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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】遮水装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20221207BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E04H9/14 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021500160
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 KR2020004592
(87)【国際公開番号】W WO2020204666
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039064
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039063
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518033439
【氏名又は名称】コリア インスティテュート オブ シビル エンジニアリング アンド ビルディング テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF CIVIL ENGINEERING AND BUILDING TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】(Daehwa-dong)283, Goyang-daero,Ilsanseo-gu Goyang-si Gyeonggi-do 10223,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】イ・ドンソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヒョンジュン
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-147752(JP,A)
【文献】特開2016-89569(JP,A)
【文献】特開2006-207177(JP,A)
【文献】特開2012-82590(JP,A)
【文献】特開2014-190129(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0071475(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1662784(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E04H 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路の底と同一方向に設置される遮水板;
前記底の両側壁に曲線の領域を具備するように設置されるレール;および
前記遮水板を昇降させる駆動部;
を含み、
前記遮水板は相互に離隔配置される複数の支持フレームを含み、
前記支持フレームは軸方向から突出する結合部を含み、前記結合部はチェーンに連結され、
複数の前記支持フレームの一面には防水部材が連結され、
前記駆動部の動作時に前記遮水板が前記レールに沿って曲がりながら昇降することを特徴とする、遮水装置。
【請求項2】
前記駆動部は底または側壁に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の遮水装置。
【請求項3】
水位を感知する水位計;
前記水位計を通じて感知される水位情報を受けて前記駆動部の動作を制御して前記遮水板の高さを制御する制御部;をさらに含む、請求項1に記載の遮水装置。
【請求項4】
前記複数の支持フレームは弾性材質の連結部を通じて互いに連結されることを特徴とする、請求項1に記載の遮水装置。
【請求項5】
前記複数の支持フレームはそれぞれ一対の挿入ホールを含み
前記連結部は連結胴体および前記連結胴体の端部にそれぞれ配置される挿入部を含み前記挿入部は隣接する支持フレーム間に対向する挿入ホールに挿入されることを特徴とする、請求項4に記載の遮水装置。
【請求項6】
前記連結部の前記挿入部の間には少なくとも一つの突出部が備えられることを特徴とする、請求項5に記載の遮水装置。
【請求項7】
底と同じ方向に配置される遮水板;
前記遮水板の移動をガイドするように曲線の領域を具備するガイド部;および
前記ガイド部に沿って遮水板を移動させる駆動部;
を含み、
前記遮水板は
複数のプレートが回転可能に連結される胴体部と
前記胴体部の外側面を取り囲むように配置される弾性部材を含み、
前記ガイド部は一対の向かい合う溝構造で設けられ、
前記ガイド部の端部には前記ガイド部の長さ方向に一側が連結される自由端構造のシーリング部材が備えられ、
前記シーリング部材は浸水が発生する場合、水圧を通じて水密構造を形成することを特徴とする、遮水装置。
