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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】加湿フィルター構造
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20221207BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20221207BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
F24F6/00 C
F24F6/04
F24F13/28
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021531436
(86)(22)【出願日】2018-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2018125550
(87)【国際公開番号】W WO2020113740
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】201822039166.0
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄継華
(72)【発明者】
【氏名】劉高源
(72)【発明者】
【氏名】劉国玉
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0044558(KR,A)
【文献】特開2014-066475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/04
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清浄機に用いられる加湿フィルター構造であって、前記清浄機は風路及び前記風路の外側に設置されている水槽を含み、前記加湿フィルター構造は蓋体と加湿フィルター組立体とを含み、
前記蓋体は取り外し可能に接続されている上蓋と下蓋を含み、前記上蓋と前記下蓋とが双方で囲んで一つの取り付け空間を形成しており、
前記加湿フィルター組立体は前記取り付け空間内に取り付けられており、且つ前記加湿フィルター組立体は互いに接続されている吸水部と加湿部を含み、前記吸水部が前記水槽内に延在しており、前記加湿部が前記風路と連通しており、
前記加湿フィルター組立体は加湿フィルター本体と第一の水よけとを含み、前記第一の水よけは前記加湿フィルター本体の底部に密着しており、前記加湿フィルター本体には前記吸水部と前記加湿部が形成されており、
前記加湿フィルター組立体はさらに第二の水よけを含み、前記第二の水よけは前記加湿フィルター本体の前記第一の水よけと反対の側に密着しており、前記風路内の空気は前記第一の水よけから前記第二の水よけへ向かう方向に沿って流れることが可能である
ことを特徴とする加湿フィルター構造。
【請求項2】
前記下蓋は取り付け部、支持部及び前記取り付け部と支持部を接続している接続部を含み、
前記取り付け部は前記支持部の外側を取り囲み、且つ前記上蓋と接続されているとともに、前記支持部は前記上蓋側へ凸設されて延在している
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿フィルター構造。
【請求項3】
前記取り付け部の前記上蓋に面した側には継ぎ合わせ切り欠きが形成されており、前記継ぎ合わせ切り欠きは前記上蓋と嵌合できる
ことを特徴とする請求項2に記載の加湿フィルター構造。
【請求項4】
前記下蓋はさらに支持フレームを含み、前記支持フレームが前記支持部の内側に接続されており、
前記吸水部が前記加湿部の底部に接続されているとともに、前記吸水部が前記支持部の側壁と互いに密着しており、前記加湿部は前記支持部の頂部に位置し且つ前記支持フレームと当接されている
ことを特徴とする請求項2に記載の加湿フィルター構造。
【請求項5】
前記上蓋は互いに接続されている位置制限部とストッパーを含み、前記位置制限部は前記取り付け部に接続されて且つ前記吸水部と互いに密着しており、前記ストッパーが前記加湿部の前記吸水部と反対の側に当接されている
ことを特徴とする請求項4に記載の加湿フィルター構造。
【請求項6】
前記上蓋と前記下蓋とのうちの一方が係着具を有し、他方が係着位置を有し、前記係着具が前記係着位置に係合され、前記上蓋と前記下蓋とを互いに被せ合わせ、
記第一の水よけはグリッド構造であり、且つ/又は前記第二の水よけはグリッド構造である
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿フィルター構造。
【請求項7】
前記吸水部と前記加湿部は一体構造であり、
前記吸水部と前記加湿部とが接続されて平面構造を形成しており、前記蓋体の側壁には退避口が設けられており、前記吸水部が前記退避口を通って前記水槽内に延在しており、前記加湿部は前記取り付け空間内にあり、
前記蓋体の材質はプラスチックであり、
