(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】発光装置、表示装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20221207BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20221207BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20221207BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221207BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221207BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/58
H01L33/62
F21S2/00 421
F21S2/00 413
F21S2/00 415
F21S2/00 418
F21S2/00 423
G02F1/13357
F21Y115:10 300
F21Y115:10 700
(21)【出願番号】P 2021108026
(22)【出願日】2021-06-29
(62)【分割の表示】P 2018508493の分割
【原出願日】2017-02-06
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2016070498
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳志
(72)【発明者】
【氏名】荒木 宗也
(72)【発明者】
【氏名】吉松 朋之
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/023459(WO,A1)
【文献】特開2007-287678(JP,A)
【文献】特開2008-027916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0244058(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0224366(US,A1)
【文献】特表2014-526120(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105116477(CN,A)
【文献】特開2011-211085(JP,A)
【文献】特開2003-115611(JP,A)
【文献】特開2009-150940(JP,A)
【文献】特開2007-294191(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0037279(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0025904(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0026720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
F21S 2/00
F21V 8/00
F21K 9/00 - 99/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有する配線基板と、
前記実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも一方に固定され、各前記発光素子からの出射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を備え、
各前記発光素子は、当該発光素子の側面および上面を覆うように、樹脂で構成されたレンズを有し、
前記レンズから発せられる光が前記実装面に垂直な方向よりも、むしろ、前記実装面と平行な方向に強い光を発する配光特性を有するように構成されている
発光装置。
【請求項2】
前記反射構造体は、前記反射部と、前記下面に固定された部分とによって構成された、三角形もしくは台形を単位とした構造体を有する
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記反射構造体は、前記反射部に囲まれた複数の開口部を有し、
前記複数の発光素子は、前記開口部内に1つずつまたは複数個ずつ配置されている
請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
各前記発光素子は、前記実装面側の面に電極が設けられたフリップチップ構造を有する発光ダイオードである
請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光板の前記下面に設けられた前記凹凸層は、各前記発光素子と非対向の位置に屈折透過部を有するとともに、各前記発光素子と対向する位置に拡散反射部を有する
請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記配線基板は、前記実装面のうち、各前記発光素子の周縁に相対的に反射率の低い第1反射面を有するとともに、各前記第1反射面の周縁に相対的に反射率の高い第2反射面を有する