【請求項8】
前記胴体部は
少なくとも二つ以上の溝部と少なくとも二つ以上の突起部を具備する前記プレートの連結で構成され、
前記溝部には隣り合う前記プレートの前記突起部が配置され、
前記溝部が形成されるプレートと前記突起部を貫通する回転軸を含む、請求項に記載の遮水装置。
【請求項9】
前記駆動部は
駆動モータおよび前記駆動モータと連結されて遮水板を昇降させる連結部を含む、請求項に記載の遮水装置。
【請求項10】
前記遮水板は底に形成される挿入溝に挿入配置されて、前記駆動部の駆動を通じて昇降することを特徴とする、請求項に記載の遮水装置。
【請求項11】
前記挿入溝の端部には回動可能な開閉部が備えられることを特徴とする、請求項10に記載の遮水装置。
【請求項12】
前記胴体部と前記弾性部材は結合部を通じて結合することを特徴とする、請求項に記載の遮水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は遮水装置に関する。より詳細には、平常時は底に埋め立てられた状態で廊下の壁に沿って昇降可能な構造の遮水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に出入口用防水装置または遮水装置は、建物の出入口に設置されて建物の内部に水が入ってくることを防止できるようにしたものであって、集中豪雨時、排水が円滑でないため浸水しやすい常習浸水地域にある建物の出入口に主に設置される。
【0003】
代表的な常習浸水地域である低地帯の場合、密集住宅街または地下住宅および地下商店街、工場などのような所で、毎年梅雨の時期には集中豪雨による浸水被害が心配されて不安な生活を繰り返しているのが実情である。
【0004】
また、支線道路(access road)は地域住民の日常生活に密着している道路であって、都市内においては区画道路と呼んだりもする。このような支線道路は大抵道路の幅が狭く、地域住民の日常生活と密着しているため、集中豪雨が発生する夏場の洪水期である7、8月頃に主幹線道路から流入した雨水によって習慣的に浸水被害が発生して、多くの財産被害や人的被害を引き起こしている。
【0005】
特に、韓国の気候特性上、夏場の洪水期に集中的な豪雨が発生して多くの浸水被害を与えており、最近では大規模の宅地造成、道路建設などのように、緻密な都市計画なしに開発された市街地化の増大などによって水の集中現象が大きく変化して予想されなかった被害が発生する恐れがあるため、これに対する対策として、低地帯の住宅街密集地域や支線道路と隣接している地域の住民たちは浸水被害を早期に防止するための方策の一環として建物の出入口に遮水装置を設置している。
【0006】
しかし、過去の遮水装置は固定支柱が建物の出入口の両側壁に半永久的に固定設置されるため、浸水被害が予想される期間以外の期間にも前記固定支柱を除去できずにそのまま放置せざるを得なかった。このように平常時にも建物の出入口に放置された固定支柱は見るからにも陰険であるだけでなく、設置された建物が浸水被害が予想されるという点を露骨的に表わすものであるため、建物の価格の下落要因として作用する問題点があった。
【0007】
最近では、このように固定支柱による問題点を改善するために、出入口の両側壁に常時固定されるようにした醜い固定支柱を設置せずとも圧着方式によって手軽で安定的に設置できるようにした改善された形態の遮水装置が韓国登録特許第1173304号(2012.08.06)に開示されている。
【0008】
前記韓国登録特許第1173304号を通じて開示された遮水装置は、建物の出入口を横切って立てられるようにした本体パネルと、本体パネルの左側と右側で左右の幅を拡張できるようにそれぞれ左右方向に変位可能に設置される一対の拡張パネルと、本体パネルの前面に設置され、拡張パネルを押して建物の出入口の両側壁に圧着させるプッシュ部材を含んで構成されたものであって、出入口の両側壁に常時固定されるようにした醜い固定支柱を設置せずとも圧着方式によって手軽で安定的に設置され、てこ作用によって出入口の両側壁に対して拡張パネルを強力な力で圧着することが可能であるため、高い水密性を確保することはもちろん、前面から作用する水の圧力を安定的に耐え得るという点で過去の遮水装置に比べて多様な長所を有していた。
【0009】
しかし、このような従来技術による遮水装置の場合、遮水が必要な状況になると作業者がいちいち設置しなければならない仮設物に過ぎないため運用による煩雑さが大きいという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実施例は雨水の流入量や浸水状態に応じて自動で設置が可能な遮水装置を提供する。
【0011】
また、浸水する水の高さに応じて昇降可能な遮水装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に限定されず、ここで言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施例は、通路の底に設置される遮水板;前記底の両側壁に設置されるレール;および前記遮水板を昇降させる駆動部;を含み、前記駆動部の動作時に前記遮水板が前記レールに沿って昇降することを特徴とする遮水装置を提供する。
