提供するように構成されてもよい。これは、装置120が、第1画像解像度で画像情報91を取得し、より高い解像度で部分視野72aおよび72bに関する画像情報を取得するように構成され得ることを意味する。結合画像情報61は、高い解像度、または少なくとも画像信号91の解像度よりも高い解像度を含むことができる。第1画像軸および第2画像軸に沿って、画像信号91の解像度は、上述の20%、10%または0%の許容範囲内で、値0.77、0.66、および/または1/2を乗じた画像センサ領域24aおよび24cの解像度に対応するか、それより小さくてもよい。
【0105】
計算ユニット33は、図5に関連して説明されるように、ブロックごとに前記画像関連付けを実行するようにさらに構成されてもよい。これはまた、計算ユニット33が、例えば類似性分析、エッジ比較などの関連付け基準を実行し、関連付け基準が満たされた場合にのみブロックの結合を実行することを意味してもよい。関連付け基準が満たされない場合、評価されたブロック内のブロックの結合が実行されないように、結合画像情報が計算ユニット33によって提供され得る。
【0106】
計算ユニット33は、全視野70の画像情報に基づいて、部分視野72aおよび72bの画像情報のステッチングを行うように構成されていてもよい。画像情報のみが評価されるので、全視野70に関する画像情報がシステム自身の画像センサ12または外部装置の画像センサから取得されるかどうかは、計算ユニット33とは無関係であり得る。
【0107】
多開口撮像装置について説明したように、計算ユニットは、全視野を捕捉するためのチャネルの視線と第1部分視野の画像と間の第1視差、および/または全視野の画像と第2部分視野の画像との間の第2視差を使用しながら、全視野の画像情報の深度マップを生成するように構成されてもよい。全視野は別のカメラで撮影されたが、特に装置が画像信号91を提供する装置と一緒に較正されている場合、特に視差が評価されるように、全視野に対する視線が含まれる。
【0108】
上述したように、計算ユニット33は、部分視野の画像情報のみを用いて、部分視野72aおよび72bの部分画像の重複領域に深度マップを生成するように構成されてもよい。
【0109】
装置120は、例えば第1方向および第2方向、例えば画像軸28および32に沿って画像センサ12とアレイ14との間に相対運動を生成することにより光学画像安定化を提供するように構成される光学画像安定化装置、例えば光学画像安定化装置22を含むことができる。代替的または追加的に、装置120は、装置120の焦点を調整するために、集束手段、例えば、集束手段87を含み得る。これは、光学チャネル16aおよび16bの光学系64aおよび64bの少なくとも一方と画像センサ12との間に相対運動を生成することにより達成され得る。
【0110】
図13は、一実施形態による補足装置130の概略斜視図を示す。補足装置130は、カメラまたは画像捕捉装置93を補足するように構成され、カメラまたは画像捕捉装置93は、画像信号91を生成し、それを補足装置130に提供するように構成される。例えば、補足装置130は装置120を含み、カメラ93に結合されるように構成される。したがって、補足装置130は、カメラ93の画像処理を拡張または補足するように構成される。これは、例えば、既存のシステムの解像度を高めるために一対の外部チャネルを提供するアドオン装置であると理解することもできる。これは、上記の中央チャネルが、例えば携帯電話の供給者が知っており、理解し、確立されたサプライチェーンが存在する従来のカメラモジュールであることを意味する。
【0111】
光学系64aおよび64cを含む外側チャネルは、前者の隣または周りに設置される追加のモジュールである。折りたたまれた光路が残る場合があり、設計の高さは古いカメラモジュールに合わせて調整される。システム全体の設計高さはカメラモジュール33よりも薄くはならないが、追加モジュールによって解像度を上げることによる設計高さの増加を回避することもできる。代わりに、外側のチャネルは一緒になって内側のモジュールよりも大きなセンサ領域を有する。ピクセルのサイズが等しい場合、モジュールの全体的な解像度はより高くなり、結果として角度解像度はより細かくなる。したがって、モジュールはカメラ93と比較して解像度を上げるために使用することができる。
【0112】
ここでも、実施形態において、カラーフィルタなしでセンサを構成することができる。これは、撮像された第1部分視野および第2部分視野の画像情報が単色輝度情報を備えて提供され得ることを意味する。追加のモジュールは、必ずしも必要ではないが、カメラ93のカメラモジュールの周りに対称的に組み立てられてもよい。例えば、対角線や非対称などの他の形式のアセンブリも考えられ、画像処理によって補正することができる。深度マップは不変に生成され、光学的および/または電子画像安定化とオートフォーカスが提供され得る。
【0113】
図14は、一実施形態によるデバイス、例えば装置120を提供する方法1400の概略フローチャートを示す。ステップ1410は、画像センサを提供することを含む。ステップ1420は、各光学チャネルが全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含むように、光学チャネルのアレイを配置することを含むので、アレイの第1光学チャネルは全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは全視野の第2部分視野を撮像するように構成される。ステップ1430は、撮像された部分視野に基づいて第1部分視野と第2部分視野との画像情報を取得し、全視野の画像情報を取得し、全視野の結合画像情報を生成するために部分視野の画像情報を全視野の画像情報と結合するように構成された計算ユニットを配置することを含む。
【0114】
図15は、一実施形態に係る多開口撮像装置、例えば多開口撮像装置10を提供する方法1500の概略フローチャートを示す。ステップ1510は、画像センサを提供することを含む。ステップ1520は、各光学チャネルが全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含むように光学チャネルのアレイを配置することを含み、したがって、アレイの第1光学チャネルは全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは全視野の第2部分視野を撮像するように構成され、第3光学チャネルは、全視野を完全に撮像するように構成されている。