前記吸水部と前記加湿部の材質はスポンジ吸水材料、脱脂綿吸水材料とシリカゲル吸水材料の中の少なくとも一つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の加湿フィルター構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は2018年12月05日に提出された、出願番号が201822039166.0で、発明名称が「加湿フィルター構造及び清浄機」である中国特許出願の優先権を主張し、その全文を参考としてここに援用する。
【0002】
本願は清浄機の技術分野に関し、特に加湿フィルター構造に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の清浄機では、その多くは加湿フィルターを清浄機の風路に取り付け、加湿フィルター自身の吸水性を利用して、加湿フィルターに水を吸わせて湿らせる一方、空気を湿らせた加湿フィルターを通らせて水分を含ませることで、加湿の効果を果たしている。
【0004】
しかしながら、加湿フィルターは、使用において水中のイオンが水分の蒸発に伴って析出するので、長期間経過すると水垢が形成されて、加湿効果に影響を及ぼしてしまう。しかしながら、加湿フィルターの取り付け過程が複雑で、取り外しての洗浄やメンテナンスが不便であり、使用者の使用コストを増加させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、取り外しての洗浄やメンテナンスを容易にして、使用者の使用コストを下げるための加湿フィルター構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本願が提案する加湿フィルター構造は清浄機に用いられ、前記清浄機は風路及び前記風路の外側に設置されている水槽を含み、前記加湿フィルター構造は蓋体と加湿フィルター組立体とを含み、
前記蓋体は取り外し可能に接続されている上蓋と下蓋を含み、前記上蓋と前記下蓋とが双方で囲んで一つの取り付け空間を形成しており、
前記加湿フィルター組立体は前記取り付け空間内に取り付けられており、且つ前記加湿フィルター組立体は互いに接続されている吸水部と加湿部を含み、前記吸水部が前記水槽内に延在しており、前記加湿部が前記風路と連通している。
【0007】
好ましくは、前記下蓋は取り付け部、支持部及び前記取り付け部と支持部を接続している接続部を含み、
前記取り付け部は前記支持部の外側を取り囲み、且つ前記上蓋と接続されているとともに、前記支持部は前記上蓋側へ凸設されて延在している。
【0008】
好ましくは、前記取り付け部の前記上蓋に面した側には継ぎ合わせ切り欠きが形成されており、前記継ぎ合わせ切り欠きは前記上蓋と嵌合できる。
【0009】
好ましくは、前記下蓋はさらに支持フレームを含み、前記支持フレームが前記支持部の内側に接続されており、
前記吸水部が前記加湿部の底部に接続されているとともに、前記吸水部が前記支持部の側壁と互いに密着しており、前記加湿部は前記支持部の頂部に位置し且つ前記支持フレームと当接されている。
【0010】
好ましくは、前記上蓋は互いに接続されている位置制限部とストッパーを含み、前記位置制限部は前記取り付け部に接続されて且つ前記吸水部と互いに密着しており、前記ストッパーが前記加湿部の前記吸水部と反対の側に当接されている。
【0011】
好ましくは、前記上蓋と前記下蓋とのうちの一方が係着具を有し、他方が係着位置を有し、前記係着具が前記係着位置に係合され、前記上蓋と前記下蓋とを互いに被せ合わせ、前記加湿フィルター組立体は加湿フィルター本体と第一の水よけとを含み、前記第一の水よけは前記加湿フィルター本体の底部に密着しており、前記加湿フィルター本体には前記吸水部と前記加湿部が形成されており、前記加湿フィルター組立体はさらに第二の水よけを含み、前記第二の水よけは前記加湿フィルター本体の前記第一の水よけと反対の側に密着しており、前記風路内の空気は前記第一の水よけから前記第二の水よけへ向かう方向に沿って流れることが可能であり、前記第一の水よけはグリッド構造であり、且つ/又は前記第二の水よけはグリッド構造である
【0012】
好ましくは、前記吸水部と前記加湿部は一体構造であり、前記吸水部と前記加湿部とが接続されて平面構造を形成しており、前記蓋体の側壁には退避口が設けられており、前記吸水部が前記退避口を通って前記水槽内に延在しており、前記加湿部は前記取り付け空間内にあり、前記蓋体の材質はプラスチックであり、前記吸水部と前記加湿部の材質はスポンジ吸水材料、脱脂綿吸水材料とシリカゲル吸水材料の中の少なくとも一つを含む
【0021】
本願の技術案では、加湿フィルター組立体の吸水部が清浄機の水槽内に延在しているので、吸水部で水槽内の水分を吸収して、かつ水分を吸水部と繋がっている加湿部に伝わらせて加湿部を湿らせることができる。一方、加湿フィルター組立体の加湿部が清浄機の風路内に設置されているので、風路中の空気が加湿部を流れる時に、加湿部の水分を取り去って、流れ出る空気を加湿することができる。さらに、加湿フィルター組立体が蓋体に形成されている取り付け空間内に取り付けられ、この蓋体が取り外し可能に接続されている上蓋と下蓋を含むので、加湿フィルター組立体が水を吸って重くなった時、蓋体はそれを支持して固定できるだけではなく、上蓋と下蓋を取り外すことで、加湿フィルター組立体内の水垢を簡単に洗浄して、定期的にメンテナンスや保守を行うことができ、頻繁に交換することなく、使用者の使用コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