【0014】
好ましくは、前記駆動部は底または側壁に設置されることを特徴とすることができる。
【0015】
好ましくは、水位を感知する水位計;前記水位計を通じて感知される水位情報を受けて前記駆動部の動作を制御して前記遮水板の高さを制御する制御部;をさらに含むことができる。
【0016】
好ましくは、前記遮水板は複数の支持フレームが連結される構造で設けられることを特徴とすることができる。
【0017】
好ましくは、前記支持フレームは軸方向から突出する結合部を含み、前記結合部はチェーンを通じて連結されることを特徴とすることができる。
【0018】
好ましくは、前記支持フレームは弾性材質の連結部を通じて連結されることを特徴とすることができる。
【0019】
好ましくは、前記支持フレームは一対の挿入ホールが向かい合うように形成され、前記連結部は連結胴体および前記挿入ホールに挿入される挿入部が前記連結胴体の端部にそれぞれ配置されて互いに異なるフレームに挿入されることを特徴とすることができる。
【0020】
好ましくは、前記連結部の前記挿入部の間には少なくとも一つの突出部が備えられることを特徴とすることができる。
【0021】
好ましくは、前記突出部と向かい合うように配置される前記支持フレームは傾斜または曲面を有することを特徴とすることができる。
【0022】
好ましくは、前記支持フレームの一面には防水部材が連結されることを特徴とすることができる。
【0023】
本発明のさらに他の実施例は、底に配置される遮水板;前記遮水板の移動をガイドするガイド部;および前記ガイド部に沿って遮水板を移動させる駆動部;を含み、前記遮水板は複数のプレートが回転可能に連結される胴体部と前記胴体部の外側面を取り囲むように配置される弾性部材を含むことを特徴とする遮水装置を提供する。
【0024】
好ましくは、前記胴体部は少なくとも二つ以上の溝部と少なくとも二つ以上の突起部を具備する前記プレートの連結で構成され、前記溝部には隣り合う前記プレートの前記突起部が配置され、前記溝部が形成されるプレートと前記突起部を貫通する回転軸を含むことができる。
【0025】
好ましくは、前記駆動部は駆動モータおよび前記駆動モータと連結されて遮水板を昇降させる連結部を含むことができる。
【0026】
好ましくは、前記ガイド部は一対の向かい合う溝構造で設けられ、前記ガイド部の端部にはシーリング部材が備えられることを特徴とすることができる。
【0027】
好ましくは、前記弾性部材は自由端構造を具備することを特徴とすることができる。
【0028】
好ましくは、前記遮水板は底に形成される挿入溝に挿入配置されて前記駆動部の駆動を通じて昇降することを特徴とすることができる。
【0029】
好ましくは、前記挿入溝の端部には回動可能な開閉部が備えられることを特徴とすることができる。
【0030】
好ましくは、前記開閉部の端部は傾斜または曲面の構造を有することを特徴とすることができる。
【0031】
好ましくは、前記胴体部と前記結合部材は結合部を通じて結合することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0032】
実施例によると、人が直接遮水板を設置せずとも浸水を遮断できる効果がある。
【0033】
また、浸水状態に応じて昇降可能なように設けられて現場の状況に適切に対応できる効果がある。
【0034】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施例に係る遮水装置の構造を示す斜視図である。
図2図1の細部構造を示す図面である。
図3】本発明のさらに他の実施例に係る遮水装置の構造を示す図面である。
図4図3の駆動を示す図面である。
図5】遮水板の結合構造を示す図面である。
図6】支持フレームの構造を示す図面である。
図7図5の遮水板の細部構造を示す図面である。
図8】遮水板の動作を示す図面である。
図9】本発明のさらに他の実施例に係る遮水装置の側面図である。
図10図9の動作状態を示す図面である。
図11図9の構成要素である胴体部の構造を示す図面である。
図12図9の構成要素である遮水板の構造を示す図面である。
図13図9を正面から見た図面である。
図14図9の遮水装置が底に設置された状態を示す図面である。
図15図9の遮水装置が底に配置時の開閉部と配置構造を示す図面である。
図16図15の開閉部の動作構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0037】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使うことができる。
【0038】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的な用語を含む)は、明白に特に定義して記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるであろう。