請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
各前記発光素子は、サファイア基板を有する
請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
各前記発光素子は、前記サファイア基板上に窒化物半導体層を有する
請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
照明光を出射する発光装置と、
前記発光装置と重なり合うように配置され、前記照明光を利用して画像を表示する表示パネルと
を備え、
前記発光装置は、
実装面を有する配線基板と、
前記実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも一方に固定され、各前記発光素子からの出
射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を備え、
各前記発光素子は、当該発光素子の側面および上面を覆うように、樹脂で構成されたレンズを有し、
前記レンズから発せられる光が前記実装面に垂直な方向よりも、むしろ、前記実装面と平行な方向に強い光を発する配光特性を有するように構成されている
表示装置。
【請求項10】
照明光を出射する発光装置を備え、
前記発光装置は、
実装面を有する配線基板と、
前記実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも一方に固定され、各前記発光素子からの出射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を備え、
各前記発光素子は、当該発光素子の側面および上面を覆うように、樹脂で構成されたレンズを有し、
前記レンズから発せられる光が前記実装面に垂直な方向よりも、むしろ、前記実装面と平行な方向に強い光を発する配光特性を有するように構成されている
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置ならびにこれを備えた表示装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置等の表示装置は、表示パネルや電子部品の技術の進歩により、表示装置の薄型化が進展している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、最近では、照明光の面内均一性を損なわずに更に薄型化することが要望されている。照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることの可能な発光装置ならびにこれを備えた表示装置および照明装置を提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施形態の発光装置は、実装面を有する配線基板と、実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、各発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板とを備えている。この発光装置は、さらに、実装面および下面のうち少なくとも一方に固定され、各発光素子からの出射光を下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体を備えている。各発光素子は、当該発光素子の側面および上面を覆うように、樹脂で構成されたレンズを有し、当該発光素子で生じた光を当該発光素子の側面から出射する。
【0006】
本開示の一実施形態の表示装置は、照明光を出射する発光装置と、発光装置と重なり合うように配置され、照明光を利用して画像を表示する表示パネルとを備えている。この表示装置に設けられた発光装置は、上記の発光装置と同一の構成要素を有している。
【0007】
本開示の一実施形態の照明装置は、照明光を出射する発光装置を備えている。この照明装置に設けられた発光装置は、上記の発光装置と同一の構成要素を有している。
【0008】
本開示の一実施形態の発光装置、表示装置および照明装置では、側面出射型の複数の発光素子が実装面に設けられており、各発光素子からの出射光が反射構造体の反射部によって導光板の下面に向かって反射される。これにより、導光板から出射される照明光の面内均一性を確保するために必要とされる、各発光素子と導光板とのクリアランスを、上面出射型の発光素子を備えた発光装置と比べて、狭くすることができる。また、本開示の一実施形態の発光装置、表示装置および照明装置では、導光板の下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層が設けられている。これにより、各発光素子と導光板とのクリアランスが狭い場合であっても、導光板から出射される照明光の面内均一性を凹凸層によって確保することができる。また、本開示の一実施形態の発光装置、表示装置および照明装置では、反射構造体が実装面および導光板の下面のうち少なくとも導光板の下面に固定されている。これにより、反射構造体と導光板の凹凸層との位置関係を固定することができるので、例えば、凹凸層に対して、各発光素子との位置関係に応じた構造を付与することができる。その結果、導光板から出射される照明光の面内均一性を凹凸層によって確保することができる。