図1】本願の加湿フィルター構造の一実施例の構造模式図である。
図2図1における平面構造模式図である。
図3図2におけるA―A方向の断面図である。
図4】本願の加湿フィルター構造の一実施例の分解模式図である。
図5】本願の加湿フィルター構造のもう一つの角度からの分解模式図である。
図6】本願の加湿フィルター構造の下蓋の一実施例の構造模式図である。
図7】本願の加湿フィルター構造の加湿フィルター組立体の一実施例の分解模式図である。
図8】本願の加湿フィルター構造の加湿フィルター組立体の片側断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0024】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得た全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0025】
本願実施例での全ての方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後...)は、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、移動状況等を説明するためだけに用いられるのであって、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれ相当に変わることは、説明しておく必要がある。
【0026】
本願において、別途明確な規定や限定がない限り、「接続」、「固定」などの術語は広義に理解すべきである。例えば、「固定」は固定的な接続でもよく、取り外し可能な接続でもよく、或いは一体としてもよく、機械的接続でもよく、電気的接続でもよく、直接につながってもよく、中間にある媒介物によって間接的につながってもよく、二つの素子内部の連通或いは二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況により上記術語の本願における具体的な意味を理解できる。
【0027】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその前提である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0028】
図1から図8を参照し、本願では加湿フィルター構造100を提案する。
【0029】
本願の実施例において、この加湿フィルター構造100は清浄機(図示せず)に用いられ、清浄機は風路(図示せず)及び風路の外側に設置されている水槽(図示せず)を含み、加湿フィルター構造100は蓋体2と加湿フィルター組立体3とを含む。
【0030】
蓋体2は取り外し可能に接続されている上蓋21と下蓋22を含み、上蓋21と下蓋22とが双方で囲んで一つの取り付け空間(図示せず)を形成しており、加湿フィルター組立体3はこの取り付け空間内に取り付けられており、一方、加湿フィルター組立体3は互いに接続されている吸水部301と加湿部302を含む。
【0031】
本実施例において、清浄機の風路が清浄機の内部と外部とを貫通し、清浄機の水槽が環状に設置され、且つ風路の外側を取り囲んでおり、吸水部301は水槽内に延在しており、加湿部302は風路と連通している。したがって、吸水部301が水槽内の水分を吸った後で、水分を加湿部302に案内して転移させて、加湿部302を濡らして、風路中の空気が加湿部302を流れる時にその中の水気を持ち去ることで、空気を加湿することが可能である。好ましい実施例において、加湿部302と風路中の空気流れとは互いに垂直に設置さていることで、加湿部302を風当り面位置に位置させる。こうして、空気が加湿部302を流れる時、加湿部302と空気との接続面積を最大限に増やして、加湿の効果をよりよくすることが可能である。
【0032】
蓋体2の材質はプラスチック材質、例えば、良好な靭性及び一定の表面硬度を有する、アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)との三つのモノマーの三元共重合体(ABS)材料としてもよく、吸水部301が水分を吸って加湿フィルター組立体3全体が重くなった場合、蓋体2は加湿フィルター組立体3の重さを受けて、弛みや崩れが生じる現象を防ぐ。具体的に、加湿フィルター組立体3は上蓋21と下蓋22とが囲んでなる取り付け空間内に嵌めることが可能であるが、上蓋21と下蓋22はいずれも風路と連通している通風口(図示せず)に設けられているので、加湿フィルター組立体3と上蓋21及び下蓋22との間は何れも密着することが可能で、取り付け後に隙間が存在することでガタガタすることがないだけではなく、通風口により加湿部302が風路の中の空気と十分に接触できるようにして、空気の流通に有利である。
【0033】
