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  • 特許-はさみ様式の血管シーラ 図1
  • 特許-はさみ様式の血管シーラ 図2
  • 特許-はさみ様式の血管シーラ 図3
  • 特許-はさみ様式の血管シーラ 図4
  • 特許-はさみ様式の血管シーラ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】はさみ様式の血管シーラ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
A61B18/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021521054
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019057212
(87)【国際公開番号】W WO2020082067
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】62/747,725
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイラーズ デレク
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-529927(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159600(WO,A1)
【文献】特表2016-504153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延び、前記第1の端部に関連付けられた第1の顎部を有する第1のシャフトであって、前記第1のシャフトが、前記長手方向軸からオフセットされたその中間部分に沿って位置付けられたタングを含む、第1のシャフトと、
第1の端部から第2の端部まで延び、前記第1の端部と関連付けられた第2の顎部を有する第2のシャフトであって、前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトのピボットを受容する所定の長さを有するスロットと、前記第2の端部から前記スロットまで第1の軸に沿って延びる第1の部分と、前記スロットの前記所定の長さに対して第2の軸に沿って延びる第2の部分と、前記スロットから前記第1の端部まで第3の軸に沿って延びる第3の部分とを含み、前記第2の軸が前記第1の軸に対して斜めであり、前記第3の軸が前記第1の軸に対して斜めであり、
前記第2のシャフトの一対の側壁と前記第1のシャフトの前記タングと前記スロットに位置付けられる一対のブッシングとを通って延びる枢動ピンによって、前記第2のシャフトが前記第1のシャフトの前記タングに枢動可能に連結され、
前記第2の軸と前記第3の軸とが、互いに対して28度で方向付けられる、電気外科用デバイス。
【請求項2】
前記第1のシャフトに沿って位置付けられ、前記第2のシャフトの前記第1の部分と接触する停止部をさらに備える、請求項1に記載の電気外科用デバイス。
【請求項3】
前記第2のシャフトの前記第1の軸、前記第2の軸、および前記第3の軸が、前記第1の顎部と前記第2の顎部とが互いに接触するとき、前記第2のシャフトの前記第1の部分が前記第1のシャフトの前記停止部と接触するように方向付けられる、請求項2に記載の電気外科用デバイス。
【請求項4】
前記第1のシャフトに取り付けられ、前記停止部を支持する電気外科用コントローラをさらに備える、請求項3に記載の電気外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月19日に出願された米国仮特許出願第62/747725号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、電気外科用血管シーラに関し、より具体的には、人間工学の改善のためのオフセットピボットを有する血管シーラに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
電気外科用血管シーラは、外科手術中の血管の閉塞および出血の停止に使用される。血管シーラの顎部は、顎部間にクランプされた血管の乾燥および密封のために、高周波(RF)エネルギを顎部に選択的に供給できる電気外科用発電機に相互接続されている。従来の血管シーラは、ユーザの起動に応答してヒンジが可能である顎部を有する。例えば、顎部は、共通のヒンジピンに接続されたシャフトの端部上に位置付けられてもよく、その結果、シャフトの他方の端部に位置付けられたハンドルまたは指グリップをユーザが動かすことに応答して、顎部ははさみになる。しかしながら、この構造配置は、エネルギの喪失ならびに非効率的なクランプおよびユーザの手の疲労をもたらす不均衡な力に起因して、機械的に非効率的である。したがって、効率的な機械的クランプを提供すると共に、ユーザ人間工学を最適化する血管シーラのヒンジを改善する必要性がある。開腹手術については、顎先端の視野を最大化する必要性もある。はさみ様式のデバイスは、かさばる場合があり、外科医の視野を特定の方向で減少させる。
【0004】