【0009】
本開示の一実施形態の発光装置、表示装置および照明装置によれば、側面出射型の複数の発光素子からの出射光を反射構造体によって導光板の下面に向かって反射するとともに、導光板の凹凸層によって照明光の面内均一性を確保するようにし、さらに、反射構造体と導光板の凹凸層との位置関係を固定するようにしたので、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係る発光装置の全体構成例を表す断面図である。
【
図2】
図1に示した発光装置の要部構成例を表す拡大断面図である。
【
図3】
図1に示した発光素子の構成例を表す断面図である。
【
図4】
図3に示した発光素子の配光特性の一例を表す図である。
【
図5】
図1に示した実装基板および反射構造体の構成例を表す平面図である。
【
図6】
図1に示した導光板の下面の凹凸層の構成例を表す断面図である。
【
図7】
図6に示した凹凸層の構成例を表す平面図である。
【
図8】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の全体構成例を表す断面図である。
【
図9】
図1、
図8に示した発光装置の要部構成例を表す拡大断面図である。
【
図10】
図1、
図8に示した実装基板および反射構造体の構成例を表す平面図である。
【
図11】
図1、
図8に示した発光装置の要部構成例を表す拡大断面図である。
【
図12】
図1、
図8に示した発光装置の要部構成例を表す拡大断面図である。
【
図13】
図1、
図8に示した実装基板および反射構造体の構成例を表す平面図である。
【
図15】本開示の表示装置を搭載したタブレット型端末装置(適用例1)の外観を表す斜視図である。
【
図16】本開示の表示装置を搭載した他のタブレット型端末装置(適用例1)の外観を表す斜視図である。
【
図17】本開示の発光装置を備えた第1の照明装置の外観を表す斜視図である。
【
図18】本開示の発光装置を備えた第2の照明装置の外観を表す斜視図である。
【
図19】本開示の発光装置を備えた第3の照明装置の外観を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(発光装置)
2.第2の実施の形態(表示装置)
3.発光装置の変形例
4.表示装置の適用例
5.照明装置の適用例
【0012】
<1.第1の実施の形態>
[発光装置1の構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態の発光装置1の全体構成例を表した断面図である。
図2は、発光装置1の全体構成例を表す断面図である。発光装置1は、例えば、透過型の光変調パネルを背後から照明するバックライトとして、あるいは室内等において照明装置として用いられるものである。発光装置1は、例えば、実装基板10、反射構造体20、導光板30、光学シート40およびシャーシ50を備えている。
【0013】
(実装基板10)
実装基板10は、実装面11Sを有する配線基板11と、実装面11Sに2次元配置された側面出射型の複数の発光素子12とを有している。実装基板10は、さらに、例えば、各発光素子12を駆動する駆動IC13(後述の
図4参照)を実装面11Sに有している。駆動IC13は、配線基板11とは異なる配線基板上に実装されていてもよい。配線基板11は、例えば、フィルム状の樹脂基板の上に配線層が設けられたものである。
【0014】
図3は、発光素子12の構成例を表す断面図である。各発光素子12は、例えば、実装面11S側の面に電極(後述のp側電極125およびn側電極126)が設けられたフリップチップ構造を有する発光ダイオードである。各発光素子12は、フェイスダウンタイプの発光素子であり、例えば、透光性基板121の下面側に半導体積層構造を有している。この半導体積層構造は、例えば、n型半導体層122、活性層123およびp型半導体層124が透光性基板121側からこの順に積層された構造となっている。この半導体積層構造では、n型半導体層122の一部が露出しており、n型半導体層122の露出面にn側電極126が設けられている。さらに、p型半導体層124の表面にp側電極125が設けられている。透光性基板121は、例えば、サファイア基板や、炭化珪素(SiC)などによって構成されている。n型半導体層122は、例えば、n型窒化物半導体(例えば、n型GaN)によって構成されている。活性層123は、例えば、量子井戸構造を有する窒化物半導体(例えば、n型GaN)によって構成されている。p型半導体層124は、例えば、p型窒化物半導体(例えば、p型GaN)によって構成されている。p側電極125およびn側電極126は、例えば、Alなどの金属材料によって構成されている。
【0015】
各発光素子12は、さらに、例えば、実装面11Sとは反対側の面(透光性基板121の表面)に反射層127を有している。反射層127は、例えば、銀蒸着膜、アルミニウム蒸着膜、または多層反射膜などにより構成されている。各発光素子12では、活性層123から発せられた光が、反射層127やp側電極125、n側電極126で反射され、側面12Aから外部に出射される。各発光素子12は、例えば、