【0115】
本明細書で説明する実施形態は、ステッチングプロセスを単純化するために、高解像度画像のステッチングをサポートするために低解像度画像が依然として先験的に使用されるという利点を提供する。これにより、カメラの中央配置と同じ周辺の他のチャネルの対称配置のために、深度マップでの掩蔽のより顕著なインスタンスが可能になる。これにより、最終的な結合画像のアーチファクトも少なくなる。必要な程度に解像度を下げるために、おそらくピクセルのビニングまたはスキップを使用しながら、中央チャネルから計算費用なしでライブビューを直接取得できるが、正しいアスペクト比の完全な視野は、中央チャネルがFOV全体をカバーするため、中央チャネルから既に取得され得、映像は、画像の取得との類推によって影響を受ける計算費用をかけずに中央チャネルから直接取得でき得る。
【0116】
部分視野を捕捉するための光学チャネルのグループである3つのチャネルのみの使用には、2つの部分視野を正確に捕捉するための光学チャネルが含まれ、少ないコンポーネント数、少ないセンサ、小さなデータ伝送帯域幅、小さい体積の装置または多開口撮像装置が可能になる。
【0117】
本明細書で説明する実施形態は、既知の解決策と比較して本明細書で説明する利点を提供しながら、線形チャネル配置および最小設計高さを有する多開口撮像システムとして、またはその多開口撮像システムで使用できる。
【0118】
以下において、本明細書に記載される特徴および機能性および詳細のいずれかと個々にまたは組み合わせて使用できる本発明の追加の実施形態および態様を説明する。
【0119】
一実施形態によれば、装置は、画像センサ12と、光学チャネル16a~16bのアレイ14であって、各光学チャネル16a~16bは、全視野70の部分視野72a~72bを画像センサ12の画像センサ領域24a~24bに投影するための光学系64a~64bを含み、アレイ14の第1光学チャネル16aは全視野70の第1部分視野72aを撮像するように構成され、アレイ14の第2光学チャネル16bは全視野70の第2部分視野72bを撮像するように構成されている、アレイ14と、撮像された部分視野72a~72bに基づいて第1部分視野と第2部分視野との画像情報を取得し、全視野70の画像情報を取得し、全視野の結合画像情報61を生成するために、部分視野の画像情報を全視野の画像情報と組み合わせるように構成された計算ユニット33と、を備えている。
【0120】
第1の実施形態を参照する第2の実施形態によれば、第1および第2光学チャネル16a~16bは、それぞれ全視野70の1つの部分視野72a~72bを撮像するように構成された光学チャネルのグループであって、全視野70を一緒に完全に撮像するように構成されている光学チャネルのグループの一部である。
【0121】
第2の実施形態を参照する第3の実施形態によれば、光学チャネルのグループは、2つの部分視野72a~72bを正確に捕捉するように構成される。
【0122】
第4の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、第1部分視野と第2部分視野との画像情報を表す第1部分画像および第2部分画像は、第1画像軸32に沿って、全視野70の画像情報を表す全画像と同じ寸法であり、第2画像軸28に沿って、全画像と比較して異なる寸法を含む。
【0123】
第5の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、装置は、単色の輝度情報を有する撮像された第1部分視野と第2部分視野の画像情報を提供するように構成される。
【0124】
第6の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、装置は、第1走査度b×cを有する全視野70の画像情報を取得し、第1走査度b×cよりも大きい第2走査度b×cを有する第1または第2部分視野72a~72bの画像情報を取得し、第1走査度よりも大きい第3走査度を有する全視野70の結合画像情報を提供するように構成される。
【0125】
第6の実施形態を参照する第7の実施形態によれば、第2走査度b×cは、第1画像軸28および第2画像軸32に沿って、第1走査度より少なくとも30%大きい。
【0126】
第8の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、計算ユニット33は、全視野70の画像情報および部分視野の画像情報を画像ブロック63a、63bに再分割するように構成され、全視野の第1画像ブロック63c内に含まれる画像情報x、*、#を、ブロックごとに、第1または第2部分画像の第2画像ブロック63a、63bの一致する画像情報と関連付け、第1画像ブロックおよび第2画像ブロックを結合することにより、結合画像情報内の全視野70の画像情報の走査度を増加させる。
【0127】
第8の実施形態を参照する第9の実施形態によれば、計算ユニット33は、関連付け基準が満たされる場合にのみ結合を実行するように関連付け基準を適用しながら、第1画像ブロック63cを第2画像ブロック63a、63bに関連付けるとともに、関連付け基準が満たされない場合はいかなる結合もせずに第1画像ブロック63c内の全視野70の結合画像情報61を提供するように構成される。
【0128】
第10の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、計算ユニット33は、全視野70の画像情報に基づいて部分視野72a~72bの画像情報のステッチングを実行するように構成される。
【0129】
第11の実施形態によれば、前の実施形態のいずれか1つを参照すると、計算ユニット33は、全視野70の画像と第1部分視野72aの画像と間の第1視差83aと、全視野70の画像と第2部分視野72bの画像との間の第2視差83bとを使用しながら、全視野70の画像情報の深度マップを生成するように構成される。
【0130】