【0039】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。
【0040】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせ得るすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0041】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0042】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0043】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0044】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0045】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0046】
図1図16は、本発明を概念的に明確に理解するために、主な特徴部分だけを明確に図示したものであって、その結果、図解の多様な変形が予想され、図面に図示された特定の形状によって本発明の範囲が制限される必要はない。
【0047】
図1は本発明の一実施例に係る遮水装置の構造を示す斜視図であり、図2図1の細部構造を示す図面である。
【0048】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施例に係る遮水装置1は建物または構造物の内部に浸透する水を防ぐための装置であって、通路の底10に設置される遮水板1100、底10の両側壁に設置されるレールおよび遮水板1100を昇降させる駆動部1300を含むことができる。
【0049】
遮水板1100は板構造で設けられて構造物の通路の底10に設置され得る。従来の遮水板1100は屋根から下る構造で設けられたり、浸水が発生する場合に別途に設置する構造が使われた。本発明はこのような不便を解消し、美観上の問題を解決するために、遮水板1100を底10の一領域に設置した。
【0050】
一実施例として、遮水板1100は底10を覆う構造で設けられ得、レールに沿って移動時に軟性を有する材質で設けられ得る。
【0051】
ガイドレール1200は遮水板1100が設置される底10面の両側壁20に設置され得、遮水板1100が昇降するガイド役割を遂行することができる。
【0052】
ガイドレール1200は、遮水板1100が設置される底10面と接するように形成されて駆動部1300の駆動時に遮水板1100がガイドレール1200に沿って移動することができる。一実施例として、ガイドレール1200は溝構造で形成され得、遮水板1100が挿入される構造で設けられ得る。
【0053】
また、ガイドレール1200は曲線で形成され得る。これは遮水壁が昇降する場合、曲面に沿って上昇するようにして遮水板1100が破損することを防止することができる。
【0054】
駆動部1300は遮水板1100と連結されて遮水板1100を昇降させることができる。
【0055】
駆動部1300は遮水板1100の一側と連結されて遮水板1100を昇降することができ、二つのタイプで配置され得る。
【0056】
第一に、駆動部1300は遮水板1100の下部に配置されて遮水板1100を上部に押す構造で設けられ得る。この場合、駆動部1300は美観を考慮して底10面に挿入される構造で設けられ得る。
【0057】
第2に、駆動部1300は遮水板1100の上部で遮水板1100を引き上げる構造で設けられ得る。この場合、駆動部1300は側壁20に挿入される構造で配置され、遮水板1100の側面と連結されて遮水板1100を昇降することができる。この時、遮水板1100の安定した昇降のために駆動部1300は一対で設けられて両側壁20にそれぞれ配置され得る。
【0058】
図3は本発明のさらに他の実施例に係る遮水装置1の構造を示す図面であり、図4図3の駆動を示す図面である。
【0059】
図3および図4を参照すると、本発明の実施例に係る遮水装置1は水位計1400と制御部1500を含むことができる。
【0060】
水位計1400は遮水装置1付近に設置されて構造物内に流入する水の高さを測定することができ、測定された高さを制御部1500に伝送することができる。
【0061】
この場合、制御部1500は水位計1400を通じて感知される水位情報を受けて駆動部1300の動作を制御して遮水板1100の高さを制御することができる。
【0062】
従来の遮水板1100は側壁20を防ぐ構造で設けられた。しかし、このような構造では人が移動することが不可能であるという問題点があった。本願発明では水位に応じて遮水板1100の高さが自動で制御されるようにして、浸水初期には人が遮水板1100を越えて移動できるようにした。
【0063】
また、遮水板1100は複数の支持フレーム1110が連結される構造で設けられ得る。
【0064】
遮水装置1が設置される廊下が狭い場合には単一プレート構造で水圧を支持することができるが、廊下の幅が広い場合には単一プレート構造で水圧を支持することが不可能である。