図4に示したような配光特性を有しており、実装面11Sに垂直な方向よりも、むしろ、実装面11Sと平行な方向に強い光を発するようになっている。なお、各発光素子12において、活性層123から発せられた光の一部が、反射層127を介して外部に漏れ出ている。また、各発光素子12は、上で例示した材料系以外の材料系で構成されていてもよい。各発光素子12は、例えば、樹脂で覆われていない裸のチップで構成されている。各発光素子12の側面および上面を覆うように、樹脂で構成されたレンズが設けられていてもよい。
【0016】
(反射構造体20)
反射構造体20は、実装面11Sと導光板30(導光板30の下面30a)との間隙に配置されている。反射構造体20は、実装面11Sおよび導光板30(導光板30の下面30a)の双方に固定されている。反射構造体20は、例えば、各発光素子12からの出射光を導光板30(導光板30の下面30a)に向かって反射する反射部20Aを有している。反射構造体20は、さらに、例えば、反射部20Aの他に、導光板30(導光板30の下面30a)に固定された部分(平坦部20B)を有している。反射構造体20は、反射部20Aと、平坦部20Bとによって構成された、台形を単位とした構造体を有している。反射構造体20は中空構造となっており、その中空構造内に複数の発光素子12が配置されている。
【0017】
平坦部20Bは、接合層21を介して導光板30(導光板30の下面30a)に固定されている。反射部20Aのうち、実装基板10側の端部は、接合層21を介して実装基板10(実装面11S)に固定されている。接合層21,22は、例えば、接着剤、または、粘着剤によって構成されている。反射部20Aおよび平坦部20Bによって構成された構造体は、接合層21,22によって実装基板10(実装面11S)および導光板30(導光板30の下面30a)に固定されている。これにより、反射部20Aおよび平坦部20Bによって構成された構造体にかかる荷重は、全て、節点(反射構造体20のうち、接合層21,22に接する部分)に作用して、反射構造体20には、引張応力と圧縮応力のみが作用する。従って、反射構造体20は、たわみにくい構造となっている。
【0018】
図5は、実装基板10および反射構造体20の平面構成の一例を表したものである。反射構造体20は、反射部20Aに囲まれた複数の開口部20Hを有している。各発光素子12は、開口部20H内に1つずつ配置されている。開口部20H内には、実装面11Sが露出している。実装面11Sが、例えば、白色のレジスト層で覆われている場合には、実装面11Sは、高反射面として機能する。複数の開口部20Hが行列状に配置されている場合には、平坦部20Bの平面形状は、格子状となっている。反射構造体20は、例えば、モールドによって成型されたシート状の樹脂成型体である。
【0019】
(導光板30)
導光板30は、各発光素子12と対向する位置に配置されている。導光板30は、例えば、板状の導光層31と、導光板30の下面30aおよび上面30bに光の入出射を制御する凹凸層32,33を有している。導光層31は、例えば、透光性のガラス基板、または、透光性の樹脂基板によって構成されている。凹凸層32は、例えば、導光層31の下面に固定された、凹凸を有するフィルムによって構成されている。凹凸層33は、例えば、導光層31の上面に固定された、凹凸を有するフィルムによって構成されている。凹凸層32,33は、導光層31を構成する部材の表面に形成されたものであってもよい。
【0020】
凹凸層32は、実装基板10の法線方向において各発光素子12と非対向の位置に配置された屈折透過部32Aと、実装基板10の法線方向において各発光素子12と対向する位置に配置された拡散反射部32Bとを有している。
【0021】
屈折透過部32Aは、各発光素子12からの出射光を屈折透過させて、導光層31内を伝播させる機能を有している。屈折透過部32Aは、例えば、
図6、
図7に示したように、同心円状に配置された環状の複数の凸部32aによって構成されている。
図6は、屈折透過部32Aおよび拡散反射部32Bの構成例を表す断面図である。
図7は、屈折透過部32Aおよび拡散反射部32Bの構成例を表す平面図である。屈折透過部32Aは、
図6、
図7に示した構成に限定されるものではない。
【0022】
複数の凸部32aは、例えば、発光素子12からの距離に応じた立体形状となっている。複数の凸部32aのうち、発光素子12に最も近いものは、例えば、傾斜角の急峻な三角凸部となっており、発光素子12からの出射光の多くを反射する。複数の凸部32aのうち、発光素子12から最も遠いものは、例えば、傾斜角の緩やかな三角凸部となっており、発光素子12からの出射光の多くを屈折透過させて、導光層31内に伝播させる。複数の凸部32aのうち、発光素子12に最も近いものと発光素子12から最も遠いものとの間にあるものは、傾斜角が発光素子12に最も近いものの傾斜角と発光素子12から最も遠いものの傾斜角との間の角度を有する三角凸部となっており、発光素子12からの出射光の一部を反射させたり、屈折透過させて導光層31内に伝播させたりする。
【0023】