第12の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、部分視野72a~72bは、全視野70内のオーバーラップ領域73、73a~73e内でオーバーラップし、計算ユニット33は、第1および第2部分視野72a~72bの画像情報を使用しながら、オーバーラップ領域73、73a~73e内の全視野70の画像情報の深度マップを生成するように構成されている。
【0131】
第13の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、装置は、画像センサ12とアレイ14との間の第1相対運動34、39aを生成することによる第1画像軸28に沿った画像安定化と、画像センサ12とアレイ14との間の第2相対運動38、39bを生成することによる第2画像軸32に沿った画像安定化のための光学画像安定化装置22を備えている。
【0132】
第14の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つを参照すると、装置は、装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータ134bを含む集束手段をさらに備え、前記アクチュエータ134bは、光学チャネル16a~16bの1つにおける少なくとも1つの光学系64a~64bと画像センサ12との間に相対運動を提供するように構成される。
【0133】
第15の実施形態によれば、補充装置は、第1~第14の実施形態のいずれか1つによる装置を備え、カメラに結合されて該カメラから全視野70の画像情報を取得するように構成される。
【0134】
第16の実施形態によれば、多開口撮像装置10、30、60、70、80、90は、画像センサ12と、光学チャネル16a~16bのアレイ14と、を備え、各光学チャネル16a~16bは、全視野70の少なくとも1つの部分視野72a~72bを画像センサ12の画像センサ領域24a~24cに投影するための光学系64a~64cを含み、アレイ14の第1光学チャネル16aは全視野70の第1部分視野72aを撮像するように構成され、アレイ14の第2光学チャネル16bは全視野70の第2部分視野72bを撮像するように構成され、第3光学チャネル16cは全視野70を完全に撮像するように構成されている。
【0135】
第17の実施形態によれば、第16の実施形態を再び参照すると、多開口撮像装置は、第1および第2光学チャネル16a~16bの光路26a~26bを共同で偏向するビーム偏向手段18を含む。
【0136】
第16または第17の実施形態を参照する第18の実施形態によれば、アレイ14内の第1および第2部分視野を捕捉するための光学系64a、64cの配置は、全視野70を撮像するための光学系64bの位置に関して対称であり、第1および第2部分視野72a~72bを撮像するための画像センサ領域24a、24cの配置は、全視野70を撮像するための画像センサ領域24bの位置に対して対称である。
【0137】
第16~第18の実施形態のいずれか1つを参照する第19の実施形態によれば、全視野70の画像フォーマットは、撮像された第1部分視野72aと撮像された第2部分視野72bの冗長性のない組み合わせに対応する。
【0138】
第16~第19の実施形態のいずれか1つを参照する第20の実施形態によれば、多開口撮像装置は、撮像された部分視野72a~72bに基づいて第1および第2部分視野の画像情報を取得し、撮像された全視野70に基づいて全視野70の画像情報を取得し、部分視野の画像情報を全視野70の画像情報と結合して全視野70の結合画像情報61を生成するように構成された計算ユニット33を含む。
【0139】
第20の実施形態を参照する第21の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像情報および部分視野の画像情報を画像ブロックに細分し、ブロックごとに、全視野70の第1画像ブロック内に含まれる画像情報を第1または第2部分視野の第2画像ブロックの一致する画像情報と関連付け、および、第1および第2画像ブロックを結合することにより、結合画像情報における全視野70の画像情報の走査度を増加するように構成される。
【0140】
第22の実施形態によれば、第21の実施形態を参照すると、計算ユニット33は、関連付け基準が満たされる場合にのみ結合を実行するように関連付け基準を適用しながら、第1画像ブロックを第2画像ブロックに関連付けるとともに、関連付け基準が満たされない場合はいかなる結合もせずに、第1画像ブロック内の全視野70の結合画像情報を提供するように構成される。
【0141】
第23の実施形態によれば、第20~第22の実施形態のいずれか1つを参照すると、計算ユニット33は、部分視野の画像情報のステッチングを、全視野70の画像情報に基づいて実行するように構成される。
【0142】
第24の実施形態によれば、第20~第23の実施形態のいずれか1つを参照すると、計算ユニット33は、全視野70の画像と第1部分視野の画像との間の第1視差83a、および全視野70の画像と第2部分視野の画像との間の第2視差83bを使用しながら、全視野70の画像情報の深度マップ81を生成するように構成される。
【0143】
第25の実施形態によれば、第20~第24の実施形態のいずれか1つを参照すると、部分視野は全視野70内のオーバーラップ領域内でオーバーラップし、計算ユニット33は、第1および第2部分視野の画像情報を使用しながら、オーバーラップ領域内の全視野70の画像情報の深度マップを生成するように構成される。
【0144】
第26の実施形態によれば、第20から第25の実施形態のいずれか1つを参照すると、多開口撮像装置は、画像センサから第1走査度を有する全視野70の画像情報を取得し、第1走査度よりも大きい第2走査度を有する第1または第2部分視野の画像情報をセンサから取得し、第1のスキャン度よりも大きい第3のスキャン度を有する全視野70の結合画像情報を提供するように構成される。
【0145】
第26の実施形態を参照する第27の実施形態によれば、第2走査度は、第1および第2画像軸に沿って、第1走査度よりも少なくとも30%大きい。
【0146】