【0065】
本願発明の遮水板1100は複数の支持フレーム1110が連結される構造で設けられ得る。これを通じて支持フレーム1110が水圧を耐える役割を遂行するとともに、遮水板1100としての役割を遂行することができる。
【0066】
支持フレーム1110の細部連結構造は下記において再び説明することにする。
【0067】
図5は遮水板1100の結合構造を示す図面であり、図6は支持フレーム1110の構造を示す図面であり、図7図5の遮水板1100の細部構造を示す図面である。
【0068】
図5図7を参照すると、遮水板1100は複数の支持フレーム1110が連結される構造で設けられ得る。
【0069】
支持フレーム1110は軸方向から突出する結合部1111を含み、結合部1111はチェーンを通じて連結され得る。
【0070】
支持フレーム1110は柱状で設けられ得、両側端部がガイドレール1200に挿入され得る。一実施例として、本体は水圧を耐えるために金属材質で設けられることが好ましく、ガイドレール1200に沿って移動できるように、円形の断面を有するか隣り合う支持フレーム1110と離隔距離を有するように配置され得る。
【0071】
結合部1111は本体の端部から軸方向に突出する構造を具備することができ、チェーンに結合され得る。結合部1111の固定方法には制限がなく、ねじ結合などのような多様な方法で結合することができる。
【0072】
チェーンは結合部1111が挿入結合され、一側に駆動部1300が連結されて遮水板1100を昇降させることができる。
【0073】
支持フレーム1110は弾性材質の連結部1120を通じて連結され得る。
【0074】
一実施例として、支持フレーム1110には一対の挿入ホール1113が向かい合うように設けられ得、連結部1120は挿入ホール1113に挿入される挿入部1123が一対で設けられ得る。
【0075】
挿入部1123は連結胴体1121を通じて連結され、連結胴体1121の両側端部にそれぞれ配置されて互いに異なるフレーム1110に挿入され得る。
【0076】
また、挿入部1123は連結胴体1121の厚さより大きく設けられて支持フレーム1110から離脱を防止することができる。挿入部1123は軸方向に結合し、支持フレーム1110の中心部を基準として向かい合うように配置され得る。
【0077】
支持フレーム1110は連結部1120と交互に結合されて遮水板1100を形成することができる。
【0078】
連結部1120の挿入部1123の間には少なくとも一つの突出部1125が備えられ得る。突出部1125は支持フレーム1110と支持フレーム1110の間で支持フレーム1110同士の直接的な接触を防止し、支持フレーム1110が曲がる場合、一側は引張力が作用し他側は圧縮力が作用し得る。
【0079】
突出部1125と向かい合うように挿入配置される支持フレーム1110は傾斜または曲面を具備することができる。支持フレーム1110は傾斜または曲面の構造を具備して、遮水板1100がガイドレール1200に沿って昇降する場合に曲がるための空間を提供することができる。
【0080】
支持フレーム1110の一面には防水部材1150が連結され得る。防水部材1150の結合方法は制限がなく、ボンディングまたはねじ結合等の多様な結合方法が使われ得る。防水部材1150は遮水板1100の一面に連結されて水が漏れることを防止することができ、支持フレーム1110が底10に配置される場合、歩行者が不便を感じることを防止することができる。
【0081】
また、平常時に支持フレーム1110が底10に配置される場合、異物が流入して実際の作動を妨害することを防止することができる。
【0082】
図8は、遮水板1100の動作を示す図面である。
【0083】
図8を参照すると、遮水板1100がガイドレール1200に沿って昇降する場合、ガイドレール1200の曲率に沿って曲がることになる。この時、連結部1120の一側は引張力が作用し、他側は圧縮力が作用しながら支持フレーム1110の密着力を増大させて水密性を増大させ得る。
【0084】
また、遮水板1100が上昇後に停止する場合、支持フレーム1110の自重によって下側に作用する圧力が増大して自然的に水密性が増大し得る。
【0085】
図9は本発明のさらに他の実施例に係る遮水装置の側面図であり、図10図9の動作状態を示す図面である。
【0086】
図9および図10を参照すると、本発明のさらに他の実施例に係る弾性部材2130を利用した遮水装置は遮水板2100、ガイド部2200および駆動部2300を含むことができる。
【0087】
遮水板2100は底に配置され、駆動部2300の動作によって上下に移動することができる。この時、遮水板2100は水位を感知して動作するように水位センサと連動することができ、水位に応じて高さが制御され得る。
【0088】
遮水板2100は底に形成される挿入溝2160に挿入配置され得、平常時には外部に露出しない状態で存在していて、挿入溝2160から移動して上部に突出するように配置され得る。
【0089】