拡散反射部32Bは、各発光素子12のうち主として反射層127を介して外部に出射された光を拡散反射して、各発光素子12からの出射光が導光層31のうち各発光素子12の直上部分に集中して入射するのを防止する機能を有している。拡散反射部32Bは、例えば、ドット状の複数の凸部を含んで構成されている。拡散反射部32Bは、例えば、散乱剤もしくはフィラーがパターン状に印刷されたもので構成されていてもよいし、導光層31の下面を部分的に粗面にすることにより形成されたもので構成されていてもよい。
【0024】
凹凸層33は、導光層31内を伝播する光を外部に取り出す機能を有している。凹凸層33は、例えば、ドット状の複数の凸部を含んで構成されている。凹凸層33は、例えば、ナノインプリント法を用いて、導光層31の上面に微細な凹凸を印刷することにより形成される。
【0025】
(光学シート40)
光学シート40は、導光板30の上面30bと対向して設けられている。光学シート40は、例えば、拡散板、拡散シート、レンズフィルム、または偏光分離シートなどにより構成されている。このような光学シート40を設けることにより、導光板30から斜め方向に出射した光を正面方向に立ち上げることが可能となり、正面輝度を高めることが可能である。
【0026】
(シャーシ50)
シャーシ50は、例えば、実装基板10の裏面に固定されたバックシャーシ51と、実装基板10、反射構造体20、導光板30および光学シート40の周囲を囲むトップシャーシ52とにより構成されている。バックシャーシ51は、実装面11Sの平坦性を維持するための後部筐体であり、例えば、FeやAlなどの金属板、ガラス板、または、積層板などにより構成されている。トップシャーシ52は、実装基板10、反射構造体20、導光板30および光学シート40を外部から保護するための枠状部材であり、例えば、バックシャーシ51と共通の材料で構成されている。
【0027】
[効果]
次に、本実施の形態の発光装置1の効果について説明する。本実施の形態では、側面出射型の複数の発光素子12が実装面11Sに設けられており、各発光素子12からの出射光が反射構造体20の反射部20Aによって導光板30の下面に向かって反射される。これにより、導光板30から出射される照明光の面内均一性を確保するために必要とされる、各発光素子12と導光板30とのクリアランスを、上面出射型の発光素子を備えた発光装置と比べて、狭くすることができる。また、本実施の形態では、導光板30の下面30aおよび上面30aに光の入出射を制御する凹凸層32,33が設けられている。これにより、各発光素子12と導光板30とのクリアランスが狭い場合であっても、導光板30から出射される照明光の面内均一性を凹凸層32,33によって確保することができる。また、本実施の形態では、反射構造体20が導光板30(導光板30の下面30a)に固定されている。これにより、反射構造体20と導光板30の凹凸層32,33との位置関係を固定することができるので、例えば、凹凸層32に対して、反射部20Aとの位置関係に応じた構造を付与することができる。また、本実施の形態では、反射構造体20が実装面11Sにも固定されている。これにより、各発光素子12、反射構造体20および導光板30の凹凸層32,33のそれぞれの位置関係を固定することができるので、例えば、凹凸層32に対して、各発光素子12との位置関係に応じた構造を付与することができる。その結果、導光板30から出射される照明光の面内均一性を凹凸層32,33によって確保することができる。従って、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0028】
また、本実施の形態では、反射構造体20が、反射部20Aと平坦部20Bとによって構成された、台形を単位とした構造体を有している。これにより、反射構造体20は、たわみにくい構造となっているので、各発光素子12と導光板30とのクリアランスを、反射構造体20によって維持することができる。従って、各発光素子12と導光板30とのクリアランスが発光装置1のたわみによって変動し難くなるので、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、反射構造体20が、反射部20Aに囲まれた複数の開口部20Hを有しており、各発光素子12が、開口部20H内に1つずつ配置されている。これにより、各発光素子12と導光板30とのクリアランスが単なるデッドスペースとならず、反射構造体20における補強の一部を担っている。その結果、発光装置1を補強する構造のためのスペースを最小限にとどめることができるので、更なる薄型化を図ることができる。
【0030】
また、本実施の形態では、各発光素子12が、実装面11S側の面に電極(p側電極125、n側電極126)が設けられたフリップチップ構造を有する発光ダイオードである。これにより、各発光素子12がワイヤボンディングで電気的な接続が形成されていたり、各発光素子12にレンズが設けられていたりする場合と比べて、各発光素子12と導光板30とのクリアランスを狭くすることができる。従って、更なる薄型化を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、導光板の前記下面に設けられた凹凸層32は、各発光素子12と非対向の位置に屈折透過部32Aを有するとともに、各発光素子12と対向する位置に拡散反射部32Bを有している。これにより、例えば、各発光素子12からの出射光が導光層31のうち各発光素子12の直上部分に集中して入射するのを防止したり、各発光素子12からの出射光を導光層31内に効率良く取り込んだりすることができる。さらに、例えば、導光層31内を伝播する光を、面内均一性の優れた照明光として外部に取り出すことができる。従って、照明光の面内均一性を向上させることができる。