第16~第27の実施形態のいずれか1つを参照する第28の実施形態によれば、多開口撮像装置は、第3光学チャネルによって画像センサから第1画像解像度で捕捉される全視野70の画像情報を取得するように構成され、多開口撮像装置は、最大で第1画像解像度で画像情報を表示するように構成された表示手段を含む。
【0147】
第28の実施形態を参照する第29の実施形態によれば、多開口撮像装置は、全視野70の連続画像に基づいて表示手段上に全視野70の映像信号を出力するように構成される。
【0148】
第16~第29の実施形態のいずれか1つを参照する第30の実施形態によれば、多開口撮像装置は、光学チャネル16a~16cの光路26a~26cの共有偏向のためのビーム偏向手段18を含み、画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18の間の第1相対運動を生成することによる第1画像軸28に沿った光学画像安定化、および画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18の間に第2相対運動38を生成することによる第2画像軸32に沿った光学画像安定化のための光学画像安定化装置22を含む。
【0149】
第31の実施形態によれば、第30の実施形態を参照すると、光学画像安定化装置22は、第1光学チャネルおよび第2光学チャネルに対して第1相対運動を提供し、第3光学チャネルに対して第2相対運動を提供するように構成される。
【0150】
第30または第31の実施形態を参照する第32の実施形態によれば、第1相対運動は、画像センサ12とアレイ14との間の並進相対運動、画像センサ12とビーム偏向手段18との間の並進相対運動、およびアレイ14とビーム偏向手段18の間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含み、第2相対運動38は、ビーム偏向手段18の回転運動、画像センサ12とアレイ14との間の並進相対運動、およびアレイ14とビーム偏向手段18との間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含む。
【0151】
第30~32の実施形態のいずれか1つを参照する第33の実施形態によれば、多開口撮像装置はさらに、第1および第2画像軸28、32に沿ったアレイ14の第1光学チャネル16aの電子画像安定化のための電子画像安定化装置41を含む。
【0152】
第33の実施形態を参照する第34の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、第1および第2画像軸28、32に沿って第1の程度に第1光学チャネル16aを安定させるように構成され、さらに第1および第2画像軸28、32に沿った第2の範囲への第2光学チャネル16bの画像安定化をするように構成される。
【0153】
第33または第34の実施形態を参照する第35の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、前記光学画像安定化が第1の部分視野72a~72bの画像に関連するように光学画像安定化を実行するように構成され、電子画像安定化装置41は、第1部分視野72a~72bの画像に対して第2部分視野72a~72bの画像を安定させるように構成されている。
【0154】
第33~第35の実施形態のいずれか1つを参照する第36の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、第1光学チャネル16aおよび第2光学チャネル16bを含むグループから基準チャネルの撮像された部分視野72a~72bの画像を安定化するように構成され、電子画像安定化装置41は、基準チャネルとは異なる光学チャネル16a~16cに対してチャネル固有の方法で電子画像安定化を実行するように構成され、多開口撮像装置は、光学的に排他的に基準チャネルを安定化するように構成される。
【0155】
第33~第36の実施形態のいずれか1つを参照する第37の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、各光学チャネル16a~16cに対してチャネル固有の方法で電子画像安定化を実行するように構成される。
【0156】
第37の実施形態を参照する第38の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18の間の相対運動に依存する特定の機能的相関に応じて各チャネルでチャネル固有の電子画像安定化を実行するように構成される。
【0157】
第38の実施形態を参照する第39の実施形態によれば、関数相関は線形関数である。
【0158】
第33~第39の実施形態のいずれか1つを参照する第40の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、ビーム偏向手段18の回転運動38に基づいて画像軸28、32の1つに沿って光学画像安定化を提供するように構成され、機能的相関は、ビーム偏向手段18の回転角度を画像軸28、32に沿った電子画像安定化の程度に投影する角度関数である。
【0159】
第33~第40の実施形態のいずれか1つを参照する第41の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、第1時点および第2時点において、第1部分視野72aの第1部分画像内のマッチング特徴を識別するように構成され、第1部分画像内の一致する特徴の動きの比較に基づいて電子画像安定化を提供する。
【0160】
第16~第41の実施形態のいずれか1つを参照する第42の実施形態によれば、多開口撮像装置はさらに、装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータ89a~89bを含む集束手段87を含み、前記アクチュエータは、光学チャネル16a~16cの1つの少なくとも1つの光学系64a~64cと画像センサ12との間に相対運動を提供するように構成される。
【0161】
第42の実施形態に戻ったときの第43の実施形態によれば、集束手段87は、第1および第2光学チャネル16a、16bに第3相対運動を提供し、第3光学チャネル16cに第4相対運動を提供するように構成される。