遮水板2100は複数のプレート2111が回転可能に連結される胴体部2110と胴体部2110の外側面を取り囲むように配置される弾性部材2130を含むことができる。
【0090】
胴体部2110は遮水板2100の基本骨格を形成し、金属材質で設けられて水圧を支持することができる。胴体部2110は複数のプレート2111が結合される構造で設けられ得、一定の厚さを有して水圧に抵抗することができる。胴体部2110は水圧に抵抗するための構造を具備することができ、支持力を増大したり曲がることに抵抗するために補強部材(図示されず)が追加で配置され得る。
【0091】
また、胴体部2110はガイド部2200に沿って回転するために回動可能な連結構造を具備することができる。
【0092】
弾性部材2130は胴体部2110の外側面を取り囲むように設けられ得る。弾性部材2130はプレート2111の連結構造で発生する空間を密閉して、浸水が発生する場合に水が漏れることを防止して水密性を向上し得る。
【0093】
また、弾性部材2130は胴体部2110に加えられる衝撃を吸収して胴体部2110の破損を防止することができ、浸水時に発生する予期しない漏水を防止することができる。
【0094】
ガイド部2200は遮水板2100の移動をガイドすることができる。ガイド部2200は遮水板2100の両側に配置されて遮水板2100を安定的にガイドすることができる。
【0095】
一実施例として、ガイド部2200は建物の壁のように遮水板2100を支持できる構造物に溝構造で設けられ得、遮水板2100の一領域が挿入された状態でガイド部2200に沿って昇降するように誘導することができる。
【0096】
底に設置される遮水板2100の自然な昇降のためにガイド部2200は曲線の領域を具備することができる。この時、ガイド部2200に沿って上昇された遮水板2100は傾斜を有するように配置され得る。
【0097】
駆動部2300はガイド部2200に沿って遮水板2100を移動させることができる。駆動部2300は駆動モータ2310および駆動モータ2310と連結されて遮水板2100を昇降させる連結部2330を含むことができる。
【0098】
駆動モータ2310は遮水板2100と連結されて浸水や洪水発生時に遮水板2100を上昇させ、遮水が不要な場合、遮水板2100を下降させることができる。駆動モータ2310は電流の方向によって正逆方向に回転して遮水板2100の移動を調節することができる。
【0099】
連結部2330は駆動モータ2310と連結されて遮水板2100を昇降させることができる。
【0100】
本発明で連結部2330は、一側は遮水板2100の一側に、他側は遮水板2100の他側に連結されて閉ループ構造を具備することができ、ガイド部2200が配置される側壁に沿って配置され得る。一実施例として、連結部2330はチェーン構造を具備することができる。チェーン構造の連結部2330は複数のローラ2320を通じて移動がガイドされ得、ローラ2320はチェーンの移動軌跡に沿って位置が調節され得る。
【0101】
図11図9の構成要素である胴体部2110の構造を示す図面であり、図12図9の構成要素である遮水板2100の構造を示す図面である。
【0102】
図11および図12を参照すると、胴体部2110は複数のプレート2111が回動可能なように連結される構造を具備することができる。
【0103】
プレート2111は少なくとも二つ以上の溝部2113と少なくとも二つ以上の突起部2112を具備することができる。この時、溝部2113には隣り合うプレート2111に配置される突起部2112が配置され、溝部2113が形成されるプレート2111と突起部2112を貫通する回転軸2114を含むことができる。
【0104】
この時、溝部2113と突起部2112を通じて連結されるプレート2111は若干の離隔距離を具備することができる。これは胴体部2110が回転軸2114を中心に回転時に隣り合うプレート2111の接触を防止することができる。このような離隔空間を通じて発生し得る漏水問題は弾性部材2130が解決することができる。一実施例として、プレート2111の端部の角は曲面構造を具備して隣り合うプレート2111同士の衝突を防止することができる。
【0105】
図11に示されたように、溝部2113の個数と突起部2112の個数は制限がなく、必要に応じて変形実施され得る。
【0106】
また、遮水板2100は胴体部2110の外側を取り囲む弾性部材2130を具備することができる。弾性部材2130は複数のプレート2111が連結される方向を取り囲むように配置され得る。
【0107】
遮水板2100が昇降する場合、胴体部2110の下部に配置される弾性部材2130は引張され、上部に配置される弾性部材2130は圧縮される。このような伸長と収縮を繰り返す場合、弾性部材2130と胴体部2110の接触面が分離される問題が発生し得る。このような問題を防止するために弾性部材2130と胴体部2110は結合部2150を通じて結合され得る。
【0108】
結合部2150は弾性部材2130と胴体部2110を結合する構成であって、構成部品の結合のための多様な公知の構成が利用され得る。
【0109】