ほとんどの血管シールデバイスは、外科医がトリガを操作することによって手動で展開できるブレードを使用して組織を分割もする。顎をクランプ位置にして展開すると、ブレードはナイフトラックを通って両方の顎部の中心を下に移動する。クランプ部(シール面)と同じ平面上にある軸上でピボットするデバイスでは、ブレードはピボットの中心を通って移動する。ブレードが突出するためのスロットの隙間を提供し、十分な機械的安定性を提供するために、ピボット直径は大きく(6~7mm)、ピボットを収容するために広い部分を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、効率的なクランプを有すると共に、人間工学的設計を提供する血管シーラである。電気外科用デバイスは、第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延び、第1の端部に関連付けられた顎部を有する第1のシャフトを備える。第1のシャフトは、長手方向軸からオフセットされたその中間部分に沿って位置付けられたタングを含む。第2のシャフトは、第1の端部から第2の端部まで延び、第1の端部と関連付けられた第2の顎部を有する。第2のシャフトは、第1のシャフトのタングに枢動可能に連結される。第2のシャフトは、第1のシャフトのピボットを受容する所定の長さを有するスロットを含む。第2のシャフトが、第2の端部からスロットまで第1の軸に沿って延びる第1の部分を含む。第2のシャフトは、スロットの所定の長さに対して第2の軸に沿って延びる第2の部分を含む。第2のシャフトは、スロットから第1の端部まで第3の軸に沿って延びる第3の部分を含む。第2のシャフトは、スロットを画定する一対の側壁を含む。ピボットピンは、第2のシャフトの一対の側壁および第1のシャフトのタングを通って延びる。停止部は、第2のシャフトに沿って位置付けられる。第2のシャフトの第1の軸、第2の軸、および第3の軸は、第1の顎部と第2の顎部とが互いに接触するとき、第2のシャフトの第1の部分が第1のシャフトの停止部と接触するように方向付けられる。電気外科用コントローラは、第1のシャフトに取り付けられ、停止部を支持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読解することにより、より完全に理解され、認識されよう。
【0007】
図1】本発明に係る血管シーラの側面図である。
図2】本発明に係る血管シーラの反対側の側面図である。
図3】本発明に係る血管シーラのオフセットピボットの第1の斜視図である。
図4】本発明に係る血管シーラのオフセットピボットの第2の斜視図である。
図5】本発明に係る血管シーラのシャフトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を参照すると、同様の数字は、全体の同様の部分を指し、図1および図2には、本発明に係る血管シーラ10が示されている。血管シーラ10は、一対の顎部12および14を備え、その各々が対応するシャフト16および18の端部に取り付けられる。シャフト16および18の反対側の端部は、ユーザハンドルを形成し、したがって、ユーザによる容易な把持を可能にするために、シャフト16および18の各々に取り付けられた指穴20および22を含むことができる。シャフト16および18は、ピボット24によってその中間部分で互いに枢動可能に連結される。当業者によって認識されるはずであるが、血管シーラ10は、指穴20および22をはさみ動作で駆動して、顎部12および14を選択的に開閉する。電気外科用コントローラ24は、シャフト18に取り付けられて、顎部12および14に高周波(RF)エネルギを提供して、ユーザが、顎部12および14が治療される組織の周りで閉じているときに、顎部12および14に選択的に通電して電気外科手術を行うことを可能にする。
【0009】
ピボット24は、シャフト18の長手方向軸A-Aから横方向に延びるタング30を備える。タング30は、タング30を通って、両方向に外側に延びて、シャフト18と係合する、ピボットピン34を含む。シャフト18は、実質的に直線状であり、それにより、ピボット34はシャフト18の長手方向軸A-Aからオフセットされる。シャフト16は、第1の長手方向軸X-Xに沿って指穴20からピボット24に近接した点まで延びる。
【0010】
図3および図4を参照すると、シャフト16は、それを通して形成された長手方向スロット38を含み、2つの対向する側壁40および42を画定する。スロット38は、側壁40および42がタング30の両側に位置付けられるように、タング30を受容する寸法である。側壁40および42は、ピボットピン34を受容するための対応するピボット穴42および44を含み、それにより、連結シャフト16をシャフト18に対して枢動させる。一対のブッシング46および48を、ピボットピン34のまわりのスロット38に位置付けて、シャフト16および18の互いの連結を係合し支持することができる。ピボット穴42および44から、シャフト16の側壁40および42は、軸X-Xに対して傾斜している第2の長手方向軸Y-Yに沿って延びる。 顎部12および14に近接した点において、側壁40および42は互いに接合してスロット38を閉じ、軸X-Xおよび軸Y-Yの両方に傾斜する第3の軸Z-Zに沿って延びる。図2に示すように、軸X-X、軸Y-Y、および軸Z-Zは、顎部12および14が、シャフト16および18が枢動した点で互いに完全に係合するように、互いに対して位置付けられ、その結果、シャフト16は、電気外科用コントローラ24の側面上に位置付けられるものとして示された、シャフト18の関連付けられた停止部48にちょうど接触する。図5には、図5に示す特定の寸法を有するデバイスの軸Y-Yに対する軸Z-Zの好ましい角度関係が、インチで示されている。より具体的には、軸Z-ZとY-Yとの間の角度は、ピボットと顎部の中心線との間のオフセットが6.5ミリメートルである、44.3ミリメートルの顎部全長に対して約28度である。
【0011】
本発明のオフセット34ピボットは、デバイス10のかさばりを低減し、特定の方向で外科医の視野を広げる(中心にあるピボットと比較して)。さらに、ピボットのオフセットによって、シャフトが回転するためのより小さな直径のピン(例えば、2mm)の使用が可能になり、それによってデバイスのかさばりを低減し、所望の場合、ブレードを移動させる場所を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5