【0162】
第16~第43の実施形態のいずれか1つを参照する第44の実施形態によれば、画像センサ領域は、ライン延長方向35に沿って画像センサ12上に配置され、画像センサ領域24a~24cは、ライン延長方向に垂直な画像軸32に沿って、20%の許容範囲内で同一の寸法を示す。
【0163】
第16~第44の実施形態のいずれか1つを参照する第45の実施形態によれば、第1および第2光学チャネル16a、16bはそれぞれ、全視野70の部分視野72a~72cを撮像するように構成される光学チャネルのグループの一部であり、前記光学チャネルのグループは、全視野70を一緒に完全に撮像するように構成される。
【0164】
第44の実施形態を参照する第46の実施形態によれば、光学チャネルのグループは、2つの部分視野72a~72bを正確に捕捉するように構成される。
【0165】
第16~第46の実施形態のいずれか1つを参照する第47の実施形態によれば、画像センサ12によって提供される第1および第2部分視野72a~72bの画像情報を表す第1部分画像および第2部分画像は、第1画像軸32に沿って、画像センサによって提供される全視野70の画像情報を表す全画像と同じ寸法を有するとともに、第2画像軸28に沿って、全画像と比較して異なる寸法を示す。
【0166】
第16~第47の実施形態のいずれか1つを参照する第48の実施形態によれば、多開口撮像装置は、単色の輝度情報を有する撮像された第1および第2部分視野72a~72bを提供するように構成される。
【0167】
第16~第48の実施形態のいずれか1つを参照する第49の実施形態によれば、多開口撮像装置は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはモニタとして構成される。
【0168】
第50の実施形態によれば、装置を提供する方法1400は、画像センサを提供すること1410と、各光学チャネルが、全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含むように、光学チャネルの配列を配置すること1420であって、アレイの第1光学チャネルは全視野の第1部分視野を撮像するように構成されており、アレイの第2光学チャネルは全視野の第2部分視野を撮像するように構成される、配置すること1420と、計算された部分視野に基づいて第1および第2部分視野の画像情報を取得し、全視野の画像情報を取得し、部分視野の情報と、全視野の画像情報とを組み合わせて、全視野の画像情報を合成するように構成されるように計算ユニットを配置すること1430とを含む。
【0169】
第51の実施形態によれば、多開口撮像装置を提供する方法1500は、画像センサを提供すること1510と、各光学チャネルが、全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含むように、光学チャネルのアレイを配置すること1520と、を含み、アレイの第1光学チャネルは、全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは、全視野の第2部分視野を撮像するように構成され、第3光学チャネルは、全視野を完全に撮像するように構成されている。
【0170】
第52の実施形態によれば、装置は、画像センサ12と、光学チャネル16a~16bのアレイ14であって、各光学チャネル16a~16bが、画像センサ12の画像センサ領域24a~24b上に全視野70の部分視野72a~72bを投影するための光学系64a~64bを含み、アレイ14の第1光学チャネル16aが、全視野70の第1部分視野72aを撮像するように構成され、アレイ14の第2光学チャネル16bが、全視野70の第2部分視野72bを撮像するように構成された、アレイ14と、撮像された部分視野72a~72bに基づいて第1部分視野および第2部分視野の画像情報を取得し、全視野70の画像情報を取得し、全視野の結合画像情報61を生成するために、部分視野の画像情報と全視野の画像情報とを結合するように構成された計算ユニット33と、を備えている。
【0171】
第52の実施形態を参照する第53の実施形態によれば、第1光学チャネルおよび第2光学チャネル16a~16bはそれぞれ、全視野70のうちの1つの部分視野72a~72bを撮像するように構成された光学チャネルのグループの一部であり、光学チャネルのグループは、共同で全視野70を完全に撮像するように構成されている。
【0172】
第53の実施形態を参照する第54の実施形態によれば、光学チャネルのグループは、2つの部分視野72a~72bを正確に捕捉するように構成されている。
【0173】
第52~第54の実施形態のいずれか1つを参照する第55の実施形態によれば、第1部分視野の画像情報を表す第1部分画像および第2部分視野の画像情報を表す第2部分画像は、第1画像方向32に沿って、全視野70の画像情報を表す全画像と同じ寸法を有し、第2画像方向28に沿って、全画像と比較して異なる寸法を有する。
【0174】
第52~第55の実施形態のいずれか1つを参照する第56の実施形態によれば、装置は、単色の輝度情報を有する、撮像された第1部分視野の画像情報および撮像された第2部分視野の画像情報を提供するように構成される。
【0175】
第52~第56の実施形態のいずれか1つを参照する第57の実施形態によれば、装置は、第1走査度b×cを有する全視野70の画像情報を取得して第1走査度b×cよりも大きい第2走査度b×aを有する第1部分視野または第2部分視野72a~72bの画像情報を取得し、第1走査度よりも大きい第3走査度を有する全視野70の結合画像情報を提供するように構成されている。
【0176】
第57の実施形態を参照する第58の実施形態によれば、第2走査度b×aは、第1画像方向および第2画像方向28、32に沿って第1走査度よりも少なくとも30%大きい。
【0177】