【0032】
<2.第2の実施の形態>
図8は、本開示の第2の実施の形態の表示装置2の全体構成例を表す断面図である。表示装置2は、発光装置1を備え、例えば薄型テレビジョン装置として用いられるものである。表示装置2は、照明光を出射する発光装置1と、発光装置1と重なり合うように配置され、照明光を利用して画像を表示する表示パネル60とを備えている。表示パネル60は、トップシャーシ52に設けられた台座部に、接合層61を介して固定されている。本実施の形態では、バックライトとして、発光装置1が用いられている。これにより、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0033】
<3.発光装置の変形例>
以下では、発光装置1の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記実施の形態で付されていた符号と同一の符号が付される。また、上記実施の形態と異なる構成要素の説明を主に行い、上記実施の形態と共通の構成要素の説明については、適宜、省略するものとする。
【0034】
[変形例A]
上記実施の形態の発光装置1では、反射構造体20が導光板30(導光板30の下面30a)および実装面11Sの双方に固定されていた。しかし、例えば、
図9に示したように、反射構造体20が導光板30(導光板30の下面30a)だけに固定されていてもよい。このとき、反射構造体20は、例えば、接合層21を介して導光板30(導光板30の下面30a)に固定されている。このようにした場合であっても、反射構造体20によって、発光装置1を補強することができるので、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0035】
[変形例B]
上記実施の形態の発光装置1において、配線基板11が、例えば、
図10に示したように、実装面11Sのうち、各発光素子12の周縁に相対的に反射率の低い低反射面11A(第1反射面)を有するとともに、実装面11Sのうち、各低反射面11Aの周縁に相対的に反射率の高い高反射面11B(第2反射面)を有していてもよい。低反射面11Aは、例えば、配線基板11のうち、各発光素子12の電極(p側電極125、n側電極126)と電気的に接続される電極パッドが形成されている配線層と同一の配線層内の金属の表面によって構成されている。高反射面11Bは、例えば、実装基板10の表面を覆う白いレジスト層の表面によって構成されている。これにより、各発光素子12からの出射光が実装基板10の表面を覆う白いレジスト層で反射されて、導光板30の下面30aのうち各発光素子12の直上に集中するのを避けることができる。ここで、低反射面11Aおよび高反射面11Bは、新たに別途設けた構造物ではないので、低反射面11Aおよび高反射面11Bを設けたことにより発光装置1が厚くなる虞はない。従って、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0036】
[変形例C]
上記実施の形態の発光装置1において、凹凸層32が実装基板10を兼ねていてもよい。例えば、
図11に示したように、凹凸層32において、拡散反射部32Bが省略されるとともに、拡散反射部32Bが設けられていた箇所に発光素子12が1つずつ設けられている。このようにした場合には、上記実施の形態と比べて、各発光素子12と導光板30とのクリアランスが若干広がってしまうが、従来と比べて、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0037】
[変形例D]
上記実施の形態の発光装置1において、反射構造体20は、例えば、
図12に示したように、反射部20Aと、平坦部20Bとによって、三角形を単位とした構造体が構成されていてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態と同様、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0038】
[変形例E]
上記実施の形態の発光装置1において、例えば、
図13に示したように、各発光素子12が、開口部20H内に複数個(例えば2つ)ずつ配置されていてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態と同様、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0039】
[変形例F]
上記実施の形態の発光装置1において、例えば、
図14に示したように、反射構造体20がハニカム構造となっていてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態と同様、照明光の面内均一性を損なわずに更なる薄型化を図ることができる。
【0040】
<4.表示装置の適用例>