本願の技術案によれば、吸水部301を清浄機の水槽内に延在させて、吸水部301の吸水性を利用して、水分を吸水部301と繋がっている加湿部302に転移させて加湿部302を濡らしているが、加湿フィルター組立体3の加湿部302を清浄機の風路内に設置することで、風路中の空気が加湿部302を流れる時に、加湿部302の水気を持ち去って、流れ出る空気を加湿することが可能である。また、加湿フィルター組立体3が蓋体2に形成されている取り付け空間内に取り付けられているので、加湿フィルター組立体3が水を吸って重くなった時、崩れを防ぐように、蓋体2はそれを支持と固定することが可能である。一方、取り外し可能に接続されている上蓋21と下蓋22を利用することで、加湿フィルター組立体3を頻繁に交換することなく、加湿フィルター組立体3を便利に取り外して水垢の洗浄と定期的なメンテナンス保守を行って、使用者の使用コストを下げることが可能である。
【0034】
さらに、図6を組み合わせて、下蓋22は取り付け部221、支持部223及び接続部222を含み、接続部222は取り付け部221と支持部223を接続し、取り付け部221は支持部223の外側を取り囲み、且つ上蓋21と接続されているとともに、支持部223は上蓋21側へ一定の距離延在するように凸出して設けられている。
【0035】
支持部223はフレーム状に設けられ、取り付け部221は支持部223の外側を取り囲んでいるとともに同様にフレーム状に設けられているが、取り付け部221の寸法が支持部223の寸法より大きいので、取り付け部221と支持部223の外側壁との間に一定の間隔が形成されており、取り付け部221と上蓋21とが接続されると、支持部223の外側壁とともに囲い合って加湿フィルター組立体3の取り付け用に取り付け空間を形成できる。一方、支持部223が上蓋21側へ凸出して設けられていることで、支持部223の高さが取り付け部221より高く、下蓋22が全体として隆起構造を形成しており、加湿フィルター組立体3を蓋体2と組み立てると、吸水部301がよりよく水槽内の水に接触でき、吸水効果がよりよくなる。
【0036】
本実施例における取り付け部221、接続部222及び支持部223はモールド成型により一体構造として形成されてもよく、粘着又は溶接などの本分野常用の方法により、取り付け部221、接続部222と支持部223を固定して接続してもよく、接続の安定性を保証するために、接続部222は均一に間隔をあけて複数設けてもよい。本技術案において、取り付け部221の上蓋21に面した側にはさらに継ぎ合わせ切り欠き2211が形成されており、上蓋21と下蓋22とが被せられると、この継ぎ合わせ切り欠き2211は上蓋21における切り欠き(図示せず)と完全に一致して、上蓋21と下蓋22との継ぎ合わせ後の外面をより平らにすることができる。
【0037】
一実施例において、図4図6を組み合わせて、下蓋22はさらに支持フレーム225を含み、支持フレーム225が支持部223の内側に接続され、吸水部301が加湿部302の底部に接続されているとともに、吸水部301が支持部223の側壁と互いに密着しており、加湿部302は支持部223の頂部に位置し且つ支持フレーム225と当接されている。具体的にいうと、支持フレーム225は縦横交差している構造であるとともに、支持部223内側の最上部に接続されて、支持部223と一体成型されてもよく、加工を容易にする。吸水部301が加湿部302底部の外周縁に接続されているので、吸水部301と加湿部302も隆起構造を形成しており、且つ下蓋22が形成した隆起構造と嵌合できるが、吸水部301が支持部223の外側壁と上蓋21の側壁との間の取り付け空間内に嵌められて、加湿部302は支持フレーム225と互いに当接されているとともに、支持フレーム225で加湿部302の重力負荷を支えている。吸水部301を水槽内に伸ばすと、吸水部301の底部で水槽内から水分を汲み取るが、水分が加湿部302に転移すると、加湿部302を濡らして重くする。この場合、支持フレーム225で濡れた重い加湿部302を支持することで、下蓋22から崩れ落ちるのを回避することが可能である。
【0038】
本実施例では、吸水部301と加湿部302は一体構造であるので、吸水部301と加湿部302との間に継ぎ合わせによる隙間が生じることはなく、吸水部301が水分を汲み取った後にそれを迅速に加湿部302に転移させることが可能で、水分転移の効率を向上させることができるとともに、加湿効果がよりよくなる。
【0039】
もう一つの実施例において、上蓋21と下蓋22とが被せられると、蓋体2の側壁に一本の連続的な退避口(図示せず)が形成され、吸水部301が加湿部302の外側壁に接続されるが、吸水部301と加湿部302とが互いに接続されると、それらが全体として平面構造を形成する一方、加湿部302が上蓋21と下蓋22とが被せられてなる取り付け空間内にあって、吸水部301の方は退避口から延出して水槽内の水と接触する。この時、水分が周りの吸水部301から中心の加湿部302に転移して拡散して、且つ最終的に風路内の空気によって持ち去られる。
【0040】