図13は、図9を正面から見た図面である。
【0110】
図13を参照すると、ガイド部2200は遮水板2100の両側端部が挿入されて移動するように一対の向かい合う溝構造で設けられ、ガイド部2200の端部にはシーリング部材2210が備えられ得る。
【0111】
ガイド部2200は遮水板2100の両側端部を支持するとともに、移動をガイドすることになる。この時、ガイド部2200と遮水板2100は遮水板2100の移動のための離隔空間を具備することになり、この離隔空間は浸水時に漏水が発生する恐れがある。
【0112】
シーリング部材2210は浸水や洪水時に水が漏れることを防止するためにガイド部2200の端部に配置され得る。
【0113】
一実施例として、シーリング部材2210はガイド部2200の端部に一側が固定され、他側は自由端構造を具備するように配置され得る。すなわち、シーリング部材2210は溝構造で設けられるガイド部2200に一側が固定され、他側は遮水板と接触しない自由端構造を具備することができる。遮水板2100とガイド部2200を密閉するためには、シーリング部材2210を通じて遮水板2100を固定することが最も効果が高い。しかし、本発明の遮水板2100の構造は平常時には底に配置されていて、浸水や洪水時に昇降する構造であって、固定形態にシーリングされ得ない。
【0114】
したがって、本発明のシーリング部材2210は一側がガイド部2200に固定され、他側が自由端形態で設けられて遮水板2100の昇降を妨害せず、遮水板2100が上昇し浸水が発生する場合、水圧を通じて水密構造を形成することができる。
【0115】
図14図9の遮水装置が底に設置された状態を示す図面であり、図15図9の遮水装置が底に配置時の開閉部2400と配置構造を示す図面であり、図16図15の開閉部2400の動作構造を示す図面である。
【0116】
図14図16を参照すると、本発明の実施例である遮水板2100は底に形成される挿入溝2160に配置され得る。
【0117】
このような遮水板2100は、平常時には歩行者の歩行を妨害しないために、底に形成される挿入溝2160に挿入される形態で配置され得る。しかし、挿入溝2160の端部すなわち、底に形成される入口が開放された状態で存在する場合、ゴミやその他の異物によって入口が詰まる問題が発生し得、これを通じて遮水板2100が動作しない問題が発生し得る。
【0118】
このような問題を防止するために、挿入溝2160の端部には回動可能な開閉部2400が備えられ得る。
【0119】
開閉部2400は一側にヒンジ構造で連結されて回転することができる。開閉部2400は平常時には挿入溝2160の端部を覆って異物の流入や歩行者事故を防止することができ、遮水板2100が上昇する場合、遮水板2100に押されて自動で開放される構造を具備することができる。
【0120】
一実施例として、開閉部2400の端部は傾斜または曲面の構造を具備することができる。
【0121】
これは平面状態で挿入溝2160の内部に存在する遮水板2100が上昇する場合、開閉部2400の一領域と接触することになる。開閉部2400の端部が傾斜または曲面の構造で設けられて、遮水板2100と接触時に回転を容易にすることができる。
【0122】
このように、本発明の一実施例である弾性部材2130を利用した遮水装置は、人が直接遮水板2100を設置せずとも浸水を遮断することができ、浸水状態に応じて昇降可能なように設けられて現場の状況に適切に対応できる効果がある。
【0123】
また、平常時に遮水装置に対する衝撃を弾性部材2130が吸収して耐久性を増大させ、浸水時に予期しない漏水現象を防止できる効果がある。
【0124】
以上、本発明の実施例について添付された図面を参照して具体的に詳察した。
【0125】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更および置換が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施例および添付された図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施例および添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0126】
1:遮水装置
10:底
20:側壁
1100:遮水板
1110:支持フレーム
1111:結合部
1113:挿入ホール
1120:連結部
1121:連結胴体
1123:挿入部
1125:突出部
1150:防水部材
1200:ガイドレール
1300:駆動部
1400:水位計
1500:制御部
2100:遮水板
2110:胴体部
2111:プレート
2112:突起部
2113:溝部
2114:回転軸
2130:弾性部材
2150:結合部
2160:挿入溝
2200:ガイド部
2210:シーリング部材
2300:駆動部
2310:駆動モータ
2320:ローラ
2330:連結部
2400:開閉部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図15
図16