以下、表示装置2の電子機器への適用例について説明する。電子機器としては、例えばテレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等が挙げられる。換言すれば、表示装置2は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0041】
図15は、表示装置2が適用されるタブレット型端末装置の外観を表したものである。
図16は、表示装置2が適用される他のタブレット型端末装置の外観を表したものである。これらのタブレット型端末装置は、いずれも、例えば表示部210および非表示部220を有しており、この表示部210が表示装置2により構成されている。
【0042】
<5.照明装置の適用例>
図17、
図18は、発光装置1が適用される卓上用もしくは床置き用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、基台841に設けられた支柱842に、照明部843を取り付けたものである。照明部843は、発光装置1により構成されている。照明部843は、導光板30を湾曲形状とすることにより、
図17に示した筒状、または
図18に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0043】
図19は、発光装置1が適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、発光装置1により構成された照明部844を有している。照明部844は、建造物の天井850Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部844は、用途に応じて、天井850Aに限らず、壁850Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0044】
これらの照明装置では、発光装置1からの光により、照明が行われる。これにより、照明光の面内均一性に優れた薄型の照明装置を実現することができる。
【0045】
以上、実施の形態およびその変形例、ならびに適用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0046】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも前記下面に固定され、各前記発光素子からの出射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を備えた
発光装置。
(2)
前記反射構造体は、前記反射部と、前記下面に固定された部分とによって構成された、三角形もしくは台形を単位とした構造体を有する
(1)に記載の発光装置。
(3)
前記実装面を有する配線基板をさらに備え、
前記反射構造体は、前記実装面と前記下面との間隙に配置されるとともに、前記実装面および前記下面の双方に固定されている
(1)または(2)に記載の発光装置。
(4)
前記反射構造体は、前記反射部に囲まれた複数の開口部を有し、
各前記発光素子は、前記開口部内に1つずつまたは複数個ずつ配置されている
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の発光装置。
(5)
各前記発光素子は、前記実装面側の面に電極が設けられたフリップチップ構造を有する発光ダイオードである
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の発光装置。
(6)
前記導光板の前記下面に設けられた前記凹凸層は、各前記発光素子と非対向の位置に屈折透過部を有するとともに、各前記発光素子と対向する位置に拡散反射部を有する
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の発光装置。
(7)
前記配線基板は、前記実装面のうち、各前記発光素子の周縁に相対的に反射率の低い第1反射面を有するとともに、各前記第1反射面の周縁に相対的に反射率の高い第2反射面を有する
(3)に記載の発光装置。
(8)
照明光を出射する発光装置と、
前記発光装置と重なり合うように配置され、前記照明光を利用して画像を表示する表示パネルと
を備え、
前記発光装置は、
実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも前記下面に固定され、各前記発光素子からの出射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を有する
表示装置。
(9)
照明光を出射する発光装置を備え、
前記発光装置は、
実装面に2次元配置された側面出射型の複数の発光素子と、
各前記発光素子と対向する位置に配置され、下面および上面に光の入出射を制御する凹凸層を有する導光板と、
前記実装面および前記下面のうち少なくとも前記下面に固定され、各前記発光素子からの出射光を前記下面に向かって反射する反射部を有する反射構造体と
を有する
照明装置。
【0047】
本出願は、日本国特許庁において2016年3月31日に出願された日本特許出願番号第2016-070498号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0048】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。