第52~第58の実施形態のいずれか1つを参照する第59の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像情報および部分視野の画像情報を画像ブロック63a、63bに細分化するとともに、ブロックごとに、全視野における第1画像ブロック63cに含まれる画像情報x、*、#を、第1部分視野または第2部分視野における第2画像ブロック63a、63bの一致する画像情報と関連付けて、第1画像ブロックおよび第2画像ブロックを結合することにより、結合画像情報における全視野70の画像情報の走査度を増加させるように構成されている。
【0178】
第59の実施形態を参照する第60の実施形態によれば、計算ユニット33は、関連付け基準が満たされる場合にのみ結合を実行するように関連付け基準を適用しながら、第1ブロック63cを第2ブロック63a、63bに関連付けるとともに、関連付け基準が満たされない場合はいかなる結合もせずに第1ブロック63c内の全視野70の結合画像情報61を提供するように構成されている。
【0179】
第52~第60の実施形態のいずれか1つを参照する第61の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像情報に基づいて部分視野72a~72bの画像情報のステッチングを実行するように構成されている。
【0180】
第52~第61の実施形態のいずれか1つを参照する第62の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像と第1部分視野72aの画像との間の第1視差83aと、全視野70の画像と第2部分視野72bの画像との間の第2視差83bとを使用しながら、全視野70の画像情報のための深度マップを生成するように構成されている。
【0181】
第52~第62の実施形態のいずれか1つを参照する第63の実施形態によれば、部分視野72a~72bは、全視野70内のオーバーラップ領域73、73a~73e内でオーバーラップし、計算ユニット33は、第1部分視野および第2部分視野72a~72bの画像情報を使用しながら、オーバーラップ領域73、73a~73e内における全視野70の画像情報の深度マップを生成するように構成されている。
【0182】
第52~第63の実施形態のいずれか1つを参照する第64の実施形態によれば、装置は、画像センサ12とアレイ14との間の第1相対運動34、39aを生成することによる第1画像軸28に沿った画像安定化、および画像センサ12とアレイ14との間の第2相対運動38、39bを生成することによる第2画像軸32に沿った画像安定化のための光学画像安定化装置22を備えている。
【0183】
第52~第64の実施形態のいずれか1つを参照する第65の実施形態によれば、装置は、装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータ134bを有する集束手段をさらに備え、アクチュエータ134bは、光学チャネル16a~16bの1つにおける少なくとも1つの光学系64a~64bと画像センサ12との間の相対運動をもたらすように構成されている。
【0184】
第52~第65の実施形態のいずれか1つを参照する第66の実施形態によれば、補充装置は、第52~第65の実施形態の装置を備え、カメラに結合されてカメラから全視野70の画像情報を取得するように構成されている。
【0185】
第67の実施形態によれば、多開口撮像装置10、30、60、70、80、90は、画像センサ12と、光学チャネル16a~16bのアレイ14であって、各光学チャネル16a~16bが、全視野70の少なくとも1つの部分視野72a~72bを画像センサ12の画像センサ領域24a~24cに投影するための光学系64a~64cを含む、アレイ14と、を備え、アレイ14の第1光学チャネル16aは全視野70の第1部分視野72aを撮像するように構成され、アレイ14の第2光学チャネル16bは全視野70の第2部分視野72bを撮像するように構成され、第3光学チャネル16cは全視野70を完全に撮像するように構成されている。
【0186】
第67の実施形態を参照する第68の実施形態によれば、多開口撮像装置は、第1光学チャネルおよび第2光学チャネル16a~16bの光路26a~26bを共同で偏向するビーム偏向手段18を備えている。
【0187】
第66又は第68の実施形態を参照する第69の実施形態によれば、アレイ14内の第1部分視野および第2部分視野を捕捉するための光学系64a、64cの配列は、全視野70を撮像する光学系64bの位置に関して対称であるか、または、第1部分視野および第2部分視野72a~72bを撮像するための画像センサ領域24a、24cの配置は、全視野70を撮像するための画像センサ領域24bの位置に関して対称である。
【0188】
第67~第69の実施形態のいずれか1つを参照する第70の実施形態によれば、全視野70の画像フォーマットは、撮像された第1部分視野72aと撮像された第2部分視野72bとの冗長性のない組み合わせに対応する。
【0189】
第67~第70の実施形態のいずれか1つを参照する第71の実施形態によれば、撮像された部分視野72a~72bに基づいて、第1部分視野と第2部分視野との画像情報を取得するとともに、撮像された全視野70に基づいて全視野70の画像情報を取得し、部分視野の画像情報を全視野70の画像情報と組み合わせて全視野70の結合画像情報61を生成するように構成された計算ユニット33を備えている。
【0190】
第71の実施形態を参照する第72の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像情報と部分視野の画像情報とを画像ブロックに細分化するとともに、ブロックごとに、全視野70の第1画像ブロック内に含まれる画像情報を、第1部分視野または第2部分視野の第2画像ブロックの一致する画像情報と関連付けし、第1画像ブロックと第2画像ブロックとを結合することにより、結合画像情報における全視野70の画像情報の走査度を増加するように構成されている。
【0191】
第72の実施形態を参照する第73の実施形態によれば、計算ユニット33は、関連付け基準が満たされる場合にのみ結合を実行するように関連付け基準を適用しながら、第1ブロックを第2ブロックに関連付けるとともに、関連付け基準が満たされない場合はいかなる結合もせずに第1ブロック内の全視野70の結合画像情報を提供するように構成されている。
【0192】