図4を組み合わせて、本願の技術案において、上蓋21は互いに接続されている位置制限部212とストッパー211を含み、位置制限部212は取り付け部221に接続されて且つ吸水部301と互いに密着しており、ストッパー211が加湿部302の吸水部301と反対の側に当接されている。位置制限部212とストッパー211とが一体成型により加工され、構造の安定性がよく、実際の応用において、吸水部301が水を吸うと、水分の含有量で吸水部301の体積に一定の発泡と膨張が生じるが、上蓋21の位置制限部212と吸水部301とが互いにくっつくと、吸水部301を挟持して、吸水部301の膨張で膨出するのを有効に回避できる。一方では、清浄機のファンが起動すると、風路中の風力が比較的大きく、ストッパー211により加湿部302の位置を制限して止めることにより、吹かれて抜けるのを避けることが可能である。
【0041】
本願の実施例において、図4図5を組み合わせて、上蓋21と下蓋22とのうちの一方が係着具224を有し、他方が係着位置213を有し、係着具224が係着位置213に係合されるとともに、上蓋21と下蓋22とを互いに被せ合わせる。具体的に、下蓋22の取り付け部221に係着具224を設けて、且つ上蓋21の位置制限部212内に係着位置213を設けて上蓋21を下蓋22と互いに被せ合わせる必要がある時に、係着具224を係着位置213内に係合させることで、上蓋21と下蓋22とを互いに固定することができる。上蓋21と下蓋22を互いから取り外す必要がある時、上蓋21と下蓋22を分離させるように、係合箇所に外力を加えて、蓋体2の材料自身が一定の弾性を有するので、係着具224を係着位置213から迅速に離脱させることができる。勿論、他の実施例において、上蓋21と下蓋22はねじにより接続されてもよいが、本願ではそれついて制限しない。
【0042】
本願の一実施例において、図7図8を組み合わせて、加湿フィルター組立体3は加湿フィルター本体30と第一の水よけ31とを含み、第一の水よけ31は加湿フィルター本体30の底部に密着しており、加湿フィルター本体30には吸水部301と加湿部302が形成されている。具体的に、吸水部301と加湿部302はいずれもスポンジ吸水材料、脱脂綿吸水材料とシリカゲル吸水材料の中の少なくとも一つを含み、良好な吸水性を持つ。実際では、吸水部301が水を過度に吸い込んだ場合、加湿部302に水玉として合流して且つ風路中に落ちて、床面を濡らしてしまうが、第一の水よけを設置することで、水玉になって風路に落ちるのを有効に防止できる。
【0043】
さらに、図7図8を組み合わせて、加湿フィルター組立体3はさらに第二の水よけ32を含み、第二の水よけ32は加湿フィルター本体30の第一の水よけ31と反対の側に密着しており、風路内の空気は第一の水よけ31から第二の水よけ32へ向かう方向に沿って流れることが可能である。通常の場合、使用者が清浄機を使用する場合、清浄機の段階を調整することで清浄機の送風の大きさを調整する。例えば、使用者が段階を大きく調整して清浄機の送風風力を多くしたとすると、この時、突然大きくなった風速により、加湿フィルター本体30内に隠れている水分を吹き出して水滴を形成して、室内に落としてしまう。第二の水よけ32を設置することで、清浄機の内部から外部に吹く空気の中に水滴が含まれるのを防止して、使用者の体験を向上させることが可能である。
【0044】
具体的に、第一の水よけ31又は第二の水よけ32はグリッド構造であり、或いは同時に第一の水よけ31と第二の水よけ32をグリッド構造として設置する。そして、第一の水よけ31と第二の水よけ32の具体的な材料としては合成繊維又はナイロン材料を利用して、魚網に似た構造を形成して、接着や縫製の方法で加湿フィルター本体30と固定的に接続してもよい。一般的に言うと、第一の水よけ31と第二の水よけ32が形成するグリッド構造のメッシュ直径寸法は少なくとも0.02mmで且つ0.05mmを超えない。加湿部302の水分が水滴を形成して風路に落ちようとする時或いは風路から吹き出されようとする時、第一の水よけ31と第二の水よけ32は水滴の形成を阻止して、且つ水分を第一の水よけ31又は第二の水よけ32の表面に付着させて、グリッドのメッシュの中に水膜を形成させて、空気の流れに伴って蒸発させることが可能である。
【0045】
本願はさらに清浄機を提案する。この清浄機は加湿フィルター構造100を含み、この加湿フィルター構造100の具体的構造については上記実施例を参照する。本清浄機は上記全ての実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記実施例の技術案がもたらす全ての有益効果を有し、ここでは改めて逐一説明しない。
【0046】
以上に述べたのは本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の特許範囲を制限するわけではない。本願の出願構想の下で、本願の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100 加湿フィルター構造
2 蓋体
21 上蓋
211 ストッパー
212 位置制限部
213 係着位置
22 下蓋
221 取り付け部
222 接続部
223 支持部
224 係着具
225 支持フレーム
3 加湿フィルター組立体
30 加湿フィルター本体
301 吸水部
302 加湿部
31 第一の水よけ
32 第二の水よけ
2211 継ぎ合わせ切り欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8