第71~第73の実施形態のいずれか1つを参照する第74の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像情報に基づいて、部分視野の画像情報のステッチングを実行するように構成されている。
【0193】
第71~第74の実施形態のいずれか1つを参照する第75の実施形態によれば、計算ユニット33は、全視野70の画像と第1部分視野の画像との間の第1視差83aと、全視野70の画像と第2部分視野の画像との間の第2視差83bとを使用しながら、全視野70の画像情報の深度マップ81を生成するように構成されている。
【0194】
第71~第75の実施形態のいずれか1つを参照する第76の実施形態によれば、部分視野は、全視野70内のオーバーラップ領域内でオーバーラップし、計算ユニット33は、第1部分視野および第2部分視野の画像情報を使用しながら、オーバーラップ領域内における全視野70の画像情報の深度マップを生成するように構成されている。
【0195】
第71~第76の実施形態のいずれか1つを参照する第77の実施形態によれば、多開口撮像装置は、センサから第1走査度を有する全視野70の画像情報を取得して、センサから、第1走査度よりも大きい第2走査度を有する第1部分視野または第2部分視野の画像情報を取得するとともに、第1走査度よりも大きい第3走査度を有する全視野70の結合画像情報を提供するように構成されている。
【0196】
第77の実施形態を参照する第78の実施形態によれば、第2走査度は、第1画像方向および第2画像方向に沿って、第1走査度よりも少なくとも30%大きい。
【0197】
第67~第79の実施形態のいずれか1つを参照する第79の実施形態によれば、第3光学チャネルによって画像センサから第1画像解像度で捕捉される全視野70の画像情報を取得するように構成されており、多開口撮像装置は、最大で第1画像解像度で画像情報を表示するように構成された表示手段を備えている。
【0198】
第79の実施形態を参照する第80の実施形態によれば、多開口撮像装置は、全視野70の連続画像に基づいて、表示手段に全視野70のビデオ信号を出力するように構成されている。
【0199】
第67~第80の実施形態のいずれか1つを参照する第81の実施形態によれば、多開口撮像装置は、光学チャネル16a~16cの光路26a~26cの共有偏向のためのビーム偏向手段18を含み、画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18の間の第1相対運動を生成することによる第1画像軸28に沿った画像安定化、および画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18間の第2相対運動38を生成することによる第2画像軸32に沿った画像安定化のための光学画像安定化装置22を備えている。
【0200】
第81の実施形態を参照する第82の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、第1光学チャネルおよび第2光学チャネルに対する第1相対運動と、第3光学チャネルに対する第2相対運動とを提供する。
【0201】
第81~第82の実施形態のいずれか1つを参照する第83の実施形態によれば、第1相対運動は、画像センサ12とアレイ14との間の並進相対運動、画像センサ12とビーム偏向手段18との間の並進相対運動、およびアレイ14とビーム偏向手段18との間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含み、第2相対運動38は、ビーム偏向手段18の回転運動、画像センサ12とアレイ14との間の並進相対運動、およびアレイ14とビーム偏向手段18との間の並進相対運動のうちの少なくとも1つを含む。
【0202】
第81~第83の実施形態のいずれか1つを参照する第84の実施形態によれば、第1画像軸および第2画像軸28、32に沿ったアレイ14の第1光学チャネル16aの画像安定化のための電子画像安定化装置41をさらに備えている。
【0203】
第84の実施形態を参照する第85の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、第1画像軸28および第2画像軸32に沿って第1の程度まで第1光学チャネル16aを安定化させるように構成され、さらに、第1画像軸28および第2画像軸32に沿った第2の程度まで第2光学チャネル16cの画像安定化のために構成されている。
【0204】
第84又は第85の実施形態を参照する第86の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、光学画像安定化が第1の部分視野72a~72bの画像に関連するように光学画像安定化を実行するように構成されており、電子画像安定化装置41は、第1部分視野72a~72bの画像に対して第2部分視野72a~72bの画像を安定させるように構成されている。
【0205】
第84~第86の実施形態のいずれか1つを参照する第87の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、第1光学チャネル16aと第2光学チャネル16cとを含むグループからの基準チャネルの撮像された部分視野72a~72bの画像を安定化するように構成されており、電子画像安定化装置41は、基準チャネルとは異なる光学チャネル16a~16cに対してチャネル固有の方法で画像安定化を実行するように構成されており、多開口撮像装置は基準チャネルを光学的にのみ安定させるように構成されている。
【0206】
第84~第87の実施形態のいずれか1つを参照する第88の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、チャネル固有の方法で各光学チャネル16a~16cに対して画像安定化を実行するように構成されている。
【0207】
第88の実施形態を参照する第89の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、画像センサ12、アレイ14、およびビーム偏向手段18間の相対運動に依存する特定の機能的相関に従って、各チャネルでチャネル固有の電子画像安定化を実行するように構成されている。
【0208】
第89の実施形態を参照する第90の実施形態によれば、機能的相関は線形関数である。
【0209】
第84~第90の実施形態のいずれか1つを参照する第91の実施形態によれば、光学画像安定化装置22は、ビーム偏向手段18の回転運動38に基づいて、画像方向28、32の一方に沿った光学画像安定化を提供するように構成されており、機能的相関は、ビーム偏向手段18の回転角を画像方向28、32に沿った電子画像安定化の範囲に投影する角度関数である。
【0210】
第84~第91の実施形態のいずれか1つを参照する第92の実施形態によれば、電子画像安定化装置41は、第1の時点および第2の時点において、第1部分視野72a~72bの第1部分画像において、一致する特徴を識別して、第1画像内における特徴の動きの比較に基づいて電子画像安定化を提供するように構成されている。
【0211】
第67~第92の実施形態のいずれか1つを参照する第93の実施形態によれば、装置の焦点を調整するための少なくとも1つのアクチュエータ89a~89bを有する集束手段87をさらに備え、アクチュエータは、光学チャネル16a~16cの1つにおける少なくとも1つの光学系64a~64cと画像センサ12との間の相対運動をもたらすように構成されている。
【0212】
第93の実施形態を参照する第94の実施形態によれば、集束手段87は、第1光学チャネル16aおよび第2光学チャネル16cに対して第3相対運動を提供するとともに、第3光学チャネル16bに対して第4相対運動を提供するように構成されている。
【0213】
第67~94の実施形態を参照する第95の実施形態によれば、画像センサ領域は、ライン延長方向35に沿って画像センサ12上に配置され、画像センサ領域24a~24cは、ライン延長方向に垂直な画像方向32に沿って、20%の許容範囲内で同一の寸法を示す。
【0214】
第67~第95の実施形態のいずれか1つを参照する第96の実施形態によれば、第1光学チャネル16aおよび第2光学チャネル16cはそれぞれ、全視野70の部分視野72a~72cを撮像するように構成された光学チャネルのグループの一部であり、光学チャネルのグループは、共同で全視野70を完全に撮像するように構成されている。
【0215】
第95の実施形態を参照する第97の実施形態によれば、光学チャネルのグループは、2つの部分視野72a~72bを正確に捕捉するように構成されている。
【0216】
第67~第97の実施形態のいずれか1つを参照する第98の実施形態によれば、画像センサ12によって提供される第1部分視野72aの画像情報を表す第1部分画像および第2部分視野72bの画像情報を表す第2部分画像は、第1画像方向32に沿って、画像センサによって提供される全視野70の画像情報を表す全画像と同じ寸法を有するとともに、第2画像方向28に沿って、全画像と比較して異なる寸法を示す。
【0217】
第67~第98の実施形態のいずれか1つを参照する第99の実施形態によれば、多開口撮像装置は、単色の輝度情報を有する撮像された第1部分視野および第2部分視野72a~72bを提供するように構成されている。
【0218】
第67~第109の実施形態のいずれか1つを参照する第100の実施形態によれば、多開口撮像装置は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはモニタとして構成されている。
【0219】
第101の実施形態によれば、装置を提供する方法1400は、画像センサを提供すること1410と、光学チャネルのアレイを配置すること1420であって、各光学チャネルが全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含み、アレイの第1光学チャネルは、全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルは、全視野の第2部分視野を撮像するように構成されている、配置すること1420と、撮像された部分視野に基づいて第1部分視野と第2部分視野との画像情報を取得するとともに、全視野の画像情報を取得し、部分視野の画像情報と全視野の画像情報とを結合して全視野の結合画像情報を生成するように構成された計算ユニットを配置すること1430と、を含む。
【0220】
第102の実施形態によれば、多開口撮像装置を提供する方法1500は、画像センサを提供すること1510と、光学チャネルのアレイを配置すること1520であって、各光学チャネルが全視野の少なくとも1つの部分視野を画像センサの画像センサ領域に投影するための光学系を含むとともに、アレイの第1光学チャネルが全視野の第1部分視野を撮像するように構成され、アレイの第2光学チャネルが全視野の第2部分視野を撮像するように構成され、第3光学チャネルは、全視野を完全に撮像するように構成されている、配置すること1520と、を含む。
【0221】
一部の説明は、上/下または左/右などの相対的な方向に関連している。空間の向きが変更された場合、同じものが必要に応じて交換可能であることが理解される。これが、上記の用語が限定するものと解釈されるべきではなく、明瞭さを改善することのみを意図している理由である。
【0222】
装置の文脈内でいくつかの態様を説明したが、上記態様は対応する方法の説明も表すため、装置のブロックまたは構造的構成要素も対応する方法ステップとして、または方法ステップの機能として理解されることを理解されたい。それと同様に、文脈内でまたは方法ステップとして説明された側面は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または機能の説明も表す。
【0223】
上述の実施形態は、単に本発明の原理の例示を表すものである。当業者は、本明細書に記載の配置および詳細の修正および変形を理解するであろうことが理解される。これが、本発明が実施形態の説明および議論によって本明細書に提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される理由である。
図1
図2a
図2b
図2c
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